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手品のオープンソースとプレゼンを考える2.0 2012/09/23 K5(@K5_sem) TMSの集い

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手品のオープンソースとプレゼンを考える2.0

2012/09/23K5(@K5_sem)

TMSの集い

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本資料は2012/09/17の第2回TMSの集いで使用した資料を以下の方針で加筆修正したものです。

誤字・脱字→こっそり修正説明不十分な箇所→青字で記載

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自己紹介

● 名前→Keigo● HN→K5, K5_sem● 職業→情報系技術者(ソフトウェアエンジニア?)● 専門?

● 以前→データマイニング、機械学習● 現在→ソフトウェア工学

● 商用ミドルウェアの設計・開発、評価・検証● 商用OS(UNIX)のサポート● OSSの評価・検証・サポートなど

● 奇術→テーブル・ホッピング

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はじめに

● 本日の対談での見解は、OSS(Open Source Software)ビジネスに関わる一個人の見方であり、IT業界における統一見解ではありません。

● 厳密には正解ではないことを言うこともあるかもしれませんので、その旨ご了承ください。

● 話題を詰め込みすぎたので、わかりづらかったらすみませんm(_ _)m

● 「手品とOSS」より「手品とIT」のほうが適切だったかも

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本日の流れ

● 1.OSS概説● 2.手品業界とIT業界の比較● 3.手品業界とIT業界の特徴について

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<第1部>OSS概説

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OSSとは何か?● 以前

● フリーの人が作る● 商用ソフトに対する選択肢の一つ(コスト削減)● ソースコードを公開している● ソフトウェア開発→販売というビジネスモデルの破壊● 1強への対抗策

● 最近● オープンイノベーションの事例● 理想的なソフトウェア開発(ハッカー至上主義?)

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[補足]Open **について● オープンコーラ

● 製法が自由に手に入り、その改変も自由という、ユニークなコーラ。GPL(GNU General Public License フリーソフトウェアライセンス)のもと、誰もが作ることができ、レシピを改良することもできる

● OSSの説明のための例え● GPLの考え方はソフトウェアに限定していない!!

→オープン二郎、オープン手品etcもOK

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OSSの定義(The Open Source Definition(OSD))

OSI(Open Source Initiative)によるOSSの定義

● (1)自由な再頒布

● (2)ソースコードの自由な再頒布

● (3)派生ソフトウェアの自由な再頒布

● (4)著者のソースコードの完全性

● (5)個人やグループへの差別禁止

● (6)利用分野の差別禁止

● (7)追加的ライセンスの禁止

● (8)特定製品への依存の禁止

● (9)ほかのソフトウェアへのライセンス制限の禁止

● (10)許諾の特定技術への依存禁止

=>「無料でなければならない」「課金不可」という定義はない。  (GPLには「課金する自由」も記載されている)   ライセンスは70種類以上。使用の際は当該ライセンスの原文を把握  

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OSSのトレンド

導入するレイヤーが変化している

● 以前● インフラ

– OS→Linux(Cent OS, Fedora)

– ミドルウェア● Web/APサーバ→Apache,Tomcat,JBoss● DB→PostgreSQL, MySQL, Firebird● 運用・管理→Hinemos, Nagios, Zabbix

● 近年● クライアント、Webサービス

– Ubuntu、CMS(Contents Management Service)など

● 最近● ハードウェアとの連携の強化?(後述)● (マジックは富裕層の娯楽から大衆娯楽になった!?)(後述?)

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OSSビジネスのトレンド

● 市場での扱い● 市場規模増加、導入事例増加

● ビジネスの形態● 商用製品→OSSベースに改良したソフトを販売● テクニカルサービス→システム構築支援● サポートサービス→問い合わせ対応・障害対応など● サブスクリプション→一定期間ソフトウェアのアップデートやサポートを受ける

など。上記の組み合わせなども含めて様々なパターンあり。

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OSSの問題点

● OSSへの大企業のアプローチ● 特許を武器にした攻撃、コアメンバの買収

● 非営利団体(orボランティア)による運営● 運営側の負担増● ノブレス・オブリージュ(スポンサー企業)

● ドキュメントが少ない● ソースコードが公開

● 脆弱性の発見&危機にさらされる

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<第2部>手品業界とIT業界の比較

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共通するトピック

● 1.社会における定義や位置づけの変化● 2.スキルセットの変化● 3.非営利団体への依存度● 4.顧客/オーディエンスの認識の変化

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1.社会における定義や位置づけの変化

● IT業界(大型計算機)→ソフトウェア開発→パッケージ/ライブラリ開発→ソリューション提供/サポートサービス→付加価値(複数レイヤーにまたがった価値創造)

● 手品業界(宗教・まじない)→ステージ(イリュージョンetc)→クロースアップ(バー、レストラン)→繰り返し視聴(Webサービス連携?)→新しい価値(複数レイヤー→単独ライブ?、演技のコンサル)

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1.社会における定義や位置づけの変化

● IT業界● More is different(フィリップ・アンダーソン博士)

– レイヤーの優劣(すごい/偉い)はない(1972年のScienceにて)→「○○を作るのが花形」のような認識は違う!!

● ハードを持つ意味の変化(まつもとゆきひろ氏(Rubyのパパ))– 今はマシンを持つことが資産ではなく負債になっている

● 水平分業で勝てるほど、世界は単純じゃない(中央大学竹内教授)– ハードからソフト、サービスまで垂直統合した知見

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1.社会における定義や位置づけの変化

● 手品業界● 宗教・まじないと共に発展

– 卑弥呼、安倍晴明、空海(弘法大師)– 魔女狩り

● エンターテイメント/ショービジネス– 見世物小屋(室町時代~)– ホール・劇場(近代)– バー・レストラン– Webサービス(←今ここ)– →これからどうする?

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2.スキルセットの変化

● IT業界● 要素技術

– 優秀なエンジニアの定義の変化優れたコードを書く人→ITを使いこなす人

– what(原理探求)よりhow(問題解決)の時代– コモディティ化によるハード単体の差別化の難化

● 付加価値が必須● クラウドサービス+ハード?(最近のWebサービス、シリコンバレー)

● マーケティング– インターネットが中抜き業者の価値を失くした!?– 営業に任せる→技術営業ができるエンジニア

(ex.名刺に書くのはgithubへ公開しているOSS)

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2.スキルセットの変化

● 手品業界● 要素技術

– 手品以外の知識・やり方が必要になってきてる?● タネと技術だけでは無理(演出とか)● 皆でネタを作る時代!?(個人からチーム)

– ex.シルクドソレイユ、シェークスピア?– 演じる場の増加

● テレビ、インターネット

● マーケティング– ファンへの公開情報の変化

● 受賞歴、出演歴etc→演技動画、Webサービスとの連携(ex.TwitterなどSNS)

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3.非営利団体への依存度

● IT業界● 企業

– カンファレンスへの出展→ノブレス・オブリージュ(位高ければ徳高きを要す)

● 個人– コミュニティ運営、OSSという文化振興

→ボランティア。彼らは勝手に好きでやっている?

● 手品業界● 企業

– パトロン/スポンサーいない。むしろ探すべき?

● 個人→アマチュアの多大な功績– 創作(作品、技術)

– 運営(コンテスト)

→彼らのバックアップは誰?

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4.顧客/オーディエンスの認識の変化

● IT業界● インフラ● Webサービス(皆が使うもの)

● 誤った認識● ソフトウェア=タダ、誰かが実装してくれる

– 電気ガス水道と同じでタダで普通にあるものではない● タダなのに、なんで金を使う?

– 使いこなすには知識・技術が必要● 良い食材と調理器具があっても、調理人がダメなら美味しいものは作れ

ない、ということが伝わってない!?

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4.顧客/オーディエンスの認識の変化

● 手品業界● 劇場で見る● テレビで見る● バー/レストランで見る● ネットで見る

● 誤った認識懸念事項● 金払ったのになんで騙されないとだめ?● タネを知ってるからわざわざ見にいかなくていい?

→演者が頑張ればすむ問題?そもそもネット等の認識を変えないと 演者が頑張っても無駄?=>演者が頑張ることで認識を変えられるもの?

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<第3部>手品業界とIT業界の特徴について

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モノ作りのノウハウ(IT業界→手品業界)

● UNIX哲学● ソフトウェア開発に関する文化的な規範と哲学的ア

プローチのまとまりであり、UNIX OSの先駆的な開発者たちの経験に基づいている。

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モノ作りのノウハウ(IT業界→手品業界)

● マイク・ガンカーズ(X Window System開発チームの一員が創出したUNIX哲学● 小さいものは美しい。● 各プログラムが一つのことをうまくやるようにせよ。● できる限り原型(プロトタイプ)を作れ。● 効率よりも移植しやすさを選べ。● 単純なテキストファイルにデータを格納せよ。● ソフトウェアの効率をきみの優位さとして利用せよ。● 効率と移植性を高めるためにシェルスクリプトを利用せよ。● 束縛するインターフェースは作るな。● 全てのプログラムはフィルタとして振る舞うようにせよ。

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プレゼンのノウハウ(IT業界→手品業界)

● ガー・レイノルズ著「シンプルプレゼン」● プレゼンの実施期間を4つに分けるべき

– 開始直後● CONNECT(つながる)

→パンチ(PUNCH)、存在感(Presence)、投影(Projection)

– 中盤前半● ENGAGE(絆を深める)

→情熱(Passion)、近接性(Proximity)、遊び(Play)

– 中盤後半● SUSTAIN(維持する)

→ペース(Pace)、参加(Participation)

– 終了● POWERFUL(力強く終わる)

→一貫性(Persistence)

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モノ作りのノウハウ(手品業界→IT業界)

● Eberhard Riese(独:エバーハード・リーゼ)● マジックの演技は以下の6つの順で構成すべし

– ①キャラクター– ②衣装– ③全体のデザイン– ④音楽と見せ方– ⑤道具(タネ/テクニック)とその道具が引き起こす現象– ⑥演技のテーマ(中心になる事柄と筋書き)

→(通常のマジック番組よりも種明かし番組が高視聴率をとってしまうのがテレビ

などの実情?ですが)エブズ氏によれば、タネの部分は優先順位は低い

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モノ作り/プレゼンのノウハウ(手品業界→IT業界)

● 定評のある理論書● アスカニオ「マジックの構造に関する考察」● タマリッツ「Five points of Magic」● ゲイ・ユンバーグ「オーディエンス・マネジメン

ト」

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IT業界の文化紹介(勉強会の文化)

● 「勉強」会● 切磋琢磨→JCMAアカデミー?

→切磋琢磨できる場が手品業界は少なすぎでは?● 情報交換→JCMAマジックサークル?

● 勉強「会」● ただのオフ会→MMLオフ会?● 交流メイン→関東/関西大学奇術連盟?

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おわりに● 日常生活へのITの浸透やOSSなどの文化の発展は止められない● どんどん変わっていかないとダメ

● 強い者が生き残ったわけではない。賢い者が生き残ったわけでもない。変化に対応した者が生き残ったのだ(チャールズ・ダーウィン『種の起源』…実は違うらし

いが)

● 成長につながることはどんどんやりたい

● エンジニアとして

– コアな技術の習得、プレゼンスキルの向上● マジシャンとして

– 理論書の輪読・勉強会、アクトの完成

→それぞれの使える文化(考え方)は積極的に取り入れて利用すべき!!

以上。