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「雨水活用(あまみずかつよう)」という言葉は, 2011 年に刊行した日本建築学会環境基準(AIJES) 「雨水活用建築ガイドライン」で定義した用語であるが,今日では広く公的にも使われるようになっ てきている.これまで,建築の世界での雨水への取組みは「雨水利用(うすいりよう)」(Rainwater Utilization)として普及してきたが,2014 年 4 月に「雨水の利用の推進に関する法律(平成 26 年法 律第 17 号) 」が成立し,雨水新時代に入ったと言える.この法律では『雨水(うすい)利用の推進』 と言わずに,『雨水(あまみず)の利用の推進』とあえて読ませている意味が雨水活用に相当する. 「雨水活用」は,“Rainwater Harvesting”の日本語訳であり,これまで日本では「広義の雨水利用」 と言ってきた内容に相当し,建築にとどまらず都市全体の雨水制御や地球環境に関与してきている. 近年,気象庁が異常気象を極端気象と呼び替えるほどに地球温暖化の影響が顕著になり,局地的 集中豪雨による水害などは,もはやこれまでの河川や下水道といった線上のインフラストラクチャー だけでは対応できず,面状の流域対策の強化が求められている.さらに,都市部の中においても自 然の役割を適切に活用するグリーンインフラストラクチャー導入の取組みも始まっている. 流域対策は,すべての建築が積極的にかかわらなければ実現できない性格のものであり,建築の 作り方そのものを根本的に問い直す必要がある.建築とその敷地でどのような流域対策を行えばよ いのか,その方策を示すことが本規準の果たすべき役割である.そこで,新たな概念として「蓄雨(ち くう) “Rain Stock”という考え方を示し,雨水をフロー(排出する)からストック(蓄える)へと 取組み方を変換していくことを目指し,これを実践するための方法を技術的な規準にまとめた. 「雨水新時代」の意味はもう一つある.「雨水の利用の推進に関する法律」と同時に「水循環基本 法(平成 26 年法律第 16 号)」が成立したことである.両法律は,これまでの日本の法体系にはない 新しい流れの法である.「雨水の利用の推進に関する法律」は,「水循環基本法」に包含される個別 法として位置づけられている.その他の個別法である河川法や下水道法,水道法,森林法などとと もに,水循環の健全化を図る役割を担っている.建築においても,これまでの雨水利用から雨水活 用へと取組みを進化させていく必要がある. 建築と雨との関わりは,原始的な家が生まれた時から始まっており,雨から身を守ること,雨漏 りを防ぐことは,建築にとって大きな技術要素であった.その技術が進化したことにより,雨をよ り早く敷地から外に排除することが常識になっていた.しかし,その集積が今日の都市のインフラ ストラクチャーへの過度な負担につながったことへの反省も込めて,建築は,あらためて雨との向 き合い方を見直す必要がある.雨は災いと同時に,私たちに生命の恵みも授けてきた.雨水を上手 に活かし,かつ災いを未然に防ぐために,本規準が雨水活用の推進に役立つことを願うものである. 2016 年 3 月 日本建築学会

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Page 1: Summary - 日本建築学会Summary The term “Rainwater Harvesting[雨水(amamizu)活用]”, defined in the “ Guideline for Rainwater Harvesting Architecture” published

「雨水活用(あまみずかつよう)」という言葉は,2011 年に刊行した日本建築学会環境基準(AIJES)

「雨水活用建築ガイドライン」で定義した用語であるが,今日では広く公的にも使われるようになっ

てきている.これまで,建築の世界での雨水への取組みは「雨水利用(うすいりよう)」(Rainwater

Utilization)として普及してきたが,2014 年 4 月に「雨水の利用の推進に関する法律(平成 26年法

律第 17号)」が成立し,雨水新時代に入ったと言える.この法律では『雨水(うすい)利用の推進』

と言わずに,『雨水(あまみず)の利用の推進』とあえて読ませている意味が雨水活用に相当する.

「雨水活用」は,“Rainwater Harvesting”の日本語訳であり,これまで日本では「広義の雨水利用」

と言ってきた内容に相当し,建築にとどまらず都市全体の雨水制御や地球環境に関与してきている.

近年,気象庁が異常気象を極端気象と呼び替えるほどに地球温暖化の影響が顕著になり,局地的

集中豪雨による水害などは,もはやこれまでの河川や下水道といった線上のインフラストラクチャー

だけでは対応できず,面状の流域対策の強化が求められている.さらに,都市部の中においても自

然の役割を適切に活用するグリーンインフラストラクチャー導入の取組みも始まっている.

流域対策は,すべての建築が積極的にかかわらなければ実現できない性格のものであり,建築の

作り方そのものを根本的に問い直す必要がある.建築とその敷地でどのような流域対策を行えばよ

いのか,その方策を示すことが本規準の果たすべき役割である.そこで,新たな概念として「蓄雨(ち

くう)」“Rain Stock”という考え方を示し,雨水をフロー(排出する)からストック(蓄える)へと

取組み方を変換していくことを目指し,これを実践するための方法を技術的な規準にまとめた.

「雨水新時代」の意味はもう一つある.「雨水の利用の推進に関する法律」と同時に「水循環基本

法(平成 26 年法律第 16 号)」が成立したことである.両法律は,これまでの日本の法体系にはない

新しい流れの法である.「雨水の利用の推進に関する法律」は,「水循環基本法」に包含される個別

法として位置づけられている.その他の個別法である河川法や下水道法,水道法,森林法などとと

もに,水循環の健全化を図る役割を担っている.建築においても,これまでの雨水利用から雨水活

用へと取組みを進化させていく必要がある.

建築と雨との関わりは,原始的な家が生まれた時から始まっており,雨から身を守ること,雨漏

りを防ぐことは,建築にとって大きな技術要素であった.その技術が進化したことにより,雨をよ

り早く敷地から外に排除することが常識になっていた.しかし,その集積が今日の都市のインフラ

ストラクチャーへの過度な負担につながったことへの反省も込めて,建築は,あらためて雨との向

き合い方を見直す必要がある.雨は災いと同時に,私たちに生命の恵みも授けてきた.雨水を上手

に活かし,かつ災いを未然に防ぐために,本規準が雨水活用の推進に役立つことを願うものである.

2016 年 3 月

日本建築学会 

Page 2: Summary - 日本建築学会Summary The term “Rainwater Harvesting[雨水(amamizu)活用]”, defined in the “ Guideline for Rainwater Harvesting Architecture” published

Summary

 The term “Rainwater Harvesting[雨水(amamizu)活用]”, defined in the “ Guideline for Rainwater Harvesting Architecture” published in 2011 from Architectural Institute of Japan Environmental standards (AIJES), has been used widely in various situations. Though efforts of implementing rain-water system into the buildings have been recognized as “Rainwater Utilization[雨水(usui)利用]”for years, new law “the Act to Advance the utilization of rainwater[雨水(amamizu)の利用の推進に関する法

律](2014 Act No.17)” established in April 2014, opened the new era for Rainwater by using “utilization of rainwater[雨水(amamizu)の利用]” instead of “Rainwater Utilization[雨水(usui)利用]”. Both “Usui” and “Amamizu” mean “rainwater” in Japanese, “Amamizu” rather includes a nuance of “blessing rain”, thus it corresponds to “Rainwater Harvesting” in a broad sense. Rainwater Harvesting is not limited in the field of Architecture, but also city and global-scale sustainable Rainwater management. Lately, effects of global warming are so remarkable that Japan Meteorological Agency advocates extreme weather caused by climate change. Floods caused by localized extreme rain exceed the gover-nance of existing infrastructure capacity such as rivers and sewer lines. It is required to strengthen watershed-based water resource management. In addition, Green Infrastructure has introduced to re-appropriate implementation of natural water cycle with green in urban areas. To achieve goals of watershed-based management, it is required the commitment of all architectural design to address such concept. It is also necessary to reconsider the way of building architectural structure in a fundamental way. This “Standards for Rainwater Harvesting” aims to indicate mea-sures of watershed-based management in architecture itself and its site. To accomplish this mission, we set the new concept of “Rainwater Resource for multipurpose” which shifts the way of managing rainwater from waste to resource. This guideline introduces technical standards of how to install this concept.There would be another impact of “new era of rainwater” by “Basic Act on the Water Cycle (2014 Act No. 16)” established together with “Act to Advance the utilization of rainwater”. Basic Act on the Water Cycle is literally “basic act” includes “Act to Advance the utilization of rainwater”, River Act, Sewage Service Act, Water Supply Act and Forest Act, which takes a role to contribute to healthy circulation of water. Also in the field of architecture, it is necessary to evolve initiatives to rainwater harvesting from rainwater utilization. Relationship between architecture and rain, has begun from the time when the primitive house was built and it is fundamental technical elements of the architecture to prevent leaking of rain and protect its habitants. Along with the development of the technique, it has become common to remove rainwater from architectural site as quick as possible. However, due to excessive rainwater load to the urban infrastructure today, architecture needs to face a new way to manage (or co-exist) rainwater. Rain can cause significant disaster such as flood, drought and water contamination. At the same time, it could provide benefits for all lives from the ancient. We strongly hope this standard contributes to promote rainwater harvesting to realize harmonious lives with rainwater and to prevent further wa-ter related disasters.

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Summary

This document aims to contribute to building design and management by discussing

countermeasures against moisture damage in buildings and providing a framework for moisture

damage prevention based on past examples.

The term “moisture damage” is often understood differently among buildings experts and users.

This difference causes confusions. Thus, the document provides a definition of “moisture damage”

in buildings and the standards for diagnosis.

Despite the significant amount of knowledge on preventing hygrothermal problems in buildings,

problems caused by moisture damage still arise. Variety in conditions, kinds of phenomena, and

lifestyles of the occupants make it difficult to prevent moisture damage. A tool that enables

multifaceted judgment based on past examples is necessary to effectively prevent moisture damage.

Therefore, this document provides a method of classifying the types of moisture damage, a

framework to clarify the cause, and countermeasures against moisture damage.

Much of this document’s content focuses on the collection of past examples of moisture damage

in buildings. The examples, mainly collected from literature, are organized and classified in a table,

which makes it easy for the reader to look up relevant examples, learn from past errors, and obtain

information on countermeasures. This collection can form the basis of a future collection, and

therefore, when this document is revised, more examples should be added, and the table should be

expanded to include future architectural aspects.

日本建築学会環境基準(AIJES)について

本委員会では,これまでに,日本建築学会環境基準(AIJES)として13刊を発刊するに至っている.また,各分野において,規準等を整備すべく,検討・作成作業が進められてきた.

AIJES はアカデミック・スタンダードと称し,学会が学術的見地から見た推奨基準を示すことを目的に,「基準」,「規準」,「仕様書」,「指針」のような形で公表されてきた.これらの英文表記は,

「Academic Standards for~」としていたが,この「Academic Standards」には教育水準といった意味もあり,AIJES の目的とは異なる意味に解される場合もあり誤解を生ずる恐れがあるとの指摘も寄せられた.

そこで,2010年度以降に発刊される AIJES については,英文表記を「Standards for~」等に変更することを決定した.また,既発刊の AIJES については,改定版発刊時に英文表記を変更することとした.

2010年9月 日本建築学会 環境工学委員会

日本建築学会環境基準(AIJES)について

本委員会では,これまでに,日本建築学会環境基準(AIJES)として13刊を発刊するに至っている.また,各分野において,規準等を整備すべく,検討・作成作業が進められてきた.

AIJES はアカデミック・スタンダードと称し,学会が学術的見地から見た推奨基準を示すことを目的に,「基準」,「規準」,「仕様書」,「指針」のような形で公表されてきた.これらの英文表記は,

「Academic Standards for~」としていたが,この「Academic Standards」には教育水準といった意味もあり,AIJES の目的とは異なる意味に解される場合もあり誤解を生ずる恐れがあるとの指摘も寄せられた.

そこで,2010年度以降に発刊される AIJES については,英文表記を「Standards for~」等に変更することを決定した.また,既発刊の AIJES については,改定版発刊時に英文表記を変更することとした.

2010年9月 日本建築学会 環境工学委員会

刊行 と

日本建築学会環境基準(AIJES)について

本委員会では,これまでに,日本建築学会環境基準(AIJES)として13刊を発刊するに至っている.また,各分野において,規準等を整備すべく,検討・作成作業が進められてきた.

AIJES はアカデミック・スタンダードと称し,学会が学術的見地から見た推奨基準を示すことを目的に,「基準」,「規準」,「仕様書」,「指針」のような形で公表されてきた.これらの英文表記は,

「Academic Standards for~」としていたが,この「Academic Standards」には教育水準といった意味もあり,AIJES の目的とは異なる意味に解される場合もあり誤解を生ずる恐れがあるとの指摘も寄せられた.

そこで,2010年度以降に発刊される AIJES については,英文表記を「Standards for~」等に変更することを決定した.また,既発刊の AIJES については,改定版発刊時に英文表記を変更することとした.

2010年9月 日本建築学会 環境工学委員会

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Summary

This document aims to contribute to building design and management by discussing

countermeasures against moisture damage in buildings and providing a framework for moisture

damage prevention based on past examples.

The term “moisture damage” is often understood differently among buildings experts and users.

This difference causes confusions. Thus, the document provides a definition of “moisture damage”

in buildings and the standards for diagnosis.

Despite the significant amount of knowledge on preventing hygrothermal problems in buildings,

problems caused by moisture damage still arise. Variety in conditions, kinds of phenomena, and

lifestyles of the occupants make it difficult to prevent moisture damage. A tool that enables

multifaceted judgment based on past examples is necessary to effectively prevent moisture damage.

Therefore, this document provides a method of classifying the types of moisture damage, a

framework to clarify the cause, and countermeasures against moisture damage.

Much of this document’s content focuses on the collection of past examples of moisture damage

in buildings. The examples, mainly collected from literature, are organized and classified in a table,

which makes it easy for the reader to look up relevant examples, learn from past errors, and obtain

information on countermeasures. This collection can form the basis of a future collection, and

therefore, when this document is revised, more examples should be added, and the table should be

expanded to include future architectural aspects.

日本建築学会環境基準(AIJES)について

本委員会では,これまでに,日本建築学会環境基準(AIJES)として13刊を発刊するに至っている.また,各分野において,規準等を整備すべく,検討・作成作業が進められてきた.

AIJES はアカデミック・スタンダードと称し,学会が学術的見地から見た推奨基準を示すことを目的に,「基準」,「規準」,「仕様書」,「指針」のような形で公表されてきた.これらの英文表記は,

「Academic Standards for~」としていたが,この「Academic Standards」には教育水準といった意味もあり,AIJES の目的とは異なる意味に解される場合もあり誤解を生ずる恐れがあるとの指摘も寄せられた.

そこで,2010年度以降に発刊される AIJES については,英文表記を「Standards for~」等に変更することを決定した.また,既発刊の AIJES については,改定版発刊時に英文表記を変更することとした.

2010年9月 日本建築学会 環境工学委員会

日本建築学会環境基準(AIJES)について

本委員会では,これまでに,日本建築学会環境基準(AIJES)として13刊を発刊するに至っている.また,各分野において,規準等を整備すべく,検討・作成作業が進められてきた.

AIJES はアカデミック・スタンダードと称し,学会が学術的見地から見た推奨基準を示すことを目的に,「基準」,「規準」,「仕様書」,「指針」のような形で公表されてきた.これらの英文表記は,

「Academic Standards for~」としていたが,この「Academic Standards」には教育水準といった意味もあり,AIJES の目的とは異なる意味に解される場合もあり誤解を生ずる恐れがあるとの指摘も寄せられた.

そこで,2010年度以降に発刊される AIJES については,英文表記を「Standards for~」等に変更することを決定した.また,既発刊の AIJES については,改定版発刊時に英文表記を変更することとした.

2010年9月 日本建築学会 環境工学委員会

刊行 と

日本建築学会環境基準(AIJES)について

本委員会では,これまでに,日本建築学会環境基準(AIJES)として13刊を発刊するに至っている.また,各分野において,規準等を整備すべく,検討・作成作業が進められてきた.

AIJES はアカデミック・スタンダードと称し,学会が学術的見地から見た推奨基準を示すことを目的に,「基準」,「規準」,「仕様書」,「指針」のような形で公表されてきた.これらの英文表記は,

「Academic Standards for~」としていたが,この「Academic Standards」には教育水準といった意味もあり,AIJES の目的とは異なる意味に解される場合もあり誤解を生ずる恐れがあるとの指摘も寄せられた.

そこで,2010年度以降に発刊される AIJES については,英文表記を「Standards for~」等に変更することを決定した.また,既発刊の AIJES については,改定版発刊時に英文表記を変更することとした.

2010年9月 日本建築学会 環境工学委員会

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日本建築学会環境基準(AIJES)の発刊に際して

 本会では,各種の規準・標準仕様書の類がこれまで構造・材料施工分野においては数

多く公表されてきた.環境工学分野での整備状況は十分ではないが,われわれが日常的

に五感で体験する環境性能に関しては法的な最低基準ではない推奨基準が必要であると

いえる.ユーザーが建物の環境性能レベルを把握したり,実務家がユーザーの要求する

環境性能を実現したりする場合に利用されることを念頭において,新しい学術的成果や

技術的展開を本会がアカデミック・スタンダードとして示すことは極めて重要でありま

す.おりしも,本会では、1998年 12月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方

について」をまとめ,それを受けて 2001年 5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

諸問題の解決に積極的に取り組み,建築界の健全な発展にさらに大きく貢献することを

目的として,規準・標準仕様書類の作成と刊行を今後も継続して行う」として,本会に

おける規準・標準仕様書等は,次の四つの役割,すなわち,実務を先導する役割,法的

規制を支える役割,学術団体としての役割,中立団体としての役割,を持つべきことを

うたっている.

 そこで,本委員会では,1999年 1月に開催された環境工学シンポジウム「これからの

性能規定とアカデミック・スタンダード」を皮切りとして,委員会内に独自のアカデミッ

ク・スタンダードワーキンググループを設置するとともに,各小委員会において環境工

学各分野の性能項目,性能基準,検証方法等の検討を行い,アカデミック・スタンダー

ド作成についての作業を重ねてきた.

 このたび,委員各位の精力的かつ献身的な努力が実を結び,逐次発表を見るに至った

ことは,本委員会といたしましてたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・ス

タンダードがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保

全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

 本書の刊行にあたり,ご支援ご協力いただいた会員はじめ各方面の関係者の皆様に心

から感謝するとともに,このアカデミック・スタンダードの普及に一層のご協力をいた

だくようお願い申し上げる.

  2004年 3月

日本建築学会 環境工学委員会

る.

してたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・スタンダー

ドがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

おりしも,本会では,1998 年 12 月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方に

ついて」をまとめ,それを受けて 2001 年5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

日本建築学会環境基準(AIJES)の発刊に際して

 本会では,各種の規準・標準仕様書の類がこれまで構造・材料施工分野においては数

多く公表されてきた.環境工学分野での整備状況は十分ではないが,われわれが日常的

に五感で体験する環境性能に関しては法的な最低基準ではない推奨基準が必要であると

いえる.ユーザーが建物の環境性能レベルを把握したり,実務家がユーザーの要求する

環境性能を実現したりする場合に利用されることを念頭において,新しい学術的成果や

技術的展開を本会がアカデミック・スタンダードとして示すことは極めて重要でありま

す.おりしも,本会では、1998年 12月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方

について」をまとめ,それを受けて 2001年 5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

諸問題の解決に積極的に取り組み,建築界の健全な発展にさらに大きく貢献することを

目的として,規準・標準仕様書類の作成と刊行を今後も継続して行う」として,本会に

おける規準・標準仕様書等は,次の四つの役割,すなわち,実務を先導する役割,法的

規制を支える役割,学術団体としての役割,中立団体としての役割,を持つべきことを

うたっている.

 そこで,本委員会では,1999年 1月に開催された環境工学シンポジウム「これからの

性能規定とアカデミック・スタンダード」を皮切りとして,委員会内に独自のアカデミッ

ク・スタンダードワーキンググループを設置するとともに,各小委員会において環境工

学各分野の性能項目,性能基準,検証方法等の検討を行い,アカデミック・スタンダー

ド作成についての作業を重ねてきた.

 このたび,委員各位の精力的かつ献身的な努力が実を結び,逐次発表を見るに至った

ことは,本委員会といたしましてたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・ス

タンダードがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保

全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

 本書の刊行にあたり,ご支援ご協力いただいた会員はじめ各方面の関係者の皆様に心

から感謝するとともに,このアカデミック・スタンダードの普及に一層のご協力をいた

だくようお願い申し上げる.

  2004年 3月

日本建築学会 環境工学委員会

日本建築学会環境基準制定の趣旨と基本方針

⑴ 本会は,「日本建築学会環境基準」を制定し社会に対して刊行する.本基準は,日本

建築学会環境工学委員会が定める「建築と都市の環境基準」であり,日本建築学会環境

基準(以下, AIJESという)と称し,対象となる環境分野ごとに記号と発刊順の番号を

付す.

⑵ AIJES制定の目的は,本会の行動規範および倫理綱領に基づき,建築と都市の環境

に関する学術的な判断基準を示すとともに,関連する法的基準の先導的な役割を担うこ

とにある.それによって,研究者,発注者,設計者,監理者,施工者,行政担当者が,

AIJESの内容に関して知識を共有することが期待できる.

⑶ AIJESの適用範囲は,建築と都市のあらゆる環境であり,都市環境,建築近傍環境,

建物環境,室内環境,部位環境,人体環境などすべてのレベルを対象とする.

⑷ AIJESは、「基準」、「規準」、「仕様書」、「指針」のような形で規定されるものとする.

以上の用語の定義は基本的に本会の規定に従うが,AIJESでは,「基準」はその総体を指

すときに用いるものとする.

⑸ AIJESは,中立性,公平性を保ちながら,本会としての客観性と先見性,論理性と

倫理性,地域性と国際性,柔軟性と整合性を備えた学術的判断基準を示すものとする.

 それによって,その内容は,会員間に広く合意を持って受け入れられるものとする.

⑹ AIJESは,安全性,健康性,快適性,省エネルギー性,省資源・リサイクル性,環

境適合性,福祉性などの性能項目を含むものとする.

⑺ AIJESの内容は,建築行為の企画,設計時,建設時,完成時,運用時の各段階で適

用されるものであり,性能値,計算法,施工法,検査法,試験法,測定法,評価法など

に関する規準を含むものとする.

⑻ AIJESは,環境水準として,最低水準(許容値)、推奨水準(推奨値)、目標水準(目

標値)などを考慮するものとする.

⑼ AIJESは,その内容に学術技術の進展・社会状況の変化などが反映することを考慮

して,必要に応じて改定するものとする.

⑽ AIJESは,実際の都市,建築物に適用することを前提にしている以上,原則として,

各種法令や公的な諸規定に適合するものとする.

⑾ AIJESは,異なる環境分野間で整合の取れた体系を保つことを原則とする.

, , , ,

時,設計時,建設時,完成時,運用時の各段階で

, ,

適用されるものであり,性能値,計算法,施工法,検査法,試験法,測定法,評価法などに関する規準を含むものとする.

日本建築学会環境基準(AIJES)の発刊に際して

 本会では,各種の規準・標準仕様書の類がこれまで構造・材料施工分野においては数

多く公表されてきた.環境工学分野での整備状況は十分ではないが,われわれが日常的

に五感で体験する環境性能に関しては法的な最低基準ではない推奨基準が必要であると

いえる.ユーザーが建物の環境性能レベルを把握したり,実務家がユーザーの要求する

環境性能を実現したりする場合に利用されることを念頭において,新しい学術的成果や

技術的展開を本会がアカデミック・スタンダードとして示すことは極めて重要でありま

す.おりしも,本会では、1998年 12月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方

について」をまとめ,それを受けて 2001年 5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

諸問題の解決に積極的に取り組み,建築界の健全な発展にさらに大きく貢献することを

目的として,規準・標準仕様書類の作成と刊行を今後も継続して行う」として,本会に

おける規準・標準仕様書等は,次の四つの役割,すなわち,実務を先導する役割,法的

規制を支える役割,学術団体としての役割,中立団体としての役割,を持つべきことを

うたっている.

 そこで,本委員会では,1999年 1月に開催された環境工学シンポジウム「これからの

性能規定とアカデミック・スタンダード」を皮切りとして,委員会内に独自のアカデミッ

ク・スタンダードワーキンググループを設置するとともに,各小委員会において環境工

学各分野の性能項目,性能基準,検証方法等の検討を行い,アカデミック・スタンダー

ド作成についての作業を重ねてきた.

 このたび,委員各位の精力的かつ献身的な努力が実を結び,逐次発表を見るに至った

ことは,本委員会といたしましてたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・ス

タンダードがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保

全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

 本書の刊行にあたり,ご支援ご協力いただいた会員はじめ各方面の関係者の皆様に心

から感謝するとともに,このアカデミック・スタンダードの普及に一層のご協力をいた

だくようお願い申し上げる.

  2004年 3月

日本建築学会 環境工学委員会

る.

してたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・スタンダー

ドがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

おりしも,本会では,1998 年 12 月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方に

ついて」をまとめ,それを受けて 2001 年5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

日本建築学会環境基準(AIJES)の発刊に際して

 本会では,各種の規準・標準仕様書の類がこれまで構造・材料施工分野においては数

多く公表されてきた.環境工学分野での整備状況は十分ではないが,われわれが日常的

に五感で体験する環境性能に関しては法的な最低基準ではない推奨基準が必要であると

いえる.ユーザーが建物の環境性能レベルを把握したり,実務家がユーザーの要求する

環境性能を実現したりする場合に利用されることを念頭において,新しい学術的成果や

技術的展開を本会がアカデミック・スタンダードとして示すことは極めて重要でありま

す.おりしも,本会では、1998年 12月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方

について」をまとめ,それを受けて 2001年 5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

諸問題の解決に積極的に取り組み,建築界の健全な発展にさらに大きく貢献することを

目的として,規準・標準仕様書類の作成と刊行を今後も継続して行う」として,本会に

おける規準・標準仕様書等は,次の四つの役割,すなわち,実務を先導する役割,法的

規制を支える役割,学術団体としての役割,中立団体としての役割,を持つべきことを

うたっている.

 そこで,本委員会では,1999年 1月に開催された環境工学シンポジウム「これからの

性能規定とアカデミック・スタンダード」を皮切りとして,委員会内に独自のアカデミッ

ク・スタンダードワーキンググループを設置するとともに,各小委員会において環境工

学各分野の性能項目,性能基準,検証方法等の検討を行い,アカデミック・スタンダー

ド作成についての作業を重ねてきた.

 このたび,委員各位の精力的かつ献身的な努力が実を結び,逐次発表を見るに至った

ことは,本委員会といたしましてたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・ス

タンダードがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保

全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

 本書の刊行にあたり,ご支援ご協力いただいた会員はじめ各方面の関係者の皆様に心

から感謝するとともに,このアカデミック・スタンダードの普及に一層のご協力をいた

だくようお願い申し上げる.

  2004年 3月

日本建築学会 環境工学委員会

日本建築学会環境基準制定の趣旨と基本方針

⑴ 本会は,「日本建築学会環境基準」を制定し社会に対して刊行する.本基準は,日本

建築学会環境工学委員会が定める「建築と都市の環境基準」であり,日本建築学会環境

基準(以下, AIJESという)と称し,対象となる環境分野ごとに記号と発刊順の番号を

付す.

⑵ AIJES制定の目的は,本会の行動規範および倫理綱領に基づき,建築と都市の環境

に関する学術的な判断基準を示すとともに,関連する法的基準の先導的な役割を担うこ

とにある.それによって,研究者,発注者,設計者,監理者,施工者,行政担当者が,

AIJESの内容に関して知識を共有することが期待できる.

⑶ AIJESの適用範囲は,建築と都市のあらゆる環境であり,都市環境,建築近傍環境,

建物環境,室内環境,部位環境,人体環境などすべてのレベルを対象とする.

⑷ AIJESは、「基準」、「規準」、「仕様書」、「指針」のような形で規定されるものとする.

以上の用語の定義は基本的に本会の規定に従うが,AIJESでは,「基準」はその総体を指

すときに用いるものとする.

⑸ AIJESは,中立性,公平性を保ちながら,本会としての客観性と先見性,論理性と

倫理性,地域性と国際性,柔軟性と整合性を備えた学術的判断基準を示すものとする.

 それによって,その内容は,会員間に広く合意を持って受け入れられるものとする.

⑹ AIJESは,安全性,健康性,快適性,省エネルギー性,省資源・リサイクル性,環

境適合性,福祉性などの性能項目を含むものとする.

⑺ AIJESの内容は,建築行為の企画,設計時,建設時,完成時,運用時の各段階で適

用されるものであり,性能値,計算法,施工法,検査法,試験法,測定法,評価法など

に関する規準を含むものとする.

⑻ AIJESは,環境水準として,最低水準(許容値)、推奨水準(推奨値)、目標水準(目

標値)などを考慮するものとする.

⑼ AIJESは,その内容に学術技術の進展・社会状況の変化などが反映することを考慮

して,必要に応じて改定するものとする.

⑽ AIJESは,実際の都市,建築物に適用することを前提にしている以上,原則として,

各種法令や公的な諸規定に適合するものとする.

⑾ AIJESは,異なる環境分野間で整合の取れた体系を保つことを原則とする.

, , , ,

時,設計時,建設時,完成時,運用時の各段階で

, ,

適用されるものであり,性能値,計算法,施工法,検査法,試験法,測定法,評価法などに関する規準を含むものとする.

Page 5: Summary - 日本建築学会Summary The term “Rainwater Harvesting[雨水(amamizu)活用]”, defined in the “ Guideline for Rainwater Harvesting Architecture” published

日本建築学会環境基準(AIJES)の発刊に際して

 本会では,各種の規準・標準仕様書の類がこれまで構造・材料施工分野においては数

多く公表されてきた.環境工学分野での整備状況は十分ではないが,われわれが日常的

に五感で体験する環境性能に関しては法的な最低基準ではない推奨基準が必要であると

いえる.ユーザーが建物の環境性能レベルを把握したり,実務家がユーザーの要求する

環境性能を実現したりする場合に利用されることを念頭において,新しい学術的成果や

技術的展開を本会がアカデミック・スタンダードとして示すことは極めて重要でありま

す.おりしも,本会では、1998年 12月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方

について」をまとめ,それを受けて 2001年 5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

諸問題の解決に積極的に取り組み,建築界の健全な発展にさらに大きく貢献することを

目的として,規準・標準仕様書類の作成と刊行を今後も継続して行う」として,本会に

おける規準・標準仕様書等は,次の四つの役割,すなわち,実務を先導する役割,法的

規制を支える役割,学術団体としての役割,中立団体としての役割,を持つべきことを

うたっている.

 そこで,本委員会では,1999年 1月に開催された環境工学シンポジウム「これからの

性能規定とアカデミック・スタンダード」を皮切りとして,委員会内に独自のアカデミッ

ク・スタンダードワーキンググループを設置するとともに,各小委員会において環境工

学各分野の性能項目,性能基準,検証方法等の検討を行い,アカデミック・スタンダー

ド作成についての作業を重ねてきた.

 このたび,委員各位の精力的かつ献身的な努力が実を結び,逐次発表を見るに至った

ことは,本委員会といたしましてたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・ス

タンダードがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保

全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

 本書の刊行にあたり,ご支援ご協力いただいた会員はじめ各方面の関係者の皆様に心

から感謝するとともに,このアカデミック・スタンダードの普及に一層のご協力をいた

だくようお願い申し上げる.

  2004年 3月

日本建築学会 環境工学委員会

る.

してたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・スタンダー

ドがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

おりしも,本会では,1998 年 12 月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方に

ついて」をまとめ,それを受けて 2001 年5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

日本建築学会環境基準(AIJES)の発刊に際して

 本会では,各種の規準・標準仕様書の類がこれまで構造・材料施工分野においては数

多く公表されてきた.環境工学分野での整備状況は十分ではないが,われわれが日常的

に五感で体験する環境性能に関しては法的な最低基準ではない推奨基準が必要であると

いえる.ユーザーが建物の環境性能レベルを把握したり,実務家がユーザーの要求する

環境性能を実現したりする場合に利用されることを念頭において,新しい学術的成果や

技術的展開を本会がアカデミック・スタンダードとして示すことは極めて重要でありま

す.おりしも,本会では、1998年 12月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方

について」をまとめ,それを受けて 2001年 5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

諸問題の解決に積極的に取り組み,建築界の健全な発展にさらに大きく貢献することを

目的として,規準・標準仕様書類の作成と刊行を今後も継続して行う」として,本会に

おける規準・標準仕様書等は,次の四つの役割,すなわち,実務を先導する役割,法的

規制を支える役割,学術団体としての役割,中立団体としての役割,を持つべきことを

うたっている.

 そこで,本委員会では,1999年 1月に開催された環境工学シンポジウム「これからの

性能規定とアカデミック・スタンダード」を皮切りとして,委員会内に独自のアカデミッ

ク・スタンダードワーキンググループを設置するとともに,各小委員会において環境工

学各分野の性能項目,性能基準,検証方法等の検討を行い,アカデミック・スタンダー

ド作成についての作業を重ねてきた.

 このたび,委員各位の精力的かつ献身的な努力が実を結び,逐次発表を見るに至った

ことは,本委員会といたしましてたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・ス

タンダードがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保

全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

 本書の刊行にあたり,ご支援ご協力いただいた会員はじめ各方面の関係者の皆様に心

から感謝するとともに,このアカデミック・スタンダードの普及に一層のご協力をいた

だくようお願い申し上げる.

  2004年 3月

日本建築学会 環境工学委員会

日本建築学会環境基準制定の趣旨と基本方針

⑴ 本会は,「日本建築学会環境基準」を制定し社会に対して刊行する.本基準は,日本

建築学会環境工学委員会が定める「建築と都市の環境基準」であり,日本建築学会環境

基準(以下, AIJESという)と称し,対象となる環境分野ごとに記号と発刊順の番号を

付す.

⑵ AIJES制定の目的は,本会の行動規範および倫理綱領に基づき,建築と都市の環境

に関する学術的な判断基準を示すとともに,関連する法的基準の先導的な役割を担うこ

とにある.それによって,研究者,発注者,設計者,監理者,施工者,行政担当者が,

AIJESの内容に関して知識を共有することが期待できる.

⑶ AIJESの適用範囲は,建築と都市のあらゆる環境であり,都市環境,建築近傍環境,

建物環境,室内環境,部位環境,人体環境などすべてのレベルを対象とする.

⑷ AIJESは、「基準」、「規準」、「仕様書」、「指針」のような形で規定されるものとする.

以上の用語の定義は基本的に本会の規定に従うが,AIJESでは,「基準」はその総体を指

すときに用いるものとする.

⑸ AIJESは,中立性,公平性を保ちながら,本会としての客観性と先見性,論理性と

倫理性,地域性と国際性,柔軟性と整合性を備えた学術的判断基準を示すものとする.

 それによって,その内容は,会員間に広く合意を持って受け入れられるものとする.

⑹ AIJESは,安全性,健康性,快適性,省エネルギー性,省資源・リサイクル性,環

境適合性,福祉性などの性能項目を含むものとする.

⑺ AIJESの内容は,建築行為の企画,設計時,建設時,完成時,運用時の各段階で適

用されるものであり,性能値,計算法,施工法,検査法,試験法,測定法,評価法など

に関する規準を含むものとする.

⑻ AIJESは,環境水準として,最低水準(許容値)、推奨水準(推奨値)、目標水準(目

標値)などを考慮するものとする.

⑼ AIJESは,その内容に学術技術の進展・社会状況の変化などが反映することを考慮

して,必要に応じて改定するものとする.

⑽ AIJESは,実際の都市,建築物に適用することを前提にしている以上,原則として,

各種法令や公的な諸規定に適合するものとする.

⑾ AIJESは,異なる環境分野間で整合の取れた体系を保つことを原則とする.

, , , ,

時,設計時,建設時,完成時,運用時の各段階で

, ,

適用されるものであり,性能値,計算法,施工法,検査法,試験法,測定法,評価法などに関する規準を含むものとする.

日本建築学会環境基準(AIJES)の発刊に際して

 本会では,各種の規準・標準仕様書の類がこれまで構造・材料施工分野においては数

多く公表されてきた.環境工学分野での整備状況は十分ではないが,われわれが日常的

に五感で体験する環境性能に関しては法的な最低基準ではない推奨基準が必要であると

いえる.ユーザーが建物の環境性能レベルを把握したり,実務家がユーザーの要求する

環境性能を実現したりする場合に利用されることを念頭において,新しい学術的成果や

技術的展開を本会がアカデミック・スタンダードとして示すことは極めて重要でありま

す.おりしも,本会では、1998年 12月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方

について」をまとめ,それを受けて 2001年 5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

諸問題の解決に積極的に取り組み,建築界の健全な発展にさらに大きく貢献することを

目的として,規準・標準仕様書類の作成と刊行を今後も継続して行う」として,本会に

おける規準・標準仕様書等は,次の四つの役割,すなわち,実務を先導する役割,法的

規制を支える役割,学術団体としての役割,中立団体としての役割,を持つべきことを

うたっている.

 そこで,本委員会では,1999年 1月に開催された環境工学シンポジウム「これからの

性能規定とアカデミック・スタンダード」を皮切りとして,委員会内に独自のアカデミッ

ク・スタンダードワーキンググループを設置するとともに,各小委員会において環境工

学各分野の性能項目,性能基準,検証方法等の検討を行い,アカデミック・スタンダー

ド作成についての作業を重ねてきた.

 このたび,委員各位の精力的かつ献身的な努力が実を結び,逐次発表を見るに至った

ことは,本委員会といたしましてたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・ス

タンダードがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保

全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

 本書の刊行にあたり,ご支援ご協力いただいた会員はじめ各方面の関係者の皆様に心

から感謝するとともに,このアカデミック・スタンダードの普及に一層のご協力をいた

だくようお願い申し上げる.

  2004年 3月

日本建築学会 環境工学委員会

る.

してたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・スタンダー

ドがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

おりしも,本会では,1998 年 12 月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方に

ついて」をまとめ,それを受けて 2001 年5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

日本建築学会環境基準(AIJES)の発刊に際して

 本会では,各種の規準・標準仕様書の類がこれまで構造・材料施工分野においては数

多く公表されてきた.環境工学分野での整備状況は十分ではないが,われわれが日常的

に五感で体験する環境性能に関しては法的な最低基準ではない推奨基準が必要であると

いえる.ユーザーが建物の環境性能レベルを把握したり,実務家がユーザーの要求する

環境性能を実現したりする場合に利用されることを念頭において,新しい学術的成果や

技術的展開を本会がアカデミック・スタンダードとして示すことは極めて重要でありま

す.おりしも,本会では、1998年 12月に学術委員会が「学会の規準・仕様書のあり方

について」をまとめ,それを受けて 2001年 5月に「学会規準・仕様書のあり方検討委員

会報告書(答申)」が公表された.これによれば,「日本建築学会は,現在直面している

諸問題の解決に積極的に取り組み,建築界の健全な発展にさらに大きく貢献することを

目的として,規準・標準仕様書類の作成と刊行を今後も継続して行う」として,本会に

おける規準・標準仕様書等は,次の四つの役割,すなわち,実務を先導する役割,法的

規制を支える役割,学術団体としての役割,中立団体としての役割,を持つべきことを

うたっている.

 そこで,本委員会では,1999年 1月に開催された環境工学シンポジウム「これからの

性能規定とアカデミック・スタンダード」を皮切りとして,委員会内に独自のアカデミッ

ク・スタンダードワーキンググループを設置するとともに,各小委員会において環境工

学各分野の性能項目,性能基準,検証方法等の検討を行い,アカデミック・スタンダー

ド作成についての作業を重ねてきた.

 このたび,委員各位の精力的かつ献身的な努力が実を結び,逐次発表を見るに至った

ことは,本委員会といたしましてたいへん喜ばしいことである.このアカデミック・ス

タンダードがひとつのステップとなって,今後ますます建築環境の改善,地球環境の保

全が進むことへの期待は決して少なくないと確信している.

 本書の刊行にあたり,ご支援ご協力いただいた会員はじめ各方面の関係者の皆様に心

から感謝するとともに,このアカデミック・スタンダードの普及に一層のご協力をいた

だくようお願い申し上げる.

  2004年 3月

日本建築学会 環境工学委員会

日本建築学会環境基準制定の趣旨と基本方針

⑴ 本会は,「日本建築学会環境基準」を制定し社会に対して刊行する.本基準は,日本

建築学会環境工学委員会が定める「建築と都市の環境基準」であり,日本建築学会環境

基準(以下, AIJESという)と称し,対象となる環境分野ごとに記号と発刊順の番号を

付す.

⑵ AIJES制定の目的は,本会の行動規範および倫理綱領に基づき,建築と都市の環境

に関する学術的な判断基準を示すとともに,関連する法的基準の先導的な役割を担うこ

とにある.それによって,研究者,発注者,設計者,監理者,施工者,行政担当者が,

AIJESの内容に関して知識を共有することが期待できる.

⑶ AIJESの適用範囲は,建築と都市のあらゆる環境であり,都市環境,建築近傍環境,

建物環境,室内環境,部位環境,人体環境などすべてのレベルを対象とする.

⑷ AIJESは、「基準」、「規準」、「仕様書」、「指針」のような形で規定されるものとする.

以上の用語の定義は基本的に本会の規定に従うが,AIJESでは,「基準」はその総体を指

すときに用いるものとする.

⑸ AIJESは,中立性,公平性を保ちながら,本会としての客観性と先見性,論理性と

倫理性,地域性と国際性,柔軟性と整合性を備えた学術的判断基準を示すものとする.

 それによって,その内容は,会員間に広く合意を持って受け入れられるものとする.

⑹ AIJESは,安全性,健康性,快適性,省エネルギー性,省資源・リサイクル性,環

境適合性,福祉性などの性能項目を含むものとする.

⑺ AIJESの内容は,建築行為の企画,設計時,建設時,完成時,運用時の各段階で適

用されるものであり,性能値,計算法,施工法,検査法,試験法,測定法,評価法など

に関する規準を含むものとする.

⑻ AIJESは,環境水準として,最低水準(許容値)、推奨水準(推奨値)、目標水準(目

標値)などを考慮するものとする.

⑼ AIJESは,その内容に学術技術の進展・社会状況の変化などが反映することを考慮

して,必要に応じて改定するものとする.

⑽ AIJESは,実際の都市,建築物に適用することを前提にしている以上,原則として,

各種法令や公的な諸規定に適合するものとする.

⑾ AIJESは,異なる環境分野間で整合の取れた体系を保つことを原則とする.

, , , ,

時,設計時,建設時,完成時,運用時の各段階で

, ,

適用されるものであり,性能値,計算法,施工法,検査法,試験法,測定法,評価法などに関する規準を含むものとする.

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規準作成関係委員(2015 年度)

(五十音順・敬称略)

環境工学委員会

委員長 羽山広文

幹 事 岩田利枝  菊田弘輝  甲谷寿史

委 員  (省略)

企画刊行運営委員会

委員長 村上公哉

幹 事 田中貴宏  中野淳太

委 員  (省略)

建築学会環境基準作成小委員会

主 査 村上公哉

幹 事 田中貴宏  中野淳太

委 員  (省略)

執筆担当委員・執筆協力者

雨水活用建築技術規準刊行小委員会

主 査 神谷 博

幹 事 大西和也  小川幸正  屋井裕幸  村川三郎

委 員 青木一義  岡田誠之  笠井利浩  早坂悦子

    福岡孝則  森  孝  山田岳之

執筆協力(雨水活用推進小委員会ほか)

    尾崎昂嗣  大沢幸子  加藤禎久  川合弘高

    金 賢兒  倉 宗司  齋藤真紀  笹川みちる

    辛 勇雨  宋 城基  中臣昌広  向山雅之      

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雨水活用技術規準

目 次

第 1章 目的と範囲

 1.1 目   的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

 1. 2 雨水循環系 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

 1.3 適 用 範 囲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

 1.3.1 対   象 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

 1.3.2 降 雨 特 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

 1.3.3 関連法令等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

 1.3.4 規定レベル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

 1.4 用語の定義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

第 2 章 総   則

 2. 1 蓄   雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

 2. 2 雨水活用技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

 2.2.1 要 素 技 術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

 2.2.2 感 性 技 術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

 2.3 敷   地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

 2.3.1 建 築 敷 地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

 2.3.2 地 域 敷 地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

 2.3.3 広 域 敷 地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

 2. 4 敷 地 蓄 雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

 2.4.1 建 築 蓄 雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

 2.4.2 地 域 蓄 雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

 2.4.3 広 域 蓄 雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

 

第 3章 蓄 雨 技 術

 3. 1 蓄 雨 性 能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

3.2 防 災 蓄 雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

 3. 3 治 水 蓄 雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21

 3. 4 環 境 蓄 雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

 3. 5 利 水 蓄 雨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27

第 4 章 敷地別蓄雨

 4. 1 敷 地 分 類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31

 4. 2 敷地別の蓄雨高の計算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

 4. 3 住 宅 等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

 4. 4 事 務 所 等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38

4. 5 商業施設等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40

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4.6 学 校 等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42

4.7 医療福祉施設等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45

4.8 寺 社 等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46

4.9 駐 車 場 等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47

4.10 道路・鉄道等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48

4.11 公園施設等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49

4.12 農地・緑地等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50

第 5 章 雨水活用評価

 5.1 雨水収支評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51

 5.2 低炭素評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53

 5.3 コスト評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56

 5.4 感 性 評 価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57

 5.5 要素技術評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59

 5.6 雨水活用総合評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61

第 6 章 雨水活用事例

 6.1 東京都T邸 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62

6.1.1 雨水活用システムの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62

  6.1.2 雨水活用システムの蓄雨性能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63

 6.2 福岡県W邸 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67

  6.2.1 雨水活用システムの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67

  6.2.2 雨水活用システムの蓄雨性能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68

 6.3 貯留雨水の水質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71

6.3.1 水質検査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71

6.3.2 連続モニタリング結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73

6.3.3 貯留雨水の水質に関するとりまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75

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