tailoring and fitting on process improvement.pptx

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ver. 0.4 名古屋市工業研究所 小川清

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診断模型の効果的活用方法 仕立てと着付け ver. 0.4

名古屋市工業研究所 小川清

背景

!   作業モデルでは,洋服の作成における型紙と展開において仕立て(tailoring)という作業がある。

!   IPA/SEC SPI-WG NPT3(人材育成)において,2010年から作業モデルまたは診断モデルにおける仕立てを演習形式でセミナを実施してきた

!   IEE Competence Guide, ETSSでは能力に応じて作業の仕方を分類することを推奨している。

!   診断も作業の1つであるので,モデルから現実の作業を行うにあたって仕立てを行うことを想定している。しかし実際の診断では,1つのやり方を覚えたら、それを繰り返すだけの水準の低い状態を観察した。

!   なぜ,仕立てを行わないのか。文化的背景を考察した。

仕立てと着付け

!   和服は,本人に合わせて着付ける。 !   インドなど,1枚布を着付ける文化もある。 !   和裁と和装はそれぞれに技術を必要とする。顧客の選択は色と柄の組み合わせが中心。

!   洋服は,本人に合う形のものを着る。 !   服を大きさ,太さの種類に応じて、作っておく。(既製服) !   本人を採寸して,本人に合わせた服を作る。(注文服) !   既製服も注文服も,原型(型紙)を展開して仕立て(tailoring)る。 !   洋裁は多段階に分業した技術が必要だが,洋装は顧客の選択だけ。ただし、選択の範囲は形の組み合わせ、色、柄と広い。

和裁/和装と洋裁/洋装

!   和裁/和装は,仕立ての作業時間は短いか作業の選択肢が少ない。着付け時間は長い。

!   洋裁/洋装は,仕立ての作業時間は長いか作業の選択肢が多い。着るときの時間は短い

!   モデルが複雑だとモデルを仕立てる時間を取っても、実行時間を短くしたい。

!   実行時の能力が高ければ、モデルを仕立てるよりも実行時に選択した方がよい

人の能力による作業の区分

!   IEE Safety, Competency and Commitment: Competency Guidelines for Safety-Related System Practitioners, 2000 !   安全関連系の設計運用に参加する人の能力の手引き

!   ETSS (embedded technology skill standard) !   能力水準1

!   能力水準2

!   能力水準3

!   能力水準4

作業モデル

!   作業能力水準の低い人(1 or 2)が作業するときの例を書いている場合が多い。

!   作業能力水準が高い人(3 or 4)が作業するときの指針を書いている場合がある。

!   作業能力水準が高い人が作業した結果として何を記録するとよいかを記載している場合がある。

!   診断作業がモデルに入っている場合がある。

診断モデル

!   診断のモデルは,課題解決のためにある

!   あるモデルは,納期遅れを防ぐために作られている !   原価計算などの費用面の作業が弱い

!   診断は能力(水準3 or 4)が高い人が主としてやることになっている。

!   参加要因の能力に応じて作業分担

モデルに関する仕立てと着付け

!   仕立て:モデルを作るときあるいは,モデルの展開(tailoring)時に課題を明確にする。

!   着付け(dressing/fitting):作業するときに課題に合わせて作業する。

プロセスの仕立と アセスメントプロセスの仕立て

!   事業(プロジェクト)の目的

!   事業(プロジェクト)の規模

!   診断(アセスメント)の目的

!   診断(アセスメント)の規模

!   プロセスの規模

!   アセスメントプロセスの範囲

仕立ての範囲

!   人数:1人から数名 !   一人の場合は,依頼者が確認(verify)

!   期間:半日から1ヶ月

!   方法 !   面談 !   文書 !   プロジェクトからアセッサに入ってもらう !   類似プロジェクトからアセッサに入ってもらう !   診断以外の作業を分担する

仕立ての範囲

!   対象プロセス !   1つでもいいが2つ以上が好ましい

!   エンジニアリングとそれ以外の1つづつが好ましい

!   モデルにないプロセスの追加??

!   診断プロセス !   水準1から判定していくか

!   水準5から判定していくか

仕立てか着付けか

!   診断しながら,診断の範囲を決める !   診断時間、診断費用は固定

!   結果は同じ書式で整理 !   作業診断とは入力と出力から,それぞれ作業を評価するものである

!   能力に応じてやり方は違うことが機能安全関連のIEE Competence Guideで取り組みが始まっている

!   Best Practiceも能力に応じて選択するとよい !   代替プラクティスの前提として能力の違いがあってもよい

整理の要点

!   作業診断のテーラリングした結果が計画書

!   計画書にテーラリングの根拠などを記載 !   現在の書式に項目がないので1項目追加

!   師匠と書生の関係があれば,文書はなくてもいいかも。

診断を2度回す

!   1回目。全体の時間の半分以下で、簡単に診断してみる

!   2回目。1回目の結果を受けて、対称プロセス、診断方法を変えてみる

!   1回目を予備診断として実施してもよい

診断作業の見直し

!   見直しの方法 !   診断作業の診断をしてもよい(assessment processの

assessment)

!   KPT:keep, problem, try

!   わかったこと,わからなかったことの報告。

!   見直しの機会 !   予備診断または1回目の診断の後

!   最終診断終了後

着付けの条件

!   作業者が対象作業について技能が高い人ばかり。 !   技能の評価についての証拠または作業の責任分担がある。

!   技能の継承を図っている。

!   改善の結果を陽にできる。(水準4以上を想定)

診断目的に応じた仕立てと着付け

!   1:作業も診断も仕立てをして実施 !   何回も診断していることが前提

!   2:作業は仕立て診断は着付け !   作業の仕立てを理解していることが前提

!   3:作業は着付け、診断は仕立て !   何回も診断していることが前提

!   4:作業も診断も着付け !   課題発見を目的とすれば可能

  診断 作業

仕立て

着付け

仕立て 1 2

着付け 3 4

留意点

!   何故、和裁/和装が縮小し,洋裁/洋装が拡大したのかを考える。

!   芸術,習慣的な根拠の和裁/和装を目指すのか、工業、技術的な根拠の洋裁/洋装を目指すのか。

!   参加している技術者(診断員)の能力は十分高い人達が確保できるのか。

!   技術力があまりない人が参加した場合の仕事の仕方を用意しているか。 !   やる気のない人を篩にかけるのも1つの方法。

実際に何をどうすればいいか(例)

!   作る物の目的、規模、期間、要員の質と量から,どういうモデルを利用するか,どういう仕立て(テーラリング)をするか,着付けで対応するかを考える。

!   どういう目的,期間、要員の質と量から,診断するか,どういう診断作業モデルを利用するか,どういう仕立て(テーラリング)をするか,着付けで対応するかを考える。

SPEAKは何を用意しているか

自前で行うこと

!   仕立ての技を持った人を確保する

!   着付けの技を持った人を確保する

!   診断作業の仕立てか着付けかの選択 !   仕立てるには仕立ての手引き(最初は作りながらでもよい) !   着付けるには着付けの手引き(最初は作りながらでもよい)

改訂 !   Ver.1.0 2011/11/9 IPA/SEC SPI-WG NPT3(人材育成)

!   <NPT3会合での説明>

!   Ver2.0 2011/11/16 名古屋の研究会のMLへの展開 !   <名古屋の研究会の補習および本会合での説明> !   「診断モデルが課題解決のためのものである事」,「和裁/和装と洋裁/洋装の表・説明」,「仕立てに診断作業の仕立て」,「2度まわす」の例,診断作業の見直しの追加

!   Ver3.0 2011/11/17 IPA-SEC SPI-WG NPT3 !   <名古屋の研究会の3人のリーダとの意見交換> !   <11/30講師 東芝の阪本さんとの意見交換> !   背景、顧客の選択、作業モデル、留意点,「わかったこと,わからなかったことの報告。」の追加

!   Ver4.0 2011/11/18 WOCS会場 !   <WOCS参加者、JAXAモデルの関係者との意見交換>