sglによる ヒューマニズム教育の紹介...1 医療人gpフォーラム sglによる...
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医療人GPフォーラム医療人GPフォーラム
SGLによるSGLによる
ヒューマニズム教育の紹介ヒューマニズム教育の紹介
2007/10/13 SGL2007/10/13 SGL委員会委員会 小林静子小林静子
共立薬科大学合同GPフォーラム共立薬科大学合同GPフォーラム
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薬学教育コアカリキュラム薬学教育コアカリキュラム
A 全学年を通して:ヒューマニズムについて学ぶ
GIO:生命に係わる職業人となることを自覚し、それに
ふさわしい行動・態度行動・態度をとることができるように
なるために、人との共感的態度を身につけ、信頼
関係を醸成し、さらに生涯にわたってそれらを向
上させる習慣を身につける。
1)生と死
2)医療の担い手としてのこころ構え
3)信頼関係の確立を目指して
3
人間の行動の変容人間の行動の変容
教育研修セミナー「効果的な情意教育の展開」浜松医大 植村研一著
Knowing Feeling
Doing
X
?
人間の行動は知識からでなく感動から誘発される。人間の行動は知識からでなく感動から誘発される。
いきなり患者を見せるいきなり患者を見せる
図書館に行く図書館に行く
死ぬほど勉強する死ぬほど勉強する
気付き気付き
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11 体で覚える体で覚える自分で体験する自分で体験する
22 グループ学習グループ学習応用力はグループ討論応用力はグループ討論で伸びるで伸びる
教育研修セミナー「効果的な情意教育の展開」浜松医大 植村研一著
記憶に残る学習方法記憶に残る学習方法
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小グループ学習法小グループ学習法〈〈Small Group Learning (SGL)Small Group Learning (SGL)〉〉
・学生6名を1グループとし、15グループを編成(90名)し、同じ内容を2回繰り返す(180名)。
・課題毎にグループ編成をし直す。
・チューターは2グループ1名とする。
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グループワークグループワーク ポストイットと白板の使い方ポストイットと白板の使い方
情報収集のためパソコンを貸し出す情報収集のためパソコンを貸し出す 発表風景発表風景
Tutor
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〈〈生命の大切さを知るために生命の大切さを知るために I I ~~ III III 〉〉必修6単位必修6単位
1~3年次までの流れ1~3年次までの流れ1年次前期1年次前期 ITとプレゼンテーションスキルを統合して学ぶ。ITとプレゼンテーションスキルを統合して学ぶ。
課題について情報を収集・共有し、グループで課題について情報を収集・共有し、グループで
議論する。その成果をIT技術を用いて発表する。議論する。その成果をIT技術を用いて発表する。
1年次後期1年次後期 コミュニケーションスキルを学んだ上で「患者のコミュニケーションスキルを学んだ上で「患者の
気持に配慮する」および「生と死」に関する課題気持に配慮する」および「生と死」に関する課題
についてグループで討論し、その成果を発表する。についてグループで討論し、その成果を発表する。
患者さんの立場で考える患者さんの立場で考える
グループワークに慣れるグループワークに慣れる
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2年次前期 「生命倫理」に関する講義と課題について
グループ討議し、成果を発表する。
医療人と患者さんの立場で考える医療人と患者さんの立場で考える
3年次後期 「患者から学ぶ」 患者さんおよび製薬会
社の人から話を聞き、関連課題についてグループ討議し、
発表する。
医療人の立場で考える医療人の立場で考える
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・ 自己紹介、KJ法、ブレインストーミング
「共立薬大を高校生にアピールする」
・ プレゼンテーションを上手に行うには?
・ 自分と他人の行動スタイルの違いを知る。
・ アサーション演習。上手な自己表現の仕方。
プレゼンテーションプレゼンテーション
・ テーマ「健康」をどのような切り口でアプローチするか?
グループワーク2回
・ 中間発表。 関心を持ったテーマとその理由について発表。
・ 2回のグループワーク。 プレゼンテーションの組み立てと
その内容の検討。
・ 最終発表。 学生間評価と教員による評価。
ITIT
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Ⅰ. これまでプレゼンテーションをした経験は?
A組 B組 合計 %
42 32 74 40%
2-1: 数え切れないくらい 0 0 0 0%2-2: 10回以上 1 1 2 1%2-3: 4~9回くらい 4 5 9 5%2-4: 2、3回 16 25 41 22%2-5: 1回 21 15 36 19%3-1: 何がプレゼンテーションか分からな い 7 15 22 12%3-2: その他 2 0 2 1%
93 93 186 100%
プレゼンテーション経験の度合い
3 分からな い
2 したことがある
1 したことがな い
Ⅲ. Ⅰの質問で 「2 したことがある」と答え た人(88名)にお尋ねします。 自分はプレゼンテーションが得意だと思いますか?
A組 B組 合計(人)
0 0 0
3 6 911 22 3315 13 2811 1 122 4 6
42 46 88
得意
%
0%
14%7%
100%
比較的得意何ともいえ な い比較的不得意不得意
10%38%32%
無回答
計
自己評価
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人数 % 人数 %9 4 .9% 46 24 .7%55 29 .7 % 93 50 .0 %
106 57 .3 % 44 23 .7%13 7 .0 % 3 1 .6%2 1 .1 % 1 0 .5%
185 186
認識の変化度5 大いに変わった4 変わった3 少し変わった
合計
プレ調査 ポス ト調査
2 変わらな い1 まったく変わらな い
人数 % 人数 %78 42 .2 % 108 58 .1%96 51 .9 % 72 38 .7 %9 4 .9 % 4 2 .2%2 1 .1 % 0 0 .0%0 0 .0 % 0 0 .0%0 0 .0 % 1 0 .5%
185 186
6 大いに役立つ5 役に立つ4 少し役に立つ3 分からな い2 役に立たな い
合計
1 まったく役に立たな い
今後の役立ち度プレ調査 ポス ト調査
・プレゼンテーションのスキルはこれからの人生で役立つか?
・プレゼンテーションに対する認識の変化をみる・プレゼンテーションに対する認識の変化をみる
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後期:後期: コミュニケーションコミュニケーション
1) イメージワークと患者心理
2) 健康行動と影響を与える要因
3) コミュニケーションにおける
ストレスマネージメント
4) コミュニケーション概説
5) コミュニケーションのモデリング・傾聴
6) 多様性を知る
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1「会いたかったー代理母出産という選択」
向井亜紀著
2「1リットルの涙ー難病と闘い続ける少女亜也
の日記」 木藤亜也著
3「美しいままでーオランダで安楽死を選んだ
日本女性の心の日記」 ネーダーコールン靖子著
4「脳死ドナーとなった息子よ」
国内2番目の提供者の父著
5「神様がくれたHIV」 北山翔子著
ヒューマニズム:ヒューマニズム: 患者の手記を読む患者の手記を読む1~5 の手記をグループワークで選択
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hy
ヒューマニズム:ヒューマニズム: ー生と死ーー生と死ー
生と死をテーマにした講演会等(2007年度)
1 「ターミナルケアについて ーあと半年の命と言われたら
あなたはどんな風に過ごしたいですか?」
国立病院機構西群馬病院長 斉藤龍生氏
2 VTRを観る 「癌患者学」 (ETV特集)
ノンフィクション作家 柳原和子氏
3 「人の誕生 ー出生前診断ー」
総合母子健康センター 愛育病院看護師長 石川紀子氏
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「生と死」「生と死」 グループワークテーマの選択グループワークテーマの選択
手記や講演等で問題提起された下記の5テーマから一つ選んで
グループワークする。
1 生殖医療(代理母、出自を知る権利など)
2 妊娠中絶(選択的中絶など、石川氏の講演など)
3 終末期医療(緩和医療、安楽死、治療停止など)
4 難病告知(末期がん、神経疾患、HIVなどの場合)
5 移植医療(脳死移植、生体間移植など)
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「生と死」のレポート・感想で多かった意見「生と死」のレポート・感想で多かった意見
・勉強にやる気がなくなり、目標が見えなくなっていたので、斉藤先生の講演
は、私にやる気を与え、人生を変えさせてくれた。
・後期のヒューマニズムは最高の授業だった。・後期のヒューマニズムは最高の授業だった。
・生と死は重く大きな問題で答えはないが、グループで考え、議論したことは
無駄ではなかったと思う。
・発表の前など集まって議論し、大変な授業だったが、グループの皆と仲良く
なれたし、充実感のある、やりがいのある授業だった。
・生まれて、始めて真剣に「生と死」について考えた。将来役に立つとかで・生まれて、始めて真剣に「生と死」について考えた。将来役に立つとかで
なく、言葉では表しにくいが、うれしいといった感じだ。なく、言葉では表しにくいが、うれしいといった感じだ。
・発言することが苦手で、この授業が一番きらいで、毎日憂鬱に感じていた。発言することが苦手で、この授業が一番きらいで、毎日憂鬱に感じていた。
しかし、1年間を振り返ってみるとやりがいのある授業だったと思う。しかし、1年間を振り返ってみるとやりがいのある授業だったと思う。
・今の私は、何も知らない患者さんと同じ立場ではないかと気が付いた。・今の私は、何も知らない患者さんと同じ立場ではないかと気が付いた。
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1年次に学んだ倫理的基盤を基に「先端医療と倫理」「先端医療と倫理」と「医療の担い手としての「医療の担い手としての
心構え」心構え」に相当する内容を学習する。
講義:
栗原千絵子氏
・「診療」と医学・薬学における「研究」を区別する論理、生命倫理三原則
・「インフォームド・コンセント」の原則、個人情報保護の規則、プライバシー保護の原則。
ぬで島次郎氏
・臓器移植、生殖補助、遺伝子診断などの先端医療と「人の尊厳」、人体の倫理的・法的
位置付け。
・先端医療を支える動物実験はどこまで、どのような条件で許されるのか。動物保護と動
物実験の公的管理。
2年次「生命の大切さを知るために2年次「生命の大切さを知るために II」II」
「生命倫理」「生命倫理」
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1)1)HIVHIV感染者のプライバシ-はどこまで保護される感染者のプライバシ-はどこまで保護されるべきでしょうか?べきでしょうか?
グループワークテーマグループワークテーマ
2)2) 脳死と臓器移植脳死と臓器移植 (移植する臓器は特定しない(移植する臓器は特定しない))
医療従事者の場合:医療従事者の場合:
ドナーの家族の場合ドナーの家族の場合::
各学生が自己意見をレポートとして書く各学生が自己意見をレポートとして書く →→ グループ内で発表グループ内で発表 →→グループワークグループワーク →→ 発表発表
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~法律上からの考えと自分たちの意見~~法律上からの考えと自分たちの意見~
今回のケース(旧)今回のケース(旧)
担当医は、A君の情報はもち
ろんのこと、B子の情報(住所、
氏名)を行政に伝え、行政は
必要に応じ調査できる。
今回のケース(新)今回のケース(新)
担当医はA君の事を行政
に伝えなければいけない。
B子の事は伝えてはいけない。
医療者がどこまで関与できるか医療者がどこまで関与できるか
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新法賛成新法賛成担当医は、A君を惑わす発言をしたり、しつこく口出ししないほうがいい。
B子の存在や、B子に伝えるか否かは全てA君に任せるべきである。
新法に問題あり新法に問題ありB子の命の危険性を考えると、しっかりB子に認識してもらいたい。
そのままにしておいたら、HIVが広まってしまう危険性があるので、早目に手を打っておきたい。
自分達の考え自分達の考え
①A君の性的パートナーに自分がHIV患者であることを伝えるか伝えないかはA君に任せるべきで
ある
②どうしてもA君が告げられない場合はBさんの人命保護の観点から医療者が伝える必要もあるのではないか?
結論結論旧法は公共の福祉という観点から作られている。新法は個人のプライバシーの観点から法
律が見直されている。公共の福祉とプライバシーを比べることはできないし、両方一緒に考
える事は難しいと思う。だから、私たちはどちらの法律が良いという事は一概には言えない
と思いました。
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3年次「生命の大切さを知るために3年次「生命の大切さを知るために IIIIII」」
「患者さんから学ぶ」 (案)
・薬剤師の医療の担い手としての倫理的責任を自覚する。
・医薬品の創製と供給が社会に及ぼす影響に目を向ける。
・代表的な薬害の例について、その原因と社会的背景を説明し、それらを回避するための手段を討議する。
薬学教育モデル・コアカリキュラム
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患者さんや製薬企業人の意見を聞く
1)障害から医療を考える 障害者の会から
2)患者は薬剤師を待っている ささえあい医療人権センターCOML 辻本好子
3)薬害被害者の話を聞く サリドマイド、薬害エイズスチーブン・ジョンソン症候群
4)医薬品の創製と供給が社会に及ぼす影響 企業から
講義から課題を選び、グループワークを行い、その成果を発表する。
シシ ララ ババ スス 案案
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月 日( 曜日)のディスカッションについての採点
(1 全く思わない 2 そう思わない 3 あまりそう思わない 4 ややそう思う 5 そう思う 6 極めてそう思う)
1.有意義な発言をした(貢献度) 1 2 3 4 5 6
2.発言内容は明快だった(明快度) 1 2 3 4 5 6
3.他の人の意見に耳を傾けた(傾聴度) 1 2 3 4 5 6
4.積極的に参加した(積極度) 1 2 3 4 5 6
5.全体的に満足していた(充足度) 1 2 3 4 5 6
3.6
3.8
4
4.2
4.4
4.6
4.8
1 2 3 4 5
Pre
Post
TutorTutorのグループワークにおける学生評価のグループワークにおける学生評価
3.6
3.8
4
4.2
4.4
4.6
4.8
1 2 3 4 5
Post
Pre
1年次 2年次
25
月 日( 曜日)のディスカッションについてお尋ねします
(1 全く思わない 2 そう思わない 3 あまりそう思わない 4 ややそう思う 5 そう思う 6 極めてそう思う)1.あなたはディスカッションで発言できましたか 1 2 3 4 5 6
2.あなたの意見はグループの人たちに伝わりましたか 1 2 3 4 5 6
3.あなたは他の人の意見に耳を傾けられましたか 1 2 3 4 5 6
4.ディスカッションに自分なりに参加できましたか 1 2 3 4 5 6
5.あなたはディスカッションを有意義に感じましたか 1 2 3 4 5 6
3
3.5
4
4.5
5
5.5
1 2 3 4 5
学生のグループワークにおける自己評価学生のグループワークにおける自己評価
Pre
Post
3
3.5
4
4.5
5
5.5
1 2 3 4 5
Post
Pre
1年次 2年次
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運運 営営
SGL委員会SGL委員会:委員長以下10名の委員から構成されている。
カリキュラム内容の検討、シラバス作成、評価のあり方、
チューター養成ワークショップの開催、合同セミナー開催
等の案を練り、カリキュラム委員会に諮る。
チューターとその養成ワークショップ:チューターとその養成ワークショップ:チューターは現在30名
の教員を擁している。教員の講義、実習以外の時間帯に
担当するように年度末に次年度担当者を決め、本人の
了承を得ることにしている。
チューター養成ワークショップは年に少なくとも1回は開催し、
能力のアップに務めている。