professional teacher s notebook note2509.pdfprofessional teacher’s notebook...

74
Professional Teachers Notebook 高知県教育センター

Upload: others

Post on 07-Aug-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

Professional

Teacher’s

Notebook

高知県教育センター

Page 2: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

は じ め に

「プロフェッショナル ティーチャーズ ノート」は、「研究協

議ノート」のことです。

授業を観る視点や授業原理を基にして、活発な研究協議を行うた

めに作成しました。

この「プロフェッショナル ティーチャーズ ノート」で、真の

プロ教師を目指してほしいです。

高知県教育委員会

「教師が学び、教師が育つ学校づくりプロジェクト事業」スーパーバイザー

西留 安雄

「プロフェッショナル ティーチャーズ ノート」には、西留安雄先生が東京都東

村山市立大岱小学校で取り組まれた、どの学級でも質の高い学習を行うための様々な

工夫が結集されています。このたび、西留先生のご厚意により、先生が本県の学校や

教員に関わられ、その実態を踏まえて全体を加筆・修正されたものを、教科研究セン

ターホームページで公開することになりました。

本県の教員の皆様には、ぜひとも、これを校内研修や日々の授業づくりで活用して

いただき、授業力の向上を目指してほしいと思います。

また、このノートを参考に、各学校の児童生徒の実態や課題に応じたオリジナルの

「プロフェッショナル ティーチャーズ ノート」が作成され、子どもたちに確かな

力を育む教育実践がなされることを願っています。

ご提供いただきました西留安雄先生に心からお礼を申し上げます。

平成25年11月

高知県教育センター 所長 濱田 久美子

Page 3: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

目 次

1 プロフェッショナル ティーチャーズ ノートとは --------------------------------- 1

2 校内研究のねらいと意義 ------------------------------------------------------- 2

3 研究推進委員会とその役割 ----------------------------------------------------- 3

4 校内研究と個の研究の一体化 --------------------------------------------------- 3

5 授業研究を中心とする研究運営 ------------------------------------------------- 4

6 授業改善 DCAP サイクル ------------------------------------------------------ 5

7 分かる授業 ------------------------------------------------------------------- 6

8 目指す授業像 ----------------------------------------------------------------- 7

9 学び合う授業の構想 ----------------------------------------------------------- 9

10 授業の構成要素 --------------------------------------------------------------- 10

11 問題解決的な学び(小中高すべて同じ) ------------------------------------------ 11

12 問題解決型学習の展開の仕方と留意点 ------------------------------------------- 12

13 問題解決的な学習の展開(1単位時間) ----------------------------------------- 13

14 本時の展開の書き方(学習指導案) --------------------------------------------- 14

15 問題解決的な授業 ------------------------------------------------------------- 17

1 小学校教師モデル 2 中学校教師モデル 3 児童・生徒モデル

16 各教科における問題解決的な授業 ------------------------------------------------ 23

17 挙手と反応(子どもたちへ) --------------------------------------------------- 36

18 研究授業までの流れ ----------------------------------------------------------- 37

19 学力向上学習指導案初期構想 --------------------------------------------------- 38

20 学習指導案様式 --------------------------------------------------------------- 39

21 道徳学習指導案様式 ----------------------------------------------------------- 43

1 道徳学習指導案 2 保護者向け

22 研究授業参観の約束 ----------------------------------------------------------- 45

23 授業重点評価カード ------------------------------------------------------------ 46

24 児童・保護者の授業評価 ------------------------------------------------------- 47

1 小学校 2 中・高等学校 3 保護者・地域用

25 ワークショップ型研修 ---------------------------------------------------------- 50

26 課題論文作成方法 ------------------------------------------------------------- 54

27 言語力を高める条件整備 ------------------------------------------------------- 55

28 学習言語わざ ----------------------------------------------------------------- 56

29 学習段階のルール(最終言語わざ) --------------------------------------------- 59

30 学び合う授業 ----------------------------------------------------------------- 61

31 振り返り --------------------------------------------------------------------- 64

32 思考過程ノート指導 ----------------------------------------------------------- 65

33 授業見学集会 ----------------------------------------------------------------- 67

34 言語活動統一事項 ------------------------------------------------------------- 68

*授業参観記録シート

*ワークショップ記録

Page 4: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

1 プロフェッショナル ティーチャーズ ノートとは

このプロフェッショナル ティーチャーズ ノートは、校内研究の内容

を全員で共有し、教師が一丸となって校内研究主題を追究していくため

に必要な内容を収録したものです。

これまで校内研究を進める中で、教師の中から「研究の方法がわか

らない」「前任校と違うからできない」といった意見が出されていまし

た。また、各自が思い思いの方法で実践を重ね、学校としての研究が

積み重ねづらいといった課題もありました。こうした現状を乗り越え、

研究主題を追究していくためには、教師全員が同じ研究の土俵に上が

り、その上で校内研究を進める必要があります。

そこで開発したのがプロフェッショナル ティーチャーズ ノートで

す。ここに収録されている研究推進の方法に則り、全教師が日々の授

業改善に努めることで、全校的に組織的な学習指導が可能となります。

若手教師が多くなる中で、どの学級でも質の高い学習を子どもたちに

提供していくための手段として作成しました。

目次を見ると分かる通り、問題解決的な学習の基本的な方法をまと

めています。校内研究の際はもちろんのこと、日々の授業づくりで活

用し、学習指導の質を高めていけたらと思います。

-1-

Page 5: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

2 校内研究のねらいと意義

(1) 校内研究の目的と教師の姿勢

校内研究とは、学校課題を解決するために全教師が改善に向けて取り組む場である。

校内研究を推進するにあたり、個人研究ではないことや学校全体の課題を解決するための場

であることを明確にしておきたい。全教師一人一人がもつ力を最大限発揮し、研究主題の追究

のために授業改善を行っていく。

校内研究に向けて、教師として取り組む姿勢を3つ設定する。

教師一人一人が学校全体の子どもの課題を共有し、その改善策を追究・実践すること。

教師一人一人が自らの授業の課題を発見し、改善し、子どもの学力を向上させること。

多くの研究授業を参観し、授業を見る目を育てること。

このように目的や姿勢を明確に示すのは、校内研究が一部の教師の個人研究となってしまっ

たり、研究のための研究となってしまったりすることを防ぐためである。

-2-

研究で育つ三つの教師力

○意識 目の前の子どもにポジティブに向かう姿勢

○能力 授業構想力

○観 子ども観・・・どの子も学びたい、伸びたいと思っている

指導観・・・子どもの特性をとらえ、指導に生かす

教師として大切にしたいこと

○「昨日と違う今日」「去年と違う今年」を求め続ける。

昨日の最高は今日の最低 より高みへ!

○子どもから目を離さない。

○学校課題を共有する。

○生涯の友となる職員関係をつくる。「仕事、研究でつながる太い絆づくり」

Page 6: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

3 研究推進委員会とその役割

4 校内研究と個の研究の一体化~教師力の向上を図る研究システム~

1 年間の授業研究の流れ

「授業」で教師の研究意識をつなげていく校内研究

学校の課題を解決するための方法は、授業研究である。授業研究を年間を通して行うことで、

拡散しやすい校内研究への意識を収束化することができる。そのための手段として、教師一人ひ

とりがあらゆる機会において論文を作成する。

全教師の主体的な参加意識を高めるため、年間一人二回の研究授業を行う。授業後に課題論文

を提出する。このことにより、教師一人ひとりの研究授業の成果が共有されていく。成果は日々

の授業や個々の研究に活かされ、次の校内研究授業へとつながる。

-3-

研究授業

研究授業

拡散

収束

拡散 拡散

収束

日々の授業

日々の授業

個の研究

校内研究

Page 7: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

5 授業研究を中心とする研究運営

-4-

【学習指導案作成】

※構想段階で、授業者は、研推と各分科会で打ち合わせをする。

※研推では校内研究主題との関連、分科会では分科会主題との関連部分を主に話し合う。

※学習指導案作成を行う上で、事前授業ではなく模擬授業を必ず行う。(分科会)

※講師から事前のご指導を受ける。

※授業者は、授業日の 10 日前までに学習指導案最終版を研推へ提出する。7 日前に全教員へ配付する。

【研究授業・全体研修会】

※研究授業開始前に、授業者から参観者へ向け、視点を明確にするための説明を行う。

※授業者は、授業・協議を終えて、翌日までに課題論文を提出する。

研究授業に関しての確認事項

(1)学習指導案提出について

研究推進委員会へ 授業日 10 日前

職員の机上へ 授業日 7 日前

(2)授業者課題論文提出について

授業後翌日、校長に提出

(3)指導案、課題論文データ管理について

コンピューター共有フォルダに蓄積し、若手教員が参考にできるよう管理している。

(4)講師へのお礼&課題論文送付

講師の先生からご指導をいただいた場合、お礼状と課題論文、参観者論文を送付する。

おんた

Page 8: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

6 授業改善DCAPサイクル

日々の授業改善に直結した校内研究を推進するために大切なことは、研究授業をゴールにし

ないことである。研究授業を一つの通過点として、自己の授業力向上に向けて研鑽することが

大切である。

「協議会を行い、論文を書き、日々の授業に生かす」までが研究の一連の流れである。

日々の1時間1時間の授業で実践、工夫を重ねる。

様々なアプローチはあるが、校内研究の方法に則り、工夫したことを提案する。

-5-

日々の授業改善の取り組み

校内研究内容の実践

研究授業

・校内研究主題の追究

・教師の授業力向上

子どもの学力向上

研究協議会

・自己の授業の成果、課題を

発見する。

・出てきた改善策から試すも

のを決める。

授業改善模造紙作成

・授業者は、協議会で出されたこ

とを基に授業改善策を模造紙

に整理する。参観者は、改善策

作りに協力する。

論文作成

・授業者は、協議会

で出されたこと、

実践することを

整理する。

週案

・日常の授業で研究

授業後の反省を

生かす改善計画

を記入する。

Page 9: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

7 分かる授業

学ぶとは何か。自分の知りたいことや考えたことを追究していく中で知識や技能を身に付け、

問題を解決していくことである。自ら調べ、考え、獲得した知識や技能は確実に身に付く。

授業とはそうした学びを実現するものである。子ども同士、子どもと教師が一体となって学

ぶ中で新しい知識を生み出す。

・教師が華麗に立ち振る舞い、話し、子どもを誘導する授業をするか

・子ども同士が学び合い、自ら考え表現しながら本質的な学びを生み出す授業をするか

古い授業観を捨てられるかどうかがポイントである。

1 分かる授業の要件

(1)学習目標(活動目標)すなわち本時のねらいを明確にする。

(2)学習スキルを徹底して指導する。

(3)子ども自らが「問い」をもって学ぶことができる問題提示をする。

(4)活動時間をしっかりと確保する。

2 こんな授業を目指す

(1)学習スキルを身に付けさせた授業

(2)子どもが主体的に問題を解決していく授業

(3)問題解決をしていく中で、基礎・基本が定着する授業

(4)思考力・表現力・判断力を育成する授業

(5)気付き、発見、驚きのある授業

(6)考えることが楽しいと思える授業

(7)みんなでつくり上げていく授業

3 授業者の役割は・・・

(1)4月は学習スキルを身に付けさせる。(学習ルールの徹底)

(2)つぶやき、気付きを取り上げる。

(3)子どもの発言や表現を価値付け、洗練する。

(4)子ども同士の考えを関連付け、さらに新たな気付きへと発展させる。

(5)子どもの学習状況を的確に把握する。

(6)学習指導、授業を柱にして学級経営をする。

-6-

Page 10: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

8 目指す授業像

○問題解決型の授業

○子ども前面型(全員参加型)の授業

○思考力・判断力・表現力が育つ授業

○子どもがわくわくする授業

-7-

こんな授業は嫌だ!

・先生がずっと話している。 ・考える時間、話し合う時間が少ない。 ・発表するだけで話し合いにならない。 ・先生が答えを言って終わる。 ・教科書の問題をノートに解いていくだけ。

Page 11: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

1 授業で子どもに何を身に付けさせるか?

◎内容知 ◎方法知 ◎体験知(自分知)

2 学力とは?

◎基礎的・基本的な知識・技能 ◎思考力・判断力・表現力 ◎学習への関心・意欲・態度

最近は、●プレゼン力 ●討論力 である。

3 子どもが自ら学び考え表現する授業

目指すは、子どもたちの主体的な学びによる問題解決学習

まずは、1stステージから。日々の授業で問題解決学習を繰り返し、子どもたちに経験値を積

ませる。問題解決に必要な「知識・技能」すなわち「学び方・考え方」を習得させていくことが

大切である。

1st・・・日々の授業、学校公開授業

2nd、3rd・・研究授業 授業のイメージを膨らませ、自己の授業改善に取り組ませる!

-8-

1st 2nd 3rd 教師の指導

・学習の流れ

・学習の方法

教師の指導

・教師の助言

・切り返しの発問

学習方法の工夫

(知識・技能を活用)

・学習問題作り

・学習計画

学習方法の習得・

活用・探究

(主体的な問題解)

(知識・技能を活用)

○複線型学習

・調べテーマ

・表現方法

個に応じた学習

学習方法

の習得

子どもたちの主体的な学びが達成されている。

(子ども主体の問題解決型学習)

○子どもたちが学習方法・技能を身に付けている。

○自ら学習方法を工夫して問題解決に取り組む。

○教師の働きかけがなくても達成できる。

Page 12: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

9 学び合う授業の構想

授業の構成要素

-9-

学び合う授業で育つ3つの力

基礎・基本の力

知識・理解・技能

問題解決力

思考力・判断力・表現力・想像力

学ぼうとする力

学習意欲・自己有用感

教師の役割

<問題提示の工夫>

○多様な考え方が出る課題

○どんな能力がつくか自覚する課題

○新しい課題が生まれる課題

○生活経験や体験に差があっても共通して

考えられる課題

<学習形態の工夫>

○全体学習 ○個人学習 ○ペア学習

○グループ学習

<学び合わせるための手立て>

○一人一人の学習状況把握

○子どもの反応を予測

○子どものつぶやきを逃さない

<見取る>

○子どものつぶやきに注目しながら、机間指

導を充実させ、子ども達の良さを把握す

る。

<学びを振り返らせる>

○子どもの発言を拾う

○子どもの発言の理解

○子どもの発言の価値付け

○それぞれの意見を比較させ、検討させる

○学びを振り返らせる視点の明示

学び合う授業に必要な子どもの学習力

<問題解決へ向けた意欲や問い意識がある授業>

○興味・関心 ○学習意欲 ○既習事項

<学習の見通しや目的意識がもてる授業>

○学習計画

○問題解決学習

<学級づくり>(学び合いの土壌作り)

○かかわり合う力

<国語力(言語力)が身に付いている授業>

○話す、聞く

○理解力、表現力

<学び合いの良さが自覚できる>

○発言が認められる

○自己有用感

○多様な考えに気が付くことができる。

<学びを振り返る>

○自己評価力

・学んだことの価値に気付く振り返り

・思考の深まりをまとめる振り返り

身に付けた知識・技能を活用したり、その成果を踏まえた探究

活動を行う中で学び合う授業を展開する。

Page 13: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

10 授業の構成要素

-10-

本教材を取

り扱う価値

既習事項と

今後の発展

の把握

児童の反応の

予想とABC評

価への手立て

教えることと考

えさせることの

区別

話し合い

活動の

工夫

授業のレイア

ウトとなる

板書計画

適切な学習

のまとめ

教材研究での要素

前時までの学習の掲

示をしているか

・前時の児童の作品

・資料、板書の写し

ノート指導をしてい

るか

・問題解決的な学習

・教師の評価

学習方法を教えてい

るか

・調べ方

・話し合いの仕方

・作品の作り方

言語スキルを習得さ

せているか

・各学年の言語表

・学び合い言語表

認め合う、学び合う

学級経営をしている

日常の指導における

要素

ねらいに結びつくまとめになっているか

・板書のまとめとねらいが一致しているか

・振り返りに本時のねらいが反映されているか

・振り返りに次時の課題につながる疑問があるか

・児童は、この時間に学んだことを的確に答えられるか

問題提示

問いをもつ

問いの共有

自力解決

集団解決

価値の共有

・ABC 評価規準が明確になってい

るか。

・ABC 評価に対する指導が示され

ているか。また、適切に行って

いるか。

A ノートに自分の考えを図、

言葉等を使って書く。

B 自分で新たな課題を設定

し、調べる。

C 小集団→個別指導を行う。

・話し合いの視点が明確になって

いるか。また、課題との整合性

があるか。

・学習のねらいに迫る話し合いの

形態、方法を適切に設定してい

るか。

・児童の思考の流れが板書に整理

されているか。

比較・関連・総合

振り返り

次の時間や単元に

つながるまとめにな

っているか

価値に見合った学習展開になっているか

既習事項を児童が活用する学習展開になっているか

適切な課題か?

・価値に見合った課題

・考えさせる課題

・児童が挑戦してみたくなる困難さ、面白さ

・課題提示の工夫(映像、ブラックボックス等)

Page 14: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

11 問題解決的な学び(小中高すべて同じ)

問題解決的な授業、学び合う授業で、子どもに身に付けさせたい力は、基礎的・基本的な知識・技能、

問題解決能力につながる思考力・判断力・表現力と学習意欲である。これらの他に、人と関わり合う力を

育てたい。学び合いを通して、多様なものの見方や考え方、感じ方があることを知る。これによって自分

の考え方や生き方を振り返ることができる。自分の学びと友達の学びがかかわり合うことにより、学びの

質を高めていくことができる。

1 今なぜ「問題解決的な授業」なのか

生きていくのに必要なことは、知識や技能だけではない。目の前の問題を解決するための、「問題解決

能力」「知識活用能力」が必要である。学びも同様である。学力は、知識や技能だけではなく、問題解決

能力、知識活用能力等の見えにくいものも確かな学力である。それらを身に付けさせるためには、問題

解決的な授業を行う必要がある。

(1) 問題解決的な学び(授業)とは何か

子どもたちが自分で問題(問意識)をもって授業に取り組み、自分の問題を自己または学び合いを通

して解決していくこと。

●国の提示した「問題解決学習」とは

子どもが主体的・能動的に、問題を解決していく授業であり、そのことを通して考え方や態度・能力

を育てていく授業であり、そのことを通して考え方や態度・能力を育てていく授業。

(2)目指す問題解決学習

これまで教科学習内容を指導することに傾注したため、ややもすると知識習得学習となった。子ども

が受け身的に授業に参加する、教師は一方的に話をする構図が出来上がった。分かる授業とはならなか

った。

この反省に立ち、まずは子どもに授業内での動きを学ばせることが重要と考え、問題解決型の学習方

法の習得を目指すとよい。授業内での学び方を確立すればおのずと教科内容を習得するとの考えからで

ある。

子どもが授業内での動き方をマスターすると、教師の指示言葉も減り、自ら学習する子どもも増える。

教師も授業に手ごたえを感じるようになるであろう。

(3) 問題解決的な学習過程

①これまでの学習過程

・導入、展開、終末の3段階

・問題把握⇒自力解決⇒集団解決⇒まとめの4段階〔つかむ-しらべる-深める-まとめる〕

*これには課題がある。細かな動きが規定されていないため動き方が分からない。

②これからの学習過程7段階(学び合い型学習)

-11-

問いの共有化

問いをもつ

問題提示

発展・補充

自己評価

価値の共有

⇒(自力解決)⇒(集団解決)⇒

⇒(学び合いながら解決) ⇒

学び1 学び2

Page 15: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

12 問題解決型学習の展開の仕方と留意点

問題提示

○前時までの子どもたちの振り返りから、本時の学習課題に気付かせる。

※子どもの振り返りを活用し、学習指導要領に即したねらい設定から課題を導き出す。

○子どもたちが問いを持てるような問題を提示する。

問いを持つ

○子どもの持っている疑問点や不明点・迷いを明らかにする。

問いの共有

○子どもの気付きを全体に紹介し、かかわりをもたせる。

○学び合う方法(お品書き・シラバス)を共有させる。

自力解決

○友達に説明することを意識して、自分なりに課題に対する答えを書かせる。

※全員が必ず、この段階での考えを根拠を基に書かせること。そのための資料の提示や学習形態

の工夫をする。

○学習言語わざを提示する。

集団解決

【第一段階】意見や調べた事実の単純な意見集約

【第二段階】学習課題に迫る学び合い

・自分の考えを発表する。

・友達の考えを聞く。

・多様な考え方を知る。

※学習課題に合わせて設定する。 ※学習指導案に明記すること。

※論点を提示すること。

※聞く視点をもたせること。

価値の共有

○子どもたちの学び合いによって出されたキーワードを活用し、学習課題に対してまとめを行う。

振り返り

視点1 学習課題を解決した上で、学習問題に対する自分の考えをまとめる。

視点2 学び合いでの自己・友達の良かった点をまとめる

視点3 これからさらに学習したいことをまとめる。

-12-

◎子ども同士の対話で展開する授業が基本

*教師は口を出さないこと「我慢我慢」

※「学習言語わざ」

大岱小学校では、「学習言語わざ」(学習指導要領を基に「読む」「聞く」「話す」「書く」

「調べる」「評価する」の6観点で言語を整理したもの)と、「学び合い言語わざ」(話し合

いに特化した言語技能について、具体的な発言を想定し、話型の例を示したもの)を整理

し、これらの「言語わざ」を全教科・領域を通して確実に習得させ、活用できるようにす

ることで、教科のねらいの達成を目指した。

Page 16: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

13 問題解決的な学習の展開(1単位時間)

展開 ねらい 引き出したい子どもの反応 ○教師の働きかけ・支援

問題提示

□本時に解決すべき問題

を知る。

「どうしてだろう?」

「何が問題なのだろう?」

○前時までの振り返り

・前時までの学習内容や子どもの振り返

りを基に、子どもたちが問いをもてる

ような提示をする。

○問題提示の工夫

・資料の見せ方

・問いの投げかけ方

○単元の学習計画を提示する。

・学習方法、流れの確認

問いを

もつ

□疑問をもつ。 「あれ?おかしいな?」

「どうしてだろう?」

「前の時間と違う所はどこかな?」

「既習事項の何が使えそうかな?」

○子どもの疑問、つぶやきの取り上げ

・ねらいに即した適切な疑問の板書

・疑問点の明確化

問いの共有

□問いを集約する。

□共通の問いをもつ。

□学習の方法を知る。

「~といった点について解決しよ

う!」

○問題、学習方法を確認する。

○子どもの気付きを全体に紹介し、関わ

りをもたせる。

自力解決

□既習事項を生かしなが

ら、自分なりに問題解決

する。

□友達の気付きを参考に

しながら自分の考えを

書く。

□根拠を明確にして書く。

「私は、課題について~と思う。」

「~のグラフを見ると…というこ

とが分かります。そこから~」

「わかることは…です。そこから…

ということがいえます。」

「この前の~の学習で学んだこと

から…」

○問題に対する予想を立てさせる。

・事実と意見を区別して書かせる。

・自力解決ができる子ども

→他の考え方を書かせる。

・支援が必要な子ども

→個別または小集団で指導を行う。

○ペア学習、3人グループ学習を取り入

れる。

集団解決

□問題に対する自分の考

えを発表する。

□友達の考えに対して質

問したり賛成・反対を述

べる。

【意見集約】

「~から~ということがわかりま

す。」

「みんなの意見をまとめると~で

す。」

【相互評価】

「~さんと~さんの考えを比べる

と…」

「~さんの意見に賛成・反対です」

「どうしてそう思ったのですか?」

○話し合いを子どもに任せる。

子どもの話し合いで進む授業展開を!

・相互指名の方法指導

・教師の適切な介入(切り返しの発問)

○構造的に板書する。

・視点を明確にした板書づくり

・子どもの意見を反映させた板書づくり

価値の共有

□友達から学んだものを

まとめ、自分のものにす

る。

□自分の考えを整理する。

(本時の学習を通して、問題に対す

る答えをまとめる!)

キャッチコピー、キーワード&説明

など

○子どもの言葉を使ってまとめる。

・ねらい(目標)とまとめの整合性

・問題に正対した答え方

振り返り

□自分の「学び」の経過に

ついて振り返る。(内容

と方法)

□自分の「学び」の成果と

課題について振り返る。

「今日新たに学んだことは…」

「最初は、~と考えていましたが、

~さんの意見を聞いて考えが変

わりました。」

「~さんの意見にやっぱり反対で

す。そのわけは…」

「~という点は納得できましたが、

~はやっぱりおかしいと思いま

す。」

「新たに~という疑問が出てきま

した。」

○振り返りの視点を提示する。

・次の学習につながる疑問など

○よい振り返りを紹介し共有する。

・ねらいに即した子どもの振り返りや思

考の深まりが見える振り返りの取り上

-13-

Page 17: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

14 本時の展開の書き方(学習指導案)

1 初級編

引き出したい子どもの反応 ○教師の指示・説明・発問 ・支援

問題提示 ・「どうしてだろう?」

・「何が問題なのだろう?」

・「前回あれを学習したから、今日はこ

こを学習するのだな」

○指示「前時までの振り返りをしましょう。」

・ノートや学習掲示等で振り返らせる。

問いを知る

問いの共有

・「あれ?おかしいな?」

・「どうしてだろう?なんでかな?」

・「~といった点について解決しよう」

○提示「今日の学習課題をノートに書きましょう。」

・課題を板書する。

○説明「学習の流れは○○です。」

・学習方法を掲示する。

○説明「今日の言語わざは、△△です。」

自力解決 ・「私は、(課題)について~と思う。そ

の理由は~だからである。」

・「わかることは、~と~である。」

○説明「まず、自力解決です。視点は、まなブック

の△△です。」

集団解決 【Ⅰ】意見集約

(根拠となる事実を整理)

・「~から~ということがわかる。」

【Ⅱ】相互評価

(学習課題に対する考えを広げる、深め

る、まとめる)

・「~さんと~さんの考えを比べて」

・「~さんの意見に賛成/反対です。それ

は…」

・「(質問)どうしてそう思ったのか?」

など

○指示「次は、集団解決です。班で意見交流をしま

しょう。」

○提示「役割は、①司会、②記録、③発表です。」

・司会、記録、発表方法を提示する。

○指示「次は、全体で学習しましょう。」

○説明「違う意見や同じ意見を話したり、聞いたり

しましょう。」

○発問「みんなの意見を聞いて、気がついたことは

ありませんか。」

価値の共有 ・(本時の学習についてノートに整理し、

ポイントとなる点などについて書き

加える。)

○指示「(話し合いで出された考えをつかって)学

習問題に対する答えをまとめてみましょ

う。」

○指示「まとめたことを発表しましょう。」

振り返り ・「今日新たに学んだことは…」

・「~さんが言っていた意見に賛成」

・「~さんは~と言っていましたが、私

はやはり~と思う。」

・「~は、納得できたけれども、~とい

う疑問がまだ残っている。」

・「新たに~という疑問が出てきた。」

○指示「授業ガイドブックの〇〇ページの三視点で

振り返りを書きましょう。」

・わかったこと

・そこから考えたこと

・さらに学習したいと思ったこと

-14-

※教師は、視点3(これからさらに学習したいことをまとめる)の振り返りを活用し、次時につなげる。

※P.12参照

Page 18: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

2 中級編

引き出したい子どもの反応 ○教師の指示・説明・発問 ・支援

問題提示 ・「どうしてだろう?」

・「何が問題なのだろう?」

・「前回あれを学習したから、今日はこ

こを学習するのだな」

○問題提示(資料)

○発問「この問題(資料)からどのようなことがわ

かりますか。」

問いを知る ・「あれ?おかしいな?」

・「どうしてだろう?なんでかな?」

○発問「今日の学習課題はなんですか。」

問いの共有 ・「~といった点について解決しよう」 ○発問「自力解決するためには、どのような方法で

考えればいいですか?」

・視点を提示する。①言語わざ ②見方 ③考え方

自力解決 ・「私は、(課題)について~と思う。そ

の理由は~だからである。」

・「わかることは、~と~である。」

○提示「今日は、~のように学習します。それぞれ

時間は○分間です。」

・学習の流れ、時間を提示する。

集団解決 【Ⅰ】意見集約

(根拠となる事実を整理)

・「~から~ということがわかる。」

【Ⅱ】相互評価

(学習課題に対する考えを広げる、深め

る、まとめる)

・「~さんと~さんの考えを比べて」

・「~さんの意見に賛成/反対です。それ

は…」

・「(質問)どうしてそう思ったのか?」

など

○説明「グループで、一番分かりやすい考えを作り

なさい。グループで、他の友だちから出な

いだろうと思われる考えを決めなさい」

・グループでの話し合いの目的と方法を説明

○発問「友達から出された意見の共通点、相違点は

どこですか。課題に対する答えとして説得

力があるものはどれですか。」

○提示(学び合いのルール)

①誰かの意見と比べながら自分の考えを話す。

②分からないところは必ず質問する。

③自分たちで意見をつないでいく。

・子どもの意見・考えを板書で整理する

価値の共有 ・(本時の学習についてノートに整理し、

ポイントとなる点などについて書き

加える。)

〇説明「みなさんの言葉をひろってまとめると

〇〇〇ですね?」(価値づける)

振り返り ・「今日新たに学んだことは…」

・「~さんが言っていた意見に賛成」

・「~さんは~と言っていましたが、私

はやはり~と思う。」

・「~は、納得できたけれども、~とい

う疑問がまだ残っている。」

・「新たに~という疑問が出てきた。」

〇指示「今日の学習を通して考えたことを書きまし

ょう。」

・新たに分かったこと、知ったこと

・学び合いによって変わった自分の考え

・友達の良さ

・新たな疑問、分からない点

-15-

※教師は、視点3(これからさらに学習したいことをまとめる)の振り返りを活用し、次時につなげる。

※P.12参照

Page 19: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

3 上級編

引き出したい子どもの反応 ○教師の働きかけ・支援

問題提示 ・「どうしてだろう?」

・「何が問題なのだろう?」

・「前回あれを学習したから、今日はこ

こを学習するのだな」

○学習課題の設定

・前時までの子供の振り返り

○課題提示の工夫

・資料の見せ方 ・問いの投げ掛け方

○単元の学習計画掲示

・学び方(学習内容)の提示

問いを知る ・「あれ?おかしいな?」

・「どうしてだろう?なんでかな?」

○子どもの疑問の取り上げ

・ねらいに即した適切な疑問を板書

問いの共有 ・「~といった点について解決しよう」 ○課題・学習の流れの確認する。

・学習計画を掲示しておく。

自力解決 ・「私は、(課題)について~と思う。そ

の理由は~だからである。」

・「わかることは、~と~である。」

○課題に対する仮説(ノート、ワークシート等)

・事実と意見を分けて書かせる。

・A→さらに他の考えを書かせる。

C→友達の考えで良いと思ったものをもらう。

根拠となる事実を与える。など

集団解決 【Ⅰ】意見集約

(根拠となる事実を整理)

・「~から~ということがわかる。」

【Ⅱ】相互評価

(学習課題に対する考えを広げる、深め

る、まとめる)

・「~さんと~さんの考えを比べて」

・「~さんの意見に賛成/反対です。それ

は…」

・「(質問)どうしてそう思ったのか?」

など

○子どもから出された事実を板書する。

・構造的に事象を整理する。

○ねらいに迫る発問

・言語わざを意識化

・根拠を基に話をさせるための話し方を

※参考:学び合い言語わざ

個人言語・対話言語・学び合いの可視化

(プロフェッショナルティーチャーズ)

特に質問スキル(対話言語)が重要

価値の共有 ・(本時の学習についてノートに整理し、

ポイントとなる点などについて書き

加える。)

○子どもの言葉を使ってまとめる。

・まとめとねらいを一致させる。

・課題に対するまとめを行う。

振り返り ・「今日新たに学んだことは…」

・「~さんが言っていた意見に賛成」

・「~さんは~と言っていましたが、私

はやはり~と思う。」

・「~は、納得できたけれども、~とい

う疑問がまだ残っている。」

・「新たに~という疑問が出てきた。」

○振り返りの視点を提示する。

・本時のねらいが反映された振り返り

・次時の課題につながる疑問

○良い振り返りを共有する。

・子どもの振り返りを取り上げ、紹介したり発表さ

せたりする。

-16-

※教師は、視点3(これからさらに学習したいことをまとめる)の振り返りを活用し、次時につなげる。

※P.12参照

Page 20: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

15 問題解決的な授業

1 小学校教師モデル

展 開 教 師 の 働 き か け 留 意 点

問題提示

○指示「前時までの振り返りをしましょ

う。」

・前時の模造紙で説明をする

・ノートや学習掲示等で振り返りをさせる

問いを

もつ

○発問「今日の学習課題は何ですか。

課題をノートに書き、一人読みを3回

しましょう。」

・書いた子どもから一人読みをさせる

問いの共有

学習言語わざの提示

シラバスの提示

○説明「今日の学習言語わざは~で

す。」

○説明「今日のシラバス(学習の流れ)

は、~です。」

○発問「分かっていること(聞かれてい

ること)は、どんなことですか。何をす

るのですか。」

○学習指導要領言語わざの提示

・必要なものは掲示しておく

○シラバスの提示

・場面の様子をつかませる

自力解決

○指示「まずは自力解決です。自分の

考えを書きましょう。時間は( )で

す。」

○指示「友達に説明できるように理由も

つけて、自分の考えをまとめましょ

う。」

○指示「わからない人は、先生の所に

来なさい。」

○課題に対する自分なりの考えを書く

・事実(分かったこと)と意見を分けて書か

せる

○集団解決に全員が参加できるように

す。

・教師は、机間指導、小集団指導は赤

鉛筆をもち行う

・自力解決ができる子ども→さらに他の考

えを書かせる

・支援が必要な子ども→個別・小集団指

導を行う

○指示「では、ペア学習です。お隣に

分かったことを伝えましょう。時間は

( )ふんです。」

○指示「聞く人は、うなずきながら聴きま

しょう。」

○指示「次は、班学習です。時間は( )

分です。」

-17-

Page 21: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

集団解決

学び合いの方法の確認

学び合いの視点や論点の確認

学び合い言語わざの確認・

○指示「決められた方法(司会・時計・考

えの発表・まとめ役)で班学習をしま

しょう。発表する人は、手を挙げ、椅

子を入れましょう。」

○指示「次は全体で学習しましょう。」

○指示「それでは、○○について話し

合います。」

○指示「前の人と同じ意見か、違う意見

か、似た意見かを根拠をもとに発表し

ましょう。」

○指示「付けたしや質問をしましょう。」

○指示「受けて返すようにしましょう。」

○指示「発表したら「どうですか」と言い

ましょう。」

○説明「今日の学び合い言語(対話言

語)わざは~です。」

○発問「みんなの意見を聞いて、気付

いたことはありませんか。」

○学び合いの(話し合い)方法の確認

○指導者は、子どもの学び合いから手を

引く

○学び合いの視点や論点の確認

○賛同・相違・類似の観点での話し合い

○根拠に基づく話し合い

○受けて返す話し合い

○学び合い言語わざの確認

※参考:個人言語・対話言語・学び合い

の可視化(プロフェッショナルノート)・特に質

問スキル(対話言語)が重要

○学び合い言語(対話言語)を使わせ子ど

もたちで意見をつなぐ

○教師は板書役に徹し、出された考えを

まとめて板書する

・教師は、子どもの考えを比較・関連・総

合し板書する

○学び合いを活性化するための補助発

問(切り替えしなど)をする

価値の共有

○発問「みんなの意見をまとめると、課

題の答えはどのようになりますか。板

書のキーワードを入れて分かったこ

とをまとめましょう。」

○キーワードを使ってまとめさせる

・ねらいとまとめ一致させる

振り返り

振り返り視点明示

○指示「振り返りを書きましょう。振り返り

の視点は3点です。①今日の学習で

分かったこと、②友達の考えから学ん

だこと、③新たにやってみたいことの

3視点で振り返りを書きましょう。」

○振り返りの視点の明示

発展

補充

○指示「○○さんの振り返りは、お友達

の○○が書いてありましたね。」

・子どものよい振り返りを共有する

*言語でペア、全体と発表する時あり

-18-

Page 22: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

2 中学校教師モデル

展 開 教 師 の 働 き か け 留 意 点

問題提示

○指示「前時までの振り返りをしましょ

う。」

・前時の資料で説明をする

・ノートや学習掲示等で振り返りをさせる

問いを

もつ

○発問「今日の学習課題は何ですか。

課題をノートに書き、一人読みを3回

しましょう。」

・書いた生徒から一人読みをさせる

問いの共有

学習言語わざの提示

シラバスの提示

○説明「今日の学習言語わざは~で

す。」

○説明「今日のシラバス(学習の流れ)

は、~です。」

○発問「分かっていること(聞かれてい

ること)は、どんなことですか。何をす

るのですか。」

○学習指導要領言語わざの提示

・必要なものは掲示しておく

○シラバス(本時の生徒の動き方)の提示

・場面の様子をつかませる

自力解決

○指示「まずは自力解決です。自分の

考えを書きましょう。時間は( )で

す。」

○指示「友達に説明できるように理由も

つけて、自分の考えをまとめましょ

う。」

○指示「わからない人は、先生の所に

来なさい。」

○指示「では、ペア学習です。お隣に

分かったことを伝えましょう。時間は

( )ふんです。」

○指示「聞く人は、うなずきながら聴きま

しょう。また、コメントをしましょう。」

○指示「次は、班学習ワークショップで

す。時間は( )分です。」

○指示「決められた方法(司会・時計・考

えの発表・まとめ役)で班学習ワーク

ショップをしましょう。発表する人は、

手を挙げ、椅子を入れましょう。」

○課題に対する自分なりの考えを書く

*時間を提示したら、授業者は話さない

・事実(分かったこと)と意見を分けて書か

せる

・教師は、机間指導、小集団指導は、

赤鉛筆をもち行う

・自力解決ができる子ども→さらに他の考

えを書かせる

・支援が必要な子ども→個別・小集団指

導を行う

・聴く側は、発表内容や発表方法につ

いてコメントをする(言語力育成)

○班学習ワークショップの確認

・司会者を決める

・順に発表をする

・多い意見をまとめ司会者が発表する

*時間を区切り、発表可能な班から発

表する。(全体を待たない。)

-19-

Page 23: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

集団解決

学び合いの方法の確認

学び合いの視点や論点の確認

学び合い言語わざの確認

○指示「次は発言リレー(集団解決)で

学習しましょう。」

○指示「それでは、○○について話し

合います。」

○指示「前の人と同じ意見か、違う意見

か、似た意見かを根拠をもとに発表し

ましょう。」

○指示「付足しや質問をしましょう。」

○指示「受けて返すようにしましょう。」

○指示「発表したら「どうですか」と言い

ましょう。」

○説明「今日の学び合い言語(対話言

語)わざは~です。」

○発問「みんなの意見を聞いて、気付

いたことはありませんか。」

○指導者は、子どもの学び合いから手を

引く

○学び合いの視点や論点の確認

・賛同・相違・類似の観点での話し合い

・根拠に基づく話し合い

○受けて返す話し合い

・練り上げる方法となる

○学び合い言語わざの再確認

※参考:個人言語・対話言語・学び合い

の可視化(プロフェッショナルノート)・特に質

問スキル(対話言語)が重要

○学び合い言語(対話言語)を使わせ子ど

もたちで意見をつなぐ

○教師は板書役に徹し、出された考えを

まとめて板書する

・教師は、子どもの考えを比較・関連・総

合し板書する

○学び合いを活性化するための補助発

問(切り替えしなど)をする

価値の共有

○発問「みんなの意見をまとめると、課

題の答えはどのようになりますか。板

書のキーワードを入れて分かったこ

とをまとめましょう。」

○キーワードを使ってまとめさせる

・ねらいとまとめ一致させる

振り返り

振り返り視点明示

○指示「振り返りを書きましょう。振り返り

の視点は3点です。①今日の学習で

分かったこと、②友達の考えから学ん

だこと、③新たにやってみたいことの

3視点で振り返りを書きましょう。」

○振り返りの視点の明示

発展

補充

○指示「○○さんの振り返りは、○○が

書いてありましたね。」

・生徒のよい振り返りを共有する

*言語でペア、全体と発表する時あり

-20-

Page 24: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

3 児童・生徒モデル

段階 子ども・生徒のことば 子ども・生徒の動き

問題提示

・「前の時間に学んだことは、」

(今日の問題を知る)

・前時の模造紙やノートを見る

・どうしてだろう?

・何が問題なのだろう?

問いを

もつ

・「今日の学習課題は、○○です。」

(今日の学習課題を書く)

・書き終えたら一人読みを3回する

・あれ?おかしいな?

・どうしてだろう?

問いの共有

学習言語わざの提

示 シラバスの提示

・「今日の学習言語わざは~です。」

・「今日のシラバス(学習の流れ)は、

~です。」

・「分かっていることは、○○です。」

(今日の言語わざを知る)

・黒板のシラバスを見る

・〇〇といった点について解決するんだ

自力解決

・「私は、(課題)について〇〇と思い

ます。その理由は〇〇だからで

す。」

・「わかることは、〇と〇です。」

・「最初に私から発表します。」

・「私は分からないので、パスをし

ます。」

・「みんなの意見をまとめると、〇〇で

すね。」(司会)

・他の人の発表を聞き、自分で気付

かなかったことをノートに書きたして

ください。」

(課題に対する自分の考えを書く。考えがか

けた時は、さらに他の考えも書く)

・友達に説明できるように、分かったことと意見を

分けて書く

・分からない時は、友達や先生に聞く

(情報交換、ノート展覧会をする)

(ペア学習や友達のノートを見る学習をする)

・聞く人はうなずきながら聞く。言い方についてお

話しをしてあげる

(班学習ワークショップをする)

*司会・時計・考えを順に2回発表・まとめる方法

で班学習ワークショップをする。発表する人は、

手を挙げ、椅子を入れる

-21-

Page 25: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

集団解決

学び合いの方法の確認

学び合いの視点や論点の確認

学び合い言語わざの確認・

・「それでは、○○について発言リレ

ー(集団解決)をします。」(全体司

会)

・「今日の学び合い言語(対話言語)

わざは~です。」(全体司会)

・「話し合いをする内容は、~です。」

(全体司会)

・「受けて返すようにしましょう。」

(全体司会)

・「発表したら「どうですか」と言いまし

ょう。」(全体司会)

・「前の人と同じ意見か、違う意見か、

似た意見かを根拠をもとに発表し

ましょう。」(全体司会)

・「〇〇から〇〇がわかります。」

・「〇〇さんと○〇さんの考えを比べ

て」

・「〇〇さんの意見に賛成/反対で

す。それは…」

・「(質問)どうしてそう思ったのです

か?。」

・「みんなの意見を聞いて、気付い

たことは〇〇です。」

・発言リレー(集団解決)をする

*先生は、出された考えをまとめて板書する役を

する。一言もしゃべらない。

*学び合い言語(対話言語)を使い子どもたち

だけで意見をつなぐ

・学び合い言語わざを確認する

・何を話し合うのか確かめる

・受けて返す話し合いをする

・前に発言した人の名前を言い、発表する

・根拠となる事実を整理する

・課題に対する考えを広げる、深める、まとめる

・賛成、同じ、反対の言葉で、理由を言いながら

発表をする

価値の共有

・「みんなの意見をまとめると、課題の

答えは〇〇です。」

・「板書のキーワードを入れてまとめ

ると○○です。

(自分の言葉でまとめる)

・ねらいとまとめを一致させる

*先生は絶対、まとめない

振り返り

振り返り視点明示

・「今日新たに学んだことは…」

・「〇〇さんが言っていた意見に賛成

です。」

・「〇〇さんは○〇と言っていました

が、私はやはり〇〇と思います。」

・「〇〇は、納得できましたが、~とい

う疑問まだ残っています。」

・「私の振り返りは、〇〇さんの、○○

を書きました。」

(振り返りを書く。視点を見る)

(友達のよい振り返りを共有する)

*言語でペア、全体と発表する時もある

-22-

Page 26: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

16 各教科における問題解決的な学習

実践を重ねるうちに、教科のねらいを達成させるためには、各教科における問題解決的な学習モデ

ルが必要であると気が付いた。そこで、従来の問題解決的な授業モデルに教科の特性を加えたものを

作成した。以下がその教科指導モデルである。

1 国語科

-23-

展開 ねらい 引き出したい子どもの反応 ○教師の働きかけ ・支援

問題提示

問いをもつ

□本時の問

題を知る。

・「今日はどんな場面かな?」

・「大事な言葉は何だろう?」

○学習課題の設定

・前時までの子どもの振り返りを基に、子ど

もたちが問いを持てるような提示をする。

○単元の学習計画掲示

・学び方(学習内容)の提示

の 共有

□学習の流

れを知る。

・「~といった点に注意して本

文を読もう。」

○課題・学習の流れを確認する。

自力解決

□学習範囲

を音読する。

□学習言語

わざを知る。

□根拠を明

確にし書く。

・「どんな場面かな。」

・「課題の答えになるような文はどこ

かな。」

○学習範囲を音読して確認する。

・音読する際に、大事な言葉はどれか考えな

がら音読させる。

○根拠となる箇所を見つけさせる。

・自力解決ができる子ども→ノートに根拠を

明らかにしながら、自分の考え(仮説)を

まとめる。

・支援が必要な子ども→必要に応じて、リード文付

きのワークシートを与える。

○子どもの気付きを取り上げ、短冊にキーワードを書か

せる。

集団解決

□自分の考

えを発表す

る。

□友達の考

えに対して

質問したり、

考えを述べ

たりする。

【Ⅰ】意見集約

(根拠となる事実を整理)

・「~の文から~ということが

わかる。」

【Ⅱ】相互評価

(学習課題に対する考えを広

げる、深める。)

・「~さんと~さんの考えを比

べて」

○学び合い言語わざを提示する。

・話し合いの方法を提示する。

価値の

共有

□友達と学ん

だことを意識し

て音読する。

・(学び合いを通して、変容した自分

の考えをりライトする。)

○子どもの言葉を使ってリライトをさせる。

・板書を参考にさせる。

・友達のリライトを参考にさせる。

振り返り

□自分の考

えを整理す

る。

・「今日新たに学んだことは

…」

○振り返りの視点を提示する。

・本時のねらいが達成された振り返りをさせ

る。

○良い振り返りを共有する。

・ねらいに迫るために意図的指名を行う

・どの文から考えたのか、根拠を明確にさせる。

・分からないことは、質問し合う。

・同じところ、違うところ

・グループでよりよい考えを作成

サイドラインを引く。

○気持ちがわかる言

葉や行動、様子

○課題の答えにつな

がる言葉や文

Page 27: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

2 算数・数学科

学習過程 ◆教師の働きかけ ○引き出したい児童の反応

導入

問いの提示

問題の把握

問いの共有

◆本時の問題を提示する。

◆「分かっていることは何かな」

◆「求めることは何かな」

◆「これまで学習してきたことと違うこ

とは何かな」

○わかっていることは・・・

○求めることは・・・

○これまでに学んだ・・・と同じ

○これまでに学んだ問題と・・・が違う

作戦 ◆「答えは大体どのくらいになりますか」

◆「どうやったら解けるかな」

◆「これまで学習してきたどんなことが

使えそうかな」

◆「どういった順番で考えればよいかな」

○・・・という結果になりそう

○・・・までならできる

○・・・の方法でできそう

○今まで学習したことの・・・を使おう

○まずは,簡単な数字でやってみよう

○・・・という順番で実行してみよう

展開

自力解決 ◆図,絵,表,グラフ,言葉の式等に考

えを整理させる。

◆取り上げたい考えの子どもにボードを

渡し,大きく書かせる。(よさの発見)

◆つまづいている子どもをつまづき別に

集め,グループごとに支援をする。(個

別支援)

◆抽出した考えが書かれたボードを黒板

に貼らせる。

○図や絵に表すと・・・

○数直線,数直線図に表すと・・・

○簡単な数にすると・・・

○簡単な図形にすると・・・

○記号や式にすると・・・

○条件を一定にすると・・・

○特別な場合を考えると・・・

○いくつかやってきまりを見付ける

と・・・

○同じように考えると・・・

○単位いくつ分で考えると・・・

集団解決

比較・検討

◆黒板に貼らせたボードの考え方につい

て検討させる。

①まずは,貼られたものを眺めさせる。

違う所,同じ所を見付けさせる。

②ボードに書かれた考え方について説

明し合わせる。

③話し合いの最後に,考えを書いた本

人に説明させる。

○似ているところは・・・(類似性)

○同じ所/違う所は・・・(共通点・相

違点)

○分かりやすいのは・・・(明瞭)

○正確なのは・・・(正確)

○簡単なのは・・・・(簡潔)

○いつでもできるのは・・・(一般化)

○本当に・・・でいいか

○どうして・・・と考えたか

○いくつかまとめてみると・・・

まとめ

価値の共有

◆本時の課題に対する答えを,教師がま

とめ,価値付ける。

(子どもの言葉を使うとよい)

(課題に対するまとめ)

振り返り ◆本時の学びを振り返らせる。

◆振り返りの視点,方法を提示する。

・できるようになったことなど

・算数の見方,考え方,よさ

・次の学習への意欲

・学び合いのよさ

○できるようになったこと,知ったこ

と,分かったことは・・・

○・・・のように考えたら解けた

○次に使える考え方は・・・

○今度使ってみたい考え方は・・・

○今日の学習をもとに今度は・・・をや

ってみたい

○友達の考えのよかった所は・・・

-24-

Page 28: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

3 社会科

-25-

展開 ねらい 引き出したい子どもの反応 ○教師の働きかけ ・支援

問題

提示

□本時の問題を

知る。

・「どうしてだろう?」

・「何でそうなるのだろ

う?」

○学習課題の設定(児童の振り返り)

○課題提示の工夫(見せ方・投げかけ方)

問い

をも

□疑問をもつ。 ・「おかしいな?」 ○子どもの疑問の取り上げ

・ねらいに即した疑問を明らかにする。

問い

共有

□課題の共有

□本時の流れ

・「~といった点について

解決しよう。」

○課題・学習の流れを確認する。

○子どもの気付きの紹介をする。

自力解決

□学習言語わざ

を知る。

□既習事項を生

かして考える。

□友達の考えを

生かして自分

の考えを書く。

□根拠を明確に

して書く。

・「私は、(課題)について

~と思います。その理由

は~だからです。」

・「分かることは、~と~

です。」

○課題に対する予想を立てさせる。

(ノート、ワークシート等)

・自力解決ができる子ども→具体から抽象

的なことを考えさせる。

・支援が必要な子ども→個別、小集団指導

根拠となる事実を与える

○学習形態を工夫して自力解決させる。

(情報交換タイム、ペア学習、少人数グループ学習)

○話し合いの進め方を提示する。

○グループでの話し合いの後、自分の考え

を整理する時間を確保する。

集団解決

□自分の考え発

表する。

□友達の考えに

対して質問し

たり、考えを述

べたりする。

【Ⅰ】意見集約

(根拠となる事実を整理)

【Ⅱ】相互評価

(学習課題に対する考え

を広げ、深め、まとめる)

・「~さんと~さんの考え

を比べて…」

・「(質問)どうしてそう思

ったのか?」など

○子どもから出された事実を板書する。

・各視点や具体と抽象に分けて、構造的に

整理していく。

○切り返しの発問

・ねらいに迫る発問

・根拠を求める発問

・具体を抽象化するような発問

○学び合い言語わざを提示する。

※参考:学び合い言語わざ

※個人言語・対話言語・学び合いの可視化

価値の

共有

□学んだことを

自分のものに

する。

・板書のキーワードを入れ

分かったことをまとめる。

○キーワードを使ってまとめさせる。

・ねらいとをまとめ一致させる。

振り返り

□自分の考えを

整理する。

□友達の意見を

参考にする。

□考えの変容

・「~さんの~を聞いて、

私も~と思いました。」

・「~は、納得できたけれ

ど、~は分かりません。」

・「~の疑問が出ました。」

○振り返りの視点を提示する。

・本時のねらいが達成された振り返り

・次時の課題につながる疑問

○よい振り返りを共有する。

・子どもの振り返りを取り上げ、紹介する。

Page 29: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

4 理科

-26-

展開

ねらい 引き出したい子どもの反応 ○教師の働きかけ ・支援

問題提示

□本時の問題を

知る。

・「どうしてだろう?」

・「こうすると、どうなるかな?」

・「もっとこうしてみたいな。」

○学習課題の設定

・前時までの子どもの振り返りを基に、子ども

たちが問いを持てるような教材提示の工夫を

する。

問いを

もつ

□疑問をもつ。 ・「あれ?どうしてだろう?」

・「なぜ、そうなるの?」

○子どもの疑問の取り上げ

・疑問点を明らかにする。

問いの

共有

□共通の問いを

持つ。

□予想を確かめ

る方法を考える

・「前に経験した~と似ているから~

だと思います。」

・「~すれば~になると思います。」

○根拠をもった予想を立てさせるため、生活経

験や既習内容を振り返らせる。

○実験、観察、本で調べる、インターネットで

調べるなどの方法の観点を指示する。

自力解決

□学習言語わざ

を知る。

□既習事項を生

かし、問題解決

する。

□根拠を明確に

して書く。

・「わかりやすく表にしよう。」

・「私は、(課題)について~と思いま

す。その理由は~だからです。」

・「わかることは、~と~です。」

○観察、実験の前に見たり観察したりする観点

を指示する。

実験図と言葉で表させる。表やグラフにまとめ

させる。・変化の様子を変化する前と後で比

べさせる。

観察色、形、大きさ、特徴を図と言葉で表させ

る。変化や違いを書かせる。発見したことや

疑問に思ったことを書かせる。

集団解決

□自分の結果と

考えを発表す

る。

□友達の考えに

対して質問をし

たり、考えを述

べたりする。

【Ⅰ】意見集約

・「~から~ということがわかります」

【Ⅱ】相互評価

・「~さんの結果と自分の結果を比べ

て」

・「予想と結果を比べると」

○実験や観察の結果を板書する。

○発問

・ねらいに迫る発問

・言語わざを意識化

・根拠を基に話をさせるための話し方

○学び合い言語わざを提示する。

価値の

共有

□友達と学んだ

ことを自分のも

のにする。

・結論を整理する。

「この結果から分かったことは~」

○結果から分かったことを、キーワードを使っ

てまとめさせる。

振り返り

□自分の考えを

整理する。

□自分で気付か

なかった友達の

意見を参考にす

る。

□自分の考えの

変容についてま

とめる。

・「今日新たに学んだことは…」

・「~は、納得できましたが、~とい

う疑問がまだ残っています。」

・「新たに~という疑問が出てきた。」

○次時の課題につながる疑問を入れて、振り返

りをさせる。

Page 30: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

5 体育

学習過程 学習活動と言語わざ ○教師の働きかけ ☆評価

問題提示

問 い を も

1 本時の課題を提示する。

2 準備運動を行う。

○指示「前時の振り返りを生かしてチームでめ

あてや作戦を考えながらゲームを行う。」

集団解決

学 び 合 い

言 語 わ ざ

の提示

3 チームのめあて、作戦を考える。

前時の振り返りカードをもとに

チームのめあてや作戦を考える。

~学び合いの方法~

①司会者を決める。

②一人一人前時での振り返りカード

を読む。

③司会者は、それをもとにチームでの

めあて、作戦をまとめホワートボード

に書く。

④作戦を生かすための練習を行う。

○働きかけ 「学び合いの言語わざの提示」

・「僕は、(私は)~~~~と振り返りに書きま

した。このことから~~~~~という作戦が

いいと思います。」という学び合い言語わざを

提示する。

また、学び合いの方法ついても提示し全員が

学び合いの流れを把握できるようにする。

○支援「ホワイトボードと学び合いの方法のワ

ークシートを用意する。」

○支援「練習方法の話し合いについて停滞して

いる場合は、練習方法を指示する。」

☆前時での反省をもとに、めあてを話し合い、

作戦をたてることができる。【学び合い】

集団活動 4 ゲームを行う。

~ルール~

①ゲームは5分間。

②笛が吹かれたら必ずプレーをやめ

ること。

③チームのめあてを考えながら試合

をすること。 ~勝敗~

①ボールがゴールに入ったら1点。

②得点の多いチームの勝ち。

○支援「ルールを確認します。ゲームは、5分

間です。笛が鳴るときは、ケガをしそうな時

とファールがあったときです。必ずすぐにプ

レーをとめましょう。また、チームで考えた

作戦を考えながらプレーをしましょう。」

☆互いに協力し、役割を分担して練習やゲーム

に進んで取り組むことができる。【教科】

☆チームのめあてや作戦を生かして、ゲームに

取り組むことができる。【教科】

集団解決 5 ゲームをもとにもう一度作戦を

立て直す。

○指示「今やった試合をもとにもう一度、作戦

を考えましょう。学び合いの方法は、同じで

す。ただし、練習の時間は、ないので④(作

戦を生かすための練習を行う)はやらなくて

いいです。」

☆試合での反省をもとに、めあてを話し合い、

作戦をたてることができる。【学び合い】

集団活動

6 ゲームを行う。 ☆互いに協力し、役割を分担して練習やゲーム

に進んで取り組むことができる。【教科】

☆チームのめあてや作戦を生かして、ゲームに

取り組むことができる。【教科】

価 値 の 共

振り返り

7 表彰をする。

8 本時の振り返りを振り返りカー

ドに書く。

○支援「ゲームの中で作戦にあった動きができ

ているチームや個人を表彰する。」

○働きかけ1

視点を絞った振り返りを書かせるために、試

合後チームで振り返りをさせること、書き方

を示すことを行う。

☆次時の学習でのめあてを書くことができる。

(言語わざ・振り返りー働きかけ)

-27-

チームのめあてや作戦を生かして、ゲームに取り組もう。

Page 31: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

6 音楽

-28-

学習過程 学習活動と学習スキル 教師の働きかけ

課題提示

問いをもつ

問いの共有

自力解決

集団解決

価値の共有

振返り

1 歌い方の視点を意識して、発声

練習をする。

2 本時の流れ、課題を知る。

3 「赤とんぼ」の曲想にあわせた

共有する課題と自分の課題を確認

する。

4 歌い方や課題を歌に生かすこと

を意識して「赤とんぼ」を歌う。

5 学習形態を変えて、「赤とんぼ」

の一番を歌ったり聴いたりする。

6 友達の歌をよく聴き、よさを発

表する。

7 友達の歌をよく聴き、よさを確

認する。

8 学び合ったことを生かし歌う。

9 友だちのよさから学んだこと、

自分の課題の自己評価をワークシ

ートに記入する。

○指示「姿勢や口形に気をつけて発声練習をし

ましょう。」

・本時の流れ、課題を示す。

○指示「赤とんぼの歌い方と自分の課題を確認

しましょう。自分の課題はハーモニーを見て確

認しましょう。」 【働きかけ1】

○指示「歌い方や自分の課題を考えながら、赤

とんぼを歌いましょう。」

☆歌い方(共有する課題)や自分の課題を意識

して歌唱表現をしていたか。

○指示「グループに分かれて赤とんぼの一番を

歌い、互いの歌を聴きあいます。聴いているグ

ループの人は友達よいところをみつけられるよ

うにしましょう。」

〇学習形態を説明する。(2 つのグループに分か

れる)

・聴く視点〔共有の課題・歌の視点〕を確認す

○発問「友達の歌をよく聴いて、よかったとこ

ろはどこでしょう。歌の課題や視点をもとに、

よさを発表してください。」

・歌の課題や歌い方の視点にそって話す、相手

にわかるように話す、前の発言につなげて話

すなど、発言の仕方を伝える。

【働きかけ2】

・子どもの気付かなかったよさも伝える。

☆友達のよさに気付き、よさを相手にわかるよ

うに伝えることができたか。

○指示「歌い方がよかった友達の歌をもう一度

聴いて、よさを確認しましょう。」

・歌い方がよかった子どもを何人か指名し、歌

うように伝える。

○指示「学び合ったことを生かしてもう一度全

員で赤とんぼの一番を歌いましょう。

☆友達のよさを自分の歌唱表現に生かそうとし

ているか。

○指示「友達のよさから学んだこと、自分の課

題の自己評価をワークシートに記入しましょ

う。」

☆友だちのよさから学んだこと、自分の課題の

自己評価をワークシートに記入できたか。

友達の歌い方を自分の表現に生かそう

Page 32: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

7 家庭科

学習過程 学習活動 *学習スキル ○教師の働きかけ(「発問」)☆評価

問題提示

問い

の共有

自力解決

小 集 団

解決

自力解決

価値の

共有

自己評価

1 前時の学習を想起する。

2 今日の課題を理解する。

3 本時の課題を確認する。

「栄養のバランスを考える。」

「色々な味のものを組み合わせる。」

「彩りをきれいにする。」

「肉や魚を使った主菜と、野菜を中心

にした副菜を一つずつ入れる。」

* ○○さんどうですか。*声のもの

さし

4 1 食分の食事を、料理絵カードを

使って料理組み合わせる。

・ランチョンマット上で行う。

・ 主食、汁物の配膳位置を確認する。

5 献立が栄養や食品の組み合わせ、

味や彩りなどの点でバランスよく

なっているかを、班の中で互いに

見合う。

「肉ばかりで野菜がないよ。」

「彩りがパッとしないね。」

6 献立に使われている食品を、栄養

バランス調べ(記入用紙)に記入

する。

・工夫した点も書き込む。

「野菜がなかったから入れてみた。」

「赤青緑が必ずあるようにした。」

7 自分の献立のくふうした点、おす

すめの点を発表する。

* 私は~に気をつけてこの献立を立

てました。それは、家族の○○が、

~だからです。

8 自分の学習を振り返る。

よくできた・・・・・・・◎

できた・・・・・・・・・○

あまりできなかった・・・△

○ 説明「前回は、食べ物を組み合わせて献立を立て

るときに気をつけることについて学習しました

ね。」

・本時の課題を示す。

○ 説明「今日は、ごはんとみそ汁に合うおかずを考

えて、家族のために 1 食分のおすすめの献立を立

てます。」

・本時の課題を確認させる。

○ 発問「どのようなことに気をつけて献立を立てれ

ばよいでしょうか。」

・絵カードにある以外の料理で適切なものがあれば

それでもよしとする。ただし、友だちに伝えると

きは、材料や手順を簡単に説明する。

・ご飯、みそ汁などの配膳位置を黒板上で確認する。

○指示「班の中でお互いの献立を見合ってよい点、

直した方がよい点を伝え合おう。」

・味や彩りを考えることも大切であることを伝える。

☆食品の組み合わせを自分なりに工夫している。

【創】(児童観察、ワークシート)

○指示「献立を立てたら、ワークシートに書き込も

う。」

・使う食材を記入し、栄養的に偏りがある児童は、

ここで気づかせる。工夫した点も合わせて書き込む。

☆バランスのよい食事の条件を考えて献立を立てる

ことができる。【技】(ワークシート)

・できた児童には、主食がパンの場合の献立を考え

させる。

○指示「自分のおすすめの食事について全体に発表

しましょう。そのときに、誰のだめに考えたのか、

くふうした点やおすすめの点なども一緒に伝えま

す。」

☆根拠を基に発表している。【学習スキル】

・ワークシートの質問に答えさせる。

○自分なりに工夫して献立を立てることができたか。

○栄養のバランスを考えて家族の喜ぶ献立を立てる

ことができたか。

-29-

家族のために、おすすめの献立を立てよう。

Page 33: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

8 生活科

学習過程 学習活動と言語わざ ○教師の働きかけ ☆評価

問題提示

問いをもつ

問いの共有

・学習言語わ

ざの提示

1 本時の学習わざを確認する。

2 前時の復習

3 本時の課題を確認する。

○か 秋をさがそう。みつけよう。

・言語わざの提示「同じです。付けたし

です。似ています。違います。」

○言語星指示「発表する時は「です。」

「ます。」を使いましょう。」

・本時の課題を示す。

○指示「今日は「秋」を探しにいきます。

外に出て、夏と変わったところや、夏に

はなかったものを探してみましょう。」

自力解決

4 自力解決。付箋に探したこと、見つけた

かを書く。

発問に対する予測される子供の反応

・はっぱの色が黄色でした。

・はっぱがたくさん落ちていました。

・木の実がありました。

・ぶどうができていました。

・虫がいませんでした。

【働きかけ 付箋を色分けする】

○指示「木や草などの植物について書い

たことは緑の付箋に書きましょう。」

「赤い付箋には、生き物について書きま

しょう。」

「青い付箋には、それ以外のことを書き

ましょう。」

・夏と違うところ。今の季節にだけ言え

ること、など視点を与える。

○支援「はっぱの色が・・・・」「ひま

わりが・・・」などいくつか書き出し文

を提示する。

☆「秋」の不思議・面白さを見つけるこ

とができる。

小集団解決

5 班で付箋を使ったワークショップをす

る。

・「みんなに教えたい」の意見は赤ペンで囲

む。

【働きかけ 付箋】

○支援 話し合いの仕方の提示

○指示「それでは班になって話し合いま

しょう。リーダーさんお願いします。」

☆自分の感じたこと・思ったことを伝え

合うことができる。

価値の共有 6 班で出た意見を黒板に貼る。 ・時間がない場合は教師が各班の意見を

読み上げる。(予想させる。)

○指示「班のリーダ-は、みんなに教え

たい意見を発表してください。」

自己評価

振り返り

・振り返りの

視点の明示

7「あきの○○さんへ」と手紙を書く。

・秋のはっぱさんへ 秋のはっぱはきいろい

んだね。はじめてしったよ。

・秋の虫さんへ 虫さんはどこにいっちゃっ

たの。

・秋のひまわりさんへ ひまわりさんはかれ

ちゃったんだね。いままでありがとう。

【働きかけ 書き出し文型提示】

・学びの交換便の活用

○指示「それでは、ふりかえりノートに

「秋の○○さんへ」と手紙を書きましょ

う。」

○支援 ふりかえり例の提示

「あきのはっぱさんへ・・・・」

○支援「すぐれた振り返りが書けている

子の手紙を読み上げる。」

☆「秋の○○さん」に手紙を書くことが

できる。

-30-

Page 34: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

9 道徳

学習過程 学習活動(〇主な発問・予想される児

童の反応)

指導上の留意点

問題提示

問いを持つ

1家や学校で自分がしなければならな

いことに、どんなことがあるか発表す

る。

〇家や学校でしなければならないこと

には、どんなことがありますか。

・国語や算数の勉強、宿題。

・係の仕事、そうじ、給食当番。

・おふろそうじ、お茶碗ならべ。

・仕事や勉強など、自分でがんばらなけれ

ばならないことがいろいろあることに気

づかせる。

問いの共有

自力解決

集団解決

2「なおみさんは花だんがかり」を読

んで話し合う。

〇なおみさんはどうして草取りがきら

いなのでしょう。

・手が汚れる。

・手が痛い。

・座っていると疲れる。

◎ なおみさんはどんな気持ちで草取

りを始めたのでしょう。

・あつ子さんが一人でがんばっている

から。

・嫌だけれど、自分も花だんがかりだ

から、やらなくてはいけない。

〇きれいになった花壇を見て、なおみ

さんはどんな気持ちになったでしょ

う。

・花だんがきれいになってうれしいな。

・これからは毎日、水やり、草取りを

しよう。

・なおみさんがどんな気持ちで仕事をして

いるのかを考えながら話を読むように指

示する。

・なおみさんが草取りが嫌いな気持ちに気

づかせる。

・草取りはいやだけれど、自分は花だんが

かりであることが気になっているなおみ

さんの気持ちに共感させる。

・学習シートに記入させる。

・仕事をやり終えた充実感を感じ取らせる。

価値の共有 3 いままでの自分を振り返る。

〇自分の仕事や勉強でがんばってやっ

たことに、どんなことがありますか。

・私は宿題を時間がかかっても最後ま

でがんばりました。

・私は給食の机ふきを遅くなっても、

しっかりがんばりました。

4 教師の説話を聞く。

・途中で投げ出したくなる気持ちを乗り越

えて、最後までがんばった経験をほめる。

振返り ・本時の自己評価をさせる。

・「これからがんばってやりたい仕事」につ

いて考える。

-31-

聞く・話すに関わる指導

同じです、違います、他にもありますと

いう言葉を使って発表をさせる。

「他にもありますか」と言って児童に相

互指名をさせる。

「なおみさんが草とりをはじめたのは

~と思ったからです。」という発表のさ

せ方をする。

隣の児童となおみさんの気持ちを話し

合わせる。

「私は(自分の仕事)を(どのように)

がんばりました。」という発表のさせ方

をする。

Page 35: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

10 美術

学習過程 学習活動と言語わざ ○教師の働きかけ ☆評価

問題提示

問いをもつ

問いの共有

1 前時を振り返り,本時のめあてを確

認する

2 日本や諸外国の絵を鑑賞し,どのよ

うな特徴があるかを知る

○ パワーポイントで画像を見せ,何が題材か

を考えさせる。

○ 日本や諸外国の絵を,題材や形,色彩を比

較しながら鑑賞していくことを確認する。

○ 題材の特徴についてパワーポイントで解

説する。

自力解決

3 カードを使い、どのような疑問があ

るかをノートに書く

○ 気付いたことをワークシートに書かせる。

集団解決

(グループ)

(全体)

価値の共有

4 カードを使い、質問ごとにグループ

で話し合い分類する

5 全体で意見を交流する

グループ毎に気付いたことをまと

め発表する。

・日本や外国の絵を鑑賞し,表現の違

いに気付く。

・絵の特徴や季節感の表現に気付く。

6 日本の絵のよさについての考えを

共有させる

○ カードを使い,質問ごとにグループで話合

い,分類させる。

〇グループ毎に気付いたことをまとめ発表す

る。そうなったのかの根拠を言わせる。

○ 絵の全体と,細部の拡大図の画像をパワー

ポイントで見せる。

○ 考えや気付きをワークシートに書かせる。

自己評価

振り返り

・振り返りの

視点の明

7 本時の学習を振り返る。

ワークシートに振り返りを記入する。

○指示「今日の振り返りを書きましょう。」

グループや全体ででた意見などを聞き,分

かったことを記述させる。

-32-

日本や諸外国の文様の特徴を言いましょう 課

Page 36: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

11 技術・家庭

学習過程 学習活動と言語わざ ○教師の働きかけ ☆評価

問題提示

問いをもつ

問いの共有

1 前時を振り返り,本時のめあてを確

認する。

個人情報を聞かれたことはないか、

会社から電話がかかってこなかった

かを発表する。

2 個人情報について知る。

・個人情報にはどんな種類があるか。

〇今日の課題を知らせる。

〇個人情報について説明を行う。

自力解決

3 サイトを見て自分の考えをまとめ

る。

4 サイトを見て、個人情報の正しい使

い方についてまず自分の考えを書く。

○ 気付いたことをワークシートに書かせる。

〇サイトから気が付かない生徒には、資料を

配布する。

集団解決

(グループ)

(全体)

価値の共有

5 グループで意見を出し合う。

6 全体で意見を交流する。

グループ毎に気付いたことをまと

め発表する。

7 被害に合わないためにどうすれば

よいかを考える。

8 サイトの正しい使い方をワークシ

ートにまとめる。

○ グループで話合い,一つの意見にまとめさ

せる。

〇グループ毎に気付いたことをまとめ発表す

る。そうなったのかの根拠を言わせる。

○ 成功例を提示する。

○ 対応の仕方について助言を求めるなどを

まとめる。

・個々に情報ネットを使うときの留意点をま

とめる。

自己評価

振り返り

・振り返りの

視点の明

9 本時の学習を振り返る。

ワークシートに振り返りを記入する。

○指示「今日の振り返りを書きましょう。」

グループや全体ででた意見などを聞き,分

かったことを記述させる。

-33-

正しい個人情報の使い方を言いましょう 課

Page 37: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

12 保健体育

学習過程 学習活動と言語わざ ○教師の働きかけ ☆評価

問題提示

問いをもつ

問いの共有

・学習言語わ

ざの提示

1 本時の学習言語わざを確認する。

2 たばこについて日頃思っているこ

とを発表し合う。

・においが強い。・体に悪い。

3 禁煙・分煙の写真資料を基に課題意

識をもつ。

学級言語星 6 わけをそえて意見を言うこ

とができる。

学習言語わざ 資料を活用したり、例を示し

たりしながら話す。

学び合い言語わざ 比べる

〇発問「皆さんは、身近にたばこを吸ってい

る人はいますか。また、どのように思いま

すか。」

○発問「なぜ、禁煙や分煙が広がってきてい

るのでしょうか。」

自力解決

4 喫煙の害についての写真資料、グラ

フ資料を基に、課題に対する答えを

ノートに書く。

・①の資料に、たばこを吸う人と吸わな

い人とでは、吸う人の方ががんになる

割合が高いと書いてあります。このこ

とから、たばこを吸うとがんになりや

すいということが分かります。

〇発問「たばこには、どのような害があるの

でしょうか。」

〇指示「資料を基に、自分の考えをまとめま

しょう。」

※資料集を配布する。

【働きかけ 学習言語わざ】

・必ず根拠を明確にした意見を書かせる。

☆喫煙の害について資料を活用し、根拠を明

確にした考えを書くことができている。

集団解決

・学び合い言

語わざの

確認

・学び合い方

法の確認

・学び合いの

視点や論

点の確認

価値の共有

5 全体で意見を交流する。

・資料(1)を見てください。煙草をす

うと、両切り煙草を吸った場合は知的

作業効率が10パーセント以上落ち

ているのがわかります。煙草は脳にも

影響を与えるのだということがわか

ります。

・資料(2)を見ると、夫が煙草の本数

に比例して、妻の肺がんによる死亡率

が上がっています。たばこは、周りの

人に影響を与えるのだということが

分かります。

・周りの煙草を吸わない人への影響を

考え、分煙が進んでいるのだと思いま

す。

6 学習したことを生かしたロールプレ

イを行い、喫煙をしないという意識

を持たせる。

〇指示「たばこが健康に及ぼす影響を素に、

禁煙や分煙が広がるわけを考えましょう。」

【働きかけ 学び合い】

・話し合いを進めることを伝える。

☆学び合い言語わざを活用して、相手の考え

を引用し、まとめたりしながら禁煙、分煙

が広がっている理由を話し合うことができ

る。

○指示「たばこを吸ってみようと言われたと

き、あなたならどうしますか。学習したこ

とを生かしながら、隣の人とロールプレイ

をしましょう。」

自己評価

振り返り

・振り返りの

視点の明

7 本時の学習を振り返る。

・たばこは、一度吸ったらなかなかやめ

られなくなるし、たくさんの害がある

ので、私は吸わないようにしようと思

う。

○指示「今日の振り返りを書きましょう。」

【働きかけ 振り返り】

・振り返りの視点を示す。

☆喫煙や分煙を呼びかける取り組みに対す自

己の考えを書くことができる。【振り返り】

たばこが健康に及ぼす影響を調べ、禁煙・分煙が広がってきているわけを考えよう。 課

-34-

※「学級言語星」 大岱小学校で、学習規律としての言語を定着させていくために取り組まれ、次の 7 段階の言語星レベルを設定している。

1 「はい」という返事を大きな声で言うことができる 5 質問や確認をすることができる

2 「です、ます」と最後まで丁寧に話すことができる 6 わけをそえて意見を言うことができる

3 相手に聞こえる声で最後まで話すことができる 7 まなブックを使って自分たちの力で授業をすすめることができる

4 相手の目を見て、話したり聞いたりすることができる

Page 38: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

13 英語

学習過程 学習活動と言語わざ ○教師の働きかけ ☆評価

問題提示

問いをもつ

問いの共有

1 あいさつをする。

2 友達数人とスピーチをする。

3 今日の課題を確認する

○ 「いつ、どこで、誰と、何をしたか」を意

識し発表する。

自力解決

4 ワークシートに助言を基にした手

紙を書いてみる。

○ 文が書けない子は、ノート展覧会スタイル

で友達の書いた文を読みに行かせる。

〇 辞書を活用する。

集団解決

(グループ)

(全体)

価値の共有

5 グループでお互いの手紙を読みあ

い話し合い、お互いの良さを発表し

合う。

6 班の代表が全体でスピーチをする。

7 手紙を書く手順を教師から聞く。

8 自分の手紙を書きなおす。

○学び合いの司会者を立てる方法で進行させ

る。

〇「ALT」が分かる文はどれがいいかを決

めさせる。

○ 考えや気付きをワークシートに書かせる。

〇 例を示し、書く方法を示す。

〇 分かりやすい文になるように書き直すよ

うにと指示をする。

自己評価

振り返り

・振り返りの

視点の明

9 本時の学習を振り返る。

ワークシートに振り返りを記入する。

○指示「今日の振り返りを書きましょう。」

グループや全体ででた意見などを聞き,分

かったことを記述させる。

-35-

分かりやすい手紙を書こう 課

Page 39: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

17 挙手と反応(子どもたちへ)

授業は、子どもが創るものです。それには、先生の指図や友達の言葉に、進んで手を挙げたり、発表したりすることです。これを反応

(はんのう)するといいます。下のヒントを使い、反応することを覚えましょう。人と会話する力と書く力がつきます。

1 挙手の仕方(手を挙げながら、自分の立場を表す言葉を添える。)

「他にもあります。」「似ています。」「「△△さんと似ています。」「△△さんの代わりに言います。」

「△△さんに付け加えます。」「もう少し詳しく言います。」「前の〇〇とつなげて言います。」

「比べて言います。」「感想を言います。」

2 発表の仕方(聞く人の方へおへそを向ける。人の名前を言い発表する。)

「私は○○と考えました。理由は、~だからです。」(理由)

「はじめに~、つぎに~、だから~です。」(順序)

「〇〇のところを詳しく説明してください。」(質問)

「△△さんに付けたします。」(付けたし)

「説明します。」「聞いてください。」「言ってもいいですか。」(間が空いたとき)

「前に出て説明します。」(黒板で発表するとき)

「です。」「ます。」(最後まではっきり話す)

「はい」という返事をして、椅子の横に静かに立つ。(授業ルール)

発言パターン(主に中学生)

A:「△△さんと同じで、自分も〇〇と考えました。その理由は~。」(賛同)

B:「△△さんと似ています。自分は、○○と考えました。その理由は~。」(類似)

C:「△△さんと違って、自分は、○○と考えました。その理由は^。」(反対)

*対話言語や学級言語星を使い発表をしましょう。

*発表では、ハンドサインで当たった回数を出しましょう。(多くの人が発表するため)

*発表する場所は、自分の席ではなく、友達の顔が見える近くの発表場所でしましょう。

3 話の聞き方(発表する人の方へ、おへそを向ける。)

・「もう一度言ってください。」「もう少し大きな声で言ってください。」(聞き取れない時)

・話をうなずきながら聞く。(礼儀です)

・拍手をする。(気持ちを伝えましょう)

4 発言リレー(自分たちだけで学ぶ方法、先生は話しません。)

・発表をしたら、友達へ当てましょう。(相互指名)

「どうですか。」(受けて返す)

「そろそろまとめると」(意見が出し終わる頃)

5 説明の仕方

・具体物を持っている人のところに行き説明を聞きましょう。(先生の許可を待たない)

6 言語の充実

課題をねばり強く追求し、自分と友だちが分かるまで、できるまで追求する。その手段として言語を使い、友だちとかかわり合う学び

合いをしていくのが授業である。言語力を教育活動全体で全員に付けさせる。

(1)朝の会、帰りの会

・朝の会では、アあいさつ イ合唱 ウ今日の目標づくり エ目標の交流 オ先生の話

・帰りの会では、ア合唱 イ目標の振り返り ウ仲間の助言 エ先生の話 オあいさつ

これまでのノートのふり返りだけでは言語力はつかない。

○朝の会

活 動 ね ら い

1 あいさつ

2 合唱コンの歌

*健康観察

3 目標作成と助言

ペア→全体交流

4 先生から

・仲間と協力し、団結する。担当の子どもが具体的に指導する。

・昨日の学びを反省し、今日の目標を立てる。

・聞き手は、質問をしたり良さを言ったり助言をする。

・子どもが発表した例を出し、価値付ける。

○帰りの会

活 動 ね ら い

1 合唱コンの歌

2 目標反省と助言

ペア→全体交流

3 先生から

4 あいさつ

・仲間と協力し、団結する。担当の子どもが具体的に指導する。

・今日頑張ったことの振り返りを友だちに伝える。

・聞き手は、助言をし、自分に何を取り入れるかを言う。

・子どもが発表した例を出し、価値付ける。

(2)授業

授業では、①課題を書いたら声を出す ②発表では、ハンドサインで当たった回数を出す、手を挙げるとき「他にもあります、似てい

ます、前の人につなげて言います、理由が似ています」などと言う。友だちの発言と自分の考えの違いを聴き分け話す。③聴くときは、

相手を見る、うなずく、中身を聴き取るなど指導する。教師は、赤ペンを持ち子どものノートに朱書きをし励ます。

-36-

Page 40: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

18 研究授業までの流れ

学習指導案作成段階 やること 研究授業日から・・・

○指導の構想を練る。

・指導単元を決定する。

・学習指導要領を読み込む。

・教材解釈、教材分析をする。

・先行研究の事例収集を行う。

・講師の先生から事前指導を受ける。

3ヶ月前まで

○学習指導案の大枠を作成

する。

・単元,単元設定の理由

・学習指導要領の内容

2ヶ月前まで

○模擬授業を行う。 ・校長、副校長、主幹、研究主任、分科会

より多くの方から意見を集める。

・複数回行うとよい。

1ヶ月前まで

○学習指導案を完成させる。 ・研究主任→副校長→校長のラインで起案する。

・講師の先生への送付

2 週間前まで

○学習指導案を職員机上に

配布する。

・押印の上、職員机上に配布する。

・職員夕会で連絡をする。

1週間前まで

研究授業・研究協議会

○課題論文を作成する。 ・研究協議会を受けて、課題論文の書き方を参考

に論文を作成する。

・研究主任→副校長→校長のラインで起案する。

教頭

・決裁が下りたら印刷し,職員机上に配布する。

協議会終了後3日以内

○講師の先生へのお礼状を

作成する。

・簡単な手紙を付け、課題論文を講師の先生に

送る。

協議会終了後7日以内

-37-

Page 41: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

19 学力向上学習指導案初期構想 授業者( )

実施日 平成 年 月 日( ) 講 師

学年・教科

1 単元名

2 単元のねらい

3 学習指導要領

4 大まかな学習指導計画

5 前回の研究授業反省を受け

6 本時の展開

本時のねらい

学習活動 教師の働きかけ

問題提示

問いを持つ

問いの共有

○学習の流れの提示【おしながき】

自力解決

○学習言語わざ・解決するための視点提示

集団解決

○学び合い言語わざ・視点・方法の提示

価値の共有

○板書等による学び合いの視覚化

振り返り

○振り返りの視点提示

-38-

本単元のポイント

○学習のわざ

○学び合い

○振り返り(教科)

どんな力を身に付けさせたいのか?

学習指導要領との関連は?

講師の先生からご指導

を受けて記入する。

課題論文・参観者論文・授業改

善プランを参考に、前回までの

課題を整理し、把握すること。

研究を積み上げていくような意

識を持つ!

ねらい

どんな力を身に付けさせるか

問題提示の工夫

前時の振り返り

前時までの学習掲示

学習形態

学習方法の指導

学び合い方法の指導

視点・論点の提示

価値の共有の仕方 板書方法

振り返りの視点 評価

主発問 補助発問

このプリントを基に、講師の

先生にご指導いただき、学習指

導案を作成・検討する!

Page 42: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

20 学習指導案様式

第○学年○○科 ○○学校 学習指導案

日 時 平成○○年 ○月○日

場 所 ○○学校

対象学級 第○学年○組 ○○名

指 導 者 ○○ ○○

1 前回の授業者の課題を受けて

前回の研究授業では、集団解決の~といった点に課題が挙げられた。この課題を解決するために…

2 研究協議会で話し合ってほしいこと(言語のわざ、学び合い、教科の特性振り返りの3点から)

(1)問題解決的な学習

(2)言語わざ・学び合い

(3)振り返り

3 単元名 (小単元)(指導内容の単元名や題材名)

4 単元の目標(単元全体を通して、形成しようとするねらい)

5 本単元の評価規準

関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技 能 知識・理解

-39-

年度・学力調査名

~授業参観の視点を明示~ 協議会で中心的に話し合ってもらいたい、授業を観る視点

を明らかにする。研究の視点に合わせて(1)問題解決的な

学習(2)言語わざ・学び合い(3)振り返りの 3 点につい

て端的にまとめる。

研究授業開始前に、授業者は説明を行う。

平成○○年度全国学力調査結果を受けて

本校の学力調査結果を見ると、全国、東

京都の結果と同様に、「話すこと・聞くこ

と」の観点ではある程度の定着が見られ

た。また、最もポイントが低かったのは、

「書くこと」であった。

国語力を向上のため、各教科における言

語活動を充実していく授業改善が求めら

れる。

~学力調査結果の活用~

文部科学省「全国学力調査」、東京都「児童・生徒の学力向上を図るための調査」

結果から、授業改善の大きな方向性について記載する。その際、本校児童の課題だ

けでなく、全国的な課題や、東京都の課題なども取り上げる。領域や単元によって、

本校児童の成果のデータを使用する。

全 国 と

の比較

課題点

授業改善

の方向性

教科部会等で行った研究を積み上げていくため、前回の部会研

究授業を受けての課題・改善策を書く。

Page 43: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

6 単元 (小単元) 設定の理由

(1)学習指導要領を受けて(目標観)

この単元は、学習指導要領の

を受けて設定したものである。これを受け指導の構想を練る。

(2)研究主題との関連 (部会主題設定の理由と本時との関連)

本年度の研究主題は「豊かに学び育つ子どもの育成 ~言語わざを生かした学び合いの授業~」である。

これを受けて、○○部会は、「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」と主題を設定した。これ

まで研究・開発してきた言語のわざ(学習のわざ)を使い、子どもたちがお互いに学び合う授業づくり

を目指す。・・・

(3)児童の実態

(問題解決的な学習、言語わざ・学び合い、振り返りの3点から書く)

○問題解決的な学習

これまで教科学習内容を指導することに傾注したため、ややもすると知識習得学習となった。子

どもが受け身的に授業に参加する、教師は一方的に話をする構図が出来上がった。分かる授業とは

ならなかった。この反省に立ち、まずは子どもに授業内での動きを学ばせることが重要と考え、問

題解決型の学習方法の習得を促した。授業内での学び方を確立すればおのずと教科内容を習得する

との考え方からである。子どもが授業内での動き方をマスターすると、教師の指示言葉も減り、自

ら学習する子どもも増えた。教師も授業に手ごたえを感じるようになった

◎問題解決的な学習について ・問題解決的な学習がどのくらい定着しているか ・1単位時間の学習の進め方の理解度

○学習言語わざ・学び合い

言語わざで意識的に指導してきたのは、「根拠を明確にして話すこと」である。事実を根拠とし

ない発言をいかに積み重ねても、学習問題を解決するには至らない。これまでの指導から8割近く

の子どもが話すわざを活用できているが、さらに徹底していきたい。

言語わざ(個人言語)についての自己評価を見ると、概ね全てのわざを平均的に使うことができ

るようになってきたという実感を持てていることがわかる。しかし、対話に必要な言語については、

まだまだ使いこなせていない。そのため学び合いが事実の羅列で終わってしまうこともある。聞く

わざをさらに意識させ、対話言語を積極的に活用させるような手立てが必要である。

◎学び合い、言語力について ・学び合い言語がどの程度身に付いているのか ・基盤となる学習ルールの定着度合はどうか。

〇振り返り

学習を通して分かったこと、考えたことを書く習慣は身に付いてきた。学び合いを通して自己

の考えをリライトすることで、ものの見方・考え方が広がったり深まったりするといった経験を

重ねさせたい。

○教科

社会的事象からの驚きや発見を基に学習問題を作り、自分なりの予想を立てた上で調べ考え、そ

こから学習問題に対する答えを見出し、作品にまとめるといった学習を行ってきた。教科ガイドブ

ックを活用することにより、主体的に問題を解決していこうとする態度が身に付きつつある。

◎振り返り、教科について ・自己の学びを客観的に振り返ること(メタ認知)がどの程度できているか

・教科学習について子どもの実態の見取り。 -40-

目標 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

内容(2)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

ア ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

本単元が、学習指導要領のどこを受けて設定されたものな

のかを明確にする。そこから、どうして本単元を設定したの

か、理由を明確に記す。

研究主題、部会研究主題につ

いて書く。

具体的な達成状況など、

数値で表せるものは、数値

で書く。

Page 44: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

7 研究主題へ迫るための指導の構想 (提案・工夫をまとめる)

(1)主題に迫るための教材開発など

(2)本時の働きかけ (言語わざを使った学び合いの場で、教科の内容を追求するための働きかけ)

【働きかけ1(問題解決的な学習)】

【働きかけ2(言語わざ・学び合い)】

【働きかけ3(振り返り)】

8 指導計画 全○○時間

次 時 主な学習活動・主な反応 ♦留意点 ☆評価

1 1

2 3(本時)

3 5

-41-

言語力をはぐくむ 具体的な改善内容

国語をはじめ各教科等で、記録、説明、批評、論述、討論などの言

語を使った活動を行い、全ての教科等で言語の力をはぐくむ。

国語・・・経験したことを記録・報告する活動や、相手を説得するために

意見を述べ合う活動、知識や経験を活用して論述する活動

社会・・・社会的な事柄について、資料を読み取って解釈し、考えたこと

を説明したり、自分の意見をまとめた上で、お互いに意見交換

したりする活動

算数・・・言葉、数、式、図、表、グラフを使って論理的に考え、根拠を

明らかにして筋道を立てて説明し、伝え合う活動

理科・・・仮説を立てて観察・実験を行い、結果を分析・解釈する活動や

日常生活の現象を科学的な用語を使って説明する活動

文部科学省 「生きる力 新学習指導要領」 より

学習指導要領解説をよく読むこと!!

学習指導要領解説には、各教科でどういった言語活動を充実させたらよいのか、その方向性が

書かれている。必ず読み込み、指導の構想を練ること!

Page 45: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

9 本時の構想

(1)ねらい(あいまいな目標とせず、行動目標を書く。)

・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(問題解決学習―働きかけ1)

・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(言語わざ・学び合い―働きかけ2)

・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(振り返り―働きかけ3)

・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(教科目標)

(2)展開

学習過程 〇学習活動 ・児童の反応 ○教師の働きかけ ☆評価

問題提示

問いをもつ

問いの共有

・学習言語わ

ざの提示

1 本時の学習わざ・シラバスを確認する。

2 本時の課題を確認する。

・「(話型を提示する」」

・本時の課題を示す。

自力解決

・発問に対する予測される子供の反応

・~~~~~~~~~~~。

・~~~~~~~~~~。

・~~~~~~~~~~~~。

【働きかけ1 問題解決学習の支援】

○発問「~~~~~~~~。」

・~~~~~~~~~~~~~~。

・~~~~~~~~~~~。

☆評価(~~~~~~~~できる。)

集団解決

・学び合い言

語 わ ざ の

確認

・学び合い方

法の確認

・学び合いの

視 点 や 論

点の確認

働きかけ2 言語わざ・学び合いの支援】

○発問「~~~~~~~~。」

・~~~~~~~~~~~~~~。

・~~~~~~~~~~~。

☆評価(~~~~~~~~できる。)

価値の共有 5

己評価

振り返り

・振り返りの

視 点 の 明

働きかけ3 振り返りの支援】

○発問「~~~~~~~~。」

発展・補充 7

10 板書計画 (例)

-42-

~明確なねらいの文末~

・~の理由を~ということができる。

・~の例を~と書くことができる。

・~を作ることができる。・~を操作できる。

・~の共通点を~と言える。

・~と~から~と識別できる。

学習指導案哲学「学習の見通しを持たせる」

その時間に何を学習するのか、子どもに見通しを持たせるよ

うに問題提示を行う。

○発問 ○指示

○説明 ○板書

○提示・・・等

大岱学習指導案哲学

「指導目標と評価目標の一体化」 働きかけをしたら、それに対する形成的評

価を行う。 発展・補充は、時間があれば行

う。

大岱学習指導案哲学「実験的な目~刺激と反応~」

発問に対して、予測される児童の反応を書く。(児童の反応に、さら

にどう切り返していくか考える。)

○課

中心資料 気付き

話し合い まとめ

振り返り

板書計画留意事項

※子どもの一時間の思考

の流れが見て分かる構

造的な板書を目指す。

その時間でどういった力を身に

付けさせたいのか?

学習言語わざ、学び合い言語

わざを提示すること。集団解決

の際には、学び合いの方法、視

点・論点も提示すること!

Page 46: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

21 道徳学習指導案様式 1 道徳学習指導案

-43-

○年○組 道徳学習指導案

日時

対象学級

指導者

1 日々の教育活動で大切にしていること

私が日々の教育活動で大切にしていることは~

道徳の授業では ~ である。

2 主題名 かけがえのない命

3 主題設定の理由 (単元を設定するための必要なわけ・指導者の思いを書く)

(1) ねらいとする価値(学習指導要領を受けて(目標観や教材観))

本時は、学習指導要領の

目標(2)自分と身近動物の~

内容(6)身の回りの自然を利用したり~

を受けて設定したものである。

いのちは、地球より重い。だから○○が大切である。そこで、私は、○○を学んで欲しいと

考える場としたい。

(2) 児童の実態(指導目標や教材に対しての児童の実態)

本学級の子どもたちは、落ち着いている。しかし「○○」という子どもがいる。だから○○

を考えさせたい。※具体的に書く。

(3) 資料について (資料の内容とねらいとの関連)

本資料は、○○というような内容である。○○と〇○の人間関係から気づかせることができ、

ねらいにせまることのできる資料と思う。

4 本時の指導

(1) ねらい ○○を知り、○○の心情を育てる。

(2) 本時の展開

段階 〇学習活動 ・子どもの反応 ♦教師の働きかけ ☆評価

問題提示

問いの把握

問の共有

〇公平という言葉のイメージを考え、発表する。

〇教師が資料を読むのを聞く

♦教師が判読する。

♦読み終えたら副読本を閉じさせ

る。

自力解決

〇自分なりに考える。

〇友達の気持ちはどうだったのか。

♦○〇が思ったことをたくさん出

させる。

集団解決

◎「そうゆうやり方はだめだよ」と言われ、○

〇はどう思ったのだろう。

♦自分の考えたことを発表させ、全

体で発問について考える。

価値の共有

〇本当の公平について知る。 ♦友達同士でまとめる

振返り

〇自分自身を振り返る。 ☆公平な気持ちを高めることがで

きたか。

5 評価

公平な気持ちを高めることができたか。

Page 47: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

2 保護者向け道徳公開案様式

※です、ます調で書くこと

-44-

○年○組 道徳学習公開案(道徳の授業のめあてと流れ)

1 日々の教育活動で大切にしていること

私が日々の教育活動で大切にしていることは、・・・・・です。

2 児童の育ち(児童の実態(1を受け書く))

その結果、本学級の子どもたちは、・・・・・

道徳地区公開講座主題

3 更なる成長を願って(2 を受け書く(目指す子ども像))

道徳の授業を基にして、子どもの心を耕し、( 豊かな心 )を育てたいと思います。

4 今日の授業のめあてと流れ(資料や教材名と指導要領)

「○○○○○○○」 学習指導要領の○―(○) ○○

(1) 授業のめあて(目標観や教材観)

私は、この○○の教材に対して○○の考えをもっている。この教材を使って○○を理解

させるのがめあてです。

(2) 授業の流れ(番号を打つこと)

学習活動

始め ①(課題との出会い)

中 ②(自立解決の活動をする)

③(集団解決の活動をする)

終わり ④(価値の共有(振り返る・広げる))

5 ご家庭や地域の方へ

私は、○○に気がつくよう指導しました。ご家庭では、○○についてどうでしょうか。○○に

ついて、ご家庭でも話し合って下されば幸いです。

Page 48: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

経過 学習活動 ○成果 △課題 ●改善

T(教師)

C(児童)

○~~~~~~。

△~~~~~~~~。

●~~~~~。

・授業中の教師の指示・説明・発問等働きか

けを「T」で記録する。

・授業中の児童の反応(発言,つぶやき,行

動)等を「C」で記録する。

・目に見える行動記録だけでなく,学習の雰

囲気等,目に見えない部分も記録する。

・経過欄には時刻を記録し,授業を時系列で

記録していく。

・自分なりに成果や課題,改善策を書き込み

ながら記録を完成させる。

教師の働きかけが有効だったかどうかを検証す

るためには,明確な事実を根拠として協議する必要

があります!

教師の働きかけと児童の反応

で授業を見取る力を付ける!

【刺激..

と反応..

で観察する】

授業が始まる前の子どもたちの雰囲気,学習用具

の整頓の様子,学級掲示物・・・授業提案以外にも学

ぶべきところが多々あります!

【授業前確認ポイント】

○学習ルールの定着状況

○学級掲示物

○学習形態

○学習準備

○学習経過作品

○子どもの学習ノート

○子どもの集中のさせ方 ・・・等

協議会の中では,提案が研究目標達成に向けてどのように有効だったかを検証することになりま

す。しかし,授業者の先生から学ぶべきことはその他にもたくさんあります。特に若手は,貪欲に

情報を集め,学ぶ姿勢をもつことが大切です。

参観者は,多くを学ぶ気持ち

で・・・授業者は,自身の指導を振

り返る気持ちで・・・研究授業を授

業改善のために活用していきま

しょう。

提案してくださる授業者やご

指導をいただく講師の先生に失

礼がないように,開始時刻前に必

ず集合し,参観の準備をしましょ

う。尚,教室には奥から詰めて入

ります。

当たり前のことですが,今一度

全員で徹底していきましょう。

22 研究授業参観の約束

-45-

Page 49: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

23 授業重点評価カード

1 問題解決型の授業のパターンはできていると思いますか

(問題提示→問いを持つ→問いの共有→自力解決→集団解決

→価値の共有→自己評価→発展・補充

2 「発言の時に使う言葉」が豊かに飛び交っていると思いますか

3 ~か、と問い、前の発言につなげて賛成か反対かを言えていると思いますか

4 一問一答(教師対子ども)となっていないと思いますか

5 主発問は、興味・関心・意欲をもたせるものだったと思いますか

6 学習形態(グループ活動、全体活動)は工夫されていたと思いますか

7 教師は少なく話したと思いますか(学習の活動時間がとれたか)

8 授業のねらいは達成されたと思いますか

-46-

日 時 平成 年 月 日 ( ) 校時 年 組 授業者

教 科 単元名

授業重点評価カード

~ 切磋琢磨する授業・研究協議のために ~

そう思う 思う あまり思わない 思わない

そう思う 思う あまり思わない 思わない

そう思う 思う あまり思わない

思わない

そう思う 思う あまり思わない 思わない

そう思う 思う あまり思わない 思わない

そう思う 思う あまり思わない 思わない

そう思う 思う あまり思わない 思わない

そう思う 思う あまり思わない 思わない

Page 50: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

24 児童・保護者の授業評価

1 小学校 年 組 名前( )

月 日 ( )曜日 教科( )

学び合い感想カード

これは、先生たちが授業をもっと楽しく、わかりやすくするために行うものです。

今の授業について、思った通りに答えてください。

① 「です」「ます」を使ってお話ができましたか?

② 少人数や全体で自分の考えを話すことができましたか?

③ 分かったことや感想をふりかえりで書くことができましたか?

④ 今の勉強は分かりましたか?

-47-

今の授業で先生にお願いすることや思ったことがあったら書いてください。

Page 51: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

2 中・高等学校 年 組 名前( )

月 日 ( )曜日 教科( )

学び合い感想カード

これは、先生たちが授業をもっと楽しく、わかりやすくするために行うものです。

今の授業について、思った通りに答えてください。

① 「そして」「だから」など、つながりを示す言葉を使ってお話ができましたか?

② 少人数や全体での学び合いの場で、自分の考えを発表できましたか?

③ 分かったことや感想をふりかえりとして書くことができましたか?

④ 今の勉強は分かりましたか?

高学年用

保護者・地域用

-48-

今日の授業で先生にお願いすることや思ったことがあったら書いてください。

Page 52: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

3 保護者・地域用

学び合い感想カード

授業についてのご意見、ご要望をお寄せください。お寄せいただいたことを生かし、児童理解を深め、

よりよい授業を実施できるように努めていきたいと存じます。ご協力よろしくお願いいたします。(以下

の質問に対し、当てはまるところに○を記入してください。)

① 子どもたちは、「そして」「だから」など、つながりを示す言葉を使って話していましたか?

② 少人数や全体の学び合いの場で、自分の考えを発表していましたか?

③ 分かったことや感想をふりかえりとしてまとめられていましたか?

④ 子どもたちに考える時間、発表する時間、書いたり作ったりする時間、活動する時間はあったと思い

ますか?

⑤今日の授業で良いと思われる点をお書きください。

⑥今日の授業で、改善する必要があると思われる点をお書きください。

⑦授業についてご自由にご意見をお書きください。(子どもの様子、授業の雰囲気、お気付きの点など)

-49-

回答者:(□にチェックをお願いします) □保護者 □地域住民 □学校評議員

お名前( )

月 日( )曜日 校時 年 組 教科( )

Page 53: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

25 ワークショップ型研修

1 校内研修の重要性

校内研修は、「校内の全教師が、自校の教育課題の解決を図るために、共通のテーマ(主題)を設定

し、外部の関係者との連携しながら解決していくこと」である。教師一人ひとりが専門職としての教

育的力量を高めるため、協働的に研究をしていく場である。そのことにより、一人ひとりの教師が変

わり、学校が変わり、子どもがよりよく成長・変容するということにつながる。

2 パターン化した授業研究会

校内研修の場での授業研究会は、一種パターン化している。

①研究主任や校長先生のあいさつ ②授業者が授業の解説を行う。子どもの実態、その教科や総合的

な学習の目標、自らの願い、単元全体の展開、本時の位置づけと目標、内容などを事前に配布された

指導案に基づいて語る。その単元を開発した学年主任が細くする場合もある。④学年ごとに(あるい

はフリーで)、授業の感想や質問が述べられ、そのつど授業者やその学年が対応する。少し協議するこ

ともある。⑤指導主事や講師が講話をする。

3 授業研究会の問題点

(1)指名しないとなかなか口を開こうとしない教師や美辞麗句だけを述べる教師が少なくない。

(2)積極的に発言するのはいいが、自分の限られた見方(授業の本質から外れている場合が少なくな

い)だけで授業を見る教師も見受けられる。

(3)何が成果で何が課題なのか、課題があるとしたらどのような改善策があるのかが不明確のまま終

らせている。

(4)その授業だけについて語られるだけで、自分の授業に生かせるものが見つからない。

(5)自分の考えを自主的に披露したり、持ち合わせている情報を積極的に提供することには慣れてい

ない。

(6)一部の教師の発言で済ませている。若手教師が発言しにくい。

これでは、授業研究が「楽しい」「有意義だ」「また、参加してみたい」となりにくい。そこで、ワ

ークショップの手法が考えられる。

4 ワークショップとは

ワークショップとは、参加者が自ら参加・体験して協働で何かを学び合ったり作り出したりする学

びと創造のスタイルである。

何かについて学ぶ時、他の教師や講師から一方的に話を聞いたり、ただテキストや教材を読んだり

するだけでなく、その場に参加した参加者同士がお互いに語り合い学び合うシステムでもある。教え

る側から学ぶ側への一方的な知識伝達型と違い、双方向的な参加型学びの場である。

ワークショップ研修で気軽に自分のアイディアを出し合い、課題解決していく体験が、教師の協働

性の構築にもつながると考える。

-50-

Page 54: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

5 ワークショップ研究協議会の約束

-51-

みんなが参加する協議会を行うための5箇条

①授業記録を取りながら参観しましょう! 研究協議会では,授業時の「教師の発問・指示・説明」「教師の働きかけ」「児童の反応」と

いった点から,それぞれのグループで分析を進めていきます。授業記録は必ず取るようにしま

しょう。まずは,T(教師)とC(児童)を記録し,授業を観ていきましょう。

②一人30秒以内で端的に話しましょう! ついつい話が長くなってしまうのは教師の常・・・しかし,自分が話せば話すほど,他の人の

発言機会を奪うことになります。全員が意見表明をし,考え合う協議会を達成するために,グ

ループ内での「30 秒ルール」を守りましょう。

③自分の順番を守って話しましょう! 話したいことが出てくると,他の人の順番に割り込んで話してしまう人がいます。ワークシ

ョップ型の協議会は,全員が意見を出し合うことが大前提。自分の順番まで待ちましょう。じ

っくり他の人の考えを聞きながら,自分の考えをまとめましょう。

④出された意見は否定しません! 出された意見は,どんなものも否定しません。一つの考えとして受け止めていきましょう。

「どんな考えも出してよい」からこそ,若手も積極的に発言することができるようになります。

どうしても必要な場合は,「否定」ではなく「指摘」し,全体での議論にもっていきます。

⑤付箋は具体的に分かりやすく書きましょう! 例えば課題を書く赤い付箋に「教師のまとめの仕方」とだけ書いてあっても,何を示してい

るかわかりません。キーワードではなく,説明を付けて分かりやすく書きましょう。ちなみに,

ボールペンや鉛筆ではなく,水性ペンなど見やすいものを使います。

出された意見をまとめ,正解を求めることはしません。たくさんの改善

策を出し合い,授業者に授業改善提案をしましょう!授業者は,出された

改善策から優先順位を決め,まず取り組むことを決めます。

日々の授業改善に直結する研究協議会を行っていきましょう!

Page 55: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

6 ワークショップ研究協議会進行方法

-52-

【必ず用意となるもの】

◆付箋紙(黄,赤,青) ◆水性ペン(付箋記入用) ◆油性ペン(各テーブル)

◆短冊(黄,赤,青) ◆模造紙(授業者まとめ用)

◆のり ◆はさみ ◆セロテープ ◆ストップウォッチ ◆タイマー

【協議会スタイルによって用意するもの】

◆指導案拡大コピー(本時,指導計画等)

◆各種ワークシート(模造紙,マトリックス,座標軸,セブンクロス等)

◆全体司会・・・・・・・・協議会全体の進行を行う。タイムキーパー役を務める。

◆コーディネーター・・・・協議会で出された意見を集約したり焦点化したりする。

◆テーブルリーダー・・・・各テーブルの進行役。全員が付箋を出しながら意見を

言えるように進める。一人が話す制限時間を守らせる。

◆授業改善プラン作成・・・授業者が行う。協議会,講師のご指導を受けて,模造

紙一枚に自己の授業改善案をまとめる。

◆授業者課題論文作成・・・研究協議会を受けて,授業者はA4,1枚程度にレポ

ートでまとめる。指導案とともにデータを蓄積する。

【コーディネーターの動きについて】

※ワークショップ中に,講師の先生からお話を聞き,焦点化すべき授業の成果・課

題点等を相談するとよい。

※各テーブルを回りながら情報を集め,ホワイトボード等を活用しながら,協議会

全体で出された意見を構造的に整理するとよい。(一番多い意見,自分が気になっ

た意見等を書き出す)

※フォーマット通りに進めることが原則だが,臨機応変に参加者や授業者,講師に

話題を振るとよい。

Page 56: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

7 30分ワークショップ

30分ワークショップ タイムテーブル ○授業観察時に付箋を記入しておくこと! ○授業会場から協議室に直行すること!

14:45~14:46 1 分間 ① はじめの礼

14:46~14:49 3分間 ② 改善点の付箋出し・集約・グルーピング

14:49~14:52 3 分間 ③ 改善点発表・分類・整理(コーディネーター)

14:52~14:55 3 分間 ④ 改善策付箋記入

14:55~14:58 3 分間 ⑤ 改善策の付箋出し・集約・グルーピング

14:58~15:01 3 分間 ⑥ 改善策発表・分類・整理(コーディネーター)

15:01~15:04 3 分間 ⑦ 観察対象児童報告(2 名) ※端的に!

15:04~15:05 1 分間 ⑧ 授業アンケート報告

15:05~15:08 3 分間 ⑨ 授業者反省

15:08~15:11 3 分間 ⑩ 指導修自の講評

15:11~15:44 33 分間 ⑪ 講師による指導と講評 (講師がいない時は省く)

15:44~15:45 1 分間 ⑫ 終わりの言葉・礼

30分間で終了できるよう、お協力ください!

-53-

KJ法での意見交換を基にしたワークショップ

・授業参観者は、付箋(桃色)に課題を記入します。

・付箋を使いながらグループ内で意見交換をします。

・出された課題について、改善策を付箋(青色)に記入します。

・付箋を使いながら、改善策を出し合います。 従来型

○一部の教員の発言のみ

で終わってしまう。

○経験年数の浅い教員が

なかなか発言できない

○時間が長くかかる

Page 57: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

26 課題論文作成方法 1 研究授業後に課題論文を作成する意義・価値

○自己の授業についての記録を残すことができる。

○学習指導案と共にデータベース化することで,校内研究の貴重な財産となる。

○研究協議会で出された意見や講師の先生からのご指導を改めて自分で考える機会となる。

2 授業者課題論文モデル ◆A4,1枚(書式は標準) ◆書き方は以下のモデルを参照

行 内容 本文

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

36

37

38

39

タイトル

指導者名

(指導日時・

対象)1行空

日々大切に

しているこ

授業を終え

た感想(自評

の一部)

研究協議会

の指摘と感

課題点,反省

改善策

まとめ

〇年〇組の算数科の授業を終えて

教諭 ○○○○

(平成〇年〇月〇日(〇)第〇学年〇組)

この授業を実践するに当たり、私が日々の教育活動で大切にしていることは、どの

子どもも発言したくなるような授業展開をすることである。その為に、子どもたちが

互いの意見を聞き合いながら自分たちで集団解決を進めることができるように工夫

をしてきた。

私は、自分たちで進める授業とは、自力解決の意見を教師が的確に選択した後、教

師の出番を極力少なくしていくことだと考える。

こうした考えのもとに行った今回の授業の感想は、集団解決の場で、子どもたちの

意見が飛び交い、教師の出番は少なかったと思う。又、こちらが予測していた全ての

考えが自力解決の時に考えられていたため、授業の構想どおりの授業展開をすること

ができた。この1,2年間でいろいろな言語わざを身につけた子どもたちに助けられ

た授業であった。授業が終わった時、自分自身すがすがしい気持ちであった。

やはり、子どもたちを鍛えていくことこそ良い授業につながると痛感した。算数科

で言えば、必ず「図、式、言葉」を使って説明させるように意図的に授業を作ってい

くことがまず大切である。答えがでればよいのではなく「なぜそうなったのか」を既

習の事項を使って考える習慣をつけさせることである。これはまなブックに書かれて

あることなので、十分に授業で活用すればそれなりの効果が得られると思う。私も、

1時間目の授業では、まなブックで学習の仕方を復習している。

反省をする点は、2つある。1つ目は、発言をしたかった子ども全てに発言の機会

を与えられなかったことである。協議会でその点について、グループ学習を取り入れ

て意見の交流をしたらよいとの改善点が出された。しかし、45分授業では、グルー

プ活動をうまく取り入れないと時間が足りなくなったり、集団解決がグループ学習の

繰り返しになってしまったりすると思い、今回はあえてグループ活動を取り入れなか

った。

2つ目は、「図、式、言葉」を書き、それについてノートに説明を書けていた子ど

もが少なかったことである。確かに説明はできるのだが、ノートに説明が書けない子

どもの方が多い。

こうした指摘をもとにグループ学習を有効な方法で入れていきたい。又、説明の書

き方の具体例を示すことで、全員がノートに説明を書ける力をつけていきたい。

あわせて、集団解決の場への教師の介入をもっと少なくして、子どもたちだけで話

し合いを進めていけるまで、言語わざを身につけさせていきたい。又、学習の仕方を、

まなブックを用いて確実に全員に習得させていきたいと強く感じた。

今回、自ら手を挙げ研究授業をさせていただいた。これまで研究授業を避けてきた

ことを反省したからである。課題は多いものの、授業をする上で大切にしなければな

らないことを改めて学んだ。「50の手習い」ではないが、教師を続ける限り、研究

授業にチャレンジしていきたい。

○自分が日々の指導で大切にしていること(哲学)をまず語る。

○研究協議会を受けて,成果と課題について書く。

○自己の授業改善策について書く。

-54-

Page 58: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

27 言語力を高める条件整備

前提となる授業の姿・・・子どもにとって大切なことは、ある一つのことを自分も参加し、自力で説明で

き、そこで得た喜びによって学ぶことの真の楽しさを味わうことであり、それ

が出来たときに充足感が広がる。そのために子どもに「知りたい」という気持

ちを起こさせなければならない。

教師主導、誘導型の授業はやめる。

教師のペースで授業が進んでも、子どもたちの心には、反射的な応答と直感的な反応しか育た

ない。

授業で充実した「話し合い活動」を行うために・・・

○気軽に話し合えるような雰囲気作り

○子ども自身が、自問自答できる時間を展開の中で充分に確保すること

○児童の反応に対応できる柔軟な姿勢が教師にあること

○ねらいと活動が明確であること

○話し合いの条件

・どんな順序で話し合いをすすめるのか

・どんな項目があるか

・司会者が問題をよくつかんでいるか

・話し合いのための席のつくり方は適切か

○話し合いの前によく思考させること

話し合い活動の問題点

○話し合いが読み取りの領域を侵していないか

・話し合い活動・・・ある問題についてみんなで相談したり、打ち合わせをしたりして、参加してい

るだれもが納得できる共通理解に達する協同思考である。教師が問題を提示して、

それをもとに問答がかわされるという教師主導型であってはならない。

・読み取り活動・・・めいめいの能力に応じた活動をさせ、個性的に読みの力を増していく。

⇒読解のための話し合いではなく、話し合いのための話し合いをしなくてはならない。

○話す技術に走りすぎる

・「なんでも言える」「なんでも聞いてもらえる」環境づくり・・・全員参加型の活動

・協働思考による学習は、一人一人の思考を変容させ、思考過程をより確かなものとする。

話し合いのきまりがきまりだけに留まらないようにする。

⇒話し方の技術に留まらず、言うべき内容を熟考させたり、考えをまとめる力を身に付けさせるこ

とをねらっていく必要がある。

言語活動の充実(手段)→思考力・判断力・表現力の育成(目的)

○聞き方が下手! ・聞くための技能・態度を意識して指導する。

※3,4 年生では、聞きながら一区切りごとに要点をメモする力を付ける。

※結論や主題を早く聞き取る訓練も必要。

※他人の話を聞くにも訓練が必要であり、話す技術とともに、聞く技術も身に付けさせる。

※話すまでに要点をまとめたり、中心点をおさえたりすることの技能は、聞く技能を高めるので、発

表したり報告したりする場合と同じように、話し手の話し方(身振りや表情を含め)や人格を尊重

し、できるだけ聞く経験を多くさせて上達させる。

参考文献: 小学校国語科学習指導の研究 48 豊かな話ことばを育てる 石田佐久馬/責任編集(2)

-55-

Page 59: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

これからの時代に求められる国語力

2つの領域

28 学習言語わざ

①国語力の育成

これからの時代に求められる国語力には、言語を中核とした情報を処理・操作する領域と、「国語の

知識」「教養・価値観・感性等」の領域の2つがある。

言語を中核とした情報を処理・操作する領域は、「考え

る力」「感じる力」「想像する力」「表す力」の4つの力

によって構成され、国語力の中核を成す領域である。

この4つの力が具体的な言語活動として発現したものが

「聞く」「話す」「読む」「書く」といった行為である。

「国語の知識」や「教養・価値観・感性等」の領域

は、「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」

が働く時の基盤となるものである。全ての活動の基盤であり、「人間として、日本人としての根幹にか

かわる部分」である。

言語を中核とした情報を処理・操作する領域と、「国語の知識」「教養・価値観・感性等」の領域の

二つから、子どもたちの国語力を育成する。なお、「書く」「読む」「聞く」「話す」「調べる」「評価す

る」等の学習のわざを国語力の具体的な目安とし、育成する。

②学習言語わざとは

言語を中心とした情報を処理・操作する領域の力を具体化しまとめたものを「学習言語わざ」とした。

「学習言語わざ」は、学習中に子どもが行う言語活動であり、全ての学習活動の基礎になる方法や技能

としてとらえた。

学習習慣・学習意欲の低下という国際的な学力の調査の結果を受け、学習・生活の基盤を形成する小

学校段階での国語力の育成を強化する必要があると考えたのである。そこで、国語科における国語力の

向上を核にしながら、教科等に生きる学習力としての国語力の向上を図る。なお、国語力を学習のわざ

としてとらえている。

これほどまでに、なぜ学習言語わざの育成を徹底するのだろうか。それは、生きていくため、生活し

ていくための技能や方法を身につけさせることが、私たち教師のなさねばらない仕事だからである。こ

れまでは、指導内容だけに目がいき、授業を行うことが多かった。しかし、それだけで力がついただろ

うか。一つの教科だけで子どもたちに力がつくとは思えない。授業の究極の目標は、生活の中で生きて

いくための力を育成することである。いわば、総合的な学習の時間のねらいと同じである。

全教科・領域の中で、意図的に学ばせることで、人として、「話す、聞く、書く、調べる、考える」力

が身についていくのである。話す力は国語科の時間、調べる力は社会科の時間だけで身につくものでは

ない。また、学習スキルは、教師一人ひとりの捉え方がさまざまである。日々意識して指導してきた教

師と、そうではない教師がいる。教師によって取り組みに違いがあれば、学級、学年差が出てくる。こ

れではいけない。学習スキルは、子どもの実態や学年の発達段階に応じて全ての子どもに身につけさせ

なければならない。

③学習言語わざの内容

学習言語わざの内容は、大きく分けて「書くわざ」「読むわざ」「聞くわざ」「話すわざ」「評価するわ

ざ」とした。そして、その内容をさらに細かく明記し、学年ごとに分類した。子どもたちは、どの教科

の時間でも、常に学習言語わざを意識して教科に取り組むことができるのである。

-56-

①考える力②感

じる力③想像す

る力④表す力

言語を中心とし

た情報を処理・操

作する領域

考える力、表す力

などを支え、その

基盤となる「国語

の知識」「教養・価

値観・感性等」の

領域

Page 60: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

1 学習言語わざ(新学習指導要領準拠版) 教科のねらいを達成するための土台となる技能・方法一覧

低学年 中学年 高学年

書く

○自分の考えを詳しく書く。

・書くための材料を集める。

・「まず」「次に」「最後に」など、

順序を表すつなぎ言葉を使って

書く。

・主語と述語を対応させて書く。

・友達の書いた文を読んで、自分と

同じところ、違うところを見つけ

る。

○自分の考えを整理して書く。

・書く上で必要な事柄を調べる。

・書こうとする中心を決める。

・事実と考えを分けて書く。

・初、中、終のまとまりを意識し、段落

を付けて書く。

・「しかし」「だから」「なぜなら」など、

前後の関係を示す接続語を使って書

く。

・友達の書いた文を読んで、その明確さ

について意見を述べる。

○根拠を明確にして、自分の考えを書く

・「このように」「つまり」など、要

約する接続語を使って書く。

・文章やグラフ、表など、必要な資

料を引用しながら書く

・結論から書く。

・友達の書いた文を読んで、表現の

仕方について意見を述べる。

読むわざ

○時間や事柄の順序を表す言葉を

見つける

・「はじめに」「つぎに」「さいごに」

に線を引く。

・主語、述語に気をつけて読む。

○それぞれの段落の中心となる文や語

を見つける

・題名とつながりがあると思う言葉に線

を引く。

・繰り返し出てくる言葉に線を引く。

○事実と意見を区別する

・事実に 、意見に を引く。

○要約する

・中心となる文や語に線を引く→接続語

を使ってキーワードをつなげる→意

味が通じるような文章にする。

○要旨を的確にとらえる。

・段落ごとの要約をする。

・段落構成図をかく。

○自分の考えを的確にしながら読む

・筆者の意見を引用して、自分の考えを

表す。

聞くわざ

○話を最後まで聞く

・話し手を見て聞く。

・賛成の場合には「同じです」、反

対の場合には、「違う意見です」

とはっきり言う。

○自分の考えと比べながら聞く

・話をうなずきながら聞く。

・相手の言葉を使い、不明な点を聞き返

す。

○話し手の意図をつかみながら聞く

・大事な言葉をメモしながら聞く。

・要点をとらえながら聞いて、書い

たり話したりする。

話すわざ

○自分の考えを詳しく話す

・理由を付けて話す。

・順序を表す言葉を使って話す。

○相手に聞こえるようにはっきり話す

・体の向きと声の大きさを意識して

話す。

・「です」「ます」を使って最後まで

はっきりと話す。

○自分の考えを整理して話す

・結論を言ってから理由を話す。

・つながりを示す言葉を使って話す。

○相手に分かるように話す

・図や表、具体物を示しながら話す。

・相手に同意を求めながら話す。

○根拠を明確にして、自分の考えを話す

・根拠となる事実を基に話す。

・まとめる言葉を使って話す。

○相手に意図が伝わるように話す

・資料を活用したり、例を示したり

しながら話す。

・相手の考えを引用したり、まとめ

たりして話す。

調べるわざ

○目的をもって調べる

・調べたいことをはっきりさせ、ポ

イントに沿って観察し調べる。

・わからないことや知りたいことを

尋ねたり、図書資料を使って調べ

たりする。

○目的に合った方法で調べる

・教科書、資料集、地図帳、図書資料、

コンピューター等を使って情報を収

集する。

・手紙、電話、ファックス、インタビュ

ーなどで情報を収集する。

○目的に合わせて効率よく調べる

・目次や索引、コンピューターの検

索機能を使って、必要な情報を収

集する。

・適切な方法を選択して、必要な情

報を収集する。

評価するわざ

○よい点や課題を見つける

・前の自分と比べて自分の良い点や

課題を書いたり、話したりする。

・自分と比べて友達の良い点や課題

を書いたり、話したりする。

○よい点や課題を見つける

・理由を示しながら自分の良い点や課題

を書いたり、話したりする。

・理由を示しながら友達の良い点や課題

を書いたり、話したりする。

○よい点や課題を見つける

・複数の理由を示しながら、自分の

良い点や課題を書いたり、話した

りする。

・複数の理由を示しながら友達の良

い点や課題を書いたり、話したり

する。

※「○」は、学習のわざ 「・」は、わざを具体化した子どもの姿を表す。

※自力解決を行う際に提示すること。

※全教科・領域で意図的に指導し、身に付けさせること。

-57-

Page 61: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

2 対話言語わざ(学びあいで使う言語わざの一つ)

①個人の言語力 ②対話言語わざ ③言語力を高めるためのツール

①学習げんごわざ ②対話た い わ

言語力げんごりょく

③言語力げんごりょく

を高たか

めるための道具ど う ぐ

1 「順序じゅんじょ

●まず、次に、最後さ い ご

○わからないことをたずねる。

・いつ、どこで、だれと、どう

した、どのように、なぜ

○詳細しょうさい

をたずねる。

・もう少し…についてくわしく

話して下さい。

○比くら

べる

・わたしは…と思うけど、ど

う?

○理由り ゆ う

・どんなことからその理由り ゆ う

を考かんが

えたの?

○確認かくにん

・それは…ということですか?

○言いたいことを問と

う。

・言いたかったことは…です

か?

○まとめる

・まとめて見ると…ということ

ですか?

○解釈かいしゃく

・つまり…ということですか?

○例れい

・例たと

えばどんなことがあります

か?

○経験けいけん

・わたしの時は…でしたが、そ

うでしたか?

○立場た ち ば

・~の立場た ち ば

で考かんが

えたらどうか?

○場合ば あ い

・~の場合ば あ い

はどうかな?

◆付せんを使ってならびかえ

る。

◆付せんをうごかす。

◆チェーン図にまとめる。

◆論点ろんてん

を明確めいかく

にし、表にまとめ

る(記号にする)。

◆マトリックスで整理せ い り

する。

◆色別(同じ考え)のシートを

はる。

◆線せん

で結むす

び、関係性かんけいせい

を記入きにゅう

する。

◆付せんをKJ法ほう

でまとめる。

◆キーワードをつけてまとめ

る。

◆棒ぼう

グラフや折お

れ線せん

グラフに表あらわ

す。

2 「順位じゅんい

●1番目ば ん め

は・・・

2番目ば ん め

は・・・なぜなら

3 「同おな

じ所」「違ちが

う所」

●同じ所は・・・

●違うところは・・・

4 「比くら

べる」

●~は、△より・・・

●~は、△に比くら

べると・・・

5 「仲間な か ま

分わ

け」

●似に

ているものをまとめて

題だい

をつけると・・・

6 「共通点きょうつうてん

」(帰納的き の う て き

●□と○から分わ

かることは

●□と○の共通きょうつう

なところは

7 「関係かんけい

●□と△の関係かんけい

●□が~すると△が~に変か

わります。

8 「きまり」

●□のきまりがあるそうで

す。

なぜなら・・・

9 「あてはめ」(演繹的えんえきてき

●このきまりにあてはまる

のは・・・

10 「原因げんいん

と結果け っ か

●□になった原因げんいん

を考かんが

えて

みると

11 「条件じょうけん

●□になるための条件じょうけん

をい

くつか考かんが

えてみると

12 「理由り ゆ う

と予想よ そ う

●たぶん□になります。な

ぜなら・・・

●もし、□であるなら△に

なります。

13 「視点し て ん

●□から考かんが

えると~ですが

△から考かんが

えると・・・

-58-

Page 62: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

29 学習段階のルール(最終言語わざ)

全ての学習活動は、伝え合うことが中心となる。それぞれが感じたことや、考えを伝え合うことによ

り、一つの結論や方向性を見出す。その過程において、自他の考えを理解したり、深めたりすることが

出来る。

伝え合う活動は、教師の指示だけでできるものではない。伝え合うためには、まず、話す・聞くこと

を意識することが重要である。全員の前で自分の考えを話すという伝える意識、友だちの考えを態度に

示しながら聞く意識である。中でも自他の考えを比べ、それを伝える意識が大切である。そうした「意

識」をもたせる場がペア学習と集団解決学習である。

意識したことは全員で実行しなければならない。そのためには、学級会を開き、学習段階時の約束事

をまとめる必要がある。子どもたちがみずから決めた学習段階の約束事であれば当事者意識が働く。い

わゆるボトムアップである。これにより一層、授業が活性化する。

1 目指す授業

友だちの考えと自分の考えを比べ自分の考えが広まり深まる授業。

2 伝え合う「個」の授業の流れ

「課題の提示→課題把握→問を持もつ→自力解決→集団解決(伝え合い((ペア・班学習・全体学習))→

価値の共有(まとめ)→振り返り」である。この流れを徹底しておくことにより、子どもがとまどうこ

となく伝え合い活動に集中できる。

3 ペア学習のルール

自分の考えをもった後、隣の

席の友達とペアになり伝え合う

活動を行う。全体の話合いで全

員が発言すると自信をもったり

再構築したりできるという効果

が期待できる。自分の考えをも

てない子どもがペア学習によって

自信をもつことができ、次の集

団解決学習に臨むことが出来る。

4 全体学習ルール(集団解決)

ペア学習の後、集団解決学習にお

いて、多くの友だちの考えを聞くこ

とにより自分の考えを広げ深めるこ

とができる。その際、話し合いにつ

いて学級全体で共有しておくことが

必要である。

学級で「話合いのルール」につい

てまとめるとよい。話す、聞く、形

が主となる。

学級で決めたルールなら全員が実

行する。

-59-

〇年〇組で決めたペア学習ルール(〇月〇日決定)

①はじめと終わりにあいさつをする

②机を合わせる

③座席の右側(前後の場合前)の人から自分の考えを伝える

④座席の右側(前後の場合前)の人から相手のよい考えを伝える。

⑤ほめられたところに線を引く

⑥ほめられた気持ちを伝える

⑦新たに気付いたこと、そうだと思ったことはメモをする

⑨質問したり答えたりする

⑩一通り終わったら、お互いに思うことを話しているようにする

〇年〇組 全体学習ルール(〇年〇日決定)

[話す]

①友達に分かってもらえるように話そう。

②全員が話そう

③目線を上げ、友話を見よう

④聞きやすい声で話してあげよう

⑤友達に分かってもらえるように話そう。

[聞く]

①話す人の目を見よう ②自分の考えとくらべよう

③ううなづき合図を出そう(「同じだよ」「聞いているよ」)

④メモは、話を聞いた後にすばやくしよう

[形]

①すばやく移動しよう

②ペア学習(二人)、全員学習(全員)

Page 63: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

5 「前の人につなげる言い方」

考えを発表し合うだけで終わる授業が多い。意見の練り上げがないからである。この解決の一つの方

法として、「前の人につなげるルール」がある。意見を練り上げいていくことを、学級の約束事とすれ

ば、全員で取り組める。意見を一つの方向にまとめることができる。そのためには、意見や考えを「つ

ないでいく」ことが重要である。下記のような「つなぎ言葉」を使って意見をつなぐとよい。

できたか つなぎことば

○ 「○○さんと考えも理由も同じで・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「○○さんと考えは同じですが理由がちがって・・・・・・・・・・。」

「○○さんとはちがって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「○○さんの考えを聞いて考えが変わりました。最初は~だと思っていましたが、

○○さんの言ったとおり、~だと思います。・・・・・・・・・・・。」」

「○○さんの考えを聞いて考えがふくらみました。・・・・・・・・。」

「○○さんの考えをきいて考えが広がりました。・・・・・・・・・。」

*みんなの考えからあらたな考えがひらめいた時

「みんなの考えを聞いて思いついたのですが・・・・・・・・・・・。」

*友達に質問したい時

「○○さんに質問ですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

→「はい、それは~・・・・・・・・・・・・・・(質問に答える)。」

→「分かりました。ありがとうございました。」

→「ちょっとまだ分からないから教えてください。・・・・・・・・。」

→「でも、それは違うと思います。・・・・・・・・・・だからです。」

*ペア学習でメモした考えを言いたい時

「ペア学習でよかった○○さんの考えを言います。・・・・・・・・。」

*友達の考えを言いやすく伝える時

「多分、○○さんはこう言いたいのだと思います。・・・・・・・・。」

*友達がよい考えを言い、そうだと思った時

「○○さんの考えを聞いて、その通りだと思いました。・・・・・・。」

「○○さんの考えに賛成です。理由は・・・・・・・・・・・・・・。」

「○○さんは、みんなの言いたいことを上手にまとめてくれました。・。」

*友達の考えを聞いて、よく分かったと思ったとき

「○○さんの考えはとても分かりやすく、なっとくしました。・・・。」

-60-

Page 64: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

30 学び合う授業 1 ねらい

友達の考えと自分の考えを比べながら聞いたり、話したりすることで、個の学びがさらに深まる。

授業内で子どもたちが学び合う場を意図的に設定し、子どもたち全員が学びに参加するための工夫を

することが大切である。一人一人の子どもの学びが保障される学び合いを追究する。

2 学び合いの目指すところ

互いの考えを出し合い、友達の考えと自分の考えを比較し、関連付け、総合させることで思考が練

り上げられていく。その過程では、話し合いの仕方や説明の仕方、メモの取り方や要約の仕方など、

学び合うことで様々な言語力を育成することができる。

言語力を向上させるために、まずは、自分の思いや考えを自分の言葉で表現することを目指す。

3 学び合いのねらい

1・2年 3・4年 5・6年

学び合う

授業の姿

○全員が自分の考えを話すことができる授業

学びの

場面

○個人の意見を出し合い、友達の意見や考え方にふれることで「見方・考え方」を広める場面

○少人数のグループで話し合い、「見方・考え方」を深めていく場面

学び合う

ポイント

○話し合いの仕方・説明の仕方

・「です」「ます」を使ってお話ができたか。

・少人数で全員自分の考えを話せたか。

○話し合いの仕方・説明の仕方

・つながりを示す言葉を使ってお話ができたか。

・少人数で自分の考えを発表できたか。

形態 ○ペア学習・グループ学習 ○ペア学習・グループ学習・学級全体討議

グループ

分けの

方法

○少人数グループ→3・4 名程度

○同一(異種)意見グループ ○習熟度別グループ ○能力別グループ

少人数

グループ

討議の

仕方

○質問

・わからないことを尋ねる。

○意見

・賛成、反対を言う。

○態度

・返事をする。

○質問

・理由の説明を求める。

○意見

・共通点、相違点を区別する。

○態度

・最後まで聞く。

○質問

・内容の確認をする。

○意見

・自分の立場で意見を言う。

○態度

・相手の考えを尊重する。

少人数

グループ

討議での

役割分担

○司会進行、タイムキーパー

○記録

○まとめ

4 少人数での学び合いと書く活動

全員の学び合いを保障するのが基本である。そのためには、各教科で少人数での話し合いを多く取

り入れるのも一つの方法である。しかし、どんな授業場面においても「学び合い」や「少人数での話

し合い」が有効とは限らない。

-61-

Page 65: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

5 言語力を育てる学び合い

(1)学び合い1 (司会)

司会の仕方を覚えさせる。一つの方法を覚えることにより、班での会話がスムーズになる。

(2)学び合い2(班)

○ペア学習(低学年) ○グループ学習(中学年) ○ペア・グループ・学級全体(高学年)

子ども同士が共に高め合うために、発達段階に応じた人の組み合わせを行う。自分の理解度を確

認できたり、分からないところを相談することができる、相手への説明を通して自分の考えを整理

できる等、効果的である。

学年 方法 目標

1 年生

2 年生

ペア

・話す聞く楽しさを感じる。

・安心して話をする。

3 年生

4 年生

4人位のグループ

・司会の仕方を覚える。

・聞く人を意識して話す。

5 年生

6 年生

ペア・グループ・全体

・質問をする。

・的を射て話す。

(3)学び合い3(言語わざ)

類 低学年 中学年 高学年

○自分の考えを詳しく書く

・「まず」「次に」「最後に」

など、順序を表すつなぎ言

葉を使って書く

・主語と述語を対応させて書

・学習のまとめとして 200

字程度の作文を書く

○自分の考えを整理して書く

・「しかし」「だから」「なぜなら」

など、前後の関係を示す接続

語を使って書く

・まとまりを意識して段落を付

けて書く

・学習のまとめとして 400 字程

度の作文を書く

○根拠を明確にして、自分の考えを

書く

・「このように」「つまり」な

ど、要約する接続語を使っ

て書く

・事実と考えとを分けて書く

・必要な資料を引用しながら

書く

-62-

○司会者

・司会 「では、( )について話し合います。」

・全員 「お願いいたします。」

・司会 「時間は( )分です。では、意見をお願いします。」

○全員が意見を言うようにする。

○意見をいえない人は「少し考えさせてください」と言う

○短く、「です」「ます」を使って話す。

・司会 「話し合いをまとめると、( )です。」

みなさん、よろしいでしょうか。

・全員 「いいです。」

Page 66: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

(4)学び合い4(学習フリータイム)

学習過程内で、友達と自由に意見交換する時間を確保することにより、学習課題の自力解決に必

要な情報を取捨選択し、自分なりの考えに加筆・修正できる。

(5)学び合い5(ワークショップ型学習)

ワークショップとは、参加者が自発的に作業する環境を整え、参加者全員が主体的・協働的に活

動するものである。本校では、研究協議においてワークショップを行い、指導技術の学び合いをし

ている。これまで研究協議に導入し、教師自身がその良さを体感してきたこの手法を、子どもの学

びにも取り入れていく。

重要なことは、子どもたちの学びの足跡を残すための手立てを考えることである。これまで開発

してきたワークシートなどに加え、付箋を有効活用するなどの支援を行うことで、子どもの思考の

変容を見取ることができるようになる。

(6)学び合い6(言語を表すためのツール)

①言語の視覚化

これまでの「学び合い=話し合い」では、その過程が子どもたちの元に残らず、その成果を子

ども自身が実感しにくいといった側面があった。そこで、子どもたちの言葉や学び合った流れが

目で見える形に残すような工夫をする。

②言語の操作化とそのためのツール

考えを付箋等に記入し、言語を発する中で思考を深化させていく過程を目に見える形で共有す

ることが大切である。子どもたちが共同で操作することにより対話が活発になる。教師は、子ど

もたちの言語力の高まりと思考の深まりを確実に把握できる。

ツール 操作・効果

付箋

思考・判断の過程において、作業シート上で何度でも移動、貼り直

しができる。類型化のための作業が子どもたちにも容易にできる点で

有効である。

色分け

分類・類型化の観点を色で表示できる。比較・関連・総合させて考

えることができる。

(7)学び合い7(個人言語力と対話言語力)

子どもたちの言語活動で使う「言葉」を、「学習言語わざ」「対話言語わざ」とした。これまで個

人の言語力を高めることに時間を費やしてきた。しかし、言語力は相手との「対話」の中で育つと

考えれば、「対話=質問し合う」ことに重点を置くことが大切である。

「個人言語」としての発言の話型と「対話言語」としての質問の話型を日々の授業の中で子ども

に提示し、習得させていくことで、学び合いが達成される。

-63-

学習フリータイム(情報交換タイム)

・わからないことを質問する。

・自分の意見が正しいかどうか、友達の考えを聞く。

約束(フリータイムを活用しよう!)

○必ず 1 回は、誰かと考えを交流する。

○友達からたずねられたら、自分なりの考えを伝える。

○メモを取りながら交流する。

○どうしてもわからないこと、知りたいことが出たら先生に報告する。

○質問スキルを使って話す。

Page 67: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

31 振り返り

1 ねらい

学び合うことの良さを実感させ、自分の学びを確かなものにさせるためには、子ども自身が自分の学

びを振り返る場を設定し、その方法を工夫することが大切である。

2 振り返りの目指すところ

互いの考えを出し合い、練り上げる中で課題は解決される。その過程で、説得力や説明力、表現力等

の言語力も育つ。しかし、思考力が高まるとは限らない。

思考力を高めるためには、自分の学びのプロセスを中心に振り返らせることが大切である。すなわち、

振り返りで「書く」ことは、感じたこと・気付いたこと・思ったこと等を整理したり比較したり関連付

けて考えたりする思考そのものであることは間違いない。振り返りで書くことは、学びを再構成するこ

とであり、学びの進化につながる。

3 振り返りの方法と内容

(1)学習の振り返り(授業本時での振り返り)

1・2 年 3・4 年 5・6 年

ねらい ○学んだことを整理し、次時の学習へ生かす。

ふりかえり

の内容

授業で「できたこと」

「できなかったこと」

授業で「わかったこと」

「気付いたこと」

「考えたこと」

「わかったこととそこから

考えたこと(賛成・反対等)」

「もっとこんなことをして

みたい(次時への意欲)」

方法 ○ノート、ワークシート等に、授業の終末で書かせる。

(2)1 日の学びの振り返り「学びの貯金」

○学習へ向かう姿勢、自己内省力を育てる。

1・2・3年(学びの交換便ノート) 4・5・6年(学びの貯金ノート)

ねらい ○学びへ向かう姿勢を育てる。

○自己内省力を育てる。

○保護者に子どもの学習状況を把握してもらう。

内容 ・その日の学習で「気付いたこと」「感じたこと」「分かったこと」

・自分が見つけた友達のよいところ(自分に生かしていきたい点など)

・これからがんばりたいこと

方法 ・学びの振り返りノートに帰りの会で振

り返りを記入させる。

・保護者からのサインやコメントをもら

い、回収する。

・学びの振り返りノートとして大学ノート

を一人一冊用意させる。

・帰りの会でシールに振り返りを記入させる。

・ノートにシールを貼り整理する。

-64-

Page 68: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

32 思考過程ノート指導

1 ノート

授業の記録であり履歴である。得た知識や技能、思考の過程を整理するノートである。子どもたちの

考えの足跡を残し,友だちの多様な考えとの比較ができるようなノートの基本的な使い方を学校で統一

するとよい。

2 ノートの現状

(1)教師の指示がないと,ノートをとろうとしない。

(2)自分の考えがもてず,話し合いに参加できない。

(3)「前時の学習過程や考え方などがわからない。

(4)学習意欲や態度に関する問題のある子どもは、ノートが使えない。

3 ノート指導のポイント

(1)子ども自身がが自分の思考過程が分かることが重要である。考えた跡や変容がある場合は、消し

ゴムで消さないで字句に鉛筆などで線を引かせます。

(2)授業中は個の思考だけでなく,集団での思考も重要である。そこで自分と友達の考えを比べるこ

とができるように友達の発表の良い点などはメモをさせる。

(3)まとめや感想を記入させる。

4 ノート指導の留意点

(1)低学年は考えたことを、絵や図で表す。

(2)中学年は、友だちの考えや気付きをメモする。

(3)高学年は、自分と異なる考えや新たに気付いたことを書く。

5 ノートわざ

(1)日付、ページを書く。

(2)大切なところは赤鉛筆など色を変えて書く。

(3)丁寧に書く。

(4)次の時間は1行あけて書く。

(5)下敷きを使い、線は定規で引く。

(6)指定されたノートを使う。

(7)課、自、友、ふ を使う。

6 指導手順

(1)年度初めの職員会議で,ノートの基本的な使い方について確認をする。

(2)年度当初の授業(問題解決型)で特にていねいに指導する。

(3)授業中も板書しながら指導する。

(4)基本的なノートの例は,子どもに分かりやすく示すために,教室内に掲示しいつでも確認できる

ようにしておく。

7 ノート全校揃え

国語…1年10マス、2年12マス、3年18マス(12㎜)、4年12行縦罫、5年12行縦罫、

6年15行縦罫

算数…1年横長縦5マス×横12マス、2年12㎜方眼、3年12㎜方眼、4年10㎜方眼

5年8㎜方眼、6年8㎜方眼

8 ノートの記入項目

(1)日付・教科書のページ

・学習の記録として,日付を書く。

-65-

※課→課題、自→自分の考え、友→友だちの考え、ふ→振り返り

Page 69: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

(2)学習課題(学習のめあて)

・その時間の目標,学習課題を書く。

(3)シラバス

・時間内での動き方が示されている。

(4)自分の考え・友だちの考え・比較したこと

・自分の考えの説明が書かれていること。友だちの考えと比較した自分の考えが書かれている。

(5)まとめや振り返り

・毎時間または単元毎に,わかったことや疑問に思ったことなどを書き,学習を振り返る。

(6)ノートコンクール評価基準

その1、 、 その日の課題か だ い

を書か

いている!

その2、 、 理由り ゆ う

をつけて自分の考えを書いている!

図、表、グラフなどを入れて説 明せつめい

している!

その3、 学び合いの中で友だちの考えを書いている!

その4、 わかったこと、考えたこと、友だちの考えを付け足したふりかえりが書けている!

9 ノートレイアウト(見開き)

題・問題 だち考え

ラバス・ 分の考え まとめ・ り返り

10 学校全体での取り組み

(1)ノートコンクールやノート大賞コンクールを行う。掲示板によいノートをコピーして貼り出す。

ノートのどこがいいのかを吹き出し等にして解説する。

(2)ノートの取り方の上手な例を,学級便りやコピーの提示によって紹介する。

11 ノート例

(1)社会科ノート

○月○日(火)

記者になって長篠の戦いをレポートしよう

(資料)

気付いたこと

・鉄砲みたいなものを使っている。 ・材木を使ってさくみたいなものをつくっている。

・武田軍は昔ながらの戦い方だ。 ・織田軍は列になっている。

調べてわかったこと

・戦いのきっかけは、天下統一をねらう信長にとって、さけられない相手が武田軍だった。

・信長軍の陣構えは、木を組み立てて、一帯に高い柵をつくりその前に堀を

まとめ(記者レポート)

お~っと!信長軍の目の前には、木の柵ができている!そのすき間から、なにやら黒い物体が・・・。

鉄砲だ! 武田軍、信長軍よりも圧倒的に人数は多いが、次々と撃たれて倒れていく。まさに、奇策!

きれいな列を崩さず、撃っては後方へ、撃っては後方への信長軍の傷は浅い!

(感想・もっと知りたいこと)

当たり前のことをやっていては勝てないと感じた。信長の戦いは、いつも相手の裏をかく。戦いには、

戦術が大切だと思う。

-66-

課 か

自 じ

課 友

シ 自 ふ

調

Page 70: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

33 授業見学集会 授業見学集会とは、優れた学び合いのモデルを子どもたちに見せ、全校で学び合いの方法や実践方法

を共有する集会である。

言語わざを使った優れた学び合いのモデルを実際に見ることでどのように、言語わざを使い、学び合

いをしていけばよいのかを理解させることがねらいである。

1 授業見学集会の実際

昼会の時間に実施する。体育館の中央に教室を作り、その周りを全校児童が取り囲む。中央のモデル

となる児童十数名は、あるひとつの課題について話し合いを行う。研究主任がマイクを使い、学び合い

のポイントを説明していく。

司会者が課題を投げかけると、次々に相互指名を行い、話し合いが進んでいく。

・「わたしは~がいいと思います(結論)。その理由は~だからです(理由)。」

・「わたしの考えは二つあります。一つ目は~。二つ目は~。(順序)」

・「〇〇さんの~という意見と△△さんの~という意見を比べると(比較)・・・。」

・「ちょっと待ってください。〇〇さんの~という意見では~となってしまいます。だからやはり~のほ

うがよいのではないですか。」

・「△△さんに質問です。」・・・。

保護者には、学校公開時に説明会を行う。「家庭で子どもたちに教える方法が分かった、たくさんしゃ

べる先生が良いと思ってきたが考えが変わった」という反応が返ってきた。説明会を開催した学校の姿

勢に大きな声援をいただくことができた。

2 日程

日 時 活 動 内 容

4月昼会時 第6学年の子どもたちが進める学び合いのモデルを見学し、各学級で実践をする。

7月昼会時 低・中・高学年に分かれ、モデルとなる振り返りの書き方を示し、実際にその場で

書かせる。

10月昼会時 学び合い言語わざの使い方モデルを見学し、各学級で実践をする。

12月昼会時 各種検定についての説明を行う。今回は、全校鍵盤ハーモニカ・リコーダーの練習

と、第1学年及び第6学年の練習の成果を発表する。

2月昼会時 振り返りノートの発表会を行う。学んだことを振り返り、成長を確かめる。

3月昼会時 全校で1年間の振り返りを行い、できるようになったこと、次の学年で取り組みた

いことを共有する。

3 留意点

・学び合いのモデルを示す際は、全学年の子どもが理解できるように、できるだけ具体的に示す。

・話し方、聞き方、書き方を具体的に示す。その際、台本を作りやらせるのではなく、日常の学習の様

子を示すように心がける。

・担当者は、このモデルのどこから何を学ぶのかを、分

かりやすく解説する。

・各担任、専科教師は示されたモデルを次の時間から活

用し、習得を図るようにさせる。

4 成果

言語わざ委員会の児童が舞台上で、言語わざのない学

び合いと活用された学び合いの比較をすることも行った。

授業見学集会後、「あのように、話し合いをしていけばい

いのか」「こんなときに言語わざを使うといいのだな。」

というつぶやきが聞かれた。次の日から、早速モデルを

真似した学び合いの授業が全クラスで行われた。

-67-

Page 71: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

34 言語活動統一事項

授業や校内研究が活性化しなかったのは、担任や指導者任せであったことも一つの要因がある。これ

からは全学級で同じ指導方法をとる本来の組織対応へ戻る必要がある。この冊子に記入してある授業の

統一事項をまとめると次のようになる。

1 授業の前の統一事項

①ノートの使い方

各学級がそろっていないのが実情である。発達段階に沿ってノートが充実していかなければならない。

そこで学校全体でそろえる必要がある。

②問題解決段階用グッズ・シラバスグッズ・言語わざグッズ・名札など

板書をするときに即座に掲示する。学習段階を掲示するので即、使いやすい。統一されていれば指導

方法もおのずと同じになる。

③学級会での決め事(ペア学習や全体学習のルール・つなげる言い方のルール)

授業の約束は、子どもたちに決定させる必要がある。どうしても受け身がちになるのでルールを決め

させたい。子どもたちが「全員発表しよう」と決めれば実行できる。ボトムアップの手法である。

④問題解決の学習の進め方*教師は多くを話さない

問題解決学習だけでなくすべての指導方法は、子どもに考えさせる時間があるか、討論をする時間が

あるかだ。問題解決7段階を柱にし、子どもが前面に出る授業を目指したい。

⑤朝の会での目標設定と帰りの会での振り返り

言語活動は、授業の中だけで行われるものではない。朝の会や帰りの会で学びの目標の発表や振り返

りをさせたい。お互いの発表内容を褒めたり、助言をしたりすることで言語力がつく。

2 授業中の統一事項 ⑥挙手の仕方

挙手するだけでは、どんな内容を発表するかが分からない。どんなことを発表するかを声に出し挙手

するとよい。学級全体が勢いづく。

⑦発表場所の指定

自席で発表するのもよいが、それでは教師への報告となる。子どもが子どもたちへ向かって発表する

ためには自席から離れて前や横、後ろから発表するとよい。何より顔が見える発表となる。

⑧ペア学習・全体学習のルール

「さあ、ペア学習です」と声掛けていたため内容が深まらなかった。ルールを子どもたち自身に決め

させるのがコツである。ルールを決めれば、全員発表する。お互い仲間であるという意識が芽生える。

⑨移動の仕方のルール

ペア学習や班学習への移動、発表する時の行動の指針となる。

⑩赤ペン机間指導

机間指導の目的の一つとして、子どもを称賛する方法がある。ただ机間指導をするのではなく、赤ペ

ンでノート指導やワークシートへの助言を行うとよい。

⑪板書の日付・課題の赤囲み・まとめの青囲み

板書は特に統一したい。日付はもちろんだが課題やまとめを囲むとよい。全校、同じ囲みが出来、そ

れが共通したノート指導になる。

⑫振り返り方法(授業内、一日の学び)

振り返りは次時へのつながりとなる。1単位時間時間内での振り返りと一日の振り返りの2通りがあ

る。自らを評価し、明日への学びの意欲をもたせる振り返りとしたい。

3研究の統一事項 ⑬授業参観記録シート

教師同士、同じシートを持ちたい。記録方法を学び、文字を記すと授業全体が見えてくる。子どもた

ちの会話はぜひ記録したい。授業の目標が達成したかどうかが分かるようになる。

⑭ワークショップ記録

附箋を書くことと並行し、ワークショップの記録もしたい。何よりも研究の方向性がワークショップ

の記録で見えてくる。

-68-

Page 72: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

授業記録シート

Page 73: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

授業力向上 授業参観記録シート

平成 年 月 日( ) 第 学年 教科 ( ) 授業者 ( )

単元名 (全 時間)

本時のねらい

授業参観の視点

時間経過 学習活動 T教師の働きかけ C児童の反応 ○成果 △課題 ●改善策

0分

5 分

10 分

15 分

20 分

25 分

30 分

35 分

40 分

45 分

50 分

Page 74: Professional Teacher s Notebook note2509.pdfProfessional Teacher’s Notebook 高知県教育センター 議ノート」のことです。 は じ め に 「プロフェッショナル

日 付 / ( )

学年・教科・単元名 年 科 授業者 講 師

メ モ

問題解決

言語わざ

学び合い

振り返り

課題

改善策

指導修自

講師の先生からのご指導

今日からやること

ワークショップ記録 ~ 切磋琢磨する授業・研究協議を目指して ~

授業者改善プラン