rescap帰国報告会発表資料

66
© 2014 Rural Extension Service Capacity Advancement Project All Rights Reserved. 「自立発展する組織(行政)づくり( Capacity Developmentは可能か~技術協力プロジェクトの限界を越えて~」 ザンビア農業畜産省における普及サービスシステム全体強化への 取り組みの成果・教訓から 農村振興能力向上プロジェクト(RESCAP) 20141217日(水) JICA本部 229会議室 第18回 JICA農村開発部ナレッジ勉強会

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© 2014 Rural Extension Service Capacity Advancement Project All Rights Reserved.

「自立発展する組織(行政)づくり(Capacity Development)

は可能か~技術協力プロジェクトの限界を越えて~」

ザンビア農業畜産省における普及サービスシステム全体強化への

取り組みの成果・教訓から

農村振興能力向上プロジェクト(RESCAP)

2014年12月17日(水)JICA本部 229会議室

第18回 JICA農村開発部ナレッジ勉強会

発表内容

1. RESCAPってなに?

2. なぜ始まったRESCAP?

3. 何をやったのRESCAP?

4. ここが課題・教訓だったRESCAP?

1. RESCAPってなに?2. なぜ始まったRESCAP?3. 何をやったのRESCAP?4. ここが課題・教訓だったRESCAP?

RESCAPの目的

RESCAPは組織強化のプロジェクト

CAPACITY DEVELOPMENT PROJECT

ここまで行政組織の問題に真正面から取り組んだ

プロジェクトはあまりない、、、らしい?

キャパシティデベロップメントってなに?

キャパシテイビルデイングからキャパシテイデベロップメントへ

5

ゼロから外部のアイデア・資源で構築 内部のアイデア・資源を活用した自立発展プロセス構築支援

個人、組織、制度や社会が個別にあるいは集合的に問題を解決していく能力発展プロセス

Skills & Knowledge

Structure, Mechanism,

Process

Policy, Legal & Institutional

Framework

物的・人的資本 能力

制度・社会

組織

個人

キャパシティビルディング キャパシティデベロップメント

プロジェクトのフレームワーク(成果とシナリオ)

6

RESCAPとは、農業畜産省の組織強化を通じて普及員がザンビアの小農によりよい普及サービスを提供するためプロジェクト。

小農普及員

普及サービスの提供(成果3)

農業畜産省の組織強化(成果5)

展示圃場(デモ)(農業開発アプローチ)

Micro Project(農村開発アプローチ)

適正技術の特定(成果1)

研修制度の構築(成果2)

成果1 成果2 成果3 成果4 成果5

小農に必要な適正技術を特定する。

普及員の能力向上のための研修システムを構築する。

研修による技術・知識の向上と普及員サービス(デモ)

の実施。

農家まで普及サービスが届いていることをモニタリング。

成果1-4が円滑に機能するために、組織全体のマネジメント能力を強化。

モニタリング(成果4)

普及員研修(成果3)

シナリオ

農業を通じた小農の生活生計の向上。

組織強化を目指したプロジェクトのフレームワーク(農業畜産省の普及組織レベル構造)

農業畜産省の組織(普及システム)全体の強化

7

参加型事業

モニタリング制度

成果 4

マネジメント改善

成果 5

研修制度

成果 2

試験圃場 圃場

適正技術

成果 1

普及員の能力向上

成果 3

FI: Farm Institute (Each Province)

FTC: Farmer Training Centre (43 Districts)

1. 適正技術の開発

2. 普及員研修講師養成

3. 普及員の技術向上

4. モニタリング能力向上

5. 全体マネジメント向上

0(ノウハウもない)

14の技術が特定(ガイドライン確立)A

fter

0(研修は外任せ)

45名のマスター

トレーナー

(延べ3,000人以上が研修受講)

展示圃場数 19(北部 対象郡)

展示圃場数 426(北部 対象郡)

報告書提出率

26%(北部対象郡)

報告書提出率

81%(北部対象郡)

普及戦略という概念さえない

国家普及戦略の

骨子(+103郡の郡普及戦略)

全国対象郡の農家(サンプル数)1000名の調査(2014)によると、全体の79.5%が普及サービ

スの向上を実感。(プロジェクト目標)

農民からみた普及サービスの改善

農家(サンプル数)1000名の55%が、作物の多様化を実感。2010年データとの比較でも、全農家の69%が多様化を実現。

農家の農業の改善

農家の56%が年収が増加したと実感。2010年データとの比較(名目値)は、全農家の61%が農業所得増加。平均額では2,374クワチャ(2010年)から、3,239クワチャ(2014年)に39%の増加。

農家の収入の向上

Befo

re

量的指標からみたRESCAPの達成度

1. RESCAPってなに?2. なぜ始まったRESCAP?3. 何をやったのRESCAP?4. ここが課題・教訓だったRESCAP?

PaSViDからRESCAPまで

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PaSViD PaViDIA RESCAP

アプローチ

時期

概要

2000~2001年 2002~2009年 2009~2014年

バングラデシュで確立された参加型開発手法のアフリカへの展開可能性の検討。

PaSViDモデルをベースにザンビア版として作られた村落開発手法(PaViDIA)の展開。

プロジェクト課題

PaViDIAモデルの全国展開における、農業畜産省(普及)の組織的課題(金

があっても使えない)の顕在化。

PaViDIAモデルの開発(ニーズベースからリソースベース、農業コンポーネントへのシフト)と、モデルの他地域への展開。

農業畜産省全体の普及能力向上(プラットフォーム構築)を通じた小規模農家の支援。

普及員が小農に普及できる適正技術の開発、研修制度の構築とその制度を通じた能力強化、モニタリング制度等。普及マネジメント全体の組織強化

1世帯100ドル相当の資金投入と持続的農業手法

ザンビアの事情に合わせたモデルの変更が必要。

「貧困削減のための小規模農家を対象とする農村開発」というテーマに対し、PaSViD、PaViDIA、RESCAPと、農村への直接支援から組織全体の強化を通じたアプローチに推移。

貧困削減のための小規模農家を対象とする農村開発テーマ

普及システム・組織全体への取組みは妥当

だったのか?モデルの限界

小農の為に考える政策官

小農の為に考えるえる行政官

小農と一緒に考える普及員

1. RESCAPってなに?2. なぜ始まったRESCAP?3. 何をやったのRESCAP?4. ここが課題・教訓だったRESCAP?

プロジェクトのフレームワーク(成果とシナリオ)

13

RESCAPとは、農業畜産省の組織強化を通じて普及員がザンビアの小農によりよい普及サービスを提供するためプロジェクト。

小農普及員

普及サービスの提供(成果3)

農業畜産省の組織強化(成果5)

展示圃場(デモ)(農業開発アプローチ)

Micro Project(農村開発アプローチ)

適正技術の特定(成果1)

研修制度の構築(成果2)

成果1 成果2 成果3 成果4 成果5

小農に必要な適正技術を特定する。

普及員の能力向上のための研修システムを構築する。

研修による技術・知識の向上と普及員サービス(デモ)

の実施。

農家まで普及サービスが届いていることをモニタリング。

成果1-4が円滑に機能するために、組織全体のマネジメント能力を強化。

モニタリング(成果4)

普及員研修(成果3)

シナリオ

農業を通じた小農の生活生計の向上。

組織強化を目指したプロジェクトのフレームワーク(農業畜産省の普及組織レベル構造)

農業畜産省の組織(普及システム)全体の強化

14

参加型事業

モニタリング制度

成果 4

マネジメント改善

成果 5

研修制度

成果 2

試験圃場 圃場

適正技術

成果 1

普及員の能力向上

成果 3

FI: Farm Institute (Each Province)

FTC: Farmer Training Centre (43 Districts)

プロジェクト実施体制

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JICA専門家(6名、2013年2月末から5名)

1) チーフアドバイザー・組織管理 農業畜産省本省農業局

2) 適正技術 北部州農業畜産省事務所

3) 普及 農業畜産省本省農業局

4) モニタリング 北部州農業畜産省事務所

(2013年2月からルサカ州農業畜産省事務所)

5) 西部州事業管理 西部州農業畜産省事務所

(2013年2月末まで)

6) 業務調整研修監理 農業畜産省本省農業局

Project全体予算: 7.09億円

RESCAPの理念

16

RESCAP、 2つの理念

予算が、政策が、C/Pが・・・などの言い訳(外部条件化)は致しません。

普及サービス向上に関わる重要課題にはできるかぎり対応します。(そうしないと本当の組織全体としての成果が出ないから)

でも、、、そんな活動PDMにおさまるの?(後ほど説明します)

RESCAP4つの特徴

17

C/Pが多い(全州・全郡の普及関連スタッフ)

各専門家配置先農業畜産省内の局/課/事務所のスタッフおよび農業畜産省他関連機関スタッフ(例:農業研修所、北部州農業研究所スタッフ等)

JOCVとの連携( 4郡に延べ10名)プロジェクト対象地域の郡の農業事務所に「村落開発/農業隊員」が複数名配属され、現場で普及員と一緒にマイクロプロジェクトの実施サポート等を含めて活動。(4郡に延べ10名)。ただし、隊員の活動はあくまで「普及員」として同僚と活動。プロジェクト活動とは柔軟に連携・協力。

日本政府関連資金(KR2見返り資金/WFP日本政府支援拠出金の一部の活用 (約1億円)

WFP日本政府一部支援伽出金(2千万円)およびKR2見返り資金によるマイクロプロジェクト実施の(8千万円)活動予算が皆無に近い普及員が、研修成果を実践的に活動できるよう一定の資金を確保

他ドナーとの連携( 約2.3千万円)

普及改善・強化のための農業畜産省のプログラム・活動としての協同協力 (EU, IFAD等)

プロジェクト対象地域

通常のプロジェクトのように、対象州・対象郡で活動を始めた

RESCAPでしたが、、、

18

ルサカ州 2郡

ムチンガ州 2郡

4年目・5年目は全州・全郡に展開

成果1 適正技術 (Appropriate Technologies)

19

小農普及員

普及サービスの提供(成果3)

農業畜産省の組織強化(成果5)

展示圃場(デモ)(農業開発アプローチ)

Micro Project(農村開発アプローチ)

適正技術の特定(成果1)

研修制度の構築(成果2)

成果1 成果2 成果3 成果4 成果5

小農に必要な適正技術を特定する。

普及員の能力向上のための研修システムを構築する。

研修による技術・知識の向上と普及員サービス(デモ)

の実施。

農家まで普及サービスが届いていることをモニタリング。

成果1-4が円滑に機能するために、組織全体のマネジメント能力を強化。

モニタリング(成果4)

普及員研修(成果3)

シナリオ

まずは研修→普及のためのコンテンツ作り

成果1 適正技術の背景と目的

20

適正技術とは、投入資材、マーケット等へのアクセスが乏しい農民が、持続的に実施可能で有効性のある技術。

適正技術とは

支援する農家の実態に合わせた普及サービスを提供するための技術が必要。

教科書通りでしか指導できない普及員。

「土壌を肥沃にするために、コンポストを作りましょう。」

「酸性土壌には石灰をまきましょう。」

普及サービスを必要とする小農にとって

「農業資材へのアクセスがないのにどうやってやるの?」

このギャップがザンビアでは課題。

<現状> <課題>

成果1 適正技術ってなに?

21

<4つの分野>

システム/農法(System)

作目(Crops/ livestock)

栽培/管理(Cultural

Practices/management)

技術/農具(Farming

implements/tools)

Planning

Process

Productivity

目的

農業の選択肢を増やす

農業のプロセスを改善する

農業の生産性を向上させる

アプローチ(適正技術の分類)

・新作目の導入(主にメイズプラスで何を栽培するのが推奨されるのか。)

・新技術(作業効率化)の導入、・地域資源の活用(作業効率化)

・新品種(高収量、高耐病性)の導入・新技術(生産性向上)の導入・地域資源の活用(コスト削減)

適正技術は、システム/農法、作目、栽培/管理、技術/農具の4つの分野を対象とし、農業の選択肢の増加、プロセスの改善、生産性の向上を目的とする。

成果1:適正技術特定のプロセス

22

Province

District

Block/Camp

Identification

Demo

District Officer

CEO

Research OfficerAgricultural Officer

Work products

IdentificationGuideline

Manual

Crop RecommendationGuide

Pilot Demo

Training

Promotion

Log sheet

農業試験場の実験圃場と普及の展示圃場の間をつなぐ役割としてのパイロットデモ圃場を通じて、対象地域の自然環境、経済環境に適合した技術の特定と、その特定サイクルの確立を行う。

(成果3)

PlanningMonitoring

IdentificationReport

成果1:研究と普及の連携

23

Trial Pilot Demo

Research Province/District BEO/CEO

試験研究の成果を現場(展示圃場)へ

研究と普及のリンク/連携の不在はザンビア農業畜産省の重要な課題

パイロットデモ圃場は、試験場の実験圃場で確立された技術や品種を、農家が受け入れ可能なように実地検証を行うことを目的としている。

成果1:適正技術(例)

24

きのこ栽培 条播き用ラインマーカー 駆除剤としてのテフロシア

養蜂雨よけトマト栽培 豆の新品種

成果2:研修制度の構築

25

小農普及員

普及サービスの提供(成果3)

農業畜産省の組織強化(成果5)

展示圃場(デモ)(農業開発アプローチ)

Micro Project(農村開発アプローチ)

適正技術の特定(成果1)

研修制度の構築(成果2)

成果1 成果2 成果3 成果4 成果5

小農に必要な適正技術を特定する。

普及員の能力向上のための研修システムを構築する。

研修による技術・知識の向上と普及員サービス(デモ)

の実施。

農家まで普及サービスが届いていることをモニタリング。

成果1-4が円滑に機能するために、組織全体のマネジメント能力を強化。

モニタリング(成果4)

普及員研修(成果3)

シナリオ

コンテンツ(技術)を広げるための枠組み作り

成果2:普及員研修システムとは

26

体系 プログラム 人材/環境

<研修システム>

職位研修、技術研修の体系化(単年度及び中長期計画、予算)

研修プログラム

研修教材

普及マニュアル

マスタートレーナー、

州・郡トレーナー育成

研修所(FI/FTC)の活性化

研修システムの構築とは、研修体系の策定、プログラム(教材、マニュアル含む)の作成、人材育成・環境整備の3つの柱。

州・郡の職員はすべてTORに研修することが含まれているにもかかわらず、実際に研修講師となれる人材が少なかった。

研修プログラムが体系的に整理されていなかった。(農業畜産省としての体系的な教材がなかった)

州・郡の職員が研修を実施する主体者となり、研修体系に基づいて作成されたプログラムで研修を実施できるようになる。

課題 目的

成果2:体系(研修別内容別対象者別)

27

- Training mainly conducted by MAL - Training conducted by MAL, Project or other Partners

Management / Administration

Training

Technical Training

Generic Issue Specific

PACO

DACO

P-HOD

D-HOD

SMS

BEO/

CEO, VA,

JTO, LA,

FA

Training of

Trainers (ToT)

Management

Training

(Department

heads at

Provincial/District

level)

Induction T

rain

ing

In-Service Training for

BEO (include Supervisory training)CEO, VA, JTO, LA, FA (IST)

etc

----

----

--

Food P

rocessin

g

Conserv

ation A

gri

culture

Arm

y w

arm

Pre

vention

On

e s

top

tra

inin

g

狙いは、研修の目的をはっきりさせること

成果2:体系(年次別対象者別)

28

PACO

DACO

P-HOD

D-HOD

SMS

BEO/

CEO, VA,

JTO, LA,

FA

Indu

ction T

rain

ing

IST IST IST IST IST

Issu

e S

pe

cific

Issu

e S

pe

cific

Issu

e S

pe

cificToT

ToT

1st Year 2nd Year 3rd Year 4th Year 5th Year 6th Year ・・・

Ma

na

ge

me

nt

Tra

inin

g

Ma

na

ge

me

nt T

rain

ing

Ma

na

ge

me

nt T

rain

ing

Review and

Planning

Review and

PlanningMT

Issu

e S

pe

cific

Issu

e S

pe

cific

狙いは、中長期的な人材開発の視点を持つこと

成果2: プログラム(講師育成研修、新人研修、現職研修)

29

Extension

methodologi

es

Social

Aspect

Agricultural

knowledge

and skills

Common

General Employment ConditionsOverall Structure of MAL

Government PoliciesFarmer RegisterCrop Monitoring

History of Extension ServiceRole of Extension officer

PEA

Adult LearningFacilitation Skills

GenderHIV/AIDS

Environment

-

Induction(新人研修)

Farm accountReport writing

Annual work plan

Role of Extension officerPEA

Adult LearningFacilitation Skills

GenderHIV/AIDS

Environment

Crop, VegetableSmall Livestock

Fruit Tree, MushroomFish farmingBee keeping

In-Service(現職研修)

Overall Structure of MALData Analysis

Report WritingAction Planning

Role of Extension officerPEA

Training MethodsLesson Plan Development

Adult LearningFacilitation Skills

GenderHIV/AIDS

Environment

-

ToT(講師研修)

普及員研修は実践重視

成果2:人材/環境(マスタートレーナー)

30

Province

District

Block/Camp

Training of Trainer

District Trainers

BEO/CEO

Master Trainers (45)

Provincial Trainers

Work products

HQ

Induction Training

BEO/CEO

In-Service Training

Resource Guide

Extension Manual

Training Material(Induction)

Training Material(ToT)

本省各部署・各州から選抜したマスタートレーナー(45名)を中心に、州・郡レベルの講師研修 (ToTs) 、州・郡レベル講師を中心に各州で新人・現職普及員研修の実施、それに関連する教材・マニュアルの作成。

Master Trainer Workshop

Training Material(In-Service)

成果2:人材/環境(農業研修所の活用)

31

これまで研修施設として十分に機能してこなかった各州に設置されているFarm

Institute(農業研修所)と43郡に設置されているFarmer Training Centre (FTC)

を、農業畜産省の研修の中心として活性化する。

プロジェクト開始時 FTC/FIマネジメント研修後の姿

他省庁・NGO等の研修時の宿泊施設としてのみ利用。

農業畜産省の研修に加えて、他省庁・NGO研修等の宿泊施設としても活用。

施設の運営資金確保のための販売目的の作物を植え付け。

農場は、独自予算による研修と関連した展示圃場として利用。

独自の研修機能なし。 独自のプログラムによる農業研修を実施。

施設運営

農場管理

研修機能

研修所なのに研修に使われないことが最大の課題

成果2:普及員研修の概要

32

普及員研修の成果はデモの量と質(続きは成果3で)

成果2:講師研修の概要

33

講師研修は、企画力とファシリテーション力向上

成果2:研修の特徴

34

地域のニーズ・ポテンシャルにあわせた実技重視

一に実践、二に実践(座学志向から実技志向へのマインドセットの転換)

成果3:技術・知識の向上と普及員サービスの実施

35

小農普及員

普及サービスの提供(成果3)

農業畜産省の組織強化(成果5)

展示圃場(デモ)(農業開発アプローチ)

Micro Project(農村開発アプローチ)

適正技術の特定(成果1)

研修制度の構築(成果2)

成果1 成果2 成果3 成果4 成果5

小農に必要な適正技術を特定する。

普及員の能力向上のための研修システムを構築する。

研修による技術・知識の向上と普及員サービス(デモ)

の実施。

農家まで普及サービスが届いていることをモニタリング。

成果1-4が円滑に機能するために、組織全体のマネジメント能力を強化。

モニタリング(成果4)

普及員研修(成果3)

シナリオ

コンテンツ(成果1)と仕組み(成果2)で研修を実施し、デモとマイクロプロジェクトで農家へ普及

成果3:普及員の実践的能力向上

36

District

Block/Camp Demos

CEO

In-Service Training

Farmers

Work products

成果3では、成果1で特定された適正技術および成果2で構築された普及員現職研修を通じて、普及員の知識レベルの向上、デモ実施能力の向上、そして普及サービスの実践(デモ設置およびマイクロプロジェクト)をおこなう。

Appropriate Technology Handbook

Log sheet

(From Output 1)

(From Output 1)

(From Output 2)

Self check test

Micro Projects

PEA-PaViDIA Manual

成果3:普及員の実践的能力(デモ設置)

37

研修の受講 デモの実施 農家の採用生活(生活+生計)

の向上

普及員研修を通じた普及員の普及能力向上により、農家がより新しい技術などを実践し、それにより最終的に生産、所得が向上することが目的となる。

セルフチェックテストによる理解度の向上。(指標3-1)

設置したデモの数が増える。(指標3-2)

また、研修で学んだ適正技術がデモとして実践される。(指標3-3)

既存の作物や技術に加え、成果1で特定された適正技術を研修を通じて普及員に指導する。

研修で学んだ技術および知識をもとに、デモを設置する。

普及員が設置したデモにより、農家が新しい品種・技術を採用する。

新品種・技術を農家が採用する(事例調査)

農家が実践した新しい品種・技術により、実際に農家の生活(生活+生計)が向上する。

農家の生活(生活+生計)が向上する(事例調査)

シナリオ

成果

成果指標は、デモまでフォロー

成果3:普及員の実践的能力向上(デモ数の増加)北部・ムチンガ対象郡

38

(Camp数)

デモの数

2009/10 2010/11 2011/12 2012/13 2013/14 増加率

Chinsali(1

7) N/A N/A 65 167 131 2.0倍

Siwangan

du(9) - - - - 26 -

Kaputa(4) 3 21 35 27 39 13.0倍Nsama(6) 47 50 -Luwingu(

13) N/A 18 75 34 93 5.1倍

Mporokos

o(19) 16 29 70 66 87 5.4倍

Total 19 68 245 341 426 22.3倍

成果3:研修受講普及員によるPEA-PaViDIA マイクロプロジェクトの実施

39

成果3:マイクロプロジェクト(例)

成果4:普及サービスのモニタリング

41

小農普及員

普及サービスの提供(成果3)

農業畜産省の組織強化(成果5)

展示圃場(デモ)(農業開発アプローチ)

Micro Project(農村開発アプローチ)

適正技術の特定(成果1)

研修制度の構築(成果2)

成果1 成果2 成果3 成果4 成果5

小農に必要な適正技術を特定する。

普及員の能力向上のための研修システムを構築する。

研修による技術・知識の向上と普及員サービス(デモ)

の実施。

農家まで普及サービスが届いていることをモニタリング。

成果1-4が円滑に機能するために、組織全体のマネジメント能力を強化。

モニタリング(成果4)

普及員研修(成果3)

シナリオ

普及サービスをよりよくするためにできることを包括的にフォローする

成果4:モニタリングの目的

42

適正技術(成果1)

小農に合わせた適正技術を特定する。

適正技術を含めた、実践的な普及サービスのための研修を実施する。

研修で得た知識・技術を農家に届ける。シナリオ

研修(成果2)

普及サービス(デモ)(成果3)

普及員マネジメントは、モニタリングを通じて成果1~2(適正技術の特定から研修の実施)を成果3(普及サービスの向上)につなげること。

どれだけ研修を行っても、普及員が現場に行かなくては、普及サービスが農家に届かない。

(理由:燃料がない、監督されていない等)

また現場での普及活動を改善するためのモニタリング。レポート提出しないのはやる気の問題だから、と言い訳してしまう組織文化に、公務員としての「当たり前」を伝授。

「No Fuel!、No Money!」といって、限られた資源を工夫しない組織文化に、戦略的な思考法を伝授。

課題 目的

普及員が現場に行くためのモニタリング

成果4: モニタリング強化の対象(普及員から州まで)

43

・計画的な活動と記録が出来ない

・普及員が現場に行かない

体系的かつ持続的な普及サービスのモニタリングのためには、郡のマネジメント、州のマネジメントの強化も必要。

小農普及員

普及員のモニタリング

デモ(農業開発アプローチ)

Micro Project(農村開発アプローチ)

DistrictProvince

郡のモニタリング州のモニタリング・普及員の活動を把握できていない(レポート提出・文書管理)・普及員が何をどれだけ普及すればいいかわかっていない(郡の計画の欠如)

課題

アプローチ

・農業ショーを目標とした年間のPlan/Do/Seeサイクルの導入・レポート提出及びフィードバックの促進

・文書のファイリング及び分析

・農業ショーを目標とした年間のPlan/Do/Seeサイクルの導入・レポート提出及びフィードバックの促進

・郡の活動を把握できていない/サポートできていない

・普及員手帳による計画及び活動記録

成果4:普及マネジメントサイクル

44

農業局郡事務所の活動は、そもそも活動計画に基づいて実施するという考え方が希薄のまま、モニタリング(バックストッピング)を実施。

農業畜産省最大のイベント「農業ショー」をターゲットにおいた年間計画の考え方を導入し、計画(Plan)→実行(Do)→モニタリングSee)のサイクルを明確化する。

課題 目的

郡マネジメントは、農業局郡事務所の活動の計画→実行→モニタリングのサイクルを明確化すること。

計画あってのモニタリング。しかしその計画がなかった・・・。

成果4:マネジメントガイドと普及員手帳

普及員手帳(ADEOs)の作成・全普及員・郡。州スタッフへの配布

郡普及マネジメントガイド(郡普及戦略・デモカレンダー)

PEA-PaViDIAマニュアルの作成(PaViDIA MPsの計画・モニタリング)

45

普及員手帳 普及マネジメントガイド PEA-PaViDIAマニュアル

成果4:郡レベルでのモニタリング/マネジメント向上

46

郡農業局による普及員定期報告書提出チェック

ファイルシステム

成果4: 普及員のモニタリング

47

計画を立てる 現場に行く 報告する

デモカレンダー

普及員手帳(ADEOs)

GISマッピング

月単位の活動目標及び活動計画

デモ、Field dayの実施FISP,FRAの事務Agric showの実施

ツール

普及員の活動

計画策定の相談(活動内容及び予算)郡の

役割

レポートへFeedback

レポートの集計・分析

レポートフォーマット提出チェックリストファイリングコンピュータ活用

活動支援(現場に行かせる)

現場視察

普及員手帳(ADEOs)

レポート

報告書の作成

ここまで、RESCAPの概要をご理解いただけましたでしょうか?

成果5に進む前に、ここまでで質問があればよろしくお願いいたします。

成果5:組織全体のマネジメントの強化

49

小農普及員

普及サービスの提供(成果3)

農業畜産省の組織強化(成果5)

展示圃場(デモ)(農業開発アプローチ)

Micro Project(農村開発アプローチ)

適正技術の特定(成果1)

研修制度の構築(成果2)

成果1 成果2 成果3 成果4 成果5

小農に必要な適正技術を特定する。

普及員の能力向上のための研修システムを構築する。

研修による技術・知識の向上と普及員サービス(デモ)

の実施。

農家まで普及サービスが届いていることをモニタリング。

成果1-4が円滑に機能するために、組織全体のマネジメント能力を強化。

モニタリング(成果4)

普及員研修(成果3)

シナリオ

成果5は、成果1~4にとどまらず、農業局すべての活動に対して包括的に支援する。

50

普及戦略(指針)

活動計画 予算執行(活動)

国家開発計画

農業開発計画

本省の最大の問題は戦略の不在。

農業畜産省による普及戦略(どのように普及サービスを提供するかの指針)が存在しなかった。そのため、目的が明確ではない(説明できない)活動ベースの予算が計上され、戦略的な普及活動が出来ていなかった。

普及戦略の策定により、目的を明確にした活動計画および予算作成を実現する。

課題 目的

普及戦略及びその戦略に基づく活動計画の不在

成果5:組織全体マネジメントの課題

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州/郡

普及サービスの調和化

農業研修所強化

州・郡調和化会議

本省

NGOs・民間農業

関連会社

州四半期・年央・年次報告書

成果5:マネジメント強化のための活動

普及戦略文書策定

普及員住居情報収集

単車配置状況調査

農業局年次会合

インベントリー

政策・戦略の強化 管理能力の強化

普及員担当地域再設定

農業研修所実態調査

農業研修所研修

報告書モニタリング調和化ガイドライン策定

ステークホルダーフォーラム

成果5:ステークホルダーとの連携体制の構築

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普及サービス活動

郡・州レベルでの農業/農村開発計画・目標の共有と協同活動

民間セクター(種子・肥料・農機・農薬会社等)の普及

サービス

研究活動

(政府/民間/NGOs)

公共/行政機関による普及サービス

援助機関・NGOsによる普及サービス

さて、本題とは少し離れますが、RESCAPの本邦研修もご紹介。

その他:新しい本邦研修への取り組む (C/P本邦研修“農業普及・地域活性化)

目的:

1. 日本の普及政策・制度・歴史を学び、県による実践的な普及計画・活動視察

を通して、様々な関係者が農業生産・生産性の向上に努める日本の普及シス

テムとその現状を学ぶ。

2. 中山間地域(宮城県丸森町)における、地元資源を活用した農業、農民グル

ープ活動、農産物の付加価値導入、直営店等の視察を通して、地域ベースの

農業/農村開発を学ぶと同時に、日本の中山間地域の活性化に寄与する。

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ここが違うRESCAPの本邦研修

1.研修員の中山間地域訪問・滞在を通した、地域活性化への寄与

2.本邦研修関係者の研修準備のザンビア視察

3.丸森町農業従事者のザンビアへの技術指導派遣(キノコ栽培・養蜂指導)

4.地元資源をつかった適正技術のザンビアでの普及 “がったり”

5.研修はフルオーダーメイド(半直営、毎年専門家も同行、教材作成支援)

6.日本の地域おこしと技術協力を同時実施

(地元のお店にザンビア看板、ザンビアLoveツアーの開催、私費ザンビア来訪。)

7. 協力隊員の技術補完研修の実施

そして協力隊の技術補完研修の話まで始まっています!

その他:新しい本邦研修への取り組む (C/P本邦研修“農業普及・地域活性化)

1. RESCAPってなに?2. なぜ始まったRESCAP?3. 何をやったのRESCAP?4. ここが課題・教訓だったRESCAP?

「JICAプロジェクト」から「農業畜産省のプロジェクト」への認識転換への課題

ドナー支援 = 資金ギャップへの予算・インフラ・機材支援という農業

畜産省の考え

⇒ 技術協力(人材育成、組織作り)に無関心(理解不足)

“物を作るまえにひとをつくる

いい人材からしか、いい物はできないからだ。“

松下幸之助(1894-1989)

丸抱えドナープロジェクトが乱立する農業畜産省

⇒ 農業畜産省スタッフは、実施者ではなく監督者

DSA漬け、経常経費100%出費プロジェクト乱立

低いオーナーシップ (RESCAPはJICAプロジェクトとの理解)

「JICAプロジェクト」から「農業畜産省のプロジェクト」への認識転換への課題

他ドナープロジェクトは農業畜産省から物理的にも離れたところに独自のス

タッフを傭上しての旧態依然のProject Management Unit (PMU)かNGOsへ

の全面委託でプロジェクトを実施

⇒ 農業畜産省への不信感、キャパがない。

だからJICAの技術協力(のはずなんですが、、、。)

前任案件“PaViDIA”の教訓:

“JICAプロジェクト”である限り、農業畜産省内に持続的に活動が定着しない。

≠ 農業畜産省の活動

ドナー“支援”プロジェクト=ドナープロジェクト

=ドナーの資金と傭上スタッフで完結型プロジェクト

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「JICAプロジェクト」から「農業畜産省のプロジェクト」への認識転換への課題

農業畜産省のJICA協力への低い評価

2011年財務国家計画省の各セクター支援のドナー絞込み方針の中で、

当初JICA(日本)支援を農業セクターから外す意向を示す。

⇒ 農業セクターの重要課題であるインフラ(灌漑施設等)支援や

資金協力をせず、細々した小規模技プロを複数展開する日本

(JICA)の協力への不満 ⇒ 技術協力への理解不足?

農業局長のJICAの協力への批判的な言動

⇒ RECAPは普及サービス組織マネジメントの包括的な強化を目

指しているが、「現状のマネジメントの問題点」の認識への強

い抵抗。

“プロジェクト詳細計画時等に局長が直接関与していない”

“私は同意していない!”

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「JICAプロジェクト」から「農業畜産省のプロジェクト」への認識転換への課題

フルタイムに慣れないプロジェクトC/Psの業務体制

プロジェクト支援協力活動は、普及サービス改善・強化の一部であり、

C/Ps はその他の活動・雑務にも多忙。少ない人員体制。

農業局

普及サービス活動

プロジェクト活動

他の活動

他の活動

他の活動他の活動他の活動

他の活動

他の活動

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課題への挑戦

1) ザンビア政府重要課題の中での明確な位置付け

2) 時間がかかっても活動の主人公はC/Pとする協働事業実施体制

“技協はCapacity Development!”

研修やワークショップ、マニュアル作りの主人公はC/Ps。

代替業務(コンサル業務)は極力しない。

専門家は準備段階で技術協力、本番は“黒子”に徹する。

“ガマン大会、、、”

「JICAプロジェクト」から「農業畜産省のプロジェクト」への認識転換への課題

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課題への挑戦

農業畜産省活動予算が少ない(殆ど皆無=ドナー依存)中での、民間、他ドナー

案件、NGOsとの連携体制構築支援

ザンビアの種子会社・農機具・農薬関連会社等との資金・活動協力連

携体制確立支援

プロジェクト支援で全国導入された普及員手帳(毎年3、000部)の印刷

・配布資金支援(広告掲載の代償)

普及員研修、デモ設置に関する種子等提供、必要経費支援

EUやIFADプロジェクトから、研修全国展開の費用等約2,300万円の提

供。(参考:2014年度プロジェクト活動予算(管理費除く)は1,700万円

「JICAプロジェクト」から「農業畜産省のプロジェクト」への認識転換への課題

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課題への挑戦

農業局普及サービス強化への重要課題への柔軟な協力

(当初のPDMのActivitiesやPOに記載のない農業局の活動へ

の支援)

(例)

10数年ぶりの新人普及員全国研修の実施への全面的支援

(300余名)

農民台帳(Farmer Registers)への技術サポート

「JICAプロジェクト」から「農業畜産省のプロジェクト」への認識転換への課題

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課題

臨機応変な対応に感謝される一方で、“プロジェクト”

としての当初の絞込みがから逸脱したのでは?

(Scope Creep)

当初の“プロジェクト”としては、‘無駄“な動きがあっ

たのではないか?

“プロジェクト”から“プログラム”的な活動展開

(CD) ⇒ PDMベースのプロジェクトデザイン・評価

がしづらい。成果=プロジェクト?毎のPDMの作

成?)“2008年JICAキャパシティアセスメントハンドブック”

でもやっぱり課題が残る(山積み?)

トップマネジメントが理解して率先して動かないと、組織文化はなかなか変わらない?

トップのマインドセット

トップ(上司)が言っても、変わらない時は変わらない?! ⇒ 特に公共行政組織?

マインドセット+アクション

組織は人が大事、でも人に頼りすぎると、その人がいなくなるとまた元に戻ってしまう。

(終りなき人材育成 ⇒ 組織強化)

でもやっぱり課題が残る(山積み?)

Thank you

ご静聴ありがとうございました

Zikomo Kwanbiri

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