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Technical Stealth Dicing Information εςϧεμΠγϯάज़ྉ for MEMS

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Page 1: Stealth Dicing Technical Information - Home | …°š、ここでSD層と、き裂の関係にも触れ、加工条件を検 討する上で理解しておいていただきたい3つの形態を整理して、

Technical Stealth Dicing

Information ステルスダイシング技術資料�

for MEMS

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3

既存のダイシング概念を塗り替える「ステルスダイシングの特長」�

加工方式�

水(冷却 / 洗浄)�

チッピング�

発塵�

T字・円形ダイシング�

高速極薄ウェーハダイシング�

チップ収率�

加工高速性�

デバイス熱影響�

砥石切削加工�

要�

有�

有�

�

△�

△�

△�

有(残留ストレス含む)�

* HAZ: Heat Affected Zone

表面吸収型レーザ加工(溶融・蒸散)�

要�

有�

有�

○�

○�

△�

△�

有(HAZ*)�

内部吸収型レーザ加工(局所選択的)�

不要�

無�

無�

◎�

◎�

◎�

◎�

無�

ステルスダイシング�

レーザダイシング�

ウェーハダイシング�

レーザアブレーションダイシング�

ブレードダイシング�

1. はじめに�

2. MEMS製造工程用ダイシング技術と課題� 2.1 砥石切削型ブレードダイシング�

2.2 ダイシング工程の完全ドライプロセス化�

3. ステルスダイシング技術� 3.1 ステルスダイシング技術の基本原理�

3.2 内部加工型レーザダイシング技術と表面加工型レーザ加工技術�

3.3 内部レーザ加工プロセスにおけるMEMSデバイスへの熱影響範囲�

3.4 デバイス特性への熱影響確認�

3.5 ステルスダイシング適用時の制約条件�

4. 収益性向上に寄与するステルスダイシング技術� 4.1 カーフ幅10μmの収益効果�

4.2 異形チップのダイシング技術の魅力�

5. Si以外の材料への適用の可能性� 5.1 ガラスウェーハ�

5.2 今後のステルスダイシング技術の開発ロードマップ�

6. ステルスダイシングの環境貢献度�

7. おわりに�

目    次�

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4

 これまでは別々の技術分野として議論されがちであった機

械工学・量子力学・電気工学・化学・光学などの異種技術が、

半導体製造プロセスのプラットフォーム上でマイクロマシニ

ング技術として融合され、その技術が有する可能性の大きさ

に世界が注目しています。これらは主にエッチング技術の進

展に伴い普及し、ウェーハにミクロな薄膜構造体や梁、中空

構造体を精度良く、自在に形成できるようになったことに起

因しています。これがMEMS設計者らのイマジネーション

を刺激し、新たな機能デバイスとして具現化され始めていま

す。�

 ステルスダイシング技術は、「完全ドライプロセス」、「発

塵レス」、「切削ロス=ゼロ」などの利点を有する、レーザ

を用いた全く新しい概念のレーザダイシング技術です。本技

術は極薄半導体ウェーハの高速・高品質ダイシングを実現す

ることを目的に開発した技術であり、その特長はMEMSデ

バイスのダイシングプロセスにおいても有効です。すでに

MEMSデバイスの量産現場での運用が始まっており、

MEMSデバイスにおける標準的なダイシング手段になろう

としています。�

 本技術資料では、MEMSのダイシング工程が抱える課題

を整理した上で、ステルスダイシング技術の原理やプロセス、

特徴などを紹介し、さらにSi以外の材料に対応した新型ステ

ルスダイシングエンジンの開発動向についても紹介します。�

2.1 砥石切削型ブレードダイシング� 脆弱な構造体を有するMEMSデバイスのダイシングプロ

セスにおいては、機能素子部への応力負荷やコンタミネーシ

ョンの付着などの問題を回避しなければなりません。最も一

般的なブレードダイシングプロセスにおいては、そのダイシ

ング原理に宿命的に存在する以下のような課題を有していま

す。�

①ウェットプロセス起因�

 ・ダイシング時に冷却水及び洗浄水を利用する事に伴う、

構造体への水圧による応力負荷�

 ・切削汚水による機能素子部への再汚染�

 ・水や汚水から構造体を保護するための保護膜の形成と

その除去工程の追加�

②接触式プロセス起因�

 ・接触式切削加工プロセスに伴う、構造体への振動負荷�

 図1に、メンブレン構造体を有するMEMSデバイスに対して、

ブレードダイシングを実施した場合の課題点を示します。写

真1には、ブレードダイシング時の水圧で破損したメンブレ

ン構造体の写真を示します。�

TLASC0022JA

構造体破損�

メンブレン割れ�

ダイヤモンド砥石�冷却 / 洗浄水�

ゴミ付着�

切削ロス�

発塵�

チッピング�

図1 ブレードダイシングの課題点�

写真1 水圧によって破損したメンブレン�

2. MEMS製造工程用ダイシング技術�と課題�

1. はじめに�

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5

2.2 ダイシング工程の完全ドライプロセス化� 脆弱な構造体を有するMEMSデバイスは、その構造体に

対してストレスの少ないダイシング技術が必要となります。

同時に、構造体へのパーティクルの再汚染などが生じない配

慮を必要とします。これらの問題は、以下のような特長を有

するダイシングプロセスに切り替えることで解決されます。�

①完全ドライプロセス化:ウェットプロセス起因の不良や

製造/検査工数増加を抑制�

②非接触式ダイシングプロセス:切断に伴う振動による構

造体へのストレスを排除�

 ①、②を共に解決できる手段がステルスダイシングです。

尚、レーザを利用したダイシング技術としては、古くからア

ブレーション方式のレーザ加工方式が検討されています 1・2)。

しかしこの技術の場合、レーザ加工時にデブリ(Debris

Contaminant)が発生するため、それらのゴミから構造体を

保護するための保護膜を塗布するなどの前処理と、加工後の

ウェット洗浄が宿命的に必要となります。�

 次項では、完全ドライプロセス化を実現したステルスダイ

シング技術に関して紹介します。�

3.1 ステルスダイシング技術の基本原理� ステルスダイシング技術は、対象材料に対して半透明な波

長のレーザ光を材料内部に集光し、分割するための起点(改

質領域:以下、SD層と称す)を形成した後、ウェーハに外

力を加え、チップ状に小片化するダイシング技術です 3・4)。

従ってこの技術は、チップ状に分割するための起点(SD層)

をウェーハ内部に形成する「レーザプロセス」と、ウェーハ

をチップ状に小片化する「分割プロセス」の2つのプロセス

で構成されています。図2に、「レーザプロセス」の概念を

示します。�

①ステップ1:レーザプロセス�

 レーザ光をウェーハの内部に集光させて、分割するための

SD層を形成します。内部に形成されたSD層には、ウェーハ

の両表面に向かって伸びた「き裂」も形成されています。こ

のき裂はチップ分割のために重要な要素であり、これが大き

く蛇行したり、両表面へのき裂伸展が阻害されるような状態

になることは好ましくありません。主にMEMSデバイスの

ように厚いSiウェーハを切断する場合、深さ方向に複数回ス

キャンしながらSD層を上下に繋ぎ合わせ、分割に最適なSD

層を形成することが最も重要な工程とも言えます。�

 尚、ここでSD層と、き裂の関係にも触れ、加工条件を検

討する上で理解しておいていただきたい3つの形態を整理して、

図3に示します。�

 SD層は目的に応じて大きく3つの様態に作り分けることが

可能であり、これらを組み合わせて最適な加工レシピを導き

出します。ウェーハの厚さやチップ形状、金属膜の有無など、

デバイスの状態に応じてそれぞれに最適な加工条件が存在し、

それらの加工レシピはデータベースとして体系化され、装置

ユーザーを対象に活用されています。�

図2 ステップ1: レーザプロセス�

図3 レーザプロセスで形成されるSD層と、き裂の関係�

TLASC0023JA

TLASC0025JA

スキャン方向�

レーザ光� SD層 & き裂�

ウェーハ�

テープ�

き裂�

SD層�

き裂は表裏面に到達していない�(内部き裂状態)�

a) ST: Stealth

き裂�

SD層�

き裂が入射裏面まで到達�(表面き裂状態)�

c) BHC: Bottom side half-cut

き裂�

SD層�

き裂が入射面まで到達�(表面き裂状態)�

b) HC: Half-cut

3. ステルスダイシング技術�

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TLASC0026JA

テープ拡張�

テープ拡張�

分割されたチップ�

引張応力�

圧縮応力�

図5 き裂の伸展原理� 写真2 ステルスダイシングによって切り出されたチップ写真�

図4 ステップ2: 分割プロセス�TLASC0024JA

 次に、図4に「分割プロセス」の概念を示します。�

②ステップ2:分割プロセス�

 テープマウントされたSD層形成済みのウェーハを、ウェ

ーハ外周方向に拡張(エキスパンド)することで、ウェーハ

内部のき裂に引張応力(Tensile Stress)が加わり、この応力

によりウェーハ内部のき裂がウェーハの両表面に伸展し、チ

ップ状に小片化されていきます。�

 ウェーハ内部に形成されたSD層のき裂が伸展することで、

ウェーハがチップ状に小片化されるまでのプロセスを概念的

に図5に補足し示します。�

 SD層を形成する場合、チップ分割性を向上させるためには、

テープ面側にHC(ハーフカット)もしくはBHC(裏面ハー

フカット)が形成されている状態が好ましいと言えます。こ

の状態でテープをウェーハ外周方向に拡張すると、HC面も

しくはBHC面が外側方向に引っ張られ、その引張応力がウ

ェーハに伝わり、き裂先端に応力集中します。応力集中によ

って、き裂は瞬時にウェーハ表面へと到達し、ここでウェー

ハはチップ状に小片化されます 4)。�

 次にステルスダイシングによって切り出されたメンブレン

構造体を有するMEMSチップの断面写真を写真2に示します。

チップの表裏面ともにチッピングの無い、シャープなダイシ

ング品質が得られています。さらに、チップ中央部のメンブ

レン構造体には、破損やゴミの付着などの不具合要因の無い、

良好なダイシング結果が得られています。テープ拡張工程は、

隣り合うチップ同士が分割する際でも互いを干渉し合うこと

無く、き裂の先端に応力を加えられる方法であると言えます。�

テープ拡張� テープ拡張�

き裂伸展�ウェーハ�

引張応力�

テープ�BHC

テープ拡張� テープ拡張�

き裂伸展�ウェーハ�

引張応力�

テープ�

テープ拡張� テープ拡張�

き裂が上表面まで到達�

ウェーハ� 引張応力�

テープ�

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TLASC0035JA

3.2 内部加工型レーザダイシング技術と表面加工型レーザ加工技術�

 次にステルスダイシング技術と一般的な表面加工型レーザ

加工技術との違いを簡単に整理します。�

 写真3にレーザ加工集光点位置の違いによる加工結果の違

いを示します。レーザ光をウェーハ表面に集光して表面加工

した場合と、ウェーハ内部に集光してレーザ加工した場合の

加工結果を比較して示します 5)。�

 ステルスダイシング技術の特長はレーザ光をまず材料の内

部に導光し、内部から加工を始める点にあります。対象材料

の表面に積極的にレーザ光を吸収させて、溝を掘っていく表

面アブレーション方式とは明らかにその原理が異なります。�

 ステルスダイシング技術は、レーザプロセス時にウェーハ

表面へのSiダストなどの溶融飛散が無い、クリーンな切断技

術です。尚、レーザ加工時の熱影響範囲に関しては、レーザ

集光点の探さに応じて、内部及び表面の熱分布が大きく異な

る、という報告6)があります。ここでは結果的に、内部集

光方式の方が、表面集光方式と比較してレーザ加工点での温

度分布の拡がりが抑制される、と結論付けられています。�

写真3 ステルスダイシング(内部集光型レーザダイシング)と表面加工型レーザ加工との原理比較�

10 µm

改質領域(SD層)�(レーザ内部加工)�

溶解飛散したSi

10 µm

10 µm

10 µm

Si Si表面�

断面�

表面�

断面�

ステルスダイシング�(内部集光加工)�

表面アブレーション加工�(表面集光加工)�

レーザ光�

Siウェーハ�

SD層�

レーザ光�

デブリ�

Siウェーハ�

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TLASB0012JB

TLASC0027JA

図6 レーザ1パルスあたりのSi内部での最高到達温度分布�

図7 SD層形成時の熱作用範囲�

3.3 内部レーザ加工プロセスにおけるMEMSデバイスへの熱影響範囲�

 レーザダイシングプロセスにおいて、まず最初に懸念され

ることは、レーザプロセス時のアクティブ領域への熱的な影

響です。実際のレーザプロセスにおける局所的な温度の実測

は容易ではありません。そこで単結晶Siにおけるレーザ光の

吸収係数の温度依存性に基づいて、Si内部の熱解析シミュレ

ーションを実施した報告7)を引用して、ステルスダイシン

グにおけるSi内部での温度分布について紹介します。�

 図6は、厚さ100μmのSiウェーハ表面から、深さ60μmの

位置にレーザ光を集光させてSD層を形成した際の、加工集

光点近傍での1パルスあたりのSi内部の温度分布を熱解析シ

ミュレーションにて導出した結果です。最高到達温度分布が

示すように、レーザ加工に伴いSi内部が200 ℃以上まで温度

上昇する範囲は、集光点を中心に横方向には±7μm以内に

留まっていることが分かります。�

 この結果を、実際のデバイスウェーハに当てはめてみた様

子を図7に示します。通常のデバイスウェーハにおいて、ダ

イシングストリートの幅は50μm~70μm程度です。図7の

イラストからも判るように、ステルスダイシング時のレーザ

による熱影響の範囲は、これらの一般的なダイシングストリ

ート幅と比べ、狭い範囲に留まることが分かります。このこ

とから、ステルスダイシング技術は、ダイシングストリート

のさらなる狭幅化を可能にし、ウェーハあたりのチップ収率

を向上させられる可能性を持った技術であると言えます。�

-25 -2065

60

55

50

45

40

35

30

25

-15 -10 -5 0

幅 (µm)

5 10 15 20 25

深さ

(µm

)

~200200~500500~10001000~15001500~

温度 (°C)

デバイス領域�

ダイシングストリート�

焦点深さ�60 µm

熱影響範囲15 µm

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TLASB0013JB

0.0110-13

10-12

10-11

10-10

10-9

10-8

10-7

10-6

0.1 1

バイアス電圧 VR (V)

10 100

暗電流

I D (

A)

0.0110-13

10-12

10-11

10-10

10-9

10-8

10-7

10-6

0.1 1

バイアス電圧 VR (V)

10 100

暗電流

I D (

A)

d=10 (µm)0 (H)500 (H)

d=150 (µm)0 (H)500 (H)

d=10 (µm)0 (cycle)100 (cycle)

d=150 (µm)0 (cycle)100 (cycle)

図9 TCテスト結果�

図8 THBテスト結果�

3.4 デバイス特性への熱影響確認� 次に、実際のデバイスウェーハにおけるデバイス特性への

影響を検証した結果を示します。検証に利用したデバイスは

光センサ(フォトダイオード)で、検証方法はデバイスのアク

ティブ領域からチップの切断端面までの距離: dをd=10μm

とd=150μmの2種類のサンプルを製作し、ステルスダイシ

ングにおけるレーザプロセス時の熱影響の範囲を考察したも

のです。�

 フォトダイオードの暗電流特性に着目し、受光部を遮光し

た状態で逆バイアスを印加し、リーク電流を計測しました。�

■THB(Temperature Humidity Bias)テスト�

 湿度と温度を85 % / 85 ℃として、500時間実施�

■TC(Temperature Cycle)テスト�

■温度サイクル試験(TC Test)�

 -55 ℃~125 ℃を100 cycles実施�

■フォトダイオード�

 パッケージモールドタイプ�

 チップサイズ: 2 mm×2 mm チップ厚: 100μm�

 図8にTHBテスト結果を示します。暗電流はVr: 10 V以下で

0.1 nA程度を示しており、Vr: 10 Vを超えると急激に増加し

始め、ブレークダウンの閾値が存在しています。d=150μm

及びd=10μmの何れも、Vr: 10 V以下において暗電流は

0.1 nAと0.2 nAでした。チップ切断端面からアクティブ領域

までの距離がd=150μmから10μmまで変化してもわずか

0.1 nAしか増加していません。さらに、500 h後のテスト結果

を見ても初期状態と比較してほとんど変化の無いことが分か

ります。�

 図9にTCテスト結果を示します。ここでも暗電流の値は

100サイクルのTCテスト後も初期状態と比較しても、ほとん

ど変化がありません。�

 これらの結果から、ステルスダイシングにおけるレーザプ

ロセスはデバイスの寿命や耐久性に大きな影響を与えない技

術であることが分かります。これは図6の熱解析シミュレー

ション結果が示す通り、200 ℃以上に加熱される範囲が半径

7μm以内であり、アクティブエリアから半径10μm程度離れ

た位置で切断した場合では、すでにその熱的影響がデバイス

特性には及ばないという事実の裏付けともなります。但し、

これらはデバイス構造にも大きく影響するものであり、実際

にはそれぞれのデバイスを用いた実験検証が必要となります。�

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(a) テープ越し裏面入射時� (b) 吸着プレートから着脱後、テープエキスパンド�

吸着プレート�

ポーラスシート�

Siウェーハ� レーザ入射面�

透明テープ�

レンズ�

レーザ入射面�

SiSi

透明テープ�

エキスパンダ�

SD層�

 さらに、MEMSデバイスウェーハにおいて、裏面入射方

式を採用する場合には、ウェーハの保持方法に工夫が必要と

なります。このような脆弱な構造体を有するデバイス面側を

チャックテーブルに保持する際には、ポーラスシートなどの

クッション性の良い多孔質状のシートを介して吸着テーブル

上にデバイス両側を保持します。その際、SD用レーザ波長

に対して透過性の高い専用のダイシングテープを利用すれば、

ウェーハ裏面側をそのテープで保持したままテープ越しにSi

内部へSD層を形成することが可能になります。その後の工

程も大変シンプルであり、テープにマウントされたまま吸着

テーブルから取り外し、そのままテープエキスパンドすれば、

チップ分割までのプロセスを簡略化できます。このテープ越

し裏面入射方式の概念図を図10に示します。�

 ステルスダイシング技術はこのような新しい周辺要素技術

の進展により、さまざまなデバイスに応じた新しいソリュー

ション提案が可能になってきました。�

TLASC0028JA

図10 テープ越し裏面入射方式の概念図�

3.5 ステルスダイシング適用時の制約条件� ステルスダイシング技術は、その原理から宿命的に以下の

加工制約条件を有しています。通常はデバイス面側からレー

ザ光を照射し、内部加工を実施します(表面入射方式)。し

かし、ウェーハ表面側に光を遮光する金属膜などが形成され

たウェーハの場合には、表面側からのレーザ光の導光が困難

であるため、裏面側からレーザ光を照射し内部加工を実施し

ます(裏面入射方式)。表1に、デバイスウェーハの状態に応

じたレーザ入射方式を整理します。�

表1 デバイスウェーハ構造に応じたレーザ入射方式�表面入射方式の場合の制約条件�

ダイシングストリート上のTEG / 金属膜�ダイシングストリート上の保護膜�

ストリート幅��

SOIウェーハ�

無き事�SiO2は問題なし。SiNは膜厚に応じてAF特性及び加工に影響を与える。要相談。�SDレーザ光はある入射角を有しているため、ウェーハの厚さに応じて導光するための非遮�光領域の確保が必要。�BOX層においてレーザ光が減衰し、タクト低下の原因となる。BOX層を除去することで、�タクトup可能。�

裏面入射方式の場合の制約条件��ウェーハ固定方法��裏面研削面粗さ�

SOIウェーハ�

ウェーハ裏面側にSD専用透過性ダイシングテープを貼付し、テープ越しにSDを実施。但し、�それが困難な場合は、ウェーハを吸着テーブルで保持し、ウェーハ裏面側からSDを実施し、�吸着テーブル上でテープを貼る方法も可能。�#2000以上�BOX層においてレーザ光が減衰し、タクト低下の原因となる。BOX層を除去することで、�タクトUP可能。�

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4.2 異形チップのダイシング技術の魅力� ステルスダイシングは、曲線やT字部を有するチップ配列

でもダイシングが可能です。チップレイアウトを千鳥状に配

列して、ウェーハ当たりのチップ収率向上を図ることも可能

になります。TEGウェーハのように、できるだけ多く異なる

チップパターンを1つのマスクで実現しようとした場合にも

対応できます。直線加工のみならず、技術的には丸形状にダ

イシングも可能です。�

 図11に、チップサイズの異なるダイシングパターンへの施

策例を示します。チップサイズが2 mm角、10 mm角と異な

るため、10 mm角チップのエッジ部ではダイシングラインが

交差せず、T字部を有することになります。�

レーザ光がT字部に差し掛かるタイミングでレーザ光をOFF

にすればSD層は形成されず、2次元的な加工選択性が得られ

ます。このようなレーザ光のON / OFF制御技術により、非

連続なデバイスパターンにも対応可能なダイシングを実現し

ています。このON / OFF位置制御の精度は、ステージ速度

300 mm/sの場合でも±25μm(高精度レーザON-OFF制御

機能を追加した場合は±10μmまで可能)以内に制御可能です。�

TLASC0034JB

図11 チップサイズ2 mm角、10 mm角混在パターン�

CH1-1 2 3 4

CH1

CH2

表2 ストリート幅10 μmの収益効果試算�ブレードダイシング�

ワークサイズ�ストリート幅�チップサイズ�有効チップ数�

増加チップ数 / ウェーハ�取得向上率�収益効果�

(24000枚 / 年)�(チップ単位: 30円換算)�

�0.08��3732�―�―��―�

152��2×2

ステルスダイシング� 単位��0.01��3996�264�107.1��

190,080,000

mm�mm�mm�pcs�pcs�%��円�

 ステルスダイシング技術は、MEMSデバイスの信頼性向

上への貢献以外に、ビジネス的にも新たな付加価値を提供で

きる技術的優位性を有しています。�

�4.1 カーフ幅10μmの収益効果� 技術的優位性の1つとして、ウェーハ1枚当たりのチップの

収率向上が挙げられます。ステルスダイシングは割断技術で

あるため、切削領域が全く存在しないという魅力があります。

これにより、本技術に必要なダイシングストリート幅は、割

断時のチップ端面の直進性: 2μm~3μmを考慮しても、最

大±5μm程度の幅で良いことになり、これによりウェーハ1

枚当たりのチップ取り数は究極まで高めることができます。�

 表2に、ステルスダイシングで実現可能な10μm幅のダイ

シングストリートを実現させた場合のチップ収益効果試算を

示します。この試算の前提条件は、ウェーハ径: 152 mm、チ

ップサイズ: 2 mm×2 mm、既存ブレードダイシング用のス

トリート幅80μmです。ストリート幅の縮小に伴い増加する

ウェーハ当たりのチップ収率を算出し、仮にチップ単価を30

円とした場合の収益効果を試算しました。月産2000枚、年間

2万4000枚のウェーハを用いて生産していた場合、1億9000万

円相当のチップが余分に得られる計算になります。現実的に

言い換えれば、収率増加した分だけ少ないウェーハ振り出し

量で、目標生産量が確保可能となります。これを上記試算結

果で換算すると、年間1585枚のウェーハ量に相当します。�

 なお、レーザをウェーハの表面側から入射させる場合は、

レーザのビーム広がり幅を考慮し、レーザ光を遮光する金属

膜のない領域を10μmよりも広く確保する必要があります。�

4. 収益性向上に寄与するステルス�ダイシング技術�

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 ステルスダイシング技術はSi以外の材料にも適用可能であ

り、現在開発中のこれらの材料への適用事例を交えて紹介し

ます。�

�5.1 ガラスウェーハ� 現時点で対象となるガラスの材質は石英ガラス、硼硅酸ガ

ラス(BK7他)、パイレックス、無アルカリガラスなどであ

り、軟質系、硬質系ガラスのそれぞれに適用を検討していま

す。さらにガラスウェーハはSiウェーハと貼り合わせた状態

でのダイシングを希望される場合なども多いため、その場合

は、Si側からSi用のレーザ光を導光し、ガラス側からガラス

用のレーザ光を導光する方法で、それぞれにSD層を形成し、

同時に分割するための応力を印加するなどして、チップに小

片化する方法を提案しています。�

 写真6に、実際のガラスウェーハをステルスダイシングに

て切り出した際のサンプルの写真を示します。�

 これはまだ切断品質に課題があり、切り出したチップ端面

の表面側のエッジ直進性は±15μm程度の蛇行を有していま

す。Siウェーハの場合、表裏面ともに±2μm程度の精度で

切れるのに対して比較すると、まだその精度には改善すべき

余地があります。�

写真6(a) 切り出したガラスチップの表面写真�

写真6(b) 切り出したガラスチップの断面写真�

5. Si以外の材料への適用の可能性� 写真4には、図11に示したサイズ混載ウェーハのステルス

ダイシング結果を示します。掲載スペースの関係でT字部か

ら3か所のみを抽出してあります。�

 また、写真5に、フリーサイズにダイシングをしたSiウェー

ハのステルスダイシング例を示します。�

 これからもわかるように曲線や三角形の切断も可能であり、

その断面は通常のステルスダイシングの加工品質と同等です。�

写真4 T字ダイシング加工例�

写真5 フリーサイズダイシング�

CH1-1 CH1-2 CH1-3

100 µm

50 µm

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5.2 今後のステルスダイシング技術の開発ロードマップ� これらSi以外の対象材料に対して以下のような開発スケジ

ュールで製品化を進めています。すでにSi以外のウェーハを

利用したMEMSデバイスの検討も進められており、ガラス

や化合物ウェーハに対してもステルスダイシング技術へのニ

ーズが高まってきています。ガラス向けステルスダイシング

技術に関しては課題が多く、開発に時間を要していますが、

製品化の目処を立てるべく開発を加速させています。表3に

新型SDエンジンの開発ロードマップを示します。�

表3 SDエンジン開発ロードマップ�

TLASC0029JD

~2012年� 2013年� 2014年� 2015年� 2016年� 2017年� 2018年�2018年�

ガラス�

化学強化ガラス�

水晶�

新規材料、複数材料への対応が可能な�エンジンを開発予定�

対象材料�

タクト2倍� タクト3倍�

Si

サファイア�

GaAs

SiC

性 能�

GaN

LiTaO3

LiNbO3

※タクトアップ、コストダウンをすることで、トータル的にお客様のCOO(Cost of Ownership)を改善することが出来るエンジン開発を予定しています。�

Si + ガラス�(2台のエンジンで加工)�

Si + ガラス�(1台のエンジンで加工)�

Ga2O3

小型エンジン�

対象材料�

性 能�

タクト2倍� タクト3倍�

小型エンジン�

Si + ガラス�(2台のエンジンで加工)�

Si + ガラス�(1台のエンジンで加工)�

Ga2O3

水晶�

GaN

GaAs

LiNbO3

LiTaO3

SiC

化学強化ガラス�

サファイア�

ガラス�

Si

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 ステルスダイシングエンジン搭載装置は消費電力を68 %

削減可能(一定加工条件下)、さらに完全ドライプロセスで

ある特徴から純水を必要とせず、純水製造・排水等まで考慮

すると消費電力を77 %削減可能となり、2007年2月には「優

秀省エネルギー機器/日本機械工業連合会会長賞」を受賞し

ました。(受賞:東京精密様)�

 図12に、ステルスダイシングの環境貢献度を算出したグラ

フを示します。�

 ブレードダイシング装置1000台がステルスダイシング装置

に置き換わったと仮定すると、CO2の削減量として17,000 t、

自然(杉)浄化127万本に相当します。また、超純水の削減

量として600万 tを削減できると試算できます。�

 これら環境面に対する優位性の意味するところはまさにス

テルスダイシングエンジン搭載装置を導入する半導体製造メ

ーカーの「エネルギー・環境面への配慮」を示唆するもので

あり、ダイシング工程がステルスダイシングであることは、

環境負荷軽減の一翼を担いつつ半導体製品を製造していると

いう、半導体製造メーカーのアピールポイントでもあります。�

6. ステルスダイシングの環境貢献度�

×21戸分�

CO2削減量(t)�

超純水削減量(t)�

2009 2012 2014 2017 20192009 2012 2014 2017 2019CO2

削減量�超純水�

×7.6台分�

■1年1台では…�

■10年では…�

ステルスダイシング�1台あたりの�

13万本�相当相当�13万本� 3838万本万本�

相当相当�38万本�

6363万本万本�相当相当�63万本�

127127万本万本�相当�

127万本�190万本�相当�

190万本�5,000

0

10,000

15,000

20,000

25,000

1,000万�

800万�

600万�

400万�

200万�

0

相当�相当�

相当�

相当�相当�

■ハイブリッド車�

※1 営業車を普通乗用車(ガソリン車)からハイブリッド車に切り替えたとき削減できるCO2排出量2.34トン/年として換算(走行距離が19,500 km/年 燃費10.15モードの60%)�

※1 ■一般家庭�

※2 一般家庭の水使用量300トン/年として換算�

※2

超純水削減量�

6,307tCO2削減量�

17.7t

超純水削減量�

900万t

CO2排出削減量�

25,000t 自然(杉)浄化に換算�

100台� 300台� 500台� 1,000台� 1,500台� ステルスダイシング普及予定台数�

TLASC0036JA

図12 ステルスダイシングの環境貢献度�

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7. おわりに�

 マイクロアクチュエータやSiマイクロフォン、RF MEMS、

光MEMSなどのMEMSデバイスは、既にさまざまな分野で

実用化が始まっています。それらの市場拡大に伴い、

MEMSデバイスは高機能化、高付加価値化の追求以外に、

生産性の向上や生産効率の改善という経営的な視点からも新

たな技術革新を要求され始めています。半導体メモリーなど

の極薄Siデバイスにおける既存ダイシング技術の宿命的課題

を克服するために開発した技術であったため、比較的厚い

MEMSなどのSiデバイスを切るためには、深さ方向に複数本

のSD層を形成する必要があり、これがスループットを低下

させる原因となっています。今後は厚いSiウェーハに対する

スループットを向上するためのハードウェアの開発や、加工

プロセスの開発に傾注し、ステルスダイシング技術の適用が

可能な対象デバイスの範囲を拡大していきます。�

●米国/特許第6992026、特許第7396742等計48件 他62件特許出願中�●日本/特許第3408805号、特許第3626442号、特許第3761565号、特許第3761567号、特許第3761566号、特許第3624909号、特許第3670267号、�

特許第3790254号、特許第3822626号、特許第3762409号、特許第3867003号、特許第3867107号、特許第3867109号、特許第3867110号、�特許第3867101号、特許第3867102号、特許第3867103号、特許第3867100号、特許第3867104号、特許第3867105号、特許第3869850号、�特許第3751970号、特許第3867108号、特許第3935187号、特許第3935188号、特許第3990710号、特許第3935186号、特許第3935189号、�特許第3990711号、特許第4050534号、特許第4095092号、特許第4128204号、特許第4142694号、特許第4146863号、特許第4167094号、�特許第4197693号、特許第4198123号、特許第4200177号、特許第4237745号等 計120件、他70件出願中�

●台湾/特許第I250060、I270431、I289890、I278027等計32件、他54件出願中 �●ヨーロッパ/特許第1632997等計28件、他63件出願中�●大韓民国/特許第KR10-0667460、特許第KR10-0715576、特許第KR10-0749972、特許第KR10-0766727、特許第KR10-0781845等計39件、他49件出願中�●中華人民共和国/特許計62件、他36件出願中�●他にタイ、マレーシア、インド、フィリピン、シンガポール、イスラエル等へ出願中�

■特許(2013年4月1日現在)�

株式会社シーエムシー出版 MEMSマテリアルの最新技術 2007年11月刊 第2章 MEMSの製作 内山直己�株式会社電子ジャーナル Electric Journal別冊 2008マイクロマシン/MEMS技術大全 第5編 第9章 第7節 内山直己�1) B. Richerzhagen, D. Perrottet, and Y. Kozuki, "Dicing of wafers by patented water-jet-guided laser: the total damage-free cut", Proc. of the 65th The Laser Materials Processing Conference, 197-200 (2006)�

2) P. Chall, "ALSI's Low Power Multiple Beam Technology for High Throughput and Low Damage Wafer Dicing", Proc. of the 65th The Laser Materials Processing Conference, 211-215 (2006)�

3) F. Fukuyo, K. Fukumitsu, N. Uchiyama, "Stealth Dicing Technology and Applications", Proc. 6th Int. Symp. on Laser Precision Microfabrication (2005)�4) K. Fukumitsu, M. Kumagai, E. Ohmura, H. Morita, K. Atsumi, N. Uchiyama, "The Mechanism of Semiconductor Wafer Dicing by Stealth Dicing Technology", Proc. 4th International Congress on Laser Advanced Materials Processing (2006)�

5) E. Ohmura, F. Fukuyo, K. Fukumitsu, and H. Morita, "Internal modified-layer formation mechanism into silicon with nano second laser", J. Achievement in Materials and Manufacturing Engineering, 17, 381-384 (July-August 2006)�

6) Etsuji Ohmura, Masayoshi Kumagai, Kenshi Fukumitsu, Koji Kuno, Makoto Nakano, and Hideki Morita, "Internal Modification of Ultra Thin Sillicon Wafer by Permeable Pulse Laser", Proceeding of the 8th International Symposium on Laser Precision Microfabrication (2007)�

7) Masayoshi Kumagai, Naoki Uchiyama, Etsuji Ohmura, Ryuji Sugiura, Kazuhiro Atsumi, Kenshi Fukumitsu, Advanced Dicing Technology for Semiconductor Wafer-Stealth Dicing, Proc. 15th International Symposium on Semiconductor Manufacturing (2006)

■参考文献�

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※この資料の内容は、平成26年3月現在のものです。仕様・性能は改良のため予告なく変更することがあります。�

SDE(ステルスダイシングエンジン)は�浜松ホトニクス株式会社の登録商標です。�

電子管事業部 電子管営業推進部�〒438-0193 静岡県磐田市下神増314-5 1(0539)62-5245 ファックス(0539)62-2205

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