Technical Artist Bootcamp 2015 vol.1
インスタント・アルベドチャート作成
(Short Version)
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自己紹介
クレ ヨシオミ
プラチナゲームズ株式会社技術戦略室 テクニカルアーティスト
http://www.platinumgames.co.jp/
経歴
株式会社ナムコ (大型アーケードゲーム開発)株式会社キャビア (ガンサバイバー4 / 攻殻機動隊SAC)株式会社ポリフォニー・デジタル (グランツーリスモ5)
Project BG-CG (ポケモンレボリューション / ヤンガスの冒険
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セッションの概略
このセッションは、技術的な話というより「ワークフローの事例」です。
物理ベースの資料はいっぱいあるので詳細はそちらで。今回はワークフローを簡略化して明確に提示します。
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アルベドを測定する意義
物体の反射率を“一定の基準に基づいて整列すること”
↓
ライティングや質感に影響
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アルベドチャートの定義
チーム共通の「物差し」を作ること
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正確なアルベド撮影
正確な測定方法
不要な情報を撮影しないようにする
→ 暗室(ライティングに指向性が無いようにする)
→ 演色性の高い照明(照明色が影響しないようにする)
→ 高性能カメラ(精度の高い情報をキャプチャする)
→ 撮影知識と技術(物理現象の勉強)
→ (極論) 材料反射率を計測する機材
⇒「予算・時間・知識・リソースに難題を抱えることが多い」
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今回の割り切り
作業効率のためにいろいろ割り切ってみる
→ カメラ
一眼があればいいけど無い場合を考えてみる。
ミラーレス、iPhoneは?
→ 照明
準備に手間取る。
開発現場に常設が困難な場合は?
ロケ取材では照明のセッティングが出来ない場合がある。
→ 人数
思い立ったら一人でも出来るようなワークフローを考える。
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用意する機材 (1)
撮影機材
カメラ (raw撮影が可能なもの / 軽くて取り回しが楽なもの)
三脚 (照明をあてにしていないので暗所撮影での手ぶれ防止)
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用意する機材 (2)
撮影機材
マクベスカラーチャート
18%グレーカード(露出基準用)
X-rite ColorChecker PassportSpyder CHECKR
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写真の現像と測定用のソフトウェア
RawTherapee (現像用)
Photoshop CS/CC/Elements(測定用)
用意する機材 (3)
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用意する機材 (3)
チャート作成用のソフトウェア
Excel / OpenOffice
→共有できれば正直なんでもいい。ホワイトボードにポストイットでも。
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用意する機材 (3)
検証・再現用のソフトウェア
Maya (DCCツール) / UnrealEngine4 / Marmoset Toolbag
→物理ベースのレンダリングが出来るものならなんでもOK
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チャート作成手順 (1) – 撮影
基準露出を取る
→光源の影響が少ない状態で撮影する(曇天、日陰など)
→露出を被写体に併せてしまうと現像時露出の過不足が発生するので18%グレーカードで露出調整を統一(特に黒い物体)
→スポット測光設定(キャノンの場合)にする
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チャート作成手順 (1) – 撮影
“おひとりさま”用に工作してみる
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チャート作成手順 (1) – 撮影
カラーチャートと同時に被写体を撮影する
→先ほどの18%グレーでの露出設定をキープ
→ホワイトバランスは後で調整する
→スペキュラや陰影が出来るだけ乗らないようにする
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チャート作成手順 (2) – Raw画像の現像
16bitリニア現像する(RawTherapee)
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チャート作成手順 (2) – Raw画像の現像
Raw画像の現像設定
→パラメータが初期値になるように「ニュートラル」に設定
→カメラプロファイルを設定する
→Photoshopにリニアで渡すために出力プロファイルを
適当に設定する(なんでもいい)
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チャート作成手順 (3) – 測定準備
Photoshopに移行してホワイトバランス、ダイナミックレンジ調整を行う
→以降のフローをアクションにしておくと便利
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チャート作成手順 (3) – 測定準備① 測定出来る表示状態にする
Photoshop読み込み時の警告が出るので「出力プロファイルを破棄する」
プロファイル破棄
プロファイル適用
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チャート作成手順 (3) – 測定準備② 測定時に誤差が出ないように調整する
白、黒、18%グレーのそれぞれの適当な範囲に
「ぼかしフィルタ(平均)」をかける
拡大するとノイズ(色のばらつき)がわかる
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チャート作成手順 (3) – 測定準備③ ホワイトバランスを行う
「トーンカーブ」レイヤを追加して
白色点、黒色点、中間調点をピック
してホワイトバランスを設定する
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チャート作成手順 (3) – 測定準備④ ダイナミックレンジを設定する
さらに「レベル補正」レイヤを追加して「出力レベル」を以下に設定する
上限 「229」 = 90%下限 「8」 = 3%
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チャート作成手順 (3) – 測定準備⑤ 基準値を確認する
カラーサンプラーで測定して以下のように
なっていれば測定準備OK
白色点 「90%」中間頂点 「18%」黒色点 「3%」
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チャート作成手順 (4) – 測定
アルベド値を測定する
必要な素材のアルベド値の測定を行います。
輝度を調べる場合はヒストグラムで。
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チャート作成手順 (5) – 表作成
チャート作成
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チャート作成手順 (5) – 表作成サムネイルと「反射率(輝度)」「sRGB値」「リニア値」を記入しておくと便利
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検証 - レンダリング結果
mentalrayのレンダリング結果
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検証 - レンダリング結果
mentalrayのレンダリング結果
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結論
「それっぽくなった」
↓
“まずはこれで十分”
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