2 第1章 グラフ作成の基礎知識 よく使うグラフの 目的...

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2 1グラフ作成の基礎知識 よく使うグラフの 目的別サンプル集 ここでは、よく使うグラフのサンプル集として、本書で紹介するグラフとその作成ポ イントをまとめています。「大小関係を表すグラフ」「変化や推移を表すグラフ」など、 グラフで伝えたい目的別に分類しているので、作成したいグラフを見つけるのに役立て てください。 一般的な縦棒グラフや横棒グラフに加え、積み上げ縦棒グラフや3-Dグラフなど、い ろいろな種類の棒グラフを紹介しています。波線で数値軸の一部を省略したグラフもあ ります。 縦棒グラフ 横棒グラフ 大小関係を表すグラフ―棒グラフ 1項目に複数の棒を配置した集合縦棒 グラフ。左図のように、数値軸の上 に「単位(万円)」を配置したレイア ウトにするには、軸ラベルやプロッ トエリアをドラッグして調整する。 目盛線の存在感を抑えたいときは、 線種を点線にしたり、背景色に対し て目立たない色に変更するとよい。 参照 1章の「3 グラフ作成の基本 操作」 2章の3の「目盛線の線種や色 を変更する」 上から大きい順に棒を並べた横棒グ ラフ。データを降順に入力している セルを基にグラフを作成したときは、 軸を反転する必要がある。 各棒の値は、データラベルを使って まとめて表示する。 参照 3章の1の「横棒グラフの項目 の並び順を逆にする」 2章の2の「グラフの基にした 数値を表示する」 1

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Page 1: 2 第1章 グラフ作成の基礎知識 よく使うグラフの 目的 …ec.nikkeibp.co.jp/item/contents/brouse/t_P94530.pdf4 第 1 章 グラフ作成の基礎知識 項目名が縦書きの縦棒グラフ

2 第1章  グラフ作成の基礎知識

よく使うグラフの目的別サンプル集

ここでは、よく使うグラフのサンプル集として、本書で紹介するグラフとその作成ポイントをまとめています。「大小関係を表すグラフ」「変化や推移を表すグラフ」など、グラフで伝えたい目的別に分類しているので、作成したいグラフを見つけるのに役立ててください。

一般的な縦棒グラフや横棒グラフに加え、積み上げ縦棒グラフや3-Dグラフなど、いろいろな種類の棒グラフを紹介しています。波線で数値軸の一部を省略したグラフもあります。

縦棒グラフ

横棒グラフ

大小関係を表すグラフ―棒グラフ

▲1項目に複数の棒を配置した集合縦棒グラフ。左図のように、数値軸の上に「単位(万円)」を配置したレイアウトにするには、軸ラベルやプロットエリアをドラッグして調整する。 目盛線の存在感を抑えたいときは、線種を点線にしたり、背景色に対して目立たない色に変更するとよい。

☞参照第1章の「3 グラフ作成の基本操作」第2章の3の「目盛線の線種や色を変更する」

▲上から大きい順に棒を並べた横棒グラフ。データを降順に入力しているセルを基にグラフを作成したときは、軸を反転する必要がある。 各棒の値は、データラベルを使ってまとめて表示する。

☞参照第3章の1の「横棒グラフの項目の並び順を逆にする」第2章の2の「グラフの基にした数値を表示する」

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Page 2: 2 第1章 グラフ作成の基礎知識 よく使うグラフの 目的 …ec.nikkeibp.co.jp/item/contents/brouse/t_P94530.pdf4 第 1 章 グラフ作成の基礎知識 項目名が縦書きの縦棒グラフ

第1章  グラフ作成の基礎知識 31 よく使うグラフの目的別サンプル集

積み上げ縦棒グラフ

コメント付き縦棒グラフ

データテーブル付き縦棒グラフ

▲区分線を表示した積み上げ縦棒グラフ。区分線を表示すると要素の増減を明示できる。

 また、初期設定では棒が細いので、左図のように棒内に値を表示するときは、棒を太くして、値を配置するスペースを確保する。

☞参照第3章の「2 積み上げ棒グラフに関するテクニック」第3章の1の「棒の太さを変更する」

▲特定の系列だけ、色を変えた棒グラフ。ここでは、棒に光沢のスタイルを設定したり、棒の太さを変更したりしている。

 また、コメントを追加して、見せたいポイントを強調している。

☞参照第3章の1の「棒の太さを変更する」「棒に光沢や影などを設定する」「特定の棒だけ色を変更する」第2章の2の「図形を使ってポイントをアピールする」

▲データテーブルをグラフ内に表示した縦棒グラフ。データテーブルを使うと、グラフの基にしたデータを表形式でグラフ内に表示できる。

☞参照第2章の2の「データテーブルを表示する」

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4 第1章  グラフ作成の基礎知識

項目名が縦書きの縦棒グラフ

3-D縦棒グラフ

データの一部を省略した縦棒グラフ

▲項目名を縦書きにした縦棒グラフ。文字列の向きは、項目軸の書式設定で変更する。

☞参照第2章の4の「項目名を縦書きで表示する」

▲棒を立体的に表示した3-D縦棒グラフ。ここでは、「うち新商品」という要素を目立たせるため、「3-D積み上げ縦棒」を使って作成し、左2つの棒は「0」の値を積み上げている。棒ごとに表示している年度や数値はテキストボックスを配置して表示し、棒だけでなく、グラフの背面や底面などの色も変更する。

☞参照第8章の2の「Excelのグラフをスライドに貼り付ける」

▲省略を表す波線を入れて、突出したデータとそれ以外のデータの大きさを表したグラフ。ここでは、波線はグラフ内に画像を挿入して配置している。

☞参照第3章の「3 省略を波線で表すグラフの作成テクニック」

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第1章  グラフ作成の基礎知識 51 よく使うグラフの目的別サンプル集

棒の一部を省略した縦棒グラフ

マーカーの色や形態に特徴のある折れ線や、折れ線の一部の書式だけ変更した折れ線など、いろいろな形態の折れ線グラフを紹介しています。折れ線グラフと縦棒グラフを組み合わせた複合グラフもあります。

折れ線グラフ

▲すべてのデータについて、波線で棒の一部を省略して表したグラフ。波線の画像をグラフ内に配置し、数値軸の最小値を表示形式で「0」に置き換えて表示する。

☞参照第3章の3のヒント「すべての棒を省略して表示するには」

変化や推移を表すグラフ―折れ線グラフ・複合グラフ▲データの推移を表した折れ線グラフ。

マーカーの色は、[図形の塗りつぶし]機能で変更する。

 また、目盛の間隔を3ヶ月単位にするには、項目軸について軸の書式設定を変更する。

☞参照第4章の1の「マーカーの色を変更する」第2章の4の「項目軸の日付の間隔を変更する」

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6 第1章  グラフ作成の基礎知識

マイナスの値を含む折れ線グラフ

一部が点線の折れ線グラフ

なだらかな線の折れ線グラフ

▲マイナスの値を含む、データの推移を表した折れ線グラフ。プラスかマイナスによってマーカーの色を塗り分けるには、マーカーごとに色を設定する。 縦軸のマイナスの目盛を赤字にするには、縦軸の[軸の書式設定]ダイアログボックスの[表示形式]で、[負の数の表示形式]を設定する。

☞参照第4章の1の「マーカーの色を変更する」

▲折れ線の一部を点線で表示した折れ線グラフ。棒グラフで特定の棒だけ色を変更できるように、折れ線グラフでは特定の区間の線の書式を変更できる。 また、縦軸上にマーカーを表示させたいときは、縦軸の設定を変更する。

☞参照第4章の1の「折れ線の一部に別の書式を設定する」第4章の1の「縦の目盛線上にマーカーを表示する」

▲スムージング機能を有効にした折れ線グラフ。左図のようになだらかな線にするには、マーカーは「なし」の折れ線グラフにする。 また、データがいくつか欠落していても、その部分が欠落しないように線を結ぶこともできる。

☞参照第4章の1の「折れ線をなだらかな線にする」第4章の1の「データの欠落で途切れてしまった線を結ぶ」

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第1章  グラフ作成の基礎知識 71 よく使うグラフの目的別サンプル集

複合グラフ

縦棒の間隔がない複合グラフ

集合縦棒と折れ線の複合グラフ

▲縦棒と折れ線を組み合わせた複合グラフ。第2軸を設定することで、単位が異なるデータを1つのグラフで表現している。

 また、折れ線のマーカーの色だけを変更して、データを見やすくしている。

☞参照第4章の「2 複合グラフの作成テクニック」第4章の1の「マーカーの色を変更する」

▲縦棒と折れ線を組み合わせた複合グラフで、縦棒の間隔をなしにしている。 別の地域の気温・降水量をグラフ化するなど、作成したグラフを使い回すときには、グラフの書式コピー機能やテンプレート機能を使うと短時間でグラフを作成できる。

☞参照第4章の「2 複合グラフの作成テクニック」第2章の3の「書式をコピーして同じ体裁のグラフを作成する」「グラフをテンプレートに登録する」

▲集合縦棒と折れ線を組み合わせた複合グラフ。このような縦棒に複数のデータ系列がある場合、最初に縦棒グラフを作成し、「合計」のデータ系列を折れ線に変更する。

 また、左図の場合、背景にテクスチャで模様を表示している

☞参照第4章の「2 複合グラフの作成テクニック」第2章の3の「グラフの背景に模様を設定する」

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8 第1章  グラフ作成の基礎知識

円グラフやドーナツ円グラフ、二重ドーナツ円グラフなど、いろいろな種類の円グラフを紹介しています。横棒グラフで内訳を表す帯グラフもあります。

円グラフ

3-D円グラフ

ドーナツ円グラフ

内訳を表すグラフ―円グラフ・帯グラフ

▲目立たせたい要素を切り離した円グラフ。左図のように%の値を小数第1位まで表示させるには、表示形式の設定を変更する。

☞参照第5章の1の「データラベルに項目名や構成比を表示する」「%の値を小数第1位まで表示する」「円から要素を切り離す」

▲初期設定の3-D円グラフは傾きが大きく、正確な割合が確認しにくいが、左図では傾きを緩やかにして、2-D円グラフに近づけている。また、手前に目立たせたい要素を配置するため、ここでは円を回転させている。

☞参照第5章の1の「円を回転させる」「3-D円グラフの傾きを緩やかにする」

▲円の中央に見出しや合計値を表示したドーナツ円グラフ。基本的な作成方法は、円グラフと同様。中央の穴にはテキストボックスを配置し、見出しや合計値を表示する。穴の大きさは、入力するテキストによって調整する。

☞参照第5章の「2 ドーナツ円グラフに関するテクニック」

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第1章  グラフ作成の基礎知識 91 よく使うグラフの目的別サンプル集

二重ドーナツ円グラフ

補助縦棒付き円グラフ

帯グラフ

▲二重ドーナツ円グラフは、円の内側と外側の数値を区別したグラフ作成用の表を用意し、その表を基にグラフを作成する。また、ここでは外側の円と内側の円を識別しやすくするため、「国内」「海外」の色を変更している。

☞参照第5章の「3 二重ドーナツ円グラフの作成テクニック」

▲円グラフに縦棒の補助グラフを添えた「補助縦棒付き円グラフ」。内訳を示す「関東」のデータを除いて、代わりに「東京」「千葉」など、補助グラフで表すデータを含めてグラフを作成する。

☞参照第5章の「4 補助縦棒付き円グラフの作成テクニック」

▲年代ごとの割合を比較した帯グラフ。Excelでは「100%積み上げ横棒」を使って作成する。

 棒内に各要素の%の値を表示するには、グラフ作成用の表を基に作成する。また、左図では軸の反転を設定し、棒の並び順を逆にするとともに、横軸を上部に配置している。

☞参照第5章の「5 帯グラフの作成テクニック」

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10 第1章  グラフ作成の基礎知識

散布図や分布図、バブルチャートを紹介しています。縦棒グラフを加工して作成するヒストグラムもあります。

近似曲線を追加した散布図

項目名を表示した散布図

分布図

分布を表すグラフ―散布図・バブルチャート・ヒストグラム

▲相関関係を確認するため、近似曲線を追加した散布図。 また、左図の場合、背景にテクスチャで模様を表示している。

☞参照第6章の1の「散布図を作成する」「散布図に近似曲線を追加する」第2章の3の「グラフの背景に模様を設定する」

▲点にそれぞれの項目名を表示して、データの分布を表現した散布図。点の大きさやスタイルを変更して、点の存在感をアップさせている。

☞参照第6章の1の「点の大きさや形を変更する」「点の色を変更する」「分布を表す点に項目名を表示する」

▲点を立体的に表示させた分布図。散布図を基に作成し、点を拡大して光沢を設定している。また、軸の位置を変更してグラフ内を4領域に分け、軸の形を矢印に変更している。

☞参照第6章の1の「点の大きさや形を変更する」「点の色を変更する」「分布を表す点に項目名を表示する」「軸の表示位置を変更する」

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第1章  グラフ作成の基礎知識 111 よく使うグラフの目的別サンプル集

バブルチャート

PPMグラフ

ヒストグラム

▲3-D効果付きのバブルチャート。バブルごとに色を変え、バブル内にそれぞれの項目名を表示している。バブルの色によって、文字色もわかりやすい色に変更するとよい。

☞参照第6章の「2 バブルチャートの作成テクニック」

▲プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントで使用されるPPMグラフ。バブルチャートの機能を使って作成する。

☞参照第6章の2の「PPMグラフを作成する」

▲区間ごとにデータの個数を表したヒストグラム。度数分布表を基に2-D縦棒グラフを作成し、棒の間隔をなしにして、縦棒をくっつけて表示する。また、項目軸には区間名を示す。

☞参照第6章の「3 ヒストグラムの作成テクニック」

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12 第1章  グラフ作成の基礎知識

レーダーチャートや絵グラフなどを紹介しています。ビジネスでよく使われるZチャートやパレート図もあります。

レーダーチャート

絵グラフ

Zチャート

特殊なグラフ―�レーダーチャート・絵グラフ・Zチャート・�パレート図・ピラミッドグラフ・スパークライン

▲レーダー内部を塗りつぶした塗りつぶしレーダーチャート。塗りつぶしの色を変更したり、重なった箇所や目盛を確認しやすいように透過性を設定することもできる。

☞参照第7章の「1 レーダーチャートの作成テクニック」

▲絵で数値の大小を表した絵グラフ。縦棒グラフや横棒グラフの棒内に絵を表示して作成する。1つの絵が示す数値を100や500など、きりのよい値に設定すると、データの大きさがわかりやすくなる。

☞参照第7章の「2 絵グラフの作成テクニック」

▲「売上実績」「累計」「移動年計」の折れ線を1つのグラフにまとめたZチャート。季節や月ごとの変動を排除して、全体の傾向を表すときに使用する。

☞参照第7章の「3 Zチャートの作成テクニック」

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第1章  グラフ作成の基礎知識 131 よく使うグラフの目的別サンプル集

パレート図

ピラミッドグラフ

スパークライン  2010

▲ABC分析のデータを表したパレート図。縦棒グラフと折れ線グラフを組み合わせて、縦棒はデータの大きい順に並べ、折れ線が「0」から始まるようにする。ABCのランクごとに棒を色分けすると、ランクの違いがわかりやすくなる。

☞参照第7章の「4 パレート図の作成テクニック」

▲中央に年齢階層、左右に男性、女性のデータの大きさを表したピラミッドグラフ。Excelにはピラミッドグラフを自動作成する機能がないので、グラフ作成用の表を用意し、いろいろなグラフ機能を組み合わせて作成する。

☞参照第7章の「5 ピラミッドグラフの作成テクニック」

▲Excel 2010ではスパークラインを使ってセル内に簡易的なグラフを表示できる。左図ではセル内に折れ線グラフを表示している。

☞参照第7章の「6 スパークラインでセル内にグラフを表示する」