tokyo deisgn flow paper n5

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Design Week Archive

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Page 1: TOKYO DEISGN FLOW paper N5
Page 2: TOKYO DEISGN FLOW paper N5

2 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 3TOKYO DESIGN FLOW paper N5

現代の新しいデザインを作るデザイナーはスターになり骨董品や古くからのモノを見抜く人は目利きと言われる。

新しい生き方をファツションで表現できる人はカリスマになり、頑なに普通の服にこだわる人は頑固者と言われる。しかし多くの人はその間にいる。目立たないけれど静かに自己を表現しているものだ。

2008年東京のデザインの流れはどうだったのだろうか?

(デザイン)に対する嫌悪が始まった。アメリカの金融危機は実はアートとデザインの健全さからすると至極当然な帰結とも言える。バブルデザイナーの凋落。 ――実体のない形だけの遊びの終焉。

デザインの役割は変わってきた。デザイナーであることが普通のことになってきた。

Depression, Chaos, Crisis, Falling down, Decline.

デザインとあまり言い過ぎるのは何か古くさい感じがする。自然に奇麗なものはどこから来るのだろうか。デザインを比べて論じ合う機会を毎年持つのはいいことだ。

Copyright©2008 Media Surf Communications Inc. All rights Reserved.

Design & philosophy

TOKYO DESIGN FLOWorganized by Media Surf Communications [email protected]

TOKYO DESIGN FLOW paperPublisher: Teruo KurosakiProducer: Akihiro Matsui(Media Surf Communications Inc.)

Editor in chief: Daisuke Horie(Media Surf Communications Inc.)Editorial Manager: Masatsugu Kayahara

Art Director: Kazuhisa Yamamoto (Donny Grafiks)

for Media Surf Communications Inc.Designer: Donny Grafiks

Photographer: Shunji Iwai(p11Last Thursday)

Design

Fashion

Tokyo Design Flow 2008 fall

Supported by Ourselves.

Page 3: TOKYO DEISGN FLOW paper N5

2 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 3TOKYO DESIGN FLOW paper N5

現代の新しいデザインを作るデザイナーはスターになり骨董品や古くからのモノを見抜く人は目利きと言われる。

新しい生き方をファツションで表現できる人はカリスマになり、頑なに普通の服にこだわる人は頑固者と言われる。しかし多くの人はその間にいる。目立たないけれど静かに自己を表現しているものだ。

2008年東京のデザインの流れはどうだったのだろうか?

(デザイン)に対する嫌悪が始まった。アメリカの金融危機は実はアートとデザインの健全さからすると至極当然な帰結とも言える。バブルデザイナーの凋落。 ――実体のない形だけの遊びの終焉。

デザインの役割は変わってきた。デザイナーであることが普通のことになってきた。

Depression, Chaos, Crisis, Falling down, Decline.

デザインとあまり言い過ぎるのは何か古くさい感じがする。自然に奇麗なものはどこから来るのだろうか。デザインを比べて論じ合う機会を毎年持つのはいいことだ。

Copyright©2008 Media Surf Communications Inc. All rights Reserved.

Design & philosophy

TOKYO DESIGN FLOWorganized by Media Surf Communications [email protected]

TOKYO DESIGN FLOW paperPublisher: Teruo KurosakiProducer: Akihiro Matsui(Media Surf Communications Inc.)

Editor in chief: Daisuke Horie(Media Surf Communications Inc.)Editorial Manager: Masatsugu Kayahara

Art Director: Kazuhisa Yamamoto (Donny Grafiks)

for Media Surf Communications Inc.Designer: Donny Grafiks

Photographer: Shunji Iwai(p11Last Thursday)

Design

Fashion

Tokyo Design Flow 2008 fall

Supported by Ourselves.

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4 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 5TOKYO DESIGN FLOW paper N5

TOKYO DESIGNERS WEEKを振り返って

Luke

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Luke

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DESIGNTIDEを振り返って

Report

日本の東京ではなく、インターナショナルなトウキョウ

今年からイベントのタイトルを変更したんです。『TOKYO DESIGNERS WEEK』、

を際立たせたかった。そんな流れを反映してか、海外からの出展者、来場者は

ともに増えています。今年のイベントが今までで一番海外からのお客様が多かった。ビジネスの面でも来年の展示会への海外からの仮契約が多く集まりました。TOKYO DESIGNERS WEEKを何をもって成功とするかの一つのラインは、出展者の半数以上が海外からのデザイナーになった時だと思っています。秋のトウキョウを彩るもう一つのデザインイベント『DESIGNTIDE TOKYO』も今年から組織も名称も変わって、デザインの潮流、流れが変わってきている。東京という都市で行われる、TOKYO DESIGNERS WEEK、100% Design TokyoそしてDESIGNTIDE TOKYOそしてTOKYO DESIGN FLOW、これらの組織がゆるやかな連帯の下に、

あたりどこからお金を持ってくるの?ということは今のところ全く考えていません。とにかくデザインに関わる人達を増やしたい。TOKYO DESIGNERS WEEK のイベント会場には10万人の人々が集まりますが、彼らがある程度影響力のある人達だとしても、世界を変えるにはまだぜんぜん足りない。デザイン学校の卒業生やDESIGNTIDE TOKYOやTOKYO DESIGN FLOWを合わせたとしてもまだ足りない。活動の総量をいかに増やすかが大切なんです。もちろんバイリンガルで世界に向けて発信します。そのキーワードが100万人なんです。そこには無限の可能性が秘められています。

来年は「GREEN」でいきます!

来年のテーマを何にしようかと、イベントのショーデザイナーをお願いしているマイケル(ヤング)と話していたんだけど、いまさらという感もあるが、やはり「GREEN」じゃないかと。エコとか環境とか、ある意味使い古されたテーマだけど、GREEN +αで、GREEN DESIGN, 100% GREENなど、GREENを一つ大きなテーマとして来年やっていきたいです。デザイン周辺の人々が環境を扱うという状況はまだ今ひとつ進んでない感があります。TOKYO DESIGNERS WRRKはずっと「LOVE」というテーマでイベントを行ってきましたが、これは変えるつもりはないので、その延長上に、地球や環境へのLOVEとしての「GREEN」を象徴的な言葉として使っていきたいです。テントもGREENに、ボタンもGREENに。2009年は「GREEN」でいきます!

世界へ向けて「TOKYO」の発信力をより強めていく、そんな時期に来ているのではないでしょうか。東京をおもしろくするための場作りと提供が我々の使命だと思っています。そのような場の上で国内外の人々の出会いとデザインの創造がある。世界から見て東京という街は日本の最高の財産だと思います。

100万人のDESIGN LOVERS

「デザインが世界を変える」ということをずっと言ってきましたが、具体的にどうやるのかの方法論としてのデザインポータル、「DESIGN CHANNEL」(www.design-channel.com)を立ち上げました。ウェブの世界では「ユーザー」という言葉が一般的に使われますが、我々はデザインを作る人を「DESIGN PARTNERS」、

デザインをリスペクトし愛する人々を「DESIGN LOVERS」と呼ぼうと決めました。デザインポータルで世界を変えることができる。もし100万人のDESIGN LOVER達が集まったらなにができるか? 猪子くん(Team☆Lab猪子寿之氏)とも話しているけど、そこで儲けてやろうということではなく、いろんな人達に参加していただき、すごいことができる場所にしたい。ポータルサイトを運営するに

―今年のDESIGNTIDE TOKYO 終わってみていかがでしたか?

今後も継続していく姿勢と構成力だけではなく、運営面も含め精度をあげる努力は必要だと感じましたが、メイン会場では新たな形を形成できたと思っています。また、メイン会場だけではなく、ひとつひとつが意味を持ったコンテンツとなり、言わばディレクションされた内容になったのではないかと思います。

―これからのDESIGNTIDE TOKYOはどういう方向に向かっていくのでしょうか?

まずこの秋の期間を軸に企画展や、新たに強度をもちつつも物事の本質を見せることができる活動を、年間を通して行える組織にするのが大きな目標です。日本で数少ないデザインイベントを行っている責任と意味は決して軽い物ではなく、こ

れから、「次の表現者」を伝えていくには、「環境」と「箱」の本質をもつ構造を考え、両立させていかなければなりません。そうしなければ、正しく伝えることができないと思います。表層的であったり、単なる繰り返しの行為は、あらたな物と環境を生みません。

―東京という都市とデザインの関係性をどうお考えになられますか?

東京はいわば日本にいるクリエイターにとっての武器のようなもの。環境としての東京は良い意味で混沌としていて、さまざまなものが集約されています。それにどう装置をつけて、世界に投げかけられるかが重要になってきます。デザインが東京のみで生まれる必然性はありません。地方都市にいる表現者をローカルからグローバル化する作業はもちろん必要であり、単独で動く個々の強さや、それをまとめる作業をする人間も環境も大事です。これからそれらの真価が問われるのではないでしょうか。

―世界経済がいま、大きな変化のまっただ中にあります。世界不況になってもイケてるデザインとはどういったものだとお考えですか?

体験したことのないすさまじい不況や戦争が起きたら、デザインは今までとは違った意味でそぎ落とされて、本当に必要な部位だけが残る気がします。そして残るものは、本質と背景とを意識したデザインなのではないでしょうか。もしくは無くなる物がほとんどかもしれません。そういった上で残るものは、本質と背景とも意識したデザインなのではないでしょうか。

川崎健二(DESIGN ASSOCIATION)

松澤剛(株式会社 E&Y 代表)

昨年までとは運営メンバーやコンセプト、内容などを心機一転し、新たなステージに立った今年のDESIGN TIDE TOKYO。9人いるディレクターの一人である、株式会社E&Y 代表の松澤剛氏に今年の感想やこれからの方向性を伺った。

Luke Hayes photography

Luke Hayes photography

photo: Hiroyuki Matsubara

Luke Hayes photography

松澤剛(株式会社E&Y 代表)神奈川県出身。立体造形作家として活動した後、MODERNICA(株式会社マシンエイジ)を経て、1999年E&Y入社。2007年に同社代表取締役に就任。 DESIGN TIDE TOKYOのディレクターもつとめる。

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TOKYO DESIGNERS WEEKを振り返って

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DESIGNTIDEを振り返って

Report

日本の東京ではなく、インターナショナルなトウキョウ

今年からイベントのタイトルを変更したんです。『TOKYO DESIGNERS WEEK』、

を際立たせたかった。そんな流れを反映してか、海外からの出展者、来場者は

ともに増えています。今年のイベントが今までで一番海外からのお客様が多かった。ビジネスの面でも来年の展示会への海外からの仮契約が多く集まりました。TOKYO DESIGNERS WEEKを何をもって成功とするかの一つのラインは、出展者の半数以上が海外からのデザイナーになった時だと思っています。秋のトウキョウを彩るもう一つのデザインイベント『DESIGNTIDE TOKYO』も今年から組織も名称も変わって、デザインの潮流、流れが変わってきている。東京という都市で行われる、TOKYO DESIGNERS WEEK、100% Design TokyoそしてDESIGNTIDE TOKYOそしてTOKYO DESIGN FLOW、これらの組織がゆるやかな連帯の下に、

あたりどこからお金を持ってくるの?ということは今のところ全く考えていません。とにかくデザインに関わる人達を増やしたい。TOKYO DESIGNERS WEEK のイベント会場には10万人の人々が集まりますが、彼らがある程度影響力のある人達だとしても、世界を変えるにはまだぜんぜん足りない。デザイン学校の卒業生やDESIGNTIDE TOKYOやTOKYO DESIGN FLOWを合わせたとしてもまだ足りない。活動の総量をいかに増やすかが大切なんです。もちろんバイリンガルで世界に向けて発信します。そのキーワードが100万人なんです。そこには無限の可能性が秘められています。

来年は「GREEN」でいきます!

来年のテーマを何にしようかと、イベントのショーデザイナーをお願いしているマイケル(ヤング)と話していたんだけど、いまさらという感もあるが、やはり「GREEN」じゃないかと。エコとか環境とか、ある意味使い古されたテーマだけど、GREEN +αで、GREEN DESIGN, 100% GREENなど、GREENを一つ大きなテーマとして来年やっていきたいです。デザイン周辺の人々が環境を扱うという状況はまだ今ひとつ進んでない感があります。TOKYO DESIGNERS WRRKはずっと「LOVE」というテーマでイベントを行ってきましたが、これは変えるつもりはないので、その延長上に、地球や環境へのLOVEとしての「GREEN」を象徴的な言葉として使っていきたいです。テントもGREENに、ボタンもGREENに。2009年は「GREEN」でいきます!

世界へ向けて「TOKYO」の発信力をより強めていく、そんな時期に来ているのではないでしょうか。東京をおもしろくするための場作りと提供が我々の使命だと思っています。そのような場の上で国内外の人々の出会いとデザインの創造がある。世界から見て東京という街は日本の最高の財産だと思います。

100万人のDESIGN LOVERS

「デザインが世界を変える」ということをずっと言ってきましたが、具体的にどうやるのかの方法論としてのデザインポータル、「DESIGN CHANNEL」(www.design-channel.com)を立ち上げました。ウェブの世界では「ユーザー」という言葉が一般的に使われますが、我々はデザインを作る人を「DESIGN PARTNERS」、

デザインをリスペクトし愛する人々を「DESIGN LOVERS」と呼ぼうと決めました。デザインポータルで世界を変えることができる。もし100万人のDESIGN LOVER達が集まったらなにができるか? 猪子くん(Team☆Lab猪子寿之氏)とも話しているけど、そこで儲けてやろうということではなく、いろんな人達に参加していただき、すごいことができる場所にしたい。ポータルサイトを運営するに

―今年のDESIGNTIDE TOKYO 終わってみていかがでしたか?

今後も継続していく姿勢と構成力だけではなく、運営面も含め精度をあげる努力は必要だと感じましたが、メイン会場では新たな形を形成できたと思っています。また、メイン会場だけではなく、ひとつひとつが意味を持ったコンテンツとなり、言わばディレクションされた内容になったのではないかと思います。

―これからのDESIGNTIDE TOKYOはどういう方向に向かっていくのでしょうか?

まずこの秋の期間を軸に企画展や、新たに強度をもちつつも物事の本質を見せることができる活動を、年間を通して行える組織にするのが大きな目標です。日本で数少ないデザインイベントを行っている責任と意味は決して軽い物ではなく、こ

れから、「次の表現者」を伝えていくには、「環境」と「箱」の本質をもつ構造を考え、両立させていかなければなりません。そうしなければ、正しく伝えることができないと思います。表層的であったり、単なる繰り返しの行為は、あらたな物と環境を生みません。

―東京という都市とデザインの関係性をどうお考えになられますか?

東京はいわば日本にいるクリエイターにとっての武器のようなもの。環境としての東京は良い意味で混沌としていて、さまざまなものが集約されています。それにどう装置をつけて、世界に投げかけられるかが重要になってきます。デザインが東京のみで生まれる必然性はありません。地方都市にいる表現者をローカルからグローバル化する作業はもちろん必要であり、単独で動く個々の強さや、それをまとめる作業をする人間も環境も大事です。これからそれらの真価が問われるのではないでしょうか。

―世界経済がいま、大きな変化のまっただ中にあります。世界不況になってもイケてるデザインとはどういったものだとお考えですか?

体験したことのないすさまじい不況や戦争が起きたら、デザインは今までとは違った意味でそぎ落とされて、本当に必要な部位だけが残る気がします。そして残るものは、本質と背景とを意識したデザインなのではないでしょうか。もしくは無くなる物がほとんどかもしれません。そういった上で残るものは、本質と背景とも意識したデザインなのではないでしょうか。

川崎健二(DESIGN ASSOCIATION)

松澤剛(株式会社 E&Y 代表)

昨年までとは運営メンバーやコンセプト、内容などを心機一転し、新たなステージに立った今年のDESIGN TIDE TOKYO。9人いるディレクターの一人である、株式会社E&Y 代表の松澤剛氏に今年の感想やこれからの方向性を伺った。

Luke Hayes photography

Luke Hayes photography

photo: Hiroyuki Matsubara

Luke Hayes photography

松澤剛(株式会社E&Y 代表)神奈川県出身。立体造形作家として活動した後、MODERNICA(株式会社マシンエイジ)を経て、1999年E&Y入社。2007年に同社代表取締役に就任。 DESIGN TIDE TOKYOのディレクターもつとめる。

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6 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 7TOKYO DESIGN FLOW paper N5

 今年のDESIGNTIDEは去年とはまた違った雰囲気でした。というのも去年まではすごく現場感が強くて、そこが面白いところでもあったんですが、その分アラも目についていました。対照的に今年はものすごく計画的に作りこまれていたので、クオリティやまとまり感があったように思えます。メインサイトのパワーは上がったように感じました。会期中のミッドタウンでは他のイベントもやっていたのでDESIGNTIDE目当てではない人も少なからずいて、結果的にはお客さんの生の声が多く聞けたことがうれしかったですね。 ただ賑わいがあったことはとても良かったのですが、展示を見るための適切な距離感が取れなくなっていたような気もしました。出展者としてはブース全体の雰囲気と作品一つ一つの雰囲気で個人の世界観をわかりやすく表現したいという思いがあります。少し離れて見る事で感じられる雰囲気というのがとても重要だと思っています。もう少し空気が入るとさらによかったのかもしれませんね。 今年僕が出展したのは「blur collection:曖昧な輪郭」といって、「blur」は「ぼやけた」という意味なんですが、モノがもつ機能と機能との境界線の曖昧さを表現したもので新作を4つ展示しました。例えば、花瓶と水差し。花があるときは花瓶として存在し、でも花がなければ水差しとして機能するモノ。まな板とお皿も食材を切る機能と料理を盛りつける機能、それぞれ異なる機能だけど境界を曖昧にすることで一つになるというものです。 便利グッズのように思われてしまうかもしれませんが、このテーマは僕の最近の考え方の変化と関係していて、あまりモノを増やしたくないというか、最近あまりモノを買わないんです。食べ物みたいに残らないものは買いやすいんですが、捨てるもの、使わなくなっても残るものは買いにくい。「すでに手元にある道具を試行錯誤しながら上手につかって生活してゆくコトがなんだかいいぞ」という考え方が今回の作品に如実に反映されていると思っています。今回の展示では興味を持ってくれる人と、そうでない人にはっきり分かれたのですが、幸運なことに今4つとも

製品化が進んでいます。 最近思うことなのですが、僕を含めたデザイナーの傾向としてコンセプトが手法になってしまっているような気がしていました。デザインを面白く見せるためには、面白く説明できなくてはいけない、みたいに。人に納得してもらう為のコンセプトのような。そのために面白い考え方を無理矢理絞り出すというような本末転倒なことにもしばしばなってきます。その点今回は、モノに対してシンプルに、明確に向き合えたのかなと思うし、それがデザインのように思えます。 デザインはモノを作る手法ですが、最近はできるだけモノを作らずに質素に生活していきたいんです。

な生活をストイックに突き詰めていきたい。デザインとしても、今までは何か面白い素材を使って、デザインを面白くしたいと思ったこともありましたが、今は特別な素材は使わず質素なものを作っていきたいと思っています。僕のなかで、デザインの潮流が変わってきたのでしょう。イベントに関して言うと、来年はもっとメイン会場で貯めたパワーが街に広がり、伝播し、溢れる文化的な状況が生まれるとすばらしいなと願っています。

倉本仁EXHIBITER INTERVIEW

僕のなかでデザインの潮流は確実に変わってきたのでしょう。DESIGNTIDE TOKYO 2008メイン会場に「blur collection:曖昧な輪郭」を出展し、好評を博した倉本仁。今年、これまでのデザインイベントでも度々注目を集めてきたデザインチーム「f.a.t」を離れ、個人での活動を開始した。イベントの感想とともにデザイナーとしての思想の変化を聞いた。

Jin Kuramoto1976 年兵庫県淡路島生まれ。1999年金沢美術工芸大学工業デザイン学科卒業。2003 - 07年f.a.t のメンバーとしてデザイン活動を展開。2008年JIN KURAMOTO STUDIOを設立。IF Design賞、Good Design賞等、受賞多数。

Report

知の冒険はいま、都市に。

Adventure of wisdom is now in the city.

EVENT REPORTS from NEWSER

from MEMBER

存在するはずのないユートピアを求めて。。」AIPOTU NABRU ROF GNIKOOL「 13/01

デザインウィークの5日間は各会場に多くの人が訪れ、デザインに触れた。それぞれのデザインに向けられる目の視点は人それぞれ。それらは貴重な意見となります。デザインジャーナリストの声だけでなく、すべての人が自分の目で見たものを、自分なりに解釈し、ニュースを届ける。すべての人が「NEWSER」です。今回はデザインイベントの来場者の声をお届けします。

凄まじいスピードで変化しつづける都市、東京。その変化の波を伝えるTOKYO DESIGN FLOW。そして、その原宿を中心に変化を巻き起こす一つの渦、Last Thursday。僕たちが創ります。

No one can find the utopia, but now it might be found in the city.10/31 LOOKING FOR URBAN UTOPIA

Tokyo Designers Week, 100% design tokyo

DESIGNTIDE TOKYO

UNU

text: Akihiro Matsui (Media Surf Communications Inc.)

text: MAT.

10/31の夜、「サステナブル」「グリーン」「デザイン」といったテーマのもと、青山の国連大学に一夜限りの「都市のユートピア」を作り出した。

僕らの考える、「都市のユートピア」。それはつまり、遊ぶように学べる場所。利害関係を乗り越えて、誰もが集まれる場所。衆愚に向かうのではなく、議論がなされ人々の叡智が集結することにより、より良い世界へと向かうためのヒントを導きだす場所。

僕らはそういった状況を作り出したいと考え、国連大学を舞台に単なる打ち上げ花火としてのパーティでなく、「都市のユー

On the night of 31st of October, We created a situation of URBAN UTOPIA at United Nations University in Aoyama.

What we think the URBAN UTOPIA is;the place you can learn through playing.the place everyone can meet up without their own interests.the place helps people to discuss, not to make mobocracy but to make the world better with wisdom.

We wanted to create situation like above, so we provided contents. Not to make the night just one fabulous

トピア」に触れる場所として様 な々コンテンツを用意した。

国連大学の壁面には画像が投影され、光り輝く風船や植物によって幻想的な空間が作り出された。また、会場の奥に設置されたメインステージでは国連大学の学長によるプロジェクト紹介やスウェーデンデザイナー達が考える「サステナブルデザイン」、日本を舞台に活躍の幅を広げる建築家マークダイサム氏の「建築から見た東京」のトークセッションなどが行われ、同時に会場の前庭ではライブ演奏やパフォーマンスが行われた。今回のテーマに基づきフランスやフィンランドの長い歴史をもつメーカーの家具も展示された。トークセッションやライブパフォーマンスなど

party, but to make it to be the place to find hints for the future.

We provided many contents such as live shows, talk sessions by the rector of UNU on their new projects, Swedish designers on sustainable design, Mark Dytham on Architecture in Tokyo and so on... Discussion has kept going after sessions.

Utopia supposed to be the place that no one can find, but now we think it might be found in the city. It is already there...

の終了後も、その熱気は残り、会場の至る所で議論が行われた。

元 ト々マス・モアが提唱した「ユートピア」は管理された共産主義に理想を求め、決して存在しない場所を通して当時の体制を逆説的に批判したものであったのだろうけれども、僕らが行い、これからも探し続けるそれは、議論、いや討論や激論の先にある、より資本主義的な理想郷なのかもしれない。そして、それは決して存在していないものではなく、もうすでにそこにあるのかもしれない。この都市のなかに。

アンバランスなバランスの椅子 by エマニュエル・ムホーアクリルの座面の中で屈折したような椅子の脚が座ってみてくれと訴えるようで好奇心を掻き立てられます。

軸のない時計 by コシマタモツ文字盤が存在しない上に、時針の回転にともなって傾く時計。大体の時刻。時間が相対的であることをふと思い出してしまうような作品です。

二次元のような花器 by 鈴木元(E&Y CO.,LTD)E&Y CO.,LTDのブースは椅子の展示が多かったのですが、しゃんと佇んで目に留まったのが鈴木元の花器でした。冷たくて重たい質感で、角が鋭利、淡色でマット。なのに、温かい空気をそこに醸していました。実際の質量よりも薄く、平面に描かれた絵のように見えます。作品そのものとしては一番ぐっときたかな。

古き良き調理器具や食器を、現代の感覚で再デザイン by Arabeschi di Latte食は栄養補給の他にも、創作、コミュニケーションなど幸せのかほりでいっぱいです。そこにデザインを加えてモチベーションを刺激するのも気持ち良いですよね。

メイン会場で配られた不織布のバッグ by 森美穂子家に着くころには底が擦れてバッグとして機能しなくなりました。役目を終えたものが壊れる。普通のことで、ものを使って生きる私たちが忘れてはならない感慨をもたらす出来事なのですが、現代の強化されたものに囲まれる生活ではなかなか味わえない。こういう、人の気持ちや考えをデザインすることが今のデザイン業界に求められているのだと確信しております。

鍵の無いドア/stereotype by 山本和豊固定概念という鍵。ネタはばらしたくないですね(笑)「扉についているノブは、開けるためにあるモノ。だから、そこを引けば開くだろう」人は自然とそんな風な固定観念に縛られてしまっている。しかし、この作品は違う。それを逆手に取ってしまうのだ。パイプを引いてもドアが開かない。なぜだろう??そこには驚くべき答えがあった。「これは外せるんですよ~!」と、山本さんはドアパイプをとってしまった!!なんてことだ。ドアパイプが外れるなんて予想だにしない!しかもそのパイプを、ドアの蝶番(軸)があると思っていた側につけた。「こちらを開けてみてください」すっと、ほとんど力を入れずに簡単に開いてしまった。このドアは、人の先入観を利用して鍵を閉めることを狙ったものだ

金曜日、後から、夜、国連大学の現場に到着したとき、あの風船たちのお出迎えが、とても幻想的で、率直に感動し、ときめきました。あぁゆう、出会い頭のサプライズ的なインスタレーションは、なんか、ときめき心潤うので、すきです。黒崎さんたちのセッションは、例のバーベキュー隊でほぼ聞けませんでしたが、会場内部は、オーガナイズされきれてない感

MAT. Director トモジ Director 堀江大祐 Editorial Manager 清田直博 Prodution Manager

Plop by ふじもとまさひろ × 家具デザイン研究所 × スイコー株式会社水滴の落ちる瞬間を中空のスツールとテーブルの中に閉じ込めました。"Plop"とは、ぽちゃんと水の落ちる音。クッションの裏や床に照明を入れると、内側の突起がぼんやりと光ります。周りの穴の開け方によって色々な表情をもつ、今までにないスツール(テーブル)だと思います。

100%デザインの入場料が年々高くなってるこ

ともあってか、今年は行かなかったという意見を周りではけっこう聞きました。

今年のWeekは去年よりも商業展示会に近くなってしまってまとまりが無かった感がしました。

エッジに曲面をくわえたシェルフ。そよ風をイメージして名付けたとのことです。見た目だとわかりにくいですが、局面の仕上げがすばらしく、触り心地がとても気持ちいいです。

そうだ。大人であればあるほど、いや、頭が固くなればなるほど、このドアは開かなくなる。まず、「取っ手(ドアパイプ)がとれる」という発想がないだろう。この作品は、その思考回路を利用してドアに鍵を閉める。人は学習能力があるので、2回目はすぐに開けることができる。だが、初めてこのドアを見たときに開けられるかどうか?そこに、その人の頭の柔らかさを見て取れるのではないだろうか?

KENZO POWER by 原研哉グラフィック・デザイナー原研哉氏がデザインを手がけた、ファッションブランドKENZOの香水。一般に、"POWER"という単語は力強い男性的なイメージを連想させるが、今回は「繊細さ」と「力強さ」の両面を持つ言葉として表現されている。それは、谷崎潤一朗が『陰翳礼讃』の中で描いた日本人の闇中の美しさと、華麗で活力に満ちた西洋の美しさの融合ともいえる。バラでも、ジャスミンでも、フリージアでもない。しかし、何かを感じさせる香り。外面に表れる力強さと、日本的な感性によって見出される内面の精細さの、「内」と「外」の2つの美が折り重なったとき、そこには香水の真髄ともいうべき"可憐な花"の生命の香りが漂う

TIDEのセレクトショップ感がよかった。

デザインタイドには、デザイン学校の友人たちと行ったのですが、アイディアとエネルギーがよかったとおもいます。個人的な好みになっちゃいますが、完成されたものより、ちょっと実験段階的なものが好きなので、おもしろかったです。会場もこじんまりとしているのが、作り手の温度を感じられていいとおもいました。会場の不織布のパーテーションも暖かさややわらかさを演出していて、距離感が近まる感じがよいなとおもいました。

じが、あの場の自由でゆるい空気感をうみだし、その未完成な感じが人間的でよいなと思いました。あと、なんとなく吸い寄せられて来ちゃった人が、不可思議そうに、けど、興味を持っている様子もまた、なんともサプライズ・プレゼントを送っているような感じでよかったように思いました。

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6 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 7TOKYO DESIGN FLOW paper N5

 今年のDESIGNTIDEは去年とはまた違った雰囲気でした。というのも去年まではすごく現場感が強くて、そこが面白いところでもあったんですが、その分アラも目についていました。対照的に今年はものすごく計画的に作りこまれていたので、クオリティやまとまり感があったように思えます。メインサイトのパワーは上がったように感じました。会期中のミッドタウンでは他のイベントもやっていたのでDESIGNTIDE目当てではない人も少なからずいて、結果的にはお客さんの生の声が多く聞けたことがうれしかったですね。 ただ賑わいがあったことはとても良かったのですが、展示を見るための適切な距離感が取れなくなっていたような気もしました。出展者としてはブース全体の雰囲気と作品一つ一つの雰囲気で個人の世界観をわかりやすく表現したいという思いがあります。少し離れて見る事で感じられる雰囲気というのがとても重要だと思っています。もう少し空気が入るとさらによかったのかもしれませんね。 今年僕が出展したのは「blur collection:曖昧な輪郭」といって、「blur」は「ぼやけた」という意味なんですが、モノがもつ機能と機能との境界線の曖昧さを表現したもので新作を4つ展示しました。例えば、花瓶と水差し。花があるときは花瓶として存在し、でも花がなければ水差しとして機能するモノ。まな板とお皿も食材を切る機能と料理を盛りつける機能、それぞれ異なる機能だけど境界を曖昧にすることで一つになるというものです。 便利グッズのように思われてしまうかもしれませんが、このテーマは僕の最近の考え方の変化と関係していて、あまりモノを増やしたくないというか、最近あまりモノを買わないんです。食べ物みたいに残らないものは買いやすいんですが、捨てるもの、使わなくなっても残るものは買いにくい。「すでに手元にある道具を試行錯誤しながら上手につかって生活してゆくコトがなんだかいいぞ」という考え方が今回の作品に如実に反映されていると思っています。今回の展示では興味を持ってくれる人と、そうでない人にはっきり分かれたのですが、幸運なことに今4つとも

製品化が進んでいます。 最近思うことなのですが、僕を含めたデザイナーの傾向としてコンセプトが手法になってしまっているような気がしていました。デザインを面白く見せるためには、面白く説明できなくてはいけない、みたいに。人に納得してもらう為のコンセプトのような。そのために面白い考え方を無理矢理絞り出すというような本末転倒なことにもしばしばなってきます。その点今回は、モノに対してシンプルに、明確に向き合えたのかなと思うし、それがデザインのように思えます。 デザインはモノを作る手法ですが、最近はできるだけモノを作らずに質素に生活していきたいんです。

な生活をストイックに突き詰めていきたい。デザインとしても、今までは何か面白い素材を使って、デザインを面白くしたいと思ったこともありましたが、今は特別な素材は使わず質素なものを作っていきたいと思っています。僕のなかで、デザインの潮流が変わってきたのでしょう。イベントに関して言うと、来年はもっとメイン会場で貯めたパワーが街に広がり、伝播し、溢れる文化的な状況が生まれるとすばらしいなと願っています。

倉本仁EXHIBITER INTERVIEW

僕のなかでデザインの潮流は確実に変わってきたのでしょう。DESIGNTIDE TOKYO 2008メイン会場に「blur collection:曖昧な輪郭」を出展し、好評を博した倉本仁。今年、これまでのデザインイベントでも度々注目を集めてきたデザインチーム「f.a.t」を離れ、個人での活動を開始した。イベントの感想とともにデザイナーとしての思想の変化を聞いた。

Jin Kuramoto1976 年兵庫県淡路島生まれ。1999年金沢美術工芸大学工業デザイン学科卒業。2003 - 07年f.a.t のメンバーとしてデザイン活動を展開。2008年JIN KURAMOTO STUDIOを設立。IF Design賞、Good Design賞等、受賞多数。

Report

知の冒険はいま、都市に。

Adventure of wisdom is now in the city.

EVENT REPORTS from NEWSER

from MEMBER

存在するはずのないユートピアを求めて。。」AIPOTU NABRU ROF GNIKOOL「 13/01

デザインウィークの5日間は各会場に多くの人が訪れ、デザインに触れた。それぞれのデザインに向けられる目の視点は人それぞれ。それらは貴重な意見となります。デザインジャーナリストの声だけでなく、すべての人が自分の目で見たものを、自分なりに解釈し、ニュースを届ける。すべての人が「NEWSER」です。今回はデザインイベントの来場者の声をお届けします。

凄まじいスピードで変化しつづける都市、東京。その変化の波を伝えるTOKYO DESIGN FLOW。そして、その原宿を中心に変化を巻き起こす一つの渦、Last Thursday。僕たちが創ります。

No one can find the utopia, but now it might be found in the city.10/31 LOOKING FOR URBAN UTOPIA

Tokyo Designers Week, 100% design tokyo

DESIGNTIDE TOKYO

UNU

text: Akihiro Matsui (Media Surf Communications Inc.)

text: MAT.

10/31の夜、「サステナブル」「グリーン」「デザイン」といったテーマのもと、青山の国連大学に一夜限りの「都市のユートピア」を作り出した。

僕らの考える、「都市のユートピア」。それはつまり、遊ぶように学べる場所。利害関係を乗り越えて、誰もが集まれる場所。衆愚に向かうのではなく、議論がなされ人々の叡智が集結することにより、より良い世界へと向かうためのヒントを導きだす場所。

僕らはそういった状況を作り出したいと考え、国連大学を舞台に単なる打ち上げ花火としてのパーティでなく、「都市のユー

On the night of 31st of October, We created a situation of URBAN UTOPIA at United Nations University in Aoyama.

What we think the URBAN UTOPIA is;the place you can learn through playing.the place everyone can meet up without their own interests.the place helps people to discuss, not to make mobocracy but to make the world better with wisdom.

We wanted to create situation like above, so we provided contents. Not to make the night just one fabulous

トピア」に触れる場所として様 な々コンテンツを用意した。

国連大学の壁面には画像が投影され、光り輝く風船や植物によって幻想的な空間が作り出された。また、会場の奥に設置されたメインステージでは国連大学の学長によるプロジェクト紹介やスウェーデンデザイナー達が考える「サステナブルデザイン」、日本を舞台に活躍の幅を広げる建築家マークダイサム氏の「建築から見た東京」のトークセッションなどが行われ、同時に会場の前庭ではライブ演奏やパフォーマンスが行われた。今回のテーマに基づきフランスやフィンランドの長い歴史をもつメーカーの家具も展示された。トークセッションやライブパフォーマンスなど

party, but to make it to be the place to find hints for the future.

We provided many contents such as live shows, talk sessions by the rector of UNU on their new projects, Swedish designers on sustainable design, Mark Dytham on Architecture in Tokyo and so on... Discussion has kept going after sessions.

Utopia supposed to be the place that no one can find, but now we think it might be found in the city. It is already there...

の終了後も、その熱気は残り、会場の至る所で議論が行われた。

元 ト々マス・モアが提唱した「ユートピア」は管理された共産主義に理想を求め、決して存在しない場所を通して当時の体制を逆説的に批判したものであったのだろうけれども、僕らが行い、これからも探し続けるそれは、議論、いや討論や激論の先にある、より資本主義的な理想郷なのかもしれない。そして、それは決して存在していないものではなく、もうすでにそこにあるのかもしれない。この都市のなかに。

アンバランスなバランスの椅子 by エマニュエル・ムホーアクリルの座面の中で屈折したような椅子の脚が座ってみてくれと訴えるようで好奇心を掻き立てられます。

軸のない時計 by コシマタモツ文字盤が存在しない上に、時針の回転にともなって傾く時計。大体の時刻。時間が相対的であることをふと思い出してしまうような作品です。

二次元のような花器 by 鈴木元(E&Y CO.,LTD)E&Y CO.,LTDのブースは椅子の展示が多かったのですが、しゃんと佇んで目に留まったのが鈴木元の花器でした。冷たくて重たい質感で、角が鋭利、淡色でマット。なのに、温かい空気をそこに醸していました。実際の質量よりも薄く、平面に描かれた絵のように見えます。作品そのものとしては一番ぐっときたかな。

古き良き調理器具や食器を、現代の感覚で再デザイン by Arabeschi di Latte食は栄養補給の他にも、創作、コミュニケーションなど幸せのかほりでいっぱいです。そこにデザインを加えてモチベーションを刺激するのも気持ち良いですよね。

メイン会場で配られた不織布のバッグ by 森美穂子家に着くころには底が擦れてバッグとして機能しなくなりました。役目を終えたものが壊れる。普通のことで、ものを使って生きる私たちが忘れてはならない感慨をもたらす出来事なのですが、現代の強化されたものに囲まれる生活ではなかなか味わえない。こういう、人の気持ちや考えをデザインすることが今のデザイン業界に求められているのだと確信しております。

鍵の無いドア/stereotype by 山本和豊固定概念という鍵。ネタはばらしたくないですね(笑)「扉についているノブは、開けるためにあるモノ。だから、そこを引けば開くだろう」人は自然とそんな風な固定観念に縛られてしまっている。しかし、この作品は違う。それを逆手に取ってしまうのだ。パイプを引いてもドアが開かない。なぜだろう??そこには驚くべき答えがあった。「これは外せるんですよ~!」と、山本さんはドアパイプをとってしまった!!なんてことだ。ドアパイプが外れるなんて予想だにしない!しかもそのパイプを、ドアの蝶番(軸)があると思っていた側につけた。「こちらを開けてみてください」すっと、ほとんど力を入れずに簡単に開いてしまった。このドアは、人の先入観を利用して鍵を閉めることを狙ったものだ

金曜日、後から、夜、国連大学の現場に到着したとき、あの風船たちのお出迎えが、とても幻想的で、率直に感動し、ときめきました。あぁゆう、出会い頭のサプライズ的なインスタレーションは、なんか、ときめき心潤うので、すきです。黒崎さんたちのセッションは、例のバーベキュー隊でほぼ聞けませんでしたが、会場内部は、オーガナイズされきれてない感

MAT. Director トモジ Director 堀江大祐 Editorial Manager 清田直博 Prodution Manager

Plop by ふじもとまさひろ × 家具デザイン研究所 × スイコー株式会社水滴の落ちる瞬間を中空のスツールとテーブルの中に閉じ込めました。"Plop"とは、ぽちゃんと水の落ちる音。クッションの裏や床に照明を入れると、内側の突起がぼんやりと光ります。周りの穴の開け方によって色々な表情をもつ、今までにないスツール(テーブル)だと思います。

100%デザインの入場料が年々高くなってるこ

ともあってか、今年は行かなかったという意見を周りではけっこう聞きました。

今年のWeekは去年よりも商業展示会に近くなってしまってまとまりが無かった感がしました。

エッジに曲面をくわえたシェルフ。そよ風をイメージして名付けたとのことです。見た目だとわかりにくいですが、局面の仕上げがすばらしく、触り心地がとても気持ちいいです。

そうだ。大人であればあるほど、いや、頭が固くなればなるほど、このドアは開かなくなる。まず、「取っ手(ドアパイプ)がとれる」という発想がないだろう。この作品は、その思考回路を利用してドアに鍵を閉める。人は学習能力があるので、2回目はすぐに開けることができる。だが、初めてこのドアを見たときに開けられるかどうか?そこに、その人の頭の柔らかさを見て取れるのではないだろうか?

KENZO POWER by 原研哉グラフィック・デザイナー原研哉氏がデザインを手がけた、ファッションブランドKENZOの香水。一般に、"POWER"という単語は力強い男性的なイメージを連想させるが、今回は「繊細さ」と「力強さ」の両面を持つ言葉として表現されている。それは、谷崎潤一朗が『陰翳礼讃』の中で描いた日本人の闇中の美しさと、華麗で活力に満ちた西洋の美しさの融合ともいえる。バラでも、ジャスミンでも、フリージアでもない。しかし、何かを感じさせる香り。外面に表れる力強さと、日本的な感性によって見出される内面の精細さの、「内」と「外」の2つの美が折り重なったとき、そこには香水の真髄ともいうべき"可憐な花"の生命の香りが漂う

TIDEのセレクトショップ感がよかった。

デザインタイドには、デザイン学校の友人たちと行ったのですが、アイディアとエネルギーがよかったとおもいます。個人的な好みになっちゃいますが、完成されたものより、ちょっと実験段階的なものが好きなので、おもしろかったです。会場もこじんまりとしているのが、作り手の温度を感じられていいとおもいました。会場の不織布のパーテーションも暖かさややわらかさを演出していて、距離感が近まる感じがよいなとおもいました。

じが、あの場の自由でゆるい空気感をうみだし、その未完成な感じが人間的でよいなと思いました。あと、なんとなく吸い寄せられて来ちゃった人が、不可思議そうに、けど、興味を持っている様子もまた、なんともサプライズ・プレゼントを送っているような感じでよかったように思いました。

Page 8: TOKYO DEISGN FLOW paper N5

8 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 9TOKYO DESIGN FLOW paper N5

「表参道」と言われると、なぜか銀杏並木を思い出す。よく考えればあの並木道の最寄駅は外苑前だから、きっと表参道とはみんな呼ばない。でも、表参道から歩いたあの日があるから、わたしにとってそこはもう「表参道」なのだ。そのくらい、地名というのはあやふやで、融通が利くものだと思う。だって実は六本木と乃木坂は目と鼻の先だし、原宿と明治神宮前なんてほぼ同じ駅。けれどもわたしたちはミッドタウンを六本木と呼び、代々木体育館は人によって原宿だっ

たり明治神宮前だったりする。でもどれもウソではない。 ウェブサイトに掲載されている「地図」というのは大抵がリアルからはほど遠い代物で、それは北が上にしろ下にしろ、わたしたちは誰かの主観によってデフォルメされた何かを見せられている。もちろん、GoogleMapだってそう。それは便利とはまた別の次元の話。ロケーションというのは概念的で曖昧だけれど、でも絶対に、最もその人にとってリアルであるべきものなのだ。 わたしたちはいま、誰にとっても「リアル」で在り続けられるウェブ上の地図を作ろうとしている。たとえば、ジョガーにとってのリアルな表参道は走りやすい道だろうし、スカウトマンにとっては可愛い若い子の集まる通りなのだろう。さらにもしかしたら、ネズミにとっては誰も気付かないところに走る下水道なのかもしれ

ない。 街からコトへ、モノへ、そしてヒトへ。あなたとわたしが見ている街はきっと違う。でも両方ともがホンモノで正しい。それは「地図」というすぐには変えられない道、建物、駅によって裏付けられる物語だから。 表参道のリアルを一望する、インタラクティブな地図作成プロジェクト。地図は必ずしも在るものではなく、ときに人が自由に生み出すものだろう。街のイマの体温を感じられる絵画、それがわたしたちの描きたい「地図」である。

文:ocojo

Message from TOKYO DESIGN FLOW WEB TEAMSituationist

Newser, Writer, Executive Contributer, Editor.

Web Creator

都市に状況を作ることに興味が在る人,現代の革命家を捜しています。政治や経済よりもスポーツや文化で社会に新しい状況を作ろう。

携帯電話一つで社会を斬る新しいニュース記者を求めています。ウェブ上に投稿するNewser、読者の評価で印刷媒体(Tokyo design Flow等)のWriterへ、そして文章の力で人々を動かす事のできるExecutive Contributor、そしてメディアサーフの新しい情報事業の編集を進めるEditor を募集しています。詳しくは[email protected]へお問い合わせください。

トウキョウのデザインの流れを伝えるメディアとしての機能を果たすTOKYO DESIGN FLOWのウェブサイトを一緒に作り上げてくる方を募集しています。アイディアとセンスで既成概念を越えていく「WEB CREATOR」をお待ちしています。

We are Looking For…

表参道の測量

10/30DESIGNTIDE TOKYO

TOKYODESIGNERSWEEK

100% Design Tokyo

10/31 11/1 11/2 11/3Jaime Hayon -Life with Smile- ハイメアジョン氏来日@ 伊勢丹新宿店

19:00-21:00DESIGNTIDE TOKYO 2008 OPENING PARTY@ 東京ミッドタウンホール 20:00-22:00elegance for future@ ザ・リッツカールトン東京

19:00-21:00Generate Presents : Limited Editions by Design's Rising Stars@ ヴット ベルリン

11:00-11:45100% From Zero/Presentationテコデザイン 柴田映司福嶋賢二山口光

14:30-15:30kanada karada

16:00-17:00環境問題をデザインから考える partⅡ町田ひろ子アカデミー 町田ひろ子環境省 地球環境局 チーム・マイナス6% 林 俊宏

18:00-21:00+d EXHIBITIO0N 2008@ LIGHT BOX STUDIO AOYAMA

18:00-20:00WE ALL LIVE IN THEORY / "co existence"@ セオリー青山本店

18:30-21:00Not UK. But UK.@ ロイズ・アンティークス青山

19:00-WISM 2008 -Halloween Friday-@ 恵比寿ザ・ガーデンホール

19:00-21:00unexpected harmony (PARTY) @ CIBONE AOYAMA

19:00-23:005th ANNIVERSARY PARTY @ CLASKA

19:30-21:30-Roppongi Kimono Night in DesignTide- @ awai

20:00-21:30MUJI @ MUJI 東京ミッドタウン

11:00-11:30100% Professional/Presentation大西香次郎 によるプレゼンテーション

11:00-13:00ZERO EXHIBITION/PresentationZ-20 tickle 有村勇 Z-31 吉岡海士郎 Z-25 松原美恵 Z-16 STORE MUU 浅倉昌宏Z-09 Oyadica 青山美波 Z-01 葵花織 Z-37 金澤匠平+中村友美 Z-45 向出めるもZ-29 村上江里子

15:00-16:00デザインとアートサイトウマコト×喜多俊之

16:00-17:30駐日欧州委員会 表彰式

16:30-17:30「家具を作る会社」 株式会社マルニ木工 開発部 部長 河村謙一 によるプレゼンテーション

19:00-21:00Designers Party

15:00-19:00TOKOLO meets INFRAME 「建築と連結 ~繋がること、組み立てていくこと~」@Life Creation space OVE

17:00-WISM 2008 -Organic Saturday-@恵比寿ザ・ガーデンホール

18:00-22:00the MOTHER of DESIGN Reception Party@丸の内ハウス

19:00-22:00Ping Pong Project@MiLK CAF_

21:00-23:005th Anniversary

14:00-16:30「デザインと匠の技」世界デザイン編集長会議パネリストMarcus FairsAnnina KoivuChantal Clavier Hameaide喜多俊之

17:30-19:30100% Award Ceremony & Party

nothing

12:00-13:00感性 -Japan Design Exhibision-METTI 高木JETRO 稲葉チームラボ株式会社 猪子JTQ谷川日経デザイン下川デザインアソシエーション

13:00-15:00Chairs&lights

15:00-16:30マイケル・ヤング×カルタ・ヒーリー

17:00-19:00STUDENT EXHIBITION Review

19:00-20:00TOKYO DESIGN PREMIO

19:00-THOUSAND LEAVES @ OFFICE

13:00-14:00HEIGO

Company Presentation10:30-11:00 TOTO株式会社11:30-12:00 株式会社エイブル14:00-14:30 日産自動車株式会社15:00-15:30 株式会社モリモト16:00-16:30 富士通株式会社17:00-17:30 富士電機システムズ株式会社

Container Presentation11:00-11:30 多摩美術大学12:00-12:30 家具研究所15:00-16:00 浅葉克己×日蓮宗

TOKYO DESIGN FLOW

20:00-5:00Last Thursday

22:00-23:30Night Pedal Cruising

18:00-23:00URBAN UTOPIA @ UNU

12:00-17:00

@GYRE

12:00-17:00

@GYRE

nothing

Page 9: TOKYO DEISGN FLOW paper N5

8 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 9TOKYO DESIGN FLOW paper N5

「表参道」と言われると、なぜか銀杏並木を思い出す。よく考えればあの並木道の最寄駅は外苑前だから、きっと表参道とはみんな呼ばない。でも、表参道から歩いたあの日があるから、わたしにとってそこはもう「表参道」なのだ。そのくらい、地名というのはあやふやで、融通が利くものだと思う。だって実は六本木と乃木坂は目と鼻の先だし、原宿と明治神宮前なんてほぼ同じ駅。けれどもわたしたちはミッドタウンを六本木と呼び、代々木体育館は人によって原宿だっ

たり明治神宮前だったりする。でもどれもウソではない。 ウェブサイトに掲載されている「地図」というのは大抵がリアルからはほど遠い代物で、それは北が上にしろ下にしろ、わたしたちは誰かの主観によってデフォルメされた何かを見せられている。もちろん、GoogleMapだってそう。それは便利とはまた別の次元の話。ロケーションというのは概念的で曖昧だけれど、でも絶対に、最もその人にとってリアルであるべきものなのだ。 わたしたちはいま、誰にとっても「リアル」で在り続けられるウェブ上の地図を作ろうとしている。たとえば、ジョガーにとってのリアルな表参道は走りやすい道だろうし、スカウトマンにとっては可愛い若い子の集まる通りなのだろう。さらにもしかしたら、ネズミにとっては誰も気付かないところに走る下水道なのかもしれ

ない。 街からコトへ、モノへ、そしてヒトへ。あなたとわたしが見ている街はきっと違う。でも両方ともがホンモノで正しい。それは「地図」というすぐには変えられない道、建物、駅によって裏付けられる物語だから。 表参道のリアルを一望する、インタラクティブな地図作成プロジェクト。地図は必ずしも在るものではなく、ときに人が自由に生み出すものだろう。街のイマの体温を感じられる絵画、それがわたしたちの描きたい「地図」である。

文:ocojo

Message from TOKYO DESIGN FLOW WEB TEAMSituationist

Newser, Writer, Executive Contributer, Editor.

Web Creator

都市に状況を作ることに興味が在る人,現代の革命家を捜しています。政治や経済よりもスポーツや文化で社会に新しい状況を作ろう。

携帯電話一つで社会を斬る新しいニュース記者を求めています。ウェブ上に投稿するNewser、読者の評価で印刷媒体(Tokyo design Flow等)のWriterへ、そして文章の力で人々を動かす事のできるExecutive Contributor、そしてメディアサーフの新しい情報事業の編集を進めるEditor を募集しています。詳しくは[email protected]へお問い合わせください。

トウキョウのデザインの流れを伝えるメディアとしての機能を果たすTOKYO DESIGN FLOWのウェブサイトを一緒に作り上げてくる方を募集しています。アイディアとセンスで既成概念を越えていく「WEB CREATOR」をお待ちしています。

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表参道の測量

10/30DESIGNTIDE TOKYO

TOKYODESIGNERSWEEK

100% Design Tokyo

10/31 11/1 11/2 11/3Jaime Hayon -Life with Smile- ハイメアジョン氏来日@ 伊勢丹新宿店

19:00-21:00DESIGNTIDE TOKYO 2008 OPENING PARTY@ 東京ミッドタウンホール 20:00-22:00elegance for future@ ザ・リッツカールトン東京

19:00-21:00Generate Presents : Limited Editions by Design's Rising Stars@ ヴット ベルリン

11:00-11:45100% From Zero/Presentationテコデザイン 柴田映司福嶋賢二山口光

14:30-15:30kanada karada

16:00-17:00環境問題をデザインから考える partⅡ町田ひろ子アカデミー 町田ひろ子環境省 地球環境局 チーム・マイナス6% 林 俊宏

18:00-21:00+d EXHIBITIO0N 2008@ LIGHT BOX STUDIO AOYAMA

18:00-20:00WE ALL LIVE IN THEORY / "co existence"@ セオリー青山本店

18:30-21:00Not UK. But UK.@ ロイズ・アンティークス青山

19:00-WISM 2008 -Halloween Friday-@ 恵比寿ザ・ガーデンホール

19:00-21:00unexpected harmony (PARTY) @ CIBONE AOYAMA

19:00-23:005th ANNIVERSARY PARTY @ CLASKA

19:30-21:30-Roppongi Kimono Night in DesignTide- @ awai

20:00-21:30MUJI @ MUJI 東京ミッドタウン

11:00-11:30100% Professional/Presentation大西香次郎 によるプレゼンテーション

11:00-13:00ZERO EXHIBITION/PresentationZ-20 tickle 有村勇 Z-31 吉岡海士郎 Z-25 松原美恵 Z-16 STORE MUU 浅倉昌宏Z-09 Oyadica 青山美波 Z-01 葵花織 Z-37 金澤匠平+中村友美 Z-45 向出めるもZ-29 村上江里子

15:00-16:00デザインとアートサイトウマコト×喜多俊之

16:00-17:30駐日欧州委員会 表彰式

16:30-17:30「家具を作る会社」 株式会社マルニ木工 開発部 部長 河村謙一 によるプレゼンテーション

19:00-21:00Designers Party

15:00-19:00TOKOLO meets INFRAME 「建築と連結 ~繋がること、組み立てていくこと~」@Life Creation space OVE

17:00-WISM 2008 -Organic Saturday-@恵比寿ザ・ガーデンホール

18:00-22:00the MOTHER of DESIGN Reception Party@丸の内ハウス

19:00-22:00Ping Pong Project@MiLK CAF_

21:00-23:005th Anniversary

14:00-16:30「デザインと匠の技」世界デザイン編集長会議パネリストMarcus FairsAnnina KoivuChantal Clavier Hameaide喜多俊之

17:30-19:30100% Award Ceremony & Party

nothing

12:00-13:00感性 -Japan Design Exhibision-METTI 高木JETRO 稲葉チームラボ株式会社 猪子JTQ谷川日経デザイン下川デザインアソシエーション

13:00-15:00Chairs&lights

15:00-16:30マイケル・ヤング×カルタ・ヒーリー

17:00-19:00STUDENT EXHIBITION Review

19:00-20:00TOKYO DESIGN PREMIO

19:00-THOUSAND LEAVES @ OFFICE

13:00-14:00HEIGO

Company Presentation10:30-11:00 TOTO株式会社11:30-12:00 株式会社エイブル14:00-14:30 日産自動車株式会社15:00-15:30 株式会社モリモト16:00-16:30 富士通株式会社17:00-17:30 富士電機システムズ株式会社

Container Presentation11:00-11:30 多摩美術大学12:00-12:30 家具研究所15:00-16:00 浅葉克己×日蓮宗

TOKYO DESIGN FLOW

20:00-5:00Last Thursday

22:00-23:30Night Pedal Cruising

18:00-23:00URBAN UTOPIA @ UNU

12:00-17:00

@GYRE

12:00-17:00

@GYRE

nothing

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10 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 11TOKYO DESIGN FLOW paper N5

未来は渦の中に

冒険都市、原宿 Night Pedal Cruising 自転車の流れは未来へ繋がっている

Drag Queen

Hoop Tokyo@OMOTESANDO st.

ドラッグクイーン参上!

いつもより多めに廻しています。

YOKONORI&ROCKの精神でフルーツの魅力を伝えていく。

http://www.eco-land.jp/

Farmer's Market@GYRE REPORT

30 OCT.2008 REPORT

ORGANISER

PARTNER (出店者)

text: 田中佑資(TOKYO DESIGN FLOW)

text: 成瀬大輔

Peace Night in Smoke>>> 12.25 2008We need ladies and gentlemen. 平和は煙の中にある。12.25(Thu) 20:00 OPEN @ SMOKE Live and DJs, Special Drink and Food (Smoke BBQ)

きながらも中心を持ち、ヒトやモノを惹き付け、エネルギーを生み出す運動体。渦。

ことができました。 クリエイター(農家)の想いが詰まった有機野菜に旬の果物、さらには人の背たけほどもある盆栽や切り花、ブーケまでが並び、それをアーティストの音楽が彩る。自然の恵み踊る、楽しげな空間。来ていただ

10月30日ハロウィンで盛り上がる表参道の夜、GYREビル前はNight Pedal Cruisingの噂を聞きつけ総勢100名を超えるペダリストが集結、一ヶ月ぶりの再会を祝うフラフープ&ファイヤーダンスは文字通りその熱気の火に油を注ぎ、現場は一時騒然となった。その騒ぎに集まったオーディエンスに見送られスタート。表参道を凱旋周回し、恵比寿方面へ明治通りを上る自転車の一群。排気ガスをまき散らし化石燃料を大量消費しながら、年間何万人もの交通事故死者の屍の上に発展していく自動車産業。自動車に占拠されてしまった道路へヒューマニティーを取り戻すため、サンフランシスコで1992年から始まったとされるクリティカルマス(大集団によるグループライド)は1997年に7000台を超えるサイクリストを集め、その最高潮を迎えた。僕らもその夜、規模は違えどマスな気分の一端を味わったような気がする。代々木公園にゴールした後は、皆さん思い思いの自転車談義。なにより事故も無く、無事にライドを終える事ができスタッフ一同は胸を撫で下ろす。この月に一度の自転車の流れが勢いを増し、今後の社会の流れを変えていけることを祈る。賞品協力:株式会社やまと

*本イベントはあらゆる自転車の参加を歓迎しますが、交通法規を守り安全にグループライドを行う事を最優先します。ノンブレーキ自転車を推奨するものではありません。

Fire Performance by aira

DJs & Lives

蘇る炎の記憶火は太古より人類とともにあった。火のぬくもりに、火の揺らめきに、中空を舞う炎に、太古の記憶が蘇る。

Last Thursdayにドラッグクイーンが登場。縛られるものが多い都市の中で、誰もが自分らしくいられるのがUrban Utopia。

いつものバーやカフェが、この日はクラブに、ライブ会場に。お酒と音楽で、みんな友達。

フープ集団 Hoop Tokyo が表参道で遊ぶ。特別なステージはない。彼女たちが立つところが、ステージになる。

今回、イベントの開催に当たって、中古食器のリユース提供をさせていただきました。

「そんなに、いらない。Less is beautiful.」をコンセプトにエコなライフスタイルのご提案やリサイクルを通して、お客様の暮らしをスマートにし、地球環境をサステナブルにするサービスです。

1.エコ回収(お片づけ/回収・買取)エコ回収ではお客様一人一人のライフスタイルに合わせた整理収納のお手伝いと、いらなくなったモノの回収・買取を致します。

2.Re-use

不用になってしまった品物でも100円から出品することでちょうどこれが欲しかった!という人に届けることができる独自のシステムです。エコオクで落札されなかった品物はリサイクルショップに運びメンテナンスやクリーニングの工程を経て店頭にて販売されます。

3.Re-cycle またエコオク、リサイクルショップでもRe-useの難しいモノについては、ゼロエミッションセンター(ZEC)にて徹底的に解体・分別・加工しRe-cycleをしております。

4.Re-arise

エコランドとは

サービス概要

今年の7月からTOKYO DESIGN FLOWにも参加している南青山にあるChambres

楽・アートのイベント VIVA LA FRUITSを開催、そして今回、そのご縁もあって、

した。祖父・父・自分と受け継がれたフルーツ店をいかに楽しく継続するかをモットーに、自分が影響を受けたサーフィン・スノーボード・音楽の感覚をフルーツと融合させ、新感覚のフルーツ店を目指しています。目で色を、口で味覚を感じ、自分で見て食べて納得いくものを提供していきたいと思っています。今回のイベントに参加し、フルーツを通じて色々なお客様とコミュニケーショ

いたお客様には、少しでもそれを味わっていただけたのではないかと思います。見た目は何の変哲もないニンジン。食べてみる。今まで食べたことないくらい美味しい。植物の大胆さ、花のキレイさにみとれる。なんだか救われたような気持ちになる。見たことのない野菜を知る。ひとつの果物でも産地によって色々な種類があることを知る。と同時に、世界が広がる。農家の人のまっすぐな想いに触れる。心が温まる。これが安心。

は、日常の中の、こういう豊かさです。いまの都市生活に、ちょっとした物足りなさや後ろめたさ、ありませんか。それはどこから来るんでしょうか。TOKYO DESIGN FLOW

人、都市と自然をつなぎなおし、新しいライ

フスタイルを探っていきたいと思います。一つ渦ができれば、それを二つ三つと増やしていけます。渦が集まれば、都市の流れを変えられるでしょう。まだ見えない、明るい未来の都市生活。答えはきっと、渦の中に。

次回および次々回概要:日時: 11月29日、30日 11時から17時12月20日、21日 11時から17時場所: GYRE B1F詳細: http://www.tokyodesignflow.com/event/fm.html

ンがとれ、改めて対面販売の楽しさと大切さを再認識し、新たなフルーツの可能性を

しいと言ってくれる時が最高の幸せです。創業百年を目指し、常にYOKONORI & ROCKの精神でフルーツの美味しさと美しさを伝えていきたいです。

1970年東京都生まれ。西武新宿線都立家政駅前のフタバ・フルーツ三代目。サーフインやスノーボードを通じて自然や仲間の大切さを学ぶ。自然の恵みであるフルーツをさまざまな角度からアピールし、フルーツ本来の可愛らしさや美味しさを伝えていくべく活動中。道すがら仲間が集まり、クリエイティブチームMEOWを発足。ものづくりからイベント企画まで、想いのままに動き回る。meow-mm.com

Kensho Onuki Interview

前号に引き続きロックDJ大貫憲章氏のインタビューを掲載!text:三枝弦太郎

原宿での思い出はありますか? セントラルアパートに編集関係やカメラマンの事務所があったので、1階の喫茶店レオンで待ち合わせをしたり、そこで色々な人に取材をしてました。その頃の原宿はまだ大人がいる場所で、文化人、編集者、デザイナー、そういう人が沢山いて、その中にいることで自分が少し偉くなったような気になったりもして。その後だと、パンクの頃に極楽鳥ていう輸入雑貨のお店ができて、そこの人と仲良くなってよく遊びにいってましたね。あと古着屋の赤富士で初めてピストルズのシングルを買ったりとか、

色 な々思い出があります。

今興味があることは? ラジオを面白くしたいですね。何時も同じ曲ばかりではなく、来週はどんな音楽がかかるか分からない、そんな番組をやりたいです。何千と番組がある中でそういう番組があっても良いと思うので。あと、僕は音楽難民と呼んでるんですけど、何を聞いて良いか分からない人が非常に多い。そういう人達に向けても、みんなが本当に聞きたい曲、良い曲を聞かせてあげたいですね。

profile大貫憲章51年東京生まれ。立教大卒。音楽評論家、DJ、イベントプロデューサー。71年大学在学時から音楽評論家としてキャリアをスタート、当時無名のQUEENを日本にいち早く紹介したり、SEX PISTOLS,THE CLASHなどのロンドン・パンクを現地取材するなど、時代の節目節目でのキーを握る。雑誌「an an」でのエディターなどを経てNHK FM「若いこだま」でラジオDJ活動も開始。79年、日本初のUK専門チャート番組となるラジオ日本「全英TOP20」を、さらに同局の「サウンドプロセッサー」、JFN「ロックディメンション」、TVK「ミュートマ・ワールド」などを経て現在JFN12局OA中「ロンナイ」で選曲、構成、パーソナリティーの三役をこなす。主な専門分野は60~90年代のイギリスのロック。www.kenrocks.net

Jim Avignon a.k.a. Neoanginは、イラストや音楽を手掛けるドイツのポップアーティストで、ニューヨークとベルリンを拠点に活動しています。スピードイラストと異色のパフォーマンスでよく知られ、「ひとつの作品を1000ドルで売るより、多くの作品を1ドルで売りたい」と、アート

マンスを演じて見せました。かつてベルリンの壁だったイーストサイドギャラリーにも彼のイラストが描かれており、世界各地で作品を発表してきました。また、ワンマンバンドNeoanginとしてCDも何枚か出していて、ショータイムでは歌をうたったり、ライブペインティングも行なったりしています。今年はワールドツアーを行い、サンパウロではアートスペースで作品を展示し、モスクワやフランスではアートフェスティバルの企画・運営、ニューヨーク、ルツェルン、ムルハウス、ベルリンでも各種パフォーマンスを演じました。そしてついに11月末には東京を訪れ、日本のファンの前でライブペインティングとミュージックパフォーマンスを見せてくれることになりました。

LAST THURSDAY LIVE PAINTING PERFORMANCETOKYO DESIGN FLOW and Cabaret proudly present Jim AvignonSMOKE Omotesando, Nov. 27th and at Farmer's Market, Nov. 30thYou are invited to join in for an evening of music and live painting performances by the Berlin based pop-artist icon Jim Avignon, at his first time in Tokyo!

www.jimavignon.com

TOKYO DESIGN FLOW & CabaretプレセンツジムアヴィニョンベルリンのPOPアーティストアイコン、ジムアヴィニョン遂に東京、初上陸!TOKYO DESIGN FLOW LAST THURSDAY@Smoke11月27日とFarmer's Market@ キャットストリート・表参道11月30日! ジムアヴィニョンのLIVEコンザート&ペインティングパフォーマンスやります。Check it out!!! 11月29,30日のFarmer's Marketでもパフォーマンスします。

シリーズ5回目を迎えた「Last Thursday」。今回のテーマは「Looking for Urban Utopia ~都市のユートピアを探して~」。ユートピアは冒険の中にこそ出現する。都市に潜む冒険を炙り出し、都市の風景を変貌させる試みに、異彩を放つ面々が集結した。彼らは、都市の冒険者。原宿に異空間が出現した。

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.) 萱原正嗣(カヤハラマサツグ)

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10 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 11TOKYO DESIGN FLOW paper N5

未来は渦の中に

冒険都市、原宿 Night Pedal Cruising 自転車の流れは未来へ繋がっている

Drag Queen

Hoop Tokyo@OMOTESANDO st.

ドラッグクイーン参上!

いつもより多めに廻しています。

YOKONORI&ROCKの精神でフルーツの魅力を伝えていく。

http://www.eco-land.jp/

Farmer's Market@GYRE REPORT

30 OCT.2008 REPORT

ORGANISER

PARTNER (出店者)

text: 田中佑資(TOKYO DESIGN FLOW)

text: 成瀬大輔

Peace Night in Smoke>>> 12.25 2008We need ladies and gentlemen. 平和は煙の中にある。12.25(Thu) 20:00 OPEN @ SMOKE Live and DJs, Special Drink and Food (Smoke BBQ)

きながらも中心を持ち、ヒトやモノを惹き付け、エネルギーを生み出す運動体。渦。

ことができました。 クリエイター(農家)の想いが詰まった有機野菜に旬の果物、さらには人の背たけほどもある盆栽や切り花、ブーケまでが並び、それをアーティストの音楽が彩る。自然の恵み踊る、楽しげな空間。来ていただ

10月30日ハロウィンで盛り上がる表参道の夜、GYREビル前はNight Pedal Cruisingの噂を聞きつけ総勢100名を超えるペダリストが集結、一ヶ月ぶりの再会を祝うフラフープ&ファイヤーダンスは文字通りその熱気の火に油を注ぎ、現場は一時騒然となった。その騒ぎに集まったオーディエンスに見送られスタート。表参道を凱旋周回し、恵比寿方面へ明治通りを上る自転車の一群。排気ガスをまき散らし化石燃料を大量消費しながら、年間何万人もの交通事故死者の屍の上に発展していく自動車産業。自動車に占拠されてしまった道路へヒューマニティーを取り戻すため、サンフランシスコで1992年から始まったとされるクリティカルマス(大集団によるグループライド)は1997年に7000台を超えるサイクリストを集め、その最高潮を迎えた。僕らもその夜、規模は違えどマスな気分の一端を味わったような気がする。代々木公園にゴールした後は、皆さん思い思いの自転車談義。なにより事故も無く、無事にライドを終える事ができスタッフ一同は胸を撫で下ろす。この月に一度の自転車の流れが勢いを増し、今後の社会の流れを変えていけることを祈る。賞品協力:株式会社やまと

*本イベントはあらゆる自転車の参加を歓迎しますが、交通法規を守り安全にグループライドを行う事を最優先します。ノンブレーキ自転車を推奨するものではありません。

Fire Performance by aira

DJs & Lives

蘇る炎の記憶火は太古より人類とともにあった。火のぬくもりに、火の揺らめきに、中空を舞う炎に、太古の記憶が蘇る。

Last Thursdayにドラッグクイーンが登場。縛られるものが多い都市の中で、誰もが自分らしくいられるのがUrban Utopia。

いつものバーやカフェが、この日はクラブに、ライブ会場に。お酒と音楽で、みんな友達。

フープ集団 Hoop Tokyo が表参道で遊ぶ。特別なステージはない。彼女たちが立つところが、ステージになる。

今回、イベントの開催に当たって、中古食器のリユース提供をさせていただきました。

「そんなに、いらない。Less is beautiful.」をコンセプトにエコなライフスタイルのご提案やリサイクルを通して、お客様の暮らしをスマートにし、地球環境をサステナブルにするサービスです。

1.エコ回収(お片づけ/回収・買取)エコ回収ではお客様一人一人のライフスタイルに合わせた整理収納のお手伝いと、いらなくなったモノの回収・買取を致します。

2.Re-use

不用になってしまった品物でも100円から出品することでちょうどこれが欲しかった!という人に届けることができる独自のシステムです。エコオクで落札されなかった品物はリサイクルショップに運びメンテナンスやクリーニングの工程を経て店頭にて販売されます。

3.Re-cycle またエコオク、リサイクルショップでもRe-useの難しいモノについては、ゼロエミッションセンター(ZEC)にて徹底的に解体・分別・加工しRe-cycleをしております。

4.Re-arise

エコランドとは

サービス概要

今年の7月からTOKYO DESIGN FLOWにも参加している南青山にあるChambres

楽・アートのイベント VIVA LA FRUITSを開催、そして今回、そのご縁もあって、

した。祖父・父・自分と受け継がれたフルーツ店をいかに楽しく継続するかをモットーに、自分が影響を受けたサーフィン・スノーボード・音楽の感覚をフルーツと融合させ、新感覚のフルーツ店を目指しています。目で色を、口で味覚を感じ、自分で見て食べて納得いくものを提供していきたいと思っています。今回のイベントに参加し、フルーツを通じて色々なお客様とコミュニケーショ

いたお客様には、少しでもそれを味わっていただけたのではないかと思います。見た目は何の変哲もないニンジン。食べてみる。今まで食べたことないくらい美味しい。植物の大胆さ、花のキレイさにみとれる。なんだか救われたような気持ちになる。見たことのない野菜を知る。ひとつの果物でも産地によって色々な種類があることを知る。と同時に、世界が広がる。農家の人のまっすぐな想いに触れる。心が温まる。これが安心。

は、日常の中の、こういう豊かさです。いまの都市生活に、ちょっとした物足りなさや後ろめたさ、ありませんか。それはどこから来るんでしょうか。TOKYO DESIGN FLOW

人、都市と自然をつなぎなおし、新しいライ

フスタイルを探っていきたいと思います。一つ渦ができれば、それを二つ三つと増やしていけます。渦が集まれば、都市の流れを変えられるでしょう。まだ見えない、明るい未来の都市生活。答えはきっと、渦の中に。

次回および次々回概要:日時: 11月29日、30日 11時から17時12月20日、21日 11時から17時場所: GYRE B1F詳細: http://www.tokyodesignflow.com/event/fm.html

ンがとれ、改めて対面販売の楽しさと大切さを再認識し、新たなフルーツの可能性を

しいと言ってくれる時が最高の幸せです。創業百年を目指し、常にYOKONORI & ROCKの精神でフルーツの美味しさと美しさを伝えていきたいです。

1970年東京都生まれ。西武新宿線都立家政駅前のフタバ・フルーツ三代目。サーフインやスノーボードを通じて自然や仲間の大切さを学ぶ。自然の恵みであるフルーツをさまざまな角度からアピールし、フルーツ本来の可愛らしさや美味しさを伝えていくべく活動中。道すがら仲間が集まり、クリエイティブチームMEOWを発足。ものづくりからイベント企画まで、想いのままに動き回る。meow-mm.com

Kensho Onuki Interview

前号に引き続きロックDJ大貫憲章氏のインタビューを掲載!text:三枝弦太郎

原宿での思い出はありますか? セントラルアパートに編集関係やカメラマンの事務所があったので、1階の喫茶店レオンで待ち合わせをしたり、そこで色々な人に取材をしてました。その頃の原宿はまだ大人がいる場所で、文化人、編集者、デザイナー、そういう人が沢山いて、その中にいることで自分が少し偉くなったような気になったりもして。その後だと、パンクの頃に極楽鳥ていう輸入雑貨のお店ができて、そこの人と仲良くなってよく遊びにいってましたね。あと古着屋の赤富士で初めてピストルズのシングルを買ったりとか、

色 な々思い出があります。

今興味があることは? ラジオを面白くしたいですね。何時も同じ曲ばかりではなく、来週はどんな音楽がかかるか分からない、そんな番組をやりたいです。何千と番組がある中でそういう番組があっても良いと思うので。あと、僕は音楽難民と呼んでるんですけど、何を聞いて良いか分からない人が非常に多い。そういう人達に向けても、みんなが本当に聞きたい曲、良い曲を聞かせてあげたいですね。

profile大貫憲章51年東京生まれ。立教大卒。音楽評論家、DJ、イベントプロデューサー。71年大学在学時から音楽評論家としてキャリアをスタート、当時無名のQUEENを日本にいち早く紹介したり、SEX PISTOLS,THE CLASHなどのロンドン・パンクを現地取材するなど、時代の節目節目でのキーを握る。雑誌「an an」でのエディターなどを経てNHK FM「若いこだま」でラジオDJ活動も開始。79年、日本初のUK専門チャート番組となるラジオ日本「全英TOP20」を、さらに同局の「サウンドプロセッサー」、JFN「ロックディメンション」、TVK「ミュートマ・ワールド」などを経て現在JFN12局OA中「ロンナイ」で選曲、構成、パーソナリティーの三役をこなす。主な専門分野は60~90年代のイギリスのロック。www.kenrocks.net

Jim Avignon a.k.a. Neoanginは、イラストや音楽を手掛けるドイツのポップアーティストで、ニューヨークとベルリンを拠点に活動しています。スピードイラストと異色のパフォーマンスでよく知られ、「ひとつの作品を1000ドルで売るより、多くの作品を1ドルで売りたい」と、アート

マンスを演じて見せました。かつてベルリンの壁だったイーストサイドギャラリーにも彼のイラストが描かれており、世界各地で作品を発表してきました。また、ワンマンバンドNeoanginとしてCDも何枚か出していて、ショータイムでは歌をうたったり、ライブペインティングも行なったりしています。今年はワールドツアーを行い、サンパウロではアートスペースで作品を展示し、モスクワやフランスではアートフェスティバルの企画・運営、ニューヨーク、ルツェルン、ムルハウス、ベルリンでも各種パフォーマンスを演じました。そしてついに11月末には東京を訪れ、日本のファンの前でライブペインティングとミュージックパフォーマンスを見せてくれることになりました。

LAST THURSDAY LIVE PAINTING PERFORMANCETOKYO DESIGN FLOW and Cabaret proudly present Jim AvignonSMOKE Omotesando, Nov. 27th and at Farmer's Market, Nov. 30thYou are invited to join in for an evening of music and live painting performances by the Berlin based pop-artist icon Jim Avignon, at his first time in Tokyo!

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TOKYO DESIGN FLOW & CabaretプレセンツジムアヴィニョンベルリンのPOPアーティストアイコン、ジムアヴィニョン遂に東京、初上陸!TOKYO DESIGN FLOW LAST THURSDAY@Smoke11月27日とFarmer's Market@ キャットストリート・表参道11月30日! ジムアヴィニョンのLIVEコンザート&ペインティングパフォーマンスやります。Check it out!!! 11月29,30日のFarmer's Marketでもパフォーマンスします。

シリーズ5回目を迎えた「Last Thursday」。今回のテーマは「Looking for Urban Utopia ~都市のユートピアを探して~」。ユートピアは冒険の中にこそ出現する。都市に潜む冒険を炙り出し、都市の風景を変貌させる試みに、異彩を放つ面々が集結した。彼らは、都市の冒険者。原宿に異空間が出現した。

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.) 萱原正嗣(カヤハラマサツグ)

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12 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 13TOKYO DESIGN FLOW paper N5

 2003年の9月、京都は鴨川の橋の上でふと数キロはなれた大文字山を見たら、光の点がまばらに見えた。「送り火じゃないのになぜ山が光ってる?」と思った数秒後、その光がはっきりと「H」「T」「V」の文字に見えた。2003年といえば、そう「阪神(H)」「タイガース(T)」「優勝(V)」である。湧き立つ血を鎮めつつ、自転車を走らせ大文字山のふもとに急行。山道を

Tommy氏「現在、街ではストリートスポーツが盛んに行われているのにも関わらず、施設が

蟻の動きとアスファルトの匂いメッセンジャーは周りに対して集中力を保って走り続けることがとても重要です。五感をフルに使って走っています。腕から伝わる路面の震動・後ろから迫る車の音。2M前を走る車のエンジン音やそのドライバーの目線・腕の動きなど細かな仕草。湿気に交じるアスファルトの匂いから路面状態を想像してます。味覚はもちろんその土地のおいしいものを食べること! 突然道を渡ってくる歩行者や、猫、ネズミ、ゴキブリ、蟻の動きまで見ています。もちろん刻 と々変化していく町並みや四季を楽しみながら走っていますよ。冬の雨ほど辛いものはないですが・・・。 STOP&GOの連続で100km走ることはなくなりましたが、1デリバリーを確実に丁寧にそして楽しくこなすことが当り前のようでとても難しいのです。 メッセンジャーから見た道路事情メッセンジャーにもピスト乗りが多く、どうしてもブレーキの問題になりがちですが、無秩序な道路事情の方が問題だと思っ

忘れてはならない。道路(歩道も道路)に

自転車・バイク・自動車・バスがこの最低限のルールを守っていれば交通事故は減るはずです。メッセンジャーとして一番気を付けているのは、歩行者の前を横切らない! ということ。思っている以上に自転車は長く、メッセンジャーバッグは幅があります。自分では余裕で通り過ぎているつもりでも、音なく突然目の前を通り過ぎていく自転車は歩行者にとってはとても恐ろしいものです。自分は10年以上メッセンジャーとして街を走っていますが、自分に過失のある大きな事故を起こしたことは一度もありません。小さな事故であるパンクも少ない方だと思います。丁寧に滑らかに走り抜けること。これが自分のメッセンジャーとしての走り方です。マシンの整備から体調管理に安全確保、最終的に

 東京に住んでいてしかも自転車に乗っている人なら、駅の周辺や駐輪禁止区域に自転車を留めてしまい撤去された経験のある方も多いと思う。また、最近のいわゆる自転車ブームの影響で高級自転車が増えた結果、プロの窃盗団も現れ始めているという物騒な話題もあり、自転車の置き場に困っているペダリストも多いのでは? こんなときにいったい東京都はなにをしているんだ! ということでちょっと調べてみました。 平成18年度に行われた東京都の調査によると、自転車駐車場の駐車可能台数は82万台、実際に駐車している台数は61万9千台で共に過去最多。しかし、駐車可能台数の方が多いという状況にもかかわらず、撤去された放置自転車は過去最多の91万7千台。しかも自転車関連費に年間150億円を超える予算を掛けているらしい! 一方、海の向こうのメッセンジャーの聖地ニューヨークではこんなにイカしたプロジェクトをやってます。いまニューヨークには5000個のU型の自転車スタンドが設置されているけど、それでも足りずに盗難が絶えない。そこで、市はスタンド数を増やして盗難を減らし自転車通勤者を倍増すべく、2015年まで年間1000個を目標に

 サブプライムローン問題に端を発したリーマンショックに、金融界、経済界が揺れている。世界各国で株価が大幅に下落し、火の元のアメリカだけでなく、ヨーロッパでも日本でもGDP(国内総生産)の先行きに対する見通しはよろしくない。メディアは、経済危機だ金融危機だと不安を煽っている。株価やGDPに代わる「豊かさ」の尺度をまだ手にしていない僕らは、漠とした不安を感じながらも、株価上昇やGDPの増加が必ずしも「豊かさ」や「幸せ」を意味するわけではないことにも気付いている。そんな中で起きた今回の出来事は「危機」ではなくて、僕らが「豊かさ」や「幸せ」に対する見方を変える「チャンス」だ。

 ヒマラヤ山脈の南の麓にブータンという国がある。九州と同じくらいの国土に、70万人の人々が暮らす。国土の70%以

ビーチサンダルで駆け上り頂上につくと、でかい懐中電灯を持った一団、いや、「名も知らぬ同志」がいた。ダッと駆け寄り一言、「うちの父もタイガースファンなんです!」。堅く握手を交わし下山した。このように、単なる光の点を自動修正して文字と認識し行動までしてしまう人間。その文字認識能力は高すぎるほどである。 ここで、東京の電車に乗ってみよう。

無く、その名の通りストリート(道)でしかも夜の繁華街等で行動するしか無く、それによって様々な弊害が生まれている現状があり、このままでは渋谷区を発信地としているストリートスポーツが衰退していってしまうという心配も浮上してきています。そこで、私たちは1980年代から続くストリートスポーツを支援し、近年地方での施設建設ラッシュが続く中、東京都心部ではいっさい聞かれません。ストリートスポーツの発信地となっている渋谷区にストリートスポーツ施設の建設を検討して頂けるよう嘆願書を店舗に置き、ストリートスポーツを愛する人々にご協力をお願いしています。普段、練習をしている世田谷公園では、区と提携しスケートパークの着工も予定しています。」

いまやストリートスポーツは街に根付き、我々のライフスタイルの中では切ってもきれない存在となっている。純粋に物事を追求する姿勢は、誰しも時が経つにつれて忘れてしまいがちである。彼らは人

荷物をお客様に手渡しするまで自分の身の上に起こる事は全て自己責任です。本当にスキルの高いメッセンジャーにブレーキは必要ないかもしれませんが、社会が僕らを見ている以上、僕らが見本としてブレーキやライトをつけようと意識する事で、自転車を取り巻く環境を変えるきっかけになればと思っています。※実際にほとんどのメッセンジャーがブレーキを付けています。

世界中からメッセンジャーが東京に集まる人と人をつなぐこの職業にとても魅力を感じています。我々の運ぶ荷物には、とても大事なメッセージがあります。中身はそれぞれ違うかもしれませんが、手から手へ届けることができるメッセンジャーだからこそクライアントから信頼して貰い、我々はそれに確実に応える。そんなアナログ

葉が通じなくても打ち解け、BEERをおごり、家に泊めてやる。世界中にメッセンジャーという家族がいる。そんな仲間が年に一度集まるイベントがある。『Cycle Messenger World Championships』(通称:CMWC)。世界一速いメッセン

ラックを新設、そして自転車スタンドのデザインコンペを行い優秀なデザインを新しい自転車ラックに反映させていくとのこと。 かっこいい自転車スタンドが東京に無いのはおかしい! ということで、僕たちTOKYO DESIGN FLOWもサイクルスタンドのデザインコンペプロジェクトをスタートさせます。東京の街にこそ最高にヤバいサイクルスタンドがあって当然だから。

上が森林で、最大標高7,500mのヒマラヤの山 を々いただく敬虔なチベット仏教の国だ。この国に、GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)という考え方がある。ブータン国王が1970年代(80年代という説もある)に発言したとされる「GDPよりGNHが大事だ」という言葉に端を発している。経済成長に専念した国が直面する多くの問題を見て、「経済発展は南北対立や貧困問題、環境破壊、文化の喪失につながり、必ずしも幸せにつながるとは限らない」と考えたのがきっかけだ。豊かな自然と深い精神文化を持つ仏教国ならではの考え方と言えるだろう。事実、2005年に実施された国勢調査では、「あなたは幸せですか?」という問いに国民の97%が「幸せ」と答えている。

GNHは当初は考え方でしかなかったが、

広告の声が聞こえる。「英語しゃべれないのですか?」「お金借りませんか?」「この車かっこいいだろ」「転職は自重しろ」・・・。ただでさえ、人間は視界に文字らしきものが存在しただけで認識して意味を読み取ってしまう。人間にとって、現代の生活環境はあまりに過酷じゃないだろうか。。しょうがないから、たいていの人は感覚を少しだけ鈍磨させて防御する。感覚を鈍磨させてオッケーな世の中なら、それでもいいのだが21世初頭のいまは乱世である。流されていると乗ってる船が沈没したり、しなかったり、ときには奴隷船だったり。だからたまには、感覚を研ぎ澄ますことも必要である。そのためにはいっさい視界に文字情報が入らない環境に身をおきたいところだが、現代社会でそうそう文字から逃げられない。 だからというわけではないが、私は色々理由をつけて毎年モンゴルへ行く。たまに行きたいという人たちと一緒に行く。そこは草原、人工物は限りなく少ない。あまりにも遠くが見えすぎて「あの山までどのくらいでいけるか」という距離感覚も失われる、「惑星っていうかんじがしますね」と

と街の距離を近づけてくれるヒーローなのかもしれない。今後僕たちもTokyo Design Flowに協力頂いている店舗と共に働きかけていきたいと思う。一人の少年として。

CARNIVAL TOKYO150-001東京都渋谷区神宮前6-23-11 J-six-2Ftel&fax 03.5485.8581

んなお互いの近況を確かめに集まる1週間。競技も大切だけど、夜は一緒に酒を呑み、お互いの健闘をたたえあい、朝まで語りあう。そんな大切な時間を過ごすために、1年分の稼ぎをつぎ込んでみんなやってくる! 来年、2009年はこの東京でCMWCを開催します。世界中から集まる家族のために、いい環境を整えてあげたいと思っています。そしてメッセンジャーだけでなく、「自転車」というキーワードでつながる人たちが世界中にいます。もっと広い視野で、すべての自転車乗りにやさしい都市に東京がなれるように、自分にできることを続けていきたいと思っています。そのベースにあるのが「メッセンジャー」という生き方なんだと思います。

大木達也メッセンジャー。1997年よりメッセンジャーとしてのキャリアをスタート。2000年に3人の若者が立ち上げた、東京都心部にエリアを限定したメッセンジャー会社COURIER(クーリエ)の設立メンバー。現在は自転車の映画祭「Bicycle Film Festival」や来年東京で開催予定のメッセンジャー世界大会「Cycle Messenger World Championships(CMWC)」の運営などにも携わる。

いう感想を述べる者もいる。そして、その草原で人力生活をまっとうする、馬にも乗るし、丘に登るし、ゲルを自力で建てて泊まるという足腰の強い生活。生まれてからそんな環境で育った力強いモンゴルのちびっ子たちを見て妙な希望が湧いてくる。一週間もいれば、感覚がふだんより研ぎ澄まされてくるのが分かる。「結局、何が大事か」とか、そんなことを考えずして、湧いてくるような状態。無論、日本に戻ればまた鈍磨状態にはなるのだが、そのときの感覚の記憶は消えない。草原という空間は「とらわれない視点もつ」ことを私たちに促す。いうならば、是、草原のアフォーダンス。都市で鋭く生きるには、都市にばかりいてはいけない。たまに草原のような反対側に行くのもあんがい大事ではないかだろうか。

※アフォーダンス・・・椅子はそれ自体が座ることを促す、ボタンは押すことを促す(アフォードする)など、環境にあるもの全てが人に行動をうながす要素もつことを示したアメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語。広告に囲まれた空間が、感覚を防御することを促すならば、草原はその逆かもしれない。

90年代に入り、まずはブータン国内で通用する指標にしようと、具体的な研究が始まった。そこで重視されているのは、「持続可能かつ公正な経済的社会的発展」、「環境の保全」、「伝統文化の保護と促進・再生」、「良い統治」の4つの観点。GDPに対する具体的なオルタナティブ(対抗軸)の候補として世界から注目を集めている。

 現代の東京では、生活に関わるありとあらゆるものをお金と交換で手に入れることができる。衣食住はもちろん、学びも遊びも、誰かが作った出来あいのものを手にしている。そして、お金を得るために誰かが作った職(仕事)にありついている。出来あいのものをお金で交換することにすっかり慣れきってしまった僕らにとって、いつしか経済が、「いかに稼ぎいかに使うか」ということが、人生や社会の目

的になってしまった。経済は人生や社会の手段に過ぎず、中心に据えるべきは「いかに生きるか」ということであるはずなのに。資本の論理や景気の波に呑み込まれず、自分ならではの人生を送るために、都市で生きる僕たちにもオルタナティブが必要だ。

 そこで提案。都市で農業を。農村へ逃れるのではなく、都市を耕し都市で種を蒔く。荒れ果てた公園を耕して畑へ変える。軒先や街路樹の脇に種を蒔く。東

京にも土は意外にある。土があればそこに種を蒔ける。土を囲んで人とふれあい、食を自ら作り出す。

生きるベースは食。食があれば職がなくても生きていける、とまでは言わないまでも、食を自分の手で作ることで見えてくるものがあるはずだ。都市に実りを。東京の真ん中で収穫を祝おうじゃないか。そうすれば、都市に生きる人々の新しい「豊かさ」のカタチが見えてくる。

モンゴル、草原のアフォーダンス 東京ストリート事情

蟻の動きとアスファルトの匂いメッセンジャーから見た東京の景色

Cycle Stand Project

都市に実りを ~オルタナティブとしての農~

草原という空間は「とらわれない視点もつ」ことを私たちに促す。

STOP & GOを繰り返しながら1日100kmを走るタフな職業、メッセンジャー。10年以上そのペダルを踏み続け、東京の街を見てきた一人のメッセンジャーが語る自転車への想い。

東京の自転車カルチャーを牽引しているショップ「CARNIVAL TOKYO」。そこで働くTommy氏(T-19)に東京の自転車を取り巻く環境について聞いた。

自転車スタンドがもっとカッコ良ければ、みんなちゃんと駐輪するんじゃないか?

東京の真ん中で収穫を祝おうじゃないか。

text: 伊藤洋志(モンゴル武者修行ツアー http://www.furowork.net/) text: 大矢知史(TOKYO DESIGN FLOW)

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.)

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.)

text: 萱原正嗣(カヤハラマサツグ、ライター/コピーライター http://kayamasa.blog59.fc2.com/)

(affordance)

東京も捨てたもんじゃないtext: 草彅洋平(東京ピストル)

 もう何時になるだろう? 終電過ぎのチェーンの安居酒屋で、僕ら数人は朝までねばっていた。席の中心にはスウェーデンから来た心優しいキャスパーが疲れた顔をして座っている。 今日は彼の送別会。あと十分もすれば彼の飛行機が発つ時間のため、キャスパーはしきりに腕時計を見ては、僕らの日本語トークを浮かない顔で眺めていた。 僕らが帰れないのには理由があった。待っているのだ。ビールや食事ではない。一人の女性、つまりキャスパーの別れた日本人の彼女が現れるのを、僕らはもう何時間も待っていた。 日本好きのキャスパーに、僕らが女の子を紹介したことから始まった遠距離恋愛。美人だが周りでは

タカビー的なキャラで通っていたその子と、スウェーデンで一緒に住むよう努力した優しいオタク。そんな二人がうまくいくわけがない。彼女はキャスパーの手を散々焼いたあげく、ついに昨日彼に別れを告げた。「でも…」とキャスパーは少しも酔っていない声で言った。「彼女は今日来ると言っていた。そうしたら僕は彼女とやり直せる。彼女は仕事が終わったら絶対に来るだろう」 彼女が来るまで待つ、そんな彼に同情もあって、僕らは深夜まで付き合わざるをえなかった。僕は何度か電話をしてみたのだが、彼女はまったく電話に出てくれない。そして折り返しもなかった。「もう飛行機の時間だ。そろそろ帰ろう」

 キャスパーが立ち上がり、その場の全員にお礼をのべると、僕らは緊張から解放されたようにホッとした雰囲気になった。夜も明けた外に出て、キャスパーと別れのハグをする。 仲間の一人が手を上げ、通りすがりのタクシーを停めた。 後方部の扉が開くと、仲間が驚きの声を上げた。 タクシーの中が花だらけだったのだ。「どうぞ、入ってください」 初老のおじさん運転手が微笑みかける。「この花は…?」 僕らがおそるおそる乗り込むと、運転手は「お花のタクシーです」と笑った。「個人タクシーになってね、お花のタクシーにしようと。いろいろなお客さんが乗るでしょう。入学した

人、退学した人。就職した人、退職した人。嬉しい人、悲しい人。僕はね、そうしたいろいろな人に、一瞬でも僕の車に乗ったときに驚いて、喜んでもらいたいんですよ」 運転手の言葉を通訳すると、キャスパーは変な顔をして、次の瞬間には泣いていた。「僕は二度と東京に来ない、と思うほどに今日は落ち込んだけど、こんなタクシーに乗れるなんて本当に幸せだよ。また東京に来たい」 あの日以来、僕の中で東京が特別なものになった。東京も捨てたもんじゃない。

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 2003年の9月、京都は鴨川の橋の上でふと数キロはなれた大文字山を見たら、光の点がまばらに見えた。「送り火じゃないのになぜ山が光ってる?」と思った数秒後、その光がはっきりと「H」「T」「V」の文字に見えた。2003年といえば、そう「阪神(H)」「タイガース(T)」「優勝(V)」である。湧き立つ血を鎮めつつ、自転車を走らせ大文字山のふもとに急行。山道を

Tommy氏「現在、街ではストリートスポーツが盛んに行われているのにも関わらず、施設が

蟻の動きとアスファルトの匂いメッセンジャーは周りに対して集中力を保って走り続けることがとても重要です。五感をフルに使って走っています。腕から伝わる路面の震動・後ろから迫る車の音。2M前を走る車のエンジン音やそのドライバーの目線・腕の動きなど細かな仕草。湿気に交じるアスファルトの匂いから路面状態を想像してます。味覚はもちろんその土地のおいしいものを食べること! 突然道を渡ってくる歩行者や、猫、ネズミ、ゴキブリ、蟻の動きまで見ています。もちろん刻 と々変化していく町並みや四季を楽しみながら走っていますよ。冬の雨ほど辛いものはないですが・・・。 STOP&GOの連続で100km走ることはなくなりましたが、1デリバリーを確実に丁寧にそして楽しくこなすことが当り前のようでとても難しいのです。 メッセンジャーから見た道路事情メッセンジャーにもピスト乗りが多く、どうしてもブレーキの問題になりがちですが、無秩序な道路事情の方が問題だと思っ

忘れてはならない。道路(歩道も道路)に

自転車・バイク・自動車・バスがこの最低限のルールを守っていれば交通事故は減るはずです。メッセンジャーとして一番気を付けているのは、歩行者の前を横切らない! ということ。思っている以上に自転車は長く、メッセンジャーバッグは幅があります。自分では余裕で通り過ぎているつもりでも、音なく突然目の前を通り過ぎていく自転車は歩行者にとってはとても恐ろしいものです。自分は10年以上メッセンジャーとして街を走っていますが、自分に過失のある大きな事故を起こしたことは一度もありません。小さな事故であるパンクも少ない方だと思います。丁寧に滑らかに走り抜けること。これが自分のメッセンジャーとしての走り方です。マシンの整備から体調管理に安全確保、最終的に

 東京に住んでいてしかも自転車に乗っている人なら、駅の周辺や駐輪禁止区域に自転車を留めてしまい撤去された経験のある方も多いと思う。また、最近のいわゆる自転車ブームの影響で高級自転車が増えた結果、プロの窃盗団も現れ始めているという物騒な話題もあり、自転車の置き場に困っているペダリストも多いのでは? こんなときにいったい東京都はなにをしているんだ! ということでちょっと調べてみました。 平成18年度に行われた東京都の調査によると、自転車駐車場の駐車可能台数は82万台、実際に駐車している台数は61万9千台で共に過去最多。しかし、駐車可能台数の方が多いという状況にもかかわらず、撤去された放置自転車は過去最多の91万7千台。しかも自転車関連費に年間150億円を超える予算を掛けているらしい! 一方、海の向こうのメッセンジャーの聖地ニューヨークではこんなにイカしたプロジェクトをやってます。いまニューヨークには5000個のU型の自転車スタンドが設置されているけど、それでも足りずに盗難が絶えない。そこで、市はスタンド数を増やして盗難を減らし自転車通勤者を倍増すべく、2015年まで年間1000個を目標に

 サブプライムローン問題に端を発したリーマンショックに、金融界、経済界が揺れている。世界各国で株価が大幅に下落し、火の元のアメリカだけでなく、ヨーロッパでも日本でもGDP(国内総生産)の先行きに対する見通しはよろしくない。メディアは、経済危機だ金融危機だと不安を煽っている。株価やGDPに代わる「豊かさ」の尺度をまだ手にしていない僕らは、漠とした不安を感じながらも、株価上昇やGDPの増加が必ずしも「豊かさ」や「幸せ」を意味するわけではないことにも気付いている。そんな中で起きた今回の出来事は「危機」ではなくて、僕らが「豊かさ」や「幸せ」に対する見方を変える「チャンス」だ。

 ヒマラヤ山脈の南の麓にブータンという国がある。九州と同じくらいの国土に、70万人の人々が暮らす。国土の70%以

ビーチサンダルで駆け上り頂上につくと、でかい懐中電灯を持った一団、いや、「名も知らぬ同志」がいた。ダッと駆け寄り一言、「うちの父もタイガースファンなんです!」。堅く握手を交わし下山した。このように、単なる光の点を自動修正して文字と認識し行動までしてしまう人間。その文字認識能力は高すぎるほどである。 ここで、東京の電車に乗ってみよう。

無く、その名の通りストリート(道)でしかも夜の繁華街等で行動するしか無く、それによって様々な弊害が生まれている現状があり、このままでは渋谷区を発信地としているストリートスポーツが衰退していってしまうという心配も浮上してきています。そこで、私たちは1980年代から続くストリートスポーツを支援し、近年地方での施設建設ラッシュが続く中、東京都心部ではいっさい聞かれません。ストリートスポーツの発信地となっている渋谷区にストリートスポーツ施設の建設を検討して頂けるよう嘆願書を店舗に置き、ストリートスポーツを愛する人々にご協力をお願いしています。普段、練習をしている世田谷公園では、区と提携しスケートパークの着工も予定しています。」

いまやストリートスポーツは街に根付き、我々のライフスタイルの中では切ってもきれない存在となっている。純粋に物事を追求する姿勢は、誰しも時が経つにつれて忘れてしまいがちである。彼らは人

荷物をお客様に手渡しするまで自分の身の上に起こる事は全て自己責任です。本当にスキルの高いメッセンジャーにブレーキは必要ないかもしれませんが、社会が僕らを見ている以上、僕らが見本としてブレーキやライトをつけようと意識する事で、自転車を取り巻く環境を変えるきっかけになればと思っています。※実際にほとんどのメッセンジャーがブレーキを付けています。

世界中からメッセンジャーが東京に集まる人と人をつなぐこの職業にとても魅力を感じています。我々の運ぶ荷物には、とても大事なメッセージがあります。中身はそれぞれ違うかもしれませんが、手から手へ届けることができるメッセンジャーだからこそクライアントから信頼して貰い、我々はそれに確実に応える。そんなアナログ

葉が通じなくても打ち解け、BEERをおごり、家に泊めてやる。世界中にメッセンジャーという家族がいる。そんな仲間が年に一度集まるイベントがある。『Cycle Messenger World Championships』(通称:CMWC)。世界一速いメッセン

ラックを新設、そして自転車スタンドのデザインコンペを行い優秀なデザインを新しい自転車ラックに反映させていくとのこと。 かっこいい自転車スタンドが東京に無いのはおかしい! ということで、僕たちTOKYO DESIGN FLOWもサイクルスタンドのデザインコンペプロジェクトをスタートさせます。東京の街にこそ最高にヤバいサイクルスタンドがあって当然だから。

上が森林で、最大標高7,500mのヒマラヤの山 を々いただく敬虔なチベット仏教の国だ。この国に、GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)という考え方がある。ブータン国王が1970年代(80年代という説もある)に発言したとされる「GDPよりGNHが大事だ」という言葉に端を発している。経済成長に専念した国が直面する多くの問題を見て、「経済発展は南北対立や貧困問題、環境破壊、文化の喪失につながり、必ずしも幸せにつながるとは限らない」と考えたのがきっかけだ。豊かな自然と深い精神文化を持つ仏教国ならではの考え方と言えるだろう。事実、2005年に実施された国勢調査では、「あなたは幸せですか?」という問いに国民の97%が「幸せ」と答えている。

GNHは当初は考え方でしかなかったが、

広告の声が聞こえる。「英語しゃべれないのですか?」「お金借りませんか?」「この車かっこいいだろ」「転職は自重しろ」・・・。ただでさえ、人間は視界に文字らしきものが存在しただけで認識して意味を読み取ってしまう。人間にとって、現代の生活環境はあまりに過酷じゃないだろうか。。しょうがないから、たいていの人は感覚を少しだけ鈍磨させて防御する。感覚を鈍磨させてオッケーな世の中なら、それでもいいのだが21世初頭のいまは乱世である。流されていると乗ってる船が沈没したり、しなかったり、ときには奴隷船だったり。だからたまには、感覚を研ぎ澄ますことも必要である。そのためにはいっさい視界に文字情報が入らない環境に身をおきたいところだが、現代社会でそうそう文字から逃げられない。 だからというわけではないが、私は色々理由をつけて毎年モンゴルへ行く。たまに行きたいという人たちと一緒に行く。そこは草原、人工物は限りなく少ない。あまりにも遠くが見えすぎて「あの山までどのくらいでいけるか」という距離感覚も失われる、「惑星っていうかんじがしますね」と

と街の距離を近づけてくれるヒーローなのかもしれない。今後僕たちもTokyo Design Flowに協力頂いている店舗と共に働きかけていきたいと思う。一人の少年として。

CARNIVAL TOKYO150-001東京都渋谷区神宮前6-23-11 J-six-2Ftel&fax 03.5485.8581

んなお互いの近況を確かめに集まる1週間。競技も大切だけど、夜は一緒に酒を呑み、お互いの健闘をたたえあい、朝まで語りあう。そんな大切な時間を過ごすために、1年分の稼ぎをつぎ込んでみんなやってくる! 来年、2009年はこの東京でCMWCを開催します。世界中から集まる家族のために、いい環境を整えてあげたいと思っています。そしてメッセンジャーだけでなく、「自転車」というキーワードでつながる人たちが世界中にいます。もっと広い視野で、すべての自転車乗りにやさしい都市に東京がなれるように、自分にできることを続けていきたいと思っています。そのベースにあるのが「メッセンジャー」という生き方なんだと思います。

大木達也メッセンジャー。1997年よりメッセンジャーとしてのキャリアをスタート。2000年に3人の若者が立ち上げた、東京都心部にエリアを限定したメッセンジャー会社COURIER(クーリエ)の設立メンバー。現在は自転車の映画祭「Bicycle Film Festival」や来年東京で開催予定のメッセンジャー世界大会「Cycle Messenger World Championships(CMWC)」の運営などにも携わる。

いう感想を述べる者もいる。そして、その草原で人力生活をまっとうする、馬にも乗るし、丘に登るし、ゲルを自力で建てて泊まるという足腰の強い生活。生まれてからそんな環境で育った力強いモンゴルのちびっ子たちを見て妙な希望が湧いてくる。一週間もいれば、感覚がふだんより研ぎ澄まされてくるのが分かる。「結局、何が大事か」とか、そんなことを考えずして、湧いてくるような状態。無論、日本に戻ればまた鈍磨状態にはなるのだが、そのときの感覚の記憶は消えない。草原という空間は「とらわれない視点もつ」ことを私たちに促す。いうならば、是、草原のアフォーダンス。都市で鋭く生きるには、都市にばかりいてはいけない。たまに草原のような反対側に行くのもあんがい大事ではないかだろうか。

※アフォーダンス・・・椅子はそれ自体が座ることを促す、ボタンは押すことを促す(アフォードする)など、環境にあるもの全てが人に行動をうながす要素もつことを示したアメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語。広告に囲まれた空間が、感覚を防御することを促すならば、草原はその逆かもしれない。

90年代に入り、まずはブータン国内で通用する指標にしようと、具体的な研究が始まった。そこで重視されているのは、「持続可能かつ公正な経済的社会的発展」、「環境の保全」、「伝統文化の保護と促進・再生」、「良い統治」の4つの観点。GDPに対する具体的なオルタナティブ(対抗軸)の候補として世界から注目を集めている。

 現代の東京では、生活に関わるありとあらゆるものをお金と交換で手に入れることができる。衣食住はもちろん、学びも遊びも、誰かが作った出来あいのものを手にしている。そして、お金を得るために誰かが作った職(仕事)にありついている。出来あいのものをお金で交換することにすっかり慣れきってしまった僕らにとって、いつしか経済が、「いかに稼ぎいかに使うか」ということが、人生や社会の目

的になってしまった。経済は人生や社会の手段に過ぎず、中心に据えるべきは「いかに生きるか」ということであるはずなのに。資本の論理や景気の波に呑み込まれず、自分ならではの人生を送るために、都市で生きる僕たちにもオルタナティブが必要だ。

 そこで提案。都市で農業を。農村へ逃れるのではなく、都市を耕し都市で種を蒔く。荒れ果てた公園を耕して畑へ変える。軒先や街路樹の脇に種を蒔く。東

京にも土は意外にある。土があればそこに種を蒔ける。土を囲んで人とふれあい、食を自ら作り出す。

生きるベースは食。食があれば職がなくても生きていける、とまでは言わないまでも、食を自分の手で作ることで見えてくるものがあるはずだ。都市に実りを。東京の真ん中で収穫を祝おうじゃないか。そうすれば、都市に生きる人々の新しい「豊かさ」のカタチが見えてくる。

モンゴル、草原のアフォーダンス 東京ストリート事情

蟻の動きとアスファルトの匂いメッセンジャーから見た東京の景色

Cycle Stand Project

都市に実りを ~オルタナティブとしての農~

草原という空間は「とらわれない視点もつ」ことを私たちに促す。

STOP & GOを繰り返しながら1日100kmを走るタフな職業、メッセンジャー。10年以上そのペダルを踏み続け、東京の街を見てきた一人のメッセンジャーが語る自転車への想い。

東京の自転車カルチャーを牽引しているショップ「CARNIVAL TOKYO」。そこで働くTommy氏(T-19)に東京の自転車を取り巻く環境について聞いた。

自転車スタンドがもっとカッコ良ければ、みんなちゃんと駐輪するんじゃないか?

東京の真ん中で収穫を祝おうじゃないか。

text: 伊藤洋志(モンゴル武者修行ツアー http://www.furowork.net/) text: 大矢知史(TOKYO DESIGN FLOW)

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.)

text: 清田直博(Media Surf Communications Inc.)

text: 萱原正嗣(カヤハラマサツグ、ライター/コピーライター http://kayamasa.blog59.fc2.com/)

(affordance)

東京も捨てたもんじゃないtext: 草彅洋平(東京ピストル)

 もう何時になるだろう? 終電過ぎのチェーンの安居酒屋で、僕ら数人は朝までねばっていた。席の中心にはスウェーデンから来た心優しいキャスパーが疲れた顔をして座っている。 今日は彼の送別会。あと十分もすれば彼の飛行機が発つ時間のため、キャスパーはしきりに腕時計を見ては、僕らの日本語トークを浮かない顔で眺めていた。 僕らが帰れないのには理由があった。待っているのだ。ビールや食事ではない。一人の女性、つまりキャスパーの別れた日本人の彼女が現れるのを、僕らはもう何時間も待っていた。 日本好きのキャスパーに、僕らが女の子を紹介したことから始まった遠距離恋愛。美人だが周りでは

タカビー的なキャラで通っていたその子と、スウェーデンで一緒に住むよう努力した優しいオタク。そんな二人がうまくいくわけがない。彼女はキャスパーの手を散々焼いたあげく、ついに昨日彼に別れを告げた。「でも…」とキャスパーは少しも酔っていない声で言った。「彼女は今日来ると言っていた。そうしたら僕は彼女とやり直せる。彼女は仕事が終わったら絶対に来るだろう」 彼女が来るまで待つ、そんな彼に同情もあって、僕らは深夜まで付き合わざるをえなかった。僕は何度か電話をしてみたのだが、彼女はまったく電話に出てくれない。そして折り返しもなかった。「もう飛行機の時間だ。そろそろ帰ろう」

 キャスパーが立ち上がり、その場の全員にお礼をのべると、僕らは緊張から解放されたようにホッとした雰囲気になった。夜も明けた外に出て、キャスパーと別れのハグをする。 仲間の一人が手を上げ、通りすがりのタクシーを停めた。 後方部の扉が開くと、仲間が驚きの声を上げた。 タクシーの中が花だらけだったのだ。「どうぞ、入ってください」 初老のおじさん運転手が微笑みかける。「この花は…?」 僕らがおそるおそる乗り込むと、運転手は「お花のタクシーです」と笑った。「個人タクシーになってね、お花のタクシーにしようと。いろいろなお客さんが乗るでしょう。入学した

人、退学した人。就職した人、退職した人。嬉しい人、悲しい人。僕はね、そうしたいろいろな人に、一瞬でも僕の車に乗ったときに驚いて、喜んでもらいたいんですよ」 運転手の言葉を通訳すると、キャスパーは変な顔をして、次の瞬間には泣いていた。「僕は二度と東京に来ない、と思うほどに今日は落ち込んだけど、こんなタクシーに乗れるなんて本当に幸せだよ。また東京に来たい」 あの日以来、僕の中で東京が特別なものになった。東京も捨てたもんじゃない。

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14 TOKYO DESIGN FLOW paper N5 15TOKYO DESIGN FLOW paper N5

©Setaka Mizunoカヌーから見た東京『INNER PASSAGE』

地形図と古地図で暗渠を探る

渋谷はほんとに谷だった!

あんきょ

石塚元太良(いしづか・げんたろう)

東京、そして渋谷には塞がれてしまった川、「暗渠」が多い。あなたが普段歩いているまさにその下に、縄文時代から流れ続ける隠された川があるかもしれない。曲がりくねった道やマンホールの多い小道、交差点に橋の名前の付いた石碑があったら注意して見てみてください。そこは暗渠である可能性大です。 

1977年生まれ。大学中退後、世界を放浪。アフリカ縦断、アジア横断の後に編んだ「worldwidewonderful」で2000年エプソンカラーイメージングコンテストグランプリ受賞。世界を2周しながら撮影した「worldwidewarp」で2003年、ビジュアルアーツフォトアワード大賞受賞。2004年度、日本写真家協会新人賞。写真集に『WWWWW』(青幻舎)、『PIPELINE-ALASKA』(プチグラパブリッシング)など。2008年最新作『INNER PASSAGE』(エスプレ)を発表。

明治初期の渋谷 原宿村、隠田村のあたりを通るのが渋谷川、今のキャットストリート。宮益坂下を通り渋谷駅東口の先からまた顔を出す。源流は新宿御苑。

写真中央が渋谷。 白い部分は川の流れを表している。 渋谷は川が合流する深い谷だということが分かる。

靴は様 な々プロダクトのなかで一番生活に根付いているもの。だからこそ、良い悪いがはっきり分かるプロダクトです。ファッション性だけではなく、いかに本質的なことを追求出来るかが大切で、嘘のつけないプロダクトだからこそやりがいがあります。「N.G.R.」とは、「New Gravity Revolution」の略で、革靴といえば重く、歩きにくいイメージを持たれがちだからこそ、その様なイメージからの解放、履いたときに感じてもらえる開放感という2つの意味を込めています。スニーカーで育ってきた若い世代の多くは、歴史ある革靴の文化や価値観に興味をあまり抱きにくい。それと言うのも、都会のアスファルト路面では革靴の機能性が引き出されづらく、革靴に親しむきっかけを失いがちだからではないかと思っています。だからこそ、彼らの為にも革靴とスニーカー、両方の魅力を引き継いだ靴を創ろうと思いました。「N.G.R.」初の受注会を下記2日間、SMOKEにて行います。今回はクラシックな形を重視して作りました。 その場で採寸し、オーダーを取らせて頂きます。 是非お越し下さい

日時: 11月27日(木) 20:00 ~ 24:00「A Hard Day's Night」イベントにて11月28日(金) 12:00 ~ 19:00場所: SMOKE Bar & Grill

僕が20歳のころ、無一文状態になり元手のかからずすぐお金になる仕事はないか??と考えて出た答えが靴磨きで、100円ショップで道具を500円ぐらいで揃えて東京駅丸の内口の路上で靴磨き屋さんを開いたのがきっかけです。もちろん靴を輝く事によって良い靴がより魅力的になるという事はありますが、それよりも靴磨きを通して人をハッピーに出来ることが一番の魅力です。靴を磨くと不思議と歩き方も変わります。ピシッとするんです、自信も湧いてきます。スーツやシャツもよれよれは嫌になりオシャレにも気を使うようになり、靴だけでなくその人も輝き始めます。本当に大事な事は小さい所(ここでいう足元)に詰まっているという哲学を靴磨きから感じ取って頂けたらと思います。ぜひ靴を磨いてみてください。何か発見があるはずです!

日程: 11月27日(木)場所: SMOKE Bar & Grill )F4 ERYG道参表(.

コンテンツ:介紹」H tfirB「&」.R.G.N「 00:42~00:02

20:00~ ジム・アヴィニョン(アーティスト)LIVE PAINTING&PERFORMANCE)JDータクレセジンウラニーマルア( ALLIM JD ~00:12

22:00~ 大貫憲章(ロンドンナイト)23:15~ SARO(タップダンサー)PERFORMANCE

Kick It Hard.この日、靴の新しい歴史が始まる。 激しく歩き、激しく走り、そして激しく蹴りあげる。 ビスポークスニーカーブランド「N.G.R.」Debut!!

N.G.R.名倉 誠 Brift H 長谷川裕也 A Hard Day's Night!!

11月27日の60年代ロックとテーラーメードカルチャーを融合させたイベント、「A Hard Day's Night」がメイン会場SMOKEにて開催される。その中で、「ビスポークスニーカー」という新しい領域を切り開いた「N.G.R.」と、靴磨きの新しいイメージを提唱する「Brift H(ブリフトアッシュ)」、革靴にまつわる二つの新しい流れを紹介する。両者に共通するのは、生活に根付き、歴史ある革靴というプロダクトを現代生活に見合う新しいスタイルへと昇華させ、提案している点である。

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©Setaka Mizunoカヌーから見た東京『INNER PASSAGE』

地形図と古地図で暗渠を探る

渋谷はほんとに谷だった!

あんきょ

石塚元太良(いしづか・げんたろう)

東京、そして渋谷には塞がれてしまった川、「暗渠」が多い。あなたが普段歩いているまさにその下に、縄文時代から流れ続ける隠された川があるかもしれない。曲がりくねった道やマンホールの多い小道、交差点に橋の名前の付いた石碑があったら注意して見てみてください。そこは暗渠である可能性大です。 

1977年生まれ。大学中退後、世界を放浪。アフリカ縦断、アジア横断の後に編んだ「worldwidewonderful」で2000年エプソンカラーイメージングコンテストグランプリ受賞。世界を2周しながら撮影した「worldwidewarp」で2003年、ビジュアルアーツフォトアワード大賞受賞。2004年度、日本写真家協会新人賞。写真集に『WWWWW』(青幻舎)、『PIPELINE-ALASKA』(プチグラパブリッシング)など。2008年最新作『INNER PASSAGE』(エスプレ)を発表。

明治初期の渋谷 原宿村、隠田村のあたりを通るのが渋谷川、今のキャットストリート。宮益坂下を通り渋谷駅東口の先からまた顔を出す。源流は新宿御苑。

写真中央が渋谷。 白い部分は川の流れを表している。 渋谷は川が合流する深い谷だということが分かる。

靴は様 な々プロダクトのなかで一番生活に根付いているもの。だからこそ、良い悪いがはっきり分かるプロダクトです。ファッション性だけではなく、いかに本質的なことを追求出来るかが大切で、嘘のつけないプロダクトだからこそやりがいがあります。「N.G.R.」とは、「New Gravity Revolution」の略で、革靴といえば重く、歩きにくいイメージを持たれがちだからこそ、その様なイメージからの解放、履いたときに感じてもらえる開放感という2つの意味を込めています。スニーカーで育ってきた若い世代の多くは、歴史ある革靴の文化や価値観に興味をあまり抱きにくい。それと言うのも、都会のアスファルト路面では革靴の機能性が引き出されづらく、革靴に親しむきっかけを失いがちだからではないかと思っています。だからこそ、彼らの為にも革靴とスニーカー、両方の魅力を引き継いだ靴を創ろうと思いました。「N.G.R.」初の受注会を下記2日間、SMOKEにて行います。今回はクラシックな形を重視して作りました。 その場で採寸し、オーダーを取らせて頂きます。 是非お越し下さい

日時: 11月27日(木) 20:00 ~ 24:00「A Hard Day's Night」イベントにて11月28日(金) 12:00 ~ 19:00場所: SMOKE Bar & Grill

僕が20歳のころ、無一文状態になり元手のかからずすぐお金になる仕事はないか??と考えて出た答えが靴磨きで、100円ショップで道具を500円ぐらいで揃えて東京駅丸の内口の路上で靴磨き屋さんを開いたのがきっかけです。もちろん靴を輝く事によって良い靴がより魅力的になるという事はありますが、それよりも靴磨きを通して人をハッピーに出来ることが一番の魅力です。靴を磨くと不思議と歩き方も変わります。ピシッとするんです、自信も湧いてきます。スーツやシャツもよれよれは嫌になりオシャレにも気を使うようになり、靴だけでなくその人も輝き始めます。本当に大事な事は小さい所(ここでいう足元)に詰まっているという哲学を靴磨きから感じ取って頂けたらと思います。ぜひ靴を磨いてみてください。何か発見があるはずです!

日程: 11月27日(木)場所: SMOKE Bar & Grill )F4 ERYG道参表(.

コンテンツ:介紹」H tfirB「&」.R.G.N「 00:42~00:02

20:00~ ジム・アヴィニョン(アーティスト)LIVE PAINTING&PERFORMANCE)JDータクレセジンウラニーマルア( ALLIM JD ~00:12

22:00~ 大貫憲章(ロンドンナイト)23:15~ SARO(タップダンサー)PERFORMANCE

Kick It Hard.この日、靴の新しい歴史が始まる。 激しく歩き、激しく走り、そして激しく蹴りあげる。 ビスポークスニーカーブランド「N.G.R.」Debut!!

N.G.R.名倉 誠 Brift H 長谷川裕也 A Hard Day's Night!!

11月27日の60年代ロックとテーラーメードカルチャーを融合させたイベント、「A Hard Day's Night」がメイン会場SMOKEにて開催される。その中で、「ビスポークスニーカー」という新しい領域を切り開いた「N.G.R.」と、靴磨きの新しいイメージを提唱する「Brift H(ブリフトアッシュ)」、革靴にまつわる二つの新しい流れを紹介する。両者に共通するのは、生活に根付き、歴史ある革靴というプロダクトを現代生活に見合う新しいスタイルへと昇華させ、提案している点である。

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