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SQL Server 2012 AlwaysOn: ママママママ ママママママママ マママママ ママママママ SQL Server 技技技技 マママ: Mike WeinerSanjay MishraMin He マママ: Lingwei LiMike Anderson (EMC Corporation) マママママ: Shaun Tinline-JonesSteve HowardPrem MehraPaul BurpoMike RuthruffJimmy MayMatt NeerincxDan BenediktsonMichael Steineke (Edgenet Inc.)David P. Smith (ServiceU Corporation) マママ: 2011 技 12 技 ママママ: SQL Server 2012 ママ: SQL Server 技技 技技 、。、SQL Server 技技技技技技技技技技技技技技技技技技技技技 SQL Server 2012 AlwaysOn 技技技技技技技 技技技技 一。 SQL Server 2012 技 技技技 技技 技技技技技技技技技 技技技技技技技技技技技技技 技技技技技技技技技技 。、 技技 SQL Server 2012 技 技技 、。

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SQL Server 2012 AlwaysOn: マルチサイト フェールオーバー クラスター インスタンス

SQL Server 技術記事

執筆者: Mike Weiner、Sanjay Mishra、Min He

寄稿者: Lingwei Li、Mike Anderson (EMC Corporation)

技術校閲者: Shaun Tinline-Jones、Steve Howard、Prem Mehra、Paul Burpo、Mike Ruthruff、Jimmy May、Matt Neerincx、Dan Benediktson、Michael Steineke (Edgenet Inc.)、David P. Smith (ServiceU Corporation)

発行日: 2011 年 12 月

適用対象: SQL Server 2012

概要: SQL Server フェールオーバー クラスタリングは、ローカルのフェールオーバー構成と複数サイトにわたるフェールオーバー構成の両方をサポートします。これは、SQL Server の高可用性と災害復旧のためにデザインされた SQL Server 2012 AlwaysOn 実装スイートの一部です。SQL Server 2012 では、複数サイトを対象としたマルチサイト フェールオーバー クラスタリングのテクノロジが大幅に強化されています。このホワイト ペーパーでは主に、マルチサイト フェールオーバー クラスターのアーキテクチャ、このテクノロジに関連して SQL Server 2012 で強化された機能、およびテクノロジの配置に役立ついくつかのベスト プラクティスを紹介します。

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著作権

このドキュメントは現状有姿で提供されます。このドキュメントに記載されている情報や見解 (URL 等のインターネット Web サイトに関する情報を含む) は、将来予告なしに変更されることがあります。お客様は、その使用に関するリスクを負うものとします。

ここで使用される例は架空のものであり、説明のためだけに使用されます。実在するものとは一切関係ありません。

このドキュメントは、Microsoft 製品の無体財産権に関する法的な権利をお客さまに許諾するものではありません。内部的な参照目的に限り、このドキュメントを複製して使用することができます。

© 2011 Microsoft. All rights reserved.

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目次はじめに....................................................................................................................................................4

SQL Server 2012 のマルチサイト フェールオーバー クラスター - アーキテクチャ........................4

マルチサイト フェールオーバー クラスターの構築に必要なコンポーネ ント.............................6

サーバーのハードウェアとオペレーティング システム...............................................................6

ストレージ............................................................................................................................................7

ネットワーク........................................................................................................................................7

Windows Server フェールオーバー クラスター (WSFC) のクォーラム モデル..............................8

マルチサイト フェールオーバー クラスターの改良点に関する SQL Server カスタマー ラボでのテスト........................................................................................................................................................8

課題、対策、および教訓.......................................................................................................................11

ストレージの検証チェックの要件...................................................................................................11

OR 依存関係を使用したフェールオーバー クラスター マネージャーでの IP アドレスの構成.......................................................................................................................................................12

適切なクォーラム モデル.................................................................................................................13

マルチサブネット SQL Server FCI のフェールオーバー後のネットワーク登録とクライアント接続.......................................................................................................................................................14

結論...........................................................................................................................................................15

付録...........................................................................................................................................................16

ラボで使用したハードウェアとソフトウェアの環境..................................................................16

サーバー...........................................................................................................................................16

SQL Server.........................................................................................................................................16

ストレージ.......................................................................................................................................16

ストレージ ソフトウェア.............................................................................................................17

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はじめにこのホワイト ペーパーでは、SQL Server 2012 でマルチサイト フェールオーバー クラスターのテクノロジに関して強化された機能、および主な注意点について説明します。説明の流れは次のとおりです。

アーキテクチャの観点から見たマルチサイト フェールオーバー クラスタリングの説明。

マルチサイト フェールオーバー クラスターの配置に関連するコンポーネント。 ラボ テストに関する説明。ラボ テストは SQL Server 2012 のプレリリース版のビルド

に対して実施され、マルチサイト構成でのフェールオーバーのいくつかの事例に対して動作の確認を行いました。

このテクノロジを実際に配置する際の課題とその対策、および配置に役立つ教訓についての説明。

このテストはプレリリース版のソフトウェアで実施されました。ただし、ラボでテストされた機能はこのビルドの時点でほぼ完成していました。最終的なリリースで大きく変更される予定はありません。

SQL Server 2012 のマルチサイト フェールオーバー クラスター - アーキテクチャMicrosoft SQL Server 環境で使用できる高可用性のオプションを評価していると、組織で設定した可用性の目標をアプリケーションが満足できるようにするための機能が、SQL Server にいくつかあることに気づくかもしれません。SQL Server のフェールオーバー クラスタリング テクノロジは、高可用性を実現する手段の 1 つとして、10 年以上にわたって製品に組み込まれてきました。フェールオーバー クラスタリングを使用することで、SQL Server のインスタンスが常にクラスター内のいずれかのノードで実行されている状態を確保できます。ハードウェア障害や他の理由によって、あるノードで SQL Server インスタンスが実行できない場合には、別のノードにフェールオーバーすることで、SQL Server インスタンス レベルでの高可用性を実現できます。

多くの企業は複数の場所でデータ センターを運用しています。また、災害復旧用メカニズムとしてサイト間に冗長性を確保するために、セカンダリ データ センターを用意している場合もあります。その主な目的は、ネットワーク、電力、インフラストラクチャの障害、あるいは災害など、各種のサイト障害からシステムを保護することです。多くのソリューションでは、このマルチサイト モデルを使用して Windows Server および SQL Server のフェールオーバー クラスタリングを実装しています。マルチサイト フェールオーバー クラスターでは、サイトで障害が発生したときにデータ センター間で可用性を確保できるように、複数の物理サイトまたはデータ センターにノードが分散されています。マルチサイト フェールオーバー

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クラスターは、"地理的に分散したフェールオーバー クラスター"、"拡張クラスター"、または "マルチサブネット クラスター" とも呼ばれます。

現在、SQL Server 2008 R2 でマルチサイト フェールオーバー クラスターを配置するには、SQL Server のフェールオーバー クラスタリングに加えて、次のテクノロジを配置する必要があります。

SAN レプリケーションおよびフェールオーバー テクノロジ: 複数のサイト間にわたるデータ レプリケーションとフェールオーバーの機能を提供します。

拡張仮想 LAN (VLAN) テクノロジ: 環境に複数のサブネットが存在する場合に、サイト間でのフェールオーバー用に 1 つの IP アドレスを公開します。

Windows Server 2003 では、クラスター リソースの依存関係はすべて AND 依存関係でした (注: Windows Server 2003 では、フェールオーバー クラスターは、サーバー クラスターと呼ばれていました)。たとえば、"SQL Server" リソースが "IP Address" および "Disk 1" リソースに依存している場合、Windows クラスターは、"IP Address" リソースと "Disk 1" リソースの両方が最初にオンラインであった場合のみ、"SQL Server" リソースをオンラインにすることができました。Windows Server 2008 では、リソース間に OR 依存関係を指定する機能が導入されました。詳細については、ブログ エントリ「クラスター リソースの依存関係式」(http://blogs.msdn.com/b/clustering/archive/2008/01/28/7293705.aspx) を参照してください。この機能の追加により、"SQL Server" リソースが "Disk 1" AND ("IP Address1" OR "IP Address2") に依存するという指定ができるようになりました。それによって、マルチサブネット クラスター内の各サイトを異なる IP アドレスに登録しながら、"SQL Server" リソースの依存関係でバインドする IP アドレスは 1 つだけで済むようになります。

ただし、SQL Server 2008 R2 では、Windows Server 2008 でサポートされている IP アドレス間の OR 依存関係が使用できません。SQL Server 2008 R2 および以前のバージョンでは、フェールオーバー クラスター リソース グループ内のすべての IP アドレスを反復処理し、スタートアップ時にはすべての IP アドレスへのバインドを試みます。いずれかの IP アドレスへのバインドが失敗すると、SQL Server のスタートアップは失敗します。したがって、SQL Server 2008 R2 および以前のバージョンでは、拡張 VLAN を使用して SQL Server のマルチサイト フェールオーバー クラスタリングを有効にしていました。

しかし、多くの組織では、セキュリティ、コスト、複雑さ、企業標準と互換性がないなどの理由によって、拡張 VLAN の配置を敬遠します。このことは、SQL Server のマルチサイトおよびマルチサブネット クラスタリングの配置に関して主な制約の 1 つとなっていました。

SQL Server 2012 では、マルチサイト、そして特にマルチサブネット フェールオーバー クラスタリングの実装に対して、いくつかの改良が加えられています。マルチサブネット クラスタリングをサポートするために加えられた 2 つの主な改良点を次に示します。

クラスター セットアップのサポート: AddNode (統合インストール用) と CompleteFailoverCluster (高度なインストール用) の両方で、マルチサブネット環境をイ

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ンテリジェントに検出し、IP アドレス リソースの依存関係を自動的に OR に設定できます。

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SQL Server エンジンのサポート: SQL Server リソースをオンラインにする際に、SQL Server エンジンのスタートアップ ロジックで、オンライン状態でない IP アドレスへのバインドをスキップします。IP アドレスと OR 依存関係の構成状態については、「課題、対策、および教訓」セクションで図に示してあります。

この新しい機能については、SQL Server カスタマー ラボで SQL Server 2012 のプレリリース版を使用してテストが完了しています。以降のセクションでは、SQL Server 2012 でマルチサイト SQL Server フェールオーバー クラスターを構成するために必要な条件や手順について詳しく説明し、ラボのセットアップ、テスト方法、およびこれらの作業から得られた教訓についても紹介しています。

マルチサイト フェールオーバー クラスターの構築に必要なコンポーネントマルチサイト SQL Server フェールオーバー クラスターを構築する場合には、いくつかのコンポーネントについて検討する必要があります。ここでは、これらのコンポーネントおよびその他の注意点について説明します。

サーバーのハードウェアとオペレーティング システムハードウェア構成: クラスターのハードウェアは、「Windows Server 2008 フェールオーバー ク ラスターに関するマイクロソフト サポート ポリシー」(http://support.microsoft.com/kb/943984) に記載されたガイドラインに従って、サポートされる構成 (Windows Server 2008 R2 以降) となっている必要があります。これらのガイドラインでは、クラスターの検証テストを実施することが求められています。これは、フェールオーバー クラスター マネージャー スナップインからクラスターの検証ウィザードを開始することで実行できます。

マイクロソフトのソフトウェア: Windows Server および SQL Server が必要です。1 つのフェールオーバー クラスター (インスタンス) でサポートされるノード数は、Windows Server および SQL Server の各エディションで異なります。また、フェールオーバー クラスタリングでサポートされる機能もバージョンごとに異なります。詳細については、「Windows Server 2008 R2 に追加されたフェールオーバー クラスターの新機 能」(http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd621586(WS.10).aspx) を参照してください。このホワイト ペーパーでは、SQL Server 2012 で加えられた変更の一部について説明しています。すべての変更の詳細については、SQL Server 2012 の最終リリース近くに公開予定の SQL Server オンライン ブックおよびその他の記事で説明される予定です。

注: Windows Server フェールオーバー クラスター (WSFC) の実装に必要な条件の 1 つとして、クラスター内のノードはすべて同じドメインに属している必要があります。

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ストレージストレージに関しても、いくつかの要素について考慮する必要があります。

最初に考慮するのは、ストレージとの接続についてです。 ローカル接続は通常、ファイバー チャネルのスイッチ接続によって行われます。任意

の時点で 1 つのノードが LUN およびドライブを排他的に所有しています。フェールオーバー時には、別のノードがストレージの排他的所有権を取得できます。

マルチサイト クラスターでは、通常、両方のサイトにそれぞれ独自のストレージ デバイスがあります。ローカル ノードからストレージへのアクセスが必要となるほか、ストレージ ユニット間のリンクに使用される接続もあります。ストレージ間で使用される接続メカニズムの種類とそのパフォーマンスは、フェールオーバーと I/O パフォーマンスの点で、ソリューションの重要な要素となります。

次に考慮するのは、複数サイトのストレージ デバイス間で I/O をレプリケートするために使用するストレージ レプリケーション テクノロジです。このテクノロジは、ストレージ ベンダーによって提供されます。

また、ストレージ ユニット間でフェールオーバーを自動化するためのソフトウェア コンポーネントもストレージ ベンダーによって提供されます。このコンポーネントは、フェールオーバー時にクラスター内でどのディスクがマウントされ、アクセスできるのかを判別します。

ネットワークマルチサイト (およびマルチサブネット) 環境では、ネットワーク コンポーネントも重要です。どちらのサブネットでも有効な IP アドレスを持つように SQL Server インスタンスを構成することは、重要な構成手順の 1 つです。

SQL Server 2012 と以前のバージョンとの間にはいくつかの違いがあるため、それらを考慮する必要があります。まず、SQL Server 2012 ではマルチサブネット構成のサポートが組み込まれていますが、VLAN または単一ネットワーク構成を使用するよう SQL Server を構成することは引き続き可能であり、サポートされています。次に、SQL Server 2008 および SQL Server 2008 R2 では、フェールオーバーとクライアント接続に関して、TTL (time-to-live) および他の DNS レプリケーション構成を考慮することが非常に重要でした。SQL Server 2012 のフェールオーバー クラスタリングでは、そのような構成への対処が不要になっています。これは、SQL Server 2012 ではネットワーク構成およびクライアント ドライバーに対していくつかの機能が強化されているためです。詳細については、このホワイト ペーパーの「課題、対策、および教訓」を参照してください。

最後に、Windows クラスターに対するハートビート ネットワークなど、ネットワークに関するその他の考慮事項もあります。これらは重要ですが、このホワイト ペーパーでは取り上げていません。

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Windows Server フェールオーバー クラスター (WSFC) のクォーラム モデルWindows Server 2008 および Windows Server 2008 R2 では、4 種類のクォーラム構成がサポートされています。これらのクォーラム モデルについては、「フェールオーバー クラスターのステップ バイ ステップ ガイド : フェールオーバー クラスターのクォーラムの構 成」(http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc770620(WS.10).aspx) で説明されています。マルチサイト フェールオーバー クラスターのクォーラム モデルに特有の考慮事項もいくつかあります。これについては主に、「マルチサイト フェールオーバー クラスターの要件と推奨事項」(http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd197575(WS.10).aspx) の「ノード数および対応するクォーラム構成」の項で説明されています。

これらのリンクで提供される情報をまとめると、偶数個のノードを含むマルチサイト フェールオーバー クラスタリングでは、"ノードおよびファイル共有マジョリティ" のクォーラム構成が推奨されます。この場合、ディスク、ノード、ファイル共有監視サーバーなどを追加して、投票が同数に分かれるのを防ぐ必要があります。通常はファイル共有を両方のサイトからアクセスできるようにしておく方が簡単であるため、ファイル共有監視サーバーを追加することをお勧めします。奇数個のノードに対しては、"ノード マジョリティ" 構成の使用を検討します。ただし、この構成では、より多くのノードを持つサイト (通常はプライマリ) で障害が発生した場合、クォーラムが失われるため、クラスターを強制的にセカンダリ サイトで起動するために手動介入が必要となります。

マルチサイト フェールオーバー クラスターの改良点に関する SQL Server

カスタマー ラボでのテスト新しいマルチサブネット機能の一部を確認するために、米国ワシントン州レドモンドの SQLCAT (SQL Server Customer Advisory Lab) でテストを実施しました。主な目的は、2 つのサイト間にマルチサブネット フェールオーバー クラスターを構成し、いくつかのテストでその構成に対してユーザー ワークロードを実行することです。

ラボの構成は次のとおりです。

ハードウェアとソフトウェア:

"サイト A" に 2 台の Windows Server 2008 R2 サーバーと "サイト B" に 2 台の Windows Server 2008 R2 サーバー

SQL Server 2012 のプレリリース ソフトウェアを 1 つのマルチサイト フェールオーバー クラスター インスタンス (FCI) として構成

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ストレージ:

各サイトに 1 つずつ、合計 2 つの EMC Symmetrix VMAX エンタープライズ ストレージ配列があります。どちらのストレージ配列も、2 台の VMAX ストレージ エンジンと 240 台のディスク ドライブから構成されています。ドライブには、Enterprise Flash Drive (EFD)、ファイバー チャネル、および SATA が混在しています。テスト目的のため、ファイバー チャネル ドライブの一部は、Windows Server 2008 R2 フェールオーバー クラスターに対してミラー化された構成となっています。データおよびログの格納用に、112 GB のボリュームを 9 つ使用しています。データおよびログのバックアップを保持するために、300 GB のボリュームを 1 つ使用しています。各ストレージ配列は、8 Gbps ファイバー チャネルのデュアル接続を使用して、テスト サーバーに接続されています。

これらのストレージ配列では、Symmetrix Remote Data Facility (SRDF、付録にリンクを記載) を使用して、ソース配列からターゲット配列にデータを送信します。R1 ボリュームと呼ばれるソース ストレージ デバイスが、R2 ボリュームと呼ばれるターゲット ストレージ デバイスにデータを送信します。サイトのフェールオーバーが発生すると、SRDF/CE (Cluster Enabler) によって、WSFC のアクティブなノードに関連した配列のレプリケーション状態が検出されます。また、SRDF/CE は、レプリケーション状態の変更もすべて処理します。

各ストレージ配列は、1 Gbps イーサネットのデュアル接続を使用して互いに通信します。イーサネット リンクを使用していることで、テスト チームはネットワーク待機時間生成機器を利用して、テストに遅延を加え、長距離の通信をシミュレートできます。

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図 1: サイト間およびストレージ ユニット間でのストレージ レプリケーションを使用したマルチサイト構成の図

ネットワーク :

マルチサイト ネットワークをシミュレートするために、3 つの論理サイトを作成しました。"サイト A" は、2 つのフェールオーバー クラスター ノードと 1 つのストレージ配列をホストしています。"サイト A" は、それ自体で 1 つのサブネットを構成しています。"サイト B" は別のサブネット上にあり、クラスター内の他のストレージ配列およびノードをホストしています。3 番目のサイト/サブネットは、Active Directory 構造、Windows Server クォーラム構成用のファイル共有、および 1 つの DNS サーバーをホストしています。この 3 番目のサイトは、実際の組織で使われるアーキテクチャとは必ずしも一致しないかもしれませんが、それでもラボから得られるテストの結果や情報は、組織の実際の環境にも有効に適用できます。

SQL Server FCI フェールオーバーでのクライアントの接続やネットワークの登録に関する注意点については、このホワイト ペーパーの「課題、対策、および教訓」を参照してください。

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クォーラム モデル :

このテストでは、クォーラム モデルとして "ノードおよびファイル共有マジョリティ" を使用しています。他の各サブネットからもアクセスできる 3 番目のサブネットにファイル共有を配置しました。これは、マルチサブネット フェールオーバー クラスターのクォーラム モデルとして使用できる複数のオプションのうちの 1 つです。組織の全体的な実装に対して最も適切なモデルを選択する必要があります。クォーラム モデルの詳細については、このホワイト ペーパーの「Windows Server フェールオーバー クラスター (WSFC) のクォーラム モデル」を参照してください。

ワークロード

テストのシナリオをより現実的なものにするため、書き込みの割合が大きい (90 パーセントを超える) ユーザー ワークロードを毎秒約 2,000 バッチ実行することで、フェールオーバー クラスター環境に I/O 負荷をかけました。各 I/O のサイズはかなり小さく、高スループットの OLTP アプリケーションをシミュレートしています。

SQL Server FCI を実行中のサーバーに対して、さまざまなメカニズムでの手動のフェールオーバー (グループの移動) や電源のシャットダウンなど、多数のフェールオーバー シナリオをテストしました。フェールオーバーの動作は、ワークロードを実行した場合と実行しない場合の両方で、期待どおりに実行されました。次のセクションでは、このテストで得られたいくつかの重要な結果とその他の注意点について説明します。

課題、対策、および教訓今回のテストに加え、SQL Server 2012 のプレリリース版を使用したマルチサイト フェールオーバー クラスタリングでのさまざまな経験を通じて、SQL Server 2012 を使用して独自のフェールオーバー クラスタリング ソリューションの構築を開始する際に重要と思われる事項をいくつか特定することができました。

ストレージの検証チェックの要件SAN のレプリケーションを使用したマルチサイト クラスター環境では、1 つのサイトのストレージ ボリュームが同じサイトのノードにのみ表示され、他のサイトのストレージ ボリュームはそのサイトのノードにのみ表示されることが想定されています。したがって、すべてのストレージがすべてのノードに対して同時には表示されないため、ストレージの検証チェックが失敗したり、警告が表示されたりする可能性があります。ストレージの検証テストを省略した場合、サポートの有無に関連して次のようなメッセージが表示されます。

"いいえ。このクラスターに Microsoft のサポートは必要ありませんので、検証テストを実行しません。[次へ] をクリックして、クラスターの作成を続行します。"

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この環境では、ストレージの検証テストに合格することが、マルチサイト クラスター ソリューションが完全にサポートされるための必須条件ではないため、ストレージの検証テストをスキップすることができます。詳細については、サポート技術情報の資料「Windows Server 2008 フェールオーバー クラスターに関するマイクロソフト サポート ポリシー 」(http://support.microsoft.com/kb/943984) の「地理的に分散したクラスター」を参照してください。

注: スキップできるのは、ストレージの検証チェックだけです。すべての検証をスキップした場合、または検証レポートで警告または失敗が報告された場合は、SQL Server セットアップでそのことが検出され、インストールがブロックされます。

OR 依存関係を使用したフェールオーバー クラスター マネージャーでの IP アドレスの構成マルチサブネット フェールオーバー クラスターを構成する場合、1 個の IP アドレスのみがオンラインである必要があります。他のアドレスは、そのサブネットへのフェールオーバーが行われるまではオフラインに保持できます。これは一見、不正確または不適切な構成と思われるかもしれませんので、フェールオーバー クラスター マネージャーでこの構成がどのように表示されるかの例を次に示します。現在どのサブネットが FCI をホストしているかに応じて、1 つの IP アドレスの "状態" 列が "オフライン" に設定され、もう 1 つが "オンライン" に設定されていることに注意してください。

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図 2: フェールオーバー クラスター マネージャーで複数のサブネットに存在する IP アドレスに対して OR 依存関係を使用したセットアップの例

適切なクォーラム モデルマルチサイト フェールオーバー クラスターは、通常、複数の地理的領域にまたがって存在し、各サイトにそれぞれストレージ コンポーネントが含まれています。そのため、この環境で使用するクォーラム モデルに関しては、固有の注意点があります。これらの注意点の詳細については、このホワイト ペーパーの「Windows Server フェールオーバー クラスター (WSFC) のクォーラム モデル」を参照してください。ただし、マルチサイト フェールオーバー クラスターで Windows Server クラスターの検証を実行すると、図 3 に示すように、適切なクォーラム モデルは "ノードおよびディスク マジョリティ" であることを示すメッセージが表示されます。

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クォーラム構成の検証現在のクォーラム構成がクラスターにとって最適であることを検証します。クラスター クォーラム設定を検証しています。

現在のノード数に推奨されるクォーラム構成はノードおよびディスク マジョリティです。

現在のクォーラム構成はノードおよびファイル共有マジョリティです (\\r805-04\quorum)。このクォーラム モデルは、ディスク監視がオンラインの場合は 2 個、ディスク監視がオフラインまたは使用できない場合は 1 個のノードのエラーに耐えることができます。

このクォーラム構成は、クラスター クォーラム構成ウィザードを使用して変更できます。ウィザードは、フェールオーバー クラスター マネージャー コンソールで左側のウィンドウのクラスター名を選択し、右側の操作ウィンドウの [その他のアクション] を選択し、[クラスター クォーラム設定の構成] を選択することで開始できます。

図 3: クォーラム構成に関するクラスター検証ツールの出力の表示

クラスター検証ツールのウィザードでは、特定のクラスターがマルチサイト クラスターであるかどうかを検出しません。このメッセージを無視して、"ノードおよびファイル共有マジョリティ" など、より適切なクォーラム モデルを使用しても問題ありません。

マルチサブネット SQL Server FCI のフェールオーバー後のネットワーク登録とクライアント接続SQL Server 2012 では、SQL Server フェールオーバー クラスターのネットワーク名で、ネットワーク名リソース (仮想ネットワーク名) に対して RegisterAllProvidersIP プロパティが有効になっています。マルチサブネット FCI では、このプロパティによって、SQL Server で使用するように構成されているすべての IP アドレスを SQL Server の仮想ネットワーク名で DNS に登録することができます。すべての IP が DNS に登録されるため、データ センター間のフェールオーバー時に、DNS に登録された IP アドレスに変更を加える必要はありません。この DNS の更新を不要にすることで、クライアント接続では、フェールオーバー後に SQL Server フェールオーバー クラスター (仮想ネットワーク名) をよりすばやく解決できるようになります。

SQL Server Native Client を含む新しい SQL Server クライアント ドライバーでは、キーワード MultiSubnetFailover のサポートが追加されています。クライアントで MultiSubnetFailover 接続オプションを有効にできる場合は、SQL Server FCI で使用できるすべての IP アドレスが接続時に評価され、クライアントによって解決されます。これは、フェールオーバー後のクライアント接続の性能向上にもつながります。

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クライアントで MultiSubnetFailover キーワードをサポートしたドライバーを使用していない (または有効になっていない) 場合には、いくつかの点を考慮する必要があります。

クライアント ドライバーは、IP アドレスを連続的に評価します。この IP アドレスの評価によって、クライアントの接続にかかる時間が長くなる場合があります。そのような場合は、ConnectionTimeout の値を大きくし、SQL Server ネットワーク名から解決される可能性のある追加の IP アドレスごとに 21 秒を加算することをお勧めします。したがって、新しいサイトで 2 番目の IP アドレスが追加された場合は、新しい ConnectionTimeout を [以前の ConnectionTimeout] + 21 秒に設定できます。式は (X + (N - 1) * 21) となります。ここで、X = [現在の ConnectionTimeout] であり、N = IP アドレスを持つサイトの数です。

今回のテストでは、SQL Server Browser サービスによるインスタンス名からポート番号への解決は、常に成功したわけではありませんでした。そのため、クライアントで名前付き SQL Server インスタンスへの解決を行う際に問題が発生します。そのような問題を避けるため、MultiSubnetFailover キーワードをサポートしないドライバーが SQL Server の名前付きインスタンスに接続する場合は、SQL Server インスタンスに対して静的なポート構成を使用することをお勧めします。この場合、クライアントは、接続パラメーターで SQL Server とポート番号を直接指定することによって接続できます。

結論SQL Server 2012 AlwaysOn は、高可用性と災害復旧のための柔軟なデザイン方法を提供します。マルチサイト フェールオーバー クラスタリングは、SQL Server AlwaysOn で使用するアーキテクチャの選択肢の 1 つとして、インスタンス レベルで高可用性と災害復旧を実現します。マルチサイト フェールオーバー クラスタリングのテクノロジに大きな改良が施されたことで、いくつかの環境ではこのテクノロジを高可用性と災害復旧の有効なオプションの 1 つとして利用できます。このホワイト ペーパーの目的は、このテクノロジに関するユーザーの理解を助け、配置の成功を支援し、SQL Server 2012 のマルチサイト クラスタリングに加えられた機能の強化について紹介することです。

詳細情報および記事の参照:

http://www.microsoft.com/sqlserver/en/us/future-editions/mission-critical/SQL-Server-2012- high-availability.aspx: SQL Server 2012 の高可用性

http://blogs.msdn.com/b/sqlalwayson/ : SQL Server AlwaysOn のブログ クラスター リソースの依存関係式のブログ:

http://blogs.msdn.com/b/clustering/archive/2008/01/28/7293705.aspx Windows Server 2008 フェールオーバー クラスターに関するマイクロソフト サポート

ポリシー: http://support.microsoft.com/kb/943984 Windows Server 2008 R2 に追加されたフェールオーバー クラスターの新機能:

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd621586(WS.10).aspx

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Page 17: SQL Server 2012 Multisite Failover Cluster Instance ...download.microsoft.com/download/6/B/E/6BE0C3F3-2991-4766... · Web view各サイトに 1 つずつ、合計 2 つの EMC Symmetrix

フェールオーバー クラスター ステップ バイ ステップ ガイド: フェールオーバー クラスターでのクォーラムの構成: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc770620(WS.10).aspx

マルチサイト フェールオーバー クラスターの要件と推奨事項: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd197575(WS.10).aspx

Windows Server 2008 フェールオーバー クラスターに関するマイクロソフト サポート ポリシー: http://support.microsoft.com/kb/943984

http://sqlcat.com : SQL Server ユーザー諮問チームのサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/default.aspx : SQL Server Web サイト http://technet.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/ : SQL Server TechCenter http://msdn.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/ : SQL Server 開発者向け技術情報

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付録

ラボで使用したハードウェアとソフトウェアの環境このテストを完了するために必要なハードウェアおよび人材をラボに提供していただいたパートナーの皆様に感謝いたします。

サーバー SQL Server 用にそれぞれ以下を搭載した 4 台の Dell R805 コンピューター

o 2 ソケットのクアッドコア AMD Opteron プロセッサ (2.2 GHz)o 32 GB の RAM

ファイル共有監視サーバーとして 1 台の Dell R805 コンピューター

アプリケーションのワークロードを実行するクライアントとして 1 台の Dell R805 コンピューター

SQL Server SQL Server 2012 のプレリリース版ソフトウェア

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ストレージ 2 台の EMC Symmetrix VMAX SAN: 各サイトに 1 台

EMC および SQL Server: Solutions for SQL Server and Business Intelligence (http://www.emc.com/solutions/application-environment/microsoft/solutions-for-sql-server-business-intelligence.htm)

Microsoft SQL Server on EMC Symmetrix Storage Systems: (http://www.emc.com/collateral/software/solution-overview/h2203-ms-sql-svr-symm-ldv.pdf)

ストレージ ソフトウェアo EMC SRDF (SAN レベルのレプリケーション用)o EMC SRDF/CE (Cluster Enabler)

EMC Symmetrix SRDF (http://www.emc.com/storage/symmetrix/srdf.htm)

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