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長崎大学病院 精神科神経科 山本 直毅 TEACHING EXPANDING APPRECIATING COLLABORATING AND COOPERATING HOLISTIC 教育を行う 支援を拡大する 正しく認識する 支援を協力する、協同する 包括的なサポートを行う

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Page 1: TEACHING 教育を行う EXPANDING 支援を拡大する ...EXPANDING APPRECIATING COLLABORATING AND COOPERATING HOLISTIC 教育を行う 支援を拡大する 正しく認識する

長崎大学病院 精神科神経科 山本 直毅

TEACHING EXPANDING APPRECIATING COLLABORATING AND COOPERATING HOLISTIC

教育を行う 支援を拡大する 正しく認識する 支援を協力する、協同する 包括的なサポートを行う

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What`s TEACCH?(概要)

【TEACCH】

米国のノースカロライナ州立大学が基盤。

ノースカロライナ州の自閉症(/自閉スペクトラム症→以下ASDで統一)の人とその家族、関係者(教師、グループホームなどの支援者、雇用主など)、ASDの支援者を目指す専門家を対象とする包括的プログラム。

【目的】

ASDの人が社会の中で有意義に暮らし、出来るだけ自立した行動を出来るように、生涯に渡って支援をしていくこと。

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What`s TEACCH?(理念)

<理念・キーワード>

理論ではなく観察からASDの特性を理解する

違うことを悪いことだと考えない

教師や専門家は違う文化の通訳者と考える

ゴールはASDの人を変えるのではなく、自分らしく地域の中で生きていけること

協働治療者として保護者と一緒に関わる

正確なアセスメントを行い、構造化された指導法を利用する

スキルを伸ばすと同時に弱点を受け入れる

専門家は「ジェネラリスト」として訓練され、生活全般に目を向ける

生涯に渡るコミュニティーに基礎を置いたサービスを提供する

「個別」ということが鍵となる

<治療教育の目標>

自立を促進する、コミュニケーションスキルを高める、不適切な行動を減少させる、社会的スキルを高める

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Why TEACCH?(ASDのラーニングスタイル)

自閉症を文化として考える(神経発達の偏り(情報処理の違い)、この違いは“文化の違い”の様なもの)

視覚的に学ぶ人(言葉での説明も行うが視覚的な情報提供が最も効率が良いことが多い)

つながり(情報のつながりと処理が苦手⇒情報のアクセスに時間を、アクセスそのものや情報に意味のあるつながりを持たせる支援を)

実行機能(記憶力はあっても優先順位をつけ実行していく事は苦手⇒ストラクチャーティーチング、①1つ1つの活動を整理・統合⇒ティーチング、②1日の活動を整理・統合⇒スケジュール、実行機能の苦手さを代償する、視覚的に情報を提示することで、『(まず)何をすべきか、どのくらいするのか、どうやったら終わるのか、終わったら次は何か』が明確化され、安心して活動に取り組める)

注意(“糊の様な注意”“懐中電灯の光”のイメージ、狭く・強く・細かい所まで見える⇒全体が見えないので他の所とのつながりがわからない、重要な所に光が当たるとは限らないので、重要な所を見落としたり、全体を見通すことが苦手、概念化を要する作業も苦手)

刺激(感覚の過敏・鈍麻双方の問題がある、感覚・経験したすべてのことの“剪定”が苦手、刺激に過剰に反応・混乱、不快・ネガティブなものを“剪定”出来ず、不安が強くなり易い)

中枢性統合(木を見て森を見ない⇒細かなことには強くて概念や意味の理解については問題がある、重要な情報・サインを認識するのが苦手⇒重要な所を視覚的に強調することで認識し易くなる、視覚的にclear&specificに)

慣れ親しんでいる(ASDの人にとっての武器、“なじみがある”という感覚を利用する事で安心して課題に取り組むことが出来る)

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Why TEACCH?(ASDのラーニングスタイル)

ASDの人の問題は、その特性故に、周りの世界のもつ意味が理解できず混乱してしまうことにある。よって、意味を見出し理解を援ける学習のスタイルを進めていく事が支援となる。 全く言葉を使わないわけではない。言語発達を促すための言語刺激は与えるが、学習自体は視覚的に行う。

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• ASDの人はコミュニケーションの困難を持っているのが当たり前

• どういった時にどういった反応(言葉、行動)が表出されるか評価

• 本当に言いたいことが伝えられるシステムを確立する(絵カード、コミュニケーションカード、筆談、キーボード相互入力、メール、ICT等)

※特定の人物に対してしか言いたいことが言えない人も・・・

How TEACCH?(コミュニケーションの支援)

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How TEACCH?(構造化とは)

ASDの人を変えようとするのではなく、ASDの人が自立して行動できるように、環境をわかりやすく整えること。

<例えば私たちの生活の中にも>

• 視覚障害者

→点字ブロック、シャンプーとリンス、ビールなどの目印

• 聴覚障害者

→字幕放送

• 肢体不自由者

→手すりやスロープ、エレベーター、改造トイレ

http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/pictogram/picto_top.html

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How TEACCH?(構造化)

• 物理的構造化:空間・環境の構造化⇒目的別に場所を仕切る、表示を付ける

• スケジュール:時間の構造化⇒物や絵カード、写真、文字カードをレベルに応じて使う

• ワーク/アクティビティシステム:手順・活動の構造化⇒手順表、ルーチン、マッチング、フィニッシュボックス

• その他の視覚的構造化:視覚的指示、視覚的明瞭化、視覚的組織化(整理統合)

理解し易く、混乱しにくい様に環境などを整えていく

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How TEACCH?(物理的構造化)

• 環境を意味ある部分に区切る

⇒境界の明瞭化:物理的な衝立・壁・床の色、“どこで”すべきか

⇒文脈的な手掛かりを追加:具体物・絵カード、“何を”すべきか

⇒気が散らない為の工夫(本人目線で)

遊びや余暇コーナー 学習課題コーナー(1対1の指導場所、自立学習の場所) トランジッションエリア(予定を知り、切り替える場所) カーミングダウンエリア or 感覚遊びエリア(落ち着くための場所)

洗面道

自習机

自習机

教材棚

食事

遊びの場所

教 材

遊 具 棚

1:1

教材

掃除の区切

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How TEACCH?(スケジュール)

・どの活動があり、どの順番でそれを行うのか、という事を示す視覚的な手掛かり、時間の整理・統合のシステム。

⇒文字、絵や写真、具体物etc…

⇒安心して活動に取り組め、参加する気持ちを高める

⇒変更をより見通しを持てるものにする

スケジュール

先生と勉強

ひとりで勉強

グループ活動

朝のしごと

勉強

下校

実物を貼ったカード

個別化が重要⇒形態、長さ、場所と携帯性、使用開始の合図、管理方法 (本人が知りたい情報をスケジュールに乗せ、一人一人にとって意味あるものに) コップ=おやつ

帽子=外あそび

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How TEACCH?(ワーク/アクティビティシステム)

・一人一人に合わせて活動を構造化、やるべき課題に取り組むためのシステマティックな方略を提供

・システムの意味を理解することで自立性が高まり、スキルを他の環境に汎化することを可能にする

⇒文字、マッチング、具体物、左から右の流れ

⇒実行機能の苦手さを代償、『(まず)何をすべきか、どのくらいするのか、どうやったら終わるのか、終わったら次は何か』の4つの重要な情報を提供・明確化

左から右→

終了箱

ルーチンとフィニッシュボックス

①から③へ→

マッチング(色、形、番号など)→移動、手順、仕分け

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視覚的指示

例:1つ1つの作業に必要なものが、別々のトレイに入っている

視覚的明瞭化 視覚的組織化(整理統合)

言葉を聞いて理解することは苦手だが、視覚的認知、視覚的記憶は強い人たち(視覚的学習者) 記憶はとても良いが、手順を覚えたり考えることは苦手な人たち(実行機能の問題)

例:視覚的に、次に何をするかが示されている

例:重要な部分の色を変えたり、下線を引いたり

How TEACCH?(その他の視覚的構造化)

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How TEACCH?(構造化の意味)

ASDの人に行う活動の意味を理解する(させる)

ASDの人の学習スタイルに合わせる

不安を軽減し、スキル獲得能力を高める

自立機能を促進させる

適切な行動を取らせる

達成感のある課題設定 居場所・行き場所の設定

問題行動の背景にある 自己不全感・疎外感 ⇒ 自己効力感

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How TEACCH?(TEACCHのサービス)

http://teacch.com/regional-centers

州内に7つのセンター (+α Raleighがopen)

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How TEACCH?(TEACCHのサービス)

①診療業務(TEACCHセンター:5~7名程度のセラピストが所属、ディレクターは臨床心理の専門家、その他のセラピストは教師やワーカーなど多職種、ASDの児童・成人の診断やアセスメント、学校コンサルテーション、ソーシャルグループ(余暇スキルを学ぶためのグループ活動)など多彩なサービス) ②成人の支援 就労支援、援助付き就労プログラム、ジョブコーチ、T-STEP(学校から就労現場や地域社会への移行(トランジッション)) CLLC(Carolina Living & Learning Center)⇒センター外での代表的なサービス、ASDの成人の為の入所施設と職業支援施設を兼ねたモデル機関、職住接近のサービスを提供 ④他機関との連携 Group Homes for the Autistic, Inc. (GHA)⇒カロライナファーム、GHA援助付き就労プログラム ノースカロライナ自閉症協会(ASNC)

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ノースカロライナTEACCH視察研修2017

今回の参加者は合計22名。北海道から九州まで、当事者の家族、NPO法人、教師、保育士、大学の教官、理学療法士、心理士、医師、医学生など幅広いメンバーが参加。

故佐々木正美先生が団長として1983年から始まったプログラムで、今回で34回目になる。

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【ノースカロライナTEACCHプログラム視察研修2017概要】

• TEACCH概要とプロセス

• PEP3とTTAP

• アルバマールGHA Autism Support

• プレスクール

• T-STEP

→知的に高い自閉症生徒の高校から就労への移行サポートプログラム

• ASDと不安(CBT)

• CLLC(カロライナ・リビング&ラーニングセンター)

• ICTの活用

• 援助つき就労プログラム

• ASDの当事者が働いている実際の企業見学

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初日 8月3日(木) Charlotte teach center

Joice Lum,Ph.D. Clinical Director

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【8月3日(木) Charlotte teach center】

PEP-3の紹介・実演:7歳男児

TTAPの紹介・実演:14歳女児

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【8月3日(木) Charlotte teach center (PEP-3)】

PEP-3の紹介:7歳男児 ※PEP-3をするだけでなく、構造化の導入もしていく

・発達的アプローチによって、自閉症児及び関連する発達障害児を評価。

・結果は、個別教育計画(IEP)を立てるために用いられる。

・発達的な枠組みを考慮することにより、特徴的に示す不均衡な学習パターンを理解することができる。

・対象年齢: 7ヶ月~81ヶ月(わが国では2歳~12歳)

※米国でも重度の人は7歳overでも適応になる。

3段階評価方法を採用

→「合格」「不合格」に加え、「芽生え反応(emerge)」を設定。

言語性検査項目の軽減

→検査者の言語教示と被検査者の言語反応を少なくした。

検査手続きの柔軟性

→被検査者の行動の特徴や、情緒反応の変化によって、施行手順や実施方法が変えられる。

制限時間を強調しない (大体90分程度だが)

隣の部屋から、母にマジックミラーで本人のパフォーマンスを見てもらう。

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<下位検査領域・行動領域> 1.認知言語、前言語 2.表出言語 3.受容言語 4.微細運動 5.粗大運動 6.視覚運動模倣 7.愛情表現 8.人とのかかわり 9.運動行動の特徴 10.言語行動の特徴 <ケアギバーレポート下位検査> 1.問題行動 2.自立機能 3.適応行動

【8月3日(木) Charlotte teach center (PEP-3)】

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【8月3日(木) Charlotte teach center (TTAP:TEACCH Transition Assessment Profile)】

TTAPの紹介:14歳女児 ※より低年齢の子に使うこともある 【TTAP (formerly AAPEP)】 〔理念〕 早期青年期(小学校高学年くらいから)に成人期への移行を計画し教育を開始すること 〔目的〕 ・地域社会の中でよりよく適応するために、必要なスキルをどの程度獲得しているかを知る ・自立して生活するための準備性を確認する ・すでに獲得しているスキルは何かを明確にする ・スキルの獲得に有効な構造化を検討する ・新たなスキルを獲得するために活用できる現在のスキルを確認する ・能力を最大限に引き出せる環境をどのように変えるかを検討する

TTAP:実際にやってみて、どこにどういった問題やニーズがあるのかを見極められる

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【8月3日(木) Charlotte teach center (TTAP)】

採点は「合格」「不合格」そして「芽生え(emerge)」 芽生えとは →何を求められているかを知っているが、課題を十分に理解し、完全に達成するのに必要な能力を持っていない →課題を達成するのに繰り返しの実演やその他のサポートが必要な場合

3尺度からのアセスメント →直接観察尺度、事業所/学校尺度、家庭尺度 6領域のアセスメント →職業スキル →職業行動 →自立機能 →余暇活動 →機能的コミュニケーション →対人行動

<Working habitを見る> 作業に対する注意が続けられるか 認知を切り替えられるか 自分で判断を早くできるか 分からない時に助けを求められるか

例)要求される仕事は全部できるAさん ⇒何もせずに座っていることがある、2h待っても動かない・・・ 「助けいる?」⇒Aさん「いるのは助けじゃなくてペンなの・・・」 ⇒助けの求め方が分かっていなかった

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【8月3日(木) Charlotte teach center】

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2日目 8月4日(金) GHA Autism supports

Ms. Dorn Allen,CEO

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【8月4日(金) GHA Autism supports】

<GHA>

1987年設立、民間の非営利組織

本部はアルバマーレ

子どもと成人を対象

100人程のサービス利用者

・居住プログラム ⇒ 5~6人が生活するホーム、3人が生活するホーム

監督付きアパート、自立生活アパート

農場でのホーム(カロライナファーム)

・就労プログラム

・家庭支援サービス

・デイケア

・医療的・長期的ニーズに応える多面的サービス(農場+病院)

サービス資金はメディケイド(公的医療資金)、助成金(民間の寄付者や財団)、ファウンドレイジング、寄付から成る

計画中!!

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【8月4日(金) GHA Autism supports】

<カロライナファーム>

ASDの人が生活し、働く農場

ノースカロライナ州にある約15.8万平方メートルの農場

敷地内では十数人が働きながら生活

地域に住む十数人がファームで職業訓練を受け働いている

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【8月4日(金) GHA Autism supports(カロライナファーム)】

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【8月4日(金) GHA Autism supports(カロライナファーム)】

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【8月4日(金) GHA Autism supports(カロライナファーム)】

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【8月4日(金) GHA Autism supports(カロライナファーム)】

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【8月4日(金) GHA Autism supports(カロライナファーム)】

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【8月4日(金) GHA Autism supports(カロライナファーム)】

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【8月4日(金) GHA Autism supports(カロライナファーム)】

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【8月4日(金) GHA Autism supports(監督付きアパート)】

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【8月4日(金) GHA Autism supports(自立生活アパート)】

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5日目 8月7日(月) Chapel Hill teach center

・TEACCHの構造化 ・就学前のPreschool

・T-STEP

Lauren Turner Brown

Laura Klinger,Celeste Carter

Tammy Dawkins,Ph.D. Clinical Director

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center 就学前のPreschool】

Mくん:具体物指示 Rくん:Tobi(指示+写真あり)、チョイスボードあり Sくん:絵+文字 Aくん:文字のみ

※どんなに調子が悪くても、意味が伝わるシステムを使う ※色々なシステムを組み合わせて良い ※それぞれの子どもにトレーナーが付く

Sくん

Mくん(4歳) キーワードは“個別”

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center 就学前のPreschool】

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center 就学前のPreschool】

キーワードは“個別”

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center T-STEP】

<T-STEP> ”TEACCH School Transition to Employment Program”の略 「学校から就労への移行支援プログラム」を意味する 対象生徒は通常の高校に在籍する生徒であり、主に平均か平均以上のIQの人が対象(前期後期プログラム) <背景> わが国でも学校卒業後の就労の難しさが問題となっているが、米国においても同様の問題が報告されている、米国では高校を卒業したASDの人の就職率が18%というデータもある

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center T-STEP】

<T-STEPの目標> 構造化された就労支援プログラムを通じて特定の就労に結びつく重要なスキルを獲得すること ※高校や大学の過程を修了しても「身についていないスキル」がある ※これらのスキルを身につけるには、特別な時間が必要となっている

職場で仕事を維持していくことが難しい 職場での人間関係の維持が難しい 職場でのストレスへの対処ができない 他者を困らせる問題がある

職業支援が必要である

文献的にも必要性を示すデータが集まってきている

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center T-STEP】

<T-STEP Module Overview>

Goal Planning ・What happens after graduation

Assessment ・What is true for you right now

The Big Lens ・What is… ・Adulting 101 ・What`s different? ・Why is it hard? ・Adulting Mishaps

Developing Your Tools ・Visual Reminders ・Routine Strategies ・Self Monitoring ・Self-Reward

Practice Use of Tools ・In class ・At home with parents ・Video modeling ・Outside of classroom ・Internship

TEACCHで一番最初にする 設定の制限はしない!思った事を言ってもらう

長期のゴールなので、今あなたが何に秀でていて、それが将来にどれだけ寄与するのか、という事を出していく

修正して“今やらなくてはいけない事”をどんどん出していく ⇒T-STEPの24のステップでこういった“今からやらないとい

けない事”を話し合っていく

Stに色々と貼ってもらったシートをドリームシートと呼ぶ これと短期のゴールのシートを作り、短期のゴールの積み重

ねが長期のゴールになるという事を見せていく

一応全部で24セッション、配分は色々

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center T-STEP】

<T-STEP Module Overview>

Goal Planning ・What happens after graduation

Assessment ・What is true for you right now

The Big Lens ・What is… ・Adulting 101 ・What`s different? ・Why is it hard? ・Adulting Mishaps

Developing Your Tools ・Visual Reminders ・Routine Strategies ・Self Monitoring ・Self-Reward

Practice Use of Tools ・In class ・At home with parents ・Video modeling ・Outside of classroom ・Internship

<セルフアセスメント> 今自分はどんなスキルを持っているのか (例:出来ない時に人に助けを求められるか)

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center T-STEP】

<T-STEP Module Overview>

Goal Planning ・What happens after graduation

Assessment ・What is true for you right now

The Big Lens ・What is… ・Adulting 101 ・What`s different? ・Why is it hard? ・Adulting Mishaps

Developing Your Tools ・Visual Reminders ・Routine Strategies ・Self Monitoring ・Self-Reward

Practice Use of Tools ・In class ・At home with parents ・Video modeling ・Outside of classroom ・Internship

What is… タイムマネージメント・柔軟性 社交的に人が喜ぶ事を言う 必要な時に助けを求める 矯正フィードバック コーピング

Adulting 101:大人になる為の基本的なこと“まずこれは絶対にやって欲しい”ということ Adulting Mishaps:失敗パターン 例)アパートで独り暮らしの高校生、洗濯物の日に友人に映画に誘われ、その繰り返し ⇒洗濯物が溜まってしまう ⇒スケジュールの中で、しないといけない事をする部分は空けておく

高校までは宿題を出さなくても色々言ってくれるが、大学ではレポートを提出しろと言われなくなる ⇒これまでの方法が通用しなくなる ⇒覚えていないといけない事が増える 話し合いをすることで本人に現実に目を見開いて向き合ってもらう取り組みをしていく ⇒ティーンから大人になることでこういう変化があり、こういう事が大事になってくる、という事を伝えていく

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center T-STEP】

<T-STEP Module Overview>

Goal Planning ・What happens after graduation

Assessment ・What is true for you right now

The Big Lens ・What is… ・Adulting 101 ・What`s different? ・Why is it hard? ・Adulting Mishaps

Developing Your Tools ・Visual Reminders ・Routine Strategies ・Self Monitoring ・Self-Reward

Practice Use of Tools ・In class ・At home with parents ・Video modeling ・Outside of classroom ・Internship

手帳や付箋 ⇒実際にTEACCHスタッフがやって見せる ルーチンにしてしまう セルフモニタリング 自分にご褒美をどうやってあげる?

大人になってもずっと使えるルーチンのやり方を作っていく

こう決めておけば拭き残しがないし、早い

Visual Reminderを見るというルーチン

<Visual Reminders>

Visual Reminderは生徒自身に作ってもらい、ずっと使い続けていけるものにする

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【8月7日(月) Chapel Hill teach center T-STEP】

<T-STEP Module Overview>

Goal Planning ・What happens after graduation

Assessment ・What is true for you right now

The Big Lens ・What is… ・Adulting 101 ・What`s different? ・Why is it hard? ・Adulting Mishaps

Developing Your Tools ・Visual Reminders ・Routine Strategies ・Self Monitoring ・Self-Reward

Practice Use of Tools ・In class ・At home with parents ・Video modeling ・Outside of classroom ・Internship

得たスキルを色々な所で練習していく ファシリテイターとロールプレイをする ワークシートを使う (分かっていても、実際にするのは難しい、練習!)

色々なスキルのやり方をVideo modelingを通じて理解を深めてもらう

T-STEP終了後もビデオを見続けてもらう

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6日目 8月8日(火) a.m. CLLC見学

(Carolina Living & Learning Center) ICTの活用

Tom Wiebe

Keri Waldrop

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【8月8日(火) CLLC(Carolina Living & Learning Center)】

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【8月8日(火) CLLC(Carolina Living & Learning Center)】

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【8月8日(火) CLLC(Carolina Living & Learning Center)】

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【8月8日(火) CLLC(Carolina Living & Learning Center)】

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【8月8日(火) ICTの活用】 イラストや写真をどんどん取り込んでいける

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【8月8日(火) ICTの活用】

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【8月8日(火) ICTの活用】

<紙のツール vs アイパッド(ICT)> アイパッドの利点。声が出るというのもあるが、フリップブックは落とす可能性もある上にかさばる。 <PECS vs ICT> 音声が出る機械の方が模倣出来る。 ⇒コミュニケーションの表出が増える 機械音声は“いつも同じ声”。

一度導入してしまえば、アレンジ・作り変えが簡便・応用が利く

<アイパッドの入手ルート> 家族が買ってくれる。 Autism Speakという団体の援助。 TEACCHの備品

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6日目 8月8日(火) p.m. Chapel Hill teach center

“anxiety”

Tammy Dawkins,Ph.D. Clinical Director

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【8月8日(火) Chapel Hill teach center “anxiety(不安)”】

ASDの特性は社会性やコミュニケーションのみならず“不安”としても表出される 40~45%(論文によっては80%)ものASDの人が“不安”を抱く 高機能の人やvavalな人の方がより不安を強く感じる ⇒より情報にアクセスするが、分からないことがある事にも、より気付く ⇒周りに対する気付きも高くなるが、どう反応すれば良いか分からない ⇒周りの期待値も高い(“このくらい出来るだろう”という所に追い込まれがち)

定型発達の人に比べて、ASDの人では不安が4倍高い、とも言われている

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【8月8日(火) Chapel Hill teach center “anxiety(不安)”】

<ASDにおける不安の現れ方>

• 新規なものを避ける

• 対人状況から引きこもる

• ルーチンの変化に抵抗する

• 決まり事を好む

• 注意の焦点が狭い

• 同じであることを主張

• 安全な逃避経路を生み出す

• 反復行動や特別な興味関心の強さが増す

• すぐにイライラする

• 突然キレる

<ASDの症状と不安の視点で解釈の枠組みを変える> ・変化に対する不安 ・状況の対人要求度に対する不安 ・間違えることに対する不安 例)図書室に行くときに、ジェイムズは車で遊んでいるのをやめなければならないことに動揺して泣いて運動場に倒れこむ 可能な仮説 ・次にいつ車で遊べるのかが分からない ・言葉による次の活動の説明が理解できない ・相手の視点を理解することの困難 ・感覚の過敏性

不安

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【8月8日(火) Chapel Hill teach center “anxiety(不安)”】

<解決策> 不安になる要素をなるべく軽減する ⇒スケジュールやワーク/アクティビティシステム、より明確な指示などを工夫し、不明瞭さを軽減する ⇒より予期し易い環境づくりを行う 他、CBT、medication、感情の表出スキル、対処スキルの獲得(Breathing, Squeezing等)、不安対象への段階的な曝露、など

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7日目 8月9日(水) a.m. TEACCH center

“SUPPORTED employment” 就労支援現場の視察

Jayson Delisle, Supervisor of Supported Employment

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【8月9日(水) TEACCH center “SUPPORTED employment”】 (援助付き就労プログラム)

・1989年より開始 ・GrennsboroとChapelHillのみが援助付き就労プログラムを持つ ・それぞれに約12名のジョブコーチが所属している ・利用者の勤務時間:3h~50h/週、平均27h/週勤務 ・利用者の時給:$7.25~$16over ・就職後それを維持する為に必要な支援:平均2h/月 (多くの支援を必要とする人では30h/週のケースも) ⇔ 職を得るまでには多くのトレーニングが必要なので、より多くの時間を支援にかけている

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【8月9日(水) TEACCH center “SUPPORTED employment”】 (援助付き就労プログラム)

<雇用の形態> ①製造:品質管理⇒ルーチンで出来る・細部への注意という特性が生きる 製品にラベルを貼る・組み立て⇒予測性高い、コミュニケーションの必要性も少ない (繁忙期のペース配分が課題) 包装(微細運動能力が課題)、搬出・搬入 ②事務:会計⇒会計士の資格をとる人も、デイビット氏は20年以上TEACCHの会計をしている 仕分け・ファイリング、図書館、データ入力、マイクロフイルム化 ③食料品店:どこにでもあり、仕事の内容も大差なく、始め易く、レベルアップし易い ④倉庫業:在庫管理、品質管理 ⑤研究所:実験用具の洗浄、実験動物の世話、実験に使用するハエの餌の混交 ⑥食品サービス業:調理場、皿洗い、レストランのテーブル拭き・ものの片付け ⑦清掃業務:建物の管理・清掃 ⑧その他:庭師(天候が課題)、自動車整備工場、アーティスト・もの作り

※仕事を探すときに、最初から選択肢を排除しない!

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【8月9日(水) TEACCH center “SUPPORTED employment”】 (援助付き就労プログラム)

<就労モデル> ①標準モデル(個別就労支援モデル):比較的知的に高く問題行動が少ない人、1~2回/週から隔週でのジョブコーチの面談 ②分散モデル(エンクレーブモデル):軽~中度知的障害、軽度の問題行動がある人、当事者2-5人にジョブコーチ1人がついて同じ職場で仕事をし、勤務時間を通して間欠的にサポートを受ける ③モービルクルー(作業移動グループ):人と接するのが苦手な人、当事者1~3人にジョブコーチ1人がつきグループで車で移動、勤務時間を通してサポートを受けつつ清掃などの仕事に従事する ④1対1モデル:重度の行動障害がある人、当事者1人にジョブコーチ1人がつき1対1でサポートを行う、施設や病院にいるよりは誰かがついて生産的なことを行った方がよいという考え

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【8月9日(水) TEACCH center “SUPPORTED employment”】 (援助付き就労プログラム)

<就労までの流れ> ①インテーク:2時間 ②アセスメント:TTAP(特にインフォーマルアセスメントが大切):1-3か月 ⇒“芽生え”スキルがどのくらいあるか、“強み”はどこか、“興味・意欲”は、職業スキルの知識(が既にあるのかどうか)、受容言語・表出言語(自分から始められるか)、自立した機能(傍に居なくてもやり続けられるか) ③仕事探し(ジョブコーチによる):2ヵ月―2年 ④仕事の初期段階:まずジョブコーチが職場で仕事を学び、必要な構造化を用意 ⑤インフォーマルアセスメントは継続(知識のシェア) <長期の支援戦略> ①TEACCH以外の機関ではあまりしていない、定着・維持の為の支援も行っている ⇒ 定着率が高い ②Relaxation and Coping Strategies(仕事をしていない時間をどう過ごすか) ⇒ 予め計画しておく ⇒ソーシャルグループへの参加、ジョブコーチがあちこち連れて行く ③専門家の定期的なカウンセリング ⇒ 高機能の人で仕事の定着・維持の為により必要、不安が高い ④汎化せず、継続してon the jobトレーニング

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【8月9日(水) 就労支援の現場(A氏の一例:エンクレーブモデル)】

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【8月9日(水) 就労支援の現場(B氏・C氏の一例:個別就労支援モデル)】

<B氏>

州の関連施設の売店で販売する物品の管理倉庫の責任者

定期的にジョブコーチがB氏とB氏のスーパーバイザーと面談

オフの時には隣の州の彼女とデートをしたりとプライベートも充実

<C氏>

州の公文書をマイクロフイルム化する仕事

十数年この重要な仕事をこなし続けている

視覚的な認知特性の強みが活かせている

正確性と確実性に定評がある

定期的にジョブコーチがC氏とC氏の

スーパーバイザーと面談

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【まとめ1】

<支援の広がり>

子どもだけでなく大人へも

診断 療育 学校教育 就労 居住 余暇 権利擁護

老人ホーム 医療的サポート

T-STEP ICTの活用 不安へのアプローチ

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【まとめ2】

<ある同行者の言葉を借りて>

やっている事(構造化など)そのものは日本と大きく変わらない、しかし中身が違う。

投入されている人材・資源の量・質・密度が素晴らしい。

⇒今回は熟練者のみならず、新たにTEACCHに取り組んでいきたい、という参加者が多かった。

<結語>

一緒にTEACCHを学び、質の良い人材の一人となっていきたいと考えます。

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【参考資料・お借りしたもの】

・ノースカロライナTEACCH視察研修2017関連(現地資料・梅永雄二先生のスライド)

・佐々木正美著「自閉症児の為のTEACCHハンドブック」

・内山登紀夫著「本当のTEACCH」

・今村明先生の平成28年度・地域連携児童精神医学講座レクチャースライド

・ノースカロライナTEACCH視察研修2017参加者から寄せられた写真やノート記録

自閉症カンファレンス日本

自閉症5デイズトレーニング

自閉症スペクトラム学会

日本LD学会

ローラ・クリンガー博士の『発達障害の人の社会参加-大人になって幸せになるために-』⇒T-STEPについて

TTAPワークショップ

【イベント等(2017年分は終了しましたが・・・)】