pmd、ステップリスト、fbs...

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(c) 江崎通彦 2007-10-3 PMD、ステップリスト、FBS テクニックの特徴」と「プロジェクト・マネージメ ント、システム・エンジニアリング、ワークパッケジの WBS の関係」の解説 本資料は、「PMD、ステップリスト、FBSテクニックの特徴」と「プロジェクト・マネージメント、システム・エン ジニアリング、ワークパッケジの WBS の関係についての解説資料である。 目次 Ⅰ.PMD(目的手段ダイヤグラム)の特徴 Ⅱ ステップリストの特徴 Ⅲ.FBS テクニックの特徴 Ⅳ.プロジェクト・マネージメント(PM)、システム・エンジニアリング(SE)、ワークパッケジの WBS の関係 Ⅰ.PMD(目的手段ダイヤグラム)の特徴 PMD とは目的と手段のダイヤグラムのことを指します。 ――――――――――――――――――――――0――――――――――――――――――――――― その創り方は、DTCN 手法の下記の URL で公開されている「新プロジェクト管理の方法(DTCN/DTC の方法)」に示される 基本手法の章と応用の章に示されています。 目的と手段の関係を明らかにするための「PMD 手法」(別名 KEY WORD の方法)といいます。 資料1(PMD: Purpose Measure Diagram 目的と手段のダイヤグラム)・・これで、PMD の基本的な創り方が示されていま す。(注意事項として、一度創った PMD を、Excective(上司)用 PMD を作成するというカードがありますがそれは相当上 の位置においてください) http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J04-chap%202-1%20PMD%20method.pdf 資料2 関係者におけるドメイン・オブ・シンキングとドメイン・オブ・コンセンサスの形成の方法・・ここでは、複雑なシステムにつ いての PMD の具体例が示されています。 http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J05-chap%203-1%20domain%20of%20consensus.pdf 資料3 PMD による、PMD の創り方 http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J25%20app%20M%20pmd%20of%20pmd%20J.pdf ―――――――――――――――0―――――――――――――――――――――――― PMD(目的手段ダイヤグラム)の特徴 PMD を関係者の中で創ると次のような、ことが PMD により発揮できるようになります。 顧客がこれをしたいという目的を持っていると、手段の提供側(通常、受注側ないしは、企業の従業員)が、それをした いのなら「こんなことができるよ」ということが、できるようになります。 すなわち、そのような目的にはこのような「もの、ソフト、システム」が使えるよということの手段情報を、要するに「・・ を・・する」という表現でコンパクトに表明することができます。 また、手段の提供側がこんなことができるよ、といえば、顧客側は、そんなことができるのであれば、こんな新しい目的 も果たすことができる、いったことを、思いついたり、考えつき、採用ができるようになります。 D:¥0-My Documents¥1-作業ファイル 1¥d¥1-jamss¥JAMSS-1¥全体¥PMD ステップリストFBSの特徴 r1.doc - 1 -

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「PMD、ステップリスト、FBS テクニックの特徴」と「プロジェクト・マネージメ

ント、システム・エンジニアリング、ワークパッケジの WBS の関係」の解説

本資料は、「PMD、ステップリスト、FBSテクニックの特徴」と「プロジェクト・マネージメント、システム・エン

ジニアリング、ワークパッケジの WBS の関係」 についての解説資料である。

目次 Ⅰ.PMD(目的手段ダイヤグラム)の特徴

Ⅱ ステップリストの特徴

Ⅲ.FBS テクニックの特徴

Ⅳ.プロジェクト・マネージメント(PM)、システム・エンジニアリング(SE)、ワークパッケジの WBS の関係

Ⅰ.PMD(目的手段ダイヤグラム)の特徴

PMD とは目的と手段のダイヤグラムのことを指します。

――――――――――――――――――――――0―――――――――――――――――――――――

その創り方は、DTCN 手法の下記の URL で公開されている「新プロジェクト管理の方法(DTCN/DTC の方法)」に示される

基本手法の章と応用の章に示されています。

目的と手段の関係を明らかにするための「PMD 手法」(別名 KEY WORD の方法)といいます。

資料1(PMD: Purpose Measure Diagram 目的と手段のダイヤグラム)・・これで、PMD の基本的な創り方が示されていま

す。(注意事項として、一度創った PMD を、Excective(上司)用 PMD を作成するというカードがありますがそれは相当上

の位置においてください)

http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J04-chap%202-1%20PMD%20method.pdf

資料2

関係者におけるドメイン・オブ・シンキングとドメイン・オブ・コンセンサスの形成の方法・・ここでは、複雑なシステムにつ

いての PMD の具体例が示されています。

http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J05-chap%203-1%20domain%20of%20consensus.pdf

資料3

PMD による、PMD の創り方

http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J25%20app%20M%20pmd%20of%20pmd%20J.pdf

―――――――――――――――0――――――――――――――――――――――――

PMD(目的手段ダイヤグラム)の特徴

PMD を関係者の中で創ると次のような、ことが PMD により発揮できるようになります。

① 顧客がこれをしたいという目的を持っていると、手段の提供側(通常、受注側ないしは、企業の従業員)が、それをした

いのなら「こんなことができるよ」ということが、できるようになります。

すなわち、そのような目的にはこのような「もの、ソフト、システム」が使えるよということの手段情報を、要するに「・・

を・・する」という表現でコンパクトに表明することができます。

② また、手段の提供側がこんなことができるよ、といえば、顧客側は、そんなことができるのであれば、こんな新しい目的

も果たすことができる、いったことを、思いついたり、考えつき、採用ができるようになります。

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③ PMD を創るプロセスで、よくわからない言葉や、もう少し説明をしたほうがよい言葉や表現が出てきたときには、その

言葉のところ、もしくはその上下関係(目的と手段の関係)のところだけで、小さな PMD を創って、その内容を、はっ

きりさせることができます。

その図を示しますと次のようになります。

④ このような会話が、PMD を創るプロセスで、顧客側と手段提供側の間で、容易に、できるようになります。(これを、PMD

の「場」と、言います)

⑤ PMD を創っていくときに、ここにこのような手段が必要だという空欄のカードが必要になることがあります。

⑥ そして、それを、満たす手段がなければ、「その空欄のカードの中身を満たすための、手段を入手するか創りだす」とし

た空欄のカードとして、そこに「何も書いていないカード」をおくのです。

そして、そのまだ見えない手段を入手するか、創りだすために、どうししさえすればよいかの表現を、その下に入れてい

き、その PMD を完成します。

そして、その「何も書いてないカード」を内容を考え続けるのです。考えるときは、上を向いて考えたり、上を向いて寝

転ぶと、答えが出やすくなります。

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一晩寝ると、答えが出る、というのも、その現象の一例です。

その例の入った、PMD の例を、図表1に示します。

図表2には、よく似た言葉でどちらが、目的になるか、手段となるかを迷ったときの、調整の例を示しています。

また、PMD を創っていくプロセスで、・・(案)を創るという、言葉が何度も出てきたりするので、それを調整するため、

(素素案)、(素案)、(案)、という区分をして、それをまとめやすくします。その場合は図表3に示した考え方を使います。

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図表1 何も書いてないカードとどれでも選べるアイデアボックスのカードがある PMD の例

何も記入してない空白のカードがあるPMDの例1

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図表2 PMD を作るプロセスで、PMD の表現の調整を要する例

(1)、(2)、(3)それぞれにつき、AかBかどちらがよい循環に入る順序と思いますか

鶏を手に入れる

ために

コストを下げる

たくさん売る

忠義をする

孝行をする

ために

卵を手に入れる

ために ために

ために

ために

コストを下げる

たくさん売る

忠義をする

孝行をする

鶏を手に入れる

卵を手に入れる

(2)

(3)

(1)

(2)

(3)

の答え B.Bの方が、鶏も卵も入手できて、安定する。ただし、雄鶏と雌鳥を入手すると手直しの必要あり。

の答え「第二回目のコストを下げる」ために「たくさん売る」、「たくさん売る」ために「第一回目のコストを下げる」と2つの

  PMDをつなぐ。

の答え B.戦前のセンスであれば、B.天皇陛下のために戦死  すれば、親孝行となる。

どちらの関係が安定するかと比較して、あいまいな関係を整理するPMD例

(1)

PMDの例2

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図表3 (案)という表現がいくつかあって困るときの対策 PMD を創っていると「・・(案)を創る」とか、「・・の(案)を持つ」といった表現が、何度も出てきたり、いくつかのレベル

で、繰り返し、創っておいたほうが、筋道が通りやすい、もしくは、PMD を創りやすくなる場面に遭遇する。

そのときは、下記のような PMD の形を、PMD の中に埋め込むと、PMD を完成しやすい。

即ち左図のように、下のほうから、「(素素案)を創る」、「(素案)を創る」、「(案)を創る」、「決定

をする」という表現を PMD の中に、組み込むとその対策となります。

ここで PMD を作るときの、追記事項として、次のことをつけ加えておく。

補足注記事項

どんな設計や計画にも一案しかないということは、ほとんどあり得ない。

即ち、必ず2案以上ある。

従って、 初から、2案以上の比較案を創出して、比較、評価、選択、決定を繰り返していくことにすると、手間と時間を相

当食うこともあるが、比較、評価のプロセスで、新しい案の追加、評価基準の変化が、この案でこれができるのならばもっと

案の選択を幅を広げよう、また、どの比較案にも難しい条件がつくのであれば、もう一度、原案に戻るのもよいのでは

ないかという評価基準の変化も現れてくる。

(注)よく価値工学や外国から輸入されたマネージメントの方法には、代替案(Alternative)と言う表現が使われるが、これは

もとの案に取って替わるという意味までが含まれてしまう。

従って、上記のような虚心坦懐な、比較評価ができなくなってしまうので、日本人の中では、代替案という言葉より比較案と

いう言葉の方が受け入れ易いし、創造性も出やすくなるので、比較案という言葉を使うことをお勧めする。

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⑦ PMD では、上位の方の目的を含め、下位の方の手段を含め、このレベルのこれをしさえすれば、その上位の目的と下位

の手段を含め、その全体が実現してしまうことができる、という表現のレベルを見つけるか、新たに創り出すことができ

ます。これが PMD でいう、メイン・キーワードです。

このメインキーワードの確定が、目的の結果を、得るためには、これさえやれば、その希望の結果が得られるという、顧

客、受注側ともに合意のできる幸福な表現になります。

もう少し説明をしておきますと、このメインキーワードにより得られる目的の結果(=目標)とすれば、それより上の「・・

を・・する」の表現は、メインキーワードの、抽象的な上位目的となっています。

また、キーワードのレベルより下の「・・を・・する」は、その目的の結果(=メインキーワードの結果=目標)にたどり

着くまでの、条件階層になっています。(注:手順は、その条件階層を、インプットアウトプットの関係で、つないでいっ

て、初めてできるものです)(・・・その方法については、次項のステップリスト方法のところで説明します)

図表4では、その PMD の関係を「小型懐中電灯」のケースにつき説明しています。

図表4においては、小型懐中電灯という PMD の課題に対し、要するに、そえで、何をしようとしているのか、何をしさ

えすればよいのかの、質問に対し、要するに、「・・を・・する」、要するに「・・を・・する」という、答えをランダムに

書き出した結果を、左上図に示し、それを、何をするため、どのようにしての目的と手段の順序に並べなおした結果を、

左下図に示しています。

図表5では、そのキーワードの表現から、考えついた、小型懐中電灯のポンチ絵を、示しています。

このことから、気がつくことは、的確な、キーワードを把握しさえすれば、的確なイメージが、頭の中に、わいてくる原

理は、私たちの脳の中にある不思議な現象です。

CFS(Critical success Factor)、KFS( Key Factor of Success )をまず把握せよということということが、いくつかのもの

本に書いてありますが、その発見、的確な把握の方法はどの本にも書いてありませんでした。

PMD がまさにその、キーワード(=CFS、KFS)を見つける方法だったのです。

また更に、キーワードを把握した後、私たちの脳の中をうまく使う手順について、優れた方法として、NM 法(中山正和

氏考案)があります。(・・・これは、日本が大戦後の廃墟から、立ち上がっていったときに、大変有力な発想の方法と

して使われました)。この方法を必要に応じて使います。

NM 法の要点は、キーワードを把握ないしは決めた後は、QA、QB、QC の質問をして、具体的なアイデアのコンセプト

にたどり着く方法です。方法は下記の資料4A と資料4B に示しておきます。

資料4A(DTCN/DTC 手法の本の中に這いいている解説)

http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J13-Appx%20A.pdf

資料4B(前田特許事務所の、佐藤氏が解説したわかりやすい説明)

http://www.bii.ne.jp/~manda39/2tieF/4aideaF/nm.html

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図表5の左下の図は、メインキーワードの表現は、到達するべき「目的の結果」すなわち目標を表し、それより上は、ど

ちらかというと抽象的な目的となり、さらに、それより下の表現は、目的の結果にたどり着くまでの手段条件階層となっ

ており、更に、一番下(一番手前)に出てくる表現は、その手段をどこから手をつけるかの、「エントランス・キーワー

ド」になっています。

図表6は、先例のないことを考えを、具体化をするときの質問の原則を述べています。

即ち、『「何をするため、どのようにして」の質問と「なぜ」の質問の使い分け』を示しています。

そして、予算取得などために、官公庁においての説得性を増すためには、「ので」の言葉で繋がる、説明ができるようにな

りさえすれば、予算取得に繋がるという説明もしています。

図表7は、この、「何をするため、どのようにして、の質問」の構造と、PMD で、出来上がる、目的、目標、手段の関係

の地図との対比図を示しています。

図表の A 点が、メインキーワードで得られる目的の結果(=目標)であることを、示しています。

そして、B 点が現時点における、エントランス・キーワードということになります。

また、従来からの、「なぜ、なぜの繰り返しの質問」との共存性についての説明も、図の右下のところで、していますので、

ご覧ください。。

⑧ PMD は、意思の方向、価値の方向をコンパクトに表す表現方法であり、これを持つと、意思決定をするための、価値の方

向を示す、第一の基本的評価基準となります。(注)

なぜ、PMD が、意思決定・判断のための基本的な評価基準になるかの理論は「差の情報による意思決定のメカニズム」

の論文によっています、下記の URL からダウンロードできます。

資料5 (「差の情報による意思決定・判断のメカニズム」の解説)

http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J03-chap%201-2%20sano%20jouhou.pdf

(注)この評価の第一の評価基準に対して、第2の評価基準は、ステップリストで言う、次の段階へ進んでもよいかとい

う、意思決定・判断をするための基準となり、この場合、Verification の立場からの評価か、Validation の立場からの評

価を、しっかり認識しながら、PM と SE を進めなければならないことは、言うまでもないこととなります。

従来、「評価をすることとは、何をしさえすれば、評価をしたことになるか」についての解説書が、なかったことに対す

る解説、回答は、下記の文字をクリックして得られる URL の内容から、ダウンロードできます。

「マネージメントの視点から、評価をするということは、何をしさえすればよいか」

「Decision making と日本語の意思決定という誤訳の世界からの脱出」

いずれにせよ、要するに、評価とは何をするためにするかというと、何らかの、意思決定・判断をするための準備作業と

いうことにつきます。(これらの解説は、PMD の特徴に続いて、事項のステップリストの特徴をご覧になってからのほう

が判りやすいと思います)

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図表4 PMD手法の手順の詳細 課題を小型懐中電灯を例にとって説明します 1つの表現のまえに・印をつけて次のように表現と区分がつく

ようにする

2 ・従来の懐中電灯で、最も安くできているものより、安くて良いものをまとめる

1 ・最小限の電池と電球の組み合わせでON-OFFをできるようにする

3 ・最小限の大きさで、暗闇で( )m先のものがみえるようにする

4 ・手の中に入るくらいの大きさで光を出す

5 ・従来の一ばん安くて良い懐中電灯よりよい案を創り出す

6・小型懐中電灯の極限2~3案(安い、高信頼性、小型)を創り出し、

 そこから比較して実現可能な実現案を探す

●要するに「・・

を・・.する」とい

う表現で書き出す

●書き出しカード

の幅は8.3センチの

幅でうすいろで

少々厚い紙がよい

●各々の表現を独

立するよう鋏で切

4.次に、切り離した表現のカードを 2 枚づつ比較して、上から下の方へ「…を…する」ために「…を…する」、「…を…す る」ために

「…を…する」、というように目的と手段の関係にできるだけ縦に、大きな紙の上で並べていきます。

PMD手法の手順の詳細 通常、われわれは話をするにしても何かをするにしても必ず話題(課題)ないしはテーマを持っています。 この手法も課題ないしはテーマからスタートします。 (注意)問題という言葉と課題という言葉は、よく似ています。時にはどちらでもよいことがありますが、問題という言葉は、問題を細分化し始めた時点で、思考が途切れたり、

いきずまってしまうことがあります。 なにをしたいかの課題があって初めて問題が発生します。

PMD では、“問題”を“課題”に切り替えて、その課題を実現するために必要な条件(どうしさえすればよいか)を「・・するために、・・する」繰り返しで探し、課題の実現をし

ます。

1.作業もしくは思考の対象の課題(テーマ)を確認します。(左の例では:小型懐中電燈) 2.次に、その課題に対して 「要するに、われわれはそれで何をしようとしているのか?」 「要するに、何をしさえすればよいのか?」 のいずれかの質問の答えとなる表現を、要するに「…を…する」という単文の形式で、左上図のように、思いつくだけカ

ードに書き出します。この時、必要 小限の形容詞、副詞の句、節をつけてもかまいません。 3.書き出した表現を独立するようにはさみで切ります。

この時、どうしても縦に並ばない表現があるときは、横に並べます。 2 回同じような表現カードが必要なときは、 (1 次)、(2 次)…もしくは(素素案)、(素案)、(案)という表現をその表現に追記します。 5.並ベ終わったら、もう一度上の方から下の方へ「…を…する」ために「…を…する」、「…を…する」ために「… を…する」、と繰り返

し読んでみて、ぴったりするように再調整します。 6.必要に応じて手直しや表現の追加をしていきます。ここに、何がありさえすれば良いかその中身がまだ表現出来な い時は、「なにも書

いてないカード」をそこにおきます。 そのあと、そこに何があればよいかを考えつづけて答えの表現を探します。 7.上記の結果をメンディングテープで固定した後、カードの全体をじっくり眺めて、課題がいわんとしていることは上の方の意味も、下

の方の意味を含んで「要するにこれをすることだ」という も適切な表現のレベルを探し出します。左下図の例では「 小限の電池と

電球の組み合わせでON-OFFをできるようにする」です。 (その表現は、大体、中央あたりのレベルに見つかります。)その表現が Main Key Word となります。 8.次に、「どこから、何から手をつけたらよいかの入り口」(Entrance Keyword)の表現を見つけ出します。 通常、それは一番下のカードのところにでてきます。 それが見つからないようであれば、どこから手をつけたらよいか の表現を考

えて、その「…を…する」の表現を一番下に追加します。 Entrance Key Word は、1 つのこともあれば、複数になることもあります。複数の時は、これが作業着手の手分け区分となります。 9.出来上がったものは、上から下へ読めば、目的と手段の関係の繰り返しであり、下から上へ読めば、大ざっぱな手順となります。 (補足)カードは書く人によって色を変え、かつ、裏にのりの着いていないものがよろしい

うらにのりがないカードの方が上下の並べ替えが便利です。

小型懐中電灯の目的と手段のブロックダイアグラムとその「 も

適切な機能表現」、即ち、「Main Key Word 表現」の把握

2○○を○○する

2○○を○○する2 ・従来の懐中電灯で、最も安くできているものより、安くて良いものをまとめる

1 ・最小限の電池と電球の組み合わせでON-OFFをできるようにする

3 ・最小限の大きさで、暗闇で( )m先のものがみえるようにする

4 ・手の中に入るくらいの大きさで光を出す

5 ・従来の一ばん安くて良い懐中電灯よりよい案を創り出す

6・小型懐中電灯の極限2~3案(安い、高信頼性、小型)を創り出し、

 そこから比較して実現可能な実現案を探す

最も適切な機能表現

(その課題レベルにおける

基本機能の表現)

Main Key Word表現

どこから手をつける

のかの表現

Entrance Keyword

課題:小型懐中電灯(分割構成レベル1)

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図表5 キーワードから、目的の結果のアイデアを、考え付く例。

1 ・最小限の電池と電球の組み合わせでON- OFFをできるようにする

4 ・手の中に入るくらいの大きさで光を出す

5 ・従来の一ばん安くて良い懐中電灯よりよい案を創り出す

6・小 型懐中電灯の極限2~3案(安い、高信頼性、小型)を創り出し、

 そこから比較して実現可 能な実現案を探す

3 ・最小限の大きさで、暗 闇で( )m先のものがみえるようにする

2 ・従来の懐中電灯で、最も安くでき ているも のより、安くて良いものをまとめ る

小型懐中電灯のアイデアの一例 小限オ電池と電球の組み合わせで、ON-OFF できるようにする

極端な単純化を試みた小型懐中電灯のイメージ図

左の図は、メインキーワードの表現は、到達するべき「目的の結果」すなわち

目標を表し、それより上は、どちらかというと抽象的な目的となり、目的の結

果にたどり着くまでの、一番下に出てくる、キーワードからの目的の結果にた

どり着くまでの、思考作業のおおよその、順序と見ることができます。

2○○を○○する

2○○を○○する2 ・従来の懐中電灯で、最も安くできているものより、安くて良いものをまとめる

1 ・最小限の電池と電球の組み合わせでON-OFFをできるようにする

3 ・最小限の大きさで、暗闇で( )m先のものがみえるようにする

4 ・手の中に入るくらいの大きさで光を出す

5 ・従来の一ばん安くて良い懐中電灯よりよい案を創り出す

6・小型懐中電灯の極限2~3案(安い、高信頼性、小型)を創り出し、

 そこから比較して実現可能な実現案を探す

最も適切な機能表現

(その課題レベルにおける

基本機能の表現)

Main Key Word表現

どこから手をつける

のかの表現

Entrance Keyword

課題:小型懐中電灯(分割構成レベル1)

小型懐中電灯の目的と手段のブロックダイアグラムとその「 も適切な機能表現」

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図表6 「なにをするため、どのようにして」と「なぜ」の質問の使い分け

過去に設定された目的過去に設定された目的を含む未来目的

なんのために

より上位の抽象目的へ

行動面

抽象的な上位目的の面→

どのようにして起こったのか? なにをするため

なぜ なぜ なぜ なぜ どのようにして

「なぜ?」と「なんのため」のことばがはじまる起点

「どのようにして」のことばがはじまる起点(未来の目的の結果)

「要するに・・・する」の点

MADE BY M.HISATOSMI M.ESAKI MAY 4,1980 REV. OCT.10,1988

『 初の「なにをするため、どのようにして」

の質問』は、質問の焦点を現在のB点より

直接未来へ向かわせるのに対し、『 初の

「なぜ」の質問』は、質問の焦点をB点よ

り直接過去に向かわせる。

図 「なぜ」と「なにをするため、どのようにして」の微妙の使い分けのイメージ図

「なんのため」のことば が上向きに始まる起点

解説1 解説2

認 識

(1)「なぜ」の質問: ====> 過去のこと、もしくはすでに把握している知識に遡ります。 (2)「なんのために、どのようにして」の質問:未来思考を引き出し未来の知恵を創り出すための言葉です。 (「なにをするため、どのようにして」のほうが、より的確となる) *前例のないことを考えようとする時、「なぜ」の質問から始めるとその思考のスタートができなくなります 正しい知識の把握のため質問のしかた (1)未来のことについて正しい知恵を創り出す ====> 正しい目的と手段の関係の知識を把握すること 質問のしかた 「なにをするため、どのようにして」 (2)過去のことについて正しい知識を把握する ====>正しい因果関係の知識を把握すること 質問のしかた 「どのようにしてそうなったか?」または 「どのようにしてそうなっているのか?」

「なぜ」の使い方

(1)正しい目的と手段の関係や因果関係の知識を把握できたあとに使うと、分かりやすく説明することがで きます。 (2)今までの習慣のままに 初に「なぜ」から質問をすると、うまく行けば正しい関係の知識にたどり着く ことができますが、意識的に自分の都合のよい関係の知識にたどり着くこともできます。

(3)既に過去に起こってしまっている、変えることのできない事実をもとに、逃げ場のない方向で、 人を追いつめることができます。 従って、他人をいじめる目的のためには、大いに有効ですから、 それを目的とする場合、おおいに、お勧めができます。

(4)しかし、自分の現状を納得するためには他人をいじめることにはならないので、便利です。

「ので」理論

(1)国や県や組織には「なぜ」から始まる質問に答えなければならない会計法、予決令があります。 それに合わせるために、正しい関係の知識を把握できたあと、「ので」という言葉を使って「なぜ」の 質問に答えるようにします。これにより、正しい施策の説明、適切な予算の取得ができるようになり、 社会の正しい発展を図ることができます。これを「ので」理論と呼びます。

「なにをするため、どのようにして」と「なんのため、どのようにして」という表現はよく似ているが、

前者は行動を伴い、後者は戦前、戦時中の「天皇陛下のため」死んでもよいよいといった例のように少し

短絡した思考をもたらす可能性があります。

1. 男性はどちらかというと現在から、未来、過去を見ており、女性はどちらかというと未来と 過去から現在を見る傾向性があります。 そのため、男性の場合、 初に「なんのため。どのよう

にして、」と現在から未来を考え、「なぜそうなったのだろう?」と現在から過去を考え、女性の

場合、 初に「もしそうなったらどうしよう」また、「どう思われるかしら…」と未来から現在

を考え、「だって」と過去から現在を考える傾向性があるようです。 2. このことから、男性は上記の B 点(現在)より未来と過去を見て発想し、女性は C 点と A 点 (過去

と未来)から見て B 点(現在)を発想する傾向があることがわかります。 3.以上のことを、意識することにより使い分け、棲み分けることが可能だと思えます。

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(c) 江崎通彦 2007-10-3

図表7 何をするため、どのようにして、の質問の構造と、PMD で、出来上

がる、目的、目標、手段の関係の地図との対比図

過去

未来

現在

D点

C点

B点

A点

過去に設定された目的過去に設定された目的を含む未来目的

なんのために

より上位の抽象目的へ

行動面

抽象的な上位目的の面→

どのようにして起こったのか? なにをするため

なぜ なぜ なぜ なぜ どのようにして

「なぜ?」と「なんのため」のことばがはじまる起点

「どのようにして」のことばがはじまる起点(未来の目的の結果)

「要するに・・・する」の点

MADE BY M.HISATOSMI M.ESAKI MAY 4,1980 REV. OCT.10,1988

『 初の「なにをするため、どのようにして」

の質問』は、質問の焦点を現在のB点より

直接未来へ向かわせるのに対し、『 初の

「なぜ」の質問』は、質問の焦点をB点よ

り直接過去に向かわせる。「なんのため」のことば が上向きに始まる起点

1 ・最小限の電池と電球の組み合わせでON-OFFをで きるようにする

4 ・手の中に入るくらいの大きさで光を出す

5 ・従来の一ばん安くて良い懐中電灯よりよい案を創り出す

6・ 小型懐中電灯の極限2~3案(安い、高信頼性、小型)を創り出し、

 そこから比較して実現可能な実現案を探す

3 ・最小限の大きさで、暗闇で( )m先のものがみえるようにする

2 ・従 来の懐中電灯で、最も安くできて いるものより、安く て良いものをまとめる

1 ・最小限の電池と電球の組み合わせでON-OFFをで きるようにする

4 ・手の中に入るくらいの大きさで光を出す

5 ・従来の一ばん安くて良い懐中電灯よりよい案を創り出す

6・ 小型懐中電灯の極限2~3案(安い、高信頼性、小型)を創り出し、

 そこから比較して実現可能な実現案を探す

3 ・最小限の大きさで、暗闇で( )m先のものがみえるようにする

2 ・従 来の懐中電灯で、最も安くできて いるものより、安く て良いものをまとめる

上記の図を、左の図と比較すると、図5の A 点こそが、メインキーワードの示す、右上図

の目的の結果であり、その上位にある、「何をするため」という言葉が、その目的の結果を、

価値ずける重要な表現になることが、改めて、認識できます。

これが、結果的には、PMD の表現が、「意思の方向」、「価値の方向」を示すことになる、

説明になります。 そして、差の情報による意思決定・判断の理論から、その裏打ちがされることになります。 また、この図と、従来からある「なぜ、なぜ」の質問を繰り返すやり方との関係は、ここに

示す方法は、手っ取り早く、目的の結果を、押さえるやり方であり、「なぜ、なぜ」の繰り

返しの質問は、それが正しいかどうかを、検証する質問のやりかだともいえます。 従って、この方法と、従来からの、質問の仕方の関係は、共存をし、かつ、補完しあうとい

えます。 それでも、この2つの質問の方法の、共通点は「要するに、何をするため」が 上位にくる

質問であることは、明らかです。

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Ⅱ. ステップリストの特徴

⑨ さらに⑧での PMD で、意思の方向とメインキーワードが決まると、目的の結果にたどり着くまでの、PMD により示され

る思考の条件階層だけでは、複雑な「もの・システム」の開発の手順としては、不足であるので、段階的な作業と意思決定

をしながら、何をしさえすれば、目的の結果にたどりつけるかの計画的な手順を創ります。そして、それに従って、管理

する必要が出てきます。

これが、まさしく、プロジェクト・マネージメント世界となります。

的確で、落ちのない段階的な作業と意思決定の手順を作るためには、PMD に続く、ステップリスト方法が有効な方法とな

ります。(これにより、プロジェクト管理の教科書の PMBOK などが、要求している、プロジェクトマネージメントのた

めの落ちのない段階的な計画手順を作ることができます)

この方法を使うと、「いろいろ考えてこうするという全体に眺めて、全体の物ごとの見通しを持てる段階」までと、「その

見通しのたったことを、着実に成し遂げる段階」を区分したうえで、全体の作業を「落ちのない段階的作業と意思決定・

判断の作業手順に、割り付けることができるようになります。

(補足説明1:この、「全体を見て物ごとの見通しを持てる段階」と、「見通しの立ったことを、着実に、成し遂げる段階」

の切替り目は、システム・エンジニアリングでいう、「V チャート」底の点に相当します。そして、この点が、全体を進め

るプロジェクト・マネージメントの視点からでも、しっかり押さえねばならない、マネージメントの 重要の管理ポイン

トとなります

補足説明2:「全体を見て物ごとの見通しを持てる段階」を帰納アプローチ段階といい、「見通しの立ったことを、着実に、

成し遂げる段階」を、演繹アプローチ段階といいます)

ステップリストのイメージ図は図表8の通りです。

その段階的手順を創る方法の決め手となる、ステップリストの方法(資料7)とその応用編(資料8)は、下記の URL で

見ることができます。

資料7

http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J04-chap%202-2%20steplist%203-5%20method.pdf

また、資料8では、複雑な「もの・システム」の開発に必要な、階層化をしたステップリストの具体例を見れます。

資料8

http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J05-chap%203-2%20Steplist%20detail.pdf

この例は、航空宇宙工学便覧の第 2 版、第3版の表 B2-1 に示されている「開発実施計画書を含む開発段階の区分例」の

細部の解説です。これは、上位システムから、そのサブシステムの開発実施計画書の開発段階区分例」にいたるまでの実

際の具体例までを示しています。(この例は航空機の例で示していますが、この方式で、いくつかの航空宇宙システムの開

発がこの方法で、成功しています)

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図表8

 どのような場合の思考および作業もインプットとアウトプットの関係の繰り返しとしてとらえることができます。 上記の図「うまい飯の炊き方」の例のように、作業ステップを つの箱 にあてはめることによって、 思考や作業の要素項目を落ちなく抽出することができるようになります。

4

( )どこからどのように手をつけたらよいのかが解らないような複雑な課題があるとき、その課題を実現する   ための手順を でまず「おおよその手順の枠組み」として把握し、更に詳細な思考と行動の手順を   この方法で作ることが出来るようになる 。

( )従って概念の域にあるものを手順化することが出来るようになる。( )適切な言い手( )と受け手( )の関係の枠組みを創り出すことが出来るようになる。

( )適切な事前管理と事後管理およびその評価基準を創り出すことが出来るようになる。

( )従来開発されている各種の管理技法をどこで利用するかの位置付けを、適切に割り付けることが出来る   ようになる。

( )以上により、適切な段階的意思決定の枠組みを創り出すことが出来るようになる。

1PM D

23 O FFER ACCEPTANCE45

6

(注)ステップリストの基本形は 段階であるが、必要に応じて段階の加除をする。

   (例)マーケットクリエーションに使うときには、上流に ~ 段階  を追加する。

82 4

出典:江崎通彦( )  『新プロジェクト管理の方法( 手法)』アスキー出版. 頁

1 997DTCN/DTC 74

2 4.落ちのない つの箱の認識の詳細

3.ステップリストの書式の説明

上の 段階⇒帰納アプローチ  (いろいろ考えてこうしようと考える段階)

下の 段階⇒演繹アプローチ  (考えたことを実施する段階)縦方向  ⇒目標を実現するための落ちのない段階的作業横方向  ⇒各段階の要素項目を落ちのないインプットとアウトプットの関係に割り付ける枠組み     次の段階に入るためには、前の段階のアウトプットに、必要な新しい要素項目を加え     て次の段階のインプットとします

44

4.ステップリストの方法では、以下のようなことが出来るようになる。

段階的「手順の知恵」を創り出すステップリストの方法

ステップリストの方法の概要

・落ちのない段階的な手順を創る ( で、把握した価値の方向と大まかな条件、手順を

  落ちなく具体化手順に組み立てる方法)

・何をしたいかの焦点が絞り込まれているときは、 を作らずにこの方法をいきなり使ってもよい。

P MD

PMD

1

4 8

.落ちのないインプ ットとアウトプットの因果関係の要素 項目を落ちなく抽出するた めの

   つの箱の認識とステップリストの 段階手順の書式

・落ちのない手順を作るには下記のの「うまい飯の炊き方の因果関係要素」をモデルにして

 下記の矢印の 順に手順要素を書式の中に入れて落ちのない段階的手順を創り出す

主 題項目 テーマ

副題 P MDのキーワード

区分 基本的ステップ

ステップ内容

インプット アウトプット

項目事前保証活動

事後保証活動

項目その他の条件

アウトプット承認者と

予定日

アウトプット 説明会出席者

実際のアウトプット承認日と備考

( 着想のため)第 一次情報収集

着 想

構成化

(構成化の裏付)第二次情報 収集

基本事項または基本設計

詳細事項または詳細設計

試作または実行

是正および見直し

A B C D E F G H I

帰納アプローチ段階

演繹アプローチ段階

いろいろ考えてこう

しようと考える段階

考えたことを実施する

段階

ステップリスト(段階的計画書)

インプット アウトプット

項目事前保証

活動事 後保証

活動項目

項目 項目作業

保証条件

確認作業

保証条件

計画承認者: 日付:

計画事項推進者:

米粒

飯炊き作業

火加減と時間

炊きあがり飯

確認作業

試食

試食をする人は主人の好みを知っていること

確認済みのご飯

ステップリストマネージメント方法では、以下のようなことが出来るようになります。

(1)どこからどのように手をつけたらわからないような複雑な課題あるとき、その課題を   実現するための手順をPMD手法でまず「おおよその手順の枠組み」として把握し、   更に詳細な思考と行動をするための手順をこの方法で作ります。 この方法により

(2)概念の域にあるものを手順化する事が出来るようになります。

(3)適切な言い手 と受け手 の関係の枠組みを創ります。

(4)段階的で、適切な事前管理と事後管理の条件による事前と事後の評価基準を創り割り付けれま  す。そしてその事前評価基準を有効に機能させる事前保証活動とその条件(例えば、  トレードスタディー作業の実施)を的確に実施することにより、従来にない効果的で効率的な段  階的作業の効果をあげることができるようになります。

(5)従来開発されている各種の管理技法をどこで利用するかの使用する位置づけを適切に割り付け  る事が出来ます。

(6)以上により適切な階段的意思決定とそのための効果的で効率的な評価基準、評価作業の枠組み   を作ります。

(O FFER) (AC CEPTA NCE )

DTCN/DTC

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Ⅲ FBS(Function Breakdown Structure)テクニックの特徴

⑩ また、⑧での PMD のメインキーワードが決まると、開発の手順(スッテップリストの手順)に従って、また平行して、

その対象となる「何を」結果として得るのかの内容である、「もの・システムの構造・構成」をどんなものにすればよいか

についての内容の構築をしていかなければなりません。

それは、 初に創った PMD(目的と手段の関係のダイヤグラム=意思の方向、価値の方向)とメインキーワードを焦点

にして、そのキーワードを実現するための「もの・システム」の方式形態の、比較 3 案創出から始まり、比較、評価、選

択をして、更にその下部階層の内容となる、構造構成を、階層的に構築してくところから始まります。

このための、たたき台(素素案)とその「もの・システム」の使用環境、条件、他とのインタフェースなどをまとめたも

のが仕様書ということになります。

この段階的な手順の枠組みを作るのが、ステップリストであり、その「もの・システム」の的確で、 適な内容構造(案)

の構築するのが、FBS テクニック方法です。

FBS(Function Breakdown Structure)は、「もの・システムの WBS]とその「もの・システムの機能ツリー」を同時に創

る方法です。

FBS テクニックは、「もの・システム」の 適な構造構成を迅速、的確に、創りだす決め手になる方法です。

FBS テクニックは、「もの・システムの WBS」と「もの・システムの機能系統図(機能の親子関係)を、交互に創りだ

していく方法です。従って、方式・アイデアの選択の違いにより、変化する下位コンポーネントの構成レベルと機能レベ

ルも、 適化により変化させる方法です。

FBS の説明は資料9 FBS テクニックに説明されていますがその概要の説明を、図表9を使って説明すると、次のよう

になります。

資料9FBS テクニック URL

http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J04-chap%202-4%20FBS%20theme%20phasing.pdf

説明は、A、B、C、D、E、F の6つの視点から説明します。

まず、図表9の中の図 1 を見てください。

A. FBS テクニックの基本の説明

この例は、設計テーマを「勉強しやすい机」として説明しています。

まず(1)の設計課題レベルから、説明をしていきます。

(1) 初に、設計の課題レベルの表現が決まっているとしましょう。これは、名は体をあらわす、設計課題名を、適切と

しますが、これが適切でない場合でも、次の(2)「要するに、それで何をしようとしているのか」の答えになる答え

を的確にだしたうえで、決定すれば、それを、カバーできます。

(2) (1)の課題レベルにおいて、要するに、それで、われわれは、「それで何をしようとしているのか?何をしさえすれば、

よいのか?」の答えになる、上位目的と、メインキーワード(=基本機能表現)を、PMD の考え方を使い、把握し

ます。

(3) その上位目的とメインキーワードを基点として、それを実現するための、比較2~3案(注1)、できれば、極端 3

案(例えば、コストミニマム、重量ミニマム、安全性マキシマム)を創出しその比較案の作る三角形の中に存在する

とします。このとき、アイデアが出ないときは、メインキーワードを手がかりに、NM 法や TRIZ の方法を使ったり、

類似特許を調べます。(上位目的とメインキーワードをセットにして考えるという意味は、デートをするために、人

を移動する方策と、家族を団欒させるために、人を移動するという方策は、上位目的とキーワードレベル機能の組み

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合わせではまったく、必要なアイデアは変化してくるから、大切なポイントとなります。(このことから、従来の、

VE(価値工学)でいう、基本機能さえ満足すればよいというのは、適切で的確なもの・システムの構築のためには、

不足であると、いう認識にたどり着きます)

(4) このレベルでは、アイデアの比較、評価をし、選択案を的確に選ぶ、作業書式として、図表 10 を示す、DTCN/DTC

トレードワークシートを、必要に応じて使います。

(5) これ以下は、(1)~(4)の作業を、全体の姿の見通しがつくまで、繰り返します。

補足事項として、3 案比較のときに、比較評価が十分できないときは、そのレベルより、下のレベルまでの、アイデ

アの実現性のチェックをトレードオフ、予備試験などにより確認してから、その 3 案比較(トレードスタディー)を

実施することが必要なときがあります。(注2)

実際の設計では、上記のようなアイデア創出、比較手順の書式を、すべての、細かい設計まで、使う必要のないとき

もあると、考えられますが、主な設計は、この手順でやることにより、トレーサビリティーが確保できるようになり

ます。

(注1)外国では比較案のことを、代替案(Alternative plan)と呼んできるが、日本人には、代替案という言葉がある

と、もとの案がすでにあり、それに取って代わるという意味になってしまい、気持ちが悪いので、比較案という言葉を使

ったほうがなじみやすい面があります。比較案という言葉を使えば、公平な、比較評価ができるようになります。

また、新しいものやシステムを創りだすときには、もとの案さえないので、この Alternative という表現さえも、日本人

の発想からいって、おかしくなってきます

(注2)この場合、比較案の比較をするために、その下のレベルの手段の実現可能性が不明のときはその、1段下か、2

段下の手段レベルの内容を調べるか、予備試験をして確かめてからその比較案の評価をせざるを得ないことがあります。

この場合は、比較2~3案をそのまま残して次の、検討段階に進む方法もあります。

以上の例による、説明により、天井つり方式の机と脚付きつき机(場合によっては、上位目的のちがいにより、脚取り付

け金物が省略される場合がある)と壁片持ち方式により、それより、下位のコンポーネント課題の構成が変わり、課題と

裏腹になっている機能表現(=メインキーワード)が、上位のアイデア方式の選択結果により、変化し、それより下位の

機能系統図が変化することが明らかになります。(・・・これにより、従来の教科書に、もの・システムの WBS と機能

系統図はよく似ているが、その関係を適切に説明したものはない、ということが書いてある事実を、以上の視点から見る

と、ここで説明した、 適設計の当たり前の姿を、全く理解していない人たちが、それらの教科書を作ってきたとしか、

考えられないという、不思議な現象に、気がつきます)

このようなことをすることにより、図表9の下側に示す図2のような、幾何級数的に増える、いくつかの案の創出、比較

評価、選択作業を、効果的、効率的にするのがFBSテクニックの原理といえます。(効果と効率の明確な関係はここをク

リックしてみることのできる「効果と効率の関係」をご覧ください)

B. A で述べたように「もの・システム」の構造構成が 適と判断できる FBS テクニックで、選択案が選択されても、

その「もの・システムユニットが、複雑な宇宙や航空機システムに組みこみ、運用する場合、安全、確実に、それが

できるかを、確認する必要があります。その「もの・システム」を組みこんだ、落ちがなく、無理のない運用システ

ムフローの確認には、ステップリストの落ちのない 4 つの箱の原理を利用して、確認する必要があります(このプロ

セスを「作業フロー手順の機能分析」による、FFBD(Function Flow Block Diagram)と呼びます)。

このとき、そのフローダイヤグラムの内容が、あいまいなまま、次に進むと、後で取り返しがつかないことにもなり

ますので、この場合は、そのフローについて、それでなにをしようとしているのか、何をしさえすればよいのかの質

問をして、作成する PMD を創ってからキーワードを把握してから、そのフローダイヤグラムを創り、内容を明らか

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にすると、落ちのないシステム・アーキテクチュアーの構築が的確にできるようになります。

(注1)PMD 手法により、キーワードを把握してから、ファンクション・フロー・フロー・ダイヤグラムを創るのが、

手っ取りはやく、的確なフローダイヤグラムをコツです。

しかし、PMD を創らなくても、すいすい、フローダイヤグラムを創っていけるときは、必ずしも PMD を作る必要

はありません。

図表 11 と図表 12 に、その作業概念を示しました。このフローが論理的(因果関係)に繋がる場合には、OK で、繋

がらない場合は NO となります。

(注2)この FFBD を作る作業のことを、外国の教科書では、機能分析といっていますので、日本人には、ますます

わからなくなるというのが、従来の姿です。

新しいものを創るのですから、手順としては、その分析をする対象となる、たたき台となる機能構成の構築の方が先で、

それから後で、本当にそれで大丈夫かの、分析をするのが、当然の順序になります。

また、機能分析の対象には、「もの・システムの機能分析」と「手順、フローの機能分析」の不多雨のたいしょうがあ

るということを、認識しておく必要があります。

言い換えると、この「分析するということ」は、それでそのシステムが使い物になるのかを評価する Validation の評

価をする分析チェックの作業にもなる、ということです。

このプロセス作業のことを、システム・エンジニアリングの方法の用語では、システム・アーキテクチュアー設計の構

築作業と呼んでいることに相当します。

また、このフローによるチェックのプロセスで、FTA(Fault Tree Analysis)と FMEA(Failure Mode Effectiveness

Analysis)の方法によるチェックをします。

また、このとき、必要なものについては、この、「もの・システム」の選択の運用フローによる評価段階で、田口メ

ッソドによる、バラツキの極小化と、製造方法までを含んだ、システムの 適化を行います。

この落ちのない 4 つの箱の原理の利用は、前の段階のアウトプットが、適切に、次のプロセスのインプットとして適

切な形に整えられているかをチェックするのも、基本要件としています。

そして、この事後評価作業において、問題があれば、 初に選んだ「もの・システム」選択内容までの手直までを含

んだ、運用フローの 適化を行います。

このことから、同じ機能分析をするという言葉には、「もの・システム」の FBS テクニックにもとづく「もの・シス

テムの機能分析」と、ステップリストの 4 つの箱の原理を利用した、「手順、フローの機能分析」の 2 種類があるこ

とを認識して、混同しないようにする必要があることがわかります。

C. なお、この評価プロセスにおいて、上流からの因果関係によりチェック評価するのが、FMEA であり、下流からの結

果-原因の関係でチェックするのが、FTA によるチェックとなります。この FTA によるチックは、PMD の方法によ

り、悪い結果がでるには、どういう条件が整えば、それが起こるかをチェックする考え方であり、結果のカードを上

のほうにおき、その下の階層条件を、目的・手段の、手段カードとみなし、階層化条件が繋がるかどうかにより、重

大な事故が起こる条件なメインキーと、そのエントランスキーを確認しやすくなるので、従来のような、欧米式で横

書きでそれをチェックするより、より的確なチェックができるようになります(この件の原理は別稿「なぜ、

PMD,WBS は縦に書いたほうが、落ちがないのか、またその特徴がだせるのか」の解説の項を参照してください)

D. さて、上記のように、運用フローの視点から、 初の設計を改善していく方法のほかに、この方法を、ステップリス

トの方法と組み合わせて、QA、QC、QI(Qulity Improvement)の関係の改善の方法につないでいく方法もありま

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すので、それも必要に応じて、改善していきます。

その QA、QC、QI(Qulity Improvement)の関係の改善のイメージを示しますと、図表 13 のようになります。

E. またうんと、下流(例えば、廃棄段階)からの視点から見た評価をこの時点でしていく必要があります。

下流段階から、の検討を含めての、検討をするための方法は、DTCN/DTC手法のうちの、WBSフェージングいテーマテ

クニックを使う必要がでてきます。

F. QFD(品質機能展開)の方法は、既にあるもの、仮想のものにつき、シーンからの顧客の要望要素を要求品質として、

抽出し、技術品質要素項目に切り替える方法ではあるが、その各項目(非常に、項目が多く、設計案、方式の選択に

よっては、検討をしなくてもよい項目も含まれる可能性がある)を、いつどのような段階で、検討をすればよいかの

割付の方法が QFD の方法の中には、示されていません。

従って、このようなチェック項目の割付は、上記の E 項に示した、WBS フェージングテーマテクニックを使うこと

になります。

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図表9

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図表 10

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(c) 江崎通彦 2007-10-3

図表 11 落ちのない Function flow block diagram の創り方。

落ちのない

の創り方。

このような整理をできるのは、日本の文化的背景が

あって、初めてできるようにもにも思える。

Function flow block diagram

どの運用フローもインプットとアウトプット

の関係でつながっている。

また前のアウトプットを検査、評価したうえで、

そのアウトプットを次の機能作業のインプットと

して、必要に応じて、他からの追加のインプットを加え、

次の作業もしくは情報処理に入る。

この関係は、右図のおいしい飯の炊き方のインプット

項目、作業、アウトプット項目、確認作業と同じ因果関係

になっている。

しかも、その作業は上流に遡れば、下図のように、

米屋へ行って米を買ってくるところから、見ると、

落ちのない作業フローになっている

図 落ちのない4つの箱とPERT手法、左右脳の能力内容の対比

創造思考/作業のプロセス

この関係はまったく同じで、

下図はその前の米を買って

くる段階からの流れ図(作業

の流れ)を示している

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(c) 江崎通彦 2007-10-3

図表 12 一段下のフローを確認するための、飯の炊き方のモデルの応用 FFBD ( Function Flow Block Diagram )につき、的確に繋がっていないところ、落ちがないようにするための、ステッ

プリストの4つの箱を使った方法のイメージ

図表 13 ステップリストの落ちのない 4 つの箱の原理を使って QA、QC、QI の関係を改善

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Ⅳ プロジェクト・マネージメント(PM)、システム・エンジニアリング(SE)、ワークパッケジの WBS の関係

⑪ プロジェクトマネージメントとシステムエンジニアリングの関係は、よく車の両輪という関係であるという説明になって

おり、今まで、それ以上、的確な説明がなされていませんでした。

図表 14 で、その関係にくわえて、ワークパッケージの WBS の関係までの説明をしています。

PM と SE に共通なものは、PMD で表すことのできる「意思の方向」「価値の方向」です。

図表 13 では、その意思の方向を、左上部に位置付け、SE の方法は、「もの・システム」の構造・構成を作り出し、その運用

上のフローを保証するともに、その「もの・システム」の保証事項アイテム(コスト、安全性など)の内容を保証するマネー

ジメントのことをさしています。

これに対し、PM の方法は、それを段階的手順と体制(その階層体制を含む)により、具体化するマネージメントをする方法

です。その具体例は、資料8に含まれています。

また、この PM と SE を同時に実行するためには、その実施計画書を組織で作成し、承認すれば、それが、組織においての命

令書にもなり、外部の組織と合同して、段階的作業と意思決定を整斉と行ってできるようになります。

この実施計画書の方法は、資料 10 として、下記の URL よりダウンロードできます。

資料 10 http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J04-chap%202-7%20implementatin%20doc.pdf

そして、「ワークパッケージの WBS」は、その内容を、落ちのないインプットとアウトプットの関係で、つないでいく作業

ユニットになっています。

また、「このワークパッケージの WBS」以外に、一般に WBS という言葉の混乱からの脱出については、別稿「WBSとい

う言葉、概念の混乱から脱出して、それを有意義なものにする」URL

http://dtcn-wisdom.jp/J-explanations/j-WBS-no-konnrann-dasshutu.pdf をご覧ください。

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(c) 江崎通彦 2007-10-3

図表 14 プロジェクト・マネージメント、システム・エンジニアリング、ワークパッケジの WBS の関係

段階的手順を示すステップリスト→ガントチャート→手順のWBS

Http://dtcn-wisdom.jp/J-Edition%202/J05-chap%203-2%20Steplist%20detail.pdf

D:\0-My Documents\1-作業ファイル 1\d\1-jamss\JAMSS-1\インストラクション\PM、SE,WBS の関係.cdr

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