SEMINAR ON ECOSYSTEM RESTORATION CONCESSIONS IN INDONESIAResearch Instute for Humanity and Nature (RHIN) & Institute for Global Environmental Strategies (IGES)

Lobby meeting room - Embassy of Indonesia in Tokyo - 15 June 2017

生態系修復コンセッション制度の現在の運営と課題

リンバ・ラヤ・コンサベーション - ERC

中央カリマンタン

インドネシア

RRC

リンバ・ラヤ生物多様性保全プロジェクト

リンバ・ラヤは、VCS基準の下REDD+の妥当性確認を受けた第1号プロジェクトである。以降のプロジェクトが測定される基準設定にも貢献した。リンバ・ラヤは、CCBA基準の下、トリプルゴールドの妥当性確認を受けた世界で初めてのREDD+（森林保全、森林炭素蓄積）プロジェクトであもある。

本プロジェクトは現在、VCS承認の方法論である VM0004泥炭湿地における計画土地利用転換の回避による土地保全プロジェクトを対象とした方法論、バージョン1 を採用している (VCS, 2011）。

インドネシア・中央カリマンタンのリンバ・ラヤ・コンサベーション社の

位置

リンバ・ラヤ・コンサベーション社は、政府機関、NGO、その他の団体とのパートナーシップ・支援を通じて現場の泥炭地生態系修復活動を実施している

Tanjung Puting NP Seruyan District Central Kalimantan Province

Orangutan Foundation InternationalInfinite Earth World Education

“No president, not the smartest, best human being in the world can do it alone, You can not take on

this.......” (Bernie Sanders)

KOMPAS DAILY NEWS 28 OCT 2015: Kerusakan Gambut - Restorasi Puluhan Triliun

Disiapkan….(“PEATLAND DEGRADATION: Trillions rupiah prepared for restoration”)

Trillons Rp ............. Trillions Y.... (Japanese Yen)

1. Vice President Yusuf Kalla: ..“What we can

do” .. Peatland restoration is one solution to

mitigate forest & land fires…

2. “Clearly .. VP-Kalla stated that..’GOI made

double mistakes. Firstly, allowing to open

1million hectares peat-land as mega-rice

project, secondly, giving permit to cultivate

peatland areas as palm oil plantations ...”

3. “Repeated of peatland and forest fires in 18

years caused a heavy smoke haze... it

revealed that peatlands is not suitable for dry

crop cultivations. Restoration ecosystem and

re-wetting of peatlands shold be done to ensure

the peat does not turn into fuel when the

drought arrives”.

4. GoI pronounced Regulation No 57 year 2016 on

‘Protection and Management of Peatland

Ecosystem’ followed by MoEF decree no. 16

year 2017 on ‘Peatland Ecosystem Restoration’

(Pedoman Teknis Pemulihan Fungi Ekosistem

Gambut).

PEATLAND DEGRADATION

MONGABAY 11 February 2015

Indonesia kills first-of-its-kind REDD+

Agency

Indonesia dissolves agency

charged with forestry reform

11 February 2015 / Loren Bell

The world’s first cabinet-level ministry dedicated

implementing REDD+ has been dissolved

Indonesian Presidential Decree No. 16/2015 the

known as BP REDD+, along with the National

Climate Change (DNPI), has been absorbed into

merged Ministry of the Environment and Forestry

as part of a massive government restructuring.

MOF Reg. No. 48/2014:

Ecosystem restoration is an act to restore

ecosystems that have been degraded in the

form of reduced land cover, ..disruption of

wildlife status, .. through the act of planting,

rehabilitation of water bodies .., habitat and

population restoration for the purpose of

achieving equilibrium of biological natural

resources and its ecosystem near its

original condition.

What are peatlands? 泥炭地

(Wetlands International, 2006): Peat is undecomposed

plant material that acuumulated over thousands of year.

Due to absence of oxygen in water-saturated

environments, the decomposition of this material has

been halted.

Sources : blogs.helsinki.fi/jyjauhia (2012) Story of permanently drained tropical peatland

Major peat areas in Peninsular Malaysia, Sumatra, Borneo and Papua

リンバ・ラヤ・コンサベーション社泥炭地分布と炭素調査トランセクト図（2009年）

Wetlands International（2004

年）によるリンバ・ラヤお

よびTanjung Putting国立公園

の泥炭図。炭素評価調査ト

ランセクトを記録した2009

年の地上調査計測が示され

ている。予想に反し、泥炭

は調査対象の全トランセク

トにおいて比較的深く、泥

炭深度測定の67%にて約5

メートルの探針以上であっ

た。平均深度は4.5メートル

であった（PDD、リンバ・

ラヤ生物多様性保全プロ

ジェクト、2011年）。

Tanjung

Puting

National

Park

Rimba

Raya

Conser

-vation

Project

リンバ・ラヤ・コンサベーション社のビジョンと使命

(in line with and based on the decrees given by the Ministry of Forestry, 2013)ビジョン気候変動緩和策として森林資源の持続可能な機能を維持・可能にし、生物多様性の生態系に有益なバランス、および、社会のさらなる繁栄を創造する。

使命

樹木や保護された泥炭地と共に、炭素吸収源・炭素蓄積源として世界の肺のように機能する森林を維持、保護、構築し、森林の生物多様性全体および社会にとって森林の生態系がよりよい生命の源となるようそのバランスを確保する。

中心的な活動リンバ・ラヤ・コンサベーション社は、インドネシアの森林生態系修復コンセッション（ERC）における一流民間企業であり、次に関する3種の活動を行っている:

• 気候変動• コミュニティ開発• 生物多様性保全

.本プロジェクトは、中央カリマンタン州スルヤン県の劣化した泥炭森林地帯の修復・保全を主要課題とするプロジェクトである。

リンバ・ラヤ・コンサベーション社の主な活動は、森林省より受けたERCライセンス（2013年省令第SK146号および第735号）に則って実施する保全および修復プログラム（泥炭地林）である。同プログラムは、森林破壊や森林劣化の状況にある森林地帯の保全と再生活動の形で行う。具体的には、持続可能な森林経営に基づく植林やERC修復における財政的便益の獲得、また地域住民のエンパワメントを実施する。

泥炭湿地の生態系保全における生態系修復コンセッションの経験と課題

スルヤン県地域計画図（2013年）と比較したモラトリアム措置図（森林コンセッション許可の一時的な禁止措置）

Tanjung

Puting

National

Park

MORATORIUM map of the year 2013(sheet no. 1512 Central Kalimantan)

MORATORIUM map of the year 2012(sheet no. 1512 Central Kalimantan)

Tanjung

Puting

National

Park

Tanjung

Puting

National

Park

Rimba

Raya

Conser

-vation

Project

ERC-リンバ・ラヤ・コンサベーション社の活動地域のランドサット衛星画像（2015年）

Rimba

Raya

Conser-

vation

Project

64.000 Ha

Tanjung Puting

National Park

415.040 Ha

Tanjung

Puting

National

Park

Rimba

Raya

Conser

-vation

Project

Palm oil plantations Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil

planta-

tions

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil plantations

Palm oil

planta-

tions

Tanjung Putting 国立公およびリンバ・ラヤ保全社のコンセッション地域は、放棄されたかつての伐採コンセッションで（HPH-logging concessions PT. Hesubazah and PT. Mulung Bas Sidi）、周辺にはヤシ油プランテーション（森林地から転換したもの、或いはコミュニティのヤシ油）が並んでいる。

村落 :1. Ulak Batu –人口 235人, 72世帯2. Palingkau –人口 225人, 64世帯3. Telaga Pulang –人口 1,876人, 455世帯4. Cempaka Baru -人口562人, 152世帯5. Baung -人口1,735人, 347世帯6. Muara Dua -人口533人, 140世帯7. Jahitan -人口693人, 293世帯8. Tanjung Rengas -人口1,154人, 280世帯9. Sungai Perlu –人口112人, 31世帯10. Pematang Limau –人口2,269人、632世帯全10村はセルヤン川沿いに位置する。住民の職業はヤシ油労働者（21%）、漁師（12%）、農家（3%）政府職員或いは村落行政官（2%）で、この他に非森林木材製品回収者、助産師、季節労働者、大工、運転手、整備工、商人、教師、牛飼育者といった季節労働に就いている。全世帯の40%が「貧困層」、15%は「中間層」と分類されている（WorldEducation、2014年）

ERC-リンバ・ラヤ・コンサベーション社活動市域周辺の10村落の社会的ベースライン

(World Educationによる取りまとめ, 2013・2014年)

リンバ・ラヤ・コンサベーション社組織図

PRESIDENT DIRECTOR

VP FOR GOVERNMENT &

PUBLIC RELATIONS

ADMINISTRATION

DIRECTOR

PROGRAM DEVELOPMENT

DIRECTORTECHNICAL DIRECTOR

CONCESSION MANAGER

SERUYAN

BIODIVERSITY COORDINATORCLIMATE COORDINATORCOMMUNITY DEVELOPMENT

COORDINATOR

NORTH UNIT MANAGER

(Ulak Batu, Telaga Pulang, Palingkau,

Cempaka Baru) = 4 Desa

CENTRAL UNIT MANAGER

(Muara Dua, Jahitan, Baung, Tanjung

Rengas) = 4 Desa

SOUTH UNIT MANAGER

(Sungai Perlu, Pematang Limau, Kuala

Pembuang I, Kuala Pembuang II, Sungai

Undang dan Persil Raya)= 6 Desa

GENERAL MANAGER

PROJECT DEVELOPER

INFINITE EARTHRUPS (SHARE HOLDERS)

Total manpower in 2016 = 79 (Jakarta 7 personal, 72 field staf in 3 managementt units

環境林業省に提出の成果品:環境影響評価（EIA）, 森林調査、森林境界線報告書, 10年間管理計画・年間管理計画

「ERC運営計画」に関する発表（環境林業省本部 –持続可能な森林管理総局、於ジャカルタ市）

GCF（緑の気候基金）森林生態系プログラムプロポーザルに対する中央カリマンタン州知事の承認（2017年1月31日、於中央カリマンタン州Palangka Raya）

プロジェクト・デザイン・ドキュメント（PDD）、プロジェクト認証報告書、MRV報告書

PDDに基づく行動計画

1. リンバ・ラヤ・コンサベーション社（RRC）は14村落の村落開発・改善に向けた積極的かつ責任ある関与を認識している。

2. 環境負荷の少ない調理用コンロのパイロットプロジェクト 調理用コンロ100台を試行的に供与。

3. ウォーターフィルター供与 1,400枚を対象村落に供与

4. 地域の植林 2016年までに、RRCは様々な種類の25万本以上の木を植林。

5. 周辺のオイルパーム開発からの運河の閉鎖（運河遮断）

6. プロジェクト対象地域の境界設定

7. スルヤン県内の1村落および2郡への寄付

8. 森林モニタリング体制の構築

9. 地域森林パトロールの設立

10. 現場スタッフに対する森林火災訓練実施

11. 生物多様性モニタリングおよび泥炭水位管理

12. 気候変動およびREDD+のソーシャライゼーション

13. オラウータンリリースに係る調査

14. オラウータンリリースキャンプ整備

15. ERCライセンス期間（60年間）にオラウータン300頭をリリース

16. 国際オラウータン財団（Orangutan Foundation International）の協力を得て2017年に10頭以上をリリース

17. モニタリングタワーおよび森林火災監視所整備

18. 生態系修復プログラムに関し14村落との調整を経て早期フィードバックを達成

19. 地域住民の雇用

20. 森林現場の技術スタッフの雇用

21. 環境林業省および州森林庁に提出する定期報告書

22. 関係者会合およびERCライセンス取得者間の協力

23. Infinite Earthパートナーによる森林炭素マーケティングおよびモニタリング

PDDに基づく行動計画

協力と課題(1)

• Bapak Sudarsonoスルヤン県知事から100%の支援を得ている。知事は、RRCの実績は現在のところ優れており、地方政府がRRCに協力すべきであると述べた。

• 全村落がRRCを全面的に支援。2016年までに9村がRRCと村落合意書（Village Agreement：VA）を取り交わしている。同合意書には、村落は持続可能な森林維持と生態系修復における連携に合意するという文言が盛り込まれている。

協力と課題(2)• 「エルニーニョ」のように地域に非常に長期の干ばつ

をもたらしかねない気候変動の影響に対しては、森林火災の脅威を最小限に抑える「追加的努力」を必要とする

• 違法行為の多発地域における厳格なパトロール体制や監視所の設置、および、地域当局との密接な調整を通じ、現場の不法伐採といった違法行為を最小限に抑えるよう努力している。

スルヤン県におけるソーシャライゼーション（2014年2月）

村落資金供与村落開発を目的とした「奨励資金」としてプロジェクト地域の10村に対し4,000万ルピア（35万円）を供与。村落住民の承認を得ている。

境界線画定会合PALANGKARAYA, AUGUST 2014 AND FEBRUARY 2015 (SIGNING)

スルヤン県知事との会合南ユニットにおける「違法伐採」に関し（2014年11月）

ビル・クリントン氏の訪問 – 2014年7月

コミュニティへのウォーターフィルター配布1,400枚以上を住民に配布

「船上クリニック」の開設およびウォーターフィルター配布のためのコミュニティ開発計画

村落に対する太陽光パネルおよびランプの配布

環境林業省による監査（2014年・2015年）

VCS & CCB AUDIT (2014 & 2015)

オラウータンリリース（2017年2月および5月）

TRANSECTS

T – 01PALINGKAU

T – 02CEMPAKA BARU

T – 07S. BAUNG

T – 08BAUNG-JAHITAN

T – 03SUNGAISIGINTUNG

T – 04TATAH DIDI

T – 05BATU HIRANG

T – 06BENGALUN

生物多様性および泥炭モニタリングのトランセクト

現場における成果（2014年-2015年）コミュニティ開発の優良事例 – Ulak Batu 村およびMuara Dua 村における苗床および植林

Sekolah lapang siswa (学生の現場学校) 活動

コミュニティ開発 – 廃棄物銀行

住民や学童が使用済みプラスチック資材と金属性廃棄物の回収に参加。今後再利用される。

リンバ・ラヤ・コンサベーション社による村落学校に対する児童支援プログラム

MUARA DUA村におけるコミュニティ村落共同組合住宅設立2015年に世銀国際金融公社（IFC）評価チームによる訪問時

コミュニティ開発の優良事例 – 村落女性住民のエンパワメント

Garbage Bank Consultant’s workshop on developing a small business from repurposing trash.

現場における成果（2014年〜2016年）

コミュニティ開発の優良事例 – Terasi Zuper (Sungai Perlu村におけるトラシ（発酵えびペースト）製造）

現場における成果（2014年〜2015年）

Fish pond activity in PALINGKAU village

Palingkau村におけるコミュニティ養殖用池の設置

現場における成果（2014年〜2016年）

Tanjung Rengasにおける村落資金の有効活用例：牧畜に利用

森林火災危険度、移動式森林火災消火装置、ミニ気象観測所

国立公園との協力によるモニタリングおよび現場パトロール

ドローン撮影によるERC対象地域概観南ユニット管理活動地域（Sigintung港近く）にて「違法伐採」

を発見

現場の生態系修復におけるERCの課題

1. 永久的な活動地域：REDD+プログラムとの関連では、泥炭地修復実施において重要

2. 地方政府（州および県当局）やERC対象地域周辺のコミュニティの全面的な協力は、ERCプログラムを現場で実施するための「必須」条件である

3. 劣化した森林泥炭地の修復のために活動地域の保護および地域の樹種の植林、および、関係者と連携し現場におけるモニタリングを継続すべきである

4. 「生計プログラム」と組み合わせ、「相互協力」（即ち、苗床の設置、苗木生産、現場の植林）を伴った地域住民（プロジェクト対象村落）のエンパワメント

5. 代替生産活動についての提案。例えば、地域住民が森林地侵食を回避し、森林地とその環境を損ねることなく地域の経済活性化を促進するための「コミュニティ開発プログラム」。

6. 劣化した泥炭地の修復には時間と多大な努力が必要

7. 安定的な資金調達の難しさ。荒廃した森林泥炭地には入念な資金投入が必要とされることから、慎重に検証し周到に準備しなければならない。

障害と弱点

1. ERC活動に対する地域関係者の考え方はまちまちである。ERCは「生産森

林地」にて実施されていることから、木材生産を目的と捉える関係者がいれば、木を伐採しない「環境サービス」を目的と考える関係者もいる。

2. 地域におけるERC活動の受け入れは当該地域の政策に影響されることがある。ERCに関する地方政策は、選挙を機とした県知事の考えの変化に伴って変わることもあり、ERCが長く受け入れ続けられない県もある。

3. 大半が経済活動から離れた遠隔地に位置するERC対象地域は、そのアクセ

スの困難さから、能力においても乏しい。これは、地域経済の活性化を目的とした地域住民の生活の質の向上に影響する。

4. 「エルニーニョ」等の異常気象条件 気候条件における一時的な変化で、気候が温暖化し、泥炭地や森林地域の干ばつに深刻な影響を与える。

5. 炭素クレジットの過剰な供給、および、ERC取得者に対する土地利用税に係る阻害策といった、政府がERC政策を支持する奨励策の欠如の結果、不安定な炭素市場

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