なぜ日本の幸福度は低いのかceis.sakura.ne.jp/2018/e1_3_2018.pdf39113ドル で、 oecd...
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なぜ日本の幸福度は低いのか
名 古 屋 学 院 大 学 経 済 学 部 上 山 ゼ ミ 3 年 森 川 葵
~ 日 本 の 投 票 率 を あ げ る た め に ~
目 次
1.研究の目的・概要
2.日本の現状
3.他国との比較
4.投票と幸福度の関係
5.まとめ
6.参考文献
1.研究の目的・概要
1‐1.研究の目的
• 日本はG7参加国
但し幸福度ランキングでは順位が低い(G7・・・先進国首脳会議のこと、参加国は計7カ国)
• なぜ先進国である日本の順位が低いのか
幸福度に影響を与えている原因とは何か
そしてその原因と幸福度との関係性について調査をする
1‐2.OECDについて
OECDとは・・・
Organisation for Economic Co ‐operationand Development:経済協力開発機構の略
OECD幸福度ランキングとは・・・
暮らしの11分野の指標を用い、
それらを各分野の指標を基に0.0~10.0で点数化し
加盟38ヵ国間の比較を可能にしたものである
1‐3.暮らしの11の指標①~⑥
雇用と収入
J o b s
所得と富I n c o m e
住宅H o u s i n g
社会との繋がり
C o m m u n i t y
住宅H o u s i n g
所得と富I n c o m e
雇用と収入
J o b s
社会との繋がり
C o m m u n i t y
教育と技能
E d u c a t i o n
教育と技能
E d u c a t i o n
環境の質E n v i r o n m e n t
環境の質E n v i r o n m e n t
1‐4.暮らしの11の指標⑦~⑪
政治への市民参加
C i v i cE n g a g e m e n t
健康状態H e a l t h
個人の安全S a f e t y
主観的幸福L i f e
S a t i s f a c t i o n
仕事と生活のバランスW o r k - L i f e
B a l a n c e
2.OECD幸福度ランキング日本の現状
2‐1.OECD幸福度ランキングの順位
日本の総合順位は38ヵ国中23位
日本
低 高
2‐2.OECD幸福度ランキング11項目別に見る日本
2‐3.日本の11項目のまとめ
6.15.4
8
6.1
7.56.4
1.5
5.3
4
8.3
4.8
2‐2.①住宅/Housing
調整された可処分所得の22%が住宅費に充てられている(OECD平均は20%)
日本 6.1 38ヵ国中29位 OECD平均 6.3
基本設備のある住宅には日本人の93 .6%が住んでいる(OECD平均は97 .9%)
日本の家庭は1人あたり平均1.9部屋ある(OECD平均は1人あたり1.8部屋)
住宅費
基本設備のある住宅
一人当たりの部屋数
指標 日本の現状
2‐2.②所得と富/Income
日本では年間平均1人あたり28 ,641ドルでOECD平均の30 ,563ドルを下回っている。
日本 5.4 38位中6位 OECD平均 3.5
家計純調整可処分所得(手取り収入)
日本では1人当たりの平均は97 ,595ドル(OECD平均90 ,570ドル)
家計の金融資産
指標 日本の現状
2‐2.③雇用と収入/Jobs
日本 8.0 38位中13位 OECD平均 6.8
雇用保障
個人収益
長期失業率
雇用率
日本人の平均年収は39113ドルで、OECD諸国の平均は44290ドル。
日本は1 .5%と失業に陥るリスクが最も低く、OECD諸国の中では第1位(OECD平均4 .9%)
日本では約1 .2%とOECD諸国の平均2%より低い。
15歳から64歳までの就業年齢人口の74%が賃金労働をしている(OECD平均は67%)
指標 日本の現状
2‐2.④コミュニティ/Community
日本では必要な時に頼れる人がいると答えた人の割合は約90%(OECD平均89%)
支援ネットワークの質
日本 6.1 38位中29位 OECD平均 6.3
指標 日本の現状
2‐2.⑤教育と技能/Education
日本 7.5 38位中6位 OECD平均 5.9
教育の年
学生のスキル
学歴
日本は平均16.4年、OECD平均は約17年。
日本のPISAスコアは529点とOECD諸国で最も高い。OECD平均スコアは486点。
日本の高校卒業率は94.4%でOECD諸国では第2位。OECD平均は74%。
指標 日本の現状
2-2.環境の質
日本 6.4 38カ国中19位 OECD平均 6.1
水質
大気汚染日本は86%が満足と答え、OECD平均の81%を上回った。
日本のPM2.5レベルは13.8マイクログラム/立方メートル。OECD平均値は13.9マイクログラム/立方メートル。
指標 日本の現状
2-2.政治への市民参加/Civic Engagement
日本 1.5 38位中37位 OECD平均 5.0
投票率
市民による政府への発言権
日本の投票率は52.7%、ランキングでは38カ国中35位。(OECD平均69%)
日本は平均1.3点、ランキングでは38ヵ国中31位。(OECD平均は2.4点)
指標 日本の現状
2-2.⑧主観的幸福/Life Satisfaction
日本 4.0 38位中29位 OECD平均 6.3
人生の満足 日本の平均は5.9点(OECD平均は6.5点)
指標 日本の現状
2-2.⑨健康/Health
日本 5.3 38位中34位 OECD平均 7.4
平均寿命
健康状態の認知
日本の平均寿命は約84年でOECD諸国では1位である。OECD平均寿命は約80年。
自らの健康状が「良い」または「非常に良い」と答えた日本人の割合は35.4%であった。OECD平均は約69%。
指標 日本の現状
2-2.⑩個人の安全/Safety
日本 8.3 38位中17位 OECD平均 7.6
夜間の治安
殺人率
日本では71%の人が夜間に単独で歩いても安全と答えた(OECD平均69%)
日本の殺人率は0.3%でOECD平均は3.6%と日本の殺人率はOECD諸国の中でも2番目に少ない。
指標 日本の現状
2-2.⑪仕事と生活のバランス/Work-Life Balance
日本 4.8 38位中34位 OECD平均 6.8
長時間労働
休暇
日本での割合は21.8%と多く、OECD平均の13%を上回っている。
日本は約14.9時間を休暇に費やし、OECD 諸国の平均は15時間であった。
指標 日本の現状
2‐3.日本の11項目のまとめ
6.15.4
8
6.1
7.56.4
1.5
5.3
4
8.3
4.8
3‐2.①政治への市民参加の順位
8.6
7.36.8
1.51.3
2‐3.市民の政治参加の順位
日本はワースト2位
3.OECD諸国との比較
3-1.比較項目
今回比較するのは11項目の中で
一番ポイントの低かった政治への市民参加を
OECDに加盟している他国と比較
3‐2.政治への市民参加の具体的な指標
市民による
政府への発言権
投票率
3-3.市民による政府への発言権の順位
3.53.2
3
1.3
0.8
日本
3-4.投票率の順位と義務投票制度
91.291
89.4
52.7 48.5
■・・・・罰則が厳しい国■・・・・罰則が厳しくない国■・・・・罰則が定められていない国
日本
(%)
3-6.他国の投票制度の事例
・義務投票制度
【オーストラリア】
正当な理由なく棄権した有権者に科せられる罰金は日本円で約1500円。
【ベルギー】
1回目は約1200円だが、2回以上投票しなかった場合、罰金が2倍以上になる。
3‐7.他国の投票手続きの事例
・投票手続き
【オーストラリア】
州外投票や外国での在外投票の手続きもシンプルで郵便投票も浸透している。
さらに、空路や航路を使い、病院・老人ホーム・刑務所等の施設に出向く移動投票がある。
3-8.オーストラリアの投票所
学校やコミュニティ団体が軽食を販売する屋台を出店し、お祭りになる
3-9.比較まとめ
■投票率の上位3カ国は義務投票制度があり罰則が
厳格である
■さらに投票に行かなかったら約1500円の罰金等が
科せられる
■オーストラリアの選挙はイベント、投票所はお祭り形式
4.投票と幸福度の関係
4‐1.扱うデータの紹介
・分析したデータ
「大学生のイデオロギー理解パネル調査」
■調査実施主体:関西学院大学社会心理学研究センター
■データ提供機関:東京大学社会大学研究所付属社会調査・データ
アーカイブ研究センターSS
■調査年:2013~2014
■サンプル数:2013年 992人
2014年 東京都民116 東京都民以外442
4-2.幸福度と投票の有無のクロス表
4-3.幸福度と政治への関心のクロス表
■投票行動をしている人の方が幸せと感じている
■政治への関心がある人の方が
感心がない人よりも幸せと感じている
4-4.投票と幸福度のまとめ
5.まとめ
5‐1.まとめ①
■OECD幸福度ランキングで日本の順位は低く
⇒38カ国中23位
■さらにOECD幸福度ランキング暮らしの11の指標で
最もポイントが低かったのは
⇒政治への市民参加
■日本の政治への市民参加の順位は
⇒38カ国中37位
■投票率の順位が低く、特に日本の20代の
投票率は昭和42年から平成29年の50年間で
⇒66.69%から33.85%とおよそ2分の1に減少
5‐2.まとめ②
5‐3.まとめ③
■投票率の高い国の投票制度を調査
⇒投票率の順位上位3カ国には
罰則の厳しい義務投票制度がある
⇒オーストラリアの投票手続きはシンプルかつ
種類も豊富である
⇒オーストラリアの投票所では屋台などが並び、
お祭りが行われている
5‐4.まとめ④
■投票と幸福度の関係性では
⇒投票をしている人の方が幸福度が高い
という結果になった
⇒さらに政治に関心があると答えた人も
幸福度が高いという結果であった
幸福度もランキングの順位も上がる
投票率や政治への
関心が上がる
他国の投票制度を取り入れる
5‐5.主張まとめ
6.参考文献
【OECD Better L i fe Index】
http ://www.oecdbetter l i fe index .org/
【総務省】
www.soumu.go . jp/
【with news】
https ://withnews. jp/
【クロス集計に用いたデータ】
東京大学社会大学研究所付属社会調査・データアーカイブ研究センターSS
ご清聴ありがとうございましたご清聴ありがとうございました