初心者のための肝臓超音波検査

ＪＡ岐阜厚生連 東濃厚生病院

伊藤 道廣

06/17/2006

超音波検査時の注意点と診断のポイント

・観察する部位によりプローブ・モードを使い分ける走査方式：コンベックス、リニア、セクター、アニュラアレイなど周波数の特性を利用：高周波数～低周波数プローブ他モードの利用：カラーモード、パルスドプラモード、ハーモニック

・画像の調整：ゲイン、ダイナミックレンジ、ＳＴＣ

・多方向より観察しブラインドをつくらない体位変換(座位、右側臥位、左側臥位）呼吸法 （吸気、呼気）

・アーチファクトの把握：多重反射、サイドローブ、鏡面像など（コメットサイン）

肝臓・・・

肝臓超音波検査で必要な血管･胆管

・門脈・肝静脈・肝動脈・胆管（肝外胆管、肝内胆管）

・腹部大動脈・上腸間動脈・上腸間静脈・腹腔動脈・脾静脈など

＊肝区域分類（セグメント）

肝臓の病変

・腫瘤性変化・びまん性変化・胆道系変化・脈管系変化・その他

腫瘤性変化

・肝嚢胞・肝血管腫・肝膿瘍・肝内石灰化・ＦＮＨ・肝血管筋脂肪腫

・肝細胞癌・転移性肝癌

ANECHOICCYSTIC PATTERN

HIGH ECHOIC辺縁低エコー帯(HALO）TARGET／BULL’S EYE

HIGH ECHOICHYPERECHOIC辺縁高エコー帯

LOW ECHOICHYPOECHOIC辺縁低エコー帯

LOW ECHOIC辺縁高エコー帯

MIXED

STRONG ECHOACOUSTIC SHADOW

ABSCESS

びまん性変化

・急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変・脂肪肝

肝硬変のイメージ像

肝縁の鈍化と肝裏面の突出

肝表面の不整

実質エコーの不均質（粗大化）

腹水の貯留

ASCITES(腹水）腹水

胆道系の変化

肝内胆管気腫肝内胆管癌肝外胆肝癌

など

脈管性の変化

肝動脈瘤肝内門脈肝静脈短絡（Ｐ－Ｖ ＳＨＵＮＴ）

うっ血肝特発性門脈圧亢進症

など

その他

肝損傷

プローブの走査法

・チルト走査・回転走査・スライド走査

チルト走査

スライド走査

回転走査

プローブの持ち方①

プローブの持ち方②

プローブの持ち方（チルト）

プローブの持ち方(回転）

好ましくないプローブの持ち方

左肋弓下走査

肝外に突出する腫瘤

肝左葉

腫瘤

見落とし易い肝外腫瘤

注意

右肋弓下走査

心窩部縦走査

心窩部縦走査

右肋間走査

右肋間走査

方向を変えて観察しブラインド部分を無くす