在宅医療・介護連携における 福井県の市町支援の取組 · 越前市 武生...

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在宅医療・介護連携における 福井県の市町支援の取組 福井県健康福祉部長寿福祉課 平成28年度 都道府県在宅医療・介護連携担当者会議 資料3 平成29年3月6日

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在宅医療・介護連携における 福井県の市町支援の取組

福井県健康福祉部長寿福祉課

平成28年度 都道府県在宅医療・介護連携担当者会議 資料3

平成29年3月6日

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本発表の構成

①福井県の概要(pp3‐4)

②福井県における在宅医療・介護連携推進事業の背景と市町支援の考え方(pp5‐10)

③福井県の在宅医療・介護連携推進事業の取り組み(pp10-20)

・医療と介護の連携コーディネート ・共通基盤による情報共有体制(ICT) ・共通基盤による情報共有体制(退院支援ルール) ・主治医不在時の在宅医療提供体制

④福井県と福井県医師会との連携(pp20-22)

⑤福井県における在宅医療・介護連携推進事業の次の展開(pp23-26)

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福井 奥越

丹南

二州

福井県について

・人口…784,602人(43位) ・面積…4,190㎢(34位) ・人口密度…187.3人/ ㎢(31位) ・2次医療圏数…4 ・保健所圏域数…6 ・郡市医師会数…11 ・市町数…17 ・高齢者人口…223,804人 (うち75歳以上114,582人) ・高齢化率…28.5% (うち75歳以上14.6%) ・要介護認定者数(1号)…40,708人 (うち75歳以上37,134人) ・要介護認定率(1号)…18.2% (うち75歳以上14.6%)

若狭

坂井

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各市町の現状

市町名 担当医師会 二次医療圏 面積(㎢) 人口1 在宅医療等の 必要量(H25)2

在宅医療等の 必要量(H37)2

訪問診療 利用者数3

在宅対応 医療機関数4

あわら市 坂井地区

福井・坂井 957 402,577 3,514 4,751 1,560 120

坂井市

福井市 福井第一

福井市 永平寺町

大野市 大野市

奥越 1,126 56,330 661 760 229 17 勝山市 勝山市

越前町 丹生郡

丹南 1,008 186,293 1,708 2,374 672 59

鯖江市 鯖江市

池田町

越前市 武生

南越前町

敦賀市 敦賀市

嶺南 1,099 139,402 1,317 1,657 535 36

美浜町 三方郡

若狭町

小浜

小浜市

高浜町

おおい町

合計 4,190 784,602 7,200 9,542 2,996 232

1平成28年1月福井県政策統計・情報課調 2福井県地域医療構想 3平成28年9月国保社保レセプト 4平成28年12月福井県医療情報ネット 3

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H22 H23 H24 H25 H26 H27

県 組織

坂井地区

地域医療課 (主として医療政策を担当)

長寿福祉課 (主として介護政策を担当)

当事業を移管

取 組 み

ふくい在宅あんしんネット構築支援事業 ※坂井地区は20年度に実施

在宅医療連携拠点事業 (坂井地区在宅ケア将来モデル推進協議会設置)

在宅医療支援病院モデル事業 (レスパイト病床の設置、利用)

東京大学高齢社会総合研究機構とのジェロントロジー共同研究 (坂井地区をフィールドとした在宅ケア体制の整備)

全県展開

在宅医療推進啓発事業 住民集会・出前講座の開催、PRパンフレット作成等

★市町単位での在宅ケア体制整備の支援 ・コーディネーターの配置 (ア)地域資源の把握 (イ)課題の抽出と対応策の検討 (ウ)切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築 (エ)情報共有の支援 (オ)連携に関する相談支援 (カ)多職種連携研修の実施 (キ)住民への普及・啓発 (ク)関係市区町村の連携

★坂井地区在宅ケア体制モデルのレベルアップ ・顔の見える多職種連携会議 ・医療・介護の連携強化検討部会 ・在宅情報共有システム検討部会 ・住民啓発検討部会 ・生活支援・住民協働部会

在宅情報共有モデル構築事業 ( ICTの導入)

全市町・医師会を訪問して在宅医療の推進を依頼

コーディネーター養成研修

多職種協働による在宅チーム医療を 担う人材育成事業

地域包括ケア先進モデル普及事業 福井県在宅ケア推進連絡会 (情報共有の場)

4

福井県における医療・介護連携に関するこれまでの取組(~H27)

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相互に情報を共有し、体制整備に反映

◎行政が事務局となる協議会・部会を設け、地域全体の医療・介護関係機関の参画を得ながら、在宅ケア体制整備を推進 ◎医師会を中心とした医療体制整備の方針も共有し、地域全体の連携ルールづくりに反映

坂井地区在宅ケア将来モデル推進協議会(H28~坂井地区在宅ケア推進連絡協議会に改称) 医師会、歯科医師会、薬剤師会、介護事業者団体、東京大学、福井大学、行政(福井県、坂井地区広域連合、 あわら市、坂井市)による協議会を構成し、坂井地区の在宅ケア体制整備の方針等を協議 [事務局:坂井地区広域連合、あわら市、坂井市、福井県]

顔の見える多職種連携会議 地域包括支援センター単位で医療・介護に携わるスタッフが 一堂に会し、連携を強化するための場づくりを実施 [事業運営:地域包括支援センター、坂井地区広域連合]

在宅情報共有システム検討部会 医療・介護に携わる多職種が、在宅療養者の治療・ケア情 報を共有するためのツール(ITシステム、情報連携シート)等 について議論 [事業運営:坂井地区広域連合、地域包括 支援センター、坂井地区医師会]

住民啓発検討部会 地域住民への在宅ケアに関する普及啓発活動(出前講座、 シンポジウム等)の実践や、その手法・ツール開発(DVD、紙 芝居、寸劇)等について議論 [事業運営:地域包括支援センター、坂井地区広域連合]

生活支援・住民協働部会 ボランティア等の高齢者を支える地域力を強化し、生活支援 を含む在宅サービスを総合的に調整する仕組みづくりを実施 [事業運営:あわら市、坂井市、社会福祉協議会、シルバー人材 センター、地域包括支援センター、坂井地区広域連合]

坂井地区在宅ケアネット事業運営委員会 医師会を中心に、主治医・副主治医等のコーディ ネート体制、バックアップ病院との連携、在宅医療を 担う医師の育成など、地域の在宅医療体制を構築

[事業運営:坂井地区医師会]

坂井地区在宅医療連携協議会 坂井地区の全7病院長と開業医の代表者(ケアネ ット事業運営委員)で構成する協議会を設け、在宅 医療の支援に係る病診連携体制について協議

[事業運営:坂井地区医師会]

医師会による在宅医療体制整備

医療・介護の連携強化検討部会 病院から在宅への退院調整や訪問看護との連携など、在宅 療養者を支えるための医療・介護の連携強化について議論 [事業運営:坂井健康福祉センター、坂井地区医師会、 地域包括支援センター、坂井地区広域連合]

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坂井地区在宅ケアモデル整備の推進体制

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〔医療コーディネート拠点〕 坂井地区医師会

あわら市・坂井市 地域包括支援センター

急性期病院

坂井地区 全7病院

在宅医療対応診療所 26診療所(医師会登録)

三国地区 芦原・金津地区

丸岡地区 春江・坂井地区

主治医・副 主治医調整

退院支援

退院支援 病床調整

在宅医療 支援協定

相談 通院

訪問診療・往診

■在宅医療専門研修

通所

訪問介護・看護

日常の生活支援

■地域住民への普及啓発

ひとりでも 住み慣れた自宅での生活を望んでいる

Aさん

・デイサービス ・デイケア ・小規模多機能 等

・訪問介護・看護

生活支援・ 介護予防

■一人暮らしを支える

生活支援の拡充

■シニア向けセミナー、

ボランティアポイント

制度等による高齢者

の社会参加推進

サービスの 総合調整

医 療

■地域ケア会議 ■顔の見える多職種会議

連携

他職種との 連携調整

在宅主治医に加え、 副主治医、急変時の バックアップ病院を 一体的に調整

医師会が、専属の在宅医療コーディ ネーターを配置

多職種グループワーク、現場への同行訪問を含めた専門研修を実施

〔地域包括相談拠点〕

介 護 地域包括支援センターを

中心に、多職種連携会議

や普及啓発等を実施

・坂井地区医師会と連携し、 集落単位での出前講座を実施 ・医師が語るDVD、在宅ケア紙芝 居・寸劇などのツールも活用

地域の医療・介護・生活資源を把握し、地域包括圏域ごとの医療・介護スタッフが一堂に会する顔の見える多職種連携会議等をとおして連携を強化

医療・介護に加え、生活支援も 一体的に提供する体制を整備 (社協、シルバー人材、地域包括 連携による生活支援マッチング)

坂井地区医師会と連携し、

医療・介護サービスをワン

ストップで提供

ア ■地域資源の把握

坂井地区在宅ケアモデル(概念図)

6

県健康福祉センターを中心に、訪問看護と病院連携室・居宅介護事業所間の連携を退院支援ルールやITシステム等を活用し強化

ク エ

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7

在宅医療・介護連携推進事業

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8

坂井地区でのモデル事業の多くが 介護保険上の在宅医療・介護連携推進事業と対応している

坂井地区でのモデル事業の知見を活かし、 坂井地区モデルを全県展開することを通じて、

市町が主体となって行う在宅医療・介護連携推進事業を全面的に支援

・国の動向や県内外の事業関連データ、好事例情報の提供 ・広域で取り組むべき事項の市町間の調整(主に保健所) ・医師会等これまで市町にとって関係が薄かった団体との調整 ・研修や情報共有ルール、ICT基盤整備等、広域で実施することにより効果的に なる事業は県が自ら実施

県の在宅医療・介護連携推進事業における支援の考え方

在宅医療・介護連携推進事業についての福井県の方針

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主治医

郡市医師会

地域包括支援センター

副主治医

在宅療養患者

○主治医が在宅診療のフロントライ ンとして平時は診療にあたる ○主治医不在時や在宅医療では対応 できない場合は、副主治医や後方 支援病院が対応

地域で在宅チームを組み、24時間365日対応できる体制を構築

(チームによっては副主治医を付けず、副主治医機能を後方支援病院が担う等

環境に応じて柔軟に対応)

訪問診療・看護 在宅看取り

②共通基盤による情報共有体制 (ICT・退院支援ルール)

主治医の紹介相談

後方支援病院

基幹病院

①医療と介護の 連携コーディネート

医療・介護の総合相談

訪問看護師

③主治医不在時の在宅医療対応体制

坂井地区モデルの全県展開図

9 エ ク

イ オ

カ キ

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副主治医、歯科医師、薬剤師等との相互連携

地域包括支援センターによる地域包括ケアコーディネート

地域の医療・介護・福祉関係者が一堂に会する『多職種連携研修会』

地域の課題を集約し、解決に向けた事業につなげる『協議会』

かかりつけ医

地域包括支援センターにおいて、医師会等と連携して、在宅医療・介護・生活支援をまとめて調整・紹介

地域の病院等と連携した在宅医療のバックアップ

地域包括支援センター

市町単位での医療・介護の連携強化を図るコーディネーターを配置・設定

薬剤師

歯科医師

リハビリ

訪問看護

栄養士

ケアマネ

医師会等を中心とした医療コーディネート

住民への在宅ケアに関する継続的な情報発信『普及啓発事業』

医療・介護・福祉関係の多職種の参加を調整

福井県

○在宅医療・介護の連携強化を図るコーディネーターの配置(H26・27県補助 H28~市町) ・全ての市町で、在宅医療・介護の連携強化を図るコーディネーター(保健師または看護師)を 配置し、医師会等の関係機関と連携して、地域の実情に応じた在宅ケア体制整備を実施。 ○コーディネーター研修会(H25・26県看護協会委託) ・上記コーディネーターの配置にあたり研修会を実施し、先行地区の事例や体制整備の要点を伝達。

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①医療と介護の連携コーディネート

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公開

病院

在宅ケア オプション

ふくい メディカル ネット

共有

紹介先の病院・診療所へ

診療所

閲覧

共有

共有

訪問看護・ 居宅介護支援事業所 家族・

生活環境の情報

訪問先

患者の

診療メモ

自宅で継続治療・療養

★拡充部分

11

○ふくいメディカルネット在宅ケアオプション機能(H27~県医師会補助) ・平成26年度より全県で運用している医療情報連携システム「ふくいメディカルネット」(平成

28年11月現在公開人数約15,000人)の基盤上に、在宅医と訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所が訪問記録の共有や相談が出来る機能を追加。平成28年4月から運用を開始し、現在端末購入の補助を行っている。

②共通基盤による情報共有体制(ICT)

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閲覧医療機関 (かかりつけ医)

訪問看護師 ケアマネージャ

開示病院 開示病院 開示病院

患者 情報 カルテ

患者 情報 カルテ

患者 情報 カルテ

患者 情報 カルテ

患者 情報 カルテ

患者 情報 カルテ

患者 情報 カルテ

患者 情報 カルテ

患者 情報 カルテ

在宅ケア

患者 情報

在宅患者

支援病院

在宅ケアチームの部屋 12

ふくいメディカルネット 本体と在宅ケアオプション機能の関係

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②共通基盤による情報共有体制(退院支援ルール)

○入退院時における情報共有ルールの整備(H27~県・市町等) ・県・市町・病院・ケアマネジャーによる協議の場を設け、退院支援が必要な患者についての入退

院時における情報共有の全県統一ルール「福井県退院支援ルール」を策定・運用。(圏域協議会は保健所主催、代表者会議は本課主催)

県 県医師会

A圏域協議会

A保健所 町 市

代表者会議

B圏域協議会

B保健所 町 市

D圏域協議会

D保健所 町 市

C圏域協議会

C保健所 町 市

福井県退院支援ルールの策定

適宜協議・連携 アンケートの実施

ケアマネ 病院 ケアマネ 病院 ケアマネ 病院 ケアマネ 病院

A圏域 D圏域 C圏域 B圏域

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○27年度 他事例の検証(Plan) ・厚労省モデル事業への参加(H26~) 県医師会等関係者間で大まかな方向性や事業の進め方を検討(Plan) ・当初モデル事業に参加した圏域でルールを作る予定であったが、二次医療圏間の流出入が多い状況を鑑み、全県を対象区域にする方針を決定

ケアマネ向け「医療と介護の連携に関するアンケート」実施(Check) ・入院時・退院時情報提供の件数や時期、内容 調整会議の実施・「福井県退院支援ルール」の策定(Act) ・圏域協議会各2回・代表者会議1回を開催、医療審議会在宅部会で報告

○28年度以降 退院支援ルールの実践(Do) ・県看護協会主催の研修会等でルールの解説実施 県医師会等関係者間で大まかな方向性や事業の進め方を検討(Plan) ・スケジュールやアンケート内容等の調整 ケアマネ・医療機関向け「医療と介護の連携に関するアンケート」実施(Check) ・入院時・退院時情報提供の件数や時期、内容(経年比較) ・「福井県退院支援ルール」の実施状況、環境が改善したか 調整会議の実施・「福井県退院支援ルール」の改定(Act) ・圏域協議会各1回・代表者会議1回を開催、医療審議会在宅部会で報告

14

事業の進め方

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○概要 要介護・要支援の状態の患者が自宅等へ退院するための準備をする際に、病院からケアマネジャーに着実に引き継

ぐための情報共有ルール。病院関係者と在宅関係者が連携してルールを実践し、引継ぎがなかったり不十分だったりしたために在宅での生活や療養に困る患者や家族をなくすことを目的とする。 運用開始:28年4月 運用地域:福井県全域(都道府県全域を運用地域とした入退院に関する支援ルールは全国初)

○構成

①退院支援ルール 「入院前にケアマネがいる患者の場合」…入院時、入院中、退院前調整、退院時、退院後において、病院担当

者・ケアマネジャーが情報提供・共有をする際の役割を提示 「入院前にケアマネがいる患者の場合」…入院時において、病院担当者が介護保険申請の支援をし、入院患者の

担当になることが決まったケアマネジャーが入院中から連携を始めることを提示(それ以降は「ケアマネがいる場合」と同じ)

②参考様式 入院時情報提供シート・退院支援情報共有シート ③資料 病院・有床診療所の窓口一覧、居宅介護支援事業所一覧、

各市町地域包括支援センター一覧、各市町介護保険担当部署一覧 ○フロー

「A入院前にケアマネがいる患者の場合」と、 「B入院前にケアマネがいない患者の場合」に分ける。 (右図は「A入院前にケアマネがいる患者の場合」 )

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福井県退院支援ルール

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○概要 【医療機関】 【ケアマネジャー】 調査期間 平成28年9月 調査期間 平成28年8月 回答機関数 97機関(92.4%) 回答者数 855人(利用者カバー率97.2%) ○入院時情報提供の有無 ○退院時情報提供の有無 ○入院時情報提供の時期(医療機関回答) ○退院時情報提供の時期(ケアマネ回答)

○入院時情報提供の方法(医療機関回答) ○退院時情報提供の方法(ケアマネ回答)

・入院時・退院時とも情報提供率は増加

・ケアマネの回答よりも医療機関の回答の方が提供率が低い(「何をもって情報提供とみなすか」に認識の差があるか?)

・3分の1のケースで入院当日までにケ

アマネからの情報提供がされている ・退院時情報提供の時期は、2日以上

前のケースが減少、前日・当日が増加

・「福井県退院支援ルール」のシート

は、入院時では3割、退院時では1割弱で使用されている

・退院時情報提供の方法は、文書が増え、電話が減った

※入院時・退院時情報提供の方法は複数回答可

医療と介護の連携に関するアンケート 集計結果より① [H29.2.27]

圏域代表者会議資料

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○病院からケアマネに患者が入院したことを連絡した時期別 ケアマネから病院への入院時情報提供時期

○ケアマネから病院への入院時情報提供時期別 入院時情報提供から必要な情報が得られたか

・約8割のケースで病院からケアマネに一報を入れた当日または翌日に入院時情報提供がされている

→ケアマネジャーは入院の事実を知ればすぐに情報提供ができていますので、まずは病院からの一報をお願いします!

ケアマネジャー側も、利用者の保険証に名刺を挟んでもらうなどのひと工夫の徹底をお願いします!

・入院後、ある程度時間が経過しても「やや不十分/不十分」が増えない

→タイミングを逸するということはないので、多少遅れても積極的に入院情報提供をお願いします!

○「福井県退院支援ルール」開始後の 医療・介護連携の連絡体制環境の変化

・その他の質問項目(入院時・入院中の情報共有、退院時・退院後の情報共有等)も同様に、医療機関・ケアマネとも、約4割が改善した、約6割が変わらないと回答し、悪化したと回答されたのは数件程度。

○入院中の要介護認定変更申請の有無 (入院前からケアマネがいる場合)

・入院前からケアマネがいる患者の6人に1人が入院中に変更申請をしている →退院後を見据え、入院中の医療・介

護の情報連携を!また、「入院時情報提供シート」等を活用して、退院後の状態についての本人・家族の意向について、意向に沿えられるかどうかの検討を!

医療と介護の連携に関するアンケート 集計結果より② [H29.2.27]

圏域代表者会議資料

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市町

助言・情報提供等

郡市医師会

補助

調整

体制構築会議

参加

訪問看護 病院 診療所

主な議題(例) ・主治医・副主治医制、 後方支援病院等の検討 ・コーディネーターの養成 ・住民への提供体制の周知 ・市町と医師会との役割分担

ケアマネ等

コーディネーター

○地域における在宅医療提供体制強化事業(H28・29郡市医師会補助) ・在宅医療を必要とする患者に対し切れ目なく在宅医療を提供するため、地域の医療・介護資源や

実情等を勘案した上で、主治医・副主治医制や後方支援病院といった在宅医療の提供体制を強化する取り組みを、市町とともに実施することに対して補助。

③主治医不在時の在宅医療提供体制

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県医師会 県歯科医師会

福井県

委託契約

連携 (運営委員会やフォーラムの開催、企画立案、広

報、調整等)

センター 運営委員会

各種部会

各種部会

各種部会

事務局

主な事業内容 ○在宅医療の情報発信・収集 …在宅医療対応状況や広く参加可能な研修会等の情報を収集し、発信 ○在宅医療の支援体制整備 …在宅医療材料の小ロット共同購入(輸液バッグ、留置針、カテーテル等在宅の小ロット使用ではデッドス トックの発生しやすい医療材料についてサポートセンターを通じ各診療所等の小ロット購入を可能にする) 基幹病院地域連携ワーキンググループの開催 ○在宅医療の研修 …サポートセンター主催研修(座学研修・実技研修・同行訪問研修・現場派遣) 在宅医療研修用備品の貸出、講演者のあっせん・研修企画の支援 ○在宅医療の啓発・推進 …県民・医療従事者対象フォーラム開催、広報物作成

○地域の在宅医療を支える人材の育成(H27~県医師会・県歯科医師会委託) ・平成27年度から、県医師会・県歯科医師会に、在宅医療の支援拠点(福井県在宅医療サポートセンター・福井県在宅口腔ケア応援センター)を設け、新規実践者向け研修や、病診連携・診診連携等を通じた在宅医療の提供環境の向上を支援。

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県医師会・県歯科医師会との連携

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○良好な関係を築くために ①こまめに相談、意向を確認 ②向いている方向をそろえる ③事務局との連携 ④委託事業でも会議や研修に主体的に参加 ⑤熱意・情報収集・理解 宿命…「県は3年ほどでコロコロと

担当者が代わってしまう」 「在宅医療に関する県民公開講座」より(H29.2.26開催)

○市町における医療環境(例示) ・条例で設置を定めている医療協議会がある等、制度上医療側とのつながりがある ・医師会が在宅医療に熱心で、行政側を巻き込んでくれる ・自治体病院・診療所がある …直営・指定管理の別はあるが、自治体病院の医師を通じて医師会とコネクションを取る …小規模の直営診療所が熱心な在宅医療の担い手であることが多い!?

・自治体と郡市医師会の区域が一致しない …自治体が複数の医師会の担当区域に分かれ、かつ各医師会の担当区域が複数の自治体にわたっている場合もある

・医師会に専従の事務職員がいない ・医療の供給側も需要側も既に減少フェイズにある(医師の高齢化・高齢者人口のピークが既に到来) →それぞれの状況を俯瞰した上で、環境に応じた支援が必要 20

行政と医師会の関係

Page 22: 在宅医療・介護連携における 福井県の市町支援の取組 · 越前市 武生 南越前町 敦賀市 敦賀市 嶺南 1,099 139,402 1,317 1,657 535 36 美浜町 三方郡

福井県医師会 副会長 池端 幸彦 先生 作成資料

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県と県医師会の役割の考え方

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①地域資源の把握(ア)

②課題抽出と検討(イ)

③多職種研修(カ)

④住民普及啓発(キ)

⑤相談支援(オ)

⑥情報共有(エ)

⑦広域連携(ク)

⑧24時間体制整備(ウ)

坂井市・ あわら市

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

福井市 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

永平寺町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

大野市 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

勝山市 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

鯖江市 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △

池田町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

越前町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

越前市 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

南越前町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

敦賀市 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

美浜町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

小浜市 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

高浜町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

おおい町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △

若狭町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

22 8事業の市町平均着手数7.8個

在宅医療介護連携推進事業 県内市町の取り組み状況(H28.8現在)

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福井県では在宅医療・介護連携推進事業の8項目のうち、 ・全8項目着手済: 13市町 ・年度内に全8項目着手: 2市町 ・7項目着手: 2市町

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在宅医療・介護連携推進事業の次の展開

着手後の展開をどうするか?

質の展開 量の展開

(質は保ったままで!)

(課題例) ・データ分析の内容充実 ・協議会のより多職種の参加 ・相談や研修会、普及啓発事業のアセスメント手法の検討

地域医療構想で示した在宅医療等の必要量の増加をふまえ、2025年にも対応できる在宅医療・介護の提供体制の構築 …在宅医療の供給可能量と必要量にギャップはあるのか?あるとすればその量はどれくらいか?そのギャップをどのようにして埋めるか?