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RCCM試験対策テキスト 全体としての対策 問題1対策 問題2対策 問題3対策 問題4-1対策 問題4-2対策 過去問題と正解・解説 模擬問題

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RCCM試験対策テキスト

● 全体としての対策

● 問題1対策

● 問題2対策

● 問題3対策

● 問題4-1対策

● 問題4-2対策

● 過去問題と正解・解説

● 模擬問題

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全体としての対策

1.試験をよく知り、得点計画をたてよう

RCCMの問題構成および推定配点は、以下のとおりです。

※配点はあくまで推定です。合格基準は平成 15~16 年度試験での基準です。

問題

番号 問題内容

解答

形式 問題数・記述量 割り当て時間 推定配点 合格基準

1 経験論文 論述 2,400 字

B4答案用紙4ページ

2時間

10:00~12:0030~40

2 一般知識 択一

(四択) 40 問 20

3 管理技術 論述 1,600 字

B4答案用紙2ページ20~30

4-1 基礎技術 択一

(四択) 20 問 10

4-2 専門技術 択一

(四択) 20 問中 10 問選択

4時間5分

13:10~17:15

10

各問題 50%以上

and

総合得点 60%以上

このような、複数問題からなり、各問題の最低ラインと、それに少し上乗せした総合得点が必要な試

験は、得点計画をたてて、計画的に準備することをお勧めします。各問題分野の得意・不得意は人に

よって違うと思いますが、最も一般的な作戦としてお勧めなのは、以下のような得点計画です。

1. 平均的に取れそうな人向け

問題番号 推定

配点

目標

得点

見込み

点数 コメント

1 30~40 55% 16~22技術上・管理上の問題点の選び方、対応内容が大きくズレ

ていなければ、取れるはずの得点。

2 20 80% 16 過去問題をしっかり掘り下げ、関連知識をざっと勉強すれ

ば、確実に取れる得点。

3 30~20 60% 18~12問題を予想し、押さえるべき用語・項目を使って文章を整

えておけば、確実に取れる得点。

4-1 10 50% 5 よほど経験則だけで何も勉強していない技術者でなけれ

ば、5割取れないことはないはず。

4-2 10 50% 5 専門分野の基礎テキストや基準・指針・法令等を最低限知

っていれば、確実に取れる点。

(合計) 100 - 60

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もっともスタンダードな得点構成です。目標得点の高さは、出題内容の予想しやすさにほぼ比例

しています。

経験論文は、出題意図を大きく履き違えていなければ十分得点可能なラインです。本書の対策に

沿い、合格論文例を参考にして論文案を作成し、一度添削を受けておけば十分でしょう。

問題3は、答案の骨子あるいは構成を作っておけば、この程度は十分取れます。

2. 経験論文が苦手な人向け

問題番号 推定

配点

目標

得点

見込み

点数 コメント

1 30~40 50% 15~20テーマ、技術上・管理上の問題点が適切であれば、確実に

取れる得点。

2 20 80% 16 過去問題をしっかり掘り下げ、関連知識をざっと勉強すれ

ば、確実に取れる得点。

3 30~20 70% 21~14問題を予想し、押さえるべき用語・項目を使って文章を練

り上げておけば、取れるはずの得点。

4-1 10 50% 5 よほど経験則だけで何も勉強していない技術者でなけれ

ば、5割取れないことはないはず。

4-2 10 50% 5 専門分野の基礎テキストや基準・指針・法令等を最低限知

っていれば、確実に取れる点。

(合計) 100 - 62~60

経験論文になるようなネタが乏しい人、経験論文のコツがつかめていない人などにお勧めの、経

験論文を最低ラインでクリアする場合です。本書の対策に沿い、合格論文例を参考にして論文案

(文章力がある人は骨子・構成まででもよい)を作成しておけば、十分得点可能です。

問題3は、これまでの出題傾向が続く限り、ほぼ完璧に予想できます。そこで、この答案をあら

かじめ作って練り上げ、あるいは覚えて試験に臨む作戦です。

3. とにかく文章を書くのが不得意な人向け

問題番号 推定

配点

目標

得点

見込み

点数 コメント

1 30~40 50% 15~20テーマ、技術上・管理上の問題点が適切であれば、

十分に取れる得点。

2 20 80% 16 過去問題をしっかり掘り下げ、関連知識をざっと勉

強すれば、確実に取れる得点。

3 30~20 50% 15~10問題を予想し、押さえるべき用語・項目を使って文

章を整えておけば、十分に取れる得点。

4-1 10 70% 7 過去問題や類似問題で勉強しておけば、十分可能な

得点。

4-2 10 70% 7 専門分野の基礎テキストや基準・指針・法令等でし

っかり勉強すれば、十分可能な得点。

(合計) 100 - 60

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文章のねじれやダラダラ文、否定の連発など、とにかく何を言いたいのかよくわからない文章に

なってしまう人は、問題1・3は添削によって練り上げた上で暗記して、試験の時はとにかく暗

記内容を転記するだけという状態にしておかないと、なかなか得点できません。ところが、なか

なか丸暗記できなかったりします。そもそも文章が苦手な人は、文字や単語をイメージではなく

記号としてしか捉えていなかったり、文章を「流れ」で捉える感覚に秀でていないことが多いの

で、暗記に際しても、イメージや流れでの暗記ができないため、なかなか覚えられないことが多

いのです。

そういう人は、論述問題は最低ラインに何とか到達するようにして、知識択一問題で点数を稼ぐ

ようにします。ただ、択一問題は配点が低いと思われる一方、あるレベルから上はなかなか取れ

ないようになっています。

問題2は 80%くらいは余裕で到達するでしょうが、それ以上は、ポカミスも考慮すると、なかな

か見込めません。

問題4-1は、広く浅い知識なので、素の実力で6割は取れないと、付け焼刃の知識では7割に

持っていくのはなかなか難しいところです。

問題4-2は、その部門の専門技術者であれば、素の実力で7割程度は取って欲しいところです

が、実はも問題が鬼門になっている受験者の方は多いようです。仕事の合間をぬって、テキスト

になるような本をしっかり勉強する必要があるでしょう。

他の方法に比べれば、勉強が大変ですが、RCCMが欲しいと本気で思うのなら、ここはがんば

りどころです。

得点計画は、まず素の実力を知るところから始まります。過去問題を解いてみるなどして、自分の得

意・不得意を客観的に把握しましょう。

不得意な分野は、勉強しようという気になかなかなれないものです。そういう分野は最低ラインに到

達すればいいと割り切りましょう。多少とも得意な分野、気乗りする分野での得点アップを狙うのが

一番効果的な方法です。

2.問題1は、合格論文を作るコツを押さえよう

いかに契約内容(発注者ニーズ)を正確に把握して、段取りよく実行したかが基本的に問われてい

ます。途中で生じたトラブルの処理能力を問われているのではないことに注意しましょう。

業務遂行上考えられる技術上・管理上の問題点を事前にきっちり把握し、高い技術力と管理力をも

って工程管理し、しっかりした技術的内容の成果品を工期内に納めましたというストーリーを作るこ

とがポイントです。

●技術士ほど高度な創意工夫は不要。指針基準類に従った着実な技術的対応が求められる。

●管理技術力が重視される。コスト・品質・工程管理のいずれかについての問題解決例をあげる。

こういった点をきちんと押さえれば、合格論文を作ることはむずかしくありません。

また、必要に応じて多少の脚色もできます。

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3.問題2は、毎年同じような問題が出るので、過去問題をしっかりと

問題2は、大部分は前年度と同様の問題が出題されます。したがって、過去問題をしっかりやること、

具体的には、正解が何かわかればよいという模試的勉強ではなく、なぜそれが正解なのか、正解知識

の周辺知識も含め、しっかりと勉強することが必要です。もっと具体的には、「他人に対して、各問

題の正解解説ができる」程度になることを目標にします。

さらに、問題2は常識感覚で答えられる問題が多くあります。得点しやすい問題2でできるだけ得点

しましょう。目標は 80%です。熟年技術者諸氏には十分可能だと思います。

覚えることは

●RCCM のこと(受験資格・登録・求められる資質)

●建設コンサルタント登録

●入札形態(公募・簡易公募・一般の区別、プロポの種類と内容)

●標準委託契約約款、共通仕様書

●社会資本整備に関する重要テーマ(コスト構造改革、IT、品質確保、ISO、環境配慮)

●技術者倫理

の6テーマで十分です。最低限、最初の4テーマは自信を持って答えられるようにしておきましょう。

4.問題3は、テーマを絞って答案を作っておこう

問題3は、

●コスト縮減

●アカウンタビリティ

●現場条件や施工に適合した設計

●品質確保

の4テーマに限定して準備しておけば OK と思われます。さらに、これはあくまで前年度までの出題

傾向が続くことが前提ですが、コスト縮減とアカウンタビリティの2つに絞るのも1つの手です。

たとえ新しい出題テーマが混じっていても、上記4テーマのどれか1つはヒットすると思われますし、

3問中1問を選択解答すればいいので、これで十分です。

新しいテーマとしては、効率的な社会資本整備や少子高齢化時代における社会資本整備のあり方、技

術開発などが考えられますが、出題履歴があり設問内容も予想できる4テーマで得点できるのであれ

ば、わざわざ新しいテーマについて勉強する必要はないと考えます。

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5.問題4-1は、やや得意分野・やや不得意分野に集中した勉強を

とにかく過去問をやってみましょう。その結果を採点し、自分の得意・不得意分野を把握しましょ

う。そしてその結果に基づき、以下の4分類を行い、それぞれに応じて対応しましょう。

●本当に得意な分野は勉強しない。時々実力チェックするだけ。

●比較的得意な分野は積極的に勉強・補強して得意分野にする。

●比較的不得意な分野は得点を押し上げられる程度に勉強して底上げする。

●本当に不得意な分野は捨てる。

実力判定→不得意分野の勉強計画・実施を繰り返し、確実に基礎知識の補充をしましょう。資料とし

ては、大学テキスト、2級土木施工管理技士受験テキストなどがお勧めです。また、インターネット

で基礎的用語を調べるのも手であります。

6.問題4-2は、技術指針基準類・類似試験対策資料で勉強を

16 年度から始まったばかりの試験ですが、16 年度の出題傾向が続く保証はありません。各部門の 16

年度分析結果(問題4-2対策ページ参照)をベースにして、次の手順で勉強することが適当ではな

いかと思います。

(1) 過去問題の掘り下げ(他人に正解解説をできる程度になる)

(2) 過去問題出題知識の周辺知識の理解(丸暗記ではなく、理解。他人に説明できる程度を目指す)

(3) 試験で使われそうな部分の集中勉強(数値や似たような用語など)

勉強に際しては、関連テキスト等を決めて、これで行います。専門分野の技術指針・基準等がテキス

トになります。(たとえば河川砂防の河川砂防技術基準、港湾の港湾基準など)

また、類似試験として技術士第一次試験専門科目、一級土木施工管理技士などがあるので、これら

の対策資料で勉強してみるのもいいでしょう。

7.午後の解答順序をよく考えよう

問題番号順にやる必要はない。

わからない問題は飛ばしていけばよい。

ということは、多数の問題を短時間でどんどん解いていく択一式試験の基本です。

問題2や問題4のわかるところを一気にやる→問題3をやる→問題2・4のわからないところをや

るというのが最善の順序でしょう。

問題3を全部やる→問題2・4をやるというのでもいいでしょう。

問題2・4を全部やる→問題3をやるという順序では、問題2・4のわからない設問で悩んでしまう

と、問題3の時間がなくなり、さらにあせりも入るのでよい解答ができにくくなります。

できる問題だけをやっておくと、気分が楽になって調子が出やすいので、その後論述問題にかかると

よいのではないでしょうか。なお、このように得意ジャンルの問題を先に片付けることで集中力が高

まる「特恵効果」というのがあるそうです。

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問題1対策

1.問題の内容

• 実質的な管理技術者・主任技術者あるいは主担当者としての専門分野の業務経験と技術(専門技術・管理技術)水準が問われます。

• 10:00~12:00(2時間) • 2,400 字以内の記述問題 (25 字×32 行=800 字:3枚) • ウェイト:推定30~40%

2.出題傾向

(1) 設問に対する考え方 いかに契約内容(発注者ニーズ)を正確に把握して、段取りよく実行したかが基本的に問わ

れています。途中で生じたトラブルの処理能力を問われているのではないことに注意しましょ

う。

業務遂行上考えられる技術上・管理上の問題点を事前にきっちり把握し、高い技術力と管理

力をもって工程管理し、しっかりした技術的内容の成果品を工期内に納めましたというストー

リーを作ることがポイントです。

また、非常に高度な創意工夫などは特に必要ありません。指針・基準類を熟読し、それを設

計・現場に応用して着実に正しい技術的判断を下すということが RCCM には求められています。

RCCM の経験論文は技術士と似ていますが、こういった点が違います。

●技術士ほど高度な創意工夫は不要。指針基準類に従った着実な技術的対応が求められる。

●管理技術力が重視される。コスト・品質・工程管理のいずれかについての問題解決例をあげ

る。

(2) 出題の一般形 1.あなたが受験しようとする部門について、技術的責任者または担当者として実際に行った業

務の中から3つ選び、それぞれ下記の項目について記述しなさい。(800 字程度)

①業務の名称

②業務の目的

③業務の内容

④あなたの果たした役割

2.前問で記述した3業務のうち1つを選び次の項目について記述しなさい。(1,600 字程度)

①業務の名称

②技術上の問題点とその対応

③業務実施上の問題点とその対応

④現時点での評価

このような3例略記・1例詳述という問題形式は、1999 年度試験から変わっていません(そ

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れ以前は 1例詳述でした)。おそらく 17 年度も変わることはないと思われますが、保証はあり

ません。

3.経験論文の内容

(1) 論文は十分に練りこんでおく その場でテーマからアドリブで考えるのは論外、大筋や章立てだけ決めておいてその場で詳

述というのもまず不可です。十分練った文章を作っておくことが確実です。

作りこんだ文章を丸暗記して機械的に書きまくるか、キーワードを中心に詳細な記述順まで

決めておいて文章に仕立てるかします。接続詞その他文章力があまりない人は前者がいいでし

ょう。

(2) 業務の名称と目的 業務の名称は、必ずしも契約業務名と同じである必要はありません。契約内容をいちいち確

認したりしませんし、何よりも業務内容がわかりやすい業務名が一番です。「道路改良工事そ

の1工事 設計委託業務」などという業務名よりも、「一般県道○○線 道路改良設計委託業

務」のほうがよほどいいです。

業務の目的は、事業目的まで含めて記述します。「私はわけもわからずこの仕事をやりまし

た」というのではなく、事業全体を見渡す俯瞰的視野から業務に取り組むということは、管理

技術者に求められる資質です。

(例○)交通アクセス改善のため、国道A号と主要地方道B線を連結する新設道路が計画され

た。本地質調査は、当該道路詳細設計に伴い、切土部の地山状況確認および盛土部の

基礎地盤状況確認を目的としている。

(例×)○○道路詳細設計にあたり、設計施工の基礎資料を得ることを目的としている。

※目的が漠然としている上、「とにかく道路設計をするというので、私はわけもわからず言

われるままに地質調査を担当しました」という雰囲気の文章になっている。

(3) 業務の内容 略記のみ記述する2例は、問題なくうまくいった事例を、調査設計対象・課題などをよく理

解し、これこれこういうように、正しく対応しました、という書き方にして、詳述する1例に

技術的 and/or 管理的問題があったような事例を持ってくるといいでしょう。複雑な問題がある

と、限られたスペースの中でうまく表現するのがなかなか骨です。かといってあまり単純な業

務はいけません。やはり業務規模・重要度・難易度などの面で、RCCM としてふさわしいレベル

のものを選びます。

また概要だけ書く事例2つを含め、自分の専門分野内でもバリエーションをもたせるとGO

ODです。同じジャンルだけ 3つだと、幅のないヤツととられるおそれがあります。

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簡単に事例(合格論文:土質基礎)を使って説明します。

(1)経験業務

1.業務の名称

○○○○高速道路 △△△△地区 第一次構造物基礎調

2.業務の目的

高速道路新設に伴い、本線約4km 区間の構造物(橋台・

橋脚・盛土)基礎地盤および切土部の地質・土質状況を把

握し、支持層・基礎形式・施工上の留意点等に関する検討、

後続調査計画の提案を行うことを目的とする。

3.業務の内容

(1) 空中写真解析による地形判読および計画路線沿いの

地表地質踏査を行い、調査実施計画を立案した。

(2) 調査ボーリング 23 箇所・室内土質試験 12 試料を実施

し、地質縦断図の作成・地質総合解析を行って、設計・施

工上の問題点を指摘して概略的に検討を加えた。

(3) 調査結果を踏まえて後続調査計画を提案した。

4.私の果たした役割

主任技術者として業務全体の工程を管理するとともに、空

中写真解析・地表地質踏査・調査実施計画策定および地質

総合解析業務全般を担当した。また、発注者側担当者との

協議・地元関係者との連絡調整を行った。

1業務目で、これは略記にとどめる題材で

す。

高速道路の土質調査を取り上げていますが、

高速道路本線ということで、業務の重要度も

アピールしています。

業務目的で、高速道路新設・4km という重要

度と規模、求められている成果の多様さなど

をアピールしています。

この内容部分で、空中写真解析・地表踏査・

多数のボーリングと土質試験・総合解析から

成るレベルの高い地質調査をこなしたとい

うことで、専門技術力をアピールしていま

す。

この部分で、様々な働きをしたことを通して

管理力をアピールしようとしています。

(1)経験業務

1.業務の名称

○○○○○○○○○○○○計画に伴う埋立造成計画設計

委託業務

2.業務の目的

約 25ha の公有水面埋立造成工事に伴う、軟弱粘性土地盤

の土層構成および性状把握・沈下予測検討・対策工法の概

略検討・後続調査計画および動態観測を中心とした情報化

施工の立案を目的とする。

3.業務の内容

(1) 調査ボーリング(海上)14 箇所・ダッチコーン約 30

箇所を実施し、埋立計画地の土層構成を想定した。

(2) 室内土質試験約 40 試料を実施し、特に圧密特性を把

握して埋立造成に伴う圧密沈下予測を行った。

(3) 沈下対策工法について概略的に検討し、提案した。

(4) 動態観測による情報化施工について計画・立案した。

4.私の果たした役割

管理技術者として業務全体の工程を管理するとともに、調

査実施計画策定・地質総合解析・沈下予測計算・対策工方

検討立案・情報化施工立案を担当した。また発注者側担当

者との協議・地元関係者との連絡調整を行った。

2例目で、これも略記のみにとどめます。

1例目が道路だったので、今度は l公有水面

埋立に伴う調査を取り上げています。

埋立規模とともに、軟弱地盤にかかわる様々

な調査と解析等、レベルの高い調査が求めら

れているということをアピールします。

内容自体は軟弱地盤調査のスタンダードな

メニューです(数量は多いですが)。

(2)以下で解析や工法検討提案、さらに動態

観測などの計画立案もできるんですよ、とい

う形で専門技術力をアピールしようとして

います。

本当はこの業務では、技術士第二次試験の経

験論文ネタに使った様々な問題点と創意工

夫があるのですが、それを書き出すとスペー

スが足りないので、ここでは一切書いていま

せん。

盛りだくさんの役割を担い、ちゃんとこなし

たということをアピールしています。

ここは少々ワンパターンです。

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(1)経験業務

1.業務の名称

河川局部改修工事に伴う設計業務委託

2.業務の目的

河川改修に伴う護岸安定のため深層混合処理(DJM)工

法により軟弱腐植土層を改良したにもかかわらず崩壊を

生じた箇所があった。本業務は、この原因究明、崩壊復旧

対策および今後の崩壊防止対策の立案を目的とする。

3.業務の内容

(1) 調査ボーリング・各種サウンディング試験・室内土質

試験および有機物組成調査を行った。

(2) 改良効果を阻害するフミン酸が腐植土中に多く含有

されていることが主原因であることを明らかにした。

(3) 崩壊復旧対策として浅層混合処理工法を提案した。

(4) 今後は調査時に有機物組成も調査するよう提案した。

4.私の果たした役割

(1) 管理技術者として業務全体の工程管理を行った。

(2) 有機物組成調査を含む調査計画立案・解析検討全般お

よび対策工法検討を担当した。

(3) 発注者側担当者との協議・連絡調整を行った。

3例目で、これをあとで詳述します。私はい

つも詳述例を3例目に書きますが、あまり意

味はありません。ただ、1例目・2例目は3

例目より気を入れて読んでくれるかなと思

うので、後で詳述する業務は3例目にひっそ

り書くことにしています。

この事例はRCCMとしては少々奇をてら

った感がなきにしもあらずです。

なお、この事例は技術士二次試験のメイン論

文に使っています。

軟弱地盤の崩壊原因調査がメインですが、有

機物がかかわり、通り一遍等の調査では原因

究明ができないものです。

一応業務内容と果たした役割の中でひとと

おり説明し、「これだけ読んでもわけがわか

らん」ということはないようにしています。

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(4) 技術的問題点 いろいろな書き方がありますが、もっとも得点しやすいのは、次のいずれかだと考えます。

(1) 一般的な技術的問題

当該専門分野における一般的な技術的問題をあげ、その解決内容を記述するのが、やはり一

般的です。

ただ重要なのは、技術的問題点を最初から予見して対策を講じているということです。業務

の実施計画をたてるときに既往データ検討や現地調査をしっかりやって、問題点を察知・予見

し、これに対処したというストーリーがよいでしょう。

くれぐれも予想外の事象に行き当たって、あわてて勉強したとかアドバイスもらったという

ことのないようにします。試行錯誤・対処療法は最も減点されやすい書き方です。

事例(略記と同じ土質基礎の事例)を使って説明します。

(A)技術上の問題点とその対応

(1) 調査前に崩壊箇所改良杭の既往チェックボ

ーリング試料を観察したが、著しく強度が不足

し、ほとんど未改良に近い部分もあったため、何

らかの原因で改良不十分となったことが崩壊要

因の 1つと考えた。

(2) そこで主な改良対象土である腐植土層につ

いて、通常の土質試験のほかに有機物組成の分析

も実施した。

(3) その結果、崩壊箇所付近でのみ局所的にフミ

ン酸が多く含有されていることが判明した。

(4) フミン酸は木質部起源の有機物であり、当該

腐植土層堆積当時における河川流路分布等の関

係で、木質部が局所的に集められて堆積したもの

と推定される。

(5) フミン酸はセメント改良を阻害する性質が

顕著であることがいくつか報告事例によって知

られている。これが多く含まれていたため、改良

不十分・改良強度不足となったことが、崩壊発生

の主な原因と判断した。

(6) 今後の地盤改良に際しては、有機物組成につ

いても調査すること、配合試験頻度をあげること

を提案した。

(1)・・・・既往調査データなどの資料から問題点を

予見。

(2)・・・・予見に基づく調査提案と実施。

(3)・・・・予見がバッチリの結果が出た。

(4)(5)・・・・結果の解釈。専門技術力のアピールど

ころ。

(6)・・・・あえて対策工法検討を飛ばして、今後の

調査提案へ。

(1)で述べているように、よくわからない「何

らかの原因」があるということ技術上の問題点な

ので、それを突き止めたところまでで十分であ

り、対策工法の内容(これはそんなに変わったも

のではない)は書区必要はないと考えた。あとは

その応用としての調査提案について記述した。

実際には、河床掘削と応力開放による受働側の

強度低下も大きな原因となっているが、それを書

くとややこしくなるので書いていない。

これは調査業務の例ですが、設計でも文献や調査データその他により、問題点を予見すること

は普通にあると思います。

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(2) トレードオフの技術的解消

工期がないのに高度な解析を求められたとか、データが不足しているのに的確な判断を求めら

れた、利便性と自然環境保全の両立を求められたというような、トレードオフ(二律相反)を、

専門技術力で解消したというケースです。

解決策としては様々なものがあると思いますが、ここで大切なのは、あくまで専門技術力によ

る解決でないといけないということです。工程の取り回し、人員配置、長時間労働その他で時

間的問題を解決したというようになってしまうと、「それは業務実施上の問題でしょ」という評

価になってしまいます。

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他の合格論文例について、技術上の問題点とその対応をまとめましたので参考にしてください。

合格論文 No. 問題点 その対応

1(地質) 未固結層の土質特性把握と地すべ

り誘発の可能性検討

土質試験・N値ほかからの総合的検討・決定に

基づき安定解析

3(建設環境) 自然環境保全と利用者快適性確保

のトレードオフ 保全区域確保と散策ゾーン拡張など

4(道路) 道路線形と地すべり影響のトレー

ドオフ

線形・安定性・対策費を考え、地すべり安定性

を最優先にルート選定

5(河川) 越流水深確保できない、岩盤掘削量

低減の必要

等高線型横越流式洪水吐採用、岩盤掘削量を減

らせる水路断面提案

6(鋼構造) 補強工法立案にあたり設計図書が

なく現況橋脚の構造推定困難 当時の基準等による妥当性確認による構造推定

7(都市計画) 交通安全上、規模決定上、工法の 3

つの問題あり

交差点改良、各種指針と既存事例参考に規模決

定、経済的工法採用等により解決

8(建設環境) 魚類への影響、施工中のにごり防止

の必要性

施工時期、護岸形状、定量的評価による濁りの

少ない工法選定

9(造園) 自然環境保全と利用者快適性確保

のトレードオフ 保全区域確保と散策ゾーン拡張など

10(河川砂

防)

少ないデータ、コスト縮減とのトレ

ードオフ

的確な調査方法の選定、道路線形修正と土工に

よる地すべり対応

11(土質基

礎)

変状原因究明、安全性と経済性のト

レードオフ

的確な予見・調査で水圧が原因と特定、的確な

工法選定

12(鋼構造) 橋梁の平面線形斜角 45 度、桁高を

極力抑える必要

桁高を抑えられる3案比較し、斜角 45 度にも対

応できる工法を採用

13(道路) 冬季安全・道路付属施設充実等とコ

ストのトレードオフ

堆行き幅を加えた幅員、埋設ジョイント、既設

構造物の有効利用等

14(上工業

水)

地質不均質な中での集水埋管深

度・方向・延長等

透水層に近い深度、河川に平行な方向等により

必要取水量を確保

15(鋼構造) 当初設計書では耐荷力不足 4工法について比較検討し、施工計画にも工夫

16(廃棄物) 最終処分場計画地に地すべり伏

在・誘発の可能性

地すべり対策工方について検討し、改良土置換

工法を選定

17(廃棄物) 処分場に民家近接による地下水汚

染等、自然・景観保全 造成形状配慮、遮水等施設、植樹、景観配慮等

18(道路) 狭い駅前広場、交差点近接、隣接業

務との整合確保

配置計画、交差点配慮、車線中心線設計の適切

な実施

20(河川砂

防)

地すべり対策期間が短く通常の調

査ができない

応急対策→踏査・測量による調査と解析→対策

工方決定で対策成功

22(都市計

画)

JR以外が主体となった駅建設・土

地区画整理の実施

クリアすべき課題の整理と提示、実現性の高い

方策の提示

23(河川砂

防)

護岸設計箇所の生態系への影響が

懸念 施工時期配慮、保全に配慮した設計検討の実施

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(5) 業務実施上の問題 業務の実施上、つまり管理上の問題は、基本的に工程・コスト・品質の3本柱のどれか困難

性のあったものを取り上げ、それを管理力で無事乗り切ったというストーリーが基本だと思わ

れます。ただ、コストについては、設計コスト縮減は専門技術力の一部、業務コストの縮減は

会社利益の話という評価になりがちなので、避けたほうがいいでしょう。ということで、工期

遵守あるいは品質確保の話になってきます。

(1) 工期遵守

たとえば、技術上の問題点に対処できるような業務計画を提案したが、通常と異なる手法な

どを使っていたため、発注者が上部機関と相談していたりして着工がおくれた。しかし、これ

を補う管理(調査なら現場、設計なら図面処理や解析処理に係る人員・作業班を増やし、それ

では管理がおろそかになりやすいので専属管理者をたてて管理したという形などがよい)を行

ったので、工期にもちゃんと間に合ったというストーリーがよいと思われます。くれぐれも、

「技術的に大変なんだということを力説して工期を延長してもらった」というようなことを書

くことのないようにしましょう。

事例(これまでと同じ土質基礎の事例)で説明します。

(B)業務の実施上の問題点とその対応

(1) 既往チェックボーリング試料観察により、有機

物組成が原因の 1つであると予見していたが、この

分析は特殊な調査項目であるうえ、当初発注内容に

もなかった。

(2) そこで、調査実施計画書に報告事例等の資料を

多く盛り込んで有機物組成分析の必要性を強調し

た。また分析検体数も計画段階では最小限に絞った。

(3) この調査実施計画書によって発注者側担当者お

よび上級の県庁担当課と協議し、実施の理解を得た。

(4) 実施計画段階での協議が長引いて現地入りが遅

れたため、現場作業班を増やすとともに専属現場管

理者をたてて管理体制を強化し、遅れを取り戻した。

(5) 結果としてフミン酸が検出されたため、さらに

協議を行って有機物分析試料数を増やしていただい

た。

(6) このように段階的に作業を進めたことによる工

期遅れも懸念されたが、進捗状況の報告と次段階の

調査方針協議を密に行ったため、室内作業もスムー

ズに進行し、工期内に業務を完成させることができ

た。

この事例でのポイントは、特殊調査の受注後

提案だったため、説明がややこしくなる点と、

いきなりまとまった数量では実施できにくい

という点です。

これらはいずれも「時間を食う」ことに直結

するため、当然の結果として工期が危うくな

ったという流れになります。

そこで人的資源投入です。現場作業班を単に

増強しただけでなく、それによる指揮系統・

情報の混乱を見越して、専属現場管理者を立

てる、というところがミソです。

もう一つのポイントはここで、要は「ホウ・

レン・ソウ」をきちんとやるという管理の基

本を守ってやりました、ということを書いて

います。

工期に間に合ったということは重要です。こ

れは契約の根幹部分ですから。

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(2) 品質確保

たとえば工期のない業務で逐次設計内容を小出しにしなければならないケースでの検査体制、膨

大なデータの信頼性検証などです。

設計の各段階での検査、チェック&レビュー、統計的手法その他いろいろな書き方があると思い

ますが、「ISO9001 認証されており、そのシステムで検査した」というようなストーリーは、「あ

なた自身の工夫がない」「あなたの業績とはいえない」と評価されるので駄目です。

総じて品質確保をテーマにすると、RCCM 論文は書きにくいといえます。できれば工程管理のほう

がいいでしょう。

(3) 合意形成プロデュース

地元住民への説明・コミュニケーション・住民参加といった合意形成プロデュースは、今後建設

コンサルタントに強く求められる能力です。書く内容としては、

○住民説明の重要性・早期実施などを発注者へ説明し実施してもらう

○わかりやすい説明などドキュメンテーション能力

○一歩進んで住民参加関連作業の実施

といったことが妥当ではないかと思います。

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他の合格論文例について、業務実施上の問題点とその対応をまとめましたので参考にしてください。

合格論文No.

問題点 その対応

1(地質) 技術問題点察知による調査計画見直

し、それによる工期遅れ

調査計画の大幅見直し、現場作業班増員と専属

管理者による綿密な管理

3(建設環

境) 地域住民の関心の高さ

積極的な説明、協議会立ち上げ等によりスムー

ズに業務進行

4(道路) 関連業務遅延による工程遅れ 担当技師追加・電子データ最新版管理・技術指

5(河川) 計画規模等協議手間取りによる工程遅

れ 優先順位整理・実施計画再検討・密な協議

6(鋼構造) 基本事項決定手間取りによる構造推定

作業の遅れ

技術問題対応策により上部工構造判明、現地試

掘で下部工設計

7(都市計

画)

関係機関・地元住民との調整、道路利

用計画の整合性確保

事前協議→条件・根拠の明確化→綿密な協議、

地域住民の参加

8(建設環

境)

周辺土地立ち入りが認められず工程遅

れの懸念

発注者へ説明会開催要請・わかりやすい説明の

工夫、護岸形状の綿密な協議

9(造園) 地域住民の関心の高さ 積極的な説明、協議会立ち上げ等によりスムー

ズに業務進行

10(河川砂

防)

地質解析不十分、豪雪地帯での工期遅

れ懸念

発注者協議→図化範囲追加、密な連絡・協議資

料の速やかな作成

11(土質基

礎)

原因調査立案が困難、立ち入り制限に

よる調査困難

発注者の協力を得ての立ち入り、発注者協議に

よる自動計測の導入

12(鋼構造) 添加物調整、地元説明に時間がかかり

工程遅延懸念

問題点明確化による効率的な調整、分かりやす

い資料作成、人員配置等

13(道路) 排水路調整、地元住民説明に時間がか

かり工程遅延懸念

問題点明確化による効率的な調整、分かりやす

い資料作成、人員配置等

14(上工業

水)

工期前図面提出、協議時間増大、ミス

のない照査体制

効率的な管理・IT 活用による作業効率化、FAX

活用による協議時間短縮等

15(鋼構造) 工期前図面提出、協議時間増大、ミス

のない照査体制

効率的な管理・IT 活用による作業効率化、FAX

活用による協議時間短縮等

16(廃棄物) 最短工期での調査設計実施が必要 PERTにより抽出したクリティカルパス上の

作業に集中的に人員配置

17(廃棄物) 周辺住民とのコンセンサス確保・計画

書提出期限厳守

効果的な住民説明会運営、専門技術者による計

画精査、説明会多数実施

18(道路) 関連事業・機関との密接な連携・連絡

調整、協議が必要 個別協議と調整会議、双方のコンサル間の連絡

20(河川砂

防)

迅速性が求められる中での関係者間連

携・調整

綿密な計画・人員管理・方向性を確認しながら

の進捗管理等

22(都市計

画)

自治体・JRとの調整難航、実例なく

情報量が乏しい

自治体情報の取込、社内協力、複数分野からの

検討、データベース活用

23(河川砂

防)

立ち入り遅れによる工期への影響の懸

関係者への説明会開催、分かりやすいプレゼン、

発注者との協議

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(6) 現時点での評価 現時点での反省は、後悔ではなく「今ならこうする」という形にします。すなわち、現時点

では世の中の技術水準も上がっているし、自分自身も成長している。「おおむねうまくやった

のだが、あれはもっとこうすればよかった」ということであれば、「おおむねうまくやった。

今ならさらにここをこうする」というように書くと得点が期待できます。

また、失敗だけでなく、「これはすごくいい方法だった。こんなことにも応用している」と

いうように発展型にしてもよいでしょう。

いずれにしても、その業務を経験してから今まで成長していないという印象を与えないよう

にすることが大切で、まちがえても工期管理や地元対策で下手をうったというような低レベル

なことは書かないようにしましょう。

なお、技術上の問題と業務実施上の問題それぞれについて評価を加えることも大切です。

事例(これまでと同じ土質基礎の事例)をあげて説明します。

(C)問題点について現時点での評価

調査計画段階でのチェックボーリング試料観察時に有

機物組成に原因があることを察知できたことが、原因

究明の効率的な達成につながったと考えている。ただ

し、これは数ヶ月前にちょうど類似事例の報告文献を

読んでいたためすぐに思いついたことで、「運がよか

った」面が多分にある。逆にいえば、たまたまその事

例を見逃していれば、原因究明にかなり手間取ったか

もしれない。

この経験から、文献雑誌や講習会等を通じた常日頃か

らの専門的知見収集の重要性を痛感し、労を惜しまず

技術力の維持・向上に努めるよう心がけている。

また調査実施計画書において、有機物組成分析の必要

性が理解しやすく説明できていなかったことが、協議

が長引き現場入りが遅れた原因の一つと考えている。

このことを教訓に、実施計画書だけでなく報告書にお

いても、調査フローやイメージ図、類似事例写真など

を多用して理解しやすいものとするよう努力してい

る。

技術上の問題に関する評価は、技術的手法の

反省や改良ということではなく、技術力向上

の重要性の再認識といった内容になってい

ます。正直にいってあまりよいテーマではあ

りません。

業務実施上の問題に関しては、ドキュメンテ

ーション・プレゼンといった、今後の技術者

により必要とされるコミュニケーション能

力に関する反省と、「今ならこうする」とい

った内容になっています。これは順当な書き

方だと思います。

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他の合格論文例について、現時点での評価をまとめましたので参考にしてください。

合格論文

No. 技術上の問題点と対応 業務実施上の問題点と対応

1(地質) 技的確な対応。現在はさらに改良して

充実している

事業全体に影響する問題点を早期対応し、手戻り

防止・コスト縮減に寄与

3(建設環

境)

自然環境保全は経過良好。利便施設も

好評 住民主体の公園管理に発展

4(道路) よい対応。線形が悪いことを諸設備で

カバーできた

データ交換時にとまどい→CALS進めば効率アップ

期待。技術指導等で視野が広がった

5(河川) 適切な技術判断だったが機会があれ

ば水理模型実験をしたい

関係機関との連絡調整における目的把握と実施計

画の重要性を痛感

6(鋼構造) 適切な判断だったが類似事例による

確認もしたい

既設橋梁の維持管理には CALS など電子情報ベー

スの新しい仕組みが必要

7(都市計

画)

整合性ある設計、地域生活改善・地域

シンボルとなる植栽に貢献

効率アップ・親しまれる施設となった。民生的利

用についての考慮が将来的に必要

8(建設環

境)

十分効果のある提案。今後同種・類似

業務に適用可能

地権者理解が得られ工事の順調な遂行に寄与。既

存施設活用で工費縮減

9(造園) 自然環境保全は経過良好。利便施設も

好評 住民主体の公園管理に発展

10(河川砂

防)

的確な調査で地すべり機構解明・対策

工検討に役立った

追加作業で精度アップ、定量的な設計と対策工検

討への寄与

11(土質基

礎) 的確な調査方法・工法選定であった

発注者との綿密な協議によりスムーズに調査がで

きた

12(鋼構

造)

道路線形変更の影響を最小化し発注

者に高い評価を得た

業務着手段階での詳細打合せで協議想定工程計画

立案が可能だった

13(道路) 構造性、経済性、安全性の判断が発注

者に高い評価を得た

事前資料送付などで協議効率化にさらなる工夫を

行うべきだった

14(上工業

水) 水質問題が懸念されたが問題なし

照査時に単純ミス多発→若手社員技術力向上教育

が必要

15(鋼構

造)

耐荷力不足によるコスト高を抑制し

た工法選定

照査時に単純ミス多発→若手社員技術力向上教育

が必要

16(廃棄

物)

地形からの地滑り早期察知・安価な改

良材採用等が評価

PERT管理が効果的、データ処理・チェック体

制の効率化を今後進める

17(廃棄

物)

地下水排水施設の切替活用による多

重安全性確保が評価

専門技術者結集の効果、多方面からの設計内容精

査による品質アップ寄与が評価

18(道路) (未記載につき省略)

20(河川砂

防)

短期間に効果的な調査、地表踏査の重

要性認識にも寄与

専門技術者間ミーティングの重要性再認識→着工

前検討会につながった

22(都市計

画) 課題整理によりプレゼン能力が向上

社内データベース活用により時間経済効率アッ

プ、社内協力の利点認識

23(河川砂

防)

工事期間中・後の調査で技術的提案の

効果を確認 地権者への十分な説明会が効果あり

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(7) その他 (9) 複数の業務をまとめて 1つにして、業務のグレードをアップするといった程度の脚色をし

てもかまいません。

例えば、路線をいくつかに分けて調査または設計したものや、1年目は概略調査で 2年目にそれ

を踏まえて詳細調査をやったものを、一括してやったようにします。発注の真偽確認まではし

ないはずです。

(10) 以下の例のように、実際の内容を脚色して、都合のよい形にかえるという手もあります。

• 「Aと見込んで Bという方法であたったが、やってみたら Cだったので、急遽 Dの方法に切り替えた」

⇒「Aという見込みで Bという方法で発注された(または業務にとりかかりかけた)

が、既往資料検討や私の経験から、Cだと予見して、実施計画書で提案して Dという

方法で対処した。その結果、思ったとおりでスムーズに業務を遂行できた」

• 「予想外のことがあれこれあったため、設計(調査)業務の方向性が何度も変わって、発注者から「何やってんだ」というクレームが入り、説明に苦労した」

⇒「いろいろ起こることが予想できたが、これに対応するプロセスが複雑なので、そ

れを発注者にがんばって説明し、納得してもらった上で業務を実施した」

• 「Aでいこうと言ってたのに発注者のいうことがコロコロ変わって(または発注者担当異動で方針がコロッと変わって)最後は Zになってしまい、大変苦労した」

⇒「業務遂行の方針などについては、当初・中間と数回にわたり(または必要に応じ

てメールなども駆使して)打ち合わせを行い、発注当初(または業務とりかかり当初)

は Aの方針だったのが「これじゃダメだ」という予見で最終的に Zになるまでの経過

を、書面でキッチリ管理できた」

• 「地元がゴネて、これを説得するのにえらく苦労した」 ⇒「当初は地元の理解がえられなかったので、いろいろなドキュメンテーション資料

を作って説明し、業務を支障なく遂行できた」

• 「あのときは Aという結論に達したが、今考えるとどうも詰めが甘かった(または不充分・間違いだった)。Bでもよかったんじゃないかと思う」

⇒「Aという結論だったが、●、▲、■という問題点(課題)が残った(またはその

後の技術発展で当時なかった選択肢も出た)。今なら Bも選択肢として有望だ」

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4.記述上の注意・留意点

(1) 文章はとにかく読みやすくする必要があります。採点は数分間の通読でなされるので、読みに

くいと即アウトになります。

起承転結、箇条書きや図表の使用、長文の回避など、とにかく読みやすい文章を心がけましょう。

(2) 漢字の誤字・脱字は減点対象になるので注意が必要です。

パソコンで経験論文を作成・印刷・記憶して手書きをしない場合でも、漢字だけは手書き練習をして

チェックしておきましょう。

(3) 設問文の書いてある行(タイトル行)は何も書かず、読みやすくするとよいでしょう。

(4) 箇条書きリストアップなどの書き方で行数をかせいでもよいと思います。

(5) もし図表が使えれば、格段に読みやすくなります(ただ、RCCM経験論文で図表入りというの

はあまりありません)。

(6) 長文は読みやすければかまいませんが、主語と述語のねじれなどの構文エラーや読みにくさに

つながりやすいので、文章力のある人以外は避けたほうがよいと思われます。

(7) 最後に 1行使って、右寄せで「以上」と書くといでしょう(ひとつのルール)。

(8) 鉛筆は、負担の軽いシャープペンシル(Dr.グリップなど)と、B~2B の手首に負担のかからな

い芯の組み合わせがお奨めです。

(9) よく消えるプラスチック消しゴムを忘れずに。

(10) 当日は、一気に書きまくって、できることならはやめに退室しましょう。

覚えている文章を書くだけなら速いはず。ラスト 15 分より前に退室できれば、食事も並ばずにでき、

午後に備える時間が多くもてます。

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問題2対策

1.問題の内容

• 関連法制度等についての理解度が問われます。 • 問題3・問題4ともで 13:10~16:45(3時間35分) • 4択問題40問 • ウェイト:推定20%

●次のような広い範囲について、RCCMに必要な正確な知識、認識が問われます。

• RCCM・建設コンサルタント登録制度 • 契約関係 • 業務の遂行(約款・共通仕様書・積算基準) • コスト縮減・コスト構造改革・VE • IT関連(CALS/ECほか) • 品質確保 • ISO • 事業評価・政策評価 • アカウンタビリティ • 土木史 • 技術者倫理 • その他建設コンサルタントを取りまく社会的な問題

2.出題傾向

平成 14 年度~平成 16 年度の問題内容を比較してみました。

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番号 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 H15~H16 比較

1 RCCM に求められる技術力 RCCM に求められる技術力 RCCM に求められる技術力 ★★★★★

2 RCCM の登録 RCCM の登録 RCCM 資格制度創設の目的 ★★

3 RCCM 試験の受験資格 RCCM に求められる管理技術力 RCCM に求められる管理技術力 ★★★★

4 建コン登録申請書添付書類等 建コン登録申請書添付書類等 建コン登録申請書添付書類等 ★★★

5 建コン登録部門 建コン登録時の技術管理者 建コン登録時の技術管理者 ★★★★

6 建コン登録申請先 建コン登録申請先 建コン登録申請先 ★★★★

7 建コン登録有効期間 建コン登録有効期間 建コン登録有効期間 ★★★★

8 公募入札参加表明書記載内容 簡易公募入札対象業務 随意契約が認められる場合 ★★

9 指名競争入札 指名競争入札指名基準 競争入札の区分と適用 ★★

10 プロポ技術者評価項目 プロポ技術者評価項目 プロポ技術者評価項目 ★★★

11 プロポ提案内容評価 プロポ提案内容評価 プロポ提案内容評価 ★★★★

12 公募型プロポ提案書提出期間 公募型競争入札参加表明期間 プロポ提案書記載事項 ★★

13 標準委託契約約款・総則 標準委託契約約款・総則 標準委託契約約款・総則 ★★★★

14 標準委託契約約款・著作権 標準委託契約約款・指示協議 標準委託契約約款・指示協議 ★★★

15 標準委託契約約款・確認請求 標準委託契約約款・確認請求 標準委託契約約款・著作権 ★★

16 標準委託契約約款・照査技術者 標準委託契約約款・管理技術者 標準委託契約約款・管理技術者 ★★★

17 標準委託契約約款・かし担保 標準委託契約約款・貸与品 標準委託契約約款・調査職員 ★★

18 標準委託契約約款・指示等 標準委託契約約款・業務中止 標準委託契約約款・業務中止 ★★★

19 積算基準の業務委託料 積算基準の業務委託料 積算基準の業務委託料 ★★★

20 共通仕様書・打合わせ 共通仕様書・打合わせ 共通仕様書・打合わせ ★★★

21 共通仕様書・契約図書 共通仕様書・管理技術者要件 共通仕様書・管理技術者要件 ★★★

22 共通仕様書・計画書提出期限 共通仕様書・計画書記載事項 共通仕様書・契約変更 ★★

23 共通仕様書・完了検査 共通仕様書・照査技術者 共通仕様書・照査技術者 ★★★★

24 共通仕様書・再委託 共通仕様書・再委託 共通仕様書・再委託 ★★★

25 電子納品要領 電子納品要領 電子納品要領 ★★★★

26 公共工事コスト縮減計画 公共工事コスト構造改革 公共工事コスト構造改革 ★★★★

27 測量調査設計業務実績情報 CALS/EC 導入効果 CALS/EC 導入効果 ★★★★

28 プロポ改善での技術者評価 プロポ改善での技術者評価 プロポ改善での技術者評価 ★★★

29 品質確保・向上の考え方 品質確保・向上の効果 品質確保・向上の効果 ★★★★★

30 e-Japan 戦略 事業評価 事業評価 ★★★★

31 業務適正化の視点からの課題 業務適正化の視点からの課題 業務適正化の視点からの課題 ★★★★

32 VE VE VE ★★★★

33 ISO14001 ISO9000s ISO9000s ★★★★

34 アカウンタビリティ 測量調査設計業務実績情報 アカウンタビリティ ★

35 21 世紀のグランドデザイン 21 世紀のグランドデザイン 平成 15 年度国土交通白書 ★

36 社会資本整備史 国土交通省政策評価基本計画 国土交通省政策評価基本計画 ★★★★★

37 建設リサイクル推進計画 公共工事コスト構造改革 公共工事コスト構造改革 ★★★

38 建コン技術者の倫理 建コン技術者の倫理 建コン技術者の倫理 ★★★★

39 建コン技術者の行動規範 建コン技術者の行動規範 建コン技術者の行動規範 ★★★★★

40 独禁法 著作権 著作権 ★★★

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比較記号 H15 試験とH16 試験の比較内容 個数

★★★★★ 問題文、選択肢とも、まったく同じ 4

★★★★ 問題文はまったく同じ、選択肢は一部~大部分同じ 15

★★★ 問題文は同じ~ほぼ同じ、選択肢は違う~一部同じ 12

★★ ジャンルは同じだが異なる問題が出ている 7

★ ジャンルも異なり、全く異種の問題が出ている 2

出題ジャンルは 40 問中 38 問(95%)まで同じでした。さらにほぼ同じ~同じ問題が出されているも

のが 31 問(77.5%)、問題文がまったく同じものが 19 問(47.5%)となっています。つまり、ほと

んど同じような問題ばかりが出題されているといえます。

また、「誤っている」「適切でない」「含まれていない」などの否定形選択肢を選ぶ問題が、「正し

い」「適切」「含まれている」などの肯定系選択肢を選ぶ問題より多く、平成 15 年度は 62.5%(25

問)、平成 16 年度は 85%(34 問)が否定形選択肢を選ぶ問題でした。

3.17 年度問題の対策

これはもう過去問題をしっかりやること、特に出題ジャンル・テーマを正確に押さえておくことに

つきます。

問題まで同じというのが 19 問ありますから、これを 90%押さえれば 17 点取れます。

さらにほとんど同じ問題といってもよいものも 12 問ありますので、これらを 80%押さえれば 10 問

取れます。

これで合計 27 点、40 問の 50%(20 点)は楽々クリアし、68%ほどの得点ができます。

合格基準が昨年度と同じく「各試験科目のいずれについても配点の 50%以上を得点し、かつ総合点

で 60%以上」であれば、余裕で合格です。

さらに、問題2は常識感覚で答えられる問題が多くあります。得点しやすい問題2でできるだけ得点

しましょう。

目標は 80%です。問題2の配点が 20%程度とすれば、これで 20 点×80%=16 点取れます。熟年技

術者諸氏には十分可能だと思います。

覚えることは

●RCCM のこと(受験資格・登録・求められる資質)

●建設コンサルタント登録

●入札形態(公募・簡易公募・一般の区別、プロポの種類と内容)

●標準委託契約約款、共通仕様書

●社会資本整備に関する重要テーマ(コスト構造改革、IT、品質確保、ISO、環境配慮)

●技術者倫理

の6テーマで十分です。それも、テキストの内容を頭にいれるのではなく、過去問題の内容をしっ

かり学習するだけで 70%は楽に取れるようになるでしょう。最低限、最初の4テーマは自信を持っ

て答えられるようにしておきましょう。

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4.出題が予想されるテーマ

出題傾向から、過去2年間に出題実績がある内容に限定して、覚えておくといい事項を列挙します。

これで全てがカバーできるわけではもちろんありませんが、常識感覚で解ける問題が多いので、下記

事項を記憶しておれば、正解率 70%は行けると思います。

1. RCCM について • RCCM は専門技術力、管理技術力(工程管理や照査能力)、技術者倫理、一般的な基礎技術力などが要求される。

• 登録有効期間は、試験合格から4年間だが、登録しなくても合格が取り消しになることはない。年齢制限もない。

• 所属企業が建設コンサル登録しており、かつ、所属企業に指導技術士あるいは技術管理者がいないと登録できない。

• 4年ごとに更新。 • 受験資格は大卒 13 年。 • 業務において管理技術者・照査技術者になれるが、兼務はできない。

2. 建設コンサルタント • 登録申請時には、直前1年の賃借対照表・損益計算書といった企業経営状況に関する資料を添付する必要あり。

• 登録申請は国土交通大臣に提出する。 • 登録有効期間は5年。 • 技術管理者は、日本人でなくてもいいが、複数部門兼任・複数企業兼任はできない。 • 技術管理者は、認定管理者や RCCM(登録後5年経過)もなることが可能だが、最初の建コン登録時は技術士でないといけない。

3. 入札 • 競争入札は公募型・簡易公募型・指名、プロポは公募型・簡易公募型・選定型(標準)で、境界は 7300 万と 5000 万。

• プロポにおける技術者評価は、管理技術力等を重視するので、企業内職位は無関係。 • プロポにおける提案内容評価は、提案内容を重視するが、規定枚数を超過しているとアウト。

4. 契約約款 • 総則で守秘義務について定められている。 • 設計図書は共通仕様書・特記仕様書・図面。 • 「指示等」とは、①指示②請求③通知④報告⑤申出⑥承諾⑦質問⑧回答⑨解除プラス⑩協議のことで、書面で行う(書面主義)。

• 確認請求は、設計図書の不明確・誤謬などや履行条件の実際との相違など、「どうなってるんですか?」と訊ねること。

• 管理技術者はカネと契約以外のことに関して請負者を代表して権限を有する。 • かし担保責任は3年、ただし故意・重大な過失は 10 年。原因が設計図書・発注者指示・貸与品にある場合は適用しない。

5. 共通仕様書 • E メールや FAX による打合わせは、必要に応じて打合わせ記録簿を作成する。 • 再委託は、資料整理程度の単純作業に限る。

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6. IT関連 • 電子納品媒体は、CD-R または MO が原則。 • CALS/ECの目的は、生産性向上・品質向上・コスト縮減。 • 実績情報サービス、測量調査設計はTECRIS、工事はCORINS。

7. その他 • VEは設計VEの方が施工段階のVEより効果が大きいことが期待される。 • ISO9000s は品質管理、ISO14000s は環境管理の国際規格。

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問題3対策

1.問題の内容

• 業務計画(プロポーザル含む)・技術向上への取組み・品質確保・コスト縮減等の社会ニーズといったものへの意識と対応、管理能力が問われます。

• 問題2・問題4ともで 13:10~17:15(4 時間 05 分) ※問題4に専門問題が追加されたため、平成 16 年度より試験時間が 30 分延長されました

• 1,600 字以内の記述問題 (25 字×32 行=800 字:2枚) • ウェイト:推定20~30%

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2.出題傾向

最近6年間の出題内容を整理してみました。

度 問題の内容

H12

コスト縮減

①公共工事の建設コスト縮

減のため設計業務が果たす

役割の重要性

②建設コスト縮減に有効と

言われる設計VEについて

説明

③建設コスト縮減のために

技術者として実施したこ

と、または実施したいこと

品質確保(ミス防止)

①設計業務においてミス

発生防止の留意点を3点

挙げ説明

②最近経験した業務につ

いて管理技術者の立場か

らチェックシステムの体

制と実施すべき事項につ

いて

プロポ-ザル

①建設コンサルタント

業務において建設省が

導入しているプロポ-

ザル方式について説明

②プロポ-ザルを作成

時の留意点を専門分野

について3点挙げ説明

H13

コスト縮減

建設コンサルタントの役

割、今後の建設コンサルタ

ントのあり方

施工と乖離した設計

施工を考慮した設計、品質確保

のための方策

品質確保(ミス防止)

3段階(当初・中間・最終)

においてのミス発生防止

策の具体例

H14

現場条件や施工に適合した設

①建設コンサルタント技術者

として、技術力向上のために必

要な事項、方策

②発注方式も含めて、制度、シ

ステムとして必要な事項、方策

の提案

品質確保(ミス防止)

建設コンサルタント業務

におけるミス防止につい

て、業務の着手前、実施中

および完了直前の3段階

に分けて、それぞれチェッ

クすべき項目とその内容

プロポーザル

①建設コンサルタント

業務の選定・契約方式の

1つであるプロポーザ

ル方式の意義

②プロポ-ザルを作成

時の留意点を専門分野

について3点挙げ説明

H15

コスト縮減

①公共事業の建設コスト縮

減のために建設コンサルタ

ントの果たすべき役割

②工事費のコスト縮減をは

かるための調査・計画・設

計における総意・工夫の考

え方について3点挙げ説明

現場条件や施工に適合した設

①建設コンサルタント技術者

として、技術力向上のために必

要な事項、方策

②発注方式も含めて、制度、シ

ステムとして必要な事項、方策

の提案

プロポーザル

①建設コンサルタント

業務の選定方式の1つ

であるプロポーザル方

式の意義

②プロポ-ザルを作成

する時に留意すべき事

H16

コスト縮減

①公共事業の建設コスト縮

減のために建設コンサルタ

ントの果たすべき役割

②公共事業のトータルコス

ト縮減をはかるため、調

査・計画・設計において留

意すべき事項

アカウンタビリティ

①公共事業に関するアカ

ウンタビリティが求めら

れている社会的背景

②アカウンタビリティ向

上のために、建設コンサル

タントの果たすべき役割

プロポーザル

①建設コンサルタント

業務の選定方式の1つ

であるプロポーザル方

式の意義

②プロポ-ザルを作成

する時に留意すべき事

項を3点挙げて説明

出題テーマは、1テーマが3年程度連続して(内容もほとんど同じで)、3問中2問は前年度と同じ

(3問中1問のみ新しい問題)、という状態で出題されます。16 年度は3年間続いた「現場条件や

施工に適合した設計」がなくなり、アカウンタビリティが「新顔」として出題されました。

また、コスト縮減やプロポーザル、品質確保などは、いったん消えても1~2年でまた復活していま

す。結果として、限られたテーマの中でぐるぐる回っているだけという状況になっています。

すなわち、限定されたテーマで、内容も同様の問題が毎年出題されているといえます。また、3問

中2問は前年度と同じ設問です。

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3.17 年度問題の対策

16 年度までの出題傾向が続くとすれば、出題されるのは、

●コスト縮減

●アカウンタビリティ

●新しい何か

の3テーマです。プロポーザルは3年間続いたことと、品質確保法により新しいプロポの形が生まれ

てくると思われることなどから、出題されないのではないかと思われます。

新しいテーマとしては、次のようなものが考えられると思います。

●品質確保(復活になりますが、コストやプロポも復活している)

●事業評価(テキストでも大きく取り上げられています)

●現場条件や施工に適合した設計(インターバル1年で復活。しかし可能性は低いように思いま

す)

●効率的な社会資本整備(具体的な話になるとコスト縮減などに行き着くので、可能性は低いと

思います。)

結論としては、コスト縮減とアカウンタビリティの2テーマに限定して準備しておけば OK と思われ

ます。

プロポーザルが消えて新しいテーマの出題がなされるとは思われますが、これまで出ていた問題が

1つも出なくなる可能性は低いと予想され、コスト縮減とアカウンタビリティのいずれか1つはヒ

ットすると思われます。 問題3は、3問中1問を選択解答すればいいので、これで十分です。

新しいテーマも、品質確保や現場条件や施工に適合した設計のような過去に出題実績のあるテーマ

が復活する可能性が高いと思われます。

また、JACICが開催した受験準備講習会で配布された想定問題・解答では、問題3の想定問題と

して、以下のようなものが取り上げられています。

●技術力の確保・新技術の導入開発

●プロポーザル

●コスト縮減

●アカウンタビリティ

以上のようなことを総合的に考えると、勉強しておくことをお勧めするテーマは、以下の4つです。

●コスト縮減

●アカウンタビリティ

●品質確保

●現場条件や施工に適合した設計

その他、事業評価のほかに、効率的な社会資本整備や少子高齢化時代における社会資本整備のあり方、

技術開発などが考えられますが、出題履歴があり設問内容も予想できる4テーマで得点できるのであ

れば、わざわざ新しいテーマについて勉強する必要はないと考えます。

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4.出題が予想されるテーマ

(1) コスト縮減

コスト縮減に関しては、工事コスト縮減から事業コスト縮減へ、という方向性をしっかり把握してお

くことが重要です。設問も、15 年度の「工事費のコスト縮減」から 16 年度は「公共事業のトータル

コスト」に変化しています。

そしてこの方向性を具体化したものがコスト構造改革です。これについてまとめてみましたので参考

にしてください。

従来のライフサイクルコストという視点に加えて、事業便益を早期に発現することがコスト縮減に

なるという視点をよく理解しておく必要があると思います。

【コスト構造改革】

平成 15 年 3 月、国交省は「公共事業コスト構造改革プログラム」を策定・公表。

●現状

(1)厳しい財政状況

平成 15 年度予算では公共投資関係費が前年度比 3.7%減

国全体に占める公共事業費の比率が年々減少傾向

(2)民間工事・欧米公共工事に比較してコスト高との批判

過当競争や日本独自の地形地質条件などがある

民間の手法・工夫を参考に、より柔軟にコスト縮減に取り組む必要がある。

●経緯

(H9)コスト縮減行動指針・行動計画/H11 目標に工事コスト縮減→H8比 10%達成

(H12)コスト縮減新行動指針・行動計画/H20 目標に総合的コスト縮減→H13 でH8比 11%縮減

(H15.3)コスト構造改革

●コスト構造改革の施策

(1)事業のスピードアップ

事業をスピードアップ→事業便益早期発現、時間効率アップによる事務経費節減

合意形成手法改善(PI導入など)、事業重点化・集中化(社会資本整備重点計画など)

(2)設計の最適化

設計内容の見直し(VEなど)、民間技術提案活用、地域に応じた規格導入(ローカルルール)

(3)調達の最適化

民間調達方式導入の可能性検討、制度見直し検討

発注単位の適正化、入札・契約の見直し・積算の見直し

●目標

H15 から 5年間でH14 比 15%の総合的コスト縮減

※「H15 から 5年間」は社会資本整備重点計画と合わせてある

総合的コスト=工事コスト+事業便益早期発現をコストに換算+維持管理コスト縮減

以下、いくつか予想される設問について検討してみます。

●コスト縮減のために建設コンサルの果たすべき役割

コスト構造改革を進めるためには、事業のスピードアップ、設計の最適化、調達の最適化が欠かせ

ない。

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【事業のスピードアップ】

事業をスピードアップさせることで事業便益の早期発現、時間効率アップによる事務経費節減

そのためには、合意形成手法改善(PI導入など)、事業重点化・集中化(社会資本整備重点計画

など)が大切

建コンとしては、合意形成プロデュースを担うことで事業のスピードアップに貢献することが考え

られる

そのためには、次のような技術力を身につけることが必要

(1) 社会資本整備に関する専門的技術(従来から建コンに要求されてきた資質)

(2) それらを適切・効果的に伝えるコミュニケーション技術

(3) 公正にジャッジする評価技術

(4) それらをまとめ上げ、事業を望ましい方向に導くマネジメント技術

【設計の最適化】

設計の初期段階において、構造形式や施工法等について多角的に検討

現場見学会などへの積極的参加やインターネット活用などを通した、日常的な新工法などの情報収

維持管理や解体時廃棄物処理なども含めたライフサイクルコスト縮減の視点からの工法選定

設計VEの活用など ※「コスト縮減に設計VEが有効だが、これを説明して・・・・」という問題

が過去に出ている

基準類の性能規定化・限界状態設計法への移行・ローカルルールの促進などに対応できるように

する

【調達の最適化】

プロポーザル方式・電子調達・PFI方式・施工単価方式積算などが推進されていくので、これに

対応する

★理解しておくべきキーワード★

公共事業コスト構造改革プログラム

ライフサイクルコスト

設計VE

合意形成プロデュース

ローカルルール

PFI

ここで大切なことは、問題3はインフラ整備のあり方に関する意見を問うのではなく業務管理能力

を問う問題であることです。つまり、技術士二次試験の建設一般とは全く違う視点であることです。

インフラ整備のあり方については、「背景」などとしてまとめ、その中で建設コンサルとして具体的

に何ができるか、そのためにどのような取組みをするか、といったことに主眼点を置いて書きましょ

う。そうでないと、肝心の「業務管理能力」が評価してもらえません。

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(2) 現場条件や施工に適合した設計

要は、施工と乖離する設計を以下に生まないかという問題です。それを防ぐ主な手立ては技術向上で

あるという前提で、技術力向上のための方策を問われることが多いようです。おそらく出題されない

と思いますので、時間があればひととおり押さえておく程度のつもりでいてください。

●施工と乖離する設計の要因

(1) 不適切な設計が施工の品質に影響を与える。

(2) 現場条件を十分に考慮されていない設計が施工段階における設計変更の要因になっている。

(3) 工事によっては、設計段階における施工法の検討が工事の品質に大きな影響を与える。

(4) 工事における設計図書の基本を構成する設計成果品に不備があった場合の責任の所在が不明確

●施工段階も含めた技術力向上のために必要な事項・方策

(1) 先端技術や施工についての知識習得のための研修や技術交流の促進を図る。

(2) 設計品質を的確に施工者に伝達するための技術向上

(3) 設計分野の技術力向上に努めるだけでなく施工分野の技術も理解した総合力を備える。

※建設コンサルタント設計者は、施工者の持つ多様な新工法や新技術の理解に努めるとともに、設

計図面に示す設計品質を的確に施工者に伝達するための技術を向上させる。

●技術力向上のための方策

【あなたは日頃何をやっているか/あなたの考えを述べよ】

1 人の技術者として何をやっているか、または技術者はどうあるべきと思うかを述べる。

a)文献・講習会・シンポジウムへの積極的参加

b)ISO9000 や CALS/EC などの積極的導入による効率化と品質確保による技術力アップ

c)インターネットの活用

d)新技術に関する現地見学会・フェアなどへの積極的参加

【組織構成員に対して何を指導しているか】

管理職として技術維持向上・新技術導入のため何をやっているかを述べる。この場合、品質確保(ミ

ス防止を含む)も入れるとよい。

教育訓練はOJT(On the Job Training、Off-JT、自己啓発に区分して、「OJTとしてこれ、

Off-JTとしてこれ」というように系統立てて記述するとよい。

OJTは、業務を通じた教育訓練であり、たとえば「業務遂行時に、適時アドバイスや文献指導を

行っている」といったことである。

Off-JTは、たとえば「研修会への積極的参加を促す」とか「就業時間外に自主サークルとして勉

強会をもっている」など。

自己啓発は「自主的・積極的な勉強とその成果(資格取得など)について、表彰その他によりイ

ンセンティブ付与に努めている」など。

a)報告書作成時における技術者レビューの実施

b)ISO9001 に準拠した品質管理システムのもと、日常的な品質維持向上活動の実施

c)社内 LAN の活用による電子データの効率的管理(CALS-mind での業務遂行)

●建設コンサルタント~施工者間において必要な事項・方策

(1) 建設コンサルタント・施工者などから既存公益法人・建設技術センターなどへの出向を推進し、

相互に情報交換を行いながら技術力向上を図る。

(2) 施工は多様な新工法や新技術に対応して現場生産工程を効率的に高める。

状況変化に的確・迅速に対応する能力・技術者に対する指導能力など総合的な管理能力を習得

する。

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(3) 品質確保

ISO9001 に準じたことを書けばいいと思われますが、「会社で取得した ISO9001 に従っている」で

は主体性がありません。ISO9001 はTQMのひとつの形であることをよく認識してください。

●品質確保の基本的な考え方

a)検査を厳しくするのではなく、ミスの発生しにくいシステム、ミスが見つけられるシステムを

構築する。

ミスが発生しにくいような作業手順/品質に影響する事項をチェックする時期・方法等の標準化

b)常にシステムを改善していく。

ミスは原因究明し、それを足がかりにシステムを改善する/スパイラルアップ

c)企業の利益向上につながる

ミス削減は業務システムの効率化をうながす/ミス削減は信頼確保・受注機会増につながる

●品質確保のため、あなたは何をやっているか

a)業務着手時の要求事項の確実な把握(設計インプットの明確化)

たとえば当初打合せ確認事項チェックリストを作って活用している、など

b)業務遂行手順の標準化(業務遂行フロー、手順書・標準書など)

c)検査時期と検査内容の明確化

「データ整理後、レポート作成後に必ず検査し、ステップ by ステップで業務を進めることとし

ている」

「チェックリストにより検査項目もれを防いでいる」

d)台帳などによる基準書類や参考文献、ソフトウェアの最新版管理の徹底

e)技術者レビューの励行

f)CALS/EC の導入(CALS-mind での業務遂行など)

●設計業務における着手前・設計中・完了直前のチェック項目・内容

【着手前】

・基本条件設定に際し、現地のデータや基礎データを収集しているか。

・特に地形・地質・土地利用・周辺整備などについて、設計目的に対応したデータが得られてい

るか。

【設計中】

・設計条件など基本的条件整理が終わった段階でチェック。

・地形・地質・土地利用・周辺整備などが設計に反映されているか。

【完了直前】

・報告書・設計図面・数量計算・積算工事費の適切性や整合性についてチェックする。

●社会のあるべき方向

a)瑕疵担保責任など品質に関する責任の明確化と厳格化

b)諸基準の弾力化

c)CALS/EC

d)ISO9001 や技術者レビューなどのシステムを使った有効な品質管理

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(4) アカウンタビリティ

H16 試験では、アカウンタビリティが求められる社会的背景、建設コンサルができることの2点に

ついての設問が出ました。

背景としては、H11 向上指針とH14 懇談会提言を把握しておけば大丈夫でしょう。

「できること」については、合意形成プロデュースの知識が必要と思います。

●社会的背景(向上指針)

「公共責任の説明責任(アカウンタビリティ)向上指針」(H11.2 建設省)が始まり。このころ、

吉野川可動堰などのトピックがあった。

a)行動指針の背景と目的

公共事業に対し、発注システムや大規模プロジェクトの必要性等、国民の批判が大きい。

公共事業の入札・契約手続の改善、公共工事コスト縮減、事業評価等で対応しているが、いまだ

深刻な不信感が醸成。

国民の理解を得ながら社会資本整備を進めていく努力が必要。

b)行動指針の対象

国交省直轄事業、公団施行事業、補助事業(建設省関与分:事業採択等)

c)具体的措置(アカウンタビリティ向上の考え方)

(1) 情報の共有化とコミュニケーションの推進

公共事業情報の量と質を向上させインターネットや情報データベースで積極的に公開する。

(2) 社会資本に関する論点の明確化と臨機の対応

基本的考え・実施上の課題を明確に示して意見交換する。また社会条件の変化に迅速・的確

に対応する。

(3) すべてのプロセスにおける評価の明確化

政策企画・事業採択・実施・完成後の各段階で評価を充実させる。

(4) 公共調達の不断の改革継続

入札契約制度改革,コスト縮減等の施策を継続的に推進する。

●社会的背景(「公共事業のアカウンタビリティを考える懇談会」提言)こちら

a)なぜアカウンタビリティか

質的目標達成、環境回復策、住民参加手法、地方分権在民社会、地域独自計画、不特定多数との

合意形成

b)これまでの問題点

建設行政に対する不信感、情報公開不足、メディア対策

c)今後のあり方/基本姿勢

積極的で正確な情報公開

d)今後のあり方/アカウンタビリティ向上の手法について(対象範囲)

計画段階からのアカウンタビリティ、ステークホルダー分析、対象多様化(女性など)、合意形

成のための中間層支援

e)今後のあり方/アカウンタビリティ向上の手法について(情報内容)

わかりやすい表現、具体的な夢や構想を明確に提示、政策全体視点、デメリットへの自己責任、

推進の論理、提案型情報など

f)今後のあり方/アカウンタビリティ向上の手法について(情報の出し方)

メディア特性に合った情報、IT 活用、コミュニケーションスキルを磨くなど

g)今後のあり方/組織について

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コミュニケーション組織一元化、論客育成、言葉のセンス

h)今後のあり方/費用と効果の考え方について

広報 PR 費も事業費の一部、時間的費用、円滑な合意形成はトータルコスト低減に資する、広報

宣伝費必要

i)これからの国土交通省

従来思考からの脱却、柔軟な目標設定、プロセスガラス張りで不信感払拭、行政枠越えた連携、

サービスの基本、主権在民と行政主体性

●合意形成プロデュース

平成 15 年度RCCM登録更新講習会テキストとして使われた、「コンサルタントの新しい役割~合

意形成プロデュース~」というテキストがあります。建設コンサルタンツ協会にも残部はないようで

すが、もし先輩RCCMの方などから入手が可能であれば、ぜひこれをご一読ください。

アカウンタビリティ向上のために建設コンサルができることといえば、以下の3点に集約されるかと

思います。

a)わかりやすい情報提供・共有化

CGや模型等、ビジュアルな手法/専門用語を避けた平易な言葉使い/ネットや広報などによる

情報提供

「合意形成プロデュース」では、具体的手法として、イメージスケッチ、模型、CG・フォトモ

ンタージュ、バーチャルリアリティが紹介。

b)多様な参加形態・機会の提供

住民一人一人が酸かできる機会の容易・・・・ワークショップ、アンケート、インターネットによる

意見聴取など

「合意形成プロデュース」では、具体的手法として、情報公開・収集、イベント、研修会、展示

会、ワークショップ、社会実験など 18 の手法を紹介。

ワークショップで用いられる主な手法:ファシリテーショングラフィック、まちウォッチングゲ

ーム、KJ法、ノミナルグループプロセス、使い方シミュレーションゲーム

コンサルタントは、ファシリテーターとしての役割が期待される。

c)代替案提供と客観的な評価

複数案の提示(メリット・デメリット開示含む)/客観的な評価結果の提示/再評価・事後評価

とフォローアップ

「合意形成プロデュース」では、評価分析手法として、AHP法、KJ法、CVM、SD法を

紹介。

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問題4-1対策

1.問題の内容

• 土木関連技術の必要基礎知識についての理解度が問われる。 • 問題2・問題3・問題 4-2 ともで 13:10~16:45(3時間 35 分) • 4択問題20問 • ウェイト:推定10%(問題4全体で20%)

●平成 14 年度から新設された問題で、次のような内容の土木関連技術基礎的学力・知識を問う問題

です。

• 測量 座標系、水準原点、誤差と精度、測量方法の手順・分類など

• 構造力学 力およびモーメント、解析方法など

• 鋼構造およびコンクリート 材料および施工に際してのコンクリートの特性、鋼材

• 土質力学 土の各種特性値、土圧、せん断・変形・圧密、各種試験内容

• 水理 静水圧、ベルヌーイ式、限界水深、定流・不定流など

• 土木計画 法勾配、基礎形式、トンネル、コンクリート打設機など基礎的な知識

• 数学等 組み合わせ、単位、微分、2進法など

• 土木史 近代土木の日本人技術者と業績

• 情報 様々なネットワークなど

• 環境 地球環境など

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2.出題傾向

平成 14 年度~平成 16 年度の問題内容を比較してみました。

問題番号と問題内容 出題分野 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度

コメント

(1)地形図標高基準点

(1)測量作業手順 (1)誤差及び精度

(2)測量作業名称 (2)等高線の性質 (2)航測とセオドライト

測量

(3)トラバース測量手順

測量作業分類も含め、現場を知っていればすぐ答えられる問題。基準点や等高線、航測 vs セオドライトの性質はごく基礎的な知識。 16 年度は誤差と精度など、やや教科書的知識問題が出題。

(4)集中荷重のモーメント図

(3)円形断面の断面二次モーメント式

(3)柱下端での曲げモーメント式

(5)矩形断面の断面二次モーメント式

(4)2個の集中荷重のせん断力図

(4)2個の集中荷重のモーメント図

構造力学

(6)アーチ構造に生じる部材力

(5)構造解析法 (5)「静定ばり」の定義

断面二次モーメント式、モーメント・せん断力図などが主体で出題傾向が比較的決まっている。 ごく基礎的な問題だが、縁のない技術者には難問? 特に断面二次モーメントは知らないと答えられない。

(7)塑性変形の呼称 (6)骨材として望ましい事項

(6)硬化コンクリートの性質

(8)コンクリートに関する用語

(7)コンクリート施工上の留意点

(7)AE剤の主目的

鋼構造 コンクリート

(9)セメント早強強度

(8)鋼材の種類を示すJIS記号

(8)鋼材の種類を示すJIS記号

出題傾向が決まっていない。 コンクリートに関する基礎知識一式が必要。 鋼材は2年連続同一問題。

(10)土の間隙率の理解

(9)土の飽和度の理解

(9)標準貫入試験の定義

(11)土圧 (10)トラフィカビリティー

(10)土の粒径区分の理解

土質力学

(12)試験で得られる特性値

(11)地震時土圧 (11)ネガティブフリクション

出題傾向がやや変化したが、問題レベルはごく基礎的で、大学教養課程レベル。

(13)静水圧式 (12)静水圧の表し方 (12)径深を表す式

(14)ベルヌーイの式 (13)ベルヌーイの式 (13)ベルヌーイの定理 水理

(15)限界水深・射流・常流

(14)定流・不定流・層流

(14)乱流と層流

相変わらずベルヌーイ・流れと同じ傾向。いずれにせよ基礎レベル。

(16)勾配 (15)コンクリート打設機械

(15)掘削機械 土木計画

(17)基礎形式 (16)トンネル形式 (16)軟弱地盤改良工法

非常に基礎的なサービス問題ばかり。

(18)組み合わせ (17)一次微分形 (17)工学で使用する単位 数学等

(19)補助単位 (18)2進法 (18)近似計算式

高校数学レベルだが、忘れている人は多いのでは? 単位問題は引っ掛け問題だった。

土木史 (20)青山士 (19)井上勝・田辺朔郎・広井勇・青山士

知らないと解けない。H16 は出なかったが、なくなるか?

情報 (20)LAN・WAN・インターネット

(19)情報技術知識(GPS)

15 年度から出題始まり。15 年度はネットワークの基礎の基礎。 H16 はやや応用編(実務に近い)。

地球環境

(20)地球環境問題基礎知識

16 年度から始まり。基礎の基礎から入った。

分野にもよりますが、問題レベルは大学で習う内容の中でも基礎レベルです。

工学系大学へ行っていない(あるいは行ったけれど忘れている)人、自分の専門分野以外の分野の知

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識が乏しい人、先輩・上司から教えてもらったことを基礎理論(なぜそうなっているか)を学ばず丸

暗記してきただけの人は、50 点取れないということもあるかもしれません。

3.17 年度問題の対策

管理技術者として、最低限の広い知識または技術的知見を持っているかということが問われる問題で

す。

14・15 年度は出題ジャンル・出題内容とも一定していましたが、16 年度はジャンルのみ一定で、出

題傾向が少し変わったように思います。ジャンルは一定なのですから、過去問題を中心にジャンル・

内容を絞り込んで勉強し、出題範囲がやや広がったり、出題傾向を変えてきたりした場合に備え、補

強していくという勉強方が妥当ではないかと思います。

問題レベルとしては、2級土木施工管理技士試験と同等程度ではないかと思います。

そこで、次のようにして勉強していってはいかがでしょう。

1. 過去問題で実力チェック RCCMの過去問題は2年分しかありませんが、テキスト「RCCM」の模擬問題、

2級土木施工管理技士試験の過去問題などもありますので、そういった問題を集めて

解いてみましょう。

2. 不得意分野の抽出と補充勉強 この問題で失敗するとすれば、基礎知識が偏っているとか欠けている分野がある場合

です(全体に得点があげられない人は、RCCM試験を受けること自体に問題がある)。

不安のある分野を抽出し、工学系大学テキスト・2級土木施工管理技士対策本などで

勉強しましょう。

3. PDCAサイクルで効果的な勉強を やみくもに勉強しても効果はなかなか出ません。

不得意分野など重点的勉強計画→勉強実施→実力判定→不得意分野抽出という、計

画・実行・判定・処置のPDCAサイクルを繰り返し、効率的に合格レベルの実力を

身につけていきましょう。

サイクルは、試験まで3ヶ月以上あるときは1ヶ月程度、1ヶ月前までは2週間程度、

1ヶ月前からは1週間程度のサイクルがいいと思われます。

4. 過去問題の出題ジャンル・内容に重点を置いた勉強を 問題傾向が比較的決まっているので、その事項に重点を置いて勉強します。

その上で、出題ジャンル・内容がほぼカバーできたら、その周辺分野もカバーしてい

きます。2級土木施工試験出題内容が参考になるでしょう。

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4.出題が予想されるテーマ

過去問題やテキスト「RCCM」問題集などを参考に、分野別に出題テーマを予想してみました。

1. 測量 東京湾平均海面・日本水準原点・座標系・測地系など、測量手順、GPS・リモートセ

ンシング、数値地図・GIS などを押さえておきたいところです。

2. 構造力学 断面二次モーメント式やモーメント・せん断力分布などを押さえておきましょう。

3. 鋼構造コンクリート 鋼構造の問題はほとんど出題されておらず、構造力学ともダブるので、コンクリート

に絞ったほうがいいでしょう。

4. 土質力学 重さ Wと体積Vによる土の物理特性の理解、土圧に絞っても大丈夫だと思います。

5. 水理 ベルヌーイ式、流体に関する各種知識、マニング式・ストークス式・ダルシー・ワイ

スバッハ式など、ダルシー則・フック規則など

6. 土木計画 施工管理全般、統計管理など。熟練技術者ならば常識感覚で解けると思います。

7. 数学等 基本的には高校数学を復習しましょう。一次試験基礎科目対策も参考になるかもしれ

ません。

8. 土木史 本などを読むか、あっさり捨ててもいいかもしれません。

9. 情報 16 年度は問題数が増えるかもしれません。ネット用語をざっと勉強しましょう。

10. 環境 試験前に、

14 年度から 15 年度にかけて情報分野が追加になったように、新分野が追加されるか

もしれません。

あるとすると、環境(廃棄物含む)・施工管理(土木計画とまとめて?)ではないか

と思われます。

と言っていたのが的中しました。

地球環境が出題されたので、地球環境は無論ですが、今度は廃棄物、リサイクルが要

注意です。

廃棄物(特に産廃)の分類、マニュフェスト、バーゼル条約など建設環境分野の勉強

をしておきましょう。

11. 新分野 今年度も、新分野の追加はあるかもしれません。

あるとすると、施工管理(土木計画とまとめて?)あたりではないかと思われます。

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問題4-2対策

1.問題の内容

• 受験部門の専門技術知識についての理解度が問われる。 • 問題2・問題3・問題 4-1 ともで 13:10~16:45(3時間 35 分) • 4択問題で、20問中10問を選択解答 • ウェイト:推定10%(問題4全体で20%)

●平成 16 年度から新設された問題で、受験部門に関する専門技術知識を問う問題です。

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2.出題傾向および 17 年度問題の対策

平成 16 年度の問題内容を、部門毎に検討し、17 年度問題対策について考察してみました。専門外の

部門もあるので、内容に偏りがあることをお断りしておきます。

なお、部門にもよりますが、出題内容は、一級土木施工管理技士試験、技術士第一次試験専門科目

などと重なる部分がかなり多くなっているように思います。

そこで、対策としてはこれらの受験対策資料を使った勉強が考えられます。

出題傾向がわかりませんので、全般にわたって広く浅い知識を得ておくことが必要ではないかと思い

ます。下記を参考にしてください。

※一級土木施工管理技士問題・解答は、17 年度分を取得し損ねたため、16 年度になっています。ど

なたかお持ちでしたらご提供いただけるとありがたく思います。

• 一級土木施工管理技士平成 16 年度問題(問題A:選択問題) • 一級土木施工管理技士平成 16 年度問題(問題B:必須問題) • 一級土木施工管理技士平成 16 年度問題解答 • 技術士一次試験専門科目対策資料(技術士受験応援ページ)

その他、各専門分野における技術指針・設計基準などが参考になると思います。たとえば河川砂防に

おける「河川砂防技術基準(案)・同解説」、港湾における「港湾の施設の技術上の基準・同解説」な

どです。これらを持たずにコンサル実務ができるわけがありませんので、持っていない方はおられな

いと思います。万一持っておられない方は購入してください。

また、問題レベルも、長年にわたりその分野の実務に携わってきた技術者である以上、50%正解でき

ないことはまずない程度のものという感じがします。もし 50%もわからないということであれば、

経験則とマニュアル盲従だけで仕事をこなし、基礎理論・基礎知識の勉強を怠ってきたか、あるいは、

ごく狭い専門分野の知識だけしかもっていないということになるのではないかと思います。そういう

方にとっては、この試験は基礎知識をしっかり構築しなおすいい機会ではないかと思います。

いずれにしても、始まって年数が浅い問題なので、傾向が変わる可能性も多いにあります。ご自分が

長年にわたって積み重ねてこられた技術力の中で、根拠や技術体系などがあやふやなところを整理し

て、スカッと体系化して頭の中に収めなおす作業を、ぜひ実行してください。

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●河川、砂防及び海岸・海洋

【16 年度問題】

誤ったもの 15

正しいもの 3

穴埋め 2

組合せ 0

計算 0

大部分が誤っている選択肢を探す問題

河川調査計画 6

河川構造物 7

海岸 1

砂防 4

地すべり他 2

65%(13 問)まで河川関連が占める

河川構造物のうち2問は樋門

基本的には、河川砂防技術基準からの出題と考えても違いありません。河川関連で 13 題ですので、

河川を専門とする技術者にはご馳走様的な問題です。逆に海岸は1問だけ。かなり偏った出題といえ

ます。

【17 年度対策】

やはり「河川砂防技術基準・同解説」をテキストとして、知識体系の再整理をするのが一番ではない

かと思います。問題レベルは基礎的なものばかりですので、実務に携わっていれば 5点ぐらい取るの

は何ら難しくはないと思います。

http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_kasen.htm に技術士一次試験専門科目対策として

河川砂防関連知識をまとめておきましたので、参考にしてください。

なお、河川砂防技術基準計画編は、平成 16 年 3 月に改定されています。こちら

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●港湾及び空港

【16 年度問題】

誤ったもの 10

正しいもの 7

穴埋め 2

組合せ 1

計算 0

問題構成も港湾と空港でほとんど同じ

港湾・港湾法 1

港湾・波 3

港湾施設 4

港湾・その他 2

空港整備法 1

空港設計 6

空港・その他 3

港湾・空港から均等に出題

港湾の問題は、港湾基準記載内容に集中しています。技術士試験などでは空港の出題はほとんどあり

ませんが、RCCM は港湾・空港 10 問ずつです。逆に言うと、問題選択の余地が全くない状態です。

【17 年度対策】

港湾については、「港湾の施設の技術上の基準・同解説」をテキストとして、知識体系の整理を行う

のが一番です。かなり基礎的なレベルの問題ですので、実務に携わっているなら 5点取ることはたや

すいはずです。

http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_kowan.htm に技術士一次試験専門科目対策として

概略知識をまとめておきましたので、参考にしてください。

空港については専門外なのでわかりかねます。情報をお持ちの方があれば、技術基準等、テキストに

できそうなものをお教えください。

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●電力土木

【16 年度問題】

誤ったもの 13

正しいもの 4

穴埋め 1

組合せ 1

計算 1

多くが誤った選択肢を探す問題

計画 5

ダム堤体構造物 5

水路 5

類 その他 5

水力発電のみ

水力発電に関する問題ばかりですが、その中でも比較的均等に問題割り振りされ、かなり問題選択の

余地が広くなっています。

送電施設等の問題は全く見当たりませんが、該当する受験生はいないのでしょうか。(専門外なので

わかりません)

【17 年度対策】

「発電用水力発電設備に関する技術基準」(たとえば

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H09/H09F03801000050.html)などがテキストになるのでしょう

か。(専門外でわかりません)

実務技術者の方はおわかりと思いますので、そちらで知識体系の整理をしてください。

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●道路

【16 年度問題】

誤ったもの 8

正しいもの 9

穴埋め 0

組合せ 3

計算 0

「正しいもの」問題は、分類・用語・数値等の選択問題が多い

道路計画 5

道路設計 9

道路構造物 3

類 その他 3

基本的に道路構造令と道路土工を理解していれば問題ない

道路構造令の様々な区分・数値その他の知識を確認するような問題が多く、「正しいもの」問題は、

たとえば「小型自動車が停車可能な路肩は次のうちどれか」といったような、「該当するのはどれか」

問題が主体を占めます。

道路設計における様々な決まりごとを知っているかどうかの勝負になります。

【17 年度対策】

道路構造令に定められた様々な規定を理解・記憶し、また道路土工あるいは道路橋示方書に実務で親

しんでいれば、特に問題はないと思いますが、この機会にぜひ知識体系の整理をしてください。

http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_doro.htm に技術士一次試験専門科目対策として概

略知識をまとめておきましたので、参考にしてください。

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●鉄道

【16 年度問題】

誤ったもの 20

正しいもの 0

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

全問誤ったもの探し

鉄道計画 4

鉄道設計 10

施工・管理 3

類 駅その他 3

用語説明的な問題が多い

多くが用語にまつわる知識問題です。奇をてらったような問題のない、非常に順当・堅実な出題とい

う感じがします。

【17 年度対策】

普通鉄道構造規則(http://law.e-gov.go.jp/haishi/S62F03901000014.html)などがテキストにな

るのでしょうか。これを基に伏龍さんがまとめてくださった資料が

http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_tetudo.htm です。

また、鉄道用語集のサイトもあります(http://lavender.system.nitech.ac.jp/rail/term.htm)。

用語説明的な問題が多いことを考えると有効かもしれませんので、参考になさってください。

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●上水道及び工業用水道

【16 年度問題】

誤ったもの 16

正しいもの 3

穴埋め 0

組合せ 1

計算 0

用語説明的な問題が多い

一般的事項 6

水処理 8

配水施設 1

管路設計 2

その他 3

水処理に関する問題が多い

私が専門外なのでよくわかりませんが、水処理に関する問題が多く、これに詳しければ、5問以上は

楽勝でしょう。

用語説明的な、「○○に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか」といった問題が多く目に

付きます。

【17 年度対策】

専門外にてテキスト提示などはできませんが、水処理を中心に用意すればいいのではないかと思いま

す。

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●下水道

【16 年度問題】

誤ったもの 10

正しいもの 10

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

正誤均等に割り振られている

一般的事項 2

管路 9

類 処理施設 9

用語説明的な問題が多い

正誤 10 問ずつ、管路と処理施設が9問ずつと、律儀に等分されています。出題者の律儀さが伝わっ

てくるように感じます。^^;

得点しやすい問題構成という感じがします。

【17 年度対策】

16 年度と同じ出題傾向が続けば、管路、処理施設に均等な出題が期待できますので、ご自分の得意

な方を勉強しておけばいいと思われます。知識体系をきちんと整理しておけば、5点は取れるでしょ

う。

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●農業土木

【16 年度問題】

誤ったもの 13

正しいもの 5

穴埋め 0

組合せ 1

計算 1

特にこれといった特徴はない

農業施策 3

測定 2

畑地 1

水田 5

洪水 2

水路 7

各分野からまんべんなく出題されている

特徴がない問題構成は、すなわち偏りがないということ、傾向が偏らないよう、また出題分野が偏ら

ないよう、時間をかけて丁寧に問題を作っている状況がうかがえます。

逆にいうと、水路関係以外に偏った専門性を持った人は、得点しにくくなっていると思われます。

【17 年度対策】

専門外で、テキストとなるようなものはよくわかりませんが、農業土木技術管理士試験問題などは参

考になると思います(平成 16 年度問題はこちら)。

また、こちら(農業土木技術の紹介)やこちら(用語辞典)などが参考になるかと思います。

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●森林土木

【16 年度問題】

誤ったもの 10

正しいもの 10

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

正誤均等に割り振られている

施策・一般 4

砂防・洪水 3

伐採 1

林道 7

その他 5

林道に出題が集中している

7題まで林道関連の出題ですので、林道設計を主にやっている技術者にはありがたい問題構成でしょ

う。

【17 年度対策】

林道が主体を占めています。テキストとしては、やはり「林道規定―運用と解説―改訂版」(平成 14

年 5 月・日本林道協会)あたりでしょう。

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●造園

【16 年度問題】

誤ったも

の 5

正しいも

の 15

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

該当する物や数値などを選ぶ問題が多いため、「正しいもの」が主になっ

ている

都市計画

等 3

庭園史 2

環境関連 5

木材・樹木 3

遊具 1

街路 2

都市公園

他 4

広い範囲から少しずつ出題されている

この部門は他部門と大きく異なり、「正しいもの」が多くなっています。これは、設問内容に該当す

るもの・適切なものを選べというスタイルの問題が多いためです。

環境関連は都市緑化関連が主になっているようです。

全体として、公園設計に際して求められる広い実用知識を確認しようという出題意図が感じられます。

【17 年度対策】

都市計画・都市公園、あるいは都市緑化・景観等といったところに重点をおいて勉強されるといいと

思います。

そういった方面のテキストで勉強されるのもいいし、上記のような語句をキーワードとしてインター

ネットで検索されるのもいいでしょう。基礎的知識の補充にはかなり有用です。

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●都市計画及び地方計画

【16 年度問題】

誤ったもの 12

正しいもの 7

穴埋め 0

組合せ 1

計算 0

選択肢が長めの文章であることが多い

一般的事項 2

都市計画法 6

都市計画道路 5

都計事業等 4

都市公園等 3

ほとんど都市計画のみからの出題

都市計画法その他の規程に関する知識を問う問題が主体ですが、用語知識などにとどまらず、考え方

や実際の運用などに関する知識・経験を問おうという姿勢が感じられます。長めの文章選択肢が多く

なっているのは、そのせいかと思います。

【17 年度対策】

都市計画に関する知識を問われます。http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_tokei.htm

に技術士一次試験専門科目対策として概略知識をまとめておきましたので、参考にしてください。ま

た、伏龍さんに以下の資料をご提供いただきました。ありがとうございます。

●都市計画資料 http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_tokei2.htm

●都市計画法全文 http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_tokeihou.htm

なお、練習問題として、宅建試験の問題が好適です。「Echo の宅建 1000 本ノック」(こちら)が特

にお勧めです。

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●地質

【16 年度問題】

誤ったもの 9

正しいもの 9

穴埋め 0

組合せ 2

計算 0

調査手法についての知識を確かめる問題が多い

道路 2

ダム 1

地質図 1

トンネル 2

劣悪地盤 2

鉱床 1

防災 3

地下水 2

地熱 2

調査方法 4

広い範囲から少しずつ均等に出題されている

地質は、土木調査から鉱山、地下水その他まで幅広いのですが、その広い分野から少しずつ均等に出

題されています。

内容も、単なる用語知識だけでなく、やや応用的知識なども出題されています。偏った知識の人は得

点しにくいと思います。

【17 年度対策】

非常に広い範囲からの出題であり、網羅したテキストというのはなかなかありません。

ご自分の専門分野を明確にし、その周辺分野とともに押さえるようにすれば、5点の得点は容易でし

ょう。

地質学の基礎がある人はいいのですが、そうでない人は経験則のみの積み重ねになりがちな分野です。

この際、テキスト類を多く読んで、基礎知識を身につけておくと実務にも有効でしょう。

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●土質及び基礎

【16 年度問題】

誤ったもの 9

正しいもの 10

穴埋め 0

組合せ 0

計算 1

工法選定等の応用的な問題がやや目立つ

地形 1

土質特性 2

法面 1

軟弱地盤 4

掘削・土留 3

土圧 1

地震挙動 1

基礎 4

液状化 3

広い範囲から少しずつ均等に出題されているが、基礎系がやや少ない

正しいもの選択が多くなっていますが、これは正しい用語・数値等を選ぶ問題が多いためです。

基礎に関する問題が少なく、対して軟弱地盤関連の工法や土質特性等を問う問題が多くなっており、

軟弱地盤中心の土質屋さんにありがたい出題内容となっています。

【17 年度対策】

土質工学系と基礎系に大きく分かれます。この分野も経験則で仕事をしている人が意外と多いので、

土質特性の基礎 http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_doshitu.htm にまとめておきまし

たので参考にしてください)から学習しなおすのもいいでしょう。

たとえば土質系なら、「土質工学ハンドブック」などがお勧めです。基礎理論に関する説明が多く、

少し難解かもしれませんが、ここに記載されている内容が理解できればしめたものです。

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●鋼構造及びコンクリート

【16 年度問題】

誤ったもの 14

正しいもの 5

穴埋め 0

組合せ 1

計算 0

鋼構造は誤6・正3・組合せ1

コンクリートは誤8・正2

鋼材 5

鋼橋 3

鋼構造その他 2

コンクリート一

般 4

PC橋 3

耐震 1

補強その他 1

鋼構造 10 問・コンクリート 10 問だが、それぞれ出題傾向が異なる

鋼構造は鋼材を中心に、構造屋さんらしい基礎~応用知識を問う問題が主体です。

コンクリートは一般、PC 橋、耐震など、やや広い範囲を均等に網羅しようとしています。

いずれも 10 問ずつですので、実質的な選択の余地はありません。

【17 年度対策】

鋼構造 10 問・コンクリート 10 問の問題構成が変わらなければ、選択の余地はありません。自分の専

門の 10 問をひたすら解くだけです。

鋼構造では鋼材と鋼橋、コンクリートではコンクリートの一般特性や検査法、PC橋といったものに

重点を置いてはどうかと思います。

鋼材については、材質表記、検査方法(超音波探傷検査、放射線透過写真検査、磁粉探傷検査、浸透

探傷検査・AE法)、応力に関する事項などで、鋼橋は、継ぎ手(溶接技術含む)を中心に、防腐防

食・解析手法などの出題も考えられます。

コンクリートは、水セメント比・レイタンス・クリープ係数・スランプ・エアー(エントレインド・

エントラップト)などの基本用語はしっかり押さえておきましょう。

この他に、耐震性(耐震補修含む)・維持管理補修技術いついても出題が予想されます。アルカリ骨

材反応も出題される可能性が考えられるので、しっかり押さえておきましょう。

伏龍さんに、コンクリート標準示方書(維持管理)の資料をご提供いただきました

(http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_con.htm)。

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●トンネル

【16 年度問題】

誤ったもの 16

正しいもの 3

穴埋め 0

組合せ 1

計算 0

工法選定・施工における留意点的問題が多い

山岳 6

山岳・シールド 1

シールド 4

大深度 1

インバート 1

道路トンネル 1

不良地山等 3

地震その他 3

広い範囲からの出題意図が感じられる

山岳 7・シールド 5の出題で、さらに道路トンネルや調査関連まで、様々なトンネル受験者のためを

思ってか、広い範囲から出題しようという意図が感じられます。「ご馳走様」的立場の人は少なかっ

たのではないかと思います。

工法選定や施工時の留意点を問う、基礎的ながら実用技術に関する問題が目立ちます。

【17 年度対策】

できれば山岳・シールド両方から得点できればいいのですが、得意分野が偏っている場合は、どちら

かに絞り、その代わり確実に得点しましょう。そのためには、自分の専門分野に関する基礎知識をし

っかり確認しておく必要があります。

次のような文献には目を通しておきましょう。

●トンネル標準示方書・同解説(山岳、シールド、開削工法編) ~土木学会

●山岳トンネルの補助工法 ~土木学会

●NATM 工法の調査・設計から施工まで ~地盤工学会

●シールド工法の調査・設計から施工まで ~地盤工学会

また、最低限のキーワードなどを http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_senmon.htm#2-9(技

術士一次試験専門科目対策)にまとめておきました。

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●施工計画、施工設備及び積算

【16 年度問題】

誤ったもの 4

正しいもの 16

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

工法・数値の適切なものを選ぶ問題が多い

土質 1

鋼構造 2

鉄筋 2

コンクリート 6

基礎・軟弱 3

トンネル 3

IT・契約・積算 3

ややコンクリートに偏りがある

他の部門と違い、大部分が「正しいもの選び」で、適切な工法や数値は何かという問題が多くなって

います。

出題範囲はコンクリートに偏りがあり、土工・トンネル等はやや不利です。また、施工計画以外はほ

とんど出題されていません。

【17 年度対策】

16 年度試験の傾向が続くとすれば、工法や数値を選択肢の中から選ぶ問題が主体となります。また、

コンクリートにウェイトを置いておいたほうがいいかもしれません。

全般的な基礎知識としては、技術士第一次試験専門科目対策資料

(http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_sekou.htm)が参考になるかもしれません。

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●建設環境

【16 年度問題】

誤ったもの 11

正しいもの 9

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

物質・手法等の適切・不適切なものを選ぶ問題が多い

関連法令 3

アセス法 3

大気質 2

騒音 2

水質 3

自然環境 3

生態系 3

地球環境 1

全般から均等に出題されている

物質や法令、手法、現象その他を列挙して、「どれが正しいか」「どれが不適当か」といった、知識

を問う問題が多く、そのため選択肢が文章ではなくモノの名前が主体になっています。

法令やアセス、いわゆる公害、自然環境等と、均等に出題されています。

ただし、大気・騒音・水質・自然環境といった各分野ごとの問題は、表面をサラッとなでたくらいの

知識では答えられない程度に深くなっており、アセスや環境保全対策の全体を管理するといった立場

の人には答えにくかったかもしれません。

【17 年度対策】

16 年度試験の傾向が続くとすれば、知識確認問題が主体になると思われます。大気水質騒音等の専

門分野では、実務でタッチしていないとわからないような問題も見られるので、全体をマネジメント

する立場の人は、関連法令・アセス法などで稼ぐ作戦でいったほうがいいと思います。

同様に専門分野が限られている人は、他分野で無理して得点するより、専門分野で得点し、関連法令・

アセス法などで補充するといった方向がよいのではないかと思われます。

あまり役に立たないかもしれませんが、技術士第一次試験専門科目対策として、環境影響評価・地球

環境・自然環境・生態系についてまとめた資料が

http://apec.fc2web.com/pe/ichiji/ichiji_sen_kankyo.htm にありますので、参考にしてください。

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●機械

【16 年度問題】

誤ったもの 10

正しいもの 10

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

正誤均等に出題

基礎的事項 3

建設重機 5

水関係 3

各種機械 3

環境 1

排水・ゲート 5

水関係にやや偏りあり

正誤 10 問ずつ、律儀に均等を保ちつつ出題されていますが、その内容は、やや水関係に偏りがある

ように感じられます。建設重機関係も多く、5点確保は比較的簡単と思われます。

【17 年度対策】

専門外でよくわからないのが正直なところですが、建設重機を中心に、排水ポンプやゲートなどの水

関係機械についても押さえておくといいのではないかと思います。

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●水産土木

【16 年度問題】

誤ったもの 12

正しいもの 8

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

用語説明的な問題が多い

一般的事項 4

漁港設計 9

漁業 2

海岸環境 3

その他 2

設計対象物等ごとに、正確に理解しているかを問う問題が多い

漁港の調査設計に際しての様々な対象物(設計物や自然物など)について、どういったものがあるか

とか、どのような点に配慮するかなどの、比較的基礎的な知識を問う問題が多くなっており、あまり

偏りのない出題となっています。

【17 年度対策】

基本的には「漁港・漁場の施設の設計の手引き」をテキストとして、知識体系を再確認あるいは再構

築されるのが早道と思います。

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●電気電子

【16 年度問題】

誤ったもの 7

正しいもの 9

穴埋め 0

組合せ 1

計算 3

簡単な計算が必要と思われる問題がいくつかある

電気関係 10 問

通信関係 10 細分不明

門外漢で技術体系がわからないため、問題分析ができません。ISDN など、妙に懐かしい用語に出会

うことができました。^^;

【17 年度対策】

電気関係と通信関係で各 10 問ずつの出題であれば、選択の余地はありません。自分の専門分野なの

ですから、ぜめて 50%の正解はできるよう、基礎的知識をよくチェックしておきましょう。

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●廃棄物

【16 年度問題】

誤ったも

の 18

正しいも

の 2

穴埋め 0

組合せ 0

計算 0

大部分が誤り探し

基礎的事

項 3

焼却施設 3

処理許認

可 3

家電 1

排水処理 2

産廃処分 4

リサイク

ル 4

施設、技術、手続き等に関して、基本的な分類や考え方を確認する問題が

多い

廃棄物の区分に始まり、許認可関係、技術基準、建設リサイクル、減量化といった幅広い出題がされ

ており、実務者としての管理知識や考え方を確認する問題が多くなっています。

【17 年度対策】

廃棄物処分に関する問題が主体と思われるので、処分技術、処分場の許認可および運営に関する知識

など、基礎的知識をしっかり身に付けておきましょう。廃棄物ねっと

(http://haikibutunet.fc2web.com/)や産業廃棄物処理の手引き

(http://www.eco.pref.mie.jp/jyourei/todokede/sanpai/tebiki/)などが参考になると思います。