tokyo design flow paper n4

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Has the flow of the design been changed?

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Page 2: TOKYO DESIGN FLOW paper N4

2 TOKYO DESIGN FLOW paper N4

世界の人口は60億人を超え世界の実際の経済規模は6000兆円に対し世界の金融全体では2京4000兆円というバーチャルな数字になってきていました。そこにリスクの或る住宅ローン(サブプライムローン)を混ぜた金融商品が現実から乖離してしまい金融危機がおこったのです。かぎり或る地球は人類みんなのもの。 バックミンスターフラーが言ったように、宇宙船地球号に乗って人間が宇宙を回っているという認識、土地は全て地球のもの、それを人間が使用しているという事実を認めなければいけません。アジアの英知を最大限引き出し、こうした自然との共生を目指すべきときが来ました。流体力学的曲線を好んだ現代のスターデザイナー達は今や大きな変化に気がつき始めています。

Financial Crisis

太平洋の島々では自然の色ということでグリーンとブルーは同時に使われています。本来、豊かで安らかな海の様を平和と見なしたように、太平洋――Pacific Ocean はPacifist --平和主義者の語源にもなっています。

Green & Blue

Copyright©2008 Media Surf Communications Inc. All rights Reserved. Supported by

現代のデザインはそうした思考と地球に対する指向を持ってなされ始めています。人類の夢と創造性が現実生活にデザインされて行くことが求められています。人類はいくつもの危機を乗り越えてきました。未来を創造する思考とデザインが現在の危機を救う可能性を秘めています。

Think Tank for the future

情報があふれ、必要なものはインターネットを介し瞬時に手に入るようになった。だが、五感をつかって得る「情報」はバーチャルではない。単なる「情報」でなくそれは「体験」であり、もはや「知識」なのだ。情報化社会となり、その質よりも膨大な量に誰もが圧倒されつつある今、本当の「知識」をもとに世界を確かな方向に導いてゆく必要性があるのではないでしょうか。

Information driven

オイルを中心にしたエネルギー消費と二酸化炭素の大量な発生により、地球温暖化は急速に進んでいます。これは異常気象の原因になり、地球上の自然が人間の文明に起因する急激な変化のために地球規模で破壊されています。

Global warming Urgent problem

そこで人類の永続的な発展を可能にすべく、新しい生活の価値とライフスタイルのビジョンが求められています。それを魅力的にする力が創造性とデザインに要求されています。

Sustainable design

かぎり或る資源を使い、循環的なエネルギーの使用を目指す社会を作り上げるべく、今後オイルと水が最も注目されています。

Oil and water one of the most important factors.

デザインの潮流は変わってきたのか?

Design & philosophy

TOKYO DESIGN FLOWorganized by Media Surf Communications [email protected]

TOKYO DESIGN FLOW paperPublisher: Teruo KurosakiProducer: Akihiro Matsui(Media Surf Communications Inc.)

Editor in chief: Daisuke Horie(Media Surf Communications Inc.)Editor: Daisuke Watanabe(Media Surf Communications Inc.)

Art Director: Kazuhisa Yamamoto (Donny Grafiks)

for Media Surf Communications Inc.Designer: Donny Grafiks, Katsuyo Takaiwa, Makiko Fujiwara, Io Kurihara

photographer: Motoki Higashide, HORI,Shunji Ishiii, Kiwako Imai, Kiriya Nishina, Kei Imaizumi, Youhei Fujimaru, Kabo

Has the flow of design been changed ?

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3TOKYO DESIGN FLOW paper N4

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4 TOKYO DESIGN FLOW paper N4

東京のデザインはどこに流れていくのか?

Where the “Tokyo design” flow to?

Tokyo Designers Week川崎健二: 今年のテーマは「LOVE」。今年も、「LOVE」。「地球を愛す、人を愛す、モノを愛す…その愛のカタチをつくるために、デザインにできることって何だろう?」を問うための「LOVE」です。テーマを変えないのは、本当に伝えたいことは、世の中になかなか伝わらないので。伝わるまで変えません。でも、ロゴは毎年変えています。その年の時代性を表現したいからです。風のように変えていきます。今年のロゴを作ったのは、『Dezeen.com』のArt Directorをしているスイス人の Micha Weldman 氏。ちょっと違った角度で東京をデザインしてもらいたかったから。

DESIGNTIDE TOKYO松澤剛:

『DESIGNTIDE TOKYO』(以下、“Tide”)では、テーマを据えていません。“Tide”は、9人のディレクターで運営しているんですが、皆、ショップやプロダクト、プレス、編集、ファッション、など様々な分野のプロ、目利きです。その目利きたちが選んだものが出展される場所、そういうプラットフォームとして、自分たちは“Tide”を位置づけています。

今年も、「Tokyo」に「デザイン」の秋がやってくる。100% Design Tokyoなどを開催する「Tokyo Designers Week」と、Tokyo Desiners Blockの流れを汲み、]今年で4回目を迎える「DESIGNTIDE TOKYO」。会期中には、延べ20万人とも30万人とも言われる人が、「デザイン」という言葉に触れ、「デザイン」の熱を感じながら「Tokyo」の街を動き回る。ところで、「デザイン」という言葉が広く世に受け入れられるようになった一方で、「デザイン」という言葉がところ構わず使われるようにもなった。「デザイン」という言葉から、品格が剥ぎ取られつつある。「デザイン」に向き合う当事者にはそんな危機感がある。また、経済に目を向ければ、サブプライム・ローン問題、リーマン・ショックをきっかけに、世界大不況の足音が忍び寄る。そんな今、「Tokyo Designers Week」からは総合プロデューサー川崎健二氏(DESIGN ASSOCIATION)と猪子寿之氏(Team☆Lab)が、

「DESIGNTIDE TOKYO」からは9人いるディレクターのなかから横川正紀氏(CIBONE)、松澤剛氏(E&Y)が、「デザインの力で世界を救おう」というスクーリング・パッド※、デザインコミュニケーション学部長・黒﨑輝男の呼びかけに応じて一同に会した。「デザインはどうあるべきか?」「何のためのデザインか?」をテーマに、「デザイン」の流れの先を探った。

Tokyo Designers Week川崎健二:そういう意味でも、“Week”では入場料、出展料を取るということに大きな意味を置いています。お金を取ることで質を確保したいという想い、お金を払ってでも見たい、出展したい、そういう覚悟で来ていただきたいという想いを込めています。皆さんにも、覚悟のもとで来ていただければと思っています。

DESIGNTIDE TOKYO横川正紀:

“Week”とは、「デザイン」に真摯に向き合いながら、「デザイン」を盛り上げていく、そういうベースの流れは同じだと思っていますが、「デザイン」と向き合うスタンスという意味では違うものがあると思っています。

“Week”では、企業をはじめ、学生や外国の大使館まで、非常に幅広い人が集まる、言わば「デザイン」の百貨店のような場所だと捉えていますが、“Tide”は、インディーズの精神を持った、セレクトショップのような場所でありたいと思っています。今、この「 2008年」というときにおいて、勢いのあるデザイナーの作品を目利きの責任として選ぶ。真剣に活動を行うデザイナーに表現の場を提供するとともに、選ぶ側の立場として、責任を持って挑む、そういう場だと思っています。

Tokyo Designers Week川崎健二:

『Tokyo Designers Week』(以下、“Week”)で目指すのは、コンテンポラリー・デザインのメインストリームを作っていくこと。それも、高いレベルで。日本のデザイン界の特色として、インハウス・デザイナーが多い、ということが挙げられます。特にプロダクト・デザインの中では顕著です。世の中のあらゆるプロダクトは「デザイン」を纏っている訳ですが、こうしたインハウス・デザイナーのパワーを結集していけば、そうしたプロダクトの「デザイン」が磨かれ、

「デザイン」を巡る人々の感性も磨かれていくのではないかと思っています。

text: 萱原正嗣(カヤハラ マサツグ)

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Where the “Tokyo design” flow to?

DESIGNTIDE TOKYO横川正紀:今回は、ブックレットの質にもこだわっていて、参加するデザイナーのパワーを余すところなく、魅力的に紹介できるよう、ブックレット自体も、イベント同様プロの編集能力を駆使して取り組んでいます。イベントとブックレットで、「デザイン」の先端を行くデザイナーのエネルギー、試みを伝えていきたいと思っています。そういう意味では、“Tide”としても、目利きとしての自信と責任の表れとして入場料、出展料を取っています。「売れるもの」=「いいもの」という資本の論理ではなく、目利きの主観と責任で選んだ作品が並ぶ場所。そこに、皆さんも期待感と覚悟を持って訪れていただけたらと思っています。

Tokyo Designers Week猪子寿之:

“Week”の話からは逸れますが、日本のモノ作りが20世紀に置き忘れてきてしまったもの、すなわち「日本の感性」を取り戻すべく、経済産業省主導の「感性価値創造イニシアティブ」という活動に川崎さんと一緒に取り組んでいます。その一環で、今年の12月に、パリはルーブルの装飾美術館で「感性展」というのを行います。歴史の流れを受け継ぐ

「日本の感性」を前面に押し出していく予定ですが、こうした動きを続けていくことで、日本の、世界の「デザイン」の流れに変化をもたらしていきたいですね。

川崎健二(DESIGN ASSOCIATION)

松澤剛(E&Y)

横川正紀(CIBONE)

猪子寿之(Team☆Lab)

黒﨑輝男(スクーリング・パッドデザインコミュニケーション学部学部長)

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Aero Dynamics to Surfing Shape

Tokyo Design Books

流体力学からサーフィンシェイプへデザイナーがスターになったのはAndre Putmanが初めだ。ニューヨークの編集者Suzanne Slesinと組んで80年代に『French Style』というデザインの写真本を出し、Ian SchragerとMorgans Hotelというデザインホテルをデザインし、ファションとインテリアと家具デザインが一体となり情報化された。フランスの伝統的なエレガントなデザインを基にニューヨークのロフトとハイテックなダイナミズムを取り入れて最初のデザインホテルとして成功した。そのとき同時にイアンシュレガーは投資家を募りビジネスも所有権の分散と債券化という始めての形を作った。以後デザインは資本主義の発達と平行し発展することに成った。Philippe Starkは飛行機の設計家の父の影響とバイクに対する愛から流体力学的な曲線と新しいフランスのデザイン文化を担うことに成った。一方イタリアではEttore Sottsass一派がMenphisという旅をテーマにデザインを考え実験して行くというグループでの動きを始めた。ここでデザインが静的なものから動的に考え、情報化されるようになることが一般的になった。数々のデザイン本が出版され、

There is a quality in the graphic design and printing skill in Tokyo.You can find Otaku focus in detail of design.Some editors of design have published Tokyo design books.『Tokyolife: Art and Design』Rizzoli by Ian Luna『Wonderwall: Masamichi Katayama 』FRAME by Yoichi Yasuoka

東京のデザインシーンについての注目から多くの出版が企画されている。ディテールや印刷のクオリティーは日本独特のものがある。東京の若者の生活は世界中の注目の的になっている。

デザインが経済においても無視できない要素になった。デザインと時代の空気を読めない経営者は経済の流れから取り残されるようになった。風説とファションは情報と統計と肩を並べたのである。一方日本や南半球からもデザインのスターが生まれた。倉俣史朗は世界のデザイン社会にその存在感を認めさせたのは、モノの存在の希薄さと素材に対する詩情を感じさせる作風と三宅一生のデザインを一方から支えた。吉岡徳仁はその流れをさらに発展させたと言える。オーストラリアから東京で其のデザインキャリアをスタートさせたMarc Newsonはサーフ文化の中で育った。西欧のデザインとは違うFormからなる Shapeをアートの領域迄引き上げた。2000 年を超えてDesign, Fashion, art, and creativityが旧社会の芸術領域から情報化の流れに合って、発展してきた。株価と実体経済の関係はデザイン価値と実用価値の関係に近く、流行と実用は情報文明の飛躍的発展により 実社会の流れを投影されるものに成ってきたと言える。Michael Young やRoss

Lovegrove などの時代の流れそのもののデザインが情報の形として,時代の形態として確立した。一方オランダのdroog design などのようにデザイン界の中心でない地域からのデザインは新しいデザインに対する視点が現れた。物質の循環と経済の流れの変化は同時に起きている。世界同時不況は同時に価値観の変換のときを表している。デザインの真の価値と力がトはれていると言える。其のとき日本とアジアの英知が西欧の思考回路と違った流れを創造できるかが現代日本デザイン界の課題として見えてきた。

流石創造集団CEO、Schooling-Padデザインコミュニケーション学部長

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Throw light on our futureぼくらの未来に灯を照らせ

SAVING THE PLANET IN STYLESWEDISH STYLE IN TOKYO 2008

消費者として求めさえすればあらゆるモノが与えられる現代。日々の生活の中で、自らの手で火を点ける場面がどれだけあるだろうか?太古、一匹の好奇心に溢れた創造的なサルが火の起こし方を発明した。彼の手の中で起こった小さなヒラメキは、後の人類の発展を決定づける大きな光明となった。30年前、あるミュージシャンが歌ったように、人は何事にも感激しなくなった自分に気が付いた時、人がヒラメキやカンゲキを無くしてしまった時、人類の衰退が始まるのかもしれない。既成の価値観が揺らぎ始め、まさに世界が時代の変革期に差し掛かりつつある今、ぼくらが主体性を

取り戻し未来を創造的に生きるために、いまこそ灯を点し文化の明かりで未来を照らすのだ。そして火を点すという根源的で創造的な行為は、煙草という嗜みを通して都市の中にも生き続けている。

10月30日開催の「LAST THURSDAY」より、イベント協力店舗でオリジナルマッチの配布とスタンド灰皿の設置をします。設置店舗などの詳細はTokyoDesignFlowのオフィシャルサイトをご覧下さい。http://www.tokyodesignflow.com/

このオリジナルマッチには、あなたの想像力に火を点ける秘密の仕掛けがしてあります。TokyoDesignFlowオフィシャルサイト上の特設ページでぜひ確かめてみて下さい!

Swedish Style in Tokyo was born in 1999 and has continued as a yearly event in Tokyo ever since. I had the priviledge to live in Tokyo at the time, my husband serving as a Swedish Ambassador in Japan. It started out of genuine interest from our Japanese friends, wanting to know more about Swedish contemporary culture. Together with them, we simply brought lots of artists and the latest within Swedish Fashion, Film, Photography, Design, Art, Music and Food. This as a way of sharing our current lifestyle. As a natural continuation, we later organized an event ”Tokyo Style in Stockholm” in 2004.

Thanks to the enthusiasm and support by our Japanese partners, the Swedish Style in Tokyo event lives on every year, even with different Swedish organizers at the steering wheel. In recent years with focus on design and in connection with the Tokyo Designers’ week.

Swedish Style this year follows the originial motto ”More people than products” bringing several young Swedish designers to strengthen the ties for continued exchange. 2009 will be the 10th anniversary of Swedish Style in Tokyo and we are preparing several exhibitions and events.

1999年から毎年開催されてきたSwedish Style in Tokyo は、ファッションや音楽、フィルムなど、スウェーデンカルチャーの「今」を幅広く紹介し、異なるライフスタイルを共有してきました。2004年には「Tokyo Style in Stockholm」も開催しました。

今年はオリジナルのモットーである、「プロダクトよりも多くの人を」を掲げ、デザイナー達が来日します。Swedish Styleが東京で開催をはじめて10周年を迎える来年は展示やイベントを行う予定です。

最近注目されている「サステナビリティ」は決してトレンドではありません。自分たちの地球を、家を守るために人類は最も大きな挑戦に立ち向かうのです。自分たちを守らなければならないのです。特にデザインというフィールドにおいて言えば、いままでの個人としての視点というより、皆でどう力を合わせコラボレーションをおこなっていくのか、という視点が重要になってくるのではないか、と思います。デザイナー達は消費者と生産者をつなげる役割を担い、同時に生産プロセスの改善など多大な影響を与えることができるのです。

今私たちは厳しい状況に直面しています。だからといってライフスタイルを変容させる必要性が求められているのではありません。今まで通り、情熱と感情や、自分たちが愛するものをし続ける、ということが重要なのです。これからも消費はされ続けるでしょう。しかし、新しい道を見つけることができるはずです。そこでクリエイターやデザイナーが世界規模で果たすべき重要な役割があるのです。

私たちは誰でもが協力できるのです。小さな一歩が大きな変化を生むのです。新しい思考で解決していきましょう。スタイルをもって。

Ewa Kumlin

The theme we are all gathering around these days is Sustainability. It is not just a trend. We are facing the biggest challenge for mankind, to save our earth, our home. There is no choice. We have to save ourselves. It is about longlasting quality of life. Within the design field, we are now experiencing a forceful shift away from the individuaIistic perspective to a more collaborative and community oriented vision. There is a stronger social engagement and different disciplines are working together to find new solutions, starting with our urban lifestyles. Designers are an important link between consumers and producers and can influence the production process.

We are faced with the hard facts, but we are not making the necessary changes in our lifestyles. As humans we will continue to be ridden by passion and make emotional choices, we will keep doing what we love. Consumption will not stop and we will not stop to travel, but we have to find new ways. The changes have to come from within. Artists and designers with their non-linear and creative thinking have an vital role to play here. Promising initatives are taken world wide.

We have to believe that all of us can contribute. Small steps will make the big changesLet’s celebrate this new way of thinking. Let’s save the planet in style.

Ewa KumlinFounder of Swedish Style in TokyoManaging Director of Svensk FormThe Swedish Society of Crafts and Design

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東京のデザインの流れを伝える Tokyo Design FlowTokyo Designers week, Design Tide and 100% Tokyo.「Urban Utopia」都市にユートピアを求めて

主催: Tokyo Design Flow 実行委員会, メディアサーフコミュニケーションズ株式会社協賛: UNU, Artek, LAFUMA, Swedish Style Tokyo, 流石創造集団㈱, Svensk Form, ヤマギワ㈱, DESIGNTIDE TOKYO, 100% design tokyo, Design association.

LOOKING FOR URBAN UTOPIA10/31~11/1

TOKYO DESIGN FLOW

21世紀になり世界の人口の半分以上が都市生活者になることが報告されています。又、同時に人類文明の行き過ぎにより、自然界に深刻な影響が出てきています。循環的な共生の存続可能な発展を求めて我々人類が始めて英知を結集させるときが来たのではないでしょうか。国連大学ではSustainable の研究を中心にするInstitute の他、Green Campus Projectなどのあたらしい取り組みをしています。青山国連大学においてデザインとアートと音楽と会話であふれさせるイベントを企画します。当日はアルヴァ・アアルトのデザインしたartekの家具とフランスのアウトドアファニチャーブランドLAFUMAの協力により臨時のカフェが幻想的な照明による森林のなかに出現します。又Swedish Style による Saving the planet in style.家具の展示などの他、デザインと文化を中心に連続セッションが行われます。北欧のデザインの思想を伝えるトークセッシオンの他、tap water ,Sustainable design, Outdoor life,都市の農的な生活、スウェーデンのデザイナーティームFRONTのプレゼンテーションなどの他、いろいろな音楽などのパフォーマンスがあります。

11/111:00-14:00コンテンツ● URBAN UTOPIA● MUSIC

東京青山にある、国連大学の二日目はゆっくりとレイドバックな午後を。前日同様のカフェが出現し、来場者にゆったりと座り、音楽とともにリラックスできる空間を提供します。

10/3118:00-23:00コンテンツ● URBAN UTOPIA● ゲストスピーカーによるセッション● SWEDISH STYLE IN TOKYO THE PARTY● MUSIC(DJS, LIVE, PERFORMANCE)

東京青山にある、国連大学の中庭が音楽とデザイン、会話であふれる二日間の初日。国連大学の中庭に突如「グリーン」なカフェが出現します。18時からはSWEDISH STYLE(*1)の来年以降本格的に始まる「saving the planet in style」プロジェクトのキックオフパーティも行われ、19時からは世界中からのゲストスピーカーを招き、「サステナビリティ」「デザイン」などのテーマに沿ったトークセッションが行われます。また、音楽やライブパフォーマンスなども同時に行われ、「サステナブル」を刺激的に考える一夜となることでしょう。*1:1999年から開催されているスウェーデンデザインを東京で発信するイベント。

参加予定ゲストスピーカーFRONT(デザイナー),EWA KUMLIN(SWEDISH STYLE発起人)、

(流石創造集団)、マイケルヤング(デザイナー)、スウェーデンの若手デザイナーなど

長谷川章 平野治朗

artekフィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトが自作の家具を国内外に販売するために、1935年に設立した、アアルトの家具コレクションとして世界的な知名度を誇る。

lafuma1936年、「ラフマ」はメタルフレームを使用した当時としては画期的なザックを開発。常に品質に拘りながら山のプロにだけでなく、多くの人 に々情熱を持ってアウトドアー商品を提案し続けています。

Swedish Style Tokyo1999年より開催されているスウェーデンのライフスタイル全般を包括的に東京にて発信するイベント。ファッションや家具、映像や音楽などジャンルをまたぎ、スウェーデンデザインの「今」を伝える。

V)のステーションロゴやTVCMなどを数千本制作。1995年には日本人の持つ無常の精神からD-K(デジタル掛け軸)を発明。Dkはアメリカバブリックアート2007のベストアーティストに選ばれ、日本の高校の教科書「情報C」にも紹介された。魂の普遍的な形式「DK=デジタル掛け軸」を世界中でインストールし、精力的に活躍。魂の死滅しかけた世の中にスピリットの在処[ありか]を問う。産業革命からデジタル革命へ、そして・・大坂、熊本、名古屋城はじめ高野山、京都嵐山、ギリシア・アクロポリス、国技館、韓国オリンピック競技場、伊勢神宮、上海国際芸術祭

32005豫縁、サンノゼZERO ONE2006アートフェスティバル他世界80個所にDKデジタル掛け軸をインストールしてきた。そしてD-Kを芸術の枠を超えてメデイア、建築、ファッション、医療や癒し、情操教育、などを統合したサイエンスアート「量子芸術」を確立した。

1947年日本生れ。日本民間放送連盟TVCM部門最優秀賞を始めACC賞など数々の賞を受賞。NHK大河ドラマ「琉球の風」始めNHKニュース、スポーツタイトル、中国中央電視台(CCT

1987年、Art Unit Complesso Plasticoを結成しベニスビエンナーレなど国内外の主要な展覧会に出品する。その後、個人もしくはUnit名

義にて活動。2000 ~ 2001年に水戸芸術館十周年記念展「宇宙の旅」に出品した120億年の記憶と空間を映像と音で体感する作品「 120億光年」以降、関心はより生活に結びついた領域に向い、最近のプロジェクトとしては最長国道を2km閉鎖し、総計1万人を動員しておこなったお祭り規模の環境彫刻「GINGA」シリーズや、都内中心部の一軒家にて2年に渡って実施した体感芸術実験温泉「白光温泉Experimental」などがある。

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DESIGN EVENT OUTLINE

DESIGNTIDE TOKYO 2008 Tokyo Designers Week 2008

100% Design Tokyo

www.design-channel.jp

www.100percentdesign.jp

www.designtide.jp

CONTENTS

CONTENTS

TIDE Exhibition タイドエキシビジョン100% Futures

CONTAINER DESIGNING TOWN

SHOP EXHIBITION

ZERO EXHIBITION

世界デザイン編集長会議

フォーラム

BLICKFANG

TIDE Market タイドマーケット

TIDE Extension

今回で4年目を迎えるDESIGNTIDE TOKYO。今年は東京ミッドタウン・ホールをメイン会場にして行われます。インテリア、プロダクト、建築、グラフィック、テキスタイル、ファッション、アートなど様々なジャンルから集まった作家たちの真摯なデザイン活動を受けとめる器として、東京という場所だからこそ集うデザインを発表し、トレードするためのエキシビションです。今回からは誰もが共有するデザインという言葉を、行為を、もういちど問いなおしてみる契機と考えます。このデザインイベントで「DESIGN」活動に真剣に向き合う作家たちが、世界中のクリエイター、メーカー、プレスやバイヤーなど「DESIGN」に関わる人々、生活しているすべての人々に集い繋がって、世界にひろがってゆくこと。そんな受け皿をDESIGNTIDE TOKYOは目指しています。

23回目を迎える今年は、国内外から500を超える企業や大使館、デザイナー、学生、ショップなどが参加。今年もテーマは『LOVE』。『地球を愛す・人を愛す・モノを愛す』のコンセプトのもと、最先端のデザインを東京から発信していきます。昨年は、過去最高となる85,298人を動員。今年は約10万人の来場を見込みます。同イベントでは、世界的に注目を集めるコンテンポラリー インテリア・デザインショー『100% Design Tokyo』に建築分野の新たなカテゴリーが登場するなど、コンテンツを拡充を図ります。また、貨物コンテナ

Futures 』、都内のインテリアショップなど100店余りが参加する『SHOP EXHIBITION』などが複合的に開催される、デザインイベントです。

世界が注目する東京デザイナーズウィークのメイン企画東京では4回目となる、ロンドンが発祥のコンテンポラリー・インテリアデザインの国際見本市。昨年に続き、英国を代表するデザイナーのマイケル・ヤングをショーデザイナーに起用。国内外の企業や大使館、デザイナーなど、審査によって選ばれた約400の出展者が参加し、インテリアや家具、小物、照明、家電などの最新デザインを展示します。また、今年から建材や装飾部材の新ジャンル『100% Material & Detail』を新設し、建築・建設分野を強化を図ります。さらに、カテゴリーごとにより見やすいゾーニングを行い、コンテンツの充実を目指します。

デザインタイドの中核。新しい創作とアイデアが発表され、トレードされる場所。デザイナー、メーカー、バイヤー、ジャーナリストが集い、皆が真剣にデザインと向き合うメインエキシビション。

国内最大規模のデザイン産学プロジェクトが始動。一つの企業と複数の学校が、各分野のトップクリエイター監修のもとワークショップを重ね一つのデザインを創りあげるという新しいスタイルの産学プロジェクト。今年は6つのプロジェクトのもと、6企業、約40の大学や専門学校、6人のクリエーターが参加する、大規模な試みとなります。また、これらのプロジェクトの成果と合わせて、国内外約40校が参加する「学生作品展」も同会場で開催されます。

をコンセプトに、一つ一つのコンテナをショップに見立て、より親しみやすい演出を行います。それぞれのブースの独創的なデザインを、見て、触って、体験できるイベントです。世界的にも高い評価を頂いており、世界各地でもコンテナを利用した様 な々展示が行われるようになりました。

東京の街全体でデザインを楽しめるお馴染みのショップ企画。都内100余りのインテリアショップやブティック、ショールームが参加する、東京の街全体を舞台としたエキシビション。各ショップの個性溢れる演出が楽しめる、秋のデザイン散歩にもおすすめの催しです。今年は他のイベントに先駆け10月25日(土)から開催されます。

才能溢れる若手デザイナーの登竜門。40歳以下の若手デザイナーを対象とした作品展示。優秀デザイナーは海外のデザインイベントへの出展が賞として贈られます。赤坂アークヒルズにこれから注目の新しい才能が勢揃いします。

世界のデザイン誌の編集長を招聘した会議を行います。世界のデザイン潮流を知り、これからのデザイン、モノづくりへのヒントとなるパネルディスカッションです。11月1日(土)開催予定 テーマ: デザインと匠の技 MC: Marcus Fairs (dezeen編集長) パネリスト:Anniina Koivu (Abitare)Chantal Clavier Hamaide (intramuros) 喜多俊之(工業デザイナー)

10月30日~ 11月3日の期間中、約20のフォーラムを開催致します。建築・インテリア・ファッション・グラフィック・バイヤーなど第一線で活躍する業界関係者のデザインフォーラムを開催します。週末は子供のためのワークショップを予定しています。

ヨーロッパが拠点のファッションアクセサリー見本市ドイツを拠点にスイス、オーストリア等で展開するファッションアクセサリーの見本市。ヨーロッパからデザイナーが来日し、インテリア、ファッション、ジュエリーの3分野から最新プロダクトを発表し販売を行う。ブリックファングの歴史はチューリヒ、シュトゥットガルト、ウィーンにおいて10年以上となり、東京進出は3年目となります。

新しいクリエーションを展示販売し、マーケットリサーチすることが可能な場所。デザインを実際に手に取れて、購入することができる出会いの場でもある。

東京という街全体で行われる作品発表。個々のショップやギャラリーなどがDESIGNTIDE TOKYOというプラットフォーム上で繋がり、ひとつのエキシビションとなる。

会場: 東京ミッドタウン・ホールほか日程: 2008年10月30日(木)~11月3日(月・祝)の5日間時間: 10月30日(木)15:00~ 21:00(最終入場時間20:30)10月31日(金)~11月02日(日)11:00~ 21:00(最終入場時間20:30)11月03日(月・祝)11:00~ 17:00(最終入場時間 16:00)※最終入場時間を過ぎますとご入場いただくことがいただくことができませんのでご注意ください。

入場料: 1,000円 / 1日

会場: 明治神宮外苑 絵画館前ほか日程: 2008年10月30日(木)~11月3日(月・祝)時間: 10:00~ 20:00(最終日は18:00まで) ※10月30日(木)および31日(金)の10:00から16:00まで、『100% Design Tokyo』会場はビジネスタイムとなります。(招待者のみ入場可)

入場料: 2,500円(税込)/ 1日 

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11TOKYO DESIGN FLOW paper N4

ラフマストア原宿オープン

「カルチャー発信地である原宿という街の文化のなかにあることは必然でした」

Lafuma

inhabitant

1936年ラフマはフランスに誕生し、メタルフレームを使用した画期的なバッグを開発することで、バックパック業界に革命を起こしました。1954年、キャンピングファニチャーを開発し、1980年代には寝袋と

 原宿交差点から少し路地を入ったところにあるビルの地下にinhabitant@原宿はある。壁にロゴが小さくあしらわれた階段口から地下に降りていき、扉を開け、短い通路を入ると店内空間が広がる地下の隠れ家的空間だ。空間デザインは片山正通氏(Wonderwall Inc.)のプロジェクトによるものである。その店内は「2つの空間に分かれていて、手前が家の中、奥に進むと地下なのに庭に出るというイメージで作られています。初めての方はなかなか入りづらいかもしれませんが、ユーザー

に集ってほしいと作られた場所なんです」とinhabitant原宿ショップマーチャンタイザーの鈴木孝行さん。 SNOWBOARD、WAKEBOARD、BIKE、SKATEBOARD、SURFING、DJに至るまでアクションスポーツを媒介に、ユースカルチャーのスタイルを提

原宿でのラフマストアのオープンはラフマ独自のコンセプトを日本に持ち込みたいという願望から生まれたものです。それは絶えずアウトドア・アクティビティーとフラン

キャンペーン情報: 10月30日(木)から11月1日(土)までの三日間、TOKYO DESIGN FLOW paperをご持参の方にはオリジナルのステッカーをプレゼント。なお数に限りがございますので、あらかじめご了承ください。

テントにその業容を拡大。さらに1992年には最初のゴアテックスジャケットを世に送り出し成功を収めています。ラフマはア

りながら多くの人々に情熱を持ってアウトドアー商品を提案し続けています。2000年以降、シューズコレクションを開発し、現在はLafuma(ハイキング、ライフスタイル)、Oxbow(サーフィン)、Millet(マウンテンニアリング)、Eider(スキー)、Le Chameau(ハンティング&フィッシング)の5つのブランドを提供することですべてのアウトドア・アクティビティーに対応しています。また、ラフマはエコロジー活動も実施しています。アウトドアは一つの哲学であり、自然、環境、我々の惑星の未来にアプローチする一つの手段と考えています。この考え方に基づき、1992年以降エコデザイン商品開発を開始。この

言葉をもって要約されています。1998年、WWF(World Wild Fund)と提携し、また2003年、国際連合によって立ち上げられたGlobal Compactにも参画しました。

inhabitant。スポーツを愛する人たち、そのコミュニティを「inhabitant=住民」として捉え、プロのライダーからブランドユーザーまで様々な住民たちからのアイディアを製品化してきた。「プロ使用の本格的なスポーツギアからカジュアルウェアまで、かっこいい運動着、普段着、夜遊び着をテーマにしています」カジュアルウェアで

ルコットンを使用するなど、こだわりを感じることができる。 2004年に原宿直営店をオープンしたinhabitant。「場所を選んだということはなく、自然に原宿ということになりました。世界的な認知もあり、カルチャー発信地である原宿という街の文化のなかにあることは必然でした」。原宿の地下の隠れ家の住民はこれからも増え続けていくのだろう。

スブランドの伝統への情熱を示すことでもあります。原宿はスポーツ&ライフスタイルにおいて日本の中心的な地域であり、ショールーム的な役割を担っています。原宿を選択したことは、伝統あるラフマブランドをモダンなライフスタイル・ブランドと

案したいという考えからです。ストアは基本的の2つに別れていますが、それぞれが補完しあう関係にあります。芝生の部分は、野原、自由を連想させ、いくつかの商品に

見られるようなポップな時代の遺産としての明るいグリーン色を使用しています。木のパートは、自然、森林、山小屋を連想させ、また店内に昔の広告やロゴを使用することで、ラフマストアはその伝統ある歴史と物語に再度焦点を当てています。

OPEN 10/17(金)11:00 ~営業時間 11:00 ~20:00住所 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-19長野ビル1F Tel 03-3407-3155

インハビタント原宿ショップ東京都渋谷区神宮前4-31-6 B1Ftel:03-5771-5599 fax:03-5771-573711:00-20:00 無休

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We are Looking For …

Tokyo Design Flow Mobile Site

Editors and Contributors Tokyo Design Flowを運営するMedia Surf Communicationsの編集チームantstokyoでは意欲的な編集者と寄稿者を探しています。『TOKYO DESIGN FLOW paper』の編集やWEBコンテンツの企画・編集など。Event Creater and Situationist Tokyo Design Flow『Last Thursday』やFarmer's Marketなど東京の街で繰り広げられる熱気ある状況に参加し、企て、創り上げるEvent Creater、Situationistを探しています。 その他、Tokyo Design Flow に関わりたい方を常時募集中です。[email protected]までご連絡ください。

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Tokyo Design Flowを運営するMedia Surf Communicationsの編集チームantstokyoでは意欲的な編集者と寄稿者を探しています。『TOKYO DESIGN FLOW paper』の編集やWEBコンテンツの企画・編集など。Tokyo Design Flow『Last Thursday』やFarmer's Marketなど東京の街で繰り広げられる熱気ある状況に参加し、企て、創り上げるEvent Creater、Situationistを探しています。 その他、Tokyo Design Flow に関わりたい方を常時募集中です。[email protected]までご連絡ください。

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スノーボードシーンを語る上では欠かすことのできない「BURTON」という存在。BURTONが考える東京、原宿、スポーツカルチャー、そして魅力について。

原宿に世界唯一となるフラッグシップストアを構えるGRAVIS FOOTWEAR。 ボードスポーツシーンはもちろん、ストリートシーンでも幅広い支持を得るGRAVISの姿勢。

BURTON INTERVIEW

Farmer's Market@GYRE

GRAVIS INTERVIEW石原公司さん 村松正規さん

ここ原宿のフラッグシップストアについて教えてください。フレッシュパウダーのような1階と雪山のロッジをイメージした温か味のある2階は雪山へスノーボードトリップに出かける時のような感覚を演出します。場所に関しては、原宿という世界有数の情報発信都市に集まる感度の高い人々に対して、年間を通してスノーボードライフスタイルを表現することは、ブランド全体に大きな影響を与えていると思います。

BURTONデザインの特徴はどんなところですか?スノーボードの楽しさをより多くの人へ伝えるために、膨大な量のテストとフィードバックを繰り返し、最高のプロダクトを常に目指しています。全てのプロダクトは多くのライダーやスタッフのフィードバックが反映され、ブランドロゴに代表されるプロセス(ライディング→テスト→設計→解体→再設計→そして再びライディング)を経て誕生しています。

スノーボードをはじめとしたスポーツカルチャーをサポートするBURTONのスタンスは?

フチッャキを)リノ横もつい(.syawediS dnatS eWレーズに掲げて、スノーボード、サーフィン、スケートボードという3つのボードスポーツの楽しさを広めていることです。

最後に「東京」について。様々な国のカルチャーを取り入れ、独自の表現をすること。それをもの作りに繋げていくこと。一方で日本が昔から持つ良さを見失わず、現代の表現に融合させていくこと、その情報発信の中心地になってほしいです。

Tokyo Design Flowは11月より、マンスリーでFarmer's Marketを開催いたします「Harvest from the earth.」をコンセプトに、有機野菜、季節の果物、色とりどりの花木をそろえ、音楽ライブ

しさ、面白さ、珍しさにこだわりました。普段はとれないクリエイター(生産者)さんとのコミュニケーションをお楽しみください。

日時: 11月1日(土)、2日(日) 12時から17時会場: 表参道GYREビル 地下1階地図: 東京都渋谷区神宮前5-10-1主催: Tokyo Design Flow協賛: GYRE料金: 入場無料(試食スペースもあります)

パートナー(出店者):

生産者連合デコポン「農業を楽しく、おもしろくする」をモットーに有機野菜や果物の流通・販売を担う生産者の連合。より美味しく、安全な食べ物を目指して、外見よりも中身で勝負!今回のイチオシ:葉つき大根、葉つきニンジンwww.decopon.co.jp

倅農家を継がずに東京で働く農家の息子ユニット。東京にいながら農業のため地元のためにできることはないかと日々、新しい農業とのかかわり方を模索中。今回のイチオシ:オヤジ直送の野菜と果物(親孝行してます)www.segare.jp

NEO GREEN豊かな人生とは自然のリズムにあわせて生きること。植物と鉢のバランスにこだわった、風景の見えるグリーンポットを制作・販売。今回のイチオシ:人の高さをこえるほどの、大きな室内用のグリーンポットwww.neogreen.co.jp

太陽と雨都市での生活を離れ、有機農業の道に。群馬県で主にフランス料理店向けの野菜を生産している。カラフルで可愛らしい野菜は味も一級品。今回のイチオシ:紫のニンジン、ピンクのレタス、カラフルなフルーツパプリカ

ライブアーティスト:Sol e Lua, comugi, OJImammal♭orchestra

永島農園横浜で40年続く老舗の花屋兼花農家。新鮮でみずみずしいお花を提供します。今回のイチオシ:花の鮮度を見てください

GRAVISのデザインの特徴はなんでしょうか?GRAVISには特定のデザイナーは存在しないんです。世界中の良い波、雪そしてスポットを求めて年間のほとんどを旅に費やすライダーたちがその役割

過酷な彼らの環境を快適に過ごすためのツールとなることが重要です。なお且つそれをスタイリッシュに仕上げることが我々の特徴といえると思います。

今シーズンはどんなテーマで展開しているんですか?30年代のマウンテンスタイルを踏襲したEXPEDITIONシリーズ、80年代のド派手なカラーリングなど古きよき時代を髣髴させるコレクションです。今は9月より4ヶ月連続リリースのLATEモデルを展開しています。今シーズン流行のブロックチェックやクリスマス仕様にリチューンしたクラシックモデルなど日本限定となるアイテムがマンスリーでリリースされています。

・GRAVISにとっての原宿、そして東京とは?1999年のブランド発足当時から、ボードスポーツとストリートファッションをつなぐ架け橋となるべく、フットウェアとバッグの開発を行ってきました。ストリートカルチャーを世界に発信する原宿には世界唯一となるフラッグシップストアを構え、GRAVISにとって欠かすことの出来ない拠点のひとつとなっているのです。東京は世界に誇れる街、都市としてユースカルチャーの発信源として、常に新しいモノ、流行を生み出してほしいです。もちろん今までのように「安全」で「安心」が第一条件! です。

Burton Tokyo Store営業時間 Mon - Sun: 11:00am - 8:00pm

gravis TOKYO営業時間 Mon - Sun: 12:00 - 20:00

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Last Thursday with CREATIVE CAFE,RESTAURANT & SHOPS.街に熱気ある状況を創ろうとしています。今回はTOKYO DESIGN FLOWの趣旨に賛同し、参加するお店の一部を紹介。街と人、そこにはいいお店が必要です。

SMOKE BAR & GRILL

お店のコンセプト、特色燻製し、熟成させ、素材の旨味を引き出した料理をハイクオリティなワイン、ウィスキーと一緒に召し上がっていただきます。この店はカフェでもあるし、バーでもあるし、レストランでもある店なので、特にジャンル分けというものはありません。ですので、このお店はカフェでもあり、バーでもあり、お店をどう使い、どう楽しむのかをお客様自身で決めて使っていただきたいです。それに合わせてこちらも料理・サービスともにこだわります。

原宿という場所ロケーションは最高です。この眺めがある店は原宿でも他にないでしょう。しかし、路面店ではないので隠れ家的なお店でも

あります。入りにくく感じるお客さんもいるかと思いますが、じわじわと知っている人が増えていけばなと思います。原宿は若者からセンスある大人の方まで幅広い年齢層が集まっている場所なので、活気があり、非常に魅力的な場所です。

TDFと今後どの様な形で一緒に街を盛り上げることが出来るか。イベントの日はスタッフみんな楽しんでやっています。TDFの日が休みでもお店に来るスタッフもいますし(笑)。他のイベントとは違った「普通じゃない」コンテンツを一緒に作っていけたらなと思います。

スモーク バーアンドグリル東京都渋谷区神宮前 5-10-1 GYRE 4F TEL : 03-5468-6449 FAX : 03-5468-6944 URL:www.smoke.co.jp

/03:22: .O.L DOOF( 00:42~00:81:RENNID/~00:21:HCNUL/00:42~00:21:NEPO )03:32: .O.L KNIRD  定休日 : なし

塚本亮介さん(シェフ/店長)

「普通じゃない」コンテンツを一緒に作っていけたら。

SunshineStudio Cafe

お店のコンセプト、特色日本のクリエイティブ界の発展を目的としてオープンしました。若手アーティストやデザイナーによる作品展示、イベント開催などを通じ、社会とアート、企業とクリエイティブをつなぐ情報発信拠点として位置づけています。ネーミングやロゴ、インテリアなどのグラフィックデザインは、コンセプトに共感してくれた米ビジュアルアート界の巨匠ジェフ・マクフェトリッジ氏(Geoff McFetridge)が担当しています。

原宿という場所多種多様なショップと民家とが共に混在している 街並み、アートスペースやクリエイティブな企業が多くあるのが良い点。足りないのは、夜から深夜の遊び場と独創性

のあるショップでしょうか。原宿は、まだまだ面白くできる可能性のある街だと感じています。そのためには、温かく見守ってくれる地域住民の皆様の愛と、我々の感謝の気持ちも大切ですね。

TDFと今後どの様な形で一緒に街を盛り上げることが出来るか。世の中に存在するクリエイティブと呼ばれる不思議な人たちは、もっと深く濃密に、社会や 経済と連動することを求めていると思います。私たちは、企業活動の中に、この新しい要素を連動させることに大きな意義を感じています。今後、「SunshineStudio」というスペースや存在、あるいはここでのコミュニケーションから新たなクリエイティブが生まれていくこ

サンシャイン・スタジオ カフェ 東京都渋谷区神宮前3-25-12 B1 TEL&FAX:03-3401-0071 URL:www.sunshinestudio.jpOPEN:11:30 ~ 29:00/LUNCH:11:30~ 16:00/DINNER:16:00 ~ 22:00/BAR TIME:22:00 ~ 29:00定休日 : 月曜日(月曜祝日の場合は翌日振替)

堀田真弓さん(株式会社デザインワークスプロジェクト)

新しいニーズと人々の原宿に来る目的意識を多様化していきたい。

HIDEAWAY秦憲一郎さん(店長)

お店のコンセプト、特色

TREEHOUSE CONEPT SALONとして、世界のツリーハウスと旅とセルフビルド関連の書籍がそろい、HEMPうどん、自家製スモークの盛り合わせ、6inchダッチオーブンのポトフと天然酵母パンのセットなどなど産直手づくりFOODSとオーガニックにこだわったDRINK類を、ハンモックのある手づくり空間でお楽しみいいただけます。

原宿という場所

最近は日本文化に興味を持つ外国の方がすごく多いですよね。行動的な彼らと話をすることは興味深いです。土と緑は

足りないですよね。原宿という街がショッピングだけでなく文化的な刺激が得られるスポットとして、デザイン・アート・食・自然と遊びを老若男女、日本人にも海外の人にも発信していきたいですね。

TDFと今後どの様な形で一緒に街を盛り上げることが出来るか。

「ツリーハウスと遊び」のワクワク感と自然にコネクトする心地よさを、通常営業時だけでなく関連パーティーや野外に出かけていくイベントを通してもっともっと提案していきたい。また国産にこだわった地場食材の紹介をさりげなく行っていきたいと思います!

土と緑は足りないですよね。

ハイダウェイ東京都渋谷区神宮前3-20-1 #202 TEL : 03-5410-2343 URL:www.treehouse.jp/hideaway/OPEN:12:00 ~ 23:00 定休日:なし

とを期待しつつ、私たちはカフェ、コミュニティ、クリエイティブに関する様々な繋がりや広がりを目的に歩き出しています。TDFとは、お互いの情報を交換というよりも共有し、新しいニーズと人々の原宿に来る目的意識を多様化していきたいですね。

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[MUSIC]

Kensho Onuki Interview

コアな部分がありつつも、みんなといい音楽を共有したい。 text:三枝弦太郎、渡邊大祐(Media Surf Communications)

column

東京自転車事情

[FASHION]

Alexander Lee Chang Interview

スケートが僕にくれたのは、自信。そして自身。 text:宮嶋瞬

text:清田直博(Media Surf Communications)

スケートを始めたきっかけそもそもサンフランシスコ(以下S.F.)に住んでたんですよ。ちっちゃい頃。いとこが「スケートってかっこ良くない? 俺たちもやろうぜ。」みたいな事言い出して。じいちゃんにねだったんですよね。じいちゃんをサーフショップに連れて行きましたよね、デッキ欲しさに。ぐっとハマったのは実はサンフランシスコじゃなくって東京なんです。S.F.は坂が多いから、普通に街を徘徊するだけで十分スケートが楽しいんですよ。でも東京に戻った時に、八王子とかでジャンプ台とか使ってボーーーンってすごい高く飛んでるのとかを見て、衝撃だったん

ですよね。負けず嫌い根性が出ちゃって。「俺もアレやりたい!」ってなって、下手なうちから年上の兄さん達に無理矢理くっついて技を盗んでいきましたよね。スケートする時の格好とか、意識とか。ほんっとめちゃくちゃかっこ良くって。ファッションも音楽も。自分も認められたくってプロを目指す様になりました。

クリエイション運が良かったですよね。アパレルやってた前の会社の社長に「おまえ、ディレクターやってみないか?」って誘われたんです。未だに感謝してます。プロスケーターとし

てスポンサードして貰ってたブランドで、そこに「ここがこうだったら良い」とか「こんなデザインどうか?」とかずうずうしく提案してたんですよね。実際自分で描いた絵、持ってったり、刺繍したの持ってったりしてたからか、認めてくれたんですよね。ブランドを任された当初は、サンプルの上がりのヒドさにびっくりしっぱなし(笑)「カッコいいもの」ってのを知ってるだけじゃ不十分だってことを手厳しく分からされましたね。そこに知識と経験値が必要ってこと。そんでまた負けず嫌い根性出ましたね~。それと、スケートの良いとこは、自由でいて、実はすごく社会的なとこカナ。社会的に抑圧されるスポーツだからこそ社会に対して感じることがある。そんでスケートボード一つ持ってたら人種関係なく友達。喧嘩なんかよりスケートしよーよって。そういう二つの要素、大きいですね。

原宿の昔と今について中学の頃、原宿ってほとんど何にもなくって、でも何か妙にスケボーのショップが多

大貫さんのレコードに対する思い出を聞かせてください。ロック系ではじめて手に入れたLPは、エレキブームの時に伯父さんに買ってもらったベンチャーズのライブ盤ですね。60年代の初めの頃はシングル盤が中心の時代でしたが、ライブ盤はシングルにはならなかったので。LPはアートーワーク含めて、あの大きさだから成立するものだし、そこで完結しているものだという意識が強いんです。あと、A面が終わった後にひっくり返す時なんかに、「あ、ここまで来たな」っていう実感があったりもします。あとアナログは汚れたり割れたりするから、大切に扱おうっていう気持ちが生まれますよね。デリケートなんです、特にLPは。

当時はどうやって音楽の情報を得ていたんですか?みんな手探り状態で聴いていたと思いま

すよ。口コミやラジオから情報を得たりして。僕自身もそうで、今でこそ各ジャンルで凄く細かく分かれてるけれども、当時は今起こっているシーンが今後どのように動いて行くのかなんて全く分からないし、様々な場所で同時多発的に起こっている音楽をひたすら聴いてました。60年代が基本的にそういう時代だったってのはあるんですよ。今みたいに物事があらかた出し尽くされた状況だと、振り返って検証しようってことはできるんですけども、当時はすべてが未知との遭遇でしたね。あと東京にはラジオ局がたくさんあって、それぞれの番組が個性的で面白かったのを覚えています。

60年代どういう場所に行ってましたか?新宿にはよく行ってましたね。風月堂ていう喫茶店があった頃。あと面白いイベントにはすぐ行ってましたね。そういう場所での音楽やちょっとした会話が好きだったん

です。でも、最近はそういった遊び場も管理しすぎだと思う。僕はタバコを吸うんですけど、最近は喫煙場所も少なくなって排除しようってほうに動いてますよね。もちろんマナーを守ることは前提ですけど、何でも規制しちゃうのもどうかと。クラブも別に踊らなければいけないという規制がある訳では全くなくて、そもそもは人との関わりであったり、自分の音楽体験を充実させるためのものであって、もっとフリーなスペースだったんです。だからこうしなきゃいけないっていうんじゃなくて、それぞれが自分の楽しみ方を見つけるものだし、そうやって空間全体がトータルなパーティーとして成立するべきだと思いますね。

TOKYO DESIGN FLOW「last Thursday」でDJが好評ですよね。みんなに先入観を持ってもらいたくないので、60-70年代の物の他に新しいのや、ラ

テンなどロック以外のジャンルなども混ぜながらやってます。DJは場の雰囲気を作りながら自分を紹介するものであると思います。自分はコアな部分がありつつも、みんなといい音楽を共有したいという想いがあるので、会場のことを考えつつも、他の人と違うことをやりたいなと常に思ってます。

かったんですよ。渋谷の隣なのに静かな街で。だけど都会だったし、好きな古着屋もあったし、スケートショップ行った後、みんなで滑ろー、みたいなのにバッチリな場所でしたね。そうこうするうちに先輩たちがショップをやりだしたりして。ストリートカルチャーを生み出したストリートヒーローやファッションヒーロー達がいて、原宿が盛り上がってて楽しかったな~。今は、ヒーロー、いないっすからね。情報が多すぎるせいなのか分かんないけど、みんな人の目とか、気にし過ぎて、「俺はこういう風にやりたいんだ!」っていうことを堂 と々言える人が少ない気がする。今は、処理しなくちゃなんない事が多すぎて、そんなこと考えてられないよって人がすごく多いの

かな。何でもそうだけど、表面じゃなくてその中にある哲学っていうか、訴えたい事とか、そういうのを共感して貰えるように作り手が努力する方がカッコいいなって思います。自分もそういう一人でありたいし、意識が近い人たちを増やしていきたい。そういうコミューンを世界中に作る事が出来たら、世の中変えられるじゃないかな、と思ってます。

profileAlexander Lee Chang1975年サンフランシスコ生まれ、国籍はアメリカ。中国人の父と日本人の母を持ち幼少期をカリフォルニアにて過ごす。1996年より、アパレルブランドのディレクターを経て2003年独立し[Chang co.,Ltd.]を設立。2004年S/Sより自身のシグネーチャーブランド[Alexander Lee Chang]を設立。プロスケーターでもある。

profile大貫憲章51年東京生まれ。立教大卒。音楽評論家、DJ、イベントプロデューサー。71年大学在学時から音楽評論家としてキャリアをスタート、当時無名のQUEENを日本にいち早く紹介したり、SEX PISTOLS,THE CLASHなどのロンドン・パンクを現地取材するなど、時代の節目節目でのキーを握る。雑誌「an an」でのエディターなどを経てNHK FM「若いこだま」でラジオDJ活動も開始。79年、日本初のUK専門チャート番組となるラジオ日本「全英TOP20」を、さらに同局の「サウンドプロセッサー」、JFN「ロックディメンション」、TVK「ミュートマ・ワールド」などを経て現在JFN12局OA中「ロンナイ」で選曲、構成、パーソナリティーの三役をこなす。主な専門分野は60~90年代のイギリスのロック。www.kenrocks.net

スケーターとして、東京・原宿のストリートカルチャーのど真ん中で育ったAlexander Lee Chang。彼の生み出すものからは、そうしたバックグラウンドにより培われた哲学、そしてデザインすることの意味を感じることができる。自身のクリエイションと原宿の現在について聞いた

DJとして音楽ファンから初心者まで幅広い人の心を掴む大貫憲章。コアな部分はもちろん持ちつつも、多くの人といい音楽を聴く喜びを共有したいという。音楽への飽くなき探究心の塊がレコードに対する想い、これまで最前線で触れてきた音楽シーンを語る。

 九州から上京して10年以上、通学や通勤でほとんど毎日自転車に乗っているが、自分が自転車に乗ってるんだなあと意識し始めたのは、Night Pedal Cruising(ナイトペダルクルージング)が始まってからだ。いま「自転車乗り」という言葉は、少なくとも5万円以上はするロードバイクなりマウンテンバイク、ピストバイクなどに乗っている人を連想させるが、日常生活でほとんどの人が自転車に乗ったことはあるだろうし、乗っていることを敢えて表明する必要がないくらい、多くの人の生活に当たり前のように自転車は溶け込んでいる。 ところで僕の中で「東京」と「自転車」と言えば、放置自転車の山と無灯火自転車を取り締まるおまわりさんがセットで記憶されている。上京して間もなく、通学の足に困っていた僕は西国分寺駅付近、府中街道脇で山積みになった放置自転車の中から赤いママチャリを一台抜き取り、資源の有効活用に貢献すべく勝手に自転車リサイクルを行った。パンクを修理し、すり減っていた後輪タイヤを新品にして意気揚 と々リサイクル自転車に乗っていた。が、約半年後の夜、国分寺の自宅付近を走っていたところを警官二人に呼び止められ、ライトが点いていないことを咎められ、さらに防犯登録のチェックを受け、その自転車に盗難届が出てい

たことが発覚、そのまま管轄の小金井警察署までサイレン付きパトカーで連行された。こんな風景も東京ならではの自転車事情によるものだと今では納得している。 ちょっと話が脱線してしまったが、僕はナイトペダルクルージングに参加し、いままで合計2回のクルージングを行ったわけであるが、東京の都心は実にくねくねした裏道が多い。元は川であったところが暗渠になり、その上が道になっているところが多いためだ。表参道から渋谷方面へ伸びるキャットストリートや、渋谷宇田川町あたりのくねった道の下には、童謡『春の小川』のモデルとなった渋谷川が流れている。中目黒あたりから下馬方面へ向かう時に走る蛇崩緑道の真下には、目黒川につながる蛇崩川が流れている。そして都心はとにかく坂が多い。坂を上ったり下ったりする中で渋谷がなぜ「谷」なのか、曲がりくねった道を走りながら谷から流れ出る水がどこへ向かうのかを発見する。東京は縄文時代、海岸線が入り組んだ複雑なフィヨルド地形だったと中沢新一は言ったが、静かな夜の街を自転車でクルージングをしていると知らないうちにそんな東京の地形をトレースしていることに気付く。そして放置自転車の多さと、おまわりさんの出没スポットにも。

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[SPORTS-BICYCLE]

430Hiroshi Uehara Interview

若い人達が伸びる為の環境を創っていかなければならないし、自分たちももっと変わらなければならない。 text:大矢知史(TOKYO DESIGN FLOW)

column

はじめまして! ORB-iTの神長周兵です。

自転車ってエコ?オシャレ?昨今の自転車ブームをそんなメディアの切り口でしか感じていない人、もったいないと思います。このムーブメント、実はカナリの勢いで日本を席捲していて、都心のストリートはもちろん、いまや近所の公園でも熱心に練習している人達を見る事が出来ますよ!いまさら自転車の練習?というなかれ。彼らが練習しているのは、競輪選手やメッセンジャーも愛用する固定ギアの自転車PIST。後輪がペダル駆動を直結していて、前にも後ろにも進むことができる。乗りこなすには技術が要るけれど、その走りは本物。風を切って疾走する自転車本来のシンプルな魅力を堪能できます。

-NEW YORK BIKE DREAMS-今回、自己紹介もかねてご紹介したいのは、この秋、弊社ORB-iTがプロデュースした写真展。フォトグラファーは、NYで自らもメッセンジャーとして活躍しながら、本物のNYメッセンジャーシーンを撮り続けるTAKUYA SAKAMOTO君。会場の福岡・大阪・原宿THE NORTH FACE 各店で行われたレセプションには、メッセンジャー、BMX、マウンテンバイク…etc。さまざまな自転車愛好家が集い、東京ではその数600台近くに。今、東京の街で何が起きているのか、自転車シーンをリアルに体感出来る貴重な機会になりました。

-自転車を愛する彼らと出会い、自分もPISTに乗ってみて思うこと。それは、ここ数年の自転車ブームなんて、ほんの入り口に過ぎないし、自転車の種類なんて関係ないって事。渋滞の車の脇を走り抜け、地元の公園で新たな友人に出会い、街行くメッセンジャーと挨拶を交わし、自転車屋ではパーツについて愛着をこめて語り合う…。そんな奥深い魅力を知ってしまったら、もはや自転車は生活の一部。すでにカルチャーとして成長を遂げ、根付きつつある自転車の魅力を、この写真展を通じて多くの人に知ってほしい、そう願っています。

ヒロシさんにとっての原宿とは何ですか? かつて原宿の象徴だった裏原宿が表舞台に押し上げられマス化し、かつての面影がなくなってきている。その変わりCATSTREETは人との繋がりの中で成長し続けているストリートで、その磁場に引きつけられたかのようにアイコン的な店舗の出店も目立つし、ここ何年かで大きく変わってきた場所だと思う。この場所こそ自分たちにとっての原宿だし、裏原の裏に

。よいなゃじ表(。う思とだ」原裏裏「るたあ笑)BMXライダーとして、スケーターとも協力して、好きなだけ練習が出来る代々木公園が近くにあるのは僕らにとってはすごくいいし、だからこそ原宿なんだろうと思う。

アパレルブランドとしての430のモノ作りの姿勢、価値観、を教えて下さい。もの作りは10年位やっていて、メンバーもそんなに変わってない。BMXを乗り始めて14年近くたつけど6~7年位自転車を今のように本気で乗っていない時期もあって、でも今一生懸命やっていて気づくのが、自転車に乗りやすい格好を作っていきたいってこと。やっぱりそこが本質だから。どんなかっこよくても、自転車に乗りにくい

モノは作りたくないし、ズレてくると思う。ファミレスのような1つの場所ですべてが揃ってしまう世の中だけど、だからこそ1つの味にこだわり抜く店を目指したい。専門店のような服作り、それが広がっていくのは良いことだと思う。本当にこの味に惚れた人に着てほしい。そのかわり、どこの店より美味しいものを出せるという自信があるし、こだわりがある。

日常生活のONとOFFの切り替えはどのようにしていますか?普段デザインの仕事をしているから、OFFの時は一回立ってPCの画面から離れて、煙草を吸いながら違う話をすることによって色々なアイデアが生まれたり、気づいたりできる。もちろん外に自転車に乗りにいくこともよくあるし、その時は携帯電話とノートPCと煙草だけもって。日本という場所を考えると自転車はどこでも乗れるし、煙草もどこでも吸える。最近はそうじゃないけど。自分のなかでどこでもできるというのが重要なのかもしれない。

若い世代へメッセージをお願いします。今、無意味でダサイって言われてしまうよう

なことも、実際経験することによって意味のないことだって身を持って分かるかもしれないし、実はそこに意味があったりするかもしれない。世代が下に行くにつれて、かつてやらなければならなかったことが、やってはいけないことに置き換わってきている気がする。もっと枠を破った行為をしてもいいと思う。感情をぶつけることが非生産的な行為とみなされがちで、そこに意味を見いだそうとしがちだけど意味なんてなくていい場合もある。本当に未来に光を灯すなら若い世代に何かを求めるのではなく、若い人達らが伸びる為の環境を創っていかなければならないし、自分たちももっと変わらなければならない、と思ってる。

430はブランドでもあり、BMXチームでもある。両方に根底に流れている価値観は「本質とは何か、本物とは何か」。今、時代の転換期を迎えている我々に、430は新しい時代を示唆してくれるに違いない。彼らのような真摯な姿勢を持つ人々によって、東京の街は生まれ変わることができるのかもしれない。

profile430上原ヒロシ、伊東高志、岡村旭、田中光太郎、小谷明生という日本を代表するBMXプロライダーが結成したチーム。上原洋を中心としてウェアブランド「Fourthirty」を設立。現在は東京を拠点にクラブイベント運営、フランス・香港進出など、"Everything is fuel to our energy"を合言葉に、活躍の場を世界へと向けている。 www.t430.com

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[TRAVEL]

Portland Night SynopsisIdeas that work in one place rarely work in another place. text: Matthew J Wagner (Art Director, Compound Gallery)

3歳の女の子ですら、車よりもすばやく馬で草原を疾走する。家畜は飼料などつかわず、自然に生えてくる草で養う。馬も車と違って、代々引き継がれ外から買う必要はない。このように遊牧は世界トップクラスの「スタンドアローン」な生き方といえるだろう。また、モンゴルにはジムなんてないが、日常がトレーニングになっているから、足腰も強いしへんに腰を痛める人もいない。こんな具合で、ふつうに生きているだけで、ゆるがない生存能力を身につけられるのは一つのユートピアと言えるだろう。同時に、モンゴルの都市は現代のユートピアになりうる可能性がある。なぜなら、この遊牧という都市とは別のユートピアが、

地理的にも心理的にも身近であるからだ。遊牧という強烈な対抗軸の存在が、都市の過剰な生活能力の低下を省みる鏡のような役割を果たし、都市民も、遊牧側の自由を肌で感じて影響を受けている。既にモンゴルの一部の都市住民は自治をし(子どもですら自治会議がある!)国に声をあげ、同時に自ら庭に手製のビニルハウスを立て野菜を自給し、さらに薬草を栽培して医療も自給し始めている。定年後に遊牧生活に戻る都市民もいるという。さて、ここで東京である。東京という都市に対する強烈な対抗軸が自分に見えているだろうか。「ここではないどこか」対「東京」という漠たるものではなく、メディアを

通さず、その対抗軸が自分の感覚で明確に感じられるようになれば東京は、その人にとってあたらしいユートピアとなりうるのではないだろうか。

Ideas that work in one place rarely work in another place. Portland Night is the exception to this rule, successfully bringing the concept of “First Thursday” to Tokyo on September 25th,2008. Over 200 people came out to support us in Omotesando. The “First Thursday” concept was created in Portland Oregon to introduce its citizens to art from around the world, and to its own thriving art

community. By exporting the “First Thursday” concept, Portland Night introduced Tokyo to the art, style, and independent nature of Portland. The morning of the 25th began with the Compound crew preparing the space, which was a beautiful shop front in the heart of the Harajuku/Omotesando area. Within hours we had created an art gallery and a mini Compound

store, stocking the shelves and walls with exclusive products and art from Portland. As soon as the doors opened the people of Tokyo were there to support us. Each visitor was treated to a unique Portland style art experience. In addition to art, Compound also imported DJ Ronin Roc. He had an amazing set at the Smoke bar in the GYRE building just around the corner from the Compound event.The Compound event was just one of many incredible attractions on the 25th. We were thrilled to be included in the Tokyo Design Flow hosted event. We appreciate the help of everyone at Media Surf Communications. Without them, Portland Night would not have happened. We look forward to the next big event in 2009.

大抵の場合、どこかでうまくいったものがさらに他の場所でもうまくいく、というのは難しい。ただ、今年の9月25日に開催され、2000人ほどの人が集結した「TOKYO DESIGN FLOW Last Thursdayン州のポートランドで、「First Thursday」と いうものが世界中のアートに触れた

水が蛇口から出るというのは実に不思議なことだ。冒険小説では、しばしば水が問題になった。小説でなくとも「水、水、水……」とうめきながら砂漠を歩くシーンを思い出せる人は多いのではないだろうか。私は、藤子・F・不二雄氏の「ドラえもん」で見た。翻って現代、水は蛇口から出る。これは「いつでもすぐ水が手に入るように」と人類が努力した結果である。理想の生活が実現した状態をユートピアというならば、既にユートピアは実現している。都市民は、井戸の掘り方など知らなくても生きていけるようになった。だが、同時に水道が止まれば、即刻困窮する可能性を背負ってしまったともいえる。ユートピアを実現してみたら、ある面では、不自由になってしまったのである。ここでモンゴルである。都市は密集することより完成したが、モンゴルの遊牧ではむしろ人々は分散していなければならない。当然、水道もない。ところが、モンゴルの遊牧民は、電気、水道、ガスなしで生活することによって、別のユートピアを実現している。たとえば、驚異的な交通自給力。

り、コミュニティの活性化の為に生まれ、それを「東京」に落とし込んだものが「TOKYO DESIGN FLOW Last Thursday Last Thursdayでは、アートやポートランドのスタイル、カルチャーといったものを体現することができた。25日の朝から準備をし、表参道にアートだけでなく、アパレルやジュエリーなどポートランドならではのモノを取り扱う「mini compound store」を作り出した。また、DJ Ronin Rocをポートランドから連れてきて、GYREの4階「SMOKE」でのプレイを行った。mini compound storeは25日にたくさん起こった事柄の中のひとつであったけれども、それに参加できたことはとてもスリリングな経験だった。2009年にまた、「Portland Night in Last Thursday」で会いましょう!

[TRAVEL]

モンゴル、遊牧が都市にユートピアをつくる都市に対する強烈な対抗軸が自分に見えているだろうか。text: 伊藤洋志(ナリワイ、もの書き起業家、モンゴル武者修行ツアー企画人)

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「アートにおいて日本とアメリカの差とは?」僕はこの質問をよく耳にする。アメリカでギャラリーを経営している日本人が皆無に等しいのでそれも当然だろう。ただこの質問自体がアメリカに偏った質問ではないだろうか。何故なら、芸術とは違う「アート」というものが日本に流出してからそれほど時間は経っていないからだ。アメリカを始め西洋圏には古くから、アートをサポートするシステムが構築されていた。僕のギャラリーがあるポートランド市では毎月第一木曜日に数多くのギャラリーがオープニングを行うファーストサー

ズデイというイベントが行われている。アートに興味のある人たちは、この日に多くのギャラリーで様々なアートをチェックする事ができ、またギャラリーにおいても大変な労力を注いでオープニングに集客しなければならないというリスクも減り、沢山のギャラリーとの相乗効果でオープニングの集客を行うことができる。こうしてタウンレベルでアートが一般の人たちに親しみやすくする工夫がなされているのだ。比べて日本はどうだろうか? 日本では一般にアートを購入して楽しむシステムはおろか、「文化」がないのではないだろうか。ギャラリーとは敷居が高く、一般の人た

[ART]

ARTに愛をアートを購入するという事は人と人との繋がりであり愛のある行為text: Katsu Tanaka(Compound Galleryオーナー)

先日、アメリカ西海岸オレゴン州にあるポートランドという街 に行ってきた。人口200万人、都市部でも55~ 6万人程度のこの地方都市が、俄かに注目を集めてい る。NIKE、adidas USA、weiden + kennedyといった、スポーツやクリエイティブ・シーンを引っ張る世界的企業が拠点を構え、Sustainability(持続可能性)や住みたい都市のランキングで常に上位に名を連ねる。その街に、クリエイティブな才能が集まってきているという。街の近くには雄大な自然と数多くの農場がある。車で30分も行けば、豊かな緑が、山が、河が、人々を出迎える。そんな大自然の風景を、有機農場が間借りしている。その農場を支えている の が、CSA(Community Supported Agriculture)という仕組み。直訳すれば、「地域が支える農業」といったところ。年

間数百ドルで、収穫量に応じた野菜が農場から街の家庭へ、レストランへ、定期的に配送される、そんな仕組みだ。もちろん、収穫が少なければ配送される野菜も少なくなるし、収穫が多ければ配送される野菜も多くなる。でも、支払う金額は変わらない。それは、買い手の都合に合わせて買う、単なる産地直売とは次元が違う。そこには、単純な売り手と買い手の関係を超えたものがある。天候に

左右される不安定な農業を安定的に支える経済的な仕組みだ。その根底にあるのは、「農」は自分たちの問題だ、という当たり前の意識。近くに農場があることで、自分たちの食生活が守られている、だから自分たちは農場を支えるんだ、という意識。そこには、地域が農場を支えるだけでなく、農場が地

ちが入り難い場所となっている。実際に日本で売れるアートとは100万円以上のアートだと言われている。これらの作品はアートが好きで購入するというよりも投資対象として購入されている。その証拠にそれ以下の金額のアートが全くといっていいほど売れていないらしい。アメリカを始め西洋のアートバイヤーは、アートを購入する時にアーティストの事を知りたがる。それは彼らにとってアートを購入するということは金額やその作品への興味だけでなく、その作品を作り上げたアーティストへのリスペクトやポジティブにアーティストをサポートしたいとの感情がベースになった行為といえる。実際にアーティストがショウのオープニングに来ると作品はよく売れる。またアーティスト自身もバイヤーのことを知り、彼らとのコミュニケーションを通じて彼らが喜ぶ作品を作り出す。そうして顧客をつかみ、自己満足的なアートから、作品に興味を持つファンの事を思って作り上げる愛(LOVE)のある作品へと昇華させて行く。そしてギャラリーに関わる僕たちは、各アーティストの作品を通して人と人を結びつけるとても神聖な仕事だと思う。僕は、今回日本で1日限りのCompound Galleryを行って、アートを購入するという事は人と人との繋がりであり愛のある行為だと感じている人がいないと強く感じた。これはどうしたら変えることが出来るだろうか? 簡単な事である!まずアーティスト自身がアートを買うようになれば連鎖的によくなるはずなのである。アーティストがリスペクトする他のアーティストの作品を買う。それによってアートに関わる人々が作品を買う。その結果、アーティストサー

クルにアートを購入するという行為が根付けば、少しずつ一般の人もアートを購入する人が出てくることだろう。アーティスト自身が「売れない、売れない」と嘆いていてはいつになっても日本のアート文化は変わらないことだろう。アーティストの意識の変化が日本におけるアート文化向上の為の第一歩だと、僕は感じている。

域を支えてくれているという、相互扶助の関係がある。この街の、「農」との距離感を別の形で実感したのが、週に一度、街の公園で開かれるFarmers Marketだった。近隣の農場、飲食店の人たちが、新鮮で美しく美味しい野菜、丹念に作った加工品を取り揃えている。そして、近所に住む人たちが、犬の散歩やサイクリングの途中に気軽に立ち寄ってくる。バンドのライブも開かれ、楽しく談笑する人々。「農」が街に溶け込み、街の一部分になっている。こんな環境が、腕利きのシェフを呼ぶ。そして、豊かな自然と新鮮な食材、美味しい料理を求めて、感性に富んだ才能が集まってくる。「農」が「才」を呼んでいる。ポートランドで見た、そんな風景が忘れられない。東京を「農」が息づく街にすることはできないものか……。もし表参道が毎週末には歩行者天国となり、そこでFarmers Marketが行われていたら……。今少しずつ広がっている農への関心や動きの先に、そんなことが実現できたとしたら、東京にはもっともっと「才」が集まるに違いない。

[FOOD]

「農」ある街は、「才」を呼ぶ。 「農」は自分たちの問題だ、という当たり前の意識。text: 萱原正嗣(カヤハラ マサツグ)

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25 SEP. 2008 REPORT

都市の生命力が目を醒ます。都市で人は、人工物とデジタルな情報に囲まれて生きている。身体が躍動する、そんな生命力を実感することは少ない。シリーズ4回目を迎えた「Last Thursday」では、都市の生命力について考えるべく「何が都市を突き動かしているのか~What's pushing up Portland ?~」 をテーマに据えた。「ポートランド」をヒントに考える、都市の生命力。ポートランドは、アメリカ西海岸北部のオレゴン州に位置する地方都市。農と自然にあふれ、スポーツも盛ん。昨今、クリエイティブでサステナブルな健康文化都市としてアメリカでも注目を集めている。そのポートランドから、「カルチャー・シーンを引っ張る才能=都市を動かす原動力」を招き、ここ原宿・表参道エリアとの化学反応を試みた。

text: 萱原正嗣(カヤハラ マサツグ)

アート、ファッション、人、ひと、ヒト。

ポートランドのアート、カルチャーの最先端を行く、ギャラリー併設のセレクトショップ、「Compound Gallery」を一夜限りで東京にオープンさせた。壁一面のアートにオリジナルのデザイナーズ・グッズ。国籍豊かな人々が、Compoundの磁場に引き寄せられてきた。

PICAGLASS一つ一つ、吹いてみました。

光を優しく反射する、儚いグラスたち。手に取るあなたのことを想像しながら、一つ一つ、丹念に吹いて作りました。

Live Painting@Compound Galleryby MHAK & OEIL感性が重なる瞬間

ギャラリーが見守る中、それぞれの感性をキャンバスに刻んでいく。「どうなっていくんだろうか?」見守っていると、いつしか二人の波長が重なっていく。気鋭のアーティストが感性を紡ぎ出すライブ・ペインティングに訪れた人々も引き込まれていった。

Farmer's Market@SMOKE by 倅(セガレ)彩りと潤いをいかが?

農家の息子が農家を継がずに農業に携わる。そんな倅たちが、都会の夜に彩りと潤いを提供しました。

CANDOLLSのキャンドルナイト美女とローソク

女の輝きとローソクの炎で、艶やかに灯します。電気の光には負けません。

TDF × ARTIST × SHOPS店舗を巡り、連動していく

今月も参加店舗をアーティストが巡回し、夜の原宿を繋いでいった。ポートランドからもDJ Ronin Rocが来日し、フロアを沸かせた。

Night Pedal Cruisingトーキョー疾走

車が我が物顔で走るトーキョーの夜の道を、謎の自転車軍団が疾走した。ペタペタと貼りものをした自転車、二人漕ぎ自転車、前二輪後一輪の特殊三輪車など、思い思いの愛車に跨り、新しいトーキョーの顔を風のなかで発見。

430 BMX@Burtonキャットストリート、変貌

本来は移動のための道具に過ぎなかった自転車に、彼らは新たな意味を与えた。躍動する身体とマシン(自転車)が織り成す妙技に、普段は静寂に包まれる夜のキャットストリートが湧いた。

Compound Gallery Tokyo from PDX

多彩さを増し、街に少しずつ根付き、ひろがり出した「last thursday」。次回以降も街に状況を創るコンテンツを提供します。

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©Setaka Mizuno

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なっていくことを予言した。支配構造が巧妙に隠蔽されることによって、実体そのものは忌避され、より抽象的なものが満ち溢れてくる。実際、僕らは政治に関わる実行力に欠け、本来地方(夕張etc)で暴動が起きてもおかしくないはずなのに暴動も革命も起きず、名前だけの政治家・有名人の二世がはびこり、金融に携わる人々のみが大騒ぎしている状況が続いている。40年前にして、的確な予言。

5 「シチュアシオニスト」たちが求めたのはマネーと切り離された、より創造的な都市での遊びであった。資本主義で生存する以上、僕らは自動的に大量消費のスペクタクル(劇)に飲み込まれてしまう。いかにその仕掛けから抜け出し、本当に自由な新たな仕掛けを作り出していくか、それが彼らの命題であった。

6 僕らがなすべきことは、あらゆる「大きなお世話」への抵抗だ。小さな抑圧はより大きな抑圧にむかっていく前兆にほかならない。僕らはもう少し創造的な国家を作るべきではなかったか? デザインムーブメントが一段落したいま、本当にデザインする場所が国そのものであることにだれもが薄々気付いている。

1 90年代まではまだマトモだった市民生活が、2000年に入る頃から急速に窮屈なものになった気がする。街でタバコを吸えば金を取られ、駅に自転車を停めれば金を取られ、バイクや車でどこかに行けばさまざまな理由をつけて金を取られるようになった。エチケット、マナー等々いろいろな理由はあるが、個人のモラルは完全否定、国民のモ

ラルよりも法律の方を信じているのが我が日本国である。一国民としてこれはツラい。国が国民を信じないだなんて、あまりにも逆説的じゃぁないか。

2 車を停めるな。シートベルトをしめろ。タバコを吸うな。外でサンマを焼くな。この国民への過度の干渉、すなわち「大きなお世話」とはどこから来たものなのか? 僕が欲しいのはちょっとした、誰にも迷惑をかけない程度のシンプルな自由にすぎなかったというのに。国や警察の「大きなお世話」が肥大化すればするほど、より偽善的に見え、個人の自由度と選択肢は狭くなる。その一方、国の権力はじわじわと増大していく。こんにゃくゼリーぐらい食べさせてくれ。

3 リチャード・クライン『煙草は崇高である』(太田出版)によれば、歴史上で禁煙運動が巻き起こる際には必ず戦争が起き、国が右傾化する傾向があるという。思えば急速な禁煙運動が起きていたのはイラク戦争の手前だった。僕がタバコをやめたのがその頃だからよく覚えている。

5 パリ5月革命に強烈に影響を与えた思想家・芸術家の集団「シチュアシオニスト」(situationniste)。その代表者であるギー・ドヴォールは『スペクタクルの社会』 (ちくま学芸文庫)のなかで、資本主義の究極の統治形態を、多くの人々が受動的な観客の位置に押し込められた世界、映画の観客のようにただ眺めることしか残されていない世界に

1960年代様々なイベントやアートの状況を創ったアーティスト集団『シチュエイショニスト』。状況ができ、熱を帯び、情報が溢れる。その基本には、思想や新しい価値観とアートの芽生えがありました。現在、デザインは創造であり情報です。デザインが都市を流れ、状況ができ、文化となる。我々はデザインを取り巻く状況を創造します。

We are Situationist.

Facing the Situation.

ニッポン・スペクタクル草彅洋平(東京ピストル)