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Our mission in action 世界をリードする科学サービス企業 CSR レポート 2014

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Page 1: Our mission in action - Thermo Fisher Scientific - US...Our mission in action 世界をリードする科学サービス企業 CSRレポート 2014 CEOメッセージ 1 持続可能な事業活動

Ourmissionin action

世界をリードする科学サービス企業

CSR レポート 2014

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CEO メッセージ 1

持続可能な事業活動 2

社員の参画 6

慈善活動 10

目 次

2

6 12

当社の事業活動持続可能な事業活動の実践は、当社のミッションに対する取り組みの重要な部分を占めています。私たちは、お客様のニーズを満たし、新たな業界標準を打ち立てる製品の開発に努める一方で、卓越したオペレーションに注力し、環境に責任を持つ企業であり続けます。

サーモフィッシャーサイエンティフィックの CSR 戦略は、事業活動、社員、慈善活動の 3 つの要素で構成されています。各要素が当社の経営と深いつながりを持ち、互いに密接につながっています。各要素は当社の 4i バリューである、Integrity (高潔さ)、Intensity (熱心さ)、Innovation (革新)、Involvement (参画意識)とも結び付いています。CSR への取り組みが、当社の企業文化の強化と日々の意思決定に役立っています。

当社の社員グローバルな人材市場で選ばれる企業であるために、当社はダイバーシティ& インクルージョンを推進し、安全かつ生産性の高い職場の中で、社員が常に学び成長することができる機会を継続的に提供します。

当社の慈善活動当社は、ミッションに合致した活動に財政的支援を提供するだけでなく、実践的な貢献プログラムを通した専門知識の提供と社員の参画によって、私たちの生活や仕事の場である地域社会に貢献します。

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progressMaking

2014

当社ではすべてのことが、「世界をより健康で、清潔で、安全な場所にするために、お客様に製品・サービスを提供する」という私たちのミッションから始まります。私たちの CSR 戦略は、このミッションの達成を後押しするものであり、私たちはお客様の目標達成を支援できる自分たちの仕事に誇りを持っています。

例えば 2014 年は、エボラ出血熱流行の封じ込めや救援隊員の安全確保、火山ガスの気候への影響に対するモニタリング、汚染された食品をより迅速に特定する検査の開発、犯罪解決を支援する法医学的証拠の提供などにおいて、当社は革新的な技術・サービスを提供してきました。CSR 戦略を通して、当社は成長し、社員はさまざまな活動に参加し、結果として世界に貢献することができます。

継続的な改善による貢献私たちは、お客様へ提供する製品・サービスをたゆまず改善することに注力していますが、PPI(Practical Process Improvement:実用的なプロセスの改善)というプロセスを用いてこれを実践しています。2014 年においても、PPI を通して、事業活動の持続的な取り組みと CSR 活動の両方を推進してきました。例えば、当社の 13 の拠点において廃棄物ゼロを達成し、合計で約4,000トンの埋め立てごみの削減を行いました。また、当社施設の効率向上と環境への負荷削減のため、新たなエネルギー削減目標を策定しました。

社員による貢献世界 50ヵ国、5 万人の社員が、世界で最も称賛される企業の一つとして CSR 活動に尽力しています。2014 年の継続的な成長とともに、当社は Community Action Council(CAC:コミュニティ・アクション・カウンシル)の活動を拡大してきました。この活動は、社員が新しいスキルを身につける機会となるとともに、私たちの生活や仕事の場である地域社会に貢献するものです。教育や地域貢献活動、健康などをサポートする団体に協力し、何千時間にも及ぶボランティアに従事する社員たちに、私自身も刺激を受けています。他にも職場では、Employee Resource Group(ERG:エンプロイー・リソース・グループ)というプログラムがあり、女性、アフリカヘリテイジ、ミレニアル世代、兵役経験者をテーマにしたプログラムが開催され、社員が独自の経験を共有し、違いを受け容れ、成長を推進する機会となっています。

慈善活動による貢献2014 年 は Charitable Giving Program

(慈善事業への寄付プログラム)を拡大し、社員が希望する慈善団体への寄付や、マッチング募金の要望をさらに出しやすくしました。社員個人および会社としての寄付を合わせ、2014 年は 100 万ドル以上の寄付を行いました。また、当社の奨学金制度および STEM(科学、技術、工学、数学)プログラムは、小学校から大学院生に至るまで、世界中の学生たちに STEM 分野を追求する機会と自信を与えています。

このレポートでは、当社がいかに CSR に取り組み、そして事業活動を推し進めているかを示す多くの事例をご紹介しています。私たちはこれまでの成果に誇りを持っていますが、まだまだやるべきことがたくさんあることも認識しています。当社の掲げる 2020年のビジョンの達成を目指すうえで、持続可能な事業活動、社員の参画、慈善活動は私たちの戦略にとって不可欠な要素です。当社は常に前進し、業界におけるリーダーとしてのポジションを強固なものとしています。

マーク・N・キャスパー(Marc N. Casper)プレジデント兼 CEO

CEO メッセージ

1CSR レポート 2014

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持続可能な事業活動

お客様、社員、投資家の皆様、地域社会のニーズを満たすことが、ビジネスの生産性、オペレーション効率の向上、持続可能な成長に注力する当社の原動力となっています。Practical Process Improvement(PPI:実用的なプロセスの改善)は、当社の成長を支える業務運営の規律の根幹です。当社は PPI ビジネスシステムによって、お客様へのサービス提供における継続的な改善を推進しながら、CSR の取り組みも強化しています。PPI は単に事業運営を管理するシステムではなく、当社の骨組みの一部なのです。

CO2 排出量の削減2013 年から 2014 年にかけて、当社は温室効果ガスの排出量を 10% 削減しました。また、再生可能エネルギーを使用する新しい機会も継続的に追求してきました。こうした取り組みによる改善が、Carbon Disclosure Project(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)へ年次報告の一部として報告され、評価されています。

2014 年の PPI イニシアチブによって、当社は 1 億 5,000 万ドルに相当する生産性の向上と廃棄物削減を達成しました。2012年にこのデータを取り始めて以来、PPI を通じた累積の節約額は 3 億ドル以上に上ります。この中には、製造に使用される資源、輸送、お客様による製品使用や廃棄の削減につながる製品面でのイノベーション、そして当社施設における廃棄物の削減や再生可能エネルギーの増加といった運用面での改善の両方が含まれています。いくつかの例をご紹介します。

• 国際的な保健衛生機関と協力し、エボラ出血熱の新しい検査法の迅速な推進に貢献

• 再利用可能な研究用スライドの導入により廃棄物を 49トン削減

• 廃棄物ゼロ達成−13 拠点で無害廃棄物の 90% をリサイクル

PPI の継続的プログラムの一環として、当社は以下の活動を通して生産性の向上と廃棄物の削減を図っています。

• 電力効率向上プログラムの実施• 再利用可能なパッケージの開発• リサイクルの増加と廃棄物の削減• 空間をより効率的に活用することにより、

会社の成長に伴う新しい建物のニーズを削減

• 健康増進イニシアチブによる休業災害の削減と、より健康的で安全な職場環境の実現

MAK

ING

PROG

RESS

PPI イニシアチブでの生産性向上による節約額 : 2013 年と 2014 年の比較

1億1,200万ドルから

1億5,000万ドルへ

拠点で休業災害ゼロ 100 万時間以上を達成

業界平均を 94% 下回る 休業災害発生率

(LTIR)

安全な職場環境の確保

38

0.52

持続可能な事業活動生産性の改善による CSR の向上 : (Practical Process Improvement: 実用的なプロセスの改善)

T H E R M O F I S H E R S C I E N T I F I C2

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POROS クロマトグラフィー用レジンの製造の最終段階では、洗浄容器(左の写真)を流れる一定の水流が必要です。水流量を増やすことで、このステップにかかる総時間を削減でき、年間約 1,325m3

(35 万ガロン)の節水を実現しました。

水の節約

エボラ出血熱への国際的な対応を支援

より良い環境フリーザーの中も外も

Thermo Scientific™ TSX Series の新しい超低温フリーザーは、マイナス 80℃で作動し、エネルギー消費量は以前のモデルと比較して半分(1 日当たり9 kw 時未満)となっています。TSX は、天然の炭化水素冷媒を使用し、廃棄物ゼロの施設で製造されています。

Applied Biosystems™ POROS™ クロマトグラフィー用レジンの製造における洗浄プロセスは、樹脂ビーズを常に水で洗い流すため、以前は 14 日および 21 日のサイクルタイムが必要とされました。当社は、製品の品質を維持しながら、各プロセスのサイクルタイムを 6 日まで短縮し、水の使用量および廃水を 60% 削減しました。また、年間 7,100kgのエタノールの節約、労働時間および在庫維持費の削減にもつながり、新しい洗浄用容器の将来的なスペースや購入コストも不要となります。

最近のエボラ出血熱による甚大な影響を受けて、サーモフィッシャーは世界保健機関(WHO)や米疾病管理センター(CDC)などの国際的な保健衛生機関と密接に協力し、流行の封じ込めに貢献してきました。社内の部門横断型チームが、世界中の保健機関や公衆衛生ラボ、他のパートナー機関の担当者たちと連日会議・調整を重ねました。こうした会議において、当社のチームは、公衆衛生緊急事態の管理についての専門知識を提供し、遠隔地での使用に適切な機器や消耗品、試薬、安全保護具などの確保を行いました。

3CSR レポート 2014

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再利用可能な研究用スライドで先を行く使い捨てアクリル製スライドによる影響はささいなものと思われるかもしれません。しかし当社は、再利用可能なスライドを導入することにより、お客様が製品を使用する際に発生する廃棄物の削減を可能にしました。消費量が多ければ、小さな製品であっても節約によって削減できる量は軽視できません。Invitrogen™ Countess™ II FL 自動セルカウンターと業界唯一の再利用可能スライドによって、向こう5 年間で推定 49トン相当の使い捨てスライドを削減することができます。再利用可能スライドを使用しなければ、これだけの大量のスライドがお客様へ出荷され最終的に廃棄されるのです。

お客様の廃棄物削減当社は毎年、何十万もの製品やマニュアルをお客様へ出荷しています。これらのマニュアルを電子版にすることで、紙の使用を削減、お客様の廃棄物を最小限に抑え、コストを削減しました。2014 年は、紙のマニュアルを約 468,000 部減らし、コストを 331,000ドル削減しました。

持続可能な事業活動

10% 温室効果ガス排出量削減

13,760 m3(360 万ガロン )

節水量(データは年間収益に基づき正規化)

10,000 トンリサイクルした廃棄物の量

13 拠点廃棄物ゼロの認証を取得

センター・オブ・エクセレンスで高い環境水準を設定2014 年、サーモフィッシャーはカリフォルニア州フレモントに最新のセンター・オブ・エクセレンスを開設しました。

• エネルギーコード基準よりも HVAC(冷暖房空調設備)効率を 17% 高めた設計

• 低排出・低燃費車用の駐車スペースと充電スタンドを完備

• 建物の構造用鋼の 90% 以上にリサイクル鋼を使用

• 自生植物の植栽で、屋外での水の使用をほぼゼロに

Countess II FL 自動セルカウンターは、再利用可能なガラススライドに対応しており、長期的なコストを大幅に削減することが可能です

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廃棄物ゼロを目指してエネルギー消費量の削減とともに、当社は埋め立てごみの排出量削減にも努めています。廃棄物ゼロの認証を取得した 13 施設の 1 つであるスコットランドのインチナンの施設で、この認証を目指す決定に至ったのは、2 つのグループのステークホルダーがきっかけでした。本施設で EHS(環境・健康・安全)担当シニアマネージャーを務めるニック・フォークト(Nick Voigt)は、「この決定は社員の参画意識とお客様のニーズに耳を傾けたことがきっかけだった」と述べています。

廃棄物削減を目指す施設と、ウエストを絞ろうとダイエットに励む人には大きな共通点があります。それは、勢いを持続することが最大の課題だということです。定着した消費習慣を見直すこと、そしてできるだけ多くの人に参画してもらうことも大変重要です。「廃棄物ゼロを目指すということは、単にリサイクルを行うことではありません。材料を再利用し、余分なコストや廃棄物を最初から減らすにはどうしたらよいか、幅広く考えることが求められます。廃棄物の削減は、往々にしてファシリティ部門にその管理が委ねられがちですが、廃棄物ゼロ目標を達成するには、社員全員の参画が必要だということを私たちは分かっていました」とフォークトは言います。

インチナンの施設は、廃棄物ゼロを目指す過程で、社員の参画意識が高まっただけでなく、2,000トン以上の埋め立てごみのリサイクルを実現しました。廃棄物ゼロの認証は、お客様がサーモフィッシャーをサプライヤーとして選ぶうえで、重要な要素の 1 つとなっています。

米ノースカロライナ州 アシュビル

米カリフォルニア州 プレザントン

米オレゴン州 ユージーン

米メリーランド州 フレデリック

イギリス ウォリントン

スコットランド インチナン

オランダ ブレイスウェイク

ドイツ レーゲンスブルク

ドイツ ローネ

シンガポール マーシリング

シンガポール テュアス

米マサチューセッツ州 ベッドフォード

イスラエル キリヤット・シュモナ

廃棄物ゼロの拠点

400万ドル2012 年以来、廃棄物ゼロの施設合計で節約した金額

「廃棄物ゼロを目指す決定に至った理由は、環境に良いことをしたいという社員の希望と、エネルギー消費と廃棄物削減に関する当社の取り組みに関心を寄せるお客様がいたからでした」

EHS 担当シニアマネージャーニック・フォークト

持続可能な事業活動

5CSR レポート 2014

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当社の数あるエンプロイー・リソース・グループ(ERG)は、ネットワーク作りやメンタリング、成長の機会を提供する場となっています。ERG とは、共通の特性をもとに集まった、会社が支援する社員グループです。その目的は、多様なアプローチに光を当て、それを会社の成長と職業上の成長に活用していくことです。

新たに発足した兵役経験者の ERG は、女性、アフリカヘリテイジ、ミレニアル世代 ERGに続き、4 つめのグループとなりました。各グループが、幅広いウェビナー、ソーシャルメディア、リバースメンタリングプログラム、地域社会のネットワーク作りなどに参加し、主に若者たちに STEM(科学、技術、工学、数学)分野へのキャリアに関心を持ってもらうための活動を行っています。また、当社の ERG は、世界中での展開、地方支部の創設、メンバーの増加、社員の見識の収集と共有に注力しています。

最近ではミレニアル世代 ERG とアフリカヘリテイジ ERG がパートナーを組み、大ボストン都市圏(米国)のさまざまな学校でCitizen Schools’ Guest Teacher Day

(シチズン・スクール・ゲストティーチャーデイ)というイベントに参加しました。また、新たに発足した兵役経験者の ERG は、Employer Support and Guard Reserve

(ESGR:州兵・予備役兵への企業のサポートを目的とする米国防総省の部局による取り組み)の調印式において、兵役経験者・予備役兵社員への支援を確約するために、会社の経営陣に働きかけました。この支援の誓約は、当社 CEO のマーク・キャスパーが、米国防総省、Massachusetts Army National Guard(マサチューセッツ州陸軍州兵)および ESGR ボランティアメンバーと出席した調印式の場で正式なものとなりました。

世界中の ERG 支部の数

ERG に参加する社員数

7,600 名

40

社員の参画社員が成長し、能力を最大限に発揮し貢献できるような、多様性を受け容れる職場を形成

サーモフィッシャーでは、複数のアプローチを用いて職場および地域社会への社員の参画を推進しています。社員ボランティアは、コミュニティ・アクション・カウンシル(CAC)を通じた数多くの取り組みを主導しています。CAC は世界中の約 50 の拠点で、さまざまな活動を組織する一方で、社員にリーダーシップ力を養う場を提供しています。

社員は年間で何千時間もの時間を、健康やサイエンス教育、地域社会の発展など幅広い慈善活動を支援するために費やしています。各社員は会社主催のイベントで、8 時間のボランティア活動を行うことができます。

多様な声を力に

CAC は地域社会活動でボランティアを行う枠組みと時間を社員に提供

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世界中で参画当社の世界中の社員が、さまざまな新しい方法で地域社会に参画しています。いくつかの例をご紹介します。

化学オリンピックスペインの CAC 主催のイベントの一環として、バレアレス諸島で行われた第 27 回化学オリンピックの参加者と社員がパルマ・デ・マヨルカで対面しました。毎年開催される本イベントは、国のプログラムの一つとして、高校での STEM 教育の促進を目的としています。

STEMデザインチャレンジAllegheny Intermediate Unit(ペンシルベニア州教育省の支部)とのパートナーシップのもと、サーモフィッシャーの CAC が、地元の中学校において設計や工学の課題に取り組むイベントを開催しました。社員は、ペンシルベニア州、マサチューセッツ州、ノースカロライナ州の学校で累計約 600 時間のボランティア活動を行いました。

エンジニア学会サイエンスカップデ ン マ ー ク の Society of Engineers’ Science Cup(エンジニア学会サイエンスカップ)コンペティションに向けて、サーモフィッシャーはデンマークのロスキルドにある施設に高校生のグループを招待し、当社がいかにイノベーションを採り入れているかを学んでもらう機会を設けました。

選ばれる企業当社は、キャリアをスタートし、積み上げ、継続したいと人々に思ってもらえる企業になることを目指しています。まず何よりも、社員自身にこの会社で働きたいと思ってもらえる企業になるべく、努力しています。その一環として、2014 年後半には世界中で社員意識調査を開始しました。結果を注意深く分析することで、当社の強みとさらに改善できる分野を明らかにし、行動計画を立てて改善を図っています。

リトアニアで最優秀企業賞に外部団体によってサーモフィッシャーでのキャリアの価値が評価されることは、喜ばしいことです。当社は光栄にも、リトアニアの社会安全労働省から「Employer of the Year(最優秀企業賞)」(リトアニアで最高の CSR アワード「National Responsible Business Awards(責任あるビジネス賞)」プログラムの一部)に選出されました。外国企業部門での受賞となった本アワードでは、ヴィリニュスにある当社のセンター・オブ・エクセレンスが、若い社員を惹き付け、大学と緊密に協力し、好ましい職場環境を提供しているとして評価されました。また当施設は、リトアニア・ビジネスリーダー・アワードの Environmental Protection Enterprise of the Year(最優秀環境保護企業賞)にも選ばれました。

中国で最優秀企業賞にまた、中国の上海でも、Zhaoping.com、そして北京大学の CSR および企業ブランドコミュニケーションリサーチセンターの調査に基づき、当社がトップ 30 企業に選出されたことを光栄に思います。このアワードでは、社員が会社の目標達成のために最大限の能力を発揮できるよう支援することを目的とした、当社の業績管理と人材育成プロセスが評価されました。

7CSR レポート 2014

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120,000 食飢餓に苦しむ人たちに提供した食事の数

社員の参画

2014 年、エナクタスの地域および国内大会の一環として行われる、社会的に責任のある事業計画の策定において、サーモフィッシャーは何十もの学生チームを支援

エナクタス(Enactus)は、ビジネスリーダーや高等教育機関と協力し合い、大学生が地域社会で貢献し、社会的に責任あるビジネスリーダーになるうえで必要なスキルを育成するための国際団体です。2014 年、ブラジルと中国のサーモフィッシャーの社員は、それぞれの国のエナクタスチャンピオンシップ大会を支援しました。

毎年、当団体は地域大会を開催しています。そこでは学生チームが、助けを必要としている人々の生活の質を改善するための支援プロジェクトを策定し、競い合います。

ブラジルでは、サーモフィッシャーのラテンアメリカ&ブラジルのバイスプレジデントで あ るロ ベ ルト・メンデ ス(Roberto Mendes)とラテンアメリカの人事ディレクターであるマヌエラ・ベルニス(Manuela Bernis)が、学生のプレゼンテーションの審査員として参加しました。「プロジェクトの多くが、人々の生活を向上させる大変効果的なものでした。そして学生たちの、誰かを支援したい、という情熱に驚かされました」とメンデスは述べています。また、社員はキャリアフェアにも参加し、何百人もの学生とキャリアの機会について話し合いました。

中国の社員は数年にわたってエナクタスを支援しており、メンターや審査員として参加し、学生プロジェクトの資金調達もサポートしています。当社は 35 の学生チームを援助し、45 名以上の社員が地域および国内大会で、ボランティアとして審査員を務めました。また 350 名以上の社員が資金調達レースに参加し、他の社員たちもビジネスアドバイザーや学生たちのメンターとしてボランティアを務めました。サーモフィッシャーは、中国の国内大会トップ 4 のうち 3 つのチームを支援しました。その 1 つが河北省保定の華北電力大学チームで、「持続可能な電力供給がいかに生活を向上させるか」というプロジェクトで優勝しました。エナクタスとのパートナーシップの結果、当社はNational University Charity Forum(ナショナル・ユニバーシティ・チャリティ・フォーラム)から 2014 年 Best Charity Driveアワード(最優秀慈善活動賞)を授与されました。

より強力な地域社会を目指し学生たちが参画

400 名STEM メンタープログラムに

参加した社員数

30,000 時間社員によるボランティア従事時間数

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カリフォルニア州エスコンディード市ノースブロードウェイ小学校校長 ジェイソン・ホフ(Jason Hoff)氏

「我が校の児童たちは、とても明確な形で自信を与えてもらいました。サーモフィッシャーが児童たちの学習に投資をし、科学が面白くて親しみやすいということ、一生をかけて取り組めるものだという考え方を育む手助けをしてくれたのです」

科学で児童たちにひらめきを当社のカリフォルニア州カールズバッドの施設が、地元の小学校との連携に乗り出し、児童や先生たちとともに時間を過ごし、資金面でも貢献したことで、児童たちに提供できる科学教育の質があっという間に劇的に変化しました。

2011 年からの 4 年間のパートナーシップは、当社の科学者たちが、InnovatioNation 教育支援プログラムの一環として小学校を訪問したところから始まりました。児童たちもまたサーモフィッシャーの施設を訪れ、ファミリーサイエンスナイトに参加し、自分たちの科学プロジェクトを発表しました。本プログラム開始後たった 1 年で、5 年生の標準テストの点数は23% も跳ね上がり、その後も高い点数を維持しました。

5年生の担任教師であるレベッカ・ジャバーグ(Rebecca Jaburg)氏はこう述べています。「私たち教師は 3 つの壁に直面しています。お金、時間、そして州が定めるカリキュラムです。実験器具などを購入する予算がない中、興味を惹き付ける科学実験を行うことは困難です。InnovatioNation プログラムとの関わりは、科学教育を進歩させることができると私たち全員に教えてくれました。私たちはまた、科学者たちのコミュニティとつながりを持つことで得られる価値や、本プログラムが児童たちに与えるインスピレーションの素晴らしさを学びました」本プログラム創設以来、サーモフィッシャーは 50 校、4,000 人を超える児童たちと関わり、1,000 人近い社員が合計 2,000 時間以上の時間をボランティアとして費やしました。

社員の参画

9CSR レポート 2014

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慈善活動社会に還元する責任に取り組む

業界における比類なきリーダー企業として、当社は次世代の科学者たちに刺激を与え支援する責任があることを認識しています。この姿勢は、奨学金へ資金提供を行う数百万ドル規模のプログラムやダイバーシティ推進、STEM 教育への支援など、当社が行っている慈善活動の規模と範囲に反映されています。こうした活動の多くは、サーモフィッシャー・サイエンス基金の一環として行われています。当基金は、学生たちに科学分野のキャリアを追求する動機づけを行うことに注力しており、いつの日かこうした学生たちが当社の社員やお客様になってくれることを願っています。当社は、私たちが事業を行っている地域社会の教育機関や、その他の価値ある活動に財政的支援を行っています。2014 年、当社は慈善活動プログラムをさらに拡大し、社員が希望する慈善団体への寄付や、マッチング募金の要望をさらに出しやすくしました。

横浜の施設で、当社のラボスペシャリストがデザインした実践的な科学実験を行い、科学者の役割を体験した児童たち

サイエンスフェスティバル

2014 年、サーモフィッシャーは米国で開催された 3 つのサイエンス&エンジニアリングフェスティバルに参加し、対話型で実践的なサイエンスブースを通して 6万人を超える人々と触れ合いました。7つの拠点から 90 人を超える社員が参加し、ブースでのアクティビティを主導したり、フェスティバル来場者と自分たちの知識を共有したりしました。また、このような優れた STEM イベントに地域社会の人々が引き続き無料で参加できるよう、サーモフィッシャーは約 5 万ドルをこれらのフェスティバルに寄付しました。

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2013 年以降、支援する慈善団体の増加率

55%

マッチングギフトプログラムを通じて集まった募金額: 2013 年と 2014 年の比較

130万ドルへ100万ドルから

「移動式ラボ」エストニアへMobile Bioclass(移動式バイオ教室) は、バイオサイエンスの振興を目的とした移動式のラボで、2014 年にリトアニアとエストニアの 78 の学校を訪問し、1,600 人の高校生と触れ合いました。当社はまた、6 万ドルの寄付とともに、実験用の器具や試薬、消耗品も提供しました。2011 年の開始以来、Mobile Bioclass は 170 校を訪れ、3,800 人以上の学生と触れ合ってきました。これまでに約 50 人のサーモフィッシャーの社員が学校を訪れ、知識を共有し、学生たちに科学分野でのキャリアの追求を奨励しています。本プログラムは、リトアニアのヴィリニュス大学およびエストニアのタルトゥ大学とのパートナーシップによって実施されています。

製品の寄付サーモフィッシャーは STEM 教育と研究を支援するため、180 万ドル相当の製品を寄付しました。

• Applied Biosystem ™ AmpliTaq Gold™ DNAポリメラーゼ(上の写真)は、Bay Area Biotechnology Education Consortium(ベイエリア・バイオテクノロジー教育コンソーシアム)に寄付された製品の一例です。当コンソーシアムには、分子生物学プログラムの支援のために 8 万ドル以上相当の製品を寄付しており、このプログラムを通じて、年間でカリフォルニア州ベイエリアの 15,000 人の学生、400 人の教師と関わっています。

• 遺 伝 子 シ ー ケ ン サ など、150 万ドル相 当 の 遺 伝 子 研 究 用 機 器 や 試 薬 をSmithsonian Laboratories of Analytical Biology(スミソニアン分析生物学研究所)へ寄付しました。

11CSR レポート 2014

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慈善活動

学力の格差を縮めるために学校と連携マサチューセッツ州とカリフォルニア州の20 数人のサーモフィッシャーの社員が、 Citizen Schools の 10 週間プログラムで毎週ボランティアに従事しました。Citizen Schools は非営利団体で、中学校と連携し、低所得地域の生徒たちの日々の学習時間を増やすために活動しています。本学年度Citizen School は、7 つの州、29 の学校で、4,900 人の生徒を支援します。見習い教師として登録する社員ボランティアは、ロボット工学からブランドマーケティング、法

医学に至るまで、自分の教えたいカリキュラムを選ぶことができます。2014 年、見習い教師として参加したサーモフィッシャーの社員 3 人が、プログラムへの貢献を評価され、Teacher of the Year(最優秀教師)アワードおよび President’s(プレジデント)アワードを受賞しました。社員が教育機会の格差是正に貢献しているだけでなく、当社は Citizen Schools へ助成金として資金を提供しています。マサチューセッツ州ロズリンデールのアーヴィング

中学校で STEM デザインチャレンジに参加する生徒たち

60,000 人サイエンスフェスティバルで触れ合った

世界中の学生たち

1,625 の団体に慈善活動プログラムを通して支援を提供

100+

奨学金プログラムを通して 支援した学生の人数

T H E R M O F I S H E R S C I E N T I F I C12

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インペリアル・カレッジ・ロンドン在学STEM 奨学生マークス・モーア(Markus Mohr)さん

「この奨学金の支援がなかったら、パートタイムで仕事をしない限り、ロンドンでの生活費をまかなうことはできませんでした。仕事をしていたら学業に支障を来していたでしょう」

STEM 分野のキャリアで道を拓く学生を支援2014 年、社員の子供も含め、STEM 分野を勉強する 100 人を超える学生が、サーモフィッシャーからの奨学金を受けました。当社は、マサチューセッツ工科大学、ウィスコンシン大学マディソン校、カリフォルニア大学バークレー校、インペリアル・カレッジ・ロンドン、中国の復旦大学など世界中の一流大学と連携し、奨学生がキャリアをスタートさせるための教育を提供するお手伝いをしています。

本プログラムに参加している学生の可能性を目の当たりにし、身の引き締まる思いがするとともに、将来が大変楽しみです。カリフォルニア大学バークレー校 1 年生の奨学生のアビゲイル・ジェイコブ(Abigail Jacob)さんは、材料工学の分野に抱く大いなる興味について語ってくれました。彼女は、この学問領域が「コーヒーをちょうどよい温度にすることから、世界の飢餓問題の解決に至るまで」大小さまざまな方法で世界の改善のために応用できる機会が限りなくあると言います。大学教育を受け始めたばかりの彼女は、すでに社会に還元する方法を考えており、「非営利団体に関わって、可能であれば子供たちを STEM 分野に触れさせる非営利団体を立ち上げたい」と話しています。

また別の奨学生、ウィスコンシン大学マディソン校に通う1年生のエリオット・パイペンバーグ(Elliot Piepenburg)さんは、機械工学を専攻する予定です。高校では学校代表の 2 つのスポーツチームのキャプテンと学級委員長も務めた彼ですが、「お気に入りは学校のスーパーマイレッジカーチームの活動に関わることだった」と言います。兄弟姉妹も大学に通うため、彼はこの奨学金制度に感謝し、「奨学金が経済的負担を軽減してくれるおかげで、夢である機械技術者になるための教育と学習に集中することができます。いつの日か、自分も地域社会にお返しをし、自分が支援してもらったように他の人たちの夢を叶えるお手伝いができればと思っています」と話してくれました。

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