title 1830-40年代の刊本 (中) 石山,彰 図書館だより...
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Title 1830-40年代の刊本 (中)
Author(s) 石山,彰
Citation 図書館だより 34 (1972-05) pp.4-5
Issue Date 1972-05-01
URL http://hdl.handle.net/10457/1874
Rights
鐘欝i㌶1:箇どのような稀纈本(きこうぽん一
三三
の甲から
所世間に流布されていない珍しい書
物)が収蔵されているかがある。
蔵 ついては、ご専門のお立場から本
館所蔵の稀剛本をご紹介いただく
西洋版服飾稀観書〔3)1830~40年代の刊本(中) 文化女子大学教授 石 山 彰
中世に関する服飾史研究のぼつ(勃)興は,ひとリイギリ
スのみに帰すべきものではなかった。ドfソでもべ・]ギー
でも同じ傾向が現われ始めるからである.中でも圧巻は,
ドイツのヘフナー・ア・レテ不ックとべ・:ギーのファン・ベ
プレンである。
〔383.13 H1~3:,※および〔383.13 H〕Hefner-Al・
tenec,ノakob, HE von;Costume du nlOyen一元ge chrgtien
d’aPtis~es monumens COtitemρorains,3tomes, Frankfurt
am Main,1840~54.ヘフー}’ 一=ア八テ’f’ック1同時代の
遺物から見た中世キリスト教徒の服装」3巻,26cm×33c皿
本書のドイツ語版タイト・しはTrachten des christ]ichen
Mittelalters nach gleichzeitigen Kunstdenkmalen「同時
代の芸術的記念物に基づく中世キリスト教徒の服装」であ
り,この仏語版もドイツ語版と同時に刊行された。キリス
ト教徒の服装とはいっても,宗教服なのではなく,今日的意
味でのヨーロッパ服をさしている。また,中世といっても,
今日的「中世」の概念より広く,6世紀から16世紀末まで
扱っており,ブ’しクハルト(Burckhardt 1818~or)的なル
ネッサンス意識はまだ現われていない。服装そのものも民
間人のものから武装,宗教服と広範であり,叙述や表現形
式は,前号に掲げたイタリアのホナールドの刺激を受けて
それに見習ったことが明らかである。中世各国の写本,絵
画,彫刻,エフィジー(墓石の上に横たえる大理石彫像),
甲胃など,その時代の資料によって忠実に再現され,この
ためtこ8人の銅版画家が協力して320枚の図版にまとめら
れているが,本学所蔵版には未着色のままの3巻本と,着
色ず二の1巻本とがあって,後者は,2・3巻のみの合本
となっている。両方比較するとまた,格別の味わいがある、
解説はきめ細かく服装にも触れ,実証的になっている。ヘ
フー▲’一は,その後,本書に続く18世紀までを720枚の図版
に完成し,1889年に通き10庄としてまとめ,同じ版元から
出版しているc
ぷ▲㌫1、㌫㌘㌶灘㌘二●manuscrits ies Peintures et/es monuvae71ts contemPorins
2tomes, Brussels,1847。 ファン・ベブンン, ドゥ・プル
ソT7-’L共著L=同時代の写本,絵画,記念物等から見た中
世の服飾』2巻,18cm×27cm。「ヨー=t・・パの風俗習慣に
関する論文一という副題が示すとおり,本,tぎの第1ぎは,
風俗史的見地からの叙述に当てられ,第1~4章までは,
社会背景としての封建性,商業の進歩,農1墳の進歩等に
ついて,第5~8章までは,中世騎士の慣習と衣服,第9
~12章は,聖職者,教会の儀式,郁市の手1業組合,貴族
等について述べられ,この章の中で4節にわたって,軍服
市民服,宗教服が解説されている。そして最後の第13~14
章で甲胃,装身具類が述べられる。第2巻は,簡単な解説
と服装の図集が中心になっている、当時のファッシ・ン・
プL一トと同じ手法で銅版印刷Lた後,鮮明な王彩色が施
十五世紀の掃人の衣裳
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・謬簿難1織6婦人の衣裳(B)
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王太子の侍女
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された134枚の図版から成・.tており,これらの図版が後代
のラシri’エやホッテシロートに多たの影響を与えたことは
一目で看破できる,当時の手彩色図版には,鮮かきと光尺
を増すため,しばしば,こう(膠}剤(たとえば卵白,にか
わなどのゼラ斗ン)が⊥塗りされたので鬼るが,その乾燥
が不完全でおるため,多少べとつくので、今でも紙面がく一,
ついて製本屋や読者を悩ますのである,ファソ・ベプしン
の協力による著:作には,本書の数年前に既に次の叢書が刊
行され,多大の評判を呼んでいた、そして,この一中世の
服飾一ミ、.その’連の観点から企図されたものであった,
〔383.IW1~4 vaahlen, Auguste;Moettrs, usages
et costumes de tOUS les peupies de monde,∂4ρアZS des
documents authentiques et~es vo.vages~es Plus rgccnts,
4 tomes, Brusse//es,1843~44,ヴー・・一一ラン「世界全国民の風
俗習慣と服装 .確かな遺物と最近の旅行に基づく.一一
d三:三㌶こ7∵三麟㌶㌫ 今の文化人類学につながる)の記念的著作でおる,一’fト
の称号を1,つ戸・一一Sンによ・一.て公刊されてはいるが,実
の仕事は・L一ミェ{ LOttm夕eγ,ノean Francois Nicotas)一・1:・
前記ベプしン {Van Bevere7h によ一.てなされたので,
ビプ.}.i’7ラフ1-(図書日録)によ.,ては,・レーミ.’= ;: 」
著者名で掲載されてVるもの{、是,る、第1巻アジア,第2
巻オセアニア,第3巻アフリカとアtリカ,第4巻ヨーロ
ッパと分かれており,各巻内容の記載1頂は,だいたLデ~国
ごとに地理概説,歴史概説,風俗習慣と服装となってt’コ t),
この最後の節に重点をおいている、たとえば日本につLて
は,人口3,000 ii,4km平方当たりの人口1,071人となって
おり,日本(本州), 九州,四国,’ド戸,天草,対島,fll
島,出島,松前島はヒ海道)などについて,おもに記述さ
れている.通巻211枚に及ぶ銅版f:彩色の民族服図版を含
んでいるか,ヨーロッパとその植民地を蜘十ば,こぶらの
服装に、ま,あまり信ぴょう愚)性はなく,和[1}ミは、ことに彼
ら二こ一一/て構成や着装が理解しがた、・ L、○であるら:い,
≡から,こうした資料は,むしろスゴテいデな間けミ現,と
して誤解しやすt一部面)での資料として捕えると,また別
の面での興味t沸くわけでおる、感史1:の時聞的そ(遡)lf
こ同時に,世暇の諸地域を空間的に打、kL集約しようとし
た‘也の稀獺書に,:,イaV∵の一ニラいi’の苫∵がもるバ
35参1に叉ぷ膨ヒさで, ’気、こ掲げる余・’い之,.、二やここ
にはない、Lrこ二って次回こ譲って,こ○期フランス恨飾
史のfiM・:を紹「「しよう、
383.135 L l ・Bassaget, Pirre 八TUina;COstt‘me
ciiii1S et militaires de~a 7nOitrirchie fra 7tF(t ise, Paris
1833~35c t“・.一一ジェ:フランス貴族の民服と軍服 25cm
×32(田、こ○ばを代表tる{ゴ版罹「.・1手彩色張飾図集のSlk・ti
十 れた.この一つ,銅版幽で、二出’なL糞らかなじ妻影の
調子と写実的な描1去が特色であt),二杉色、ヴ越Lていて
第31号にLTしたランテの銅版Ili{によ{図集にliL敵する出
来ばえで主三、5世紀から14世紅.こ了ζぶ100枚えミユ:ミめら
れ,解説. ,:. 1:、,・・一一一ジェ、よ画家でもh. 一景.こは.r-
一・’@c!Vuma)の名で知られて、・《、、彼二、よ.也に コv
二壬防の戯il[ll Coricatures anti-cho/iriqttcs,1832 1ii:界
各国人の服装一ンニェとづタ∴エのri阪刷りによる.一一
Costumes cosmopolites, lithogruphicis Ptt r Rignier et
Bettafniier.184‘f_‘等,ユニーり二∴阪1司集がキ)ること
ン信ぶてお・、、 {以下次「[])
※文中』 @内の数字およひ記号は、図,9の内容を云す分
類番i弓・,L ,9, 1の1’ニシャ’レである者『1記}]一を細/L. t’rわ
せたこ、のであh),本図書貯の図淘記号でもる。
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