r-chop療法 患者用パンフレット 121129™‚法のスケジュール...
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抗がん剤治療
(R-CHOP療法)を受けられる
さま
独立行政法人 国立病院機構
四国がんセンター
血液腫瘍内科 病棟
主治医
受け持ち看護師
2012.11.29 作成
R-CHOP療法のスケジュール
これから受ける治療は「R-CHOP療法」という抗がん剤治療です
R:リツキシマブ(リツキサン)C:シクロフォスファミド(エンドキサン)H:ドキソルビシン(アドリアマイシン)O:ビンクリスチン(オンコビン)P:プレドニゾロン(プレドニン)
上記の5剤を用い、頭文字をとって「R-CHOP」と いいます
点滴投与のスケジュールについて
ここからは入院後の日々の予定、病気や手術、日常生活で注意していただきたい
ポイントなどを記載しています
また、よりよい状態で退院を迎えられるよう、患者さんご自身の日々の目標を
あげています
ダイアリーの内容は当院での標準的な医療を記載しています
抗がん剤投与後の経過は個人差が大きいため、あなたの身体の状態によっては
目標どおりに進まないこともありますが、私達医療スタッフはその都度対応して
いきますのでご安心ください
不安なく入院生活を送れるよう、サポートさせていただきます
ダイアリー
私たちがお手伝いします
いつでもお声かけ下さい
リツキサン
・点滴に伴うアレルギー症状(インフュージョンリアクション)が、初回24時間以内・点滴スピードを上げたときに生じることがあります
・予防としてリツキサン開始30分前に、アレルギー対策(サクシゾン注・ポララミン注)の点滴、解熱鎮痛剤(ロキソニン錠)の内服を行ないます
・ゆっくりとスピードを上げていきますが、呼吸苦・胸痛・動悸などがあれば すぐに医療者に伝えて下さい
・通常治療2日目より、5日間内服します
・内服することにより吐き気止めの効果があります
・また、血糖値の上昇、精神症状(不眠、いらいら、うつ症状など)食欲亢進症状が出現することがあります
・プレドニンの長期内服後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感などの症状が出現することがあります
・症状出現時には医療者に伝えて下さい
使用する薬剤について
プレドニン(副腎皮質ステロイド剤)
・正確に点滴液を投与するために輸液ポンプを使用します
・点滴が入っている部位を曲げたり、ねじったり、また、点滴チューブを
ひっぱったりしないようにしてください
・歩行時は、点滴台のこまの動きに注意し、転ばないようにお気をつけください
・抗がん剤投与後2日間は、抗がん剤の排泄処理のためトイレが終わりましたら
2回水を流して下さい。
・便器の周りに飛び散らないように座って排尿してください
安全に点滴を行うために
こんな時は看護師にお知らせ下さい
*輸液ポンプを使用している時に機械のアラーム音が鳴った時
*点滴が入っている部位に違和感や痛みを感じたり、腫れてきた時
*点滴を開始してから、気分が悪くなったり、呼吸がしづらく
なるような症状が出た時
その他、気になることがありましたら看護師におたずねください
入院日~治療開始まで
月 日~ 月 日
今日の目標
・治療計画について理解できる
・化学療法中の注意事項について理解できる
・身体が治療を受けられる状態にある
MEMO
<時間> <予定>
10:00 検温 この冊子の最後のページの検温表に記録して下さい入院生活についての説明があります内服薬・持参薬の確認を行います医師から治療の流れや副作用について説明があります同意書にサインを頂きます入院診療計画書をお渡しします薬剤師から治療の副作用について説明があります
12:00 食事 食事は普通食です説明後わからないことがあれば遠慮なく聞いて下さい禁煙をして下さい活動 制限はありません清潔 入浴は時間内であればいつでも可能です
14:00 検温
19:00 検温
21:30 消灯 眠れない時にはお知らせ下さい
抗がん剤投与 1日目 月 日
<時間> <予定>
7:00 起床後、洗面・歯磨きをしましょう
検温
10:00 検温、体重測定
抗がん剤の準備が出来たら点滴を始めます
医師が点滴の針を留置します
予防的にロキソニン錠(解熱鎮痛薬)を内服します
心電図モニターを装着します
①吐き気止め 【30分】
②抗がん剤 【1時間】
③抗がん剤 増量【1時間】
④抗がん剤 増量【1時間】
⑤抗がん剤 増量【約3時間】
抗がん剤の点滴開始時、開始後30分、抗がん剤増量時に
体温・血圧・酸素飽和度を測定します
14:00 検温
点滴が終了すればシャワー・入浴ができます
体調に応じて体を拭きます
16:00 体重測定を行います
19:00 検温
今日の目標
・治療内容について理解できる
・安全に治療ができる
・副作用について理解でき報告できる
・針の入っているところが赤くなった、腫れている、痛みがあるこのような時はすぐにお知らせ下さい
・吐き気など気分が悪いとき我慢せずお知らせ下さい・何か変わったことがあればナースコールでお知らせ下さい
抗がん剤投与 2日目 月 日
今日の目標
・安全に治療ができる
・副作用について理解でき、報告できる
<時間> <予定>
7:00 起床後、洗面・歯磨きをしましょう
検温
10:00 検温、体重測定
抗がん剤の準備が出来たら点滴を始めます
点滴開始時にプレドニン錠を内服しましょう
医師が点滴の針を留置します
①吐き気止め 【30分】
②抗がん剤 【30分】
③抗がん剤 【約5分】
④抗がん剤 【約10分】
⑤抗がん剤 【約5分】
14:00 検温
点滴が終了すればシャワー・入浴ができます
体調に応じて体を拭きます
19:00 検温
MEMO
・副作用(吐き気、食欲不振、点滴の針の刺入異常など)が
あればお知らせ下さい・食欲がなければ食べやすい食事へ変更できます
抗がん剤投与 3日目 月 日
<時間> <予定>
7:00 起床後、洗面・歯磨きをしましょう
検温
朝食後プレドニン錠を内服しましょう
9:00 血液検査があります
10:00 検温、体重測定
昼食後プレドニン錠を内服しましょう
14:00 検温
シャワー・入浴ができます
体調に応じて身体を拭きます
19:00 検温
今日の目標
・安全に治療ができる
・副作用について理解でき、報告できる
MEMO
・副作用(吐き気、食欲不振、点滴の針の刺入異常など)が
あればお知らせ下さい・食欲がなければ食べやすい食事へ変更できます・口の中をきれいに保ちましょう
抗がん剤投与 4日目 月 日
<時間> <予定>
7:00 起床後、洗面・歯磨きを行いましょう
検温
朝食後プレドニン錠を内服しましょう
10:00 検温、体重測定
昼食後プレドニン錠を内服しましょう
14:00 検温
シャワー・入浴ができます
体調に応じて体を拭きます
19:00 検温
今日の目標
・安全に治療ができる
・副作用について理解でき、報告できる
MEMO
・副作用(吐き気、食欲不振、便秘など)があればお知らせ下さい
・食欲がなければ食べやすい食事へ変更します・口の中をきれいに保ちましょう・歩行時のふらつきに注意しましょう
抗がん剤投与 5日目 月 日
<時間> <予定>
7:00 起床後、 洗面・歯磨きを行いましょう
検温
朝食後プレドニン錠を内服しましょう
10:00 検温、体重測定
昼食後プレドニン錠を内服しましょう
14:00 検温
シャワー・入浴ができます
体調に応じて体を拭きます
19:00 検温
今日の目標
・安全に治療ができる
・副作用について理解でき、報告できる
MEMO
・副作用(吐き気、食欲不振、便秘など)があればお知らせ下さい
・食欲がなければ食べやすい食事へ変更します・口の中をきれいに保ちましょう・歩行時のふらつきに注意しましょう
抗がん剤投与 6日目 月 日
<時間> <予定>
7:00 起床後、 洗面・歯磨きを行いましょう
検温
朝食後プレドニン錠を内服しましょう
10:00 検温、体重測定
昼食後プレドニン錠を内服しましょう
14:00 検温
シャワー・入浴ができます
体調に応じて体を拭きます
19:00 検温
今日の目標
・安全に治療ができる
・副作用について理解でき報告できる
MEMO
・副作用(吐き気、食欲不振、便秘など)があればお知らせ下さい
・食欲がなければ食べやすい食事へ変更します・口の中をきれいに保ちましょう・歩行時のふらつきに注意しましょう
抗がん剤投与 7日目~
月 日~ 月 日
<時間> <予定>
7:00 洗面・歯磨きを行いましょう
検温
10:00 検温、体重測定
14:00 検温
シャワー浴・入浴ができます
体調に応じて体を拭きます
19:00 検温
今日の目標
・自分の身体の状態が分かり、副作用を知らせることが
できる
・感染に対する予防行動がとれる
MEMO
・食欲がなければ食べやすい食事へ変更できます・歩行時のふらつきに注意しましょう・感染予防のためにマスクを着用し、手洗い・うがいを
しましょう・発熱時はお知らせください・口の中に痛みや腫れなどの口内炎症状がある時は塗り薬や
うがい薬を使います
退院前日 月 日
<時間> <予定>
7:00 洗面・歯磨きを行いましょう
検温
10:00 検温、体重測定
★外来治療に向けて
通院治療室についての説明と見学があります
14:00 検温
シャワー浴・入浴ができます
体調に応じて体を拭きます
19:00 検温
今日の目標
・自分の身体の状態が分かり、副作用を知らせることが
できる
・感染に対する予防行動がとれる
MEMO
・食欲がなければ食べやすい食事へ変更できます・歩行時のふらつきに注意しましょう・感染予防のためにマスクを着用し、手洗い・うがいを
しましょう・発熱時はお知らせください・口の中に痛みや腫れなどの口内炎症状がある時は塗り薬や
うがい薬を使います
退院日 月 日
<時間> <予定>
7:00 洗面・歯磨きを行いましょう
検温
10:00 退院
今日の目標
・日常生活に支障なく活動でき、次コースの治療に臨める
◆37.5℃を超える発熱があれば、退院日にお渡しする内服薬を始めましょう(医師の指示通りにお飲みください)
以下のような症状がある場合は、受診または電話で相談するようにしましょう
◆嘔気が続き、水分・食事がほとんど摂れない日が続く
◆転んだり、けがをしたときに圧迫しても傷口からの出血が 止まらない
◆体を起こすこともできないほどの強いだるさが続く
MEMO
吐き気の原因
薬の影響で脳の中にある神経が刺激されることで起こります。
①急性(抗がん剤投与後24時間以内)
②遅延性(抗がん剤投与後24時間~1週間程度)
●吐き気があるとき
・冷たい水でうがいをする
・音楽を聴いたり、服を緩めたりしてリラックスする
吐き気を抑える薬を使用できます
●吐いたあと
・衣服をゆるめて、安静にする
・うがいをして口の中をきれいにする
すぐに片付けますので看護師を呼んで下さい
●食事の工夫
・食べやすいもの(冷たい物や酸味のある物など)を、食べられるときに、
ゆっくり口に運んでみる
・深呼吸をして気分を楽にし、ゆったりと座って、食事をする体勢を整えましょう
吐き気・嘔吐
副作用症状と対処法
・吐き気を抑える薬を使いたい時や食事の内容を変えたい時など我慢せずに、看護師に相談して下さい
便秘の原因
①抗がん剤や吐き気を抑える薬の影響で腸の運動が弱くなる
②吐き気や食欲低下から、食事量が減る
③運動量が減る
④ストレス
●予防
・1回/日の排便習慣を身に付ける
・水分を十分にとる(1~1.5ℓ/日)
・唐辛子などを含んだ食品や刺激のあるものは、粘膜を悪化させるため控える
●便秘がおきたとき
・水分を十分にとる
・無理のない程度の運動をする
・下剤を使用する
下痢の原因
①薬により腸の運動が亢進する(抗がん剤投与後当日)
②腸の粘膜にダメージを受けて、感染症をおこす
(抗がん剤投与:開始後、数日~10日)
③ストレス
●下痢が起きたとき
・腸管を刺激しないよう温かく、消化・吸収の良いものを食べる
・乳製品や香辛料、カフェインは刺激になるので避ける
・感染防止のため、排便後は押さえ拭きをし、ウォシュレットできれいに
洗浄・乾燥させる
必要時、医師の指示により点滴をしたり、下痢止めを使用します
便秘・下痢
口内炎の原因
①抗がん剤が直接口の中に障害を起こす
②抵抗力が落ちて感染しやすい状態になり起こる
抗がん剤投与から2~10日頃に発生しやすく、2~3週間で(好中球の増加する
時期に)回復します
●症状
・口の中が痛い、しみる、腫れている、出血している等
●予防
・治療開始前から、口の中をきれいにしておく習慣をつける
(歯磨き・うがいを、毎食後・寝る前には行う)
・口腔内を潤し、傷をつけないようにする
・歯ブラシは柔らかいナイロン製のものを使用し、優しく磨く
・唐辛子などを含む食品や塩気の多いスナック菓子やせんべいは粘膜を悪化させるため
控える
入れ歯が合わない時は、医師に相談しましょう
●口内炎ができたとき
・食べやすい食事(お粥ややわらかく煮込んだもの)に変える
口内炎
・食事変更など看護師にご相談ください・歯科医師や歯科衛生士に相談できます
骨髄抑制は、抗がん剤治療に伴う代表的な副作用のひとつです
骨髄は白血球・赤血球・血小板などの成分を休むことなく造っています
この成分が抗がん剤の影響を受けて、産生が低下することを「骨髄抑制」といいます
抗がん剤の影響で、7~14日頃に血球は減少します
骨髄抑制
骨髄抑制の症状
●白血球減少→易感染(感染症にかかりやすい状態)
●赤血球減少→貧血(酸素の供給が不十分な状態)
●血小板減少→易出血(出血しやすい状態)
次に一つ一つの症状を詳しく紹介します
白血球(WBC)には細菌やウイルスから体を守り、感染症を防ぐ重要な働きが
あります
白血球の中の、好中球という成分は細菌の繁殖を防ぐ働きがあるため、この値にも
注目しましょう
抵抗力が弱まった時期に、体の外部からの細菌の侵入を許してしまうと、いろいろな
部位(口、肺、皮膚、尿路、腸、肛門、性器など)で感染症を起こす危険性があります
●感染症が疑われる症状
・発熱 ・寒気や震え ・下痢や肛門痛
●予防
・石けんで手洗いする
・歯磨き・うがいをする
・体や肛門の周囲をきれいにしておく(シャワーや入浴)
・マスクを着用し、なるべく人混みをさける
手洗い・うがいを習慣にしましょう
易感染
症状が現れた時には、すぐに医師や看護師に知らせて下さい
赤血球(RBC)には、全身に酸素を運ぶ働きがあります
抗がん剤の影響で、赤血球が減少すると、体内に十分な酸素が行きわたらない
状態になります
●症状
・手足が冷たい
・爪の色が白い
・顔色が悪い
・頭痛、頭が重い
・脈拍が増える
・動悸・息切れがする
・疲れやすい
●貧血症状のあるとき
・十分な休養と睡眠をとり体力を回復しましょう
・ゆっくりと動くようにし、めまいや立ちくらみが起きたら、転ばないように、
しゃがみこみましょう
・急なめまいで倒れないように、男性の方も、座ってトイレを済ませましょう
・バランスの良い食事を心がけましょう
・状態により、赤血球輸血をすることもあります
症状が強い時は、
一人で動かず
看護師を呼びましょう
貧血
血小板(Plt)には血管の外に出た血液を凝固させる働き(止血作用)があります
抗がん剤の影響で血小板が減少すると、出血が止まりにくくなります
●症状
・内出血
・血便、血尿
・鼻血
●易出血のとき
・点滴や採血の針を抜いた後は、圧迫し、
血が止まったことを確認しましょう
・ベット周りの環境を整え、転んでけがをしないようにしましょう
・皮膚への刺激を避けましょう
・身体を締め付けない衣類を選びましょう
・排便時、なるべくいきまないようにしましょう
また、硬い便にならないように便通を整えましょう
・歯磨きには、柔らかい歯ブラシを使いましょう
易出血
MEMO
抗がん剤により、毛母細胞がダメージを受けて、脱毛が起こります
人によって症状には差があります
治療開始後1~3週間後に、ブラッシングのような軽い刺激で、突然髪の毛が
抜けはじめます
髪以外の体毛(まつげ、眉毛、陰毛など)でも起こります
しかし、症状は抗がん剤を使用している間の一時的なものであり、治療終了後、
3~6ヶ月くらいで再び生えてきます
●脱毛しはじめたら
・脱毛しても、毛根は生きているので、治療終了後には、再び生えてきます
(無理にひっぱって毛根を抜かないようにしましょう)
・ブラッシングをして、脱毛の処理をしてから、刺激の少ないシャンプーを使用して、
やさしく洗いましょう
・髪の毛は頭皮を保護をしています
脱毛すると、外傷を受けやすく、乾燥して傷が治りにくくなります
帽子やスカーフの準備して治療に臨みましょう
脱毛
脱毛された方へのパンフレットがありますご希望の方は看護師に声をかけてください
抗がん剤により、末梢神経(脳や脊髄から全身に走る神経)の細胞がダメージを
受けて症状が出現します
●症状
・手足がぴりぴりする
・しびれる、箸が持ちにくくなる
・味覚が変化する
通常、抗がん剤の投与が長期にわたると症状が出現しやすくなります
時間とともに症状はやわらぎますが、残ってしまうこともあります
●末梢神経障害が起こったら
・皮膚などの損傷を予防するため、爪切りや刃物、熱いもの・冷たい物に
十分注意しましょう
・軽い食器や、取っ手のあるコップを使いましょう
つまづきやすくなるため、足にフィットした履き物を選びましょう
末梢神経障害
《 検温表 》
*ご心配な点があれば、まずはかかりつけ医にご相談ください
*なお、かかりつけ医に連絡がつかない場合や、かかりつけ医をもたれていない方は、以下の連絡先にご連絡下さい
◆四国がんセンターの連絡先◆
【平日 8:30~17:15】
がん相談支援・情報センター(直通番号) 089-999-1114
【平日時間外及び土、日、祝祭日】日直/夜間 当直師長
(代表番号) 089-999-1111