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2005 2005 3 アニュアルレポート 2005 20053 月期 Something New, Something Different

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アニュアルレポート

20052005

年3月期

アニュアルレポート 2005 2005年3月期

Something New, Something Different

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プロファイル

Something New, Something Different小林製薬は、1886年の創業以来、“創造と革新により人と社会に「快」を提供する”という

経営理念を追求しながら、事業基盤を拡大してきました。現在は、家庭用品製造販売事業を

柱とし、家庭用品卸事業、医療関連事業をあわせた3つの事業領域で独自性を発揮しながら

成長を続けています。

小林製薬は、経営ポリシーである“Something New, Something Different”を具現化

したユニークな製品、すなわち今までにない新しい製品・商品、新しいサービス、新しい仕組

みを世に送り出し、新しい市場の創造者として独創的な世界を築いてきました。現在では、

販売ネットワークを英国・米国・中国・香港とグローバルに広げています。

今後も、既成の枠にとらわれない自由な発想とスピーディな開発体制を最大限に駆使し

て“あったらいいな”をカタチにしながら、新しい市場の創造と自社ブランドの差別化に挑

戦を続けていきます。

将来見通しの記述について

このレポートに記載されている小林製薬株式会社の現在の計画、戦略、確信などのうち、過去の事実以外の

ものは、小林製薬株式会社の将来の業績に関する見通しの記述であり、現在入手可能な情報に基づき、経営陣

の仮定と確信に基づくものであります。

これらの将来見通しの記述は、すでに知られているリスク、知られていないリスクの不確かさ、その他の要因

などを含み、小林製薬株式会社の実際の経営成績、業績などはこのレポートに記載した見通しとは大きく異なる

結果となる可能性があります。

目 次

コーポレートブランド経営 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1連結財務ハイライト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2連結セグメント情報ハイライト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3CEOメッセージ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4ステークホルダーの皆さまへ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5小林製薬組織図 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8コーポレートガバナンス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9小林製薬の事業セグメントの概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10家庭用品製造販売事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12家庭用品卸事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18医療関連事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20環境問題への取り組み . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22財務セクション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 236年間の要約連結財務データ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 49会社概要/投資家情報 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 50取締役、監査役及び執行役員 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 51

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KOBAYASHI PHARMACEUT ICAL CO. , LTD .

1

コーポレートブランド経営

コーポレートブランド経営とは企業力の判断基準として、保有する資産規模が目安となっていた時代もありましたが、これからの

企業経営においては、有形資産の大小ではなく、いかに資産を効率よく使っているかがその企業の

経営力を測るカギとなります。そのためには、有形資産の保有を拡大せず、知的財産や人的資産、ブラ

ンド力といった無形資産の価値を最大化することが重要となります。こうした新しい企業価値を示し

たものが「コーポレートブランド」です。これは「人々がその企業に抱くイメージを決定づける無形の

個性」のことであり、すでに具体的な評価方法も開発され、重要な経営指標の一つとして企業でも

導入されています。当社でも、2003年4月から、コーポレートブランドの向上による企業価値の増大

を目指した「コーポレートブランド経営」への具体的な取り組みを進めています。

コーポレートブランド経営の実践コーポレートブランド経営で難しいのは、お客さまであれば製品の利便性、株主であれば株価、従業

員であれば仕事のやりがいというように、求められる価値の尺度が、立場によって異なることです。

当社では、その視点をお客さまに置き、コーポレートブランド経営への取り組みを、「並外れたお客さま

志向」に徹することを核として推進しています。というのは、より多くのお客さまに満足を提供する

ことで、結果的に利益が向上し、株価の上昇や仕事のやりがいにも結びついて全てのステークホル

ダーの幸せにつながると考えているからです。当社は、コーポレートブランド経営への着手時に、ブ

ランド憲章とブランドスローガンを作成しました。ブランド憲章は、グループ全社員の想いのもと、小

林製薬らしさ、社会・お客さまとの信頼関係、希望、企業姿勢を表現しています。現在は、各カンパニー、

関係会社でブランド憲章に基づいたアクションプランを策定しており、それらの遂行によってお客さ

まの満足、全てのステークホルダーの満足、そして企業価値の向上につなげることを目指しています。

小林製薬グループ ブランド憲章

私たちは、日々変化し進化するお客様のニーズを解決するだけでは満足しません。お客様も気づいていない必要なものを発見し、「こんなものがあったらいいな」をカタチにして、

一刻も早く送り届けます。

お客様の立場で開発した製品やサービスが、社会の信頼、お客様の期待を裏切ることのない

品質を私たちは追求します。

暮らしの中の発見から生まれた喜びが、いつしか世界にも広がることを夢見て。

私たちは、お客様と深く関わり合い、今までになかった満足を提供することによって

社会に貢献する開発中心型企業です。

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注 1. 2003年11月20日付けをもって株式分割(1株につき1.5株の割合で分割)を行っており、2004年3月期の1株当たり当期純利益、1株当たり株主資本は、株式分割が期首に行われたものとして算出しています。

2.株式分割が2003年3月期期首において行われたと仮定して算出した2003年3月期に係る1株当たり当期純利益は154.17円、1株当たり株主資本は1,165.32円です。

(百万円)

2003 2004 2005 増減率(%)

会計年度:

売上高 ¥210,922 ¥211,670 ¥215,708 1.9営業利益 15,852 16,123 15,698 △2.6経常利益 12,951 14,127 14,159 0.2当期純利益 6,605 6,677 6,730 0.8

1株当たり情報(円):当期純利益 231.25 157.25 160.64 2.2株主資本 1,747.98 1,307.16 1,443.30 10.4配当金 21.00 21.00 33.00 57.1

会計年度末:

総資産 125,679 128,326 134,629 4.9株主資本 49,267 54,454 60,116 10.4

財務指標(%): 増減

総資産経常利益率(ROA) 10.5 11.1 10.8 △0.3株主資本当期純利益率(ROE) 14.1 12.9 11.7 △1.2株主資本比率 39.2 42.4 44.7 2.3

連結財務ハイライト3月31日に終了した会計年度

当期純利益

(百万円)

0

2,000

4,000

6,000

8,000

0504030201

経常利益

(百万円)

0

3,000

6,000

9,000

12,000

15,000

0504030201

営業利益

(百万円)

0

4,000

8,000

12,000

16,000

20,000

0504030201

売上高

(百万円)

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

0504030201

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連結セグメント情報ハイライト3月31日に終了した会計年度

(百万円)

会計年度: 2003 2004 2005

家庭用品製造販売事業

売上高 ¥ 85,559 ¥ 87,055 ¥ 89,273

営業利益 14,438 14,631 14,492

家庭用品卸事業

売上高 125,858 126,080 128,356

営業利益 255 534 799

医療関連事業

売上高 16,113 15,608 16,056

営業利益 828 644 189

その他事業

売上高 11,706 11,859 12,205

営業利益 265 153 140

KOBAYASHI PHARMACEUT ICAL CO. , LTD .

3

その他事業

(百万円)

0

6,000

3,000

9,000

15,000

12,000

0504030201

医療関連事業

(百万円)

0

8,000

4,000

12,000

20,000

16,000

0504030201

家庭用品卸事業

(百万円)

0

60,000

30,000

90,000

150,000

120,000

0504030201

家庭用品製造販売事業

(百万円)

0

20,000

60,000

40,000

80,000

100,000

0504030201

セグメント別売上高

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CEOメッセージ

会長就任後の1年を振り返って2004年4月に、小林製薬は監督と経営執行の役割

を分離しました。同時に事業統括本部を新設して社

内組織を一新、私が会長として経営の監督に専念す

る体制としてから1年が経過しました。私は、体制変

更の趣旨として、自分で考え、責任を持って実行でき

る組織への移行を掲げました。1年で組織が急激に

変わるというものではありませんが、私の考えは着

実に浸透し、会社として好ましい方向へ進んでいる

と感じられる動きが出てきたことを実感しています。

当期も増収増益を継続

2005年3月期は、多くの企業が業績を好転させ

たことが、経済的には明るいニュースとなりました

が、こうした情勢はまだ一般消費者の購買行動に

反映されるまでに至らず、引き続き消費の低迷が

続く厳しい経営環境となりました。また、大衆薬の

卸業界ではさらに業界の再編が進み、価格競争も

一段と厳しさを増しました。

その中で当社は、売上・利益ともに好調さを維持

し、連結決算導入以来、7期連続で増収・増益を達成

しました。

人と社会に役立つ会社に

小林製薬は1886年に創業された、120年近い歴

史を持つ会社です。当社は、雑貨や化粧品の販売店

からスタートし、その後、消費者の皆さま、お得意

先に、より喜ばれる製品やサービスを求めてきた

結果、現在の一般用医薬品、芳香消臭剤などの製造

販売および卸売り、医療機器の製造および販売を

主要業務領域とする事業モデルをつくり上げてき

ました。私たちの成長の原点は、お客さまに喜ばれ

る製品やサービスを創造することにあります。そし

て現在、「並外れたお客さま志向」に徹することを

核とした「コーポレートブランド経営」を実践して

います。

消費者の皆さまからは、売上および利益の拡大

という形で高いご支持をいただいていることを実

感していますが、会社は製品だけで成り立つもので

はありません。株主の皆さまや従業員も含めた全て

のステークホルダーの皆さまにもご満足いただけ

るよう、透明性の高いしっかりとした経営で、社会

の役に立つ企業として価値の最大化に努めていき

ます。

2005年7月

代表取締役会長(CEO)

代表取締役会長 小林 一雅

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当期の業績

2005年3月期は、2004年4月から消費税込みの

総額表示が導入され、新しい表示価格に慣れない

消費者の買い控えや、消費税分を吸収しようとする

価格低下圧力などが加わり、厳しい経営環境でのス

タートでした。

その後、猛暑、例年以上の台風の上陸、暖冬など

不順な天候が続き、業績への影響が懸念されまし

たが、年末からのインフルエンザや花粉症の流行

によって冷却シートの「熱さまシート」や洗眼薬の

「アイボン」などに対する需要が高まりました。その

結果、連結売上高が前年比1.9%増の2,157億円、当

期純利益が前年比0.8%増の67億円と、増収増益を

達成することができました。

ステークホルダーの皆さまへ

就任1年で見えてきた課題2004年6月29日の社長就任以来、私は当期の経

営目標の達成に全力を尽くしてきました。増収増益

を継続できたことで、業績に関しては満足のいく出

来であったと考えています。

しかし、この1年で今後の成長を考える上で、克

服していかねばならない当社の問題点もいくつか

見えてきました。今後の継続的な成長のためには、

強い組織と人材の育成、そしてお客さまとの接点で

ある現場の力を強化し、経費削減などによる利益

創出だけではなく、売上増大による真の成長を実現

する必要があると考えています。

成功体験を共有できる強い組織を目指す

私には、小林製薬の120年近い歴史の中で培わ

れてきたすばらしい遺伝子をさらに優れたものに

して次の世代に引き継ぐ任務があります。それは、

消費者の皆さまの健康的で快適な生活に役立つ

製品やサービスを追求する執念、それを実現する

ために新しいものを生み出そうとするチャレンジ

精神などと考えています。

一方、何十年も組織の拡大が続いてきた中で、

トップダウンの指示を待つ風土が生まれてきたこと

も否めません。しかし、上からの指示に従って動くだ

けでは本当の成功体験は得られません。個々人が実

現に向けた強い意志がなければ、逆境に立ったとき

に何も実現できない弱い組織になってしまいます。

私の使命は、自らの意志を持つ強い組織を築き、

強い人材が育つ土壌を作ることであると考えてい

ます。すでに、事業統括本部長以下、執行役員にも

大幅に決定権を移し、そこで意思決定ができるよう

な組織づくりを図っています。今後、何を実現して

いくべきかの目標をはっきりさせ、数年をかけての

体制づくりに努めていきたいと思います。

代表取締役社長 小林 豊

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人材育成による競争力の強化

同時に、人材の育成も非常に重要な課題と考え

ています。人材に求める知識やスキルは事業部門

によって異なります。家庭用品製造販売事業におい

ては、従来にない新製品を生み出すアイデアやそ

れを形にする力が重要ですし、家庭用品卸事業で

はお得意さまから頼られる信頼関係を築くことが

大切です。医療機器の部門では、専門性の高い商品

を扱っているため、商品に関する正しい知識を身に

つける必要があります。そのため、現場ではOJTを

教育の基本としています。例えば、医療関連事業で

は、業界での教育経験豊富な人材を採用し、専門

部署を設けて営業トークや商品訴求方法を指導し

ています。また、優秀な営業マンをトレーナーとし

て抜擢し、若手営業マンのスキルアップに向けた直

接指導も行っています。

現場起点の営業力アップ

また、現場は、競争力強化の原点でもあると考え

ています。これまでも、取引先の満足度の向上に努

めてきましたが、さらに現場での提案力を強化し、

取引先の売上や利益に直接貢献できる活動を増や

しています。具体的には、店舗を回る営業担当の陳

列方法を含めた店頭展開の提案により、商品の消

化が上昇した成功事例を、営業担当者全員が共有

できる体制を整えています。効果的な陳列スキルは

すぐに水平展開されて取引先へのより効果的な提

案となり、全体の営業力強化につながっています。

現場でのOJTと販売スキルの強化を両輪として力

を入れることにより、その成果が売上として顕在化

し、競争力の強化にもつながると期待しています。

今後の成長戦略

当社を取り巻く事業環境としては、企業業績の好

転により、バブル崩壊以降低迷していた経済活動に

も活気が戻る気配も出始め、製品価格の底入れやデ

フレ経済の終息が期待されています。当社では、こ

うした景気の浮上局面においてトップライン(売上

高)を伸ばすことに重きを置き、利益を伴った売上

拡大につながる施策を徹底して実行していく方針

です。

家庭用品製造販売事業の成長戦略:開発力の強化

家庭用品製造販売事業において何より重要なの

は開発力です。2005年4月から、カテゴリーごとに

ブランドマネージャー、開発担当者、研究者、技術者

を配置し、一貫した組織による製品開発やブランド

育成を行う体制としています。その中で、トップが

開発初期段階から関与することで開発スピードを

より早め、製品化までのさらなる期間短縮を図って

います。また、消費者の将来のニーズを想定し、中

期的な研究開発テーマとしてストレス、免疫不全、

ダイエット、更年期障害などを中心に据え、当社の

マーケティング力および技術力を活かすことをポ

イントとしています。

最近の社会的な傾向として、質が高ければ高価

格の商品が売れる現象があります。そこで、消費者

は同質商品の安売り競争に飽きているのではない

かという仮説のもとで、高品質高価格商品の開発

にも取り組んでいきます。幸い、当社には開発力と

スピード力があります。小回りのきく製造委託先と

の協力関係を活かし、新しい試みにも積極的に挑

戦していく方針です。

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家庭用品卸事業の成長戦略:全国展開卸を目指す

一般用医薬品卸業界の競争は熾烈です。価格競

争が激しく、利益の確保はますます難しくなってき

ています。ここで生き残るには、営業展開地域と売

上規模を拡大し、絶対的な強さを身につけることが

重要です。

2005年4月、当社の子会社である㈱コバショウ

が、医薬品卸の大手である㈱スズケンの一般用医

薬品卸事業の移管を受け、同時に㈱コバショウは

㈱スズケンからの出資を受け入れました。これに

より、㈱コバショウは一般用医薬品卸業界でNo.1

の規模を確立すると同時に、これまで事業展開し

ていなかった北海道と中部地方に営業地域を拡大

でき、全国網羅を進める上で、大きなメリットとな

りました。

これを機に、全国を網羅する組織を早急につくり

上げたいと考えています。大規模な合併や提携が

進む中で、今後もお互いのメリットを享受できるよ

うなM&Aを積極的に考えていきます。

医療関連事業の成長戦略:自社ブランド製品の拡大

医療関連事業の小林メディカルカンパニーでは、

米国など海外の医療機器を輸入販売すると同時

に、国内で開発した自社製品を販売しています。

2004年4月から、自社製品の開発組織を発足させ、

「Kobamed(コバメッド)」という自社ブランドの販

売を開始しました。現在4品目の製品を販売してい

ますが、今後さらに増やし、小林メディカルカンパ

ニーの売上高の25%まで拡大していきたいと考え

ています。特に、市場が拡大している整形外科領域

はまだまだ開発の余地が大きく、今後の注力領域と

考えています。

あくまで開発中心型企業であり続ける

当社は、開発中心型企業として、常にSomething

New(今までにない何か新しいこと)、Something

Different(今までと何か違うこと)を追求していま

す。その中で、判断基準となるのは「消費者の立場

に立ち、“あったらいいな”という製品やサービスを

創出する」という考え方に適するか否かです。当社

が自社開発にこだわるのは、機械的に製品を製造

販売するだけでなく、こうした思い入れのある自社

開発商品を世の中に送り出すことで、自分たちの存

在意義と社会的価値が確認できるからにほかなり

ません。当社が世の中で必要なもの、喜んでいただ

けるものの提供に徹すれば、消費者の支持を得て

売上が伸長し、株価も向上し、株主の皆さまをはじ

め全てのステークホルダーに満足していただくこ

とができるようになるはずです。

これからも、小林製薬は、ユニークな製品やサー

ビスを創造し続け、企業価値の最大化を目指してま

い進していきます。株主の皆さま方には、今後とも

ご指導・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

2005年7月

代表取締役社長(COO)

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小林製薬組織図

創造と革新の企業風土をつくり上げる各種制度小林製薬には、社員が“あったらいいな”というアイデア

の「種」を、いつでも提案することができる制度があります。

この「提案制度」は20年以上続いており、これが当社の今の

強さにつながっています。

人材育成には「目標管理制度(MBO)」の導入や「社内プ

ロジェクトへの参加」というOJT制度があります。さらに、幹

部候補生を育成するために「選抜教育制度」を導入し、3段

階による選抜教育システムがあります。

実行重視と成果を公正に評価するため、会社に貢献した

社員や、成果を上げた社員には、小林社長から「ホメホメ

メール」が発信されます。

また、社員自らが成果を積極的にアピールした「青い鳥

カード」を報告し、自己主張を行います。

これらの制度が社員のモチベーションを高め、創造と革

新の企業風土を創り上げるのです。

小林製薬組織図国際営業事業部

薬粧品マーケティング部

日用品マーケティング部

広告販促部

リサーチG

研究開発部

薬粧品開発部

日用品開発部

研究開発管理部

技術開発部

購買部

業務部

大阪工場

経営企画G

北日本営業部

東京日用品営業部

東京ドラッグ営業部

東京第二営業部

食品部

広域チェーンストア部

中部営業部

大阪営業部

中四国営業部

九州営業部

特販部

業務管理部

製品計画部

通信販売部

事業戦略部

管理部

営業部

整形部

品質保証部

営業開発G

社 長

会 長

取締役会

株主総会

グループ統括本社

財務経理部

広報総務部

法務グループ

人材開発グループ

ビジネス改革推進部

IT部ビジネスシステムカンパニー

マーケティング室

国際営業カンパニー

研究開発カンパニー

製造カンパニー

製品営業カンパニー

小林メディカルカンパニー

品質保証室

成長戦略室

取締役会室

監査グループ

製品事業統括本部

医療機器事業統括本部

卸事業統括本部

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当社は企業価値の最大化という経営の基本方針を実現

するためには、株主価値を高めることが重要な課題の一つ

と位置づけています。このため迅速かつ正確な情報開示に

努めるとともに、経営の透明性を高めていきたいと考えて

います。

2000年6月の株主総会の決議を経て実施した経営機構

改革では、取締役の人数の最適化(当時7名、現在6名)、執行

役員制度の導入(当時13名 内取締役兼任7名、現在13名 内

取締役兼任5名)、カンパニー制の導入を行いました。これに

より取締役会の活性化と迅速な意思決定と業務執行機能の

強化を図る体制を整えています。2004年4月には当社グ

ループを製品事業統括本部、卸事業統括本部、医療機器事

業統括本部、グループ統括本社に集約し、社長ならびに事

業統括本部長以下、執行役員が経営の執行にあたっていま

す。これに対し、会長を中心とする取締役会が経営の監督機

能を担っています。取締役会は月1回の定例取締役会のほ

か、必要に応じ機動的に臨時取締役会を開催し、法令で定め

られた事項や経営に関する重要事実を決定するとともに、

業務執行の状況を逐次監督しています。

この体制のもと2001年4月に卸事業の分社化、6月の桐

灰化学㈱買収、2004年3月の卸事業子会社㈱コバショウと

三菱商事㈱、㈱菱食との業務提携、9月の㈱コバショウと

コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンス体制

内部監査室

会計監査人

アドバイザリーボード

社外顧問

社外弁護士などの専門家

コンプライアンス委員会

社内窓口(法務)

社外窓口(弁護士)

監査

監査

監査

助言

助言

助言

助言

監査役会

社内監査役

社外監査役

取締役会

社内取締役

経営会議

執行役員

社長

事業統括本部長

カンパニープレジデント

各カンパニー及び各事業部門

株 主 総 会

㈱スズケンとの資本業務提携締結、2005年1月の一般用女

性医薬品の独占販売権取得、3月の合弁会社の100%子会

社化などの成長戦略と同時に、不採算事業の撤退及び再編

の推進も実施してきました。

社外取締役につきましては、現状、当社の経営理念を理

解し実践できる人材が意思決定を行っているため選任して

おりませんが、監査役制度の充実強化を進めています。監査

役4名のうち2名は社外監査役で、社外監査役と当社との資

本関係及び取引関係はありません。会計監査人である新日

本監査法人とは、毎月開催しております定例会議などを通

じて、業務運用上の改善につながる情報共有を行っていま

す。また、企業経営及び日常の業務に関しては、適時顧問弁

護士などの専門家から経営判断上の参考とするためアドバ

イスを受けています。

また、2003年4月には企業活動における法令遵守精神の

徹底、強化を図るため「コンプライアンス委員会」を設置し、

9月に「企業行動の基本方針」「役員及び従業員の行動基準」

を制定しました。そしてこの基本方針、行動基準を全社的に

積極的に展開しており、コンプライアンスの意識向上を

図っています。また2003年1月には従業員の窓口として「従

業員相談室」を社内外に開設しており、情報の早期収集・対

応にも努めています。

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KOBAYASHI PHARMACEUT ICAL CO. , LTD .

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小林製薬の事業セグメントの概要

家庭用品製造販売事業

家庭用品卸事業

医療関連事業

その他事業

事業部別売上シェア(%)

売上高(百万円) 営業利益(百万円)

31.3%

59.5%

7.4%

1.8%

KOBAYASHI PHARMACEUT ICAL CO. , LTD .

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事業部別売上シェア(%)

売上高(百万円) 営業利益(損失)(百万円)

事業部別売上シェア(%)

売上高(百万円) 営業利益(百万円)

事業部別売上シェア(%)

売上高(百万円) 営業利益(損失)(百万円)

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

0504030201

0

30,000

60,000

90,000

120,000

150,000

0504030201

0

4,000

8,000

12,000

16,000

20,000

0504030201

0

3,000

6,000

9,000

15,000

12,000

0504030201

0

3,000

6,000

9,000

12,000

15,000

0504030201

–200

0

200

400

600

800

0504030201

0

200

400

600

800

1,000

0504030201

–100

0

100

300

200

0504030201

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2005年4月から、カテゴリーごとにブランドマネージャー、開発担当者、研究者、技術者をグループ化し、一貫した組織による製品開発やブランド育成を行う体制としています。その中で、トップが初期段階から関与することで開発スピードを高め、商品化までの期間短縮を図っています。中期的な研究開発テーマとしてストレス、免疫不全、ダイエット、更年期障害などを中心に据え、当社のマーケティング力および技術力を活かすことをポイントとしています。小回りのきく製造委託先との協力関係を活かし、新しい試みにも積極的に挑戦していく方針です。

主要な会社・小林製薬㈱・仙台小林製薬㈱・富山小林製薬㈱・愛媛小林製薬㈱・桐灰化学㈱・小林コーム㈱・小林ヘルスケアインコーポレーティッド・小林ヘルスケアヨーロッパ リミティッド・上海小林日化有限公司・小林製薬(香港)有限公司

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2005年4月、当社の子会社である㈱コバショウが、医薬品卸業界で大手である㈱スズケンの一般用医薬品卸事業の移管を受け、同時に㈱コバショウは㈱スズ

ケンからの出資を受け入れました。これにより、㈱コバショウは一般用医薬品卸

業界でNo.1の規模を確立すると同時に、これまで事業展開していなかった北海道と中部地方に営業地域を拡大しました。今後も合併や提携を進め、全国で事業

展開できる卸を目指していきます。

小林メディカルカンパニーは、米国など海外メーカーの医療機器を輸入販売す

ると同時に、自社製品を製造・販売しています。2004年4月に、自社製品の開発組織を発足させ、「Kobamed(コバメッド)」という自社ブランドの販売を開始しました。現在4品目の製品を販売しており、今後さらに増やし、小林メディカルカンパニーの売上高の25%まで拡大していきたいと考えています。特に、市場が拡大している整形外科領域にはまだまだ開発の余地が大きく、今後の注力領域

としています。

その他事業は、「家庭用品製造販売事業」「家庭用品卸事業」「医療関連事業」の

3事業の運送・販売促進・市場調査において、資材やサービス提供を行い貢献することを事業の目的としています。

主要な会社・㈱コバショウ・㈱健翔・㈱KS北海道・㈱KS東海・㈱青瑛

主要な会社・小林製薬㈱・シールド カリフォルニア ヘルスケアセンター インコーポレーティッド・シールド デンバー ヘルスケアセンター インコーポレーティッド・メール オーダー メディカル サプライズ インコーポレーティッド・㈱メディコン

主要な会社・青い鳥物流㈱・小林製薬プラックス㈱・すえひろ産業㈱・㈱アーチャー新社・エスピー・プランニング㈱・小林製薬ライフサービス㈱

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家庭用品製造販売事業

マーケティング戦略家庭用品製造販売事業は、当期の売上高で31.3%、営業

利益で92.3%を占める当社の主力事業です。当事業では、

ニッチ市場を狙ったユニークな製品の企画開発・製造・販売

を行っています。

売上成長を目指す経営方針のもと、新製品開発および

マーケティングを一層強化し、独自性の高い自社製品の拡

販に注力していきます。

ニッチ市場の開拓

当社は、創業以来、“創造と革新により人と社会に「快」を

提供する”を経営理念としており、家庭用品製造販売事業に

おいては、世の中で求められる「快」を追求してきました。そ

の結果、日常生活からニーズやウォンツを探し出し、それに

応える製品を開発、製品化することによって、市場で独自の

ポジションを獲得するに至っています。

当社が注力しているのは、生活者のニーズを十分に満たす

商品が世の中に存在しない、あるいは商品はあっても認知

度が低く、まだ世の中に広まっていないといった市場の

創造・拡大です。その市場に強力な製品を投入し、一気に

市場を拡大し、高いシェアを確保するのが当社の得意とする

戦略です。これは、当社にそうしたニッチな市場を開拓する

アイデアとチャレンジ精神、他社の追随を許さないスピード

開発を実現できる体制、そして全く新しい機能やコンセプト

をアピールできるマーケティング力があるからこそ可能と

なっています。

「プル型」マーケティング戦略

マーケティングは、当社が開発した新しいコンセプトの製

品を拡販する上で、欠かせない機能の一つです。ニッチ戦略

を追求している当社が投入する新製品は、今まで市場にな

かったものが多く、何に使う製品なのか、どのような効果を

導き出す製品なのかを消費者に理解していただかなけれ

ば、購買まで結びつけることは困難です。そこで、パッケー

ジデザイン・ネーミング・広告宣伝・店頭での販促に至るま

で、徹底的に「わかりやすさ」を追求した独自の訴求戦略を

採用しています。製品の使用シーンを含めた提案を行い、消

費者のウォンツを引き出し、市場を育成するという「プル型

戦略」です。

開発製品の種類

マーケットにおいて、当社の新製品は、大きく「需要創造

型新製品」、「需要拡大型新製品」、「競合対策型新製品」、

「ブランド強化・拡大型新製品」の4つに分類されます。

当社が最も得意とするのは、今まで市場になかった、全く

新しい製品を開発して市場を創造する「需要創造型新製品」

です。「需要拡大型新製品」は、まだ発達していない市場に当

社が強力な製品を投入して一気に市場を拡大させる開発パ

ターンを指します。一方、すでに当社が築いた市場に他社が

参入してきた場合は、他社製品と差別化できる付加価値を

持つ「競合対策型新製品」を開発・投入し、当社製品の地位

を死守しなければなりません。一方、マーケット戦略として

欠かせない新製品として「ブランド強化・拡大型新製品」が

あります。これは、同じブランド内で付加価値を加えたライ

ンエクステンションを行い、市場におけるブランドの確立を

図るものです。代表的製品としては、「ブルーレット」、「熱さ

まシート」「ブレスケア」などがあり、同一ブランドの中で商

品の種類を拡大しながら、ビッグブランドへと育成させるこ

とに成功しています。

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需要創造型新製品まだ存在していない市場において消費者のニーズに応える新製品を投入する、当社が最も得意とする製品です。

需要拡大型新製品市場は存在するものの、まだ認知度が低い市場で新製品を投入し、当社独自のマーケティングにより認知度を引き上げる製品です。

競合対策型新製品競合他社の類似品に対して、ブランドのポジショニングを高め、既存ブランドを守るために投入する製品です。

ブランド強化・拡大型新製品市場で優位性を確立したブランド製品を育成するために、剤形・機能などにバリエーションを付けた製品です。

ブランド管理

当社では、効果的な経営資源の投入のため、開発・発売

する品目については十分な検討を重ねて選定を行ってい

ます。開発に着手する前には徹底したリサーチを行い、発売

後は広告費の集中投下、小売店での販売促進活動などを強

化して、一製品あたりの密度を高める方針としています。こ

戦略ポートフォリオ

1

23

4

新規市場既存市場

成長市場

成熟市場

1

2

3

4

れによって投下資本の効率が大きく向上し、無駄のない製

品ポートフォリオの形成につながりました。また、ブランド

マネージャーが各ブランドの育成・販売促進のフォローを

定期的に行い、不採算製品の撤退もしくはブランド育成の

ためのリニューアルなどで売上および利益の向上を図って

います。

需要創造型新製品の一例

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家庭用品製造販売事業

製品開発の体制と特徴家庭用品製造販売事業でマーケットシェアを維持・拡大

していくためには、新製品のコンスタントな開発とスピー

ディな市場への投入が不可欠です。

アイデア会議からのトップ関与でスピーディな製品化を実現

家庭用品製造販売事業において最も重要なのは新製品

開発です。経営理念でもある「創造と革新」の精神を発揮し、

顧客ニーズに的確にお応えできる新製品を順次市場に投

入しています。

顧客のニーズに合った独自性の高い製品を間断なく開発

するため、社員の提案制度や広告代理店をはじめとする取

引先など、多くのアイデアソースを活用しています。社員は、

日々、「こんなものがあったらいいな」という消費者の視点

でアイデアを出しており、その数は年間2万件にものぼりま

す。そこから集まったアイデアを、製品開発に携わる担当者

が議論を通してブラッシュアップしていきます。その内容を

月1回開催するアイデア会議で経営陣にプレゼンテーショ

ンし、その場で製品化するかどうかが判断されます。こうし

て、早い段階で経営陣による製品化に向けた意思決定が行

われることによって、創造性の高い新製品のスピーディな

製品化が可能となっています。

カテゴリー制による製品開発

当社では、2 0 0 5年4月より、製品の開発体制をカテゴ

リー制に移行しました。医薬品、オーラルケア、食品、衛生

雑貨、芳香消臭剤、洗浄剤・家庭雑貨の6つのカテゴリーに

おいて、それぞれブランドマネージャー、開発担当者、研究

者、技術者がチームとなって新製品開発と既存ブランドの

育成を行います。これにより、新製品開発と既存品のライン

エクステンション(シリーズ製品の追加)やリニューアル

(製品の改良)など、それぞれ異なるカテゴリーの市場環境

により適切に対応し、どこに重点を置くかのバランスをカ

テゴリーごとに決定することができるようになります。担

当カテゴリー内で個別最適を追求し、より一層の競争力強

化を図っています。

スピード感あふれる「コンカレント開発」

当社において、一つの新製品の発案から製品化までにか

かる期間は平均約13ヶ月で、そのスピードは、業界内外か

ら高い評価をいただいています。

このスピードは、「研究・開発」「品質保証」「試作・生産準

備」「販売企画」といった工程を、緊密な連携により同時に進

める「コンカレント開発」によって、支えられています。通常

リレー方式で行うこれらの開発手順を、垂直に並行して進

めていくことで、短期間での市場への投入が可能となって

います。

マザーコンセプト開発

市場における独自性とブランド力を活かすため、当社で

は「マザーコンセプト開発」に注力しています。「マザーコン

セプト開発」とは、社会のトレンドを分析し、消費者の将来の

ニーズを想定して大きなテーマを設定し、その中でブランド

を育成していく手法です。一つのテーマに基づいたカテゴ

リーの中にブランドを持つことで、マーケティングや広告、

販売促進などを効率的に進めていくことができます。

現在当社では、社会の高齢化とともに増えると思われる

「更年期障害」をマザーコンセプトのテーマの一つとして、

治療・予防・美容・心理の切り口から中長期にわたった製品

開発に取り組んでいます。治療面での品揃え強化のため、更

年期の症状改善を目的とした女性保健薬「命の母A」の独占

販売権を取得し、2005年6月から発売しています。

マザーコンセプト開発(更年期対策)

治療分野

更年期障害の治療を目的とした医薬品

予防分野

更年期の不調を整える食品、特定保健用食品

美容分野

更年期以降の皮膚の不調を整えるスキンケア

心理分野

芳香剤や入浴剤などにより心の悩みを解消

更年期対策の4分野働く中高年女性の増加、少子化に伴う介護負担、子供の受験・就職など、中高年女性のストレスが社会的に増加

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新製品紹介

2005年春に以下の7品目を市場に投入いたしました。こ

れら7点の発売初年度の販売目標額は46億円としています。

「アンメルツヨコヨコ フェルビナエース」消炎鎮痛剤成分フェルビナクを3%配合し、つらい肩こりや筋肉痛に効く

「生葉液薬」4つの有効成分が患部に浸透し、歯槽膿漏に優れた効き目を発揮

「生葉液」ヒノキチオールなど天然由来成分を配合した薬用デンタルリンス

「サラサーティやわらかシルクタッチ」さらさらの肌ざわりで気持ちよく使えるおりものシート

「ケシミンシールジェル」貼るだけで日焼けによるしみ、そばかすなど気になる部分を集中ケア

「ドアコロン」ドアを開閉するたびに香りが広がる消臭効果

「ファンデリッチ」ファンの力で部屋の隅々まで消臭、香りを広げる芳香消臭剤

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家庭用品製造販売事業

0

20

40

60

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100

120

200520042003200220012000

M&Aによる売上の拡大(億円)

M&A戦略画期的な新製品の開発を強みとする当社ですが、開発や

ブランド育成にかける時間を短縮し、投資効率を高めるた

め、あるいは当社が開拓を進める領域に、高い品質や機能

を備えた商品がすでに存在する場合などには積極的に

M&Aを活用しています。

2002年12月「杜仲茶」営業権譲り受け

2001年6月桐灰化学㈱買収

2001年1月「ホワイトホールジャパン」買収 「キムコ」、「プリティー」など

1998年2月「イージーファイバー」の営業権譲り受け

■ 「イージーファイバー」の売上高■ ホワイトホールジャパン(「キムコ」、「プリティー」など)の売上高■ 桐灰化学の売上高■ 「杜仲茶」の売上高

M&Aの狙いと成果当社はこれまでに、企業の買収や営業権の譲受などに

よって、数々の商品を自社のラインアップに加えてきました。

これらの商品の共通点は、すでに全国的な知名度を誇るブ

ランドや企業であり、すでにある程度の市場が形成され、そ

の中でかなりのシェアを確保していたという点にあります。

そのため、市場創造や認知度向上のためにかける時間が大

幅に短縮でき、また、技術開発や製造設備にかける投資を

抑制できたことが大きなメリットとなっています。

今後も、既存事業とのシナジー効果が期待できるブラン

ドや企業を対象に、国内外を問わず積極的にM&Aを進めて

いく方針です。対象領域としては、高齢化や生活習慣病など

に対する関心の高まりを背景として伸びている「ヘルスケ

ア」を中心に考えています。M&Aを行うための原資には今

後当社が生み出すフリー・キャッシュ・フローを充て、より高

いリターンを獲得するよう努めていきます。

最新のM&A最近では、2005年3月に米国のコーム社からかゆみ止め

薬「フェミニーナ」「ラナケイン」の商標権を取得し、小林製

薬ブランドとしての販売を

開始しました。また、同年3月、特殊な断熱繊維を使用

した保温性の高い「足の冷

えない不思議なくつ下」の

事業を譲り受けました。

また、2005年1月に女性用更年期障害改善薬「命の母A」

の独占販売権を笹岡薬品㈱より取得し、当社が総発売元と

なりました。この販売権取得は、更年期をテーマとする製品

開発のマザーコンセプトをサポートする

とともに、主要領域の一つとして注力して

いる一般用医薬品カテゴリーの強化にも

つながっています。

さらに、7月には中国に製造拠点を持

ち、健康補助食品および医薬品事業を展

開している井藤漢方製薬㈱との間で資本

業務提携の契約を締結しました。

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2

1

3

4

1

各国で販売している代表的な製品

英 国

香 港

海外事業中長期的な戦略の一つとして、積極的なグローバル展開

による海外市場の拡大を図っています。

「東アジア」と「カイロ」に注力

現在、米国・英国・中国・香港に現地法人を設立し、自社製

品の販売を進めています。当期より「上海小林日化有限公

司」、「小林製薬(香港)有限公司」が連結子会社となりました。

地域別では、中国で「芳香消臭剤」「カイロ」「冷却シート」

の生産・販売、英・米においては、「冷却シート」「カイロ」の販

売を行っています。中でも、現地に工場を持ち、経済成長の

著しい中国をはじめとする東アジアを最重点エリアとして

います。中国では生活の向上に伴い、暮らしや身の回りの清

潔感への関心が高まっており、販売している「サワデー(中シャンファレイ シャンチュユェン

国名:爽花蕾)」「お部屋の消臭元(中国名:香居源)」など今

後の伸びが期待できます。

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カイロ、冷却シート

芳香消臭剤、カイロ

冷却シート、カイロ

現地法人小林ヘルスケア インコーポレーティッド小林ヘルスケア ヨーロッパ リミティッド上海小林日化有限公司小林製薬(香港)有限公司 生産拠点上海小林日化有限公司(中国)

1234

1

上海工場

また、「カイロ」については、海外ではまだ十分に市場が形

成されておらず、かつ寒いときに暖まりたい、腰痛や膝痛な

どは暖めて緩和したいという万国共通の消費者ニーズがあ

ることから、今後は全展開エリアにおいて重点製品として

注力していく予定です。

中 国

米 国

海外拠点

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※㈱青瑛は持分法非適用関連会社です。

家庭用品卸事業の拡大戦略競争の激しい一般用医薬品卸事業においては、他社との

アライアンスによる全国卸へのネットワークづくりと、展開

エリアでのシェア拡大に注力しています。サービス地域の

拡大は順調に進んでおり、残すは東北と九州エリアとなっ

ています。

バランスの取れた商品構成

当社の事業は、医薬品の卸からスタートしており、現在で

も家庭用品卸事業の売上高に占める割合は59.5%と、当社

の主力事業となっています。

家庭用品卸事業で取り扱っている商品は、当社が開発し、

製造を行っている製品が約18%で、残りは他のメーカーの

商品です。商品構成は、医薬品が約4割、食品と日用品がそれ

ぞれ約2割、コンタクト用品が約1割、その他が約1割となっ

ています。卸事業では、規模の拡大が経営戦略上の重要課題

であり、近年取扱量が拡大している販売チャネルであるド

ラッグストアで伸びている健康食品を中心とする食品、コン

タクトケア関連商品のラインアップ強化に注力しています。

家庭用品卸事業

業務提携

2001年4月分社化

家庭用品卸事業の拡大戦略

小林製薬

㈱コバショウ

目標売上高 3,000億円

㈱菱食

三菱商事㈱

2005年4月㈱スズケンより一般用医薬品卸事業を譲り受ける

㈱青瑛

㈱健翔

㈱コバショウ

2004年3月㈱コバショウ、三菱商事㈱、㈱菱食と業務提携

㈱青瑛

㈱健翔

㈱コバショウ

2003年10月四国の卸事業会社3社と㈱コバショウの合計4社で㈱青瑛設立

㈱青瑛

㈱健翔

㈱コバショウ

2001年10月㈱健翔を連結子会社化

㈱健翔

㈱コバショウ

㈱KS北海道

㈱KS東海

㈱菱食

三菱商事㈱

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卸事業のサービスおよび地域拡大

当社は全国展開を進め、事業規模拡大により競争力強化

を図るため、2001年に卸部門を㈱コバショウとして分社化

しました。これにより、独立した卸会社として他の卸業者と

パートナーシップを構築し、全国的なネットワークの構築を

進める体制ができました。

その後、中国地方を拠点とする㈱健翔を連結子会社とし、

また四国の卸会社3社と㈱コバショウの4社の合弁会社とし

て㈱青瑛を設立した結果、それまで関東・関西が中心であっ

た営業領域を中国・四国へと拡大することができました。ま

た2004年には、㈱コバショウ、三菱商事㈱、㈱菱食との業務

提携を締結し、海外商品を含む商品調達や物流、リテール

サポート機能の強化に取り組んでいます。

㈱スズケンとの連携による機能強化

さらに、2005年4月には、医薬品卸売大手の㈱スズケンよ

り、一般用医薬品卸事業を譲り受け、同時に㈱コバショウは

㈱スズケンからの出資を受け入れました。これによりこれま

で当社が未進出であった北海道および中部地域では、地域

性を生かした効率のよい経営を行うことを目的として、新た

に㈱KS北海道、㈱KS東海の子会社を設立したものです。

㈱コバショウでは、ヘルスアンドビューティーケア市場に

おける中核卸としての地位確保に向け、総合的営業力と商

品力を向上させる体制構築は一段と進み、残るエリアは東

北と九州のみになりました。これにより、家庭用品卸事業が

目指す「全国展開」および「年商3,000億円構想」の実現にさ

らに一歩近づくことができました。

家庭用品卸事業の事業エリア

市場シェア(2005年3月期末)

■ コバショウ■ 健 翔■ 青 瑛■ KS北海道■ KS東海

関東地域

関西地域

四国地域

中国地域 中部地域

北海道地域22.5%

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医療関連事業

経営理念「人と社会に快を提供する」のもと、医療関連事業

では、小林メディカルカンパニー(当社の事業部門の一つ)

および持分法適用会社の㈱メディコンが国内市場で、米国

子会社のシールドヘルスケアセンター3社が米国市場で活動

しています。

No.1戦略によって強い領域作りを目指す㈱メディコンは1972年の合弁会社設立当時から米国C.R.

バード社が開発する泌尿器科・消化器科・循環器科関連の医

療機器の販売を行ってきました。特に泌尿器科領域では

マーケットリーダーとして医療の向上に貢献してきました。

一方、小林メディカルカンパニーは、㈱メディコンと重複し

ない分野の優れた医療機器の輸入販売を目的として1992年

に設立され、整形外科・手術室関連・麻酔科・脳神経外科・耳鼻

咽喉科の領域で最先端の医療機器を販売しています。特に

米国アキュメッド社の骨接合材、日本特殊陶業社製の人工骨

など整形外科領域で多様な商品販売の実績を重ね、当期は

米国オーソフィックス社品の独占販売権を取得し、創外固定

器の販売を開始しました。

こうして両社は参入領域の棲み分けを行いながら、医療

現場に「安全と安心」を提供することをミッションに掲げ、そ

れぞれの参入領域でNo.1となることで、激変する医療業界

における地位の確立と更なる成長を目指します。

高い専門性と顧客との信頼関係が強み医療機器の分野は技術革新のスピードが速いため、欧米の

最先端技術や商品に関する情報収集を効率良く行うことと、

収集した情報を国内の医療機器市場へタイムリーに紹介す

ることが重要です。当社では、欧米をはじめとする海外の医

療機器メーカーの最新の情報をいち早く入手し、営業活動を

はじめ国内各地で主催しているセミナーや研究会を通して

日本の医療現場に情報を紹介する体制を整えています。

また、近年の「高機能化」「低侵襲化」にともない「複雑化」

が進む医療機器において、医療従事者にとっては医療機器

に関する情報だけでなく、その使用方法や臨床効果といっ

た関連情報についても益々重要になってきています。そこ

で海外取引メーカーと連携してトレーニングのサポートなど

も行っています。一方、社内では徹底した専門教育を行うと

1972年㈱日本メディコ設立

1976年C.R.バード社との合弁で㈱メディコンへ社名変更

小林製薬の医療関連事業

小林製薬

㈱日本メディコ

JMF

出資

出資

C.R.バード社

出資

1990年シールドヘルスケアセンター社を買収

㈱メディコン ㈱メディコン C.R.バード社製医療機器の輸入販売

シールドヘルスケアセンター3社

シールドヘルスケアセンター3社

米国内の在宅患者向け医療機器の販売

小林メディカルカンパニー

メディコンと重複しない医療機器の輸入販売、自社製品の開発

㈱メディコン

1992年小林メディカル事業部(現小林メディカルカンパニー)を設立

買収

事業部設立

C.R.バード社

出資

50%

50%出資

バード I . C .シルバーフォーリートレイ

バード メッシュ

メディコンの取扱商品

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21

小林メディカルカンパニーの取扱商品

自社開発製品 「Kobamed」ブランド製品コンメド社 電気メス 日本特殊陶業社 セラタイト人工骨

同時に独自の営業スキルアップの研修も実施しています。こ

れにより、最新情報を共有し、医療現場から信頼される高い

専門性を備えたプロフェッショナル集団となることを目指し

ています。

また、医療現場に「安全と安心」をお届けするため、改正

薬事法に準拠した管理組織体制を構築し、医療機器におけ

る品質マネジメントシステムの国際規格であるISO13485の認証取得に向けた社内体制を整えています。

商社とメーカーの両機能で高い成長性を目指す小林メディカルカンパニーは設立以来、国内外のメー

カーと販売契約を締結し、最先端の商品を医療現場へ提供

してきました。現在は21社と契約しています。

㈱メディコンおよび小林メディカルカンパニーでは、長年

の経験で培った情報ネットワークを駆使し、専門領域に特

化した商品の導入でこれまでに多くのヒット商品を生み出

し、医療に貢献してきました。今後も高い専門性と顧客との

信頼をもとに、既存商品の育成に注力し、シェアを拡大して

いきます。

一方で、医療現場からの「より日本の市場にフィットした

製品を」という声に応えるため、2003年に製品開発センター

を設立し、自社開発の体制を整えました。当期、自社ブラン

ド「Kobamed(コバメッド)」4品目を市場に導入し、メーカー

としての基盤を築きました。今後は、産官学との連携や医療

機関、取引メーカーとの共同開発など、より積極的に投資を

行い、自社開発のスピードアップと自社ブランド製品の拡大

を推進していきます。

自社ブランドの導入で、従来の商社としての機能にメー

カー機能を加え、さらに高い成長の実現を目指していきます。

製品開発会議

アキュメッド社 アキュトラックスクリュー

オーソフィックス社創外固定器

ミニマム創内視鏡下手術関連製品 トロッカーカテーテルキット

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環境問題への取り組み

当社では、環境負荷の低減、資源の有効活用を考慮した事業活

動を行うため、小林環境宣言のもと環境行動指針を定め、1997年より環境保全活動を開始し、環境問題に取り組んできました。

環境保全に関する経営方針■小林環境宣言

小林製薬グループは、環境の保全を目指し、限りある資源・エ

ネルギーの有効活用を行うとともに、環境汚染の予防と継続的

な改善に取り組みます。

■環境行動指針

1. 法令遵守及び目標の実行事業分野における環境保全に関連する法規制や協定を遵守

するとともに、環境目標・自主基準を定め、実行します。

2. 廃棄物の削減とリサイクルの向上事業分野の各段階において発生する廃棄物について、再生・

再利用可能なものは積極的にリサイクルを行い、廃棄物の

量的削減を行います。

3. 省資源・省エネルギー限りある資源を有効活用するため、エネルギーの効率的利

用と再生資源の積極的使用を促進します。

4. 環境配慮製品・サービスの提供環境への負荷低減を心がけた製品の開発・サービスを提供

するため、使用する物資や使用方法を考慮した事業活動を

行います。

5. 行動指針の共有及び環境意識の向上この指針をグループ全社員で共有し、また教育・啓発活動を

通じて、一人ひとりの環境保全意識の向上に努めます。

環境負荷の全体像と当社の取り組み当社は製品製造の過程において、化学物質を使用し、化石原

料などの資源・エネルギーを消費しています。その結果、廃棄物

や二酸化炭素を排出し、環境に対して影響を与えています。これ

に対し、有限な資源である化石原料を有効活用する省エネル

ギー・省資源活動に取り組み、事業活動に伴い排出される廃棄

物、二酸化炭素を適切に管理し、削減活動を行っています。毎年

CO2排出量の削減、廃棄物量の削減、リサイクル率の向上にそれ

ぞれ目標を設定し、その達成度合いを数値で管理しています。

温暖化防止策当社では、1997年度から二酸化炭素排出量を把握し、2000

年度には生産重量原単位で管理を始めるなど、地球温暖化防止

に本格的に取り組んでいます。2005年3月期は、製品の輸送にあたり、鉄道輸送への切り替えを積極的に行い、約1,198.91t-CO2(小林製薬グループの製造過程で発生する二酸化炭素の約

9.32%)の削減を行いました。今後もCO2排出量の少ない輸送

形態を選択していく予定です。

産業廃棄物削減2005年3月期の廃棄物最終処分量は22トンで、2004年3月

期の244トンに比べて91.0%の削減となりました。これは1998年3月期の1,644トンから98.7%の削減となります。これは、工場から出た段ボール、古紙、ガラス、廃プラスチック、金属、廃液

などを徹底して分別し、リサイクル化を実現したことによるも

のです。さらに、最終処分量の削減だけではなく、廃棄物発生量

自体の削減にも取り組み、2,609トンと、前年よりも18%の削減に成功いたしました。廃棄物量の再資源化を中心に、圧縮や分

別による廃棄物量の収縮により、今後も排出量削減に努力して

まいります。

リサイクルへの取り組み2005年3月期のリサイクル率は99.2%で、前年と比較して7

ポイントのリサイクル率の向上となりました。リサイクルの方

法は、サーマルリサイクルによる熱エネルギーとしての再利用

と分別によるマテリアルサイクルの両面を採用しています。今

期は大阪工場をはじめ、4事業所で「ゼロ・エミッション」が達成できました。今後も、リサイクル率のさらなる向上を目指し、活

動を行っていきます。

製品面における環境への配慮■環境配慮型製品の取り組み

小林製薬では、現行製品の容器を素材の変更などにより減量

化を進めています。2005年3月期には、「サラサーティ」「消臭ガーデン」の包装形態の簡素化を行いました。また、1977年にブルーレットの詰め替えを発売して以来、詰め替え・つけ替え

製品による本体・機能部分の再使用ができる製品が、2005年4月現在、あわせて24品目(54アイテム)になりました。製品の容器包装においては、その製品の用途や機能に影響のない範囲

で、再生紙や再生PETなどの再生品を使用する方向で、検討をしています。

1. 省エネルギーへの取り組みCO2排出量を生産重量原単位で前年度比10%削減する

2. 廃棄物削減への取り組み産業廃棄物排出量を前年度比で10%削減する

3. リサイクルへの取り組みゼロ・エミッション達成 3工場

ゼロ・エミッション未達の工場はリサイクル率前年度比3ポイント向上

4. 化学物質の安全管理PRTR対象物質の各工場排出量を100kg以下に削減

2004年3月期に対して2005年3月期実績は、生産重量原単位で16%の削減また、総排出量は2004年3月期比2%削減

2004年3月期に対して2005年3月期実績は、91.0%の削減達成

ゼロ・エミッション達成 4工場(大阪工場・富山工場・仙台工場・愛媛工場)ゼロ・エミッション未達成工場はリサイクル率を前年度比21ポイント向上

全工場にて目標達成

2005年3月期目標 2005年3月期実績

2005年3月期目標と実績

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財務セクション

目 次

経営陣による財務分析 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24

連結貸借対照表 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 32

連結損益計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 34

連結剰余金計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 35

連結キャッシュ・フロー計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 36

連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 37

注記事項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 40

6年間の要約連結財務データ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 49

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24

経営陣による財務分析

連結および持分法適用の範囲小林製薬の連結子会社数は22社(国内13社、海外9社)、持分法適用関連会社数は国内に1社です。事

業内容は、製造販売事業(連結子会社8社)、卸事業(連結子会社2社)、医療関連事業(連結子会社7社、持

分法適用関連会社1社)、その他事業(連結子会社5社)です。

連結業績について当期の市場環境は、景気回復に兆しがみられたものの、社会保障費負担増など先行きの懸念により

個人の消費回復については依然として不透明な状況で推移しました。また、記録的な猛暑、度重なる台

風の上陸、冬季の天候不順に加えてインフルエンザの流行、驚異的な花粉の飛散など、事業環境の変動

が特に激しい期でした。

そうした状況の中、小林製薬は経営理念である「創造と革新」の精神をフルに発揮し、新市場を創造

する製品やサービスの提供により顧客の潜在ニーズを開拓してきました。また、既存の参入市場に対

しても新たな付加価値を付けた製品やサービスの提供により市場の活性化に努めるとともに、ブラン

ド買収や事業提携、海外展開も積極的に推進しました。

一方、製造原価低減によるコスト削減や販促費の見直しなどを実施しましたが、ブランド育成のた

めに積極的に広告投下を実施したことなどから、営業利益は減益となりました。

なお、当期より上海小林日化有限公司、小林製薬(香港)有限公司、小林製薬ライフサービス株式会社、

小林コーム株式会社の4社が連結子会社として加わりました。

売上高

当期の売上高は前期比1.9%増加して215,708百万円となりました。家庭用品製造販売事業は、新製品

の発売、医薬品の規制緩和、花粉飛散量の増加などにより売上高は増加しました。家庭用品卸事業は、消

費税の総額表示導入や猛暑・暖冬の影響による厳しい事業環境でしたが、インフルエンザの流行や花粉

関連の商品売上が伸長したことなどにより、売上高は増加しました。医療関連事業は、国内においては特

定した参入分野における商品アイテムの充実を図り、メーカー機能にも注力した結果、売上高が増加し

ました。一方、海外においては事業展開しているカリフォルニア州の保険制度が変更したことや、円高の

影響を受け、売上高は減少しました。

売上総利益および営業利益

売上原価は前期比1.8%、2,524百万円増加しました。また、売上総利益は前期比2.2%増加して71,795百万円となりました。販売費及び一般管理費は、積極的な広告投下のために、前年比3.6%、1,937百万円

増となりました。その結果、営業利益は前期比2.6%減少して15,698百万円となりました。なお、売上高

総利益率は前期の33.2%から33.3%に改善、売上高営業利益率は前期の7.6%から7.3%となりました。

営業外損益および経常利益

営業外収益は、前期比16.7%増加して1,705百万円となりました。これは持分法による投資利益の増

加によるものが主な増加の要因です。営業外費用は、前期比6.1%減少して3,245百万円となりました。

この結果、経常利益は前期比0.2%増加して14,159百万円となりました。

特別損益および当期純利益

特別利益は前期比59.6%減少して847百万円となりました。

特別損失は前期比49.2%減少して2,237百万円となりました。主な内訳は、棚卸評価廃棄損が874百

万円、固定資産処分損が118百万円、関係会社整理損が277百万円、投資評価損による投資損失引当金

33.333.4

31.9

32.8 33.2

00504030201

20,000

40,000

60,000

80,000

■ 売上総利益売上高総利益率

売上総利益/売上高総利益率(百万円/%)

販売費及び一般管理費/売上高販管費率(百万円/%)

営業利益/売上高営業利益率(百万円/%)

■ 販売費及び一般管理費売上高販管費率

■ 営業利益売上高営業利益率

26.0

25.2 25.3 25.6

26.0

05040302010

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

7.5

6.7

7.5 7.6

7.3

05040302010

5,000

10,000

15,000

20,000

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繰入額が188百万円となっています。特別利益と特別損益を加算した当期の特別損益は、前期の

△2,303百万円から△1,390百万円となりました。

この結果、税金等調整前当期純利益は前期比8.0%増加して12,769百万円となり、当期純利益は前期

比0.8%増加して6,730百万円となりました。

1株当たり当期純利益は、前期の157円25銭から2.2%増の160円64銭となりました。

※2003年11月20日付けで株式1株につき1.5株の株式分割を行っております。前連結会計年度の1株当たりの当期純利益は、

株式分割が期首に行われたものとして算出しています。

セグメント別の概況小林製薬の事業セグメントは、家庭用品製造販売事業、家庭用品卸事業、医療関連事業、その他事業

の4つに区分されています。所在地別セグメントについては、日本国内の連結売上高が全セグメントの

90%を超えているため、記載を省略しています。

また、セグメント売上高には、セグメント間の内部売上高及び振替高を含んでおり、その金額は前期

では28,933百万円、当期では30,182百万円となっています。

セグメント別売上高および営業利益(百万円)

家庭用品製造販売事業 2001 2002 2003 2004 2005

外部顧客に対する売上高 59,696 64,977 66,026 66,522 67,524

セグメント間の内部売上高又は振替高 17,237 19,028 19,532 20,532 21,748

76,934 84,005 85,559 87,055 89,273

家庭用品卸事業

外部顧客に対する売上高 107,485 117,214 125,858 126,080 128,356

セグメント間の内部売上高又は振替高 – 4 0 – –

107,485 117,218 125,858 126,080 128,356

医療関連事業

外部顧客に対する売上高 15,490 19,931 16,113 15,608 16,056

その他事業

外部顧客に対する売上高 2,330 2,523 2,923 3,458 3,770

セグメント間の内部売上高又は振替高 10,323 10,108 8,783 8,401 8,434

12,653 12,631 11,706 11,859 12,205

営業利益(損失)

(百万円) 2001 2002 2003 2004 2005

家庭用品製造販売事業 12,764 13,397 14,438 14,631 14,492

家庭用品卸事業 499 △58 255 534 799

医療関連事業 259 440 828 644 189

その他事業 82 △14 265 153 140

212.34

232.64 231.25

157.25

160.64

05040302010

2,000

4,000

6,000

8,000

当期純利益/1株当たり当期純利益(百万円/円)

■ 当期純利益 1株当たり当期純利益

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■家庭用品製造販売事業

当事業では新市場の創造と既存市場の拡大に努めた新製品を16品目(栄養補助食品は除く)発売い

たしました。中でも、ビタミン効果で日焼けによるしみ・そばかすをケアするクリーム「ケシミンクリー

ム」や浴槽のお湯に浮かべて楽しむアロマエッセンス「オフロート」、医薬品の規制緩和を受けて発売

した口腔内殺菌剤「のどぬーるスプレー」(医薬部外品)などは売上拡大に寄与しました。また通信販売

とドラッグストア店頭の2つのチャネルで販売を行っている栄養補助食品は、健康志向の高まりの影

響もあり、引き続き順調に売上を拡大しております。また昨年に比べ花粉の飛散量が多かったため、洗

眼薬「アイボン」など花粉関連製品が大きく売上を伸ばしました。

当期の売上高および営業利益

当期の家庭用品製造販売事業の売上高は、前期比2.5%増の89,273百万円となりました。小林製薬連

結売上高に占める割合は前期の31.4%から31.3%となりました。

カテゴリー別売上では、医薬品が前期比1.4%の増加、芳香・消臭剤が前期比2.9%の増加、家庭雑貨品

が前期比8.2%の減少となりました。口腔衛生品ならびに衛生雑貨品はそれぞれ前期比2.0%、同5.3%増加しました。また、食品の売上は前期比12.4%と引き続き大きく増加しました。

利益においては、徹底した製造原価低減によるコスト削減などを実施しましたが、国内・海外におい

てブランド育成に強化することから積極的な広告投下を行ったため、営業利益は前期比1.0%減の

14,492百万円となりました。

カテゴリー別売上高 (百万円)

2004 2005 増 減

金額 構成比(%) 金額 構成比(%) 金額 増減率(%)

医薬品 14,957 17.2 15,164 17.0 207 1.4

口腔衛生品 9,891 11.4 10,091 11.3 200 2.0

衛生雑貨品 11,879 13.7 12,506 14.0 627 5.3

芳香・消臭剤 27,258 31.3 28,036 31.4 778 2.9

家庭雑貨品 5,008 5.7 4,598 5.2 △410 △8.2

食品 9,958 11.4 11,196 12.5 1,238 12.4

カイロ 8,104 9.3 7,682 8.6 △422 △5.2

合計 87,055 100.0 89,273 100.0 2,218 2.5

主力ブランドの市場シェア

51.6% 56.9%36.6%

69.8%39.2%

26.5%

60.7%

アイボン ブレスケア 熱さまシート サラサーティ ブルーレット サワデー、 桐灰・はる消臭元など

洗眼薬 口中清涼剤 額用冷却シート おりものシート タンククリーナー 芳香消臭剤 カイロ

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黒字・赤字ブランド数の推移

2000 2001 2002 2003 2004 2005

黒字 85 83 97 82 83 81

赤字 65 54 46 38 34 27

新製品の売上高に占める割合 (%)

2000 2001 2002 2003 2004 2005

初年度 15.2 10.7 13.0 11.4 9.8 7.0

4年間 44.7 39.9 35.9 33.0 30.7 31.6

2006年の課題

引き続き厳しい環境が続くものと考えますが、今春には4つの有効成分が患部に浸透し、歯槽膿漏に

すぐれた効き目を発揮しきちんと治す「生葉液薬」、ファンの力でお部屋のすみずみまで消臭し、香り

を広げる芳香消臭剤「ファンデリッチ」、ふんわり、さらさらの肌ざわりでいつも気持ちよく使えるお

りものシート「サラサーティやわらかシルクタッチ」など消費者の潜在ニーズを満たす新製品7品目を

発売しました。また2005年6月より独占販売権を取得しました更年期障害を治す女性保健薬「命の母

A」を販売しています。これらにより売上高は前期比4.2%増の93,000百万円となる見込みです。

利益面では、原価低減によるコスト削減と同時にブランド育成のための広告宣伝投資を積極的に行

い、営業利益は前期比3.5%増の15,000 百万円となる見込みです。

■家庭用品卸事業

主要顧客であるドラッグストアにおける消費税の総額表示導入、猛暑・暖冬の影響といった厳しい

事業環境でしたが、年明けからのインフルエンザの流行や花粉関連商品の売上が伸長したことや四国

地方の卸への新規の売上が、売上高に大きく影響しました。

当期の売上高および営業利益

当期の家庭用品卸事業の売上高は、前期比1.8%増の128,356百万円となりました。小林製薬連結売

上高に占める割合は前期の59.6%から59.5%となりました。

カテゴリー別売上では、医薬品で製品が前期比9.8%の増加、商品で同2.6%の減少となりました。一

方、市場が拡大している健康食品・コンタクトケア関連商品の売上が引き続き伸長したことで、雑貨及

び食品が製品で前期比9.5%、商品で同2.1%増加しました。

利益においては、事業規模拡大によるスケールメリットを生かしたメーカーからの商品一括仕入れ

や配送費などの徹底したコスト削減により、営業利益は前期比49.6%増の799百万円となりました。

黒字・赤字ブランド数の推移

新製品の売上高に占める割合(%)

■ 黒字ブランド■ 赤字ブランド

■ 初年度■ 4年間

0504030201000

50

100

150

200

6554 46

38 34 27

8583

9782 83

81

150

137143

120 117108

0504030200 010

10

20

30

40

50

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カテゴリー別売上高 (百万円)

2004 2005 増 減

金額 構成比(%) 金額 構成比(%) 金額 増減率(%)

医薬品製品 7,606 6.0 8,352 6.5 746 9.8

商品 43,165 34.2 42,025 32.7 △1,140 △2.6

雑貨及び食品製品 14,594 11.6 15,976 12.5 1,382 9.5

商品 60,715 48.2 62,003 48.3 1,288 2.1

合計 126,080 100.0 128,356 100.0 2,276 1.8

2006年の課題

主要顧客であるドラッグストアの広域化に対応した展開地域拡大のための他社との提携をより一

層推進するとともに、市場が拡大している健康食品やコンタクトケア関連で差別化された商品ライン

の強化、ベビー関連やシルバー関連などの新カテゴリーに積極的に取り組むことにより売上高は前期

比25.4%増の161,000百万円、営業利益は前期比0.1%増の800百万円となる見込みです。なお、2005年

4月より㈱スズケンの一般用医薬品卸事業を㈱コバショウおよび新たに連結子会社となる㈱KS北海道、

㈱KS東海が譲り受けました。

■医療関連事業

国内においては、整形外科、手術室、脳神経外科、耳鼻咽喉科など、特定した参入分野における商品ア

イテムの充実に努めました。特に整形外科領域への営業注力と商品ラインの充実を図りました。また、

これまでの商社機能だけにとどまらずメーカー機能にも注力し、自社開発製品を4品目発売しました。

海外においては、シールドヘルスケアセンター3社は顧客リストの買収による顧客の囲い込みを行

いましたが、展開しているカリフォルニア州の保険制度の変更(保険償還削減など)と円高の影響が収

益に大きく影響しました。

当期の売上高および営業利益

当期の医療関連事業の売上高は、前期比2.9%増の16,056 百万円となりました。小林製薬連結売上

高に占める割合は前期同様、7.4%となりました。

カテゴリー別売上では、整形外科、手術室、脳神経外科、耳鼻科に強みを持つ小林メディカルカンパ

ニーの売上が前期比11.1%増加しました。一方、シールドヘルスケアセンター3社は、カリフォルニア

州の保険制度の変更や円高などの影響により前期比4.6%減少して8,245百万円となりました。

営業利益は前期比70.7%減少して189百万円となりました。なお、当事業の関連会社として持分法適

用の㈱メディコンがあり、持分法による投資利益は330百万円です。

カテゴリー別売上高 (百万円)

2004 2005 増 減

金額 構成比(%) 金額 構成比(%) 金額 増減率(%)

小林メディカルカンパニー 5,937 38.0 6,594 41.1 657 11.1

シールドヘルスケアセンター3社 8,639 55.3 8,245 51.3 △394 △4.6

その他 1,032 6.7 1,217 7.6 185 17.9

合計 15,608 100.0 16,056 100.0 448 2.9

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2006年の課題

小林メディカルカンパニーにおきましては、海外メーカーを中心に整形外科などの分野での商品ラ

インをさらに充実させると同時に、自社ブランドKobamedの製品開発を積極的に進めていきます。ま

た米国で展開していますシールドヘルスケアセンター3社は引き続き顧客リスト買収などによる顧客

数の増加と徹底した経費削減に努めます。これらにより売上高は前期比5.9%増の17,000 百万円、営

業利益は111.6%増の400百万円となる見込みです。

■その他事業

上記の3事業をサポートする目的で設立・運営している当事業では、各社が独立採算で経営をしてい

るものの、主要3事業への利益貢献もその目的としており、資材やサービス提供についてその納入価格

の見直しを適宜行いました。

その結果、売上高は前期比2.9%増加して、12,205百万円、営業利益は前期比8.5%減少して140百万

円となりました。

財務状況の分析資産

2005年3月期末の総資産は、前期末と比べて4.9%増加し、134,629百万円となりました。これは主に

流動資産の増加によるものです。

流動資産は、前期末と比べて8.3%増加し、86,704百万円となりました。卸事業の一括購入による影響

により、受取手形及び売掛金が前期末と比べて5.7%、2,365百万円、棚卸資産が前期末と比べて12.0%、

1,689百万円増加したことが主な要因です。

有形固定資産は、前期末と比べて1.8%増加し、25,002百万円となりました。これは主に、建物及び構

築物が増加したことによるものです。

無形固定資産は、前期末と比べて15.3%増加し、6,877百万円となりました。これは主に女性用保健

薬「命の母A」のブランド買収や、米国コーム社からの商標権取得によるものです。

投資その他の資産は、前期末と比べて9.7%減少し、16,044百万円となりました。

負債

2005年3月期の負債合計は、前期末と比べて0.8%増加し、73,966百万円となりました。流動負債は

前期末と比べて1.1%増加し、65,007百万円となりました。これは主に桐灰化学㈱の買収資金を返済し

たことに伴い短期借入金が減少したことによります。短期借入金は前期末と比べて40.3%減少し、

2,692百万円となりました。この結果、流動比率は前期末より8.9ポイント改善し、133.4%となりました。

固定負債は、前期末と比べて1.5%減少し、8,959百万円になりました。これは流動負債と同様、桐灰

化学㈱の買収資金を返済したことで、長期借入金が減少したことによります。長期借入金は前期末と

比べて62.3%減少し、341百万円となりました。

株主資本

2005年3月期末の株主資本は、前期末に比べて10.4%増加し、60,116百万円となりました。これは

主に、利益剰余金が5,399百万円増加したことによります。自己株式は前期末に比べ14百万円増加し

て2,331百万円となりました。これらの結果、株主資本比率は前期末の42.4%から2.3ポイント増加し

て44.7%となりました。株主資本当期純利益率(ROE)は前期末の12.9%から1.2ポイント低下して

11.7%になりました。総資産経常利益率(ROA)は前期末の11.1%から0.3ポイント減少して10.8%と

なりました。

05040302010

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

05040302010

5

10

15

20

有利子負債(百万円)

株主資本当期純利益率/総資産経常利益率(%)

株主資本当期純利益率(ROE)総資産経常利益率(ROA)

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キャッシュ・フローの分析営業活動によるキャッシュ・フロー

2005年3月期における営業活動によるキャッシュ・フローは、8,364百万円となりました。前期と比

較すると、1,393 百万円収入が増加しています。この主な要因は税金等調整前当期純利益が944 百万

円増加したのに加え、運転収支の改善や試験研究費の特別控除の増加などによる法人税の支払額の減

少などによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,936百万円となりました。前期と比較すると1,578 百万円

支出が増加しています。これは、新製品開発のための金型購入などの購入、米国子会社の顧客リスト買

収および国内での営業権や商標権の譲り受けなどによるものです。

この結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは前期に比べて185百万円減少し、4,428百万円となり

ました。

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、3,369百万円となりました。前期と比較すると1,205百万円支

出が減少しています。これは、配当金支払額は283百万円増加しましたが、当期は取締役会の決議によ

る自社株式の取得を実施しなかったことなどによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期に比べて1,372 百万円増加し、19,035 百万円

となりました。

キャッシュ・フローの推移 (百万円)

2004 2005 増 減

金額 金額 金額 比率(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー 6,971 8,364 1,393 20.0

投資活動によるキャッシュ・フロー △2,358 △3,936 △1,578 –

フリー・キャッシュ・フロー 4,613 4,428 △185 △4.0

財務活動によるキャッシュ・フロー △4,574 △3,369 1,205 –

現金及び現金同等物期末残高 17,663 19,035 1,372 7.8

研究開発費

研究開発は小林製薬の強みである製品開発力の重要な源であると認識しております。このため販売費

及び一般管理費のうち研究開発費は、2,115百万円と前期と比べ5.2%、105百万円の増加となりました。

研究開発費の推移(百万円)

05040302010

500

1,000

1,500

2,000

2,500

現金及び現金同等物の期末残高の推移(百万円)

05040302010

4,000

8,000

12,000

16,000

20,000

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リスク情報小林製薬がとっている経営方針

「絶えざる創造と革新によって新しいものを求め続け、人と社会に素晴らしい“快”を提供する」こと

を経営理念としており、全ステークホルダーに「健康であること」、「心地よいこと」、「便利であること」

などを提供する、いわば『あったらいいなをカタチにする』ことが使命だと考えています。

そして、変化するスピードが早く、競争がますます激化する時代においては、常に“Something New,

Something Different”を追い求め、顧客のニーズを満たす新しい製品やサービスを開発し続けること

が、小林製薬成長の原動力であり、これにより企業価値を増大させて全ステークホルダーの満足度を

高めていきたいと考えています。

財政状態及び経営成績について

当連結会計年度は海外子会社の整理損として277百万円を計上すると共に、国内子会社の損失に対

し188百万円の投資損失引当金を計上しました。さらに国内子会社の㈱キックスのこれからの発展の

ために同業他社に売却を行い売却損277百万円が発生しました。

また、時価のない投資有価証券に対し評価損162百万円の計上を行いました。

キャッシュ・フローの状況について

小林製薬の経営指標であるKOVA(Kobayashi Value Added)の向上を図るために、今期は商標権取

得など無形固定資産の取得に2,322百万円を支出しました。

特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について

特に継続性が不安定な取引先に依存していることはありませんが、取引先の倒産や経営不安等によ

り貸倒引当金が発生する場合があります。

特定の製品、技術等で将来性が不明確であるものへの高い依存度について

小林製薬は将来性が不明確なものへの依存度が高いとは認識していません。

法的規制等について

家庭用品製造販売事業及び医療機器事業は薬事法等の規制を受けています。

重要な訴訟について

現時点におきましては、特に経営に大きな影響を及ぼす重要な訴訟等は有していません。

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連結貸借対照表

前連結会計年度 当連結会計年度(平成16年3月31日) (平成17年3月31日)

区分 注記番号 金額(百万円) 構成比(%) 金額(百万円) 構成比(%)

(資産の部)

Ⅰ 流動資産

1. 現金及び預金 17,663 19,0352. 受取手形及び売掛金 ※4 41,771 44,1373. 有価証券 — 1,0004. 棚卸資産 14,093 15,7835. 繰延税金資産 2,453 2,4176. その他 4,577 4,976貸倒引当金 △529 △647

流動資産合計 80,030 62.4 86,704 64.4Ⅱ 固定資産

1. 有形固定資産 ※1(1)建物及び構築物 ※4 11,964 12,234(2)機械装置及び運搬具 1,149 1,360(3)土地 ※4 9,949 9,928(4)建設仮勘定 361 284(5)その他 1,143 1,195有形固定資産合計 24,568 19.1 25,002 18.62. 無形固定資産(1)営業権 964 1,148(2)商標権 — 1,423(3)ソフトウェア 875 910(4)連結調整勘定 3,759 3,099(5)その他 367 294無形固定資産合計 5,967 4.7 6,877 5.13. 投資その他の資産(1)投資有価証券 ※2,4 9,871 8,758(2)長期貸付金 132 119(3)繰延税金資産 2,460 2,329(4)その他 ※2 7,738 6,781投資損失引当金 △332 △188貸倒引当金 △2,110 △1,756

投資その他の資産合計 17,760 13.8 16,044 11.9固定資産合計 48,296 37.6 47,924 35.6資産合計 128,326 100.0 134,629 100.0

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前連結会計年度 当連結会計年度(平成16年3月31日) (平成17年3月31日)

区分 注記番号 金額(百万円) 構成比(%) 金額(百万円) 構成比(%)

(負債の部)

Ⅰ 流動負債

1. 支払手形及び買掛金 ※4 41,277 43,532

2. 短期借入金 ※4 4,512 2,692

3. 未払金 10,208 10,321

4. 未払法人税等 3,479 3,790

5. 未払消費税等 709 383

6. 返品調整引当金 344 499

7. 賞与引当金 1,852 1,879

8. その他 1,912 1,907

流動負債合計 64,297 50.1 65,007 48.3

Ⅱ 固定負債

1. 長期借入金 ※4 905 341

2. 退職給付引当金 6,320 6,474

3. 役員退職慰労引当金 1,157 1,263

4. その他 710 880

固定負債合計 9,093 7.1 8,959 6.6

負債合計 73,391 57.2 73,966 54.9

(少数株主持分)

少数株主持分 480 0.4 546 0.4

(資本の部)

Ⅰ 資本金 ※5 3,450 2.7 3,450 2.6

Ⅱ 資本剰余金 4,183 3.2 4,183 3.1

Ⅲ 利益剰余金 48,185 37.5 53,585 39.8

Ⅳ その他有価証券評価差額金 1,640 1.3 1,851 1.4

Ⅴ 為替換算調整勘定 △688 △0.5 △622 △0.5

Ⅵ 自己株式 ※6 △2,317 △1.8 △2,331 △1.7

資本合計 54,454 42.4 60,116 44.7

負債、少数株主持分及び資本合計 128,326 100.0 134,629 100.0

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連結損益計算書

前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

区分 注記番号 金額(百万円) 百分比(%) 金額(百万円) 百分比(%)

Ⅰ 売上高 211,670 100.0 215,708 100.0Ⅱ 売上原価 141,326 66.8 143,826 66.7売上総利益 70,343 33.2 71,881 33.3

1. 返品調整引当金繰入額 344 0.1 430 0.22. 返品調整引当金取崩額 283 0.1 344 0.2差引売上総利益 70,282 33.2 71,795 33.3

Ⅲ 販売費及び一般管理費

1. 販売促進費 4,395 4,7152. 運賃保管料 7,741 8,0593. 広告宣伝費 10,820 11,4944. 貸倒引当金繰入額 513 3655. 給料諸手当賞与 11,474 11,5716. 退職給付費用 752 7807. 役員退職慰労引当金繰入額 101 1448. 租税公課 255 3809. 減価償却費 853 1,038

10. 賃借料 2,717 2,70511. 支払手数料 3,505 3,57212. 研究開発費 ※3 2,010 2,11513. 連結調整勘定償却額 687 50214. その他 8,329 54,159 25.6 8,650 56,096 26.0営業利益 16,123 7.6 15,698 7.3

Ⅳ 営業外収益

1. 受取利息 81 752. 受取配当金 33 553. 受取ロイヤリティ 381 4404. 持分法による投資利益 280 3915. 不動産賃貸料 240 2296. その他賃借料 8 87. 為替差益 — 798. その他 435 1,461 0.7 425 1,705 0.8

Ⅴ 営業外費用

1. 支払利息 72 862. 売上割引 1,025 1,0273. 投資有価証券評価損 7 —4. 棚卸評価廃棄損 1,675 1,8355. 不動産賃貸原価 100 1056. その他賃貸原価 40 287. 為替差損 47 —8. その他 487 3,456 1.6 161 3,245 1.5経常利益 14,127 6.7 14,159 6.6

Ⅵ 特別利益1. 固定資産売却益 ※1 1,310 62. 営業権譲渡益 ※4 714 7353. その他 72 2,097 1.0 105 847 0.4

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

区分 注記番号 金額(百万円) 金額(百万円)

(資本剰余金の部)

Ⅰ 資本剰余金期首残高 4,183 4,183Ⅱ 資本剰余金増加高

自己株式処分差益 — — 0 0Ⅲ 資本剰余金期末残高 4,183 4,183

(利益剰余金の部)

Ⅰ 利益剰余金期首残高 42,141 48,185Ⅱ 利益剰余金増加高

1. 当期純利益 6,677 6,7302. 連結範囲変更に伴う増加高 — 6,677 72 6,802

Ⅲ 利益剰余金減少高

1. 配当金 591 8742. 役員賞与 42 383. 連結範囲変更に伴う減少高 — 633 490 1,403

Ⅳ 利益剰余金期末残高 48,185 53,585

前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

区分 注記番号 金額(百万円) 百分比(%) 金額(百万円) 百分比(%)

Ⅶ 特別損失

1. 固定資産処分損 ※2 1,993 1182. 投資有価証券売却損 — 2273. 投資有価証券評価損 — 1624. 棚卸評価廃棄損 521 8745. 関係会社整理損 357 2776. 貸倒引当金繰入額 974 —7. 投資損失引当金繰入額 332 1888. その他 221 4,400 2.1 389 2,237 1.1

税金等調整前当期純利益 11,825 5.6 12,769 5.9法人税、住民税及び事業税 5,993 6,024法人税等調整額 △778 5,214 2.5 △56 5,967 2.8少数株主利益又は損失(△) △66 △0.1 70 0.0当期純利益 6,677 3.2 6,730 3.1

連結剰余金計算書

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連結キャッシュ・フロー計算書

前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

区分 注記番号 金額(百万円) 金額(百万円)

Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー税金等調整前当期純利益 11,825 12,769減価償却費 2,662 2,735連結調整勘定償却額 687 502貸倒引当金の増減額 1,159 △232退職給付引当金の増減額 △59 149受取利息及び受取配当金 △115 △131支払利息 72 86関係会社整理損 357 277持分法による投資利益 △280 △391棚卸評価廃棄損 2,197 2,709営業権譲渡益 △714 △735固定資産除売却損 2,458 118投資有価証券売却損 — 227投資損失引当金繰入額 332 188売上債権の増減額 △3,254 △1,503棚卸資産の増減額 △2,355 △4,174仕入債務の増減額 54 2,044未払消費税等の増減額 129 △332役員賞与の支払額 △42 △38その他 △1,808 △228小計 13,307 14,042利息及び配当金の受取額 118 131利息の支払額 △77 △86法人税等の支払額 △6,377 △5,722営業活動によるキャッシュ・フロー 6,971 8,364

Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー定期預金の純増減額 10 —有形固定資産の取得による支出 △1,288 △2,256有形固定資産の売却による収入 2,391 25無形固定資産の取得による支出 △574 △2,322投資有価証券の取得による支出 △3,542 △177投資その他の資産の取得による支出 △725 △400投資その他の資産の売却による収入 493 174短期貸付金の純増減額 274 62長期貸付けによる支出 △25 △9長期貸付金の回収による収入 25 22営業権譲渡による収入 714 735その他 △112 208投資活動によるキャッシュ・フロー △2,358 △3,936

Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー短期借入金の純増減額 △145 △1,336長期借入れによる収入 212 —長期借入金の返済による支出 △2,508 △1,143自己株式の取得による支出 △1,539 △16配当金の支払額 △591 △874その他 △2 2財務活動によるキャッシュ・フロー △4,574 △3,369

Ⅳ 現金及び現金同等物に係る換算差額 △127 41Ⅴ 現金及び現金同等物の増減額 △88 1,099Ⅵ 現金及び現金同等物の期首残高 17,752 17,663Ⅶ 連結範囲の変更に伴う期首調整 — 272Ⅷ 現金及び現金同等物の期末残高 ※1 17,663 19,035

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連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項

前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

1. 連結の範囲に関する事項(1)連結子会社の数 18社

主要な連結子会社の名称

富山小林製薬㈱、仙台小林製薬㈱、㈱コバショウ、愛媛小林製薬㈱、小林

製薬プラックス㈱、青い鳥物流㈱、すえひろ産業㈱、㈱アーチャー新社、

エスピープランニング㈱、桐灰化学㈱、㈱健翔、シールド カリフォルニア ヘルスケア センター インコーポレーティッド、シールドデンバーヘルスケア センター インコーポレーティッド、メール オーダー メディカル サプライズ インコーポレーティッド、ブルーバード ディベロプメント エルエルシー、小林ヘルスケア インコーポレーティッド、小林へルスケア ヨーロッパ リミティッド、小林ファーマスーティカルズ オブ アメリカ インコーポレーティッド

なお、前連結会計年度において連結子会社でありましたチバ コバヤシインクは清算したため連結の範囲から除いております。

(2)主要な非連結子会社名小林製薬大阪セールスプロモーション㈱、小林製薬東京セールスプロ

モーション㈱、小林製薬ライフサービス㈱、㈱魚雅、ピーティー小林イグ

リン、㈱キックス、㈲ケー・エム・エス、上海小林日化有限公司、㈱創快ド

ラッグ、小林製薬(香港)有限公司、㈱ガン免疫情報研究所

連結の範囲から除いた理由

非連結子会社11社は、いずれも小規模会社であり、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、

いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためであります。

2. 持分法の適用に関する事項(1)持分法適用の関連会社数 2社

主要な会社等の名称

㈱メディコン、小林コーム㈱

(2)持分法非適用の非連結子会社及び関連会社のうち主要な会社等の名称ピーティー小林イグリン、㈱キックス、㈱ザ・ファン、㈱創快ドラッグ

持分法を適用していない理由

持分法非適用会社は、それぞれ当期純損益及び利益剰余金等に及ぼす影

響が軽微であり、かつ全体としても重要性がないため、持分法の適用か

ら除外しております。

(3)持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度にかかる財務諸表を使用しております。

3. 連結子会社の事業年度等に関する事項連結子会社のうち、シールド カリフォルニア ヘルスケアセンター インコーポレーティッド、シールド デンバー ヘルスケアセンター インコーポレーティッド、メールオーダー メディカル サプライズ インコーポレーティッド、ブルーバード ディベロプメント エルエルシー、小林ヘルスケア インコーポレーティッド、小林ヘルスケア ヨーロッパ リミティッド、小林ファーマスーティカルズ オブ アメリカ インコーポレーティッドの決算日は12月31日であります。連結財務諸表の作成にあたっては同日現在の財務諸表を使用し、連結決算日との間に

生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っております。

また、連結子会社のうち桐灰化学㈱の決算日は9月30日であります。これらの会社については、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸

表を使用しております。

(1)連結子会社の数 22社主要な連結子会社の名称

富山小林製薬㈱、仙台小林製薬㈱、㈱コバショウ、愛媛小林製薬㈱、小林

製薬プラックス㈱、青い鳥物流㈱、すえひろ産業㈱、㈱アーチャー新社、

エスピープランニング㈱、桐灰化学㈱、㈱健翔、シールド カリフォルニア ヘルスケア センター インコーポレーティッド、シールド デンバーヘルスケア センター インコーポレーティッド、メール オーダー メディカル サプライズ インコーポレーティッド、ブルーバード ディベロプメント エルエルシー、小林ヘルスケア インコーポレーティッド、小林へルスケア ヨーロッパ リミティッド、小林ファーマスーティカルズ オブ アメリカ インコーポレーティッド、上海小林日化有限公司、小林製薬(香港)有限公司、小林製薬ライフサービス㈱、小林コーム㈱

なお、前連結会計年度において非連結子会社であった上海小林日化有限

公司、小林製薬(香港)有限公司、小林製薬ライフサービス㈱は重要性が

増したことにより、持分法適用会社であった小林コーム㈱は完全子会社

化にともない当連結会計年度より連結の範囲に含めております。

(2)主要な非連結子会社名小林製薬セールスプロモーション㈱、㈱魚雅、ピーティー小林イグリン、

㈲ケー・エム・エス、㈱ガン免疫情報研究所

なお平成16年4月1日に小林製薬大阪セールスプロモーション㈱と小林製薬東京セールスプロモーション㈱は合併し小林製薬セールスプロ

モーション㈱となっております。

連結の範囲から除いた理由

非連結子会社5社は、いずれも小規模会社であり、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、い

ずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためであります。

(1)持分法適用の関連会社数 1社主要な会社等の名称

㈱メディコン

(2)持分法非適用の非連結子会社及び関連会社のうち主要な会社等の名称ピーティー小林イグリン、㈱ザ・ファン、㈱創快ドラッグ、㈱青瑛

持分法を適用していない理由

同左

(3)同左

連結子会社のうち、シールド カリフォルニア ヘルスケアセンター インコーポレーティッド、シールド デンバー ヘルスケアセンター インコーポレーティッド、メール オーダー メディカル サプライズ インコーポレーティッド、ブルーバード ディベロプメント エルエルシー、小林ヘルスケア インコーポレーティッド、小林ヘルスケア ヨーロッパ リミティッド、小林ファーマスーティカルズ オブ アメリカ インコーポレーティッド、上海小林日化有限公司、小林製薬(香港)有限公司、小林コーム㈱の決算日は12月31日であります。連結財務諸表の作成にあたっては同日現在の財務諸表を使用し、連結決算日との間

に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っております。

また、連結子会社のうち桐灰化学㈱の決算日は9月30日であり、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。

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38

前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

4. 会計処理基準に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法

①有価証券

その他有価証券

時価のあるもの…連結決算日の市場価格等に基づく時価法

(評価差額は全部資本直入法により処理し、売却原価は主として移動

平均法により算定)

時価のないもの…主として総平均法による原価法

②デリバティブ…時価法

③棚卸資産

棚卸資産は主として次の方法により評価しております。

商品、原材料…移動平均法による原価法

製品、仕掛品、貯蔵品…総平均法による原価法

(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法①有形固定資産

当社及び国内連結子会社は定率法を採用し在外連結子会社は定額法

によっております。

ただし、当社及び国内連結子会社の一部は平成10年4月1日以降の取得に係る建物(建物附属設備を除く。)については定額法によって

おります。

②無形固定資産

定額法によっております。

なお、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期

間(5年)に基づいております。③長期前払費用

均等償却しております。

なお償却期間については法人税法に規定する方法と同一の基準に

よっております。

(3)重要な引当金の計上基準①貸倒引当金

当社及び国内連結子会社は、売上債権等の貸倒れによる損失に備える

ため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の

債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上し

ております。在外連結子会社は、債権の実態に応じて回収不能見積額

を計上しております。

②賞与引当金

当社及び国内連結子会社は従業員に対して支給する賞与の支出に充

てるため、支給見込額に基づき計上しております。

③返品調整引当金

当社及び国内連結子会社のうち1社は、返品損失に備えるため、返品損失見積額を計上しております。

④退職給付引当金

従業員の退職給付に備えるため、当社及び国内連結子会社のうち2社は、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に

基づき計上しております。

国内連結子会社は期末要支給額の100%を計上しております。また、在外連結子会社の一部は確定拠出型年金制度を採用しております。

数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均

残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しております。

過去勤務債務は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定

の年数(10年)による定額法により費用処理しております。

(1)重要な資産の評価基準及び評価方法①有価証券

その他有価証券

時価のあるもの…同左

時価のないもの…同左

②デリバティブ…同左

③棚卸資産

棚卸資産は主として次の方法により評価しております。

商品、原材料…同左

製品、仕掛品、貯蔵品…同左

(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法①有形固定資産

同左

②無形固定資産

同左

③長期前払費用

同左

(3)重要な引当金の計上基準①貸倒引当金

同左

②賞与引当金

同左

③返品調整引当金

当社及び国内連結子会社のうち4社は、返品損失に備えるため、返品損失見積額を計上しております。

④退職給付引当金

同左

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

⑤役員退職慰労引当金

当社及び国内連結子会社のうち1社は、役員の退職慰労金の支給に備えるため、内規に基づく期末要支給額を計上しております。

⑥投資損失引当金

関係会社への投資に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態を勘

案し、損失負担見込み額を計上しております。

(4)重要なリース取引の処理方法リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイ

ナンス・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた

会計処理によっております。

(5)重要なヘッジ会計の方法①ヘッジ会計の方法

繰延ヘッジ処理を採用しております。なお、為替予約について振当処

理の要件を充たしている場合は振当処理を金利スワップについて特

例処理の条件を充たしている場合には特例処理を採用しております。

②ヘッジ手段とヘッジ対象

ヘッジ手段…為替予約、金利スワップ

ヘッジ対象…外貨建債務及び外貨建予定取引、借入金

③ヘッジ方針

外貨建予定取引に関して、為替予約を付し為替変動リスクをヘッジす

る方針であります。また、金利スワップ取引は金利リスクの低減のた

め、対象債務の範囲内でヘッジする方針であります。

④ヘッジ有効性の評価の方法

通貨関連の取引につきましては、ヘッジ対象の時価変動額とヘッジ手

段の時価変動額を比較し、両者の変動額等を基礎にして判断しており

ます。金利スワップについては、有効性の評価を省略しております。

(6)その他連結財務諸表作成のための重要な事項消費税等の会計処理方法

税抜方式によっております。

5. 連結子会社の資産及び負債の評価に関する事項全面時価評価法を採用しております。

6. 連結調整勘定の償却に関する事項桐灰化学㈱ 10年均等償却その他 5年均等償却

7. 利益処分項目等の取扱いに関する事項連結剰余金計算書は、連結会社の利益処分について連結会計年度中に確定し

た利益処分に基づいて作成しております。

8. 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲手許現金、要求払預金及び取得日から3ヶ月以内に満期日の到来する流動性の高い、容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか

負わない短期的な投資からなっております。

⑤役員退職慰労引当金

当社及び国内連結子会社のうち4社は、役員の退職慰労金の支給に備えるため、内規に基づく連結会計年度末要支給額を計上しております。

⑥投資損失引当金

同左

(4)重要なリース取引の処理方法同左

(5)重要なヘッジ会計の方法①ヘッジ会計の方法

同左

②ヘッジ手段とヘッジ対象

ヘッジ手段…同左

ヘッジ対象…同左

③ヘッジ方針

同左

④ヘッジ有効性の評価の方法

同左

(6)その他連結財務諸表作成のための重要な事項消費税等の会計処理方法

同左

同左

同左

同左

同左

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

表示方法の変更

———————— (連結貸借対照表)「商標権」は、前連結会計年度までは、無形固定資産の「その

他」に含めて表示しておりましたが、当連結会計年度において、資産の総額の

100分の1を超えたため区分掲記しました。なお、前連結会計年度末の「商標権」は74百万円であります。

注記事項

前連結会計年度 当連結会計年度(平成16年3月31日) (平成17年3月31日)

連結貸借対照表関係

※1 有形固定資産の減価償却累計額は17,887百万円であります。※2 非連結子会社及び関連会社に対する主な資産及び負債は次のとおりであります。

投資その他の資産

投資有価証券(株式) 2,309百万円その他(出資金) 1,008百万円

 3 保証債務①連結会社以外の会社の金融機関等からの借入に対し、債務保証を

行っております。

上海小林日化有限公司 184百万円

計 184百万円

※4 担保に供している資産は次のとおりであります。受取手形 109百万円建物及び構築物 1,141百万円土地 2,122百万円投資有価証券 98百万円

計 3,472百万円

(上記に対応する債務)

支払手形及び買掛金 7,071百万円短期借入金 350百万円長期借入金 39百万円

計 7,460百万円

※5 当社の発行済株式総数は、普通株式42,525,000株であります。※6 当社が保有する自己株式の数は、普通株式898,597株であります。

7. 当社及び連結子会社(㈱コバショウ、富山小林製薬㈱、仙台小林製薬㈱、小林製薬プラックス㈱、愛媛小林製薬㈱)においては、運転資金の効率

的な調整を行うため取引銀行7行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。これら契約に基づく当連結会計年度末

の借入未実行残高は次のとおりであります。

当座貸越極度額及び貸出

コミットメントの総額 32,300百万円借入実行残高 1,100百万円

差引額 31,200百万円

※1 有形固定資産の減価償却累計額は18,876百万円であります。※2 非連結子会社及び関連会社に対する主な資産及び負債は次のとおりであります。

投資その他の資産

投資有価証券(株式) 2,374百万円その他(出資金) 3百万円

 3 ————————

※4 担保に供している資産は次のとおりであります。受取手形 137百万円建物及び構築物 1,079百万円土地 2,122百万円投資有価証券 124百万円

計 3,464百万円

(上記に対応する債務)

支払手形及び買掛金 8,312百万円短期借入金 180百万円長期借入金 32百万円

計 8,524百万円

※5 当社の発行済株式総数は、普通株式42,525,000株であります。※6 当社が保有する自己株式の数は、普通株式903,577株であります。

7. 当社及び連結子会社(㈱コバショウ、小林ヘルスケア ヨーロッパ リミティッド、シールド カリフォルニアヘルスケア センター インコーポレーティッド)においては、運転資金の効率的な調整を行うため取引銀

行4行及び生命保険会社2社と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。これら契約に基づく当連結会計年度末の借入未

実行残高は次のとおりであります。

当座貸越極度額及び貸出

コミットメントの総額 33,103百万円借入実行残高 450百万円

差引額 32,653百万円

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

連結損益計算書関係

※1 特別利益のうち、固定資産売却益の内訳は次のとおりであります。土地 1,299百万円その他 10百万円

計 1,310百万円

※2 特別損失のうち、固定資産処分損の内訳は次のとおりであります。建物及び構築物 355百万円機械装置及び運搬具 99百万円土地 1,011百万円その他 527百万円

計 1,993百万円

※3 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費2,010百万円

※4 営業権譲渡益当社は、持分法適用関連会社であった小林ソファモアダネック株式会社

について、平成14年3月27日に共同出資元である米国メドトロニック ソファモアダネック社との間で合弁関係を解消する旨の基本合意にいた

りました。この合意に基づき、平成14年4月に持分株式が売却され、営業権譲渡対価を平成15年3月期より7年間に分割して受領し、営業権譲渡益として特別利益に計上する予定です。

営業権譲渡契約の概要

(1) 譲渡する営業権 医療用具の販売(2) 営業権譲渡日 平成14年4月1日(3) 譲渡価格およびその受領方法

58,000千米ドルを平成15年3月期より7年間で分割受領(4) 譲渡代金受領日(受領予定日)および金額

平成14年4月17日 3,000千米ドル平成15年4月 3日 6,000千米ドル平成16年4月 5日 7,000千米ドル平成17年4月 4日 10,000千米ドル平成18年4月 3日 10,000千米ドル平成19年4月 3日 11,000千米ドル平成20年4月 3日 11,000千米ドル

連結キャッシュ・フロー計算書関係

※1.現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係

(平成16年3月31日現在)

現金及び預金勘定 17,663百万円預入期間が3か月を超える定期預金 —百万円

現金及び現金同等物 17,663百万円

※1 特別利益のうち、固定資産売却益の内訳は次のとおりであります。土地 5百万円その他 0百万円

計 6百万円

※2 特別損失のうち、固定資産処分損の内訳は次のとおりであります。建物及び構築物 18百万円機械装置及び運搬具 62百万円土地 2百万円その他 35百万円

計 118百万円

※3 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費2,115百万円

※4 営業権譲渡益同左

※1.現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係

(平成17年3月31日現在)

現金及び預金勘定 19,035百万円預入期間が3か月を超える定期預金 —百万円

現金及び現金同等物 19,035百万円

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

リース取引関係

リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナン

ス・リース取引

1. 借主側

(1)リース物件の取得価額相当額、減価償却累計額相当額及び期末残高相当額

取得価額 減価償却累計額 期末残高相当額 相当額 相当額

(百万円) (百万円) (百万円)

機械装置及び運搬具 8,300 4,312 3,988工具器具及び備品 2,413 1,408 1,004その他 2,561 1,579 981

合計 13,275 7,301 5,974

(2)未経過リース料期末残高相当額1年内 2,187百万円1年超 3,923百万円

合計 6,110百万円

(3)支払リース料、減価償却費相当額及び支払利息相当額支払リース料 2,556百万円減価償却費相当額 2,315百万円支払利息相当額 129百万円

(4)減価償却費相当額の算定方法リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によって

おります。

(5)利息相当額の算定方法リース料総額とリース物件の取得価額相当額との差額を利息相当

額とし、各期への配分方法については、利息法によっております。

リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナン

ス・リース取引

1. 借主側

(1) リース物件の取得価額相当額、減価償却累計額相当額及び期末残高相当額

取得価額 減価償却累計額 期末残高相当額 相当額 相当額

(百万円) (百万円) (百万円)

機械装置及び運搬具 8,184 4,878 3,306工具器具及び備品 2,301 1,325 975その他 2,540 1,845 694

合計 13,026 8,049 4,977

(2)未経過リース料期末残高相当額1年内 2,552百万円1年超 2,542百万円

合計 5,094百万円

(3)支払リース料、減価償却費相当額及び支払利息相当額支払リース料 2,381百万円減価償却費相当額 2,253百万円支払利息相当額 104百万円

(4)減価償却費相当額の算定方法同左

(5)利息相当額の算定方法同左

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前連結会計年度 当連結会計年度(平成16年3月31日) (平成17年3月31日)

有価証券関係

1. その他有価証券で時価のあるもの

取得原価 連結貸借対照表 差額種類 (百万円) 計上額(百万円)(百万円)

連結貸借対照表 (1)株式 591 3,415 2,824計上額が (2)債券取得原価を ①国債・地方債等 — — —超えるもの ②社債 — — —

③その他 — — —(3)その他 — — —

小計 591 3,415 2,824

連結貸借対照表 (1)株式 79 70 △8計上額が (2)債券取得原価を ①国債・地方債等 3,009 3,007 △2超えないもの ②社債 — — —

③その他 300 298 △1(3)その他 — — —

小計 3,389 3,376 △12

合計 3,980 6,791 2,811(注) 前連結会計年度において、有価証券について13百万円(その他有価証券で時価のあ

る株式13百万円)減損処理を行っております。なお、減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ、50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行って

おります。

2.前連結会計年度中に売却したその他有価証券(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日)

売却額 売却益の合計額 売却損の合計額(百万円) (百万円) (百万円)

— — —

3.時価評価されていない主な有価証券の内容(平成16年3月31日)

連結貸借対照表計上額(百万円)

その他有価証券

非上場株式(店頭売買株式を除く) 595株式投資信託 174

4.その他有価証券のうち満期があるもの及び満期保有目的の債券の今後の償還予定額(平成16年3月31日)

1年以内 1年超5年以内 5年超10年以内 10年超(百万円) (百万円) (百万円) (百万円)

1.債券(1)国債・地方債等 999 2,007 — —(2)社債 — — — —(3)その他 — 300 — —2.その他 — — — —

合計 999 2,307 — —

1. その他有価証券で時価のあるもの

取得原価 連結貸借対照表 差額種類 (百万円) 計上額(百万円)(百万円)

連結貸借対照表 (1)株式 684 3,805 3,121計上額が (2)債券取得原価を ①国債・地方債等 2,503 2,508 5超えるもの ②社債 — — —

③その他 — — —(3)その他 — — —

小計 3,187 6,314 3,126

連結貸借対照表 (1)株式 73 62 △10計上額が (2)債券取得原価を ①国債・地方債等 500 500 0超えないもの ②社債 — — —

③その他 — — —(3)その他 — — —

小計 574 563 △11

合計 3,761 6,877 3,115(注) 当連結会計年度において、減損処理は行っておりません。

なお、減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ、50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行って

おります。

2.当連結会計年度中に売却したその他有価証券(自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

売却額 売却益の合計額 売却損の合計額(百万円) (百万円) (百万円)

6 2 —

3.時価評価されていない主な有価証券の内容(平成17年3月31日)

連結貸借対照表計上額(百万円)

その他有価証券

非上場株式(店頭売買株式を除く) 284株式投資信託 222

4.その他有価証券のうち満期があるもの及び満期保有目的の債券の今後の償還予定額(平成17年3月31日)

1年以内 1年超5年以内 5年超10年以内 10年超(百万円) (百万円) (百万円) (百万円)

1.債券(1)国債・地方債等 1,000 2,008 — —(2)社債 — — — —(3)その他 — — — —2.その他 — — — —

合計 1,000 2,008 — —

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

デリバティブ取引関係

1 取引の状況に関する事項1. 取引の内容当社グループの利用しているデリバティブ取引は、為替予約取引と通

貨オプション取引及び金利スワップ取引であります。

2. 取引に対する取組方針当社グループのデリバティブ取引は、将来の為替相場又は金利の変動

によるリスク回避の目的及び資金の効率的な運用を行う目的で取り組

む方針であります。

3. 取引の利用目的当社グループのデリバティブ取引は、外貨建金銭債権債務の為替変動

リスクの回避と借入金に係る将来の金利変動によるリスクの軽減を目

的として利用しております。

なお、デリバティブ取引を利用してヘッジ会計を行っております。

ヘッジ会計の方法

繰延ヘッジ処理を採用しております。なお、為替予約について振当処理

の要件を満たしている場合は振当処理を採用しております。

ヘッジ手段とヘッジ対象

ヘッジ手段…為替予約、金利スワップ

ヘッジ対象…外貨建債務及び外貨建予定取引、借入金

ヘッジ方針

外貨建予定取引に関して、為替予約を付し為替変動リスクをヘッジす

る方針であります。

また金利スワップ取引は、金利リスクの低減のため対象債務の範囲内

でヘッジする方針であります。

ヘッジ有効性の評価の方法

通貨関連の取引につきましては、ヘッジ対象の時価変動額とヘッジ手

段の時価変動額を比較し、両者の変動額等を基礎にして判断しており

ます。金利スワップについては、有効性の評価を省略しております。

4. 取引に係るリスクの内容為替予約取引・通貨オプション取引は為替相場の変動によるリスクを

有しております。

なお、当社グループのデリバティブ取引の契約先は、いずれも信用度の

高い国内の銀行であるため、相手方の契約不履行によるリスクは殆ど

ないと認識しております。

5. 取引に係るリスク管理体制当社グループのデリバティブ取引の開始にあたっては財務担当役員が

決裁し、実行及び管理は財務経理部が行っております。

2 取引の時価等に関する事項当社グループが利用しているデリバティブ取引はすべてヘッジ会計が適

用されるため、該当事項はありません。

退職給付関係

1. 採用している退職給付制度の概要当社は、確定給付型の制度として、適格退職年金制度及び退職一時金制度

を設けております。

国内連結子会社は確定給付型の制度として、退職一時金制度を設けてお

ります。

さらに、在外連結子会社の一部は確定拠出型年金制度を採用しており

ます。

1 取引の状況に関する事項1. 取引の内容同左

2. 取引に対する取組方針同左

3. 取引の利用目的同左

4. 取引に係るリスクの内容同左

5. 取引に係るリスク管理体制同左

2 取引の時価等に関する事項同左

1. 採用している退職給付制度の概要同左

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

2. 退職給付債務に関する事項(平成16年3月31日)

(1)退職給付債務(百万円) △10,602(2)年金資産(百万円) 2,860(3)未積立退職給付債務(百万円)(1)+(2) △7,741(4)未認識数理計算上の差異(百万円) 599(5)未認識過去勤務債務(百万円) 933(6)連結貸借対照表計上額純額(百万円)(3)+(4)+(5) △6,208(7)前払年金費用(百万円) 111(8)退職給付引当金(百万円)(6)—(7) △6,320(注)国内連結子会社は、退職給付債務の算定にあたり簡便法を採用しております。

3. 退職給付費用の内訳

退職給付費用(百万円) 975(1)勤務費用(百万円) 616(2)利息費用(百万円) 224(3)期待運用収益(減算)(百万円) 43(4)過去勤務債務の費用処理額(百万円) 103(5)数理計算上の差異の費用処理額(百万円) 74(6)臨時に支払った割増退職金(百万円) 29

4. 退職給付債務等の計算の基礎に関する事項

(1)割引率(%) 2.0(2)期待運用収益率(%) 2.0(3)退職給付見込額の期間配分方法 期間定額基準

(4)過去勤務債務の処理年数(年) 10(5)数理計算上の差異の処理年数(年) 10

税効果会計関係

1. 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳(繰延税金資産)退職給付引当金損金算入限度超過額 2,231 百万円繰越欠損金 1,166賞与引当金損金不算入額 743役員退職慰労引当金損金不算入額 544貸倒引当金損金算入限度超過額 501未払経費否認 498未払事業税否認 326分社譲渡損益 281未実現利益 272固定資産廃棄損否認 134ソフトウェア開発費否認 113返品調整引当金損金算入限度超過額 86減価償却超過額 81ゴルフ会員権評価損否認 58未払特別退職金加算 39その他 63繰延税金資産小計 7,145評価性引当額 △1,032繰延税金資産合計 6,113(繰延税金負債)その他有価証券評価差額 1,142その他 56繰延税金負債合計 1,199繰延税金資産の純額 4,914

2. 退職給付債務に関する事項(平成17年3月31日)

(1)退職給付債務(百万円) △11,701(2)年金資産(百万円) 3,769(3)未積立退職給付債務(百万円)(1)+(2) △7,932(4)未認識数理計算上の差異(百万円) 1,094(5)未認識過去勤務債務(百万円) 829(6)連結貸借対照表計上額純額(百万円)(3)+(4)+(5) △6,007(7)前払年金費用(百万円) 466(8)退職給付引当金(百万円)(6)—(7) △6,474(注)国内連結子会社は、退職給付債務の算定にあたり簡便法を採用しております。

3. 退職給付費用の内訳

退職給付費用(百万円) 1,003(1)勤務費用(百万円) 681(2)利息費用(百万円) 200(3)期待運用収益(減算)(百万円) 57(4)過去勤務債務の費用処理額(百万円) 103(5)数理計算上の差異の費用処理額(百万円) 75(6)臨時に支払った割増退職金(百万円) 28

4. 退職給付債務等の計算の基礎に関する事項

(1)割引率(%) 2.0(2)期待運用収益率(%) 2.0(3)退職給付見込額の期間配分方法 期間定額基準

(4)過去勤務債務の処理年数(年) 10(5)数理計算上の差異の処理年数(年) 10

1. 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳(繰延税金資産)

退職給付引当金損金算入限度超過額 2,241 百万円繰越欠損金 1,750賞与引当金損金不算入額 755未払経費否認 666役員退職慰労引当金損金不算入額 527貸倒引当金損金算入限度超過額 392未実現利益 276未払事業税否認 261ソフトウェア開発費否認 103返品調整引当金損金算入限度超過額 86ゴルフ会員権評価損否認 81減価償却超過額 22その他 327

繰延税金資産小計 7,495評価性引当額 △1,730

繰延税金資産合計 5,765(繰延税金負債)その他有価証券評価差額 1,017繰延税金負債合計 1,017繰延税金資産の純額 4,747

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

2. 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳

法定実効税率 40.63%欠損子会社の未認識税務利益 3.18%連結調整勘定償却 2.10%試験研究費等の特別控除 △2.05%交際費等永久に損金に算入されない項目 1.56%持分法による投資損益 △1.25%住民税均等割額 0.42%その他 2.14%

税効果会計適用後の法人税等の負担率 46.73%

セグメント情報

事業の種類別セグメント情報

最近2連結会計年度の事業の種類別セグメント情報は次のとおりであります。

前連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日)

家庭用品 家庭用品製造販売事業 卸事業 医療関連事業 その他事業 計 消去又は全社 連結

(百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円)

Ⅰ 売上高及び営業損益

売上高

(1)外部顧客に対する売上高 66,522 126,080 15,608 3,458 211,670 — 211,670(2)セグメント間の内部売上高

又は振替高 20,532 — — 8,401 28,933 (28,933) —

計 87,055 126,080 15,608 11,859 240,603 (28,933) 211,670

営業費用 72,424 125,545 14,964 11,706 224,639 (29,092) 195,546

営業利益 14,631 534 644 153 15,963 159 16,123

Ⅱ 資産、減価償却費及び

資本的支出

資産 51,968 43,319 9,082 7,334 111,704 16,621 128,326減価償却費 1,764 207 408 149 2,530 132 2,662資本的支出 1,647 500 172 83 2,404 37 2,441

2. 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳

法定実効税率 41.99%欠損子会社の未認識税務利益 5.22%税務上の繰越欠損金の利用 △3.40%試験研究費等の特別控除 △2.18%連結調整勘定償却 2.01%受取配当金等永久に益金に算入されない項目 △1.63%交際費等永久に損金に算入されない項目 1.50%税率変更による期末繰延税金資産の減額修正 0.88%持分法による投資損益 △0.55%その他 0.25%

税効果会計適用後の法人税等の負担率 44.09%

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当連結会計年度(自 平成16年4月1日~至平 成17年3月31日)

家庭用品 家庭用品製造販売事業 卸事業 医療関連事業 その他事業 計 消去又は全社 連結

(百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円)

Ⅰ 売上高及び営業損益

売上高

(1)外部顧客に対する売上高 67,524 128,356 16,056 3,770 215,708 — 215,708(2)セグメント間の内部売上高

又は振替高 21,748 — — 8,434 30,182 (30,182) –

計 89,273 128,356 16,056 12,205 245,891 (30,182) 215,708

営業費用 74,780 127,556 15,866 12,064 230,269 (30,259) 200,009

営業利益 14,492 799 189 140 15,621 76 15,698

Ⅱ 資産、減価償却費及び

資本的支出

資産 53,687 46,150 8,687 8,084 116,609 18,019 134,629減価償却費 1,827 162 466 158 2,614 121 2,735資本的支出 3,305 176 781 727 4,991 29 5,020

(注)1. 事業区分の方法事業は、製品の系列及び市場の類似性を考慮して区分しております。

2. 各事業の主な製品(1)家庭用品製造販売事業……家庭用医薬品、口腔衛生品、芳香・消臭剤、雑貨品(2)家庭用品卸事業……………家庭用医薬品、雑貨及び食品(3)医療関連事業………………医療用具、医療機器(4)その他事業…………………運送業、合成樹脂容器の製造販売、保険代理業、不動産管理、広告企画制作3. 資産のうち、消去又は全社の項目に含めた全社資産の金額は、前連結会計年度33,342百万円、当連結会計年度36,207百万円であり、その主なものは、親会社での余資運用資金(現金及び有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係わる資産等であります。

4. 減価償却費及び資本的支出には、長期前払費用と同費用に係る償却額が含まれております。

所在地別セグメント情報

前連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日)本邦の売上高及び資産の金額は、全セグメントの売上高の合計及び全セグメ

ント資産の金額の合計額に占める割合がいずれも90%超であるため、記載を省略しております。

当連結会計年度(自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)本邦の売上高及び資産の金額は、全セグメントの売上高の合計及び全セグメ

ント資産の金額の合計額に占める割合がいずれも90%超であるため、記載を省略しております。

関連当事者との取引

(1) 役員及び個人主要株主等

前連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日)

資本金又は 議決権等の属性 会社等の 住所 出資金 事業の内容 所有(被所有) 役員の 事業上の 取引の内容

取引金額科目

期末残高名称 (百万円) 又は職業 割合 兼任等 関係 (百万円) (百万円)

役員 堀口 彰 — — 専務取締役 (被所有) (株)メディコン — 住宅資金 0 長期貸付金 10.05% 代表取締役 貸付

(注)上記取引金額に消費税等は含まれておりません。

当連結会計年度(自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

資本金又は 議決権等の属性 会社等の 住所 出資金 事業の内容 所有(被所有) 役員の 事業上の 取引の内容

取引金額科目

期末残高名称 (百万円) 又は職業 割合 兼任等 関係 (百万円) (百万円)

役員 堀口 彰 — — 専務取締役(被所有) (株)メディコン — 住宅資金 1 長期貸付金 —0.05% 代表取締役 貸付

(注)上記取引金額に消費税等は含まれておりません。

関係内容

関係内容

海外売上高

前連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日)海外売上高は連結売上高の10%未満のため、記載を省略しております。当連結会計年度(自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)海外売上高は連結売上高の10%未満のため、記載を省略しております。

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前連結会計年度 当連結会計年度(自 平成15年4月1日~至 平成16年3月31日) (自 平成16年4月1日~至 平成17年3月31日)

1株当たり情報1株当たり純資産額 1,307円16銭1株当たり当期純利益 157円25銭なお、潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

 当社は平成15年11月20日付で株式1株につき1.5株の株式分割を行っております。

なお、当該株式分割が前期首に行われたと仮定した場合の前連結会計年度に

おける1株当たり情報については以下のとおりとなります1株当たり純資産額 1,165円32銭1株当たり当期純利益 154円17銭

(注)1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。

当期純利益(百万円) 6,677普通株主に帰属しない金額(百万円) 42(うち利益処分による役員賞与金) (42)普通株式に係る当期純利益(百万円) 6,635期中平均株式数(株) 42,196,235

1株当たり純資産額 1,443円30銭1株当たり当期純利益 160円64銭なお、潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

(注)1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。

当期純利益(百万円) 6,730普通株主に帰属しない金額(百万円) 44(うち利益処分による役員賞与金) (44)普通株式に係る当期純利益(百万円) 6,686期中平均株式数(株) 41,622,832

重要な後発事象

当社の子会社である㈱コバショウと㈱スズケンとの間で、㈱スズケンの一般用医薬品卸売事業の㈱コバショウへの物的吸収分割、物的新設分割による事

業移管とそれに伴う株式交換を平成17年4月1日付けで行いました。

1. 事業移管について ㈱スズケンの一般用医薬品卸売事業のうち首都圏と近畿圏の事業については、㈱コバショウと㈱スズケンとの間で物的吸収分割により事業移管を行いました。また、北海道と東海の事業については、㈱スズケンにおける物的新設分割により、一旦㈱KS北海道及び㈱KS東海として分社化し、その後、当該2子会社の株式について、㈱コバショウと㈱スズケンとの間で株式交換を実施することにより事業移管を行いました。

2.株式の割当について (1)㈱コバショウへの物的吸収分割に際し、㈱コバショウは普通株式1,756株を発行し、そのすべてを㈱スズケンに割当交付しました。 (2)㈱KS北海道の物的新設分割に際し、㈱KS北海道は普通株式200株を発行し、そのすべてを㈱スズケンに割当交付しました。さらに当該全株式につい

て、㈱KS北海道と㈱コバショウとの間で株式交換を実施しました。なお、その際の株式交換比率は当該株式1株に対して㈱コバショウ普通株式4.53株を割当交付しました。

 (3)㈱KS東海の物的新設分割に際し、㈱KS東海は普通株式200株を発行し、そのすべてを㈱スズケンに割当交付しました。さらに当該全株式について、㈱KS東海と㈱コバショウとの間で株式交換を実施しました。なお、その際の株式交換比率は当該株式1株に対して㈱コバショウ普通株式0.16株を割当交付しました。

上記により、㈱コバショウは普通株式2,694株を発行し、そのすべてを㈱スズケンに割り当てることになりました。結果、㈱スズケンは㈱コバショウの発行済み株式の20%を取得することになりました。

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百万円

3月31日に終了した会計年度 2000 2001 2002 2003 2004 2005

会計年度:

売上高 180,731 185,001 204,647 210,922 211,670 215,708売上原価(返品調整引当後) 121,739 123,140 139,404 141,675 141,388 143,912売上総利益 58,992 61,860 65,242 69,247 70,282 71,795販売費及び一般管理費 46,121 48,053 51,613 53,394 54,159 56,096営業利益 12,870 13,807 13,629 15,852 16,123 15,698経常利益 10,805 12,758 12,103 12,951 14,127 14,159税金等調整前当期純利益 9,389 11,452 10,923 12,839 11,825 12,769当期純利益 4,822 6,019 6,595 6,605 6,677 6,730

1株当たり指標(円):当期純利益 170.80 212.34 232.64 231.25 157.25 160.64配当金 15.0 17.5 18.5 21.0 21.0 33.0

営業活動によるキャッシュ・フロー 7,306 3,961 4,038 12,046 6,971 8,364フリーキャッシュ・フロー 2,662 △817 △2,892 11,770 4,613 4,428減価償却費 1,921 2,157 2,598 2,793 2,662 2,735設備投資額※1 3,667 4,926 4,329 2,631 2,441 5,020研究開発費 1,292 1,774 1,778 1,785 2,010 2,115

会計年度末:

流動資産 69,248 64,849 72,758 77,315 80,030 86,704固定資産 34,463 41,542 48,096 48,364 48,296 47,924流動負債 62,977 57,871 62,644 65,925 64,297 65,007固定負債 9,197 10,067 13,218 9,936 9,093 8,959株主資本 32,142 38,436 44,427 49,267 54,454 60,116総資産 104,331 106,391 120,855 125,679 128,326 134,629運転資本 6,721 6,978 10,114 11,390 15,733 21,697有利子負債 8,432 3,461 9,194 7,859 5,417 3,033

財務指標(%):売上高に対する割合:

売上総利益 32.7 33.4 31.9 32.8 33.2 33.3営業利益 7.1 7.5 6.7 7.5 7.6 7.3経常利益 6.0 6.9 5.9 6.1 6.7 6.6当期純利益 2.7 3.3 3.2 3.1 3.2 3.1

流動比率 110.0 112.1 116.1 117.3 124.5 133.4株主資本当期純利益率 19.2 17.1 15.9 14.1 12.9 11.7総資産当期純利益率 5.0 5.7 5.8 5.4 5.3 5.1株主資本比率 30.8 36.1 36.8 39.2 42.4 44.7デット・エクイティ・レシオ(倍)※2 0.26 0.09 0.21 0.16 0.10 0.05

※1. 設備投資額:セグメント情報の資本的支出※2. デット・エクイティ・レシオ:期末有利子負債/株主資本

6年間の要約連結財務データ

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会社概要/投資家情報

会社概要 (2005年3月31日現在)

● 会 社 名 小林製薬株式会社

● 創   立 1919年(大正8年)8月22日

● 本社所在地 大阪市中央区道修町4丁目3番6号

● 代 表 者 代表取締役社長 小林 豊

● 従 業 員 数 2,398人(連結)

● 連結子会社 22社

● 非連結子会社 5社

● 関 連 会 社 1社

投資家情報 (2005年3月31日現在)

● 資 本 金 34億5千万円

● 株 式 総 数 170,100,000株

● 発行済株式総数 42,525,000株

● 株 主 数 7,696人

● 上 場 市 場 東京証券取引所第一部、大阪証券取引所第一部

● 名義書換代理人 東京都千代田区丸の内1丁目4番3号

UFJ信託銀行株式会社

● 定時株主総会 6月中

● 問い合わせ先 小林製薬株式会社

財務経理部 IR担当

TEL. 06-6222-0089

FAX. 06-6222-0114

E-mail. [email protected]

URL. http://www.kobayashi.co.jp/

Page 53: Something New, Something Different - 小林製薬株式 …ƒ—ロファイル Something New, Something Different 小林製薬は、1886年の創業以来、“創造と革新により人と社会に「快」を提供する”という

取締役、監査役及び執行役員

取締役代表取締役会長(CEO)小林 一雅

代表取締役社長(COO)小林  豊最高執行責任者

専務取締役島谷 尚温製品営業統括担当

堀口  彰医療機器事業統括本部長

常務取締役田中 正昭グループ統括本社本部長

取締役小林 章浩国際営業カンパニープレジデント兼マーケティング室長

監査役森井 敏之常勤

仲田 哲雄常勤

林  浩志

酒井 竜児

執行役員常務執行役員辻野 隆志研究開発カンパニープレジデント

三木 譲治製品営業カンパニープレジデント

執行役員野本  宏桐灰化学株式会社 代表取締役社長

坂口 孝文小林メディカルカンパニープレジデント

山本 英嗣ビジネスシステムカンパニープレジデント

山根  聡成長戦略室長兼取締役会室長

永原 知晴製造カンパニープレジデント

小坂 晴良卸事業統括担当

(2005年6月29日現在)*小林豊、島谷尚温、堀口彰、田中正昭、小林章浩は執行役員を兼務しています。

代表取締役会長(CEO)小林 一雅

代表取締役社長(COO)小林  豊

専務取締役

島谷 尚温専務取締役

堀口  彰常務取締役

田中 正昭取締役

小林 章浩

KOBAYASHI PHARMACEUT ICAL CO. , LTD .

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アニュアルレポート

2005 

2005年

3月期

本社:〒 541-0045 大阪市中央区道修町 4-3-6Tel: 06-6222-0897(代表)

東京支店:〒 103-0023 東京都中央区日本橋本町 2-3-4Tel: 03-3241-3151(代表)

URL. http://www.kobayashi.co.jp/

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