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© 2020 INTEC Inc. SIerから見た Hyperledger Fabric ~ 従来のシステム開発と比べて ~ 2020.5.27 先端技術研究所 笹川 TIS × INTEC Blockchain Night SIer からみたエンタープライズブロックチェーン

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Page 1: SIerから見た Hyperledger Fabric - TIS2020/05/27  · Hyperledger Fabric の分類 想定しているユースケース 失敗ケースと対策 ケース1 コンソーシアムでブロックチェーンを使おう

© 2020 INTEC Inc.

SIerから見た Hyperledger Fabric

~ 従来のシステム開発と比べて ~

2020.5.27

先端技術研究所

笹川 浩

TIS × INTEC Blockchain Night

SIer からみたエンタープライズブロックチェーン

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自己紹介

笹川 浩(ささがわ ひろし)

株式会社インテック 先端技術研究所

業務経歴

- EDI、金融関係などを経て、現在は「情報の蓄積・流通」の研究開発に従事

ブロックチェーン経験

- IBMユーザ研究会- IVI (Industrial Valuechain Initiative) WG活動- ブロックチェーン・プラットフォームの評価(Ethereum、Quorum、

Hyperledger Fabric、Hyperledger Iroha)

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アジェンダ

まえおき

✓ Hyperledger Fabric の分類✓ 想定しているユースケース

失敗ケースと対策

ケース1 コンソーシアムでブロックチェーンを使おう

ケース2 システムの管理・運用は SIer に任せる

ケース3 業界内・サプライチェーンで情報共有・連携しましょう

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Hyperledger Fabric の分類

ブロックチェーンの分類

許可型 許可不要型

参加者 許可制 自由

管理主体 複数組織 なし

まえおき その1

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想定しているユースケース

参加者 目的 例

企業、組織 情報共有・連携・業界内の非競争領域の情報共有

・サプライチェーンの情報共有

個人 価値の流通 ・地域通貨、SNS

まえおき その2

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ブロックチェーンでありがちな失敗(勘違い、期待外れ)

『コンソーシアムでブロックチェーンを使おう』

『参加企業のシステム管理・運用が結構大変!』

『システムの管理・運用は、SIerに任せる』

『なんのためにブロックチェーン使っているんだっけ?』

『業界内・サプライチェーンで情報共有・連携しましょう』

『データの共有範囲、アクセス制御の実現が難しい!』

ケース1

ケース2

ケース3

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ケース1 『コンソーシアムでブロックチェーンを使おう』

『参加企業のシステム管理・運用が結構大変!』

ブロックチェーン

スマートコントラクト

自社システム連携

プログラム

各参加企業で管理・運用

分散台帳型中央集権型

(従来システム)

そこまで管理・運用

できません!

秘密鍵

ブロックチェーンで

行きましょう!

コンソーシアム

各参加企業

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ケース1の対策

(対策1) 企画の段階で、各参加企業が管理・運用するシステム・データを理解してもらう。

(対策2) 各企業がどこまで管理・運用できるか整理する。

(対策3) BaaS(Blockchain as a Service)、運用ツールを活用する。

自社 委託先

ブロックチェーン

スマートコントラクト

秘密鍵

ブロックチェーンの

管理対象

連携プログラム

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ケース1の推奨事項

(推奨/絶対条件) 最低限、秘密鍵は各参加企業で管理する。

→ データ、トランザクションの「自社証明」のため。

A社

E社

D社

C社

B社

B社が実行したトランザクション

A社が登録したデータ

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ケース2 『システムの管理・運用はSIerに任せる』

『なんのためにブロックチェーン使っているんだっけ? 』

ご提案します

お任せします

ブロックチェーン

どこがブロック

チェーン?

APIまたは

Webサービス

SIer

お客様

情報共有

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お客様の “もやもや” の原因

もやもやの原因

→ ブロックチェーンとは?

→ ブロックチェーンの本質

APIまたは

Webサービス

どこがブロック

チェーン?

お客様

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ブロックチェーンの本質

複数組織による

管理の信頼性

単一組織による

管理の信頼性>

(推奨) 最低限2社以上でブロックチェーンを管理する。

→ 企業間のデータ共有・連携の「信頼性」のため。

(勝る)

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ブロックチェーン

2つの失敗に対する 推奨イメージ

(推奨事項)① 最低限、秘密鍵は各参加企業で管理する。 → データ、トランザクションの「自社証明」のため。② 最低限2社以上でブロックチェーンを管理する。→ 企業間のデータ共有・連携の「信頼性」のため。

APIクライアント

APIサーバ

APIクライアント

APIクライアント

② ②

APIクライアント

APIクライアント

ブロックチェーン

APIサーバ

スマートコントラクト

スマートコントラクト

コンソーシアムの代表企業など

コンソーシアムの副代表企業

または SIer など

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ケース3『業界内・サプライチェーンで情報共有・連携しましょう』

『データの共有範囲、アクセス制御の実現が難しい! 』

競合他社にはデータを見せせたくない

アクセスできるのは取引相

手だけ

アクセス権はデータ毎に設定したい

共有範囲?アクセス制御?データ秘匿化?

暗号化?

SIer または システム部門

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採用するブロックチェーンプラットフォーム

シンプル

(= 全参加者が同じデータにアクセス可=アクセス制御なし)

複雑

データは取引相手だけしか持たせたくない YesNo

共有範囲

アクセス制御

(対策1) 共有範囲、アクセス制御に関して、適切なプラットフォームを採用する。

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まずシンプルを目指す

各社が持つ(アクセスする)データは同じとなる様に誘導する

(対策例)・可能な限り共有データを絞り込む・組織内クローズのデータでも

ID、コードまでなら共有できる(=秘匿化データのみの共有)

それでも無理なら「共有範囲」「アクセス制御」を考える

シンプル

(= 全参加者が同じデータにアクセス可)

複雑

(対策2) 全参加者が同じデータにアクセスできるシンプルな構成をまず考える。

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Fabric に格納するデータ

1.“真正性” を証明したいもの

- 証明書- 契約書など。

ハッシュ値をとり、サイズ削減、秘匿化を図る

2.監査等で使用するデータ

- 取引履歴- アクセス記録(登録/更新/参照)- トレーサビリティのイベント(出荷など)

商品名は共有NGでも、ID、コードならOK

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採用するブロックチェーンプラットフォーム(再掲)

シンプル

(= 全参加者が同じデータにアクセス可=アクセス制御なし)

複雑

データは取引相手だけしか持たせたくない YesNo

共有範囲

アクセス制御

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共有範囲・アクセス制御の指針

共有範囲が固定的・単純

アクセス制御(ロールなど)

取引相手のみ共有範囲、アクセス制御が変動的・複雑

共有範囲機能(チャネル・PDC)

(PDC:Private Data Collection)

PDC拡張で対応

(Fabric v2.0~)

(対策3) 共有範囲、アクセス制御は、適切な機能を使用する。

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まとめ

『参加企業のシステム管理・運用が結構大変!』

・管理すべきブロックチェーンコンポーネントの理解と自社管理範囲の整理が重要(秘密鍵の自社管理は必須)

・BaaS(Blockchain as a Service)の有効活用

『なんのためにブロックチェーン使っているんだっけ?』

・信頼性の強化のために2社以上での管理を推奨

『データの共有範囲、アクセス制御の実現が難しい!』

・適切なプラットフォームの採用・シンプルな共有を目指す

ケース1

ケース2

ケース3

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THANK YOU

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