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SQuBOK V3の開発プロジェクトについて ASTER(ソフトウェアテスト技術振興協会) 大野 晋 ソフトウェア品質シンポジウム2015

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Page 1: SQuBOK V3 に向けたロードマップ...SQuBOK V3のタスク •エリアごとの問題、課題の抽出 •体系的な研究を行う分野の選定と計画 •構造的な研究を行う分野の選定と計画

SQuBOK V3の開発プロジェクトについて

ASTER(ソフトウェアテスト技術振興協会)

大野 晋

ソフトウェア品質シンポジウム2015

Page 2: SQuBOK V3 に向けたロードマップ...SQuBOK V3のタスク •エリアごとの問題、課題の抽出 •体系的な研究を行う分野の選定と計画 •構造的な研究を行う分野の選定と計画

自己紹介

• ASTER(ソフトウェアテスト振興協会)は2006年4月に設立しました。 ソフトウェアテストシンポジウム(JaSST)をはじめとする、ソフトウェア品質向上に関する教育や調査研究、普及振興事業を行っています

• 2017年3月に東京でInternationalConference on Software Testing,Verification and Validation (ICST 2017)を開催します。

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ソフトウェア品質シンポジウム2015

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自己紹介

• 「基本から学ぶソフトウェアテスト」、「ソフトウェアテスト293の鉄則」、「基本から学ぶテストプロセス管理」、「ソフトウェアテスト12の必勝プロセス」の翻訳、監訳

• 「ソフトウェア品質知識体系ガイド」

• 「ソフトウェア現場力ハンドブック」

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自己紹介

• コンピュータベンダでミドルウェアの開発、品質保証、サポートセンタの企画運用

• ミッションクリティカル機器の組み込みソフトウェアに対する技術支援、ユーザビリティ関連の作りこみ支援 など

• IEC SC62A JWG3国内委員会 元委員

• ソフトウェアの品質保証屋、品質管理屋だと思っていますが、もとが万物事相談所のようなものなので、関連領域に引きずり込まれています。

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ソフトウェア品質体系ガイド(SQuBOKガイド)

• 平成26年11月第2版完成

• 第1版:平成19年11月

• 7年ぶりの改訂を行った。

• V1のときに見送った開発領域に対する知識領域をカバーした

• アジャイルなどの新しい領域をカバーした

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SQuBOK V2の見直し作業

• 2015年に第2版の見直しを行った

• 見直しの中で出た意見1. 知識領域に対する記述に情報量の偏りがある

2. 開発技術に対する解説が必ずしも品質技術になっていない

3. 日本の過去の品質技術が体系的にまとめられていない

4. 品質の企画技術(品質作りこみ技術)が薄い

5. 技術の変化、興味の変化などに対応が必要

6. リスクマネジメントのフレームワークの変化への対応(レジリエンスなど)

7. 新しいソフトウェア品質技術の追加の必要性

8. 導入へのガイドブックとしての機能の欠落

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1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

ソフトウェア利用範囲の拡大と、品質知識の広がりと遠のき

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知識

SQuBOKガイドは、ソフトウェア品質に関する知識へと容易にアクセスできるようにするためのガイドであり、それらを整理するための枠組みである

国内情報サービス産業売上高

1989~1995年:

TQC/TQMのソフトウェア適用を通じて

蓄積された暗黙知が、形式知として花開いた時期

アクセス アクセス

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SQuBOK V3プロジェクト

1. 新規のソフトウェア品質技術の研究

– 不具合(バグ)の研究

– 品質の構造

2. 従来のソフトウェア品質技術の体系的な研究

– サーベイランス論文

– 過去のプラクティスの体系化

– 開発技術に対する品質作りこみの研究

3. 総インデクスとしてのSQuBOKの編纂

– 2020年の完成を目指す

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SQuBOK V3 に向けた作業の進め方

2015/9/8 Makoto Nonaka, Toyo University 9

SQuBOK v3

2020 2019 2018 2017 2016 2015

規格 論文

書籍

SQuBOKリポジトリ(クローズド)

SQiPシンポジウム,研究会,部長の会,ライブラリなど

SQiP研究 コンテンツ

SQuBOKをこうしていきたいという 「SQiPの意図」を反映させた

研究コンテンツの拡充

(論文,調査資料,ガイド,書籍等)

規格や論文,書籍等の動向を追い

SQuBOK本体への反映提言

(年一回調査書を発行)

△α・β版公開 △発行△合宿,チーム立ち上げ

インフラ管理

英語化の検討や

作業のとりまとめ

書籍 Wiki?

ソフトウェア品質シンポジウム2015

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新しい品質への取り組み

• 欠陥エンジニアリングについて

• DevOpsやアジャイルというキーワードが存在する領域での品質保証について

• 品質企画(サービスの品質、製品としての品質)、感性品質、契約と品質

など

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例:品質の企画

• ソフトウェア品質特性の源流

:QFD(品質機能展開)の品質項目

⇒ソフトウェア開発に品質作り込みが根付いて

いるとは言えない

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例:欠陥エンジニアリング

• バグの作り込みに関する研究

• 作り込み原因追及の共通アプローチ

• 既知のバグの体系化、DBの構築

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従来のソフトウェア品質技術の体系的な研究

• 過去の研究会論文、シンポジウム論文などに対する研究(温故知新)、日本のプラクティスの大系化、構造に関する研究と論文化

• 品質技術全体の大系化

• 開発技術に対する品質技術の構造に関する研究

など

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例:ピアレビュー、ペアプログラミングを生かす技術

• 集まってレビューをすればピアレビューか?

• 2人でプログラミングをすればペアプログラミングか?

⇒「品質」は上がるのか?

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例:要求のレビュー、バリデーション

• 要求のレビューやバリデーションにはなにが必要か?

⇒ドメイン知識 ⇒経験?

– ナレッジマネジメント

– 組織学習

– 対象領域のシステムに対する理解

• 金融工学、経営工学、政策工学。。。

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例:プロセスQA

• プロセスQAとは

⇒決められたプロセスの通りであることを強要す

ること?

⇒プロセスの目的を理解して、アウトプットを

出させること

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ソフトウェア品質シンポジウム2015

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例:抽象化、図示すること

• UMLで書けば品質は上がるのか?

⇒標準に従うと品質は上がるのか?

⇒モデリングができれば品質は上がるのか?

⇒オブジェクト指向なら品質は上がるのか?

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例:品質管理の技法ってなんだ?

• 「落穂拾い」ってなんだ?

⇒なぜ、落穂拾いをすると品質はあがるのか?

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ソフトウェアを含めた品質問題の構造とSQuBOK

• 開発の状況、条件は常に変化する

⇒新しい問題の発生(のように見える)

⇒問題の構造化

⇒新しい問題(V4の課題)

⇒そのほか:抽象化

解決策の探求

• 事例

• 経験

• SQuBOK

⇒問題の解決

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品質問題の構造

• 過去の品質技術

⇒品質技術のシステムとしての構造を解析

(=抽象化)

⇒現代の問題の構造に合うものを利用する

(問題の解決)

こうした用途にSQuBOKが利用できることが望ましい

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ソフトウェア品質シンポジウム2015

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SQuBOK V3の目標

• 2020年のソフトウェア品質技術の大系であること

• ソフトウェアビジネス、クラウドソーシングなどで使える品質の企画と作り込む品質の要求と検証/評価といった課題を含むこと(上流の取り込み)

• 品質の視点で開発プロセス全体の構造を明らかにすること(品質技術の構造)

• 個別の領域については研究成果からフォローできるようになること

• 大きくても、小さくても、早くても、重くても使えるSQuBOKであること

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ソフトウェア品質シンポジウム2015

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SQuBOK V3のタスク

• エリアごとの問題、課題の抽出

• 体系的な研究を行う分野の選定と計画

• 構造的な研究を行う分野の選定と計画

• 新しい分野を入れた知識体系の研究

• V3としての知識体系の決定

• 記述の追記、更新

• 2020年 SQuBOK V3完成

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ソフトウェア品質シンポジウム2015