quality & beauty技術開発の成果により、 国内工場（行橋）...
TRANSCRIPT
事例紹介
映画「ペイチェック／消された記憶」にMOTOMANが登場 大型インテリジェントビルで当社インバータが活躍中 トピックス
アナログ出力モーション制御モジュール「SVA-01」、入出力モジュール「LIO-04」を販売開始 国際ロボット見本市2004開催 安川電機技術物語 第四回
IPMモータの誕生
YASKAWA
【特集】
拡がるインバータビジネスワールド
No. 267Summer
2004
Quality & Beauty
グローバルシェアNo.1からダントツのNo.1を目指す当社インバータ事業
国内工場（行橋）
米国工場（イリノイ）
英国工場（スコットランド）
中国工場（上海）
生産拠点 販売拠点 サービス拠点
2 YASKAWA NEWS No. 267 YASKAWA NEWS No. 267 3
安川ニュース No.267
OC TN NE ST
特集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
・拡がるインバータビジネスワールド ～ グローバルシェアNo.1からダントツのNo.1 を目指す当社のインバータ事業 ～
事例紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
・映画「ペイチェック／消された記憶」に MOTOMANが出演
・大型インテリジェントビルで当社インバータが活躍中
・アナログ出力モーション制御モジュール「SVA-01」、 入出力モジュール「LIO-04」を販売開始 ・国際ロボット見本市2004開催
トピックス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
安川電機技術物語（第四回）・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
・IPMモータの誕生
安川カレンダー物語（第四話）・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
・メセナとしての「安川カレンダー」
コラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
・国際交流の懸け橋 ～フィンランドと安川電機～
・陸上部ニュース
安川電機のインバータ事業は、03年度世界シェアは12.5%に上昇し、グローバルに生産体制・販売ネットワークを他社に無い形で確立しています。「グローバル展開で勝負」をキーワードに、今後は専門メーカーとしての戦略で、「ダントツのNo.1」を目指して挑戦を続けます。
集 特
日本 第3位 欧州 第4位 アジア 第2位 米州 第2位
インバータの市場規模は、全世界で約3300億円（03年度）に達しています。安川電機は日、米、欧、アジアの各地区で上位シェアを確保し、グローバルでシェアNo.1（12.5%）を獲得しています。
安川電機はモータ制御のパイオニアとして、これまでに多くの革新的な世界初のドライブ技術を開発してまいりました。こうした技術開発の成果により、インバータ事業は年々大きく成長しています。「技術立社 安川」によるこれらの技術は、デファクトスタンダード（世界標準）として広く業界に浸透しています。
0
100
200
300
400
500
YASKAWA ELECTRIC UK LTD.
YASKAWA ELECTRIC EUROPE GmbH
OMRON YASKAWA MOTION CONTROL B.V.
YASKAWA Engineering Europe Ltd.
YASKAWA ELECTRIC AMERICA INC.YASKAWA ELECTRIC CORPORATIONYASKAWA ELECTRIC(SHANGHAI) Co. LTD.
YASKAWA ELECTRIC (HONGKONG) COMPANY LIMITED
YASKAWA ELECTRIC CORPORATION
YASKAWA ENGINEERING CORPORATION
Yaskawa Electrico do Brazil Co. LTDA
YASKAWA ELECTRIC AMERICA INC.
Yatec Engineering Co. LTD.
YASKAWA ELECTRIC(SINGAPORE) PTE LTD.
YASKAWA Engineering Asia-Pacific Corp.
YASKAWA ELECTRIC KOREA CORPORATION
SHANGHAI YASKAWA-TONGJI M&E Co. Ltd.
L/T Ltd.
7574 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 98 99 00 01 02 0397
世界初の トランジスタインバータ
世界初の ベクトル制御
世界初の デジタル制御
世界初の IGBT低騒音インバータ
世界初の 超小形ASIPMインバータ
世界初の ベクトル制御汎用インバータ
世界初の 3レベル制御汎用インバータ
VS-616T
VS-626TVVS-616HVS-616G
VS-616H IIVS-616G II
VS-616G3, H3VS-606PC3
VS-616G5
VS mini C
VS mini V7, J7
Varispeed F7, G7
からダントツのNo.1を目指す当社のインバータ事業 グローバルシェアNo.1
日米欧の3極に中国を加えた、世界4ヶ所での生産体制を確立しています。販売では、各拠点の現地法人が代理店網を整備し、専門的なアプリケーションノウハウを活かした売り方で顧客満足度の向上に努めています。
16.4％ 14.5％ 12.0％ 9.8％
（2003年度当社推定により）
億円
年
グローバルシェア(2003)
第1 位 12.5％
バータビジネスワールド 拡がるイン
グローバル生産・販売・サービス拠点 グローバル生産・販売・サービス拠点
インバータ事業を支える世界初のドライブ技術 インバータ事業を支える世界初のドライブ技術
グローバルシェア（2003年度）第1位 グローバルシェア（2003年度）第1位
汎用インバータは、「省エネ」ニーズの一層の高まりによって需要が拡大しています。また、健康・医療・福祉介護関連機器、アミューズメント関連機器、環境・生活関連機器などの民生分野の新たな用途への普及も進んでいます。
三相200V級
三相200V級
三相200V級
単相／三相200V級
三相400V級
三相400V級
三相200V級 三相400V級
三相3300V級 三相6600V級
三相575V級
三相400V級
三相200V級 三相400V級
三相400V級
三相400V級
単相200V級
単相100V級 VS mini C
VS mini J7
VS mini V7
Varispeed F7
Varispeed G7
Varispeed L7
Varispeed F7S
VS-686SS5
VS-676H5
VS-686HV5SD
VS-626M5
VS-626MC5
VS-656DC5
VS-656RC5
VS-616R3
省エネ＆パワフル 高機能形
電流ベクトル制御
高性能＆環境対応 低騒音
本格ベクトル制御
電源回生付き 高機能形
定トルク／ てい減 トルク用
てい減 トルク用
高機能形 高性能ベクトル形
大容量 スーパー省エネ 高圧インバータ
電源 回生付き
電源回生 正弦波コンバータ
電源回生ユニット
エレベータ専用
コンタクタ形 超小形
超小形 電圧ベクトル制御
三相200V級 三相400V級
三相200V級 三相400V級
三相200V級 三相400V級
三相200V級 三相400V級
三相200V級 三相400V級
三相200V級 三相400V級
単相200V級
三相200V級
三相400V級 三相200V級
汎用からシステム用・専用製品まで、最適機能でお客様のあらゆるニーズにお応えするインバータを揃えています。
0.1 0.40.2 0.75 1.5 3.7 7.5 75 110 160 300 800 1200 容量（kW）
汎 用
シ
ス
テ
ム
用
専 用
効率の良いポンプの流量制御 を実現するVarispeed F7
織機の生産効率アップ、多様な編パターン を実現するVS mini C
小規模立駐装置で活躍するVS mini V7新聞輪転機の高速・高精度運転に威力を 発揮する静音化ベクトル制御のVS-676H5
生地を痛めずソフトな仕上がりを実現。 洗濯機に活躍するVarispeed G7
モノレールカーの安全性と乗り心地の良さを実現するVS-616G5 インテリジェントビル（エアコン、 エレベータなど）の快適環境を
創出するVarispeed F7S, Varispeed L7
ゴルフ場
膜構造建物 モノレール
遊園地 病院
工場
インテリジェントビル
リフト（クッション加減速） ファン（館内圧力調整）
モノレールカー（クッション加減速）
散水機（水量調整）
X線装置（クッション加減速）
ポンプ（水量調整）
エレベータ（速度調整）
メリーゴーランド（速度調整） 業務用洗濯機（速度調整）
コンベヤ（速度調整）
クレーン（速度調整）
ロボット（回転速度調整）
工作機械（回転速度調整）
エアコン（風量調整）
スーパー 省エネ 可変速 ドライブ
工作機械 専用高速 ドライブ
~3550kW
~1800kW
ドライブ専門メーカーとしての豊富な品揃え ドライブ専門メーカーとしての豊富な品揃え 拡がる用途 拡がる用途
4 YASKAWA NEWS No. 267 YASKAWA NEWS No. 267 5
集 特
SF近未来アクションスリラー映画「ペイチェック(Paycheck)／消された記憶」（ジョン・ウー監督、ベン・アフレック、ユマ・サーマン出演）に安川電機のロボットMOTOMANが2台登場します。「MOTOMANの実際のスピードと能力を目のあたりにして興奮した監督は、当初の台本ではバックグランドで使うだけだった予定を急遽変更し、より多くの場面および
実際のアクションシーンに使うことにしました。」とMotoman, Inc.マーケティング担当のCarl Traynorさんは話しています。 映画の概略をご紹介します・・・ 天才技術者マイケル・ジェニンクス（ベン・アフレック）はある企業のために謎のマシンの
開発を依頼され、完成後には開発過程の記憶を消去することにより莫大な報酬を得ること
を約束されます。しかし数年間かかった開発が終わり、記憶を消された後に得られた報酬は、
いくつかのガラクタのみ。マイケルは刺客から追われる立場になりますが、なぜかガラクタが
その危機を救います。同僚であり恋人であるレイチェル（ユマ・サーマン）と協力して、マイケル
は謎の解明に挑みます・・・。
映画の始め頃に、レイチェルが植物実験室でマイケルに和解のしるしとして、MOTOMAN-UP50を使って花を渡すシーンがあります。後半には、MOTOMAN-UP20がスティックを振り回してマイケルを守りその武器を渡したり、UP50がマニピュレータの腕を振り回し悪役から銃を取り上げ、もう一人を殴打、銃をマイケルに渡すというアクションシーンもあります。 「当初は、誰もがロボットは単なるまやかしか何かと思っていたようでしたが、ロボット
の想像以上の速い動きや、いかにパワフルであるかを実際に知って、セット現場の人々の印象
がガラリと変わりました。俳優の方々が直接ロボットとやりとりするため、シーンの迫力を
最大に出しながらも、けがを防ぐよう、ロボットはとても正確にプログラミングする必要が
ありました。多くの人が見ている中でのプログラミングはとても緊張しました。」と約6週間、バンクーバー（カナダ）の撮影現場にロボットのプログラミングで参加したYaskawa Motoman Canada Ltd.のAaron Jacobsさんは話しています。また、Jacobsさんは、「ベン・アフレックとユマ・サーマンにティーチペンダントを使って、ロボットの動かし方を見せたところ、二人
ともロボットの能力にとても感銘を受けていました。」と当時を振り返っています。 MOTOMANは、この映画以外に、「The Terminator I」（1984年）にも登場しています。興味のある方は、こちらもチェックされてはいかがでしょうか。
映画「ペイチェック／消された記憶」にMOTOMANが登場
撮影現場でMOTOMANのプログラミングを担当したAaron Jacobsさん
6 YASKAWA NEWS No. 267
事例紹介
周波数-総合効率特性（実測）
F7Sドライブ ＋ IPMモータ
84.7 5.5%86.7
87.6
総合効率（
%）
運転周波数（Hz）
汎用インバータ + 高効率モータ 26.7%
66.2
82.1
81.276.4
39.5モータ容量 200V 3.7kW
（図1） 松下エコのエアハンドリングユニット
（図3） IPMモータ 及び Varispeed F7S
■お問い合わせ先 モーションコントロール事業部 インバータ営業推進部 TEL: (0930)25-2548 FAX: (0930)25-3431 http://www.yaskawa.co.jp/products/motion.htm
*1 DDC：Direct Digital Controllerの略です。
YASKAWA NEWS No. 267 7
*2 LONWORKSは、米国ECHELON社の登録商標です。
*2◆DDC 機能搭載のLONWORK 対応インバータ
施主様や空調システムメーカー様より、空調や照明設備のシステム
のオープン化を行うためにLONWORKSを使用したいというご要望があり、他社に先駆けてDDC機能付LONWORKS対応インバータを開発しました。 ◆当社のIPMモータドライブによる省エネとフリーラン引込み機能
IPMモータは従来の誘導電動機と比べ、回転子に電流が流れないため回転子にロスが発生せず、大幅な省エネと小形化が合わせて達成されます。
高効率モータとの比較を（図2）に示します。 また、空調機に適用する
場合のネックになっていた
IPMモータを同期速度に引込み始動または継続運転する機
能を、他社に先駆けインバータ
に搭載しました。 さらに、当社は、ファン・ポンプ・
コンプレッサ用途にIPMモータドライブ用の「Varispeed F7S」（図3）を開発し、エネルギー管理の必要なビル空調・
工場・商業施設の省エネに貢献してまいり
ます。
*1
事例紹介
大型インテリジェントビルで当社インバータが活躍中
（図2） IPMモータと高効率モータと比較
03年4月の「省エネ法」改正により対象が大規模オフィスビルなどにも拡大し、年率1％以上の省エネ実現が必要となりました。この大規模オフィスビルの一次エネルギー消費量を見
ると、空調設備が全体の47％、照明設備が32％を占めています。これらのビルの空調設備には（図1）に示すエアハンドリングユニットが使用されていますが、ダンパ制御をインバ
ータ化し風量を60％に絞った場合、従来のダンパ制御と比べ約
60％の省エネが可能となります。現在、下記
の当社の省エネへ
の取り組みが評
価され、六本木
ヒルズや丸ビル
を初め、多くの
大型オフィス
ビルに当社の
インバータが
納入されてい
ます。
安川カレンダー物語 第四話
8 YASKAWA NEWS No. 267
物 語 川 電 機 安
IPMモータの誕生
ある日のこと、目の前の電話が鳴った。技術部のＩ部長であ
った。「M君か？電気自動車用なのだが、インダクションモータより高効率のモータができないかね？参考になる文献がある。
取りに来てくれたまえ」 これが、この物語の始まりである。「IPMモータ？磁石トルクとリラクタンストルクとを合わせ、定出力
特性を出し･･･」 文献の理論式を検討すると、なるほどそのとおりの性能が出そうなのだが、これまでこれに近いモータドライブ
の経験もなく、半信半疑の開発スタートであった。 最大出力45kW、最高回転数9000rpmの試作機が出来上がり、徐々に回転数を上げていくと、カップリングの少しの“芯ずれ”
でバランスが崩れ、地響きが出る始末。それでも予め特性
シミュレーションで求めた電流コントロールアルゴリズムで
モータを制御すると、なんと、計算どおりの“定出力性能”が出る
ではないか！ “百聞は一見に如かず。百見は一行に如かず。”
とういうが、“先ずやってみる”これが当社のIPMモータ誕生の第一歩であった。
IPM(Interior Permanent Magnet)モータとは、永久磁石をロータ内部に埋め込んだモータのことである。電圧を抑えな
がらトルクを出せることに特長がある。1986年の文献にIPMモータの可変速ドライブが紹介されて、製品化へと歩み始めた。 当社では、1991年から自動車メーカーとの共同研究を始めたが、1994年に自動車メーカーの自主開発の決定により、自動車用の開発は終了することになった。
自動車用で培った技術が生かせるということで、1995年に全社プロジェクトチームが結成された。高効率、小型化を
コンセプトに、75ｋＷまでの逓減トルク用途と定トルク用途への幅広い展開を狙った。ロータ構造、モータ組立て技術、最大
トルク効率制御、定出力制御、センサレス制御方式などの技術
課題を解決しながら、1997年にVS-686SS5と命名して受注開始の運びとなった（SSとはSuper Saving とSuper Smallを意味している）。このときに作成したカタログの構成は、その後発表
される競合他社の拡販資料の手本になっている。 外部環境としては、1996年に地球温暖化防止京都会議が開催され、省エネが世界の重要事項として認識された。また、翌年
には米国で省エネモータの採用が法制化された。
1997年度社団法人日本機械工業連合会が主催する「優秀省エネルギー機器」に、VS-686SS5は選出され、厳しい審査に合格し、通商産業大臣賞を受賞した。
この表彰制度
は、省エネ効果
の著しい優秀
機器を開発し、
実用化した企業
を表彰するも
ので、この受賞
はVS-686SS5が世界トップの
省エネドライブ
システムとして
評価され、審査員の満場一致で通産大臣へ推薦いただき表彰
されたものである。
業界紙にも掲載され、省エネ用高効率モータとして順調に
滑り出すかのように思われたが、国内市場での高効率化への
熱は浸透しておらず、受注は予想通りにはいかなかった。開発
技術者達もプレゼン、各種イベントへの参加など拡販に努め
たが、思うようには受注は伸びなかった。しかし、1999年ころからは国内でも省エネに対する法規制が遡上にのぼり、高効率
モータに対する関心が徐々に高まってきた。1999年には高効率が評価されて、コンプレッサー用に採用された。
受注が伸び悩んでいる中で、エレベータ用モータに永久磁石
が用いられているとの情報を得て、検討を始めた。まず試作機
を作り、多極化、ロータ構造の工夫、高調波起磁力の低減策など
により、小型化、トルクリプルの低減、低騒音化が図れること
を検証した。1998年には中国のエレベータメーカからサンプル機の要求が有り、製品第1号機を納入してエレベータ搭載の評価試験を受けた。性能、特性とも十分な評価を得たが、価格面で
要求に合わず成約することができなかった。同時期に国内の
エレベータメーカーから緊急の開発要求を受け、短期間で
サンプル機を納め量産受注
に結びつけることができた。
以後、国内各社にさまざま
な仕様及び構造のモータ
を供給し、今日に至っている。
IPMモータはロータ構造、制御方式、材料（磁石など）が相互に関係しあって性能を発揮するモータである。この点から、21世紀には更に発展する可能性を秘めた高性能モータのひとつ
であると言われている。当社も、一般産業用を他社に先駆けて
発売してから、排水ポンプ車、クレーン、コンプレッサー、エレベータ
と用途に適したモータを業界の先頭を走りながら開発してきた。
IPMモータの技術物語はまだ継続中である。 また目の前の電話が鳴った。「M君か？新しい用途の引き合いだ。これにマッチするIPMモータを検討してくれないか。」 これからまた新たな技術物語が始まるのである。
プロローグ： IPMモータの誕生
この物語は、他社に先駆け、高効率、省エネで 一般産業に著しく貢献してきた「IPMモータ」の開発に
携わった者達の栄光への軌跡である・・・
一般産業用途への転換
「優秀省エネルギー機器」通商産業大臣賞を受賞
エレベータ用モータへの展開
エピローグ： 物語が続く･･･
YASKAWA NEWS No. 267 9
メセナとしての棟方カレンダー
このコーナでは、安川電機が生み出した様々な製品や技術についての秘話・エピソードなどをご紹介しています。次回の「安川電機物語」もご期待ください。
■安川カレンダーご紹介サイトは・・・ http://www.yaskawa.co.jp/company/munakata
VS-686SS5モータ と 通商産業大臣賞賞状、受賞カップ
2004年カレンダー「海道・旅の世界」（5月）
第四回 第四回
製品開発の第一歩、そして中断
エレベータ用モータ
（文責： 安川モートル株式会社 技術部 永木 一昭）
どうして安川カレンダーは46年も続けられるのでしょうか？ それは、次のよう
な例からも伺えます。 安川電機の本社は、発祥の地である
北九州市に現在もありますが、昭和29年に完成した本社新事務所及び講堂は、
フランク・ロイドライト（旧帝国ホテル
の設計者）の弟子であるアントニン・
レイモンドの設計によるものです。この
建物はコンクリート打ちっ放しの地肌を
生かし、素朴で力強い外観と機能性を重
視した設計で当時から評判が高かった
ものです。 昭和31年発行された「安川電機40周年史」のグラビアを飾ったのは、馬を描いて
は日本一と称せられ画壇の重鎮であった
坂本繁二郎画伯が描いた安川電機製の
「モートル図」と、東京美術学校の校長も
勤めた和田三造画伯が描いた当社初代社長
の「安川第五郎像」でした。 このような、歴代経営者による文化・
芸術に深い理解を示す流れが、棟方画伯
による安川カレンダーを生み、46年も続けてきた理由と言えるでしょう。 ところが、安川カレンダーの大きな特長
でもある和紙（福岡県八女の手漉き和紙）
の入手が困難になりつつあり、また印刷・
製本にも時間がかかります。そのため、
カレンダーの制作部数が限られています。
本来、安川カレンダーは年末にお客様
や取引先に贈呈する目的で作られており、
購入できるのは安川電機社員に限定さ
れていました。しかし年々、一般の方から
のご購入に関する問い合わせが多くなっ
たため、（財）棟方板画館のご理解を得て、
今年のカレンダーから一般の皆様にも
販売出来るようになりました。 2005年版の安川カレンダーの予約受付
はホーム
ページに
てご案内
する予定
です（6月頃を予定）、
興味のあ
る 方 は 、
下記アド
レスでご
確認くだ
さい。 制作には大変手間のかかるカレンダー
ですが、安川電機の大きな文化事業 （メセナ）の一つと考え、皆様に喜ばれる優れた
カレンダーをこれからも制作していきた
いと考えています。
10 YASKAWA NEWS No. 267
トピックス
■お問い合わせ先： モーションコントロール事業部 事業企画部 TEL: (04)2962-7915 FAX: (04)2962-6138 http://www.yaskawa.co.jp/products/motion.htm
MP2200／MP2300用オプションモジュールの拡充
アナログ出力モーション制御モジュール｢SVA-01｣、 入出力モジュール｢LIO-04｣を販売開始 販売開始以来、多くのお客様にご好評をいただいておりますマシンコントローラMP2200／MP2300のオプションモジュール
に、アナログ出力モーション制御モジュール、入出力モジュールを拡充致しました。 本オプションモジュールの製品化により、システム対応の幅がさらに広がるとともに、既存MP920システムからもレトロフィットによるシステムレベルアップが可能になります。
次世代ロボット SmartPal は大活躍！
去る2月26日からの3日間、北九州市小倉北区の西日本総合展示場
で「国際ロボット見本市2004」が開催されました。北九州市
でロボットの展示会が
開かれるのはこれが初
めてで、地元北九州市
を中心とした関連企業、
大学の研究室など151社が出展していました。3日間の入場者数は、主
催者側の予想を大きく
上回る2万6000人以上で、会場は大盛況でした。 安川電機も「人とロボットの新たなシーンが広がります」
をキャッチコピーに出展いたしました。小形双腕ロボット MOTOMAN-UPJ3Dや下肢運動療法装置TEM LX2などの商品や、次世代ロボットSmartPal、研究用ロボットパッケージRTLabなどの参考出品など、合計11品の展示・デモンストレーションを行いました。当社のブースはウェルカムゲートのすぐ
そばということもあり、ブースに入りき
れないほどたくさんの方にお立ち寄り
いただきました。熱心に質問される方
が多く、近年のロボットへの関心の高さ
と期待の大きさが感じ取られました。
次世代ロボットSmartPalは、お客様のご希望の飲物をテーブルから運んで渡し
たり、オペレータの指令でカーテンを
開閉したり、照明をつけたりするデモ
を行い、注目を浴びていました。 マスコミの注目も大きく、行政のサポートも厚かった
ことから、今後ロボット産業の進展がますます加速す
るであろうと実感しています。また、福岡県、福岡市、
北九州市は「ロボット開発・実証実験特区」に認められ、
今後は開発や実験が行いやすい環境が整ってくると予想さ
れています。当社もこの地の利を活かし、ロボット産業振興
に大きく寄与できるように努力していきたいと考えています。
会場風景
■お問い合わせ先 技術部 TEL: (093)645-8836 FAX: (093)631-6902 http://www.yaskawa.co.jp/
・固定周期（0.5ms）による高精度制御を実現 アプリケーションのスキャンタイムに依存しない高速固定周期 （0.5ms）でのモーション制御を実現しました。対応する全 てのモードで高精度なモーションを提供します。
・汎用I/Oモードを搭載 モード設定により、1ｃｈあたり DＩ: 6点、 DO: 6点、 AI: 2点、 AO： 2点、PI： 1点を汎用I/Oとして使用することが可能です。
SVA-01 のおもな特長
・レトロフィットでのシステム構築が可能 既存MP920のLIOモジュール（32点/32点）と同一の ピンアサインを採用。入出力配線の変更無しに、既存システム からのレベルアップが可能です。
LIO-04 のおもな特長
国際ロボット見本市2004開催
・制御軸数 2軸／ モジュール ・制御モード 位置／速度／ トルク／位相
・入出力点数 入力 ： 32点（シンク/ソース） 出力 ： 32点（シンク）
SVA-01 の概要仕様
LIO-04 の概要仕様
フィンランドと安川電機
の 懸 け 橋 国際交流
YASKAWA NEWS No. 267 11
左から大島健太選手（くろしお通信）、森下監督（トヨタ自動車九州、バルセロナ五輪 のマラソン銀メダル）、大津誠選手（トヨタ自動車九州）、小畑昌之選手（安川電機）
■お問い合わせ先 在北九州フィンランド名誉領事館、九州フィンランド協会事務局 人事総務部 TEL: (093)645-8801
◆2004年1月～3月の主な戦績 日 程 大 会 名 実 績 1月12日 2月1日 2月8日 2月29日 3月14日 3月21日
朝日駅伝 別府大分毎日マラソン 唐津10マイル 福岡国際クロスカントリー 全日本実業団ハーフマラソン 世界クロスカントリー選手権
小畑選手6区（16.8km）区間新記録 樋山選手11位（自己新記録） 飛松選手4位、坂本選手5位（共に安川新記録） 小畑選手6位（日本代表の座を獲得） 下森選手、立石選手がともに自己新記録 小畑選手（日本代表）86位
◆新入部員紹介 氏 名 出 身
バイ アブドーラ 福地 宏行
モロッコ・第一工業大学 長崎・専修大学
2002年世界学生クロスカントリー優勝 2002年箱根駅伝出場（最終区）
■選手の詳細情報は http://www.yaskawa.co.jp/activities/index.htm で公開しています。
ニューイヤー駅伝後、当社の選手は各地の大会で好記録を連発し、上位に名を連
ねました。特に昨年より好調を維持して
いる小畑選手は、55年の歴史を持つ朝日駅伝で区間新記録の樹立や2年連続で世界クロスカントリー選手権（ベルギー）
の日本代表に選出されるなど、日本の
トップクラスの成績を収めており、名実
ともに日本を代表する選手に成長しました。
世界大会においては、86位という成績ながらも、世界各国代表の走りを肌で感じ、
今後さらに飛躍してくれるものと期待
しています。 また国内トップクラスの選手が集結し、
日本最速と呼ばれる唐津10マイルロードレースにおいても、飛松、坂本両選手が
安川新記録(共に47分8秒)で上位に入賞しました。
20歳と若い立石選手も、各種ロードレースで自己新記録を出しており、将来
に勢いを感じさせてくれます。 このように勢いづいた中で、更に2名の強力な新人を加えて積極的な戦力アップ
を進めています。ますます強いチームを
目指しますので、今後も安川電機陸上部
の応援を宜しくお願いします。
2002年、安川電機内に、在北九州フィンランド名誉領事館が開設され、永次会長（当時）が、
二代目の名誉領事に
就任されました。あわ
せて、九州フィンランド
協会事務局も当社で引
き受けることになりま
した。フィンランドと当
社とのかかわりは、意外
と古い歴史を持ち、主力
製品であるインバータ
や 産 業 用 ロ ボ ッ ト
「MOTOMAN」などが、携帯電話で世界一のノキア社を始め、豊かな資源を活用した製紙や
金属・機械産業など、グローバルに強い競争力をもったフィンランド
企業の発展に貢献しています。 フィンランドは人口520万人、日本の9割ほどの大きさの国土で、その75％を森林、湖沼、河川が占める「森と湖の国」です。サンタクロースやオーロラなどのイメージがありますが、その勤勉で実直な国民性で、
今では、世界でもっともIT化の進んだ国となっており、携帯電話の普及率やコンピュータの活用も世界トップレベルにあります。また、
スポーツ・文化の面でも優れた人材を有し、さらに福祉の充実、高い
教育水準、女性大統領を筆頭として女性の社会進出など、わが国が学
ぶべき点もたくさんあります。 名誉領事館の重要業務として、在九州フィンランド人の支援、ビザ・
パスポートの受付業務がありますが、フィンランド協会とともに両国
の産業発展・文化交流の促進に役割を果たすことが期待されています。
これからも両国交流の懸け橋となれるよう、尽力してまいりますので、
みなさまのご支援をお願いします。
主 な 戦 績
名誉領事就任披露パーティーで駐日フィンランド大使 と握手を交わす永次前会長（写真左）
発行 平成16年5月10日／ 発行所 株式会社 安川電機 埼玉県入間市上藤沢480番地 〒358-8555 TEL（04）2962-5190 ／ 編集責任者 中島 健夫／ 制作 安川オビアス株式会社
新速度新速度サーチ機能搭載機能搭載 新速度サーチ機能搭載 パルスゼネレータなどの検出器なしで、
瞬時停電復帰後の運転継続が 素早くできます。
世界世界トップレベルのルの 省エネ運転運転
LONWORKS通信対応通信対応 超小形超小形モータ
世界トップレベルの 省エネ運転
高効率誘導電動機を超える効率で、 流体機器を運転します。
LONWORKS通信対応配線本数が少ないので、ビル空調システムを コンパクトにまとめることができます。
上位コントローラからの監視、診断も容易です。
超小形モータ スーパー省エネモータは小形・軽量 のため、設置スペースを削減できます。 また、低騒音、保守軽減も図れます。
スーパー省エネ可変速ドライブ
Varispeed F7S
世界トップレベルの高効率を発揮するVarispeed F7S。 その秘密は、PGなし（センサレス）電流ベクトル制御の
インバータとIPM モータという、新しい組合せにあります。 パルスゼネレータなどの検出器なしで、 モータのトルクとなる電流を直接制御し、 高効率誘導電動機を超える効率、力率を実現します。 また、ネットワークや瞬時停電復帰後の再運転に 対応できるなど、使いやすさも抜群です。 すべての技術の融合によって生まれた Varispeed F7Sだけのミラクル効果を 今すぐ試してみませんか?
スーパー省エネモータ Varispeed-F7S
PGなし（センサレス） 電流ベクトル制御インバータ （ ） 高性能マグネットを
回転子に内蔵した同期電動機 （ ） Inverter IPM motorInverter IPM motorプラス
PGなし（センサレス） 電流ベクトル制御インバータ （ ） 高性能マグネットを
回転子に内蔵した同期電動機 （ ）
驚くほど、省エネルギー。
LONWORKSは、米国Echelon Corporationの米国またはその他の諸国での登録商標です。
安川安川のインバータ 安川のインバータ
信頼信頼の世界世界ブランド 信頼の世界ブランド
入間事業所 埼玉県入間市上藤沢480番地 〒358-8555 TEL(04)2962-5730大阪支店 TEL(06)6346-4500／名古屋支店 TEL(052)581-2761／中国支店 TEL(082)568-8191／九州支店 TEL(092)714-5331ホームページ http://www.yaskawa.co.jp インバータに関する技術的なお問い合わせは ・・・・・ TEL 0120-114616
200V級 0.4～75kW／400V級 0.4～160kW