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シュアップ収支計画編
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平成 24 年 11 月 16 日(金) 講師:市岡 久典
(経営コンサルタント・中小企業診断士)
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本日の内容
・ビジネスプランのおさらい・資金計画と収支計画の位置づけ・資金計画と収支計画の概要・収支、調達の種類・補助金、助成金/受託事業・立ち上げ事例・キャッシュポイントについて
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ビジネスプランの位置づけ
・事業アイデアを紙に落としこんで、整理して事業計画とするため
・「どこで、なにを、どのように行うのか」という行動計画を明確にするため
・創業メンバーや支援者などに説明するため・金融機関からお金を借りるときの審査資料とし
て・ビジネスプランコンテストでの説明資料として
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ソーシャルビジネスのメリット
メリット・人に喜ばれる、役立つ仕事・地域密着、地域活用・ニッチビジネス、スモールビジネスだから チャレンジしやすい・小資本でスタートできる・やりがいが高い
「社会起業家スタートブック」より
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ソーシャルビジネスのデメリット
デメリット・困っている人が対象のため、一般の事業よりも
収益 が出にくい・ボランティア参加者と有給参加者との兼ね合い・組織構成と運営の難しさ・世間からの認知度がまだまだ低い・ NPO が全体的に給与水準が低め
「社会起業家スタートブック」より
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ビジネスプランの項目①
・ビジネスプラン名(タイトル) ビジネスプランを一言で表すと?・解決したい社会的課題、地域課題 どんな社会的課題、地域課題に取り組むか?・事業の内容 どういう人を対象に(年代、性別、地域など)、 どんな商品やサービスを提供しますか?
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ビジネスプランの項目②
・セールスポイント 似たような事業との違いは何ですか?・キャッシュポイント お金を得る方法は?・宣伝方法 どのように宣伝しますか?・経営理念 事業にかける想い
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ビジネスプランの項目③
・組織体制、協力体制 どんなメンバーで、どういう役割分担をします
か? どういう人や組織と協力しますか?
・資金計画 事業をはじめるためにお金がいくら必要ですか? それをどのように準備しますか?・収支計画 どれだけの利益が出ますか? 事業を継続できますか?
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ビジネスプランシートの例(資金計画)
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ビジネスプランシートの例(収支計画)
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資金計画と収支計画の違い
起業準備 1年目~
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資金計画とは
起業準備 1年目~
資金計画「どのくらいの資金が
必要か」
資金計画「その資金をどのよう
に調達するか」
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どのくらいの資金が必要か
事業のスタート時に必要な資金は2種類ある。
・設備資金 事業を開始する前にかかるお金。 例えば、事務所を借りるための保証金、敷金、礼
金、 パソコン、机、椅子等の備品、自動車等
・運転資金 商品仕入にかかる資金負担金額や毎月一定にかか る経費支払い等
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運転資金
起業準備 1年目~
資金計画「どのくらいの資金が
必要か」
資金計画「その資金をどのよう
に調達するか」
売上
運転資金
毎月の費用負担の売上不足分を運転資金で用意し
ておく
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設備資金
・店舗、オフィスを借りる費用 (保証金、敷金、礼金など)・改装費用・設備、備品、車両・ホームページ・ECサイト・その他
→比較的、小資本ではじめることができるが、店舗を構える、 EC サイトを構築するとなると資金が
必要
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運転資金
・商品等の仕入・人件費・家賃・広告宣伝費・その他経費 通信費、旅費交通費など
→月々かかる経費売上が軌道に乗るまでの経費分をあらかじめ用意
しておく必要がある
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設備資金を押さえるには
・店舗、オフィス:さらに安い物件はないか(広さ、場所)
最初は無くてもできないか (移動店舗、会議室、シェ
アオフィス)・備品:最初からすべて必要か 相見積もりをとる・ホームページ:知り合いで安く作ってくれる人い
ないか
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運転資金を押さえるには
・店舗・オフィス:さらに安い物件はないか(広さ、場所)
最初は無くてもできないか (移動店舗、会議室、シェ
アオフィス)・その他の月々の経費を見直す 広告宣伝費、旅費交通費など (家計と同様)・はやめに売上をたてる
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資金をどのように調達するか
必要な資金をどのように準備するか。
・自己資金 自分が持っている資金で事業に使うことができるもの 共同で創業する仲間が持っている資金で事業に使うこ
と ができるもの・親、兄弟、友人等からの借入・金融機関からの借入・その他 補助金、助成金、寄付金 見込みがあれば
資金計画への記載
設備資金の記載
金額を記載する
設備資金の記載
たとえば、店舗の礼金: 15万円店舗の保証金: 90万円改装費用: 50万円厨房機器: 60万円テーブル、イス: 20万円その他備品: 10万円パソコン: 10万円ホームページ: 20万円
店舗・オフィスを借りる費用( 105万円)
設備・備品( 100万円)
設備資金の記載
千円単位で記載
運転資金の記載
金額を記載する
運転資金の記載
たとえば、1か月あたりの経費が、商品等の仕入: 10万円人件費: 20万円家賃: 15万円広告宣伝費: 3 万円通信費: 1 万円旅費交通費: 1 万円消耗品: 2 万円
今回は 6 カ月分を見込んでおく
運転資金の記載
千円単位で記載科目を追加
必要な資金の合計額の計算
設備資金と運転資金の合計額を計算して記載する。
合計額を記載
調達方法の記載
金額を記載する
調達方法の記載
たとえば、自分の貯金から: 237万円創業仲間の貯金から: 100万円親、兄弟、友人からの借入: 50万円金融機関からの借入: 150万円補助金、助成金: 50万円
自己資金( 337万円)
調達方法の記載
千円単位で記載
調達方法の合計額の確認
調達方法の合計額が必要な資金の合計額と一致することを確認する。
合計額が一致
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収支計画とは
一定期間のお金の入出(収入と支出)
収入、支出、利益(損失)
収入(売上)-支出(費用)=利益もしくは損失
売上(期間)
1日の売上高月間の売上高( × 月の営業日数)年間の売上高( ×12カ月)
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売上
客数
単価
購入点数
1品あたり単価
夜の時間帯
昼の時間帯
物品の販売/飲食店の1日あたり売上
売上の要素
×
×
+
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売上
会員数
会費
既存会員数
新規入会数
会費収入であれば
売上の要素
×
+
退会数
-
売上を見積もる
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【飲食店の例】
客単価客単価 客数/日客数/日 月間営業日数月間営業日数× ×
客単価 昼:1,000円 夜:2,500円 客数 昼:30人 夜:20人 月間営業日数 月25日稼働
売上予測(1か月)={昼( 1,000円 ×30人)+夜( 2,500円 ×20人)} ×25日=200万円
売上を見積もる
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【会費の例】
月会費月会費 既存会員数既存会員数× +
月会費 2,000円 既存会員数 100人 新規会員数 20人
売上予測(1か月)= 2,000円 ×( 100人+ 20人)=2 4万円
( 新規会員数新規会員数 )
ソーシャルビジネスの収入、調達
NPOの調達資金の特徴 三菱総合研究所
ソーシャルビジネスの収入、調達
手段 概要 拠出者 仲介者事業収益(イベント的、恒常的)
自分たちで行う事業からの収入で、サービス提供、物品販売、労働力提供の対価など。使途制限はなく、事業が恒常的であれば、比較的安定的な収入源となる。
受益者(個人、民間企業など)
受託事業収益
自治体やその関連機関、民間企業などから受託した事業の対価で、人件費や購入費など、使途を制限されることもある。多くの場合、金額が大きい。継続受託が可能な事業なら、安定的な収入となる。単年度の事業であることも少なくない。
公的機関、民間企業
ソーシャルビジネスの収入、調達
手段 概要 拠出者 仲介者融資 いわゆる借入金で返済義務がある。
使途が特定の活動に制限されることもある。
預金者 銀行
賛同者(個人、民間企業など)
NPO バンクなど
出資金 賛同者から得られる資金で、市民ファンドや事業会社などが仲介する場合もある。返済義務はないが、出資者から活動への要望が出される場合もある。特定の事業のみに使途が制限される場合もある。利益が出た場合は配当として出資者に還元する場合もある。
賛同者(個人、民間企業など)
市民ファンド、事業会社など
ソーシャルビジネスの収入、調達
手段 概要 拠出者 仲介者補助金・助成金(公的・民間)
自治体や行政関連団体からの公的なものと民間企業の CSR や NPO 支援団体などから得られる資金がある。使途が細かく制限されることも多い。
公的機関
民間企業など
会費 所属会員から定期的に徴収するもの。比較的安定した収入源で使途制限のないものが多い。
会員(個人、民間企業など)
寄付・協賛金
活動に賛同し提供されるもの。イベント開催時や事業実施時など一時的に入る場合が多い。
会員、賛同者(個人、民間企業など)
ソーシャルビジネスの収入、調達
まとめると、・内部資金(自分たちで集める) 出資金(自己資金含め)、会費、寄付・協賛金・事業収益(何かで稼ぐ) 事業収益、受託事業収益・外部資金(どこからか調達する) 補助金・助成金、融資
⇒資金ミックスを考える
費用の種類
■原価(売上原価) 商品をつくったり、仕入れるためにかかった 費用
■販売管理費(販管費) ・販売費:販売活動にかかった費用 広告、販売員の給与など
・一般管理費:管理活動にかかった費用 事務所の家賃、事務員の給与など
費用
仕入高: 商品等の仕入にかかる費用
人件費: 自分やスタッフの給料家賃: 事務所や店舗等の家賃広告宣伝費: ウェブや新聞・雑誌等の広告、チラシの作成や配布等の費用備品・消耗品費: 事務用品、備品等その他経費: 通信費、旅費交通費、委託費(外注費)、水道光熱費、交際費、運送費、雑費等
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補助金・助成金
・単発で募集しているもの、毎年募集時期が決まって いるもの、年間通じて募集しているもの(常時募集) がある
・全国で募集しているもの、地域が限定されるもの
・国際交流、障害者関連、環境、介護、子育てなど助成の
目的や分野が限定されるもの
・公的な機関が募集しているもの、企業が募集しているもの
・多くは、書類審査+面接(プレゼン)審査
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補助金・助成金 情報源
・ NPOWEB (一覧)( NPO 法人シーズ)http://www.npoweb.jp/
・ NPO 法人助成金・融資情報ドットコム(一覧)http://www.npo-joseikin.com/
・ボランタリー活動を応援する助成金制度(一覧) (かながわ県民サポートセンター)http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f100231/p17446.html
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補助金・助成金 情報源
・中小企業基盤整備機構http://j-net21.smrj.go.jp/headline/support/su01a1.shtml
・日本財団http://www.nippon-foundation.or.jp/kyotu_site/zyoseikin/guidance.html
・トヨタ財団http://www.toyotafound.or.jp/program/
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補助金・助成金 ポイント
・審査ポイントを押さえること
<例>東京都地域中小企業応援ファンド(地域資源活用イノベーション創出助成事業)
助成限度額: 800万円 助成率: 1/2以内 ・都市課題解決型ビジネス ・地域資源活用型ビジネス
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補助金・助成金 ポイント
・審査のポイント(東京都地域中小企業応援ファンド)
①都市課題解決、地域資源活用の妥当性 1.課題とその解決方法、または地域資源とその活用方法が明確である
か 2. 合法的であるか 3. 安全性に問題はないか 4. 「東京の課題」、「地域資源」を定義付けるバックデータはある
か 5. 「革新的」な取り組みであるか(商品・サービス・技術・価格設定・場所・
流通経路・情報収集や提供の仕組みなど) ・・・② 事業の可能性 1.助成事業の実現可能性は高いか 2.助成事業期間が終了した後も継続的に行われることが期待できるか 3.ニーズはあるのか 4.マーケティングは行われているか 5.単なる既存事業の延長ではないか(新規性はあるか) 6.類似事業・競合先との差別化はできているか
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補助金・助成金 ポイント
・審査のポイント(東京都地域中小企業応援ファンド)
③ 計画の妥当性 1.助成事業を完遂するのに十分な資金調達を行うことができるか 2.助成事業終了時の到達目標を、明確かつ客観的に設定しているか 3.助成事業の規模、開発数量、経費の積算、スケジュールは適正か 4.助成事業実施体制(経理事務・書類作成を含む人数、場所)は整って
いるか 5.助成金の交付を受けることができない場合でも、実施する計画であ
るか・・・④地域への貢献・波及度 1.商品やサービスの購入・使用・利用により、地域がメリットを享受
するか 2.地域が、課題解決によりメリットを享受するか 3.東京のどの地域が活性化するのかが明確であるか。 「全国展開」は望ましいが、それにより「東京の活性化」がぼやけて
いないか 4.メリットの享受や地域の活性化は持続されるものか
⇒これらを申請書の中で訴えていく
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補助金・助成金 問われること
・ミッション(団体の使命)・・・何したいの?何のために?
・目的の妥当性・・・それ、納得できること?・事業の実現性・・・本当にできんの?・予算の整合性・・・で、いくら?ちゃんとしてる
?・独創性や先駆性・・・わざわざやる必要あるの?・社会への効果、貢献度・・・それ、バッチリ役に
立つ? 「社会起業家スタートブック」より
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受託事業(公的機関)について
メリット・団体の信用力が高まる・確実に回収できる・実績を作ると他への展開が楽になる
デメリット・民間に比べて単価が低い・資金回収は原則として事業終了後・失注リスクがある
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受託事業(公的機関)の種類 ・随意契約
・見積もり合わせ 「どちらか安い方に」・競争入札 「いちばん安い方に」
・プロポーザル「いちばんいい提案に」
プロポーザルの募集(例)
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受託事業(公的機関)のポイント
・実績が重視される →まずは少額案件を狙う(セミナーなど)
・継続事業は前年度事業者が有利 →新規事業を狙う
・実績のある人との関係づくり →一緒に提案することも選択肢
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受託事業(公的機関)の評価基準例 ① 提案内容に関する視点・委託内容の理解度 5点・受託に必要な基本的知識 5点・人的ネットワーク 10点(5点× 2)・企画力および実現性 10点(5点× 2)・スケジュール管理 5点②実施体制に関する視点・従事スタッフの構成、人数 5点・類似業務実績 10点(5点× 2)
→評価基準を意識して提案書を作成する
立ち上げ事例
< NPO 法人フローレンス>子どもが熱の時に預かってくれる場所がほとんどないという「病児保育問題」に取り組む団体。
活動当初はほぼ学生のみ。子育てや保育の経験がないところからスタート。まずはリサーチを行った。
「社会起業家スタートブック」より
立ち上げ事例
< NPO 法人フローレンス>・ネットで検索 「仕事と育児の両立で悩むこと」の 回答のトップが「子どもの病気で遅刻や欠勤をすること があり、周囲に迷惑をかけてしまう」こと。
・母親たちにヒアリング ニーズがあるのに、それに応えるサービスが充分で ないことが分かった。
「社会起業家スタートブック」より
立ち上げ事例
< NPO 法人フローレンス>・同業他社を調査 病児保育の施設は、全国に 500 。 (一方で、保育園は 2 万 9000 ある) →病児保育の提供が圧倒的に少ない
・病児保育施設に訪問してヒアリング 保育士と看護師を最低でも1人ずつ置くこと、子ども1人あ たりに必要な面積などの規定がある。 →サービス料が高額になる 行政の補助金があるが、非常に低額。 →赤字の実態
「社会起業家スタートブック」より
立ち上げ事例
< NPO 法人フローレンス>・どうやったら経済的に成り立つ病児保育の仕組みができるか →商店街の空き店舗活用 内装費や家賃の補助がある。 しかし、区長からストップがかかった。 →派遣型システム 保育スタッフの自宅で病気の子どもを預かる ⇒店舗を構える費用を抑えた
「社会起業家スタートブック」より
商店街空き店舗活用
商店街のシャッター通り化→活性化をしたい空き店舗を使って新しく事業をはじめようとする方に対して、経費の補助がなされる制度。
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商店街空き店舗活用
補助の内容(横浜市の場合)
横浜市内商店街の空き店舗 (※ 1 ) 又は登録店舗 (※ 2 )※1 空き店舗:店舗として賃貸できる状況であるが、商業活動が行われていない店舗※2 登録店舗:商店街団体が登録した店舗原則として建物の1階にある店舗。ただし、ショッピングセンターや大型商業施設内のテナント型店舗でないこと。 63
商店街空き店舗活用活用実績(横浜市)
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キャッシュポイントの幅と深さ
深さ
幅
キャッシュ
ポイ
ントA
B キャッシュ
ポイントC
研修
個別相談
養成講座
⇒足りなければキャッシュポイントを増やす (関連する商品・サービスなど)
キャッシュポイントの幅と深さ
深さ
幅
キャッシュ
ポイ
ントA
B キャッシュ
ポイントC
単価 ×数量単価が高いか、数量が見込めるか、両方か。どちらも低いと厳しい
キャッシュポイントの幅と深さ
深さ
幅
キャッシュ
ポイ
ントA
B キャッシュ
ポイントC
研修→単価やや
高い回数それな
り
個別相談→単価低い人数それな
り養成講座→単価高い
人数多い
キャッシュポイントの幅と深さ
深さ
幅
キャッシュ
ポイ
ントA
B キャッシュ
ポイントC
単価 ×数量・リサーチ・マーケティング
【参考】 業種別の創業資金の概算を知るにはhttp://j-net21.smrj.go.jp/establish/startup/top.html
(独)中小企業基盤整備機構ホームページ
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売上や費用を見積るための参考データ(インターネット)
●小企業の経営指標 (国民生活金融公庫)
●J- NET 21 業種別スタートアップガイド
(中小企業基盤整備機構)
● 競合店の調査
● 通行量等の調査
● 過去に構築した人脈
● 先輩からの情報
● コンサルタントからのアドバイス
自分の目で耳で、調べる!自分の目で耳で、調べる!
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