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平成31年度学力検査問題
理 科 ページ ページ (解答用紙枚数)
物 理 � ~ 14 � 枚
化 学 15 ~ 24 � 枚
生 物 25 ~ 38 � 枚
〇志望学部別,科目選択方法及び解答時間
――――――――――――――― 注 意 事 項 ―――――――――――――――
1.試験開始の合図があるまで,この問題冊子の中を見てはいけません。
2.本冊子のページ数は上記のとおりである。落丁,乱丁,印刷不鮮明の箇所などが
ある場合は申し出ること。
3.解答はすべて別紙解答用紙のそれぞれの解答欄に記入すること。
4.あらかじめ届け出た科目について解答すること。
5.解答用紙の指定された欄(物理は計�箇所,化学は計�箇所,生物は計�箇所)
に,忘れずに本学の受験番号を記入すること。
6.試験場内で配布された問題冊子は試験終了後持ち帰ること。
志望学部 科 目 選 択 方 法 解答時間
医 学 部 物理,化学,生物から�科目選択すること。 150分
工 学 部 物理,化学から�科目選択すること。 90分
生物資源学部 物理,化学,生物から�科目選択すること。 90分
◇M3(729―41)
平成31年 2月25日
平成31年度 三重大学個別学力検査
問 題 訂 正 [ 前期日程 化学 ]
二重取り消し線を引いた部分が誤りです。下線を引いた文章・語句へと変更してください。
【化学】
3 19~20ページ 問4, 問5, 問6
問4
(誤)
この水溶液 1 L に少量ずつ水酸化ナトリウム水溶液を加えたとき,水酸化マグネシウムと水酸化カ
ルシウムが沈殿し,水酸化カルシウムの飽和水溶液となった。水溶液中のマグネシウムイオン濃度
はゼロ,水酸化カルシウムは 1.70 g が水に溶解していると考えたとき,生じた沈殿物の質量を,有
効数字 3 桁で答えよ。
(正)
この水溶液 1 L に少量ずつ水酸化ナトリウム水溶液を加えたとき,水酸化マグネシウムと水酸化カ
ルシウムが沈殿し,水溶液中のマグネシウムイオン濃度とカルシウムイオン濃度は無視できるほど
小さくなった。生じた沈殿物の質量を,有効数字 3 桁で答えよ。
問 5
(誤)問 4で生じた沈殿をろ過により取り除いたのち,この水溶液に二酸化炭素を通じると…
(正)水酸化カルシウムの飽和水溶液に二酸化炭素を通じると…
問 6
(誤)問 5で生じた沈殿をろ過により…
(正)問 4で生じた沈殿をろ過により…
5 23ページ 問1
問1
(誤)ポリアクリロニトリル
(正)ポリスチレン
� 図�に示すように,水平面 PQと水平面 RSが高さ�d〔m〕の鉛直面 QRを介し
てつながっている。また,水平面 RSの右端は十分な高さを持つ鉛直面 STとつ
ながっている。点 Rと点 S間の距離は d〔m〕である。全ての水平面と鉛直面はな
めらかであるとする。この空間内での小球の運動を考える。ただし,重力加速度
は鉛直下向きに g〔m/s2〕とし,空気抵抗はないものとする。また,小球と全て
の面とのはね返り係数は0.5とする。円周率は π とする。
以下の各問の � ~ � に入る適切な数値,数式,条件式を答え
よ。
問 1 図�のように水平面 PQ上の点 Qに大きさの無視できる質量m〔kg〕の小
球 Aを置き,これを水平方向に打ち出すことを考える。小球 Aが鉛直面 ST
に衝突することなく水平面 RSに落下する場合,満たすべき打ち出す速さ
v0〔m/s〕の条件は�< v0< � である。
問 2 次に,図�のように点 Qから水平方向に打ち出される小球 Aが鉛直面 ST
と鉛直面 QRに交互に三回衝突し,四回目の衝突において初めて水平面 RS
にのみ衝突するような運動を考える。このような運動を実現するための,小
球 Aを水平方向に打ち出す速さ v1〔m/s〕の満たすべき条件は � で
ある。
問 3 小球 Aを図�のように水平方向に打ち出して,鉛直面 STの水平面 RSか
らの高さ3.5d〔m〕の点 Uの位置に最初に衝突させることを考える。この場
合,小球 Aを水平方向に打ち出す速さは 〔m/s〕である。同様
に,小球 Aを鉛直面 STの水平面 RSからの高さ�d〔m〕の点 Vの位置に最
初に衝突させる場合,点 Qから小球 Aを水平方向に打ち出す速さは
〔m/s〕である。速さ 〔m/s〕で打ち出された小球 Aは鉛
直面 STに衝突し,次は水平面 RSに衝突する。小球 Aが水平面 RSに衝突
するこの位置の,点 Rからの距離は � 〔m〕である。
物 理
― 1 ― ◇M3(729―42)
T
SR
QP
4 d
d
図�
T
SR
Q
A
U
V
P
4 d
2 d
3.5 d
d
m
図�
― 2 ― ◇M3(729―43)
問 4 図�に示すように,点 Qに置かれた小球 Aを水平方向から上方に角度
θ〔rad〕(�< θ< π
�)の方向へ � 〔m/s〕の速さで打ち出すことを考
える。小球 Aが鉛直面 STに衝突した際,衝突した位置が水平面 PQの高さ
以上になるための角度 θ〔rad〕の条件は � である。
問 5 次に,図�のように角度 θ〔rad〕(�< θ< π
�)の方向へ打ち出された小
球 Aが,鉛直面 STに衝突した後にはね返り,打ち出された点 Qに再び戻
る運動を考える。打ち出された小球 Aが点 Qに戻るための,打ち出す速さ
の最小値は � 〔m/s〕である。
問 6 図�に示すように,水平面 RSからの高さ d〔m〕の位置に,長さが l1〔m〕
の左板と長さが l2〔m〕の右板を,鉛直面 QRと鉛直面 STにそれぞれ取り付
けた。これらの板は水平であり,厚さは無視できるものとする。
いま,水平面 PQ上の点 Pにおいた小球 Aを 〔m/s〕の速さで水
平面 PQ上を運動させ,点 Qに静止して置かれた大きさの無視できる小球 B
に衝突させた。打ち出された小球 Bの質量が�m〔kg〕の場合,小球 Bは右
板の左端に衝突した。また,�m〔kg〕の場合,小球 Bは左板の右端に衝突
した。小球 Bの質量が�m〔kg〕より重く�m〔kg〕未満の場合,小球 Bは鉛
直面 ST,鉛直面 QRと左右の板のいずれにも一度も衝突することなく,左
右の板の間を通り水平面 RSに衝突した。このことから左右の板の長さはそ
れぞれ l1= ,l2= � と求められる。ただし,二球の間
のはね返り係数は0.5とする。
― 3 ― ◇M3(729―44)
T
SR
Q
A
P
4 d
d
m θ
図�
T
SR
Q
BA
P
4 d
左板 右板
d
d
m
l 1 l 2
図�
― 4 ― ◇M3(729―45)
� 以下の文章中の � ~ � に適した数式か数値を求め,それぞれ
の解答欄に記入せよ。解答には,文中に与えられた記号だけを用いよ。円周率は
π とする。
自然長が l〔m〕,ばね定数 k〔N/m〕の,質量の無視できるばねがある。そのば
ねの両端に,質量が同じm〔kg〕の�つの小球 A,Bをつける。小球 Aを手に
持って,ばねと小球 Bを静かに鉛直につるしたところ,ばねの長さが l+ a〔m〕
でつりあいの状態になった。このばねの両端につけられた小球の鉛直方向の運動
について考える。ただし,空気抵抗はないものとする。
いま,図�のように,細長い円筒が床の上に鉛直に固定してある。その中に小
球 Bを下にしてばねを立てる。このとき,ばねの長さは, � 〔m〕にな
る。ただし,小球およびばねと円筒の内壁の間には,摩擦力は働かないものとす
る。
この図�に示す状態から小球 Aを手で静かに鉛直上方に引いて,ばねの長さ
を l+ a〔m〕にした。このとき,小球 Aを引く手がした仕事は,k,aを用い
て,式 � 〔 J〕で表される。ばねの長さが l+ a〔m〕に達した状態におい
て,床が小球 Bにおよぼしている抗力の大きさは, � 〔N〕である。
次に,小球 Aの位置を再び図�のように元の静止した状態に戻した後,今度
は,小球 Aを鉛直下方に Δx〔m〕だけ静かに押し下げた。この押し下げられた状
態でばねにたくわえられているエネルギーは,押し下げられる前の状態のばねに
たくわえられているエネルギーよりも増えており,そのエネルギーの増加量は,
Δx,k,aを用いて,式 � 〔 J〕で表される。
いま,この小球 Aが鉛直下方に Δx〔m〕だけ押し下げられた状態で,小球 Aか
ら手を静かに離し,小球 Aを押す力を瞬間的にNにしたところ,小球 Aは上
方に飛び上がった。小球 Aから手を離した後,小球 Bが床から離れないために
は,小球 Aを押し下げる量 Δxは,不等式 を満たさなければならな
い。ここで,小球 Bが床から離れない範囲内で,Δxがとりうる値の最大値を
とった場合について考える。このとき,手を離してから小球 Aが初めて最高点
に達するまでの時間は, � 〔s〕と求められる。さらに,小球 Aが最高点
に達したときのばねの長さは, � 〔m〕と求められる。
― 5 ― ◇M3(729―46)
最後に,円筒を取り払い,図�に示すように,空中で再び小球 Aを手に持っ
て,ばねと小球 Bを静かに鉛直につるした状態にする。この状態から手を静か
に離したときに,小球 Aから小球 Bの運動を観測すると,この運動は単振動と
なる。このときの角振動数は,式 � 〔rad/s〕で表される。
A
B
図�
A
B
x
手を離す前
A
B
x
手を離した後
図�
― 6 ― ◇M3(729―47)
� 以下の文章中の , ~ に適切な数式を入れ,
は「大きく・小さく」のどちらかを選び解答欄に〇をつけ,下線�の理
由を に15字以上30字以下で説明せよ。
図のように,断熱材で囲まれ,容積が変化しない�つの容器が,体積が無視で
きる細管で連結されており,そこにコック A,Bがある。はじめコック A,Bは
閉じられている。�つの容器Ⅰ,Ⅱ,Ⅲの容積はそれぞれ V1,V2,V3〔m3〕であ
り,そこに絶対温度が T1,T2,T3〔K〕,物質量が n1,n2,n3〔mol〕の単原子分
子の理想気体が封入されている。ただし,気体定数を R〔 J/(mol・K)〕とし,理想
気体と外部とのエネルギーの出入りはないものとする。
Ⅰ ⅡA B
V 1
T 1
n 1
V 2
T 2
n 2
Ⅲ
V 3
T 3
n 3
図
容器Ⅰの内部エネルギーは 〔 J〕と表される。容器の中の理想気体が
単原子分子ではなく二原子分子で構成される場合,内部エネルギーは�� n1RT1
と表され,�単原子分子のときよりも (大きく・小さく) なる。その理由は
である。ただし,分子を構成する原子の振動は影響しないとする。
いまコック Aを開けた。内部エネルギーの総和と物質量の総和が保存するか
ら,平衡状態に達したときの容器Ⅰと容器Ⅱの中の気体の温度は 〔K〕
となり,容器Ⅰと容器Ⅱの中の気体の物質量はそれぞれ 〔mol〕と
〔mol〕となる。
コック Aを開けたまま,コック Bを開けた。平衡状態に達したときの容器Ⅰ
の中の気体の物質量は 〔mol〕となり,容器Ⅰ,Ⅱ,Ⅲの中の気体の圧
力は 〔Pa〕となる。
― 7 ― ◇M3(729―48)
� 以下の各問の ~ に答えよ。 , ,
, には図を描き, ~ , ,
にはあてはまる数式を書け。 , には「腹・節」の
どちらかを選び解答欄に〇をつけよ。
問 1 空気中の音波は,媒質(空気)の密度の粗密が伝わる縦波である。図�は
x軸の正の向きに進む波の,時刻 t=�sでの位置 x〔m〕における媒質の変
位であり,正弦波の式 y= a sin2πT�� t-
xv��で表される。波の速さは
v〔m/s〕,周期は T〔s〕,振幅は a〔m〕であり,媒質は各点で時間的に振動を
している。位置 x=�mにおける変位 y〔m〕の時間変化の概形を解答欄の
に,�≦ t≦ Tの範囲で描け。さらに,位置 x= vT2〔m〕におけ
る変位 y〔m〕の時間変化の概形を解答欄の に,�≦ t≦ Tの範囲
で描け。
問 2 図�の�≦ x≦ vTの範囲において,各点での媒質の振動状態を考え
る。位置 x=�mにおける媒質の振動は,x= 〔m〕(x>�)
における振動と同位相である。一方,x= 〔m〕における
媒質の振動は,x=�mにおける振動と逆位相である。また,図�のvT4< x≦
5vT4の範囲で,媒質の密度が,もっとも密になっている位置は
x= 〔m〕,もっとも疎になっている位置は x= 〔m〕で
ある。ただし, ~ において使える記号は,v,T,a,
tとする。
― 9 ― ◇M3(729―50)
y[m]
x[m]
21 vT 2
3 vT
vT 2 vT
2 a
a
- 2 a
- a0
図�
問 3 次に,図�のような,x軸の負の向きに速さ v〔m/s〕で進む波が,x=�m
の位置で反射する場合を考える。図�の状態から �� T〔s〕後における媒質
の変位 y〔m〕について,自由端反射の場合の概形を解答欄の に描
き,固定端反射の場合の概形を解答欄の に描け。
y[m]
x[m]
21 vT 2
3 vT
vT 2 vT
2 a
a
- 2 a
- a
0
速さ v[m/s]
図�
― 10 ― ◇M3(729―51)
問 4 図�のような,長さ L〔m〕の閉管および開管の中の空気(気柱)の振動を考
える。音波は管の両端で,自由端反射または固定端反射をおこなうため,気
柱の振動は固有振動となる。以下では,開口端補正は考えず,音速を
v〔m/s〕,nを正の整数(n=�,�,…)とする。一端が開きもう一端が閉じ
た閉管では,定常波の腹と節のうち,開口端では ,閉口端では
となり,固有振動数は 〔Hz〕である。一方で,両端が
開 い た 開 管 で は,固 有 振 動 数 は 〔Hz〕で あ る。た だ し,
, において使える記号は,L,v,nとする。
L閉管
L開管
図�
― 11 ― ◇M3(729―52)
� 以下の各問の ~ に適切な数式を書き入れよ。なお,クー
ロンの法則の比例定数は k〔N・m2/C2〕とする。また,電位の基準は無限遠点にと
るものとし,重力の影響は無視できるとする。
問 1 図�のように,点 Aおよび点 Bは xy平面の x軸上の原点 Oから,負方向
および正方向にそれぞれ距離 d〔m〕だけ離れた位置にある。点 Aと点 Bに
それぞれ,電気量 qA〔C〕,および qB〔C〕(qA> qB>�)の電荷を与えた小球
を固定して置いた。このとき,これらの小球にはたらく静電気力の大きさは
〔N〕である。また,これらの小球が原点 Oにつくる電場(電界)の
強さは 〔N/C〕,原点 Oでの電位は 〔V〕である。
問 2 問�の点 Aと点 Bの小球に加え,原点 Oの位置に電気量 qO〔C〕(qO>�)
の電荷を与えた小球を固定して置いた。このとき,点 A,点 B,原点 Oに
置かれた�つの小球にはたらく静電気力の合力の大きさをそれぞれ FA,
FB,FOとすると,これらは d,k,qA,qB,qOを用いて,FA= 〔N〕,
FB= 〔N〕,FO= 〔N〕となる。
問 3 次に,図�のように点 Aに電気量 q〔C〕(q>�)の電荷を与えた小球を
置き,点 Bには電気量 qB′〔C〕の電荷を与えた小球を,原点 Oには電気量
qO′〔C〕の電荷を与えた小球を置いた。すると,点 Aに置いた小球が他の�
つの小球から受ける静電気力の合力の大きさが�Nとなった。同様に,
点 B,原点 Oに置いた小球が受ける静電気力の合力の大きさも,それぞれ
�Nとなった。このとき,qB′と qO′は qを用いて,qB′= 〔C〕,
qO′= 〔C〕と表される。また,点 Aおよび点 Bからそれぞれ
�d〔m〕の距離にある y軸上(y>�)の点 Cを考えると,�つの小球が点 C
につくる電場(電界)の強さは 〔N/C〕,電位は 〔V〕であ
る。ただし,qB′および qO′は�Cではない。
― 13 ― ◇M3(729―54)
問 4 問�の状態から,原点 Oにある小球を y軸にそって正方向へ点 Cまで
ゆっくりと移動させた。このとき,この小球の移動のために要した仕事は
〔 J〕である。ここから小球を静かに放すと,y軸にそって負方向
へ動き出した。この小球の質量がm〔kg〕であれば,これが原点 Oを通過す
る速さは 〔m/s〕である。ただし,点 Aおよび点 Bの位置にある
小球は動かないものとする。また,空気抵抗はないものとする。
OA
d
y
xq A
B
d
q B
図�
OA
d
2 d 2 d
y
xq q O′
B
C
d
q B′
図�
― 14 ― ◇M3(729―55)
� 次の文章を読み,問�~問�に答えよ。
結晶では,結晶を構成する粒子が規則的に配列している。金属結晶の主な結
晶構造には, ア , イ , ウ があるが, ア と
イ は,中心原子と周囲の�個の原子がお互いに接するように配列した原
子層の積み重なり方が異なっている。 ア と イ は第�層の原子の
すき間の位置に第�層の原子が積層しているが,第�層の原子のすき間のうち,
ア では第�層の原子と同じ位置に第�層の原子が積層し, イ で
は第�層の原子と違う位置に第�層の原子が積層する。金属結晶以外の結晶とし
て,固体は電気伝導性を示さないが液体や水溶液は電気伝導性を示す エ
結晶,融点が非常に高く極めて硬い オ 結晶,融点が低く軟らかい
カ 結晶がある。融点は結晶の構成粒子間の引力の強さと関係しており,
一般に カ 結晶がその他の結晶よりも低い融点を示すのは, キ が
ク よりも弱いためである。
問 1 文章中の ア ~ ウ に入る適切な語句を{体心立方格子,面
心立方格子,六方最密構造}から選んで答えよ。
問 2 文章中の エ ~ ク に入る適切な語句を答えよ。
問 3 体心立方格子と面心立方格子について,単位格子中に含まれる原子の数を
答えよ。
化 学
[注意] 原子量は,次の値を使うこと。
H=1.00,C=12.0,O=16.0,Na=23.0,Mg=24.0,
Cl=35.5,K=39.0,Ca=40.0
― 15 ― ◇M3(729―56)
問 4 体心立方格子と面心立方格子について,単位格子の�辺の長さを aとし
て原子半径 rを求め文字式で答えよ。なお,rに平方根が含まれる場合はそ
のままでよい。
問 5 充填率は,単位格子の体積に対する単位格子中の原子の体積の割合であ
る。体心立方格子と面心立方格子について,充填率を求め整数で答えよ。な
お,必要があれば,π=3.14,��=1.41,��=1.73,��=2.24を用
いよ。
問 6 第�周期の遷移金属は,常温・常圧で,体心立方格子,面心立方格子,六
方最密構造のいずれかの結晶構造を示す。常温・常圧で体心立方格子と面心
立方格子をとる金属結晶の例を{Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu}か
ら選んでそれぞれ�つ答えよ。
問 7 金属は展性や延性を示すが,その理由を答えよ。
― 16 ― ◇M3(729―57)
� 次の文章を読み,問�~問�に答えよ。
ア は,酸の H+ と塩基の OH- とが結合して イ を生じる反応
である。酸と塩基が過不足なく ア するとき,H+ と OH- の ウ
が等しいと言える。この関係から,どちらか一方の濃度が分かっていれば,もう
一方の水溶液の濃度を求めることができる。このような操作を エ とい
う。
問 1 上記の文章の空欄 ア ~ エ に入る適切な語句を答えよ。
問 2 この操作には,濃度が正確に分かっている酸または塩基の水溶液(標準溶
液)を用いる必要がある。濃硫酸や水酸化ナトリウムを溶かして標準溶液を
調製するのが困難な理由を答えよ。
問 3 弱酸と強塩基の場合,指示薬として適しているのは,フェノールフタレイ
ンとメチルオレンジのどちらか記せ。また,その理由を答えよ。
問 4 0.100mol/Lのシュウ酸水溶液10.0mLで,濃度 x〔mol/L〕の水酸化ナト
リウム水溶液を エ したところ12.5mL必要であった。水酸化ナト
リウム水溶液の濃度 xを有効数字�桁で答えよ。また,計算過程も示せ。
― 17 ― ◇M3(729―58)
� 次の文章を読み,問�~問�に答えよ。
塩化カリウム,乳酸カルシウム,塩化マグネシウム,塩化ナトリウムの�種類
を溶かした水溶液がある。この水溶液に含まれるイオンの濃度を測定したとこ
ろ,カリウムイオン78.0g/L,マグネシウムイオン12.0g/L,乳酸イオン
17.8g/L,塩化物イオン142g/Lであった。なお,塩化カリウム,乳酸カルシウ
ム,塩化マグネシウム,塩化ナトリウムは,水中で完全に電離しているとする。
乳酸イオンのイオン式は,CH3CH(OH)COO- である。
問 1 水中におけるカリウムイオン,マグネシウムイオンのモル濃度を,それぞ
れ有効数字�桁で答えよ。濃度の単位はmol/Lとする。
問 2 水中におけるカルシウムイオン,ナトリウムイオンのモル濃度を,それぞ
れ有効数字�桁で答えよ。濃度の単位はmol/Lとする。
問 3 この水溶液�Lを調製するために要する塩化カリウム,塩化マグネシウ
ム,塩化ナトリウムの質量を,それぞれ有効数字�桁で答えよ。
問 4 この水溶液�Lに少量ずつ水酸化ナトリウム水溶液を加えたとき,水酸化
マグネシウムと水酸化カルシウムが沈殿し,水酸化カルシウムの飽和水溶液
となった。水溶液中のマグネシウムイオン濃度はゼロ,水酸化カルシウムは
1.70gが水に溶解していると考えたとき,生じた沈殿物の質量を,有効数
字�桁で答えよ。
問 5 問�で生じた沈殿をろ過により取り除いたのち,この水溶液に二酸化炭素
を通じると白濁した。この白濁は何の白色沈殿か,化合物名を答えよ。
― 19 ― ◇M3(729―60)
問 6 問�で生じた沈殿をろ過により取り除いた。ろ液中で最もモル濃度の高い
陽イオンと,その炎色反応の色を答えよ。
― 20 ― ◇M3(729―61)
� 次の~の実験について,問�~問�に答えよ。
炭素,水素,酸素からなる化合物 Aに,水酸化ナトリウム水溶液を加える
と,�つの化合物に加水分解した。得られた溶液にジエチルエーテルを加える
と,エーテル層と水層に分離し,エーテル層には化合物 Bが含まれていた。
一方,水層に希塩酸を加えると,化合物 Cの結晶が析出した。
化合物 Bについて調べたところ,その分子式は C4H10Oであることが分
かった。化合物 Bにナトリウムを加えると,気体 Dが発生したことから,化
合物 Bはエーテルではなくアルコールであることが分かった。硫酸で酸性に
した二クロム酸カリウム水溶液によって化合物 Bを酸化すると,ヨードホル
ム反応は示すが銀鏡反応は示さない化合物 Eが生成した。
化合物 Cについて調べたところ,その分子量は122で,ベンゼン環を含む
ことが分かった。化合物 C30.5mgを完全燃焼させたところ,水13.5mgと
二酸化炭素77.0mgが発生した。化合物 Cの結晶は,炭酸水素ナトリウム水
溶液を加えると溶解し,気体 Fが発生した。
問 1 気体 Dと気体 Fは何か,それぞれ分子式で答えよ。
問 2 一般的に C4H10Oで示されるアルコールは,鏡像異性体(光学異性体)も
含めて何種類の異性体が考えられるか答えよ。
問 3 化合物 Cの分子式を答えよ。
― 21 ― ◇M3(729―62)
�������
問 4 化合物 A,B,C,Eの構造式を,記入例にならって記せ。なお,不斉炭
素原子には*印を付けること。
[構造式の記入例]
C
C
O
O
C
H
HH 3 C CH 2
CH CH 2 CH 2 OH
CH 3
*
問 5 鏡像異性体(光学異性体)に関する以下の文章のうち,誤っているものを記
号~から�つ選んで答えよ。
鏡像異性体の原子の立体的な配置は,鏡に対する実像と鏡像のような関
係であり,重ね合わせることができない。
鏡像異性体は,融点,沸点,密度はほとんど同じだが,化学反応性は大
きく異なる。
鏡像異性体は,味やにおいなど,生物に対する作用が異なることがあ
る。
鏡像異性体は,偏光の偏光面を回転させる性質が異なる。
タンパク質を構成する α―アミノ酸の全てに,鏡像異性体が存在する。
― 22 ― ◇M3(729―63)
� 次の文章を読み,問�~問�に答えよ。
人工的に合成された高分子化合物を合成高分子化合物という。用途によって,
合成樹脂,合成繊維,合成ゴムなどに分類される。ビニル基を持つ化合物を付加
重合させて得られる合成樹脂は一般的に熱可塑性樹脂であり,ポリエチレン,ポ
リ塩化ビニルの他に, ア がある。合成繊維の中で,付加重合によって合
成されるものにはビニロンがある。ビニロンは日本初の国産合成繊維である。酢
酸ビニルを付加重合させてポリ酢酸ビニルとし,これを水酸化ナトリウムで加水
分解して,ポリビニルアルコールをつくる。ポリビニルアルコールは水に溶けや
すいが, イ 溶液と反応させると ウ 化し,水に溶けにくいビニロ
ンが得られる。
問 1 ア に入りうる化合物を下から�つ選んで答えよ。
{フェノール樹脂,ポリエチレンテレフタラート,ポリプロピレン,メラミ
ン樹脂,ポリアクリロニトリル,ポリメタクリル酸メチル}
問 2 ポリエチレンには高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンがある。それ
ぞれの性質の違いを, 透明度, 柔らかさ, 分子の枝分かれ構造の
量, 結晶領域の量について,以下の言葉の中から適切な語句を選んで答
えよ。
{透明,不透明,かたい,やわらかい,多い,少ない}
問 3 合成樹脂のうち,尿素樹脂などの熱硬化性樹脂が得られる一般的な重合反
応名を答えよ。
― 23 ― ◇M3(729―64)
問 4 下線部の構造式を記入例にならって記せ。重合度は nとする。
[構造式の記入例]
N
H
C
O
(CH 2 )5
n
問 5 イ に入る化合物を示性式で答えよ。また, ウ に入る適切
な語句を答えよ。
問 6 ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の40%が ウ 化した際のビ
ニロンの平均分子量を有効数字�桁で答えよ。平均重合度は100とする。ま
た,途中の計算過程を示して答えよ。
― 24 ― ◇M3(729―65)
��
��
� 次の文章を読み,以下の設問に答えよ。
1590年ころオランダの眼鏡職人のヤンセン親子により,複数のレンズを組み
合わせた が発明され,多くの生物の観察に用いられたが,当初の倍率
は数十倍程度であった。1670年代にオランダの商人であった は,倍
率が200倍に達する単レンズ式の を制作し,様々な生物を観察した。こう
1683年にはヒトの歯垢を観察し,その中に多くの微小動物が力強く,素早く動
いていると報告した。これが細菌の初めての観察報告となった。
ウーズは,メタン生成細菌菌体内の の小サブユニットを構成する
rRNAの塩基配列を他の生物と比較した。その結果,メタン生成細菌を含む生物
群は,核膜で包まれた核を持つ生物群と近縁で,
大腸菌や枯草菌を含む生物群
とはむしろ遠縁な関係にあることを見いだした。これら�つの生物群は,
より上位の分類階級のドメインとして位置づけられた。
問 1 ~ に適切な語句を入れよ。
問 2 人物 は細菌の他に動物の雄がつくる配偶子を初めて観察したと
される。この配偶子を何と呼ぶか,記せ。
生 物
― 25 ― ◇M3(729―66)
問 3 ウーズが提唱した下線部,,の�つのドメインをそれぞれ記せ。ま
た,これらドメインの系統関係は起源生物を仮定してどのように表せるか。
回答欄,,と 起源生物 を例の系統関係にならって実線で結び表
せ。
例
ヒ ト チンパンジー
共通祖先
ボノボ
問 4 進化により新しい種ができたり,�つの種が複数の種に分かれたりするこ
とを種分化という。このうち異所的種分化はどのような場合におこると考え
られるか,50字以内で説明せよ。
― 26 ― ◇M3(729―67)
� 呼吸と代謝に関する次の文章を読み,以下の設問に答えよ。
真核生物では,細胞の活動に必要なエネルギーをアデノシンにリン酸が結合し
た化合物,すなわち という形で利用している。 は細胞内に
おいて,「呼吸」と呼ばれる一連の反応経路によって生成される。呼吸では基質と
して , , が用いられる。このうち基質として最
も代表的なものは に分類される糖類の である。
呼吸の化学反応は細胞質基質および,細胞小器官の で行われ,以下
のように簡易的に図式化できる。
+ O2 → CO2+ H2O+エネルギー
この反応は,細胞内で起こる順に , , という
三つの過程に分けることができる。
人体においては摂取した は小腸から吸収され血液中を輸送される。
血液中の を, という。 は の濃度を下
げるための唯一のホルモンであり, を細胞に取り込む際に必要であ
る。
糖尿病では の分泌を担う,すい臓の 細胞が傷害され,
の分泌が不足するため を細胞に取り込むことができなくな
り,様々な問題を引き起こす。糖尿病の治療においては,不足している
を補うことが最も重要である。現在の治療では を定期的に
注射し続ける必要があるが,iPS細胞を用いた再生医療の今後の発展により,
の定期的な注射の必要がないような糖尿病の根治療法が開発されるこ
とが期待されている。
問 1 ~ に当てはまる適切な語句を答えよ。
問 2 , , の内, の内部で行われる
過程をすべて答えよ。ただし問�で答えた語句を用いよ。
― 27 ― ◇M3(729―68)
問 3 , , の内,発酵の過程にも共通する過程
をすべて答えよ。ただし問�で答えた語句を用いよ。
問 4 と逆に, の濃度を上昇させる作用を持つホルモンを
二つ答えよ。
問 5 下線部のような治療法では,iPS細胞をどのように利用すると考えられる
か。「iPS細胞」の語句を用いて簡潔に説明せよ。
― 28 ― ◇M3(729―69)
� ヒトの ABO式血液型に関する次の文章を読み,以下の設問に答えよ。
赤血球の表面の凝集原 A,Bと血しょう中の凝集素 α,β の有無によって,血
液型は�種類(表現型:A,B,AB,O)に分類され,Aと α,Bと β が同時に存
在すると凝集が起こる。一方,この血液型の遺伝は�つの遺伝子(A,B,O)に
よって支配され,これらの遺伝子は同一の遺伝子座に存在する。遺伝子 Aおよ
び遺伝子 Bは遺伝子 Oに対して優性であるが,両遺伝子は不完全優性の関係に
ある。
問 1 一郎,二郎,三郎,四郎の�人からそれぞれ採血して得た赤血球と血しょ
うをスライドガラスの上で混ぜたところ,下表に示す結果となった。一郎の
血液型が B型のとき,他の�人の血液型を表現型で答えよ。なお,表中の
+,および-はそれぞれ赤血球が凝集したこと,および凝集しなかったこと
を示す。
血しょう赤血球
一 郎 二 郎 三 郎 四 郎
一 郎 - + + -
二 郎 + - + -
三 郎 - - - -
四 郎 + + + -
問 2 問�の一郎と血縁関係にある母親は A型,血縁関係にある父親は AB型
であった。一郎と母親の血液型を遺伝子型で答えよ。
問 3 下線部のように,�つの形質に関して�つ以上の遺伝子が関係するとき,
このような遺伝子を何というか答えよ。
― 29 ― ◇M3(729―70)
問 4 �種類の血液型の子が全て生まれる可能性がある両親の血液型の組み合わ
せを表現型と遺伝子型で答えよ。
問 5 A型の男性と AB型の女性との間に生まれる可能性のある子の血液型を表
現型で全て答えよ。
問 6 A型と B型の両親から生まれてくる子における各血液型の比率はどのよ
うになると推定されるか答えよ。ただし,各血液型の遺伝子の出現頻度は等
しく,遺伝子 A,B,Oはそれぞれ独立して存在するものとする。
― 30 ― ◇M3(729―71)
� 次の文章を読み,以下の設問に答えよ。
〔A〕 生態系を構成する生物群集は,食物連鎖の段階が同じものを,生産者,一
次消費者,二次消費者などの栄養段階で分けることができる。図�は,栄養
段階ごとに生態系のエネルギー量を示したもので,( )内の数値がそれ
ぞれのエネルギー量の相対値である。
ある栄養段階で利用されるエネルギー量が,前の栄養段階のエネルギー量
のどれくらいの割合に当たるかを示したものをエネルギー効率という。栄養
段階から次の栄養段階へ,全てのエネルギーが移動することはできないた
め,エネルギー効率は100%にならない。全エネルギーが移動できない理
由の一つとして,ある栄養段階の生物体量の全てが次の栄養段階に摂取され
るわけではないことが挙げられる。例えば,植物食性動物は植物の全ての部
分を食べるわけではない。
①(1)
現存量
死亡・枯死量
二次消費者 (2)③(2)
②( 5.8 )
④( 2.2 )
①( 17 )
現存量一次消費者 ( 10 )③( 14 )
②( 13 )
④(6)
①( 300 )
現存量生産者 ( 10 )③( 80 )
②( 60 )
光合成に使われたエネルギー( 450 )
死亡・枯死量
死亡・枯死量
⑦
⑦
⑥⑤
入射光( 500000 )
図�
― 31 ― ◇M3(729―72)
問 1 図�の~はそれぞれ何を示したものか。最も適切な語を下の語群から
選び,記号で答えよ。
� 不消化排出量 � 純生産量 � 被食量 � 同化量
� 総生産量 � 呼吸量 成長量
問 2 この生態系における生産者,一次消費者,二次消費者のエネルギー効率は
それぞれ何%になるか計算せよ。
問 3 下線部の理由の他に,栄養段階の間で全てのエネルギーが移動することが
できない理由を一つあげ,40字以内で答えよ。
― 32 ― ◇M3(729―73)
〔B〕 ある捕食者が特定の被食者のみを食物とし,被食者がその捕食者のみに食
べられている場合,一般に捕食者と被食者の個体数は周期的に増減すること
が多い。両者の個体数の増減を模式的に表すと図�の曲線ク,ケのようにな
る。また,増減の�周期は A,B,C,Dの�つの期間に分けることができ
る。
この�つの周期を捕食者と被食者の増減関係として表すために,横軸を被
食者個体数,縦軸を捕食者個体数にして示すことを考えた(図�)。図�の
との線で区切られた�つのマスが A~Dのいずれかの期間を表す。ま
た,の線は被食者個体数の増減がないときの捕食者個体数,の線は捕食
者個体数の増減がないときの被食者個体数を示す。
クコ
サ
シ
ス
セソ
ケ
A B C D
個体数
時間
図�
多少
多
少
被食者個体数
捕食者個体数
⑧
⑨
図�
― 33 ― ◇M3(729―74)
問 4 図�で,捕食者と被食者を示す曲線はクとケのどちらか,記号で答えよ。
問 5 図�のとの線で示した個体数は,図�の横線コ~ソのどの個体数に相
当するか,記号で答えよ。
問 6 A~Dの期間はそれぞれ図�のどのマスに相当するか,解答欄の図の
( )内に記せ。また,A~Dの期間の捕食者個体数と被食者個体数の増
減の向きを示す矢印をタ~ヌの中から選び,解答欄の図の各マス内に一つず
つ記せ。
タ チ ツ テ ト ナ ニ ヌ
― 34 ― ◇M3(729―75)
� 体細胞分裂に関する次の文章を読み,以下の設問に答えよ。
体細胞分裂には「間期」と「分裂期」という�つの時期があり,�つの母細胞が分
裂して�つの娘細胞になるまでの期間を細胞周期という。核が明瞭に見える「間
期」では DNAの合成が行われる。一方,染色体が観察できる「分裂期」には間期
に合成された DNAが�個の娘細胞に均等分配される。
〔A〕 タマネギの根を用いて体細胞分裂像を観察するための実験を行った。
�~�cm程度に発根したタマネギの根を酢酸オルセイン溶液にて染色
し,染色体の状態を観察しやすくした。�人の生徒(a,b,c)が体細胞分
裂像を顕微鏡で観察した際に,�人別々の箇所をデジタルカメラで撮影し,
間期および分裂期の細胞数を計測し,表にまとめた。
問 1 最も体細胞分裂が盛んな箇所を計測したのは生徒a,b,cのうちだれ
か。a~cから一つ選び,記号で答えよ。また,その箇所はタマネギの根の
どの部分に相当するのか。適当だと思う箇所を図の�~�から一つ選び,記
号で答えよ。
生 徒 間期の細胞数 分裂期の細胞数
a 72 18
b 148 2
c 19 31
エ
ウ
イ
ア 茎側
根冠
― 35 ― ◇M3(729―76)
問 2 細胞周期が進む中で,核�個あたりに含まれる DNA量(相対値)の変化を
図示せよ。
間期 間期分裂期
0
4
3
2
1
核1個あたりのDNA量(
相対値)
G 1 期ア
G 1 期オ
S 期イ
G 2 期ウ
M 期エ
ぼうすいたい ぼうすい
問 3 染色体は分裂期の中期に紡錘体の中央面である赤道面に整列した後,紡錘たい ぼうすいたい
体の動きに連動して細胞の両極へと移動する。紡錘体を構成する微小管は,
あるタンパク質が一方向に連なって管状構造を形成したものである。あるタ
ンパク質とは何か,その名称を答えよ。
問 4 体細胞分裂の過程で染色体が移動したり,細胞がくびれて細胞質分裂でき
るのは細胞骨格に沿って運動する,ある種のタンパク質が働いているからで
ある。細胞内の物質輸送にも関わる,ある種のタンパク質の総称を何と呼ぶ
か答えよ。
― 36 ― ◇M3(729―77)
現在,日本人の死因の第一位である「がん」とは細胞周期の制御機構に問題
が生じた「がん細胞」が体内で異常増殖する病気である。がんに対する薬物治
療では体細胞分裂を停止させる治療薬が開発されており,特に微小管の働き
を阻害する微小管阻害薬は,治療の現場において多くのがんに対して効果を
発揮する。しかし,微小管阻害薬を用いる薬物治療では重篤な副作用のため
に治療中止や用量低減を余儀なくされる場合がある。
〔B〕 ヒト由来がん細胞を用いて体細胞分裂を阻害する物質を探索するための実
験を行った。
アミノ酸などを豊富に含む特殊な培養液を用いて,あるヒト由来がん細胞
を�枚のプラスチックシャーレ内で,37℃で培養した。このうち,�枚の
プラスチックシャーレにそれぞれ,ろ胞ホルモン,ろ胞ホルモン受容体に対
する阻害薬,微小管阻害薬を振りかけ,残りの�枚には何も振りかけなかっ
た(無処理群)。その後,�枚のプラスチックシャーレ内の生きた細胞数を
24時間ごとに計測し,その結果をグラフとしてまとめた(下図)。
ろ胞ホルモン
微小管阻害薬
ろ胞ホルモン受容体に対する阻害薬
無処理群
時間
細胞数
0 24 48 720
30000025000020000015000010000050000
問 5 微小管阻害薬の標的を,問�にある細胞周期の�G�期,�S期,�G�期,
M期,G�期から一つ選び,記号で答えよ。
― 37 ― ◇M3(729―78)
問 6 今回の実験に用いたヒト由来がん細胞はどの臓器から採取されたと考えら
れるか。想定される臓器を次の�~�からすべて選び,記号で答えよ。
� 肺 � 甲状腺 � 肝 臓 � すい臓 � 腎 臓
� 小 腸 大 腸 子 宮 � 卵 巣 � 精 巣
問 7 今回の実験における培養温度を37℃から31℃へ変更した場合,無処理
群のヒト由来がん細胞の増殖速度と,微小管阻害薬の効果はどのように変化
するか。次の�~�から一つ選び,記号で答えよ。
� 無処理群の増殖速度は速くなり,微小管阻害薬の効果は強くなる。
� 無処理群の増殖速度は速くなり,微小管阻害薬の効果は弱くなる。
� 無処理群の増殖速度は変わらないが,微小管阻害薬の効果は強くなる。
� 無処理群の増殖速度は変わらないが,微小管阻害薬の効果は弱くなる。
� 無処理群の増殖速度は遅くなり,微小管阻害薬の効果は強くなる。
� 無処理群の増殖速度は遅くなり,微小管阻害薬の効果は弱くなる。
問 8 微小管阻害薬の副作用の�つが末梢神経障害であり,しびれや感覚障害,
痛みなどの症状を伴う。その原因を説明する以下の文章中の ~
に入る最も適切な語句を次の�~�から一つずつ選び,記号で答
えよ。
微小管阻害薬が,神経細胞の 微小管に結合することで
の発育や,その内部でのタンパク質輸送が阻害され,
による の伝導などに支障が生じるため,末梢神経障害を引き起こ
す。
� 核 � 活動電流 � 活性酸素 � 興 奮
� 軸 索 � シナプス 樹状突起 静止電位
� 熱エネルギー � ランビエ絞輪
― 38 ― ◇M3(729―79)