sparc enterprise logical domains ガイド(1.2) · 2009. 10. 26. · logical...

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SPARC Enterprise Logical Domains 1.2ガイド( C120-E534-05

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SPARC Enterprise Logical Domains

1.2) ガイド(

C120-E534-05

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Copyright 2009 Sun Microsystems, Inc., 4150 Network Circle, Santa Clara, California 95054, U.S.A. All rights reserved. 本書には、富士通株式会社により提供および修正された技術情報が含まれています。 Sun Microsystems, Inc. および富士通株式会社は、それぞれ本書に記述されている製品およ

び技術に関する知的所有権を所有または管理しています。これらの製品、技術、および本

書は、著作権法、特許権などの知的所有権に関する法律および国際条約により保護されて

います。これらの製品、技術、および本書に対してSun Microsystems, Inc. および富士通株

式会社が有する知的所有権には、http://www.sun.com/patents に掲載されているひとつまた

は複数の米国特許、および米国ならびにその他の国におけるひとつまたは複数の特許また

は出願中の特許が含まれています。 本書およびそれに付属する製品および技術は、その使用、複製、頒布および逆コンパイル

を制限するライセンスのもとにおいて頒布されます。富士通株式会社とSun Microsystems, Inc. およびそのライセンサーの書面による事前の許可なく、このような製品または技術お

よび本書のいかなる部分も、いかなる方法によっても複製することが禁じられます。本書

の提供は、明示的であるか黙示的であるかを問わず、本製品またはそれに付随する技術に

関するいかなる権利またはライセンスを付与するものでもありません。本書は、富士通株

式会社またはSun Microsystems, Inc. の一部、あるいはそのいずれかの関連会社のいかなる

種類の義務を含むものでも示すものでもありません。 本書および本書に記述されている製品および技術には、ソフトウェアおよびフォント技術

を含む第三者の知的財産が含まれている場合があります。これらの知的財産は、著作権法

により保護されているか、または提供者から富士通株式会社および/ またはSun Microsystems, Inc. へライセンスが付与されているか、あるいはその両方です。

GPL または LGPL が適用されたソースコードの複製は、GPL または LGPL の規約に従

い、該当する場合に、お客様からのお申し込みに応じて入手可能です。富士通株式会社ま

たはSun Microsystems, Inc. にお問い合わせください。

この配布には、第三者が開発した構成要素が含まれている可能性があります。 本製品の一部は、カリフォルニア大学からライセンスされている Berkeley BSD システム

に由来しています。UNIX は、X/Open Company Limited が独占的にライセンスしている米

国ならびに他の国における登録商標です。 Sun、Sun Microsystems、Sun のロゴ、Java、Netra、Solaris、Sun Ray、Answerbook2、docs.sun.com、OpenBoot、およびSun Fire は、米国およびその他の国におけるSun Microsystems, Inc. の商標または登録商標です。 富士通および富士通のロゴマークは、富士通株式会社の登録商標です。 すべての SPARC 商標は、 SPARC International, Inc. のライセンスを受けて使用している

同社の米国およびその他の国における登録商標です。SPARC 商標が付いた製品は、Sun Microsystems, Inc. が開発したアーキテクチャに基づくもの です。

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C120-E534-05

SPARC64 は、Fujitsu Microelectronics, Inc. および富士通株式会社が SPARC International, Inc. のライセンスを受けて使用している同社の商標です。 OPEN LOOK および SunTM Graphical User Interface は、Sun Microsystems, Inc. が自社の

ユーザーおよびライセンス実施権者向けに開発しました。Sun Microsystems, Inc. は、コン

ピュータ産業用のビジュアルまたは グラフィカル・ユーザーインタフェースの概念の研究

開発における Xerox 社の先駆者としての成果を認めるものです。Sun Microsystems, Inc.は Xerox 社から Xerox Graphical User Interface の非独占的ライセンスを取得しており、この

ライセンスは、OPEN LOOK GUI を実装しているかまたはSun の書面によるライセンス契

約を満たすSun Microsystems, Inc. のライセンス実施権者にも適用されます。 United States Government Rights - Commercial use. U.S. Government users are subject to the standard government user license agreements of Sun Microsystems, Inc. and Fujitsu Limited and the applicable provisions of the FAR and its supplements. 免責条項: 本書または本書に記述されている製品や技術に関して富士通株式会社、Sun Microsystems, Inc. またはそのいずれかの関連会社が行う保証は、製品または技術の提供に

適用されるライセンス契約で明示的に規定されている保証に限ります。このような契約で

明示的に規定された保証を除き、富士通株式会社、Sun Microsystems, Inc. およびそのいず

れかの関連会社は、製品、技術、または本書に関して、明示、黙示を問わず、いかなる種

類の保証も行いません。これらの製品、技術、または本書は、現状のまま提供され、商品

性、特定目的への適合性または第三者の権利の非侵害の黙示の保証を含みそれに限定され

ない、明示的であるか黙示的であるかを問わない、なんらの保証も、かかる免責が法的に

無効とされた場合を除き、行われないものとします。このような契約で明示的に規定され

ていないかぎり、富士通株式会社、Sun Microsystems, Inc. またはそのいずれかの関連会社

は、いかなる法理論のもとの第三者に対しても、その収益の損失、有用性またはデータに

関する損失、あるいは業務の中断について、あるいは間接的損害、特別損害、付随的損害、

または結果的損害について、そのような損害の可能性が示唆されていた場合であっても、

適用される法律が許容する範囲内で、いかなる責任も負いません。 本書は、「現状のまま」提供され、商品性、特定目的への適合性または第三者の権利の非

侵害の黙示の保証を含みそれに限定されない、明示的であるか黙示的であるかを問わない、

なんらの保証も、かかる免責が法的に無効とされた場合を除き、行われないものとします。

Solaris™ Operating Environment の表記について Solaris™ Operating Environmentは、Solaris™ Operating Systemにブランド変更されました。

「Solaris™ Operating Environment」(「Solaris OE」)という表記は「Solaris™ Operating System」(「Solaris OS」)に読み替えてください。

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改版記録表

版数 日付 変更箇所(変更種別)(注) 変更内容 01 2009-9-1 — —

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はじめに

はじめに • 本書は、SPARC Enterprise T5120/T5220/T5140/T5240/T5440 で提供される Logical

Domains 1.2(論理ドメイン:以降、LDoms)の概要、構築手順および運用などについ

て説明しています。 • 本書では、LDoms 機能で作成された環境をドメイン、または LDoms と記述していま

す。 • 本書は、Ldoms1.2 ユーザの位置付けになっておりますが、1.2 で追加された機能以外

を使用する場合は、Ldoms1.1 以前のお客様が使用していただいても問題ありません。

本書の内容と構成 本書では LDoms 環境について、以下の構成で説明しています。

第 1 章 Logical Domains について LDoms の導入を検討する上で必要となる、LDoms 機能の概要、富士通が提供す

る他のパーティショニング方式との比較、および LDoms 環境が適している業務

について説明しています。

第 2 章 LDoms 適用のポイント LDoms に適する業務や用途、運用のポイントについて説明しています。

第 3 章 LDoms 構成設計 LDoms 環境の構成設計上の注意、構築に関する注意事項について説明していま

す。

第 4 章 構築手順(例Ⅰ) LDoms 環境を構築する手順について説明しています。

第 5 章 構築手順(例Ⅱ) I/O ドメイン兼用のゲストドメインを組み入れた LDoms 環境を構築する手順につ

いて説明しています。

第 6 章 LDoms Manager の導入 LDoms Manager を導入する手順について説明しています。

第 7 章 LDoms の運用 LDoms 環境の運用方法、運用上の注意について説明しています。

第 8 章 部品交換時に必要な作業について サービスエンジニアによる部品交換作業時に発生する、お客様とシステム管理者

の作業について説明しています。

第 9 章 バグ情報および注意事項 LDoms を使用する場合のバグ情報、注意事項について説明しています。

第 10 章 機種別留意事項 LDoms を構築する際の機種別の留意事項について説明しています。

付録 A バックアップ・リストア手順 LDoms のバックアップ・リストア手順について説明しています。

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はじめに

付録 B ZFS ファイルシステムの退避・復元手順 ZFS ファイルシステムの退避・復元手順について説明します。

関連マニュアル 本書の関連マニュアルとして、以下のマニュアルが用意されています。 本書は、Sun Microsystems 社提供の Logical Domains 1.2 Documentation、Logical Domains (LDoms) 1.1 Documentation、Logical Domains (LDoms) 1.0 Documentation を参照し、富士通

において LDoms 機能を提供するためのポイントに絞って作成しています。 LDoms 環境を構築する場合は、以下のマニュアルを必ずお読みください。

Logical Domains 1.2 Collection http://docs.sun.com/app/docs/coll/2536.1

• Logical Domains 1.2 リリースノート • Logical Domains 1.2 管理ガイド • Logical Domains 1.2 リファレンスマニュアル

Logical Domains(LDoms)1.1 Documentation

http://docs.sun.com/app/docs/coll/ldom1.1-ja • Logical Domains(LDoms)1.1 リリースノート • Logical Domains(LDoms)1.1 管理ガイド

Logical Domains(LDoms)1.0 Documentation

http://docs.sun.com/app/docs/coll/ldom1.0-ja • Logical Domains(LDoms)1.0.3 リリースノート • Logical Domains(LDoms)1.0.2 リリースノート • Logical Domains(LDoms)1.0.3 管理ガイド • Logical Domains(LDoms)1.0.2 管理ガイド

以下のドキュメントについても参照してください。

Beginners Guide to LDoms: Understanding and Deploying Logical Domains

http://www.sun.com/blueprints/0207/820-0832.html

LDoms MIB の管理

http://dlc.sun.com/pdf/820-3456-10/820-3456-10.pdf • Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 管理ガイド

LDoms MIB のリリースノート

http://dlc.sun.com/pdf/820-3462-10/820-3462-10.pdf • Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 リリースノート

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はじめに

表記上の規則 本書では、以下のような字体や記号を、特別な意味を持つものとして使用しています。

字体または記号 意味 記述例

AaBbCc123 ユーザが入力するコマンド

を示します。 # ls -l <Return>

[ ] キーボード上のキーや画面

の項目を示します。

• [tab]キー • [ Start Upgrade ] を ク

リックします。

『 』 参照するマニュアルの書名

を示します。

『System Console Software ユーザーズガイド』を参照し

てください。

「 」 参照する章、節、項を示し

ます。 「第 7 章 LDoms の運用」を

参照してください。

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はじめに

CLI(コマンドライン・インターフェース)の表記について コマンドの記載形式は以下のとおりです。

• 値を入力する変数は、< >で囲んで記載 • 省略可能な要素は、[ ]で囲んで記載 • 省略可能なキーワードの選択肢は、まとめて[ ]で囲み、|で区切り記載 • 定義が必須なキーワードの選択肢は、まとめて{ }で囲み、|で区切り記載 • コマンドの入力形式は、枠で囲んで記載

お願い

• 本書の中で分かりにくい箇所、誤っている箇所を発見された場合は、マニュアルコ

メント用紙に記入のうえ、SE または販売員にお渡しください。 • 本書は、予告なしに変更されることがあります。

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目 次

目 次

はじめに ............................................................................................................................................... i 本書の内容と構成 ............................................................................................................................................. i 関連マニュアル ................................................................................................................................................ ii 表記上の規則 .................................................................................................................................................... ii CLI(コマンドライン・インターフェース)の表記について ................................................................. iv

第 1 章 Logical Domains について .................................................................................................1-1 1.1 Logical Domains とは..................................................................................................................... 1-1 1.2 パーティショニング方式の違い ................................................................................................. 1-2 1.3 ハイパーバイザとは ..................................................................................................................... 1-4 1.4 論理ドメイン(Logical Domains)の役割 .................................................................................. 1-5 1.5 仮想ハードウェアの種類 ............................................................................................................. 1-6 1.6 Logical Domains の動作環境......................................................................................................... 1-6

第 2 章 LDoms 適用のポイント .....................................................................................................2-1 2.1 パーティションの選択指針 ......................................................................................................... 2-1 2.2 LDoms の用途 ................................................................................................................................ 2-2

2.2.1 旧 Solaris サーバからの移行 ........................................................................................ 2-2 2.2.2 開発機とデバッグ機の使い分け ................................................................................. 2-2

2.3 LDoms 適用業務 ............................................................................................................................ 2-3 2.4 LDoms 性能について .................................................................................................................... 2-5

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目 次

第 3 章 LDoms 構成設計 ................................................................................................................ 3-1 3.1 適用を検討する上での留意事項..................................................................................................3-1

3.1.1 構成について..................................................................................................................3-1 3.1.2 ミドルウェアサポート..................................................................................................3-2 3.1.3 I/O サポート ...................................................................................................................3-2 3.1.4 ネットワーク..................................................................................................................3-3 3.1.5 保守..................................................................................................................................3-3

3.2 LDoms 構成の概要.........................................................................................................................3-3 3.3 LDoms 構成単位.............................................................................................................................3-3 3.4 I/O 構築時のポイント ...................................................................................................................3-4

3.4.1 ディスク装置の割り当て..............................................................................................3-5 3.4.2 RAID ソフトウェア利用時の注意事項 .......................................................................3-5 3.4.3 ディスクアレイ装置(ETERNUS、Sun STK)接続時の注意事項..........................3-6

3.5 LDoms 構成例.................................................................................................................................3-7 3.5.1 構成例 1...........................................................................................................................3-7 3.5.2 構成例 2...........................................................................................................................3-8 3.5.3 構成例 3...........................................................................................................................3-9 3.5.4 構成例 4.........................................................................................................................3-10 3.5.5 構成例 5.........................................................................................................................3-12 3.5.6 構成例 6.........................................................................................................................3-13 3.5.7 構成例 7.........................................................................................................................3-14 3.5.8 構成例 8.........................................................................................................................3-15

3.6 ネットワーク構成時のポイント...............................................................................................3-16 3.6.1 仮想スイッチ(vsw)および仮想ネットワークデバイス(vnet)の割り当て ...3-16 3.6.2 マルチパス、NIC の冗長構成 ....................................................................................3-17 3.6.3 SPARC Enterprise T5140/T5240/T5440 の LAN に関する注意事項 ........................3-19

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目 次

第 4 章 構築手順(例Ⅰ) ............................................................................................................. 4-1 4.1 構築前の注意事項 .........................................................................................................................4-1

4.1.1 LDoms 使用環境の確認 ................................................................................................4-1 4.1.2 ファームウェアの確認 .................................................................................................4-1 4.1.3 Logical Domains Manager Software(LDoms Manager)の確認 ................................4-2 4.1.4 制御ドメイン用オペレーティングシステム(OS)の確認.....................................4-3 4.1.5 Enhanced Support Facility(ESF) ................................................................................4-3 4.1.6 Sun Explorer Data Collector............................................................................................4-4

4.2 構築の流れ .....................................................................................................................................4-4 4.2.1 LDoms 構成の決定 ........................................................................................................4-4

4.2.1.1 LDoms 構成名の決定 ....................................................................................4-4 4.2.1.2 ドメイン名の決定 .........................................................................................4-5 4.2.1.3 仮想ディスクサービスの決定......................................................................4-5 4.2.1.4 仮想スイッチサービスの決定......................................................................4-5 4.2.1.5 仮想コンソール端末集配信装置サービスの決定......................................4-6 4.2.1.6 ハードウェア資源割当表の作成..................................................................4-7

4.2.2 LDoms 構築用スクリプトの準備 ................................................................................4-8 4.2.2.1 制御ドメイン構築スクリプトの作成..........................................................4-8 4.2.2.2 ゲストドメイン構築スクリプトの作成......................................................4-9

4.2.3 LDoms Manager の導入 .................................................................................................4-9 4.2.4 ゲストドメイン管理ユーザの定義............................................................................4-10 4.2.5 仮想ディスクサーバデバイス用ファイルの準備....................................................4-12 4.2.6 制御ドメインの構築 ...................................................................................................4-13

4.2.6.1 制御ドメイン構築スクリプトの実行........................................................4-13 4.2.6.2 制御ドメインの再起動 ...............................................................................4-13 4.2.6.3 制御ドメイン構成の確認............................................................................4-14

4.2.7 ゲストドメインの構築 ...............................................................................................4-15 4.2.7.1 ゲストドメイン構築スクリプトの実行....................................................4-15 4.2.7.2 ゲストドメインのコンソールの確認........................................................4-16

4.2.8 LDoms 構成の保存 ......................................................................................................4-17 4.2.9 ゲストドメインのインストール ...............................................................................4-18

4.2.9.1 インストールサーバの設定........................................................................4-18 4.2.9.2 ネットワークインストール........................................................................4-19 4.2.9.3 DVD からのインストール ..........................................................................4-19 4.2.9.4 Enhanced Support Facility(ESF)のインストール ..................................4-19

4.2.10 ドメインの依存関係機能 ...........................................................................................4-20 4.2.10.1 ドメインの依存関係の定義........................................................................4-20 4.2.10.2 ドメインの依存関係の解除........................................................................4-20

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目 次

第 5 章 構築手順(例Ⅱ) ..............................................................................................................5-1 5.1 I/O ドメインについて .................................................................................................................. 5-1 5.2 I/O ドメインの構築前の注意事項 .............................................................................................. 5-1

5.2.1 ハードウェア条件......................................................................................................... 5-1 5.2.2 ソフトウェア条件......................................................................................................... 5-1 5.2.3 ファームウェアの確認................................................................................................. 5-2 5.2.4 増設カードの搭載について ......................................................................................... 5-2

5.3 構築の流れ..................................................................................................................................... 5-3 5.3.1 LDoms 構成の決定.......................................................................................................... 5-3

5.3.1.1 LDoms 構成名の決定 .................................................................................... 5-3 5.3.1.2 ドメイン名の決定 ......................................................................................... 5-3 5.3.1.3 仮想ディスクサービスの決定 ..................................................................... 5-4 5.3.1.4 仮想スイッチサービスの決定 ..................................................................... 5-4 5.3.1.5 仮想コンソール端末集配信装置サービスの決定 ..................................... 5-4 5.3.1.6 ハードウェア資源割当表の作成 ................................................................. 5-5

5.3.2 LDoms 構築用スクリプトの準備 ................................................................................ 5-7 5.3.2.1 制御ドメイン構築スクリプトの作成 ......................................................... 5-7 5.3.2.2 I/O ドメイン構築スクリプトの作成........................................................... 5-8 5.3.2.3 ゲストドメイン構築スクリプトの作成 ..................................................... 5-9

5.3.3 インストールサーバの構築 ....................................................................................... 5-10 5.3.4 LDoms Manager の導入............................................................................................... 5-10 5.3.5 ゲストドメイン管理ユーザの定義 ........................................................................... 5-10 5.3.6 仮想ディスクサーバデバイス用ファイルの準備 ................................................... 5-13 5.3.7 PCI デバイスの分割.................................................................................................... 5-13

5.3.7.1 分割できる PCI デバイスの確認............................................................... 5-13 5.3.7.2 起動ストレージパスの確認 ....................................................................... 5-13 5.3.7.3 PCI デバイスの分割.................................................................................... 5-13 5.3.7.4 分割された PCI デバイスの確認............................................................... 5-13 5.3.7.5 分割 PCI 構成の保存................................................................................... 5-14 5.3.7.6 システムの再起動 ....................................................................................... 5-14

5.3.8 制御ドメインの構築................................................................................................... 5-15 5.3.8.1 制御ドメイン構築スクリプトの実行 ....................................................... 5-15 5.3.8.2 制御ドメインの再起動 ............................................................................... 5-15 5.3.8.3 制御ドメイン構成の確認 ........................................................................... 5-16

5.3.9 I/O ドメインの構築 .................................................................................................... 5-17 5.3.9.1 I/O ドメイン構築スクリプトの実行......................................................... 5-17 5.3.9.2 I/O ドメインのインストール..................................................................... 5-17 5.3.9.3 システムの再起動 ....................................................................................... 5-19

5.3.10 ゲストドメインの構築............................................................................................... 5-19 5.3.10.1 ゲストドメイン構築スクリプトの実行 ................................................... 5-19 5.3.10.2 ゲストドメインのコンソールの確認 ....................................................... 5-20

5.3.11 LDoms 構成の保存...................................................................................................... 5-21 5.3.12 ゲストドメインのインストール ............................................................................... 5-21

5.3.12.1 インストールサーバの設定 ....................................................................... 5-21 5.3.12.2 ネットワークインストール ....................................................................... 5-22 5.3.12.3 Enhanced Support Facility(ESF)のインストール.................................. 5-23

5.3.13 LDoms 設定の保存...................................................................................................... 5-23

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目 次

第 6 章 LDoms Manager の導入.....................................................................................................6-1 6.1 ファームウェアのアップグレード ............................................................................................. 6-1

6.1.1 新ファームウェアの入手 ......................................................................................... 6-1 6.1.2 LDoms 環境構築済みシステムのファームウェアアップグレード ......................... 6-1 6.1.3 ファームウェアのアップグレード手順...................................................................... 6-2

6.2 制御ドメインへの Solaris OS のインストール .......................................................................... 6-8 6.2.1 Solaris OS のインストール ........................................................................................... 6-8 6.2.2 必須パッチの適用 ......................................................................................................... 6-8 6.2.3 Enhanced Support Facility(ESF)のインストール .................................................... 6-8 6.2.4 Sun Explorer Data Collector............................................................................................ 6-8

6.3 LDoms Manager のインストール ................................................................................................. 6-9 6.3.1 インストールアーカイブの展開 ................................................................................. 6-9 6.3.2 インストーラの起動 ..................................................................................................... 6-9 6.3.3 インストールの確認 ................................................................................................... 6-11 6.3.4 環境変数の設定 ........................................................................................................... 6-11 6.3.5 Solaris Security Toolkit(SST)によるセキュリティ設定の変更........................... 6-12 6.3.6 ハードウェア監視機能の確認・再設定.................................................................... 6-14

ix C120-E534-05

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目 次

第 7 章 LDoms の運用....................................................................................................................7-1 7.1 ゲストドメインの状態確認・起動・停止 ................................................................................. 7-1

7.1.1 ドメインの状態確認..................................................................................................... 7-1 7.1.2 ドメインの起動............................................................................................................. 7-4 7.1.3 ゲストドメインからのドメインの停止 ..................................................................... 7-5 7.1.4 制御ドメインからのドメインの停止 ......................................................................... 7-6 7.1.5 ゲストドメインのクラッシュダンプ取得方法 ......................................................... 7-7

7.2 ゲストドメインのコンソール..................................................................................................... 7-8 7.2.1 ゲストドメインのコンソールへの接続および

ゲストドメインコンソールからの切断............................. 7-8 7.2.2 仮想コンソールのグループ化 ..................................................................................... 7-9

7.3 ゲストドメインへのネットワーク接続 ................................................................................... 7-10 7.3.1 制御ドメイン以外からの接続 ................................................................................... 7-10 7.3.2 制御ドメインからの接続........................................................................................... 7-11

7.4 ファイルシステムの退避・復元............................................................................................... 7-12 7.5 本体電源の切断、制御ドメインの停止・再起動 ................................................................... 7-13 7.6 LDoms 関連サービスの起動・停止.......................................................................................... 7-14

7.6.1 Logical Domain Manager デーモン............................................................................. 7-14 7.6.2 仮想ネットワーク端末サーバデーモン ................................................................... 7-14

7.7 一時的なドメインの構成変更................................................................................................... 7-15 7.7.1 仮想 CPU の追加・削除 ............................................................................................. 7-15 7.7.2 メモリの追加・削除................................................................................................... 7-16

7.7.2.1 ゲストドメイン........................................................................................... 7-16 7.7.2.2 制御ドメイン............................................................................................... 7-17

7.7.3 仮想ディスクの追加・削除 ....................................................................................... 7-18 7.7.3.1 仮想ディスクの追加 ................................................................................... 7-18 7.7.3.2 仮想ディスクの削除 ................................................................................... 7-19

7.7.4 仮想ネットワークデバイスの追加・削除 ............................................................... 7-20 7.7.4.1 仮想ネットワークデバイスの追加 ........................................................... 7-20 7.7.4.2 仮想ネットワークデバイスおよび仮想スイッチサービスの削除 ....... 7-21

7.7.5 OBP 変数の変更、device-alias 等の変更 ........................................................... 7-22 7.8 ゲストドメインの構成情報の採取・復旧 ............................................................................... 7-23

7.8.1 ゲストドメインの構成情報の採取 ........................................................................... 7-23 7.8.2 ゲストドメインの復旧............................................................................................... 7-23

7.8.2.1 ゲストドメインの削除 ............................................................................... 7-23 7.8.2.2 ゲストドメインの再構築 ........................................................................... 7-23

7.9 制御ドメインからの LDoms 構成の切り替え ......................................................................... 7-24 7.10 システムコントローラからの LDoms 構成の切り替え ......................................................... 7-25 7.11 LDoms 環境の削除方法.............................................................................................................. 7-26

7.11.1 ゲストドメインの削除............................................................................................... 7-26 7.11.2 LDoms 構成の削除...................................................................................................... 7-27

7.12 LDoms の削除および再インストール方法 .............................................................................. 7-28 7.12.1 ゲストドメインの削除............................................................................................... 7-28 7.12.2 LDoms 構成の削除...................................................................................................... 7-28 7.12.3 LDoms Manager の削除............................................................................................... 7-28 7.12.4 LDoms Manager のインストール.............................................................................. 7-29 7.12.5 ドメインの構築........................................................................................................... 7-29

C120-E534-05 x

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目 次

第 8 章 部品交換時に必要な作業について .....................................................................................8-1 8.1 サービスエンジニアによる部品交換作業について.................................................................. 8-2 8.2 部品交換前のシステム停止について ......................................................................................... 8-2 8.3 部品交換後の LDoms 構築について ........................................................................................... 8-3

第 9 章 バグ情報および注意事項 ...................................................................................................9-1 9.1 バグ情報および注意事項 ............................................................................................................. 9-1

第 10 章 機種別留意事項..............................................................................................................10-1 10.1 Logical Domains 1.2 の動作環境................................................................................................. 10-1 10.2 SPARC Enterprise T5120/T5220 留意事項 ....................................................................... 10-2

10.2.1 LDoms の動作環境および推奨構成 ...................................................................... 10-2 10.2.2 LAN に関する注意事項 ........................................................................................... 10-2

10.3 SPARC Enterprise T5140/T5240 留意事項 ....................................................................... 10-2 10.3.1 LDoms の動作環境および推奨構成 ...................................................................... 10-2 10.3.2 LAN に関する注意事項 ........................................................................................... 10-3 10.3.3 増設カードの搭載について ..................................................................................... 10-4

10.4 SPARC Enterprise T5440 留意事項 .................................................................................... 10-4 10.4.1 LDoms の動作環境および推奨構成 ...................................................................... 10-4 10.4.2 LAN に関する注意事項 ........................................................................................... 10-5 10.4.3 増設カードの搭載について ..................................................................................... 10-5

10.5 I/O ドメインのハードウェア条件.......................................................................................... 10-5 10.6 補足事項 .................................................................................................................................... 10-6

10.6.1 SPARC Enterprise T5140 の場合 ................................................................................... 10-6 10.6.2 SPARC Enterprise T5240 の場合 ................................................................................... 10-7 10.6.3 SPARC Enterprise T5440 の場合 ................................................................................... 10-8

付録 A バックアップ・リストア手順............................................................................................ A-1 A.1 ファイルシステムの退避・復元 ................................................................................................ A-1 A.2 ゲストドメインのファイルシステムの退避・復元手順......................................................... A-3

A.2.1 ゲストドメイン用緊急 boot ディスクの割り当て.................................................... A-3 A.2.2 ゲストドメイン用緊急 bootOS のインストール ...................................................... A-4 A.2.3 ゲストドメインの退避 ................................................................................................ A-5 A.2.4 ゲストドメインの復元 ................................................................................................ A-6

A.3 制御ドメインのファイルシステムの退避・復元手順............................................................. A-7 A.3.1 ゲストドメインの停止 ................................................................................................ A-7 A.3.2 制御ドメインの停止 .................................................................................................... A-7 A.3.3 制御ドメイン用緊急 bootOS のインストール .......................................................... A-8 A.3.4 制御ドメインの退避 .................................................................................................... A-8 A.3.5 制御ドメインの復元 .................................................................................................... A-9 A.3.6 ゲストドメインの復元 .............................................................................................. A-10

A.4 I/O ドメインのファイルシステムの退避・復元手順 ............................................................ A-11 A.4.1 ゲストドメインの停止 .............................................................................................. A-11 A.4.2 I/O ドメインの停止 .................................................................................................... A-11 A.4.3 I/O ドメイン用緊急 boot ディスクの割り当て ....................................................... A-12 A.4.4 I/O ドメイン用緊急 bootOS のインストール .......................................................... A-13 A.4.5 ゲストドメインの退避 .............................................................................................. A-14 A.4.6 I/O ドメインの復元 .................................................................................................... A-15

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目 次

付録 B ZFS ファイルシステムの退避・復元手順.........................................................................B-1 B.1 手順記載上の注意......................................................................................................................... B-1 B.2 ZFS ファイルシステムの退避 ..................................................................................................... B-2 B.3 ZFS ファイルシステムの復元 ..................................................................................................... B-4

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図表目次

図表目次 図目次

図 1.1 LDoms(Logical Domains : 論理ドメイン)機能....................................................................... 1-1 図 1.2 動作環境(機種別) ...................................................................................................................... 1-4 図 2.1 パーティショニング方式 .............................................................................................................. 2-1 図 2.2 LDoms の適用例(旧 Solaris サーバからの移行) .................................................................... 2-2 図 2.3 LDoms の適用例(開発機とデバッグ機の使い分け).............................................................. 2-2 図 2.4 旧 Solaris サーバからのマイグレーション構成例 ..................................................................... 2-3 図 2.5 旧 Solaris サーバ(DB サーバ)からのマイグレーション構成例 ........................................... 2-4 図 2.6 開発機/デバッグ機で使用する場合の構成例 ............................................................................. 2-5 図 3.1 内蔵ディスクによる LDoms 構成例 1(UFS) ............................................................................... 3-7 図 3.2 内蔵ディスクによる LDoms 構成例 2(UFS) ............................................................................... 3-8 図 3.3 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 1 ...................................................................................... 3-9 図 3.4 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 2 .................................................................................... 3-11 図 3.5 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 3 .................................................................................... 3-12 図 3.6 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 4 .................................................................................... 3-13 図 3.7 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 5 .................................................................................... 3-14 図 3.8 内蔵ディスクによる LDoms 構成例 1(ZFS) .............................................................................. 3-15 図 3.9 仮想スイッチ(vsw)および仮想ネットワークデバイス(vnet)の割り当て.................... 3-16 図 3.10 制御ドメインで Link Aggregation 構成にする場合 ................................................................ 3-17 図 3.11 ゲストドメインでマルチパス構成にする場合....................................................................... 3-18 図 3.12 制御ドメインでマルチパス構成にする場合........................................................................... 3-18 図 5.1 S SPARC Enterprise T5140 での構成例......................................................................................... 5-6 図 6.1 ログイン画面 .................................................................................................................................. 6-2 図 6.2 Firmware Upgrade 画面 .................................................................................................................. 6-3 図 6.3 Enter Upgrade 画面.......................................................................................................................... 6-3 図 6.4 Firmware Upgrade 画面 ................................................................................................................... 6-4 図 6.5 Firmware Upgrade 画面 ................................................................................................................... 6-4 図 6.6 Firmware Upgrade 画面 ................................................................................................................... 6-5 図 6.7 Firmware Upgrade 画面 ................................................................................................................... 6-5 図 8.1 部品交換前のシステム停止作業の流れ ...................................................................................... 8-2 図 8.2 部品交換後の LDoms 構築作業の流れ ........................................................................................ 8-3 図 10.1 SPARC Enterprise T5140 の場合.............................................................................................. 10-3 図 10.2 SPARC Enterprise T5240 の場合.............................................................................................. 10-3 図 10.3 SPARC Enterprise T5140/T5240 のスロット位置と I/O デバイス ....................................... 10-4 図 10.4 SPARC Enterprise T5440 のスロット位置と I/O デバイス ................................................... 10-5 図 10.5 SPARC Enterprise T5140 構成パターン 1............................................................................... 10-6 図 10.6 SPARC Enterprise T5140 構成パターン 2(XAUI カードを実装しない場合) ................ 10-6 図 10.7 SPARC Enterprise T5240 構成パターン 1............................................................................... 10-7 図 10.8 SPARC Enterprise T5240 構成パターン 2(XAUI カードを実装しない場合) ................ 10-7 図 10.9 SPARC Enterprise T5440 構成パターン 1............................................................................... 10-8 図 10.10 SPARC Enterprise T5440 構成パターン 2(XAUI カードを実装しない場合) ................ 10-8 図 10.11 SPARC Enterprise T5440 構成パターン 3(XAUI カードを実装しない場合) ................ 10-9

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図表目次

C120-E534-05 xiv

表目次

表 1.1 パーティショニング方式の比較....................................................................................................1-2 表 3.1 動作検証済みミドルウェア............................................................................................................3-2 表 4.1 ハードウェア資源割当表................................................................................................................4-7 表 5.1 ハードウェア資源割当表................................................................................................................5-5 表 9.1 バグ情報および注意事項(LDoms1.0.2 以降) ...........................................................................9-1 表 9.2 バグ情報および注意事項(LDoms1.1)..........................................................................................9-5 表 9.3 バグ情報および注意事項(LDoms1.2)..........................................................................................9-8 表 9.4 ドメインの依存関係に関する注意事項(LDoms1.2) .............................................................9-11 表 10.1 Logical Domains 1.2 の動作環境 .................................................................................................10-1 表 10.2 SPARC Enterprise T5120/T5220 の推奨構成..............................................................................10-2 表 10.3 SPARC Enterprise T5140/T5240 の推奨構成..............................................................................10-2 表 10.4 SPARC Enterprise T5140/T5240 にて 10GbitEthernet XAUI カードを搭載する場合の場合.10-3 表 10.5 SPARC Enterprise T5440 の推奨構成 .........................................................................................10-4 表 10.6 SPARC Enterprise T5440 にて 10GbitEthernet XAUI カードを搭載する場合の場合 ............10-5

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第1章 Logical Domainsについて ここでは、LDoms(Logical Domains:論理ドメイン)の概要について説明します。

1.1 Logical Domains とは LDoms とは、SPARC プラットフォーム上で動作する仮想ハードウェア環境です。

この機能を使用すると、1 つのプラットフォームを複数の仮想サーバ環境に分割

し、それぞれで独立したオペレーティングシステムを実行することが可能になり

ます。

図 1.1 LDoms(Logical Domains : 論理ドメイン)機能

C120-E534-05 1-1

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Logical Domains について

1.2 パーティショニング方式の違い SPARC Enterprise M4000 以上のサーバでは、ハードウェアパーティション機能に

よるハードウェアの分割が可能です。また SPARC Enterprise 全機種で、Solaris OS機能による Solaris コンテナ環境の構築が可能です。

各パーティショニング方式には、以下のような特徴があります。

表1.1 パーティショニング方式の比較

ハードウェア パーティション 論理ドメイン(LDoms) Solaris コンテナ

ハードウェアでの分割 ファームウェア層での分割 OS 層での分割

分割方式

Mxxxx ○

(M4000 以上) × ○

対象装置 T5xxx × ○ ○

障害

隔離性

◎ ハードウェア層で隔離

◎ OS の隔離性を確保

(IO のみドメインで共用)

△ アプリ層の独立性を確保

(OS カーネルは共通)

信頼性 区

画間の

セキュリティ

◎ 区画(パーティション)間

で、ファイル・プロセスへ

のアクセス不可

○ 区画(ゲストドメイン)間

で、ファイル・プロセスへ

のアクセス不可

○ 区画(Zone)間で、ファイ

ル・プロセスへのアクセス

不可 ただし、Global Zone から

各 Zone のファイル・プロ

セスへのアクセスは可

最大分

割可能

△ 24 分割(M9000 の場合)

○ 128 分割(T5440 の場合) 機種別の詳細は、「10 章

機種別留意事項」を参照の

こと

◎ 8,191 分割(全機種)

性 CPUリソー

ス配分

単位

△ XSB 単位

○ CPU スレッド単位

◎ %単位

1-2 C120-E534-05

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1.3 パーティショニング方式の違い

C120-E534-05 1-3

ハードウェア パーティション 論理ドメイン(LDoms) Solaris コンテナ

設計 コスト

○ ハードウェア資源の初期設

定、複数 OS のインストー

ルが必要

○ 資源割り当て方針の策定、

複数 OS のインストールが

必要

◎ ハードウェア設計が不要

コスト

管理 コスト

○ 複数システム管理のため、

コストが必要

○ 複数システム(OS)管理の

ため、コストが必要

◎ 単一システム(OS)によ

る管理が可能(パッチ適用

など) ただし、業務ごとの区画の

設定/管理は必要 従来システ

ムからの運

用の継続 旧 Solaris 機

から SPARC Enterprise(サーバ集

約)

◎ 構成/運用を変更せず移行可

(ただし、Solaris10 のみ)

◎ 構成/運用を変更せず移行可

(ただし、Solaris10 のみ)

△ OS 統一によるシステム構

成や運用方法の見直しが必

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Logical Domains について

1.3 ハイパーバイザとは Ultra SPARC T2/T2 Plus プロセッサは、以下の 3 つの動作モードを持っています。

• Nonprivileged mode (User mode) • Privileged mode (Supervisor mode) • Hyperprivileged mode (Hypervisor mode)

図 1.2 Ultra SPARC T2/T2 Plus プロセッサの動作モード

Ultra SPARC T2/T2 Plus プロセッサは、これらの動作モードを使用して、カーネ

ル( Supervisor mode )から必要に応じて制御権を得るハイパーバイザ

(Hyperprivileged mode)を設け、複数のユーザプロセスを単一のカーネル配下で

同時動作させるのと同様の仕組みで、複数のカーネルをハイパーバイザのコント

ロール下で動作させます。

ハイパーバイザは EEPROM に格納されるファームウェアの一部として提供され

ます。

1-4 C120-E534-05

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1.4 論理ドメイン(Logical Domains)の役割

C120-E534-05 1-5

1.4 論理ドメイン(Logical Domains)の役割 LDoms 環境では、役割ごとに 4 種類の論理ドメインが存在します。

• 制御ドメイン(コントロールドメイン) Logical Domains Manager をインストールしたドメインです。 他のドメインを作成および管理したり、仮想リソースを割り当てたりす

ることができます。プラットフォームで 1 つ存在します。 • I/O ドメイン

PCI カードなどの物理 I/O デバイスに対し、所有権を持ち、直接アクセ

スできるドメインです。 設定できる I/O ドメインの数は、使用するプラットフォームによって異

なります。 • サービスドメイン

I/O ドメインと連携して、他のドメインに仮想デバイスサービスを提供

するドメインです。 仮想デバイスサービスには、ディスク、ネットワーク、およびコン

ソールがあります。 • ゲストドメイン

制御ドメインによって管理され、I/O ドメインおよびサービスドメイン

の仮想デバイスサービスを利用するドメインです。 一般的に、顧客アプリケーションが動作するドメインです。

各論理ドメインでは、独立した OS が動作します。1つの論理ドメインは複数の

役割を持つことが可能です。一般的に、制御ドメインは I/O ドメインとサービス

ドメインを兼ねます。本書では、これを制御ドメインと呼びます。 また、ゲストドメインは I/O ドメインとサービスドメインを兼ねるものと、兼ね

ないものがあります。本書では、前者をゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)、

後者をゲストドメインと呼びます。

業務サーバ 1 業務サーバ2 業務サーバ3

制御ドメイン

ダイレクト I/O

仮想ディスク サーバ

ゲストドメイン

仮想ディスク クライアント

ゲストドメイン (I/Oドメイン)

ダイレクト I/O

仮想ディスク

サーバ

ゲストドメイン

仮想ディスク クライアント

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Logical Domains について

1.5 仮想ハードウェアの種類 • 仮想 CPU

Ultra SPARC T2/T2 Plus CPU の特長である、スレッドを最小単位とする最大

128 個の仮想 CPU をそれぞれのドメインに割り当てることができます。仮想

CPU はドメインを停止せずに制御ドメインから追加・削除の操作ができます。

• メモリ Solaris OS が管理する最小の物理メモリセグメント、8 キロバイト単位で、

それぞれのドメインに割り当てることができます。

• 仮想ディスク サービスドメインの仮想ディスクサービス(vds)が物理的なディスクを制

御し、それぞれのドメインに仮想ディスクを提供します。 仮想ディスクの実体として以下を使用することができます。ただし、現時点

では実体の種類によって制約があります。 − 物理ディスク − ディスクスライス

注)Solaris10 10/08 より前のリリースはブートディスク不可 − UFS ファイル − ループバックファイルシステム(ブートディスク不可) − Solaris ZFS ボリューム/ZFS ファイル(LDoms1.1 以降でサポート)

• 仮想コンソール 制御ドメインが提供するコンソールサービスにより、それぞれのドメインの

仮想コンソールに telnet コマンドでアクセスできます。

• 仮想ネットワーク それぞれのドメインに仮想ネットワークデバイス(vnet)を定義することが

できます。仮想ネットワークデバイスはサービスドメインの仮想スイッチ

(vsw)を経由して他のドメインや物理的なネットワークと通信します。

• 仮想暗号ユニット UltraSPARC T2/T2Plus プロセッサが 1 コアあたり 1 個装備している暗号ユ

ニットを仮想化して任意のドメインに割り当てることができます(現在、サ

ポートされていません)。

注)上記の機能のうち、富士通ではサポートしていない機能があります。 詳細については、2 章以降を参照してください。

1.6 Logical Domains の動作環境 LDoms の動作環境は機種や LDoms のバージョンによって異なります。 詳細は、「10 章 機種別留意事項」を参照してください。

1-6 C120-E534-05

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第 2 章 LDoms適用のポイント

ここでは、LDoms を実際の業務に適用する場合に考慮が必要な事項について説

明しています。

2.1 パーティションの選択指針 富士通では、LDoms、ハードウェアパーティション、および Solaris コンテナの 3つのパーティショニング方式をサポートしています。業務の特性に合わせて、最

適なパーティショニング方式を選択してください。

図 2.1 パーティショニング方式

Solaris 10 コンテナ最大8,191個の仮想OS

OS層で業務の独立性を確保

動的リソース配分

リソース分割を細分化(%単位)

LDoms• ファームウェア層で業務の独立性を確保

• スレッド単位の分割が可能

• 柔軟な資源活用(CPU動的変更)

• 従来システムからの簡易な移行

ハードウェアパーティション• ハードウェア層で業務の独立性を確保(最大24分割可能)

• Dynamic Reconfiguration (DR)による柔軟な資源活用

• 従来システムからの簡易な移行

M4000/M5000/M8000/M9000 T5120/T5220/T5140/T5240/T5440

障害隔離性

柔軟性

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LDoms 適用のポイント

2.2 LDoms の用途 LDoms には、以下のような用途があります。

2.2.1 旧Solarisサーバからの移行 • SPARC Enterprise T5120(4core)の場合

旧 Solaris サーバ(800MHz, 2CPU)を 3 台統合することが可能です。 • SPARC Enterprise T5120(8core)の場合

旧 Solaris サーバ(800MHz, 4CPU)を 3 台統合することが可能です。

図 2.2 LDoms の適用例(旧 Solaris サーバからの移行)

3旧装置 旧装置 旧装置

2.2.2 開発機とデバッグ機の使い分け ゲストドメインの 1 つのドメインにソース管理等を行う開発機、他のゲストドメ

インにデバッグ機 A/B 等を割り当てることにより、効率的な開発環境を実現でき

ます。

図 2.3 LDoms の適用例(開発機とデバッグ機の使い分け)

3

2-2 C120-E534-05

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2.3 LDoms 適用業務

2.3 LDoms 適用業務 LDoms の動作は、制御ドメイン(コントロールドメイン)に依存します。CPU/メモリ資源等のオーバーヘッドはほとんどありません。仮想 I/O については若干

のオーバーヘッドがあります。適用できる業務を以下に示します。

• Web/AP サーバなど ロードバランスやミドルウェアによって冗長化機能を備えているソフトウェ

ア • ミドルウェアエージェント、アプリケーション

万一の停止時に、再起動で回復対応可能なソフトウェア • 開発機

本番機相当の業務継続性や高い I/O 性能を要しないもの

図 2.4 旧 Solaris サーバからの統合例

旧装置 旧装置 旧装置

C120-E534-05 2-3

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LDoms 適用のポイント

図 2.5 旧 Solaris サーバ(Web サーバ、AP サーバ、DB サーバ)の統合例

2-4 C120-E534-05

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2.4 LDoms 性能について

図 2.6 開発機/デバッグ機で使用する場合の構成例

2.4 LDoms 性能について CPU/メモリ資源のオーバーヘッドはほとんどありません。

CPU 負荷の影響を与えないように、制御ドメイン/I/O ドメイン/ゲストドメイン

に対しコア単位で割り当てをしてください。

SPARC Enterprise T5120/T5220 は仮想 I/O のみとなりますので、ゲストドメイン

で動作する業務を含めた全体の業務を考慮してください。

仮想 I/O は、制御ドメインまたは I/O ドメインを経由して I/O を利用するため、

I/O 装置を直接利用するダイレクト I/O に比べ性能が劣化する場合があります。

I/O 性能が重要な業務では、事前検証を推奨します。検証設備が必要な場合は、

Platform Solution Center にお問い合わせください。 ゲストドメインで仮想ネットワークデバイス(vnet)を使用する場合、制御ドメ

インや I/O ドメインの CPU(スレッド)の負荷が上昇します。

1つの NIC(Network Interface Card)の処理が制御ドメインまたは I/O ドメイン

の 1 つの CPU(スレッド)に割り当てられるため、制御ドメインや I/O ドメイン

の特定の CPU に負荷が集中します。負荷の集中を避けるために、使用する vnetの数だけ制御ドメインまたは I/O ドメイン側に NIC を搭載し、その NICの数だけ

制御ドメインまたは I/O ドメインに CPU(スレッド)を割り当てることを推奨し

ます。

C120-E534-05 2-5

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第3章 LDoms構成設計

ここでは、LDoms 構成設計に関する注意事項について説明します。

3.1 適用を検討する上での留意事項

3.1.1 構成について

• ゲストドメインに Solaris OS をインストールするにはインストールサーバが

必要です。 • LDoms を 導 入 す る に あ た っ て 、 内 蔵 デ ィ ス ク の ミ ラ ー リ ン グ

(PRIMECLUSTER GDS、Solaris ボリュームマネージャ、ZFS)を行ってく

ださい。 • Enhanced Support Facility(ESF)は、制御ドメイン、ゲストドメイン(I/O ド

メイン兼用を含む)およびゲストドメインのそれぞれにインストールしてく

ださい。 • CPU は、制御ドメイン、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)およびゲスト

ドメインに対し、コア単位で割り当ててください。 • REMCS(REMote Customer Support system)を利用する場合は、ESF ユー

ザーズガイド REMCS 編の「Logical Domains(LDoms)における REMCS の

設定方法」を参照してください。

• 以下の機能をサポートしています。

− ドメイン上の Solaris コンテナ(注) − ジャンボフレーム − リンク集積体(Link Aggregation) − 仮想ディスクバックエンドの複数回エクスポート − ドメイン依存関係の構成 注)ドメイン上に Solaris コンテナを構築した場合、該当ドメインに対する

以下の機能が制限となります。 − Solaris 8、および Solaris9 コンテナ − 仮想 CPU の動的再構成 − アクティブなドメインの移行

• 以下の機能は未サポートです。

− 仮想ディスクのマルチパス構成 − NIU(Network Interface Unit)Hybrid I/O − CPU Power Management − 仮想 I/O デバイスのデバイス番号定義 − SAN Boot − Physical–to–Virtual 移行ツール ldmp2v(1M) − 構成情報の自動回復 − Logical Domains Configuration Assistant

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LDoms 構成設計

3.1.2 ミドルウェアサポート • セキュリティ上、制御ドメインに業務アプリケーションをインストールしな

いでください。 • 制御ドメインには、基本的にミドルウェアをインストールしないでください。

ただし以下のミドルウェアは、制御ドメインにインストールしてください。 − Enhanced Support Facility

必ずインストールしてください。また、各ドメインにもインストール

が必要です。 詳細については、Enhanced Support Facility(ESF)のマニュアルを参照

してください。 − PRIMECLUSTER GDS

ダイレクト I/O で接続されたディスクに対して GDS の設定ができます。 − Solaris ボリュームマネージャ

ダイレクト I/O で接続されたディスクに対して Solaris ボリュームマ

ネージャの設定ができます。 − Server System Manager(SSM)エージェント

ゲストドメインに、SSM エージェントをインスールして使用すること

はできません(ゲストドメインの監視はできません)。 LDoms 機能を利用している環境では、SSM からの電源切断操作はでき

ません。 − PRIMECLUSTER GLS

ネットワークの冗長構成ができます(NIC 切り替えのみサポート)。

またゲストドメインでも使用できます。 • ゲストドメインでは、Solaris 10 で動作するミドルウェアの動作には問題あ

りません。 • 以下の製品は、ハードウェアを直接制御および監視しているため、ゲストド

メイン上で動作検証しています。

表3.1 動作検証済みミドルウェア 製品名 ゲストドメイン上

の動作可否 備考

Enhanced Support Facility 動作可 全ドメインへのインストール

が必要 Systemwalker CMGR 動作可 業務サーバのみドメイン配置

可 Systemwalker OMGR 動作可 Systemwalker SQC 動作可

• ISV(Independent Software Vendor)/IHV(Independent Hardware Vendor)に

ついては、各ベンダーにお問い合わせください。

3.1.3 I/Oサポート • SPARC Enterprise T5120/T5220では、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を

作成できません。 • 以下の内蔵 I/O は、ゲストドメインからは利用できません。

− グラフィックカード − シリアルポート − USB ポート

3-2 C120-E534-05

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3.2 LDoms 構成の概要

• DVD 装置は、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)から利用できます。 • ゲストドメインからテープ装置を利用する場合は、ネットワーク経由で外部

サーバのテープ装置を利用してください。

3.1.4 ネットワーク 仮想スイッチ(vsw)に割り当てられる NIC ドライバは、GLDv3(Generic LAN Driver version3)対応ドライバのみです。現在対応しているドライバは、

FUJITSU PCI GigabitEthernet(fjgi,版数 4.0 以降)、e1000g、nxge です。

3.1.5 保守 マザーボード等のハードウェア交換の際には、お客様、またはシステム管理者に

よる LDoms の再構築が必要になります。LDoms 構成設定の情報については、お

客様がバックアップを含めた管理をしてください。

3.2 LDoms 構成の概要 SPARC Enterprise T5120/T5220/T5140/T5240/T5440 では、機種によって LDoms 構成が異なります。

詳細は、「第 10 章 機種別留意事項」を参照してください。

3.3 LDoms 構成単位 各ドメインへの CPU/メモリのハード資源は、以下のように割り当てます。

• CPU は、制御ドメイン、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)、ゲストドメ

インに対し、コア単位で割り当ててください。 • メモリは、制御ドメインに対して、1GB 以上の割当てが必要です。制御ドメ

インには、4GB 以上のメモリ割当てを推奨します。必要に応じてメモリを増

設してください。 • ゲストドメインに仮想ディスクサービスを提供する、制御ドメインあるいは

ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)のメモリは、ゲストドメインのディス

ク I/O 負荷に応じて追加する必要があります。 • 高ディスク I/O 負荷となるアプリケーションプログラムの同時実行数が 3 以

上の場合は、以下を目安として制御ドメインあるいはゲストドメイン(I/Oドメイン兼用)にメモリを割り当ててください。

高ディスク I/O 負荷プログラ

ムの同時実行数 0~2 3 4 5 6 7

制御ドメイン・I/O ドメイン

のメモリ(GB) 4 5 6 7 8 9

• なお、仮想ディスクサービスを提供する制御ドメインあるいはゲストドメイ

ン(I/O ドメイン兼用)で sar -g コマンドを実行して出力される pgscan/s 値に 0 以外の値が継続する場合にはメモリ不足が発生している可能性がありま

す。詳細は、「Solaris のシステム管理 (上級編) 第 13 章 システムパフォーマ

ンスの監視(手順)」を参照してください。

C120-E534-05 3-3

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LDoms 構成設計

3-4 C120-E534-05

3.4 I/O 構築時のポイント ここでは、LDoms 環境で I/O 構築時のポイントおよび注意事項を説明します。

SPARC Enterprise T5120/T5220/T5140/T5240/T5440 では、以下のドメインを構成

できます。

• 制御ドメイン • ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)

注)T5120/T5220 を除きます。 • ゲストドメイン

ゲストドメインで大量のディスクアクセスを行う運用(データベースアクセス運

用など)の場合、ディスク装置を直接アクセスするゲストドメイン(I/O ドメイン

兼用)を構築します。ディスクアクセスが多いアプリケーションやミドルウェア

は、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)上で動作させるようにしてください。

また、ゲストドメインで大量のネットワークアクセスを行う運用(ファイル転送

など)の場合、ネットワークカード(Gigabit Ethernet カードなど)を直接アクセ

スするゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を構築します。ネットワークアクセス

が多いアプリケーションやミドルウェアは、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)

上で動作させるようにしてください。

同様に、ゲストドメインで大量のネットワークアクセスを行う運用(ファイル転

送など)の場合、ネットワークカード(Gigabit Ethernet カードなど)を直接アク

セスするゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を構築します。

ネットワークアクセスが多いアプリケーションやミドルウェアは、ゲストドメイ

ン(I/O ドメイン兼用)上で動作させるようにしてください。

業務サーバ 1 業務サーバ 2 業務サーバ 3

制御ドメイン

実 ディスク

ダイレクト I/O

仮想ディスク

サーバ

ゲストドメイン

仮想ディスク クライアント

ゲストドメイン (I/Oドメイン兼用)

実ディスク

ダイレクト I/O

仮想ディスク

サーバ

ゲストドメイン

仮想ディスク クライアント

• 制御ドメインは、1つ作成します。制御ドメインでは、業務を動作させるこ

とはできません。 • 上図で、制御ドメインと業務サーバ2(ゲストドメイン)は、I/O ドメイン、

サービスドメインを兼用した例です。サービスドメインを兼用しない構成も

可能です。

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3.4 I/O 構築時のポイント

• 上図で、業務サーバ 1 と 3(ゲストドメイン)の I/O は、仮想化 I/O で構成

された例です。 • SPARC Enterprise T5120/T5220/T5140/T5240/T5440 では、機種によってゲス

トドメイン(I/O ドメイン兼用)を作成できる数が異なります。 また、ゲストドメイン(I/Oドメイン兼用)を作成できない機種があります。

詳細は、「第 10 章 機種別留意事項」を参照してください。

3.4.1 ディスク装置の割当て • 内蔵ディスクは、ダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 • 外付けディスク(ファイルユニット装置、ディスクアレイ装置)は、ダイレ

クト I/O で制御ドメイン、またはゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)に接

続します。 • 制御ドメインのシステムディスクには、内蔵ディスクを使用してください。 • ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)で使用するディスク(システムディス

ク含む)は、ダイレクト I/O で接続したディスクを推奨します。 • 制御ドメインには、ダイレクト I/O で NIC の割り当てを行ってください。 • ダイレクト I/O がないゲストドメインには、仮想ディスク、および仮想ネッ

トワークを割り当てます。制御ドメイン、またはゲストドメイン(I/O ドメ

イン兼用)からの割当てを行います。 • 仮想ディスクには以下のいずれかを割り当てます。

− UFS 上で作成したファイル − ZFS 上で作成したファイル、またはボリューム − SVM ボリューム − 物理デバイス(ディスクスライスを含みます)

• 内蔵ディスク • SCSI カード(SE0X7SC2F)接続のファイルユニット(PW0G7FL1F) • SAS カード(SE0X7SA1F)接続のファイルユニット(SE0X9FL1F) • 8GFC カード(SE0X7F22F,SE0X7F21F)接続の ETERNUS

2000/3000/4000/6000/8000 シリーズ • 内蔵ディスクおよび外付けファイルユニット装置は、PRIMECLUSTER GDS、

Solaris ボリュームマネージャ、または ZFS でミラーリングしてください。 • 制御ドメイン、またはゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)で使用するディ

スクと、仮想ディスクに割り当てるディスクは、できるだけ別ディスクにし

てください。同一ディスクを使用する場合は、パーティションを分けてくだ

さい。 ドメインごとに別ディスクを割り当てることを推奨します。

• 仮想 I/O デバイスの削除を行わないようにしてください。

3.4.2 RAIDソフトウェア利用時の注意事項 • RAID ソフトウェアは、ダイレクト I/O が接続される制御ドメイン、または

ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)にインストールして利用します。他ゲ

ストドメインでの利用は未サポートです。 − Solaris ボリュームマネージャ(以降、Solaris VM)も、ダイレクト I/O

が接続される制御ドメイン、またはゲストドメイン(I/O ドメイン兼

用)で利用します。

C120-E534-05 3-5

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LDoms 構成設計

• 制御ドメイン、またはゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)でミラーリング

したディスクを、他のゲストドメインに仮想ディスクとして割り当てること

ができます。 • PRIMECLUSTER GDS(以降、GDS)の GDS 運用管理ビューを利用する場

合は、クライアントの Web ブラウザからアクセスできるように、Solaris Security Toolkit(SST)のセキュリティ設定を変更してください。

3.4.3 ディスクアレイ装置(ETERNUS、Sun STK)接続時の注意事項

• ETERNUS マルチパスドライバ(ETMPD)、Sun STK Traffic Manager (MPxIO)は、制御ドメイン、またはゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)

で使用することができます。また、このディスクを仮想ディスクに割り当て

ることが可能です。

3-6 C120-E534-05

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3.5 LDoms 構成例

C120-E534-05 3-7

3.5 LDoms 構成例

3.5.1 構成例 1 内蔵ディスクで LDoms を構築する方法で、UFS を使用した、制御ドメイン、各

ゲストドメインに専用ディスクを割り当てることができる場合の例です。各ドメ

インに割り当てたディスクは、システムディスク、データディスクとして利用が

可能です。

制御ドメイン

GDS/Solaris VM

によるミラー

UFS

ゲスト ドメインA

仮想ディスク

ゲスト ドメインB

ゲスト ドメインC

仮想 ディスク

仮想ディスク

HDD4 HDD5 HDD6 HDD7

内蔵ディスク

制御ドメイン ゲスト ドメイン C

ゲストドメイン B

ゲストドメイン A

GDS/Solaris VM によるミラーリング

HDD1 HDD2 HDD3 HDD0

構築ポイント 1) 内蔵ディスクは、ダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 2) 制御ドメインには内蔵ディスクを使用します。 3) 制御ドメインで内蔵ディスクをミラーリングします(GDS、Solaris VM、

ZFS の利用が可能です)。 4) 各ゲストドメインに専用のディスクを割り当て、それぞれ UFS で初期化、

制御ドメインにマウントします。 5) 各 UFS 上に、仮想ディスクとして割り当てるためのファイルを作成します

(下記の例では、3 つの UFS 上に 1 つずつファイルを作成しています)。 6) 作成したファイルを各ゲストドメインに仮想ディスクとして割り当てま

す。 図 3.1 内蔵ディスクによる LDoms 構成例 1

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LDoms 構成設計

3-8 C120-E534-05

3.5.2 構成例 2 内蔵ディスクで LDoms を構築する方法で、搭載ディスクが少なく、UFS を使用

した制御ドメイン、ゲストドメインでディスクを共有する場合の例です。各ドメ

インに割り当てたディスクは、システムディスク、データディスクとして利用が

可能です。

構築ポイント 1) 内蔵ディスクは、ダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 2) 内蔵ディスクを、制御ドメイン、ゲストドメイン用のパーティションに分

割します(複数のゲストドメインが存在する場合でも、ゲストドメインご

とにパーティションを分割する必要はありません)。 3) 制御ドメインは、制御ドメイン用パーティションを使用します。 4) 制御ドメインで内蔵ディスクをミラーリングします(GDS、Solaris VM、

ZFS の利用が可能です)。 5) ゲストドメイン用のパーティションを UFS で初期化し、制御ドメインにマ

ウントします。 6) UFS 上に、仮想ディスクとして割り当てるためのファイルを作成します(下記の

例では、各ゲストドメイン用に3つのファイルを作成しています)。 7) 作成したファイルを各ゲストドメインに仮想ディスクとして割り当てま

す。 図 3.2 内蔵ディスクによる LDoms 構成例 2

制御ドメイン

GDS/Solaris VM

によるミラー

UFS

ゲスト ドメインA

仮想 ディスク

ゲスト ドメインB

ゲスト ドメインC

仮想 ディスク

仮想 ディスク

内蔵ディスク

GDS/Solaris VM による ミラーリング

HDD0

HDD1

ゲストドメイン用 パーティション

制御ドメイン用 パーティション

ゲストドメイン用 パーティション

制御ドメイン用 パーティション

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3.5 LDoms 構成例

3.5.3 構成例 3 UFS を使用し、内蔵ディスクと外付けファイルユニット装置で LDoms を構築す

る方法(1)です。各ドメインに割り当てたディスクは、システムディスク、

データディスクとして利用が可能です。

構築ポイント 1) 制御ドメインには、ダイレクト I/O で接続された内蔵ディスクを使用し、

ミラーリングします(GDS、Solaris VM、ZFS の利用が可能です)。 2) 外付けファイルユニットはダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 3) 制御ドメインで外付けファイルユニットのディスクをミラーリングします

(GDS、Solaris VM、ZFS の利用が可能です)。 4) 各ゲストドメインに専用のディスクを割り当て、それぞれを UFS で初期化

し、制御ドメインにマウントします。 5) 各 UFS 上に、仮想ディスクとして割り当てるためのファイルを作成します(下記

の例では、3つのUFS 上に、1つずつファイルを作成しています)。 6) 作成したファイルを各ゲストドメインに仮想ディスクとして割り当てま

す。 図 3.3 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 1(UFS)

制御ドメイン

GDS/Solaris VM

によるミラー

UFS

ゲスト ドメインA

仮想 ディスク

ゲスト ドメインB

ゲスト ドメインC

仮想 ディスク

仮想 ディスク

HDD4 HDD5 HDD6

外付けファイルユニット

ゲスト ドメイン C

ゲスト ドメイン B

ゲストドメイン A

GDS/Solaris VM によるミラーリング

HDD1 HDD3

制御 ドメイン用

内蔵ディスク

制御 ドメイン用

HDD2 GDS/Solaris VM によるミラーリング

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LDoms 構成設計

3.5.4 構成例 4 UFS を使用し、内蔵ディスクと外付けファイルユニット装置で LDoms を構築す

る方法(2)です。各ドメインに割り当てたディスクは、システムディスク、

データディスクとして利用が可能です。

構築ポイント 1) 内蔵ディスクは、ダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 2) 制御ドメインには内蔵ディスクを使用します。 3) 制御ドメインで内蔵ディスクをミラーリングします(GDS、Solaris VM、

ZFS の利用が可能です)。 4) ゲストドメイン A 用のディスクを割り当て、UFS で初期化し、制御ドメイ

ンにマウントします。 5) UFS 上に、仮想ディスクとして割り当てるためのファイルを作成します。

6) 作成したファイルをゲストドメイン A に仮想ディスクとして割り当てま

す。 7) 外付けファイルユニットはダイレクト I/O でゲストドメイン B に接続しま

す。 8) ゲストドメイン B はダイレクト I/O で接続されたディスクを使用します。 9) ゲストドメイン B で外付けファイルユニットのディスクをミラーリングし

ます(GDS、Solaris VM、ZFS の利用が可能です)。 10) ゲストドメイン C 用のディスクを割り当て、UFS で初期化し、制御ドメイ

ンにマウントします。 11) UFS 上に、仮想ディスクとして割り当てるためのファイルを作成します。

12) 作成したファイルをゲストドメイン C に仮想ディスクとして割り当

てます。

3-10 C120-E534-05

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3.5 LDoms 構成例

図 3.4 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 2(UFS)

制御ドメイン

GDS/Solaris VM

によるミラー

UFS

ゲスト ドメインA

仮想 ディスク

ゲスト ドメインC

仮想 ディスク

制御ドメイン ゲストドメイン A

HDD2

HDD3

HDD0

GDS/Solaris VM によるミラーリング

ゲスト ドメインB

GDS/Solaris VM

によるミラー

HDD2 HDD3

GDS/Solaris VM によるミラーリング

UFS

制御ドメイン ゲスト ドメイン A

HDD1

ゲスト ドメイン B

ゲスト ドメイン C

HDD0 HDD1

内蔵ディスク 外付けファイルユニット

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LDoms 構成設計

3.5.5 構成例 5 UFS を使用し、ディスクアレイ装置を制御ドメインに接続して、LDoms を構築

する方法です。 ゲストドメインに割り当てたディスクは、システムディスク、データディスクと

して利用が可能です。

構築ポイント 1) 制御ドメインは、ダイレクト I/O で接続された内蔵ディスクを使用し、ミ

ラーリングします(GDS、Solaris VM、ZFS の利用が可能です)。 2) ディスクアレイ上に、各ゲストドメイン専用の LU を構築します。 3) すべての LU は、ダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 4) 必要に応じて、制御ドメインでマルチパス制御を使用します(ETERNUS

使用時は ETMPD、Sun STK 使用時は MPxIO の利用が可能です)。 5) 各 LU をそれぞれ UFS で初期化し、制御ドメインにマウントします。 6) 各 UFS 上に、仮想ディスクとして割り当てるためのファイルを作成します(下記

の例では、3つのUFS 上に、1つずつファイルを作成しています)。 7) 作成したファイルを各ゲストドメインに仮想ディスクとして割り当てます。

図 3.5 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 3

ゲスト

ドメインA

仮想 ディスク

ゲスト ドメインB

ゲスト ドメインC

仮想 ディスク

仮想 ディスク

ディスクアレイ装置

ETERNUS / Sun STK

ゲスト ドメイン A 用 LU

ゲスト ドメイン B 用 LU

ゲスト ドメイン C 用 LU

制御ドメイン

ETMPD/

MPxIO

UFS

GDS/Solaris VM

によるミラー

制御 ドメイン用

内蔵ディスク

制御 ドメイン用

GDS/Solaris VM によるミラーリング

備考.ゲストドメイン B・C もゲストドメイン A と同様

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3.5 LDoms 構成例

3.5.6 構成例 6 UFS を使用し、内蔵ディスクで LDoms を構築する方法です。各ドメインに割り

当てたディスクは、システムディスク、データディスクとして利用が可能です。

構築ポイント 1) 内蔵ディスクは、ダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 2) 制御ドメインには内蔵ディスクを使用します。 3) 制御ドメインで内蔵ディスクをミラーリングします(GDS、Solaris VM、

ZFS の利用が可能です)。 4) ゲストドメイン A、B に専用のディスクを割り当て、それぞれ UFS で初期

化し、制御ドメインにマウントします。 5) 各 UFS 上に、仮想ディスクとして割り当てるためのファイルを作成します

(下記の例では、2つのUFS 上に、1つずつファイルを作成しています)。 6) 作成したファイルを各ゲストドメインに仮想ディスクとして割り当てます。 7) ディスクアレイ上に、ゲストドメイン C 専用の LU を構築します。 8) すべての LU は、ダイレクト I/O でゲストドメイン C に接続します。 9) ゲストドメイン C はダイレクト I/O で接続されたディスクを使用します。 10) 必要に応じて、制御ドメインでマルチパス制御を使用します(ETERNUS

使用時は ETMPD、Sun STK 使用時は MPxIO の利用が可能です)。

図 3.6 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 4

制御ドメイン

GDS/Solaris VM

によるミラー

UFS

ゲスト ドメインA

仮想 ディスク

ゲスト ドメインB

仮想 ディスク

HDD3

HDD4

HDD0

内蔵ディスク

ゲスト ドメインC

ETMPD/

MPxIO

UFS

制御ドメインゲスト ドメイン A

HDD1

HDD5

ゲスト ドメイン B

HDD2

GDS/Solaris VM によるミラーリング

ディスクアレイ装置

ETERNUS / Sun STK

ゲスト ドメイン B用 LU

ゲスト ドメイン C用LU

C120-E534-05 3-13

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LDoms 構成設計

3.5.7 構成例 7 内蔵ディスクと外付けファイルユニット装置を使用した Solaris VM で LDoms を構築する方法です。各ドメインに割り当てたディスクは、システムディスク、

データディスクとして利用が可能です。

構築ポイント 1) 内蔵ディスクは、ダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 2) 制御ドメインには内蔵ディスクを使用します。 3) 制御ドメインで内蔵ディスクを Solaris VM でミラーリングします。 4) ゲストドメイン A 用のディスクで作成した Solaris VM のボリュームをゲス

トドメイン A に仮想ディスクとして割り当てます。 5) 外付けファイルユニットはダイレクト I/O でゲストドメイン B に接続しま

す。 6) ゲストドメイン B はダイレクト I/O で接続されたディスクを使用します。 7) ゲストドメイン B で外付けファイルユニットのディスクを Solaris VMでミ

ラーリングします。 8) ゲストドメイン C 用のディスクで作成した Solaris VM ボリュームをゲスト

ドメイン C に仮想ディスクとして割り当てます。

図 3.7 ダイレクト I/O による LDoms 構成例 5

制御ドメイン

Solaris VM

によるミラー

ボリューム

ゲスト ドメインA

仮想 ディスク

ゲスト ドメインC

仮想 ディスク

制御ドメインゲスト ドメイン A

HDD2

HDD3

HDD0

Solaris VM によるミラーリング

ゲスト ドメインB

Solaris VM

によるミラー

ボリューム

HDD2 HDD3

Solaris VM によるミラーリング

制御ドメイン ゲスト ドメイン A

HDD1

ゲスト ドメイン B

ゲスト ドメイン C

HDD0 HDD1

内蔵ディスク 外付けファイルユニット

UFS UFS

3-14 C120-E534-05

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3.5 LDoms 構成例

3.5.8 構成例 8 内蔵ディスクで LDoms を構築する方法で、ZFS ファイルを仮想ディスクとして

割り当てる場合の例です。

構築ポイント 1) 内蔵ディスクは、ダイレクト I/O で制御ドメインに接続します。 2) 制御ドメインには内蔵ディスクを使用します。 3) 各ゲストドメインに専用のディスクを割り当て、それぞれ ZFS で初期化し

制御ドメインにマウントします。 4) マウントした ZFS 上に仮想ディスクとして割り当てるためのファイルを作

成します。 5) 作成したファイルを各ゲストドメインに仮想ディスクとして割り当てま

す。

図 3.8 内蔵ディスクによる LDoms 構成例 1(ZFS)

制御ドメイン

ZFS

ゲスト ドメインA

仮想ディスク

ゲスト ドメインB

仮想ディスク

HDD4

HDD5 HDD6

内蔵ディスク

制御ドメイン ゲストドメイン B

ゲストドメイン A

ZFS によるミラーリング

HDD1 HDD2

HDD0

C120-E534-05 3-15

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LDoms 構成設計

3.6 ネットワーク構築時のポイント ここでは、LDoms 環境でネットワークを構築する場合のポイントおよび注意事

項について説明します。

3.6.1 仮想スイッチ(vsw)および仮想ネットワークデバイス

(vnet)の割当て 複数のゲストドメインで vnet を使用する場合、下記の構成例のように異なる NICごとに vsw サービスを割当て、さらに vnet を割り当てることを推奨します。 複数のゲストドメインの vnet を、1つの NIC に割り当てた vsw に集約した場合、

各 vnet のスループット合計上限が1つの NIC のスループットに制限されます。

図 3.9 仮想スイッチ(vsw)および仮想ネットワークデバイス(vnet)の割当て

【構成例】

ゲスト ドメインA

ゲスト ドメインB

ゲスト ドメインC

制御ドメイン

NIC#0 NIC#1 NIC#2 NIC#3

vsw1

vnet1 vnet1 vnet1

vsw2 vsw3

• 1つの vsw サービスに対して、32 個以上の vnet を割り当てないでくださ

い。制御ドメインの負荷が非常に高くなり、ハング状態になる可能性が

あります。 • vnet での VLAN をサポートしています。 • vnet および vsw の Jumbo フレーム対応をサポートしています。

3-16 C120-E534-05

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3.6 ネットワーク構築時のポイント

3.6.2 マルチパス、NICの冗長構成 • 以下の条件において、Solaris 10 OS 標準の Link Aggregation 機能による NIC

の冗長構成が可能になります。 − NIC ドライバは、GLDv3 に対応している必要があります。 − 制御ドメインに Kernel Patch 127127-11 を適用する必要があります。 − 利用可能な構成は、制御ドメインで NIC デバイスをまとめたデバイス

(aggr)を vsw に割り当てる構成のみです。ゲストドメイン内で vnetを aggr にまとめることはできません。

図 3.10 制御ドメインで Link Aggregation 構成にする場合 【構成例】

ゲスト

ドメイン A

制御ドメイン

NIC#0 NIC#1 NIC#2

vsw0

vnet0

aggr0

C120-E534-05 3-17

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LDoms 構成設計

• Solaris 10 OS 標準の IP ネットワークマルチパス(IPMP)機能と LDoms を 組み合わせると、NIC の冗長構成が可能になります。 − ゲストドメインで IPMP を構成する場合 使用できる障害検出方法は、検査信号による障害検出のみです。リンク

状態監視による障害検出はサポートされていません。 図 3.11 ゲストドメインでマルチパス構成にする場合 【構成例】

ゲスト ドメイン A

制御ドメイン

NIC#0 NIC#1 NIC#2

vsw1

vnet1 vnet2

vsw2

IPMP グループ

− 制御ドメインでマルチパス構成にする場合

使用できる障害検出方法は、検査信号による障害検出およびリンク状

態監視による障害検出のいずれも使用できます。 図 3.12 制御ドメインでマルチパス構成にする場合 【構成例】

IPMP グループ

ゲスト

ドメインA 制御ドメイン

NIC#0 NIC#1

vsw0

vnet1 IP

(ルーティング)

3-18 C120-E534-05

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3.6 ネットワーク構築時のポイント

C120-E534-05 3-19

3.6.3 SPARC Enterprise T5140/T5240/T5440 のLANに関する注意事項 10GbitEthernet XAUI カードを搭載する場合、排他のためポートが使えなくなります。

詳細は、「第 10 章 機種別留意事項」を参照してください。

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第4章 構築手順(例Ⅰ) ここでは、制御ドメインとゲストドメインの構築手順を説明します。

4.1 構築前の注意事項

4.1.1 LDoms使用環境の確認 当社のサポート対象となる組合せについては、「第 10 章 機種別留意事項」を

参照してください。

4.1.2 ファームウェアの確認 システム監視機構には、 ALOM と ILOM の二種類あり、ファームウェアの確認

方法は ALOM と ILOM で異なります。以下の例では、それぞれのシステム監視

機能別にファームウェアの確認方法を説明します。 【ALOM の場合】 ファームウェアは、システムコントローラ(SC)から確認できます。

sc> showhost Sun System Firmware 7.2.2.e 2009/06/19 10:22 Host flash versions: Hypervisor 1.7.2.a 2009/05/05 19:32 OBP 4.30.2.b 2009/06/16 07:02 POST 4.30.2 2009/04/21 09:53

注) システムコントローラの CLI は、ALOM CMT シェルで実行した結果を表示

します。ALOM CMT シェルについては『Integrated Lights Out Manager 補足

マニュアル』を参照してください。

C120-E534-05 4-1

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構築手順(例Ⅰ)

【ILOM の場合】 -> show /HOST /HOST Targets: bootmode diag domain Properties: autorestart = reset autorunonerror = false bootfailrecovery = poweroff bootrestart = none boottimeout = 0 hypervisor_version = Hypervisor 1.7.2.a 2009/05/05 19:32 macaddress = 00:14:4f:97:b5:58 maxbootfail = 3 obp_version = OBP 4.30.2.b 2009/06/16 07:02 post_version = POST 4.30.2 2009/04/21 09:53 send_break_action = (none) status = Solaris running sysfw_version = Sun System Firmware 7.2.2.e 2009/06/19 10:22 Commands: cd set show

4.1.3 Logical Domains Manager Software(LDoms Manager)の確認 インストール済みの LDoms Manager は、以下の方法で確認します。 # pkginfo -l SUNWldm | grep VERSION VERSION: 1.2,REV=2009.06.25.09.48

サポートされていないパッケージがインストールされている場合は、以下の手順

で削除してください。 # pkginfo -l SUNWldm | grep VERSION VERSION: 1.2,REV=2009.06.25.09.48 # svcadm disable ldmd # svcadm disable vntsd # pkgrm SUNWldm SUNWjass

次のパッケージは現在インストールされています:

SUNWldm Logical Domains Manager (sparc.sun4v) 1.2,REV=2009.06.25.09.48

このパッケージを削除しますか [y,n,?,q] y

パッケージ削除後、サポートされているパッケージを以下の富士通公開サイトか

らダウンロードします。

http://primeserver.fujitsu.com/sparcenterprise/download/software/

4-2 C120-E534-05

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4.1 構築前の注意事項

4.1.4 制御ドメイン用オペレーティングシステム(OS)の確認 • Solaris 10 OS 8/07 以降の Solaris OS • 必須パッチ • インストールクラスタ

Core System Support(SUNWCreq)以上のクラスタを指定してインストール

Solaris リリース、パッチ、インストールクラスタは以下の方法で確認します。 # cat /etc/release Solaris 10 10/08 s10s_u6wos_07b SPARC Copyright 2008 Sun Microsystems, Inc. All Rights Reserved. Use is subject to license terms. Assembled 27 October 2008 # patchadd -p | grep 127111 Patch: 127127-11 Obsoletes: 118557-09 118560-02 118562-14 118843-01 120046-01 120068-03 120737-01 121132-03 121233-01 121239-02 121290-03 121721-01 121944-03 122363-02 122537-02 123360-01 123398-02 123564-01 123712-01 123836-01 123915-01 124235-03 124252-03 124256-06 125016-02 125037-06 125043-01 125081-16 125122-01 125131-01 125169-01 125196-05 125202-01 125251-02 125253-01 125367-03 125380-02 125382-01 125418-01 125482-03 125484-04 125490-02 125501-01 125553-03 125890-03 125899-01 125917-03 126135-01 126143-01 126144-02 126322-01 126423-03 126432-01 126434-06 126448-05 126450-01 126647-02 126664-01 126665-01 126666-01 126668-01 126670-01 126672-02 126916-01 127111-11 127716-01 127718-05 127728-06 127730-04 127732-01 127741-01 127745-01 127747-01 127749-03 127750-01 127753-02 127757-01 127761-01 127855-02 127858-01 127862-01 127874-01 127880-02 127918-02 127966-01 127982-01 127984-02 127990-02 127992-01 128002-01 128028-03 128030-03 128314-01 128404-01 128500-01 136718-01 136887-01 137044-01 137082-01 137113-01 Requires: 118731-01 118833-36 118918-24 119042-09 119254-51 119578-30 120011-14 120900-04 121133-02 121901-01 125891-01 126540-02 126897-02 127755-01 Incompatibles: Packages: SUNWcsu SUNWcsr SUNWcsl SUNWkvmt200 SUNWcart200 SUNWcar SUNWcakrnt2000 SUNWcakr FJSVhea SUNWkvm SUNWckr SUNWcsd SUNWcpcu FJSVcpcu SUNWcryr SUNWib SUNWfmd FJSVfmd SUNWperl584core SUNWesu SUNWmdb FJSVmdb SUNWmdbr FJSVmdbr SUNWpiclu FJSVpiclu SUNWzfskr SUNWsmapi SUNWzfsr SUNWzfsu SUNWzoneu SUNWcslr SUNWtsg SUNWtsu SUNWkrbr SUNWkrbu SUNWgss SUNWssad SUNW1394 SUNWmdr SUNWmdu SUNWintgige SUNWopenssl-libraries SUNWwbsup SUNWpapi SUNWippcore SUNWipplr SUNWipplu SUNWtnetc SUNWtnetd SUNWtoo SUNWaudit SUNWtsr SUNWusb SUNWtavor SUNWudapltu SUNWudapltr SUNWrcmdc SUNWrcmds SUNWnfsckr SUNWgssk SUNWnfscr SUNWnfscu SUNWvolu SUNWnfssu SUNWpl5u SUNWbtool SUNWarc SUNWarcr SUNWxcu4 SUNWnisu SUNWypr SUNWypu SUNWatfsu SUNWcpc SUNWfruid SUNWiopc SUNWdtrc SUNWldomr SUNWldomu SUNWn2cp SUNWniumx SUNWnxge SUNWust1 SUNWust2 SUNWcry SUNWkdcu SUNWcstl SUNWpcr SUNWpcu SUNWppm SUNWpsr SUNWpsu SUNWdcar SUNWluxl SUNWdtrp SUNWscplp SUNWhea SUNWnfsskr SUNWfss SUNWftdur SUNWftduu SUNWpamsc SUNWpd SUNWpdu SUNWpiclr SUNWpsm-lpd SUNWrds SUNWsndmu SUNWspnego SUNWgssdh # cat /var/sadm/system/admin/CLUSTER CLUSTER=SUNWCXall

注) 制御ドメインに Core System Support を適用する場合は、Secure Shell

(SUNWCssh)の追加インストールを推奨します。

4.1.5 Enhanced Support Facility(ESF) ESF のバージョンは以下の方法で確認してください。

root@gazellu# /opt/FJSVbse/bin/esfver

C120-E534-05 4-3

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構築手順(例Ⅰ)

esfver: 情報: インストール済み Enhanced Support Facility の総合版数

VERSION=3.1 REVISION=2008.09.0200, ESF PATCH_VERSION = 3.1A00_20080902

必須パッチ: 914533-05 以降、914603-02 以降、914604-01 以降、 および 914595-02 以降(ESF3.0A20 の場合のみ)

4.1.6 Sun Explorer Data Collector • Sun Explorer Data Collector は 5.10 以降の 新版を使用してください。 Sun Explorer Data Collector のバージョンは、以下の方法で確認してください。 # /opt/SUNWexplo/bin/explorer -V Explorer version: 5.13 : : # 注) Sun Explorer Data Collector は制御ドメイン、ゲストドメインの双方にイン

ストールします。

4.2 構築の流れ ここでは、構築作業の開始前に実施する LDoms 構成の決定と LDoms システム構

築用スクリプトの準備について説明します。

LDoms システムの構築方法を、以下の順に説明します。

1) LDoms 構成の決定 2) LDoms 構築用スクリプトの準備 3) LDoms Manager の導入 4) ゲストドメイン管理ユーザの定義 5) 仮想ディスクサーバデバイス用ファイルの準備 6) 制御ドメインの構築 7) ゲストドメインの構築 8) LDoms 構成の保存 9) ゲストドメインのインストール 10) ドメインの依存関係の定義

4.2.1 LDoms構成の決定 構築するドメイン、仮想サービスおよび各ドメインに割り当てるハードウェア資

源を構成します。

4.2.1.1 LDoms構成名の決定

システムコントローラは、 大 8 個の LDoms 構成(config)を保存することがで

きます。保存した構成は構成名を指定した後、電源の再投入、またはリセットで

切り替えることができます。本章では、「initial」と指定しています。

4-4 C120-E534-05

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4.2 構築の流れ

4.2.1.2 ドメイン名の決定

LDoms で運用するドメイン(domain)は、CPU コアの数以下にすることを推奨

します。本章では SPARC Enterprise T5120/T5220 を例に、以下の構成とします。

• 制御ドメイン:primary • ゲストドメイン:ldom1、ldom2、ldom3

4.2.1.3 仮想ディスクサービスの決定

仮想ディスクサービスは、以下の資源で構成されます。

• 仮想ディスクサーバ(vdiskserver) • 仮想ディスクサーバデバイス(vdiskserverdevice) • 仮想ディスク(vdisk)

本章では制御ドメイン上で仮想ディスクサーバ(primary-vds0)を動作させ、

vol1、vol2、vol3 の 3 つの仮想ディスクサーバデバイスを ldom1、ldom2、ldom3それぞれに対して仮想ディスク(vdisk0)として割り当てます。

仮想ディスクサーバ(primary-vds0) ┬ldom1 用仮想ディスクサーバデバイス(vol1)→ldom1 用仮想ディスク(vdisk0)

├ldom2 用仮想ディスクサーバデバイス(vol2)→ldom2 用仮想ディスク(vdisk0)

└ldom3 用仮想ディスクサーバデバイス(vol3)→ldom3 用仮想ディスク(vdisk0)

仮想ディスクサーバデバイスとして、UFS ファイルシステム上の一般ファイルを

指定することができます(UFS を使用する場合)。本章では、以下のディレクトリ

構成上のファイルを仮想ディスクサーバデバイスとして割り当てます。

/Ldoms ┬ Vol1 ──── vdisk0.img → vol1 仮想ディスクサーバデバイスの実体

├ Vol2 ──── vdisk0.img → vol2 仮想ディスクサーバデバイスの実体

├ Vol3 ──── vdisk0.img → vol3 仮想ディスクサーバデバイスの実体

├ Scripts ─→ 構築スクリプトの格納ディレクトリ

└ Domains ─→ ゲストドメインの構成情報格納ディレクトリ

4.2.1.4 仮想スイッチサービスの決定

仮想スイッチサービスは、以下の資源で構成します。

• 仮想スイッチ(vswitch) • 仮想ネットワークデバイス(vnet) • ネットワークアダプタ(net-dev)

本章では、制御ドメイン上で仮想スイッチサービス(primary-vsw0, primary-vsw1, primary-vsw2, primary-vsw3)を動作させ、ネットワークアダプタ(e1000g0)を

全ドメイン共通で使用し、e1000g1、e1000g2、e1000g3 を ldom1、ldom2、ldom3それぞれに対する専用の仮想ネットワークデバイス(vnet1)のネットワークア

ダプタとなるように仮想スイッチを割り当てます。

ネットワークアダプタ(e1000g0) - 仮想スイッチ(primary-vsw0) - 全ドメイン間の通信で使用(vnet0)

ネットワークアダプタ(e1000g1) - 仮想スイッチ(primary-vsw1) - ldom1 で使用(vnet1)

ネットワークアダプタ(e1000g2) - 仮想スイッチ(primary-vsw2) - ldom2 で使用(vnet1)

ネットワークアダプタ(e1000g3) - 仮想スイッチ(primary-vsw3) - ldom3 で使用(vnet1)

C120-E534-05 4-5

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構築手順(例Ⅰ)

上記のドライバ名(e1000g)は、SPARC Enterprise T5120/T5220 の標準 LAN ポー

トの場合です。 機種別の標準LANポートのドライバ名は、「第 10 章 機種別留意事項」を参照

してください。

4.2.1.5 仮想コンソール端末集配信装置サービスの決定 • ゲストドメインのコンソールは、仮想コンソール端末集配信装置サービス

(vconscon)と仮想ネットワーク端末サーバ(vntsd)が提供する仮想コン

ソール(vcons)を使用して接続します。 • 仮想コンソール端末集配信装置サービスは、他のネットワークサービスと重

複しない専用のポート番号をゲストドメインの仮想コンソールに割り当てま

す。ポート番号の自動割り当ても可能ですが、このゲストドメインのリソー

スの結合(bind)・結合解除(unbind)によって、仮想コンソールのポート

番号が変化します。 • 仮想ネットワーク端末サーバは、仮想コンソール端末集配信装置サービスに

よってポート番号を割り当てられたゲストドメインの仮想コンソールに、

telnet コマンドで接続する機能を提供します。 • 本章では ldom1、ldom2、ldom3 それぞれの仮想コンソールに対して 5001~

5003 の専用のポート番号を割り当てます。

4-6 C120-E534-05

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4.2 構築の流れ

4.2.1.6 ハードウェア資源割当表の作成

以下のようなハードウェア資源割当表を作成します。

表4.1 ハードウェア資源割当て表 構成名

(CONFIG) initial 備考

ドメイン名(DOMAIN) primary ldom1 ldom2 ldom3

LDoms Manager で管理する名称です。 ホスト名、ノード名との関連はありません

仮想 CPU 数(VCPU) 8 16 16 24 CPU コアあたりのスレッド

数の倍数を指定します。

メモリ(MEM) 4096M 1920M 1024M 1024M

ファームウェアが使用しているサイズは割り当てることができません。(注) 1024MB を割り当てる場合は「1024M」、4GB を割り当てる場合は「4G」と記入します。

暗号化ユニット(MAU) 0 0 0 0

暗号化ユニットの数を指定します。仮想 CPU の動的再構成を利用する場合は 0を指定します。CPU コアを超えて暗号化ユニットを割り当てることはできません。

仮想ネットワークデバイス 0(VNET0)

― vsw0 vsw0 vsw0 仮想ネットワークデバイス0 を接続する仮想スイッチサービスを指定します。

仮想ネットワークデバイス 1(VNET1)

― vsw1 vsw2 vsw3 仮想ネットワークデバイス1 を接続する仮想スイッチサービスを指定します。

仮想ディスク0(VDISK0) ― vol1 vol2 vol3

仮想ディスク 0 に割り当てる仮想ディスクサーバデバイスを指定します。

仮想コンソール(VCONS) ― 5001 5002 5003

仮想コンソールに割り当てるポート番号を指定します。

注)ファームウェアが使用するサイズは、機種やファームの版数で異なるこ

とがあります。下記コマンドの出力結果で実際に割り当てができるサイ

ズを確認してください。 primary# ldm list-devices –a

C120-E534-05 4-7

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構築手順(例Ⅰ)

4.2.2 LDoms構築用スクリプトの準備 「4.2.1 LDoms構成の決定」で作成したハードウェア資源割当て表をもとに、制

御ドメイン構築スクリプトとゲストドメイン構築スクリプトを作成します。作成

したスクリプトは制御ドメイン上のLDoms構築スクリプト格納ディレクトリ(本

章では/LDoms/Scripts/)に保存して、随時実行できる状態にしておいてください。

4.2.2.1 制御ドメイン構築スクリプトの作成

制御ドメイン構築スクリプトの例を以下に示します。ハードウェア資源割当表の

値を、シェル変数(CONFIG,VCPU,MAU,MEM)に設定してください。

#!/bin/sh

# 制御ドメイン構築スクリプト(4 ドメイン用)

CONFIG=initial # システムコントローラに格納する構成名

VCPU=8 # 制御ドメインに割り当てる仮想 CPU 数

MAU=0 # 制御ドメインに割り当てる暗号化ユニット数

MEM=4096M # 制御ドメインに割り当てるメモリ(K:KB,M:MB,G:GB)

ldm set-mau $MAU primary ldm set-vcpu $VCPU primary ldm set-memory $MEM primary

# 仮想ディスクサーバを定義します。

ldm add-vdiskserver primary-vds0 primary

# 仮想ディスクサーバデバイスを定義し実体を指定します。

ldm add-vdiskserverdevice /LDoms/Vol1/vdisk0.img vol1@primary-vds0 ldm add-vdiskserverdevice /LDoms/Vol2/vdisk0.img vol2@primary-vds0 ldm add-vdiskserverdevice /LDoms/Vol3/vdisk0.img vol3@primary-vds0

# 仮想スイッチサービスを定義しネットワークアダプタを指定します。(注)

ldm add-vswitch net-dev=e1000g0 primary-vsw0 primary ldm add-vswitch net-dev=e1000g1 primary-vsw1 primary ldm add-vswitch net-dev=e1000g2 primary-vsw2 primary ldm add-vswitch net-dev=e1000g3 primary-vsw3 primary

# 仮想コンソール端末集配信装置サービスと割り当てるポートの範囲を指定します。

ldm add-vconscon port-range=5000-5100 primary-vcc0 primary eeprom auto-boot\?=false

# 構成をシステムコントローラに保存します。

ldm add-config $CONFIG

# 本スクリプト実行後は電源切断、再投入またはリセットが必要です。

注)標準ネットワークドライバは機種によって異なります。

詳細は、「第 10 章 機種別留意事項」を参照してください。

本章では、このスクリプトを制御ドメインの /LDoms/Scripts/ディレクトリに

primary.sh の名前で格納します。

4-8 C120-E534-05

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4.2 構築の流れ

4.2.2.2 ゲストドメイン構築スクリプトの作成

ゲストドメイン構築スクリプトの例を以下に示します。ハードウェア資源割当表

の 値 を 、 シ ェ ル 変 数 ( DOMAIN,VCPU,MAU,MEM,VNET0,VNET1, VDISK0,VCONS)に設定してください。

#!/bin/sh

# ゲストドメイン構築スクリプト(1 ドメイン用)

DOMAIN=ldom1 # ドメイン名

VCPU=16 # ドメインに割り当てる仮想 CPU 数

MAU=0 # ドメインに割り当てる暗号化ユニット数

MEM=1920M # ドメインに割り当てるメモリ(K:KB,M:MB,G:GB)

VNET0=primary-vsw0 VNET1=primary-vsw1 VDISK0=vol1@primary-vds0 VCONS=”port=5001” ldm add-domain $DOMAIN ldm set-mau $MAU $DOMAIN ldm add-vcpu $VCPU $DOMAIN ldm add-memory $MEM $DOMAIN ldm add-vnet vnet0 $VNET0 $DOMAIN ldm add-vnet vnet1 $VNET1 $DOMAIN ldm add-vdisk vdisk0 $VDISK0 $DOMAIN ldm set-vcons $VCONS $DOMAIN

# ネットワークインストールのためにドメイン起動時に自動ディスクブートしないよう指定します。

ldm set-variable auto-boot\?=false $DOMAIN

# 以下を実行するとドメインは起動状態(active)になります。

ldm bind-domain $DOMAIN ldm start-domain $DOMAIN

# 以下を実行するとドメインの構成情報を保存します。

# 保存した構成情報は以下のコマンドの入力として利用することができます。

# ldm add-domain –i ldm list-constraints -x $DOMAIN >/LDoms/Domains/$DOMAIN.xml cp /LDoms/Domains/$DOMAIN.xml /LDoms/$DOMAIN.`date +%y%m%d%H%M%S`

# 以下を実行するとドメインの仮想ネットワークの Ethernet address を表示します。

# ok プロンプトで表示される Ethernet address は仮想ネットワークデバイスのアドレスではありません。

ldm list-domain -e $DOMAIN|grep vnet|cut -d@ -f3| nawk '{ print $1,$2 }' | xargs -L 1 echo vnet

本章では、このスクリプトを制御ドメインの /LDoms/Scripts/ディレクトリに

ldom?.sh(?は構築するドメインを表す数字:1,2,3)の名前で格納します。

4.2.3 LDoms Managerの導入 LDoms Manager導入の作業手順については、「第 6 章 LDoms Managerの導入」

を参照してください。

C120-E534-05 4-9

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構築手順(例Ⅰ)

4.2.4 ゲストドメイン管理ユーザの定義 デフォルトでは、制御ドメインの root ユーザだけが ldmコマンドを使用できます。

ただし、常に root ユーザでシステムを運用したり、root ユーザのパスワードを複

数のユーザで共有したりすることは、セキュリティ上好ましくありません。ゲス

トドメインだけを管理するユーザが ldm コマンドを使用できるようにすれば、

root ユーザで管理を続けたり、root ユーザのパスワードを共有する必要はなくな

ります。 LDoms Manager をインストールすると、以下の承認が追加されます。

• solaris.ldoms.read ldm list および ldm list-で始まるサブコマンドが使用できます。

• solaris.ldoms.write すべての ldm サブコマンドが使用できます。

以下に、LDoms Manager が追加した承認を利用して LDoms 管理を許可した役割

を作成し、その役割を付与したゲストドメインの管理ユーザが ldm コマンドを使

用できるようになるまでを示します。

1) ゲストドメイン ldom1 を管理するユーザ ldom1opr を定義します。

primary# groupadd ldomadm primary# mkdir –p /LDoms/ldom1opr primary# useradd –g ldomadm –d /LDoms/ldom1opr ldom1opr primary# passwd ldom1opr

新しいパスワード: <ldom1opr の初期パスワード>

新しいパスワードを再入力してください: <ldom1opr の初期パスワード>

passwd: ldom1opr のパスワードが変更されました

2) ldm コマンド、オンラインマニュアルへのパスおよびプロンプトの環境変数

を設定した.profile を作成します。

primary# vi /LDoms/ldom1opr/.profile

(下記を追加)

PATH=$PATH:/opt/SUNWldm/bin ; export PATH MANPATH=$MANPATH:/opt/SUNWldm/man ; export MANPATH PS1=”primary$ ” ; export PS1

• PATH 変数にカレントディレクトリ(特に::連続したコロン)を含まな

いよう、セキュリティに配慮することを推奨します。 • 制御ドメイン、ゲストドメイン、それぞれのシェルプロンプトにドメ

イン名を設定しておくと、接続中のドメインが簡単に確認できます。 3) home ディレクトリおよび.profile ファイルの所有者を変更します。

primary# chown ldom1opr:ldomadm /LDoms/ldom1opr primary# chown ldom1opr:ldomadm /LDoms/ldom1opr/.profile

4) ゲストドメイン管理する役割 ldomadm を定義します。 primary# roleadd -A solaris.ldoms.write ldomadm primary# passwd ldomadm

新しいパスワード: <ldomadm のパスワード>

新しいパスワードを再入力してください: <ldomadm のパスワード>

passwd: ldomadm のパスワードが変更されました

4-10 C120-E534-05

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4.2 構築の流れ

5) ldom1opr ユーザに ldomadm役割を割り当てます。

primary# usermod -R ldomadm ldom1opr

6) 役割が使用でき、有効であることを確認します。

primary# su - ldom1opr primary$ ldm list-domain Authorization failed primary$ su ldomadm

パスワード: <ldomadm のパスワード>

$ ldm list-domain ... NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv SP 64 8064M 0.1% 43m $ exit

• 他のドメインを管理するすべてのユーザに、ldomadm 役割を割り当て

てください。 7) 以下を実行すると、ldm list および ldm list-で始まるサブコマンドだけを

ldom1opr が使用できるようになります。

primary# usermod -A “solaris.device.cdrw,solaris.profmgr.read,solaris.jobs.users,solaris.mail.mailq,solaris.ldoms.read” ldom1opr

• solaris.jobs.users を指定するとエラーになることがあります。エラーに

なった場合は solaris.jobs.users を削除して実行してください。

本章の例で定義した制御ドメイン上のユーザ名・役割名と実行できる機能の関係

を、以下の表に示します。

使用できる機能 root ユーザ (承認: solaris.*)

ldomadm役割 (solaris.ldoms.write)

ldom?opr (承認:solaris.ldoms.read を

付与した場合)

ldm list , ldm list-*** ○ ○ ○

ldm bind-domain ○ ○ ×

ldm add-*** ○ ○ ×

ldm remove-*** ○ ○ ×

ldm set-*** ○ ○ ×

ldm start-domain ○ ○ ×

ldm stop-domain ○ ○ ×

ldm unbind-domain ○ ○ ×

ldm panic-domain ○ ○ ×

dm migrate-domain ○ ○ × ldm cancel-operation ○ ○ ×

制御ドメインのシャッ

トダウンなど ○ × ×

C120-E534-05 4-11

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構築手順(例Ⅰ)

4.2.5 仮想ディスクサーバデバイス用ファイルの準備 ゲストドメインに OS をインストールするには、仮想ディスクサーバデバイスに

指定するファイルを作成します。

primary# cd /LDoms primary# mkfile 8G Vol1/vdisk0.img primary# mkfile 20G Vol2/vdisk0.img primary# mkfile 100G Vol3/vdisk0.img

• 上記コマンドでファイルを作成する前に、Vol1・Vol2・Vol3 のディレクト

リを作成しておく必要があります。

4-12 C120-E534-05

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4.2 構築の流れ

4.2.6 制御ドメインの構築

4.2.6.1 制御ドメイン構築スクリプトの実行

事前に作成しておいた制御ドメイン構築スクリプトを実行して、制御ドメインを

構築します。 制御ドメイン構築スクリプトの実行後、システムコントローラに保存された構成

を確認します。

primary# . /LDoms/Scripts/primary.sh ... primary# ldm list-config factory-default initial [next poweron]

上記は、現在の LDoms 構成が工場出荷状態であり、電源再投入後に変更予定で

あることを表しています。

仮想ネットワーク端末サーバデーモンを起動します。

primary# svcs -a |grep ldom disabled 17:01:10 svc:/ldoms/vntsd:default online 16:10:48 svc:/ldoms/ldmd:default primary# svcadm enable svc:/ldoms/vntsd:default primary# svcs svc:/ldoms/vntsd:default STATE STIME FMRI online 17:03:10 svc:/ldoms/vntsd:default

4.2.6.2 制御ドメインの再起動

システムの電源を切断し、再投入して構成を切り替えます。 primary# touch /reconfigure primary# shutdown -i0 -g0 -y .... syncing file systems... done Program terminated

r)eboot, o)k prompt, h)alt? o ・・・・ 【o を入力】

{0} ok power-off Chassis | critical: Host has been powered off

【# (シャープ) + .(ドット)を入力】

以下の操作はシステム監視機構(ALOM, ILOM)によって異なります。 使用しているシステム監視機構の手順に基づいて操作をしてください。 【ALOM の場合】 sc> poweron -c Enter #. to return to ALOM. Chassis | major: Host has been powered on

【ILOM の場合】 -> start /SYS Are you sure you want to reset /SYS (y/n)? y Starting /SYS P2LE52 console login: Apr 17 13:13:17 P2LE52 unix: WARNING: Power-off requested, system will now shutdown. : : P2LE52 console login:

C120-E534-05 4-13

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構築手順(例Ⅰ)

4.2.6.3 制御ドメイン構成の確認

再起動後、制御ドメインの構成を確認します。

primary# ldm list-config factory-default initial [current] primary# ldm list-bindings primary NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -ndcv- SP 8 1G 0.0% 6h 32m MAC 00:14:4f:97:b5:58 HOSTID 0x8497b558 CONTROL failure-policy=ignore DEPENDENCY master= VCPU VID PID UTIL STRAND 0 0 1.8% 100% 1 1 2.4% 100% 2 2 0.1% 100% 3 3 0.0% 100% 4 4 0.6% 100% 5 5 0.0% 100% 6 6 0.4% 100% 7 7 0.0% 100% MEMORY RA PA SIZE 0x8000000 0x8000000 1G VARIABLES boot-device=/pci@0/pci@0/pci@2/scsi@0/disk@0,0:a disk net keyboard-layout=Japanese IO DEVICE PSEUDONYM OPTIONS pci@0 pci niu@80 niu VCC NAME PORT-RANGE primary-vcc0 5000-5100 VSW NAME MAC NET-DEV DEVICE DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU MODE primary-vsw0 00:14:4f:fa:80:2e e1000g0 switch@0 1 1 1500 VDS NAME VOLUME OPTIONS MPGROUP DEVICE primary-vds0 vol0 /Ldom1/vdisk0.img VCONS NAME SERVICE PORT SP primary# ldm list-services VCC NAME LDOM PORT-RANGE primary-vcc0 primary 5000-5100 VSW NAME LDOM MAC NET-DEV DEVICE DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU MODE primary-vsw0 primary 00:14:4f:f8:ff:c8 e1000g0 switch@0 1 1 1500 VDS NAME LDOM VOLUME OPTIONS MPGROUP DEVICE primary-vds0 primary vol1 /Ldom1/vdisk0.img

4-14 C120-E534-05

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4.2 構築の流れ

4.2.7 ゲストドメインの構築

4.2.7.1 ゲストドメイン構築スクリプトの実行

事前に作成しておいたゲストドメイン構築スクリプトを実行して、ゲストドメイ

ンを構築します。 ゲストドメイン構築スクリプトの実行後、ゲストドメインの状態を確認します。

primary$ . /LDoms/Scripts/ldom1.sh ... root@gazellu# ldm list-bindings ldom1 NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME ldom1 active -t---- 5010 16 1920M 12% 43m MAC 00:14:4f:f9:58:b2 HOSTID 0x84f958b2 CONTROL failure-policy=ignore DEPENDENCY master= VCPU VID PID UTIL STRAND 0 8 100% 100% 1 9 0.0% 100% 2 10 0.0% 100% 3 11 0.0% 100% 4 12 0.0% 100% 5 13 0.0% 100% 6 14 0.0% 100% 7 15 0.0% 100%

8 16 0.0% 100% 9 17 0.0% 100% 10 18 0.0% 100% 11 19 0.0% 100% 12 20 0.0% 100% 13 21 0.0% 100% 14 22 0.0% 100% 15 23 0.0% 100%

MEMORY RA PA SIZE 0x8000000 0x108000000 1G VARIABLES auto-boot?=false boot-device=vdisk1 keyboard-layout=Japanese NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC MODE PVID VID MTU vnet0 primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:fa:7e:b0 1 1500 PEER MAC MODE PVID VID MTU primary-vsw0@primary 00:14:4f:f8:ff:c8 1 1500 NAME SERVICE DEVICE MAC MODE PVID VID MTU vnet1 primary-vsw1@primary network@1 00:14:4f:f8:24:7f 1 1500 PEER MAC MODE PVID VID MTU primary-vsw1@primary 00:14:4f:f8:9e:c6 1 1500 DISK NAME VOLUME TOUT DEVICE SERVER MPGROUP vdisk1 vol1@primary-vds0 disk@0 primary

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構築手順(例Ⅰ)

VCONS NAME SERVICE PORT group1 primary-vcc0@primary 5001 $ . /LDoms/Scripts/ldom2.sh ... $ . /LDoms/Scripts/ldom3.sh ...

• 4.2.7.1 の FLAGS は、ドメインが遷移状態(主に ok プロンプトモード)で

あることを表しています。 • 制御ドメインの構成の変更を伴わないゲストドメインの追加、変更、削除を

実施する場合、制御ドメインの再起動は必要ありません。 • ゲストドメイン構築スクリプト実行前にドメインの構成情報を保存するディ

レクトリを作成しておく必要があります。

4.2.7.2 ゲストドメインのコンソールの確認 仮想コンソールでゲストドメインのコンソールに接続できることを確認します。

続後は、OBP コマンドで仮想環境を確認できます。 接

primary# svcadm enable svc:/ldoms/vntsd:default primary# telnet localhost 5001 Trying 127.0.0.1... Connected to localhost. Escape character is '^]'. Connecting to console "ldom1" in group "ldom1" .... Press ~? for control options .. {0} ok banner SPARC Enterprise T5220, No Keyboard Copyright 2009 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. OpenBoot 4.30.2.b, 1024 MB memory available, Serial #83562114. Ethernet address 0:14:4f:fb:e:82, Host ID: 84fb0e82. {0} ok devalias vdisk0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 vnet1 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@1 vnet0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0 net /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0 disk /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 virtual-console /virtual-devices/console@1 name aliases {0} ok show-devs /cpu@7 /cpu@6 /cpu@5 /cpu@4 /cpu@3 /cpu@2 /cpu@1 /cpu@0 /virtual-devices@100 /virtual-memory /memory@m0,8000000 /aliases /options /openprom /chosen /packages /virtual-devices@100/channel-devices@200 /virtual-devices@100/console@1 /virtual-devices@100/random-number-generator@e /virtual-devices@100/ncp@6 /virtual-devices@100/n2cp@7 /virtual-devices@100/flashprom@0 More [<space>,<cr>,q,n,p,c] ?

4-16 C120-E534-05

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4.2 構築の流れ

• 制御ドメインに戻る場合、[~(チルダ)]と[.(ドット)]を連続して入

力します。 ただし、制御ドメインに ssh で接続している場合は、 [~(チルダ)]と[.(ドット)]を連続して入力すると、制御ドメインと

の接続が切断されてしまいます。制御ドメインとの接続を切断したくない場

合は、[~(チルダ)]+[~(チルダ)]+[.(ドット)]と ssh を使用し

た階層 + 1 の数だけ[~]を入力した後、[.]を入力してください。 • Break 信号を送る場合、[~(チルダ)]と[#(シャープ)]を連続して入

力します。 • 上記の banner コマンドで表示された MAC アドレスは、仮想ネットワークデ

バイス(vnet0,vnet1)との関連はありません。仮想ネットワークデバイスの

MAC アドレスは ldm list-bindings コマンドの出力で確認してください。

4.2.8 LDoms構成の保存 ハイパーバイザは、システムコントローラによって EEPROM 内に格納された

LDoms 構成を、電源投入などのタイミングで読み込みますが、マザーボードな

ど EEPROM を含んだハードウェアの故障などの契機によって LDoms 構成が失わ

れる場合があります。

LDoms Manager は、ディスク上(/var/opt/SUNWldm/)に保存されている LDoms構成を参照してゲストドメインを起動しますので、このディスクにアクセスでき

ないと、ゲストドメインを起動できなくなります。

これらの状態に備えて、以下の対策の実施を推奨します。

• 構築スクリプトの保存 新の制御ドメイン構築スクリプト(本章では primary.sh)、ゲストドメイ

ン構築スクリプト(本章では ldom?.sh)を随時再実行して、LDoms 環境を

再構築できるように、一定の場所(本章では/LDoms/Scripts/)に保存してお

いてください。 • ゲストドメインの構成情報の採取、保存

ldm list-constraints -x [ドメイン名]の出力結果を ldm add-domain -i [ファイル

名]の入力として使用すると、構成情報を採取したゲストドメインを再構築

できます。ゲストドメインの構成を変更するたびにゲストドメインの構成情

報を採取し、一定の場所(本章では/LDoms/Domains/)に保存しておいてく

ださい。 • 上記情報の外部媒体への保存

上記情報を DVD-R やテープ、ファイルサーバに複製し、ディスクからの消

失にも備えてください。

C120-E534-05 4-17

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構築手順(例Ⅰ)

4.2.9 ゲストドメインのインストール ゲストドメインの OS インストールはネットワークインストール方式で、通常の

OS と同様に実施します。別筐体のサーバをインストールサーバとして準備する

ことを推奨します。制御ドメインをインストールサーバとすることも可能ですが、

SST のセキュリティ設定の解除および制御ドメインとゲストドメイン間の仮想

ネットワーク通信の設定が必要です。

4.2.9.1 インストールサーバの設定 1) ゲストドメイン(例は ldom1)の MAC(Ethernet)アドレスを調べます(制

御ドメイン側の操作)。

primary$ ldm list-domain -l ldom1 <Enter> (中略) NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC MODE PVID VID MTU vnet0 primary-vsw0@primary network@0 <ゲストドメインの MAC アドレス> 1 1500

• ゲストドメインの OBP で banner コマンドの表示結果は使用しないでく

ださい。 2) ゲストドメインの MAC アドレス、IP アドレスおよびホスト名をインストー

ルサーバに登録します(インストールサーバ側の操作)。

# vi /etc/ethers <Enter> (下記を追記) <ゲストドメインの MAC アドレス> ldom1 ... # vi /etc/hosts <Enter> (下記を追記) 192.168.1.101 ldom1 ...

3) インストールクライアント設定を行います(インストールサーバ側の操作)。

• インストールサーバ側の Solaris インストールイメージは事前に作成し

ておいてください。

# cd <Solaris イメージへのパス>/Solaris_10/Tools <Enter>

# ./add_install_client ldom1 sun4v <Enter>

4) 設定を確認します(インストールサーバ側の操作)。

# cat /etc/bootparams <Enter> ldom1 root=192.168.1.100:/export/image/solaris10_8_07/Solaris_10/Tools/ Bootinstall=192.168.1.100:/export/image/solaris10_8_07/boottype=:in rootopts=:rsize=8192

5) インストールイメージを共有します(インストールサーバ側の操作)。

• すでに共有している場合は実行不要です。

# share -o ro,anon=0 /export/image <Enter>

4-18 C120-E534-05

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4.2 構築の流れ

4.2.9.2 ネットワークインストール 1) ゲストドメインのコンソールに接続します(制御ドメイン側の操作)。 primary$ telnet localhost 5001 <Enter>

2

) 仮想ネットワークデバイスを確認します(ゲストドメイン側の操作)。

{0} ok devalias <Enter> vdisk0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 vnet1 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@1 vnet0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0 net /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0 disk /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 virtual-console /virtual-devices/console@1 name aliases {0} ok

• 上記で net,disk の別名が示している装置は、IO ドメイン以外のゲストド

メインでは使用できません。 3) ネットワークインストールを実行します(ゲストドメイン側の操作)。 {0} ok boot vnet0 <Enter> Boot device: /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0 File and args:

SunOS Release 5.10 Version Generic_120011-14 64-bit Copyright 1983-2007 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.Use is subject to license terms.

whoami: no domain name Configuring devices. Using RPC Bootparams for network configuration information. Attempting to configure interface vnet0... Configured interface vnet0 Beginning system identification...

Searching for configuration file(s)...

Search complete. Discovering additional network configuration...

• 以降、通常の OS インストールと同様の作業を実施します。 • ゲストドメインでは、仮想ディスク名(c0d0s0 など)がディスクの名

称として表示されます。 • ゲストドメインでは、仮想ネットワークデバイス名(vnet0 など)が

ネットワークデバイスの名称として表示されます。 • インストール中に仮想コンソールを切断すると、再接続しても正常な

画面が表示されなくなります。インストール中は仮想コンソールを切

断しないでください。

4.2.9.3 DVDからのインストール エクスポートされた CD、 DVD、 または ISO イメージで、ゲストドメインの

ブートが可能です。

4.2.9.4 Enhanced Support Facility(ESF)のインストール 以下のマニュアルを参考にして、ESF をインストールしてください。 • Enhanced Support Facility 3.1 オンラインマニュアル • Enhanced Support Facility 3.1 インストールガイド

これらのマニュアルは、以下のURLからダウンロードできます。 http://software.fujitsu.com/jp/manual/manualindex/P08001213.html

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構築手順(例Ⅰ)

4-20 C120-E534-05

4.2.10 ドメインの依存関係機能 ドメイン間で依存関係を定義することができます。 機能の詳細は、Sun Microsystems 社の Logical Domains 1.2 管理ガイドマニュアル

を参照してください。 http://docs.sun.com/app/docs/coll/2536.1

4.2.10.1 ドメインの依存関係の定義

ドメインの依存関係は、ドメインの作成時に定義および、作成後に定義すること

ができます。富士通では、全ドメインを作成後に依存関係を定義することを推奨

します。

1) スレーブドメイン(ldom2)にマスタードメイン(ldom1)を定義します。(注1) primary$ ldm set-domain master=ldom1 ldom2<Enter>

2) マスタードメイン(ldom1)に障害ポリシー(panic など)を定義します。 primary$ ldm set-domain failure-policy=panic ldom1<Enter>

3) 依存関係を定義するための構築スクリプトを作成します。 ldm set-domain master=ldom1 ldom2 ldm set-domain failure-policy=panic ldom1

注 1)スレーブドメインは 大4つまでマスターとなるドメインを定義可能です。 ただし、サイクリックな依存関係(2つのドメインが互いに依存しあうよ

うな関係)を定義することはできません。 依存関係が定義されているスレーブドメインは、マスターに定義したドメ

インが停止すると障害ポリシーに従った動作を行います。 障害ポリシーは、マスタードメインが終了した場合にスレーブドメインに

対して行動を起こします。 マスタードメインが終了した状態とは、ドメインの halts/reboots/reset/panic があります。 依存関係を定義するための構築スクリプトを準備しておくことで、保守作

業後の復旧作業が簡単になります。

4.2.10.2 ドメインの依存関係の解除

ドメインを保守する場合には、依存関係を解除する必要があります。 依存関係を解除せずにドメインを停止したり、再起動した場合は、依存関係に従

いスレーブドメインが影響を受けます。 1) スレーブドメイン(ldom2)のマスタードメインを解除します。

master パラメタに何も指定しないことで依存関係の解除ができます。 primary$ ldm set-domain master= ldom2<Enter>

2) 依存関係を解除するための構築スクリプトを作成します。 ldm set-domain master= ldom2

注 2)依存関係を解除するための構築スクリプトを準備しておくことで、ドメイ

ンの停止前の作業が簡単になります。

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第 5 章 構築手順(例Ⅱ)

ここでは、I/O ドメイン兼用のゲストドメインを組み入れた LDoms 環境の構築手順に

ついて説明します。

5.1 I/O ドメインについて SPARC Enterprise T5120/T5220/T5140/T5240/T5440 では、PCI Express のリーフを分割

することにより、制御ドメイン以外にもダイレクト I/O アクセス可能なドメイン(I/Oドメイン)を構築することが可能です。これをゲストドメインとして使うことにより、

I/O のリソースを占有して使用できます。以下では、I/O ドメイン兼用のゲストドメイ

ンを単に I/O ドメインと記述することもあります。

5.2 I/O ドメインの構築前の注意事項

5.2.1 ハードウェア条件 I/Oドメインのハードウェア条件は、「第 10 章 機種別留意事項」を参照してくださ

い。

5.2.2 ソフトウェア条件 ソフトウェア条件については、「第 10 章 機種別留意事項」を参照してください。

C120-E534-05 5-1

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構築手順(例Ⅱ)

5.2.3 ファームウェアの確認 システム監視機構には ALOM と ILOM の二種類あり、ファームウェアの確認方法は ALOM と ILOM で異なります。以下の例では、それぞれのシステム監視機能別に

ファームウェアの確認方法を説明します。 【ALOM の場合】

ファームウェアは、システムコントローラ(SC)から確認できます。

sc> showhost Sun System Firmware 7.2.2.e 2009/06/19 10:22 Host flash versions: Hypervisor 1.7.2.a 2009/05/05 19:32 OBP 4.30.2.b 2009/06/16 07:02 POST 4.30.2 2009/04/21 09:53

注) システムコントローラの CLI は、ALOM CMT シェルで実行した結果を表示しま

す。ALOM CMT シェルについては『Integrated Lights Out Manager 補足マニュ

アル』を参照してください。 【ILOM の場合】 -> show /HOST /HOST Targets: bootmode diag domain Properties: autorestart = reset autorunonerror = false bootfailrecovery = poweroff bootrestart = none boottimeout = 0 hypervisor_version = Hypervisor 1.7.2.a 2009/05/05 19:32 macaddress = 00:14:4f:97:b5:58 maxbootfail = 3 obp_version = OBP 4.30.2.b 2009/06/16 07:02 post_version = POST 4.30.2 2009/04/21 09:53 send_break_action = (none) status = Solaris running sysfw_version = Sun System Firmware 7.2.2.e 2009/06/19 10:22 Commands: cd set show

5.2.4 増設カードの搭載について 機種別の詳細は、「第 10 章 機種別留意事項」を参照してください。

5-2 C120-E534-05

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5.3 構築の流れ

5.3 構築の流れ ここでは、構築作業の開始前に実施する LDoms 構成の決定と LDoms システム構築用

スクリプトの準備について説明します。

なお、富士通製オプションを使用して接続した物理ディスクに、制御ドメインを作成

したり、I/O ドメイン兼用のゲストドメインを作成したりする場合は、必ずインス

トールサーバが必要です。

LDoms システムの構築方法を、以下の順に説明します。

1) LDoms 構成の決定 2) LDoms 構築用スクリプトの準備 3) インストールサーバの構築 4) LDoms Manager の導入 5) ゲストドメイン管理ユーザの定義 6) 仮想ディスクサーバデバイス用ファイルの準備 7) PCI デバイスの分割 8) 制御ドメインの構築 9) I/O ドメインの構築 10) ゲストドメインの構築 11) LDoms 構成の保存 12) ゲストドメインのインストール 13) LDoms 設定の保存

5.3.1 LDoms構成の決定 構築するドメイン、仮想サービスおよび各ドメインに割り当てるハードウェア資源を

構成します。

5.3.1.1 LDoms構成名の決定

本章では、「split-io」「initial」「initial-io」「operation」と指定しています。

5.3.1.2 ドメイン名の決定

LDoms で運用するドメイン(domain)は、CPU コアの数以下にすることを推奨しま

す。本章は以下の 4 ドメイン構成とします。

• 制御ドメイン:primary • ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用):iodom • ゲストドメイン:ldom1, ldom2

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構築手順(例Ⅱ)

5.3.1.3 仮想ディスクサービスの決定

本章では制御ドメイン上でのみ、仮想ディスクサーバ(primary-vds0)を動作させ、

vol1、vol2 の 2 つの仮想ディスクサーバデバイスを ldom1、ldom2 それぞれに対して

仮想ディスク(vdisk0)として割り当てます。 なお仮想ディスクサービスは、I/O ドメイン上で動作させることも可能です。

仮想ディスクサーバ(primary-vds0) ┬ldom1 用仮想ディスクサーバデバイス(vol1)→ldom1 用仮想ディスク(vdisk0)

└ldom2 用仮想ディスクサーバデバイス(vol2)→ldom2 用仮想ディスク(vdisk0)

仮想ディスクサーバデバイスとして、UFS ファイルシステム上の一般ファイルを指定

できます。本章では、以下のディレクトリ構成上のファイルを仮想ディスクサーバデ

バイスとして割り当てます。

/Ldoms ┬ Vol1 ─→ vdisk0.img → vol1 仮想ディスクサーバデバイスの実体

├ Vol2 ─→ vdisk0.img → vol2 仮想ディスクサーバデバイスの実体

├ Scripts ─→ 構築スクリプトの格納ディレクトリ

└ Domains ─→ ゲストドメインの構成情報格納ディレクトリ

5.3.1.4 仮想スイッチサービスの決定

本章では、制御ドメイン上で仮想スイッチサービス(primary-vsw0, primary-vsw1)を

動作させ、インターナル用ネットワークおよびネットワークアダプタ(fjgi0)を全ド

メイン共通で使用し、ldom1、ldom2 をそれぞれに対する専用の仮想ネットワークデ

バイス(vnet1)のネットワークアダプタとなるように仮想スイッチを割り当てます。

I/O ドメインは、ネットワークスイッチ経由で、制御ドメイン、ゲストドメインで接

続します。

制御ドメイン・ネットワークアダプタ(fjgi0) - 仮想スイッチ(primary-vsw0) - 全ドメイン間の通信で使用(vnet0)

制御ドメイン・ネットワークアダプタ(fjgi1) - 仮想スイッチ(primary-vsw1) - ldom1, ldom2 で使用(vnet1)

IOドメイン・ネットワークアダプタ(nxge0) - 制御ドメイン(fjgi0 vsw0), 各ゲストドメイン(vnet0)と同じネットワーク

IOドメイン・ネットワークアダプタ(nxge1) - 制御ドメイン(fjgi1 vsw1), 各ゲストドメイン(vnet1)と同じ WAN 用ネットワーク

5.3.1.5 仮想コンソール端末集配信装置サービスの決定

本章では、iodom、ldom1、ldom2 で、それぞれの仮想コンソールに対して 5000~5002の専用のポート番号を割り当てます。

5-4 C120-E534-05

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5.3 構築の流れ

5.3.1.6 ハードウェア資源割当て表の作成

以下のようなハードウェア資源割当て表を作成します。

表 5.1 ハードウェア資源割当て表 構成名

(CONFIG) initial 備考

ドメイン名

(DOMAIN) primary iodom ldom1 ldom2

主な用途 管理用 DB Web アプリ 仮想 CPU 数

(VCPU) 16 32 24 24

メモリ(MEM) 4G 8G 8G 8G

ファームウェアが使

用しているサイズは

割り当てることがで

きません。(注) 暗号化ユニット (MAU)

0 0 0 0

I/O デバイス pci@400 pci@500 ― ― 仮想ネットワー

クデバイス 0 (VNET0)

― ― vsw0 vsw0 インターナル用ネッ

トワーク

仮想ネットワー

クデバイス 1 (VNET1)

― ― vsw1 vsw1 WAN 用ネットワー

仮想ディスク 0 (VDISK0) ― ― vol1 vol2

仮想コンソール (VCONS) ― 5000 5001 5002

注)ファームウェアが使用するサイズは、機種やファームの版数で異なることがあり

ます。下記コマンドの出力結果で実際に割当てができるサイズを確認してくださ

い。

primary# ldm list-devices –a

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構築手順(例Ⅱ)

5-6 C120-E534-05

図 5.1 SPARC Enterprise T5140 での構成例

SPARC Enterprise T5140 CPU 数 : 96 スレッド メモリ : 32GB(使用可能:32544 MB)

primary vcpu : 16 mem : 4G mau : 0

iodom vcpu : 32

mem : 8G mau : 0

vds primary-vds0

HDD HDD

pci@500

vws : NET0 primary-vsw0

HDD

Slot#0

増設 HBA

OnBoard LAN

NET0 NET1

pci@400

On Board

SAS Chip

Slot#2

インストールサーバ /

コンソール NET

増設 NIC

NET0 NET1

vcc primary-vcc0

ldom1 vcpu : 24

mem : 8G mau : 0

vnet0 vnet1

vol1

vol2

vdisk0

WAN

vcons:5001

vws : NET1 primary-vsw1 vcons:5000

ldom2 vcpu : 24

mem : 8G mau : 0

vnet0 vnet1 vdisk0

vcons:5002

5000-5100

HDD

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5.3 構築の流れ

5.3.2 LDoms構築用スクリプトの準備 「5.3.1 LDoms構成の決定」で作成したハードウェア資源割当て表をもとに、制御ド

メイン構築スクリプトとゲストドメイン構築スクリプトを作成します。作成したスク

リプトは制御ドメイン上のLDoms構築スクリプト格納ディレクトリ(本章では

/LDoms/Scripts/)に保存して、随時実行できる状態にしておいてください。

5.3.2.1 制御ドメイン構築スクリプトの作成

制御ドメイン構築スクリプトの例を以下に示します。ハードウェア資源割当て表の値

を、シェル変数(CONFIG,VCPU,MAU,MEM)に設定してください。

#!/bin/sh

# 制御ドメイン構築スクリプト(4 ドメイン用)

CONFIG=initial # システムコントローラに格納する構成名

VCPU=16 # 制御ドメインに割り当てる仮想 CPU 数

MAU=0 # 制御ドメインに割り当てる暗号化ユニット数

MEM=4G # 制御ドメインに割り当てるメモリ(K:KB,M:MB,G:GB)

ldm set-mau $MAU primary ldm set-vcpu $VCPU primary ldm set-memory $MEM primary

# 仮想ディスクサーバを定義します。

ldm add-vds primary-vds0 primary

# 仮想ディスクサーバデバイスを定義し実体を指定します。

ldm add-vdsdev /LDoms/Vol1/vdisk0.img vol1@primary-vds0 ldm add-vdsdev /LDoms/Vol2/vdisk0.img vol2@primary-vds0

# 仮想スイッチサービスを定義しネットワークアダプタを指定します。(注)

ldm add-vsw net-dev=fjgi0 primary-vsw0 primary ldm add-vsw net-dev=fjgi1 primary-vsw1 primary

# 仮想コンソール端末集配信装置サービスと割り当てるポートの範囲を指定します。

ldm add-vcc port-range=5000-5100 primary-vcc0 primary

# 構成をシステムコントローラに保存します。

ldm add-config $CONFIG eeprom auto-boot\?=false

# 本スクリプト実行後は電源切断、再投入が必要です。

注)I/O ドメインを構成する場合、PCIe Slot1, Slot2 (T5140 の場合は Slot3 も)のい

ずれかに増設した LAN カードのドライバ名を指定してください。

本章では、このスクリプトを制御ドメインの /LDoms/Scripts/ディレクトリに

primary.sh の名前で格納します。

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構築手順(例Ⅱ)

5.3.2.2 I/Oドメイン構築スクリプトの作成

I/O ドメイン構築スクリプトの例を以下に示します。ハードウェア資源割当表の値を、

シェル変数(DOMAIN,VCPU,MAU,MEM,VCONS,IO)に設定してください。

#!/bin/sh

# IO ドメイン構築スクリプト

DOMAIN=iodom # ドメイン名

VCPU=32 # ドメインに割り当てる仮想 CPU 数

MAU=0 # ドメインに割り当てる暗号化ユニット数

MEM=8G # ドメインに割り当てるメモリ(K:KB,M:MB,G:GB)

VCONS=”port=5000”

IO=”pci@500” # ドメインに割り当てる PCI デバイス

ldm add-domain $DOMAIN ldm set-mau $MAU $DOMAIN ldm add-vcpu $VCPU $DOMAIN ldm add-memory $MEM $DOMAIN

# PCI デバイス上のリソースを使用するため、vnet, vdisk は割り当てません。

ldm add-io $IO $DOMAIN ldm set-vcons $VCONS $DOMAIN

# ネットワークインストールのためにドメイン起動時に自動ディスクブートしないよう指定します。

ldm set-variable auto-boot\?=false $DOMAIN

# 以下を実行するとドメインの構成情報を保存します。

# 保存した構成情報は以下のコマンドの入力として利用することができます。

# ldm add-domain –i ldm list-constraints -x $DOMAIN >/LDoms/Domains/$DOMAIN.xml cp /LDoms/Domains/$DOMAIN.xml /LDoms/$DOMAIN.`date +%y%m%d%H%M%S`

# 以下を実行するとドメインの仮想ネットワークの Ethernet address を表示します。

# ok プロンプトで表示される Ethernet address は仮想ネットワークデバイスのアドレスではありません。

ldm list-domain –e $DOMAIN|grep vnet|cut -d@ -f3| nawk '{ print $1,$2 }' | xargs -L 1 echo vnet

I/O ドメインの hostid を固定したい場合は、以下の変更を行ってください。 例:hostid を 83fc0000 に固定する場合 MAC="00:14:4F:FC:00:00" #追加 ldm add-domain mac-addr=$MAC $DOMAIN #変更

本章では、このスクリプトを制御ドメインの/LDoms/Scripts/ディレクトリに iodom.shの名前で格納します。

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5.3 構築の流れ

5.3.2.3 ゲストドメイン構築スクリプトの作成

ゲストドメイン構築スクリプトの例を以下に示します。ハードウェア資源割当表の値

を、シェル変数(DOMAIN,VCPU,MAU,MEM,VNET0,VNET1, VDISK0,VCONS)に設

定してください。

#!/bin/sh

# ゲストドメイン構築スクリプト(1 ドメイン用)

DOMAIN=ldom1 # ドメイン名

VCPU=24 # ドメインに割り当てる仮想 CPU 数

MAU=0 # ドメインに割り当てる暗号化ユニット数

MEM=8G # ドメインに割り当てるメモリ(K:KB,M:MB,G:GB)

VNET0=primary-vsw0 VNET1=primary-vsw1 VDISK0=vol1@primary-vds0 VCONS=”port=5001” ldm add-domain $DOMAIN ldm set-mau $MAU $DOMAIN ldm add-vcpu $VCPU $DOMAIN ldm add-memory $MEM $DOMAIN ldm add-vnet vnet0 $VNET0 $DOMAIN ldm add-vnet vnet1 $VNET1 $DOMAIN ldm add-vdisk vdisk0 $VDISK0 $DOMAIN ldm set-vcons $VCONS $DOMAIN

# ネットワークインストールのためにドメイン起動時に自動ディスクブートしないよう指定します。

ldm set-variable auto-boot\?=false $DOMAIN

# 以下を実行するとドメインは起動状態(active)になります。

#ldm bind-domain $DOMAIN #ldm start-domain $DOMAIN

# 以下を実行するとドメインの構成情報を保存します。

# 保存した構成情報は以下のコマンドの入力として利用することができます。

# ldm add-domain –i ldm list-constraints -x $DOMAIN >/LDoms/Domains/$DOMAIN.xml cp /LDoms/Domains/$DOMAIN.xml /LDoms/$DOMAIN.`date +%y%m%d%H%M%S`

# 以下を実行するとドメインの仮想ネットワークの Ethernet address を表示します。

# ok プロンプトで表示される Ethernet address は仮想ネットワークデバイスのアドレスではありません。

ldm list-domain -e $DOMAIN|grep vnet|cut -d@ -f3| nawk '{ print $1,$2 }' | xargs -L 1 echo vnet

本章では、このスクリプトを制御ドメインの/LDoms/Scripts/ディレクトリに ldom?.sh(?は構築するドメインを表す数字:1,2)の名前で格納します。

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構築手順(例Ⅱ)

5.3.3 インストールサーバの構築 各ドライバの製品マニュアルを参照して、インストールサーバを構築してください。

• 新ドライバ https://updatesite.jp.fujitsu.com/unix/jp/download/driver/index.html

• FUJITSU PCI GigabitEthernet 3.0

https://updatesite.jp.fujitsu.com/unix/jp/download/driver/giga-3 インストールサーバ構築ガイド I/O デバイスドライバ編

• FUJITSU ULTRA LVD SCSI Host Bus Adapter Driver https://updatesite.jp.fujitsu.com/unix/jp/download/driver/ultra320-scsi-2 インストールサーバ構築ガイド I/O デバイスドライバ編

• FUJITSU PCI Fibre Channel 4.0 https://updatesite.jp.fujitsu.com/unix/jp/download/driver/pfca-4/ FUJITSU PCI Fibre Channel 4.0 Update1 説明書

5.3.4 LDoms Managerの導入 LDoms Manager導入の作業手順については、「第 6 章 LDoms Managerの導入」を参

照してください。

5.3.5 ゲストドメイン管理ユーザの定義 デフォルトでは、制御ドメインの root ユーザだけが ldmコマンドを使用できます。た

だし、常に root ユーザでシステムを運用したり、root ユーザのパスワードを複数の

ユーザで共有したりすることは、セキュリティ上好ましくありません。ゲストドメイ

ンだけを管理するユーザが ldm コマンドを使用できるようにすれば、root ユーザで管

理を続けたり、root ユーザのパスワードを共有したりする必要はなくなります。 LDoms Manager をインストールすると、以下の承認が追加されます。

• solaris.ldoms.read ldm list および ldm list-で始まるサブコマンドが使用できます。

• solaris.ldoms.write すべての ldm サブコマンドが使用できます。

以下に、LDoms Manager が追加した承認を利用して LDoms 管理を許可した役割を作

成し、その役割を付与したゲストドメインの管理ユーザが ldm コマンドを使用できる

ようになるまでを示します。

1) ゲストドメイン ldom1 を管理するユーザ ldom1opr を定義します。

primary# groupadd ldomadm primary# mkdir –p /LDoms/ldom1opr primary# useradd –g ldomadm –d /LDoms/ldom1opr ldom1opr primary# passwd ldom1opr

新しいパスワード: <ldom1opr の初期パスワード>

新しいパスワードを再入力してください: <ldom1opr の初期パスワード>

passwd: ldom1opr のパスワードが変更されました

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5.3 構築の流れ

2) ldm コマンド、オンラインマニュアルへのパスおよびプロンプトの環境変数を設

定した.profile を作成します。

primary# vi /LDoms/ldom1opr/.profile

(下記を追加)

PATH=$PATH:/opt/SUNWldm/bin ; export PATH MANPATH=$MANPATH:/opt/SUNWldm/man ; export MANPATH PS1=”primary$ ” ; export PS1

3) PATH 変数にカレントディレクトリ(特に::連続したコロン)を含まないよう、

セキュリティに配慮することを推奨します。 4) 制御ドメイン、ゲストドメイン、それぞれのシェルプロンプトにドメイン名を

設定しておくと、接続中のドメインを簡単に確認できます。 5) 他のドメインを管理するすべてのユーザに、ldomadm 役割を割り当ててください。 6) solaris.jobs.users を指定するとエラーになることがあります。エラーになった場

合は solaris.jobs.users を削除して実行してください。 7) 以降、通常の OS インストールと同様の作業を実施します。 8) インストール中に仮想コンソールを切断すると、再接続しても正常な画面が表

示されなくなります。インストール中は仮想コンソールを切断しないでくださ

い。 9) 制御ドメインに戻る場合、[~(チルダ)]と[.(ドット)]を連続して入力し

ます。 ただし、制御ドメインに ssh で接続している場合は、 [~(チルダ)]と[.(ドット)]を連続して入力すると、制御ドメインとの接

続が切断されてしまいます。制御ドメインとの接続を切断したくない場合は、

[~(チルダ)]+[~(チルダ)]+[.(ドット)]と ssh を使用した階層 + 1 の数だけ[~]を入力した後、[.]を入力してください。

10) Break 信号を送る場合、[~(チルダ)]と[#(シャープ)]を連続して入力し

ます。 11) 上記の banner コマンドで表示された MAC アドレスは、仮想ネットワークデバイ

ス(vnet0,vnet1)との関連はありません。仮想ネットワークデバイスの MAC ア

ドレスは ldm list-bindings コマンドの出力で確認してください。 12) ゲストドメインの OBP で banner コマンドの表示結果は使用しないでください。 13) インストールサーバ側の Solaris インストールイメージは事前に作成しておいて

ください。 14) すでに共有している場合は実行不要です。 15) 上記で net,disk の別名が示している装置は、I/O ドメイン以外のゲストドメイン

では使用できません。 16) 以降、通常の OS インストールと同様の作業を実施します。 17) ゲストドメインでは、仮想ディスク名(c0d0s0 など)がディスクの名称として

表示されます。 18) ゲストドメインでは、仮想ネットワークデバイス名(vnet0 など)がネットワー

クデバイスの名称として表示されます。 19) home ディレクトリおよび.profile ファイルの所有者を変更します。

primary# chown ldom1opr:ldomadm /LDoms/ldom1opr primary# chown ldom1opr:ldomadm /LDoms/ldom1opr/.profile

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構築手順(例Ⅱ)

20) ゲストドメイン管理する役割 ldomadm を定義します。 primary# roleadd -A solaris.ldoms.write ldomadm primary# passwd ldomadm

新しいパスワード: <ldomadm のパスワード>

新しいパスワードを再入力してください: <ldomadm のパスワード>

passwd: ldomadm のパスワードが変更されました

21) ldom1opr ユーザに ldomadm役割を割り当てます。

primary# usermod -R ldomadm ldom1opr

2

2) 役割が使用でき、有効であることを確認します。

primary# su - ldom1opr primary$ ldm list-domain Authorization failed primary$ su ldomadm

パスワード: <ldomadm のパスワード>

$ ldm list-domain ... NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv SP 64 8064M 0.1% 43m $ exit

23) 以下を実行すると、ldm list および ldm list-で始まるサブコマンドだけが ldom1oprを使用できるようになります。

primary# usermod -A “solaris.device.cdrw,solaris.profmgr.read,solaris.jobs.users,solaris.mail.mailq,solaris.ldoms.read” ldom1opr

本章で定義した制御ドメイン上のユーザ名・役割名と実行できる機能の関係を、以下

の表に示します。

使用できる機能 root ユーザ (承認: solaris.*)

ldomadm役割 (solaris.ldoms.write)

ldom?opr (承認:solaris.ldoms.read

を付与した場合)

ldm list , ldm list-*** ○ ○ ○

ldm bind-domain ○ ○ ×

ldm unbind-domain ○ ○ ×

ldm add-*** ○ ○ ×

ldm remove-*** ○ ○ ×

ldm set-*** ○ ○ ×

ldm start-domain ○ ○ ×

ldm stop-domain ○ ○ ×

ldm panic-domain ○ ○ ×

ldm migrate-domain ○ ○ ×

ldm cancel-operation ○ ○ ×

制御ドメインのシャッ

トダウンなど ○ × ×

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5.3 構築の流れ

5.3.6 ディスクサーバデバイス用ファイルの準備 ゲストドメインに OS をインストールするには、仮想ディスクサーバデバイスに指定

するファイルを作成します。

primary# cd /LDoms primary# mkfile 20G Vol1/vdisk0.img primary# mkfile 20G Vol2/vdisk0.img

• 上記コマンドでファイルを作成する前に、Vol1・Vol2 のディレクトリを作成し

ておく必要があります。

5.3.7 PCIデバイスの分割 pci@400 を制御ドメイン(primary)に、pci@500 を I/O ドメイン(iodom)に割り当

てます。

5.3.7.1 分割できるPCIデバイスの確認

primary# ldm list-devices –a io IO DEVICE PSEUDONYM BOUND OPTIONS pci@400 pci_0 yes pci@500 pci_1 yes

5.3.7.2 起動ストレージパスの確認

primary# df -h / /dev/dsk/c1t0d0s0 14G 6.9G 7.3G 49% / primary# ls -l /dev/dsk/c1t0d0s0 lrwxrwxrwx 1 root root 49 Oct 21 18:22 /dev/dsk/c1t0d0s0 -> ../../devices/pci@400/pci@0/pci@8/scsi@0/sd@0,0:a

5.3.7.3 PCIデバイスの分割

pci@400 は制御ドメインのブートディスクとして使用しているため、pci@500 を I/Oドメイン用として、分割します。

primary# dm rm-io pci@500 primary Initiating delayed reconfigure operation on LDom primary. All configurationchanges for other LDoms are disabled until the LDom reboots, at which time the new configuration for LDom primary will also take effect.

5.3.7.4 分割されたPCIデバイスの確認

primary# ldm list-devices io IO DEVICE PSEUDONYM pci@500 pci_1

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構築手順(例Ⅱ)

5.3.7.5 分割PCI構成の保存

primary# ldm add-config split-io primary# ldm list-config factory-default split-io [current]

5.3.7.6 システムの再起動

分割 PCI 構成を反映させるためには、システムを再起動する必要があります。システ

ムの電源を切断し、再投入して構成を切り替えます。 遅延再構成状態のため、ok プロンプトから電源を落とします。 primary# touch /reconfigure primary# shutdown -i0 -g0 -y .... syncing file systems... done Program terminated

r)eboot, o)k prompt, h)alt? o ・・・・ 【o を入力】

{0} ok power-off Chassis | critical: Host has been powered off

【# (シャープ) + .(ドット)を入力】

以下の操作はシステム監視機構(ALOM, ILOM)によって異なります。使用しているシ

ステム監視機構の手順に基づいて操作をしてください。 【ALOM の場合】 sc> poweron -c

Enter #. to return to ALOM. Chassis | major: Host has been powered on

【ILOM の場合】 -> start /SYS Are you sure you want to start /SYS (y/n)? y Starting /SYS

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5.3 構築の流れ

5.3.8 制御ドメインの構築

5.3.8.1 制御ドメイン構築スクリプトの実行

事前に作成しておいた制御ドメイン構築スクリプトを実行して、制御ドメインを構築

します。

制御ドメイン構築スクリプトの実行後、システムコントローラに保存された構成を確

認します。

primary# /LDoms/Scripts/primary.sh ... primary# ldm list-config factory-default initial split-io [current]

5.3.8.2 制御ドメインの再起動

システムの電源を切断し、再投入して構成を切り替えます。 遅延再構成状態のため、ok プロンプトから電源を落とします。 primary# touch /reconfigure primary# shutdown -i0 -g0 -y .... syncing file systems... done Program terminated

r)eboot, o)k prompt, h)alt? o ・・・・ 【o を入力】

{0} ok power-off Chassis | critical: Host has been powered off

【# (シャープ) + .(ドット)を入力】

以下の操作はシステム監視機構(ALOM, ILOM)によって異なります。使用しているシ

ステム監視機構の手順に基づいて操作をしてください。 【ALOM の場合】 sc> poweron -c

Enter #. to return to ALOM. Chassis | major: Host has been powered on

【ILOM の場合】 -> start /SYS Are you sure you want to start /SYS (y/n)? y Starting /SYS

OS 起動後に、仮想ネットワーク端末サーバデーモンを起動します。 • primary# svcs "*ldom*" STATE STIME FMRI disabled 10:05:33 svc:/ldoms/vntsd:default online 10:05:43 svc:/ldoms/ldmd:default primary# svcadm enable vntsd primary# svcs vntsd STATE STIME FMRI online 10:13:34 svc:/ldoms/vntsd:default

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構築手順(例Ⅱ)

5.3.8.3 制御ドメイン構成の確認

制御ドメインの構成を確認します。 primary# ldm list-config factory-default initial split-io [current] primary# ldm list-bindings primary NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv SP 16 4G 0.0% 2h 2m MAC 00:14:4f:46:39:1c VCPU VID PID UTIL STRAND 0 0 0.6% 100% 1 1 0.0% 100% 2 2 0.0% 100% 3 3 0.0% 100% 4 4 0.0% 100% 5 5 0.0% 100% 6 6 0.0% 100% 7 7 0.0% 100% 8 8 0.1% 100% 9 9 0.0% 100% 10 10 0.0% 100% 11 11 0.0% 100% 12 12 0.0% 100% 13 13 0.0% 100% 14 14 0.0% 100% 15 15 0.0% 100% 24 24 0.5% 100% 25 25 0.0% 100% 26 26 0.0% 100% 27 27 0.0% 100% 28 28 0.2% 100% 29 29 0.0% 100% 30 30 0.0% 100% 31 31 0.0% 100% 32 32 100% 100% 33 33 100% 100% 34 34 100% 100% 35 35 100% 100% 36 36 100% 100% 37 37 100% 100% 38 38 100% 100% 39 39 100% 100% MEMORY RA PA SIZE 0xe000000 0xe000000 4G VARIABLES boot-device=disk net keyboard-layout=US-English IO DEVICE PSEUDONYM OPTIONS pci@400 pci_0 VCC NAME PORT-RANGE primary-vcc 5000-5100 VDS NAME VOLUME OPTIONS DEVICE primary-vds0 VCONS NAME SERVICE PORT SP primary#

5-16 C120-E534-05

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5.3 構築の流れ

5.3.9 I/Oドメインの構築 5.3.9.1 I/Oドメイン構築スクリプトの実行

事前に作成しておいた I/O ドメイン構築スクリプトを実行して、I/O ドメインを構築

します。 I/O ドメイン構築スクリプトの実行後、システムコントローラに保存された構成を確

認します。

primary# /LDoms/Scripts/iodom.sh ... primary# ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-c- SP 16 4G 0.1% 8m iodom inactive ----- 32 8G primary# ldm list-domain -l iodom NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME iodom inactive ----- 32 8G IO DEVICE OPTIONS pci@500

5.3.9.2 I/Oドメインのインストール (1) インストールサーバの設定

1) MAC(Ethernet)アドレスを確認します。 以下の操作はシステム監視機構(ALOM, ILOM)によって異なります。 使用しているシステム監視機構の手順に基づいて操作をしてください。 【ALOM の場合】 以下の例では、sys_enetaddr が I/O ドメインの MAC アドレスです。

sc> showsc : Sys_enetaddr 00:14:4f:46:39:1c

【ILOM の場合】 以下の例では、macaddress が I/O ドメインの MAC アドレスです。

-> show /HOST /HOST Targets: bootmode diag domain Properties: autorestart = reset autorunonerror = false bootfailrecovery = poweroff bootrestart = none boottimeout = 0 hypervisor_version = Hypervisor 1.7.2.a 2009/05/05 19:32 macaddress = 00:14:4f:97:b5:58 maxbootfail = 3 obp_version = OBP 4.30.2.b 2009/06/16 07:02 post_version = POST 4.30.2 2009/04/21 09:53 send_break_action = (none) status = OpenBoot Running sysfw_version = Sun System Firmware 7.2.2.e 2009/06/19 10:22 Commands: cd set show

C120-E534-05 5-17

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構築手順(例Ⅱ)

2) ゲストドメインの MAC アドレス、IP アドレスおよびホスト名をインストール

サーバに登録します(インストールサーバ側の操作)。

# vi /etc/ethers

(下記を追記または変更)

00:14:4f:46:39:1c iodom # vi /etc/hosts

(下記を追記)

192.168.1.110 iodom ...

3

) インストールクライアント設定を行います(インストールサーバ側の操作)。

# cd <Solaris イメージへのパス>/Solaris_10/Tools

# ./add_install_client iodom sun4v

カスタム JumpStart ディレクトリを指定する場合:

# cd <Solaris イメージへのパス>/Solaris_10/Tools

# ./add_install_client -c <インストールサーバのホスト名>:/jumpstart iodom sun4v

(2) ネットワークインストール 1

) I/O ドメインを起動します(制御ドメイン側の操作)。

primary# ldm bind iodom primary# ldm start iodom

2

) I/O ドメインのコンソールに接続します(制御ドメイン側の操作)。

primary# ldm list-domain iodom NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME iodom active -t--- 5000 32 8G 3.1% 1m primary# telnet localhost 5000

3) ネットワークデバイスを確認し、ネットワークインストールを実行します(I/O

ドメイン側の操作)。

注)I/O ドメインに対して自動的に devalias が設定されることはありません。

{0} ok show-nets a) /pci@500/pci@0/pci@8/network@0,3 b) /pci@500/pci@0/pci@8/network@0,2 c) /pci@500/pci@0/pci@8/network@0,1 d) /pci@500/pci@0/pci@8/network@0 q) NO SELECTION Enter Selection, q to quit: d /pci@500/pci@0/pci@8/network@0 has been selected. Type ^Y ( Control-Y ) to insert it in the command line. e.g. ok nvalias mydev ^Y for creating devalias mydev for /pci@500/pci@0/pci@8/network@0 {0} ok nvalias net /pci@500/pci@0/pci@8/network@0 {0} ok boot net Boot device: /pci@500/pci@0/pci@8/network@0 File and args: /pci@500/pci@0/pci@8/network@0: 1000 Mbps link up Requesting Internet Address for 0:14:4f:46:39:1c Requesting Internet Address for 0:14:4f:46:39:1c SunOS Release 5.10 Version Generic_127127-11 64-bit Copyright 1983-2008 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. Use is subject to license terms.

• 以降、通常の OS インストールと同様の作業を実施します。

5-18 C120-E534-05

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5.3 構築の流れ

• インストール中に仮想コンソールを切断すると、再接続しても正常な画面が表

示されなくなります。インストール中は仮想コンソールを切断しないでくださ

い。

(3) Enhanced Support Facility(ESF)のインストール ESFのインストールについては、「5.3.12.3 Enhanced Support Facility(ESF)のインス

トール」を参照してください。

5.3.9.3 システムの再起動

I/O ドメインのインストール後、I/O ドメインの設定を有効にするため、システムを再

起動します。

primary# ldm stop iodom LDom iodom stopped primary# ldm unbind iodom primary# ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-c- SP 16 4G 0.1% 4h 3m iodom inactive ----- 32 8G primary# ldm add-config initial-io primary# ldm list-config factory-default initial [current] initial-io [next poweron] split-io primary# shutdown -i0 -g0 -y .... syncing file systems... done Program terminated

r)eboot, o)k prompt, h)alt? o ・・・・ 【o を入力】

{0} ok power-off Chassis | critical: Host has been powered off

【# (シャープ) + .(ドット)を入力】

以下の操作は、システム監視機構(ALOM, ILOM)によって異なります。使用している

システム監視機構の手順に基づいて操作をしてください。 【ALOM の場合】 sc> poweron -c

Enter #. to return to ALOM. Chassis | major: Host has been powered on

【ILOM の場合】 -> start /SYS Are you sure you want to start /SYS (y/n)? y Starting /SYS

5.3.10 ゲストドメインの構築 5.3.10.1 ゲストドメイン構築スクリプトの実行

事前に作成しておいたゲストドメイン構築スクリプトを実行して、ゲストドメインを

構築します。ゲストドメイン構築スクリプトを実行します。

primary# /LDoms/Scripts/ldom1.sh ... primary# /LDoms/Scripts/ldom2.sh ...

• 制御ドメインの構成の変更を伴わないゲストドメインの追加、変更、削除を実

施する場合、制御ドメインの再起動は必要ありません。

C120-E534-05 5-19

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構築手順(例Ⅱ)

5.3.10.2 ゲストドメインのコンソールの確認

仮想コンソールでゲストドメインのコンソールに接続できることを確認します。 接続後は、OBP コマンドで仮想環境を確認できます。

primary# telnet localhost 5001 Trying 127.0.0.1... Connected to localhost. Escape character is '^]'. Connecting to console "ldom1" in group "ldom1" .... Press ~? for control options .. {0} ok banner T5240, No Keyboard Copyright 2008 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. OpenBoot 4.29.0.a, 8192 MB memory available, Serial #66666434. Ethernet address 0:14:4f:f9:3f:c2, Host ID: 83f93fc2. {0} ok devalias vdisk0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 vnet1 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@1 vnet0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0 net /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0 disk /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 virtual-console /virtual-devices/console@1 name aliases {0} ok show-devs /cpu@f /cpu@e /cpu@d /cpu@c /cpu@b /cpu@a /cpu@9 /cpu@8 /cpu@7 /cpu@6 /cpu@5 /cpu@4 /cpu@3 /cpu@2 /cpu@1 /cpu@0 /virtual-devices@100 /virtual-memory /memory@m0,8000000 /aliases /options /openprom More [<space>,<cr>,q,n,p,c] ?

• 制御ドメインに戻る場合、[~(チルダ)]と[.(ドット)]を連続して入力し

ます。ただし、制御ドメインに ssh で接続している場合は、[~(チルダ)]と

[.(ドット)]を連続して入力すると、制御ドメインとの接続が切断されてし

まいます。制御ドメインとの接続 を切断したくない場合は、[~(チルダ)]

+[~(チルダ)]+[.(ドット)]と ssh を使用した階層 + 1 の数だけ[~]を

入力した 後、[.]を入力してください。 • Break 信号を送る場合、[~(チルダ)]と[#(シャープ)]を連続して入力し

ます。

5-20 C120-E534-05

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5.3 構築の流れ

• 上記の banner コマンドで表示された MAC アドレスは、仮想ネットワークデバイ

ス(vnet0,vnet1)との関連はありません。仮想ネットワークデバイスの MAC ア

ドレスは ldm list-bindings コマンドの出力で確認してください。

5.3.11 LDoms構成の保存 ハイパーバイザは、システムコントローラによって EEPROM 内に格納された LDoms構成を、電源投入などのタイミングで読み込みますが、マザーボードなど EEPROMを含んだハードウェアの故障などの契機によって LDoms 構成が失われる場合があり

ます。 LDoms Manager は、ディスク上(/var/opt/SUNWldm/)に保存されている LDoms 構成

を参照してゲストドメインを起動しますので、このディスクにアクセスできないと、

ゲストドメインを起動できなくなります。 これらの状態に備えて、以下の対策の実施を推奨します。

• 構築スクリプトの保存 新の制御ドメイン構築スクリプト(本章では primary.sh)、ゲストドメイン構

築スクリプト(本章では ldom?.sh)を随時再実行して、LDoms 環境を再構築で

きるように、一定の場所(本章では/LDoms/Scripts/)に保存しておいてください。

• ゲストドメインの構成情報の採取、保存 ldm list-constraints -x [ドメイン名]の出力結果を ldm add-domain -i [ファイル

名]の入力として使用すると、構成情報を採取したゲストドメインを再構築す

ることができます。ゲストドメインの構成を変更するたびにゲストドメインの

構成情報を採取し、一定の場所(本章では/LDoms/Domains/)に保存しておいて

ください。

• 上記情報の外部媒体への保存 上記情報を DVD-R やテープ、ファイルサーバに複製し、ディスクからの消失に

も備えてください。

5.3.12 ゲストドメインのインストール ゲストドメインの OS インストールはネットワークインストール方式で、通常の OSと同様に実施します。別筐体のサーバをインストールサーバとして準備することを推

奨します。制御ドメインをインストールサーバとすることも可能ですが、SST のセ

キュリティ設定の解除および制御ドメインとゲストドメイン間の仮想ネットワーク通

信の設定が必要です。

5.3.12.1 インストールサーバの設定

1) ゲストドメイン(例は ldom1)の MAC(Ethernet)アドレスを調べます(制御ド

メイン側の操作)。 primary$ ldm list-domain -l ldom1

(中略)

NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC

vnet0 primary-vsw0@primary network@0 <ゲストドメインの MAC アドレス>

• ゲストドメインの OBP banner コマンドの表示結果は使用しないでくださ

い。

C120-E534-05 5-21

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構築手順(例Ⅱ)

2) ゲストドメインの MAC アドレス、IP アドレスおよびホスト名をインストール

サーバに登録します(インストールサーバ側の操作)。

# vi /etc/ethers

(下記を追記または変更)

<ゲストドメインの MAC アドレス> ldom1

... # vi /etc/hosts

(下記を追記)

192.168.1.101 ldom1 ...

3) インストールクライアント設定を行います(インストールサーバ側の操作)。

• インストールサーバ側の Solaris インストールイメージは事前に作成してお

いてください。

# cd <Solaris イメージへのパス>/Solaris_10/Tools

# ./add_install_client ldom1 sun4v <Enter>

4) 設定を確認します(インストールサーバ側の操作)。

# cat /etc/bootparams ldom1 root=192.168.1.100:/export/image/solaris10_8_07/Solaris_10/Tools/ Bootinstall=192.168.1.100:/export/image/solaris10_8_07/boottype=:in rootopts=:rsize=8192

5) インストールイメージを共有します(インストールサーバ側の操作)。

• すでに共有している場合は実行不要です。

# share -o ro,anon=0 /export/image

5.3.12.2 ネットワークインストール

1

) ゲストドメインのコンソールに接続します(制御ドメイン側の操作)。

primary$ telnet localhost 5001

2) 仮想ネットワークデバイスを確認します(ゲストドメイン側の操作)。

{0} ok devalias vdisk0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 vnet1 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@1vnet0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0net /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0disk /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0 virtual-console /virtual-devices/console@1 name aliases {0} ok

• 上記で net,disk の別名が示している装置は、I/O ドメイン以外のゲストドメ

インでは使用できません。

5-22 C120-E534-05

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5.3 構築の流れ

C120-E534-05 5-23

3) ネットワークインストールを実行します(ゲストドメイン側の操作)。

{0} ok boot vnet0 Boot device: /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0 File and args:

SunOS Release 5.10 Version Generic_127127-11 64-bit Copyright 1983-2008 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. Use is subject to license terms.

whoami: no domain name Configuring devices. Using RPC Bootparams for network configuration information. Attempting to configure interface vnet0... Configured interface vnet0 Beginning system identification...

Searching for configuration file(s)...

Search complete. Discovering additional network configuration...

• 以降、通常の OS インストールと同様の作業を実施します。 • ゲストドメインでは、仮想ディスク名(c0d0s0 など)がディスクの名称とし

て表示されます。 • ゲストドメインでは、仮想ネットワークデバイス名(vnet0 など)がネット

ワークデバイスの名称として表示されます。 • インストール中に仮想コンソールを切断すると、再接続しても正常な画面が

表示されなくなります。インストール中は仮想コンソールを切断しないでく

ださい。

5.3.12.3 Enhanced Support Facility(ESF)のインストール

以下のマニュアルを参考にして、ESF をインストールしてください。

• Enhanced Support Facility 3.1 オンラインマニュアル • Enhanced Support Facility 3.1 インストールガイド

これらのマニュアルは、以下のURLからダウンロードできます。 http://software.fujitsu.com/jp/manual/manualindex/P08001213.html

5.3.13 LDoms設定の保存 運用構成が決定したら、構成を保存し、再度バックアップを行ってください。

# ldm add-config operation

LDoms 構成のバックアップについては、「付録A バックアップ・リストア手順」を

参照してください。

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第 6 章 LDoms Managerの導入

ここでは、LDoms Manager を導入する手順について説明します。

6.1 ファームウェアのアップグレード ファームウェアがサポートされていないバージョンの場合は、ファームウェアを

アップグレードする必要があります。また、新たな機能を使用するためにファー

ムウェアのアップグレードが必要になる場合もあります。アップグレードする

ファームウェアは富士通公開サイトから入手します。

6.1.1 最新ファームウェアの入手 新ファームウェアを、以下の富士通公開サイトからダウンロードします。

http://primeserver.fujitsu.com/sparcenterprise/download/firmware/

6.1.2 LDoms環境構築済みシステムのファームウェアアップグレー

ド すでに LDoms 環境を構築したシステムのファームウェアをアップグレードする

場合は、すべてのゲストドメインを停止し、リソースの結合を解除して、「7.7.5 OBP 変数の変更」を参照して論理ドメイン構成を保存してから、電源を切断し

てからアップグレード作業を行ってください。

# ldm list-domain

NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME

primary active -n-cv SP 8 1G 0.6% 52m

ldom1 active -n--- 5001 16 1920M 0.8% 36m

ldom2 active -n--- 5002 16 1G 6.2% 36m

ldom3 active -n--- 5003 24 4G 1.0% 36m

# ldm stop-domain –a

LDom ldom1 stopped

LDom ldom2 stopped

LDom ldom3 stopped

# ldm unbind-domain ldom1

# ldm unbind-domain ldom2

# ldm unbind-domain ldom3

# shutdown –y –g0 –i5

...

C120-E534-05 6-1

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LDoms Manager の導入

6.1.3 ファームウェアのアップグレード手順 1) アップグレード対象のシステムの電源を切断します。 2) WEB ブラウザを使用できるシステム上で、ダウンロードしたファームウェ

ア(以下の例では 139439-04.zip )を展開します。

# unzip 139439-04.zip

Archive: 139439-04.zip

creating: 139439-04/

inflating: 139439-04/Install.info

inflating: 139439-04/Sun_System_Firmware-7_2_2_e-SPARC_Enterprise_T5120+T5220.pkg

inflating: 139439-04/sysfw720_README_docs.css

inflating: 139439-04/copyright

inflating: 139439-04/sysfw720_README_docs.html

inflating: 139439-04/sysfwdownload

inflating: 139439-04/sysfwdownload.README

creating: 139439-04/Legal/

inflating: 139439-04/Legal/FIRMWARE_SLA+Entitlement.txt

inflating: 139439-04/Legal/SLA_10_languages_text.tar

inflating: 139439-04/Legal/ThirdpartylicenseREADME_ILOM3.0.txt

inflating: 139439-04/README.139439-04

inflating: 139439-04/LEGAL_LICENSE.TXT

#

• 上記の例の場合、ファームウェアアップデートファイルは

Sun_System_Firmware-7_2_2_e-SPARC_Enterprise_T5120+T5220.pkg です。

3) WEB ブラウザを使用してシステムコントローラにログインします。 • ログインするユーザにはシステムコントローラの管理者権限が必要です。 図 6.1 ログイン画面

6-2 C120-E534-05

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6.1 ファームウェアのアップグレード

4) [Maintenance(保守)]→[Firmware Upgrade(ファームウェアのアップグ

レード)]を選択します。 →[Firmware Upgrade(ファームウェアのアップグレード)]ページが表示

されます。

→[Enter Upgrade Mode(アップグレードモードに入る)]をクリックしま

す。

• ダイアログボックスが表示された場合は[OK]をクリックします。 図 6.2 Firmware Upgrade 画面

図 6.3 Enter Upgrade 画面

C120-E534-05 6-3

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LDoms Manager の導入

5) [Select Image File to Upload]のフィールドにパス名を入力するか、または

[Browse(参照)]をクリックしてファームウェアアップデートファイル

(拡張子が.pkg のファイル)を指定します。 →[Upload(アップロード)]をクリックします。

図 6.4 Firmware Upgrade 画面

図 6.5 Firmware Upgrade 画面

6) [Verify Firmware Image(ファームウェアイメージの確認)]ページが表示

されたら、[OK]をクリックします。

6-4 C120-E534-05

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6.1 ファームウェアのアップグレード

7) [Preserve Configuration(設定を保存)]を選択して[Start Upgrade]をク

リックします。 • ダイアログボックスが表示された場合は[OK]をクリックします。

図 6.6 Firmware Upgrade 画面

8) ファームウェアのアップグレード中は進捗状況画面が表示されます。 アップグレードが完了すると、システムコントローラは自動的に再起動しま

す。

図 6.7 Firmware Upgrade 画面

C120-E534-05 6-5

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LDoms Manager の導入

9) ファームウェアのバージョンを確認します。

以下の操作はシステム監視機構(ALOM, ILOM)によって異なります。 使用しているシステム監視機構の手順に基づいて操作をしてください。

【ALOM の場合】 システムコントローラ(SC)の再起動を待って接続し、ファームウェ アのバージョンを確認します。 以下の例では、ファームウェアの版数は 7.2.2.e です。

$ ssh T5120-SC

Password:

Waiting for daemons to initialize...

Daemons ready

Sun(TM) Integrated Lights Out Manager

Version 2.0.4.16

Copyright 2007 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.

Use is subject to license terms.

sc> showhost

Sun System Firmware 7.2.2.e 2009/06/19 10:22

Host flash versions:

Hypervisor 1.7.2.a 2009/05/05 19:32

OBP 4.30.2.b 2009/06/16 07:02

POST 4.30.2 2009/04/21 09:53

sc> poweron –c

6-6 C120-E534-05

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6.1 ファームウェアのアップグレード

【ILOM の場合】 以下の例では、ファームウェアの版数は 7.2.2.e です。 $ ssh T5120-SC

Password:

Waiting for daemons to initialize...

Daemons ready

Sun(TM) Integrated Lights Out Manager

Version 2.0.4.16

Copyright 2007 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.

Use is subject to license terms.

-> show /HOST

/HOST

Targets:

bootmode

diag

domain

Properties:

autorestart = reset

autorunonerror = false

bootfailrecovery = poweroff

bootrestart = none

boottimeout = 0

hypervisor_version = Hypervisor 1.7.2.a 2009/05/05 19:32

macaddress = 00:14:4f:97:b5:58

maxbootfail = 3

obp_version = OBP 4.30.2.b 2009/06/16 07:02

post_version = POST 4.30.2 2009/04/21 09:53

send_break_action = (none)

status = Solaris running

sysfw_version = Sun System Firmware 7.2.2.e 2009/06/19 10:22

Commands:

cd

set

show

-> start /SYS

Are you sure you want to start /SYS (y/n)? y

Starting /SYS

C120-E534-05 6-7

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LDoms Manager の導入

6.2 制御ドメインへの Solaris OS のインストール

6.2.1 Solaris OSのインストール 制御ドメインの OS は、Core System Support(SUNWCreq)以上のインストール

クラスタを指定して、Solaris 10 OS 8/07 以降をインストールしてください。Core System Support を適用する場合は、Secure Shell(SUNWCssh)の追加インストー

ルを推奨します。

制御ドメインへのインストール手順は、LDoms を使用しないシステムと同様で

す。

6.2.2 必須パッチの適用 インストールした Solaris OS の必須パッチおよび推奨・セキュリティパッチを適

用してください。

Solaris OSの必須パッチおよび推奨・セキュリティパッチは、以下のURLからダ

ウンロードできます。 https://software.fujitsu.com/jp/security/products-others/unix/index.html

6.2.3 Enhanced Support Facility(ESF)のインストール 以下のマニュアルを参考にして、ESF をインストールしてください。

• Enhanced Support Facility 3.1 オンラインマニュアル • Enhanced Support Facility 3.1 インストールガイド

これらのマニュアルは、以下のURLからダウンロードできます。 http://software.fujitsu.com/jp/manual/manualindex/P08001213.html

6.2.4 Sun Explorer Data Collector • Sun Explorer Data Collector は 5.10 以降の 新版を使用してください。 Sun Explorer Data Collector のバージョンは、以下の方法で確認してください。

# /opt/SUNWexplo/bin/explorer -V Explorer version: 5.13 : : #

注) Sun Explorer Data Collector は制御ドメイン、ゲストドメインの双方にイン

ストールします。

6-8 C120-E534-05

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6.3 LDoms Manager のインストール

6.3 LDoms Manager のインストール

6.3.1 インストールアーカイブの展開 ダウンロードした LDoms Manager のインストールアーカイブを展開します。 # cd /var/tmp

# unzip /net/nfs-server/archives/LDoms_Manager-1_2.zip

Archive: LDoms_Manager-1_2.zip

creating: LDoms_Manager-1_2/

creating: LDoms_Manager-1_2/Install/

inflating: LDoms_Manager-1_2/Install/install-ldm

...

inflating: LDoms_Manager-1_2/README

6.3.2 インストーラの起動 LDoms Manager のインストーラを起動します。 Solaris Security Toolkit(SST)によるセキュリティ設定メニューが表示されます。

• [a]を選択した場合 Solaris Security Toolkit(SST)によるセキュリティ設定が行われます。

• [b]を選択した場合 セキュリティ設定は迂回されます。

• [c]を選択した場合 ユーザ指定のセキュリティドライバによる設定が行われます。

制御ドメインのセキュリティポリシーに従って選択し、LDoms Manager のインス

トールを継続してください。

ただし、SST のセキュリティ設定は Enhanced Support Facility(ESF)のインス

トール処理に影響があるため、Enhanced Support Facility がインストールされてい

ない場合は一度[b]を選択し、LDoms Manager のインストール完了後、すぐに

ESF をインストールしてください。 # cd /var/tmp/LDoms_Manager-1_2/Install

# ./install-ldm

Welcome to the LDoms installer.

You are about to install the domain manager package that will enable

you to create, destroy and control other domains on your system. Given

the capabilities of the domain manager, you can now change the security

configuration of this Solaris instance using the Solaris Security

Toolkit.

Select a security profile from this list:

a) Hardened Solaris configuration for LDoms (recommended)

b) Standard Solaris configuration

c) Your custom-defined Solaris security configuration profile

Enter a, b, or c [a]: a

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LDoms Manager の導入

Select an option for configuration: y) Yes, launch the LDoms Configuration Assistant after install n) No thanks, I will configure LDoms myself later Enter y or n [y]: n

LDoms1.2 からは、Logical Domains Configuration Assistant で論理ドメインを 構成するための選択メニューが表示されます。

〔y〕を選択した場合 Logical Domains Configuration Assistant を使用して論理ドメインの構成

処理を行います。

〔n〕を選択した場合 Logical Domains Configuration Assistant を使用しません。 LDoms1.2 インストール後に、スクリプトまたはコマンドを使用して論

理ドメインを構成します。 注)上記の選択肢は、[n]を選択し、LDoms1.2 インストール後にスクリプト

を使用して論理ドメインを構成してください。 [y]の機能は未サポートです。

• LDoms Manager のインストール後、Logical Domain Manager デーモン

(ldmd)が自動的に起動します。

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6.3 LDoms Manager のインストール

6.3.3 インストールの確認 インストールの確認のため、下記コマンドを実行します。

# /opt/SUNWldm/bin/ldm list

------------------------------------------------------------------------------

Notice: the LDom Manager is running in configuration mode. Configuration and

resource information is displayed for the configuration under construction;

not the current active configuration. The configuration being constructed

will only take effect after it is downloaded to the system controller and

the host is reset.

------------------------------------------------------------------------------

NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME

primary active -n-c SP 64 8064M 0.1% 16m

• 制御ドメインの初期設定が完了するまで、上記のような Notice メッセージ

が常に表示されます。 • 制御ドメインの名前は、常に primary です。

6.3.4 環境変数の設定 ldm コマンド、オンラインマニュアルへのパスおよびプロンプトの環境変数を設

定します。 # vi .profile

...

(下記を追加)

PATH=$PATH:/opt/SUNWldm/bin ; export PATH

MANPATH=$MANPATH:/opt/SUNWldm/man ; export MANPATH

PS1=”primary# ” ; export PS1

• PATH 変数にカレントディレクトリ(特に::連続したコロン)を含まないよ

う、セキュリティ上に配慮することを推奨します。 • 制御ドメイン、ゲストドメインそれぞれのシェルプロンプトにドメイン名を

設定しておくと、接続中のドメインを簡単に確認できます。

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LDoms Manager の導入

6.3.5 Solaris Security Toolkit(SST)によるセキュリティ設定の変

更 Solaris Security Toolkit(SST)によるセキュリティ設定メニューで[a]を選択し

た場合は、Solaris Security Toolkit(SST)によるセキュリティ設定が行われます。

SST の導入により、以下のセキュリティ強化設定を自動化することができます。

• ssh を除く主要なネットワークサービスの停止 • tcpwrapper などによるアクセス可能ホストの制限 • cron, at の利用者の制限 • パスワード設定ポリシーの変更 • アクセスログの採取

導入後も、アプリケーションの要件や運用に応じて SST によるセキュリティ設

定を緩和することができます。

ssh を使用できる設備がない場合に、telnet 接続を可能にする方法を以下に示しま

す。

primary# svcadm enable svc:/system/filesystem/autofs:default

primary# svcadm enable svc:/network/telnet:default

primary# echo ”in.telnetd: ALL” >> /etc/hosts.allow

primary# vi /etc/default/login

”CONSOLE=” の行をコメント化する。

at コマンドの使用を許可するには、/etc/cron.d/at.deny ファイルを編集して許可

を与えるユーザ名を削除します。

また、SST によるセキュリティ設定を再実行すれば、一時的な緩和を取り消すこ

とができます。

SST によるセキュリティ設定は、LDoms Manager のインストーラを使用しなくて

も、コンソールから随時実行できます。

primary# /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -q -d ldm_control-secure.driver

primary# /usr/sbin/shutdown -i6 –g0 -y

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6.3 LDoms Manager のインストール

もし実行中に以下のメッセージが出力されたら、[yes]を入力して処理を続行

します。

primary# /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -q -d ldm_control-secure.driver

[NOTE] The following prompt can be disabled by setting JASS_NOVICE_USER to 0.

[WARN] Depending on how the Solaris Security Toolkit is configured, it

is both possible and likely that by default all remote shell and file transfer access to this system will be disabled upon reboot effectively locking out any user without console access to the system.

Are you sure that you want to continue? (yes/no): [no]Yes

Executing driver, ldm_control-secure.driver

primary# /usr/sbin/shutdown -i6 -g0 -y

再起動後、ユーザの切替え時やログインプロンプト表示時に、以下のメッセージ

が出力されます。

This system is for the use of authorized users only.

Individuals using this computer system without authority, or in

excess of their authority, are subject to having all of their

activities on this system monitored and recorded by system

personnel.

In the course of monitoring individuals improperly using this

system, or in the course of system maintenance, the activities

of authorized users may also be monitored.

Anyone using this system expressly consents to such monitoring

and is advised that if such monitoring reveals possible

evidence of criminal activity, system personnel may provide the

evidence of such monitoring to law enforcement officials.

SST によるセキュリティ設定を取り消す場合は、コンソールから以下を実行して

ください。

primary# /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -u

primary# /usr/sbin/shutdown -i6 –g0 -y

Solaris Security Toolkit 4.2 の詳細については、『Solaris Security Toolkit 4.2 Documentation』を参照してください。 『Solaris Security Toolkit 4.2 Documentation』は、以下のURLからダウンロードで

きます。 http://docs.sun.com/app/docs/coll/sstoolkit4.2-ja

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LDoms Manager の導入

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6.3.6 ハードウェア監視機能の確認・再設定 SST によるセキュリティ設定を行うと、ESF マシン管理のハードウェア監視設定

が解除されることがあります。SST によるセキュリティ設定を行った直後に、以

下の手順でハードウェア監視を行うための設定を確認し、解除されている場合は

設定し直してください。

1) syslog.conf を確認して編集します。 /etc/syslog.conf ファイルに以下が記載されているか確認し、なければ追加し

てください。

*.err;kern.debug;daemon.notice<tab>/var/opt/FJSVmadm/evh/evh_pipe

• <tab>は、[tab]キーを押下して前後の間隔を空けることを意味します。 2

) syslog.conf の設定を有効にするため、syslog サービスを再起動します。

primary# svcadm restart svc:/system/system-log:default

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第 7 章 LDomsの運用

ここでは、LDoms の運用手順について説明します。

7.1 ゲストドメインの状態確認・起動・停止

7.1.1 ドメインの状態確認 1) 全ドメインの状態を確認します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 52m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 0.0% 36m ldom2 bound -t---- 5002 16 1G 6.2% 4m ldom3 inactive -n---- 5003 24 4G 100% 52m

STATE ··················active:起動状態。 bound:リソース結合状態。 inactive:リソース未結合情報。

FLAGS ··················可変部分の値は、位置により依存します。 左から順に 6 列、それぞれに表示される値を示します。

列1:s(起動または停止) 列2:n(通常) t(切り替え) 列3:d(遅延再構成) 列4:c(制御ドメイン) 列5:v(仮想 I/O サービスドメイン) 列6:s(移行のソースドメイン) t(移行のターゲットドメイン) e(移行時に発生したエラー) 列1から6まで共通:-(可変部分)

CONS······················SP:System Processor(システムコントローラ)。 数値:ドメインに接続するポート番号。

VCPU ····················仮想 CPU 数。

MEMORY·············メモリ容量。

UTIL······················CPU 使用率。

UPTIME················起動時間。

2) ドメインごとに確認する場合は、確認したいドメイン名を以下のように指定

します。 ldm list-domain <ドメイン名> pmary$ ldm list-domain ldom1 <Enter>

3) 詳細情報を確認する場合は、-l を追加指定します。

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LDoms の運用

primary# ldm list-domain -l NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.1% 5d 20h 41m SOFTSTATE Solaris running MAC 00:14:4f:97:b5:58 HOSTID 0x8497b558 CONTROL failure-policy=ignore

失敗ポリシーの情報

DEPENDENCY master= VCPU VID PID UTIL STRAND 0 0 0.3% 100% 1 1 0.1% 100% 2 2 0.0% 100% 3 3 0.0% 100% 4 4 0.2% 100% 5 5 0.0% 100% 6 6 0.0% 100% 7 7 0.0% 100% MEMORY RA PA SIZE 0x8000000 0x8000000 4G VARIABLES auto-boot?=false boot-device=/pci@0/pci@0/pci@2/scsi@0/disk@0,0:a disk net keyboard-layout=US-English multipath-boot?=true nvramrc=none security-mode=none security-password= IO DEVICE PSEUDONYM OPTIONS pci@0 pci niu@80 niu VCC NAME PORT-RANGE primary-vcc0 5000-5100 VSW NAME MAC NET-DEV DEVICE DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU MODE primary-vsw0 00:14:4f:f8:ff:c8 e1000g0 switch@0 1 1 1500 primary-vsw1 00:14:4f:f8:9e:c6 e1000g1 switch@1 1 1 1500 primary-vsw2 00:14:4f:fa:65:c4 e1000g2 switch@2 1 1 1500 primary-vsw3 00:14:4f:f9:ad:3b e1000g3 switch@3 1 1 1500 VDS NAME VOLUME OPTIONS MPGROUP DEVICE primary-vds0 vol1 /LDoms/Vol1/vdisk0.img vol2 /LDoms/Vol2/vdisk0.img vol3 /LDoms/Vol3/vdisk0.img VCONS NAME SERVICE PORT SP ------------------------------------------------------------------------------ NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME ldom1 bound ------ 5001 16 1920M MAC 00:14:4f:f9:58:b2 HOSTID 0x84f958b2

マスタードメインの情報 マスタードメインを設定している場合には、マスタードメイン名が表示されます。

仮想コンソールの情報

仮想ディスク

サービスの情報

仮想コンソール端末集配信装置サービスの情報

割り当てられた I/O の情報

OBP 変数の設定状態

仮想スイッチ

サービスの情

割り当てられたメモリの情報

割り当てられた仮想 CPU の情報 VID:ドメインが認識する CPU-ID PID:実際の CPU-ID

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7.1 ゲストドメインの状態確認・起動・停止

C120-E534-05 7-3

CONTROL failure-policy=ignore DEPENDENCY master= VCPU VID PID UTIL STRAND 0 8 100% 1 9 100% 2 10 100% 3 11 100% 4 12 100% 5 13 100% 6 14 100% 7 15 100% MEMORY RA PA SIZE 0x8000000 0x48000000 1920M VARIABLES auto-boot?=false boot-device=vdisk1 keyboard-layout=Japanese NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC MODE PVID MTU VID vnet0 primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:fa:7e:b0 1 1500 vnet1 primary-vsw1@primary network@1 00:14:4f:f8:24:7f 1 1500 DISK NAME VOLUME TOUT DEVICE SERVER MPGROUP vdisk1 vol1@primary-vds0 disk@0 primary VCONS NAME SERVICE PORT group1 primary-vcc0@primary 5001 ------------------------------------------------------------------------------ NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME ldom2 inactive ------ 8 1G

~(略)~ ------------------------------------------------------------------------------ NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME ldom3 inactive ------ 8 4G

OBP 変数の設定状態

仮想ネットワーク

デバイスの情報

仮想ディスクの情報

仮想コンソールの情報

失敗ポリシーの情報

マスタードメインの情報 マスタードメインを設定している場合には、マスタードメイン名が表示されます。

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LDoms の運用

7.1.2 ドメインの起動 1

) ドメインの状態を確認します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 52m ldom1 inactive ------ 16 1920M ldom2 inactive ------ 16 1G ldom3 inactive ------ 24 4G

2) ドメインにリソースを結合します。

• STATE が bound の場合は実行しないでください。 • # ldm bind ドメイン名でも同じ結果が得られます。

primary$ ldm bind-domain ldom1 <Enter>

3) ドメインを起動します。

• # ldm start ドメイン名でも同じ結果が得られます。 • 起動順序を考慮しなくてよい場合は、結合済みの全ドメインを一括で

起動できます。

primary$ ldm start-domain ldom1 <Enter> primary$ ldm start-domain -a <Enter>

4) ドメインが active の状態になったことを確認します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 52m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 17% 1s ldom2 inactive ------ 16 1G ldom3 inactive ------ 24 4G

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7.1 ゲストドメインの状態確認・起動・停止

7.1.3 ゲストドメインからのドメインの停止 1

) ドメインの状態を確認します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 55m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 21% 3m ldom2 active -n---- 5002 16 1G 21% 8s ldom3 active -n---- 5003 24 4G 13% 8s

2) ドメインのコンソールに接続し、ログインします。

primary$ telnet localhost 5001 <Enter> ldom1 console login: root Password: ...

3

) shutdown コマンドで OS を停止します。

ldom1# shutdown -y -g0 -i5 <Enter>

• [~(チルダ)]+[.(ドット)]でコンソールを切断します。 4) ドメインの状態を確認します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 56m ldom1 bound ------ 5001 16 1920M ldom2 active -n---- 5002 16 1G 20% 2m ldom3 active -n---- 5003 24 4G 12% 2m

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LDoms の運用

7.1.4 制御ドメインからのドメインの停止 1

) ドメインの状態を確認します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 58m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 21% 8s ldom2 active -n---- 5002 16 1G 21% 4m ldom3 active -n---- 5003 24 4G 13% 4m

2) ドメインを停止します。

ゲストドメイン上で halt コマンドを投入した場合と同様のシーケンスで

シャットダウンします。

primary$ ldm stop-domain ldom1 <Enter>

• ドメインを強制停止する場合は-f オプションを追加します。シャットダ

ウン後のプロンプト表示中の場合などに使用します。

primary$ ldm stop-domain -f ldom1 <Enter>

• 強制パニックさせる場合は panic-domain サブコマンドを使用します。

primary$ ldm panic-domain ldom1 <Enter>

• 停止順序を考慮しなくてよい場合は、全ドメインを一括で停止できま

す。

primary$ ldm stop-domain -a <Enter>

3

) ドメインの状態を確認します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv- SP 8 4G 0.8% 59m ldom1 bound ------ 16 1920M ldom2 active -n---- 5002 16 1G 21% 5m ldom3 active -n---- 5003 24 4G 13% 5m

• ドメインがパワーオフ状態になると STATUS はリソース結合状態

(bound)に変わります。

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7.1 ゲストドメインの状態確認・起動・停止

7.1.5 ゲストドメインのクラッシュダンプ取得方法 ゲストドメインの障害調査のために取得するクラッシュダンプの生成手順です。 1

) ゲストドメインにログインして、クラッシュダンプの情報を確認します。

ldom1# dumpadm <Enter> ダンプの内容: カーネル ページ ダンプデバイス: /dev/dsk/c0d0s1 (swap) セーブコアディレクトリ: /var/crash/ldom2 有効なセーブコア: はい

• 変更する場合は、dumpadm(1M)のマニュアルを参照してください。 2

) 制御ドメインからゲストドメインにパニックを発生させます。

primary$ ldm panic-domain <ドメイン名> <Enter>

3) ゲストドメイン再起動後、生成されたダンプファイルを確認します。

ldom1# ls -l /var/crash/ldom2 <Enter> -rw-r--r-- 1 root root 2 1 月 9 日 11:58 bounds -rw-r--r-- 1 root root 1232962 1 月 9 日 11:58 unix.0 -rw-r--r-- 1 root root 126697472 1 月 9 日 11:58 vmcore.0

• 出力されたファイルは、任意の方法で退避してください。

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LDoms の運用

7.2 ゲストドメインのコンソール

7.2.1 ゲストドメインのコンソールへの接続およびゲストドメイン

コンソールからの切断 1

) 仮想コンソールのポート番号を調べます。

primary$ ldm list-domain ldom1 <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEldom1 active -n---- 5001 16 1920M 6.2% 23m

2) ゲストドメインのコンソールへ接続します。

primary$ telnet localhost 5001 <Enter>

下記のメッセージが表示されたら、root ユーザの ID とパスワードを入力し

ます。

Trying 127.0.0.1… Connected to localhost. Escape character is ‘^]’. Connecting to console “ldom1” in group “ldom1” …. Press ~? for control options .. ldom1 console login: root <Enter> Password:******** <Enter> Dec 18 16:40:35 ldom1 login: ROOT LOGIN /dev/console Last login: Tue Dec 18 09:16:30 from 10.77.134.148 Sun Microsystems Inc. SunOS 5.10 Generic January 2005 ldom1#

3) ゲストドメインのコンソールから切断します。

ゲストドメインの仮想コンソールのセッションは、 [~(チルダ)]+[.(ドット)]を連続して入力すると切断されます。

ldom1# (何も表示されません) Connection to localhost closed by foreign host. primary$

• 上記の例の場合、ゲストドメインのコンソールと仮想コンソールの接

続が切断されただけで、ログアウト処理が行われない場合があります。

これは、ログインしたままコンソールから離れたのと同じ状態です。

セキュリティ管理上は、ログアウトしてから切断することを推奨しま

す。

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7.2 ゲストドメインのコンソール

7.2.2 仮想コンソールのグループ化 1 名の管理者が複数のドメインを管理する場合、仮想コンソールグループを使用

すると、telnet セッションを終了させずにドメインを切り替えることができます。

1

) グループ化したいドメインを停止し、リソースの結合を解除します。 primary$ ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 52m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 0.0% 36m ldom2 active -t---- 5002 16 1G 6.2% 4m ldom3 active -t---- 5003 24 4G 100% 52m primary$ ldm stop-domain ldom2 primary$ ldm stop-domain ldom3 primary$ ldm unbind-domain ldom2 primary$ ldm unbind-domain ldom3

2) リソースの結合を解除したドメインの仮想コンソールを再設定します。 primary$ ldm set-vcons port=5001 group=ldom1 ldom2 primary$ ldm set-vcons port=5001 group=ldom1 ldom3 primary$ ldm bind ldom2 primary$ ldm bind ldom3 primary$ ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv SP 8 4G 0.2% 56m ldom1 active -n--- 5001 16 1920M 0.0% 41m ldom2 bound ----- 5001 16 1G ldom3 bound ----- 5001 24 4G primary$ ldm start ldom2 LDom ldom2 started primary$ ldm start ldom3 LDom ldom3 started primary$ ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.3% 57m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 0.0% 41m ldom2 active -t---- 5001 16 1G 9.1% 3s ldom3 active -t---- 5001 24 4G 32% 0s

3

) グループ化した仮想コンソールグループのポートに接続します。 primary$ ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.3% 57m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 0.0% 41m ldom2 active -t---- 5001 16 1G 9.1% 3s ldom3 active -t---- 5001 24 4G 32% 0s primary$ telnet localhost 5001 <Enter> Trying 127.0.0.1... Connected to localhost. Escape character is '^]'. T5120-vnts-ldom1: h, l, c{id}, n{name}, q: l <Enter>(注1) DOMAIN ID DOMAIN NAME DOMAIN STATE 0 ldom1 online 1 ldom3 online 2 ldom2 online T5120-vnts-ldom1: h, l, c{id}, n{name}, q: c 0 <Enter>(注2) Connecting to console "ldom1 in group "ldom1" .... Press ~? for control options .. ldom1 console login:

注1)接続先ドメインを一覧表示します。 注2)c + ドメイン ID で指定します

C120-E534-05 7-9

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LDoms の運用

4

) 他のドメインのコンソールに切り替えます。

ldom1 console login: [~(チルダ)] + [ .(ドット)]を連続して入力します。 T5120-vnts-ldom1: h, l, c{id}, n{name}, q:c1 Connecting to console "ldom2" in group "ldom1" .... Press ~? for control options ..

{0} ok

• 制御ドメインに ssh で接続している場合は、上記の操作で制御ドメイン

との接続が切断されてしまいます。 制御ドメインとの接続を切断したくない場合は、 [~(チルダ)]+[~(チルダ)]+[.(ドット)]と ssh を使用した階層+1 の数だけ[~]を入力した後、[.]を入力してく

ださい。 5) グループ化した仮想コンソールを切断します。

[~(チルダ)]+[.(ドット)]を連続して入力し、[q]を指定します。 {0} ok [~(チルダ)] + [ .(ドット)]を連続して入力します。 T5120-vnts-ldom1: h, l, c{id}, n{name}, q:q Connection to localhost closed by foreign host. primary$

• 制御ドメインに ssh で接続している場合は、上記の操作で制御ドメイン

との接続が切断されてしまいます。 制御ドメインとの接続を切断したくない場合は、 [~(チルダ)]+[~(チルダ)]+[.(ドット)]と ssh を使用した階層+1 の数だけ[~]を入力した後、[.]を入力してく

ださい。

7.3 ゲストドメインへのネットワーク接続

7.3.1 制御ドメイン以外からの接続 ネットワーク経由でログインします。 remotehost$ telnet <ゲストドメインの IP アドレス> <Enter>

• SSH でのログインも可能です。 • デフォルトの状態では、制御ドメインとゲストドメインのネットワーク接続

はできません。 • ゲストドメインには、制御ドメインのセキュリティ設定は適用されません。

ドメインごとに設定する必要があります。

7-10 C120-E534-05

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7.3 ゲストドメインへのネットワーク接続

7.3.2 制御ドメインからの接続 制御ドメインとゲストドメイン間でネットワーク通信を行う場合は、制御ドメイ

ンの仮想ネットワークデバイスの設定が必要です。 1

) 現在のネットワーク構成を確認します。

primary# ifconfig -a lo0: flags=2001000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4,VIRTUAL> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 e1000g0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 192.168.1.100 netmask ffffff00 broadcast 192.168.1.255 ether 0:14:4f:46:41:a0

• 以下の作業は、必ず制御ドメインのコンソールから root ユーザでログ

インして実施してください。 2

) 現在のネットワークインターフェースを無効にします。

primary# ifconfig e1000g0 down <Enter> primary# ifconfig e1000g0 unplumb <Enter>

3

) 仮想ネットワークデバイスを確認します。

primary# dladm show-link | grep vsw <Enter> vsw0 タイプ: 非 vlan mtu: 1500 デバイス: vsw0

4) 仮想スイッチサービス(vsw0)を有効にします。 primary# ifconfig vsw0 plumb <Enter>

• 制御ドメインの仮想ネットワークデバイスは、vsw?と命名されます。 5

) 仮想ネットワークデバイス(vsw0)を設定します。

primary# ifconfig vsw0 192.168.1.100 netmask 255.255.255.0 broadcast + up <Enter>

• 制御ドメインで使用していた IP アドレスとネットマスクを設定します。 6

) ネットワーク構成を確認します。

primary# ifconfig -a <Enter> lo0: flags=2001000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4,VIRTUAL> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 vsw0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 192.168.1.100 netmask ffffff00 broadcast 10.77.134.255 ether 0:14:4f:2a:85:70

7

) ネットワーク定義ファイルを置き換えます。

primary# mv /etc/hostname.e1000g0 /etc/hostname.vsw0 <Enter>

• 制御ドメインのサーバに接続する前に、制御ドメインのセキュリティ

設定を確認してください。

C120-E534-05 7-11

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LDoms の運用

7.4 ファイルシステムの退避・復元 ゲストドメインのファイルシステムの退避・復元は、それぞれのゲストドメイン

上で、ドメインに結合済みの仮想ディスクだけを対象にして実施してください。

ファイルシステムの退避・復元の詳細については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』マニュアルを参照してください。このマニュ

アルは、以下のURLからダウンロードできます。 http://docs.sun.com/app/docs/doc/819-0386

ゲストドメインにはテープ装置を割り当てることができません。ゲストドメイン

上で仮想ディスクの退避・復元を行う場合は、リモートテープドライブを使用し

てください。リモートテープドライブの使用方法を以下に示します。

1) テープ装置が接続されているリモートホスト(remotehost)の/etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス上に、ゲストドメインのエントリを追加しま

す。 2) ゲストドメインの/etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス上に、リモー

トホストのエントリを追加します。 3) リモートホストの rlogin サービスを使用可能にします。 4) リモートホストの root ユーザのホームディレクトリに rhosts ファイル

($HOME/.rhosts)を作成し、ゲストドメインのホスト名を追加します。

root ユーザの rhosts ファイルの設定例を、以下に示します。 remotehost# cat >> $HOME/.rhosts ldom1 ldom2 ldom3 <Ctrl+d> remotehost# chmod 0400 $HOME/.rhosts

リモートテープドライブの使用例を、以下に示します。 ldom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0n /dev/rdsk/c0d0s0 ldom1# rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0 ldom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0

• 制御ドメイン上からはゲストドメインに結合解除済みの仮想ディスクの実体

に対するアクセスが可能ですが、結合済みの仮想ディスクの実体に対して制

御ドメインから操作や読み書きを行うと、ゲストドメインでディスクエラー

や、システムハングアップなどが発生する場合があります。このため、ゲス

トドメインに結合した仮想ディスクの実体には制御ドメインからアクセスし

ないでください。 • 制御ドメイン上で、ゲストドメインに結合した仮想ディスクの実体へのアク

セスが避けられない操作を行う場合は、ゲストドメインを停止し、結合を解

除してから操作を実施してください。 • 制御ドメインの復元作業などによってゲストドメインに結合していた仮想

ディスクの実体を復元した場合は、ゲストドメインの仮想ディスク内容の一

部、または全部が失われる場合があります。ゲストドメインに結合していた

仮想ディスクの実体を制御ドメインで復元した場合は、ゲストドメインから

の退避データを使用し、ゲストドメイン上で対応する仮想ディスクの復元も

行ってください。

7-12 C120-E534-05

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7.5 本体電源の切断、制御ドメインの停止・再起動

7.5 本体電源の切断、制御ドメインの停止・再起動 本体の電源を切断、または制御ドメインを停止・再起動する場合は、ゲストドメ

インをすべて停止し、結合を解除した状態で実施する必要があります。 パッチの適用や ESF のアップデートのために制御ドメインをシングルユーザ

モードにする場合にも同様の手順が必要です。 また、制御ドメインに対して LDoms 構成の変更を行った場合、再起動はリブー

ト(ランレベル 6)ではなく必ず本体の電源を切断(ランレベル 5)し、電源再

投入の手順で実施してください。

1) 全ゲストドメインを停止します。

primary# ldm stop -a <Enter>

2) 全ゲストドメインのリソースの結合を解除します。 制御ドメインを除くすべてのドメインが inactive になっていることを確認し

ます。

primary# ldm unbind-domain ldom1 <Enter> primary# ldm unbind-domain ldom2 <Enter> primary# ldm unbind-domain ldom3 <Enter> primary# ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv- SP 8 4G 0.1% 3h 19mldom1 inactive ------ 16 1920M ldom2 inactive ------ 16 1G ldom3 inactive ------ 24 4G

3) 論理ドメイン構成を保存します。 次回の電源投入以降にも変更した情報を有効にするためには、「7.7.5 OBP 変数の変更、device-alias等の変更」を参照して論理ドメイン構成を保存して

ください。

4

) 制御ドメインを停止(再起動)します。

primary# shutdown -y -g0 -i5 (or 6 or 0) <Enter>

• ゲストドメインの停止やリソースの結合の解除を行わないで電源の切

断、停止、再起動を行うと、ゲストドメインが起動できない、動作異

常が発生するなどの不具合が生じます。このような状態になったとき

は、一度ゲストドメインのリソースの結合を解除し、inactive の状態に

してからゲストドメインを再起動してください。 ゲストドメインが起動できない場合の例を以下に示します。

primary# ldm stop-domain <ドメイン名> <Enter> primary# ldm unbind-domain <ドメイン名> <Enter> primary# ldm bind-domain <ドメイン名> <Enter> primary# ldm start-domain <ドメイン名> <Enter>

ゲストドメイン停止時に下記のメッセージが表示された場合は、-f オプ

ションを付けてドメインを強制停止します。

ldom1 stop timed out, use-f to force it to stop primary# ldm stop-domain -f <ドメイン名> <Enter>

ゲストドメインにパニック指示を出す場合は以下のコマンドを実行します。 ldom1 stop timed out, use-f to force it to stop primary# ldm panic-domain <ドメイン名> <Enter>

C120-E534-05 7-13

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LDoms の運用

7.6 LDoms 関連サービスの起動・停止 LDoms を使用するには、制御ドメインで以下のデーモンが起動されている必要

があります。

• Logical Domain Manager デーモン(ldmd) • 仮想ネットワーク端末サーバデーモン(vntsd)

LDoms 関連サービスの操作方法を、以下に示します。

7.6.1 Logical Domain Managerデーモン ゲストドメインの動作中または ldm コマンドを実行する場合、Logical Domain Manager デーモンは必ず online 状態でなければなりません。 1

) Logical Domain Manager デーモンの状態を確認します。

primary# svcs ldmd <Enter>

2

) Logical Domain Manager デーモンを起動します。

primary# svcadm enable ldmd <Enter>

• ハードウェア保守を行う場合は、すべてのゲストドメインを停止した

後、以下の操作で Logical Domain Manager デーモンを停止してから本体

の電源を切断してください。

primary# svcadm disable ldmd <Enter>

7.6.2 仮想ネットワーク端末サーバデーモン 仮想コンソールを使用してゲストドメインを操作する場合、仮想ネットワーク端

末サーバデーモンは、必ず online 状態でなければなりません。 1

) 仮想ネットワーク端末サーバデーモンの状態を確認します。

primary# svcs vntsd <Enter>

2

) 仮想ネットワーク端末サーバデーモンを起動します。

primary# svcadm enable vntsd <Enter>

• ハードウェアの保守を行う場合や LDoms 構成を factory-default に戻す場

合は、すべてのゲストドメインを停止した後、以下の操作で仮想ネッ

トワーク端末サーバデーモンを停止してください。

primary# svcadm disable vntsd <Enter>

7-14 C120-E534-05

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7.7 一時的なドメインの構成変更

7.7 一時的なドメインの構成変更 ここでは、ハードウェア資源の割当てを一時的に変更する方法について説明しま

す。

継続を前提として LDoms 構成の変更を行う場合は、ゲストドメインを一度削除

し、構成変更を反映した構築スクリプトを実行することを推奨します。

7.7.1 仮想CPUの追加・削除 1

) 各ドメインの仮想 CPU 数を確認します。

primary# ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 3.1% 1d 36m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 34% 1m ldom2 active -n---- 5002 16 1G 34% 17h 48m ldom3 active -n---- 5003 24 4G 17% 17h 48m

2

) CPU を削除します(ldom3 の VCPU を 8 つ削除)。

primary# ldm remove-vcpu 8 ldom3 <Enter>

3) CPU を追加します(ldom1 に VCPU を 8 つ追加)。

primary# ldm add-vcpu 8 ldom1 <Enter>

4) 各ドメインの仮想 CPU 数を確認します。

primary# ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.2% 1d 1h 50mldom1 active -n---- 5001 24 1920M 33% 1h 15m ldom2 active -n---- 5002 16 1G 0.1% 19h 3m ldom3 active -n---- 5003 16 4G 0.1% 19h 3m

• 同様に、制御ドメインも CPU の動的追加・削除が可能です。 • 暗号化ユニット数(MAU)を割り当てているドメインに対する仮想

CPU を追加・削除するには、ドメインの停止・結合解除が必要です。 • インストール中などで drd デーモンが動作していないドメインに対して

仮想 CPU を追加・削除した場合は、ドメインが再起動するまで有効に

なりません。

C120-E534-05 7-15

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LDoms の運用

7.7.2 メモリの追加・削除 メモリの変更には、ドメインの再起動が必要です。

7.7.2.1 ゲストドメイン 1

) ドメインのメモリ容量を確認します。

primary# ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.7% 1d 5h 59m ldom1 active -n---- 5001 24 1920M 22% 1m ldom2 active -n---- 5002 16 1G 0.1% 23h 12m ldom3 active -n---- 5003 16 4G 36% 23h 12m

2

) ドメインを停止します。

primary# ldm stop-domain ldom2 <Enter> primary# ldm stop-domain ldom3 <Enter>

3

) ドメインのメモリを削除します(ldom3 のメモリ1GB を削除)。

primary# ldm remove-memory 1G ldom3 <Enter>

• 指定可能な単位は G(GB)、M(MB)、K(KB)です。 4

) ドメインにメモリを追加します(ldom2 にメモリ 1GB を追加)。

primary# ldm add-memory 1G ldom2 <Enter>

• 指定可能な単位は G(GB)、M(MB)、K(KB)です。 5) ドメインを起動します。

primary# ldm start-domain ldom3 <Enter>

primary# ldm start-domain ldom2 <Enter>

6

) ドメインのメモリ容量を確認します。

primary# ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.7% 1d 5h 59m ldom1 active -n---- 5000 8 1920M 22% 1m ldom2 active -n---- 5001 8 2G 0.1% 23h 12m ldom3 active -n---- 5002 8 3G 36% 23h 12m

7-16 C120-E534-05

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7.7 一時的なドメインの構成変更

7.7.2.2 制御ドメイン 1) 全ドメインを停止します。

primary# ldm stop-domain -a <Enter> primary# ldm unbind-domain <ドメイン名> <Enter>

• 制御ドメインのメモリ変更には制御ドメインの再起動が必要になるた

め、全ゲストドメインの停止およびソースの結合解除が必要です。 2

) 制御ドメインのメモリ容量を確認します。

primary# ldm list-domain primary <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary activ -n-cv- SP 8 4G 0.2% 1d 5h 54m

3) 制御ドメインにメモリを追加します。

primary# ldm add-memory 1G primary <Enter> Initiating delayed reconfigure operation on LDom primary. All configuration changes for other LDoms are disabled until the LDom reboots, at which time the new configuration for LDom primary will also take effect.

4

) 制御ドメインを再起動します。

primary# shutdown -y -g0 -i6 <Enter>

5

) ドメインのメモリ容量を確認します。

primary# ldm list-domain primary <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIMEprimary active -n-cv- SP 8 5G 0.2% 6m

C120-E534-05 7-17

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LDoms の運用

7.7.3 仮想ディスクの追加・削除

7.7.3.1 仮想ディスクの追加 1) 仮想ディスクデバイスを追加します。

primary# mkfile 20G /LDoms/Vol1/vdisk1.img <Enter> primary# ldm add-vdsdev /LDoms/Vol1/vdisk1.img vol11@primary-vds0 <Enter>

2) 仮想ディスクデバイスを確認します。 注) VOLUME 名は、仮想ディスクサーバ (primary-vds0)の中で一意であ

る必要があります。 primary# ldm list-domain -l <Enter> : VDS NAME VOLUME OPTIONS DEVICE primary-vds0 vol1 /LDoms/Vol1/vdisk0.img vol2 /LDoms/Vol2/vdisk0.img vol3 /LDoms/Vol3/vdisk0.img vol11 /LDoms/Vol1/vdisk1.img

3) 対象のドメインを停止し、リソースの結合を解除します。 primary# ldm stop-domain ldom1 <Enter> primary# ldm unbind-domain ldom1 <Enter>

4) ゲストドメインに仮想ディスクを追加します。

primary# ldm add-vdisk vdisk1 vol11@primary-vds0 ldom1 <Enter>

5) ゲストドメインの仮想ディスクを確認します。 注) NAME はゲストドメインの中で一意である必要があります。 primary# ldm list-domain -l ldom1 <Enter> : DISK NAME VOLUME TOUT DEVICE SERVER vdisk0 vol1@primary-vds0 disk@0 vdisk1 vol11@primary-vds0 disk@1

6) ゲストドメインを起動します。 注)以下の操作は、仮想ディスクの追加(ldm add-vdisk)処理中に実行し ないでください。 primary# ldm bind-domain ldom1 <Enter> primary# ldm start-domain ldom1 <Enter>

7) ドメインにログイン後、デバイスの再構成を行います。

ldom1# devfsadm <Enter>

• OBP プロンプトから boot -r(デバイス再構成)での起動も可能です。

8) ディスクを確認します。 ldom1# format <Enter> Searching for disks...done AVAILABLE DISK SELECTIONS:

0. c0d0 <SUN-DiskImage-10GB cyl 34950 alt 2 hd 1 sec 600>

/virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0

1. c0d1 <SUN-DiskImage-20GB cyl 67960 alt 2 hd 1 sec 600>

/virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@1

Specify disk (enter its number):

7-18 C120-E534-05

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7.7 一時的なドメインの構成変更

7.7.3.2 仮想ディスクの削除 1) 仮想ディスクデバイスを確認します。

primary# ldm list-domain -l ldom1 <Enter> : DISK NAME VOLUME TOUT DEVICE SERVER vdisk0 vol1@primary-vds0 disk@0 vdisk1 vol11@primary-vds0 disk@1

2

) 対象のドメインを停止し、リソースの結合を解除します。

primary# ldm stop-domain ldom1 <Enter>

primary# ldm unbind-domain ldom1 <Enter>

3

) ゲストドメインから仮想ディスクを削除します。

primary# ldm remove-vdisk vdisk1 ldom1 <Enter>

仮想ディスクデバイスも削除する場合の例を、以下に示します。

primary# ldm remove-vdsdev vol11@primary-vds0 <Enter>

4) ゲストドメインを起動します。

primary# ldm bind-domain ldom1 <Enter> primary# ldm start-domain ldom1 <Enter>

C120-E534-05 7-19

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LDoms の運用

7.7.4 仮想ネットワークデバイスの追加・削除

7.7.4.1 仮想ネットワークデバイスの追加 1) 仮想スイッチサービスを確認します。

primary# ldm ls-services<Enter> : VSW NAME MAC NET-DEV DEVICE MODE primary-vsw0 00:14:4f:f8:97:91 e1000g0 switch@0 prog,promisc primary-vsw1 00:14:4f:f9:90:05 e1000g1 switch@1 prog,promisc primary-vsw2 00:14:4f:fa:65:18 e1000g2 switch@2 prog,promisc primary-vsw3 00:14:4f:f9:ad:3b e1000g3 switch@3 prog,promisc

備考)仮想スイッチサービスも追加する場合。

primary# ldm add-vsw primary-vswx primary Initiating delayed reconfigure operation on LDom primary. All configuration changes for other LDoms are disabled until the LDom reboots, at which time the new configuration for LDom primary will also take effect.

2

) 対象のドメインを停止し、リソースの結合を解除します。 primary# ldm stop-domain ldom1 <Enter> primary# ldm unbind-domain ldom1 <Enter>

3) ゲストドメインに仮想ネットワークデバイスを追加します。

primary# ldm add-vnet vnet2 primary-vswx ldom1 <Enter>

4

) ゲストドメインの仮想ネットワークデバイスを確認します。 primary# ldm list-domain -l ldom1 <Enter> : NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC vnet0 primary-vsw0 network@0 00:14:4f:f8:b4:8c vnet1 primary-vsw1 network@1 00:14:4f:f8:dd:13 vnet2 primary-vswx network@2 00:14:4f:fa:63:a3

5

) ゲストドメインを起動します。 primary# ldm bind-domain ldom1 <Enter> primary# ldm start-domain ldom1 <Enter>

6) ゲストドメイン上でネットワークインターフェースを構成します。

ldom1# ifconfig vnet2 plumb ldom1# ifconfig vnet2 vnet2: flags=1000842<BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 0.0.0.0 netmask 0 ether 0:14:4f:fa:63:a3

7-20 C120-E534-05

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7.7 一時的なドメインの構成変更

7.7.4.2 仮想ネットワークデバイスおよび仮想スイッチサービスの削除 1) 対象のドメインを停止し、リソースの結合を解除します。

primary# ldm stop-domain ldom1 <Enter> primary# ldm unbind-domain ldom1 <Enter>

2

) ゲストドメインから仮想ネットワークデバイスを削除します。

primary# ldm remove-vnet vnet2 ldom1 <Enter>

備考)仮想スイッチサービスを削除する場合。

primary# ldm remove-vsw primary-vswx <Enter> Initiating delayed reconfigure operation on LDom primary. All configuration changes for other LDoms are disabled until the LDom reboots, at which time the new configuration for LDom primary will also take effect.

3) ゲストドメインを起動します。

primary# ldm list-domain -l ldom1 <Enter> ... NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC vnet0 primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:f8:b4:8c vnet1 primary-vsw1@primary network@1 00:14:4f:f8:dd:13 DISK NAME VOLUME TOUT DEVICE SERVER vdisk0 vol1@primary-vds0 disk@0 primary VCONS NAME SERVICE PORT ldom1 primary-vcc0@primary 5001 primary# ldm bind-domain ldom1 <Enter> primary# ldm start-domain ldom1 <Enter>

C120-E534-05 7-21

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LDoms の運用

7.7.5 OBP変数の変更、device-alias等の変更 制御ドメインの OBP 変数、device-alias 等を変更した場合、次の電源投入時には

反映されていません。マシンの電源 OFF 前に、構成情報に反映する必要があり

ます。 なお制御ドメインの構築スクリプトにも反映することを推奨します。 ゲストドメインの状態を変更した場合も、構成情報に反映する必要があります。 例:起動ディスクを disk3 に変更する場合。

primary# eeprom boot-device=disk3primary# ldm remove-config initial primary# ldm add-config initial primary# ldm list-config factory-default initial [current] primary# shutdown -i0 -g0 -y ok> power-off

以下の操作はシステム監視機構(ALOM, ILOM)によって異なります。使用してい

るシステム監視機構の手順に基づいて操作をしてください。 【ALOM の場合】

sc> poweron -c 【ILOM の場合】

-> start /SYS Are you sure you want to start /SYS (y/n)? y Starting /SYS

7-22 C120-E534-05

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7.8 ゲストドメインの構成情報の採取・復旧

7.8 ゲストドメインの構成情報の採取・復旧 ここでは、ゲストドメインの構成情報の採取とそれを利用したゲストドメインの

復旧方法を説明します。

7.8.1 ゲストドメインの構成情報の採取 ゲストドメインの構成情報は、以下の方法で採取します(ここでは、

/LDoms/Domains/に ldom1 の構成情報を保存している場合の例を示しています)。 primary$ ldm list-constraints -x ldom1 > /LDoms/Domains/ldom1.xml <Enter>

• xml 形式で環境設定ファイルが作成されます。 • 上記は、構成を変更するたびに全ドメインに対して実施してください。 • ディスクからの構成情報の消失に備えて、DVD-R やテープ、ファイルサー

バにも複製を保存してください。

7.8.2 ゲストドメインの復旧 構成情報を使用して、一時的に変更したゲストドメインを構成情報を採取した時

点の構成に戻すことができます。

7.8.2.1 ゲストドメインの削除

再構築したいゲストドメインを停止し、結合を解除した後に削除します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.3% 21h 34m ldom1 inactive ------ 4 1G primary$ ldm remove-domain ldom1 <Enter> primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME

primary active -n-cv- SP 8 4G 0.3% 21h 34m

• 削除しても仮想ディスクの内容は保存され、再使用できます。

7.8.2.2 ゲストドメインの再構築 1

) 保存していた xml ファイルを使用してゲストドメインを再構築します。

primary$ ldm add-domain -i /LDoms/Domains/ldom1.xml <Enter> 2) ゲストドメインを確認します。

primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.1% 21h 38m ldom1 inactive ------ 16 1920M

3) ドメインを起動します。

primary$ ldm bind-domain ldom1 <Enter> primary$ ldm start-domain ldom1 <Enter> primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.1% 21h 38m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 41% 1m

C120-E534-05 7-23

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LDoms の運用

7.9 制御ドメインからの LDoms 構成の切り替え LDoms 構成はシステムコントローラ(SC)に保存され、電源の投入やリセット

の直後に読み込まれます。複数の LDoms 構成は、切り替えて使用することがで

きます。

この機能は、ハードウェアが縮退した状態のときに一時的に異なる LDoms 構成

で運用するため、縮退した環境で LDoms 環境を構築し、ハードウェアの復旧後、

元の構成での運用を再開する場合などに使用します。 1) 使用中の構成を確認します。

primary# ldm list-spconfig <Enter> factory-default initial reduced [current]

• 上記では、reduced が使用中の LDoms 構成です。

2) ゲストドメインを停止し、結合を解除します。

primary# ldm stop -a <Enter> primary# ldm unbind <ドメイン名> <Enter>

3

) 切り替えたい構成を指定します。

primary# ldm set-spconfig initial <Enter>

4) 構成を再確認します。

primary# ldm list-spconfig <Enter> factory-default initial [next_poweron] reduced [current]

• [next]表示のある構成が、再起動後に実行されます。 5

) 電源を再投入します。

primary# shutdown -y -g0 -i5 <Enter> ... sc> poweron -c

7-24 C120-E534-05

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7.10 システムコントローラからの LDoms 構成の切り替え

7.10 システムコントローラからの LDoms 構成の切り替え 保存済みの LDoms 構成は、システムコントローラからも選択できます。 以下の操作はシステム監視機構(ALOM, ILOM)によって異なります。使用してい

るシステム監視機構の手順に基づいて操作をしてください。 【ALOM の場合】 1) システムコントローラ(SC)にログインして、bootmode コマンドで config

オプションを指定します。 sc> bootmode config="factory-default"

factory-default 以外には、ldm add-config コマンドで保存済みの構成を指定します。 2) reset コマンドを投入します。

sc> reset

【ILOM の場合】

次回起動時から LDoms 構成が切り替わります。

-> set /HOST/bootmode config=factory-default Set 'config' to 'factory-default' -> reset /SYS Are you sure you want to reset /SYS (y/n)? y Performing reset on /SYS

C120-E534-05 7-25

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LDoms の運用

7.11 LDoms 環境の削除方法 LDoms の使用を中止し、OS およびシステムコントローラを LDoms を使用してい

ない環境にするための手順を以下に示します。

7.11.1 ゲストドメインの削除 1

) すべてのゲストドメインを停止します。

ldom1# shutdown –i0 –g0 -y <Enter> ldom2# shutdown –i0 –g0 -y <Enter> ldom3# shutdown –i0 –g0 -y <Enter>

primary# ldm stop-domain –a <Enter>

2

) すべてのゲストドメインの結合を解除します。

primary# ldm unbind-domain <ドメイン名> <Enter>

3

) すべてのゲストドメインを削除します。

primary# ldm remove-domain <ドメイン名> <Enter>

7-26 C120-E534-05

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7.11 LDoms 環境の削除方法

7.11.2 LDoms構成の削除 1

) LDoms 構成を工場出荷状態(factory-default)にします。

primary# ldm set-config factory-default <Enter>

2

) 保存した LDoms 構成をすべて削除します。

primary# ldm list-config <Enter> primary# ldm remove-config <config 名> <Enter>

3) 構成を再確認します。

primary# ldm list-config <Enter> factory-default [next poweron]

• factory-default(工場出荷時の構成)を削除することはできません。 4) 「7.3.2 制御ドメインからの接続」でネットワーク定義ファイルを変更した

場合は、元に戻します。

primary# mv /etc/hostname.vsw0 /etc/hostname.e1000g0 <Enter>

5) vntsd サービスを停止します。

primary# svcadm -v disable vntsd <Enter> svc:/ldoms/vntsd:default が無効になりました。 primary# svcs -a |grep ldom disabled 8:36:20 svc:/ldoms/vntsd:default online 8:32:59 svc:/ldoms/ldmd:default

6

) 電源を切断し、再投入します。

primary# shutdown -y -g0 -i5 <Enter> ...

sc> poweron -c

• システムコントローラ(SC)上で reset コマンドを投入しても、同様の

結果が得られます。

C120-E534-05 7-27

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LDoms の運用

7.12 LDoms の削除および再インストール方法 LDoms を削除する手順および再インストールする手順を以下に示します。

LDoms のバージョンをアップする場合も同じ手順です。

7.12.1 ゲストドメインの削除

ゲストドメインの削除については、「7.11.1 ゲストドメインの削除」を参照して

ください。

7.12.2 LDoms構成の削除 LDoms構成の削除については、「7.11.2 LDoms構成の削除」を参照してください。

7.12.3 LDoms Managerの削除 1) LDoms Manager を削除します。

インストール済みの LDoms Manager は、以下の方法で確認します。

# pkginfo -l SUNWldm|grep VERSION VERSION: 1.2,REV=2009.06.25.09.48

以下の手順で、パッケージを削除してください。

# pkginfo -l SUNWldm|grep VERSION VERSION: 1.2,REV=2009.06.25.09.48 # svcadm disable ldmd # svcadm disable vntsd # pkgrm SUNWldm 次のパッケージは現在インストールされています: SUNWldm Logical Domains Manager (sparc.sun4v) 1.2,REV=2009.06.25.09.48 このパッケージを削除しますか [y,n,?,q] y ...

パッケージ削除後、新しいパッケージを再インストールする場合は、富士通

公開サイトからダウンロードします。 http://primeserver.fujitsu.com/sparcenterprise/download/software/ldoms/

2) Solaris Security Toolkit を削除します。 Solaris Security Toolkit で設定したセキュリティを元に戻してから、パッケー

ジを削除します。

primary# /opt/SUNWjass/bin/jass-execute –u <Enter> : primary# pkgrm SUNWjass <Enter> primary# /usr/sbin/shutdown -i6 -g0 –y <Enter>

7-28 C120-E534-05

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7.12 LDoms の削除および再インストール方法

C120-E534-05 7-29

7.12.4 LDoms Manager のインストール 1) インストールする LDoms マネージャが必要とする OS、パッチレベル、

ファームレベルになっていることを確認します。 2) 新の定期 PTF および 新の推奨・セキュリティパッチを適用します。 3) 「6.3 LDoms Managerのインストール」を参照して新しいパッケージをイン

ストールします。

7.12.5 ドメインの構築 「4.2.6 制御ドメインの構築」、「5.3.8 制御ドメインの構築」、「4.2.7 ゲストド

メインの構築」「5.3.10 ゲストドメインの構築」を参照し、各ドメインを構築し

てください。構築後、全ドメインの状態を確認します。 primary$ ldm list-domain <Enter> NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 52m ldom1 active -n---- 5001 16 1920M 0.0% 36m ldom2 bound -t---- 5002 16 1G 6.2% 4m ldom3 inactive -n---- 5003 24 4G 100% 52m

ドメインの状態確認の詳細については、「7.1.1 ドメインの状態確認」を参照し

てください。

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第 8 章 部品交換時に必要な作業について

ここでは、サービスエンジニアによる部品交換作業時に発生するお客様の作業に

ついて説明します。

マザーボードとSCCモジュールを交換した後は、LDoms環境が工場出荷状態

(factory-default)になります。 「8.2 部品交換前のシステム停止について」「8.3 部品交換後のLDoms構築につい

て」の手順を実施してください。

C120-E534-05 8-1

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部品交換時に必要な作業について

8.1 サービスエンジニアによる部品交換作業について サービスエンジニアが行う作業は、装置停止状態での部品交換と交換部品の動作

確認(制御ドメインの POST が完了するまで)です。

8.2 部品交換前のシステム停止について ハードウェアの障害が発生し、以下の部品交換を行う場合は、交換作業の前に

LDoms 環境の削除が必要です。 図 8.1 を参照し、システムの停止作業を行ってください。 • マザーボードの交換 (SPARC Enterprise T5120, T5220, T5140, T5240) • BSP ボードの交換 (SPARC Enterprise T5440)

⇒ LDoms 構成情報が記録されている部品の交換のため。 • SCC モジュールの交換

⇒ LDoms が有効の場合、HostID, MAC アドレスが、交換前のままとなるた

め、新しい HostID, MAC アドレスに変更するには、工場出荷状態から再

構築を実施する必要があるため。 • 工場出荷状態(factory-default)で起動した状態での部品交換

CMP モジュール(SPARC Enterprise T5440) ⇒ CPU 縮退後の IBIST/POST で、工場出荷状態になるため。

図 8.1 部品交換前のシステム停止作業の流れ

交換する部品

マザーボード/BSP ボード

LDoms の状態は?

有効 無効

(工場出荷状態)

「4.1.2/5.2.3 ファームウェアの確認」を行う

ILOM, ALOM CMT の設定情報を記録する

「7.5 本体電源の切断、制御ドメインの停止・再起動」を実施し、システムを停止

SCC モジュール

「7.11 LDoms環境の削除方法」を実施し、工場出荷状態でシステムを停止

その他

(CPU メモリモジュール)

8-2 C120-E534-05

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8.3 部品交換後の LDoms 構築について

8.3 部品交換後の LDoms 構築について 部品交換で工場出荷状態(factory-default)になった場合は、LDoms の再構築が必

要です。図 8.2 を参照し、LDoms の構築作業を行ってください。 注)

• 自動割り当てしたゲストドメイン(HostID)、仮想スイッチ(vsw)、

仮想ネットワーク(vnet)の MAC アドレスが変更になる場合がありま

す。 • 仮想スイッチ(vswX)、仮想ネットワーク(vnetX) 仮想ディスク

(c0dXs0)のXの箇所が変更になる場合があります。

図 8.2 部品交換後の LDoms 構築作業の流れ の LDoms 構築作業の流れ

交換した部品

マザーボード/BSP ボード SCC モジュール

LDoms の状態は?

有効 無効

(工場出荷状態)

システムファームウェアのアップグレードは?

必要

「7.5 本体電源の切断、制御ドメインの停止・

再起動」を実施してシステムを停止した?

記録した ILOM, ALOM CMT の設定情報を復元する

「4.2.6/5.3.8 制御ドメインの構築」を実施

必要ならば、「7.3.2 制御ドメインからの接続」を実施

「4.2.7/5.3.10 ゲストドメインの構築」を実施

いいえ

(異常終了含む)

はい

「6.1 ファームウェアのアップグレード」

を実施

「7.1.4 制御ドメインから

のドメインの停止」を実施

「7.1.2 ドメインの起動」

を実施

「7.11 LDoms環境の削除方法」を実施してシステムを停止した?

はい いいえ (異常終了含む)

「7.11 LDoms環境の削除方法」の全ゲストドメインの削除と

保存したすべての LDoms 構成の削除を実施

工場出荷状態 工場出荷状態

不要

「7.8 ゲストドメインの構成情報の採取・復旧」を実施

その他

(CPU メモリモジュール)

C120-E534-05 8-3

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第 9 章 バグ情報および注意事項 9.1 バグ情報および注意事項

ここでは、LDoms を使用する場合のバグ情報および注意事項について説明します。

表 9.1 バグ情報および注意事項(LDoms1.0.2 以降)

現象

ゲストドメインで Solaris OS のブートを行うと、recursive mutex_enter でパニックが発

生する場合があります。 なお、この現象は 4 つ以上のゲストドメインを構築した場合に発生し(発生頻度は低

い)、Sun Microsystems 社 Bug ID: 6639934 に該当します。 1

対処 現象発生後、該当ゲストドメインの Solaris OS を再起動してください。制御ドメイ

ン、他のゲストドメインへの影響はありません。

現象 ゲストドメインで Solaris OS のブートがハングアップする場合があります。 なお、この現象は 4 つ以上のゲストドメインを構築した場合に発生します(発生頻度

は低い)。 2

対処 現象発生後、該当ゲストドメインを強制終了させ、Solaris OS を再起動してくださ

い。制御ドメイン、他のゲストドメインへの影響はありません。

現象

ゲストドメインで Solaris OS のブートを行うと、db error: disk I/O error が発生し、シン

グルユーザで立ち上がることがあります。 なお、この現象は 4 つ以上のゲストドメインを構築した場合に発生します(発生頻度

は低い)。 3

対処 現象発生後、該当ゲストドメインを強制終了させ、Solaris OS を再起動してくださ

い。制御ドメイン、他のゲストドメインへの影響はありません。

現象 ゲストドメインで Solaris OS のブートを行うと、svc.configd: Fatal error: "boot" backup failed: が発生し、シングルユーザで立ち上がることがあります。なお、この現象は 4つ以上のゲストドメインを構築した場合に発生します。(発生頻度は低い)。 4

対処 現象発生後、該当ゲストドメインを強制終了させ、Solaris OS を再起動してくださ

い。制御ドメイン、他のゲストドメインへの影響はありません。

現象 複数のゲストドメインを同時にインストールすると、boot net に失敗することがあり

ます。インストール作業は、4多重以内を推奨します。 5

対処 多重度を下げてからインストールを行ってください。 この現象が発生したドメインは、stop-domain 後、start-domain で復旧できます。

C120-E534-05 9-1

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バグ情報および注意事項

現象

Sun Explorer で資料採取時に、以下の WARNING メッセージが表示されることがあり

ます。 # /opt/SUNWexplo/bin/explorer : :

10 月 17 14:45:22 t5240-fj-05[16428] disks: RUNNING Oct 17 14:45:22 t5240-fj-05 scsi: WARNING: /pci@400/pci@0/pci@1/pci@0/usb@0,2/storage@2/disk@0,0 (sd2): Oct 17 14:45:22 t5240-fj-05 Error for Command: inquiry Error Level: Informational Oct 17 14:45:22 t5240-fj-05 scsi: Requested Block: 0 Error Block: 0 Oct 17 14:45:22 t5240-fj-05 scsi: Vendor: TSSTcorp Serial Number: Oct 17 14:45:22 t5240-fj-05 scsi: Sense Key: Illegal Request Oct 17 14:45:22 t5240-fj-05 scsi: ASC: 0x24 (invalid field in cdb), ASCQ: 0x0, FRU: 0x0 10 月 17 14:46:05 t5240-fj-05[16428] emc: RUNNING :

6

対処 Sun Microsystems 社の BugID#6450938, 6561095 に該当します。 この WARNING メッセージはシステムには影響がありませんので無視してください。

現象

仮想 CPU の削減処理で失敗したときに、以下のエラーメッセージが出力されます。 primary# ldm remove-vcpu 4 mydom2 LDom mydom2 does not support adding VCPUs ^^^^^^ Resource removal failed

7

対処 Sun Microsystems 社の BugID#6769835 に該当します。 remove 処理でも adding と表示されています。業務への影響はありません。

現象

factory-default の状態で起動されているとき、ldm コマンドで表示される各ドメインの

合計値がシステムで搭載している VCPU 数やメモリサイズを超えているように見えま

す。 primary# ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-c- SP 127 16160M 0.0% 3m mydom2 inactive ----- 120 12G

8

対処 仕様通りの表示であり問題ありません。STATE が inactive の場合には、ドメイン定義

の表示であり、ドメインが使用している値ではありません。

現象 排他(excl)オプションを指定したエクスポート処理(LDoms1.0.3 管理ガイド上は 1回のみ許可)が、同じ仮想ディスクバックエンドに対して複数回実施できます。

9 対処

1つの仮想ディスクバックエンドを複数回エクスポートする場合は、排他オプション

指定でエクスポートしたすべての仮想ディスクサーバデバイスを削除した後、それら

を排他オプション指定なしでエクスポートし直してください。

現象 Solaris 10 10/08 以降の環境で、1 つのスライスディスクを作成する slice オプションを

指定してエクスポートを行っても、ゲストドメインに割り当てると s0~s7 のスライス

が作成されます。 10

対処 s0~s7 のスライスが作成されますが、実際に使用できるスライスは s0 のみです。s1~s7 のスライスは無視してください。

9-2 C120-E534-05

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9.1 バグ情報および注意事項

現象 制御ドメインから eject(1)を実行すると、ゲストドメインで CD/DVD を使用中にもか かわらず、媒体が排出される場合があります。

11

対処 CD/DVD をエクスポートする際に、排他(excl)オプションを指定してください。

排他オプションを指定すると、制御ドメインからの eject(1)が無効になります。 媒体

は CD/DVD ドライブの eject ボタンで排出してください。

現象 CD/DVD をエクスポートしてゲストドメインで使用すると、CD/DVD ドライブの

eject ボタンを押しても媒体を排出できない場合があります。

12 対処

エクスポートした CD/DVD のゲストドメインへの割り当てを解除する必要がありま

す。 割り当てを解除するには、ゲストドメインから仮想ディスクを削除した後、 ゲストドメインを停止してください。

現象 ゲストドメインへ Solaris OS をネットワークインストールすると、ゲストドメインの

OS 起動中にハングすることがあります。 13

対処 Sun Microsystems 社の BugID#6705823 に該当します。

6705823 guest ldom hangs during boot net of s10u4 インストールイメージの mini root に 127111-05 以降を適用してください。

現象 仮想コンソールサービスを複数作成する場合、新規追加したポートで telnet 接続がで

きないことがあります。 14

対処 仮想コンソールサービスは1つしか起動できません。 仮想コンソールサービスは複数作成しないでください。

C120-E534-05 9-3

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バグ情報および注意事項

現象

仮想 I/O デバイス(注1)の削除を行うと、ゲストドメインの bind 時に仮想 I/O デバ

イスに割り当てられるデバイス名が変わることがあります。 注1)仮想 I/O デバイスには仮想ディスク(vdisk)、仮想ネットワークデバイス

(vnet)、仮想スイッチ(vsw)が該当します。 3つの仮想ディスクのうち1つを削除した場合に、仮想ディスクに割り当てられるデ

バイス名が変更される事例、および変更されない事例を以下に示します。 1) 各仮想ディスクに割り当てられているデバイス名を確認します。 以下の事例では、3 つの仮想ディスク vdisk0、vdisk2、vdisk3 が存在します。 #ldm ls -l ldom1 DISK NAME VOLUME TOUT DEVICE SERVER MPGROUP vdisk0 Vol1@primary-vds0 disk@0 primary vdisk1 Vol2@primary-vds0 disk@1 primary vdisk2 Vol3@primary-vds0 disk@2 primary <デバイス名が変わらない事例> 2-1) vdisk2 を削除した場合は、bind 後も各仮想ディスクに割り当てられたデバイス名

は変わりません。 #ldm ls -l ldom1 DISK NAME VOLUME TOUT DEVICE SERVER MPGROUP vdisk0 Vol1@primary-vds0 disk@0 primary vdisk1 Vol2@primary-vds0 disk@1 primary <デバイス名が変わってしまう事例> 2-2) vdisk1 を削除した場合は、bind 後に vdisk2 に割り当てられているデバイス名が

disk@2 から disk@1 に変わってしまいます。 #ldm ls -l ldom1 DISK NAME VOLUME TOUT DEVICE SERVER MPGROUP vdisk0 Vol1@primary-vds0 disk@0 primary vdisk2 Vol3@primary-vds0 disk@1 primary

変更された 注2)この例では、vdisk2 をゲストドメインでブートディスクとして使用していた場

合、ゲストドメインがブートできなくなります。

15

対処

<回避方法> 仮想 I/O デバイスの削除を行わないようにしてください。 <復旧方法> ゲストドメインを復旧する場合は、LDoms 構築スクリプトを再実行してゲストドメ

インを 再構築した上で、システムの再インストール、または最新のバックアップから

システムを 復元して下さい。 復旧後は仮想 I/O デバイスの削除を行わないようにしてください。

9-4 C120-E534-05

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9.1 バグ情報および注意事項

現象 任意のドメインに対して、動的再構成による仮想 CPU の追加・削除を連続して繰り

返し実行すると、該当のドメインがパニックする場合があります。 本現象は Sun Microsystems 社 Bug ID: 6883476 に該当します。

16

対処 任意のドメインに対して、(シェルスクリプトを使用するなどして)動的再構成によ

る仮想 CPU の追加・削除を連続して繰り返し実行しないでください。 現象が発生したら、該当ドメインの Solaris OS を再起動してください。

C120-E534-05 9-5

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バグ情報および注意事項

表 9.2 バグ情報および注意事項(LDoms1.1)

現象 active な論理ドメインを移行した場合、移行先ホストで ldm ls(ls-domain、ls-bindings)を実行すると UPTIME に異常な値("183205d 10h" 等)が表示されます。

1

対処 Sun Microsystems 社の BugID#6774641 に該当します。 論理ドメインの動作に影響はありません。

現象

以下のように 512 バイト未満のファイルを動的再構成(DR)で追加または削除した

場合は、ゲストドメインの OS がハングアップします。 primary# ldm add-vdisk Vol50B Vol50B@primary-vds0 ldom3 VIO configure request sent, but no valid response received LDom ldom3 did not respond to request to configure VIO device VIO device is considered to be allocated to LDom, but might not be available to the guest OS primary# ldm rm-vdisk Vol50B ldom3 VIO unconfigure request sent, but no valid response received LDom ldom3 did not respond to request to configure VIO device VIO device is considered to be allocated to LDom, but might not be available to the guest OS Failed to remove vdisk instance

2

対処 LDoms 仮想ディスクの最小サイズは、512bytes です。 512 バイト未満の仮想ディスクの削除は inactive 状態で行ってください。

現象

"ldm migrate"コマンドの実行が失敗するとターゲットホストに不正なドメインが作成

される場合があります。 例1)予行演習中にターゲットホストで遅延再構成状態となる場合 例2)アクティブドメイン移行中にソース/ターゲット間のネットワーク接続が切断

された場合 例3)ソース/ターゲット間のネットワーク接続が切断されている時に inactive /

bound ドメインを移行した場合

3

対処

例 1 に関して) • Sun Microsystems 社の BugID#6787570 に該当します。

移行の予行演習を実施している場合には、再構成が動作するオペレーションを実

施しないでください。 予行演習の失敗が発生した場合は、失敗原因を取り除いた後、ターゲットホスト

に作成されたドメインを手動で削除してください。 例 2、3 に関して) 移行の失敗が発生した場合は、ネットワーク障害等の失敗原因を取り除いた後、以下

の対応を行ってください。 • ターゲットドメインが再開している場合はソースドメインを手動で削除してくだ

さい。 • それ以外の場合は、ソース/ターゲットドメイン両方を手動で削除し、ソースホ

ストにソースドメインを再構築してください。

9-6 C120-E534-05

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9.1 バグ情報および注意事項

現象 Logical Domains (LDoms) 1.1 Administration Guide において「暗号化装置をバインドし

た active 状態のドメインの移行は失敗する」旨の記載がありますが、VCPU 数が 1 の

場合にそのような移行を実施しても失敗しません。

4

対処

Logical Domains (LDoms) 1.1 Administration Guide の記載内容が不足しており、暗号化

装置をバインドした active 状態のドメインの移行は「VCPU 数が 1 個」の場合には失

敗しません。 この誤記は BugID#6843096 に該当します。 6843096 LDoms document info is not accurate in customer environment

現象 active 状態のドメインの移行を実施後、移行先でそのドメインのシステム時刻に遅れ

が生じます。

5 対処

必要に応じて、"date"コマンドで修正してください。 # date mmddHHMM[[cc] yy] [.SS]

注)"date"コマンドの詳細は man を、参照してください。

現象 アクティブドメイン移行中にソース/ターゲットホスト間のネットワーク接続が切断

された場合に移行が失敗し、ソースドメインの vcpu 数が 1 に減ります。 6

対処 ソースドメイン再起動後、ソースドメインに対して下記のコマンドを実施し、vcpu 数

を修正してください。 # ldm add-vcpu <VCPU 数> <ldom名>

現象

--- SVM について --- SVM ボリュームをバックエンドとして slice オプション指定でエクスポートした場

合、ゲストドメインに割り当てられた仮想ディスクはゲストドメインから format(1M)を実行すると、ラベルが<drive type unknown>と表示されます。

7

対処 表示上の問題だけであり動作には影響ありませんので無視してください。

現象

--- ZFS について --- zfs ボリュームをバックエンドとして slice オプション指定でエクスポートした場合、

ゲストドメインに割り当てられた仮想ディスクはゲストドメインから format(1M)を実

行すると、ラベルが「<Unknown-Unknown-XX >」と表示されます。 8

対処 Sun Microsystems 社の BugID#6840912 に該当します。 表示上の問題だけであり動作には影響ありませんので無視してください。

現象 仮想ディスクの動的再構成(DR)を実行中に ldm start, ldm stop コマンド、および他

の動的再構成(DR)操作を実行すると、ldm コマンドが異常終了する場合がありま

す。

9

対処

Sun Microsystems 社の BugID#6825741 に該当します。 仮想ディスクの動的再構成(DR)を行うコマンド(add-vds, add-vdsdev, add-vdisk, rm-vds, rm-vdsdev, rm-vdisk) を実行する際は、ldm start, ldm stop コマンド、および他の仮

想ディスクの動的再構成(DR)を行うコマンド(add-vds, add-vdsdev, add-vdisk, rm-vds, rm-vdsdev, rm-vdisk)を実行しないようにしてください。

C120-E534-05 9-7

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バグ情報および注意事項

現象

動的再構成(DR)で add-vdisk サブコマンドを実行した際に以下のメッセージが出力

される場合があります。 また、本メッセージが出力された場合でも、実際には仮想ディスクがゲストドメイン

に追加されていることがあります。 primary# ldm add-vdisk vol3 vol3@vds1 ldom2 VIO configure request sent, but no valid response received LDom ldom2 did not respond to request to configure VIO device VIO device is considered to be allocated to LDom, but might not be available to the guest OS

10

対処

本メッセージが出力した際に追加しようとした仮想ディスクがゲストドメインに追加

されていた場合は、rm-vdisk サブコマンドで追加された仮想ディスクを削除してくだ

さい。 また、add-vdisk 実行でメッセージが出力された直後に同じ仮想ディスクに対して rm-vdisk サブコマンドを実行した際にメッセージが出力され、失敗する場合がありま

す。 このような場合は時間(15 分~30 分以上)を置いて rm-vdisk を再実行してください。

9-8 C120-E534-05

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9.1 バグ情報および注意事項

表 9.3 バグ情報および注意事項(LDoms1.2)

現象

"ldm set-vcons" コマンドで、制御ドメインに仮想コンソールのオプションを設定しようとする

と、ldmd デーモンがコアダンプを出力します。なお、ldmd デーモンは自動的に再起動されま

す。

(例) # ldm set-vcons port=5004 primary Sep 2 11:50:26 XXXXXX genunix: NOTICE: core_log: ldmd[526] core dumped: /var/core/core_XXXXXX_ldmd_0_0_1251859823_526 Invalid response

1

対処 "ldm set-vcons"コマンドは、資源のバインドが解除されているドメインにのみ使用できます。

制御ドメインには使用しないでください。

現象

遅延再構成モードの制御ドメインに対して、次のいずれかのコマンドを使用して仮想 CPU の

移動を複数回行った場合、ldmd デーモンがコアダンプを出力する場合があります。

・"ldm add-vcpu" コマンド(仮想 CPU の追加)

・"ldm remove-vcpu" コマンド(仮想 CPU の削除)

・"ldm set-vcpu" コマンド(仮想 CPU の設定)

なお、ldmd デーモンは自動的に再起動されます。

(例) # ldm set-memory 2G primary Initiating delayed reconfigure operation on LDom primary. All configuration changes for other LDoms are disabled until the LDom reboots, at which time the new configuration for LDom primary will also take effect. # ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -ndcv- SP 8 1G 0.0% 1h 1m ldom1 inactive ------ 4 2G ldom2 inactive ------ 8 1G # ldm set-vcpu 1 primary --------------------------------------------------------------------------------------------- Notice: LDom primary is in the process of a delayed reconfiguration. Any changes made to primary will only take effect after it reboots. --------------------------------------------------------------------------------------------- # ldm set-vcpu 2 primary Aug 13 16:12:16 XXXXXX genunix: NOTICE: core_log: ldmd[2053] core dumped: /var/core/core_XXXXXX_ldmd_0_0_1250147534_2053 Invalid response

また、本現象発生時は、/var/svc/log/ldoms-ldmd:default.log に以下のメッセージが出力さ

れます。 fatal error: (4) Reconfiguring the HV (FIXME: do warmstart)

2

対処 本件は Sun Microsystems 社の BugID#6697096 に該当します。

遅延再構成モードの制御ドメインに対して仮想 CPU の移動を行う場合は、制御ドメインを再

起動してから行ってください。

C120-E534-05 9-9

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バグ情報および注意事項

現象

以下のような場合に、遅延再構成モードとなることがあります。 1)論理ドメインが起動状態(active)かつ、OS が起動している状態の場合に、仮想 I/O デ

バイスに対する操作を行うと、動的再構成(DR)とならずに遅延再構成モードとなる

ことがあります。 現在、判明している遅延再構成となる操作は、以下となります。 - set-vsw サブコマンドで、mac-addr、net-dev、mode、mtu の何れかを指定した場合 - set-vnet サブコマンドで、mode、mtu の何れかを指定した場合 - set-vdisk サブコマンドで、timeout を指定した場合

2)ゲストドメインが起動状態(active)で、OS が起動していない状態、または対象とな

るゲストドメインの Logical Domains 動的再構成デーモン(drd)が停止状態の場合に、

仮想 I/O デバイスに対する操作を行うと、エラーとはならずに遅延再構成モードと

なることがあります。 現在、判明している遅延再構成となる操作は、以下となります。 - set-vsw サブコマンドで、mac-addr、net-dev、mode、mtu の何れかを指定した場合 - set-vnet サブコマンドで、mode、mtu の何れかを指定した場合 - set-vdisk サブコマンドで、timeout を指定した場合

以下のメッセージが出力された場合、遅延再構成モードとなっています。 Initiating delayed reconfigure operation on <domain_name>. All configuration changes for other LDoms are disabled until the LDom reboots, at which time the new configuration for Ldom <domain_name> will also take effect.

3

対処

以下のコマンドで、遅延再構成モードのドメインを確認します。 # ldm list-domain NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv- SP 8 4G 0.6% 52m ldom1 active -nd--- 5001 16 1920M 0.0% 36m

• 対象となるドメインの FLAGS の 3 列目が"d"と表示されている場合が、遅延再構

成モードをあらわします。

遅延再構成モードになっている場合は、ドメインを再起動するか、ldm cancel-operation

reconf コマンドで操作を取り消してください。

すぐに操作を有効にしたい場合は、ドメインを再起動してください。

あとで再度、操作を実施する場合は、以下の手順を実施してください。

1) ldm cancel-operation reconf コマンドを使用して、保留中の遅延再構成を取り消してくださ

い。 # ldm cancel-operation reconf <domain_name>

2) 変更するドメインの停止後に、再度、仮想 I/O デバイスに対する操作を行い、ドメインを起

動してください。

現象

制御ドメインの Solaris OS 起動時に、以下のメッセージが出力されることがあります。

WARNING: ds_ucap_init: ds_loopback_set_svc err (16)

本現象は Sun Microsystems 社 Bug ID: 6813225 に該当します。 4

対処 本現象は 139983-04 以降で修正されていますので、パッチの適用を御願いします。

9-10 C120-E534-05

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9.1 バグ情報および注意事項

C120-E534-05 9-11

表 9.4 ドメインの依存関係に関する注意事項(LDoms1.2)

現象 マスターとなるドメインを定義しようとした場合に、以下のエラーメッセー

ジが出力されることがあります。 「LDom "<slave_name>" is bound and requires LDom "<master_name>" be bound」

1

対処 マスターとなるドメインが、リソース未結合(inactive)の場合に出力されます。

マスタードメインのリソースを結合(bind)してから、マスターとなるドメインを定義してく

ださい。

現象 ゲストドメインに対してリソースの結合を解除(unbind)しようとした場合に、以下のエ

ラーメッセージが出力されることがあります。

「LDom "<slave_name>" is bound with a dependency on LDom "<master_name>"」

2

対処

マスタードメイン(master_name)として定義しているドメインが存在する場合に表示さ

れます。

以下のコマンドを実行するか、または依存関係を解除するための構築スクリプトを実

行し、ドメインの依存関係の解除を行ってください。

# ldm set-domain master= <slave_name>

現象 マスタードメインの停止により、スレーブドメインがリセットされると、スレーブドメインで

ok プロンプトが 2 回表示されることがあります。 3 対処 表示上の問題であり、ゲストドメイン、およびゲストドメインの Solaris OS の動作に

影響はありませんので、無視してください。

現象

スレーブドメインで OK プロンプトが表示されているときに、マスタードメイン(failure-

policy=panic)が停止すると、スレーブドメインの画面に以下のエラーメッセージが出

力され、 boot がエラーになります。

「FATAL: /virtual-devices@100/console@1: Last Trap: Non-Resumable Error」

また、再度スレーブドメインを boot しても、以下のエラーメッセージが出力され、エ

ラーになります。

「FATAL: system is not bootable, boot command is disabled」

4

対処 制御ドメインから本現象の発生しているゲストドメインを再起動した後に、ゲストドメイ

ンの OS の起動(boot)を実施してください。

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第 10 章 機種別留意事項

ここでは、Logical Domains1.2 の動作環境、および機種別の推奨構成について説

明します。

10.1 Logical Domains 1.2 の動作環境 Logical Domains1.2 の動作環境は、以下のとおりです。

表 10.1 Logical Domains1.2 の動作環境

ハードウェア SPARC Enterprise T5120/T5220/T5140/T5240/T5440

ファームウェア 7.2.2.e 以降

ベース OS Solaris 10 8/07 以降 (Solaris 10 5/09 以降推奨)

ドメイン最大分割可能数 ・ SPARC Enterprise T5120/T5220 64 分割(注 1)

・ SPARC Enterprise T5140/T5240/T5440 128 分割(注 2)

必須パッチ(制御ドメイン) Solaris 10 5/09 には以下のパッチが必要。

141778-02 以降

139983-04 以降

Solaris 10 8/07, 5/08, 10/08 には以下のパッチが必要。

139555-08

必須パッチ(サービスドメイン、I/O ド

メイン)

Solaris 10 8/07, 5/08, 10/08 には以下のパッチが必要。

139555-08

必須パッチ(ゲストドメイン) Solaris 10 8/07, 5/08, 10/08 には以下のパッチが必要。

139555-08

Enhanced Support Facility ・SPARC Enterprise T5120/T5220

3.0 以降

パッチは、Enhanced Support Facility Manuals &

Patches 3.0A30 以降、または 3.0A20 に以下のパッチが必要。

914603-05 以降

914604-05 以降

914595-05 以降

・SPARC Enterprise T5140/T5240

3.0.1 以降 (3.0.1 に以下のパッチが必要)

914604-05 以降

・SPARC Enterprise T5440

3.1 以降 (3.1 には以下のパッチが必要)

914604-05 以降

注 1)1 個の制御ドメイン+63 個のゲストドメインを構築可能です。

注 2) 1 個の制御ドメイン+127 個のゲストドメインを構築可能です。

C120-E534-05 10-1

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機種別留意事項

10.2 SPARC Enterprise T5120/T5220 留意事項

10.2.1 LDomsの推奨構成 SPARC Enterprise T5120/T5220 では、以下の構成を推奨します。ただし実際の業

務で使用する環境での動作検証が必要です。動作検証の結果によっては、下記の

推奨構成と異なる場合があります。

表 10.2 SPARC Enterprise T5120/T5220 の推奨構成

ドメイン数 制御ドメイン:1 ゲストドメイン:2~3(注)

CPU 数 各ドメインに対して、1CPU コア以上 メモリ 制御ドメイン:4GB(最低 1GB は必要)

ゲストドメイン:1GB 以上 内蔵ディスク ダイレクト I/O で制御ドメインに接続、ソフト RAID でミラーリング

(仮想ディスクとしてゲストドメインに割り当て可能)

注) SPARC Enterprise T5120/T5220 では、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)

を作成できません。

10.2.2 LANに関する注意事項 標準LANポートのネットワークドライバ名は以下のとおりです。

SPARC Enterprise T5120/T5220:e1000g

10.3 SPARC Enterprise T5140/T5240 留意事項

10.3.1 LDomsの推奨構成 SPARC Enterprise T5140/T5240 では、以下の構成を推奨します。ただし実際の業

務で使用する環境での動作検証が必要です。動作検証の結果によっては、下記の

推奨構成と異なる場合があります。

表 10.3 SPARC Enterprise T5140/T5240 の推奨構成

ドメイン数 制御ドメイン:1 ゲストドメイン:3~7(注)

CPU 数 各ドメインに対して、1CPU コア以上 メモリ 制御ドメイン:4GB 以上(最低 1GB は必要)

ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用):4GB 以上 ゲストドメイン:1GB 以上

内蔵ディスク ダイレクト I/O で制御ドメインに接続、ソフト RAID でミラーリング

(仮想ディスクとしてゲストドメインに割り当て可能)

注)ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を1つ作成することができます。 本構成は I/O 性能を必要とするドメインでは有効です。 ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を作成する場合、標準 LAN ポートは

すべてゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)に割り当てられるため、制御ド

メイン側のスロットに LAN カードを増設する必要があります。

10-2 C120-E534-05

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10.3 SPARC Enterprise T5140/T5240 留意事項

C120-E534-05 10-3

10.3.2 LANに関する注意事項 10GbitEthernet XAUI カードを搭載する場合、排他のため以下のポートが使えなく

なります。

表 10.4 SPARC Enterprise T5140/T5240 で 10GbitEthernet XAUI カードを搭載

する場合

XAUI カード搭載位置 使えなくなる標準 LAN ポート

スロット 0 NET1

スロット 1 NET0

SPARC Enterprise T5140/T5240 でゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を構築する

場合、標準 LAN ポートはゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)側に割り当てられ

ます。そのため、制御ドメイン側に LAN カードを増設する必要があります。

図 10.1 SPARC Enterprise T5140 の場合

ゲストドメイン A

(I/O ドメイン兼用)

PCIe

0

PCIe

2

PCIe

1

NET3

NET2

NET1

NET0

制御ドメイン

vsw2

ゲスト ドメイン B

ゲスト ドメイン C

vnet1 vnet1

vsw1

LAN カードの増設が必要 XAUI カードと排他 XAUI カードと排他

図 10.2 SPARC Enterprise T5240 の場合

ゲストドメイン A

(I/O ドメイン兼用)

PCIe

0

PCIe

2

PCIe

1

NET3

NET2

NET1

NET0

制御ドメイン vsw2

ゲスト ドメイン B

ゲスト ドメイン C

vnet1 vnet1

vsw1

PCIe

3

PCIe

4

PCIe

5

LAN カードの増設が必要 XAUI カードと排他 XAUI カードと排他

標準LANポートのネットワークドライバ名は以下のとおりです。 SPARC Enterprise T5140/T5240/T5440:nxge

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機種別留意事項

10.3.3 増設カードの搭載について SPARC Enterprise T5140/T5240 に Ethernet カード、XAUI カード、ストレージ接続

用カード、およびその他のカードを実装するスロットについては、図 10.3 を参

考にしてください。

• 制御ドメイン :pci@400 • I/O ドメイン :pci@500

図 10.3 SPARC Enterprise T5140/T5240 のスロット位置と I/O デバイス

Slot #0 PCI-E :pci@500 XAUI :pci@500

Slot #1 PCI-E :pci@400 XAUI :pci@500

Slot #2 PCI-E :pci@400

T5240 only Slot #3 PCI-E :pci@400

Slot #4 PCI-E :pci@500

Slot #5 PCI-E :pci@500

10.4 SPARC Enterprise T5440 留意事項

10.4.1 LDomsの動作環境および推奨構成 SPARC Enterprise T5440 では、以下の構成を推奨します。ただし実際の業務で使

用する環境での動作検証が必要です。動作検証の結果によっては、下記の推奨構

成と異なる場合があります。

表 10.5 SPARC Enterprise T5440 の推奨構成

ドメイン数 制御ドメイン:1 ゲストドメイン:3~7(I/O ドメイン兼用:1)(注 1)

ゲストドメイン:3~11(I/O ドメイン兼用:3)(注 2) CPU 数 各ドメインに対して、1CPU コア以上 メモリ 制御ドメイン:4GB 以上(最低 1GB は必要)

ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用):4GB 以上 ゲストドメイン:1GB 以上

内蔵ディスク ダイレクト I/O で制御ドメインに接続、ソフト RAID でミラーリング

(仮想ディスクとしてゲストドメインに割り当て可能) 注 1) 2CPU モデルの場合、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を1つ作成す

ることができます。本構成は I/O 性能を必要とするドメインでは有効で

す。 ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を作成する場合、標準 LAN ポート

はすべてゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)に割り当てられるため、

制御ドメイン側のスロットに LAN カードを増設する必要があります。 注 2) 4CPU モデルの場合、ゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)を3つ作成

することができます。本構成は I/O 性能を必要とするドメインでは有効

です。

10-4 C120-E534-05

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10.5 I/O ドメインのハードウェア条件

C120-E534-05 10-5

10.4.2 LANに関する注意事項 10GbitEthernet XAUI カードを搭載する場合、排他のため以下のポートが使えなく

なります。 表 10.6 SPARC Enterprise T5440 で 10GbitEthernet XAUI カードを搭載する場合

XAUI カード搭載位置 使えなくなる標準 LAN ポート

スロット 4 NET1

スロット 5 NET0

標準LANポートのネットワークドライバ名は以下のとおりです。 SPARC Enterprise T5440:nxge

10.4.3 増設カードの搭載について SPARC Enterprise T5440 に Ethernet カード、XAUI カード、ストレージ接続用カー

ド、およびその他のカードを実装するスロットについては、図 10.4 を参考にし

てください。また 2CPU モデルと 4CPU モデルでは、作成できる I/O ドメイン数

と I/O デバイスが異なります。

2CPU モデル 4CPU モデル

I/O ドメイン数 2 4

制御ドメイン pci@400 pci@400 (注), pci@500, pci@600, pci@700

I/O ドメイン pci@500 pci@500 pci@500, pci@600, pci@700

注)制御ドメインに pci@400 を必ず割り当てます。

図 10.4 SPARC Enterprise T5440 のスロット位置と I/O デバイス

4CPU

2CPU pci@400

pci@400 pci@600 pci@500 pci@700

pci@500

Slot

0

Slot

1

Slot

2

Slot

3

Slot

4 /

XA

UI 0

On BoardLAN Sl

ot 6

Slot

7

USB

HDD

DVD

Slot

5 /

XA

UI 1

10.5 I/O ドメインのハードウェア条件 I/O ドメインのハードウェア条件は以下のとおりです。

• SPARC Enterprise T5140 • SPARC Enterprise T5240 • SPARC Enterprise T5440 • 制御ドメイン用 Ethernet カード • I/O ドメイン用外付けストレージ接続用カード、および外付けストレージ

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機種別留意事項

10.6 補足事項 ここでは、LDoms を使用したときの、内蔵ディスク、I/O スロット、オンボード

LAN と論理ドメインの関係を説明します。以下の 2 種類の構成を示します。

• 制御ドメインに全 I/O が接続する場合 • 制御ドメインとゲストドメイン(I/O ドメイン兼用)に I/O を分割した場合

10.6.1 SPARC Enterprise T5140 の場合 図 10.5 SPARC Enterprise T5140 構成パターン 1

制御ドメイン

内蔵 ディスク

DVD-ROM

PCI スロット 2

PCI スロット 1

PCI スロット 0

オンボード LAN

(4 ポート)

ゲストドメイン

ゲストドメイン

ゲスト ドメイン

図 10.6 SPARC Enterprise T5140 構成パターン 2(XAUI カードを実装しない場合)

制御ドメイン

内蔵 ディスク

DVD-ROM

PCI スロット 2

PCI スロット 1

ゲストドメイン (I/Oドメイン兼用)

PCI スロット 0

オンボード LAN

(4 ポート)

ゲストドメイン

ゲストドメイン

備考.制御ドメインに LAN カードの増設が必要です。

10-6 C120-E534-05

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10.6 補足事項

10.6.2 SPARC Enterprise T5240 の場合 図 10.7 SPARC Enterprise T5240 構成パターン 1

ゲストドメイン

ゲスト ドメイン

ゲストドメイン 制御ドメイン

内蔵 ディスク

DVD-ROM

オンボード LAN

(4 ポート)

PCI スロット 2

PCI スロット 1

PCI スロット 0

PCI スロット 5

PCI スロット 4

PCI スロット 3

図 10.8 SPARC Enterprise T5240 構成パターン 2(XAUI カードを実装しない場合)

ゲストドメイン 制御ドメイン

内蔵 ディスク

DVD-ROM

PCI スロット 3

PCI スロット 2

PCI スロット 1

ゲストドメイン (I/Oドメイン兼用)

オンボード LAN

(4 ポート)

PCI スロット 5

PCI スロット 4

PCI スロット 0

ゲストドメイン

備考.制御ドメインに LAN カードの増設が必要です。

C120-E534-05 10-7

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機種別留意事項

10.6.3 SPARC Enterprise T5440 の場合 図 10.9 SPARC Enterprise T5440 構成パターン 1

図 10.10 SPARC Enterprise T5440 構成パターン 2(XAUI カードを実装しない場合)

備考.制御ドメインに LAN カードの増設が必要です。

ゲストドメイン

ゲスト ドメイン

ゲスト ドメイン 制御ドメイン

内蔵 ディスク

DVD-ROM

オンボー ド LAN

(4ポ トー)

PCI スロット 2

PCI スロット 1

PCI スロット 0

PCI スロット 5

PCI スロット 4

PCI スロット 3

PCI スロット 6

PCI スロット 7

ゲスト ドメイン 制御ドメイン

内蔵 ディスク

DVD-ROM

PCIスロット 4

PCIスロット 1

PCIスロット 0

ゲストドメイン(I/Oドメイン兼用)

PCIスロット 6

PCIスロット 3

PCIスロット 2

ゲスト ドメイン

PCIスロット 5 PCIスロット 7

オンボード

LAN(4ポ トー)

10-8 C120-E534-05

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10.6 補足事項

図 10.11 SPARC Enterprise T5440 構成パターン 3(XAUI カードを実装しない場合)

備考.制御ドメインに LAN カードの増設が必要です。

ゲストドメイン(I/Oドメイン兼用)

制御ドメイン

内蔵 ディスク

DVD-ROM

PCIスロット 4

PCIスロット 1

PCIスロット 0

ゲストドメイン (I/Oドメイン兼用)

PCIスロット 6

PCIスロット 3

PCIスロット 2

ゲスト ドメイン

PCIスロット 5

PCIスロット 7

オンボード

LAN(4ポ トー)

オンボード

LAN(4ポ トー)

C120-E534-05 10-9

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付録A バックアップ・リストア手順

ここでは、ファイルシステムの退避・復元について説明します。

A.1 ファイルシステムの退避・復元 ゲストドメインのファイルシステムの退避・復元は、それぞれのゲストドメイン

上で、ドメインに結合済みの仮想ディスクだけを対象にして実施してください。

ファイルシステムの退避・復元については、『Solarisのシステム管理(デバイス

とファイルシステム)』を参考にしてください。このマニュアルは、以下のURLからダウンロードできます。 http://docs.sun.com/app/docs/doc/819-0386

ゲストドメインにはテープ装置を割り当てることができません。ゲストドメイン

上で仮想ディスクの退避・復元を行う場合は、リモートテープドライブを使用し

てください。作業後は、セキュリティの問題が発生しないように元に戻してくだ

さい。 1) テープ装置が接続されているリモートホスト(remotehost)の/etc/inet/hosts

ファイルまたはネームサービス上にゲストドメインのエントリを追加します。

remotehost# echo "xxx.xxx.xxx.xxx ldom1" >> /etc/inet/hosts

2) ゲストドメインの/etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス上にリモート

ホストのエントリを追加します。

ldom1# echo "xxx.xxx.xxx.yyy remotehost" >> /etc/inet/hosts

3

) リモートホストの rlogin サービスを使用可能にします。

remotehost# cat >> $HOME/.rhosts

ldom1

ldom2

ldom3

<Ctrl+d>

remotehost# chmod 0400 $HOME/.rhosts

4) リモートテープドライブの使用例を以下に示します。

ldom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0n /dev/rdsk/c0d0s0 ldom1# rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0 ldom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0

C120-E534-05 A-1

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バックアップ・リストア手順

制御ドメイン上からはゲストドメインに結合解除済みの仮想ディスクの実体

に対するアクセスが可能ですが、結合済みの仮想ディスクの実体に対して制

御ドメインから操作や読み書きを行うと、ゲストドメインでディスクエラー

や、システムハングアップなどが発生する場合があります。このため、ゲス

トドメインに結合した仮想ディスクの実体には制御ドメインからアクセスし

ないでください。

ゲストドメインに結合した仮想ディスクの実体へのアクセスを避けることが

できない操作を制御ドメインで行う場合は、ゲストドメインを停止・結合を

解除してから実施してください。

制御ドメインの復元作業などによってゲストドメインに結合していた仮想

ディスクの実体を復元した場合は、ゲストドメインの仮想ディスクの内容の

一部または全部が失われる場合があります。ゲストドメインに結合していた

仮想ディスクの実体を制御ドメインで復元した場合は、ゲストドメインから

の退避データを使用してゲストドメイン上で、対応する仮想ディスクの復元

も行ってください。

VTOC 情報の採取方法を以下に示します。file は VTOC 情報の保存ファイル

名です。

ldom1# prtvtoc /dev/rdsk/c#t#d#s2 > file

緊急 boot ディスクを割り当てることができない場合は、ネットワークサー

バから起動して作業することも可能です。

A-2 C120-E534-05

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A.2 ゲストドメインのファイルシステムの退避・復元手順

A.2 ゲストドメインのファイルシステムの退避・復元手順 緊急 boot ディスクを割り当てた後に、緊急 bootOS でゲストドメインを退避しま

す。ゲストドメインの復元時にも、緊急 bootOS を使って復元します。

A.2.1 ゲストドメイン用緊急bootディスクの割り当て 各ゲストドメイン用のディスクを追加する手順を以下に示します。 1

) 仮想ディスクデバイスを追加します。

primary# mkfile 10G /LDoms/Vol1/vdisk1.img

primary# ldm add-vdsdev /LDoms/Vol1/vdisk1.img Vol11@primary-vds0 2) 仮想ディスクデバイスを確認します。

primary# ldm list-domain -l 3

) 対象のドメインを停止、リソースの結合を解除します。

primary# ldm stop-domain ldom1

primary# ldm unbind-domain ldom1 4) ゲストドメインへ緊急 boot ディスクを追加します。

primary# ldm add-vdisk vdisk1 Vol11@primary-vds0 ldom1 5

) ゲストドメインの仮想ディスクを確認します。

primary# ldm list -l ldom1 6) ゲストドメインを起動します。

primary# ldm bind-domain ldom1

primary# ldm start-domain ldom1 7

) ゲストドメインにログイン後、デバイスを再構成します。

ldom1# devfsadm 8) ゲストドメインのディスクを確認します。

ldom1# format

Searching for disks...done

AVAILABLE DISK SELECTIONS:

0. c0d0 <SUN-DiskImage-10GB cyl 34950 alt 2 hd 1 sec 600>

/virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0

1. c0d1 <SUN-DiskImage-10GB cyl 34950 alt 2 hd 1 sec 600>

/virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@1

Specify disk (enter its number):

C120-E534-05 A-3

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バックアップ・リストア手順

A.2.2 ゲストドメイン用緊急bootOSのインストール ゲストドメイン用の緊急 bootOS をインストールして、最新パッチの適用と設定

を行います。 ゲストドメインにはテープ装置を割り当てることができません。 ゲストドメイン上で仮想ディスクの退避・復元を行う場合は、リモートテープド

ライブを使用してください。 1) ゲストドメイン用の緊急 boot ディスクにインストールし、最新のパッチ適

用および環境を設定します。すでに緊急 boot ディスクのインストールおよ

び設定ができている場合は、この手順をスキップします。

ldom1# /usr/sbin/shutdown -i0 -g0 -y ok > boot vnet0

2) テープ装置が接続されているリモートホスト(remotehost)の/etc/inet/hosts

ファイルまたはネームサービス上にゲストドメインのエントリを追加します。 退避および復元の作業終了後は、セキュリティを考慮して、設定を元に戻し

ます。

remotehost# echo "xxx.xxx.xxx.xxx ldom1" >> /etc/inet/hosts

3) ゲストドメインの /etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス上にリモー

トホストのエントリを追加します。

ldom1# echo "xxx.xxx.xxx.yyy remotehost" >> /etc/inet/hosts

4

) リモートホストの rlogin サービスを使用可能にします。

remotehost# cat >> $HOME/.rhosts

ldom1

ldom2

ldom3

<Ctrl+d>

remotehost# chmod 0400 $HOME/.rhosts

5

) リモートテープドライブの状態を確認します。

ldom1# rsh remotehost mt status

HP DAT-72 tape drive:

sense key(0x0)= No Additional Sense residual= 0

retries= 0

file no= 0 block no= 0

A-4 C120-E534-05

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A.2 ゲストドメインのファイルシステムの退避・復元手順

A.2.3 ゲストドメインの退避 ゲストドメイン用の緊急 bootOS から起動し、ゲストドメインの退避を行います。 1

) 緊急 boot ディスクから起動します。

primary# telnet localhost 5001

:

{0} ok boot vdisk1

2

) 退避するディスクの vtoc 情報を採取します。

ldom1# prtvtoc /dev/rdsk/c0d0s2 > ldom1-disk0.vtoc

3) ゲストドメインのシステムを退避します。

ldom1# rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0

ldom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c0d0s0

ldom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c0d0s3

ldom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c0d0s4

ldom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c0d0s5

4

) 退避した内容を確認します。

ldom1# rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0

ldom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c0d0s0.log

ldom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c0d0s3.log

ldom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c0d0s4.log

ldom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c0d0s5.log

C120-E534-05 A-5

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バックアップ・リストア手順

A.2.4 ゲストドメインの復元 ゲストドメイン用の緊急 bootOS から起動し、ゲストドメインの復元を行います。

復元する先のサイズを変更する場合には、インストールサーバから起動し、事前

にフォーマットしてください。 1

) ゲストドメイン用の緊急 boot ディスクから起動します。 primary# telnet localhost 5001 : {0} ok boot vdisk1

2) 復元先のディスクをフォーマットします。

ldom1# fmthard -s ldom1-disk0.vtoc /dev/rdsk/c0d0s2 3

) テープ装置からゲストドメインのシステムを復元します。

ldom1# rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0

root パーティションの場合は、bootblk も作成します。 ldom1# newfs /dev/rdsk/c0d0s0 ldom1# mount -F ufs /dev/dsk/c0d0s0 /mnt ldom1# cd /mnt ldom1# ufsrestore rvf remotehost:/dev/rmt/0cn ldom1# rm restoresymtable ldom1# cd /usr/sbin ldom1# umount /mnt ldom1# ./installboot /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/ufs/bootblk /dev/rdsk/c0t0s0

swap パーティションとbackup パーティションを除く各スライスを復元します。 ldom1# newfs /dev/rdsk/c0d0s3 ldom1# mount -F ufs /dev/dsk/c0d0s3 /mnt ldom1# cd /mnt ldom1# ufsrestore rvf remotehost:/dev/rmt/0cn ldom1# rm restoresymtable ldom1# cd / ldom1# umount /mnt ldom1# newfs /dev/rdsk/c0d0s4 ldom1# mount -F ufs /dev/dsk/c0d0s4 /mnt ldom1# cd /mnt ldom1# ufsrestore rvf remotehost:/dev/rmt/0cn ldom1# rm restoresymtable ldom1# cd / ldom1# umount /mnt ldom1# newfs /dev/rdsk/c0d0s5 ldom1# mount -F ufs /dev/dsk/c0d0s5 /mnt ldom1# cd /mnt ldom1# ufsrestore rvf remotehost:/dev/rmt/0cn ldom1# rm restoresymtable ldom1# cd / ldom1# umount /mnt

4) 復元したファイルシステムを検証します。

ldom1# fsck /dev/rdsk/c0d0s0 ldom1# fsck /dev/rdsk/c0d0s3 ldom1# fsck /dev/rdsk/c0d0s4 ldom1# fsck /dev/rdsk/c0d0s5

A-6 C120-E534-05

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A.3 制御ドメインのファイルシステムの退避・復元手順

A.3 制御ドメインのファイルシステムの退避・復元手順 ゲストドメインを停止してから、制御ドメインのバックアップを行います。 制御ドメインの復元後は、最新のゲストドメインを復元します。

A.3.1 ゲストドメインの停止 制御ドメインを停止する前に、ゲストドメインを停止します。 1

) 各ゲストドメインが自動起動されないように設定します。

ldom1# eeprom auto-boot?=false

ldom1# eeprom auto-boot?

auto-boot?=false

2

) 各ゲストドメインが停止していることを確認します。

primary# ldm list-domain

NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME

primary active -n-cv SP 12 6G 0.2% 1d 16h

29m

ldom1 active -n--- 5001 24 2G 0.0% 16s

ldom2 active -n--- 5002 24 3G 0.0% 1d 20h

33m

ldom3 active -n--- 5003 36 4G 0.0% 1d 20h

33m

primary# telnet localhost 5001

ldom1# /usr/bin/shutdown -i0 -g0 -y

primary# telnet localhost 5002

ldom2# /usr/bin/shutdown -i0 -g0 -y

primary# telnet localhost 5003

ldom3# /usr/bin/shutdown -i0 -g0 -y

primary# ldm stop-domain -a

primary# ldm list-domain

NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME

primary active -n-cv SP 12 6G 0.2% 1d 16h

43m

ldom1 bound ----- 5001 24 2G

ldom2 bound ----- 5002 24 3G

ldom3 bound ----- 5003 36 4G

A.3.2 制御ドメインの停止 制御ドメインのディスクはミラー化されていますので、使用しているソフトウェ

アの手順に従い、同期が取れるように停止してください。 制御ドメインが自動起動されないように設定してから停止します。

primary# eeprom auto-boot?=false

primary# /usr/sbin/shutdown -i0 -g0 -y

C120-E534-05 A-7

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バックアップ・リストア手順

A.3.3 制御ドメイン用緊急bootOSのインストール 制御ドメイン用の緊急 bootOS をインストールして、最新パッチの適用と設定を

行います。 1) 制御ドメイン用の緊急 boot ディスクに OS をインストールします。

すでに準備済みであれば、この手順はスキップできます。

ok > boot net

2

) テープドライブの状態を確認します。

sept5# mt status

HP DAT-72 tape drive:

sense key(0x0)= No Additional Sense residual= 0

retries= 0

file no= 0 block no= 0

A.3.4 制御ドメインの退避 制御ドメイン用の緊急 bootOS から起動して、制御ドメインを退避します。 1

) 制御ドメイン用の緊急 boot ディスクから起動します。

{0} ok setenv boot-device disk1

boot-device = disk1

2

) 退避するディスクの vtoc 情報を採取します。

sept5# prtvtoc /dev/rdsk/c1t0d0s2 > c1t0d0s2.vtoc

3

) 制御ドメインのシステムを退避します。

sept5# mt rewind /dev/rmt/0

sept5# ufsdump 0ucf /dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c1t0d0s0

sept5# ufsdump 0ucf /dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c1t0d0s3

4) 退避した内容を確認します。

sept5# mt rewind /dev/rmt/0

sept5# ufsrestore tf /dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c1t0d0s0.log

sept5# ufsrestore tf /dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c1t0d0s3.log

A-8 C120-E534-05

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A.3 制御ドメインのファイルシステムの退避・復元手順

A.3.5 制御ドメインの復元 制御ドメイン用の緊急 bootOS から起動して、制御ドメインを復元します。 1

) 復元先のディスクをフォーマットします。

sept5# fmthard -s c1t0d0s2.vtoc /dev/rdsk/c1t0d0s2

2

) テープ装置から制御ドメインのシステムを復元します。

sept5# mt rewind /dev/rmt/0

root パーティションの場合は、bootblk も作成します。

sept5# newfs /dev/rdsk/c1t0d0s0

sept5# mount -F ufs /dev/dsk/c1t0d0s0 /mnt

sept5# cd /mnt

sept5# ufsrestore rvf /dev/rmt/0cn

sept5# rm restoresymtable

sept5# cd /usr/sbin

sept5# umount /mnt

sept5# ./installboot /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/ufs/bootblk

/dev/rdsk/c1t0d0s0

swap パーティションと backup パーティションを除く各スライスを復元しま

す。

sept5# newfs /dev/rdsk/c1t0d0s3

sept5# mount -F ufs /dev/dsk/c1t0d0s3 /mnt

sept5# cd /mnt

sept5# ufsrestore rvf /dev/rmt/0cn

sept5# rm restoresymtable

sept5# cd /

sept5# umount /mnt

3

) 復元したファイルシステムを検証します。

sept5# fsck /dev/rdsk/c1t0d0s0

sept5# fsck /dev/rdsk/c1t0d0s3

C120-E534-05 A-9

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バックアップ・リストア手順

A.3.6 ゲストドメインの復元 制御ドメインから起動して、ゲストドメインを復元します。

1

) 制御ドメインを起動し、各ゲストドメインを開始します。

sept5# eeprom boot-device=disk

sept5# /usr/sbin/shutdown -i0 -g0 –y

{0} ok boot

:

:

primary# ldm list-domain

NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL

UPTIME

primary active -n-cv SP 12 6G 0.0% 5m

ldom1 bound ----- 5001 24 2G

ldom2 bound ----- 5002 24 3G

ldom3 bound ----- 5003 36 4G

primary# ldm start-domain –a

LDom ldom1 started

LDom ldom2 started

LDom ldom3 started

primary# ldm list-domain

NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL

UPTIME

primary active -n-cv SP 12 6G 0.2% 8m

ldom1 active -t--- 5001 24 2G 0.0% 1m

ldom2 active -t--- 5002 24 3G 0.0% 1m

ldom3 active -t--- 5003 36 4G 0.0% 1m

2) 最新のゲストドメインを復元します。 必要に応じて、ゲストドメイン用の緊急 bootOS から起動し、最新のバック

アップから、ゲストドメインを復元します。

primary# telnet localhost 5001

:

{0} ok boot vdisk1

以降はゲストドメインの復元手順を参照してください。

A-10 C120-E534-05

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A.4 I/O ドメインのファイルシステムの退避・復元手順

A.4 I/O ドメインのファイルシステムの退避・復元手順 I/O ドメインが提供しているサービスを使用しているゲストドメインを停止して

から、I/O ドメインの退避を行います。

A.4.1 ゲストドメインの停止 I/O ドメインを停止する前に、ゲストドメインを停止します。 1

) 各ゲストドメインが自動起動されないように設定します。

ldom1# eeprom auto-boot?=false

ldom1# eeprom auto-boot?

auto-boot?=false

2

) 各ゲストドメインが停止していることを確認します。

primary# ldm list-domain

NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL

UPTIME

primary active -n-cv SP 12 6G 0.2% 1d

16h 29m

ldom1 active -n--- 5001 24 2G 0.0% 16s

ldom2 active -n--- 5002 24 3G 0.0% 1d

20h 33m

ldom3 active -n--- 5003 36 4G 0.0% 1d

20h 33m

primary# telnet localhost 5001

ldom1# /usr/bin/shutdown -i0 -g0 -y

primary# telnet localhost 5002

ldom2# /usr/bin/shutdown -i0 -g0 -y

primary# telnet localhost 5003

ldom3# /usr/bin/shutdown -i0 -g0 -y

primary# ldm stop-domain -a

primary# ldm list-domain

NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL

UPTIME

primary active -n-cv SP 12 6G 0.2% 1d

16h 43m

ldom1 bound ----- 5001 24 2G

ldom2 bound ----- 5002 24 3G

ldom3 bound ----- 5003 36 4G

A.4.2 I/Oドメインの停止 I/O ドメインのディスクはミラー化されていますので、使用しているソフトウェ

アの手順に従って、同期が取れるように停止してください。 I/O ドメインが自動起動されないように設定してから停止します。

iodomain1# eeprom auto-boot?=false iodomain1# /usr/sbin/shutdown -i0 -g0 -y

C120-E534-05 A-11

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バックアップ・リストア手順

A.4.3 I/Oドメイン用緊急bootディスクの割り当て I/O ドメイン用の緊急 boot ディスクを追加する手順を示します。すでに準備済み

であれば、この手順はスキップできます。 1

) 仮想ディスクデバイスを追加します。

primary# mkfile 10G /LDoms/Vol9/vdisk1.img

primary# ldm add-vdsdev /LDoms/Vol9/vdisk1.img Vol91@primary-vds0

2

) 仮想ディスクデバイスを確認します。

primary# ldm list-domain -l

3) 対象のドメインを停止、リソースの結合を解除します。

primary# ldm stop-domain iodom1

primary# ldm unbind-domain iodom1

4

) ゲストドメインへ緊急 boot ディスクを追加します。

primary# ldm add-vdisk vdisk1 Vol91@primary-vds0 iodom1 5

) ゲストドメインの仮想ディスクを確認します。

primary# ldm list -l iodom1

6) ゲストドメインを起動します。

primary# ldm bind-domain iodom1

primary# ldm start-domain iodom1

7

) ゲストドメインにログイン後、デバイスを再構成します。

iodom1# devfsadm

8

) ゲストドメインのディスクを確認します。

iodom1# format

Searching for disks...done

AVAILABLE DISK SELECTIONS:

0. c0d0 <SUN-DiskImage-10GB cyl 34950 alt 2 hd 1 sec 600>

/virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0

1. c0d1 <SUN-DiskImage-10GB cyl 34950 alt 2 hd 1 sec 600>

/virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@1

Specify disk (enter its number):

A-12 C120-E534-05

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A.4 I/O ドメインのファイルシステムの退避・復元手順

A.4.4 I/Oドメイン用緊急bootOSのインストール 1) I/O ドメイン用の緊急 bootOS をインストールして、最新パッチの適用と設

定を行います。すでに準備済みであれば、この手順はスキップできます。

iodom1# /usr/sbin/shutdown -i0 -g0 -y

ok > boot vnet0

2) テープ装置が接続されているリモートホスト(remotehost)の/etc/inet/hosts

ファイルまたはネームサービス上に I/O ドメインのエントリを追加します。 作業終了後は、セキュリティを考慮して設定を元に戻します。

remotehost# echo "xxx.xxx.xxx.xxx iodom1" >> /etc/inet/hosts

3) ゲストドメインの /etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス上にリモー

トホストのエントリを追加します。

iodom1# echo "xxx.xxx.xxx.yyy remotehost" >> /etc/inet/hosts

4) リモートホストの rlogin サービスを使用可能にします。

remotehost# cat "iodom1" >> $HOME/.rhosts

remotehost# chmod 0400 $HOME/.rhosts

5

) リモートテープドライブの状態を確認します。

iodom1# rsh remotehost mt status

HP DAT-72 tape drive:

sense key(0x0)= No Additional Sense residual= 0

retries= 0

file no= 0 block no= 0

C120-E534-05 A-13

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バックアップ・リストア手順

A.4.5 ゲストドメインの退避 ドメイン用の緊急 bootOS から起動し、ゲストドメインを退避します。 1

) I/O ドメイン用の緊急 boot ディスクから起動します。

primary# telnet localhost 5009

:

{0} ok boot vdisk1

2

) 退避するディスクの vtoc 情報を採取します。

iodom1# prtvtoc /dev/rdsk/c0d0s2 > iodom1-disk0.vtoc

3) I/O ドメインのシステムを退避します。

iodom1# rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0

iodom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c0d0s0

iodom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c0d0s3

iodom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c0d0s4

iodom1# ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0cn /dev/rdsk/c0d0s5

4

) 退避した内容を確認します。

iodom1# rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0

iodom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c0d0s0.log

iodom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c0d0s3.log

iodom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c0d0s4.log

iodom1# ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0cn > ufsrest-tf-c0d0s5.log

A-14 C120-E534-05

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A.4 I/O ドメインのファイルシステムの退避・復元手順

C120-E534-05 A-15

A.4.6 I/Oドメインの復元 ドメイン用の緊急 bootOS から起動し、I/O ドメインを復元します。 1

) I/O ドメイン用の緊急 boot ディスクから起動します。

primary# telnet localhost 5009 : {0} ok boot vdisk1

2

) 復元先のディスクをフォーマットします。

iodom1# fmthard -s iodom1-disk0.vtoc /dev/rdsk/c0d0s2

3) テープ装置からゲストドメインのシステムを復元します。

iodom1# rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0

root パーティションの場合は、bootblk も作成します。

iodom1# newfs /dev/rdsk/c0d0s0 iodom1# mount -F ufs /dev/dsk/c0d0s0 /mnt iodom1# cd /mnt iodom1# ufsrestore rvf remotehost:/dev/rmt/0cn iodom1# rm restoresymtable iodom1# cd /usr/sbin iodom1# umount /mnt iodom1# ./installboot /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/ufs/bootblk /dev/rdsk/c0t0s0

swap パーティションとbackup パーティションを除く各スライスを復元します。

iodom1# newfs /dev/rdsk/c0d0s3 iodom1# mount -F ufs /dev/dsk/c0d0s3 /mnt iodom1# cd /mnt iodom1# ufsrestore rvf remotehost:/dev/rmt/0cn iodom1# rm restoresymtable iodom1# cd / iodom1# umount /mnt iodom1# newfs /dev/rdsk/c0d0s4 iodom1# mount -F ufs /dev/dsk/c0d0s4 /mnt iodom1# cd /mnt iodom1# ufsrestore rvf remotehost:/dev/rmt/0cn iodom1# rm restoresymtable iodom1# cd / iodom1# umount /mnt iodom1# newfs /dev/rdsk/c0d0s5 iodom1# mount -F ufs /dev/dsk/c0d0s5 /mnt iodom1# cd /mnt iodom1# ufsrestore rvf remotehost:/dev/rmt/0cn iodom1# rm restoresymtable iodom1# cd / iodom1# umount /mnt

4

) 復元したファイルシステムを検証します。

iodom1# fsck /dev/rdsk/c0d0s0 iodom1# fsck /dev/rdsk/c0d0s3 iodom1# fsck /dev/rdsk/c0d0s4 iodom1# fsck /dev/rdsk/c0d0s5

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付録B ZFSファイルシステムの退避・復元手順

ここでは、ZFS ファイルシステムの退避・復元について説明します。

• ZFS ファイルシステムの管理全般については、以下のマニュアルを参考に

してください。

Solaris ZFS 管理ガイド http://docs.sun.com/app/docs/doc/819-6260

Solaris 10 OS 10/08 から、システムボリュームを ZFS ファイルシステムでインス

トールすることが可能になりました。以下に、ZFS ファイルシステムの退避・復

元手順の例を示します。

B.1 手順記載上の注意 • 本手順は、制御ドメインおよびゲストドメインの ZFS ファイルシステム の退避・復元手順として使用できます。

• ZFS ファイルシステムの退避先は、環境に応じてローカルおよびリモート のテープドライブ、ディスクを使用することができます。 本書では、退避先にローカルテープドライブを使用した手順例を示します。

• リモートテープドライブを使用する場合の設定例を以下に示します。 なお、退避または復元作業後は、セキュリティの問題が発生しないように設

定を元に戻してください。 1) テープドライブが接続されているリモートホスト( remotehost)の

/etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス上に、退避または復元作業を

行なうドメインのエントリを追加します。 remotehost# echo "xxx.xxx.xxx.xxx XXXXX" >> /etc/inet/hosts

2) 該当ドメインの/etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス上にリモート

ホストのエントリを追加します。 # echo "xxx.xxx.xxx.yyy remotehost" >> /etc/inet/hosts

3) リモートホストの rlogin サービスを使用可能にします。 remotehost# cat >> $HOME/.rhosts XXXXX <Ctrl+d> remotehost# chmod 0400 $HOME/.rhosts

4) リモートテープドライブの使用例を以下に示します。 # ufsdump 0ucf remotehost:/dev/rmt/0n /dev/rdsk/c0d0s0 # rsh remotehost mt rewind /dev/rmt/0 # ufsrestore tf remotehost:/dev/rmt/0

C120-E534-05 B-1

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ZFS ファイルシステムの退避・復元手順

• 本書では、以下の ZFS ファイルシステム構成のシステムを対象とした

手順例を示します。

# zpool list

NAME SIZE USED AVAIL CAP HEALTH ALTROOT

ldomspool 68G 10.0G 58.0G 14% ONLINE -

rpool 48.8G 16.9G 31.8G 34% ONLINE -

# zfs list

NAME USED AVAIL REFER MOUNTPOINT

ldomspool 10.0G 56.9G 19K /ldomspool

ldomspool/ldom2 10.0G 56.9G 10.0G /ldomspool/ldom2

rpool 18.9G 29.1G 93K /rpool

rpool/ROOT 15.9G 29.1G 18K legacy

rpool/ROOT/s10s_u6wos_07b 15.9G 29.1G 15.9G /

rpool/dump 1.00G 29.1G 1.00G -

rpool/export 60K 29.1G 20K /export

rpool/export/home 40K 29.1G 40K /export/home

rpool/swap 2G 31.1G 34.9M -

• 使用するディスク、装置について c0t2d0s0 :制御ドメインが格納されているスライス c0t1d0s0 :ゲストドメインが格納されているスライス rmt/0 :退避先のローカルテープ装置

B.2 ZFSファイルシステムの退避 注意事項)

(1) 本手順で ZFS ファイルシステムの退避・復元を行う場合、139555-08 以降が適用されたブートイメージからシングルユーザモードでブートする

必要があります。Solaris 10 OS 5/09 以降であれば、139555-08 が含まれ

ています。

(2) テープドライブへの退避を行う場合は、以下の点に注意してください。

• 制御ドメインのデータと各ゲストドメインのデータは、別々のテープに

分けて退避してください。 • どの順番でどのデータを退避したのかを必ず記録しておいてください。 • "zfs send" コマンドはマルチボリューム対応していません。退避データ

がテープ1巻に収まらない場合は、一度ディスク等に退避後、tar コマ

ンド等でテープに退避してください。 1)事前準備

制御ドメインのファイルシステム退避を行う場合は、制御ドメイン以外のド

メインを、すべて停止し、リソースの結合を解除してください。 以下は、ゲストドメイン ldom1、ldom2、ldom3 が存在している場合の例で

す。 primary# ldm stop-domain ldom1 primary# ldm stop-domain ldom2 primary# ldm stop-domain ldom3 primary# ldm unbind-domain ldom1 primary# ldm unbind-domain ldom2 primary# ldm unbind-domain ldom3

B-2 C120-E534-05

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B.3 ZFS ファイルシステムの復元

zpool、disk、filesystems の情報を事前に採取し、別ディスク等に退避します。

なお、get all で採取する情報は、ファイルシステム復元後の確認に使用するため、

記録を残してください。

以下は、script(1) で logfile_get_all_org.txt にログを格納する例です。

# script logfile_get_all_org.txt # zpool list NAME SIZE USED AVAIL CAP HEALTH ALTROOT ldomspool 68G 10.0G 58.0G 14% ONLINE - rpool 48.8G 16.9G 31.8G 34% ONLINE - # zfs list NAME USED AVAIL REFER MOUNTPOINT ldomspool 10.0G 56.9G 19K /ldomspool ldomspool/ldom2 10.0G 56.9G 10.0G /ldomspool/ldom2 rpool 18.9G 29.1G 93K /rpool rpool/ROOT 15.9G 29.1G 18K legacy rpool/ROOT/s10s_u6wos_07b 15.9G 29.1G 15.9G / rpool/dump 1.00G 29.1G 1.00G - rpool/export 60K 29.1G 20K /export rpool/export/home 40K 29.1G 40K /export/home rpool/swap 2G 31.1G 34.9M - # zpool get all rpool # zfs get all rpool # zfs get all rpool/ROOT # zfs get all rpool/ROOT/s10s_u6wos_07b # zfs get all rpool/dump # zfs get all rpool/export # zfs get all rpool/export/home # zfs get all rpool/swap # zpool get all ldomspool # zfs get all ldomspool # zfs get all ldomspool/ldom2 # df -k # format < /dev/null # prtvtoc /dev/rdsk/c0t2d0s2 > primary-c0t2d0s2.map # prtvtoc /dev/rdsk/c0t1d0s2 > primary-c0t1d0s2.map # exit

2)システム情報の保存 snapshot 機能を使ってシステム情報を保存します。ただし、ワーク領域である dump、

swap 領域の退避は不要です。不要な snapshot は削除してください。

# zfs snapshot -r rpool@backup

# zfs destroy rpool/dump@backup

# zfs destroy rpool/swap@backup

# zfs snapshot -r ldomspool@backup

3)システム情報の退避 2)で保存した各 ZFS ファイルシステムの ZFS スナップショットを退避します。退避

先は、必要に応じてテープドライブ、別ディスク等を指定してください。

テープに退避する場合は、制御ドメインと各ゲストドメインの ZFS スナップショットは

テープを分けて退避してください。

# mt -f /dev/rmt/0 rewind

# zfs send -v rpool@backup > /dev/rmt/0cn

# zfs send -v rpool/ROOT@backup > /dev/rmt/0cn

# zfs send -vR rpool/ROOT/s10s_u6wos_07b@backup > /dev/rmt/0cn

# zfs send -v rpool/export@backup > /dev/rmt/0cn

# zfs send -v rpool/export/home@backup > /dev/rmt/0c

C120-E534-05 B-3

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ZFS ファイルシステムの退避・復元手順

(テープ交換)

# mt -f /dev/rmt/0 rewind

# zfs send -v ldomspool@backup > /dev/rmt/0cn

# zfs send -v ldomspool/ldom2@backup > /dev/rmt/0c

B.3 ZFSファイルシステムの復元 注意事項)

(1) 本手順で ZFS ファイルシステムの退避・復元を行う場合、139555-08 以降が適用されたブートイメージからシングルユーザモードでブートする

必要があります。Solaris 10 OS 5/09 以降であれば、139555-08 が含まれて

います。

(2) 本手順で使用するバックアップデータは、"B.2 ZFS ファイルシステムの

退避" で退避 したバックアップデータでなければいけません。

(3) ZFS ストレージプール名は、必ず退避時の名前と復元後の名前を一致さ

せてください。

1)復元先システムの準備

(1) ネットワークインストール環境から single user mode でブートします。

• 事前にネットワークインストール環境を作成しておく必要があります。

{0} ok boot net –s

(2) 事前作業で記録したディスクパーティション情報にあわせて format(1M) または

fmthard(1M) コマンドによりディスクスライスとディスクラベルを作成します。

# format

または

# fmthard –s primary-c0t2d0s2.map /dev/rdsk/c0t2d0s2

2)システムファイルの復元

テープドライブ等の外部媒体またはディスクから退避したシステム情報を復

元します。

(1) 新規ストレージプールを作成して退避ファイルを格納してあるディスクをマウン

トします。

# zpool create -fo altroot=/var/tmp/rpool -o

cachefile=/etc/zfs/zpool.cache -o failmode=continue -m legacy rpool

c0t2d0s0

(2) rpool を構成するディスクを復元します。

# mt -f /dev/rmt/0 rewind

# zfs receive -Fd rpool < /dev/rmt/0n

# zfs receive -Fd rpool < /dev/rmt/0n

# zfs receive -Fd rpool < /dev/rmt/0n

# zfs receive -Fd rpool < /dev/rmt/0n

# zfs receive -Fd rpool < /dev/rmt/0

B-4 C120-E534-05

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B.3 ZFS ファイルシステムの復元

(3) dump と swap を作成します。 dump と swap は退避していないので、個別に作成する必要があります。

“3. ZFS ファイルシステムの退避を行う上での留意事項”の事前準備で採取し

た dump と swap の情報

# zfs get all rpool/dump

NAME PROPERTY VALUE SOURCE

rpool/dump type volume - rpool/dump creation (月) 3 月 16 16:30 2009 -

rpool/dump used 1.00G -

rpool/dump available 29.1G -

rpool/dump referenced 1.00G -

rpool/dump compressratio 1.00x -

rpool/dump reservation none default

rpool/dump volsize 1G -

rpool/dump volblocksize 128K -

rpool/dump checksum off local

rpool/dump compression off local

rpool/dump readonly off default

rpool/dump shareiscsi off default

rpool/dump copies 1 default

rpool/dump refreservation none default

# zfs get all rpool/swap

NAME PROPERTY VALUE SOURCE

rpool/swap type volume - rpool/swap creation (月) 3 月 16 16:30 2009 -

rpool/swap used 2G -

rpool/swap available 31.1G -

rpool/swap referenced 34.9M -

rpool/swap compressratio 1.00x -

rpool/swap reservation none default

rpool/swap volsize 2G -

rpool/swap volblocksize 8K -

rpool/swap checksum on default

rpool/swap compression off default

rpool/swap readonly off default

rpool/swap shareiscsi off default

rpool/swap copies 1 default

rpool/swap refreservation 2G local

#

create の –V オプションには、上記の volsize を指定。

# zfs create -o volblocksize=128k -V 1g rpool/dump

# zfs create -o volblocksize=8k -V 2g rpool/swap

3)boot block を作成します。

# installboot -F zfs /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/zfs/bootblk /dev/rdsk/c0t2d0s0

# zpool set bootfs=rpool/ROOT/s10s_u6wos_07b rpool

# zfs set canmount=noauto rpool/ROOT/s10s_u6wos_07b

# zfs set canmount=noauto rpool

# zfs set mountpoint=/rpool rpool

# zfs set mountpoint=/export rpool/export

# zfs set mountpoint=legacy rpool/ROOT

# zfs set canmount=on rpool

# zpool export rpool

C120-E534-05 B-5

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ZFS ファイルシステムの退避・復元手順

B-6 C120-E534-05

4)システムを rpool からブートします。

# shutdown –g0 –i0 –y

{1} ok boot

5)制御ドメインの ZFS ファイルシステム復元を行いかつ、ゲストドメインが

格納されている ZFS ファイルシステムの復元も行う場合は、システム再起

動後に (1)~(3) の手順を 実行してください。

(1) 事前作業で記録したディスクパーティション情報にあわせて format(1M) または、fmthard(1M) コマンドによりディスクスライスとディスクラベル

を作成します。 # format

または、 # fmthard -s primary-c0t1d0s2.map /dev/rdsk/c0t1d0s2

(2) ゲストドメインが格納されている ZFS ストレージプールを作成します。 primary# zpool create -f ldomspool c0t1d0s0

(3) ゲストドメインが格納されている ZFS ストレージプール内の ZFS ファイ

ルシステムを復元します。

(テープを交換)

primary# mt -f /dev/rmt/0 rewind

primary# zfs receive -Fd ldomspool < /dev/rmt/0n

primary# zfs receive -Fd ldomspool < /dev/rmt/0

6)復元後の確認

システム退避の事前準備で採取した情報(例では logfile_get_all_org.txt)と同じ情報

を採取し、内容に誤りがないか確認してください。

以下は、script(1) で logfile_get_all_new.txt にログを格納する例です。

# script logfile_get_all_new.txt

# zpool list

# zfs list

# zpool get all rpool

# zfs get all rpool

# zfs get all rpool/ROOT

# zfs get all rpool/ROOT/s10s_u6wos_07b

# zfs get all rpool/dump

# zfs get all rpool/export

# zfs get all rpool/export/home

# zfs get all rpool/swap

# zpool get all ldomspool

# zfs get all ldomspool

# zfs get all ldomspool/ldom2

# df -k

# format < /dev/null

# prtvtoc /dev/rdsk/c0t2d0s2

# prtvtoc /dev/rdsk/c0t1d0s2

# exit

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