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Simple preparation for a complex of
cyclodextrin and fluorescent protein and
its application
埼玉大学大学院 理工学研究科
物質科学部門
助教 鈴木 美穂
シクロデキストリンと蛍光タンパク質の簡便で効率的な複合体形成とその応用
今回紹介する技術
分子動力学法に基づくシクロデキストリンと緑色蛍光タンパク質の機能性複合体設計 ・シクロデキストリンと蛍光タンパク質複合体の簡便で高効率な合成法 (FRETによる検出が可能な複合体として)
・分子認識センサー・物質送達/放出用複合体として機能(DDSやバイオセンサーとして)
研究背景I
分子バケツ:シクロデキストリン ➡ 薬剤などを内包出来る
蛍光センサー:蛍光タンパク質 ➡ 色変異体が多数存在
生理食塩水中 R-SH + X-CH2-R’ R-S-CH2-R’ + XH R= GFP X=I R’=β-Cyclodextrin
研究背景II ・結合反応が生理的条件下(タンパク質の変性を防ぐ) ・タンパク質とシクロデキストリンの結合が化学両論的に一定1:1 ・シクロデキストリンの結合部位がタンパク質と相互作用しやすい部位
Qdot
CN
I
CN
SH
Fluorescent protein Fluorescent protein
-cyclodextrinβ-cyclodextrin
Fluorescence Resonance Energy Transfer (FRET)
研究背景III
216000
132000
78000
45700
32500
18400
7600 0
50
100
150
200
495 515 535 555 575 595 615 635
Relative fuorescent intensity (a
.u.)
Wavelength (nm)
結合効率とタンパク質の変性チェック -C
D結
合G
FP反
応物
-CD結合GFP反応物
GFPのみ半量
結合効率およそ50% 変性検出されない
-10
-8
-6
-4
-2
0
2
200 250 300 350 400 450 500 550
Ellipticity /
mdeg
Wavelength /nm
-10
-8
-6
-4
-2
0
2
200 210 220 230 240 250 260
Wavelength /nm
Ellipticity
/mdeg
-1
-0.5
0
0.5
1
330 380 430 480 530 580
Wavelength /nm
Ellipticity
/mdeg
-CD結合、未結合GFPの円2色性スペクトル
結合体の構造詳細
未結合GFP シート構造中心
結合体αへリックス出現
より秩序だった構造に!!
0
50
100
150
200
250
495 515 535 555 575 595 615 635
Re
lati
ve
Flu
ore
sce
nt
Inte
nsit
y (
a.u
.)
Wavelength (nm)
unmodified GFP x10
unmodified GFP x50
modified GFP x10
modified GFP x50
β-CDにローダミンを内包させた結合体のFRET
FRET 発生!?
メリットその2 蛍光タンパク質がベースとなり追跡性が出せる
メリットその1 GFPの改変により細胞標的性を出せる➡ CDに容易に標的性を持たせられる
応用例1:分子放出複合体
T
Target molecule Included dye Excluded dyeCyclodextrin FRET
T
Qdot
C
GFP
Excitation
N
Emission
C
GFP
Excitation
N
Emission
T
分子認識センサーの仕組み
-CDに内包出来る生体成分は多数➡代表例:コレステロール
最初に蛍光色素を内包させるとGFPとの間でFRETが観察➡
-CD内包性生体成分と競合させると置換が起こりFRETが解消➡
FEET効率の変化 = 生体成分濃度センサー‼
応用例2:分子認識センサー
アルツハイマー病と高コレステロール症とCDの関係に注目
応用例3:アルツハイマー治療
アミロイドβの蓄積➡小胞体ストレス➡ミトコンドリアへのコレステロール流入➡抗酸化物質グルタチオン濃度の低下➡アミロイドβの蓄積➡活性酸素大量発生➡神経細胞死
神経細胞にシクロデキストリンを添加するとコレステロールを内包➡アミロイドβの毒性減少➡アルツハイマー病の進行緩和?
βCDを薬にしよう➡βCD結合GFPによるコレステロール内包薬そのもの或は薬効評価セルベースアッセイ系として最適?
アミロイドβとアルツハイマー病進行のモデル
高コレステロール➡ アミロイドβの毒性亢進
新技術の特徴・従来技術との比較
β-シクロデキストリン(CD)は分子放出体DDSや分子認識センサーに応用可能な分子としてその有用性が期待され、また、付加、置換反応の可能性が多用であるため様々な誘導体が合成され、機能性分子として物性評価されてきた。が、バイオへの応用ではその様な場合でも(生体)標的性を出す事に困難がある。ここでは蛍光タンパクー質との1:1の複合体形成によりタンパク質主動による標的性に加え蛍光性による追跡性、安定性を持たせた。複合体形成過程も簡便、高効率であり産業応用が考えられる。
課題と発展 • 現在、異なるβ-シクロデキストリン誘導体を調整し結合効率を検討中。より効率の良い誘導体の創出を目指す。
• 液体クロマトグラフィー等の簡便かつ精緻な精製法の検討。
• 蛍光以外の別途機能性タンパク質(抗体など)との複合体形成法への適用
• シクロデキストリンの別途誘導体による本複合体のポリマー化
• 本複合体のマイクロ化学反応場への応用、生体摸擬反応
本技術に関する知的財産権
・発明の名称:蛍光タンパク質を用いた分子認識センサー、分子放出複合体およびその合成
・出願番号:2011-221520
・公開番号:2013-82635
・出願人:国立大学法人 埼玉大学
・発明人:鈴木美穂、石丸雄大、西垣功一