作業チーム 報告書 の視点 - mhlw.go.jp...225 「報酬 ほうしゅう や人材...

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225 「報 ほうしゅう や人 材 じんざい 確保 かくほ とう 」部会 ぶかい 作業 さぎょう チーム ちーむ 報告書 ほうこくしょ 第一章 だいいちしょう はじめに( 主 しゅ な検 討 けんとう 範囲 はんい 検討 けんとう の視点 してん いち しゅ な検 討 けんとう 範囲 はんい このチーム ちーむ の検 討 けんとう 範囲 はんい は次 つぎ のとおり。 論点 ろんてん ①「報 酬 ほうしゅう 支払 しはらい 全般 ぜんぱん 論点 ろんてん ②「月 払 つきばら い、日払 ひばら い」 論点 ろんてん ③人材 じんざい 確保 かくほ さく 論点 ろんてん ④サービス さーびす 体系 たいけい のあり 方 かた 論点 ろんてん ⑤資格 しかく 要件 ようけん のシンプル化 しんぷるか とあり 方 かた 論点 ろんてん ⑥事務量 じむりょう 増大 ぞうだい の解 消 かいしょう さく 論点 ろんてん ⑦労 働 ろうどう 条件 じょうけん ・賃 金 ちんぎん 水準 すいじゅん の確保 かくほ さく と法 ほう 制度化 せいどか すべき事項 じこう 論点 ろんてん ⑧報 酬 ほうしゅう ・人 材 じんざい 確保 かくほ についてその他 の論 点 ろんてん ・意見 いけん 検討 けんとう の視点 してん 障害 しょうがい 福祉 ふくし 分野 ぶんや における 報 酬 ほうしゅう と人 材 じんざい は、この 国 くに の障 害 者 しょうがいしゃ の尊 厳 そんげん の水 準 すいじゅん 直結 ちょっけつ しているという 問 題 もんだい 意識 いしき を持 ち、今 いま すぐ対 応 たいおう するべき 救 急 きゅうきゅう 課題 かだい 、5 年 ねん ~10 ねん 程度 ていど で確 実 かくじつ に達 成 たっせい するべき 中 期 的 ちゅうきてき 課題 かだい 、将 来 しょうらい 展望 てんぼう を見据 みす えた長 期 ちょうき ビジョン びじょん の3 点 てん に分 けて、理想 りそう を目指 めざ しながら地 に着 いた提 言 ていげん とするべきという 共 有 きょうゆう 認識 にんしき った意見 いけん とした。 第二章 だいにしょう 結論 けつろん とその理由 りゆう (論点表 ろんてんおもて の論 点 ろんてん 、その他 の論 点 ろんてん の検 討 けんとう 論点 ろんてん 「報酬 ほうしゅう 支払 しはらい 全般 ぜんぱん [結 論 けつろん ]福祉 ふくし しょく ぼうきゅうひょう の法定化 ほうていか 民間 みんかん 事業所 じぎょうしょ を含 ふく め、障 害 しょうがい 福祉 ふくし に従 事 じゅうじ する 者 もの の給 与 きゅうよ を国家 こっか 公務員 こうむいん の「福祉 ふくし しょく ほうきゅうひょう 」(「一般 いっぱん しょく の職員 しょくいん の給 与 きゅうよ に関 かん する法 律 ほうりつ 」第 だい 6条 じょう だい 1項 こう 9号 ごう 別表 べっぴょう だい 9参照 さんしょう )と同 一 どういつ の報酬 ほうしゅう 水準 すいじゅん 2007 ねん で年収 ねんしゅう やく 615 万円 まんえん )の報 酬 ほうしゅう 支払 しはら われるものと 総 合 そうごう 福祉法 ふくしほう で規定 きてい する。 [理由 りゆう 権利 けんり 条約 じょうやく は地域 ちいき で自立 じりつ した生 活 せいかつ を権利 けんり として 認 みと めている。OECD平 均 へいきん ぷん の1レベル れべる の障 害 しょうがい 福祉 ふくし 予算 よさん 水準 すいじゅん では、地域 ちいき での自立 じりつ 生活 せいかつ は営 いとな めず、職 員 しょくいん は疲弊 ひへい し、人 権 じんけん 保障 ほしょう を遂 行 すいこう する人 材 じんざい は確保 かくほ 出来 でき ない。 上 記 じょうき 結論 けつろん は、今 回 こんかい の障害者 しょうがいしゃ 福祉 ふくし 改革 かいかく での至 上 しじょう 命題 めいだい である。 論点 ろんてん 「月 払 つきばら い、日払 ひばら い」 [結 論 けつろん 両論 りょうろん に理由 りゆう があり、それを発 展 的 はってんてき に統 とう いつ した視点 してん に立 つことが 肝 要 かんよう 個別 こべつ 給付 きゅうふ の意義 いぎ を活 かし、日割 ひわ りの弊 害 へいがい と指摘 してき される 点 てん を是正 ぜせい する仕組 しく み。施設 しせつ けい 事業 じぎょう について、「利用者 りようしゃ 個別 こべつ 給付 きゅうふ 報酬 ほうしゅう 」と「施設 しせつ 運営 うんえい 報酬 ほうしゅう 」に大 別 たいべつ する。チーム ちーむ 提言 ていげん 6頁 ぺいじ ~9 頁 ぺいじ [理由 りゆう 事業 じぎょう の安定化 あんていか を図 はか りつつ、 相 談 そうだん 支援 しえん 体制 たいせい を充分 じゅうぶん に尽 くして利用者 りようしゃ 施設 しせつ かこ い込 みとならないように当 事 者 とうじしゃ の権利 けんり を保障 ほしょう しながら、 本 人 ほんにん の選択権 せんたくけん

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225

「 報 酬ほうしゅう

や人 材じんざい

確保かくほ

等とう

」部会ぶかい

作 業さぎょう

チームち ー む

報 告 書ほうこくしょ

第 一 章だいいちしょう

はじめに(主しゅ

な検 討けんとう

範囲はんい

・ 検 討けんとう

の視点してん

一いち

主しゅ

な検 討けんとう

範囲はんい

このチームち ー む

の検 討けんとう

範囲はんい

は次つぎ

のとおり。

論 点ろんてん

①「報 酬ほうしゅう

支 払しはらい

全 般ぜんぱん

」 論 点ろんてん

②「月 払つきばら

い、日払ひばら

い」 論 点ろんてん

③人 材じんざい

確保かくほ

策さく

論 点ろんてん

④サービスさ ー び す

体 系たいけい

のあり方かた

論 点ろんてん

⑤資格しかく

要 件ようけん

のシンプル化し ん ぷ る か

とあり方かた

論 点ろんてん

⑥事務量じむりょう

増 大ぞうだい

の解 消かいしょう

策さく

論 点ろんてん

⑦労 働ろうどう

条 件じょうけん

・賃 金ちんぎん

水 準すいじゅん

の確保かくほ

策さく

と法ほう

制度化せいどか

すべき事項じこう

論 点ろんてん

⑧報 酬ほうしゅう

・人 材じんざい

確保かくほ

についてその他た

の論 点ろんてん

・意見いけん

二に

検 討けんとう

の視点してん

障 害しょうがい

福祉ふくし

分野ぶんや

における報 酬ほうしゅう

と人 材じんざい

は、この国くに

の障 害 者しょうがいしゃ

の尊 厳そんげん

の水 準すいじゅん

直 結ちょっけつ

しているという問 題もんだい

意識いしき

を持も

ち、今いま

すぐ対 応たいおう

するべき救 急きゅうきゅう

課題かだい

、5年ねん

~10

年ねん

程度ていど

で確 実かくじつ

に達 成たっせい

するべき中 期 的ちゅうきてき

課題かだい

、将 来しょうらい

展 望てんぼう

を見据み す

えた長 期ちょうき

ビジョンび じ ょ ん

の3点てん

に分わ

けて、理想りそう

を目指め ざ

しながら地ち

に着つ

いた提 言ていげん

とするべきという共 有きょうゆう

認 識にんしき

立た

った意見いけん

とした。

第 二 章だいにしょう

結 論けつろん

とその理由りゆう

(論 点 表ろんてんおもて

の論 点ろんてん

、その他た

の論 点ろんてん

の検 討けんとう

論 点ろんてん

① 「報 酬ほうしゅう

支 払しはらい

全 般ぜんぱん

[結 論けつろん

]福祉ふくし

職しょく

棒 給 表ぼうきゅうひょう

の法定化ほうていか

民 間みんかん

事 業 所じぎょうしょ

を含ふく

め、障 害しょうがい

福祉ふくし

に従 事じゅうじ

する者もの

の給 与きゅうよ

を国家こっか

公務員こうむいん

の「福祉ふくし

職しょく

棒 給 表ほうきゅうひょう

」(「一 般いっぱん

職しょく

の職 員しょくいん

の給 与きゅうよ

に関かん

する法 律ほうりつ

」第だい

6条じょう

第だい

1項こう

9号ごう

別 表べっぴょう

第だい

9参 照さんしょう

)と同 一どういつ

の報 酬ほうしゅう

水 準すいじゅん

(2007年ねん

で年 収ねんしゅう

約やく

615万 円まんえん

)の報 酬ほうしゅう

支払しはら

われるものと総 合そうごう

福祉法ふくしほう

で規定きてい

する。

[理由りゆう

]権利けんり

条 約じょうやく

は地域ちいき

で自立じりつ

した生 活せいかつ

を権利けんり

として認みと

めている。OECD平 均へいきん

分ぷん

の1レベルれ べ る

の障 害しょうがい

福祉ふくし

予算よさん

水 準すいじゅん

では、地域ちいき

での自立じりつ

生 活せいかつ

は営いとな

めず、職 員しょくいん

は疲弊ひへい

し、人 権じんけん

保 障ほしょう

を遂 行すいこう

する人 材じんざい

は確保かくほ

出来で き

ない。上 記じょうき

結 論けつろん

は、今 回こんかい

の障 害 者しょうがいしゃ

福祉ふくし

改 革かいかく

での至 上しじょう

命 題めいだい

である。

論 点ろんてん

② 「月 払つきばら

い、日払ひばら

い」

[結 論けつろん

] 両 論りょうろん

に理由りゆう

があり、それを発 展 的はってんてき

に統とう

一いつ

した視点してん

に立た

つことが肝 要かんよう

個別こべつ

給 付きゅうふ

の意義い ぎ

を活い

かし、日割ひ わ

りの弊 害へいがい

と指摘してき

される点てん

を是正ぜせい

する仕組し く

み。施設しせつ

系けい

事 業じぎょう

について、「利用者りようしゃ

個別こべつ

給 付きゅうふ

報 酬ほうしゅう

」と「施設しせつ

運 営うんえい

報 酬ほうしゅう

」に大 別たいべつ

する。チームち ー む

提 言ていげん

6頁ぺいじ

~9頁ぺいじ

[理由りゆう

]事 業じぎょう

の安定化あんていか

を図はか

りつつ、相 談そうだん

支援しえん

体 制たいせい

を充 分じゅうぶん

に尽つ

くして利用者りようしゃ

施設しせつ

囲かこ

い込こ

みとならないように当事者とうじしゃ

の権利けんり

を保 障ほしょう

しながら、本 人ほんにん

の選 択 権せんたくけん

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226

保 障ほしょう

する。具体論ぐたいろん

は後記こうき

論 点ろんてん

③ 人 材じんざい

確保かくほ

策さく

[結 論けつろん

]上 記じょうき

の「福祉ふくし

職しょく

棒 給 表ほうきゅうひょう

」の給 与きゅうよ

確保かくほ

が第 一だいいち

。社 会しゃかい

保険ほけん

、厚 生こうせい

年 金ねんきん

子育こそだ

て支援しえん

策さく

の完備かんび

・充 実じゅうじつ

など労 働ろうどう

環 境かんきょう

整備せいび

。事こと

業 者ぎょうしゃ

同士どうし

、隣 接りんせつ

分野ぶんや

におけ

る人 材じんざい

の相互そうご

異動いどう

・流 動りゅうどう

体 制たいせい

。福祉ふくし

系けい

学 校がっこう

や資格しかく

取 得しゅとく

のカリキュラムか り き ゅ ら む

等とう

のOJ

Tを重 視じゅうし

する抜 本ばっぽん

改 正かいせい

。福祉ふくし

分野ぶんや

を核かく

として支ささ

える人 材じんざい

を養 成ようせい

することが

重 要じゅうよう

であり、福祉ふくし

専 門せんもん

職しょく

の育 成いくせい

。一 般いっぱん

市民しみん

が福祉ふくし

分野ぶんや

に流なが

れてくる、人 材じんざい

登 用とうよう

の間口まぐち

を広ひろ

げるための仕組し く

み。中 間ちゅうかん

管理かんり

職しょく

にゆとりを与あた

える仕組し く

み。スウェーデンす う ぇ ー で ん

「労 働 者ろうどうしゃ

手 帳てちょう

制度せいど

」をヒントひ ん と

とし「福祉ふくし

労 働 者ろうどうしゃ

手 帳てちょう

」制度せいど

を作つく

り、労 働ろうどう

を評ひょう

価あたい

して、他ほか

の職 場しょくば

に移うつ

ってもランクら ん く

が落お

ちない仕組し く

み。その際さい

の評 価ひょうか

は利用者りようしゃ

本 人ほんにん

の評 価ひょうか

を基本きほん

としながら、経 営 者けいえいしゃ

サイドさ い ど

の評 価ひょうか

も酌く

み入い

れる。

論 点ろんてん

④ サービスさ ー び す

体 系たいけい

のあり方かた

[結 論けつろん

]及およ

び[理由りゆう

] 他ほか

チームち ー む

及およ

び後記こうき

当チームとうちーむ

提 言ていげん

全 般ぜんぱん

参 照さんしょう

論 点ろんてん

⑤ 資格しかく

要 件ようけん

のシンプル化し ん ぷ る か

とあり方かた

[結 論けつろん

1]人 材じんざい

の登 用とうよう

は資格しかく

に限 定げんてい

されず、間口まぐち

は広ひろ

く取と

る。

資格しかく

がなくとも働はたら

くことができ、当事者とうじしゃ

の立場たちば

に立た

った支援しえん

実 績じっせき

を積つ

めば報 酬 上ほうしゅうじょう

も評ひょう

価あたい

される仕組し く

みとする。

[結 論けつろん

1の理由りゆう

]資格しかく

がなければこの分野ぶんや

に入い

れないという人 材じんざい

登 用とうよう

制 限せいげん

として

機能きのう

してはならない。資格しかく

がなければ、適 切てきせつ

な支援しえん

実 績じっせき

があれば報 酬ほうしゅう

がアップあ っ ぷ

する

仕組し く

み。

[結 論けつろん

2]当事者とうじしゃ

の立場たちば

に立た

つ地域ちいき

移行いこう

を実 現じつげん

するため「相 談そうだん

支援しえん

専 門 員せんもんいん

」制度せいど

を創 設そうせつ

する。

その場合ばあい

の前 提ぜんてい

条 件じょうけん

は次つぎ

のものである。

① 現 行げんこう

国家こっか

試験しけん

には障 害 者しょうがいしゃ

に様 々さまざま

な障 壁しょうへき

があり受 験じゅけん

におけるバリアフリば り あ ふ り

を徹 底てってい

する。

② 既存きそん

のピアカウセラぴ あ か う せ ら

ーが可能かのう

な限かぎ

り資格しかく

を取 得しゅとく

できるルートる ー と

を確保かくほ

する。

③ 現 行げんこう

の社 会しゃかい

福祉士ふくしし

、介護かいご

保険ほけん

のケアマネージャけ あ ま ね ー じ ゃ

ー等とう

の福祉ふくし

専 門せんもん

職しょく

には

当事者とうじしゃ

の立場たちば

に立た

った支援しえん

に欠か

けた面めん

があり、新制度しんせいど

においては、資格しかく

取 得しゅとく

に至いた

るまで及およ

び取得後しゅとくご

の養 成ようせい

過程かてい

において、当事者とうじしゃ

の気持き も

ちを理解りかい

するための現場げんば

研 修けんしゅう

を中 心ちゅうしん

とする等とう

、内 容ないよう

を徹 底 的てっていてき

に検 討けんとう

する。

④ 支援しえん

計 画けいかく

を考かんが

え、策 定さくてい

するのはあくまで当事者とうじしゃ

自身じしん

の自己じ こ

決 定けってい

であり、そ

れを行 政ぎょうせい

と対峙たいじ

しても実 現じつげん

していくことを職 務しょくむ

義務ぎ む

とし、職 務しょくむ

に忠 実ちゅうじつ

ゆえに

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行 政ぎょうせい

から干 渉かんしょう

を受う

けないように資格しかく

の独 立 性どくりつせい

を保 障ほしょう

する。

⑤ 既存きそん

の「社 会しゃかい

福祉士ふくしし

」、「精 神せいしん

保健ほけん

福祉士ふくしし

」等とう

を発 展 的はってんてき

に統とう

合ごう

していく方 向ほうこう

とする。

⑥ 当事者とうじしゃ

を過半数かはんすう

とする資格しかく

検 討けんとう

委員会いいんかい

を作つく

り、制度せいど

の実 態じったい

が当事者とうじしゃ

自立じりつ

支援しえん

に即そく

したものかを5年 間ねんかん

程度ていど

検 証けんしょう

し、当 該とうがい

資格しかく

が真しん

に当事者とうじしゃ

支援しえん

内 容ないよう

を伴ともな

う水 準すいじゅん

に達たっ

することが確 認かくにん

できた段 階だんかい

で、これを初はじ

めて公 式こうしき

国家こっか

資格しかく

とする。

そして、そのようなプロセスぷ ろ せ す

を経へ

て、いずれ、

【この資格者しかくしゃ

が当事者とうじしゃ

の立場たちば

に立た

って、支 給しきゅう

決 定けってい

における一 定いってい

の裁 量さいりょう

権 限けんげん

有ゆう

するようになる方 向ほうこう

を目指め ざ

す。】

[結 論けつろん

2の理由りゆう

]当チームとうちーむ

は、単 純たんじゅん

に資格しかく

をシンプルし ん ぷ る

にすればよいという考かんが

えは取と

ない。 障 害しょうがい

当事者とうじしゃ

の生 活せいかつ

と人 権じんけん

を保 障ほしょう

するためには支援者しえんしゃ

が生い

きがいと誇ほこ

りをもって展 望てんぼう

を持も

てる職 業しょくぎょう

とすることが大 切たいせつ

である。適 切てきせつ

な支援しえん

が行おこな

われる

ために、当事者とうじしゃ

の視点してん

に立た

った優 秀ゆうしゅう

な人 材じんざい

が育そだ

つことが必 要ひつよう

であり、とりわけ、

相 談そうだん

支援しえん

専 門せんもん

職しょく

の育 成いくせい

が焦 眉しょうび

の課題かだい

。ソーシャルワークそ ー し ゃ る わ ー く

や当事者とうじしゃ

中 心ちゅうしん

立場たちば

に立た

つ障 害 学しょうがいがく

をきちんと学まな

んだ人ひと

を育そだ

てる。

論 点ろんてん

⑥ 事務量じむりょう

増 大ぞうだい

の解 消かいしょう

策さく

[結 論けつろん

1] 現 在げんざい

の複 雑ふくざつ

な報 酬ほうしゅう

加算かさん

制度せいど

を、基本きほん

報 酬ほうしゅう

に組く

み入い

れる。

[結 論けつろん

1の理由りゆう

] 加算かさん

報 酬ほうしゅう

請 求せいきゅう

をしなくても安 定あんてい

した事 業じぎょう

が成 立せいりつ

する仕組し く

み。

[結 論けつろん

2] 利用者りようしゃ

負担ふたん

制度せいど

の見直みなお

し。

[結 論けつろん

2の理由りゆう

]応 益おうえき

負担ふたん

と日割ひ わ

りで事務量じむりょう

が増ふ

えたのは明あき

らかで、抜 本ばっぽん

見直みなお

が必 要ひつよう

。=利用者りようしゃ

負担ふたん

作 業さぎょう

チームち ー む

担 当たんとう

[結 論けつろん

3] 事 業じぎょう

規模き ぼ

に応おう

じた事務じ む

職 員しょくいん

の配置はいち

と報 酬ほうしゅう

付与ふ よ

[結 論けつろん

3の理由りゆう

]現 在げんざい

は、現場げんば

支援しえん

職 員しょくいん

や管理かんり

職しょく

が事務じ む

を担 当たんとう

しており、現場げんば

の支援しえん

の力ちから

が事務じ む

仕事しごと

により阻害そがい

されている。

[結 論けつろん

4] 障 害しょうがい

報 酬ほうしゅう

請 求せいきゅう

事務じ む

職しょく

を報 酬 付ほうしゅうづ

きで配置はいち

[結 論けつろん

4の理由りゆう

]医 療いりょう

事務じ む

職しょく

のような請 求せいきゅう

事務じ む

職 員しょくいん

配置はいち

が不可欠ふかけつ

論 点ろんてん

⑦ 労 働ろうどう

条 件じょうけん

・賃 金ちんぎん

水 準すいじゅん

の確保かくほ

策さく

と法ほう

制度化せいどか

すべき事項じこう

[結 論けつろん

1] 論 点ろんてん

①のとおり。

論 点ろんてん

⑧ 報 酬ほうしゅう

・人 材じんざい

確保かくほ

についてのその他た

の論 点ろんてん

・意見いけん

以下い か

に記載きさい

第 三 章だいさんしょう

チームち ー む

提言書ていげんしょ

第 一だいいち

総 論そうろん

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228

一いち

基本きほん

理念りねん

障 害 者しょうがいしゃ

の基本的きほんてき

人 権じんけん

(平 等 権びょうどうけん

・生 存 権せいぞんけん

・個人こじん

の尊 厳そんげん

・幸 福こうふく

追 求 権ついきゅうけん

)保 障ほしょう

の対価たいか

としての報 酬ほうしゅう

と人 材じんざい

障 害しょうがい

福祉ふくし

の 人 材じんざい

とは 憲 法けんぽう

に 基もと

づく 障 害 者しょうがいしゃ

の 平 等 権びょうどうけん

等とう

の基本的きほんてき

人 権じんけん

保 障ほしょう

を実 践じっせん

する人 材じんざい

に他ほか

ならない。真しん

に障 害 者しょうがいしゃ

の基本的きほんてき

人 権じんけん

保 障ほしょう

を担にな

人 権じんけん

感 覚かんかく

溢あふ

れた人ひと

びとが障 害 者しょうがいしゃ

と共とも

にインクルーシブい ん く る ー し ぶ

な社 会しゃかい

を構 築こうちく

するため

に、活 力かつりょく

ある良 質りょうしつ

な人 材じんざい

が確保かくほ

されることが障 害しょうがい

福祉ふくし

を成 立せいりつ

させる不可欠ふかけつ

前 提ぜんてい

条 件じょうけん

となる。すなわち「報 酬ほうしゅう

」の本 質ほんしつ

は基本的きほんてき

人 権じんけん

保 障ほしょう

の対価たいか

であり、

障 害しょうがい

福祉ふくし

の報 酬ほうしゅう

水 準すいじゅん

とは障 害 者しょうがいしゃ

の人 権じんけん

の価値か ち

評 価ひょうか

、尊 厳そんげん

の水 準すいじゅん

と連 動れんどう

ている。障 害 福 祉しょうがいふくし

を実 践じっせん

する人 材じんざい

が枯渇こかつ

し自みずか

らや家族かぞく

の生 活せいかつ

の維持い じ

さえ危あや

ぶま

れるような状 況じょうきょう

であればこの国くに

が障 害 者しょうがいしゃ

の人 間にんげん

としての基本的きほんてき

価値か ち

を蔑さげす

んでい

ることを意味い み

する。

以 上いじょう

のような基本的きほんてき

視座し ざ

のもとに、この国くに

が障 害 者しょうがいしゃ

の基本的きほんてき

人 権じんけん

保 障ほしょう

実 現じつげん

するために不可欠ふかけつ

な土台どだい

であり足 腰あしこし

としての「人 材じんざい

と報 酬ほうしゅう

」が確 立かくりつ

されるこ

とをめざすべきである。

二に

改 革かいかく

の基本的きほんてき

方 向 性ほうこうせい

=自己じ こ

決 定 権けっていけん

を奪うば

われた施設しせつ

生 活せいかつ

から地域ちいき

での本 人ほんにん

主 体しゅたい

の自立じりつ

生 活せいかつ

選 択 権せんたくけん

とは、当事者とうじしゃ

が望のぞ

む豊富ほうふ

な支援しえん

施策しさく

が提てい

供きょう

される中なか

で、選択肢せんたくし

を誘 導ゆうどう

されたりすることがなく、体 験 的たいけんてき

利用りよう

をしたうえで十 分じゅうぶん

な情 報じょうほう

を確保かくほ

した平 等びょうどう

条 件じょうけん

で、地域ちいき

格差かくさ

もなく選 択せんたく

できることが真まこと

の選 択せんたく

である。自己じ こ

決 定 権けっていけん

は建 前たてまえ

の上うえ

では認みと

められていたが、実 質 的じっしつてき

には限かぎ

られた選択肢せんたくし

を 強きょう

制せい

されてきた現 実げんじつ

がある。

権利けんり

条じょう

約やく

19条じょう

で自立じりつ

生 活せいかつ

の権利けんり

が謳うた

われており、障 害 者しょうがいしゃ

の地域ちいき

で暮く

らす権利けんり

を障 害しょうがい

基本法きほんほう

の 中なか

で明 確めいかく

に規定きてい

すべきである。OECD 平 均へいきん

の4分ぷん

の1の

障 害 者しょうがいしゃ

予算よさん

を当 然とうぜん

とする施策しさく

決 定けってい

からは展 望てんぼう

が拓ひら

けない。政治的せいじてき

な決 定けってい

必 要ひつよう

である。

第二だいに

現 状げんじょう

の評 価ひょうか

一いち

報 酬ほうしゅう

水 準すいじゅん

の务 悪れつあく

さが人 材じんざい

確保かくほ

の困 難こんなん

さに直 結ちょっけつ

障 害しょうがい

関 連かんれん

事 業じぎょう

における報 酬ほうしゅう

制度せいど

と人 材じんざい

確保かくほ

の課題かだい

は深 刻しんこく

で、報 酬ほうしゅう

の务 悪れつあく

さが人 材じんざい

の確保かくほ

を困 難こんなん

にし、限 界げんかい

を超こ

えている。法 定ほうてい

事 業じぎょう

における「官 製かんせい

ワーキングプアわ ー き ん ぐ ぷ あ

」である。

厚 生こうせい

労 働 省ろうどうしょう

の調 査ちょうさ

によると(平 成へいせい

22年ねん

賃 金ちんぎん

基本きほん

統 計とうけい

調 査ちょうさ

・10人にん

以 上いじょう

1000

人にん

未満みまん

事 業 所じぎょうしょ

)、年 間ねんかん

給 与きゅうよ

額がく

は(1万まん

以下い か

切き

り捨す

て・円えん

Page 5: 作業チーム 報告書 の視点 - mhlw.go.jp...225 「報酬 ほうしゅう や人材 じんざい 確保 かくほ 等 とう 」部会 ぶかい 作業 さぎょう チーム

229

ホームヘルパほ ー む へ る ぱ

ー 285万まん

福祉ふくし

施設しせつ

介護員かいごいん

298万まん

に対たい

システムエンジニアし す て む え ん じ に あ

546万まん

看護師かんごし

466万まん

保育士ほいくし

314万まん

高 等こうとう

学 校がっこう

教 員きょういん

691万まん

大 学だいがく

教 授きょうじゅ

1111万まん

など他ほか

の専 門せんもん

職しょく

に比くら

べて格 段かくだん

と务 悪れつあく

な水 準すいじゅん

である。

二に

疲弊ひへい

する障 害しょうがい

福祉ふくし

事 業 所じぎょうしょ

の現 実げんじつ

事 業 所じぎょうしょ

を支ささ

える中 核ちゅうかく

となる人 材じんざい

の人件費じんけんひ

は昇 級しょうきゅう

していかなければならないが、

事 業じぎょう

種 別しゅべつ

、障 害しょうがい

程度ていど

区分くぶん

、利用りよう

定 員ていいん

、各 種かくしゅ

加算かさん

を組く

み合あ

わせた現 在げんざい

の報 酬ほうしゅう

基 準きじゅん

では、ベテランべ て ら ん

職 員しょくいん

の雇用こよう

の維持い じ

さえ難むずか

しくなり、経 営 的けいえいてき

にも疲弊ひへい

し、

正 職 員せいしょくいん

の常 勤じょうきん

雇用率こようりつ

が下さ

がり、雇用こよう

期間きかん

限 定げんてい

の臨時りんじ

・計けい

約やく

・パート率ぱーとりつ

を大 幅おおはば

増加ぞうか

し支援しえん

の質しつ

の低下ていか

が著いちじる

しい。

三さん

障 害しょうがい

福祉ふくし

に人 材じんざい

がいなくなった原 因げんいん

2003年ねん

の世界的せかいてき

な新自由しんじゆう

主義しゅぎ

の風 潮ふうちょう

の中なか

で、福祉ふくし

切き

り捨す

ての流なが

れができ、

社 会しゃかい

福祉ふくし

基礎き そ

構 造こうぞう

改 革かいかく

が始はじ

まり、急 速きゅうそく

にOECD最 低さいてい

レベルれ べ る

の障 害しょうがい

福祉ふくし

予算よさん

に落お

ち込こ

んだ。

高 齢 者こうれいしゃ

や障 害 者しょうがいしゃ

になったら使つか

い捨す

てという国家こっか

では、若 者わかもの

や子供こども

たちは将 来しょうらい

に対たい

する希望きぼう

が持も

てない。高 齢 者こうれいしゃ

や障 害 者しょうがいしゃ

に優やさ

しい社 会しゃかい

という国くに

のビジョンび じ ょ ん

大 切たいせつ

である。

1 「地域ちいき

生 活せいかつ

支援しえん

システムし す て む

の不備ふ び

現 状げんじょう

で知的ちてき

障 害 者しょうがいしゃ

の施設しせつ

と 精 神せいしん

障 害 者しょうがいしゃ

の 病 床びょうしょう

を 閉へい

鎖さ

した場合ばあい

、その

障 害 者しょうがいしゃ

は地域ちいき

で孤立こりつ

・排 除はいじょ

される恐おそ

れが強つよ

い。地域ちいき

移行いこう

を本 当ほんとう

に実 現じつげん

させるた

めには、遠 回とおまわ

りのようだが、地域ちいき

生 活せいかつ

支援しえん

のシステムし す て む

を緊みしと

急 度きゅうど

に応おう

じて順 次じゅんじ

地域ちいき

に作つく

り上あ

げていくことが不可欠ふかけつ

である。

知的ちてき

・精 神せいしん

障 害 者しょうがいしゃ

にとって、相 談そうだん

支援しえん

や見守みまも

り付つ

き添そ

いが必 要ひつよう

である。しかし、

それを認みと

める重 度じゅうど

訪 問ほうもん

介護かいご

制度せいど

さえ、対 象 外たいしょうがい

である。当事者とうじしゃ

の自己じ こ

選 択せんたく

に基もと

いた居 住きょじゅう

の場ば

の選 択せんたく

を一 般いっぱん

市民しみん

と同 様どうよう

に 国くに

は障 害しょうがい

を持も

つ市民しみん

に 対たい

しても

保 証ほしょう

する義務ぎ む

がある。施設しせつ

入 所にゅうしょ

利用者りようしゃ

に個別こべつ

支援しえん

計 画けいかく

作 成さくせい

時とき

に丁 寧ていねい

に地域ちいき

生 活せいかつ

の意向いこう

調 査ちょうさ

をする必 要ひつよう

がある。

2 自立じりつ

への橋 渡はしわた

しのシステムし す て む

の欠 如けつじょ

現 在げんざい

、施設しせつ

や親 元おやもと

からの地域ちいき

生 活せいかつ

へ移行いこう

を希望きぼう

しても、地域ちいき

では介 助かいじょ

施策しさく

利用りよう

できない。親おや

との同 居 者どうきょしゃ

に夜間やかん

の介 助かいじょ

利用りよう

は許ゆる

されず、日 中にっちゅう

活 動かつどう

に参加さんか

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230

る者もの

は日 中にっちゅう

の介 助かいじょ

支援しえん

は使つか

えない。自立じりつ

に向む

けた体 験 的たいけんてき

な自立じりつ

生 活せいかつ

支援しえん

施策しさく

現 状げんじょう

では欠 如けつじょ

している。

第 三だいさん

人 材じんざい

確保かくほ

施策しさく

における基本的きほんてき

視点してん

一いち

障 害 者しょうがいしゃ

地域ちいき

生 活せいかつ

実 現じつげん

の鍵かぎ

である人 材じんざい

確保かくほ

障 害しょうがい

のある人ひと

の安 定あんてい

した地域ちいき

生 活せいかつ

ならびに医 療いりょう

機関きかん

等とう

からの地域ちいき

移行いこう

実質化じっしつか

するためには、①労 働ろうどう

及およ

び雇用こよう

・日 中にっちゅう

活 動かつどう

の場ば

、②居 住きょじゅう

の場ば

、③所 得しょとく

保 障ほしょう

、④人 的じんてき

な支ささ

え、⑤医 療いりょう

・保険ほけん

の5つの分野ぶんや

が一 定いってい

の水 準すいじゅん

で確保かくほ

される

必 要ひつよう

があり、人 的じんてき

な支援しえん

体 制たいせい

の確保かくほ

は、その基幹きかん

である。人 間にんげん

と人 間にんげん

の触ふ

れ合あ

い、

パーソナルぱ ー そ な る

な支援しえん

こそが改 革かいかく

を成 功せいこう

させるためのキーワードき ー わ ー ど

であり、そのため優 良ゆうりょう

な「人 材じんざい

」の確保かくほ

が地域ちいき

生 活せいかつ

の成 立せいりつ

条 件じょうけん

である。

二に

公 的こうてき

責 任せきにん

転嫁てんか

禁止きんし

原 則げんそく

の徹 底てってい

人ひと

と人ひと

の関 係かんけい

を基本きほん

とする人 的じんてき

支援しえん

策さく

の遂 行すいこう

にあっては、障 害しょうがい

福祉ふくし

の「公 的こうてき

責 任せきにん

の原 則げんそく

」を明 確めいかく

にする必 要ひつよう

がある。「地域ちいき

移行いこう

待ま

ったなし」などの掛か

け声ごえ

だけ

で、この国くに

で根強ねづよ

い家族かぞく

責 任せきにん

観 念かんねん

から、親おや

を中 心ちゅうしん

とする家族かぞく

に責 任せきにん

が転てん

嫁か

され

る危険きけん

がある。成 人せいじん

した障 害 者しょうがいしゃ

の生 活せいかつ

まで家族かぞく

が 抱かかえ

え込こ

まざるを得え

ない現 実げんじつ

中なか

で、「家族かぞく

支援しえん

」も重 要じゅうよう

な施策しさく

の柱はしら

である。

三さん

支援者しえんしゃ

の確保かくほ

は地域ちいき

における雇用こよう

創 出そうしゅつ

であること

障 害しょうがい

分野ぶんや

における本 格 的ほんかくてき

な人 的じんてき

な支援しえん

策さく

を成 功せいこう

させるため、大 幅おおはば

な人 員 増じんいんぞう

が必 要ひつよう

である。労 働ろうどう

政 策せいさく

の観 点かんてん

からは雇用こよう

創 出そうしゅつ

になり、一 方 的いっぽうてき

な財 政ざいせい

負担ふたん

いうことではない。社 会しゃかい

福祉ふくし

を志こころざ

そうとする若 者わかもの

(学 生がくせい

を中 心ちゅうしん

)に未来みらい

を拓ひら

き、

雇用こよう

創 出そうしゅつ

・失 業しつぎょう

改 善かいぜん

に役 割やくわり

を果は

たす。

四よん

重 層 的じゅうそうてき

な人 的じんてき

支援しえん

への変 革へんかく

ネットワーク化ね っ と わ ー く か

を重 視じゅうし

し、人 材じんざい

を循 環じゅんかん

させる

地域ちいき

相 談そうだん

支援しえん

センタせ ん た

ーもGHも、他ほか

機関きかん

との連 携れんけい

を求もと

めている。地域ちいき

支援しえん

の組織そしき

は全すべ

て小規模しょうきぼ

であり人 員じんいん

にも限かぎ

りがある。支援員しえんいん

、看護師かんごし

、ケースワーカけ ー す わ ー か

ーなど

必 要ひつよう

に応おう

じてネットワークね っ と わ ー く

で本 人ほんにん

支援しえん

を行おこな

う。一いち

団 体だんたい

が一人ひとり

の人 生じんせい

を引ひ

き受う

ることは不可能ふかのう

であり、受う

け皿ざら

を複 数ふくすう

用意ようい

しておくことが必 要ひつよう

。地域ちいき

生 活せいかつ

構 築こうちく

ため、重 層 的じゅうそうてき

なネットワークね っ と わ ー く

への変 革へんかく

が必 要ひつよう

であり、重 視じゅうし

すべき視座し ざ

は「当事者とうじしゃ

主 体しゅたい

と当事者とうじしゃ

の権利けんり

保 障ほしょう

」である。

第 四だいよん

報 酬ほうしゅう

施策しさく

における基本的きほんてき

方 針ほうしん

一いち

契 約けいやく

制度せいど

、日割ひ わ

り制度せいど

導 入どうにゅう

に伴ともな

う弊 害へいがい

に注 意ちゅうい

しながら、個別こべつ

給 付きゅうふ

制度せいど

の意義い ぎ

も活い

かす

措置そ ち

から契 約けいやく

制度せいど

への移行いこう

に伴ともな

い、措置そ ち

委託費いたくひ

の丸まる

投な

げから、一人ひとり

ひとりの

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231

要支援者ようしえんしゃ

への個別こべつ

支援しえん

のための社 会しゃかい

保障費ほしょうひ

の支払しはら

いの集 積しゅうせき

が報 酬ほうしゅう

となる転 換てんかん

が図はか

られた。

障 害 者しょうがいしゃ

自立じりつ

支援法しえんほう

施行しこう

により露骨ろこつ

な給 付きゅうふ

抑 制よくせい

政 策せいさく

が導 入どうにゅう

され、大 幅おおはば

報 酬ほうしゅう

基 準きじゅん

が切き

り下さ

げられ、障 害しょうがい

福祉ふくし

の質しつ

の低下ていか

がもたらされた。それらの弊 害へいがい

解 消かいしょう

する制度せいど

改 革かいかく

が急 務きゅうむ

である。しかし、措置そ ち

制度せいど

に戻もど

ることが改 革かいかく

の方 向 性ほうこうせい

ではない。すなわち、一人ひとり

ひとりへの支援しえん

を意識いしき

した障 害しょうがい

福祉ふくし

の基本的きほんてき

あり方かた

を基本きほん

としながら、支援しえん

の質しつ

の低下ていか

、現場げんば

を委 縮いしゅく

させない報 酬ほうしゅう

施策しさく

が実施じっし

されることが、

改 革かいかく

の方 針ほうしん

である。

二に

複 雑ふくざつ

な報 酬ほうしゅう

制度せいど

のシンプル化し ん ぷ る か

事じ

業 者ぎょうしゃ

にとっても乱 数 表らんすうひょう

のような複 雑ふくざつ

なシステムし す て む

は不経済ふけいざい

極きわ

まる。利用者りようしゃ

とっても、一 般いっぱん

国 民こくみん

にとっても、わかりやすい簡 潔かんけつ

でシンプルし ん ぷ る

な制度せいど

にしなければ

ならない。

三さん

利用者りようしゃ

に不利益ふりえき

をもたらさない

利用者りようしゃ

負担ふたん

、地域間ちいきかん

格差かくさ

等とう

により、利用者りようしゃ

に不合理ふごうり

な負担ふたん

、不利益ふりえき

を被かぶ

らせるこ

とは障 害しょうがい

福祉ふくし

の理念りねん

に反はん

することであり、あってはならない。

四よん

障 害しょうがい

福祉ふくし

に従 事じゅうじ

する者もの

が誇ほこ

り展 望てんぼう

をもって仕事しごと

を継 続けいぞく

出来で き

る水 準すいじゅん

とするこ

報 酬ほうしゅう

の体 系たいけい

と金 額きんがく

は、現げん

に障 害 者しょうがいしゃ

福祉ふくし

に従 事じゅうじ

する者もの

が誇ほこ

りを持も

って仕事しごと

取と

り組く

み、その資質ししつ

等とう

の向 上こうじょう

を図はか

ることを促 進そくしん

するものであり、従 事じゅうじ

することを

希望きぼう

する者もの

が、労 働ろうどう

条 件じょうけん

等とう

の雇用こよう

環 境かんきょう

により、断 念だんねん

することがない水 準すいじゅん

である

ことが必須ひっす

である。

五ご

福祉ふくし

労 働 者ろうどうしゃ

が希望きぼう

を感かん

じる待 遇たいぐう

改 善かいぜん

休 暇きゅうか

の保 障ほしょう

、海 外かいがい

研 修けんしゅう

・留 学りゅうがく

等とう

の国 際こくさい

交 流こうりゅう

や他ほか

事 業 所じぎょうしょ

との国 内こくない

交 流こうりゅう

等とう

職 員しょくいん

のモチベーションも ち べ ー し ょ ん

を高たか

める仕組し く

み。

第五だいご

総 合そうごう

福祉ふくし

部会ぶかい

として、あるべきモデルも で る

の提 言ていげん

(長 期ちょうき

計 画けいかく

政 策せいさく

提 言ていげん

~障 害 者しょうがいしゃ

地域ちいき

自立じりつ

支援しえん

体 制たいせい

10か年ねん

計 画けいかく

一いち

10か年ねん

計 画けいかく

総 論そうろん

「障 害 者しょうがいしゃ

地域ちいき

自立じりつ

支援しえん

体 制たいせい

10ヵ年かねん

計 画けいかく

」の策 定さくてい

必 要ひつよう

を提 言ていげん

する。2013年ねん

より10ヵ年かねん

計 画けいかく

として策 定さくてい

し、施設しせつ

の新規しんき

入 所にゅうしょ

減へ

らし、地域ちいき

生 活せいかつ

移行いこう

のための包 括 的ほうかつてき

且か

つ具体的ぐたいてき

なプランぷ ら ん

として策 定さくてい

する

「どんなに重 度じゅうど

の障 害しょうがい

を持も

っても、地域ちいき

で自分じぶん

の望のぞ

む生 活せいかつ

が支援しえん

を受う

けて行おこな

ること」

を実 現じつげん

するためには、「10ヶ年かねん

計 画けいかく

」を作つく

り、各年度かくねんど

の達 成たっせい

目 標もくひょう

を市 町 村しちょうそん

Page 8: 作業チーム 報告書 の視点 - mhlw.go.jp...225 「報酬 ほうしゅう や人材 じんざい 確保 かくほ 等 とう 」部会 ぶかい 作業 さぎょう チーム

232

レベルれ べ る

の積つ

み上あ

げ数値すうち

目 標もくひょう

を定さだ

めて行おこな

うべきである。

現 状げんじょう

では知的ちてき

、精 神せいしん

障 害 者しょうがいしゃ

、重 症じゅうしょう

心身しんしん

障害者しょうがいしゃ

等とう

に必 要ひつよう

な地域ちいき

生 活せいかつ

相 談そうだん

支援しえん

センタせ ん た

ー、地域ちいき

での緊きん

急 事 態きゅうじたい

に備そな

えたショートステイし ょ ー と す て い

、充 分じゅうぶん

な医 療いりょう

ケアけ あ

の場ば

ほとんど存 在そんざい

しない。地域ちいき

での受う

け皿ざら

を当事者とうじしゃ

主 体しゅたい

、当事者とうじしゃ

エンパワメントえ ん ぱ わ め ん と

の視点してん

に立た

って作つく

り上あ

げていくことが、最 短さいたん

の道みち

である。 障しょう

がい者しゃ

制度せいど

改 革かいかく

会議かいぎ

総 合そうごう

福祉ふくし

部会ぶかい

の意見いけん

を尊 重そんちょう

して、「10ヵ年かねん

計 画けいかく

」を当事者とうじしゃ

のニーズに ー ず

に基もと

づいて、

早 急さっきゅう

に作つく

るべきである。

計 画けいかく

の特 徴とくちょう

1 個人こじん

の真しん

の選 択せんたく

を実 現じつげん

するシステムし す て む

従 来じゅうらい

の計 画けいかく

は、公 平 性こうへいせい

、透 明 性とうめいせい

の名な

のもとに、「最 低さいてい

保 障ほしょう

」の観 点かんてん

から作つく

られてきた。今後こんご

は当事者とうじしゃ

の選 択せんたく

を実 現じつげん

する「地域ちいき

自立じりつ

生 活せいかつ

支援しえん

システムし す て む

」を

構 築こうちく

するべきである。

計 画けいかく

の特 徴とくちょう

2 当事者とうじしゃ

エンパワメントえ ん ぱ わ め ん と

ができる地域ちいき

支援しえん

体 制たいせい

と人 材じんざい

育 成いくせい

当事者とうじしゃ

のエンパワメントえ ん ぱ わ め ん と

を図はか

るためにはピアカウンセラぴ あ か う ん せ ら

ーや相 談そうだん

支援しえん

が有 効ゆうこう

であ

り、全市ぜんし

町 村ちょうそん

で保 障ほしょう

するため、当事者とうじしゃ

の視点してん

に立た

った支援しえん

専門家せんもんか

の育 成いくせい

が急 務きゅうむ

ある。

精 神せいしん

保健ほけん

福祉士ふくしし

、社 会しゃかい

福祉士ふくしし

、介護かいご

福祉士ふくしし

、MSW(Medical Social Worker・医療いりょう

ソーシャルワーカそ ー し ゃ る わ ー か

ー)、看護師かんごし

、医師い し

、ソーシャルワーカそ ー し ゃ る わ ー か

ー、臨 床りんしょう

心理士しんりし

、OT(作 業さぎょう

療 法 士りょうほうし

),PT(理学りがく

療 法 士りょうほうし

)等とう

の研 修けんしゅう

コースこ ー す

の中なか

に、当事者とうじしゃ

エンパワメントえ ん ぱ わ め ん と

地域ちいき

支援しえん

方 法ほうほう

、地域ちいき

ケアサービスけ あ さ ー び す

の現場げんば

実 習じっしゅう

、地域ちいき

医 療いりょう

ケアけ あ

の現場げんば

実 習じっしゅう

、地域ちいき

自立じりつ

生 活せいかつ

支援しえん

方 法ほうほう

実 践 論じっせんろん

、当事者とうじしゃ

主 体しゅたい

の支援しえん

方 法 論ほうほうろん

、障 害 者しょうがいしゃ

の権利けんり

と福祉的ふくしてき

支援論しえんろん

等とう

の研 修けんしゅう

が必 要ひつよう

である。

また、これらの専 門せんもん

職しょく

のほとんどが、医 療いりょう

点 数てんすう

にカウントか う ん と

されない非 常 勤ひじょうきん

待 遇たいぐう

に位置い ち

づけられており、地域ちいき

生 活せいかつ

支援しえん

の実じつ

戦 力せんりょく

となっていない現 状げんじょう

に問 題もんだい

がある。

医療費いりょうひ

の中なか

からこれらの人件費じんけんひ

を正規せいき

雇用こよう

ベースべ ー す

で支 給しきゅう

すべきである。

二に

10か年ねん

計 画けいかく

各 論かくろん

その1 人 材じんざい

育 成いくせい

ピアカウンセラぴ あ か う ん せ ら

ーは重 要じゅうよう

であるが障 害 者しょうがいしゃ

人 口じんこう

は限かぎ

られており、当事者とうじしゃ

が中 心ちゅうしん

となって運 営うんえい

を担にな

う包 括 的ほうかつてき

な地域ちいき

生 活せいかつ

支援しえん

体 制たいせい

づくりと、当事者とうじしゃ

主 体しゅたい

の理念りねん

を研 修けんしゅう

などで確 実かくじつ

に身み

につけた障 害しょうがい

のない専 門せんもん

職しょく

との「協 働きょうどう

」が重 要じゅうよう

である。

(1)当事者とうじしゃ

組織そしき

の育 成いくせい

現 在げんざい

の自立じりつ

生 活せいかつ

センタせ ん た

ーも知的ちてき

・精 神せいしん

障 害 者しょうがいしゃ

の全 国ぜんこく

支援網しえんもう

とはなっていない。

当事者とうじしゃ

の育 成いくせい

とシステムし す て む

づくりに資金しきん

を含ふく

めた公 的こうてき

支援しえん

が求もと

められる。地域ちいき

格差かくさ

生しょう

じさせないために市 町 村しちょうそん

ごとに、事務所じむしょ

運 営うんえい

資金しきん

、職 員しょくいん

費用ひよう

等とう

の運 営うんえい

補助ほじょ

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233

必 要ひつよう

である。現 在げんざい

のリソースり そ ー す

も活 用かつよう

しながら、特とく

にピアカウンセリングぴ あ か う ん せ り ん ぐ

、自立じりつ

生 活せいかつ

プログラムぷ ろ ぐ ら む

等とう

の実施じっし

が求もと

められる。

(2) 当事者とうじしゃ

中 心ちゅうしん

の視点してん

にたった専 門せんもん

職しょく

の育 成いくせい

例れい

【社 会しゃかい

福祉士ふくしし

】 障 害 者しょうがいしゃ

自身じしん

の主 体 的しゅたいてき

な地域ちいき

生 活せいかつ

を支援しえん

する視点してん

から今いま

以 上いじょう

に現場げんば

実 習じっしゅう

を取と

り入い

れる。入 浴にゅうよく

やトイレと い れ

介 助かいじょ

などの生 活せいかつ

を通とお

して、頭あたま

ではなく

身 体しんたい

で福祉ふくし

を理解りかい

し、対 等たいとう

な人 間にんげん

関 係かんけい

を作つく

ることが求もと

められる。介 助かいじょ

体 験たいけん

意義付い ぎ づ

けと、相 談そうだん

支援しえん

のスキルす き る

獲 得かくとく

の目 的もくてき

を意識いしき

した現場げんば

実 習じっしゅう

をバランスば ら ん す

よく

カリキュラムか り き ゅ ら む

に盛も

り込こ

み、障 害しょうがい

当事者とうじしゃ

を講師こうし

とするなど、「当事者とうじしゃ

主 体しゅたい

」の視点してん

に立た

つ支援者しえんしゃ

養 成ようせい

ヘへ

と再 編さいへん

成せい

する。

以 上いじょう

のほかにもPSW・特 別とくべつ

支援しえん

教 育きょういく

専 門 員せんもんいん

など、あらゆる専 門せんもん

職しょく

に対たい

して、

「当事者とうじしゃ

主 体しゅたい

」の視点してん

に立た

った根 本 的こんぽんてき

な改 革かいかく

が求もと

められる。

三さん

10か年ねん

計 画けいかく

各 論かくろん

その2 「地域ちいき

生 活せいかつ

移行いこう

支援しえん

センタせ ん た

ー」の設置せっち

・整備せいび

マンツーマンま ん つ ー ま ん

による一 貫いっかん

した職 員しょくいん

体 制たいせい

を保 障ほしょう

したあらゆる障 害 者しょうがいしゃ

の地域ちいき

生 活せいかつ

移行いこう

の整備せいび

精 神せいしん

障 害 者しょうがいしゃ

や知的ちてき

障 害 者しょうがいしゃ

にとっては、同おな

じ職 員しょくいん

がマンツーマンま ん つ ー ま ん

で関かか

わり、

信 頼しんらい

関 係かんけい

が確 立かくりつ

した中なか

でこそ、安 心あんしん

して相 談そうだん

できる。担 当 員たんとういん

が徹 底 的てっていてき

に関かか

わり、当事者性とうじしゃせい

とニーズに ー ず

を十 分じゅうぶん

に引ひ

き出だ

すことが必 要ひつよう

である。地域ちいき

生 活せいかつ

移行いこう

センタせ ん た

ーには、20名めい

程度ていど

の相 談そうだん

支援員しえんいん

を正規せいき

職 員しょくいん

として配置はいち

する。三さん

障 害しょうがい

はもとより

難 病なんびょう

等とう

を含ふく

むあらゆる障 害 者しょうがいしゃ

を総 合そうごう

して、継 続 的けいぞくてき

な地域ちいき

生 活せいかつ

を支援しえん

するため

に、「地域ちいき

生 活せいかつ

移行いこう

センタせ ん た

ー」を核かく

として、24時間じかん

体 制たいせい

で相 談そうだん

に応おう

じられる職 員しょくいん

配置はいち

を確保かくほ

する。当事者とうじしゃ

相 談そうだん

支援員しえんいん

を過半数かはんすう

とし、ピアカウンセラぴ あ か う ん せ ら

ーを必須ひっす

の配置はいち

する。また、運 営うんえい

委員いいん

の過半数かはんすう

は障 害 者しょうがいしゃ

であることとし、当事者とうじしゃ

主 導しゅどう

の体 制たいせい

構 築こうちく

し、日 常 的にちじょうてき

な生 活せいかつ

支援しえん

相 談そうだん

を必 要ひつよう

とする者もの

を対 象たいしょう

とする。

現 在げんざい

入 所にゅうしょ

施設しせつ

事 業じぎょう

を実施じっし

している事じ

業 者ぎょうしゃ

の多おお

くが、総 合そうごう

福祉法ふくしほう

施行しこう

に伴ともな

い、

地域ちいき

生 活せいかつ

移行いこう

支援しえん

センタせ ん た

ー事 業 所じぎょうしょ

に移行いこう

することが目 標もくひょう

となる新 事 業しんじぎょう

体 系たいけい

必 要ひつよう

である。

第 六だいろく

中 期ちゅうき

計 画けいかく

その1 「報 酬ほうしゅう

水 準すいじゅん

・報 酬ほうしゅう

設 定せってい

・報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

」について

新 法しんぽう

の基本きほん

設 計せっけい

(新 法しんぽう

導 入どうにゅう

~5年ねん

以内いない

に実 現じつげん

すべき事項じこう

一いち

[報 酬ほうしゅう

水 準すいじゅん

について]=今 回こんかい

の改 革かいかく

で絶 対ぜったい

に実 現じつげん

しなくてはならない目 標もくひょう

福祉ふくし

人 材じんざい

の確保かくほ

出来で き

る報 酬ほうしゅう

基 準きじゅん

の設 定せってい

=国家こっか

公務員こうむいん

と同 等どうとう

の年 収ねんしゅう

水 準すいじゅん

障 害しょうがい

福祉ふくし

報 酬ほうしゅう

の総 額そうがく

が 低ひく

すぎて、優すぐ

れた理念りねん

を持も

ったリーダり ー だ

ーも 極きわ

めて

低 賃 金ていちんぎん

な異 常いじょう

な実 態じったい

である。優すぐ

れた人 材じんざい

を高たか

い報 酬ほうしゅう

で待たい

遇ぐう

するという当あ

たり

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234

前まえ

の姿すがた

になるため、国家こっか

公務員こうむいん

レベルれ べ る

の給 与きゅうよ

体 系たいけい

で末 永すえなが

く雇用こよう

できる制度せいど

構 築こうちく

をすることは改 革かいかく

の至 上しじょう

命 題めいだい

である。

「10ヵ年かねん

福祉ふくし

計 画けいかく

」で、毎 年まいとし

給 与きゅうよ

上 昇 率じょうしょうりつ

を提てい

示じ

し、OECD平 均へいきん

レベルれ べ る

障 害 者しょうがいしゃ

予算よさん

を組く

み立た

てながら給 与きゅうよ

水 準すいじゅん

を改 善かいぜん

し、労 働 者ろうどうしゃ

の福祉ふくし

産 業さんぎょう

離ばな

れを食く

い止と

めなければならない。

二に

[報 酬ほうしゅう

水 準すいじゅん

の設 定せってい

のありかた]

事こと

業 者ぎょうしゃ

が安 定あんてい

して事 業じぎょう

経 営けいえい

し、従 事 者じゅうじしゃ

が安 心あんしん

して業 務ぎょうむ

に専 念せんねん

出来で き

報 酬ほうしゅう

水 準すいじゅん

具体的ぐたいてき

に は、 従 事 者じゅうじしゃ

の 給 与きゅうよ

レベルれ べ る

は 国家こっか

公務員こうむいん

給 料 表きゅうりょうおもて

の 「 福祉ふくし

職しょく

俸 給 表ほうきゅうひょう

」による給 与きゅうよ

支 給しきゅう

を確保かくほ

出来で き

る水 準すいじゅん

とすることを総 合そうごう

福祉法ふくしほう

におい

て法定化ほうていか

する。

これにより、障 害 者しょうがいしゃ

福祉ふくし

従 事 者じゅうじしゃ

の標 準 的ひょうじゅんてき

給 与きゅうよ

水 準すいじゅん

が明 確めいかく

になり、異動いどう

の際さい

にも、前 歴ぜんれき

換 算かんさん

や評 価ひょうか

が容易ようい

になる。共 通きょうつう

の 給 料 表きゅうりょうひょう

に基もと

づくことにより

官 民かんみん

格差かくさ

が是正ぜせい

できる。

福祉ふくし

職しょく

給 料 表きゅうりょうおもて

の導 入どうにゅう

と共とも

に、「職 員しょくいん

構成比こうせいひ

想 定そうてい

」を設 定せってい

するべき。俸 給ほうきゅう

適 用 級てきようきゅう

が低ひく

いままで積 算せきさん

されれば、経 験けいけん

年 数ねんすう

の長なが

い従 事 者じゅうじしゃ

は継 続けいぞく

が困 難こんなん

なり、若わか

い従 事 者じゅうじしゃ

を「回 転かいてん

」させる人事じんじ

となり、利用者りようしゃ

にとって、看過かんか

しがたい。

従 来じゅうらい

、職 員しょくいん

構 成こうせい

、特とく

に「直 接ちょくせつ

処 遇しょぐう

職 員しょくいん

」に実 態じったい

と乖かい

離り

した低ひく

い級きゅう

・号 俸ごうほう

を想 定そうてい

していたことが問 題もんだい

である。それでは、ベテランべ て ら ん

職 員しょくいん

、中 間 層ちゅうかんそう

が薄うす

くなり、

長 期ちょうき

ビジョンび じ ょ ん

に基もと

づく経 営けいえい

はできない。中 間 層ちゅうかんそう

を手厚てあつ

くした、「職 員しょくいん

構成比こうせいひ

想 定そうてい

」を導 入どうにゅう

し、支援しえん

の質しつ

の向 上こうじょう

、働はたら

き続つづ

けられる職 場しょくば

の実 現じつげん

、職 員しょくいん

将 来 像しょうらいぞう

を描か

けるシステムし す て む

とする。さらに、単 純たんじゅん

な経 営けいえい

のバランスシートば ら ん す し ー と

で報 酬ほうしゅう

水 準すいじゅん

を設 定せってい

するのではなく、それぞれの職 員しょくいん

が求もと

める維持い じ

可能かのう

水 準すいじゅん

を考 慮こうりょ

して

設 定せってい

することが必 要ひつよう

三さん

[報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

と加算かさん

制度せいど

のありかた]=「加算かさん

」抜ぬ

きで安 定あんてい

経 営けいえい

出来で き

る報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

複 雑ふくざつ

な加算かさん

制度せいど

は根 本 的こんぽんてき

に見直みなお

し、複 雑ふくざつ

な「加算かさん

」の仕組し く

みを駆使く し

しなくても

基本きほん

報 酬ほうしゅう

に現 行げんこう

の加算かさん

レベルれ べ る

を組く

み込こ

む改 変かいへん

が必 要ひつよう

である。

現 在げんざい

の報 酬ほうしゅう

は報 酬ほうしゅう

本 体ほんたい

では経 営けいえい

維持い じ

が困 難こんなん

であり、加算かさん

により初はじ

めて維持い じ

出来で き

る。

改 革かいかく

の基本きほん

制度せいど

設 計せっけい

は、「報 酬ほうしゅう

本 体ほんたい

だけ」で求もと

める事 業じぎょう

水 準すいじゅん

(指定してい

基 準きじゅん

定さだ

められる水 準すいじゅん

)を確保かくほ

すべき。加算かさん

はあくまで、その標 準 的ひょうじゅんてき

水 準すいじゅん

のオプションお ぷ し ょ ん

位置い ち

づける。

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235

加算かさん

に依い

存ぞん

する報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

を見直みなお

し、本 体ほんたい

のみで事 業じぎょう

経 営けいえい

の維持い じ

を可能かのう

とする

ことが必 要ひつよう

次つぎ

に、報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

を入 所にゅうしょ

施設しせつ

系けい

と在 宅ざいたく

系けい

に分わ

けて検 討けんとう

する。

アあ

入 所にゅうしょ

施設型しせつがた

事 業じぎょう

報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

の見直みなお

施設しせつ

(入 所にゅうしょ

・通 所つうじょ

)報 酬ほうしゅう

は、規模き ぼ

別べつ

に設 定せってい

されていが、人件費じんけんひ

等とう

一 般いっぱん

管理費かんりひ

にスケールメリットす け ー る め り っ と

が働はたら

くが、利用者りようしゃ

の生活費せいかつひ

には働はたら

かない。その見直みなお

しを図示ず し

した

のが、

図ず

1「入 所にゅうしょ

施設しせつ

系けい

報 酬ほうしゅう

本 体ほんたい

の見直みなお

し」、図ず

2「報 酬ほうしゅう

本 体ほんたい

と加算かさん

の見直みなお

し」で

ある。

イい

在 宅ざいたく

系けい

事 業じぎょう

報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

の見直みなお

「通 所つうじょ

・短期たんき

等とう

(利用型りようがた

)」と「在 宅ざいたく

訪 問 型ほうもんかた

」の種 別しゅべつ

在 宅ざいたく

系けい

は、施設しせつ

維持い じ

のために固定こてい

経費けいひ

が相 当そうとう

程度ていど

必 要ひつよう

となる「通 所つうじょ

・短期型たんきがた

訪 問ほうもん

介護かいご

などの支援者しえんしゃ

が 居 宅きょたく

や利用者りようしゃ

と 同 行どうこう

する 等とう

直 接 的ちょくせつてき

なサービスさ ー び す

提 供ていきょう

に係かか

わる「在 宅ざいたく

訪 問 型ほうもんかた

」に大 別たいべつ

した報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

とする。

「通 所つうじょ

・短期型たんきがた

」は、基本的きほんてき

には入 所にゅうしょ

施設しせつ

系けい

報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

に準じゅん

じて設 定せってい

する。

一 方いっぽう

、「在 宅ざいたく

訪 問 型ほうもんかた

」は、事 業じぎょう

運 営うんえい

報 酬ほうしゅう

が主しゅ

であることから、報 酬ほうしゅう

を1

系 統けいとう

にまとめる。 これを図示ず し

したのが図ず

3 在 宅ざいたく

訪 問 型ほうもんかた

事 業じぎょう

報 酬ほうしゅう

である。

ウう

採 算さいさん

線せん

(レベルれ べ る

)の引ひ

き下さ

現 行げんこう

報 酬ほうしゅう

額がく

の採 算さいさん

レベルれ べ る

は、入 所にゅうしょ

施設しせつ

系けい

で利用率りようりつ

(実利用者じつりようしゃ

/利用りよう

定 員ていいん

が90~95%にセットせ っ と

されており、収 支しゅうし

を黒字くろじ

にするために定 員ていいん

超 過ちょうか

などで凌しの

でいる。

定 員ていいん

超 過ちょうか

が恒 常 化こうじょうか

すれば、支援しえん

水 準すいじゅん

が低てい

下か

し、コンプライアンスこ ん ぷ ら い あ ん す

と矛 盾むじゅん

する。

こうした事態じたい

を改 善かいぜん

するため、採 算さいさん

ラインら い ん

を80%程度ていど

と設 定せってい

する。

これにより、定 員ていいん

一 杯いっぱい

となれば職 員しょくいん

の加配かはい

やベテランべ て ら ん

職 員しょくいん

の確保かくほ

が可能かのう

となり、

事こと

業 者ぎょうしゃ

にも利用者りようしゃ

にも余裕よゆう

が生しょう

じ、利用者りようしゃ

の地域ちいき

移行いこう

についての取と

り組く

みも可能かのう

なる。

経 営けいえい

を安 定あんてい

させ、ゆとりをもたせることで地域ちいき

移行いこう

を促 進そくしん

する政 策せいさく

へ転 換てんかん

する。

経 営 者けいえいしゃ

に インセンティブい ん せ ん て ぃ ぶ

を 与あた

え 、 新あら

た な 事 業じぎょう

展 開てんかい

へ の 財 源ざいげん

確保かくほ

モチベーションも ち べ ー し ょ ん

を高たか

める。

エえ

「経 営けいえい

実 態じったい

調 査ちょうさ

による報 酬ほうしゅう

見直みなお

し」を廃止はいし

する

国くに

は経 営けいえい

実 態じったい

調 査ちょうさ

に基もと

づき報 酬ほうしゅう

改 定かいてい

を行おこな

っている。しかし、多おお

くは報 酬ほうしゅう

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236

みが収 入しゅうにゅう

であり、報 酬ほうしゅう

が減 額げんがく

されればその範囲はんい

で収 支しゅうし

を合あ

わせて黒字くろじ

にするため、

「見み

せかけ」の「黒字くろじ

」を根 拠こんきょ

として報 酬ほうしゅう

改 訂かいてい

されれば、報 酬ほうしゅう

は際 限さいげん

なく引ひ

き下さ

がる。福祉ふくし

報 酬ほうしゅう

は社 会しゃかい

保障費ほしょうひ

=ナショナルミニマムな し ょ な る み に ま む

であり、自助じじょ

努 力どりょく

の貯 蓄ちょちく

理由りゆう

に水 準すいじゅん

を引ひ

き下さ

げることは出来で き

ないはず。

四よん

[報 酬ほうしゅう

の支払しはら

い方 法ほうほう

「日 払ひばらい

いと月 払つきばら

い」の両 論りょうろん

の止揚しよう

(発 展 的はってんてき

統 一とういつ

報 酬ほうしゅう

の日 額 払にちがくばらい

か月 払つきばら

いか、障 害しょうがい

福祉ふくし

分野ぶんや

の健 全けんぜん

な証あか

しとして総 括そうかつ

し、対 立たいりつ

した関 係かんけい

と捉とら

えず、統 合とうごう

した視点してん

を持も

ち、建 設 的けんせつてき

な議論ぎろん

に発 展はってん

させることが

肝 要かんよう

障 害しょうがい

福祉ふくし

を実 践じっせん

する担にな

い手て

が事 業じぎょう

を維持い じ

出来で き

ない状 況じょうきょう

は、結 局けっきょく

、障 害 者しょうがいしゃ

生 活せいかつ

支援しえん

、人 権じんけん

が安 定 的あんていてき

に保 障ほしょう

されないことを意味い み

し、その支 障ししょう

は障 害 者しょうがいしゃ

自身じしん

が被かぶ

る結果けっか

となる。

障 害 者しょうがいしゃ

の幸 福こうふく

追 求 権ついきゅうけん

が保 障ほしょう

されるためには、障 害しょうがい

のある人ひと

の支援しえん

(事 業じぎょう

を選 択せんたく

する自由じゆう

(権利けんり

)と障 害しょうがい

関 連かんれん

事 業じぎょう

における固定費こていひ

(人件費じんけんひ

を中 心ちゅうしん

に)の

安 定 的あんていてき

な確保かくほ

とを両 立りょうりつ

させることが必 要ひつよう

である。その際さい

、次つぎ

の三 点さんてん

に留 意りゅうい

すべ

き。

一点目いちてんめ

は、報 酬ほうしゅう

の財 政ざいせい

規模き ぼ

の増 額ぞうがく

が必 要ひつよう

条 件じょうけん

である。現 行げんこう

の支 出ししゅつ

水 準すいじゅん

固定費こていひ

相 当 分そうとうぶん

とし、日 額 分にちがくぶん

が重かさ

ねられるイメージい め ー じ

。二点目にてんめ

は、契 約けいやく

制度せいど

は維ゆい

持じ

るとしても、市 町 村しちょうそん

が障 害 者しょうがいしゃ

の支援しえん

を保 障ほしょう

する公 的こうてき

責 任せきにん

は明確化めいかくか

しておくこ

と。三点目さんてんめ

は、利用者りようしゃ

負担ふたん

の増加ぞうか

につながらないようにすること。「Aさんに就 労しゅうろう

支援しえん

が保 障ほしょう

される」との支 給しきゅう

決 定けってい

も「個別こべつ

給 付きゅうふ

決 定けってい

」であり、仮かり

に本 人ほんにん

負担ふたん

があ

るとしても、公こう

から個人こじん

への費用ひよう

徴 収ちょうしゅう

の問 題もんだい

とするべきで、利用者りようしゃ

負担ふたん

制度せいど

を廃止はいし

するか、尐すく

なくとも利用者りようしゃ

負担ふたん

と事 業 所じぎょうしょ

報 酬ほうしゅう

が連 動れんどう

する、現 行げんこう

の「個別こべつ

給 付きゅうふ

代理だいり

受 領じゅりょう

」の方 式ほうしき

自体じたい

を見直みなお

し、利用りよう

と負担ふたん

の連 動 性れんどうせい

を断た

つべきである。

すなわち、個別こべつ

給 付きゅうふ

制度せいど

を維ゆい

持じ

しながら、利用者りようしゃ

負担ふたん

請 求せいきゅう

業 務ぎょうむ

の事 業 者じぎょうしゃ

負担ふたん

も無な

くし、支 給しきゅう

決 定けってい

障 害 者しょうがいしゃ

の事 業じぎょう

利用りよう

に対たい

する事 業 所じぎょうしょ

に対たい

する報 酬ほうしゅう

支 払しはらい

方 式ほうしき

に変 更へんこう

するべきである。

1 利用者りようしゃ

の選 択 権せんたくけん

と事 業 所じぎょうしょ

の安 定あんてい

を目指め ざ

す新 報 酬しんほうしゅう

体 系たいけい

① 施設しせつ

系けい

事 業じぎょう

報 酬ほうしゅう

を「利用者りようしゃ

個別こべつ

給 付きゅうふ

報 酬ほうしゅう

」(利用者りようしゃ

への個別こべつ

支援しえん

に関かん

する費用ひよう

)と「事 業じぎょう

運 営うんえい

報 酬ほうしゅう

」(人件費じんけんひ

・固定こてい

経費けいひ

・一 般いっぱん

管理費かんりひ

)に大 別たいべつ

する。

概おおむ

ね、前 者ぜんしゃ

が2割わり

、後 者こうしゃ

が8割わり

程度ていど

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237

前 者ぜんしゃ

を原 則げんそく

日ひ

払ばら

いとする。

但ただ

し、利用率りようりつ

80%を上 回うわまわ

れば全 額ぜんがく

支払しはら

い、それ以下い か

の場合ばあい

は、利用りよう

実 績じっせき

に応おう

じた日割ひ わ

り計 算けいさん

で事 業 所じぎょうしょ

に支払しはら

われる。

後 者こうしゃ

を原 則げんそく

月 払つきばら

いとする。

すなわち、施設しせつ

利用りよう

定 員ていいん

による月 額げつがく

を定 額ていがく

で支払しはら

う。

但ただ

し、施設しせつ

全 体ぜんたい

の6ヶ月かげつ

の平 均へいきん

利用率りようりつ

を次つぎ

の6ヶ月間かげつかん

は掛か

けて月 額げつがく

を算さん

出しゅつ

する。これにより、利用りよう

しなかった分ぶん

は報 酬 減ほうしゅうげん

となるので、在 宅ざいたく

給 付きゅうふ

との併 給へいきゅう

も抵 抗ていこう

は尐すく

ない。

これを具体的ぐたいてき

に図示ず し

したのが後記こうき

別紙図べっしず

4「定 員ていいん

30名めい

の施設しせつ

の場合ばあい

」である。

ポイントぽ い ん と

個々こ こ

の利用者りようしゃ

の利用りよう

状 況じょうきょう

に日割ひ わ

り(利用率りようりつ

)を導 入どうにゅう

するのではなく、

施設しせつ

全 体ぜんたい

の 利用率りようりつ

で算 定さんてい

する。その適 用てきよう

は次つぎ

の6ヶ月期かげつき

に適 用てきよう

とする。

例 外れいがい

として、定 員ていいん

20名めい

以下い か

の場合ばあい

は上 記じょうき

80%保 障ほしょう

を90%とする。

これは、日割ひ わ

り論 者ろんしゃ

が危惧き ぐ

する「事 業 所じぎょうしょ

への定 員ていいん

保 障ほしょう

」ではなく、むしろ、現 実げんじつ

の利用りよう

実 績じっせき

を斟 酌しんしゃく

する日割ひ わ

り制度せいど

に近ちか

い発 想はっそう

であり、日割ひ わ

り論 者ろんしゃ

も認みと

める現 行げんこう

の9割わり

保 障ほしょう

に類似るいじ

した現 実げんじつ

案あん

である。日割ひ わ

り論 者ろんしゃ

の主 張しゅちょう

するメリットめ り っ と

を活い

かしな

がら、月割つきわ

り論 者ろんしゃ

の危惧き ぐ

する点てん

もクリアく り あ

し、止揚しよう

する案あん

として、総 合そうごう

福祉ふくし

部会ぶかい

統 一とういつ

提 言ていげん

となることを期待きたい

したい。

② 在 宅ざいたく

系けい

事 業じぎょう

図ず

3の在 宅ざいたく

系けい

報 酬ほうしゅう

を前 提ぜんてい

として、日割ひ わ

り報 酬ほうしゅう

とする。

2 障 害しょうがい

程度ていど

区分くぶん

との報 酬ほうしゅう

との連 動れんどう

を断た

ち切き

障 害しょうがい

程度ていど

区分くぶん

は別べつ

チームち ー む

担 当たんとう

だがいずれにせよ程度ていど

区分くぶん

と報 酬ほうしゅう

の連 動れんどう

は廃はい

止し

されるべき。

第 七だいしち

中 期ちゅうき

計 画けいかく

その2 「人 材じんざい

育 成いくせい

」について (新法しんぽう

導入どうにゅう

~5年ねん

以内い な い

に実現じつげん

すべき事項じ こ う

1 OJT(ON The Job Training・現場げ ん ば

体験たいけん

をしながらの職業しょくぎょう

訓練くんれん

)を重 視じゅうし

し、「資格しかく

保有ほゆう

は決けっ

して支援しえん

のために本 質 的ほんしつてき

なものではなく、支援しえん

の質しつ

の最 低さいてい

基 準きじゅん

の保 障ほしょう

と支援者しえんしゃ

の社 会 的しゃかいてき

評 価ひょうか

、モチベーションも ち べ ー し ょ ん

維持い じ

等とう

のための副次的ふくじてき

な位置い ち

づけとする

研 修けんしゅう

システムし す て む

人 材じんざい

育 成いくせい

の中 期ちゅうき

計 画けいかく

としてもOJT重 視じゅうし

の研 修けんしゅう

システムし す て む

を基本きほん

とするべき。

可能かのう

な限かぎ

り間口まぐち

を広ひろ

く取と

り、多おお

くの人 材じんざい

の中なか

から適てき

した人 材じんざい

を探さぐ

り当あ

てる作 業さぎょう

が不可欠ふかけつ

。継 続 的けいぞくてき

な関 係 性かんけいせい

の中なか

での人 間にんげん

関 係かんけい

が基礎き そ

にあり支援しえん

が成な

り立た

つ。正規せいき

雇用こよう

関 係かんけい

の中なか

で長 期ちょうき

にわたって関 係 性かんけいせい

を持も

てることが信 頼しんらい

関 係かんけい

を障 害 者しょうがいしゃ

作つく

り上あ

げる基本きほん

である。

2 ピアカウンセラぴ あ か う ん せ ら

ー、当事者とうじしゃ

委員いいん

登 用 率とうようりつ

の法定化ほうていか

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238

当事者とうじしゃ

の気持き も

ちにもっとも寄よ

り添そ

えるのは同おな

じ障 害しょうがい

をもつ当事者とうじしゃ

である。障 害しょうがい

当事者とうじしゃ

を出来で き

る限かぎ

り相 談そうだん

支援しえん

研 修けんしゅう

に受 講じゅこう

させ、優 先 的ゆうせんてき

に相 談そうだん

支援しえん

に雇用こよう

し、

障 害しょうがい

福祉ふくし

計 画けいかく

等とう

の政 策せいさく

立 案りつあん

過程かてい

、自立じりつ

支 援 協しえんきょう

議会ぎかい

等とう

において知的ちてき

や精 神せいしん

障 害 者しょうがいしゃ

の委員いいん

登 用 率とうようりつ

を法 的ほうてき

義務化ぎ む か

する。

第 八だいはち

直ただ

ちに(旧 法きゅうほう

=障 害 者しょうがいしゃ

自立じりつ

支援法しえんほう

でも、新 法しんぽう

施行しこう

と同時どうじ

に)緊 急きんきゅう

に 修しゅう

復ふく

対 応たいおう

するべき、しなければならない事項じこう

(短期的たんきてき

課題かだい

1 常 勤じょうきん

換 算かんさん

方 式ほうしき

の廃止はいし

2 併 給へいきゅう

を認みと

めるシステムし す て む

入 所にゅうしょ

、通 所つうじょ

、在 宅ざいたく

など体 系たいけい

ごとの併 給へいきゅう

の禁止きんし

を廃はい

止よ

し、居 住きょじゅう

の場ば

の確保かくほ

と地域ちいき

生 活せいかつ

支援しえん

の個別こべつ

介 助かいじょ

の併 給へいきゅう

を認みと

めるべき。

3 知的ちてき

、精 神せいしん

の方かた

へのパーソナルぱ ー そ な る

な支援しえん

知的ちてき

・精 神せいしん

障 害 者しょうがいしゃ

にとって、個別こべつ

の介 助かいじょ

支援しえん

だけでは地域ちいき

生 活せいかつ

は維持い じ

できない。相 談そうだん

支援しえん

や見守みまも

り付つ

き添そ

いが必 要ひつよう

だが、

唯 一ゆいいつ

の現 行げんこう

制度せいど

の重 度じゅうど

訪 問ほうもん

介護かいご

も対 象 外たいしょうがい

である。当 面とうめん

は、その制度せいど

の適 用てきよう

対 象たいしょう

の拡ひろむ

大だい

と、マンツーマンま ん つ ー ま ん

での相 談そうだん

支援しえん

体 制たいせい

を構 築こうちく

することが急 務きゅうむ

4 体 験 的たいけんてき

自立じりつ

生 活せいかつ

体 験 室たいけんしつ

と介 助かいじょ

支援しえん

親おや

亡な

き後あと

に施設しせつ

に入はい

らなくてすむように若わか

いうちから、障 害 者しょうがいしゃ

の親 元おやもと

を離はな

れて

の自立じりつ

生 活せいかつ

体 験たいけん

の場ば

を作つく

ることが、将 来しょうらい

の自立じりつ

生 活せいかつ

にむけての準 備じゅんび

期間きかん

として

欠か

かせない。そのための場ば

を相 談そうだん

支援しえん

事 業 所じぎょうしょ

、通 所つうじょ

作 業 所さぎょうじょ

、短期たんき

ショートステイし ょ ー と す て い

などに併 設へいせつ

する形かたち

で設置せっち

した場合ばあい

に家賃やちん

補助ほじょ

、職 員しょくいん

体 制たいせい

、運 営うんえい

経費けいひ

を支 給しきゅう

し、

あわせて居 宅きょたく

介 助かいじょ

サービスさ ー び す

を親 元おやもと

にいても自立じりつ

生 活せいかつ

体 験たいけん

のために使つか

えるような

システムし す て む

をつくる。 以 上いじょう

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239

図ず

1 入所にゅうしょ

施設し せ つ

系けい

報酬ほうしゅう

体系たいけい

の見直み な お

現行げんこう

報酬ほうしゅう

制度せ い ど

見直み な お

し案あん

施し

設せつ

種しゅ

別べつ

利用者りようしゃ

個別こ べ つ

支援し え ん

報酬ほうしゅう

(定員ていいん

規模き ぼ

による格差か く さ

なし)

事業じぎょう

運営うんえい

報酬ほうしゅう

施し

設せつ

種たね

別べつ

尐しょう

多た

尐しょう

中なか

多た

定員ていいん

規模き ぼ

別べつ

定員ていいん

規模き ぼ

別べつ

…………………………………………………………………………………………………………………………

図ず

2 報酬ほうしゅう

本体ほんたい

と加算か さ ん

の見直み な お

利用者りようしゃ

個別こ べ つ

支援し え ん

報酬ほうしゅう

利用者りようしゃ

支援し え ん

加算か さ ん

特別とくべつ

訓練くんれん

加算か さ ん

事業じぎょう

運営うんえい

報酬ほうしゅう

事業じぎょう

運営うんえい

加算か さ ん

事業じぎょう

運営うんえい

調整費ちょうせいひ

資格し か く

職員しょくいん

加算か さ ん

所在地しょざいち

調整ちょうせい

、寒冷地かんれいち

調整ちょうせい

…………………………………………………………………………………………………………………………

図ず

3 在宅ざいたく

訪問型ほうもんかた

事業じぎょう

の報酬ほうしゅう

体系たいけい

事業じぎょう

運営うんえい

報酬ほうしゅう

個別こ べ つ

支援し え ん

・運営うんえい

加算か さ ん

+

事業じぎょう

運営うんえい

調整費ちょうせいひ

(人件費じんけんひ

・管理か ん り

運営費うんえいひ

等とう

) (利用者りようしゃ

サービスさ ー び す

経費けいひ

…………………………………………………………………………………………………………………………

図ず

4 定員ていいん

30名めい

の施設し せ つ

の場合ば あ い

月額げつがく

× 全員ぜんいん

の6月がつ

の利用り よ う

日数にっすう

=A%

30人にん

×20日か

×6月がつ

4~9月がつ

10~3月がつ

A%>80%であれば全額ぜんがく

支払し は ら

い 月額げつがく

×A% (ただしA%<80%の場合ば あ い

10~3月期が つ き

も同様どうよう

に利用率りようりつ

を算定さんてい

し、

次つぎ

の4~9月期が つ き

に適用てきよう

する。

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240

本 作 業ほんさぎょう

チームちーむ

報 告ほうこく

に対してたい

部会ぶかい

委員いいん

から寄せられたよ

主おも

な意見いけん

*財 源ざいげん

の確保かくほ

について

国くに

・地方ちほう

とも厳きび

しい財 政 難ざいせいなん

の 中なか

で、財 源ざいげん

の確保かくほ

の 問 題もんだい

は重 要じゅうよう

な課題かだい

。制度せいど

の円 滑えんかつ

運 営うんえい

を図はか

るためには財 源ざいげん

の確保かくほ

を平へい

行こう

して議論ぎろん

し、制度せいど

に位置いち

づける必 要ひつよう

がある。

*市 町 村しちょうそん

の 人 材じんざい

育 成いくせい

について

制度せいど

を 運 営うんえい

する 市 町 村しちょうそん

にマンパワまんぱわ

ーの確保かくほ

や 職 員しょくいん

の 専 門 的せんもんてき

スキルすきる

の 向こう

上 策じょうさく

が 必 要ひつよう

市 町 村しちょうそん

は規模きぼ

・財 政 力ざいせいりょく

・、人 口じんこう

構 成こうせい

の 偏かたよ

りなど異こと

なる事 情じじょう

を抱かか

えており、状 況じょうきょう

に 応おう

じたきめ細こま

かな対 応たいおう

が必 要ひつよう

である。

*新あら

たに決きめられる「利 用 者

りようしゃ個別こべつ

給 付きゅうふ

報 酬ほうしゅう

」「事 業じぎょう

運 営うんえい

報 酬ほうしゅう

」はそれぞれ利 用 者りようしゃ

によっ

てまた事 業じぎょう

種 別しゅべつ

によってそれぞれ金 額きんがく

が異こと

なってくるのか。日割ひわ

り・月割つきわ

りの考かんが

え 方かた

はチームちーむ

意 見 書いけんしょ

でよく示しめ

されているが、二ふた

つの報 酬ほうしゅう

の 算 定さんてい

の仕方しかた

を詰つめる必 要

ひつようがある。

*「相 談そうだん

支援しえん

専 門 員せんもんいん

」制度せいど

を 創 設そうせつ

とあるが、資格しかく

にこだわるのは如何いかん

なものか。

*訪 問ほうもん

系けい

事 業じぎょう

について、「日割ひわ

り」への疑問ぎもん

の意見いけん

があった。

←これは意見いけん

の 表 現ひょうげん

が誤解ごかい

を招まね

いた。時 間 割じかんわり

の意味いみ

です。(座 長ざちょう

*国くに

が 想 定そうてい

した制度せいど

設 計せっけい

を無視むし

する市 町 村しちょうそん

への対 策たいさく

が必 要ひつよう

連 続れんぞく

8時間じかん

以 上いじょう

の利用りよう

を 前 提ぜんてい

とした単価たんか

の 低ひく

い 重 度じゅうど

訪 問ほうもん

介護かいご

を、短 時 間 細たんじかんぼそ

切きれ

で利用りよう

させる市 町 村しちょうそん

が 後あと

を絶たたない。国

くにが 注 意

ちゅうい喚起かんき

しても、制度せいど

を 悪 用あくよう

する市 町 村しちょうそん

なくならない。この結果けっか

、重 度じゅうど

全 身 性ぜんしんせい

障 害 者しょうがいしゃ

の 身 体しんたい

介護かいご

を安やす

い単価たんか

で引ひき受

うけてくれる

事 業 所じぎょうしょ

が見みつからず、介護

かいごを受

うけられなくなった障 害 者

しょうがいしゃなどが多

おおく出

でている。

この 問 題もんだい

を 解かい

決けっ

するため、 市 町 村しちょうそん

が 重 度じゅうど

訪 問ほうもん

介護かいご

を短 時 間 細たんじかんこま

切きれで利用

りようさせる

場合ばあい

、その重 度じゅうど

訪 問ほうもん

介護かいご

を居 宅きょたく

介護かいご

と 同おな

じ単価たんか

(介護かいご

内 容ないよう

に 応おう

じて身 体しんたい

介護かいご

や家事かじ

援 助えんじょ

と同おな

じ単価たんか

)にすべきである。

*報 酬ほうしゅう

体 系たいけい

の簡素化かんそか

について

重 度じゅうど

訪 問ほうもん

介護かいご

や居 宅きょたく

介護かいご

の場合ばあい

、24時間じかん

365日にち

のサービスさーびす

や、常 勤じょうきん

中 心ちゅうしん

で質しつ

高たか

いサービスさーびす

を 行おこな

う事 業 所じぎょうしょ

を増ふやすために、特 定

とくてい事 業 所じぎょうしょ

加算かさん

は 必 要ひつよう

。すべての加算かさん

をな

くすと、特とく

に障 害しょうがい

程度ていど

が 重 度じゅうど

な障 害 者しょうがいしゃ

がサービスさーびす

を受うけられなくなるなどの問 題

もんだいが 生

しょうじる。

ただし、現 行げんこう

制度せいど

では加算かさん

要 件ようけん

や事務じむ

負担ふたん

が 厳きび

しいため、然しか

るべき事 業 所じぎょうしょ

が加算かさん

を受うけて

いない事例じれい

も 散 見さんけん

される。よって、加算かさん

要 件ようけん

や事務じむ

負担ふたん

を緩かん

和わするべきである。