ted x utokyo 学生エンジニアが日本を変える
TRANSCRIPT
Student Engineer/Entrepreneurs
Will Change Japan
学生エンジニアが日本を変える!
May 20, 2012
[email protected] www.b-t-partners.com
http://twitter.com/#!/YujiAkaba http://www.facebook.com/yuji.akaba
Breakthrough Partners Managing Director
Yuji Akaba
Catastrophic earthquake
March 11, 2011
Mobile communication stopped right away.
Mobile mails delayed
5-7 hours. 1
Twitter suddenly became a life line.
So many Retweets to support communication.
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Facebook became an
important infrastructure in
Japan and began to grow.
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In 2011, dynamic move to try something new
Surge of young engineer/entrepreneurs
Many startups founded in 2011
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Wondershake
Satoshi Suzuki,
founded
at age 22, ICU
Papelook
Ichiro Ozawa,
age 20
Meiji
trippiece
Ian Ishida,
age 21
Chuo
Labit
Hiroyuki Tsuruda,
age 20
Keio
Startup founders in early twenties
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Facematch
Takehiro
Goda,
age 24
TIT
mieple
Taro
Fukuyama,
age 24
Keio
Call Board
Atsufumi
Ohtsuka,
age 22
Todai
tetol
Yusuke
Nagata,
age 22
Oita
Startup founders in early twenties
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Active bloggers in early twenties
Shota
Setoguchi
age 22
Shotaro
Uehara
age 23
Kenichi
Nishimura
age 24
Ryoma
Machida
age 24
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In 2011, young engineers and entrepreneurs started to compete globally.
Some moved to Silicon Valley without hesitation.
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Many seminars and events
A lot more bloggers
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There were many contests . .
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But, only planning does not change much!
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“Why don’t I organize a totally new contest where
the best student teams completely focus to develop apps during
summer break ”
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Free office/accommodation Meal subsidies Transportation
Hands-on advise by top industry people
Aggressive Incubation
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Among 49 teams/160 members, 23 teams/74 members selected
Some with 10 years programming experience
Top Prize: Tour of Silicon Valley
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Kai from Keio Toshinari Takahashi from Keio
Senior high school students
出典:神田経済新聞 http://kanda.keizai.biz/photoflash/68/ 15
X X
Taizo Son’s great speech
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X X
Tonchi dot CEO Iguchi
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X X
Worked all night . . .
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X X
Typical morning scene
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Winning Facematch team, won the 1st Prize at Japan Night in SF
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Still, Japan is so behind compared to Silicon Valley,
which attracts talents and
capital from around the world.
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Great “Eco System” like Silicon Valley is badly
needed in Japan.
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Startups created by friends met on campus, not based on academic researches.
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If a strong business leader and a dean commit for 5 years with
extensive professional support
30-50 startups can be
established
several early wins
a few hundred startups
In 2 years In 3 years In 5 years
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Free office and servers
Networking events for students
Programinng courses
Planning and strategy support
Professional hands-on advisors
DEMO days and events
Networking with foreign startups
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Attract more students from China, India, Vietnam et al.
China India Vietnam
Indonesia Myanmar Australia
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They will help our society to be more fun place to innovate.
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表紙: ブレークスルーパートナーズの赤羽です。日本発の世界的ベンチャーを1社でも多く生み出したいと、2000年からベンチャー共同創業、経営支援をしています。その前はマッキンゼーに14年間、ソウルオフィスを立ち上げ、LGグループの経営改革に取り組みました。 月曜朝にソウルに飛び、金曜夜に日本に戻る生活を10年間、500週連続で続けました。その間、日本と韓国、世界の違いを強烈に感じておりました。 特に、1997年暮れ、アジア経済金融危機が起きた際、サムスンなどから数千人以上の優秀な技術者が辞め、創業していった点が強い印象に残っています。 韓国の躍進は、そこから特に加速しました。一方、日本の変化は、はるかにゆっくりとしたものでした。金融危機の影響もほぼなく、ベンチャーに大きく人材が流れることもなく、10数年がたちました。 ところが、昨年、日本がついに、動き始めたと思います。学生エンジニアを中心に大きな一歩を踏み出しました。今日は、起業ということに関して日本がどう変わったのか、どうすればそれをさらに加速して、日本の立て直しに貢献できるのかについてお話したいと思います。 ******************************************************************************************** 1ページ: 昨年3月11日の大震災は、悲しい出来事でした。私はちょうどあの瞬間に渋谷のビル7Fでミーティングをしていましたが、机の上のPCが大きく動き、壁のディスプレイが全部崩れ落ちました。 電話はすぐ通じなくなりました。何度かけても話し中です。 携帯メールは送れましたが、何時間も後に到着する状況で、全く使えたものではありませんでした。
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2ページ: ところが、Twitterは完璧に情報を流し続けてくれました。電話や携帯メールに代わるライフラインになったのです。 東北の皆さんからは、薬やミルクが足りない、人手が足りない、などの情報が毎日流れてきました。それを再送信する、リツイートが無数に行われ、対処されました。 関東の私たちも、電車が動いているのか、実際に乗れるのか、そういった情報が全部Twitterで流れてきました。 Twitterはただの一度も止まったりはしませんでした。この間、リツイート機能に対し、以前より何倍も多くの人が慣れ親しんだと思います。 ******************************************************************************************** 3ページ: Facebookも同じです。震災時、Facebookもライフラインになりました。 グループメッセージングを使って帰宅や自宅待機の指示などを出した大手企業もいくつもありました。こちらも、一度も止まったり、遅くなったりしませんでした。 昨年4月以降、Facebookユーザーも急増し、Facebookでのイベント告知、コミュニケーションが爆発的に伸びていきました。 こうした変化に加え、ベンチャーを支援してきた私から見ると震災以後の日本にはもう一つ大きな変化がありました。
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4ページ: 以前に比べてはるかに多くのベンチャーが誕生しました。特に、学生エンジニアを中心として、非常に若いベンチャー社長の登場です。 ******************************************************************************************** 5ページ: 「すごい時間割」を開発した慶応の鶴田浩之さん、Papelookを開発した明治大学の小澤一郎さん、トリッピースを開発した中央大学の石田言行さん、Wondershakeを開発したICUの鈴木仁士さんたちで、ご覧のように、昨年、はたち前後で創業されています。 ******************************************************************************************** 6ページ: また、Boardを開発した東京大学の大塚淳史さん、tetolを開発した大分大学の永田悠介さん、Facematchを開発した東工大の合田武広さん、miepleを創業した慶応義卒、福山太郎さんなど、彼らも20代前半です。 ******************************************************************************************** 7ページ: 昨年は、ブロガーの活躍も目立ちました。彼らが積極的に米国や日本のソーシャルメディア、スマートフォン、リーンスタートアップなどの最新の話題を提供してくれたおかげで、起業を志す多くの人たちが大きな刺激を受けました。 英語が苦手な人でも、米国の最新情報と我々への意味合いをブログを通じて読めるようになり、昨年来の変化を大きく加速したと思います。 左から瀬戸口翔太さん、植原正太郎さん、西村顕一さん、町田龍馬さんです。皆20代前半です。以前であれば影響力を持てなかったであろう若い世代が、社会変革の羅針盤となりました。
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8ページ: 昨年は、彼らがグローバルに戦い始めた年でもありました。 先ほどご紹介した福山さん、鈴木さんは、躊躇なくシリコンバレーに本拠地を移し、アプリの開発・展開を進めました。これは今までの日本には見られない、新しい動きです。 ******************************************************************************************** 9ページ: 震災以後、起業に関する多くのセミナーやイベントが開催されました。Startup Weekend、Startup Datingなどです。 また、Twitterのリツイートが普及した結果、よい記事を書くと、すぐリツイートされ、Facebookウォールにも投稿され、一気に広がるようになりました。 そのために、セミナー、イベント等に出た感想も含めてブログに書く方々が増えました。励みになるので、更新頻度も上がりました。 それを読んで刺激をされた方々がさらにセミナー、イベントに参加したり、仲間を見つけて起業したり、ということが好循環として広がっていったのです。 ******************************************************************************************** 10ページ: 震災前から、学生向けのビジネスプランコンテストが多数開催されてきました。TRIGGER、applim、OVAL、KINGなど、私は多くのビジネスプランコンテストの企画、メンタリング、審査に関わってきました。 それぞれはもちろん意義のあることで、多くの学生が応募し、活躍してきました。
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11ページ: ただ、支援しながら強く感じたことは、企画だけやっていてもしょうがない、ということです。 今は、リーンスタートアップの時代です。これは、数年前から米国を中心に始まった動きで、開発環境が整備され、サーバーも安く使いやすくなり、2ヶ月程度でどんどんアプリ・サービスを開発するアプローチです。 世の中がスピードアップし、世界中で起業が増えているというのに、企画だけ練って、机上の練習だけしていてもしょうがないのではないかと強く思いました。 ******************************************************************************************** 12ページ: そこで私は、昨年、学生エンジニアたちが2ヶ月で実際にアプリ・ウェブサービスを作るプログラムを企画し、運営しました。 日本にブレークスルーを起こしたいということで、ブレークスルーキャンプと名付けました。 ******************************************************************************************** 13ページ: 優秀な学生エンジニアが多数集まるように、開発場所も宿泊場所も全部無料で提供しようと考えました。 食費も補助し、ドリンクやカップ麺などの協賛をいただき、地方からの交通費も一往復分は支給することにしました。 マイクロソフトさん、スローガンさんなどの協力を得て、こうして、ブレークスルーキャンプ が昨年7月から9月まで開催されました。
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14ページ: 実装のできる学生エンジニアを中心に、ディレクターとデザイナーの3人一組で応募していただき、10数チーム集まればと思っていたところ、49チーム160名が応募され、厳選した23チーム74名に参加していただきました。 中には、中学以来10数年のプログラミング経験を持つ方も何人もいました。 優勝チームには、シリコンバレーへの4泊5日のツアーも提供しました。 ******************************************************************************************** 15ページ: 高校生も参加しました。右側の彼、高橋俊成さんが最も熱心に開発に取り組んでいました。 ******************************************************************************************** 16ページ: 毎週木曜日夜に週次全体ミーティングを開催していましたが、孫泰蔵さんにも熱いスピーチをいただきました。 ******************************************************************************************** 17ページ: 頓智ドットの井口社長には、世界で戦う気構えを教えていただきました。 ******************************************************************************************** 18ページ: 朝オフィスに行くと、こういう景色もよく見ました。 ******************************************************************************************** 19ページ: オフィスに泊まれるように、マットの提供もしていました。 ******************************************************************************************** 20ページ: ブレークスルーキャンプ優勝のFacematchチームは、その後、社会人ベンチャー多数に対してJapan Nightの予選を勝ち抜き、サンフランシスコでの決勝で優勝しました。その後、Pitapatと名前を変え、5/1のアプリリリース時には3日間で10万ダウンロードの偉業を達成しています。
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21ページ: しかし依然として、日本の環境はシリコンバレーとは、まだまだ大変に大きな差があります。 シリコンバレーでは、多くの成功した創業者がエンジェル投資家として活躍しています。インキュベータやベンチャーキャピタルも、日本よりはるかに多く存在します。投資額も2桁違います。 世界中の腕に自信のあるエンジニア、アントレプレナーがシリコンバレーに殺到しています。 ヤフー、グーグル、ebay、ペイパルなどの成功で数億円、数十億円手にした人たちが、第2、第3の創業をしたり、創業支援をしています。 インテル、シスコ、Apple、マイクロソフト、デル、アマゾンなどが事業や産業を生み出していったことはいうまでもありません。 何より、シリコンバレーでは、ベンチャーに取り組むこと自体が社会的にも大きく称賛され、ベンチャーを成功させる環境、つまりエコシステムが確立しています。 ******************************************************************************************** 22ページ: 日本も変わってきましたが、もう一段変化を加速して、シリコンバレーのようなエコシステムを何としても作らないといけないと考えています。 日本の大学、中でも、特に東大はそういった役割をもっともっと果たせるはずです。
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23ページ: 2000年以降、大学発ベンチャーという言葉が使われ、広まり、様々な支援が行われてきましたが、実は大きな誤解があります。 シリコンバレーのエコシステムを担うのは、大学発ベンチャーではなく大学周辺ベンチャーだと考えています。 大学をきっかけとするイノベーション、起業は重要ですが、大学の研究からスタートしようとすると、難易度が高くなります。 教授の研究に基づく起業ではなく、大学で出会った学生同士の起業ならはるかに簡単です。 ヤフーもFacebookも、また多くのシリコンバレーのベンチャーも、大学のキャンパスで生まれました。
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24ページ: では、どうすれば成功するベンチャーを続々生み出すエコシステムを日本にも作り出すことができるのでしょうか。 私は、地域の有力大学の学長と事業で成功した地域の有力者が5年間本気で取り組み、かなりの資金と専門家を投入してはじめて、本物のエコシステムを構築することができると考えています。 始めて2年でベンチャーが続々と生まれ、そのうち数社が成功する環境を作り出せると思います。 そうすれば、5年以内に、100を超えるベンチャーが続々と生まれます。米国では、シリコンバレーはもとより、ニューヨーク、ボストン、テキサス州オースティン等にこういった環境ができています。 日本も、せめて東京、横浜、名古屋、京都、大阪、福岡、仙台、札幌などに作り出すことができるのではないでしょうか。 ******************************************************************************************** 25ページ: 地域のエコシステムとしては、オフィス・サーバー無料、学生のネットワーキングイベント、プログラミングコース、企画支援、海外のベンチャーとの交流会、DEMOデイなどが欠かせません。 慣れない学生エンジニアを励まし、助言できるアドバイザーが必須です。 ここが、従来大きく不足していた点です。箱を作って適当にアサインしていたのでは、到底無理です。
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26ページ: 日本人の保守的、村社会的な雰囲気を早く変えるには、外国人の助けも必要です。 中国、韓国、インド、ベトナム等からこれまで以上に多くの留学生に来ていただくことが、日本の変化を加速します。 留学生のハングリー精神によって、日本人が大きな刺激を受けます。 ただ、そのためには、留学生が参加しやすい住まい、勉強、就職、創業への環境作りが必要です。 私がスタンフォード大学に留学した際、キャンパス内のアパート、親切なサポートセンター、24時間開いている図書館、数多くのネットワーキングイベントなどにどれほど救われたかわかりません。 ******************************************************************************************** 27ページ: 今日は、昨年来日本が大きく変わったというお話をしました。その変化を、新たに始めたブレークスルーキャンプ by IMJなどのプログラムでさらに加速・拡大しようとしています。 地域の有力者にお願いしたいコミットメントのお話もしました。 3.11以後、日本は変わりました。この変化をさらに加速していくのは学生エンジニアであり、20代の起業家なのです。 今日この場に参加しておられる1人ひとりの方々が立ち上がって一緒に日本を変えていただければ本当に嬉しく思います。どうもありがとうございました。
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