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勿来地区トンネル設計業務 【 C I M 活 用 編】 令和元年 9 月 国土交通省 東北地方整備局 磐城国道事務所 セントラルコンサルタント株式会社

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  • 勿 来 地 区 ト ン ネ ル 設 計 業 務

    報 告 書 【 CIM 活用編】

    令和元年 9月

    国土交通省 東北地方整備局 磐城国道事務所

    セ ン トラ ル コンサルタント株式会社

  • 勿来地区トンネル設計業務

    報告書 目次

    【CIM活用編】

    §1.CIM モデル照査チェックシート ································ 1

    §2.CIM モデル作成・引継書シート ································ 1

    §3.CIM 実施計画書 ················································ 1

    §4.CIM 実施(変更)計画書 ········································· 1

    §5.CIM 実施報告書 ················································ 1

  • 平成30年度

    勿来地区トンネル設計業務

    C I M 実 施 計 画 書

    平成30年11月

    セントラルコンサルタント株式会社

  • 目 次

    1.業務の概要 ........................................................ 1

    2.担当者の配置 ...................................................... 2

    2.1 CIM 担当技術者 ................................................ 2

    2.2 体制組織図 .................................................... 2

    3.工程表 ............................................................ 3

    4.CIM に関する実施内容 .............................................. 4

    4.1 実施目的 ...................................................... 4

    4.2 実施内容(活用項目の選定) .................................... 4

    4.3 CIM モデルの作成仕様 .......................................... 6

    4.4 成果品の作成 .................................................. 9

    5.実施成果 ......................................................... 10

    5.1 成果物一覧 ................................................... 10

    5.2 成果物の納品ファイル形式及び閲覧方法 ......................... 10

    6.成果品の照査 ..................................................... 12

    6.1 CIM モデル照査の目的 ......................................... 12

    6.2 CIM モデル照査時チェックシートの作成 ......................... 12

    7.CIM モデル作成 事前協議・引継書シートの作成 ..................... 13

  • 1.業務の概要

    表 1 業務の概要

    項目名 詳 細

    業務名 平成 30 年度 勿来地区トンネル設計業務

    プロジェクト名 国道 6号勿来バイパス事業

    履行場所 福島県いわき市勿来町関田関山地内~いわき市勿来町関田滝沢地内

    発注者 国土交通省 東北地方整備局 磐城国道事務所

    調査職員 主任調査員:磐城国道事務所建設監督官 津田 貴生

    担当調査員:磐城国道事務所調査課専門官 鈴木 誠

    受注者 セントラルコンサルタント株式会社 東北支社

    履行期間 平成 30 年 8 月 3 日~平成 31年 1月 31 日

    業務概要

    発注者指定型である本 CIM 活用業務の段階別実施内容を以下に示す。

    1.CIM モデルの作成・更新

    ①設計準備

    ・既存モデルの収集・整理

    ・CIM 実施計画書の作成

    ②CIM モデルの作成・更新

    既存モデルが無いため、本業務で作成する。

    ・地形モデルの作成

    ・地質・土質モデルの作成

    ・線形モデルの作成

    ・構造モデル(本体・坑門工)の作成

    ③統合モデルの作成

    航空写真データ、地形、構造物モデルの統合

    2.CIM モデルの活用

    ④CIM モデルの活用

    要求項目の中から、以下の 3項目について実施する。

    ・属性の付与

    トンネル分野に対する属性情報の付与方法は、「3次元モデルから外部

    参照する」方法により行う。

    ・CIM モデルによる数量、工事費、工期の算出

    工事数量は、CIM モデルによりソフトウェアの機能を用いて工事数量の

    自動算出し、算出された数量について従来の 2次元図面による算出した数

    量との比較結果をとりまとめると共に、算出された数量に基づき概算事業

    費(及び工期)の算出を行う。

    ・CIM モデルによる効率的な照査の実施

    「山岳トンネル詳細設計照査要領」に示す照査項目のうち、3次元モデル

    及び付随する属性情報に基づき実施することで効率的かつ確実な実施が

    見込まれるものの選定を行い、選定結果に基づき CIM モデルによる照査を

    行う。

    3.CIM モデルの納品

    ⑤CIM 完成図書の作成

    ⑥成果品の照査

    CIM モデル照査時チェックシートの作成

    ⑦事前協議・引継書シートの作成

    以上

    CIM 対象構造物 ・トンネル本体

    ・坑門工

    -1-

  • 3.工程表

    ※作成にあたっては、調査職員と協議を行い決定する。

    CIM 実施工程表(案)

    -3-

  • 4.CIM に関する実施内容

    4.1 実施目的

    本業務は、国土交通省が提唱する i-construction の取り組みにおいて、ICT の全面的な活

    用を図るため、各 CIM モデル(線形モデル、土工形状モデル、地形モデル、構造物モデル、

    地質・土質モデル、広域地形モデル)及びこれらの統合モデルを作成・更新し、a)「契約図

    書化に向けたCIMモデルの構築」、b)「関係者間での情報連携及びオンライン電子納品の試行」、

    c)「属性情報の付与」、d)「CIM モデルによる数量、工事費、工期の算出」、e)「CIM モデルに

    よる効率的な照査の実施」、f)「施工段階での CIM モデルの効果的な活用」を実施することを

    目的とするものである。

    4.2 実施内容(活用項目の選定)

    4.2.1「契約図書化に向けた CIM モデルの構築」

    現行の「3 次元モデル表記標準(案)」では、対象項目に山岳トンネルが含まれていないた

    め対象外とする。

    4.2.2「関係者間での情報連携及びオンライン電子納品の試行」

    情報共有システム等に具備する「3 次元データ等表示機能」「オンライン電子納品機能」等

    は、開発(又は改善)途中であるため対象外とする。

    4.2.3「属性情報の付与」:活用

    【付与方法】

    属性情報の付与にあたっては、『CIM 導入ガイドライン(案)』の記載項目を標準としてトン

    ネル分野において必要な属性情報を対象ごとに「工程」「属性種別」「属性名称」「付与時の用

    途」「申し送り事項」「最終更新時」等を付与属性項目一覧表としてとりまとめ、CIM に付与す

    る。この際、CIM モデルに付与する

    ・属性情報を付与する方法は、構造物モデルの納品ファイル形式が、オリジナルファイル及び

    「IFC」での納品としていることから、「3次元モデルから外部参照する」方法を原則とする。

    ・外部参照する方法には、次の方法がある。

    ①表計算ソフト等で作成したファイルやその格納フォルダへ外部参照する。

    属性情報を表計算ソフト等で作成し、表計算ソフトのオリジナルファイルや CSV 形式で保存

    したファイルへ外部参照する。

    ②当該業務の成果、提出物等(図面、報告書等)やその格納フォルダへ外部参照する。

    【属性情報】

    設計段階で計画した支保パターンの変化点が分かるように考慮する(着色表示等)とともに、

    ロックボルト、覆工コンクリート、鋼製支保工等の材質、寸法、強度、補助工法等について、下

    流工程となる施工段階で活用できるよう、属性情報として付与する。次頁表参照

    ※付与属性項目は、調査職員と協議を行い決定する。

    表 3 付与属性項目一覧表(作成例)

    工程 属性種別 属性名称 付与時の用途 申し送り事項 最終更新日時 必須 選択

    設計時 部材情報

    ID 属性管理

    構造物名称 属性管理

    部材名称 属性管理

    設計時 品質管理

    基準情報

    設計基準強度 構造計算

    コンクリート体積 費用算出

    -4-

  • 属性情報(例)

    トンネル属性情報(内空断面) トンネル属性情報(支保パターン)

    4.2.4「CIM モデルによる数量、工事費、(※工期)の算出」:活用

    ・工事数量の算出

    CIM モデルよりソフトウェアの機能を用いて工事数量の自動算出を行う。この際、想定する施

    工順序や区割り等と連動する形で数量が算出できるように施工ステップ等に沿った CIM モデル

    を構築する。また、算出された数量について従来の 2次元図面により算出した数量と比較し、結

    果についてとりまとめるとともに、算出された数量に基づき概算工事費及び工期の算出を行う。

    ①土構造物

    『土木工事数量算出要領(案)』の「第 1 編(共通編)」「1 章 基本事項」の土構造に関

    する記述に従い、工事数量を算出する。

    3 次元モデルからの工事数量算出(土工)には、「点高法(4点法、1点法)」を用いること

    を標準とする。

    ②コンクリート構造物、鋼構造物

    『土木工事数量算出要領(案)』の「第 1 編(共通編)」「1 章 基本事項」のコンクリー

    ト構造物、鋼構造物に関する記述に従い、工事数量を算出する。

    ・(※工期、施工手順)

    工事数量算出に用いた CIM モデルを使用することを想定し、施工箇所や区割り等を含め施工

    手順を表現し、工期を算出する。※実施の是非は調査職員と協議を行い決定する。

    4.2.5「CIM モデルによる効率的な照査の実施」:活用

    「山岳トンネル詳細設計照査要領」に示す照査項目のうち、3 次元モデル及び付随する属性情

    報に基づき実施することで効率的かつ確実な実施が見込まれるものの選定を行い、選定結果に基

    づき CIM モデルによる照査を行う。

    実施にあたっては以下の表を参考に確認事項一覧表を作成し、選定理由(効率的かつ確実な実

    施が見込まれる理由)と実施により想定される効果をとりまとめる。

    ※照査項目:確認事項は、調査職員と協議を行い決定する。

    表 4 照査項目:確認事項一覧(例)

    項目(例) 照査内容(例) 選定理由 想定される効果

    要領・基準の照査 適用した要領・基準類の名称、発行年等を対象物ごとの一覧で照査

    属性情報(又は 3次元型式)

    を用いて〇〇が可能なため

    従来と比較して〇〇(人・日)程度の効率化が可能

    構造物の干渉チェック 既存構造物と CIM モデルとの干渉を照査数量結果の照査 CIM モデルと数量算出結果の整合を照査

    図面との整合 CIM モデルと 2 次元図面との整合性について照査

    更新履歴チェック CIM モデルの更新履歴を出力し、更新内容を照査

    -5-

  • 4.2.6「施工段階での CIM モデルの効果的な活用」

    工事を対象とする項目のため対象外とする。

    4.3 CIM モデルの作成仕様

    4.3.1 モデルの作成対象

    作成する CIM モデルは、線形、現況地形、地質構造、トンネル(本体・坑口等)を基本とする。

    図 3 トンネル CIM モデルの構造

    上図で示される構造は、下表に示すモデルで構築される。

    表 5 CIM モデルの構造

    現行(2次元)設計成果物と CIM モデルの関係を下表に示す。

    表 6 現行(2次元)設計成果物と CIM モデルの関係

    出典:CIM 導入ガイドライン(案)第 6編トンネル編(平成 29年 3月)国土交通省 CIM 導入推進委員会

    -6-

  • 4.3.2 モデルの作成指針

    CIM モデル作成に当たっては、施工で利用することを念頭においた形状とする。

    下表に、山岳トンネルの各 CIM モデルの作成指針を示す。

    表 7 山岳トンネルの CIM モデルの作成指針

    出典:CIM 導入ガイドライン(案)第 6編トンネル編(平成 29年 3月)国土交通省 CIM 導入推進委員会

    -7-

  • 4.3.3 モデルの詳細度

    トンネル分野におけるモデル詳細度の定義は、下表に示す通り。

    表 8 構造物(山岳トンネル)の詳細度(参考)

    出典:CIM 導入ガイドライン(案)第 6編トンネル編(平成 29年 3月)国土交通省 CIM 導入推進委員会

    -8-

  • 4.4 成果品の作成

    4.4.1 成果品

    CIM 実施計画書、CIM 実施(変更)計画書、CIM 実施報告書については、保存フォルダ・ファ

    イル命名規則に従い成果品を作成する。「CIM 実施報告書」へは、「CIM 実施(変更)計画書」

    に記載された事項の実施内容、達成状況、課題等を記載すると共に、「技術開発懸案事項」を

    含め CIM 活用にかかる実施内容をすべて 1式にとりまとめる。

    4.4.2 使用するソフト

    業務中に使用するソフトウェア名及びバージョン及び電子納品物の内容を閲覧するために必

    要なソフトウェアを下表に示す。

    ※使用するソフトウェアは、調査職員と協議を行い決定する。

    表 9 使用するソフトウェア

    ソフトウェア名(開発会社名) バージョン 用途

    Civil3D(Autodesk) 3D モデル作成

    Revit(Autodesk) 〃

    AutoCAD(Autodesk) 〃

    APL Win(MTC) 5.22~ 〃

    APS-MarkⅣ Win(MTC) 12.00~ 〃

    NavisWorks(Autodesk) 属性付与

    InfraWorks(Autodesk) 統合データ作成

    4.4.3 情報共有システム

    本業務の実施に当たり、情報共有のために発注者が 3次元モデルを確認できる方法を以下に示

    す。

    ・3DPDF

    3 次元情報を含んだ PDF ファイルで、PDF内で 3D モデルの回転、移動等が可能である。

    3DPDF を閲覧するには、3Dに対応した PDF リーダ(Acrobat Reader 等)で閲覧できる。

    ・3 次元モデルビューア

    3 次元モデルを閲覧できる無償ビューアソフトとして BIM Vision 等がある。インストール

    等が必要な場合があるため、利用可能か発注者と協議を行い決定する。

    -9-

  • 5.実施成果

    5.1 成果物一覧

    本業務の成果品は、「土木設計業務等の電子納品要領(平成 28 年 3 月)」および「CIM 事業に

    おける成果品作成手引き(案)(平成 30年 3月)」に従い、他の成果品とあわせて以下の方法

    で提出する。

    ・CIM モデルデータ(DVD-R(一度しか書き込みできないもの)) 2部

    ・CIM 実施報告書(電子データ PDF もしくは DOC 形式)

    5.2 成果物の納品ファイル形式及び閲覧方法

    成果品の CIM データの納品ファイルは、下表の通り。

    ※納品ファイル形式は、調査職員と協議を行い決定する。

    表 10 CIM モデルの納品ファイル形式

    CIM モデル名 ファイル形式 閲覧ソフトウェア名

    確認用ファイル名

    又は 3次元モデルビ

    ューア名

    線形モデル LandXML

    及びオリジナルファイル

    土工形状モデル LandXML

    及びオリジナルファイル

    地形モデル LandXML

    及びオリジナルファイル

    構造物モデル IFC2x3

    及びオリジナルファイル

    地質・土質モデル オリジナルファイル

    広域地形モデル LandXML

    及びオリジナルファイル

    統合モデル オリジナルファイル

    -10-

  • 【参考】電子成果品のフォルダ構成

    作成する CIM モデルの具体的なフォルダー構成やデータ内容は以下に示す通り。

    -11-

  • 6.成果品の照査

    6.1 CIM モデル照査の目的

    納品するCIMモデルに対し、以下の視点でチェックを行う。

    ・事前協議等で発注者と協議・決定したCIMモデル作成・活用目的、作成・更新の範囲、詳細度、

    ファイル形式で作成されているかについて「CIMモデル作成 事前協議・引継書シート」に示さ

    れる内容と照合してチェックする。

    ・作成した3次元モデルのねじれや抜け等の不整合がないかについて3次元モデルをビューアで

    開いてPC上で目視確認する。

    ・2次元設計資料(計算書、図面、数量等)と3次元モデルの該当部分に対して、それぞれ設計

    上の各種数値が合致していることを確認する。

    6.2 CIM モデル照査時チェックシートの作成

    照査は、以下に示す「CIMモデル照査時チェックシート」に基づき行う。

    出典:CIM 事業における成果品作成の手引き(案)(平成 30年 3月)国土交通省大臣官房技術調査課

    -12-

  • 7.CIM モデル作成 事前協議・引継書シートの作成

    作成したCIMモデルを計画、調査、設計、施工、維持管理の各段階にわたり共有し、有効活用し

    ていくために、CIMモデルを作成・更新した際の目的や考え方を次工程に引き継ぐことが重要であ

    り、以下の情報を「CIMモデル作成 事前協議・引継書シート」に記載し納品する。

    ・CIMモデル作成・更新の目的、範囲、詳細度、付与した属性情報

    ・作成ソフトウェア、ファイル形式

    ・次工程への引継事項、利用上の制約、留意点等

    出典:CIM 導入ガイドライン(案)第 1編共通編(平成 30年 3月)国土交通省 CIM 導入推進委員会

    -13-

  • 平成30年度

    勿来地区トンネル設計業務

    CIM 実施計画書 (第 1回変更)

    令和元年 6 月

    セントラルコンサルタント株式会社

  • 目 次

    1.業務の概要 ........................................................ 1

    2.担当者の配置 ...................................................... 2

    2.1 CIM 担当技術者 ................................................ 2

    2.2 体制組織図 .................................................... 2

    3.工程表 ............................................................ 3

    4.CIM に関する実施内容 .............................................. 4

    4.1 実施目的 ...................................................... 4

    4.2 実施内容(活用項目の選定) .................................... 4

    4.3 CIM モデルの作成仕様 .......................................... 7

    4.4 成果品の作成 ................................................. 10

    5.実施成果 ......................................................... 12

    5.1 成果物一覧 ................................................... 12

    5.2 成果物の納品ファイル形式及び閲覧方法 ......................... 12

    6.成果品の照査 ..................................................... 14

    6.1 CIM モデル照査の目的 ......................................... 14

    6.2 CIM モデル照査時チェックシートの作成 ......................... 14

    7.CIM モデル作成 事前協議・引継書シートの作成 ..................... 15

  • 1.業務の概要

    表 1 業務の概要

    項目名 詳 細

    業務名 平成 30 年度 勿来地区トンネル設計業務

    プロジェクト名 国道 6号勿来バイパス事業

    履行場所 福島県いわき市勿来町関田関山地内~いわき市勿来町関田滝沢地内

    発注者 国土交通省 東北地方整備局 磐城国道事務所

    調査職員 主任調査員:磐城国道事務所建設専門官 加藤 修一

    担当調査員:磐城国道事務所調査課専門官 田村 昭

    受注者 セントラルコンサルタント株式会社 東北支社

    履行期間 平成 30 年 8 月 3 日~令和元年 9月 10 日

    業務概要

    発注者指定型である本 CIM 活用業務の段階別実施内容を以下に示す。

    1.CIM モデルの作成・更新

    ①設計準備

    ・既存モデルの収集・整理

    ・CIM 実施計画書の作成

    ②CIM モデルの作成・更新

    既存モデルが無いため、本業務で作成する。

    ・地形モデルの作成(UAV レーザ計測により点群データ取得)

    ・地質、土質モデルの作成

    ・線形モデルの作成

    ・構造モデル(本体・坑門工)の作成

    ③統合モデルの作成

    航空写真データ、地形、構造物モデルの統合

    2.CIM モデルの活用

    ④CIM モデルの活用

    要求項目の中から、以下の 4項目について実施する。

    ・契約図書化に向けた CIM モデルの構築

    「3 次元モデル表記標準(案)」に従い、CIM モデルに寸法、材質・強度、

    数量等を付与し、「3 次元データを契約図書とする試行ガイドライン

    (案)」に基づき試行する。実施に際しては、3次元データの使用する範囲、

    作業を受注者間で協議決定する。

    ・属性の付与

    トンネル分野に対する属性情報の付与方法は、「3次元モデルから外部

    参照する」方法により行う。

    ・CIM モデルによる数量、工事費、(工期の算出)

    工事数量は、CIM モデルによりソフトウェアの機能を用いて工事数量の

    自動算出し、算出された数量について従来の 2次元図面による算出した数

    量との比較結果をとりまとめると共に、算出された数量に基づき概算事業

    費(及び工期)の算出を行う。

    ・CIM モデルによる効率的な照査の実施

    「山岳トンネル詳細設計照査要領」に示す照査項目のうち、3次元モデ

    ル及び付随する属性情報に基づき実施することで効率的かつ確実な実施

    が見込まれるものの選定を行い、選定結果に基づき CIM モデルによる照査

    を行う。

    3.CIM モデルの納品

    ⑤CIM 完成図書の作成

    ⑥成果品の照査

    CIM モデル照査時チェックシートの作成

    ⑦事前協議・引継書シートの作成

    以上

    CIM 対象構造物 ・トンネル本体

    ・坑門工

    -1-

  • 3.工程表

    当初工程案を以下に示す。変更が生じた場合は、調査職員と協議を行い決定する。

    CIM 実施工程表(案)

    設計準備 詳細設計設計準備 既存モデルの調査・収集 CIM実施計画書の作成CIMモデルの作成・更新

     地形モデルの作成UAVレーザ計測国土地理院5mメッシュ他

     地質・土質モデルの作成 ボーリングモデル 線形モデルの作成 構造モデル(本体・坑門工)の作成統合モデルの作成CIMモデルの活用 契約図書に向けたCIMモデルの構築 属性の付与 CIMモデルによる数量、工事費、工期の算出 CIMモデルによる効率的な照査の実施CIM完成図書の作成成果品の照査事前協議・引継書シートの作成

    施工準備

    準備工

    掘削

    覆工

    引継ぎ

    業務概要設計段階

    施工段階 CIM工程の出力

    -3-

  • 4.CIM に関する実施内容

    4.1 実施目的

    本業務は、国土交通省が提唱する i-construction の取り組みにおいて、ICT の全面的な活

    用を図るため、各 CIM モデル(線形モデル、土工形状モデル、地形モデル、構造物モデル、

    地質・土質モデル、広域地形モデル)及びこれらの統合モデルを作成・更新し、a)「契約図

    書化に向けたCIMモデルの構築」、b)「関係者間での情報連携及びオンライン電子納品の試行」、

    c)「属性情報の付与」、d)「CIM モデルによる数量、工事費、工期の算出」、e)「CIM モデルに

    よる効率的な照査の実施」、f)「施工段階での CIM モデルの効果的な活用」を実施することを

    目的とするものである。

    4.2 実施内容(活用項目の選定)

    4.2.1「契約図書化に向けた CIM モデルの構築」:活用

    「3次元モデル表記標準(案)」に従い、CIM モデルに寸法、材質・強度、数量等を付与し、「3

    次元データを契約図書とする試行ガイドライン(案)」に基づき試行する。ただし、現行の「3

    次元データを契約図書とする試行ガイドライン(案)」の対象工種は、平成 30 年 3 月時点の土

    工編と構造編(橋梁)であるため、試行に際しては、「3 次元モデル表記標準(案)」に示され

    る下記表(CAD 製図基準で規定されている図面と 3DA モデルでの図の対応)を目安に、3 次元

    データの使用する範囲、作業を受注者間で協議決定する。

    -4-

  • 4.2.2「関係者間での情報連携及びオンライン電子納品の試行」

    情報共有システム等に具備する「3 次元データ等表示機能」「オンライン電子納品機能」等

    は、開発(又は改善)途中であるため対象外とする。

    4.2.3「属性情報の付与」:活用

    【付与方法】

    属性情報の付与にあたっては、『CIM 導入ガイドライン(案)』の記載項目を標準としてトン

    ネル分野において必要な属性情報を対象ごとに「工程」「属性種別」「属性名称」「付与時の用

    途」「申し送り事項」「最終更新時」等を付与属性項目一覧表としてとりまとめ、CIM に付与す

    る。

    ・属性情報を付与する方法は、構造物モデルの納品ファイル形式が、オリジナルファイル及び

    「IFC」での納品としていることから、「3次元モデルから外部参照する」方法を原則とする。

    ・外部参照する方法には、次の方法がある。

    ①表計算ソフト等で作成したファイルやその格納フォルダへ外部参照する。

    属性情報を表計算ソフト等で作成し、表計算ソフトのオリジナルファイルや CSV 形式で保存

    したファイルへ外部参照する。

    ②当該業務の成果、提出物等(図面、報告書等)やその格納フォルダへ外部参照する。

    【属性情報】

    設計段階で計画した支保パターンの変化点が分かるように考慮する(着色表示等)とともに、

    ロックボルト、覆工コンクリート、鋼製支保工等の材質、寸法、強度、補助工法等について、下

    流工程となる施工段階で活用できるよう、属性情報として付与する。下記表参照

    ※付与属性項目は、調査職員と協議を行い決定する。

    表 3 付与属性項目一覧表(作成例)

    工程 属性種別 属性名称 付与時の用途 申し送り事項 最終更新日時 必須 選択

    設計時 部材情報

    ID 属性管理

    構造物名称 属性管理

    部材名称 属性管理

    設計時 品質管理

    基準情報

    設計基準強度 構造計算

    コンクリート体積 費用算出

    属性情報(例)

    トンネル属性情報(内空断面) トンネル属性情報(支保パターン)

    -5-

  • 4.2.4「CIM モデルによる数量、工事費、(※工期)の算出」:活用

    ・工事数量の算出

    CIM モデルよりソフトウェアの機能を用いて工事数量の自動算出を行う。この際、想定する施

    工順序や区割り等と連動する形で数量が算出できるように施工ステップ等に沿った CIM モデル

    を構築する。また、算出された数量について従来の 2次元図面により算出した数量と比較し、結

    果についてとりまとめるとともに、算出された数量に基づき概算工事費及び工期の算出を行う。

    ①土構造物

    『土木工事数量算出要領(案)』の「第 1 編(共通編)」「1 章 基本事項」の土構造に関

    する記述に従い、工事数量を算出する。

    3 次元モデルからの工事数量算出(土工)には、「点高法(4点法、1点法)」を用いること

    を標準とする。

    ②コンクリート構造物、鋼構造物

    『土木工事数量算出要領(案)』の「第 1 編(共通編)」「1 章 基本事項」のコンクリー

    ト構造物、鋼構造物に関する記述に従い、工事数量を算出する。

    ・(※工期、施工手順)

    工事数量算出に用いた CIM モデルを使用することを想定し、施工箇所や区割り等を含め施工

    手順を表現し、工期を算出する。※実施の是非は調査職員と協議を行い決定する。

    4.2.5「CIM モデルによる効率的な照査の実施」:活用

    「山岳トンネル詳細設計照査要領」に示す照査項目のうち、3 次元モデル及び付随する属性情

    報に基づき実施することで効率的かつ確実な実施が見込まれるものの選定を行い、選定結果に基

    づき CIM モデルによる照査を行う。

    実施にあたっては以下の表を参考に確認事項一覧表を作成し、選定理由(効率的かつ確実な実

    施が見込まれる理由)と実施により想定される効果をとりまとめる。

    ※照査項目:確認事項は、調査職員と協議を行い決定する。

    表 4 照査項目:確認事項一覧(例)

    項目(例) 照査内容(例) 選定理由 想定される効果

    要領・基準の照査 適用した要領・基準類の名称、発行年等を対象物ごとの一覧で照査

    属性情報(又は 3次元型式)を用いて〇〇が可能なため

    従来と比較して〇〇

    (人・日)程度の効率化が可能

    構造物の干渉チェック 既存構造物と CIM モデルとの干渉を照査

    数量結果の照査 CIM モデルと数量算出結果の整合を照査

    図面との整合 CIM モデルと 2 次元図面との整合性について照査

    更新履歴チェック CIM モデルの更新履歴を出力し、更新内容を照査

    4.2.6「施工段階での CIM モデルの効果的な活用」

    工事を対象とする項目のため対象外とする。

    -6-

  • 4.3 CIM モデルの作成仕様

    4.3.1 モデルの作成対象

    作成する CIM モデルは、線形、現況地形、地質構造、トンネル(本体・坑口等)を基本とする。

    図 3 トンネル CIM モデルの構造

    上図で示される構造は、下表に示すモデルで構築される。

    表 5 CIM モデルの構造

    現行(2次元)設計成果物と CIM モデルの関係を下表に示す。

    表 6 現行(2次元)設計成果物と CIM モデルの関係

    出典:CIM 導入ガイドライン(案)第 6編トンネル編(令和元年 5月)国土交通省

    -7-

  • 4.3.2 モデルの作成指針

    CIM モデル作成に当たっては、施工で利用することを念頭においた形状とする。

    下表に、山岳トンネルの各 CIM モデルの作成指針を示す。

    表 7 山岳トンネルの CIM モデルの作成指針

    出典:CIM 導入ガイドライン(案)第 6編トンネル編(令和元年 5月)国土交通省

    -8-

  • 4.3.3 構造物モデルの作成範囲と詳細度

    トンネル分野におけるモデル詳細度の定義は、下表に示す通り。

    表 8 構造物(山岳トンネル)の詳細度(参考)

    本業務の構造物(山岳トンネル)モデルの作成範囲は、トンネル本体、坑門工を対象とする。

    それぞれのモデル詳細度は以下の通りとする。

    トンネル本体工は、支保パターンの区分が分かるように詳細度 300 で作成する。補助工法は、範囲・対象工法が分かるように詳細度 300 で作成する。

    坑門工については、地山との取り合いが確認できるように外形形状を正確にモデル化する詳細度300 とし、配筋まではモデル化しない。

    舗装構成や排水溝等の内空設備は、配置、寸法が確認できるように詳細度 300 とする。 箱抜き位置は形状をパターン化し、設置範囲を記号等で確認でるよう詳細度 300 とする。

    出典:CIM 導入ガイドライン(案)第 6編トンネル編(令和元年 5月)国土交通省

    -9-

  • 4.4 成果品の作成

    4.4.1 成果品の作成範囲

    CIM モデルは、3次元モデルと属性情報により構造物等の形状や諸元を示すものである。

    CIM 活用業務での CIM モデル等の成果品の作業範囲は次の通りである。

    CIM 実施計画書、CIM 実施(変更)計画書、CIM 実施報告書については、保存フォルダ・ファ

    イル命名規則に従い成果品を作成する。「CIM 実施報告書」へは、「CIM 実施(変更)計画書」

    に記載された事項の実施内容、達成状況、課題等を記載すると共に CIM 活用にかかる実施内容

    を 1式にとりまとめる。

    4.4.2 成果品の構成

    表 9 成果品の構成

    :要協議

    出典:CIM 事業における成果品作成の手引き(案)(令和元年 5月)国土交通省

    -10-

  • 4.4.3 使用するソフト

    業務中に使用するソフトウェア名及びバージョン及び電子納品物の内容を閲覧するために必

    要なソフトウェアを下表に示す。

    ※使用するソフトウェアは、調査職員と協議を行い決定する。

    表 10 使用するソフトウェア

    ソフトウェア名(開発会社名) バージョン 用途

    TREND-POINT(福井コンピュータ) 3D 点群処理

    Civil3D(Autodesk) 2019 3D モデル作成

    AutoCAD(Autodesk) 2018 〃

    APL Win(MTC) 5.22~ 〃

    APS-MarkⅣ Win(MTC) 12.00~ 〃

    NavisWorks(Autodesk) 2019 統合モデル作成

    4.4.4 情報共有システム

    本業務の実施に当たり、情報共有のために発注者が 3次元モデルを確認できる方法を以下に示

    す。

    ・3DPDF

    3 次元情報を含んだ PDF ファイルで、PDF内で 3D モデルの回転、移動等が可能である。

    3D に対応した PDF リーダ(Acrobat Reader 等)で閲覧できる。

    ・3 次元モデルビューア

    3 次元モデルを閲覧できる無償ビューアソフトとして BIM Vision 等がある。インストール

    等が必要な場合があるため、利用可能か発注者と協議を行い決定する。

    -11-

  • 5.実施成果

    5.1 成果物一覧

    本業務の成果品は、「土木設計業務等の電子納品要領(平成 28 年 3 月)」および「CIM 事業に

    おける成果品作成手引き(案)(令和元年 5月)」に従い、他の成果品とあわせて以下の方法で

    提出する。

    ・CIM モデルデータ(CD-R、DVD-R、BD-R)

    ・CIM 実施報告書(電子データ PDF もしくは DOC 形式)

    5.2 成果物の納品ファイル形式及び閲覧方法

    成果品の CIM データの納品ファイルは、下表の通り。

    ※納品ファイル形式は、調査職員と協議を行い決定する。

    表 11 CIM モデルの納品ファイル形式

    CIM モデル名 ファイル形式 閲覧ソフト

    ウェア名

    確認用ファイル名

    又は 3次元モデルビ

    ューア名

    線形モデル LandXML1.2/dwg 形式

    Excel/PDF など

    土工形状モデル LandXML1.2/dwg 形式

    地形モデル LandXML1.2/オリジナルデータ形式

    DEM/点群など

    構造物モデル IFC2x3/dwg 形式

    地質・土質モデル dwg 形式

    広域地形モデル LandXML1.2/オリジナルデータ形式

    DEM/点群など

    統合モデル nwd 形式

    -12-

  • 5.3 CIM 事業における成果品のフォルダ構成

    CIM 事業における CIM モデル等の成果品の個性以下に示す。

    -13-

  • 6.成果品の照査

    6.1 CIM モデル照査の目的

    納品するCIMモデルに対しては、以下の視点でチェックを行い、その結果も併せて納品する。

    ・事前協議等で発注者と協議・決定したCIMモデル作成・活用目的、作成・更新の範囲、詳細度、

    ファイル形式で作成されているかについて「CIMモデル作成 事前協議・引継書シート」に示さ

    れる内容と照合してチェックする。

    ・作成した3次元モデルのねじれや抜け等の不整合がないかについて3次元モデルをビューアで

    開いてPC上で目視確認する。

    ・2次元設計資料(計算書、図面、数量等)と3次元モデルの該当部分に対して、それぞれ設計

    上の各種数値が合致していることを確認する。

    6.2 CIM モデル照査時チェックシートの作成

    照査は、以下に示す「CIMモデル照査時チェックシート」を基本に適宜追加使用する。

    出典:CIM 事業における成果品作成の手引き(案)(令和元年 5月)国土交通省

    -14-

  • 平成30年度

    勿来地区トンネル設計業務

    CIM 実施報告書

    令和元年 9 月

    セントラルコンサルタント株式会社

  • 目 次

    1.業務の概要 ........................................................ 1

    2.担当者の配置 ...................................................... 2

    2.1 CIM 担当技術者 ................................................ 2

    2.2 体制組織図 .................................................... 2

    3.工程表 ............................................................ 3

    4.CIM に関する段階別実施内容 ........................................ 4

    4.1 実施目的 ...................................................... 4

    4.2 CIM モデルの作成・更新 ........................................ 4

    4.3 CIM モデルの活用 ............................................. 16

    4.4 成果品の作成 ................................................. 22

    5.実施成果 ......................................................... 24

    5.1 成果物一覧 ................................................... 24

    5.2 成果物の納品ファイル形式及び閲覧方法 ......................... 24

    6.成果品の照査 ..................................................... 26

    7.CIM モデル作成 事前協議・引継書シートの作成 ..................... 27

  • 1.業務概要

    表 1 業務の概要

    項目名 詳 細

    業務名 平成 30 年度 勿来地区トンネル設計業務

    プロジェクト名 国道 6号勿来バイパス事業

    履行場所 福島県いわき市勿来町関田関山地内~いわき市勿来町関田滝沢地内

    発注者 国土交通省 東北地方整備局 磐城国道事務所

    調査職員 主任調査員:磐城国道事務所建設専門官 加藤 修一

    担当調査員:磐城国道事務所調査課専門官 田村 昭

    受注者 セントラルコンサルタント株式会社 東北支社

    履行期間 平成 30 年 8 月 3 日~令和元年 9月 24 日

    業務概要

    発注者指定型である本 CIM 活用業務の段階別実施内容を以下に示す。

    1.CIM モデルの作成・更新

    ①設計準備

    ・既存モデルの収集・整理

    ・CIM 実施計画書の作成

    ②CIM モデルの作成・更新

    既存モデルが無いため、本業務で作成した。

    ・地形モデルの作成(UAV レーザ計測により点群データ取得)

    ・地質、土質モデルの作成

    ・線形モデルの作成

    ・構造モデル(本体・坑門工)の作成

    ③統合モデルの作成

    航空写真データ、地形、構造物モデルの統合

    2.CIM モデルの活用

    ④CIM モデルの活用

    要求項目の中から、以下の 4項目について実施した。

    ・契約図書化に向けた CIM モデルの構築

    「3 次元モデル表記標準(案)」に従い、CIM モデルに寸法、材質・強

    度、数量等を付与し、「3次元データを契約図書とする試行ガイドライ

    ン(案)」を参考に作成した。実施に際しては、3次元データの使用する

    範囲、作業を受注者間で協議決定した。

    ・属性の付与

    トンネル分野に対する属性情報の付与方法は、「3次元モデルから外

    部参照する」方法を基本に行った。

    ・CIM モデルによる数量

    工事数量は、CIM モデルによりソフトウェアの機能を用いて工事数量

    を自動算出した。

    ・CIM モデルによる効率的な照査の実施

    「山岳トンネル詳細設計照査要領」に示す照査項目のうち、3次元モ

    デル及び付随する属性情報に基づき、効率的かつ確実な実施が見込ま

    れるものを選定し、選定結果に基づき CIM モデルによる照査を行った。

    3.CIM モデルの納品

    ⑤CIM 完成図書の作成

    ⑥成果品の照査

    CIM モデル照査時チェックシートの作成

    ⑦事前協議・引継書シートの作成

    以上

    CIM 対象構造物 ・トンネル本体

    ・坑門工

    -1-

  • 3.工程表

    以下の手順に従い、業務を実施した。

    表 3 CIM 実施工程表

    設計準備 詳細設計設計準備 既存モデルの調査・収集 CIM実施計画書の作成CIMモデルの作成・更新

     地形モデルの作成UAVレーザ計測国土地理院5mメッシュ他

     地質・土質モデルの作成 ボーリングモデル 線形モデルの作成 構造モデル(本体・坑門工)の作成統合モデルの作成CIMモデルの活用 契約図書に向けたCIMモデルの構築 属性の付与 CIMモデルによる数量、工事費、工期の算出 CIMモデルによる効率的な照査の実施CIM完成図書の作成成果品の照査事前協議・引継書シートの作成

    施工準備

    準備工

    掘削

    覆工

    引継ぎ

    業務概要設計段階

    施工段階 CIM工程の出力

    -3-

  • 4.CIM に関する段階別実施内容

    4.1 実施目的

    本業務は、国土交通省が提唱する i-construction の取り組みにおいて、ICT の全面的な活用を図

    るため、各 CIM モデル(線形モデル、土工形状モデル、地形モデル、構造物モデル、地質・土質モ

    デル、広域地形モデル)及びこれらの統合モデルを作成・更新し、a)「契約図書化に向けた CIM モ

    デルの構築」、b)「関係者間での情報連携及びオンライン電子納品の試行」、c)「属性情報の付

    与」、d)「CIM モデルによる数量、工事費、工期の算出」、e)「CIM モデルによる効率的な照査

    の実施」、f)「施工段階での CIM モデルの効果的な活用」より項目を選定し実施する。

    4.2 CIM モデルの作成・更新

    4.2.1 設計準備

    (1)既存モデルの収集・整理

    ・線形モデル:既存モデルなし

    ・土工形状モデル:既存モデルなし

    ・地形モデル:既存モデルなし

    ・構造モデル:既存モデルなし

    ・地質・土質モデル:既存モデルなし

    ・広域地形モデル:既存モデルなし

    (2)CIM 実施計画書の作成(巻末資料参照)

    4.2.2 CIM モデルの作成

    (1)地形モデルの作成【地形測量編】

    UAVレーザ計測を実施し、三次元地形を計測すると共に、現況地形図を作成した。

    以下に計測範囲を示し、次頁に地形モデル作成手順を示す。

    図 2 位置図

    至 水戸

    勿来カントリークラブ

    日晨工業

    勿来の関公園

    市道_関田栗野線

    市道_町通関山線

    撮影予定範囲

    飛行範囲

    -4-

  • -5-

  • -6-

  • (2)地質・土質モデルの作成【地質調査編】

    過年度地質調査成果の内、二次元地質縦断図及び二次元地質横断図は、中心線形を通る鉛

    直局面または中心線形に直行に貼り付け準三次元断面図モデルを作成した。また、既往調査

    及び本業務で実施したボーリング調査結果を基に、ボーリング柱状図より、打設位置/方向角

    /打設角等を表示したボーリングモデル(推定・解釈モデル)を作成した。

    起点側

    起点側

    終点側

    終点側

    -7-

  • (3)線形モデルの作成

    本線線形計算書に基づき、道路中心線や構造中心線を表現する 3次元モデルを作成した。

    線形計算書を次頁に示す。

    -8-

  • ②平面線形計算書

    -9-

  • -10-

  • ②縦断線形計算書

    -11-

  • (3)構造物モデルの作成

    構造物モデルは、トンネル本体と坑口を対象に 3次元モデルを作成した。

    ①トンネル本体工の 3次元モデル

    ②坑門工の 3次元モデル

    -12-

  • 4.2.3 統合モデルの作成

    (1)モデルの作成対象

    地形モデル、地質モデル、構造物モデルを統合したトンネル CIM モデルを作成した。

    -次頁参照-

    (2)CIM モデルの構造

    作成したモデルの構造は以下の通り。

    表 4 CIM モデルの構造

    No. 統合モデルの構造 備 考

    1 A.線形 道路中心線 ※1

    2 B.地形 ・UAV を用いた公共測量による地形データ(1/500 レベル)

    ・国土地理院 基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュ(標高)

    3 C.地質 ボーリングモデル、準 3次元断面モデル(地質縦断図、地質横断図)

    4 D.構造物 設計対象構造物モデル(トンネル本体、坑口)

    5 G.地表 1/25,000~1/50,000 相当

    (3)構造モデルの作成範囲と詳細度

    本業務の構造物(山岳トンネル)モデルの作成範囲は、トンネル本体、坑門工を対象とし、それ

    ぞれのモデル詳細度は以下の通りである。

    ・トンネル本体工は、支保パターンの区分が分かるように詳細度 300 により行った。

    ・坑門工は、地山との取り合いが確認できるように外形形状を正確にモデル化する詳細度 300 と

    した。なお、配筋まではモデル化しない。

    ・舗装構成や排水溝等の内空設備は、配置、寸法が確認できるように詳細度 300 により行った。

    -13-

  • -14-

  • -15-

  • 4.3 CIM モデルの活用

    要求項目の中から、以下の 4項目について実施する。

    4.3.1 契約図書化に向けた CIM モデルの構築

    『3次元モデル表記標準(案)』に従い、CIM モデルに寸法、材質、数量を付与し、『3次元データを契

    約図書とする試行ガイドライン(案)』を参考に坑門工の 3DA モデルを作成した。

    (1)起点側坑門工の 3DA モデル

    -16-

  • (2)終点側坑門工の 3DA モデル

    -17-

  • 4.3.2 属性情報の付与

    属性情報の付与にあたっては、『CIM 導入ガイドライン(案)』のトンネル分野において必要な属

    性情報を付与属性項目一覧表としてとりまとめ、CIM に付与した。

    属性情報は設計段階で計画した支保パターンの変化点が分かるように考慮する(着色表示等)とと

    もに、ロックボルト、覆工コンクリート、鋼製支保工等の材質、寸法等について、施工段階で活用で

    きるよう、属性情報として付与した。

    (1)トンネル属性情報(トンネル本体工、舗装工、排水工)

    (2)トンネル属性情報(支保パターン)

    -18-

  • 4.3.3 CIM モデルによる数量算出

    CIM モデルよりソフトウェアの機能を用いて坑門工数量を自動算出した。

    CIM モデルからの自動数量

    83.659m

    4.838m3

    9.375m3

    -19-

  • 4.3.4 CIM モデルによる効率的な照査の実施

    「山岳トンネル詳細設計照査要領」に示す照査項目のうち、3 次元モデル及び付随する属性情報に基

    づき実施することで効率的かつ確実な実施が見込まれるものの選定を行い、選定結果に基づき CIM モデ

    ルによる照査を行った。

    (1)坑門工数量を自動算出し数量計算書の数値との対比により計算数値の妥当性を検証した。

    (2)既往地形図と現地盤との相違箇所をレーダ計測により検証し既往地形図を修正した。

    A=83.659m3

    A=83.658m3

    -20-

  • (3)脆弱地層とトンネルとの位置関係を 3次元モデルで照査し坑門工設計に反映した。

    当初案 採用案

    地すべり移動土塊の堆積箇所

    -21-

  • 4.4 成果品の作成

    4.4.1 成果品の作成範囲

    CIM 活用業務での CIM モデル等の成果品の作業範囲は次の通りである。

    ①CIM モデル照査チェックシート、CIM モデル作成・引継書シート、CIM 実施計画書、CIM 実施(変更)

    計画書、CIM 実施報告書

    ②CIM モデル:構造物、地形等の各 CIM モデル

    ③統合モデル:各 CIM モデルを統合したモデル

    4.4.2 成果品の構成

    表 5 成果品の構成

    出典:CIM 事業における成果品作成の手引き(案)(令和元年 5月)国土交通省

    -22-

  • 4.4.3 使用するソフト

    業務中に使用するソフトウェア名及びバージョン及び電子納品物の内容を閲覧するために必要なソ

    フトウェアを下表に示す。

    表 6 使用するソフトウェア

    ソフトウェア名(開発会社名) バージョン 用途

    TREND-POINT(福井コンピュータ) 3D 点群処理

    Civil3D(Autodesk) 2019 3D モデル作成

    AutoCAD(Autodesk) 2018 〃

    APL Win(MTC) 5.22~ 〃

    APS-MarkⅣ Win(MTC) 12.00~ 〃

    NavisWorks(Autodesk) 2019 統合モデル作成

    4.4.4 情報共有システム

    本業務の実施に当たり、情報共有のために発注者が 3次元モデルを確認できる方法を以下に示す。

    ・3DPDF

    3 次元情報を含んだ PDF ファイルで、PDF 内で 3D モデルの回転、移動等が可能である。

    3D に対応した PDF リーダ(Acrobat Reader 等)で閲覧できる。

    ・3 次元モデルビューア

    3 次元モデルを閲覧できる無償ビューアソフトとして BIM Vision 等がある。インストール等が必

    要な場合があるため、利用可能か発注者と協議を行い決定する。

    -23-

  • 5.実施成果

    5.1 成果物一覧

    本業務の成果品は、「土木設計業務等の電子納品要領(平成 28 年 3 月)」および「CIM 事業における

    成果品作成手引き(案)(令和元年 5月)」に従い、他の成果品とあわせて以下の方法で提出する。

    ・CIM モデルデータ(CD-R、DVD-R、BD-R)

    ・CIM 実施報告書(電子データ PDF もしくは DOC 形式)

    5.2 成果物の納品ファイル形式及び閲覧方法

    成果品の CIM データの納品ファイルは、下表の通り。

    表 7 CIM モデルの納品ファイル形式

    CIM モデル名 ファイル形式 閲覧ソフト

    ウェア名

    確認用ファイル名

    又は 3 次元モデルビ

    ューア名

    線形モデル LandXML1.2/dwg 形式

    Excel/PDF など

    土工形状モデル LandXML1.2/dwg 形式

    地形モデル LandXML1.2/オリジナルデータ形式

    DEM/点群など

    構造物モデル IFC2x3/dwg 形式

    地質・土質モデル dwg 形式

    広域地形モデル LandXML1.2/オリジナルデータ形式

    DEM/点群など

    統合モデル nwd 形式

    -24-

  • 5.3 CIM 事業における成果品のフォルダ構成

    CIM 事業における CIM モデル等の成果品の個性以下に示す。

    図 3 CIM 事業における成果品のフォルダ構成

    -25-

  • 6.成果品の照査

    照査は、以下に示す「CIM モデル照査時チェックシート」を基本に実施した。

    表 8 CIM モデル照査時チェックシート

    出典:CIM 事業における成果品作成の手引き(案)(令和元年 5月)国土交通省

    -26-

  • CIM活用編§1 CIMモデル照査チェックシート§2 CIMモデル作成・引継書シート§3 CIM実施計画書§4 CIM実施(変更)計画書§5 CIM実施報告書