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NO.479 Sep 2012 CONTENTS ISSN 1349-9300 TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY CHRONICLE 東工大 東工大 東工大 東工大クロニクル クロニクル クロニクル クロニクル 2 4 7 9 9 10 11 12 ニュース ニュース ニュース ニュース・イベント イベント イベント イベント スーパーコン12(夏の電脳甲子園)開催報告 サマーチャレンジ2012 事務局パワーアップの取組みについて 平成24年度栄誉教授称号記授与式及び懇談会 開かれる 平成24年度「東工大特別賞」を授与 お知らせ らせ らせ らせ 附属図書館からのお知らせ 人事異動 人事異動 人事異動 人事異動 謹告 謹告 謹告 謹告 スーパーコン 12 サマーチャレンジ 2012 栄誉教授称号記授与式

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NO.479

Sep 2012

CONTENTS

ISSN 1349-9300

TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY CHRONICLE

東工大東工大東工大東工大クロニクルクロニクルクロニクルクロニクル

2

4

7

9

9

10

11

12

ニュースニュースニュースニュース・・・・イベントイベントイベントイベント

スーパーコン 12(夏の電脳甲子園)開催報告

サマーチャレンジ 2012

事務局パワーアップの取組みについて

平成 24 年度栄誉教授称号記授与式及び懇談会

開かれる

平成 24 年度「東工大特別賞」を授与

おおおお知知知知らせらせらせらせ

附属図書館からのお知らせ

人事異動人事異動人事異動人事異動

謹告謹告謹告謹告

スーパーコン 12

サマーチャレンジ 2012

栄誉教授称号記授与式

東工大クロニクル №479 Sep.2012

2

スーパーコンスーパーコンスーパーコンスーパーコン12121212((((夏夏夏夏のののの電脳甲子園電脳甲子園電脳甲子園電脳甲子園))))開催報告開催報告開催報告開催報告

学術国際情報センター教授 権藤権藤権藤権藤 克彦克彦克彦克彦

(スーパーコン12実施委員長)

平成24年8月20日~24日に「第18回スーパー

コンピューティング・コンテスト(Super Con 12)」

を開催しました。このプログラミングコンテストで

は予選を通過した 21 組のチーム(1チーム2~3

名)が東京工業大学と大阪大学の会場に分かれ、ス

ーパーコンピュータ(スパコン)上でプログラムを

作成し、実行時間の速さや解答の正確さを競います。

今年の競技に使用したスパコンは東京工業大学の

TSUBAME2.0です。TSUBAME2.0は 2010年に導入され、

2.4 ペタフロップスという高い演算性能を持ち、

2010 年 11 月当時で世界4位、国内1位の、まさに

世界最高クラスの演算性能を持っています。(現在は

世界 14 位、国内3位)。特徴は、Fermi コアの GPU

(Graphics Processing Unit)を3個搭載したノード

を約 1400 台接続している点です。このため、

TSUBAME2.0の性能を引き出すにはGPUを上手に使い

こなすことが必要です。そこで今年の本選課題のテ

ーマは「GPU を使って課題を解いてもらう」ことに

いたしました(実はSuper ConでGPUを使うのは今

年が初めてです)。TSUBAME2.0 の GPU を使うには、

CUDAと呼ばれるGPUプログラミング環境を使うこと

になるため、参加者の高校生達にはまずCUDAプログ

ラミングを学んでもらう必要がありました。事前に

CUDA プログラミングのスライド資料を参加者に渡

し、コンテスト当日にはチュートリアルを実施しま

した。

今年の本選課題は「非出会い系最長乗車パターン

計算問題」です。これは、ある電車の路線図と時刻

表が与えられた時に、3人が1度も同じ駅で出会わ

ないようにしながら、3人の合計走行距離が最長に

なる丸一日の乗車パターンを求めよ、というもので

す。細かい問題設定は省きますが、駅数40、路線数

5、総電車数6000という規模の審査用データを3つ

用意しました。(この3つのデータの内容は参加者に

は秘密です。参加者は指定された規模の任意のデー

タに対して問題を解くプログラムを作成しなくては

いけません。)

CPU を使った普通の逐次プログラムで解くと 90

分程度かかる計算なので、運営側の見積もりでは、

GPU を使ってもらうことで 1~2分に高速化して

もらうことを狙っていました。

さて準備も終わり、本番当日がやってきました。

問題の説明やCUDAチュートリアルも無事に終わり、

各チームがプログラム作成を開始し、全てが順調そ

うに見えていた時です。岸本祥吾君(情報科学科2

年生)がすっと寄ってきて小声で「権藤先生、ちょ

っとお話が」と切り出してきたのです。

岸本君は審査用データの作成などを担当してくれ

た運営側の学生さんです。「最小費用流というアルゴ

リズムを使うと、本選課題はミリ秒単位で解ける可

能性があります。そして、そのことに気づいたチー

ムが複数いるようです」。がーん!!これは大事件で

した。つまり、運営側の私達は動的計画法というア

ルゴリズムを使うことを想定していたのですが、優

秀な高校生達は最小費用流を使ってそれよりもはる

かに高速に解けることを気づいたのでした(そして

この時まで私達は気づいていませんでした)。この方

ニュースニュースニュースニュース・・・・イベントイベントイベントイベント

競技に使用したスパコン TSUBAME2.0

高校生達のプログラミング風景

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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法で高速に解くチームが多く出れば、上位チームに

差がほとんど出ず、コンテストが成立しない恐れが

あります。また、GPU を使う必要が無くなってしま

う恐れもありました。

そこで、即座に緊急対策会議を開き、問題設定の

変更や、問題規模の拡大などの対応策を検討しまし

た。その結果、「我々の想定外の高速な解法を見つけ

た高校生達が偉いのだから、問題設定や規模はこの

ままでいきましょう。上位チームで差が付かなかっ

た場合に備えて、より精密な時間測定方法やプレイ

オフ用の追加データを準備してアナウンスしましょ

う」という結論になりました。さらに「今年は高校

生の皆さん達の勝利です。問題を作成した運営側の

負けです」と表彰式で正直に敗北宣言することも決

まりました。

そして、コンテストが終わり、表彰式当日、結果

が発表されました。最小費用流を使ったチームは21

チーム中の4チームで、その4チームが上位4位を

独占し、なんと1秒以下の成績をたたき出したので

す。これが発表された時、来賓の方々からは賞賛と

驚きの歓声がわき上がりました。

以下が、上位5位の結果です。

1位 チームima1000

(灘高等学校) 0.060秒

2位 チームPANAI

(開成高等学校) 0.318秒

3位 チームUNAGEEL

(栄光学園高等学校) 0.469秒

4位 チームFuee

(筑波大学附属駒場高等学校) 0.773秒

5位 チームTheSunny

(大阪府立大学工業高等専門学校) 118秒

上位3位までのチームにはメダル・賞状・楯が贈

呈され、1位のチームにはNVIDIA社からの副賞が授

与されました。

また、この順位とは別に、優れたプログラムを作成

したチームに送られる学会奨励賞(電子情報通信学

会 情報・システムソサイエティ・スーパーコンピュ

ーティング奨励賞、情報処理学会若手奨励賞)が、

5位のチームThe Sunnyに贈られました。受賞理由

は「我々が当初想定した、GPU を使った動的計画法

を使ったチーム中で最速の実行速度を達成したた

め」です。以上、ハプニングもありましたが、今年

も無事にSuper Conは終了しました。(上位チームに

差がつかないのでは?という予想は幸運なことに外

れました。)

最後になりましたが、様々な形でご協力頂いた関係

者の皆様に、この場をお借りして深くお礼申し上げ

ます。来年もさらに良いコンテストになるよう、ス

タッフ一同、頑張ります。

なお、Super Con 本選課題などの詳細は次の URL

で参照できますので、ご興味のある方はご覧下さい。

http://www.gsic.titech.ac.jp/supercon/

チームima1000の皆さん

コンテストの様子

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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チャレンジ1で地球儀と奮闘する生徒達

サマーチャレンジサマーチャレンジサマーチャレンジサマーチャレンジ2012201220122012

高大連携学部入試部会 部会長 大竹大竹大竹大竹 尚登尚登尚登尚登

高大連携高大連携高大連携高大連携のののの核核核核

本学の高大連携教育・入試の核と位置づけられて

いるサマーチャレンジは、今年9回目を迎え、 8月

7日から9日の3日間、真夏の太陽が照り付ける三

浦郡葉山町の湘南国際村のIPC生産性国際交流セン

ターで開催された。今年は、本学附属科学技術高校

の52名の生徒と共にお茶の水女子大学附属高校(お

茶高)の7名の生徒が参加し、タイムテーブルに示

すプログラムに従って6つの熱いチャレンジに挑戦

した。

いざいざいざいざチャレンジチャレンジチャレンジチャレンジ

生徒達の元気の良い自己紹介を皮切りに、いよい

よ熱い夏のイベントがスタートした。昼食休憩を終

えた生徒たちが会場に戻って発見したものは、10の

島それぞれのテーブルの上に置かれている地球儀で

ある。いったい何が始まるんだ!?と生徒のみなら

ず教員一同も期待をもって見守る中、教壇に登場し

たのはチャレンジ1の講師である数学科の山田光太

郎先生であった。

「地球の測り方」と題した講義は、山田先生の生

年が1961年で回転対称であるところから始まり、数

字の読み方と近似の考え方を「10,000 円は何ユー

ロ?」の質問を題材に説明。ユーモアを交えたハイ

スピード板書で、生徒が意識していない間にテイラ

ー展開にまで話が進んでいる。さらには萩原朔太郎

の“ふらんすへ行きたしと思へどもふらんすはあま

りに遠し”を詠んで遂に地球儀が登場(写真)。地球

儀を使って東京とフランスとの間の距離を測ってみ

る。さらに、身長2mの人が見渡せることが出来る

地表の部分は地球全体のどれくらいか?地球の赤道

上に一周ゴムひもを巻いてそのゴムひもの一カ所を

つまんで2m持ち上げるとどれくらい伸びるか?と

難問に頭を抱え、楽しむうちに、1時間半の講義は

終了した。

夕食後のチャレンジ2は、これまでの8回はい

ずれも機械を分解するチャレンジであった。ところ

が、今回は異なる。教壇に登場した五十嵐規矩夫先

生が手にしていたのは、機械ではなくスパゲッティ

とマシュマロ。生徒からはどよめきがあがる。「マシ

ュマロチャレンジ」と題したこのチャレンジは、ス

パゲティー(茹でてはいません)を使って高いタワ

ーをスチレンボードの上に造り、その頂上にマシュ

マロを置く。スチレンボードとマシュマロの垂直距

離を大きくするのが課題だ。18分でタワーをつくろ

う、の合図で10組が一斉にチャレンジを開始する。

最後にタワーの先端にマシュマロを刺すところが鬼

門で、曲がってしまったタワーを何とかしようと四

苦八苦する姿が散見される中、青組が約500mmで優

勝した。表彰の後はオイラー座屈についての講義で

締めくくられた。

休 憩

サマーチャレンジ 2012

タイムテーブル

第1日目

8月7日(火)

第2日目

8月8日(水)

第3日目

8月9日(木)

7:00

8:00

9:00

10:00

11:00

12:00

13:00

14:00

15:00

16:00

17:00

18:00

19:00

20:00

21:00

10:00

高校集合・点呼

10:30~11:45

バス移動

(田町→湘南国際村)

11:45~12:00 受付

12:30~14:00

昼食・休憩

14:00~15:30

自己紹介・交流会

12:00~12:30

開校式・オリエンテーション

16:00~17:30

チャレンジ1

山田光太郎先生

17:30~19:30

夕食・リフレッシュ

19:30~21:00

チャレンジ2

五十嵐規矩夫先生

7:30~9:00

朝 食

7:30~9:00

朝 食

9:00~12:15

チャレンジ3

五十嵐規矩夫先生

12:15~13:30

昼食・休憩

13:30~15:00

チャレンジ4

広瀬茂久先生

15:00~17:00

エクスカーション

17:00~19:00

夕食・リフレッシュ

19:00~20:30

チャレンジ5

鶴見敬章先生

9:00~10:30

チャレンジ6

安藤 真先生

10:30~11:30

休憩・面談準備

11:30~12:45

昼食・休憩

12:45~14:00

個人面談

休憩

14:15~15:45

個人面談

休憩

16:00~16:30

修了式

16:45 写真撮影,解散

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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チャレンジ3でタワーづくりに熱中

明けて2日目午前中のチャレンジ3は再び五十嵐

先生のタワーチャレンジである。チャレンジ2の発

展形として、今度はストローを用いたタワーづくり

にチャレンジした。タワー先端にはマシュマロ、任

意の位置に3つの錘を設置しなければならない。オ

イラー座屈について知った生徒達は、昨晩より洗練

された設計を見せる(写真)。最も高い赤組のタワー

に構造賞、皆の投票でオレンジ組にデザイン賞が贈

られた。さらに五十嵐流のユニークな賞として安全

賞が授与された。これは、タワーの錘より下のスト

ローを一本ずつ切ってゆき、何本まで切っても構造

として成り立つかを競うものである。理論は裏切ら

ないもので、オイラー座屈の講義を忠実に反映した

オレンジ組と水色組がこの賞を勝ち取った。ものつ

くりの後は、トラス構造についての詳細な講義が用

意され、生徒達は構造設計の基礎を十分に学んだ。

昼食休憩後のチャレンジ4は、生体システム専攻

の広瀬茂久先生の登場である。肺の話だ。数学とも

のつくりの後に生体の話が聴ける。これがサマーチ

ャレンジの醍醐味である。心臓肥大は何故問題か?

の問に生徒達の手が挙がる。ついで「Knockoutマウ

スからの大発見」が話題になる。 「Surfactant(界

面活性剤)の過剰がみられた。原因を突き止めるの

に何が知りたい?」の見事な質問に今度は20人以上

の手が挙がる。さすがサマーチャレンジに立候補し

た生徒達。大学に入っても同じ心意気を持っていて

欲しいものだ。分子模型を傍らに、細胞の世界は1

億倍すると人間のスケールになるのです、との広瀬

先生の印象的な言でチャレンジは締めくくられた。

さて、チャレンジ4でサマーチャレンジの前半は

終了の予定であったが、今回は「物理特別 Q&A」と

題して、基礎物理学専攻の河合誠之先生と地球惑星

科学専攻の佐藤文衛先生に生徒からの質問への回答

を御願いした。ヒッグス粒子の説明は簡単ではあり

ませんが・・・と述べながら素粒子をすらすら板書

する河合先生の姿に、生徒も教員も惚れ惚れとした。

なお、山田先生も講義の中で質問に以下のように回

答して下さっている。

・Q:数学は役に立つ? A:もちろんだ。私は数学

でご飯を食べている(一同笑)。

・Q:直線、三角形はどこにある? A:心のなかに

ある(一同感嘆)。

エクスカーションと夕食休憩でリフレッシュした

後のチャレンジ5の講師は、材料工学専攻の鶴見敬

章先生である。「強誘電体の話」と題したチャレンジ

は、恐らくこの取組開始来、初めて政府債務残高の

データから講義が始まった。日本の現状をみるに何

か新しいことが必要だから若者には発想力が必要。

そしてまず人の役に立つ必要がある、という熱いメ

ッセージに、生徒達は魂を揺さぶられる。そして、

誘電体と誘電率についての明快な説明の後に、圧電

効果と逆圧電効果を使って何か人の役に立つモノを

提案しようという課題に、各グループともユニーク

なアイディアを続々と発表する。日本の将来は明る

いと思ってしまうくらいの熱気だ。人感ライトの焦

電センサーとSuicaの強誘電体メモリーを題材に、

「試験に出ない生きた知恵が大切」と纏めた後に、

「どう生きるかは自分の哲学で決める」と鶴見節で

締めくくった講義には、大きな拍手が贈られた。

明けて最終日午前中のチャレンジ6は、電気電子

工学専攻の安藤 真先生が講師を引き受けて下さっ

た。「電波の話」と題した講義は、大学の講義さなが

らにマクスウェル方程式!から入る。高校生にとっ

てこれは本当にチャレンジだ。しかし、電波が磁界

と電界でなること、偏波があることの説明に生徒達

は食いついてゆく。そして目玉は実験だ。レーザー

ポインタの光を板に照射するとどうなるか。さらに

は、反射板を置いた暗箱に電波を入射し定常波を作

り、LED を装荷したアンテナを動かすことで、6cm

程度の間隔で節の部分があることを目で体験。実際

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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にビルの間では困るので、携帯電話はダイバーシテ

ィーアンテナといって2つのアンテナを持っている

のです、という説明に、うーんなるほどと皆が頷い

た。

最終日の午後は個人面談である。生徒の緊張はこ

の面談前に最大となる。そして15分の面談が終わる

と晴れ晴れとした顔に戻り、修了式に臨む。修了式

は自己紹介ポスターの表彰から始まる。今年のポス

ターは驚くべき出来であった。各自A4で1枚のポ

スターを作製するのだが、三次元にした作品が実に

16 作品を数えた。最優秀に選出された作品は、LED

と自作電子回路で名前を間欠的に光らせたもので、

遂に時間軸を使った作品となった。最後に、参加生

徒59名全員に学長名の修了証が授与された。生徒も

高校の先生も我々もほっとする瞬間である(写真)。

アンケートアンケートアンケートアンケート結果結果結果結果とまとめとまとめとまとめとまとめ

アンケート結果を見てみよう。「チャレンジは面白

かったですか?」の問に対しては、実に 95%の生徒

が面白かったと答えている。一方、「内容をよく理解

できたものは?」の問に対しては、75%の生徒が6つ

のうち3or4つと答えており、大学レベルの授業内

容を反映して、面白いけれど内容はかなりハイレベ

ルと感じていたことがわかる。そして、「後輩に参加

を薦めますか?」の質問には、75%の生徒が強く薦め

たいと回答しており、サマーチャレンジで得た果実

が大きかったことを物語っている。高大連携特別選

抜の観点から言えば、このチャレンジで頑張った生

徒達から来年4月に 10 名以上の東工大生が生まれ

る。本取組は、高大接続と入試変革が求められてい

る中で、先進的かつキラリと光る存在と言って良い

だろう。

最後に、素晴らしい講義を

してくださった講師の先生方

と本取組を支えて下さった東

工大附属高校、お茶女附属高

校の先生方、面談と評価をし

て下さった東工大の先生方、

万全の体制を整えて下さった

入試課の皆様に心から感謝し

ます。来年は8月6日から8

日に開催の予定です。

Q: 今回の6つのチャレンジはあなたにとって面白

かったですか?

Q: 今回の6つのチャレンジのうち内容をよく理解

で き た も の は い く つ あ り ま し た か ?

Q: 今回のサマーチャレンジと同様の企画を次年度

以降続けるとして、後輩に参加を薦めますか?

全てのチャレンジを終えて皆笑顔の修了式

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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事務局事務局事務局事務局パワーアップパワーアップパワーアップパワーアップのののの取組取組取組取組みについてみについてみについてみについて

事務局長 山田山田山田山田 道夫道夫道夫道夫

はじめに

本学は、「世界最高の理工系総合大学の実現」を長

期目標に掲げ、教育、研究、社会貢献活動を推進し

ている。組織としての東工大は、常勤と特定有期雇

用・短時間雇用の教員、研究員、技術職員、事務職

員、学生などで構成されるが、私達事務局職員も、

標記目標の達成に向け、日々、個々人の能力アップ

と組織力の強化に努めている。ここでは、その取組

みの概要を報告するとともに、構成員各位の理解と

協力を得たい。

1.事務局のパワーアップが必要な理由

周知のとおり、国立大学は平成16年4月に法人化

した。これにより各大学は、国(文部科学省)の下

部組織から独立の法人格を得て、国の規制・制約が

縮小したが、一方で法人評価、労使対策などの新規

業務の発生、運営費交付金・人件費の削減と外部資

金獲得の重要性の拡大、社会への説明責任が問われ

るなど、取り巻く環境が大きく変化した。

もとより、私達事務職員は、教員の方々が教育研

究に専念できる環境整備が重要な任務であるが、法

人化後は、これに加えて、法人経営に積極的に参画

することが求められている。このことは、21世紀委

員会の法人化準備部会報告書(平成16年3月)にお

いても、事務局は「企画立案、実務執行、部局事務」

の3部門とするとし、法人化を機に、企画立案組織

の拡大・強化(教職協働)、事務局の組織改組、業務

の簡素・合理化などが行われたところである。

しかし、法人化の準備作業は、極めて短期間にか

つ非常に多岐に亘って行われたため、必ずしも十分

に機能・浸透していない面や旧態依然とした意識・

行動が、今なお見られるように思う。こうした状況

の脱却と環境変化に的確に対応できるプロ職員の育

成・確保を目指し、平成19年末頃から、当時の吉川

晃事務局長の主唱の下、事務改革として、事務局パ

ワーアップの取組みが進められることとなった。

2.事務局パワーアップの全体構造

事務組織の改革は、法人化前後から東京大学、京

都大学を始め、各国立大学で取り組まれてきている

が、多くの場合、①組織改革、②人事システムの改

革、③業務改善(効率化・合理化)の3つが主柱と

なっている。

私は、これらの共通の基盤となるもの(最も重要

なもの)は、公務員意識の払拭を含む職員の意識改

革であると考え、東京大学などでの先進事例も参考

に、これらを一体のものとして、事務局全体で組織

的・計画的に進めることとした。

業務の効率化・合理化

組織改革人事システムの改革

職員の意識改革

組織の目標、コミュニケーション

<ベース>

<三位一体で推進>

業務の効率化

質の向上

職員の

スキルアップ

組織力

アップ

PDCA

PDCA PDCA

ポリシーポリシーポリシーポリシー++++実行実行実行実行プランプランプランプラン

3.これまでの取組み

以下、吉川前事務局長の時代以降今日に至るまで

の主な取組みを挙げてみる。

(1)全体方針

・事務局パワーアップに関する基本方針(H20.1)

・事務局パワーアップ・アクション・プラン(H23.3)

(2)組織改革関係

・国際部の設置、グループ制の導入等(H20.7)

・部局事務改革の実施(H23.7)

(3)人事システム改革関係

・東工大事務職員キャリアマップ(H21.3)

・初任者研修の抜本強化(H23.4~)

・東工大用語入門の作成(H23.4~)

・事務局人財ポリシー(H24.8)

(4)業務改善関係

・業務改善提案募集(H21~)、職員表彰(H22~)

・業務改善タスクフォースの強化(H23.4~)

(5)意識改革関係

・新しい価値を創造できる東京工業大学事務職員と

東工大クロニクル №479 Sep.2012

8

して(H20.3)

・ネームプレートの学内常時着用(H23.4~)

・事務局パワーアップのHP(H23.11~)

・事務局の目標と職員の行動指針(H24.2)

4.取組みの現状と課題

前述のとおり、現在、平成23年3月に策定した事

務局パワーアップ・アクション・プランに基づき、

平成23・24年度の2か年計画で、各種取組みを総合

的に進めている。

区 分 項 目 実施内容(主なもの)

職員の意識と組織文

化を変える

ネームプレートの着用、CS 研

修、自主的な勉強会の奨励

職員の意

識改革

コミュニケーション

の強化を図る

部署や世代を越えた交流の機会

作り、意見交換会の開催

推進体制の強化等 業務改善TFの組織強化 業務の効

率化・合理

事務局横断型業務改

善の推進

マニュアル作成、会議のルール

化、HPの改善

職員人事の改善

人事ポリシーの策定、東工大卒

業生の採用

人事シス

テムの改

革 職員研修の抜本改革

研修の体系化、年間計画明示、

英語研修の強化

部局事務改革 部局への事務の移管・出動

事務局の組織見直し 組織・事務分掌の見直し

組織改革

職員配置の見直し 業務量等に応じた配置見直し

その際、事務局長からトップダウンで基本方針を

示すだけではなく、全員参加型を意識し、決定過程

に若手・中堅職員の参加を求めたり、各キャンパス

での意見交換会やパブリックコメントを実施するな

ど、ボトムアップを積極的に取り入れている。

また、組織改革や業務改善は、事務局内だけの問

題ではなく、部局や教員・学生等に関わることが少

なくないため、大きな改革に際しては、役員会、部

局長等会議などに適宜説明・報告し、意見を聞きな

がら進めている。

他方、人件費が削減される中で、職員のワーク・

ライフ・バランスを考えれば、超過勤務の縮減を図

る必要があり、会議事務のスリム化など業務の簡

素・合理化に継続的に取り組んでいかねばならない。

さらに、特に法人化後、いわゆる事務局一元化も

あって、職員が教員や学生などと直接接する機会が

乏しくなっているが、大学で働くことの最大の意義

(喜び)は、直接・間接に教育・研究活動を支援す

ることにあり、職員と教員等とが触れ合う機会をも

っと拡大したいと考えている。このような観点から、

今年5月以降、部局長のご理解を得て、「教員と事務

局職員との交流会」を開催し、その部局の研究・運

営などの理解を深めると同時に、懇親会も行って関

係を深めている(第一回は社会理工学研究科、第二

回は工学系、第三回はすずかけ台地区)。更に、職種・

キャンパス横断型のレクリエーションも復活した。

社会理工学研究科教員との交流会

今後とも、こうした諸活動を進めながら、プロ職

員を育成し、事務局の立場から本学の「大学力」の

更なる向上に寄与していきたい。

(事務局パワーアップの詳細は、以下を参照。)

http://www.jyoho.jim.titech.ac.jp/kaizen/

(参考)事務局の目標と職員の行動指針(H24.2)

事務局の目標

一、各職員が学生支援、教育支援、研究支援、経営推進、

社会貢献の各局面において積極的な役割を果たし、個の

力の結集による大学力の最大化を目指す。

一、チーム東工大として、各職員が緊密なコミュニケーシ

ョンを図り、柔軟で機動的かつ、活き活きとした組織を

目指す。

職員の行動指針

一、世界最高の理工系総合大学を目指す東京工業大学の職

員として、本学の将来ビジョンを常に意識して行動する。

一、学生・教職員・社会へ質の高いサービス提供を行い、

教育・研究・社会貢献の充実を図ることを目指して行動

する。

一、コミュニケーション力、リーダーシップ力、問題発見・

解決力をあわせ持った新しい価値を創造できる職員を目

指して知識習得や能力向上に取り組む。

一、東京工業大学職員としての誇りと愛校心のもとに、向

上心と積極性をもって行動する。

一、人生に幸福感が得られるよう、ワーク・ライフ・バラ

ンスを意識して行動する。

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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平成平成平成平成24242424年度栄誉教授称号記授与式及年度栄誉教授称号記授与式及年度栄誉教授称号記授与式及年度栄誉教授称号記授与式及びびびび懇談会懇談会懇談会懇談会

開開開開かれるかれるかれるかれる

総務部総務課総務部総務課総務部総務課総務部総務課

栄誉教授称号記授与式及び懇談会が、去る7月20

日(金)に東工大蔵前会館(Tokyo Tech Front)に

おいて開催されました。この称号は、本学教授、退

職者、卒業・修了生のうち、ノーベル賞や文化勲章、

文化功労者など教育研究活動の功績をたたえる賞も

しくは顕彰を受けた者に対して付与されるもので、

平成23年度に新設されました。今回で2度目を迎え

る授与式では、新たに3名の先生方に栄誉教授の称

号が授与されました。

その後、部局長の先生方にもご参加いただいて懇談

会を開催し、終始和やかな雰囲気で終了いたしまし

た。

【平成24年度授与者一覧】

○ 木村 孟 (東京工業大学名誉教授)

○ 髙柳 邦夫 (東京工業大学名誉教授)

○ 向山 光昭 (東京工業大学名誉教授)

平成平成平成平成22224444年度年度年度年度「「「「東工大特別賞東工大特別賞東工大特別賞東工大特別賞」」」」をををを授与授与授与授与

総務部人事課総務部人事課総務部人事課総務部人事課

7月13日(金)に東工大特別賞の授与が行われま

した。この表彰は、多年にわたって研究教育の円滑

な推進に寄与し、かつ、勤務成績が優秀と認められ

る大学職員に対し行われているもので、今年度は3

名が表彰を受けました。

表彰式では、伊賀学長より表彰状の授与と報奨金目

録の贈呈が行われました。

今回受賞された方は次のとおりです。

技術部すずかけ台分析支援センター

技術職員 石川 薫代

受賞理由 「化学分析サービスを通じた全学物

質科学研究推進への貢献」

技術部基盤技術支援センター

技術職員 佐藤 眞知子

受賞理由 「工学系研究室における安全衛生・

防災対策に関する長年の貢献」

技術部共通教育支援センター

技術職員 山口 敏

受賞理由 「計算機システム管理による専門情

報処理教育への長年の貢献」

新栄誉教授との記念撮影 受賞者との記念撮影

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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附属図書館附属図書館附属図書館附属図書館からのおからのおからのおからのお知知知知らせらせらせらせ

情報図書館課情報図書館課情報図書館課情報図書館課

大岡山新図書館大岡山新図書館大岡山新図書館大岡山新図書館がががが1111周年周年周年周年をををを迎迎迎迎えましたえましたえましたえました

2012 年7月4日(水)、大岡山図書館が新図書館と

してグランドオープン1周年を迎えました。

みなさまの日頃のご利用・ご支援に感謝し、当日は

図書館カウンターにて記念品を配布しました。大岡

山図書館ではグランドオープンの時間に合わせて

12時から先着100名様、すずかけ台分館では開館時

間の8時45分から先着30名様に、附属図書館オリ

ジナルのクリアファイルと3色ボールペンを用意し

ました。大変ご好評をいただき、数時間後には配布

終了となりました。

(写真:大岡山図書館)

(写真:大岡山図書館での記念品配布)

附属図書館は今後もみなさまの学習・研究のサポート

に取り組んでまいります。末永くご利用いただきますよ

う、よろしくお願い致します。

夏夏夏夏のののの図書長期貸出図書長期貸出図書長期貸出図書長期貸出をををを実施実施実施実施しましたしましたしましたしました

夏休み期間中の図書の長期貸出を実施しました。実

施期間中に貸出または貸出延長を行うと、授業期よりも

長い期間図書を借りられるため、多くの学生が利用し

ています。

長期貸出の返却期限は10月3日(水)です。期限を過

ぎて返却すると、遅れた日数と同じ期間、図書の貸出

や貸出延長手続きが行えなくなります。長期貸出期間

中に借りられた方は、返却期限が近くなっていますの

でご注意ください。大岡山図書館で借りた本を、すず

かけ台分館で返却することができます。その逆もでき

ます。

便利便利便利便利ななななオンラインサービスオンラインサービスオンラインサービスオンラインサービスのののの紹介紹介紹介紹介

借りている図書の返却期限を確認したい場合には、

図書館のオンラインサービス「TDL オンラインリクエ

スト」が便利です。また、他の方が予約されていない

場合には、貸出期限を延長することもできます。

※延長手続きは貸出期間内に行ってください。延滞し

てしまった後に延長はできません。

※オンラインでの貸出期限延長は初回のみ可能です。

(図書館カウンターで手続きした分もカウントさ

れます。)

※2回目以降は図書館カウンターに図書を持参して

手続きをしてください。

(TDL オンラインリクエスト画面)

◆◆◆◆ TDLTDLTDLTDLオンラインリクエストオンラインリクエストオンラインリクエストオンラインリクエストへのへのへのへのアクセスアクセスアクセスアクセス

・図書館ホームページ

> TDLオンラインリクエスト – ログイン

・東工大ポータル

> 図書館サービス:TDL Online Request

おおおお 知知知知 らららら せせせせ

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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[ ]内は旧所属

(教員)

平成24年8月1日付

松岡

まつおか

昌志

ま さ し

:准教授に採用

大学院総合理工学研究科人間環境シ

ステム専攻[産業技術総合研究所室

長]博士(工学)

○生 1967.1

○学 室蘭工業大学工学部建築工学科

1990、東京工業大学大学院総合理工

学研究科修士課程1992

○専 地震工学、リモートセンシング

[学位論文]国土数値情報を利用した広域での地震

ハザード評価に関する研究:東京工業大学1996

内線 5605

平成24年8月1日付

前田

ま え だ

和彦

かずひこ

:准教授に採用

大学院理工学研究科化学専攻[東京

大学大学院工学系研究科化学システ

ム工学専攻助教]博士(工学)

○生 1979.10

○学 東京理科大学理学部応用化学科

2003、東京工業大学大学院総合理工学研究科物質電

子化学専攻修士課程2005、東京大学大学院工学系研

究科化学システム工学専攻2007

○専 光触媒、 無機固体化学、 ナノ材料、 光電気化

[学位論文]水の光分解反応を指向した新規可視光

応答型光触媒の研究開発:東京大学2007

内線 2239

平成24年8月1日付

市原

いちはら

健介

けんすけ

:教授に採用

大学マネジメントセンター/産学連

携推進本部本部長代理[(独)日本

貿易振興機構 機械・環境産業部長、

内閣府 沖縄総合事務局 経済産業部

長]工学修士

○生 1960.11

○学 早稲田大学理工学部電気工学科1984、東京工業

大学大学院理工学研究科電気・電子工学専攻修士課

程1986

○専 技術マネジメント、産業政策論

内線 2443

平成24 年8月1日付

山田

や ま だ

桂太

け い た

:准教授に昇任

大学院総合理工学研究科化学環境学

専攻 [同助教]博士(理学)

○生 1969.1

○学 名古屋工業大学工学部材料工学

科1991、東京都立大学大学院理学研

究科修士課程1993、同博士課程1997

○専 有機地球化学、同位体地球化学

[学位論文]現世堆積物中個別炭化水素類の安定炭

素同位体組成に関する地球化学的研究:東京都立大

学1997

内線 5416

平成24年8月1日付

小林

こばやし

隆志

た か し

:准教授に採用

大学院情報理工学研究科計算工学専

攻[名古屋大学大学院情報科学研究

科准教授]博士(工学)

○生 1974.12

○学 東京工業大学工学部情報工学科

1997、同大学院情報理工学研究科修

士課程1999、同博士課程2004

○専 ソフトウェア工学

[学位論文]デザインパターンを利用したソフトウ

ェア開発支援に関する研究:東京工業大学2004

内線 3504

人 事 異人 事 異人 事 異人 事 異 動動動動

東工大クロニクル №479 Sep.2012

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◆◆◆◆謹謹謹謹 告告告告

本学生命理工学研究科生命情報専攻

助教 伊藤

い と う

真純

ま す み

氏は、去る7月

8日(日)逝去されました。(享年

34 歳)ここに深く哀悼の意を表し、

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

同氏は、平成24年4月1日本学採用以来、約3ヶ

月間勤務され、現在に至っておりました。

本学すずかけ台地区事務部総務課事

務職員 秤屋

はかりや

邦子

く に こ

氏は、去る8

月24日(金)逝去されました。(享

年61歳)ここに深く哀悼の意を表し、

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

同氏は、昭和 46 年4月1日本学採用以来、約 41

年間勤務され、平成23年3月31日の定年退職後は、

引き続き再雇用職員として本学のために尽力されま

した。

東工大東工大東工大東工大クロニクルクロニクルクロニクルクロニクル No.479No.479No.479No.479

平成24年9月28日 東京工業大学広報センター発行 ©

東工大クロニクル編集グループ

編集長 小野 功(総合理工学研究科准教授) 陣内 修(理工学研究科准教授)

住所:東京都目黒区大岡山2-12-1-E3-3 〒152-8550 電話:03-5734-2975,2976 FAX:03-5734-3661

E-mail:[email protected]

URL:http://www.titech.ac.jp/about/introduction/magazine_chronicle.html