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Oracle Direct Seminar
オラクルコンサルタントが語る物理設計の真髄Part2 RAC編
日本オラクル株式会社
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Agenda• Introduction
• 目的とゴール
• 物理設計• 位置づけと定義
• 前回の振り返り(ストレージ設計)
• RAC概要• RACの特徴
• 11gR2 RAC
• RACの物理設計• OS設計
• ユーザー設計
• ディレクトリ設計
• Grid Infrustructure設計
• クラスタウェア構成・ファイル設計
• ネットワーク/サービス設計
• ネットワーク設計
• サービス設計
• まとめ
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Introduction
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目的とゴール
目的とゴール
• 物理設計の重要性を理解する
• RACアーキテクチャを理解する• RAC概要を理解する
• 11gR2 RACを理解する
• RAC設計を理解する• OS設計を理解する
• Grid Infrustructure設計を理解する
• ネットワーク/サービス設計を理解する
RACを理解し、性能を最大限に生かす物理設計を身につける
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物理設計 -位置づけと定義
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システム構築における各フェーズ
システム構築の流れ
企画 要件定義 開発/実装 テスト/移行 運用/保守外部設計内部設計
<各フェーズの概要>
• 企画
• システム導入の目的及び範囲を明確に設定し、システム構築の体制及びスケジュールの策定
• 要件定義
• システムに対する要件の洗い出し、要件定義書/RFP(Request for Proposal)の作成
• 外部設計/内部設計
• 要件定義を満たすシステムの機能(画面や業務フロー)の設計外部設計
• 外部設計を満たすシステムを実現するための設計内部設計
• 開発/実装
• 外部設計/内部設計に基づいたシステムの構築/実装
• テスト/移行
• 実運用に利用可能なシステムであるかのテスト及び実運用するための移行作業
• 運用/保守
• システム実運用における保守作業及び運用作業
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システム構築における各フェーズ
システム構築における物理設計の位置づけ
企画 要件定義 開発/実装 テスト/移行 運用/保守外部設計内部設計
要件定義 外部設計/内部設計開発/
実装
DB設計作業データ収集
非正規
モデル作成
正規化 統合化業務最適化
性能最適化
特定のRDBMSや
システム構成への
変換
DB
構築
一般的なDB設計工程
概念設計論理設計
物理設計 実装
データベースに特化
データベース物理設計は外部設計/内部設計の一部
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データベース設計における物理設計
概念設計
データベース設計
論理設計
物理設計
データベースによって管理するデータ同士の従属関係を定義し、概念モデルを設計する。概念モデルとしてはERモデルを利用することが多く、この段階ではデータモデル(リレーショナルデータベースや階層データベース、KVS)は考慮せずに設計を行なうこととなる。
概念設計によって得られた概念モデルから、特定のデータモデルに特化した論理モデルを設計する。Oracleデータベースであるならば、リレーショナルモデルを設計することとなる。得られた論理モデルから表、列、データ型、桁数、各種制約などの設計を行なう。表の正規化、統合化を図り、業務や性能面の最適化を考慮した設計を行なう。
論理設計により得られた論理モデルから、データベースのアーキテクチャを意識した物理的設計をする。具体的には表領域、データファイル、ストレージへのファイル配置、パラメータ、容量設計などを行なう。業務や性能面の最適化、データベースのアーキテクチャを考慮して、再度表の正規化、統合化を行なうような設計を行なうケースもある。
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物理設計物理設計の重要性
9
理想のシステム
要件A
物理設計は理想のシステムにおいて、システム要件を満たすために、どのように実装するかを設計する、非常にコアな設計フェーズです。ここでは、理想のシステムを作るために、効率よくリソースを使用するためのノウハウや経験、製品の知識などを考慮した設計が必要になります。
SW、HWリソースを利用する上でのノウハウ、
経験や製品の知識
要件B
要件C
なぜ物理設計が重要なの?
S/Wリソース
H/Wリソース
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物理設計物理設計の重要性
ハードウェアリソース ソフトウェアリソース
理想のシステム
+ =
物理設計は、ハードウェアリソースの知識、ソフトウェアリソースの知識の両方を必要とし、ハードウェア、ソフトウェアリソースの活用方法を考慮する必要があります。
一緒に設計することで、リソースを最大限に有効活用できる。
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物理設計 -前回の振り返り(ストレージ設計)
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ファイルシステム構成
12
アーカイブ・ログ・ファイル
制御ファイル
データファイル(UNDO表領域)
REDOログ・ファイル
データファイル(TEMP表領域)
データファイル(SYSAUX表領域)
パラメータ・ファイル
データファイル(SYSTEM表領域)
データファイル
ファイル管理データ
パラメータ設定
変更履歴データ
変更履歴データ(長時間バックアップ)
データ自体の管理情報
管理情報の補助領域(統計情報など)
データの並べ替えなどに利用
変更前の情報を保持
実データ
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ストレージ設計のポイント
13
• パフォーマンス
• 容易な管理性
• 耐障害性
どれか1つではなく、すべての条件 を満たす構成方法が求められる
これらの条件を満たすためには従来のファイル設計では
• 表と索引を別々の表領域で管理
• I/Oの集中する表領域は複数データ・ファイルを配置
• I/Oの集中するセグメントは、別々の表領域で管理
• REDOログ・ファイルは他のファイルと同一配置しない
• ディスクの使用量の適切な見積もり
etc
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今後のストレージ設計S.A.M.E.の考え方を取り入れたASM
従来のストレージ設計では、物理設計の経験と十分な知識が必要であったが、Oracle データベース10gからは、その問題を解決するASMが登場
複数の物理ディスクを束ね、論理的なディスクグループを作成し、それをストレージとして管理する機能。
Automatic Storage Management ( ASM )
• Stripe And Mirror Everything(S.A.M.E.)
• 全てのディスクを使用してストライピングを行う
• 耐障害性のために全てのディスクのミラーを持つ
• 構成変更への柔軟な対応• 動的リバランシングによる構成変更
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OracleのASMとはASMの3つの特徴
15
• ストライピング
• ディスク・グループ内の、全てのディスクでストライピング (ホットスポットが発生しない)⇒パフォーマンス
• ミラーリング
• ファイルの種類に応じて、Oracleレベルでミラーリング(ミラーなし / 二重化 / 三重化)⇒耐障害性
• 動的リバランシング
• ディスクの追加/削除時に自動的にファイルを再配置⇒容易な管理性
1 2 3
1 (ミラー) 2(ミラー)3(ミラー)
1´ 2´
1´(ミラー)2´(ミラー)
1´
4´(ミラー)
2´
1´(ミラー)
3´
2 ´(ミラー)
4´
3´(ミラー)
ディスク追加
ディスク削除
再配置
再配置
1 2 3 4
1(ミラー) 2(ミラー) 3(ミラー)4(ミラー)
ファイル
ディスク・グループ
21 43
ディスク・グループ
ファイル1
ファイル2
ファイル3
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ASMによる全体最適化機能パフォーマンス・容易な管理性・耐障害性に優れたASM
• パフォーマンス• ストライピングによるI/O分散
• 動的リバランシングの速度の変更が可能
• 容易な管理性• 今まで考慮していた物理設計時の考慮事項が尐なくなった
• 動的リバランシングによる容易な構成変更
• 耐障害性• 全てのディスクのミラーを持つ、ミラーリング
• 障害時の動的リバランシングによる冗長化の維持
従来のファイル設計で、考慮していた設計ポイントをASMを利用することによって、容易に設計することができる。
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RAC概要 - RACの特徴
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OracleのRACとはRACの3つの特徴
• 高可用性
• データベースを複数のインスタンスで管理しているので、
データベースサーバに障害発生してもサービスが継続可能
• 拡張性
• スケール・アップのみではなく、スケール・アウトによる
拡張も可能
• 負荷分散
• 複数のインスタンスで並列処理を行うことができ、
柔軟に負荷分散可能
RAC= Real Application Clusters
リソースを有効活用し、障害にも強いOracleのクラスタ技術
RAC
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RACの特徴高可用性
Client#1 Client#2Client#1 Client#2 Client#1 Client#2
障害発生 障害発生 障害発生
RACSingle HA構成
DBサーバーに異常が発生した場合、データベースへの全接続ができなくなるため、可用性に問題がある。
データベースの再起動やディスクの切り替えが発生するため
待機サーバが起動するまで、時間がかかる。
Failoverが実行され、障害が発生したDBサーバーにて行っていた処理を、正常なサーバーで引き継ぐことが
できる。
Clientからの接続ができなくなる。
Clientからの接続できるようになるまで
時間がかかる
異常を検知し、正常なサーバーへのFailover
を実行する。
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RACの特徴拡張性
Client#1 Client#2Client#1 Client#2
RACSingle
Client#1 Client#2
HA構成
+
スケール・アップのみ拡張可能。
スケール・アップ時にはシステムの停止が必要。
スケール・アップ、
スケール・アウトともに拡張可能。
システムの停止が必要ない。
スケール・アップ時にClientから接続出来なくなる。
Clientは接続可能。
スケール・アップのみ拡張可能。
スケール・アップ時にはシステムの停止が必要。
スケール・アップ時にClientから接続出来なくなる。
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RACの特徴負荷分散
Client#1 Client#2Client#1 Client#2 Client#1 Client#2
稼働 待機
RACSingle HA構成
一台のサーバーからのみ接続が可能なため、処理量が多い場合、負荷が
集中する可能性がある。
DBサーバーを並列に配置することで処理を分散し、各サーバの負荷を低
減させることができる。
Clientは柔軟に接続することが
可能。
高価なサーバを購入してもバックアップ器は待機しているだけであり、
リソースを有効活用できていない。
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RAC概要 - 11gR2 RAC
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Grid Infrastructure11gR1→11gR2
• RACを構成するためにはClusterwareが必要
• 11gR2からClusterwareとASMが統合されGridInfrastructureの構成要素となった。
• 単一ディレクトリへインストール
11gR1まで 11gR2
Oracle Grid Infrastructure
Oracle Database
Oracle ASM
Oracle Clusterware
Oracle Database
Oracle ASM
Oracle Clusterware
単一システム基盤
Oracle ASM
Oracle Clusterware
Oracle ASM
Oracle Clusterware
リスナー
リスナー
Grid ホームCRS ホーム
DB ホーム
DB ホーム
Database Database
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RACコンポーネント11gR2概要
Private Network
Public Network
Voting Disk
制御ファイル 初期化パラメータ・ファイル(SPFILEの場合)
REDOログファイル
アーカイブ・ログファイル
Nod
e#
1の
専用領域
REDOログファイル
アーカイブ・ログファイル
Nod
e#
2の
専用領域
データ・ファイル
各node
にて共有する領域
OCR
OLR
GPnP
Node#1
のローカル領域
OLR
GPnP
Node#2
のローカル領域
OHAS
Oracle Root Agent Oracle Agent cssdagent cssdmonitor
Oracle ASM
GPNPD mDNS GIPC
CSSCRS EVM CTSS DISKMON
Oracle ACFS Drivers
Oracle Root Agent Oracle Agent
Disk Group
Default Listener
Oracle ASM
eONS GSD
Network
ONS
Oracle ACFS registry
SCAN VIPVIP
SCAN Listener
Database
Service
OHAS スタック
CRS スタック
Oracle Clusterware リソース
OC4J
Oracle Clusterware スタック
OHAS
Oracle Root Agent Oracle Agent cssdagent cssdmonitor
Oracle ASM
GPNPD mDNS GIPC
CSSCRS EVM CTSS DISKMON
Oracle ACFS Drivers
Oracle Root Agent Oracle Agent
Disk Group
Default Listener
Oracle ASM
eONS GSD
Network
ONS
Oracle ACFS registry
SCAN VIPVIP
SCAN Listener
Database
Service
OHAS スタック
CRS スタック
Oracle Clusterware リソース
OC4J
Oracle Clusterware スタック
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CRSスタック
RACコンポーネント11gR1以前からあるもの
• Oracle Clusterware 上で動作するデーモンです。Clusterwareとは、独立したDBサーバーをクラスタとして動作させるために必須のソフトウェアです。各ノードの監視を行い、障害発生時には、指定の対処(自動起動など)を実行します。CRS,CSS,EVM等が存在します。
Voting Disk
• 各nodeからアクセス可能な領域に格納されたバイナリファイルで、node間通信の状況を記録しています。Interconnect障害が発生した場合、通信が不可能になったnodeと正常に稼働しているnodeの確認を行います。
OCR
• 各nodeからアクセス可能な領域に格納されたバイナリファイルで、Clusterwareの登録情報を確認します。
CRSリソース
• Oracle Clusterwareで管理されるリソースです。
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OHAS
RACコンポーネント11gR2から導入されたもの
• Oracle High Availability Service。11gR2からは、Oracle Clusterware起動の起点となります。11gR1までは、CRS,CSS,EVMです。
OLR
• Oracle Local Registoryファイル。Oracle Clusterwareのプロセスの属性情報を持つローカルのファイルです。OCRと管理対象は異なるものの、同一の構造を持ちます。
GPnP
• クラスタ構成情報をOCRと分離して管理するローカルのプロファイルです。11gR2からの、OCR、Votingディスク、そしてASMのSPFILEをASM管理するために利用されます。
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接続方式の比較VIPとSCAN
VIP1
LISTENER1
VIP2
LISTENER2
VIP3
LISTENER3
VIP4
LISTENER4
• VIP1, VIP2, VIP3, VIP4
•ポート番号
•サービス名
tnsnames.ora に接続文字列を定義
SCAN VIP1
SCAN LISTENER1
SCAN VIP2
SCAN LISTENER2
SCAN VIP3
SCAN LISTENER3
• SCAN 名
•ポート番号
•サービス名
EZCONNECT、tnsnames.oraも使用可能
従来の接続 (VIP) SCAN
SERVICE_A
VIP1
LISTENER1
VIP2
LISTENER2
VIP3
LISTENER3
VIP4
LISTENER4
SERVICE_A
接続に必要な情報 (従来)接続に必要な情報 (RAC 11g R2)
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ブロック競合発生時の動作
キャッシュフュージョン11gR1以前からの機能
• 要求されたブロックが他のnodeにて更新されていた場合、Interconnect間にてキャッシュフュージョンを行うことで、Diskへ書き出すことなく最新のブロックを取得することが可能
Node#1 Node#2
Buffer Cache Buffer Cache
CR
① Update
1
1 2
Node#1 Node#2
Buffer Cache Buffer Cache
Select
CR
2 2
1
② Select
① Node#1にて、ブロック
“1” を“2”へ更新
② Node#2からブロ
ックをselect
③最新ブロックをNode
間のキャッシュフュージョ
ンにて転送
③
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サービス11gR1以前からの機能
SERVICE_A SERVICE_B
Oracle Client 側
Oracle Server 側
• アプリケーションは「サービス」を指定してDB に接続
• 「サービス」がデータベースを仮想化
• サービスごとの統計の把握
• サービスとノードの対応の動的変更
• ノードのロードバランス
• 障害時のサービスのフェイルオーバー
SERVICE_A SERVICE_B
RACのメリットそのままに複数
アプリケーションの統合基盤として活用可能
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RACの設計 - OS設計
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物理設計OS設計
31
Oracle Database 11gR2にてGrid Infrastructure、および、Oracleデータベースのインストールを実施するにあたって基盤となるOSの設計に関する推奨事項を記載します。ここでは、11gR1以前と比較して、11gR2に導入されたGrid Infrastructureを使用する場合に考慮する点を記載します。
ユーザ設計
Oracleデータベースを使用するにあたって必要となるLinuxのユーザ設
定指針の決定
ディレクトリ設計
Grid Infrastructure及びOracleデータベースのインストールディレクトリ設
定指針の決定
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OS設計11gR2の考慮ポイント
32
インストールディレクトリ制限推奨値導入方針は、OFAに準拠したディレクトリ構成でインストールします。その際は、Grid InfrastructureとOracle データベースの製品インストール・ディレクトリはORACLE_BASEレベルで分割します。
設定理由・考慮事項原則は、サーバのディレクトリ管理規約に従います。ただし、特別な要件がなければ、製品が推奨しているOFA(Oracle Flexible Architecture)に沿ったディレクトリ構成でインストールします。Grid InfrastructureとOracleデータベースのインストール先は、ディレクトリ権限分離の観点から、片方の領域に包括される形ではなく、明確に分けることをお奨めします。
ディレクトリ設計
ユーザ設計
ディレクトリ設計
■Oracle DatabaseのORACLE_BASE:/<mount_point>/app/<oracle>■Oracle ClusterwareのORACLE_BASE:/<mount_point>/app/<grid>
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OS設計11gR2の考慮ポイント
33
Oracle製品インストールユーザ設定推奨値権限分掌の観点と、役割の明確化という観点からユーザを分割することを推奨します。
設定理由・考慮事項•11gR2からは、gridユーザ、oracleユーザ共に役目がわかれています。
gridユーザ:crsctlやsrvctlツールを利用したクラスタウェアの管理oracleユーザはsrvctlやSQL*Plusを利用したデータベースの管理
•ユーザの役割分割を行わない場合は、意図せず違うパスに存在している同一コマンドを実行してしまうリスクを避けるために、環境設定ファイル等でパスを変更することをお奨めします。
ユーザ設計
ユーザ設計
ディレクトリ設計
設定項目 設定値 説明
ユーザ名 grid Grid Infrastructureインストールユーザ
oracle Oracleデータベースインストールユーザ
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RACの設計 - Grid Infrustructure設計
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物理設計Grid Infrastructure設計
35
Grid Infrastructure関連の設計情報について記載します。全損すると、Clusterwareが正常に動作しなくなってしまうOCRとスピリット・ブレインを検知するために必要な投票ディスクに焦点を当てて記載します。
クラスタウェア構成ファイルOracle Clusterware Registry(OCR)及び投票ディスクの設計指針決定
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Grid Infrastructure設計11gR2の考慮ポイント
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デバイスの選択推奨値OCRおよび投票ディスクは、ASMディスク上に構成します。
設定理由・考慮事項11gR2より、RAWデバイス上で構築されたOCR、投票ディスクの使用がサポートされなくなりました。今後はASMディスク上にOCRおよび投票ディスクを構成することを検討してください。
クラスタウェア構成ファイル
クラスタウェア構成ファイル設計
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Grid Infrastructure設計高可用性の考慮ポイント
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OCRの冗長化推奨値OCRは二重化することを推奨します。
設定理由・考慮事項RAIDボリュームでの冗長化に加え、クラスタウェア側でも冗長化(2重化)します。OCRはOracle Clusterwareの構成情報を格納するために使用されています。RAIDボリュームの使用やストレージ・パスの冗長化、アレイ・コントローラの冗長化などにより、ハードウェアレベルでの耐障害性を高めるとともに、ソフトウェアレベルで2重化することを推奨します。万が一、このファイルのすべてが破損した場合、Oracle Clusterwareが正常に動作できなくなります。また、サイズは280MBが最低値となっていますが、余裕をもたせて500MB程度を推奨します。
クラスタウェア構成ファイル設計
クラスタウェア構成ファイル
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Grid Infrastructure設計高可用性の考慮ポイント
38
投票ディスクの冗長化推奨値投票ディスクは三重化を推奨します。
設定理由・考慮事項RAIDボリュームでの冗長化に加え、クラスタウェア側でも冗長化(3重化)します。投票ディスクには、ノードのメンバーシップ情報が記録されます。ノードは、過半数の投票ディスクに随時アクセスできる必要があります。複数の投票ディスクが同時に失われないようにするため、各投票ディスクは、異なる障害グループ(ASMの場合)に配置し、また過半数を明確にするという観点から3重化にて作成することを推奨します。
サイズは280MBが最低値となっていますが、余裕をもたせて500MB程度を推奨します。
クラスタウェア構成ファイル設計
クラスタウェア構成ファイル
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RACの設計 -ネットワーク/サービス設計
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物理設計ネットワーク/サービス設計
40
Oracle Database 11gR2にてネットワーク/サービス設計に関する検討ポイントを記載します。特にRACの特徴である、高可用性・拡張性・負荷分散に重要なネットワーク/サービス設計のポイントを記載します。
ネットワーク設計
SCAN接続を前提としたネットワーク設計を記載します。
サービス設計
通常接続時にどのノードに接続するかというサービスを設計します。
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ネットワーク/サービス設計負荷分散の考慮ポイント
ロードバランシング設計推奨値SCANリスナーを使用してください。
設定理由・考慮事項•クライアントが接続するSCANのIPアドレスはDNSのラウンド・ロビン方式で決定されます。•SCANはremote_listenerであり、クラスタの全サービス情報を保持しているので、サーバ・サイド・ロードバランシングの機能に基づき接続先のVIPをクライアントに返します。•クライアントはSCANから返されたVIPに接続します。
ネットワーク設計
ネットワーク設計
サービス設計
SCAN VIP1
SCAN LISTENER1
SCAN VIP2
SCAN LISTENER2
SCAN VIP3
SCAN LISTENER3
VIP1
LISTENER1
VIP2
LISTENER2
VIP3
LISTENER3
VIP4
LISTENER4
クライアント・サイド・ロードバランシング
サーバ・サイド・ロードバランシング
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ネットワーク/サービス設計高可用性の考慮ポイント
42
ネットワーク設計
ネットワーク設計
サービス設計
フェイルオーバー設計推奨値SCANリスナーを使用してください。
設定理由・考慮事項•接続時フェイルオーバーはRAC構成では必須構成となっており、デフォルトでONに設定されています。•SCANリスナーを使用すると、初期化パラメータのremote_listenerに自動的にSCAN名が記載され、フェイルオーバー時に他のSCANリスナーに接続します。
自動的に接続時フェイルオーバー(明示的な設定は不要)
SCAN Listener1
SCAN Listener2
SCAN Listener3
障害
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ネットワーク/サービス設計拡張性の考慮ポイント
43
ネットワーク設計
ネットワーク設計
サービス設計
リスナー構成推奨値SCANリスナーを使用してください。
設定理由・考慮事項•接続時にVIPを指定する必要がなく、SCAN名を指定して接続が可能です。•クライント側にはSCAN名のみを記載するため、ノードを追加する際にも、クライアントに接続先情報を追加する必要がなくなります。•ただし、アプリケーション・パーティショニングが行われている環境では、接続するノードを指定する必要があるため、SCANリスナーを使用しないことを検討してください。
SCAN VIP1
SCAN LISTENER1
SCAN VIP2
SCAN LISTENER2
SCAN VIP3
SCAN LISTENER3
VIP1
LISTENER1
VIP2
LISTENER2
VIP3
LISTENER3
VIP4
LISTENER4
• SCAN 名
•ポート番号
•サービス名
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ネットワーク/サービス設計11gR1以前のネットワーク設計
44
ネットワーク設計
ネットワーク設計
サービス設計
従来のtnsnames.ora接続先名 =(DESCRIPTION=(ENABLE=BROKEN) (FAILOVER=on) (LOAD_BALANCE=on) (ADDRESS_LIST=
(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=svr01-vip)(PORT=1521)) # VIPホスト名、ポート番号(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=svr02-vip)(PORT=1521)) # VIPホスト名、ポート番号(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=svr03-vip)(PORT=1521)) # VIPホスト名、ポート番号(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=svr04-vip)(PORT=1521)) # VIPホスト名、ポート番号
)(CONNECT_DATA=
(SERVICE_NAME=TEST_SERVICE) # 登録サービス名)
)
ENABLE=BROKENOracleクライアント側で TCP KeepAliveを有効にするために必要な記述です。FAILOVER=ON接続時フェイルオーバー を有効にするためのパラメータです。接続時フェイルオーバーを有効にすることを推奨します。LOAD_BALANCE=ONロードバランスを有効にするためのパラメータです。ロードバランスを有効にすることを推奨します。
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ネットワーク/サービス設計負荷分散の考慮ポイント
45
サービス設計
ネットワーク設計
サービス設計
SERVICE_A SERVICE_B
キャッシュフュージョンが大量に発生する場合は、両ノードで更新処理を行わず、片ノードに処理を寄せることを検討する。
キャッシュ・フュージョンの発生量推奨値1つのサービスを複数ノードに配置する場合は、キャッシュ・フュージョンを始めとしたノード間通信によるオーバーヘッドに注意してください。
設定理由・考慮事項•特定のテーブルに大量の更新が行われるようなシステムでは、キャッシュフュージョンが大量に発生し、パフォーマンスが劣化する可能性があるので、接続先を片ノードに寄せることを検討してください。•キャッシュフュージョンが発生しないようなシステムでは、負荷分散という観点では、両ノードに接続することをお奨めします。
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ネットワーク/サービス設計負荷分散の考慮ポイント
46
サービス設計
SERVICE_A SERVICE_B
他システムの処理の影響を受けてはいけないシステムがある場合には、
そのシステムのみでサービスを作成することを検討してください。
ネットワーク設計
サービス設計
重要システムの有無推奨値1つのノードに複数のサービスを配置する場合、サービス間の干渉に注意してください。
設定理由・考慮事項•各サービスはインスタンスのリソース(CPU、バッファ・キャッシュ、共有プール等)を共有します。そのため、同一インスタンス上に配置された別のサービスの性能に影響を与える可能性があるので注意してください。•他のシステムの影響を受けてはいけないシステムがある場合は、そのシステムだけでサービスを作成することを検討してください。
Copyright© 2011, Oracle. All rights reserved.
ネットワーク/サービス設計高可用性の考慮ポイント
47
サービス設計
SERVICE_A SERVICE_B
SERVICE_A(Available)
SERVICE_B(Available)
片ノードでサービス(Preferred)を構成し、障害時に他ノードでサービスが起動するように、
サービス(Available)を構成する。正常時の処理を、ノードで処理可能な処理量の50%で構成すれば、障害時に縮退なしで稼働することが可能。
ネットワーク設計
サービス設計
縮退時の接続推奨値フェイル・オーバー先のノードに他のサービスが配置されている場合には、フェイル・オーバー先にてサービス間の干渉が起こらないように注意してください。
設定理由・考慮事項•縮退運転を許容しないシステムでは、片ノードに接続するサービス設計を検討してください。障害時には、他ノードでサービスが起動するように、サービスをPreferredとAvailableで構成してください。•処理量は縮退時に他ノードのサービスが移動することを考慮して構成してください。•縮退運転を許容するシステムでは、負荷分散という観点から両ノードに接続するサービス設計を検討してください。
Copyright© 2011, Oracle. All rights reserved. 48
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まとめ
Copyright© 2011, Oracle. All rights reserved. 49
RACの物理設計RACの3つの特徴
• 高可用性
• データベースを複数のインスタンスで管理しているので、
データベースサーバに障害発生してもサービスが継続可能
• 拡張性
• スケール・アップのみではなく、スケール・アウトによる
拡張も可能
• 負荷分散
• 複数のインスタンスで並列処理を行うことができ、
柔軟に負荷分散可能
ハードウェアリソース ソフトウェアリソース
+
Copyright© 2011, Oracle. All rights reserved. 50
まとめ
まとめ
• RACアーキテクチャを理解する• RAC概要を理解する
• 11gR2 RACを理解する
• RAC設計を理解する• OS設計を理解する
• Grid Infrustructure設計を理解する
• ネットワーク/サービス設計を理解する
RACを理解し、性能を最大限に生かす物理設計を身につける
Copyright© 2011, Oracle. All rights reserved. 51
OTN×ダイセミ でスキルアップ!!
※OTN掲示版は、基本的にOracleユーザー有志からの回答となるため100%回答があるとは限りません。ただ、過去の履歴を見ると、質問の大多数に関してなんらかの回答が書き込まれております。
Oracle Technology Network(OTN)を御活用下さい。
・一般的な技術問題解決方法などを知りたい!・セミナ資料など技術コンテンツがほしい!
一般的技術問題解決にはOTN掲示版の
「データベース一般」をご活用ください
http://forums.oracle.com/forums/main.jspa?categoryID=484
過去のセミナ資料、動画コンテンツはOTNの
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問題:
Oracle Databaseの最小構成はいくらでしょうか?
ヒント:
Oracle Standard Edition Oneを
5Named User Plus(指名ユーザ) というのが最小構成です。
問題:
Real Applications Clusters(RAC) Optionはいくらでしょうか?
ヒント:
RACはOracle Database Enterprise EditionのOptionです。
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