日本のエネルギー安全保障と再生可能エネルギー普及の現状 … ·...
TRANSCRIPT
1
日本のエネルギー安全保障と再生可能エネルギー普及の現状
２００９年１月
資源エネルギー庁 渡邊昇治
2
風力発電
3
風力発電 累積導入量（世界）
0
10000
20000
30000
40000
50000
60000
70000
80000
1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
年度
MW
（資料）ＮＥＤＯ、ＷＷＥＡ（2005、2006年度のデータ）
世界の風力発電 累積導入量
4
風力発電累積導入量 国別比較
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
ドイ
ツ
スペ
イン
アメ
リカ
イン
ド
デン
マー
ク
イギ
リス
イタ
リア
中国
オラ
ンダ
ポル
トガ
ル
フラ
ンス
カナ
ダ
日本
オー
スト
リア
オー
スト
ラリ
ア
ギリ
シャ
アイ
ルラ
ンド
スウ
ェー
デン
ノル
ウェ
ー
ニュ
ージ
ーラ
ンド
MW
（２００６）
（資料）ＷＷＥＡ
風力発電 累積導入量 国別比較（２００６）
5
日本の風力発電 累積導入量
6
ＮＥＤＯ調べ（２００７年度時点）調査時点で設備容量10kW以上の施設で稼働中のもの
●●●
●
●●
●●
●●
●
● ●
●●
●
●
●●●
●
●
●●
●
●
●
●●●
●
●●●
●●●
●
●
●
● ●
●
●
●
●
●●
●
●
●
●
●●
●●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●●
●
●
●
●
●
●
●
●●
●
●
●
●
●●●
●
●
●
●
●●●●
●●
●
●
●
●●●
●●
●
●
●
●●
●
●
●●●
●
●
●●
●
●●
●
●
●●
●●
●
●●
●
●●●
●
●
●●
●
●●●
伊是名村（伊是名島）
多良間村（多良間島）
竹富町（波照間島）
与那国町（与那国島）
具志川市
糸満市
仲里村（久米島）
読谷村
与論町（与論島）
粟国村（粟国島）
平良市・城辺町（宮古島）
渡名喜村（渡名喜島）
浦添市北谷町
石川市
南大東村（南大東島）
留萌市小平町
苫前町羽幌町
石狩市
厚田村
遠別町天塩町
幌延町
利尻町（利尻島）
興部町
浜頓別町
猿払村
松前町上ノ国町
島牧村
せたな町
江差町
泊村
えりも町室蘭市
恵山町
浜中町
稚内市
根室市
岩城町
葛巻町
平泉町
香焼町
風間浦村
野辺地町
能代市
八森町浄法寺町
金井町（佐渡島）紫雲寺町 女川町
宇都宮市
日立市
波崎町
柏崎市
名立町
能生町
上越市
伊東市
豊岡村
田原市大東町
碧南市
志賀町鹿島町
草津市
伊根町
生野町
美甘村
野市町
土佐山田町
室戸市
佐那河内村
北淡町（淡路島）
安来市
大豊町
高島町（高島）
五和町（下島）
長島町（長島）
上甑村（上甑島）
生月町（生月島）平戸市（平戸島）
芦辺町（壱岐島）
笠沙町 串間市
小長井町
荒尾市
産山村
北九州市
前津江村
北方町
鹿児島市
吉備町
檮原町
日置町
瀬戸町
御前崎町
三厩村（竜飛崎）
秋田市
庄内町
猪苗代町
天栄村
勝浦市
三浦市
吉岡町
松任市
久居市
頴娃町
外海町
八丈町（八丈島）
鰺ヶ沢町深浦町
東通村六ヶ所村
鹿角市
天王町
里美村
飯岡町
銚子市
江東区
柚ヶ浦市
浜岡町
竜洋町
茨木市
輪島市
福井市
五色町
南淡町（淡路島）
鳥取市
多伎町
肝属郡根占町
古賀町
東松浦郡鷹島町（鷹島）
宇久町（宇久島）
岐宿町（福江島）
崎戸町（崎戸島）
仁賀保町
象潟町●
●
●
●
●
●
●
●
●
●●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●● 寿都町
横浜町
酒田市
男鹿市
内灘町
浜田市
油谷町鎮西町
肥前町
上県町（対馬下島）
伊平屋村（伊平屋島）
佐敷町
愛野町
坊津町佐多町
中種子町
輝北町
野迫川村 湖西市
武石村
東伊豆町
静岡市
● 釜石市●西目町
●いわき市
● 神栖市● 真壁町
●
館山市
●市原市
●足利市
●
引佐町
●稲武町
●
小矢部市
●大山町
西郷町
●平生町
●
伊方町
●
南伊豆町
●
京丹後市
●
北栄町
●阿蘇市
●
●
湯梨浜町
●横浜市
●津野町
●大間町
为な風力発電所
7
風力発電 メーカー別累積導入量（世界市場）（単位：万ｋＷ）
Enercon（独）,1314
GE Wind（米国）,1126
SIEMENS（独）,657
NORDEX（独）,375
Suzlon（独）, 282
Repower（独）,282
三菱重工, 188
Gamesa（スペイン）,
1220
Vestas
（デンマーク）, 3003
風力発電機メーカー別累積導入量（世界市場）（単位：万ｋＷ）
風力発電機メーカー 累積導入量比較
8
日本の風力発電の課題
立地場所の制約
風況
景観、生態系への影響、騒音等
系統連系上の制約
コスト、時間
改正建築基準法の影響等
発電機の価格変化
発電機メーカーの国際シェアが低い
9
太陽光発電
10
太陽電池累積導入量
0
500
1000
1500
2000
2500
300019
97
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
年
ＭＷ
ドイツ
日本
アメリカ
オーストラリア
オランダ
スペイン
イタリア
フランス
（資料） ＰＶ Ｎｅｗｓ
世界の太陽光発電 累積導入量（国別比較）
11
太陽電池生産量 国別比較
0
200
400
600
800
1000
日本
中国
ドイ
ツ
台湾
アメ
リカ
フィ
リピ
ン
スペ
イン
ノル
ウェ
ー
イン
ド
オラ
ンダ
ＭＷ
（資料） ＰＶ Ｎｅｗｓ
太陽光発電 生産量 国別比較
12
太陽電池 メーカー別生産量（２００７年度）（単位：ＭＷ)
Q-Cells（独）, 389
シャープ, 363
Ｓｕｎｔｅｃｈ（中国）,
327
京セラ, 207First Soler（米）, 207
三洋電機, 165
SunPower(比), 150
三菱電機, 121
JA Solar（中国）, 113
BPSolar（米）, 102
カネカ, 40
Deutsche Solar（独）
（SolarWorld ）, 130
Baoding Yingli
（中国）, 143
ＭＯＴＥＣＨ
（台湾）, 196
世界の太陽電池メーカー 生産量比較
13
日本の太陽光発電の特長・課題
住宅への設置が中心
非住宅部門（工場、ビル等）は意外に尐ない
システムの価格がまだ高い
内外で競争が激化
太陽電池製造への参入が増加
原材料調達等の難しさ
14
バイオマス
15
バイオマスエネルギーの種類と可能性
バイオ燃料
エタノール
ＢＤＦ
バイオガス
バイオチップ、ペレット
熱利用
発電
16
世界のエタノール需要（用途別）
飲料用12%
工業用16%
輸送用72%
（出典）F.O.Licht
約５,１００万kl
为要国のエタノール需給状況
（世界生産量計：約５,１００万ｋｌ）
0
1000
2000
万ｋｌ
アメリカ ブラジル 中国 EU インド 韓国 日本
生産（国内消費）
生産（輸出）
輸入
エタノール
17
欧州
２００３年輸送バイオ燃料促進指令 ５.７５％（２０１０）
欧州委新指令案（２００７）
- 再生可能エネルギーを最終エネルギー消費の２０％（２０２０）
- バイオ輸送燃料比率を１０％（２０２０）
米国
大統領一般教書演説（２００７）「トゥエンティ・イン・テン計画」
- 車両の燃費向上と代替燃料の増加により、今後１０年でガソリン消費量を２０％削減
- ２００７年エネルギー自立及びエネルギー安全保障法
（２０２２年にバイオ燃料３６０億ガロン）
日本
バイオ燃料５０万ｋｌ、バイオガス２２万ｋｌの自为目標
食料等と競合しない燃料製造方法がポイント
各国のバイオ燃料政策
18
⑨沖縄県伊江島（アサヒビール）【農林水産省、経済産業省、環境省、内閣府】・サトウキビ（糖蜜）からの燃料用エタノール製造とＥ３実証
バイオエタノール燃料実証事業の取組状況
①北海道清水町（北海道バイオエタノール㈱）【農林水産省】・規格外小麦、てん菜からの燃料用エタノール製造、 利用モデル実証
④山形県新庄市（新庄市）【農林水産省】・ソルガム（こうりゃん）からの燃料用エタノール製造とＥ３実証 ⑥大阪府堺市（大成建設、丸紅、大阪府等） 【環境省】
・建築廃材からの燃料用エタノール製造とＥ３実証
⑦岡山県真庭市（三井造船）【経済産業省】・製材所端材からの燃料用エタノール製造実証
⑧福岡県北九州市（新日鐵ｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞ）【経済産業省、環境省】・食品廃棄物からの燃料用エタノール製造実証
⑩沖縄県宮古島【内閣府、農林水産省、経済産業省、 国土交通省、環境省、消防庁】・サトウキビ（糖蜜）からの燃料用エタノール製造実証と Ｅ３大規模実証
③北海道苫小牧市（オエノンホールディングス㈱）【農林水産省】・米からの燃料用エタノール製造、利用モデル実証
⑤新潟県新潟市（ＪＡ全農） 【農林水産省】・米からの燃料用エタノール製造、利用モデル実証
③ ①
⑤
④
⑥⑦
⑨
⑧
⑩
②北海道十勝地区（(財)十勝振興機構等）【農林水産省、経済産業省、環境省】
・規格外小麦、とうもろこし等からの燃料用エタノール製造とＥ３実証②
19
バイオ燃料技術革新計画
食料と競合しないセルロース系バイオ燃料の開発を進めていくため、２００８年３月、農林水産省と
連携して、２０１５年に４０円／Ｌ（技術革新ケース）を目指すバイオ燃料技術革新計画を策定。
今後、本計画に基づき、セルロース系の資源作物等の食料生産への影響の尐ない原料から製造
する技術開発を推進。
原料の栽培・収穫
バイオマス原料の貯蔵
エタノール製造工場
収集範囲：半径6.5km（仮定 50 乾燥㌧／ha・年）
総量 約130万㌧乾物量 67万㌧
13,270
ha※山の手線内の面積の約２倍
収集範囲：半径6.5km（仮定 50 乾燥㌧／ha・年）
総量 約130万㌧乾物量 67万㌧
13,270
ha※山の手線内の面積の約２倍
【多収量草本植物の例（エリアンサス、ミスカンサスなど）】※多年生で、環境適応性が高く、手間がかからない （低肥料、高い湿性など）、収量ベンチマーク：50乾燥㌧／ha・年以上
多収量草本植物の例（エリアンサス、ミスカンサスなど）
多年生で、環境適応性が高く、手間がかからない（低肥料、高い湿性など）
収量ベンチマーク ５０乾燥トン／ｈａ・年以上
総量 約１３０万トン
乾物量 ６７万トン
収集範囲 半径６.５ｋｍ
仮定 ５０乾燥トン／ｈａ・年
原料の栽培・収穫
バイオマス原料の貯蔵
エタノール製造工場
20
未利用のバイオマス
为なバイオマスの未利用量（バイオマス・ニッポン総合戦略（平成１８年３月３１日）をもとに作成）
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000
家畜排せつ物
下水汚泥
食品廃棄物
農作物非食用部
製材工場等残材
建設発生木材
林地残材
（万トン）
未利用
利用
21
次世代自動車
22
１）次世代自動車には、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車の他、燃料電池自動車、クリーンディーゼル車、ＣＮＧ車が含まれる。
次世代自動車・燃料イニシアティブ
次世代自動車・燃料イニシアティブ（２００７年５月）１）
２０３０年を目標に、運輸部門の石油依存度８０％、エネルギー効率３０％向上を目指し、
バッテリー、水素・燃料電池、クリーンディーゼル、バイオ燃料等に関する戦略を構築。
２０１５年
バイオ燃料 ４０円／Ｌ～１００円／Ｌ
２０２０年
高性能プラグインハイブリッド自動車 電池性能３倍、コスト１／１０、２万円／ｋＷｈ
２０３０年
本格的ＥＶ 電池性能７倍、コスト１／４０、０.５万円／ｋＷｈ
23
電池の開発競争
日本が優位な領域だが、海外企業との競争は激化。諸外国のナショナル・プロジェクトも発足。
24
新エネルギーの重要性と課題
重要性
輸入に依存しないエネルギー
ＣＯ２排出量が尐ない
日本の新たな基幹産業となる可能性
課題
コストが高い
発電量が天候等によって左右される
系統連系における制約
火力
7.3円
大規模風力発電
１ｋＷｈあたりの発電コストの比較（出展：日本のエネルギー２００６）
9～14円
家庭用電気料金
24円
原子力
5.9円 46円
太陽光発電
各種電源別のＣＯ２排出量
25
コストが高いものを普及させるためには．．．
コストを下げるための工夫
補助金、税制優遇等による市場の拡大
技術開発
規制的手法・導入義務
量的規制 ＲＰＳ（Renewables Portfolio Standard）
経済的規制 固定価格買取制度（ＦＩＴ）
自为的取組みに対する支援
電力会社による余剰電力購入
グリーン電力証書 等
26
新エネルギーの利用形態
すぐ近くで利用
遠くで利用
新エネルギー熱利用
新エネルギー電気利用
電力会社（送電会社）
系統への影響
バイオマス熱地熱
太陽熱雪氷 等
太陽光発電風力発電
バイオマス発電 等
27
系統連系のオプション
案１ 系統側に余裕がない場合は出力抑制
案３ 各家庭に蓄電池案２ 系統側に蓄電池
28
日本の一次エネルギー供給
石油
49%石炭
20%
ガス
14%
原子力
11%
再生可能エネルギー
6%
（資料）２００５年度、資源エネルギー庁
23780PJ（約6億1千万原油換算ｋｌ）
長期エネルギー需給見通しにおける再生可能エネルギーの最大導入ケース
1394 1397
1931 1931
330 423393
494200
269
1,300
1257
1732
142252
4435
350
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
2005 2020
年度
原油
換算
万ｋ
ｌ
太陽光発電
風力発電
廃棄物発電＋バイオマス発電
バイオマス熱利用
水力
その他
2030
長期エネルギー需給見通しにおける再生可能エネルギーの最大導入ケース
新エネルギー導入量の見通し
(11.1%)
(8.2%)
(5.9%)
（ ）内は一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合。
太陽光発電の導入量を２０２０年に現状の１０倍、２０３０年に４０倍。
思い切った政策が必要。
29
新エネルギーの導入促進は、エネルギー・環境問題以外の観点からも有意義。
・ 基幹産業の創出
・ 新規産業、新規ビジネスの創出
・ 地産地消（分散型エネルギー）、地域振興
新エネルギーの導入が、まちづくりや観光振興、産業振興等になる可能性あり。
－ 大規模太陽光発電所、大規模風力発電所の観光スポット化
－ 雪氷エネルギー、地熱活用による地域おこし
－ 未利用エネルギー活用、地域熱供給によるクリーンなまちづくり 等
・ 未来に対する想像力（創造力）の拡大
エネルギー・環境以外の視点
30
新エネルギーへの投資
世界の新エネ投資 ： ７.１兆円（想定）、前年比 ２９％増（独 ： １.４兆円以上、中国 ： １.２兆円、米 ： １.０兆円以上、日本は５位）
時価総額 ：１０兆円以上（想定）（４０ｍ＄以上の企業 ： ８５社→１４０社）
太陽光発電投資１兆円、バイオ燃料４,０００億円。
（出典） RENEWABLES 2007 GLOBAL STATUS REPORT （ＲＥＮ２１）
31
32
33
日本の一次エネルギー供給
石油
49%石炭
20%
ガス
14%
原子力
11%
再生可能エネルギー
6%
（資料）２００５年度、資源エネルギー庁
23780PJ（約6億原油換算ｋｌ）
最終エネルギー消費 （２００６年度）
22.1% 53.0%うち４割は自動車
8.6% 11.5% 4.7%
電力 石油製品天然・都市ガス 石炭・同製品
熱・蒸気・再生可能エネルギー等
電力化率 （２００３年度）
電力42%
電力以外58%
電力化率（２００３年度）
最終エネルギー消費（２００６年度）
日本のエネルギー消費