令和元年度 中小企業実態調査事業 (エンジェル税 …(d)national venture capital...

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令和元年度 中小企業実態調査事業 (エンジェル税制活用による地方ベンチャー企業活性化に係る調査委託事業) 報告書 令和元年11月

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令和元年度 中小企業実態調査事業

(エンジェル税制活用による地方ベンチャー企業活性化に係る調査委託事業)

報告書

令和元年11月

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白紙

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目次

Ⅰ.調査研究の概要 ........................................................ - 1 -

1. 背景及び目的 ...................................................................... - 1 -

2. 調査研究の手法 .................................................................... - 1 -

Ⅱ.日米欧におけるエンジェル投資・ベンチャー投資の動向 .................... - 3 -

1. ベンチャー投資の動向 .............................................................. - 4 -

2. エンジェル投資の動向 .............................................................. - 9 -

3. エンジェル投資の促進に向けた近年の主な動向とエンジェル税制の利用実態 ............. - 12 -

Ⅲ.我が国における中小・ベンチャー企業の資金調達の動向とエンジェル税制の活用実態

......................................................................... - 17 -

1. 調査概要 ......................................................................... - 17 -

2. 調査結果 ......................................................................... - 21 -

Ⅳ.我が国における個人投資家等の投資動向とエンジェル投資の活用実態 ....... - 41 -

1. 調査概要 ......................................................................... - 41 -

2. 調査結果 ......................................................................... - 45 -

Ⅴ.我が国におけるリスクマネー供給の活性化・高度化に向けた基盤整備の在り方 - 75 -

1. エンジェル投資の活性化に向けた制度改変/拡充の在り方 .............................. - 75 -

2. 地域部におけるリスクマネー供給の活性化策 ......................................... - 77 -

3. シード/アーリー期におけるリスクマネー供給手段の多様化策 .......................... - 80 -

資料Ⅰ ................................................................... - 82 -

資料Ⅱ ................................................................... - 93 -

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白頁

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- 1 -

Ⅰ.調査研究の概要

1. 背景及び目的

我が国の開業率が諸外国と比較し低水準であり開業率の引上げが急務である中、低金利下で眠って

いる個人の現預金を、今後の成長が見込めるベンチャー企業への投資に結びつけ、民間どうしの資金

循環を促進することで、資金需要旺盛なベンチャー企業を支援することが重要である。

しかしながら、我が国の企業活動やベンチャー企業に対する資金供給等は欧米と比較して高水準に

あるとはいえず、特にベンチャー企業創出のために重要な、スタートアップ企業への資金供給の促進

を図ることは重要な課題である。

政府ではこれまで、個人投資家による創業間もないベンチャー企業に投資をした個人投資家(いわ

ゆるエンジェル投資家)に、税制優遇措置を講じるエンジェル税制を実施しており、都市部では利用

実績は増加傾向にあるが、依然として利用実績は低い水準に留まっており、特に地方のベンチャー企

業においては、利用実績が少なく、個人投資家によるリスクマネー供給は十分に行われていない。

上記の現常認識を踏まえ、国内における中小企業や投資家等について、ベンチャー企業への投資状

況含め、エンジェル税制利用実態等の政策的な効果について定量的な検証等を行い、制度の今後のあ

り方についての分析・検討を実施し、方向性を見出すことを目的に調査を行った。

2. 調査研究の手法

(1)調査の方法

(ⅰ)文献調査

日米欧におけるエンジェル投資の動向を調査することを目的として文献調査を行い、国内外のリス

クキャピタルの動向について明らかにした。

(ⅱ)アンケート調査

①中小・ベンチャー企業向けアンケート調査

エンジェル投資の対象となり得る中小・ベンチャー企業の資金調達の実態と、エンジェル税制の認

知・活用状況等を把握し、今後の制度改正の検討に向けた基礎資料とするため、国内中小企業に対し

てアンケート調査を実施した。

郵送によるアンケート依頼状を発送し、回答をウェブから行う形式によって行った。5,000 社に対し

て発送し(宛先不明や住所変更等による返送 49 社、有効発送数 4,951 社)、202 件(回収率 4.1%)の

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回答を得た。

②個人向けアンケート調査

一般個人における投資行動、社会貢献活動、ベンチャー企業への投資に関する意向および実態やエ

ンジェル税制の認知度などについて明らかにするために、一般個人に対してアンケート調査を実施し

た。

ウェブアンケートを通じたアンケートを実施し、10,000 人に発信し、3,792 人(回収率 37.9%)の

回答を得た。

(ⅲ)ヒアリング調査

各種結果の分析を行うため、エンジェル投資や資金調達に精通した有識者に対するヒアリング調査

を実施した。

地方におけるエンジェル投資の活性化の取り組み1件、地方・都市部のベンチャーキャピタル2社、

資本政策に精通した有識者1名、公認会計士1名を対象とした。

(2)調査項目

我が国におけるエンジェル投資の一層の促進を図るため、本調査事業において検討/検証すべきと考

えられる主な調査項目を下記の通り設定した。

・個人投資家をエンジェル投資に向かわせる環境整備のあり方はどのようなものか

・エンジェル投資を行う可能性がある個人投資家の属性や投資の特性はどのようなものか

・地方部におけるリスクマネー供給の活性化のための方策はどのようなものが考えられるか

・個人投資家・ベンチャー企業の双方のリテラシーを向上させ、マッチングさせるにはどうしたらよ

いか

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Ⅱ.日米欧におけるエンジェル投資・ベンチャー投資の動向

本章では、日米欧におけるエンジェル投資・ベンチャー投資の動向を公開文献および有識者へのヒ

アリング結果から概観する。なお、公開文献として活用した主な統計資料は以下のとおりである。

(日本の動向)

(a)ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャーキャピタル等投資動向速報」(2019)

(b)ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャー白書 2018」(2018)

(C)経済産業省「ベンチャー支援に関する取組について」、中小企業庁「エンジェル税制の実績」

(米国の動向)

(d)National Venture Capital Association「Year Book」(2019)

(e)University of New Hampshire Center for Venture Research “Angel Market Analysis Report”

(f)Angel Capital Association“ The American Angel”(2017)

(欧州の動向)

(g)Invest Europe「European Private Equity Activity 2018」(2018)

(h)European Business Angel Networks( EBAN)“ Statistics Compendium European Early Stage

Market Statistics 2017”(2017)

以降、出典の記載において、上記の統計資料については(a)から(h)の記号を用いている。

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1. ベンチャー投資の動向

(1)ベンチャー企業への投資額

日本、米国、欧州におけるベンチャーキャピタルによる投資額は近年軒並み増加傾向にあり、中で

も日本の成長率は高い傾向にある。しかしながら、米国や欧州と比べると投資額には大きな開きがあ

る。

図表Ⅱ-1 ベンチャーキャピタルによる投資額の推移と 5年間成長率

1,171 1,302 1,529 1,976 2,706

78,391

91,64085,016 91,640

144,637

63,48072,605 75,864

98,154105,062

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

2014 2015 2016 2017 2018

日本 米国 欧州(VC+PE)

(億円)

日本:

年間成長率

23.3%

欧州:

年間成長率

13.4%

米国:

年間成長率

16.5%

(出典)(a)(d)(g)

なお、欧州は VC投資だけでなく PE投資も含まれた金額

円換算の為替レートは 2018年の平均レート(110.41円/ドル、130.35円/ユーロ)を活用

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- 5 -

ベンチャー企業への投資規模を経済活動比(名目 GDP 比)でみると、日本は 0.05%である。米国の

0.64%と比べて 1/10以下となっている。

図表Ⅱ-2 ベンチャーキャピタルによる投資額の GDP比率(2018年)

0.05%

0.64%

0.00%

0.20%

0.40%

0.60%

0.80%

日本 米国

(出典)(a)(d)

米国の名目 GDPは IMF「World Economic Outlook」を、日本の名目 GDPは内閣府「国民経済計算」を利用

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(2)ベンチャー企業への投資の特徴

投資金額をステージ別にみると、日本では VC 等のプロフェッショナルな投資家が増加してきたこと

に伴いシードやアーリーステージでの投資も欧米と遜色ない割合になりつつある。しかし、日本では

シード・アーリーステージに焦点を当てて投資を行う独立系の VC は数社に留まっており、創業直後の

リスクマネー供給は十分ではないという指摘が有識者からあった。

図表Ⅱ-3 日本におけるベンチャーキャピタルによる投資金額のステージ構成

19.1 14.7 20.5

43.6 46.745.3

26.6 27.9 24.9

10.7 10.6 9.2

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2016 2017 2018

シード アーリー エクスパンション レーター

(出典)(a)(b)

図表Ⅱ-4 日米欧におけるベンチャーキャピタルによる投資金額のステージ構成(2018年)

日本 米国 欧州

20.5

45.3

24.9

9.2

シード アーリー エクスパンション レーター

(%)

7.5

41.0

82.4

エンジェル/シード アーリー レーター

(%)

8.5

59.8

31.7

シード スタートアップ レーター

(%)

(出典)(a)(d)(g)

なお、日本と米国、欧州のステージ区分の定義は以下の通りである

日本 米国 欧州シード エンジェル/シード シードアーリー アーリー スタートアップエクスパンションレーター

レーター レーター

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- 7 -

また、投資金額を業種別にみると日米欧で顕著な差があるとはいえず、米国と同様に IT 関連が中心

である。ただし、欧州のように多様な業種に投資が行われている現状ではない。

図表Ⅱ-5 日本におけるベンチャーキャピタルによる投資金額の業種構成

3.9 7.7 4.89.8

9.1 10.1

15.7 12.7 14.5

8.2 5.6 4.9

10.4 17.913.5

5.83.3

3.9

5.1 3.67.4

38.8 37.6 39.7

2.3 2.5 1.3

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2015 2016 2017

通信・ネットワーキング及び関連機器

コンピュータ、ITサービス

ソフトウェア

半導体、電機一般

バイオ、製薬

医療機器、ヘルスケアサービス

工業、エネルギー、その他産業

メディア、娯楽、小売、消費財

金融・不動産、法人向けサービス

(出典)(b)

図表Ⅱ-6 日米欧におけるベンチャーキャピタルによる投資金額の業種構成

日本(2017年度) 米国(2018年) 欧州(2018年)

35.8

13.3

5.2

4.5

4.1

2.0

1.7

1.3

1.0

31.0

0 20 40

ソフトウェア

医薬品/バイオテック

医療サービス・システム

医療機器・用品

商業サービス

消費財/娯楽

ITハードウェア

エネルギー

メディア

その他

(%)

1.3

39.7

7.4

3.9

13.5

4.9

14.5

10.1

4.8

0.0 20.0 40.0 60.0

通信・ネットワーキング

コンピュータ、ITサービス

ソフトウェア

半導体、電機一般

バイオ、製薬

医療機器、ヘルスケア

工業、エネルギー、その他

メディア、娯楽、小売

金融・不動産

(%)

22.2

22.2

19.1

14.2

7.6

4.7

4.1

2.8

2.3

0.6

0.5

0.8

0 10 20 30

ICT

法人向け製品/サービス

消費財/サービス

バイオテック/医療

金融/保険

エネルギー/環境

化学/素材

運搬

建設

農業

不動産

その他

(%)

(出典)(b)(d)(g)

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(3)EXIT動向

ベンチャーキャピタルが投資を行ったベンチャー企業による M&A 件数と IPO 件数の比率をみると、

日本では M&A の比率が近年増加しつつあるが、欧米と比べると M&A の比率は低く、いまだに 3 分の 1

程度に留まっている。

図表Ⅱ-7 日本の M&A件数と IPO件数の比率の推移 図表Ⅱ-8M&A件数と IPO件数の比率(2017年)

35.3

92.7

67.2

64.7

7.3

32.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

日本

米国

欧州

M&A IPO

23.7%30.8%

41.7% 35.3%

76.3%69.2%

58.3% 64.7%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2014 2015 2016 2017

M&A IPO

(出典)(b)(d)(g)

また、日本の EXIT 後の企業価値も諸外国に比して小さい。たとえば IPO 時の初値時価総額について

は日本が 284 億円なのに対して米国は 1,035 億円であり、米国の 3 割程度である。このため、IPO 後の

創業者が得るキャピタルゲインは米国と比べると 1/3 以下と少なく、創業者がエンジェル投資家に転

身した場合の個人金融資産と投資規模に相応に影響を与えるものと考えられる。

図表Ⅱ-9 IPOを行ったベンチャー企業の初値時価総額(2018年)

284

1,035

0

200

400

600

800

1,000

1,200

日本 米国

(億円)

(出典)日本はあずさ監査法人「2018年の IPO動向について」におけるマザーズ、ジャスダック上場企業の初値時価

総額の平均額を計算した

米国は National Venture Capital Association「Year Book」(2019)の VC Backed IPO の Post Valueを利

用した

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- 9 -

2. エンジェル投資の動向

我が国におけるエンジェル投資の動向について、エンジェル税制の利用実績による投資額からみる

と、投資額は近年増加傾向にある。これは、2008 年度における税制の改正(優遇措置 A の導入)、対象

企業の確認事務の都道府県への移管による手続きの利便性の向上(2016 年度)などの制度の改善や、

近年の経済情勢によるものと考えられる。

図表Ⅱ-10 日本のエンジェル税制による投資額の推移

79 23 55 179 104 149

914 847 951 686

278

1,124 845 799

998 961

1,693

2,431

2,792

4,147

4,547 4,261

0

1000

2000

3000

4000

5000

(百万円)

(出典)(c)

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- 10 -

エンジェル投資額を米国、欧州と比べると顕著な差があり、日本は米国と比べると 0.2%程度の規模

である。ただし、日本はエンジェル税制を利用したエンジェル投資額のため、実態はもう少し大きい

額が想定されることに留意したい。

図表Ⅱ-11 日米欧におけるエンジェルによる投資額

24 28 34

26,609 27,161

23,51726,388 25,505

7,536 7,911 8,697 9,482

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

2014 2015 2016 2017 2018

日本 米国 欧州

(億円)

(出典)(c)(e)(h) (出典)(c)(e)(h)

ここで、ベンチャーキャピタルによるベンチャー企業への投資額とエンジェル投資家による投資額

を合計したベンチャー企業へのリスクマネー供給全体の中での、エンジェル投資の比率をみる。米国

はリスクマネー供給における 2 割近く(15.0%)がエンジェル投資額であるが、日本は 1.5%となって

おり、統計上、エンジェル税制適用額に限定される事情を勘案したとしても、日本ではエンジェル投

資がリスクマネー供給を下支えしているとは言い難い。

図表Ⅱ-12 ベンチャー企業へのリスクマネー供給のうちの

エンジェル投資額の比率(2018年)

エンジェル投資額(億円)(A)

VC投資額(億円)(B)

エンジェル投資額の比率(A/(A+B))

日本 43 2,706 1.5%

米国 25,505 144,637 15.0%

(出典)(b)(c)(d)(e)

24 28

42 46 43

0

100

2014 2015 2016 2017 2018

日本 米国 欧州

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- 11 -

米国のエンジェル投資家のキャリアをみると、ベンチャー企業の創業者もしくは CEO であり、起業

経験を有している。エンジェル投資家としての経験年数は 18 年以上が 2 割を占めており、長年に亘っ

て投資を行う投資家が存在している。

図表Ⅱ-13 米国におけるエンジェルの人物像・投資活動の特徴

・職業キャリアはスタートアップの創業者もしくは CEOが大半(54.8%)

・学士号より高い学位(修士号、博士号、専門職学位号等)を有する投資家が約 4 分の 3(72.8%)。

学位の領域はビジネス領域が 6割(57%)

・18年以上のエンジェル投資の経験者が 2割

・女性のエンジェルが約 2割(22%)、2年以内に投資を始めた投資家のうち 3割(30%)が女性

・2018 年の平均的な取引額(the average angel deal size)は 349,620$、平均的な持株比率(the

average equity received)は 12.1%

(出典)(e)(f)

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- 12 -

3. エンジェル投資の促進に向けた近年の主な動向とエンジェル税制の利用実態

(1)推進母体

米国ではエンジェル投資家はコミュニティを形成しており、米国内で 243 件のエンジェル投資家の

グループが存在している1。米国のエンジェル投資家は最初に投資を行う際にこれらのエンジェル投資

家のグループに参加し、情報を得ながら投資を行うケースが 2/3(66%)を占めている2。また、欧州

においてもエンジェルのネットワークは 475件に上る3。

一方、日本においてはこのようなエンジェル投資家のコミュニティはほとんど存在していないが、

近年ではエンジェル投資家のためのコミュニティが徐々に形成されつつあり、エンジェル投資の活性

化や認知度の向上に寄与していると考えられる。

図表Ⅱ-14 日本におけるエンジェル投資の活性化に向けた取組

名称 概要 出典

スタートアップエンジ

ェル連携推進協議会

( Startup

AngelNetwork

Association,SANA)

同協議会は、エンジェル投資家が構築するベン

チャー支援のための連携組織の活動とその相互

連携・協力を促進し、強化することにより、エ

ンジェル投資の社会的認知を高めるとともに、

エンジェル投資の活性化とベンチャー企業の資

金調達の円滑化を図ることで、ベンチャー企業

の創出・成長に寄与することを目指している。

同協議会ホームページよ

Tokyo Angel Network

事業や資本政策のメンタリングを希望するスタ

ートアップと、エンジェル投資家とをマッチン

グさせる。具体的にはスタートアップが事業プ

ランを応募し、VC である ANRI がスクリーニング

を実施した上で、一定基準を満たしたスタート

アップをエンジェル投資家に紹介する。スター

トアップとエンジェルがコミュニケーションを

取るきっかけをつくる。

Clunch Base 「創業期の

スタートアップとエンジ

ェル投資家を結ぶ「Tokyo

Angel Network」、ANRI が

立ち上げ」より(2016 年

2月 3日)

1 Angel Capital Association“ ACA Member Directory”の Angel Groupの数を計算した(2019年 11月 26日時点) 2 Angel Capital Association“ The American Angel”(2017) 3 European Business Angel Networks(EBAN)“Statistics Compendium European Early Stage Market Statistics 2017”(2017)

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- 13 -

(2)地方部における取り組み

日本における都道府県別のエンジェル税制利用企業数を 2012~2016 年度(5 年間)の延べ企業数で

みると、東京都に集中していることがわかる。ただし、東京都の次は他の都市部をおさえて長野県が

45 件もの実績を有している。

図表Ⅱ-15 都道府県別にみるエンジェル税制利用企業数

340

45

19

17

10

8

8

6

5

3

2

2

2

2

1

1

1

1

1

1

1

0 100 200 300 400

東京都

長野県

神奈川県

愛知県

京都府

福岡県

宮城県

大阪府

栃木県

兵庫県

埼玉県

新潟県

北海道

山形県

石川県

鳥取県

島根県

香川県

茨城県

福井県

千葉県

(出典)(c)

2012~2016年度(5年間)にエンジェル税制を利用した延べ企業数

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- 14 -

日本においては地方部でエンジェル投資の先進的な取り組みが現れはじめている。地方経済の活性

化に向けてエンジェル投資家を募って投資活動を行うベンチャーキャピタルや、地方のエンジェル投

資家とベンチャー企業をマッチングさせる取り組みが出始めている。

図表Ⅱ-16 地方におけるエンジェル投資の活性化のための取り組み

名称 概要 出典

事業創造キャピタル株

式会社

同社はベンチャービジネスに留まらず全ての起

業家のための育成支援を通じてよりよいサービ

サーを世の中に出していくことにより、地方経

済の活性化、そこより波及する日本経済の発展

に貢献することを主目的としている。

2019 年 6 月に設立された「NBC エンジェル 2 号

投資事業有限責任組合」の GP を担う。同組合は

エンジェル税制を活用するだけでなく、エンジ

ェル投資家の啓蒙と発展の一助となり、ベンチ

ャーエコシステムの発展・成長に寄与すること

を目的としている。

同組合ではエンジェル税制の適用要件を満たす

ベンチャー企業も投資対象になっており、投資

後の支援ではニュービジネス協議会や各出資者

が協力を行う。

事業創造キャピタルホー

ムページ 「Vision」

中小企業基盤整備機構

「起業支援ファンド(エ

ンジェル投資型ファンド)

「NBC エンジェル 2 号投

資事業有限責任組合」及

び 「 The Independents

Angel 投資事業有限責任

組合」に出資を行う組合

契約を締結」(2019 年 8

月 1 日)

金融庁 適格機関投資家

等特例業者等

中国ニュービジネス協

議会

同協議会では 2019 年 11 月 8 日に広島県におい

て「エンジェル投資家&スタートアップマッチ

ングイベント」を開催した。本イベントは「出

会いの場、資金調達の機会」を提供すること

で、地方(中国 5 県)の発展に貢献していくと

いう趣旨の下、開催された。

マッチングイベントの事前に「エンジェル投資

家向け&スタートアップ向け事前勉強会(セミ

ナー)」を開催した。

マッチングイベントの当日は、参加者が見守る

中、スタートアップ 5 社によるプレゼン(1 社

10 分)が行われ、質疑応答の時間(1 社 20 分)

には、エンジェル投資家からスタートアップに

対し、なぜその事業に取り組むのか、革新性・

競争優位性、市場規模、今後の展望等に対する

質問が行われ、盛会となった。

結果として、概算 9,000 万円弱の投資意思表明

がエンジェル投資家からあり、今後スタートア

ップとエンジェル投資家間で、具体的な交渉が

行われていく予定である。

中国ニュービジネス協議

会「エンジェル投資家&

スタートアップ「勉強

会」を 11月 1日(金)に

開催しました!」(2019 年

11月 13日)

「エンジェル投資家&ス

タートアップマッチング

イベント」 11 月 8 日

(金)に初開催しまし

た!」(2019 年 11 月 13

日)

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- 15 -

なお、米国においては起業家が活発なサンフランシスコ、ニューヨーク、ボストンに住むエンジェ

ルは 37%で、その他の地方に住むエンジェルが 63%であり、エンジェル投資家が都市部だけでなく全

国に分散していることが明らかになっている。

図表Ⅱ-17 米国におけるエンジェル投資家の居住地

(出典)(f)

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- 16 -

(3)事例

国内では地方部におけるエンジェル投資の事例として、地方資源を活用した起業に対して、事業の

ビジョンに共感するエンジェル投資家がエンジェル税制を活用した投資を行う事例がみられ始めてい

る。こうした事例の成功要因として、地方におけるエンジェル投資を推進するアドバイザーがいたこ

と、特区などの制度を活用したことが挙げられる。

図表Ⅱ-18 エンジェル投資の成功事例

名称 概要 出典

楠ワイナリー株式会社

(長野県)

長野県中小企業振興センターのアドバイザーの

助言を受けて、ワイナリーの考え方に共感する

経営者、地方住民にエンジェル投資を募った。

経営がぶれないようにするため、無議決権の種

類株式のスキームを選択した。その結果、89 名

の株主から 9,000 万円を超える資金調達が実現

し、ワイナリーを建設。

石井芳明「地方を活性化

する起爆剤はエンジェル

投 資 だ 」( 東 洋 経 済

online、2017 年 7 月 20

日)

アキウツーリズムファ

クトリー(宮城県)

仙台市秋保地区は古くからの温泉街として重要

な観光地であり、様々な工芸品を生み出す職人

たちのクラフト文化が根付いた手仕事のまちで

ある。リノベーションした古民家を観光拠点と

し、多彩なクラフト文化を観光コンテンツとし

て地方周遊のサイクルツアーや地方食材を用い

た飲食事業を実施。国家戦略特区版エンジェル

税制を活用して、個人投資家からの資金調達を

さらに円滑化した。

仙台市国家戦略特別区域

会議 仙台市提出資料

しかし、本調査の有識者ヒアリングにおいては、エンジェル投資について、以下のような課題事例

の指摘もあった。会社設立段階ではベンチャー企業とエンジェル投資家の資本政策のリテラシーが低

いことが要因となっている。

図表Ⅱ-19 エンジェル投資の課題事例

・ベンチャー企業がエンジェル投資家に株式の持ち分の大半をもたれてしまい、その後のラウンドで

VCが当該ベンチャーに対して投資を行えなくなるケースがある。

・ベンチャー企業の経営者もエンジェル投資家も資本政策に関するリテラシーが不足しているため、

創業直後にエンジェル投資家が 30%の株式の持ち分で入っているケースがあった。

・ベンチャー企業がエンジェル投資家から投資を受ける場合に、未公開株の価値算定の知識やノウハ

ウ、相談できる支援者のネットワークが不足しているために誤った企業価値の算定を行ってしま

い、歪んだ資本構成につながったケースがある。

・地方においてエンジェル投資を始めたい投資家向けにセミナーを開催したところ、投資手法、投資

契約、エンジェル税制についてほとんど知らない状況であった。

(出典)有識者ヒアリングより

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- 17 -

Ⅲ.我が国における中小・ベンチャー企業の資金調達の動向とエンジェル税

制の活用実態

1. 調査概要

エンジェル投資の対象となり得る中小・ベンチャー企業の資金調達の実態と、エンジェル税制

の認知・活用状況等を把握し、今後の制度改正の検討に向けた基礎資料とするため、国内中小企

業に対し、アンケート調査を実施した。

(1)実施概要

①期間:令和元年 8月 22日(木)から令和元年 9月 20日(金)

②配布数:5,000件

③実施方法:ウェブアンケートによる方法

④回収数: 202件(回収率 4.1% 有効発送数 4,951 件)

(2)対象者

①属性:創業 10年未満で 2期連続売上高成長率 15%以上の未上場の中小・ベンチャー企業

②サンプル抽出方法:商用データベースから①の属性に一致する企業を抽出した。

③調査サンプル数:5,000 社

(3)回答者属性

①本社所在地

所在地では「東京都」が 22.8%と最も多く、「神奈川」(7.9%)「大阪」(5.9%)と続いた。

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図表Ⅲ-1 本社所在地(単数回答)

N=202

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②創業年

創業年度は「2015」年の企業が 21.3%と最も多く、前年である「2014」が 20.3%と続いた。

図表Ⅲ-2 創業年度(数値回答)

③従業員数

正規社員の人数は「1~4 名」が 46.0%と最も多く、続く「5~20 名」(38.1%)の比率と合わせる

と 8割を超えていた。

非正規社員の人数も「1~4 名」が 40.1%で最大の比率であり、次に多かった「0 名」(30.1%)と

合わせると、こちらも 7割を超えていた。

図表Ⅲ-3 正規社員の人数(単数回答)

N=202

N=202

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図表Ⅲ-4 非正規社員の人数(単数回答)

④業種

業種については「その他」を除くと、「金融、不動産、法人向けサービス」が 11.4%と最も多く、

「ソフトウェア」(9.4%)が続いた。

「その他」の回答として複数見られたものとしては、「福祉」にかかわるサービスや「農業」、「建

設」などがあった。

図表Ⅲ-5業種(単数回答)

⑤企業タイプ

「成長可能性の高いベンチャー企業」が 40.6%と最も多かった。続いて「地方社会の課題(介護

や子育て支援等)の解決を目的として設立された企業」と「創業メンバーや社員の WLB と生き甲

斐を経営の優先事項として共感できる仲間うちで設立された企業」が 13.4%ずつあり、IPO や M&A

N=202

N=202

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狙いの EXIT志向とは異なる企業が 1/4に上った。

図表Ⅲ-6 企業タイプ(単数回答)

2. 調査結果

(1)資金調達状況

(ⅰ)資金調達ラウンド毎の資金調達額

資金調達ラウンド毎に創業年次からの経過年数を分析したところ、シードラウンドでは創業

後 1 年~3 年後、シリーズ A ラウンドでは創業後 2 年~5 年後、シリーズ B ラウンドでは創業後

3年~6年後、シリーズ Cラウンドでは創業後 4~8年経過後に資金調達を行う傾向がある。

さらにシードラウンドにおける資金調達に注目すると、約 65%が創業 2 年後までに資金調達を

行っているが、残りの約 35%は創業 3年後(設立 4年目)以降の資金調達となっている。

シードラウンド・シリーズ A ラウンドについては、業種別に創業年度から資金調達までの経

過年数を見たところ、業種によって顕著な差は見られなかったが、2 年未満に資金調達を行った

企業には「コンサルタント」といった設備投資を必要としないサービス業が複数見られる。一

方で、アプリなどの開発環境が改善された「ソフトウェア」等の業種において資金調達までに 3

年以上かかっている企業もあり、これは IoT といった領域では様々な技術要素・ものづくり要

素が必要なため、PoC などを行うのに時間がかかっていることが推測される。

また、ラウンド毎の資金調達額の内訳をみると、「第三者への株式発行による調達額」はシー

ドラウンドから大きく拡大している。

N=202

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図表Ⅲ-7 資金調達ラウンド毎の創業年度からの経過年数(数値回答)

シード シリーズ A シリーズ B シリーズ C

創業後経過年数 N % N % N % N %

創業 1年後 46 55.4% 2 2.8% 0 0.0% 0 0.0%

創業 2年後 8 9.6% 27 38.0% 1 1.9% 0 0.0%

創業 3年後 10 12.0% 5 7.0% 23 42.6% 1 2.3%

創業 4年後 7 8.4% 10 14.1% 2 3.7% 17 39.5%

創業 5年後 4 4.8% 10 14.1% 5 9.3% 4 9.3%

創業 6年後 2 2.4% 5 7.0% 8 14.8% 1 2.3%

創業 7年後 2 2.4% 5 7.0% 5 9.3% 4 9.3%

創業 8年後 2 2.4% 3 4.2% 1 1.9% 7 16.3%

創業 9年後 1 1.2% 1 1.4% 2 3.7% 1 2.3%

創業 10年後 0 0.0% 0 0.0% 4 7.4% 2 4.7%

創業 11年後以降 1 1.2% 3 4.2% 3 5.6% 6 14.0%

合計 83 100.0% 71 100.0% 54 100.0% 43 100.0%

※創業後経過年数は創業年度・資金調達年から算出した

図表Ⅲ-8 ラウンドごとの資金調達額、持分比率の平均値(数値回答)

単位 創業時

(N=202)

シード

(N=83)

シリーズ A

(N=71)

シリーズ B

(N=54)

シリーズ C

(N=43)

想定調達額(必要資金) 百万円 134.8 71.2 186.4 242.3 366.9

調達額(実績) 百万円 130.9 83.1 203.2 217.7 96.8

助成金による調達額 百万円 1.9 10.7 3.4 0.9 0.9

負債(借入)による調達額 百万円 39.7 34.8 94.1 28.4 45.8

第三者への株式発行による調達額 百万円 2.0 21.1 106.2 183.7 49.6

経営チーム持分比率 % 74.5 75.5 72.5 71.0 70.6

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図表Ⅲ-9 シードラウンドの資金調達における業種ごとの創業年度からの経過年数(数値回答)

※創業後経過年数は創業年度・資金調達年から算出した

創業後経過年数 業種 その他 創業後経過年数 業種 その他

医療機器、ヘルスケアサービス ソフトウェア

ロボット関連 医療機器、ヘルスケアサービス

その他 医療福祉コンサルタント コンピュータ及び関連機器、ITサービス

その他 衣料品 金融、不動産、法人向けサービス

コンピュータ及び関連機器、ITサービス 医療機器、ヘルスケアサービス

その他 模型制作 メディア、娯楽、小売、消費財

その他 新電力 その他 食品製造

その他 コンサルタント 金融、不動産、法人向けサービス

その他 農業 ソフトウェア

医療機器、ヘルスケアサービス バイオ、製薬

工場、環境/エネルギー、その他産業 金融、不動産、法人向けサービス

その他 児童福祉 その他 自動車カスタム

その他 廃棄物処理 通信・ネットワーキング及び関連機器

通信・ネットワーキング及び関連機器 工場、環境/エネルギー、その他産業

その他 運送業 コンピュータ及び関連機器、ITサービス

金融、不動産、法人向けサービス コンピュータ及び関連機器、ITサービス

医療機器、ヘルスケアサービス 半導体、電気一般

半導体、電気一般 工場、環境/エネルギー、その他産業

コンピュータ及び関連機器、ITサービス その他 設備工事業

その他 防災・リスクマネジメント その他 IoT 関連

その他 農林水産業 その他 電力小売

工場、環境/エネルギー、その他産業 通信・ネットワーキング及び関連機器

医療機器、ヘルスケアサービス その他 その他情報サービスの提供

ソフトウェア メディア、娯楽、小売、消費財

その他 農業・農産加工 ソフトウェア

その他 広告 素材/マテリアル

その他 障害福祉サービス メディア、娯楽、小売、消費財

工場、環境/エネルギー、その他産業 その他 LED照明製造

医療機器、ヘルスケアサービス その他 卸売業

その他 支援サービス業 その他 食料品製造業(農業生産法人)

医療機器、ヘルスケアサービス コンピュータ及び関連機器、ITサービス

その他 障がい福祉サービス 工場、環境/エネルギー、その他産業

ソフトウェア その他 建設業 防水工事業

コンピュータ及び関連機器、ITサービス8年以上9年未満

(1.2%)ソフトウェア

その他 保育所9年以上10年未満

(1.2%)ソフトウェア

その他 障がい者福祉サービス コンピュータ及び関連機器、ITサービス

工場、環境/エネルギー、その他産業 その他 建設業

コンピュータ及び関連機器、ITサービス

医療機器、ヘルスケアサービス

ソフトウェア

工場、環境/エネルギー、その他産業

ソフトウェア

その他 陸運

その他 コンサル業

その他 デザイン

コンピュータ及び関連機器、ITサービス

その他 国際交流

金融、不動産、法人向けサービス

金融、不動産、法人向けサービス

5年以上6年未満(4.7%)

6年以上7年未満(2.3%)

7年以上8年未満(2.3%)

10年以上(2.3%)

2年以上3年未満(9.3%)

3年以上4年未満(11.6%)

4年以上5年未満(8.1%)

1年未満(3.5%)

1年以上2年未満(53.5%)

N=86

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図表Ⅲ-10 シリーズ Aラウンドの資金調達における業種ごとの創業年度からの経過年数(数値回答)

創業後経過年数 その他 創業後経過年数 その他

1年未満(1.4%) その他 医療福祉コンサルタント 医療機器、ヘルスケアサービス

ロボット関連 工場、環境/エネルギー、その他産業工場、環境/エネルギー、その他産業 その他 農業・農産加工医療機器、ヘルスケアサービス その他 広告コンピュータ及び関連機器、ITサービス コンピュータ及び関連機器、ITサービス通信・ネットワーキング及び関連機器 その他 児童福祉その他 運送業 半導体、電気一般金融、不動産、法人向けサービス その他 障害福祉サービス医療機器、ヘルスケアサービス 金融、不動産、法人向けサービスその他 防災・リスクマネジメント その他 食品製造その他 農林水産業 ソフトウェア工場、環境/エネルギー、その他産業 バイオ、製薬医療機器、ヘルスケアサービス 半導体、電気一般ソフトウェア その他 設備工事業医療機器、ヘルスケアサービス その他 電力小売その他 支援サービス業 コンピュータ及び関連機器、ITサービス医療機器、ヘルスケアサービス 通信・ネットワーキング及び関連機器その他 障がい福祉サービス その他 IoT 関連ソフトウェア メディア、娯楽、小売、消費財コンピュータ及び関連機器、ITサービス その他 LED照明製造その他 保育所 医療機器、ヘルスケアサービスその他 障がい者福祉サービス 工場、環境/エネルギー、その他産業工場、環境/エネルギー、その他産業 通信・ネットワーキング及び関連機器工場、環境/エネルギー、その他産業 ソフトウェアソフトウェア 素材/マテリアルその他 陸運 その他 廃棄物処理その他 コンサル業 ソフトウェアその他 デザイン 工場、環境/エネルギー、その他産業

その他 国際交流9年以上10年未満

(1.4%)その他 建設業 防水工事業

金融、不動産、法人向けサービス その他 卸売業コンピュータ及び関連機器、ITサービスその他 建設業

5年以上6年未満(13.9%)

6年以上7年未満(6.9%)

7年以上8年未満(6.9%)

8年以上9年未満(4.2%)

1年以上2年未満(2.8%)

2年以上3年未満(37.5%)

10年以上(4.2%)

3年以上4年未満(6.9%)

※創業後経過年数は創業年度・資金調達年から算出した

(ⅱ)株主構成

図表Ⅲ-8 によると、経営チームによる持分比率の平均値は創業時からシリーズCまで70%以

上を維持していた。

さらにシード・シリーズ A ラウンドにおける外部株主の持分比率(経営チーム以外の持分比

率)に応じた企業数の割合を確認したところ、両方のラウンドで外部株主の保有比率が 1/6 を

超えると企業が減少する傾向が見られた。また外部の株主が入っていない企業がシードラウン

ドでは 57.0%、シリーズ Aラウンドでは 61.5%と半分以上だった。

回答企業の株主構成を見てみると、「創業メンバー」が 86.6%と最も多く、「親族・友人」が次

に続いており、創業時点では個人間の関係が形成されている先から資金を得ている企業が大多

数となっている。一方で現時点についてみると、創業時と比較すると「エンジェル投資家」、

「ベンチャーキャピタル」、「シードアクセラレーター」といった外部の株主が増えている。株

式保有比率を見ると、特に「ベンチャーキャピタル」による比率が増加している。

N=72

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図表Ⅲ-11 シードラウンドにおける外部株主の持分比率毎の企業割合(再編加工)

※外部株主の持分比率は「経営チーム持分比率」を 100%から引いて算出した

※縦軸の比率(%)は外部株主の持分比率が横軸の条件を満たす企業数の割合を示す

図表Ⅲ-12 シリーズ Aラウンドにおける外部株主の持分比率毎の企業割合(再編加工)

※外部株主の持分比率は「経営チーム持分比率」を 100%から引いて算出した

※縦軸の比率(%)は外部株主の持分比率が横軸の条件を満たす企業数の割合を示す

N=86

N=75

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図表Ⅲ-13 創業時点での株主構成(複数回答)

図表Ⅲ-14 現時点での株主構成(複数回答)

N=202

N=202

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図表Ⅲ-15 創業時・現時点での株式保有率平均推移(数値回答)

※それぞれの回答企業数は図表Ⅲ-13・14を参照

今回のアンケートではエンジェル投資家からの投資を受けている企業は 10 社であったが、当該

エンジェル投資家のタイプは、「地域の中堅・中小企業の経営層」、「ベンチャー企業の経営層」、

「地域の個人事業主」が多く、「地域の篤志家」よりも経営経験を有する人材やエンジェルファン

ドが多くかかわっている実態が明らかになった。

図表Ⅲ-16 株主・元株主のエンジェル投資家の属性(複数回答)

N=10

N=202

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創業時の資本構成に関する改善点としては、「経営に対して助言をしてもらえる経験者がいると

よかった」が 39.1%を占める。また、「無議決権株式によるエンジェル投資を検討すればよかっ

た」とする回答が 10.9%あることも含め、創業当時はエンジェル投資による資金調達の可能性に気

付いていなかったものの、現在ではエンジェル投資についてポジティブに捉えている層が一定数

存在していることがわかった。

図表Ⅲ-17 創業時の資本構成に関する改善点(複数回答)

(2)エンジェル税制の認知・活用状況

(ⅰ)エンジェル税制の認知状況

エンジェル税制を知っていた企業は 23.3%に留まっている。認識している企業のうち 44.7%は

「創業資金の調達を終えた後に知った」と回答しており、認知状況には改善の余地が窺える。

業種ごとにエンジェル税制の認知度をみると、「工場、環境/エネルギー、その他 産業」で

は 46.7%の企業が認知している一方で、「半導体・電機」「バイオ・製薬」「素材・マテリアル」

「ロボット間連」「航空/宇宙」では認知度が 0%となっており、認知度に偏りがあることが推測

される。

さらに企業のタイプ別にエンジェル税制の認知度をみると、「地域の中核企業による新規事業

/第二創業や中小企業の連合体による共同出資会社」が「知っている」と回答した比率が最も高

く、「地域振興/復興を目指して設立された、まちづくり/村おこし企業」も他の企業タイプと比

較して、より多くの回答者がエンジェル税制を認知していた。一方で、同様に地方で起業した

タイプでも、「U/I ターン等を契機として移住先の地域資源を活用した新規ビジネスを立ち上げ

N=202

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た企業」において「知っている」と回答する企業はなかった。

エンジェル税制の認知経路として最も多かったのは「税理士」(27.7%)であった。「その他」

の認知経路としては「新聞記事」や「インターネット」などのメディア経由が上げられていた。

都市部(政令指定都市保有県)と地方部(前者以外)でエンジェル税制の認知度に差はなかった

が、認知経路では都市部の企業のほうが「投資家や知人のベンチャー企業関係者」からの情報に

よって認知していることがわかった。

図表Ⅲ-18 エンジェル投資の認知度(単数回答)

図表Ⅲ-19 エンジェル税制を認知した時期(単数回答)

N=202

N=47

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図表Ⅲ-20 業種別のエンジェル税制の認知度(単数回答)

図表Ⅲ-21 企業のタイプ別のエンジェル税制の認知度(単数回答)

N=47

N=47

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図表Ⅲ-22 エンジェル税制の認知経路(単数回答)

図表Ⅲ-23 都市部と地方部でのエンジェル税制の認知経路(複数回答)

(ⅱ)エンジェル税制の利用・検討状況

① エンジェル税制の利用・検討有無

制度を認知している企業のうち、80%以上は自社でも他社でも利用したことがないという回答

となっている。他方、自社で利用したことがある企業は 2.1%に留まるが、知り合いの会社が利

用したことのある企業も 12.8%となっており、一定数の企業によって利用されたことがある実態

N=47

N=47

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が明らかとなっている。

図表Ⅲ-24 自社もしくは他社でのエンジェル税制の利用・検討有無(単数回答)

② エンジェル税制を利用しない理由

エンジェル税制を利用しなかった理由としては「自社が適用要件を満たしていなかった」が多

く回答されているが、「税制のメリットや手続きが分からなかった」も同数程度回答され(26.1%)、

さらに「自社が企業の適用要件を満たすかわからなかった」(17.4%)、「手続きを相談できる専門

家がいなかった」(15.2%)と続き、そもそもの制度理解が不足している企業が多くみられた。一

方で「申請書類等手続きが複雑だった」(8.0%)といったように制度を理解した上で利用上の課題

を指摘している企業もあり、支援次第では潜在的な制度利用者となり得る企業が存在していると

いえる。

なお「その他」の回答には「必要性を感じない」といったものが多かった一方で、「他人資本を

入れたくない」といったものがあった。

また、「自社が適用要件を満たしていなかった」と回答した企業の 25.0%が結果としてエンジェ

ル投資家からの投資を見送った事実が確認された。

N=47

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図表Ⅲ-25 エンジェル税制を利用しなかった理由(複数回答)

図表Ⅲ-26 要件不適用によってエンジェル投資を見送った経験(単数回答)

(ⅲ)エンジェル税制の適用要件についての意見

①創業後年数に関する適用要件について

エンジェル税制の優遇措置Aの対象企業の適用要件である創業 3 年未満については、「短いと

思う」が全体の約半数(46.8%)を占めるとともに、「妥当だと思う」(16.0%)「長いと思う」

(2.1%)の合計の 2 倍以上に達するなど、顕著な差が見られ、本要件については、年数を延ばす

など見直す余地が大きいと考えられる。業種別に見た場合にも、回答のあったほとんどの業種に

おいて、「短いと思う」が過半数を占めている。

さらに都市部・地方部で意見を比較すると、地方部にある企業のほうが都市部にある企業よ

り「妥当だと思う」企業の比率が少なく、地方部にある企業のほうが外部からの資金調達に時

N=46

N=12

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間がかかると感じていることが推測される。

図表Ⅲ-27 エンジェル税制の創業後年数に関する適用要件について(単数回答)

N=47

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図表Ⅲ-28 業種ごとの創業後年数に関する適用要件について(単数回答)

N=47

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図表Ⅲ-29 都市部・地方部での創業後年数に関する適用要件についての比較(単数回答)

②外部の株主受け入れについて

1/6 以上の外部株主比率については「抵抗あり」(40.4%)と「初めての増資に対しては抵抗あ

り」(23.4%)とを合わせ、63%の企業が資本構成の 1/6 を外部の株主が持つことに対してあまり

前向きではない。また受入可能な外部株主の割合についても、43.3%はそもそも「外部株主を受

け入れはできない」と回答している。

他方 1/6 以上の外部株主の受け入れについて「抵抗ない」とする企業も 23.4%、また外部株主

を受け入れる比率はこだわらない(6.7%)という回答も一定数存在している。

図表Ⅲ-30 1/6以上の外部の株主受け入れについて(単数回答)

N=47

N=47

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図表Ⅲ-31 外部の株主を受け入れられる保有比率(単数回答)

(3)中小企業における直接投資の状況

(ⅰ)他社による直接投資について

法人版のエンジェル税制の可能性等を検証するため、他社からの直接投資の状況を見た。他社に

よる直接投資について受け入れや検討を行ったことのない企業が 81.7%だったが、投資受け入れを行

ったことがある企業が 11.4%、検討したことがある企業が 6.9%あった。

直接投資を実施・検討した企業については「大企業」が 51.4%と最も多く、「都市部以外の中小企

業」(21.6%)と続いている。

直接投資の形式としては、「他社のみが自社に投資を行う形式」が 75.7%とほとんどを占めていた。

図表Ⅲ-32 他社による直接投資の有無(単数回答)

N=30

N=202

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- 38 -

図表Ⅲ-33 直接投資を受け入れた・検討した他社の属性(複数回答)

図表Ⅲ-34 他社による直接投資の形式(複数回答)

(ⅱ)自社による直接投資について

自社による直接投資の実施・検討有無や、直接投資の形式については他社による直接投資と同様

に「投資も検討も行ったことがない」が 77.2%、「他社のみが自社に投資を行う形式」が 76.1%で最

も多かった。

一方で直接投資を実施・検討した企業の属性については異なり、「ベンチャー企業」が最も多く

(60.9%)、顕著な差がみられた。

N=37

N=37

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- 39 -

投資の目的は「投資対象企業を買収するため」と「共同開発を行うため」が 23.8%と並んで最も

多かった。

図表Ⅲ-35 他社への直接投資の実施・検討有無(単数回答)

図表Ⅲ-36 直接投資を実施・検討した企業の属性(複数回答)

N=202

N=46

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図表Ⅲ-37 直接投資を実施・検討した目的(複数回答)

図表Ⅲ-38 自社による直接投資の形式(複数回答)

N=46

N=46

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Ⅳ.我が国における個人投資家等の投資動向とエンジェル投資の活用実態

1. 調査概要

一般個人における投資行動、社会貢献活動、ベンチャー企業への投資に関する意向および実態

やエンジェル税制の認知度などについて明らかにするために、アンケート調査を実施した。

(1)実施概要

①期間:令和元年 8月 16日(月)から 8月 23日(金)

②配布数:10,000件

③実施方法:ウェブアンケートによる回答

④回収数:3,792件(回収率約 37.9%)

(2)対象者

①属性:ウェブアンケート調査会社のモニター会員

②サンプル抽出方法:

①属性の対象者より、年代・都道府県の人口構成によりスクリーニングをかけ無作為抽出

③調査サンプル数:10,000 人

(3)回答者属性

①性別・年代

回答者の年代は、60 代が最も多く(約 21%)、40 代以上が多くなっている。性別ついては、男

性のほうが多くなっている(約 56%)が、その差は約 13%と顕著な差とまではいえず、両者から

ほぼ同数ずつ回答を得られたといえる。

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図表Ⅳ-1 回答者の年代の比率(単数回答)

図表Ⅳ-2 回答者の性別の比率(単数回答)

②居住地

東京在住の回答者が最も多く(約 12%)、神奈川、大阪、埼玉と続き、関東地方(東京、神奈川、埼

玉、千葉)と他の地方の都市部(大阪、愛知、兵庫)に住む回答者割合が大きくなっている。

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-3 回答者の居住地の比率(単数回答)

③職業

職業は「会社員(フルタイム)」が最も多い(約 36%)一方で、ついで多いのが「専業主婦・主夫」

「無職」という、回答時点では自身が給与を取得していない回答者が約 33%を占めている。

N=3792

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図表Ⅳ-4 回答者の職業の比率(単数回答)

④年収

年収は、「300 万円~500 万円未満」が最も多く(約 21%)、全体的には 300 万円以下の占める割合が、

500 万円以上の占める割合よりも大きい。

図表Ⅳ-5 回答者の年収の比率(単数回答)

⑤現預金額

現預金額は「100万円未満」が最も多く(20%)、500万円以上になると、回答者層の占める割合は

ほとんどの選択肢で 10%未満が続く。

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-6 回答者の現預金額の比率(単数回答)

2. 調査結果

(1)個人の投資行動

(ⅰ)投資への関心

①投資への関心の有無

投資や資産運用への関心は、「ある」という回答が、「ない」をやや上回っているが、その差は約 8%

と顕著な差は見られず、ほぼ同数ずつ存在している。地方別に見た場合、いずれの地方でも「ある」

と「ない」の回答数がほぼ同数ずつとなっており、地方によって投資への関心に顕著な傾向や差は見

られず、都市部においても地方部においても、同程度に投資への関心がもたれているといえる。

図表Ⅳ-7 投資や資産運用への関心の有無(単数回答)

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-8 地方ごとの投資への関心の有無(都道府県別)(単数回答)

②投資経験の有無

実際の投資経験については、関心度合いよりも低下する傾向を反映して、関心度合いに比して「あ

り」という回答がやや減少しているが、「あり」と「なし」でほぼ半数ずつの割合となっている。

地方別に見た場合、関東、中部、関西といった、東名阪の都市部を擁する地方において「あり」と

回答される割合が大きくなっているものの、投資への関心と同様地方間で顕著な差や傾向は見られな

い。

また、年収と現預金額との関連を見ると、年収では 200万円以上、現預金額では 300万円以上から

経験者の割合が顕著な増加傾向にあるなど、年収や現預金額との相関関係が見出せる。

なお具体的な種類としては、「株式投資」(約 59%)と「投資信託」(約 52%)が過半数を超えており、

「NISAを活用した少額投資」も約 40%と多くなっている。一方、「外国為替取引(FX)」や「株式・債

券のデイトレード」といった相応の投資経験やリテラシーが必要とされる運用形態は 20%程度に留まっ

ている。

図表Ⅳ-9 投資や資産運用の経験の有無(単数回答)

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-10 地方別の投資経験の有無(都道府県別)(単数回答)

図表Ⅳ-11 年収と投資経験の関連性(年収別)(単数回答)

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-12 現預金額と投資経験の関連性(現預金額別)(単数回答)

図表Ⅳ-13 実施している資産運用の種類(複数回答)

③投資を始めたきっかけ

回答者が投資を始めたきっかけは、「元々投資に興味があった」(約 45%)という回答が最も多くなっ

ているものの、「金融機関等からの紹介」や「知人等からの依頼・推薦」といった他者からの働きかけ

を契機とするケースも 1/4程度の割合で発生していることが確認できる。

性年代別に見た場合、男女ともに 30代以下の年齢層は「元々投資に興味があった」が多い一方で、

N=3792

N=1910

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40 代以上の女性については高齢になるほど他者からの働きかけを契機とする回答者が多くなっている。

男性においても 60代以上については「金融機関等からの紹介」の割合が大きくなっている。

図表Ⅳ-14 投資を始めたきっかけ(単数回答)

図表Ⅳ-15 性年代別の投資を始めたきっかけ(性年代別 男性、女性の順に掲載)(単数回答)

N=1910

N=1910

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④投資の目的について

投資の目的については「長期的に安定的な利益を得るため」、「老後資金のため」といった長期的で

安定した資金の積み立てを意図した回答が多くなっている。

年代別に見ると、若年層ほど「長期的に安定的な利益を得る」ことを主目的とする回答が多いが、

50 代、60代では「老後資金のため」を挙げる回答者が多くなっている。

預金額別に見ると、預金額が多くなるに従い「短期的な利益」を目的とする傾向は弱まり、「長期的

に安定的な利益を得る」ことを重視する傾向が強くなっていく

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図表Ⅳ-16 投資を始めた、検討した際の目的(単数回答)

図表Ⅳ-17 年代別の投資目的について(年代別)(単数回答)

N=2392

N=2392

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図表Ⅳ-18 現預金額別の投資目的(現預金額別)(単数回答)

⑤投資の目安金額

全体の平均値は約 529万円となっている。

年収別に見ると、700万円未満までは平均して 350万円~500万円程度拠出するという回答結果とな

っており、年収が低い層の場合でも投資のために同程度の拠出を期待できる可能性がある。また現預

金額別に見ると、いずれの場合も自身の現預金額の半額程度であれば拠出することが可能と見られる

N=2392

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回答結果となっている。

図表Ⅳ-19 資産運用で投資できる金額(単位:万円)(数値回答)

N 平均値 最小値 最大値

2360 528.85 1.00 20000

図表Ⅳ-20 投資の目安金額の平均(単位:万円)(年収別)(数値回答)

図表Ⅳ-21 投資の目安金額の平均(単位:万円)(現預金額別)(数値回答)

※1億円以上のケースにおいて、投資金額が現預金額の 10倍を超えている回答は、エラー(異常値)として除外している

N=2360

N=2360

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(2)社会貢献の実態や社会貢献を目的とする投資の可能性について

(ⅰ)社会貢献活動への意向と実態について

①社会貢献・支援活動への関心

社会貢献活動への関心は、「ない」という回答が、「ある」をやや上回っているが、その差は約 5%で、

顕著な差は見られない。都道府県別に見た場合、社会貢献活動への関心が「ある」という回答が「な

い」という回答を上回る都道府県が 21あるものの、大きく地方差は見られない。

図表Ⅳ-22 社会貢献活動への関心の有無(単数回答)

②社会貢献・支援活動の経験の有無

社会貢献活動の経験が「ない」という回答が「ある」を上回っており、かつ社会貢献活動への関心

がある層から経験がある層への移行で約 8%低下しており、投資行動の場合よりも関心度合いと経験度

合いの乖離の幅が大きい。投資行動と異なり社会貢献へと実際に行動に起こすことには時間や労力、

被災地等の遠隔地への移動など金銭拠出以外の負担が大きいと感じられていることが推測される。職

業別に見た場合、「会社経営者」「会社役員(創業経験者)」については、社会貢献活動の経験が「あ

る」という回答が「ない」という回答を上回る、または同数回答者が存在するという結果になってい

る。

N=3792

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図表Ⅳ-23 社会貢献活動の経験の有無(単数回答)

図表Ⅳ-24 職業別の社会貢献活動の経験の有無(職業別)(単数回答)

③経験のある社会貢献活動について

「ボランティア活動」「災害・被災地支援復興のための支援活動」といった時間と労力を要する形での

社会貢献への参加が割合としては大きい。

一方でふるさと納税や寄付などの金銭拠出による社会貢献の経験は約 63%を占めており、その中で

「被災地復興や破綻自治体応援、出身地応援等の地域貢献を重視した自治体選択によるふるさと納

税」と「地域活性化に取り組む自治体・団体に対する寄付」という還元率やリターン等を重視しない

N=3792

N=3792

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拠出も相当数見られることが確認できる。特に職業別に見た場合、「会社役員(創業経験者)」「フリー

ランス」「公務員」は、リターンや還元率を重視しない金銭拠出による社会貢献活動を経験した割合が

他の職業と比較して高い割合にあり、先の「社会貢献活動の経験の有無」における回答と照らしても、

「会社役員(創業経験者)」については、金銭拠出に積極的な人が多いと推測される。

図表Ⅳ-25 経験のある社会貢献活動の種類(複数回答)

N=3792

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図表Ⅳ-26 職業別の経験のある社会貢献活動の種類(職業別)(複数回答)

※「無職(リタイア、年金暮らし)」と「その他」の回答を除外している

N=1330

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(ⅱ)社会貢献活動としての投資への関心について

①社会貢献に繋がる投資への関心

社会貢献に繋がる投資への関心は、「ない」(約 62%)という回答が「ある」(約 38%)と回答を上

回っているが、投資経験がある層では社会貢献に繋がる投資への関心があるという回答が占める割

合が大きくなっており、社会貢献への関心、社会貢献の経験で見た場合その差はさらに顕著になる

(但し、社会貢献の関心者よりも経験者の方が社会貢献に繋がる投資への関心がある、とはいえな

い結果となっている)。

また職業別に見た場合、「会社経営者」「会社役員(創業経験者)」「投資家」については、関心が

「ある」という回答が「ない」という回答を上回っており、創業経験者については 60%を超える回

答者層が関心を示している。

図表Ⅳ-27 社会貢献に繋がる投資への関心の有無(単数回答)

図表Ⅳ-28 投資経験の有無と社会貢献投資への関心の有無の関連(投資経験別)(単数回答)

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-29 社会貢献の関心と社会貢献に繋がる投資の関連(社会貢献への関心別)(単数回答)

図表Ⅳ-30 社会貢献経験と社会貢献に繋がる投資への関心の関連性(社会貢献経験別)(単数回答)

図表Ⅳ-31 職業別の社会貢献投資への関心の有無(職業別)(単数回答)

N=3792

N=3792

N=3792

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②社会貢献に繋がる場合の投資可能な金額

全体の平均値は約 83万円となっており、資産形成に拠出可能な金額の平均を大きく下回っている。

年収別、現預金額別に見た場合に平均して 1000万円以上を拠出できるとする回答者はほとんどなく、

回答者の半数以上にとって、社会貢献として拠出可能な金額は 100万円未満となり、金銭的リターン

があまり想定されない社会貢献としての投資として可能な金額は、資金運用としての金額よりも小口

になる可能性が高い。

図表Ⅳ-32 社会貢献活動を目的に投資を行う場合の拠出可能な目安金額(単位:万円)(数値回答)

図表Ⅳ-33 社会貢献投資の目安金額の平均(年収別)(数値回答)

図表Ⅳ-34 社会貢献投資の目安金額の平均(現預金額別)(数値回答)

※1億円以上のケースにおいて、投資金額が現預金額の 10倍を超えている回答は、エラー(異常値)として除外している

N 平均値 最小値 最大値

1440 82.83 1.00 10000

N=1440

N=1440

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③地方企業への投資

地方企業への投資経験は、「ある」が 5%に満たない状況にあるが、投資経験や社会貢献活動経験の

有無との相関関係が見出せる(投資経験に比して、社会貢献活動経験の有無との相関関係が顕著であ

る)。なお職業別に見た場合、「会社経営者」「会社役員(創業経験者)」「投資家」は、「ある」という回

答者の割合が 10%を超えており、他の職業と比較して大きくなっている。

図表Ⅳ-35 地方企業に対する投資経験の有無(単数回答)

図表Ⅳ-36 一般的な投資経験と地方企業への投資経験の関連(投資経験別)(単数回答)

図表Ⅳ-37 社会貢献活動の経験と地方企業への投資経験の関連(社会貢献経験別)(単数回答)

N=3792

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-38 職業別の地方企業への投資経験の有無(単数回答)

(3)ベンチャー企業への投資

(ⅰ)ベンチャー企業への投資に期待するリターン

①ベンチャー企業への投資に期待するリターン

ベンチャー企業への投資では、「金銭的なリターン」を得ることを期待する回答が最も多くなってい

る一方で、全く「リターンを期待しない」層が 20%以上存在している。

職業別に見た場合「会社役員(創業経験者)」「会社経営者」が他と比較して「リターンを期待しない」

という回答の割合が大きくなる。

さらに、地方企業への投資経験のある回答者は、その他の一般的な投資経験のある回答者と比較す

ると非金銭的リターンを期待する層とリターンを期待しない回答者が多くなる傾向が顕著に出ている。

なお、非金銭的リターンとして期待されているものとして、「地方資源を活用した製品の返礼品・贈

答」(約 61%)という回答が最も多く、「地域資源を活用したサービスの優待」(約 57%)がさらに続いて

いる。この点について地方企業への投資経験のある層は、その他の一般的な投資経験のある層と比較

すると、「地域の人材との交流イベント参加」「出資者に対する顕彰」「経営への参加」を期待する回答

者の割合が多く存在し、返礼品・贈呈といった直接的なリターンよりも地方人材や生産現場などを知

る機会や、経営参画・自社とのシナジー等を求めている回答者が多いことが推測される。

N=3792

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図表Ⅳ-39 ベンチャー企業に投資する場合に期待するリターンについて(単数回答)

図表Ⅳ-40 職業別の期待するリターンについて(職業別)(単数回答)

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-41 投資経験の有無と期待するリターンの関係(投資経験別)(単数回答)

図表Ⅳ-42 地方企業への投資経験と期待するリターンの関係(地方企業への投資経験別)(単数回答)

図表Ⅳ-43 期待する非金銭的リターン(複数回答)

N=3792

N=3792

N=576

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図表Ⅳ-44 投資経験と期待する非金銭的リターンの関連(投資経験別)(複数回答)

図表Ⅳ-45 地方企業への投資経験と期待する非金銭的リターンの関連(地方企業への投資経験別)(複

数回答)

(ⅱ)ベンチャー企業への投資について

①ベンチャー企業に投資する場合の問題について

ベンチャー企業へ投資をする場合に問題となる事項については、「投資のための資金がない」という

回答以上に「起業家との接点がない」という回答が多く、さらに「投資先を評価することができな

い」が同程度回答されている。

また、投資経験者は未経験者に比して、「起業家との接点がない」や「投資先を評価することができ

N=576

N=576

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ない」など、資金や手続きの問題よりも、投資機会や取得額・リターン予測等に関する事項が問題視

されている。

現預金額別に見た場合、300 万円を超えたところで資金不足を問題とする傾向が弱まり、「起業家と

の接点」や「投資先を評価することができない」ことを問題視する傾向が強くなっている。

図表Ⅳ-46 ベンチャー企業に投資をする場合に問題となる事項について(複数回答)

図表Ⅳ-47 投資経験とベンチャー投資の問題となる事項の関連(投資経験別)(複数回答)

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-48 現預金額別のベンチャー投資の問題となる事項(現預金額別)(複数回答)

②ベンチャー企業へ投資する条件

投資条件については、「少額でも投資できる投資環境」、「手続きの簡便化」、「投資に対する税控除

(所得控除、キャピタルゲイン課税の軽減等)」が上位に挙げられているが、「出資者を募ったファン

ドに対する間接的な出資」や「社会貢献意欲のあるベンチャー企業への共同出資を募るためのクラウ

ドファンディング」、「自治体による投資の支援(認定、協調投資等)」など、投資スキームの多様化や

リスク提言措置等に関する事項も相当数挙げられている。

N=3792

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図表Ⅳ-49 ベンチャー企業に投資する場合の条件や環境について(複数回答)

③ベンチャー企業へ投資する金額の目安

全体の平均値は、109.87万円となっている。

年収別に見た場合に、700 万円未満の場合、平均して拠出可能な金額はいずれの回答者層も 200万円

を下回っており、また 700万円から 3000万円の回答者層についても、拠出可能な金額の平均が 400万

円を超えていない。現預金額別に見た場合にも、年収 2000万円未満のどの回答者層の場合にもベンチ

ャー企業へ投資可能な金額として平均して 200万円を上回っている層はなく、1億円以上までみても平

均額として 1,000万円を超えている回答者層はなく、リターンが確保されないという特徴や事業拡大

への不安感などから、一般的な投資よりも強くリスクを感じる回答者が多かったことが推測される。

図表Ⅳ-50 ベンチャー企業へ投資する場合の金額目安(単位:万円)(数値回答)

N 平均値 最小値 最大値

3743 109.87 1.00 30000

N=3792

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図表Ⅳ-51 ベンチャー企業への投資金額目安の平均(年収別)(単位:万円)(数値回答)

図表Ⅳ-52 ベンチャー企業への投資金額目安の平均(現預金額別)(単位:万円)(数値回答)

※1億円以上のケースにおいて、投資金額が現預金額の 10倍を超えている回答は、エラー(異常値)として除外している

図表Ⅳ-19 資産運用で投資できる金額(単位:万円)(再掲)

N 平均値 最小値 最大値

2360 528.85 1.00 20000

図表Ⅳ-32 社会貢献活動を目的に投資を行う場合の拠出可能な目安金額(単位:万円)(再掲)

N 平均値 最小値 最大値

1440 82.83 1.00 10000

N=3743

N=3743

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(4)エンジェル税制の認知度と利用度合い

(ⅰ)エンジェル税制の認知について

①エンジェル税制の認知度

エンジェル税制の認知度は回答者全数のうち約 6%に過ぎないが、投資経験や地方企業への投資経験

を有する層の認知度が高くなる傾向にある。

一方で職業別に見ると、「会社経営者」「会社役員(創業経験者)」は、20%近くがエンジェル税制を

認知しており、一般会社員や投資家よりも、企業経営に携わる人間にとって身近な制度となっている

といえる。

図表Ⅳ-53 エンジェル税制の認知度について(単数回答)

図表Ⅳ-54 投資経験とエンジェル税制の認知度の関連(投資経験別)(単数回答)

図表Ⅳ-55 地方企業への投資経験とエンジェル税制の認知度の関連(地方企業への投資経験別)(単数

回答)

N=3792

N=3792

N=3792

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図表Ⅳ-56 職業とエンジェル税制の認知度の関連(職業別)(単数回答)

②エンジェル税制を知った経緯

エンジェル税制は「自治体、地域の支援機関等からの情報」(約 28%)によって知ったという回答が

最も多くなっている。「その他」の内容としては、新聞・テレビ・インターネットなどのメディア経由

で認知したという回答が多い。

年代別に見ると、高齢になるにつれ「自治体、地域の支援機関等からの情報」で認知した回答者が

増加する傾向にある。一方で、30代については「知人の投資家やベンチャー企業関連者からの情報」

が 40%を超え、他の年代と比べて大きな割合を占めている。

図表Ⅳ-57 エンジェル税制について知った経緯(単数回答)

N=3792

N=232

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図表Ⅳ-58 年代別のエンジェル税制について知った経緯(年代別)(単数回答)

(ⅱ)エンジェル税制の利用について

①エンジェル税制の利用状況

エンジェル税制の利用状況および検討の有無について尋ねたところ、自身の利用については「自分

が利用もしくは検討をしたことがない」が約 73%、知人による利用については「知り合いが利用若し

くは検討したことはない」が約 72%と、それぞれ最も多く回答されているが、「自分が利用もしくは検

討したことがある」割合が約 26%、また、「知り合いが利用もしくは検討したことがある」割合が

27.1%となるなど、利用または検討したことがある回答者の割合が 1/4を超えている。

また、投資経験や地方企業への投資経験を有する回答者の方が、利用または検討したことがある割

合が未経験者に比して増加傾向にある。特に地方企業への投資経験とエンジェル税制の利用および検

討経験の有無は相関関係が顕著である。

エンジェル税制を知った経緯別に見ると、「税理士からの情報」で認知した回答者は、利用した経験

が 20%を超えており、また自身が利用を検討したことがある回答者の割合も最も大きくなっている。

N=232

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図表Ⅳ-59 エンジェル税制の利用経験、および利用の検討の有無(複数回答)

図表Ⅳ-60 投資経験とエンジェル税制利用の関連(投資経験別)(複数回答)

図表Ⅳ-61 地方企業への投資経験とエンジェル税制利用の関連(地方企業への投資経験別)(複数回

答)

N=232

N=232

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図表Ⅳ-62 エンジェル税制について知った経緯とエンジェル税制利用経験の関連(エンジェル税制の

認知経路別)(複数回答)

N=232

N=232

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Ⅴ.我が国におけるリスクマネー供給の活性化・高度化に向けた基盤整備の

在り方

本章では、これまでの調査結果を踏まえ、地方ベンチャー企業の活性化を促進するために不可欠な

リスクマネー供給の活性化・高度化に向けた基盤整備の在り方について、エンジェル税制の問題に限

定せずに、より広い視野と論点から今後の政策立案に示唆となり得ると考えられる検討課題につき、

考察を加えることとする。

1. エンジェル投資の活性化に向けた制度改変/拡充の在り方

(1)エンジェル投資とエンジェル税制の認知度の向上

前掲した通り、我が国のエンジェル投資は欧米に比して、ベンチャー投資に向かうリスクマネー供

給(投資残高/投資額)全体を下支えするには未だ十分とは言い難い状況にある。欧米比で格差を生じ

させている要因については、エンジェル投資家の不足やその資金量(個人金融資産)の少なさ、投資

機会に繋がるエンジェルネットワークとマッチング機会の不足等、様々な構造的な問題に起因するも

のであるが、こうしたリスクマネー供給側の問題のみならず、エンジェル投資を活用する発行体(ベ

ンチャー企業)側の起業パターンや経営スキーム/ファイナンススキームに関わる認識に因るものも少

なくない。

特に、創業者資金や助成金と VC からの資金調達(シリーズ A 投資)を繋ぐリスクキャピタルとして

既に欧米では一般的な調達手段として活性化しているエンジェル投資が、我が国ではシード/アーリー

ステージの調達手段として常用されるスキームとはなっていないため、起業家や創業メンバーがエン

ジェル投資を活用した資本政策や資金調達計画を想定し難い、といった問題がある。

実際、本調査において収集した資金調達のパターンにおいても、創業/起業時にエンジェル投資とい

うスキームや資金調達の可能性があることを知らず、シリーズ A 投資とのギャップを埋めるファイナ

ンスステージにおいて資金調達に苦労したケースや、当該ステージでの資金調達時に焦って、その後

のフォローオン投資のシナリオを柔軟に描けずに投資受入を進めてしまった結果、シリーズ A 投資を

呼び込み難いような株主構成の複雑化を招いてしまったケースが散見された。

シード/アーリーステージの調達手段としては、NEDO の STS のように開発助成と認定 VC による投資

を組み合わせた投資手法や、独立系 VC によるハンズオン型の投資、アクセラレータ等による小額出資、

J-KISS 等のコンバーティブル・セキュリティを用いた新たな投資手法、株式投資型クラウドファンデ

ィング等があるが、エンジェル投資というオプションの可能性を併せて探りながら柔軟な資本政策を

描けるよう、起業家や創業メンバーの認識を変えていくことが有用である。未だ少数ではあるものの、

エンジェル投資とエンジェル税制を活用して死の谷を上手くクリアし成長軌道に乗ったベンチャー企

業の先進/成功事例やベストプラクティスの収集/普及、起業支援窓口や資金調達セミナー、アクセラ

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レータプログラム等におけるエンジェル投資/エンジェル税制の説明/解説(起業/創業初期の支援機会

を捉えた、より早期におけるエンジェル投資の認知度向上に資するパッケージ支援)等が有効である

と考えられる。

(2)エンジェル税制の適用基準の緩和と手続きの簡素化

エンジェル税制に限らず、優遇税制等は税負担の公平性を相応に担保し、尚且つ、優遇/軽減される

税額分/減額分に見合う経済波及効果等の社会的便益を齎すものでなければならず、納税者側の負担軽

減等の視点のみで安易に優遇措置を講じるものであってはならない。

しかしながら、ある政策意図をもって設置/法制化された優遇措置が、その適用基準が変化する経済

情勢や適用対象の経済主体/経営実態等に徐々に乖離して行ってしまうことで所期に想定した経済波及

効果等の政策効果を十分に創出しない状況に置かれている場合には、所期の政策目的に鑑み、適用基

準を見直すことも必要である。

エンジェル税制については、その適用基準の一つに「創業(設立)3 年未満」であることが企業要件

として求められるが、本調査によって得られたベンチャー企業の資金調達実態を見ると、創業 3 年未

満にシードラウンドの資金調達を実現できなかった企業が約 1/3 に及ぶなど、現状の企業要件はエン

ジェル投資が活用されるシードステージを広くカバーできているとは言い難い面もあることから、3 年

基準を 5 年に延長することや、業種/業態や企業類型(IPO や M&A 狙いのベンチャー企業、IPO や M&A

狙いではなく地域振興や社会課題の解決、社員/就業者のワークスタイル等を重視して着実/堅実な成

長を志向するベンチャー企業など)等によって企業要件等を見直していくことが有効であると考えら

れる。

また、エンジェル税制の適用を受けるための確認申請先については、従来まで経済産業局であった

ものが平成 28 年 4 月 1 日より都道府県へと移管/変更されているが、本改正によるアクセシビリティ

の向上がエンジェル税制の利用(投資額、投資社数、投資件数)増を促進したという事実がある。さ

らに、エンジェル投資を行いながらもエンジェル税制を利用しなかったケースの中に、エンジェル投

資家が「本来、投資先ベンチャー企業が技術開発やビジネスモデル構築、PoC 等に注力すべきステージ

において、税制適用のための各種申請書類の整備に時間を費やさせることは本意ではなく、エンジェ

ル投資家としての本分や役割に鑑みて、申請/適用を見送った」と判断したケースが少なくない、とい

う事実が確認されている。

こうした経緯や事実を踏まえると、ベンチャー企業の更なる負担軽減に配慮して手続きをより簡素

化することや窓口担当の理解度/サポート力の格差が手続きの猥雑さ等に繋がらぬよう、運営面での工

夫/円滑化に引き続き努めるべきであると考えられる。

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(3)エンジェル投資家の輩出を促す環境の整備

エンジェル税制という優遇措置を検討する場合、優遇条件が個人金融資産をエンジェル投資へ向か

わせるインセンティブとなり得るのか、あるいは、多額のキャピタルゲイン等を得た相応数のエンジ

ェル投資家が存在して初めてインセンティブとなり得るのか、といった議論/命題が付いて回る実情が

あることは事実である。これらは極めて難しい争点/論点ではあるものの、実際には両論とも的を射た

論点/指摘であり、二者択一的に捉えるのではなく、本質的にはその相乗効果(優遇税制によるインセ

ンティブの訴求効果と、エンジェル投資家のネットワーク効果)によって初めてエンジェル投資とい

うリスクマネー供給のスキームが我が国において普及/一般化していくものと考えられる。

こうした意味において、優遇措置/条件のインセンティブ性を追及/検討するのみならず、他方では、

如何にエンジェル投資家の輩出を促す環境を整備できるか、といった視点/論点での政策対応が欠かせ

ない。また、欧米と比してエンジェル投資家の輩出が難しい我が国の現況においては、エンジェル投

資家の輩出よりも、VC やアクセラレータがシードファイナンスを担えるようなファンドレイジングを

促進するための公的支援と環境整備の方がスケールメリットを得やすいのではないか、という指摘が

見られることも事実であるものの、ここ数年の良好なファンドレイジングを齎した一因である経済成

長/環境が仮により低成長やダウンサイドに向かった場合には、シード/アーリーステージのリスクフ

ァイナンスを VCやアクセラレーターのみで支えるモデルの実効性にも限界があると考えられる。

確かに各種の構造的な要因から、我が国ではグローバルレベルで遜色のないような資金量を齎すエ

ンジェル投資家を輩出することは短期的には容易ではないことから、エンジェル投資家がアクティブ

に活躍できる状況になるまでは VC やアクセラレータが下支えする投資家の構造/ポートフォリオを維

持しつつも、中長期的にはエンジェル投資家、VC、アクセラレータ等が多面的にシード/アーリーステ

ージのリスクファイナンスを支え合うような投資環境/マーケット構造を目指すべきであると考えられ

る。

2. 地域部におけるリスクマネー供給の活性化策

(1)潜在的なエンジェル投資家の発掘とネットワーク化

現状、エンジェル投資家として活動し、複数のベンチャー企業への投資経験を有する個人投資家の

多くはベンチャー企業へのアクセシビリティが高い首都圏に在住し、キャピタルゲインによる相応の

金融資産を保有し、リスクの高いエクイティ投資に向けられるだけのポートフォリオを構成/講じるこ

とができ、尚且つ、後進のベンチャー企業の顧問や社外取締役等のポジションを得て、一定の給与所

得を有するケースが多い。

しかしながら、本調査において収集/分析したケースには、これまでにエンジェル投資の経験がない

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ものの、後進の地域ベンチャー企業を応援したい、との想いから、エンジェル投資に強い関心を示し

た地域中核企業の創業/経営者の事例などが散見された。また、従前から投資意向を抱きながらも、地

域部においてベンチャー企業経営者との接点を見出す機会に乏しいがために具体的な検討段階に入れ

ずに、これまでエンジェル投資の実行までに至らなかったケースも確認された。

こうした事実を踏まえると、地域中核企業の創業/経営者や地域経済の財界ネットワーク、あるいは、

首都圏における同じ道府県出身者の経営者ネットワーク等を通じて、一定の個人金融資産を有し、居

住/出身地方の振興/復興や活性化に貢献したいという意欲を併せ持つような潜在的なエンジェル投資

家の発掘と交流、組織化等に注力することが有効であると考えられる。

(2)個人投資家・ベンチャー企業、双方におけるリテラシーの向上

残念ながら現在、我が国ではシード/アーリーステージの調達手段としてエンジェル投資が常用され

るスキームとはなっていないため、特に活用事例が少ない地方部での活性化を考えた場合、潜在的な

エンジェル投資家、発行体である地方ベンチャー企業、双方のリテラシーの不足は否めない現況にあ

る。エンジェル投資を実務的に支える税理士についても経験に不足する可能性がある。

一方、幾つかの県においては、ベンチャー企業を支援する支援機関やコンサルタント/中小企業診断

士、税理士等が牽引者となり、申請手続き等を実務的に支えながらエンジェル税制を活用した事例も

出始めており、潜在的なエンジェル投資家とベンチャー企業、双方のリテラシーの不足をカバーしつ

つ仲介者として上手く機能しているケースも少なくない。

これらの事実/事例を踏まえれば、リテラシーの高いプロのエンジェル投資家がいなければ地方部に

おけるエンジェル投資は実現し得ない、といった固定観念に拠らず、潜在的なエンジェル投資家とベ

ンチャー企業、双方のリテラシー向上に資する研修会の実施や地方ベンチャーによる身近な活用事例

が掲載された実務的なハンドブックの編纂と普及、仲介者/牽引者の発掘と育成等に地道に取り組む意

義は少なくないと考えられる。

(3)個人投資家とベンチャー企業とのマッチング機会の創出

前述した潜在的なエンジェル投資家の発掘とネットワーク化、個人投資家・ベンチャー企業、双方

におけるリテラシー向上の実現の先に期待される機能として、個人投資家とベンチャー企業とのマッ

チング機会の創出/醸成が欠かせない。助成金の交付とは異なり、一定の基準をクリアされた企業が交

付対象となる、といったシンプルな論理によるものではなく、リスクの高いベンチャー投資であるが

故に、個人投資家、発行体企業、双方の投資/受け入れ条件が合致しなければ、当然ながらエンジェル

投資は実現しない。

キャピタルゲイン狙いよりも、後進のベンチャー企業を応援したい/支援したいといったスタンスで

のエンジェル投資である場合、必ずしも投資/受け入れ条件が複雑化したり、権利交渉などで利害の不

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一致が生じ兼ねない投資契約に至るケースは少ないが、エンジェル投資家による株主参画が有用な気

付きの機会となり、創業メンバー以外で初めて外部から株主を迎えることで、より広い視野や経験則

からの示唆をビジネスモデルの高度化に繋げていくためには、ベンチャー企業の創業メンバーと個人

投資家との相性が無視できない。また、例え地方に設立されたベンチャー企業であっても、いずれグ

ローバル展開や事業会社との連携/協業を目指す成長モデルを志向するなら、地方内の後進を育てると

いう温かい目線で接してくれる可能性のある同じ域内の個人投資家よりも、寧ろ首都圏でアクティブ

に活動しているプロのエンジェル投資家からの投資受け入れがマッチするケースもある。

この意味において、より多くの個人投資家とベンチャー企業の中から相互に協業シナジーや有益な

補完関係を見出せるマッチング機会の創出/醸成が欠かせないため、①地方ベンチャー企業と同じ域内

の個人投資家とのマッチング、②地方ベンチャー企業と首都圏在住のプロのエンジェル投資家とのマ

ッチング、③地方ベンチャー企業と当該ビジネスモデルに近似した業種/業態での経営経験を有する個

人投資家・プロのエンジェル投資家とのマッチングなど、可能な限り多様な組み合わせの中から投資

機会を探る工夫やマッチングの複線化を図ることが地方部におけるリスクマネー供給の活性化には不

可欠であると考えられる。

(4)エンジェル投資を促進するファンドの組成

都市部/首都圏に比してリスクマネー供給機能/機会に欠ける地方部においては、潜在的なエンジェ

ル投資家の個人金融資産を如何に地方ベンチャー企業へのエンジェル投資に繋げるか、といったこと

が優先的な政策課題となるが、前述した通り、リテラシーやマッチング機会等の問題がボトルネック

となるケースも想定される。また、都市部/首都圏、地方部を問わず、ベンチャー企業へのリスクマネ

ー供給のスキームは一つに依存/偏重すべきではなく、可能な限り複線化されることが望ましい。供給

量のみならず、複数の資金供給/調達スキームがあることで、資本政策上、望ましい資本/株主構成を

維持しながら併用/補完させたり、複数のオプションから当該ステージに最も相応しい合理性のあるス

キームを採る余地を生むことにも繋がるからである。

この意味において、地方部におけるエンジェル投資の促進/活性化のみならず、同時にファンドを通

じた地方ベンチャー企業への投資を促進/活性化させる措置を講じることが重要である。2000 年代にブ

ームとなった地方ベンチャーファンド(自治体主導で地方金融機関等と一緒にLP出資して組成した

ベンチャーファンド)が運用ノウハウの問題や当時の IPO マーケットの問題から成果導出が困難とな

った経験が長く尾を引き、地方部においてベンチャーファンドの組成が容易ではないという構造的な

問題があることも事実であるが、本調査によって収集/分析した事例のように、エンジェル税制の認定

ファンド(LPS)の要件を満たしながら地方へのリスクマネー供給を実現しようとする新たなモデルが

出始めている。また、地銀系の VC では、現状、エンジェル投資の可能性が圏域内で見出せない状況に

ある中で、域内におけるエコシステム形成に寄与することを社会的な命題と捉え、自社のファンドの

ポートフォリオの一部をエンジェル投資の機能を代替する枠として振り向け、従来までは積極的に投

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資してこなかったシード/アーリーステージの投資に充てる判断をしている。

こうした先進事例の試み/志しを踏まえると、過去の地方ベンチャーファンドの失敗に囚われずに、

エコシステム形成やイノベーションの実現、新たな手法/モデルによる地方活性化に欠かせないベンチ

ャー企業へのリスクマネー供給の活性化に寄与する地方版エンジェルファンドを組成したり、VC によ

るシード/アーリーステージ向けファンドの設立支援、NEDO の STS の地方版のような開発助成と認定

VC による投資を組み合わせた投資スキームの開発、後述する基金等を通じた LP 出資スキームを活用し

た認定ファンド(LPS)の設立など、ベンチャー育成には欠かせないベンチャーファンドを多様化させ、

より多くの VC/GP に地方ベンチャー企業への投資を担ってもらうための基盤整備に永続的に取り組む

べきであると考えられる。

3. シード/アーリー期におけるリスクマネー供給手段の多様化策

(1)個人投資家の投資資金を効率的/効果的にベンチャー投資に向かわせるスキームの

構築/整備

前掲した通り、本調査において収集/分析した個人投資家のベンチャー投資意向や、これまでにエン

ジェル投資の経験がないものの地方活性化と社会貢献を企図してエンジェル投資への意向/コミットメ

ントを表明した地方中核企業の創業/経営者の事例などを見る限り、将来的にエンジェル投資家に転身

する可能性を有する潜在的なエンジェル投資家は少なくないと想定される。

しかしながら、我が国の IPO マーケットやベンチャー企業に関する M&A マーケットの構造上、多額

のキャピタルゲインを得たシリアルアントレプレナーの転身パターンが多い欧米のエンジェル投資家

に比して、潜在的なエンジェル投資家の個人金融資産からの拠出額は相対的に低いものとならざるを

得ない。また、ベンチャー企業の創業/起業/経営経験を有しない個人投資家は、社会貢献意欲があり

ながらも、各種の INDEX 指標に拠らない未公開株への投資について、個別具体的な案件/銘柄を前にし

て躊躇し兼ねない現実がある。

こうした我が国における潜在的なエンジェル投資家の特性や実情に鑑みた場合、リテラシーの高い

プロのエンジェル投資家の投資スキーム/パターンとは別途、個人出資による株式引受ではなく、「(仮

称)エンジェル投資基金」等の基金を設立し、出資者へは当該基金への出資によって所得控除等のイ

ンセンティブを付与しつつ、個人投資家から募った基金からシード/アーリーステージのリスクファイ

ナンスを支えるエンジェルファンドやベンチャーファンド等に LP 出資するなどの資金拠出スキームも

有効であると考えられる。勿論、基金の設立や法制化にあたっては、基金からの資金拠出の使途や手

法、運営/預託方法、政策評価手法等、慎重な議論/検討を要するが、このファンド・オブ・ファンズ

の機能を有する基金の設立は、我が国最大の LP である中小企業基盤整備機構による LP 出資に過度に

依存せず、ファンドレンジングが難しいエンジェルファンドや独立系 VC の第一号ファンドへの LP 出

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資を複線化させる可能性を有するなど、中長期的には検討に値する論点であると考えられる。

(2)ベンチャー企業の企業類型に応じたエンジェル投資の多様化/複線化を促す仕組み

我が国において、特に地方ベンチャーへのリスクマネー供給を想定した場合、現在のエンジェル税

制の適用対象の多くを占める IPO や M&A 狙いのベンチャー企業よりも、寧ろ地方資源を活用して地方

課題の解決や地方振興等を主眼として設立/登記されたベンチャー企業の成長パターン/シナリオにも

応えられる柔軟性を確保すべきであると考えられる。

また、前述した通り、優遇税制等のインセンティブは適用対象の経済主体/企業類型に応じてインセ

ンティブプランを柔軟に設計することが経済波及効果等の便益を齎し易い。こうした点を踏まえ、中

長期的には、①IPO や M&A 狙いのキャピタルゲインを前提としたテクノロジーベンチャー企業型のエ

ンジェル投資/税制(=現在のエンジェル税制の延長線上に位置付けられる税制)に加え、②地方資源

を活用した地方振興/復興や地方社会の課題解決等を志向しつつ将来的にインカムゲインを齎す可能性

を有する「(仮称)地方未来牽引企業型エンジェル投資/税制」を創設するなど、エンジェル投資の多

様化/複線化を促す政策対応も有効であると考えられる。

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資料Ⅰ

国内アンケート調査票

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中小・ベンチャー企業向けアンケート調査票

中小・ベンチャー企業の資金調達の実態とエンジェル税制のあり方に関する

アンケート調査

アンケートのご回答は下記の URL よりお願いいたします

https://www.net-research.jp/979972/sme/

<設問項目一覧>

設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

1

社名 任意回答で社名を記載

回答者の所属・氏名 任意回答で所属・氏名を記載

連絡先 E-mail、電話番号 任意回答で E-mail、電話番号を記載

2 本社所在地 選択肢:都道府県名

3 貴社の創業年を教えてください。 (20 )年

4 貴社の正社員数(連結)を教えてください。 ①1~4名 ②5~20名 ③21~50名

④51~100名 ⑤101~300名 ⑥301名~

5 貴社の非正社員数(非常勤)を教えてください

① 0名

② 1~4名 ③5~20名 ④21~50名

⑤ 51~100名 ⑥101名~

6 貴社の業種を教えてください。

主なもの1つを選択してください。

① 通信・ネットワーキング及び関連機器

② コンピュータ及び関連機器、IT サービス

③ ソフトウェア

④ AI/制御

⑤ 半導体、電気一般

⑥ バイオ、製薬

⑦ 素材/マテリアル

⑧ 医療機器、ヘルスケアサービス

⑨ 工場、環境/エネルギー、その他産業

⑩ メディア、娯楽、小売、消費財

⑪ 金融、不動産、法人向けサービス

⑫ ロボット関連

⑬ 航空/宇宙

⑭ その他( )

7 貴社は以下のうちどの企業に当てはまりますか。

最も当てはまるものを1つ選択してください。

① 成長可能性の高いベンチャー企業

② 地方の中核企業による新規事業/第二創業や

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設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

中小企業の連合体による共同出資会社

③ U/I ターン等を契機として移住先の地方資源を

活用した新規ビジネスを立ち上げた企業

④ 地方振興/復興を目的として設立された、まち

づくり/村おこし企業

⑤ 地方社会の課題(介護や子育て支援等)の

解決を目的として設立された企業

⑥ 創業メンバーや社員の WLB と生き甲斐を経営

の優先事項として共感できる仲間うちで設立され

た企業(就業観や家庭事情を共有して助け合

える関係性が維持できる規模内での成長/存続

を優先し、事業規模の拡大を目的としない)

⑦ その他( )

8

資金調達の計画と実績、今後の予定についてお尋ねします。

貴社の事業成長に合わせた資金調達の概要を資金調達ラウ

ンド毎にご記入ください。

※回答のイメージは別紙ご参照

9

創業時の株主はどのような主体で構成されていましたか。

当てはまるものすべてを選択してください。

また、割合の欄には、1~10 の整数もしくは 0.5 単位(0.5、

1.5、2.5…)で割合の数値を合計が 10 になるように記載し

てください。

① 創業メンバー( 割)

② 親族・友人( 割)

③ エンジェル投資家( 割)

④ ベンチャーキャピタル( 割)

⑤ シードアクセラレーター( 割)

⑥ 事業会社( 割)

⑦ その他( 割)

10

創業時を振り返って、資本構成に関して思うところはあります

か。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 経営に対して助言をしてもらえる経験者がいると

よかった

② もっと多様な主体から資金を集めればよかった

③ 無議決権株式によるエンジェル投資を検討すれ

ばよかった

④ その他( )

11

現在の株主はどのような主体で構成されていますか。

当てはまるものすべてを選択してください。

また、割合の欄には、1~10 の整数もしくは 0.5 単位(0.5、

1.5、2.5…)で割合の数値を合計が 10 になるように記載し

てください。

① 創業メンバー( 割)

② 親族・友人( 割)

③ エンジェル投資家( 割)

④ ベンチャーキャピタル( 割)

⑤ シードアクセラレーター( 割)

⑥ 創業メンバー以外の社員 ( 割)

⑦ 事業会社( 割)

⑧ その他( 割)

12

これまで他社(事業会社、中小企業、ベンチャー企業等)か

ら、法人として直接投資を受け入れたことがありますか。ただし、

他社からの直接投資ではなく、ファンドを経由した投資は含みま

せん。

① 投資を受け入れたことがある

② 投資を受け入れたことはないが、打診されて受け

入れを検討したことはある

③ 投資の受け入れや検討を行ったことはない

13

<問 12 で①②と答えた方のみ>

投資を受けた(もしくは投資受け入れを検討した)企業はどの

ような企業ですか。

① 大企業

② 都市部以外(地方)の中小企業

③ 東京都等都市部の中小企業

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設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

当てはまるものすべてを選択してください。 ④ ベンチャー企業

⑤ 外資系企業

⑥ その他( )

14

<問 12 で①②と答えた方のみ>

どのような形態での投資(の検討)でしたか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 他社のみが自社に投資を行う形式

② 他社と自社が相互に投資を行う形式(株式の

持合い)

③ その他( )

15

<問 9、問 11 で「エンジェル投資家」と答えた方のみ>

貴社の株主のエンジェル投資家はどのようなかたですか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 地方の中堅・中小企業の経営層

② 地方の篤志家等(土地や事業承継/売却等に

より一定の金融資産を保有する個人)

③ 地方の個人事業主

④ 地方の会社員

⑤ 専門職(医師、弁護士、大学教授等)

⑥ ベンチャー企業の経営層

⑦ エンジェル投資を目的としたファンド

⑧ その他( )

16 エンジェル税制という税制優遇措置制度を知っていますか。 知っている・知らない

17 <問 16 で「知っている」と答えた方のみ>

エンジェル税制をいつ知りましたか。

① 創業前に知った

② 創業資金の調達時に知った

③ 創業資金の調達を終えた後に知った

④ その他( )

18 <問 16 で「知っている」と答えた方のみ>

エンジェル税制をどのように知りましたか。

① 中小企業庁からの情報

② 自治体、地方の支援機関等からの情報

③ 税理士からの情報

④ 税務署からの情報

⑤ 投資家や知人のベンチャー企業関係者からの情

⑥ その他( )

19

<問 16 で「知っている」と答えた方のみ>

これまで資金調達を行った際に、エンジェル税制を利用、検討

したことがありますか。

当てはまるものすべてを選択してください。

選択肢 1~3 のうち1つ、選択肢 4~6 のうちから、それぞれ

1 つを選択してください。

① 自社で利用したことがある

② 自社で利用したことはないが、利用を検討したこ

とがある

③ 自社で利用もしくは検討をしたことがない

④ 知り合いの会社が利用したことがある

⑤ 知り合いの会社が利用したことがないが、利用を

検討したことがある

⑥ 知り合いの会社が利用もしくは検討したことはな

20

<問 19 で②③と答えた方のみ>

なぜ自社でエンジェル税制を利用しなかったのですか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 税制のメリットや手続きが分からなかった

② 自社が企業の適用要件を満たすかわからなかっ

③ 自社が適用要件を満たしていなかった

④ 手続きを相談できる専門家がいなかった

⑤ 申請書類等手続きが煩雑だった

⑥ その他( )

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設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

21

<問 20 で「自社が適用要件を満たしていなかった」と答えた方

のみ>

適用要件を満たしていないことを理由に、エンジェル投資家から

の投資を見送ったことはありますか。

ある・ない

22

<問 16 で①と答えた方のみ>

エンジェル税制の条件の一つとして、所得控除を受けるための

企業要件として、設立年度 3年未満としています。これは企業

が設立されてから創業メンバー以外の外部の投資家が最初の

投資を行う時期を想定しています。この期間の長短について伺

います。

① エンジェル投資などの最初の外部資金調達が創

業 3 年未満に完了するとは限らないため、短いと

思う

② エンジェル投資などの最初の外部資金調達が創

業 3年未満に概ね完了するため、妥当だと思う

③ エンジェル投資などの最初の外部資金調達は創

業間もない時期に概ね完了するため、長いと思う

④ わからない

23

<問 16 で①と答えた方のみ>

エンジェル税制の条件の一つとして、外部の株主を1/6以上

を受け入れるというものがあります。

これに対して、外部の株主を1/6以上を受け入れることは経

営権流出の観点から抵抗はありますか

① 抵抗あり

② 初めての増資に対しては抵抗あり

③ 抵抗ない

④ わからない

24

<問 23 で①②と答えた方のみ>

経営権流出の観点から外部の株主を受け入れることができる

割合を教えてください

① 1/8

② 1 /10

③ 外部株主受け入れはできない

④ 企業の成長戦略を優先するため、株主比率には

拘らない

⑤ それ以外( )

25

これまで他社(ベンチャー企業、中小企業、事業会社等)に

対して、法人として直接投資をしたことがありますか。ただし、他

社への直接投資ではなく、ファンドを経由した投資は含みませ

ん。

① 投資を行ったことがある

② 投資を行ったことはないが、検討を行ったことがあ

③ 投資も検討も行ったことがない

26

<問 25 で①②と答えた方のみ>

投資対象とした他社はどのような企業ですか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 大企業

② 都市部以外(地方)の中小企業

③ 東京都等都市部の中小企業

④ ベンチャー企業

⑤ 外資系企業

27

<問 25 で①②と答えた方のみ>

どのような目的で投資(の検討)を行いましたか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 共同開発を行うため

② 先端的な技術動向を見極めるため

③ 投資対象企業を(将来的に)買収するため

④ 競合他社や大企業の資本参加を未然に防ぐた

⑤ 人材交流を行うため(出向、転籍等)

⑥ その他( )

28

<問 25 で①②と答えた方のみ>

どのような形態で投資(の検討)を行いましたか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 自社のみが他社に投資を行う形式

② 自社と他社が相互に投資を行う形式(株式の

持合い)

③ 自社と他社が新しくジョイントベンチャーを設立し

て、投資を行う形式

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設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

④ その他( )

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問 8_資金需要と実態とのギャップ分析に使う設問(別紙)

設問 8

資金調達の計画と実績、今後の予定についてお尋ねします。貴社の事業成長に合わせた資金調達の

概要を資金調達ラウンド毎にご記入ください。なお、現時点から先の資金調達ラウンドについては、

資金調達計画(予定)として「調達額(実績)」以外の各項目についてご記入ください。

調達方法と調達金額

うち、助成金 2

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

うち、負債(借入) 3

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

うち、第三者への株式

発行(投資受入)

10

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

経営チーム持分比率 80% % % % % %

※本アンケートにおける資金調達ラウンドは以下のように定義します。

<シードラウンド>

エンジェル投資家やシードステージでの投資を行うベンチャーキャピタル、アクセラレータ等を中心とした資金調達

で、技術・アイデア等を事業化させるために必要最低限な理論的な検証(PoC)を行うことができるプロトタイプを開

発したり、ソリューションモデルを企画したりするための資金。公的な助成金との併用も多くみられる。

<シリーズ A>

ベンチャーキャピタル等を中心に資金調達する1回目の投資。量産化を見据えた追加的な研究開発のみならず、製品

やサービスをマーケットに合わせて改良し、ビジネスモデルを確立させる事業ステージでの資金調達に相当します。

<シリーズ B、C….>

ベンチャーキャピタル等を中心に資金調達する2回目(シリーズ B)、3回目(シリーズ C)の資金調達で、ビジネス

モデルによって多少異なりますが、概ねシリーズ B は事業が成長軌道に乗り、事業拡大に合わせて収益が伸び始める事

業ステージ、また、シリーズ C 以降は将来的な IPO や M&A(事業会社への売却等)を見据えながら更なる事業拡大と黒

字経営の安定化を図りつつ、上場基準への対応を含め資本構成(株主構成)を見直したりガバナンス強化に努める事業

ステージでの資金調達に相当します。

資金調達ラウンド (記入例) 創業時 シード シリーズ A シリーズ B シリーズ C

調達年(調達想定年) 2015 年 年 年 年 年 年

想定調達額(必要資金) 20

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

調達額(実績) 15

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

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一般個人向けアンケート調査票

社会貢献活動やベンチャー企業への個人投資の実態・意向に関するアンケート調査

アンケートのご回答は下記の URL よりお願いいたします

https://www.net-research.jp/angel-investment_individual1/

<設問項目一覧>

設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

1 貴方の住んでいる都道府県はどちらですか。 選択肢:都道府県名

2 貴方の職業を教えてください。

① 会社員(フルタイム)

② 会社員(パートタイム)

③ 会社経営者

④ 会社役員(創業経験者)

⑤ 政府職員・公務員

⑥ 専門職(医師、弁護士、大学教授など)

⑦ 個人事業主

⑧ 投資家

⑨ フリーランス・自由業

⑩ 学生

⑪ 専業主婦・主夫

⑫ 無職(リタイア・年金暮らし)

3 貴方の個人年収を教えてください。

①なし ②100万円未満 ③100~200万円未満

④200~300万円未満 ⑤300~500万円未満

⑥500~700万円未満 ⑦700~1000万円未満

⑧1000~2000 万円未満⑨2000~3000 万円未

満 ⑩3000万円以上

4 貴方の現預金額を教えてください。

①なし ②100万円未満 ③100~200万円未満

④200~300万円未満 ⑤300~500万円未満

⑥500~700万円未満 ⑦700~1000万円未満

⑧1000~2000 万円未満⑨2000~3000 万円未

満 ⑩3000~5000万円未満⑪5000~1億円未満

⑬ 1億円以上

一般的な投資や資産運用に対する関心・経験について伺います。

5 貴方は投資や資産運用に関心がありますか。 ある・ない

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設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

6 今までに投資や資産運用の経験はありますか。 あり・なし

7

<問 6 で「あり」と答えた方のみ>

どのように資産運用を行っていますか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① NISA を活用した少額投資

② 個人型確定拠出年金(iDeCo)

③ 貴金属投資

④ 個人向け国債

⑤ 投資信託

⑥ 株式投資

⑦ 不動産投資信託・REIT

⑧ 不動産投資

⑨ 外国為替取引(FX)

⑩ 株式・債券のデイトレード

⑪ その他( )

8

<問 6 で「あり」と答えた方のみ>

投資を行ったきっかけは何ですか。

最も当てはまるもの1つを選択してください。

① 元々投資に興味があった

② 一定の運用資金が確保できた

③ 金融機関等からの紹介

④ 知人等からの依頼・推薦

⑤ 結婚・出産周囲の等のライフステージや世帯構成の

変化

⑥ その他( )

9

<問 5、問 6 で「あり」と答えた方のみ>

貴方が投資した目的(投資する場合の目的)は何ですか。

最も当てはまるもの1つを選択してください。

① 短期的な利益を得るため

② 長期的に安定的な利益を得るため

③ 老後資金のため

④ 子供の教育費用のため

⑤ 株主優待等の特典を得るため

⑥ 節税のため

⑦ 地方貢献や社会貢献をするため

⑧ その他( )

10 貴方が収益目的や資産運用目的で投資することを想定した場

合、拠出可能な目安額は幾らくらいでしょうか?

最大投資額の目安: ( )万円 程度

社会貢献・支援活動に対する関心・経験について伺います。

11 貴方は社会貢献・支援活動に関心はありますか。 ある・ない

12 社会貢献・支援活動を行ったことはありますか。 ある・ない

13

<問 12 で「ある」と答えた方のみ>

それはどのような活動ですか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 返礼品の還元率を重視した自治体選択によるふる

さと納税

② 被災地復興や破綻自治体応援、出身地応援等

の地方貢献を重視した自治体選択によるふるさと

納税

③ 地方活性化に取り組む自治体・団体に対する寄

④ 新規性のある製品・サービスの開発を目的としたクラ

ウドファンディング

⑤ 社会貢献・地方活性化を目的としたクラウドファンデ

ィング(※)

⑥ プロボノ活動

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設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

⑦ ボランティア活動

⑧ 災害・被災地復興のための支援活動

⑨ 地方活性化イベントの企画・運営への参加

⑩ 地方の人材の育成・教育活動

⑪ 地方の自然保護活動

⑫ その他( )

※投資対象のプロジェクトが、単なる新規性のある製品・

サービスの開発ではなく、地方や社会の課題を解決す

ることを目的としたプロジェクト(採算性の低い官民共

同プロジェクトやアート作品、難病小児患者支援、低

開発国支援等)組成を企図したもの

14

貴方の投資が地方活性化や被災地復興等の社会貢献に繋が

るなど、社会に役立てられると考えた場合に、投資を行うことに関

心がありますか。

ある・ない

15 実際に地方活性化や被災地復興、地方社会の課題解決等を

目的とした事業やベンチャー企業、ファンド等に投資する場合に

は、配当や売却益等のリターンはそれほど期待できず、一個人とし

ての地方貢献や社会貢献の一つのかたちとして行われるケースが

想定されます。貴方がこうした地方貢献や社会貢献目的で投資

をすることを想定した場合、拠出可能な目安額は幾らくらいでしょ

うか?

最大拠出額の目安: ( )万円 程度

16 貴方は地方(居住地や出身地等)で起業をしている会社に対

する支援として投資を行ったことがありますか。 ある・ない

ベンチャー企業への投資に対する関心・意向について伺います。

17

貴方はベンチャー企業に投資をする場合、どのようなリターンを期

待しますか。

最も当てはまるもの1つを選択してください。

① 金銭的なリターン(配当、売却益)

② 非金銭的なリターン(商品・サービスの優待利用、

情報入手等)

③ リターンは期待しない

18

<問 17 で「非金銭的リターン」と答えた方のみ>

非金銭的なリターンとして、どのようなものを期待しますか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 地方資源を活用した製品の返礼品・贈呈

② 地方資源を活用したサービスの優待

③ 会社の生産現場の見学会・説明会の参加

④ 地方・社会課題の解決に向けた情報の提供

⑤ 地方の人材との交流イベント参加

⑥ 出資者に対する顕彰(氏名公表等)

⑦ 経営への参画(議決権の行使)

⑧ 自分が所属している企業との協業・事業シナジー

⑨ その他( )

19 貴方がベンチャー企業へ投資することを想定した場合、拠出可能

な目安額は幾らくらいでしょうか?

① 最大投資額の目安: ( )万円 程

20

貴方はベンチャー企業に投資をする場合、どのような問題がありま

すか。

当てはまるものすべてを選択してください。

② 投資のための資金がない

③ 金銭的リターンが期待できない

④ 起業家との接点がない

⑤ 投資する手続きがわからない

⑥ 投資先を評価することができない

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設問

番号 <回答対象者> / 設問 選択肢

⑦ その他( )

21

どのような環境や条件が整えば、貴方はベンチャー企業への投資

を行いますか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 少額でも投資できる投資環境

② 出資者を募ったファンドに対する間接的な出資

③ 社会貢献意欲のあるベンチャー企業への共同出資

を募るためのクラウドファンディング

④ 投資に対する税控除(所得控除、キャピタルゲイン

課税の軽減等)

⑤ 自治体による投資の支援(認定、協調投資等)

⑥ 非金銭的リターンの充実化

⑦ 地方における投資案件の紹介

⑧ 投資先の事業計画書・ビジネスプランの閲覧

⑨ 手続きの簡便化

⑩ その他( )

エンジェル税制に関する認知度等について伺います。

22 エンジェル税制という税制優遇措置制度を知っていますか。 知っている・知らない

23 <問 22 で「知っている」と答えた方のみ>

エンジェル税制をどのように知りましたか。

① 中小企業庁からの情報

② 自治体、地方の支援機関等からの情報

③ 税理士からの情報

④ 税務署からの情報

⑤ 知人の投資家やベンチャー企業関係者からの情報

⑥ その他( )

24

<問 22 で「知っている」と答えた方のみ>

エンジェル税制を今まで利用、検討したことがありますか。

当てはまるものすべてを選択してください。

① 自分が利用したことがある

② 自分が利用したことはないが、利用を検討したことが

ある

③ 自分が利用もしくは検討をしたことがない

④ 知り合いが利用したことがある

⑤ 知り合いが利用したことがないが、利用を検討したこ

とがある

⑥ 知り合いが利用もしくは検討したことはない

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資料Ⅱ

アンケート集計結果

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1.中小・ベンチャー企業の資金調達の実態とエンジェル税制のあり方に関するアンケー

ト調査

本社所在地を教えてください。単一回答 N %

1 北海道 5 2.5

2 青森県 1 0.5

3 岩手県 1 0.5

4 宮城県 6 3.0

5 秋田県 0 0.0

6 山形県 5 2.5

7 福島県 3 1.5

8 茨城県 6 3.0

9 栃木県 2 1.0

10 群馬県 6 3.0

11 埼玉県 6 3.0

12 千葉県 9 4.5

13 東京都 46 22.8

14 神奈川県 16 7.9

15 新潟県 1 0.5

16 富山県 4 2.0

17 石川県 4 2.0

18 福井県 2 1.0

19 山梨県 0 0.0

20 長野県 2 1.0

21 岐阜県 2 1.0

22 静岡県 4 2.0

23 愛知県 7 3.5

24 三重県 0 0.0

25 滋賀県 2 1.0

26 京都府 3 1.5

27 大阪府 12 5.9

28 兵庫県 4 2.0

29 奈良県 2 1.0

30 和歌山県 1 0.5

31 鳥取県 0 0.0

32 島根県 1 0.5

33 岡山県 5 2.5

34 広島県 8 4.0

35 山口県 0 0.0

36 徳島県 2 1.0

37 香川県 2 1.0

38 愛媛県 2 1.0

39 高知県 0 0.040 福岡県 9 4.5

41 佐賀県 0 0.0

42 長崎県 1 0.5

43 熊本県 3 1.5

44 大分県 0 0.0

45 宮崎県 1 0.5

46 鹿児島県 4 2.0

47 沖縄県 2 1.0

全体 202 100.0

q2

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貴社の正社員数(連結)を教えてください。単一回答 N %

1 1~4名 93 46.0

2 5~20名 77 38.1

3 21~50名 24 11.9

4 51~100名 5 2.5

5 101~300名 2 1.0

6 301名~ 1 0.5

全体 202 100.0

q4

貴社の非正社員数(非常勤)を教えてください。単一回答 N %

1 0名 61 30.2

2 1~4名 81 40.1

3 5~20名 45 22.3

4 21~50名 13 6.4

5 51~100名 0 0.0

6 101名~ 2 1.0

全体 202 100.0

q5

貴社の業種を教えてください。主なもの

1つを選択してください。単一回答 N %

1 通信・ネットワーキング及び関連機器 6 3.0

2 コンピュータ及び関連機器、ITサービス 16 7.9

3 ソフトウェア 19 9.44 AI/制御 0 0.0

5 半導体、電気一般 6 3.0

6 バイオ、製薬 1 0.57 素材/マテリアル 4 2.0

8 医療機器、ヘルスケアサービス 11 5.49 工場、環境/エネルギー、その他産業 15 7.4

10 メディア、娯楽、小売、消費財 15 7.4

11 金融、不動産、法人向けサービス 23 11.412 ロボット関連 1 0.5

13 航空/宇宙 1 0.5

14 その他(【   】) 84 41.6

全体 202 100.0

q6

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貴社は以下のうちどの企業に当てはまりますか。最も当てはまるものを1つ選

択してください。単一回答 N %

1 成長可能性の高いベンチャー企業 82 40.6

2地域の中核企業による新規事業/第二創業や中小企業の連合体による共同出資会社

6 3.0

3

U/Iターン等を契機として移住先の地域資

源を活用した新規ビジネスを立ち上げた企業

7 3.5

4地域振興/復興を目的として設立された、まちづくり/村おこし企業

17 8.4

5地域社会の課題(介護や子育て支援等)の解決を目的として設立された企業

27 13.4

6

創業メンバーや社員のWLBと生き甲斐を経

営の優先事項として共感できる仲間うちで設立された企業(就業観や家庭事情を共有して助け合える関係性が維持できる規模内での成長/存続を優先し、事業規模の

拡大を目的としない)

27 13.4

7 その他(【   】) 36 17.8

全体 202 100.0

q7

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資金調達の計画と実績、今後の予定に

ついてお尋ねします。貴社の事業成長

に合わせた資金調達の概要を資金調

達ラウンド毎にご記入ください。なお、

現時点から先の資金調達ラウンドにつ

いては、資金調達計画(予定)として

「調達額(実績)」以外の各項目につい

てご記入ください。自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1創業時 想定調達額(必要資金)/想定調

達額(必要資金) 【q8_2_2_1fa】百万円202 0 202 27229 134.80 1142.14 0.00 16000.00

2創業時 調達額(実績)/調達額(実績)

【q8_2_3_1fa】百万円202 0 202 26445 130.92 1142.27 0.00 16000.00

3創業時 調達方法と調達金額/うち、助成

金 【q8_2_4_1fa】百万円202 0 202 390 1.93 17.56 0.00 200.00

4創業時 調達方法と調達金額/うち、負債

(借入) 【q8_2_5_1fa】百万円202 0 202 8012 39.66 181.22 0.00 2000.00

5

創業時 調達方法と調達金額/うち、第三

者への株式発行(投資受入) 【q8_2_6_1fa】

百万円

202 0 202 408 2.02 11.65 0.00 150.00

6創業時 経営チーム持分比率/経営チー

ム持分比率 【q8_2_7_1fa】%202 0 202 15046 74.49 40.71 0.00 100.00

7シード 想定調達額(必要資金)/想定調達

額(必要資金) 【q8_3_2_1fa】百万円202 116 86 6120 71.17 163.29 0.00 1077.00

8シード 調達額(実績)/調達額(実績)

【q8_3_3_1fa】百万円202 120 82 6810 83.05 187.69 0.00 1116.80

9シード 調達方法と調達金額/うち、助成金

【q8_3_4_1fa】百万円202 122 80 856 10.70 81.47 0.00 728.00

10シード 調達方法と調達金額/うち、負債

(借入) 【q8_3_5_1fa】百万円202 122 80 2786 34.82 101.27 0.00 650.00

11

シード 調達方法と調達金額/うち、第三者

への株式発行(投資受入) 【q8_3_6_1fa】百

万円

202 120 82 1726 21.05 73.87 0.00 560.00

12シード 経営チーム持分比率/経営チーム

持分比率 【q8_3_7_1fa】%202 116 86 6489 75.45 37.77 0.00 100.00

13シリーズA 想定調達額(必要資金)/想定

調達額(必要資金) 【q8_4_2_1fa】百万円202 127 75 13983 186.44 537.07 0.00 3710.00

14シリーズA 調達額(実績)/調達額(実績)

【q8_4_3_1fa】百万円202 141 61 12398 203.24 589.62 0.00 3710.00

15シリーズA 調達方法と調達金額/うち、助

成金 【q8_4_4_1fa】百万円202 143 59 198 3.36 22.18 0.00 170.00

16シリーズA 調達方法と調達金額/うち、負

債(借入) 【q8_4_5_1fa】百万円202 141 61 5741 94.11 354.50 0.00 2199.00

17

シリーズA 調達方法と調達金額/うち、第

三者への株式発行(投資受入)

【q8_4_6_1fa】百万円

202 143 59 6267 106.22 497.03 0.00 3710.00

18シリーズA 経営チーム持分比率/経営

チーム持分比率 【q8_4_7_1fa】%202 127 75 5437 72.49 37.35 0.00 100.00

19シリーズB 想定調達額(必要資金)/想定

調達額(必要資金) 【q8_5_2_1fa】百万円202 145 57 13811 242.30 815.84 0.00 5787.00

20シリーズB 調達額(実績)/調達額(実績)

【q8_5_3_1fa】百万円202 165 37 8053 217.65 947.19 0.00 5787.00

21シリーズB 調達方法と調達金額/うち、助

成金 【q8_5_4_1fa】百万円202 165 37 34 0.92 3.07 0.00 13.00

22シリーズB 調達方法と調達金額/うち、負

債(借入) 【q8_5_5_1fa】百万円202 166 36 1023 28.42 84.79 0.00 500.00

23

シリーズB 調達方法と調達金額/うち、第

三者への株式発行(投資受入)

【q8_5_6_1fa】百万円

202 164 38 6981 183.71 936.99 0.00 5787.00

24シリーズB 経営チーム持分比率/経営

チーム持分比率 【q8_5_7_1fa】%202 145 57 4049 71.04 36.73 0.00 100.00

25シリーズC 想定調達額(必要資金)/想定

調達額(必要資金) 【q8_6_2_1fa】百万円202 157 45 16511 366.91 1265.56 0.00 8181.00

26シリーズC 調達額(実績)/調達額(実績)

【q8_6_3_1fa】百万円202 177 25 2419 96.76 157.94 0.00 500.00

27シリーズC 調達方法と調達金額/うち、助

成金 【q8_6_4_1fa】百万円202 177 25 23 0.92 2.64 0.00 10.00

28シリーズC 調達方法と調達金額/うち、負

債(借入) 【q8_6_5_1fa】百万円202 177 25 1145 45.80 107.51 0.00 500.00

29

シリーズC 調達方法と調達金額/うち、第

三者への株式発行(投資受入)

【q8_6_6_1fa】百万円

202 177 25 1241 49.64 129.08 0.00 450.00

30シリーズC 経営チーム持分比率/経営

チーム持分比率 【q8_6_7_1fa】%202 157 45 3179 70.64 35.99 0.00 100.00

q8

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- 98 -

創業時の株主はどのような主体で構成されていましたか。当てはまるものすべてを選択してください。また、割合の欄には、1~10の整数もしくは0.5単位(0.5、1.5、2.5…)で割合の数値を合計が10になるように記載してください。複数回答 N %

1 創業メンバー【   】割 175 86.62 親族・友人【   】割 25 12.43 エンジェル投資家【   】割 3 1.54 ベンチャーキャピタル【   】割 2 1.05 シードアクセラレーター【   】割 0 0.06 事業会社【   】割 20 9.97 その他【   】割 10 5.0

全体 202 100.0

q9

創業メンバー【q9_1_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 創業メンバー【q9_1_1fa】割 202 27 175 1625 9.29 1.91 1.00 10.00

q9_1_1fa

親族・友人【q9_2_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 親族・友人【q9_2_1fa】割 202 177 25 160 6.38 3.78 0.50 10.00

q9_2_1fa

エンジェル投資家【q9_3_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 エンジェル投資家【q9_3_1fa】割 202 199 3 18 5.83 3.75 1.50 8.00

q9_3_1fa

ベンチャーキャピタル【q9_4_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 ベンチャーキャピタル【q9_4_1fa】割 202 200 2 6 3.00 2.83 1.00 5.00

q9_4_1fa

シードアクセラレーター【q9_5_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 シードアクセラレーター【q9_5_1fa】割 202 202 0 0 - - - -

q9_5_1fa

事業会社【q9_6_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 事業会社【q9_6_1fa】割 202 182 20 145 7.26 3.06 1.00 10.00

q9_6_1fa

その他【q9_7_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 その他【q9_7_1fa】割 202 192 10 66 6.64 3.76 2.00 10.00

q9_7_1fa

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- 99 -

創業時を振り返って、資本構成に関し

て思うところはありますか。当てはまるものすべてを選択してください。複数回答 N %

1経営に対して助言をしてもらえる経験者がいるとよかった

79 39.1

2もっと多様な主体から資金を集めればよかった

29 14.4

3無議決権株式によるエンジェル投資を検討すればよかった

22 10.9

4 その他(【   】) 92 45.5

全体 202 100.0

q10

現在の株主はどのような主体で構成されていますか。当てはまるものすべて

を選択してください。また、割合の欄に

は、1~10の整数もしくは0.5単位(0.5、

1.5、2.5…)で割合の数値を合計が10

になるように記載してください。複数回答 N %

1 創業メンバー【   】割 173 85.6

2 親族・友人【   】割 32 15.8

3 エンジェル投資家【   】割 10 5.0

4 ベンチャーキャピタル【   】割 13 6.4

5 シードアクセラレーター【   】割 2 1.06 創業メンバー以外の社員【   】割 8 4.0

7 事業会社【   】割 34 16.8

8 その他【   】割 20 9.9

全体 202 100.0

q11

創業メンバー【q11_1_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 創業メンバー【q11_1_1fa】割 202 29 173 1466 8.47 2.60 0.50 10.00

q11_1_1fa

親族・友人【q11_2_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 親族・友人【q11_2_1fa】割 202 170 32 182 5.67 3.70 0.50 10.00

q11_2_1fa

エンジェル投資家【q11_3_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 エンジェル投資家【q11_3_1fa】割 202 192 10 29 2.89 2.65 1.00 9.50

q11_3_1fa

ベンチャーキャピタル【q11_4_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 ベンチャーキャピタル【q11_4_1fa】割 202 189 13 37 2.87 1.79 0.50 7.50

q11_4_1fa

シードアクセラレーター【q11_5_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 シードアクセラレーター【q11_5_1fa】割 202 200 2 2 0.75 0.35 0.50 1.00

q11_5_1fa

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- 100 -

創業メンバー以外の社員【q11_6_1fa】

割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 創業メンバー以外の社員【q11_6_1fa】割 202 194 8 22 2.69 3.09 0.50 10.00

q11_6_1fa

事業会社【q11_7_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 事業会社【q11_7_1fa】割 202 168 34 179 5.27 3.56 0.50 10.00

q11_7_1fa

その他【q11_8_1fa】割自由記述 全体 無回答 有効ケース数 合計 平均 標準偏差 最小値 最大値

1 その他【q11_8_1fa】割 202 182 20 104 5.22 3.34 1.00 10.00

q11_8_1fa

これまで他社(事業会社、中小企業、ベ

ンチャー企業等)から、法人として直接

投資を受け入れたことがありますか。ただし、他社からの直接投資ではなく、

ファンドを経由した投資は含みません。単一回答 N %

1 投資を受け入れたことがある 23 11.4

2投資を受け入れたことはないが、打診され

て受け入れを検討したことはある14 6.9

3 投資の受け入れや検討を行ったことはない 165 81.7

全体 202 100.0

q12

投資を受けた(もしくは投資受け入れを

検討した)企業はどのような企業ですか。当てはまるものすべてを選択してください。複数回答 N %

1 大企業 19 51.4

2 都市部以外(地方)の中小企業 8 21.63 東京都等都市部の中小企業 3 8.1

4 ベンチャー企業 5 13.55 外資系企業 2 5.4

6 その他 5 13.5

全体 37 100.0

q13

どのような形態での投資(の検討)でしたか。当てはまるものすべてを選択してください。複数回答 N %

1 他社のみが自社に投資を行う形式 28 75.7

2他社と自社が相互に投資を行う形式(株式

の持合い)5 13.5

3 その他 5 13.5

全体 37 100.0

q14

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- 101 -

貴社の株主のエンジェル投資家はどのようなかたですか(でしたか)。当てはまるものすべてを選択してください。複数回答 N %

1 地域の中堅・中小企業の経営層 4 40.0

2地域の篤志家等(土地や事業承継/売却

等により一定の金融資産を保有する個人)1 10.0

3 地域の個人事業主 2 20.04 地域の会社員 1 10.05 専門職(医師、弁護士、大学教授等) 1 10.06 ベンチャー企業の経営層 3 30.07 エンジェル投資を目的としたファンド 1 10.08 その他(【   】) 3 30.0

全体 10 100.0

q15

エンジェル税制という税制優遇措置制度を知っていますか。単一回答 N %

1 知っている 47 23.32 知らない 155 76.7

全体 202 100.0

q16

エンジェル税制をいつ知りましたか。単一回答 N %

1 創業前に知った 20 42.6

2 創業資金の調達時に知った 1 2.1

3 創業資金の調達を終えた後に知った 21 44.7

4 その他(【   】) 5 10.6

全体 47 100.0

q17

エンジェル税制をどのように知りました

か。単一回答 N %

1 中小企業庁からの情報 9 19.1

2 自治体、地域の支援機関等からの情報 1 2.1

3 税理士からの情報 13 27.74 税務署からの情報 1 2.1

5投資家や知人のベンチャー企業関係者か

らの情報11 23.4

6 その他(【   】) 12 25.5

全体 47 100.0

q18

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- 102 -

これまで資金調達を行った際に、エン

ジェル税制を利用、検討したことがあり

ますか。当てはまるものすべてを選択

してください。選択肢1~3のうち1つ、選択肢4~6のうちから、それぞれ1つ

を選択してください。複数回答 N %

1 自社で利用したことがある 1 2.1

2自社で利用したことはないが、利用を検討

したことがある5 10.6

3 自社で利用もしくは検討をしたことがない 41 87.2

4 知り合いの会社が利用したことがある 6 12.8

5知り合いの会社が利用したことがないが、

利用を検討したことがある4 8.5

6知り合いの会社が利用もしくは検討したことはない

37 78.7

全体 47 100.0

q19

なぜ自社でエンジェル税制を利用しな

かったのですか。当てはまるものすべてを選択してください。複数回答 N %

1 税制のメリットや手続きが分からなかった 12 26.1

2自社が企業の適用要件を満たすかわから

なかった8 17.4

3 自社が適用要件を満たしていなかった 12 26.1

4 手続きを相談できる専門家がいなかった 7 15.25 申請書類等手続きが煩雑だった 3 6.5

6 その他(【   】) 13 28.3

全体 46 100.0

q20

適用要件を満たしていないことを理由

に、エンジェル投資家からの投資を見

送ったことはありますか。単一回答 N %

1 ある 3 25.0

2 ない 9 75.0

全体 12 100.0

q21

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- 103 -

エンジェル税制の条件の1つとして、所

得控除を受けるための企業要件として、設立年度3年未満としています。こ

れは企業が設立されてから創業メン

バー以外の外部の投資家が最初の投資を行う時期を想定しています。この期

間の長短について伺います。単一回答 N %

1エンジェル投資などの最初の外部資金調達が創業3年未満に完了するとは限らない

ため、短いと思う

22 46.8

2エンジェル投資などの最初の外部資金調達が創業3年未満に概ね完了するため、妥

当だと思う

11 23.4

3

エンジェル投資などの最初の外部資金調

達は創業間もない時期に概ね完了するため、長いと思う

1 2.1

4 わからない 13 27.7

全体 47 100.0

q22

エンジェル税制の条件の1つとして、外

部の株主を1/6以上受け入れるというものがあります。これに対して、外部の株主を1/6以上受け入れることは経

営権流出の観点から抵抗はありますか。単一回答 N %

1 抵抗あり 19 40.4

2 初めての増資に対しては抵抗あり 11 23.43 抵抗ない 11 23.4

4 わからない 6 12.8

全体 47 100.0

q23

経営権流出の観点から外部の株主を

受け入れることができる割合を教えてく

ださい。単一回答 N %

1 1/8 4 13.3

2 1/10 6 20.03 外部株主受け入れはできない 13 43.3

4企業の成長戦略を優先するため、株主比

率には拘らない2 6.7

5 それ以外(【   】) 5 16.7

全体 30 100.0

q24

これまで他社(ベンチャー企業、中小企

業、事業会社等)に対して、法人として

直接投資をしたことがありますか。ただし、他社への直接投資ではなく、ファン

ドを経由した投資は含みません。単一回答 N %

1 投資を行ったことがある 24 11.9

2投資を行ったことはないが、検討を行った

ことがある22 10.9

3 投資も検討も行ったことがない 156 77.2

全体 202 100.0

q25

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- 104 -

投資対象とした他社はどのような企業

ですか。当てはまるものすべてを選択

してください。複数回答 N %

1 大企業 1 2.2

2 都市部以外(地方)の中小企業 8 17.43 東京都等都市部の中小企業 5 10.9

4 ベンチャー企業 28 60.9

5 外資系企業 2 4.36 その他 8 17.4

全体 46 100.0

q26

どのような目的で投資(の検討)を行い

ましたか。当てはまるものすべてを選択してください。複数回答 N %

1 共同開発を行うため 13 28.32 先端的な技術動向を見極めるため 7 15.2

3 投資対象企業を(将来的に)買収するため 13 28.3

4競合他社や大企業の資本参加を未然に防

ぐため2 4.3

5 人材交流を行うため(出向、転籍等) 11 23.9

6 その他(【   】) 12 26.1

全体 46 100.0

q27

どのような形態で投資(の検討)を行い

ましたか。当てはまるものすべてを選

択してください。複数回答 N %

1 自社のみが他社に投資を行う形式 35 76.1

2自社と他社が相互に投資を行う形式(株式の持合い)

7 15.2

3自社と他社が新しくジョイントベンチャーを

設立して、投資を行う形式5 10.9

4 その他 2 4.3

全体 46 100.0

q28

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- 105 -

■単純集計表(n%表)

Q1.貴方の住んでいる都道府県はどちらですか。

SA

n %

全体 3792 100.0

北海道 175 4.6

青森県 33 0.9

岩手県 36 0.9

宮城県 75 2.0

秋田県 32 0.8

山形県 31 0.8

福島県 60 1.6

茨城県 83 2.2

栃木県 62 1.6

群馬県 63 1.7

埼玉県 226 6.0

千葉県 199 5.2

東京都 477 12.6

神奈川県 283 7.5

新潟県 69 1.8

富山県 27 0.7

石川県 38 1.0

福井県 19 0.5

山梨県 19 0.5

長野県 54 1.4

岐阜県 62 1.6

静岡県 109 2.9

愛知県 221 5.8

三重県 49 1.3

滋賀県 50 1.3

京都府 60 1.6

大阪府 270 7.1

兵庫県 152 4.0

奈良県 41 1.1

和歌山県 28 0.7

鳥取県 16 0.4

島根県 17 0.4

岡山県 57 1.5

広島県 90 2.4

山口県 34 0.9

徳島県 27 0.7

香川県 24 0.6

愛媛県 43 1.1

高知県 13 0.3

福岡県 136 3.6

佐賀県 23 0.6

長崎県 28 0.7

熊本県 51 1.3

大分県 34 0.9

宮崎県 24 0.6

鹿児島県 38 1.0

沖縄県 34 0.9

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- 106 -

Q2.貴方の職業を教えてください。

SA

n %

全体 3792 100.0

会社員(フルタイム) 1383 36.5

会社員(パートタイム) 356 9.4

会社経営者 52 1.4

会社役員(創業経験者) 24 0.6

政府職員・公務員 172 4.5

専門職(医師、弁護士、大学教授など) 87 2.3

個人事業主 167 4.4

投資家 9 0.2

フリーランス・自由業 97 2.6

学生 52 1.4

専業主婦・主夫 633 16.7

無職(リタイア・年金暮らし) 629 16.6

その他 131 3.5

Q3.貴方の個人年収を教えてください。

SA

n %

全体 3792 100.0

なし 322 8.5

100万円未満 526 13.9

100~200万円未満 575 15.2

200~300万円未満 601 15.8

300~500万円未満 815 21.5

500~700万円未満 478 12.6

700~1,000万円未満 322 8.5

1,000~2,000万円未満 132 3.5

2,000~3,000万円未満 7 0.2

3,000万円以上 14 0.4

Q4.貴方の現預金額を教えてください。

SA

n %

全体 3792 100.0

なし 385 10.2

100万円未満 757 20.0

100~200万円未満 422 11.1

200~300万円未満 340 9.0

300~500万円未満 407 10.7

500~700万円未満 247 6.5

700~1,000万円未満 322 8.5

1,000~2,000万円未満 403 10.6

2,000~3,000万円未満 211 5.6

3,000~5,000万円未満 169 4.5

5,000~1億円未満 80 2.1

1億円以上 49 1.3

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- 107 -

Q5.貴方は投資や資産運用に関心がありますか。

SA

n %

全体 3792 100.0

ある 2034 53.6

ない 1758 46.4

Q6.今までに投資や資産運用の経験はありますか。

SA

n %

全体 3792 100.0

あり 1910 50.4

なし 1882 49.6

Q7.どのように資産運用を行っていますか/いましたか。当てはまるものすべてを選択し

MA

n %

全体 1910 100.0

NISAを活用した少額投資 781 40.9

個人型確定拠出年金(iDeCo) 243 12.7

貴金属投資 97 5.1

個人向け国債 270 14.1

投資信託 1005 52.6

株式投資 1139 59.6

不動産投資信託・REIT 190 9.9

不動産投資 106 5.5

外国為替取引(FX) 251 13.1

株式・債券のデイトレード 148 7.7

その他: 49 2.6

Q8.投資を行ったきっかけは何ですか。最も当てはまるもの1つを選択してください。

SA

n %

全体 1910 100.0

元々投資に興味があった 861 45.1

一定の運用資金が確保できた 409 21.4

金融機関等からの紹介 312 16.3

知人等からの依頼・推薦 194 10.2

結婚・出産周囲の等のライフステージや世帯構成の変化 63 3.3

その他: 71 3.7

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Q9.貴方が投資した目的(投資する場合の目的)は何ですか。最も当てはまるもの

SA

n %

全体 2392 100.0

短期的な利益を得るため 457 19.1

長期的に安定的な利益を得るため 1047 43.8

老後資金のため 599 25.0

子供の教育費用のため 35 1.5

株主優待等の特典を得るため 172 7.2

節税のため 35 1.5

地域貢献や社会貢献をするため 11 0.5

その他: 36 1.5

Q10.貴方が収益目的や資産運用目的で投資することを想定した場合、拠出可能な目安額は幾らくらいでしょうか。(半角数字でご記入ください)

n

最大投資額の目安:_万円 程度 2392 14436.57 1.00 9000000.00

Q11.貴方は社会貢献・支援活動に関心はありますか。

SA

n %

全体 3792 100.0

ある 1789 47.2

ない 2003 52.8

Q12.社会貢献・支援活動を行ったことはありますか。

SA

n %

全体 3792 100.0

ある 1330 35.1

ない 2462 64.9

Q13.■前問で社会貢献・支援活動を行ったことがあると答えた方にお伺いします■

MA

n %

全体 1330 100.0

返礼品の還元率を重視した自治体選択によるふるさと納税 277 20.8

被災地復興や破綻自治体応援、出身地応援等の地域貢献を重視した自治体選択によるふるさと納税168 12.6

地域活性化に取り組む自治体・団体に対する寄付 269 20.2

新規性のある製品・サービスの開発を目的としたクラウドファンディング 48 3.6

社会貢献・地域活性化を目的としたクラウドファンディング※ 79 5.9

プロボノ活動 12 0.9

ボランティア活動 886 66.6

災害・被災地復興のための支援活動 349 26.2

地域活性化イベントの企画・運営への参加 300 22.6

地域の人材の育成・教育活動 163 12.3

地域の自然保護活動 198 14.9

その他: 71 5.3

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Q14.貴方の投資が地域活性化や被災地復興等の社会貢献に繋がるなど、社会に

SA

n %

全体 3792 100.0

ある 1461 38.5

ない 2331 61.5

n

最大拠出額の目安:_万円 程度 1461 2297.41 1.00 2000000.00

Q15.実際に地域活性化や被災地復興、地域社会の課題解決等を目的とした事業やベンチャー企業、ファンド等に投資する場合には、配当や売却益等

のリターンはそれほど期待できず、一個人としての地域貢献や社会貢献の一つのかたちとして行われるケースが想定されます。貴方がこうした地域貢献や社

会貢献目的で投資をすることを想定した場合、拠出可能な目安額は幾らくらいでしょうか。(半角数字でご記入ください)

Q16.貴方は地域(居住地や出身地等)で起業をしている会社に対する支援とし

SA

n %

全体 3792 100.0

ある 171 4.5

ない 3621 95.5

Q17.貴方はベンチャー企業に投資をする場合、どのようなリターンを期待しますか。最

SA

n %

全体 3792 100.0

金銭的なリターン(配当、売却益) 2373 62.6

非金銭的なリターン(商品・サービスの優待利用、情報入手等) 576 15.2

リターンは期待しない 843 22.2

Q18.非金銭的なリターンとして、どのようなものを期待しますか。当てはまるものすべて

MA

n %

全体 576 100.0

地域資源を活用した製品の返礼品・贈呈 353 61.3

地域資源を活用したサービスの優待 329 57.1

会社の生産現場の見学会・説明会の参加 125 21.7

地域・社会課題の解決に向けた情報の提供 103 17.9

地域の人材との交流イベント参加 117 20.3

出資者に対する顕彰(氏名公表等) 23 4.0

経営への参画(議決権の行使) 35 6.1

自分が所属している企業との協業・事業シナジー 31 5.4

その他: 2 0.3

Q19.貴方がベンチャー企業へ投資することを想定した場合、拠出可能な目安額は幾らくらいでしょうか。(半角数字でご記入ください)

n

最大投資額の目安:_万円 程度 3792 1655.11 1.00 2000000.00

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Q20.貴方はベンチャー企業に投資をする場合、どのような問題がありますか。当ては

MA

n %

全体 3792 100.0

投資のための資金がない 1474 38.9

金銭的リターンが期待できない 1064 28.1

起業家との接点がない 1579 41.6

投資する手続きがわからない 862 22.7

投資先を評価することができない 1377 36.3

その他: 15 0.4

特になし 498 13.1

Q21.どのような環境や条件が整えば、貴方はベンチャー企業への投資を行いますか。

MA

n %

全体 3792 100.0

少額でも投資できる投資環境 2421 63.8

出資者を募ったファンドに対する間接的な出資 473 12.5

社会貢献意欲のあるベンチャー企業への共同出資を募るためのクラウドファンディング 509 13.4

投資に対する税控除(所得控除、キャピタルゲイン課税の軽減等) 801 21.1

自治体による投資の支援(認定、協調投資等) 579 15.3

非金銭的リターンの充実化 301 7.9

地域における投資案件の紹介 416 11.0

投資先の事業計画書・ビジネスプランの閲覧 657 17.3

手続きの簡便化 1081 28.5

その他: 124 3.3

Q22.エンジェル税制という税制優遇措置制度を知っていますか。

SA

n %

全体 3792 100.0

知っている 232 6.1

知らない 3560 93.9

Q23.エンジェル税制をどのように知りましたか。

SA

n %

全体 232 100.0

中小企業庁からの情報 50 21.6

自治体、地域の支援機関等からの情報 66 28.4

税理士からの情報 13 5.6

税務署からの情報 17 7.3

知人の投資家やベンチャー企業関係者からの情報 55 23.7

その他: 31 13.4

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Q24.エンジェル税制を今まで利用、検討したことがありますか。あなたとあなたの知り

MA

n %

全体 232 100.0

自分が利用したことがある 12 5.2

自分が利用したことはないが、利用を検討したことがある 50 21.6

自分が利用もしくは検討をしたことがない 170 73.3

知り合いが利用したことがある 30 12.9

知り合いが利用したことがないが、利用を検討したことがある 33 14.2

知り合いが利用もしくは検討したことはない 169 72.8

性別

SA

n %

全体 3792 100.0

男性 2146 56.6

女性 1646 43.4

年齢

_歳

全体 3792

平均値 53.26

最小値 18.00

最大値 79.00

年代

SA

n %

全体 3792 100.0

20代以下 333 8.8

30代 476 12.6

40代 733 19.3

50代 679 17.9

60代 813 21.4

70代 758 20.0