square869120 contest #2

165
IOI列車で行こう 2 Take the IOI Train 2 解説

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Page 1: Square869120 contest #2

IOI列車で行こう 2Take the IOI Train 2

解説

Page 2: Square869120 contest #2

問題概要

• I, Oからなる文字列 S が与えられる。

• 文字列 S の部分列のうち, 「IOIOI, IOIOIOIOIOIOIOIのような文字列」の最大の長さを求めなさい。

• 1 ≦ |S| ≦ 10,000

Page 3: Square869120 contest #2

部分点解法

• 先ほど説明した, 「IOIOIのような文字列」 は, I, IOI, IOIOI, IOIOIOI, IOIOIOIOI,... のようになる。

• そのような文字列をすべて判定することで, できるのではないか?

Page 4: Square869120 contest #2

部分点解法

• S が T の部分列であるか判定する

1. ptr = 1 とする

2. Tの1文字目から|T|文字目まで:

3. S の ptr 文字目が今指しているTの文字と等しければ ptr を1加算する

4. ptr=|S|であれば部分列である

• その方法を使って, で判定できる

• 全体の計算量は

Page 5: Square869120 contest #2

満点解法

• 部分点解法の方法では, |S|=10000 のときにTime Limit Exceededする場合がある

• もっと高速化する方法はないか?

Page 6: Square869120 contest #2

満点解法

• 実は, I, IOI, IOIOI, IOIOIOI,...と調べていく必要はない

• IOIOIOIOI,...IOIOIOIOI のような長さ |S| 以上の文字列 T を用意し, 4ページ目の部分列であるか判定するアルゴリズムの最終的な ptr を利用することができる

• ptr が 1 ⇒ 列車が編成できない

• ptr が偶数 ⇒ 長さ ptr-1 の列車が編成できる

• ptr が奇数 ⇒ 長さ ptr-2 の列車が編成できる

• 全体の計算量は なのでAcceptedします

Page 7: Square869120 contest #2

結果 / Result

• IOI に行っている人やIOI代表選手を決める選考会に参加している人ならば簡単に解けると思います

• A問題の解説を書いた人は上の条件に該当しないので解くのに10分くらいかかりました

• IOI列車に乗ってIOIに行きたいけどあと3000問は解かなければあまり現実的ではないと思いました

Page 8: Square869120 contest #2

結果 / Result

• First Acceptance… sigma425 (2分1秒)

• 得点分布

Page 9: Square869120 contest #2

B問題Division 2

Page 10: Square869120 contest #2

問題概要

• 1以上n以下の整数を書き、それに対して以下の操作をq回行う。

• 書かれている全ての数に対して、a[i]で割り切れるのであればその数をa[i]で割った数に書き換える。ただし、a[i]はi回目の操作における割る数である。

• 最終的に1が何個書かれているか、求めてください。

• ただし、aの入力はa[1]からはじまりa[q]で終わるものとして考えます。

Page 11: Square869120 contest #2

問題概要

• 小課題1(25点)⇒1≦n≦1000000,1≦q≦24

• 小課題2(75点)⇒1≦n≦10^13,1≦q≦24

• どちらの小課題でも3≦a[i]≦50である。

• うさぎは2で割るのが嫌いなため、a[i]=2ではない。

Page 12: Square869120 contest #2

• 例えば、n=10,q=3,a={3,4,6}のとき、

• 最終的な1は{1,3,4}からの3つになります。

割る数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

3 1 2 1 4 5 2 7 8 3 10

4 1 2 1 1 5 2 7 2 3 10

6 1 2 1 1 5 2 7 2 3 10

Page 13: Square869120 contest #2

部分点解法(25点)

• 愚直に計算をします。

• 配列を使ってx[i]=iにまず初期化します。x[i]というのは、i番目の数は今現在何なのかということを表します。

• q回の操作を以下のように行います。

• x[1]からx[n]まで順番に見ていきます。その数字がa[i ](i回目の

操作の場合)で割り切れたらその数字を1回だけa[i]で割ります。

Page 14: Square869120 contest #2

部分点解法(25点)

• コードでは、if(x[j]%a[i]==0){x[j]/=a[i]}ということです。

• 4ページ目の表のように操作することをイメージすればわかりやすいでしょう。

• 計算量は、各クエリにつきO(n),クエリがq個あるのでO(nq)となります。n=1000000,q=24の場合2400万回となり、間に合います。

• しかし、小課題2ではn=10^13,q=24が最大だから、計算量は10^14回を超えてしまいます。⇒TLEをします。

Page 15: Square869120 contest #2

考察1

• Q≦24であることを利用できないか?

• 割れるなら「割る」、割れないなら「割らない」なので、Π(a[i]または1)※Πはi=1からQまでの範囲で、しか可能性がないのでは?

• 例えば、a[i]={3,4,6}のとき、以下の8通りしか可能性はない。1*1*1=1,1*1*6=6,1*4*1=4,1*4*6=24,

• 3*1*1=3,3*1*6=18,3*4*1=24,3*4*6=72

Page 16: Square869120 contest #2

考察1

• a[i]をいくつか選んだときの積であれば、その「選んだ場所」だけ割り、それ以外の場所では割らないことになる。

• そうでない場合、どこで割っても1にならない。

• なぜなら、割るときは必ずa[i]以外で割ってはいけないからである。また、a[i]を選んだ時の積の分だけ割れるので、それがある数Cと一致している場合のみC/積=1になるからである。

• ⇒考察は正しい

Page 17: Square869120 contest #2

満点解法

• 考察より、2^q通りしか可能性はないことが分かった。

• ⇒これを全列挙できる!!

• まず、a[i]で割るか割らないかを0か1かで表される配列bのi番目の要素に記録しておく。

• h=0から2^q-1のときまでループし、そのときのb[i]は

• b[i]={h/(2^(i-1))}%2となる。

Page 18: Square869120 contest #2

満点解法

• そして、最初sum=1として、b[i]が1のときsumにa[i]をかけます。(1≦i≦q)

• sumで最後1になるか試して、なれば答えに1を足します。

• そのようにすれば、どのa[i]を選ぶかを全通り、重なりがなく調べることができる。JOI2007-08予選5:Osenbeiなどが解法としては似ている。

Page 19: Square869120 contest #2

満点解法

• 通り数が2^q通り、1つの数字から始めると1になるかを調べるクエリがO(q)だから、計算量はO(q*2^q)となる。

• q=24のとき、約400,000,000回の計算が必要となる。

• 制限時間が5secだから、定数倍が速いか普通だと、C++などの実行速度の速い言語ではギリギリ通ります。

• ちなみに、この解法での私のコードの実行時間は2354msでした。

• しかし、定数倍が遅かったり、JAVAなどのやや実行速度の遅い言語だと通らない。

Page 20: Square869120 contest #2

考察2

• 完全な全列挙ではなく、後ろから考えて工夫して全探索できるのではないか?

• ⇒Queueを使おう!

• Queueについては、

• http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~yamada/ap/queue.html

• を参照してください。

Page 21: Square869120 contest #2

満点解法2

• まず、最初に2つの引数を持つQueueを用意し、第1引数を現時点での数、第2引数を「何個目のクエリまで終わったか」とします。

• そして、Queueに(0,q)を入れます。その後、以下のループをQueueの大きさが0になるまで続けます。

• Queueの先頭の第1引数をc1,第2引数をc2とします。

• c2=0となった時点で「全ての処理が終わっている」ので、ループから抜けます。

• そのあと、Queueをポップします。

Page 22: Square869120 contest #2

満点解法2

• 割ってc1になる場合

• c1*a[c2]がqを超えない場合、可能です。(その場合、Queueに(c1*a[c2],c1-1)をプッシュします。

• c1*a[c2]は当然a[c2]で割り切れるので、前から考えると…→a[c2]*c1→c1→…となります。

• 割らずにc1になる場合

• c1がa[c2]で割り切れるとc1→c1/a[c2]に自動的になってしまうので、不可能です。それ以外の場合、Queueに(c1,c2-1 )をプッシュします。

Page 23: Square869120 contest #2

満点解法2

• 例えば、a={3,4,6},n=20,q=3のとき、Queueは次のように変化します。

• {(1,3)}⇒

• {(6,2),(1,2)}⇒

• {(24,1),(6,1),(4,1),(1,1)}⇒

• {(18,0),(6,0),(12,0),(4,0),(3,0),(1,0)}となります。

• よって、最終的に残っているのは5通りとなります。枝刈りをしているので、数の重なりはないです。⇒答えはループから抜けたときのQueueのサイズとなります。

• グレーの部分は枝刈りされたものを示しています。

Page 24: Square869120 contest #2

満点解法2

• 状態数は最大で2^(q+1)通り、各状態につきO(1)かかるので、計算量は最大でO(2^(q+1))となります。

• q=24のとき、最大約3000万回の計算が必要ですが、満点解法1よりは明らかに速いです。

• 私が書いたコードだと、35msで通りました。

• JOIでいう難易度5(満点解法2は6)くらいだと思います。

Page 25: Square869120 contest #2

結果

• FirstAcceptance:sigma425(8分06秒)

• 得点分布

Page 26: Square869120 contest #2

おしまい

Page 27: Square869120 contest #2

C問題何通りの分割方法がある?

Page 28: Square869120 contest #2

問題概要

• 整数nが与えられる。

• nを文字列に変換したものをSとする。

• Sをいくつかの部分に分割する。

• それを全て数字に変換するとき、和がD以内でなければならない。ただし、各数字は0から始まってもよい。

• 何通りの分割方法があるか、求めてください。

Page 29: Square869120 contest #2

問題概要

• 小課題1(10点)

• 通り数は1通り以下である。

• 小課題2(30点)

• n≦10,000,000,000を満たす。

• 小課題3(60点)

• N≦10^100を満たす。

Page 30: Square869120 contest #2

• 例えば、n=1355,D=50のとき、

• {1,3,5,5}:1+3+5+5=13

• {13,5,5}:13+5+5=23

• {1,35,5}:1+35+5=41

• の3通りの分け方が存在する。

• 答えは、1,000,000,007で割った余りで求めなければならない。

Page 31: Square869120 contest #2

注意事項

• 小課題3では、n≦10^100と非常に大きいので、C++などでは整数nを文字列として受け取らなければならない。

• JAVAやC#などでも、BigIntegerという巨大な整数を用いる型を利用しなければならない。

• 64ビット型整数に収まる整数は最大約9*10^18である。

Page 32: Square869120 contest #2

小課題1(10点)

• 小課題1では、通り数は0か1しかありません。

• 「通り数が1の場合」は、どれか1つの方法が存在するということです。

• 一番和が少なくてできる方法は、1桁ごとに分割するという方法です。

• なぜなら、最初すべて1桁ごとで、ある2つの隣り合った数字を合成すると、10の位がa,1の位をbとすると、10a-a=9aだけ和が増えてしまいます。

Page 33: Square869120 contest #2

小課題1(10点)

• ⇒よって、「各位の数字の和」が考えられる各数字の総和として最小となります。

• 答えは0か1なので、「各位の数字の和」がD以下ならば「1」、Dを超えていたら「0」となります。

• 各位の数字の和を求める方法は、整数をまず文字列に変換し、最初の文字から順番に見ていきます。

• I文字目が「1」であれば1,「 2」であれば2…をsumに加算します。最終的なsumの値が各位の数字の和となります。

Page 34: Square869120 contest #2

小課題2(40点)

• 小課題1の方法では、答えが2通り以上の場合には対応できません。なぜなら、1桁ずつ分割する方法でできる場合、少し2桁以上の数字を入れても条件を満たす場合があるからです。

• 小課題2(30点)はn≦10^10までです。

• ⇒これを利用できないか?

• できます。

Page 35: Square869120 contest #2

小課題2(40点)

• nはせいぜい10桁です。

• 切る場所(=桁と桁の間で分けるか)はTrueかFalseの2通りなので、2^|n|でできます。

• 実際桁と桁の間は|n|-1個しかないので、2^|n|-1通りを調べ上げる必要があります。

• 例えば、n=1355,場所={1,0,1}(1=True,0=False)のとき、1番上の位を0桁目とするとき、0桁目と1桁目で分け、2桁目と3桁目で分けることになります。⇒{1,35,5}の3数に分割されます。

Page 36: Square869120 contest #2

小課題2(40点)

• i=0から2^(|n|-1)まで以下のような操作を繰り返しますが、i桁目とi+1桁目の間を分けるかどうかを表す変数をb[j]とします。

• b[j]={i/(2^j)}%2(0≦j≦|n|-2)となります。

• 配列bの数値が分かれば、どのようにnが分割されているかもわかります。

• それが分かれば、分割されている各数字の総和を求めてそれがD以下であれば答えに1を加算します。

Page 37: Square869120 contest #2

小課題2(40点)

• 例えば、D=50,n=1355で{1,35,5}と分割された場合その総和は41だから答えに1を加算します。

• 計算量は調べ上げる通り数が2^((nの桁数)-1)通り、1つの分割状態につき

• O(nの桁数)かかるので、計算量はO((nの桁数)*2^((nの桁数)-1))となります。

• ここまででは、AOJ 1237:Shredding Companyという問題によく似ています。

• n=9,999,999,999のとき、計算量は約5000回となります。

• しかし、n=10^100のとき、計算量は約10^32回となり、明らかにTLEします。

Page 38: Square869120 contest #2

考察1

• D≦100,000であることを利用できないか?

• 1桁目から順に通り数を見ていきDPで解けないか?

• どこまで見終わったか、今までの和、通り数と3つの要素が分かればできるのではないか?

•⇒DP(動的計画法)

Page 39: Square869120 contest #2

満点解法

• 考察でも示しましたが、「どこまで見たか」「今までの和」「通り数」の3つの要素が必要です。

• 1つ目は|n|以下、2つ目はD以下、3つ目は10億7以下なのでdp[どこまで見たか][今までの和]として通り数mod 1,000,000,007を格納するのが最適です。

• メモリはint型10,000,000個だから足ります。

• まず、dp[0][0]=1とします。

• そして、次のページの操作をrep(i,1 ~n),rep(j,0 ~D)として繰り返します。

Page 40: Square869120 contest #2

満点解法

• dp[i][j]の値を更新するとき、(最初にsum=0に初期化します。)

• まず、t=0とします。ループのたびにtに1を足します。

• 10^t*(i-t桁目の値)をsumに足します。

• sumがDを超えるかi-tが0未満になるとループから抜けます。

• dp[i][j]にdp[i-t][i-sum]を足します。これは、i-t桁目までを分割した時の和がi-sumで、そのあと、t桁分分割せずに数字を「今までの総和」に足し、そこで(i-1桁目とi桁目の間で)分割するを意味します。

Page 41: Square869120 contest #2

満点解法

• そこで、1点注意事項があります。

• 0がいくつか続いた後に1がくると、一度に10^20とかいう巨大な数が足されてしまう可能性があるので、i-t桁目が1以上でかつt≧7のときループから抜けるようにする必要があります。(オーバーフローには注意すること。)

• 結果は、Σdp[n][i](0≦i≦D)となります。

• n-1桁目(最後の桁)まで見終わるということは「全ての桁を見終わった」=「それ以上足されない」ことを意味します。

Page 42: Square869120 contest #2

満点解法

• 最後に1,000,000,007で割るのを忘れないようにしましょう。

• 計算量は、ループにO((nの桁数)D),一度にO(Dの桁数)くらいかかるので、計算量はO((nの桁数)*D*(Dの桁数))と見積もれますが、0が続くケースの場合、

• 最大でO((nの桁数)^2*D)となります。定数が1/2くらいつくので制限時間5secなら間に合います。

• 工夫してdp[i][j]が1以上のときdp[i+t][j+sum]に足す方法でやれば、0が続く場合でも対処できます。

• この場合、sumはi桁目からi+t桁目までの数字列を1つの数字として表したときの値となります。

Page 43: Square869120 contest #2

満点解法

• 想定解は約500msです。

• 工夫してdp[i+t][j+sum]の形でやった場合です。

• ちなみに、小課題1は難易度2,小課題2は難易度5,小課題3は難易度6~7くらいだと思います。

• コンテストお疲れさまでした。

Page 44: Square869120 contest #2

結果

• First Acceptance:piroz95(24分43秒)

• 得点分布

Page 45: Square869120 contest #2

おしまい

Page 46: Square869120 contest #2

D問題2016

Page 47: Square869120 contest #2

問題概要

• 整数nが与えられます。

• n以下の数字の中で約数の個数がが最大となる数の約数の個数と、この約数の個数を持つ数の中で最小の整数を求めなさい。

• ただし、最初にクエリの数Qが与えられて、Q回だけ整数nが質問されることになります。

Page 48: Square869120 contest #2

問題概要

• 1≦q≦10,000を満たす。

• 小課題1(8点)…1≦n≦10,000を満たす。

• 小課題2(34点)…1≦n≦1,000,000,000を満たす。

• 小課題3(58点)…1≦n≦10^17を満たす。

• 小課題3では特に、オーバーフローに注意すること。

Page 49: Square869120 contest #2

• 例えば、n=100の場合、

• 最大の約数は12個あります。

• 約数が12個の、100以下の整数は、60,72,84,90, 96がありますが、60の方が小さいので60の方を出力します。

• 答えは、12と60を空白区切りで出力することになります。(この場合)

Page 50: Square869120 contest #2

• ちなみに、 約数が最大となる整数は、 以下のように続きます。(高度合成数)

整数 約数個数 整数 約数個数 整数 約数個数

1 1 48 10 840 32

2 2 60 12 1260 36

4 3 120 16 1680 40

6 4 180 18 2520 48

12 6 240 20 5040 60

24 8 360 24 7560 64

36 9 720 30 10080 72

Page 51: Square869120 contest #2

小課題1(8点)

• 自明な探索解で解けます。

• n≦10,000と非常に少ないため、クエリごとに処理する必要はありません。

• 最初にn=1,2,3,4…10000のとき約数が何個になるのかを記録した配列をaとすると、

• a[i]=max(a[i-1],a[i])とします。

• そうすると、nが与えられたとき答えはO(1)で求めることができます。答えはa[n]です。

Page 52: Square869120 contest #2

小課題1(8点)

• 1つの数字の約数の個数を求めるのにO(n)、かつn個の数字に対してこれを求める必要があるので、計算量はO(n^2)となります。

• 小課題1でのnの最大は10,000なので、計算量は約1億回です。⇒時間制限3secであれば間に合います。

• ちなみに、aは下表のようになります。

整数n 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

もとのa[i] 1 2 1 3 2 4 2 4 3 4 2 6 2

答えのa[i] 1 2 2 3 3 4 4 4 4 4 4 6 6

Page 53: Square869120 contest #2

考察1

• n≦1,000,000,000であれば、小課題1の解法であれば明らかにTLEしてしまいます。

• また、配列をを1,000,000,000個も置くと、MLEしてしまうので、クエリごとに処理する必要があります。

• Q≦1,000なので、1クエリにつき可能な計算量は最大で約300,000回です。

Page 54: Square869120 contest #2

考察1

• ⇒約数を全て調べるひまがありません。

• ⇒問題は「約数を最大化しろ」なのでDFSでできるのでは?

• 素数を列挙し、掛けていきnを超えるまでつづけるのがいいのでは?

• 図は次のページを参照してください。

Page 55: Square869120 contest #2

考察1

素因数の 個数を {2,3,5,7} で表した ものです 。(n=30のとき)

{0,0,0,0}=1⇒ {1,0,0,0}=2 ⇒ {2,0,0,0}=4⇒ {3,0,0,0}=8 ⇒ {4,0,0,0}=16⇒ (これ以降は矢印は省略)

{5,0,0,0}=32 {4,0,0,0}=16 {4,1,0,0}=48 {4,0,0,0}=16 {4,0,1,0}=80 {4,0,0,0}=16

{4,0,0,1}=112 {4,0,0,0}=16 {3,0,0,0}=8 {3,1,0,0}=24 {3,2,0,0}=72 {3,1,0,0}=24

{3,1,1,0}=120 {3,1,0,0}=24 {3,1,0,1}=168 {3,1,0,0}=24 {3,0,0,0}=8 {3,0,1,0}=40

{3,0,0,0}=8 {3,0,0,1}=56 {3,0,0,0}=8 {2,0,0,0}=4 {2,1,0,0}=12 {2,2,0,0}=36

のように 続きます。

Page 56: Square869120 contest #2

小課題1(8点)解法2

• このようにDFSでも解けます。

• 方法としては、

• 素数を{2,3,5,7,11,13…sqrt(n)}くらいまで列挙し、

• nを超えるまで掛け続ける。

• nを超えたら1手前に戻る。

• それでもすべての場合でダメな場合さらに1手前に戻る。

• 約数が最大のときの整数をmin,maxなどを使い求められる。

• 1ページ前を参考にすること。

Page 57: Square869120 contest #2

小課題1(8点)解法2

• その場合、計算量的にはn≦10,000では間に合います。

• それに少し工夫を加えれば、小課題2が通ります。

• ※注意事項

• DFSは、スタックや再帰を使えば実装できます。

Page 58: Square869120 contest #2

考察2

• 全探索する必要ないのでは?

• そもそも素因数3が0で5が1よりも3を1にした方が数が小さくなりかつ約数の個数も変わらないのでこちらの方が得なのでは?

• ⇒一度素因数0の場所が現れたらそれ以降は0なのでは?

• ×{3,0,1,0,1…},〇{3,1,1,0,0…}

Page 59: Square869120 contest #2

小課題2(42点)

• 考察2より、次のように全探索することができます。

• 素数を{2,3,5,7,11,13…47}まで列挙します。

• ただし、2*3*5*7*11*13*…*47≒6.14*10^17だから、47までしか必要がないです。

• 考察1のようにDFSをしますが、個数0からではなく1から探索するようにします。

Page 60: Square869120 contest #2

小課題2(42点)

• 状態遷移は下のようになります。状態遷移 {2,3,5}= (数,約数) ⇒は省略 します。 n=30

{0,0,0}=(1,1) {1,0,0}=(2,2) {2,0,0}=(4,3) {3,0,0}=(8,4) {4,0,0}=(16,5) {5,0,0}=(32,6)

{4,0,0}=(16,6) {4,1,0}=(48,10) {4,0,0}=(16,6) {3,0,0}=(8,4) {3,1,0}=(24,8) {3,2,0}=(72,12)

{3,1,0}=(24,8) {3,1,1}=(120,16) {3,1,0}=(24,8) {3,0,0}=(8,4) {2,0,0}=(4,3) {2,1,0}=(12,6)

{2,2,0}=(36,9) {2,1,0}=(12,6) {2,1,1}=(60,12) {2,1,0}=(12,6) {2,0,0}=(4,3) {1,0,0}=(2,2)

{1,1,0}=(6,4) {1,2,0}=(18,6) {1,3,0}=(54,8) {1,2,0}=(18,6) {1,2,1}=(90,12) {1,2,0}=(18,6)

{1,1,0}=(6,4) {1,1,1}=(30,8) {1,1,2}=(150,12) {1,1,1}=(30,8) {1,1,0}=(6,4) {1,0,0}=(2,2)

Page 61: Square869120 contest #2

小課題2(42点)

• 計算量的にはそれで小課題2には通ります。

• しかし、小課題3では現実的な時間にはなりますが、TLEをしてしまいます。

• そこで、さらに考察をする必要があります。

Page 62: Square869120 contest #2

考察3

• 小課題3では、今までの方法だとTLEします。

• 想定時間は約11secくらいです。

• よく見てみると、{2,3,5}={1,2,0}のようになっている場合があります。

• これを{2,1,0}にスライドした方が数は少なくなり、約数は同じなのでこちらの方が効率的

• ⇒{2,3,5,…}を昇順にソートさせたとき一番効率的

Page 63: Square869120 contest #2

考察3

• つまり、a(2)≧a(3)≧a(5)≧a(7)≧…となるようにプログラムを組めばよいと考えられます。

• ちなみに、a(n)とは、素数nで何回割れるかということです。

• このようにすれば、さらに時間が短くなります。

Page 64: Square869120 contest #2

満点解法

• 考察3を利用します。

• 再帰またはDFSの、「何回掛けるか」の範囲を

• 1から「前の掛けた回数(1つ前の素数を何回掛けたか)」までにします。

• また、1回nを超えてしまったら、その次の素因数以降探索せずにもう1回戻るという方法も使えます。(つまり合計2回もどるということ)

• 例えば、n=30のとき、次ページのようになります。

• {2,3,5}=(整数,約数)の形で表します。

Page 65: Square869120 contest #2

満点解法

• 以下のようになります。{0,0,0}=(1,1) {1,0,0}=(2,2) {2,0,0}=(4,3) {3,0,0}=(8,4) {4,0,0}=(16,5) {5,0,0}=(32,6)

{4,0,0}=(16,5) {3,0,0}=(8,4) {3,1,0}=(24,8) {3,2,0}=(72,12) {3,1,0}=(24,8) {3,0,0}=(8,4)

{2,0,0}=(4,3) {2,1,0}=(12,6) {2,2,0}=(36,9) {2,1,0}=(12,6) {2,0,0}=(4,3) {1,0,0}=(2,2)

{1,1,0}=(6,4) {1,1,1}=(30,8) {1,1,0}=(6,4) {1,0,0}=(2,2) {0,0,0}=(1,1)

これだけです。 緑字は2回戻り の途中を表し ます。

Page 66: Square869120 contest #2

満点解法

• このように、工夫をして計算量を減らすことができます。

• この場合、問題で問われているのは「約数の最大化」なので、全てを調べ上げる必要はありません。

• このようなアルゴリズムを「ヒューリスティック探索」ともいいます。

• 想定解は約400msです。

Page 67: Square869120 contest #2

参考問題

• JOI 2009-10予選6 「方向音痴のトナカイ」

• AOJ 0190 「11パズル」

• AOJ ALDS1_13_C 「15パズル」

• AOJ 1128 「square carpets」

Page 68: Square869120 contest #2

結果

• First Acceptance:nuip(14分47秒)

• 得点分布

Page 69: Square869120 contest #2

おしまい

Page 70: Square869120 contest #2

E問題部分文字列 / Substrings

解説

Page 71: Square869120 contest #2

問題概要

• 文字列 S が与えられる。 S の部分文字列の合計の文字数を求めなさい。ただし, 重複するものは 1 通りだけをカウントする。

• 制約

• 1 ≦ |S| ≦ 100,000

Page 72: Square869120 contest #2

問題概要

• S = "abc" のとき

• "a", "b", "c", "ab", "bc", "abc" の 6 個がある。合計は 10文字である。 よって, 答えは 10となる。

• S = "aaqqz" のとき

• "a", "q", "z", "aa", "aq", "qq", "qz", "aaq", "aqq", "qqz", "aaqq","aqqz", "aaqqz" の 13個があり, 合計で32文字である。

Page 73: Square869120 contest #2

部分点解法 (15点)

• 部分文字列を全部探索し, 重複しているものを 1 回しかカウントしない。

• 部分文字列は合計で O(|S|^3) 文字あるので, これをソートすると全体の計算量は O(|S|^3 log |S|) かかる。

• こんなに簡単に 12点が取れます。

Page 74: Square869120 contest #2

部分点解法 (50点)

• 部分文字列は合計で O(|S|^2) 個しかないので, 文字列を数値に変換すればソートに O(|S|^2 log|S|) しかかからない。

• そのようなアルゴリズムをハッシュという。(確率的だが, 99.9%くらい正確と思っといたほうがいい)

• 長さ k の文字列の場合, の v の値をハッシュ値とする。unsigned long long型で mod 2^64 を取るのが一般的。

• 全体の計算量は O(|S|^ 3)

Page 75: Square869120 contest #2

部分点解法 (50点)

• Rolling-Hash という方法で S の部分文字列のうち長さ N のもののハッシュ値を O(|S|) で求めることができる。

• 分からない方は蟻本やインターネットのページを参考にしてください。

• 全体の計算量は O(|S|^2 log |S|)

Page 76: Square869120 contest #2

Suffix Array, LCPについて

• Suffix Arrayとは?

• Suffix Arrayとは, 文字列 S の接尾辞をソートしたものである。接尾辞配列 A[i] は (Sの文字数) - (ソートした時の i 番目の接尾辞の文字数) である。

• 詳しくは蟻本やインターネットを参照。

• これは で求められる。

Page 77: Square869120 contest #2

Suffix Array, LCPとは?

• たとえば, S = "E869120" のとき,

• 接尾辞配列は右のようになる。

• それを使って, LCPというものを

• O(|S|) で求められるようになる。

• LCPについては次ページで。

i Suffix A[i]

0 (空文字列) 7

1 0 6

2 120 4

3 20 5

4 69120 2

5 869120 1

6 9120 3

7 E869120 0

Page 78: Square869120 contest #2

Suffix Array, LCPとは?

• Suffixをソートした時の i 番目の文字列をSuffix[i] とする。

• LCP[i] = (Suffix[i-1] と Suffix[i] の最初の何文字が同じか)

• LCPについても蟻本やインターネットに載っているので参考にしてください。

Page 79: Square869120 contest #2

満点解法

• S = "AAQQZ" のとき

i Suffix LCP 重複している文字列 重複していない文字列

1 AAQQZ 0 0個 A,AA, AAQ, AAQQ, AAQQZ

2 AQQZ 1 1個 (A) AQ, AQQ, AQQZ

3 QQZ 0 0個 Q, QQ, QQZ

4 QZ 1 1個 (Q) QZ

5 Z 0 0個 Z

Page 80: Square869120 contest #2

満点解法

• S = "AAQQZ" のとき

• 同じになっている!

i Suffix LCP 重複している文字列 重複していない文字列

1 AAQQZ 0 0個 A,AA, AAQ, AAQQ, AAQQZ

2 AQQZ 1 1個 (A) AQ, AQQ, AQQZ

3 QQZ 0 0個 Q, QQ, QQZ

4 QZ 1 1個 (Q) QZ

5 Z 0 0個 Z

Page 81: Square869120 contest #2

満点解法

• それを利用して通すことができる

• 計算量は O(| S| log^2 |S|) なので間に合う

Page 82: Square869120 contest #2

結果

• First Acceptance … climpet(6分51秒)

• 得点分布

Page 83: Square869120 contest #2

Range Sum Queries解説

Page 84: Square869120 contest #2

問題概要

• 長さ a の数列 が に初期化されている。

• 次の操作を c 回行う。

• とする。

• 最終的な の値を mod 1,000,000,007 で求めなさい。

Page 85: Square869120 contest #2

問題概要

• 制約

• 1 ≦ a ≦ 100,000

• 1 ≦ b ≦ 1,000,000,000

• 1 ≦ c ≦ 1,000,000,000

Page 86: Square869120 contest #2

問題概要

• の時

• よって, 求める答えは58となります。

• 58って, 素晴らしい数ですね。 (rng_58, sky58のようなプロも使っている)

d[0] d[1] d[2] d[3]

最初 1 3 9 27

1回目終了後 1 4 13 40

2回目終了後 1 5 18 58

Page 87: Square869120 contest #2

0点解法

• 問題文の通りそのままやる

• 1回の操作につき かかる

• 全体の計算量は

• a, b,c が 1,000であることを考えるとTime Limit Exceededしてしまう。

Page 88: Square869120 contest #2

部分点解法(12点)

• もっと高速化する方法はないか?

• 実は, d[i] を求める時にd[i-1] の値を利用できる

• (右辺は current )

• ⇒

• 計算量は O(ac)なので小課題1には通る

Page 89: Square869120 contest #2

部分点解法(12点) の補足

• DP(Dynamic Programming ) でも解けます

• JOI2006-2007 予選 6問目 「通学経路」 のように DPしていくとできます

• 漸化式は dp[i][j] = dp[i-1][j]+dp[i][j-1] のような感じですね

• この方法でも12点は取れます。

Page 90: Square869120 contest #2

考察1

• でも, この問題には JOIの 「通学経路」 のように障害物はありません

• AtCoder Beginner Contest 034 C問題 「経路」 のような場合です

• 「経路」 という問題は, 組み合わせ (nCr) を用いた解法で101点取れます

• そこで, H×W の経路の総数について考えてみましょう

Page 91: Square869120 contest #2

考察1

• 縦に進む時をX, 横に進む時をYとする。

• そのとき, XがH個, YがW個 あります。

• 経路の総数は, H+W個のなかからH個を選ぶので 通りとなります。

Page 92: Square869120 contest #2

考察1

• 次に, を O(n) で求める方法を紹介します。

• フェルマーの小定理を用いて ということが分かります。その解を 「a の逆元 (mod inverse)」 といいます。

• なので, n! を O(n) で求めて逆元をO(log n) で求めれば結果として計算量は O(n) となります。

Page 93: Square869120 contest #2

考察1

• この問題にも nCr を使うことができます。

• 9 という数字について考えると, 1×1の場合と同じ2通りの経路があり, 最終的な答えに9×2=18 を足していることが分かります。

d[0] d[1] d[2] d[3]

最初 1 3 9 27

1回目終了後 1 4 13 40

2回目終了後 1 5 18 58

Page 94: Square869120 contest #2

部分点解法(60点)

• 最初に説明した例の場合, 答えは であり, 58となります。

• しかし, そのままでは nCr を求めるのにO(n) かかってしまいます。

• k! を 1 から n までメモ化することによってO(log n) で済みます。

• よって, 全体的な計算量は mod p のとき 約 O(c + a log p) となります。小課題2には通ります。

Page 95: Square869120 contest #2

満点解法

• n が大きい場合の nCr をどのように求めるか?

• を使えばO(r) で求められます

• では, どのようにして を求めるのか?

• 上の方法を利用すれば で求められる。

• もっと高速化する方法はないか?

Page 96: Square869120 contest #2

満点解法

• であるから, その関係について調べてみると,...

Page 97: Square869120 contest #2

満点解法

• それを順番に求めていくと, O(a log p) ですべて求められます。

• よって, O(a log p) でこの問題を解くことができます。

• この問題は少し数学的な知識が必要かもしれませんが, 蟻本に載っている程度なので解けなかった人はマスターしましょう。

Page 98: Square869120 contest #2

nCr を利用する問題

• 以下, 私がお勧めする nCr を用いる問題です。

• ProjectEuler 015「Lattice Paths」

• AtCoder Beginner Contest 034 C問題 「経路」

• AtCoder Beginner Contest 022 D問題 「多重ループ」

• AOJ 2335 「10歳の動的計画」

• AOJ 2445「Minimum Cost Path」

Page 99: Square869120 contest #2

結果

• First Acceptance… snuke(25分10秒)

• 得点分布

Page 100: Square869120 contest #2

G問題道とN個のAtcoder社

Page 101: Square869120 contest #2

問題概要

• N個のAtcoder運送会社の工場が存在する。

• その座標は(xi,yi)である。(入力される。)

• 工場と工場を結ぶ道をできるだけ建設したいが、工場以外で道と道は交差してはならない。

• 最大で何個の道を建設できるか求めなさい。

Page 102: Square869120 contest #2

問題概要

• 小課題1(14点)…1≦n≦4を満たす。

• 小課題2(50点)…1≦n≦100を満たす。

• 小課題3(36点)…1≦n≦2,000を満たす。

• どの小課題でも、3工場は一直線上に並ばない。

• また、0≦xi,yi≦1,000,000,000である。

Page 103: Square869120 contest #2

• n=4,座標={(0,0),(1,1),(0,1),(1,0)}のとき、

• 最大で5本の道を建設できる。

Page 104: Square869120 contest #2

小課題1(14点)解法1

• 自明な探索解です。

• n≦4のとき、線は最大で6本しか引くことができません。

• よって、どことどこが結ばれているか、2^6通りを列挙する方法でできます。

• 結ばれている線に交差がない場合、

• maxn=max(線の本数,maxn)とします。

• 答えは、maxnの値になります。

Page 105: Square869120 contest #2

小課題1(14点)解法2

• 貪欲でも解けます。

• まず、n=1のとき、道は0個建てられます。

• 次に、n=2のとき、道は1個建てられます。

• 次に、n=3のとき、3工場が三角形の形になるため、道は3個建てられます。

• 次に、n=4のとき、道が5個建てられる場合、6個建てられる場合の2通りに分かれます。

Page 106: Square869120 contest #2

小課題1(14点)解法2

• ある3点を選んで、残りの1つの点が3つの点からできる三角形に囲まれる場合、道は6個建てられます。

• どのように3点を選んでも囲まれない場合、道は5個しか建てられません。

• 次のページの図を参照してください。

Page 107: Square869120 contest #2

小課題1(14点)解法2

• 道が6本のとき/道が5本のとき(実際は工場は点として考える)

Page 108: Square869120 contest #2

考察1

• 小課題2は、1≦n≦100です。

• 小課題1と比べて、nが一気に大きくなるので、到底全探索だと間に合いません。

• 多項式時間で求めるとしても、O(n^4)程度またはそれ以下で求める必要があります。

• ⇒解法としてはGreedyが考えられます。

• 辺の本数の最大を求めるのでDPではできにくいです。

Page 109: Square869120 contest #2

考察1

• 三角形を作ります。

• 道をn*(n+1)/2通り列挙し、その時点で道が引けるならば道を建て、引けないならば道を建てません。

• 証明としては、三角形の辺をつながるところにどのように移動したとしても、四角形を作ることはできないからです。

• ⇒道の数は四角形をなくし、三角形だけにしたときに最大

Page 110: Square869120 contest #2

考察1の図

• 四角形がある図/三角形しかない図

Page 111: Square869120 contest #2

考察1の図

• 辺の移動⇒新しく四角形は現れない

Page 112: Square869120 contest #2

小課題2(64点)

• 考察1のようにやればよい

• ⇒{a,b}を結ぶ道は条件を満たすか(交点がないか)を求めるクエリとする

• {a,b}=0のとき結べない、1のとき結べるとする

• ⇒{1,2},{1,3},{1,4},{1,5}…{1,n},{2,3},…{2,n},{3,4}…というように、全ての辺を順に調べる

• この段階で{a,b}=0のときこの道は結ばない、{a,b}=1のとき結ぶ

• このような方法でやると、無駄な四角形の部分がなくなる

Page 113: Square869120 contest #2

小課題2(64点)

• {a,b}を求めるのに最大でO(n^2)かかります。

• 実際は線分の数は大体nに比例し、平均で3nくらいになります。

• そして、{a,b}はn^2回呼び出すので、最大でO(n^4)となります。n=100の場合、定数が(½)*(½)=(¼)くらいつくので、約2500万回⇒間に合います。

• しかし、n=2000のときはTLEしてしまいます。

Page 114: Square869120 contest #2

考察2

• どのような順序で調べてもよいが、線分の交差判定をしている時間が無駄

• ⇒何が使えるか?

• 方法としては、外から順番に道を引いていくが、印をつけた点を除く点集合のConvex_Hullの周りは全て道で囲むことができる

• そして、Convex_Hullになった点は印をつける

• これを繰り返していけば、最終的にすべての点に印がつく

Page 115: Square869120 contest #2

考察2

• 以下のような図になる。(左⇒右)

Page 116: Square869120 contest #2

考察2

• 前の図で、2つのConvex_Hullで囲まれた凸多角形の間にも辺が結べる

• それに対して全探索をする場合、前よりは計算量は落とせるが小課題3は通らない

• 2つの凸多角形の間に何本の点が引けるのかを高速に求めたい

Page 117: Square869120 contest #2

考察2

• これは以下のようになる。

• a頂点からなる凸多角形とb頂点からなる凸多角形の場合

• ただし、前者の方が外側とする。

• b=1のとき、a個の道が建てられる。

• b≧2のとき、a個の道が建てられる。

• 証明は、次のページを参照してください。

Page 118: Square869120 contest #2

考察2の証明

• まず、b=1のときb側の頂点からa側の頂点に1つずつ道が引けるので、合計でa個道が引けます。

• そして、b≧2(a≧b)のとき、交点ができないようにa側の点から1つずつ道を引くと、b個の四角形ができます。

• ただし、n角形は四角形n-3個分とします。

• 四角形1つにつき1本追加で道が引けるので、追加で道をb個建てることができます。よって、合計でa+b個の道を建てられます。

• a≦bのときもaとbを逆転すれば証明できます。

Page 119: Square869120 contest #2

考察2の証明

• b=1のとき/b≧2のときは以下の図のようになります。

Page 120: Square869120 contest #2

満点解法

• 考察2を利用して解けます。

• 解法としては、Convex_Hullを求めて、その点集合に印をつけます。そのとき、sumに点集合の数を加算します。

• そして、このConvex_Hullが2つ目以降の場合、1つ前のConvex_Hullの点集合と結べる道の数をsumに加算します。

• sumの最終的な値が答えとなります。

Page 121: Square869120 contest #2

満点解法

• 考察2の証明の右のほうの図では、答えは4+3+7=14個となります。

• 計算量は、Convex_Hullを求めるのに最大でO(n^2 logn)かかり、sumに加算するのに最大でO(n)かかるため、計算量は最大でO(n^2 logn)となります。

• n=2,000のとき、計算量は最大で約4,000万回⇒間に合います。よって、合計100点が得られます。

Page 122: Square869120 contest #2

満点解法

• この問題は、H問題と同じくらい、このsquare869120Contest#2

で1,2を争うくらい難しい問題だと思います。

• ちなみに、私は考えるのに2日間もかかってしまいました。

• 想定解は66msです。

• JOIの難易度表でいう難易度10くらいでしょう。

Page 123: Square869120 contest #2

結果

• First Acceptance:DEGwer(18分07秒)

• 得点分布

Page 124: Square869120 contest #2

おしまい

Page 125: Square869120 contest #2

H問題Counting 1's

解説

Page 126: Square869120 contest #2

はじめに

• square869120Contest #2 にご参加いただきありがとうございます。

• 私は解法を考えるのに 2 日かかりましたが, G問題はもっとかかりました。

• 問題を考えてから思ったんだけど, JAGAsia 2012 にも Counting 1's という問題があったが, 全然違う問題である。そもそもJAGの方のCounting1'sは難易度が高すぎます。

Page 127: Square869120 contest #2

はじめに

• E869120, square1001の2人で合計20-30問くらい (約 10-15問ずつ) の問題の候補を出しましたが, 2人で話し合って合計8問 (4+4) を厳選しました。そして, この8問を出すことにしました。

• 解法を考え終ってからいざ実装すると約40行で書けてしまって 「えっ、これが H 問題なのか?」 と思いました。

Page 128: Square869120 contest #2

問題概要

• 長さ N のビット列 a[0], a[1], a[2],...a[N-1] があり, 0 で初期化されている。クエリが Q 個与えられ, 次の 2 つの処理のどちらかを行う。

• Query 1: 区間 [l, r) のビットをすべて反転させる

• Query 2: 区間 [l, r) のビットが 1 であるものの個数を数える

• 制約

• 1≦N≦100,000

• 1≦Q≦100,000

Page 129: Square869120 contest #2

問題概要

• N=8 , Q=4 のとき (入力例1)

i 0 1 2 3 4 5 6 7

a[i] 0 0 0 0 0 0 0 0

Page 130: Square869120 contest #2

問題概要

• N=8 , Q=4 のとき (入力例1)

• Query 1: 区間 [3, 7) のビットを反転させる

i 0 1 2 3 4 5 6 7

a[i] 0 0 0 1 1 1 1 0

Page 131: Square869120 contest #2

問題概要

• N=8 , Q=4 のとき (入力例1)

• Query 2: 区間 [2, 5) のビットが1のものの個数を求める ⇒ 2

i 0 1 2 3 4 5 6 7

a[i] 0 0 0 1 1 1 1 0

Page 132: Square869120 contest #2

問題概要

• N=8 , Q=4 のとき (入力例1)

• Query 1: 区間 [2, 4) のビットを反転させる

i 0 1 2 3 4 5 6 7

a[i] 0 0 1 0 1 1 1 0

Page 133: Square869120 contest #2

問題概要

• N=8 , Q=4 のとき (入力例1)

• Query 2: 区間 [1, 6) のビットが1のものの個数を求める ⇒3

1 0 1 2 3 4 5 6 7

a[i] 0 0 1 0 1 1 1 0

Page 134: Square869120 contest #2

部分点解法(8点)

• 何も工夫をしないでやります。

• 1つのクエリに対して O(N) で処理します。

• 全体の計算量は O(NQ)

• ⇒これだけで 8 点もらえる !

Page 135: Square869120 contest #2

部分点解法 (16点)

• 制約

• 1≦N≦100,000

• 1≦Q≦100,000

• Query 2 は 1,000 個以内

• そのままでは Query 1 にO(N), Query2 にO(N) かかっているので間に合わない

• Query1 の実行速度を速くするためにはどのような方法を使えばよいか?

Page 136: Square869120 contest #2

部分点解法 (16点)

• 次のようなクエリに置き換えることもできる

• Query 1: 区間 [l, r) に 1 加算する

• Query 2: 区間 [l, r) の中で 2 で割ると 1 余るようなものの数を求める

• 「いもす法」 という方法を使うと Query1 が O(1) でできる

Page 137: Square869120 contest #2

部分点解法 (16点)

• 「いもす法」 とは?

• Query 1: 区間 [l, r) に対してa[i] += x とする

• Query 2: a[0], a[1], ... a[n-1 ] の値を求める

• Query 1 を O(1 ) で, Query2 を O(n) ですることができる。

Page 138: Square869120 contest #2

部分点解法 (16点)

• Query 1: s[l] += x, s[r] -= x とする

• Query 2: a[i] = a[i-1] + s[i] である

• そのように, 累積和を応用するだけでそのようなクエリ処理ができる。

• ⇒Query 1 に O(1),Query 2 に O(N) かかる

• ⇒小課題 2 には通る

Page 139: Square869120 contest #2

部分点解法 (52点)

• 52 点をとれる解法が思いつかなかったので, 52点解法につての解説はしません。

• 100 点解法はもちろんわかってますよ !

Page 140: Square869120 contest #2

満点解法

• ここではまず, 「平方分割」 という方法について説明する。

• 例として, 次のようなクエリを処理する問題を考えてみよう。

• 数列が 0で初期化されている

• Query 1: a[i] = x とする

• Query 2: 区間 [l, r) の最大値を求める

• 平方分割という方法を使えば, Query 1, Query2 ともに で求められる

Page 141: Square869120 contest #2

満点解法

• N = 9 のとき

0

0

0 0 0

0

0 0 0

0

0 0 0

Page 142: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: a[4] = 3 とする

3

0

0 0 0

3

0 3 0

0

0 0 0

Page 143: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: a[2] = 5とする

• ⇐ 5, 3, 0 の最大値は 5

• ⇑

• ⇐ 0, 0, 5 の最大値は 5

• ⇑

• ⇐ a[2] = 5 とする

5

5

0 0 5

3

0 3 0

0

0 0 0

Page 144: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 2: 区間 [2, 8) の最大値を求める

• ⇒ 赤い部分の最小値を求めればよい

5

5

0 0 5

3

0 3 0

0

0 0 0

Page 145: Square869120 contest #2

満点解法

• そのようにすれば, Query1 を で終わらせることができる !

• 実際には, Query 1 には O(1) しかかかっていない

Page 146: Square869120 contest #2

満点解法

• 各ノードに 「ノードが示す区間に 1 が何個含まれているか」 を記録することができればよい

• 区間 [l, r) のビット列を反転させると, 1 の個数は (r–l) - 「区間 [l, r) の 1 の個数」 となる

• では, 実際にやってみよう !

• まず, 最初は1つのノードが示す値について調べてみます。

Page 147: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: 区間 [2, 3) のビット列を反転させる

1

1

0 0 1

0

0 0 0

0

0 0 0

Page 148: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: 区間 [3, 6) のビット列を反転させる

4

1

0 0 1

3

0 0 0

0

0 0 0

Page 149: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: 区間 [0, 3) のビット列を反転させる

5

2

0 0 1

3

0 0 0

0

0 0 0

Page 150: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: 区間 [3, 4) のビット列を反転させる

4

2

0 0 1

2

1 0 0

0

0 0 0

Page 151: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: 区間 [4, 5) のビット列を反転させる

• ⇒青い部分が O(1) では 1, 3 のどちらになるのか分からない

4

2

0 0 1

2

1 1 0

0

0 0 0

Page 152: Square869120 contest #2

満点解法

• 各ノードに 「ノードが示す区間の 1 の個数」 だけを配列に保存すると高速に動作しない

• そこで方法を考えてみよう。

• ノードAを反転させるとき, ノード A の子の 「ノードが示す区間の 1 の個数」 は 「反転」 する。

• このことを利用するべきではないか?

Page 153: Square869120 contest #2

満点解法

• 各ノードに 2 つの値を記録すればよい

• 区間に含まれる 1 の個数 (完全ではない)

• 各ノードが何回反転されたか

• では, 実際にやってみよう !

Page 154: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: 区間 [2, 3) のビット列を反転させる

[1, 0]

[1, 0]

[0, 0] [0, 0] [1, 1]

[0, 0]

[0, 0] [0, 0] [0, 0]

[0, 0]

[0, 0] [0, 0] [0, 0]

Page 155: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: 区間 [3, 6) のビット列を反転させる

[4, 0]

[1, 0]

[0, 0] [0, 0] [1, 1]

[3, 1]

[0, 0] [0, 0] [0, 0]

[0, 0]

[0, 0] [0, 0] [0, 0]

Page 156: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1: 区間 [3, 4) のビット列を反転させる

[3, 0]

[1, 0]

[0, 0] [0, 0] [1, 1]

[2, 1]

[1, 1] [0, 0] [0, 0]

[0, 0]

[0, 0] [0, 0] [0, 0]

Page 157: Square869120 contest #2

満点解法

• 今 [2, 1] となっているノードに注目しよう。そのノードの子である [1, 1] となっているノードは, 0 から 1 になっている (1 加算されている) が, そのノードは 1 減算されている。なぜなら, そのノードは 1 回反転されているため 「1 から 0 になった」 とみなしているからである。

Page 158: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 1 は, 各ノードに対して O(1) で処理できることが分かった。

• 次に, Query 2 についてやってみよう。

Page 159: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 2: 区間 [3, 6) の 1 の数を求める

• ⇒上のノードで全く反転されていないので, 2 である。

[3, 0]

[1, 0]

[0, 0] [0, 0] [1, 1]

[2, 1]

[1, 1] [0, 0] [0, 0]

[0, 0]

[0, 0] [0, 0] [0, 0]

Page 160: Square869120 contest #2

満点解法

• Query 2: 区間 [4, 5) の 1 の数を求める

• ⇒青い部分が反転されていることを考えると, 求めるノードも反転されているので, 1-0=1 個である。

[3, 0]

[1, 0]

[0, 0] [0, 0] [1, 1]

[2, 1]

[1, 1] [0, 0] [0, 0]

[0, 0]

[0, 0] [0, 0] [0, 0]

Page 161: Square869120 contest #2

満点解法

• 区間は, 程度のノードの集合としてあらわされる。

• N=9 で, 区間 [2, 7) を表すとき, [2, 3), [3, 6), [6, 7) に処理をしていけばよい

• Query 2 の場合は, その合計を求めればよい

• 全体の計算量は

Page 162: Square869120 contest #2

満点解法

• SegmentTreeを使って同様の処理をすることもできる

• 平方分割は, 3段になっていて, 1つのノードの子が √(n) 個ある。

• Segment Tree は, logn 段になっていて, 1つのノードの子が logn 個ある。

• 同じような方法で, Query1, Query2 を処理できる。

Page 163: Square869120 contest #2

満点解法

• Segment Tree を使うと,

• Query 1 …

• Query 2 …

• n が大きくなると, SegmentTree の方が実行速度は速い。

• n = 100,000程度の時は, Segment Treeと平方分割がだいたい同じ速度になる。

Page 164: Square869120 contest #2

満点解法

• ちなみに, 私が最初に思い付いた解法がSegment Treeによる解法で, 実装は本当に簡単でした。

• 平方分割による解法はコンテスト 5 日前に思い付きました。

Page 165: Square869120 contest #2

結果

• First Acceptance … yosupo(5分13秒)

• 得点分布