Patient-centered Medical Home～患者中心の「第二の家」～

外来カンファレンス

2010年6月30日 学習会

とある家族の、「家庭医的家族図」

大学

専門病院

当院

介入後の状況

大学

こども病院

当院

家族力に不安のある家庭にとっての診療所の役割

いつでも立ち寄って相談できる

「かかりつけ診療所」！

↓

「 The Patient-centered

Medical Home」

The Patient-centerd Medical Home（PC-MH）

基本コンセプト

「Chirdren with special health care needs(CSHCN)に対して、

家庭医的な対応をする診療所」

歴史

1967年、米国小児科学会(AAP)が

CSHCNに対してのChronic-careの概念として提唱

2002年、米国のすべての若年者に対して概念を拡張し、

その定義も明らかにした（後述）

2004年に家庭医療学会(AAFP)が、

2006年には内科学会(ACP)も同様の概念を提唱

2007年AAP・AAFP・ACP・AOA(整形)のﾌﾟﾗｲﾏﾘ系4学会で、

全アメリカ人に対する概念として合同声明を出した。

AAPの論文 (2002)

「The medical home.」Medical home initiatives for children with special needs project adcisory committee. Pediatrics 2002;110;184-186

Medical Homeに望まれる7つの性質

Family centered(FOPC) 家族中心性（個人でなく家族全体）

Accessible (PC) かかりやすさ(物理的・経済的、心理的)

Continuous (PC) 継続的な関わり

Comprehensive(PC) 病気だけでなく、なんでも相談にのれる

Coordinated (PC) 協調的（多職種・多施設でチームを組んで）

Compassionate (PC) 情を大事に

Culturally effective(Narrative+Context) 背景や文脈を意識して

４学会合同声明 (2007) 「Joint principles of the Patient-Centered Medical Home March 2007」

AAFP, AAP, ACP, AOA (各学会HPより閲覧可能)

PC-MHの7つの原則

１．Personal Physician 患者との関係を軸に、質の高い家庭医

２．Team approach チームで取り組む

３．Whole person orientation その人・家族のこと全てが取り組む課題

４．Coordination / Integration 多職種・多施設・多領域で統合して

５．Quality and Safety EBMや質改善の手法で妥当な医療内容

６．Enhanced access かかりやすさをよりよくする

７．Payment 診療報酬上もマイナスにしない

PC-MHの概念モデル

大学

こども病院

当院

①②

③

④

⑤⑥

つまり、メディカルホームとは

家庭医と診療所看護師を中心に、全スタッフが情報と目標を共有し

その人たちなりの事情を考慮しつつ家族丸ごと受け止めて

最新の知見も取り込みながら、地域の医療機関・保健福祉サービス全体の身近な窓口としての機能を果たす

PC-MHの位置づけ 場所の対比

Specialistの「病院」

Family physicianの「診療所」

対象の対比

FOPCによる医師の「見立て」

CGAによるコメディカルの「見立て」

PC-MHによる全員での「介入」