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Page 1: TOSTEM 社会環境報告書 2005...4 ごあいさつ 5 ごあいさつ ごあいさつ 「良い家に住むことは万人の願い、 この願いを実現するために私たちは働く」
Page 2: TOSTEM 社会環境報告書 2005...4 ごあいさつ 5 ごあいさつ ごあいさつ 「良い家に住むことは万人の願い、 この願いを実現するために私たちは働く」

目次

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会社概要

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本報告書について

■ 編集方針

 04年度版は、当報告書の名称を「環境報告書」から「社会環境報告書」と改め、環境保全活動に社会性項目を追加しました。05年度版は、社会性情報をさらに充実させるため、綱領にもある「良い家」をキーワードとし、ステークホルダーとの関わりごとに情報を掲載しています。 掲載内容は、網羅性などでまだまだ不十分な点もありますが、読者の皆さまとのコミュニケーションツールとして活動内容を正確にご理解いただけるよう、誠実で分かりやすい表現を心掛けました。 また、デザイン面では使用色の種類を抑えシンプルにするとともに、どなたにも読みやす

いフォントの種類やサイズを考慮しました。

■ 参照ガイドライン

・GRI「サスティナビリティレポーティングガイ ドライン2002」・環境省「環境報告書ガイドライン(2003年 度版)」

■ 対象範囲

トステム株式会社

国内:本社 (商品、資材、管理部門) 生産工場 36工場 物流配送センター 13拠点 営業拠点 48支店 工事拠点 18事業所海外:生産工場 2工場

■対象期間

 2004年4月~2005年3月 (実績については04年度のデータを対象範囲と

していますが、活動内容については一部それ以前

のもの、および本書発行直前のものも含みます)

■データ保証範囲

・データ集計プロセス 集計期間 :2004年4月~2005年3月 集計範囲 :36工場、13物流配送センター 集計精度 :環境会計の環境保全効果のデー タ精度には改善の余地があります 保証ページ:環境会計データ P54 環境パフォーマンスデータ

P44~48

・商品設計プロセス 保証対象部署:商品本部、品質本部、資材本部 保証ページ: お客様の「良い家」づくりを実現するために

P14~18 調達先様との協働による品質向上のために

P26~27 ※保証を実施したデータに関しては、該当箇  所に以下のマークを付しています

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会社概要

ごあいさつ

私たちの考える社会的責任

  新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」における  トステムの社会的責任

企業倫理

お客様の「良い家」づくりを実現するために基本的な考え方

お客様との関わり

環境への取り組み

ユニバーサルデザインへの取り組み

安心・安全への取り組み

お客様の声を商品に反映する

お客様の「暮らしの価値」を高めるライフスタイルの提案

調達先様との協働による品質向上のために基本的な考え方

調達先様との関わり

働きやすい職場をつくるために基本的な考え方

雇用について

仕事と家庭の両立支援について

福利厚生・労働組合について

健康・安全に働ける職場づくり

人材づくりのための仕組み

地域社会と共生するために基本的な考え方

地域社会との関わり

環境に配慮した事業活動のために基本的な考え方

環境経営の全体像

中期目標と2004年度の実績評価事業活動全体のINPUT・OUTPUT生産における環境配慮(地球温暖化防止・廃棄物削減・有害化学物質管理・大気汚染防止・水質汚濁防止・海外拠点)

環境リスク管理

Site Report(久居工場・成東工場・大生郷工場)物流・施工における環境配慮

オフィスにおける環境配慮

環境会計

第三者保証報告書

第三者評価 「私たちからトステムへの提言」

第三者のコメント

2004年版社会環境報告書アンケート結果 / 編集後記

トステムの歩み

特集

C o n t e n t s

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目次

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会社概要

3

住宅サッシ 3,055

住宅用建材 4,524 ・住宅サッシ ・住器・建材 ・パネル

住器・建材 1,388

パネル 81

ビル用建材 1,092

売上高 5,617(億円)

会社概要

トステム株式会社TOSTEM CORPORATION

設立 2001年10月1日

本社所在地 〒136-8535 東京都江東区大島2丁目1番1号

取締役・監査役 取締役社長※   菊池光男

※印は代表取締役 取締役副社長※  後藤安雄

専務取締役    小川康彦

取締役(非常勤)  潮田健次郎

取締役(非常勤)  飛田英一

取締役(非常勤)  水谷千加古

常勤監査役    三浦忠明

常勤監査役    小林修

監査役      阿部眞一

監査役      雪竹弘久

資本金 346億円(2005年3月末)

売上高 5,617億円(2005年3月期)

経常利益 175億円(2005年3月期)

従業員数 11,184人(2005年3月末)

株式会社住生活グループJS GROUP CORPORATION

(旧社名 株式会社INAXトステム・ホールディングス)

住宅建材・設備の製造販売を中心に、ホームセンターなどの

小売・卸、住宅フランチャイズなど、快適な住まいづくりに必

要な商品とソフトウェアを総合的に提供する、住生活産業

グループ。

設立 1949年9月19日

本社所在地 〒136-8535 東京都江東区大島2丁目1番1号

本社事業所 〒105-6240 東京都港区愛宕2丁目5番1号

愛宕グリーンヒルズMORIタワー 40階

資本金 681億円(2005年3月末)

連結売上高 9,862億円(2005年3月期)

連結経常利益 503億円(2005年3月期)

連結従業員数 29,682人(2005年3月末)

上場証券取引所 株式会社東京証券取引所市場一部

株式会社名古屋証券取引所市場一部

株式会社大阪証券取引所市場一部

■住生活グループ 主要事業会社

トステム株式会社

トステムガーデニング株式会社

トステムSD株式会社

トステム建鐵株式会社

株式会社ROOF TOSTEM

旭トステム外装株式会社

株式会社INAX

トステムビバ株式会社

東洋エクステリア株式会社

トステム鈴木シャッター株式会社

INAXトステム・ビルリモデリング株式会社

トーヨーサッシ建材商事株式会社

ジャパンホームシールド株式会社

トステムマネジメントシステムズ株式会社

トステムホームウェル株式会社

株式会社トステムハウジング研究所

イーアールエー・ジャパン株式会社

JSファイナンス株式会社

ITインフォメーションシステムズ株式会社

ITビジネスサービス株式会社

ITマネジメントコンサルティング株式会社

株式会社21世紀住宅研究所 株式会社アイフルホームテクノロジー

ブライトホーム株式会社

ジーエルホーム株式会社

ゴーイングホーム株式会社

ワンダーホーム株式会社

株式会社クラシス

持株会社のプロフィール

◆2005年3月期売上高構成比

5,33

137

8

96.3

(億円)

売上高 経常利益

(億円)

7,000

6,000

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

600

700

500

400

300

200

100

0 0

6,31

7

97.3

418

5,62

2

98.3

97

5,09

5

99.3

171

5,32

8

00.3

201

5,65

0

01.3

152

5,53

6

02.3

81

5,41

1

03.3

115

5,56

3

04.3

246

5,61

7

05.3

175

◆売上高・経常利益の推移

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ごあいさつ

5

ごあいさつ

ごあいさつ

「良い家に住むことは万人の願い、この願いを実現するために私たちは働く」という綱領を実践し、住生活環境を豊かにすること、これが私たちの使命であり、社会的責任です。

 私たち企業は、社会の皆さまによって生かされ支えられて

います。企業の社会的責任は、この「生かされている」「支えら

れている」ということについてどのように応えていけるかが重要

な鍵であると考えています。

 そして私たちは、具体的な責任を果たすために創業以来、

社是「品質至上」のもと、綱領「良い家に住むことは万人の願

い、この願いを実現するために私たちは働く」に基づき、行動

規範である経営理念を実践しています。 

 綱領は、私たちトステムグループ全社員の「心の灯台」であ

り、これを実現するために「品質主義」、「顧客主義」、「人間主義」

そして「公正主義」の4つの考え方を経営理念として定め、事

業活動に活かしています。

 これらの経営理念を誠心誠意実践することにより、お客様

はもとよりステークホルダーとのコミュニケーションの充実がはか

られ、今日の急激な社会変化に素早く対応できるものと考え

ています。

お客様とのコミュニケーションは、経営革新につなげることができる重要性を含んでいます。

 私は3年前社長に就任して以来、お客様をご訪問しコミュ

ニケーションをはかっていますが、事業活動はもとより環境に

関することなど、多くのご提案をいただきます。ひとつの事例

として、私たちは「品質至上」のもと「お客様に最良品質の商

品を最良の状態で、タイムリーにお届けする」ため、商品開発

や梱包・配送など商品のライフサイクルの各場面で、あらゆ

る改善に努めてきました。しかしお客様の立場から見ますと、

過剰梱包による手間の発生や梱包廃棄物の増加などはコス

ト増につながることになり、メーカーとして良かれと思ってし

たことが、逆の結果を招いてしまったこともありました。お客

様とのコミュニケーションにより新たな課題に直面し、責任の

重さを痛感しています。そしてこのことに限らず大変重要なこと

をご提案していただいていると真摯に受け止めています。

 私たち企業は、お客様のために「何ができるのか」「何をし

なければいけないのか」といったご意見をお聞きし、経営に活

かすことが、お客様と私たちがお互いにメリットを享受でき、

社会面や環境面において資源循環型社会に適応できる経

営改善につながるものと考え実践しています。

 したがいまして、私たちは創業以来続けている「品質主義」

および「顧客主義」にできるだけ多くのお客様をはじめとした、

さまざまなステークホルダーの視点を取り入れることを課題

とし、経営改善につなげています。

お客様のご期待に応え、そのうえでお客様の価値観に変化を促すことはメーカーの責任です。

 私たちは「住生活環境の豊かさ」を提供するため、あらゆる

努力を行っています。しかし、商品に「豊かさ」を追求すると、

安心や安全、快適性といった社会的側面ではプラス面が大

きくなる一方で環境負荷の発生というマイナス面が表れて

しまうこともあります。「豊かさ」を確保しながらも環境への

負荷を減らしていく、この相反する側面のバランスを取りな

がらご要望にお応えすることが、持続可能な発展を促すこと

のできる経営になるのではないかと考えます。

 つまり私たち企業は、この「豊かさ」と「環境」のバランスの

とれた商品をご提供し、結果として、ご家庭で使用されるエ

ネルギー抑制につながればと考え、お客様にトータルなご提

案をすることで、お客様の価値観に変化を促していくような

活動にしていきたいと考えています。そうすることが社会的

責任を果たすことの道理と考えますので、お客様に直接対

応する営業社員やショールーム社員への教育にも力を入れ

ています。

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ごあいさつ

5

ごあいさつ

社会の役に立つ人づくりのための、「人間主義」と「公正主義」を実践する。

 私は、日ごろから社員に対しお客様のお役に立てる人で

あってほしいと言い続けています。

 そのためには、個 人々が勉強し力をつけることが大切です。

会社を知り、お客様に買っていただける商品を知る、という

基本的な部分から教育することによって、社員とお客様との

コミュニケーションが豊かになり、信頼関係が生まれてまいり

ます。社員は自信に溢れ、結果として自分自身の人間的成長

や生活面の豊かさに結びついてくるのであろうと確信してい

ます。常に先を行くお客様に信頼していただこうと思うなら

ば、私たちも常に人として成長していかなくてはなりません。

そして人として成長すれば、それは本人のためや会社のため

になることはもちろん、社会のためにもなっていくと思います。

私たちは、社員の「人としての成長」をフォローする仕組みや

推進体制を整備推進しています。このような思いが「人間主

義」の中に込められています。

 私たちの行動には、世の中によって生かされ、支えていた

だいているという考え方が根底にあります。生かしていただ

いていますから、きちんとした責任を社会に対して果たさな

ければならないと考えています。また、私たちは社会に支えら

れているので信用をなくして成り立つはずもなく、当然行う

べきこと、世の中の決め事、約束事は遵守しなければならな

い、そのような思いが「公正主義」の中に込められています。

2005年7月トステム株式会社 取締役社長

 今後も、私たち企業は全社員が一丸となり、創業以来まも

り育ててきた「綱領」「経営理念の実践」を糧にして、より一

層ステークホルダーのご意見を取り入れ、社会貢献と地球

環境の保護に努めてまいります。

 おわりに、この報告書はまだまだ不十分な点は多々あると

思いますが、あらゆる広報媒体を通じて、さらなる情報開示

を行い、社会に信頼される持続可能な企業になるための努

力を重ねてまいりたいと思っております。

 読者の皆さまには、忌憚のないご意見を賜りますよう、お

願い申し上げます。

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私たちの考える社会的責任

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私たちの考える社会的責任

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私たちの考える社会的責任

基本的な考え方 企業は、多くのステークホルダーとの信頼関係に支えら

れ、社会の一員として存在しています。私たちも常に、社会

によって生かしていただいているという思いをもっていますか

ら、社会に対してきちんと責任を果たさなければならないと

考えます。

 綱領である「良い家に住むことは万人の願い、この願いを実

現するために私たちは働く」を実現するために活動し、人々の

住生活をより快適にしていくことが、私たちの社会的使命で

あると思っています。そのために、4つの経営理念である「品質

主義」「顧客主義」「人間主義」「公正主義」を全社員が「心の

灯台」として共有することで、行動の規範としています。

 私たちは、自分がいかに行動すべきか迷った時、必ずこの

経営理念に照らして自分の位置を確認し進むべき方向を

決めるように努めています。これを日々 実践することで、経済・

環境・社会のトリプルボトムラインでバランスのとれた経営

を実現し、すべてのステークホルダーとの信頼関係の維持、

発展に寄与するものと信じています。

■社是

「品質至上」

 私たちは、社是に「品質至上」を掲げています。これは、私たち

が今日まで変わることなく貫いてきた基本的な考え方で、品質を

もって会社存続の基盤にしようとするものです。ここでいう「品質」

とは、「お客様のメリット」です。私たちがつくり出すあらゆる商品、

サービス、社会貢献のすべてをさしています。

■綱領

「良い家に住むことは万人の願い この願いを実現するために私たちは働く」

 綱領は、私たちの社会的使命を明文化したものです。同時にそ

こで働く社員の目標、仕事をしていくうえでの価値観が同じにな

れば、同じ夢を共有できるという願いが込められています。私た

ちは、良い住環境を提供することに生涯奉仕していくことが事業

の目的だと、考えています。

 子どもを育て、愛を育むくつろぎの場である住空間をつくる仕

事は、大きく社会に貢献する仕事であり、医療や教育と同様に尊

い職業だと私たちは考えています。

■経営理念

「品質主義」 ~私達は仕事の品質を高めて社会に貢献します~

 どの業務においても常にお客様の利益を第一に考え、仕事の

品質を限りなく高めていくことで、社会に貢献しようという考え

方です。

「顧客主義」 ~私達はお客様の目でものを見て考えて行動します~

 いつもお客様の立場で物事を捉え行動しようという、CS(顧客

満足)の考え方です。

「人間主義」 ~私達は自信と誇りと情熱をもって仕事に精励します~

 全ステークホルダーの人権を尊重しながら、より高い目標に挑

戦することで、創造する喜びを味わい互いに高め合い、人間的に

成長しようという考え方です。

「公正主義」 ~私達は公明正大をもって行動の規範とします~

 社会に対しても社内に対しても常に公明正大であり、社会の信

頼を裏切らないという、コンプライアンスの考え方です。

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私たちの考える社会的責任

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私たちの考える社会的責任

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お客様

調達先様

地域社会

地球環境

従業員

ステークホルダーとの関わり

株主様

行政/NGO・NPO

環境側面 経済側面

社会側面

良い家づくりのための商品

商品開発

資材調達

生産

販売

施工

コンプライアンス リスクマネジメント

企業倫理

人材育成 健康・安全

人権尊重

トステム

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特集

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任

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特集

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任

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住みやすさ、防犯、バリアフリー、環境配慮……「良い家」づくりに向けた新しい挑戦

 お客様の「良い家」づくりに貢献すること。これが当社が考

える、最大の社会的責任です。しかし「良い家」と一言で言っ

ても、その内容はお客様によって異なります。風雨などから

身を守るための気密性や水密性といった基本的な性能をは

じめ、住みやすさ(使いやすさ)、デザイン、安心して住めるこ

と(防犯)、耐久性、環境への配慮・・・。価格も大きな要素の

ひとつでしょう。そしてこのお客様が求める「良い家」は、社

会環境の変化により常に変化します。特に最近では、地球温

暖化や台風・地震の増加、治安の悪化、高齢化、自分らしさと

いった面を意識するお客様が増えています。このようなお客

様のご要望の変化を踏まえ、04年度、当社は住生活総合企

業として、「良い家」づくりの実現に向けた新しい挑戦を行

いました。

「次世代スタンダード」となる 新しいサッシをつくる

 その新しい挑戦とは、当社の基幹商品のひとつであるサッ

シの「次世代版」を開発すること。最初は「これまでもサッシ

のトップメーカーとしてやるべきことはやってきたつもりだっ

たのでこれ以上何ができるんだと思った」(サッシ事業部サッ

シ開発部・宮本 進一)という戸惑いも少なくありませんでし

た。しかし、今まではサッシのことを気にかけるお客様は少な

かった。でも本当の意味で『良い家』を追求するにはサッシ

は大きなポイントだし、メーカーとして、その重要性をお客

様には知って欲しい。そのためにも『次世代スタンダード』と

なる新しいサッシをつくろうという雰囲気が徐々に生まれて

きました。そして改めてエンドユーザー様、ビルダー様、さ

らには社内の声を集めた結果、

 ・気密性や水密性などの基本性能向上

 ・断熱性能の向上による使用時の環境負荷低減

 ・防犯性能の向上

 ・操作性の向上

 ・インテリアの一部となるデザイン性の向上

 ・基本構造・主要部材の寸法の共通化

 ・後からでも必要なオプション機能を加えられること

 ・施工がしやすいこと

 ・ 廃棄する時のことも考えた設計

といった課題があがってきたのです。その結果、開発にあたっ

てのテーマを「これらの課題をすべて満たし、お客様の声に

応えながらも、価格は上げない」(住宅建材本部サッシ販促

部・藤井 文徳)と決め、企画・設計・生産・営業一体となって

の商品開発がはじまりました。

企画も設計も生産も営業も、皆が一体となって取り組んだからこそ可能となった商品です。〈商品企画〉サッシ事業部 サッシ商品1部

寺本 直之

一番大変だったのはいかにコストを抑えて、従来商品と同じ価格でお客様に提供するか、というところでした。

〈商品設計〉サッシ事業部 サッシ開発部

宮本 進一

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任特集

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特集

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任

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特集

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任

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「デュオPG」に見るさまざまな配慮

  安心・安全1

気になる防犯対策のための機能を充実させました

クレセントとサブロック

の2つのロックに、戸先

錠を加えると、3カ所の

施錠(トリプルロック)

となり、防犯効果が向上

します。

  使いやすさ・デザイン2

標準商品に、備え付け後もユニバーサルデザイン機能が追加できます

小さな力で開閉できる

「アシスト把手」や車椅

子でも通りやすい「フラッ

トカバー」などが追加で

きます。

  エコロジー

使用時は省エネ。使い終わった後のリサイクルも考えています

断熱性能の向上により、

エアコンの稼働時間が減

り結果的に省エネに。ま

た廃棄後のリサイクルを

考えて、アルミ部分と樹

脂部分を分離できる構造

にしました。

今回は生産ラインを一気に変えるという初めての試み。すべての課題をクリアするのが大変でした。〈生産設計〉生産本部 サッシ製造部

三浦 尚

大きなポイントとなった、さまざまな面での環境配慮

 「開発・設計の観点から言うと、廃棄する時のことも考えた

環境への配慮、という課題のクリアがもっとも大変でした。

というのも、これまでは断熱性能を上げるなど『商品を使うと

き』の配慮が中心で、今回のようにリサイクル時のことは正直

あまり考えたことがなかったんです」(サッシ事業部サッシ

商品1部・寺本 直之)。このリサイクル性、実際に使われるお

客様には直接関係するところではなく、また現時点では規制

する法律もありませんが、「『次世代スタンダード』を謳う以上

どうしても必要」(宮本 (進))との思いから盛り込まれること

になりました。そのために、これまでしっかり接着されていた

室外側のアルミ部分と室内側の樹脂部分を分離できる新し

い構造にするなど、問題を一つひとつクリアしていきました。

「アルミと樹脂の異なった素材を使うことで生産難易度は

高まりますが、環境のことを考えあえて挑戦しました。また、

商品の環境配慮が進んだからといって生産工程での環境負

荷が増えないような配慮もしました」(生産本部サッシ製造

部・三浦 尚)。またこのほかにも、アルミ部材に占めるリサイ

クル材の比率を高めたほか、分別時のことを考えて樹脂部品

にはリサイクル法に基づき材質名を表示したり、梱包材を

これまでのプラスチックから紙に変えるなどの配慮も実施。

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特集

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任

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特集

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任

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特長のある商品に仕上がったので、お客様にアピールしやすく、CMもつくりやすい商品でしたね。〈販売促進〉住宅建材本部 サッシ販促部

藤井 文徳

もちろん住宅の省エネルギー化の大きなポイントとなる使用

時の断熱性能についても、2枚あるガラスの間の空気層を一

般の複層ガラスサッシの2倍にあたる12mmにすることでさ

らに向上させました。その結果、「全体として、商品そのものに

関する環境への配慮はかなり進んだと思います」(寺本)。

多様な要望に応えること。そして必要な機能を、必要な時に

 もうひとつ、この新しいサッシにおける特長が、基本性能や

デザイン、安心・安全、環境配慮といった「商品の骨格部分」

を他の商品と共通化して、全体的な性能を底上げしながら、

さらなる追加機能をオプションとして用意した点。

 例えば、防犯効果を高めるために追加で鍵を後から増や

すことができたり、段差をなくすために後から追加できるア

タッチメントがあったり、小さいお子さまや高齢の方でも使

いやすいよう把手の操作性を上げるオプションがあったり。

「お客様のご要望に応じてご紹介しています」(住宅建材本

部トステムショールーム東京・宮本 真希)というようにすぐに

は必要のない機能をオプションとして備えておくことで、「将

来の安心感をお客様にもっていただくことができていると思

いますし、それが重要だと思っています」(寺本)。これまでは

「バリアフリー商品」というと、どうしてもそれ専用の商品に

なってしまう傾向が強くありましたが、これからは、このサッ

シのように、標準商品でもオプションでユニバーサルデザイ

ンの機能を追加できるようにしていきます。

 またこのほかにも、開発開始前に課題となった基本性能や

防犯性能、デザイン性、施工性などについても、社内の声はも

ちろん、ハウスメーカー様の担当の方や実際に施工される方

など、さまざまな立場の方の声を踏まえて向上をはかりました。

お客様や現場の声を商品に反映させるために、開発の最初の段階から一緒になって取り組みました。

〈販売促進〉住宅建材本部 サッシ販促部

早瀬 達也ショールームには、新型サッシ「デュオPG」を実際の住まいを想定したスタイルで展示しています。

ご覧になる一般のお客様には、断熱や防音などの性能にこだわる方も増えています

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特集

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任

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特集

新型サッシ「デュオPG/シンフォニー」におけるトステムの社会的責任

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お客様からは結露や防犯のことをよくたずねられます。その点にしっかり応えた商品だと思います。〈アドバイザー〉住宅建材本部 トステムショールーム東京

宮本 真希

このような商品を出していくことがトステムとしての責任

 このように、さまざまな面で性能を上げて発売された「次

世代スタンダード」となるサッシ「デュオPG/シンフォニー」で

すが「開発当初から関与し、いかにその良さをお客様に正し

く伝えるかを考えて販売促進を行った」(住宅建材本部サッ

シ販促部・早瀬 達也)効果もあり、「買っていただいたお客様

には喜んでもらえていますし、売れ行きも好調。私たちとして

も、現状のベストは尽くせたと思います」(寺本)というのが現

在の結果。しかし一方で「まだまだ応えるべきお客様からの

ご要望もいただいています。さらに言えば、世界に目を向けれ

ばもっとすごい設計や技術があるはず」(宮本(進))、「最大限

の技術を駆使してコストを抑えましたが、それでもまだ改善

すべき課題があるかもしれません」(三浦)という声も。「『次

世代スタンダード』となる新しいサッシをつくる」という課題

はひとまずクリアし、環境面や安全面の性能も向上させるこ

とができたものの、「お客様の『良い家』づくりに貢献すること

が、当社が考える最大の社会的責任」という言葉を実践する

ため挑戦を続けています。

「デュオPG」は組み立てや施工面における設計にも環境を配慮しています

「デュオPG」は、最高クラスの性能を備えた優れたサッシ

ですね。実際に使っていただいているユーザー様からの

評判も非常に良いです。ただ、商品のシリーズ構成にお

いて、従来商品にはあった低価格帯の品種がないため、ビ

ルダー様に売る立場としては苦労があることも正直なとこ

ろです。住宅の一次取得者向けの分譲住宅が多いという

商圏の性格上、「そこまでの性能はなくてもよいから、価

格を抑えた商品を」というお客様のニーズもまだまだ強

いので、性能に応じた価格の差別化も必要ではないか

と思います。トステムさんには、快適な住生活の実現のた

めに、いかにサッシの高性能化が重要な役割を担ってい

るかを、社会に向けてもっとPRしてほしいですね。

青梅トーヨー住器株式会社

代表取締役 町田 五郎 様

非常に良い商品ですが、商品のシリーズ構成に課題も

販売店様の声

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企業倫理

12

企業倫理

13

企業倫理

基本的な考え方 当社では、企業としての社会的責任を果たし、お客様との信頼関係を築くために、コンプライアンス、リスクマネジメント、

情報セキュリティ等を実行するためのルールを定め、企業市民としての責任ある行動を徹底しています。

グループ行動指針 当社では、経営層はもちろん、全社員が正しい思考のもと

行動するために、87年10月にトステムグループ行動指針を

制定しました。

 さらに02年10月にはINAXトステムグループ行動指針(現

在は住生活グループ行動指針)を制定。全グループ社員がコ

ンプライアンスの徹底と、健全でかつ倫理的な態度と行動

の浸透を目的として遵守すべき具体的な行動指針(ガイド

ライン)を規定することにより、事業活動に対する社会からの

信頼、企業人としての成長、企業としての発展を目指してい

ます。

 また、社会的責任を果たし実行するために、全社員に定期

的に行動指針の周知徹底を行っています。あわせて、その都

度、行動指針を遵守する旨の誓約書を提出を求めることで、

企業人としてふさわしい行動をとるよう徹底しています。

コンプライアンス 企業の行動は、たとえ小さなことで

あっても、社会に多大な影響を与える

可能性をもっています。近年、ステーク

ホルダーの方々からはますます公正・

公明な事業活動が求められているな

かで、企業の社会的責任として、特に

法令遵守については厳正な管理を実

行することが必要となってきています。

当社では「公正主義の実践」という経営

理念のもと、関係部署においてコンプ

ライアンスを徹底するためのさまざま

な取り組みを行っています。

■適法性の確保 ~すべての案件を審査

 当社では、事業活動に関係するすべ

ての法的案件について、事前に法務部

門による適法性確認を実施。各部署に

おいては、適法性確認の後、実施可否

の経営判断を受ける体制になっていま

す。これにより、法的な違反行為を未然

に防止する仕組みを構築しています。

■全社員への啓発 ~「コンプライアンス通信」の発信

 企業が社会的責任を果たすために

は、企業を担う社員一人ひとりのコン

プライアンスに関する事柄の認知お

よびその知識の向上が必要となりま

す。当社では、定期的にイントラネット

で「コンプライアンス通信」を発信し、

社員としてとるべき行動やコンプライ

アンス関連ニュースなどを紹介してい

ます。さらに法律情報をイントラネッ

トに掲載し、社員が常に確認できる体

制を整備しています。

■不正・違反の発見 ~内部通報制度を設け、不正等を早期に是正

 法令や行動指針などに違反すると思

われる行為を素早く是正し、すべての

社員が「公正」である企業グループを

目指すため、住生活グループ全体とし

ての内部通報制度を設けています。こ

の制度は、不正・不公平・違反の芽を直

接経営トップに伝えることにより、素早

く、確実な解決をはかることを目的と

して運営されています。また、当社は「内

部通報制度を利用したことにより、通

報者が不利益を被ることは一切ない」

ことを公約し、この制度がより実効性の

あるものとなるよう配慮しています。

コンプライアンス 当社は社会的・倫理的ルールを守り、責任のある行動を実践していきます

法務部門の 審査による

適法性の確保

イントラネットを 利用した

社員啓発

内部通報制度 による

不正・違反の発見

情報セキュリティ 個人情報管理

(プライバシーポリシー) 公正取引

法務部門 法務部門

顧客情報管理室 資材本部 管財部

◆コンプライアンス体制図

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企業倫理

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企業倫理

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リスクマネジメント 当社を取り巻くリスクは「天災」「事故」「環境汚染」のほか、

「不正」「情報漏洩」「品質クレーム」など多岐にわたっています。

また住生活総合企業を目指す当社としては、事業活動の拡

大にともない、新たなリスクに遭遇する可能性が高まってい

ます。そこで当社では、リスクを予想・認識し、リスクが現実

のものとなっても、その影響を最小限に抑えるようにするため

に、全社的にリスクマネジメントに取り組んでいます。

 さらに、万が一重大なリスクが現実のものとなってしまっ

た場合には、「危機管理対策本部設置基準」に基づき、経営

トップのもと全社で組織的に、損害を最小限に抑えるための

活動を行うこととしています。04年に発生した新潟中越地

震の際にも危機管理対策本

部を設置し、当社の損害を

最小限に抑えることのみな

らず、一般被災者への支援

やお客様、調達先様への支

援に尽力しました。

情報セキュリティ 当社では、情報資産の漏洩や不正利用など、社会的信用

を失う事態をおこすことのないよう、重要な情報戦略のひと

つとして情報の適切な管理を推進し、02年よりグループ会

社全体で情報セキュリティ体制を構築し、情報セキュリティ

管理規程を制定し運用しています。

■全社員の意識向上

 社員一人ひとりに対して規程で決められた情報管理ルール

を徹底するため、1年に1度、全社員を対象に「情報セキュリ

ティ管理規程の誓約書」に署名することを義務づけています。

また誓約にあわせて、e-ラーニング

システムでパソコン管理など日常

的に守るべき情報管理ルールの教

育も行い、テスト形式でその理解度

を確認しています。

個人情報保護 当社では、05年4月より完全施行

された「個人情報の保護に関する法

律」への対応として、プライバシーポ

リシーを策定し、お客様の大切な個

人情報を安全かつ適正に取り扱う

ことを宣言。その遵守を実行すると

ともに、社内規定の整備と運用でお客様の情報をはじめとす

るすべての個人情報をより安全かつ適正に取り扱うよう努

めています。また、そのために副社長を顧客情報保護管理責

任者に任命するとともに、全社推進担当として顧客情報管理

室を設置しました。さらにお客様からの個人情報に関するお

問い合わせやご意見、苦情などに対応する新たな窓口も設

けました。

情報システムe-ラーニング画面

お客様からの個人情報お問い合わせ

専用窓口を新設

■技術的安全対策

 情報資産の漏洩や不正利用を防ぐため、システムへの外

部侵入の防止や、内部からの情報漏洩防止などの対策、およ

び監視を情報管理専門のグループ会社で実施しています。

基本方針

規 程

規 則

当社の基本姿勢、利用目的などを社外に宣言するもの (=プライバシーポリシー)

個人情報保護に関する当社の 基本的ルールを定めたもの

「規程」の内容を受け、細部に 関するルールを定めたもの

◆トステムの個人情報保護体系

◆情報資産の保護体系

リスクマネジメント 最高責任者

取締役社長

リスクマネジメント 実行責任者

リスクマネジメント 推進責任者

実行組織

管理部門 生産・商品部門 営業部門

企画立案 組織

(16部会)

◆リスクマネジメント体制図

■情報セキュリティマネジメントシステム

 当社では、情報管理で想定される情報セキュリティの問題

に対して、機密性、完全性、可用性を維持するため、情報セ

キュリティマネジメントシステム(ISMS)を参考に10領域の

マネジメントシステムを構築し運用しています。

外部委託先 からの侵入 人的侵入

インターネット 電子メール等 からの感染

ネットワ-ク からの 不正侵入

インターネット による漏洩

外部委託先 からの漏洩

廃棄物 からの漏洩

人による 漏洩

PC盗難・ 紛失による 漏洩

社外→社内への対策

社内→社外への対策

トステム (情報資産)

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様の「良い家」づくりを実現するために基本的な考え方

 当社は、「良い家に住むことは万人の願い、この願いを実現するために私たちは

働く」という綱領のもと、「トータルハウジング」という発想で、お客様に健康的で快

適な住空間を提供し続けていくことを使命としています。

 この「トータルハウジング」とは、機能性・操作性・デザイン性に優れた幅広い商品

群といったハード面だけでなく、快適な住空間を実現するためのさまざまなノウハウ・

システムといったソフト面とともに、トータルな開発・提供を目指すものです。

 このようなアプローチで建物の「財産価値」とお客様の「暮らしの価値」を高めるこ

とにより、「良い家」づくりに寄与していきたいと考えています。

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様

 基本的な機能性・操作性・デザイン

性に加え、快適な住空間の基盤である

「環境」「ユニバーサルデザイン」「安心・

安全」の3要素を盛り込み、商品価値

の向上をはかっています。(→P16~23)

お客様との関わり

お客様に対する品質管理体制について 当社は、経営理念の冒頭に「私達は仕事の品質を高めて

社会に貢献します」という「品質主義の実践」を掲げ、体系化

された品質管理システムに基づいて、お客様に満足していた

だける商品の品質づくりに取り組んでいます。

 商品開発段階では、これまでに蓄積されたお客様からの要

望や過去の不具合情報を踏まえたうえで、企画、設計、試作

の各ステップにおけるデザインレビューにより、商品の品質

を確実につくり込んでいます。

 調達段階では、資材・部品の調達先様に対して、品質指導・

監査を定期的に実施し、品質の向上をはかるとともに品質保

証への考え方を共有化しています。

 生産段階では、ISO 9001に基づいた品質マネジメントシ

ステムのもと、製造条件管理や特殊技能作業者認定制度と

いったインプット管理とともに、でき上がった製品に対する

品質検査を確実に行うアウトプット管理によって、徹底した

品質管理を行っています。

 お客様に商品をお引き渡しする施工段階では、施工士へ

の技術訓練および現場でのマナー教育を行うとともに、社内

基準に基づく施工現場の完成検査を実施しています。

エンドユーザー様 販売店様 ビルダー様

■お客様の「財産価値」を 高める商品を提供する

 市場調査で得られたニーズや日常

的にお客様相談室等に寄せられるク

レーム・問い合わせ等の情報をフィード

バックして、新商品の開発や既存商品

の改良に活かしています。(→P24)

■お客様の「声」を聞き、 商品に反映する

 ショールームにおける空間展示やホー

ムページや冊子等の媒体を使って、お

客様の暮らしの価値を高めるライフスタ

イルの提案を行っています。(→P25)

■お客様の「暮らしの価値」を高める ライフスタイルを提案する

トステム

品質の確保

商品企画 開発設計 試作 調達 生産 販売流通 施工 アフターサービス

品質のつくり込み

商品アセスメント

ユニバーサルデザイン評価

安心・安全への配慮

グリーン調達

・製造条件管理・技能検定制度・出荷検査・品質管理システム

・調達先様への 監査・指導

・施工教育・現場完成検査

ハ-ド

お客様の「財産価値」を高める商品の提供

環境 ユニバーサルデザイン 安心・安全

お客様の声を商品に反映する

お客様相談室 市場調査

ソフト

お客様の「暮らしの価値」を高めるライフスタイルの提案

ショールーム ホームページ カタログ

デザインレビュー デザインレビュー デザインレビュー

・荷扱い教育・ 物流センターの相互監査

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企画 設計・試作

商品エコラベルの表示 総合評価

チェックリスト による目標設定

チェックリスト による個別評価

フィード バック

フィード バック

省エネ・快適設計

有害化学 物質対策

0510

4.4

4.3

-5

0.9

8.0

5.4

長寿命化

リデュース

リユース・リサイクル

3.1

情報提供

開発する新商品の環境適合性目標を設定 項目ごとに従来商品と比較して点数をつける 個別評価

個別評価の結果を次の6つの項目で総合評価 総合評価が従来商品を上回った商品を環境配慮型商品と位置づけ、商品エコラベルを表示

商品アセスメント 実施時期の掲載

商品エコラベルの内容 ラベル内には、3つの環境設計指針の中で

もっとも特長的な環境性能を表示

商品アセスメントによって 評価が行われた時期を掲載

特長の説明

ラベル内に表示した特長となる環境性能については、具体的な説明を掲載

お客様の「良い家」づくりを実現するために

16

お客様の「良い家」づくりを実現するために

17

商品エコラベルの表示

 商品アセスメントの総合評価が従来商品を上回った新商

品は、環境配慮型商品と位置づけられ、「商品エコラベル」の

表示を行っています。この制度は、自社基準・自己宣言型の

「タイプⅡ環境ラベル」に相当し、ISO14021(自己宣言によ

る環境主張)に準じています。

環境への取り組み

 建物の環境性能を向上させるため

に、「高性能化」と「長寿命化」をはかっ

ています。

「高性能」は省エネルギーのための性

能追求や、自然エネルギーの有効利用

を推進すること。「長寿命」は、長く使う

ための高耐久化・メンテナンス性の向上

を目指します。

「リデュース」は、軽量化や減容化を

通じて原材料や生産エネルギーなどを

削減すること。「リユース」は、商品や部品

を再利用すること。そして「リサイクル」

は、原料として再利用するための易分

解・分別性向上や再資源化しやすい材

料を使うことで、資源の有効利用を目

指します。

 生産時や使用時、廃棄時に、人の健

康や環境に負担のかかるフロンやVOC

などの「有害物質の削減」と、非塩ビ化

や難処分物質削減といった「処理リス

クの削減」を通じ、安全で安心な商品

を提供します。

商品アセスメントの実施  商品の企画段階から設計・試作まで、環境設計指針に基づ

いた商品づくりが進められ、従来商品より環境性能が改善さ

れているかどうかを評価する「商品アセスメント」を全商品に

対して実施しています。各開発工程では、環境性能を約70項

目にまとめたチェックシートで個別評価を行い、最終段階では

さらに6つの項目で、総合的な評価を行っています。これまで

の実施件数は、のべ171件となっています。

◆商品アセスメントの流れ ◆商品エコラベルの例

断熱複合サッシ「シンフォニー」(シンフォニーウッディ総合カタログより)

※商品エコラベルは、商品カタログ、ポスター、社会環境報告書、ホームページ等の媒体で掲載されています

商品開発における環境設計指針

 当社では、環境配慮型商品の開発のために、HL設計、3R設計、PF設計といった3つの環境設計指針を定めています。

高性能・長寿命を目指すHL設計[HL=High performance・Long life]

資源をムダにしない3R設計[3R=Reduce・Reuse・Recycle]

安全な原材料を選ぶPF設計[PF=Pollutants Free]

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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 商品のシリーズによって異なっていたサッシの枠の基本

形状、主要部の寸法等を共通化したことで、部品・部材の共

有化がはかれ、障子などの互換性が実現しました。

3R 共通プラットフォーム設計

 04年度に発売した環境配慮型商品は、開口部をはじめ、住設機器やエクステリア商品を含め全12商品で、昨年度と合わせて

全16商品となりました。04年度の全商品に対する環境配慮型商品の売上高比率は約10%でした。

 一般複層ガラスの約2倍の遮熱効果を

発揮する「遮熱高断熱複層ガラス」や、室外

で遮熱できる外付けスクリーン「フレシェー

ド」など、日射を遮るオプションを付けるこ

とで遮熱性能を高めることができます。

 12mmの空気層をもつ複層ガラス(一

般複層ガラスサッシの2倍)を使用する

ことで断熱性が確保されます。複層ガラ

スの効果に加え、内装材と直接接するア

 樹脂部材は、アルミ部材と分離しやす

い構造とすることで、廃棄後の解体も容

易に行え、リサイクルしやすくしています。

 空気層19mmの高断熱複層ガラスを採

用し、断熱性に優れた構造となっています。

 当社の工場から発生した硬質塩ビの端材を、玄関ドアの

芯材に再利用。資源の有効活用をはかっています。

 ドア本体の断熱材は、フロンガス(特定フロンガスおよび

代替フロンガス)を含まない水発泡ポリウレタンまたは発泡

ポリスチレンに切り替えました。

基本性能を追求し、開口部

のみならず、住まい全体の

快適性を向上させたサッシ

です。

サッシ「デュオPG」

玄関ドア「アヴァントス」

ユニバーサルデザイン・防

犯性を兼ね備えた先進的

なデザインの玄関ドアで

す。

「フレシェード」

分離構造

トステムの環境配慮型商品

断熱構造

HL 断熱性の確保

HL 日射遮蔽オプション

3R リサイクル性向上

HL 断熱性の確保

3R 部材の一部に樹脂の端材を採用

PF 断熱材のノンフロン化

 複合断熱サッシ「シンフォニー」は、共通プラットフォーム設計に

よる部材の共有化と高い断熱性、アルミ・樹脂の分離しやすい

構造による易リサイクル性が評価され、セキスイハイム様、ヘー

ベルハウス様に採用していただきました。

ハウスメーカー様に「シンフォニー」を採用していただきました

Topics

樹脂アングル

樹脂アングルアルミアングル

ングル部を樹脂にするこ

とで、結露の発生を抑え、

内装材の劣化を防いで、

住宅の長寿命化に寄与

しています。

◆アルミと樹脂の結露実験

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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 可動ルーバーを内蔵したひさしは、夏は

ルーバーを閉じて太陽光を遮ることで、室内

の温度上昇を抑え、冬はルーバーを開き太陽

光を遮ることなく室内に採り込むことで、

照明・暖房エネルギーの削減に寄与します。

 必要な強度を確保しながらスリム化することで、材料の省

資源化をはかっています。

「エクセラ・ニューハイグレードシンク」は、ステンレスの表面

にファインセラミックをコーティングしたシンクです。シンク

上は水膜ができ、油汚れも簡単に洗い流せます。排水口は

耐久性に優れたステンレスを使用し、お手入れも簡単です。

天然木に近い質感をもつ

人工木を利用したベランダ

用床材です。

デザイン性・使いやすさを

追求することで、くつろぎ感

のある、安心したキッチン

空間をつくり出します。

システムキッチン「クレディア」

HL 省エネ効果

3R 材料の省資源化

HL 清掃性向上

 使用している木質建材は、JIS・JAS規格および大臣認定のホルム

アルデヒド放散量がもっとも少ないF☆☆☆☆に対応しています。

PF F☆☆☆☆対応

ベランダ用床材「フルフラットフロア」  人工木デッキは、表層部と芯層部の二重構

造となっています。表層部には高耐候性の樹脂

を使用し、カビや色褪せの発生を抑え、高品質

を保っています。芯層部は、リサイクルPE樹脂

を配合し、強度・耐久性を確保しています。また、

高さ調節機能付き補助台は、アルミ形材を使

用した構造となっており、床板を安定させます。

HL 強度・耐久性

※ファインセラミックコート上には、水膜ができ、油分が付いても

 簡単に洗い流せます

油 ファインセラミック層 水膜ができる 水

 デッキ材を支える補助台は大引き仕様なので、施工が簡単

です。デッキ材をバルコニースペースにムダなく納めるために

幅調整部材を用意し、端材を少なくしています。

3R 省施工・省資源

 人工木の原材料である木粉や芯層部に使用している樹脂

は、木・プラスチック製品の加工時に発生する端材を利用し

たものであり、資源の有効利用に寄与しています。

3R 資源の有効活用

◆ファインセラミックコートのメカニズム

高さ調節機能付き補

助台

デッキ材

可動ルーバーを内蔵した

ひさしなので夏は強い日差

しを遮り、また冬は遮ること

なく日差しを採り込めます。

ひさし「スリムアート」

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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■ビル省エネの取り組み

 事務所や商業ビルにおいては意匠性や働く人の快適性か

ら、透明感があり開放的な大きなガラス面をもつファサード

が増えています。しかし、ガラスは断熱性能に乏しく日射を

通しやすいため、冷房エネルギーの増大を招き、輻射熱も発

生します。これらの建物の省エネ対策として「ダブルスキン

工法」が採用されています。

 ダブルスキン工法とは、窓面・壁面の外側の一部または全

面をガラスで覆う工法です。外壁とガラスとの間にできた

空間に空気を循環させ、季節によって運転を切り替えること

で、省エネ効果をはかります。

 当社では、1年を通して建築物における省エネ・快適環境

を実現するための研究開発の一環として、北海道立北方建

築総合研究所と共同で実測・分析を行っています。さらに、

ここで開発されたシミュレー

ションソフトを活用し、地域や

気候に合った最適なダブルス

キン工法の設計・提案に取り

組んでいます。また、既存のガ

ラスカーテンウォールを残し

たままでダブルスキン化する、

ビル省エネ改修工法の提案

も行っています。

■住環境性能シミュレーションソフトの提案

 シミュレーションソフトは、オフィスビルだけでなくマンション

等の居住系にも導入しています。この「住環境シミュレーショ

ンソフト」は、当社の一般商品と高性能商品について、それぞ

れ部屋1室、または住宅1棟に取り付けた場合の性能比較に

ついて視覚的に表現できるよう、バーチャル技術を利用した

ソフトです。

 ソフトの導入により、部屋全体の室内の温度変化や風の

通り道など、より分かりやすくお客様にご理解していただけ

るようになりました。

カタログにおける環境配慮 カタログ等の業務用ツールをつくる際の、印刷方法や紙、

加工、インクにも徹底した環境配慮を行っています。

 印刷工程では、フィルム感材原版の出力が不要な「CTP印

刷」に切り替え、紙の選定でも可能な範囲で再生紙の使用

を進めています。また、表紙などの保護目的で使用されてい

た「PP加工」は、異材料の複合構造のためリサイクルが困難

であることや、揮発性有機化合物である接着剤を使用しなけ

ればならないこと、焼却時に焼却炉を傷めやすいなどのデメ

リットがあるため廃止しました。この代替処理として、紙の上

に薄くニスを塗布し保護力を高める「オーバープリント・ニス」

や、高温のローラーで紙表面をなめらかにし、保護力と光沢

性を高める「プレス・コート処理」を導入しています。

 さらに、大気汚染の抑制や印刷に関わる人の健康に配慮

し、大豆油インキ(SOY INK)の使用を進めています。溶剤

についても、揮発性有機化合物を含まないアロマフリー溶剤

に切り替え、総合的な環境配慮に取り組んでいます。

 

建物の省エネへの取り組み

通気

給気口

排気口

ブラインド

◆ダブルスキンの構造 (夏期の空気の流れ)

カタログの裏表紙には、大

豆油インキマークや再生紙

マークが入っています

一般サッシ(左)と一般サッシ+樹脂製内部用サッシ(右)を使用した場合の、室内

温度変化を表現したシミュレーション画面

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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社員の啓発を目的とし、

社内報に「UDコーナー」を連載

より安全である

直感的に分かる

操作がしやすい

動作がスムーズ

意外性がある

使い心地がいい

TOSTEM UD評価

■独自の評価システム

 当社では、独自のユニバーサルデザイン6原則を定め、商

品開発の指標としています。

ユニバーサルデザインへの取り組み

◆トステムのユニバーサルデザインコンセプト基本的な考え方 ユニバーサルデザイン(UD)とは、年代・性別・身体状況の違

いに関わらず、あらゆる人が安全かつ快適な生活が営めるよ

うに、製品・建物・環境をデザインするという概念です。当社

では、商品の使いやすさだけではなく、暮らしの中の楽しさや

安心感につながっていく、「笑顔がひろがるユニバーサルデザ

イン」を目指しています。

 この考えをもとに、笑顔をモチー

フとしたマークをつくりました。

具体的な取り組み■生活者との共創型商品開発

 当社では、NPO法人「ユニバー

サルデザイン生活者ネットワーク」

と協働し、生活者の意見を商品

開発に活かしています。また、企

画段階から生活者の声を取り

入れ、「生活者UDチェックリスト」を策定しています。

■デジタルマネキンによる検証

 開発者の感覚だけに頼るのではなく、さ

まざまな年齢、条件の人を想定したデジタ

ルマネキンを使用することで、商品設計の

検証を行っています。

社員研修では高齢者疑似体験セット

を装着

使いやすさを 実感

スムーズな 動きを 体感

楽しくなる 安心感

笑顔がひろがるユニバーサルデザイン

 NPO法人パートナーシップ・サポートセン

ター主催の「第3回パートナーシップ大賞発

表・贈呈式」において、当社とNPO法人ユニ

バーサルデザイン生活者ネットワークによる

玄関ドア「ピクシア」の「共創型商品開発事業」

がパートナーシップ賞を受賞しました。

「パートナーシップ大賞」とは、企業とNPO

法人との協働事業を促進することによって、

より豊かな市民社会の実現を目指すことを

目的に、NPO法人パートナーシップ・サポー

トセンターが02年に創設したものです。

 今回の協働事業で培った考え方やノウハウ

をさらに発展させ、今後もお客様の視点に立っ

た商品開発を進めていきます。

「パートナーシップ賞」を受賞しました

Topics

右から

NPO法人UD生活者

ネットワークの吉田

早百合さん、大矢野

由美子さん、トータル

ハウジング企画部の

亀下 隆、緑 慶太

■社員啓発活動

 ユニバーサルデザイン商品を開発するためには、社員一人

ひとりが正しい知識を身につけることが必要です。ユニバー

サルデザインの広報活動や社員研修を継続的に行い、商品

企画や提案活動に反映させています。

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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□意外性がある・動作がスムーズ

 ドアの中心から人を迎え入れるよう

に扉が開く、新しい開閉機構。そのた

め親子ドアと同じ設置スペースで、広

い有効開口が確保できます。一歩下が

らなくても、自然な動きのまま出入りす

ることができます。

より安全である

直感的に分かる

操作が しやすい

動作が スムーズ

意外性が ある

使い心地が いい

NPOと協働開発した新しい開閉

機構の玄関ドアです。

玄関ドア「ピクシア」 

□操作がしやすい

 人間工学の観点から、車いすの方にも子どもにも届きやすい

高さに操作ボタンを設置。扉はボタンを押すだけで開きます。

「ピクシア」の開閉機構

□操作がしやすい

「アシストバー」に軽く触れるだけで自動

で開閉するパワーアシスト機構を搭載。

荷物を抱えて手がふさがっていても、ワン

タッチで扉を開閉することができます。

簡単操作で安全機能が付いてい

るので、家族全員が安心して使えま

す。

室内引戸「らくらくさぽー戸」

□より安全である

 下枠のない上吊式の引戸なので、床に

レールがなく、つまずいたり引っかかったり

する心配がありません。

「アシストバー」

床にレールのない上吊引戸

□より安全である

 フラットな下枠は段差がなくレールの

隙間が狭いので、つまずきの心配がありま

せん。さらに、ノンスリップゴム付き構造

なので、雨上がりの滑りやすい状態でも安

全に出入りできます。

段差をなくした人にやさしい

サッシです。

サッシ「ノンレールサッシ」

□操作がしやすい

 テコの原理を利用している「アシスト把

手」は、従来の約40%の力でサッシを開閉

することができるので、子どもからお年寄

りまで楽に操作することができます。

「フラット下枠」

「アシスト把手」

□動作がスムーズ

 出入りする部分が広さ約1mと、従来の

引戸と比べて開口部が約30%広くなって

います。また、段差のないフラットレール

なので、出入りがスムーズです。

出入口幅が広く、車椅子の方もお子様

連れもスムーズに通ることができま

す。

店舗用ドア「フレアス」

□より安全である

 マイクロ波センサーが人の動きを感知

すると、戸の動きが停止し、指の挟み込

みを防止。万が一、指を挟んだ場合にも、

「ソフトパッキン」が衝撃を和らげます。

「ダブルスライドドア」

「ソフトパッキン」

ユニバーサルデザイン商品

より安全である

直感的に分かる

操作が しやすい

動作が スムーズ

意外性が ある

使い心地が いい

より安全である

直感的に分かる

操作が しやすい

動作が スムーズ

意外性が ある

使い心地が いい

より安全である

直感的に分かる

操作が しやすい

動作が スムーズ

意外性が ある

使い心地が いい

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

22

お客様の「良い家」づくりを実現するために

23

安心・安全への取り組み

防犯への取り組み■基本的な考え方

【1棟単位のトータルセキュリティ】

【防犯対策の3つのポイント】

□狙われにくくする

 防犯意識の高さ、スキのなさを感じさせ

る外観づくりやオプションの開発に取り組

んでいます。

□侵入されにくくする

 簡単に侵入できない、侵入させないための

仕組みを研究しています。

□異常を知らせる

 万が一、侵入された場合にも、ただちに家

族や近隣者に異常を伝えるシステムを開

発しています。

■具体的な取り組み

【先端技術の活用】

 機構・構造中心の従来の建

材に、最新のエレクトロニクスを

融合することで、高い防犯性を

実現するとともに、使用時の利

便性の向上にも取り組んでい

ます。

「スマートキーシステム」

「スマートキー」を携帯していると、ドアに近づく

だけで自動で解錠、ドアから離れると自動で施

錠します

Security

Design Universal

トータルハウジングセキュリティ

Design

どんな住宅に

もマッチした

Universal

誰にでも使い

やすく

Security

狙われにくく、

侵入されにくく

 住宅における3つの防衛ラ

イン(敷地、窓・ドア、室内)の

あらゆる部位、空間で防犯

性を高めるため、1棟単位で

のトータルセキュリティの開

発に取り組んでいます。

【最新手口の調査・解析】

 侵入窃盗・強盗の最新手口を、独自の調査やルートを通じ

て入手・分析。分析結果を迅速に商品企画・設計へと反映し、

住まいの安全性を高めるよう努めています。

【デザイン性・利便性の追求】

 防犯性の向上だけではなく、デザイン性・利便性の追求な

ど、トータルバランスに配慮した商品づくりを目指しています。

 近年増加している侵入窃盗に対し「建物の設備面で対抗措置

を講ずる事」を目的に、02年11月、官民合同会議が設置され「防

犯性能の高い建物部品目録」が公開されています。

 当社では、この官民合同会議の主旨に貢献するため、防犯基

準に適応した商品の普及に努めています。

防犯建物部品の普及促進活動

Topics

◆統一マーク「防犯性能の高い建物部品リス

ト」に公表記載された「防犯建

物部品」にのみ適用されます

「シャレオR」は、キーを取り出さずに施解

錠できる電気鍵付き門扉です。門柱に侵入

窃盗犯罪に対処する防犯アイテムを加えた

「ファンクションユニット」を組み合わせれ

ば、より侵入されにくい門まわりとなります

窓の強化には、「補強ロック付クレセント」と「サブロック」の2ロッ

ク仕様。ガラス破りの時間をかけます。さらに、テラス窓には「戸

先錠」を付けることで、3点施錠となり防犯性をさらに高めます

「シャレオR」+「ファンクションユニット」 「セキュリティサムターン」 「SSモニター16」

万が一玄関ドアのガラスを

破って、外から手を入れられ

ても解錠できないよう、施錠

つまみが取り外せます

16カ所の開口部の施解

錠状況を確認することが

できます

「補助ロック付クレセント」 「サブロック」 「戸先錠」

■防犯対策商品

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

22

お客様の「良い家」づくりを実現するために

23

 年間7~8棟の住宅をすべ

てSW工法で建てています。

今回の地震では、クロスに

ひびが入っただけで、小屋

裏や床下の被害はありませ

んでした。落ち着いたら気

密測定をさせていただきた

いですね。

 新潟中越地震では、SW工

法住宅は、生命だけでなく財

産も守ることができました。地

震保険に入っていても、保障は

充分でない場合もあります。

これから全国で耐震の勉強会

を頻繁に開催して、耐震の重

要性を訴求してまいります。

地震への対応 大規模な震災が発生している昨今、当社では、地震時の

お客様の「不安」を少しでも減らせるよう、より「安心」して暮

らすことのできる商品の開発に取り組んでいます。

■スーパーウォール(SW)工法住宅の耐震性

■キッチン収納からの食器類の散乱防止

 地震発生時、室内における食器類散乱といった被害を防

ぐために、システムキッチン「クレディア」には「安心ロックプ

ラン」、「プラータ(05年9月発売)」には「スライド耐震ロックプ

ラン」が用意されています。地震の揺れを感知すると自動で

引き出しや棚にロックがかかるようになっているので、収納物

の飛び出しを防ぐことができます。

商品の安全について■考え方

 エンドユーザー様はもちろんのこと、

販売店様・施工店様といったビジネス

パートナーの安全も考慮した商品づく

りを目指しています。

 新商品の開発にあたっては、商品に

よる事故を未然に防止するために、さ

まざまな情報の収集・解析と、設計図面

や試作体による安全性の検証を行っ

ています。

■商品の安全対策

 事前に社内教育で安全性の知識を

習得したうえで「設計で安全をつくり

込む」をキーワードに商品開発を行っ

ています。また、生産においても調達す

る原材料や部品まで含めた安全対策

活動を展開しています。

 取り扱い説明書については、社内の

専門部署によるチェックを行い、エン

ドユーザー様が安全に使用できるよ

う、適切な内容を掲載しています。

■社内教育

 商品の安全性に意識をもって仕事に

取り組めるよう、また安全に関わる知

識を多くの社員が共有できるように、イ

ントラネット(e-ラーニング)で自己学習

できるようにしました。

e-ラーニングの学習画面

「スライド耐震ロック」

(左:ロック機構なし/

右:ロック機構付き)

Topics

「SWT60Ⅳ パネル」

(構造体パネル)

住宅被害状況調査を実施

SW工法事業部長

井上 孝樹

小室建設社長

小室 功 様

 当社は、新潟中越地震

で特に被害が大きかった

地域において、SW工法で

建てられた住宅206棟を

対象に被害状況調査を

行い、全壊・半壊0棟、一

部損壊39棟という結果

を得ました。 住宅被害状況報告書

 地震に対する建物そのものの耐力

が弱くては、身を守ることすらでき

ません。SW工法住宅の構造体パネ

ルは断熱材を耐力の高いOSBボー

ドでサンドイッチした構造となって

います。これにより、一般在来工法に

比べ耐震性の高い住宅となります。※ OSBとは、木材を切削して細長いチップ状にしたものを直交するように積層し、接着剤で再構成した後、熱圧縮成形等を行い、ボードとして成形したもの

ビルダー様の声

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様の「良い家」づくりを実現するために

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お客様の声の反映 お客様相談室にいただいたご意見は、依頼内容、商品別内

容等に取りまとめ、イントラネットを通じて社内担当部署に

情報を発信し、共有化をはかっています。これらの情報は、

①商品開発・改善、②カタログ等印刷物の改善、③商品相談

に対する仕組みづくりなどに活かされるとともに、ご相談内

容に応じて、開発・営業・生産・アフターメンテナンス部門と連

携をとり、迅速に対応しています。

 さらにお客様相談室では、カタログをご請求いただいたお

客様にアンケートのご協力をお願いしています。お寄せいた

だいたご意見、苦情などの声を取りまとめ、お客様相談室の

対応についても客観的に判断するよう心掛けています。

お客様の声を商品に反映する

お客様対応と声の把握 当社では、お客様の「安心・安全・満足」を第一に、より質の

高い商品・サービスが提供できるよう、お客様対応に関して

さまざまな取り組みを進めています。そのため、お客様相談

室やショールームのような「直接的なお客様との接点」におい

てお客様への対応を強化し、またそこで得られたお客様から

の声を各担当部門へとフィードバックするのはもちろん、そ

れ以外の場面でのお客様対応・お客様の声の把握について

も強化しています。

 お客様からのご意見やご要望、ご不満などは、それに接し

た当社の社員が「KKカード(商品開発・改良カード)」や「DCS

(ダイレクト・コミュニケーション・システム)」といった社内のシ

ステムを用いて担当部門へと伝えます。担当部門では、即座

に対応が必要な声についてすぐに対応するのはもちろん、次

の商品開発やサービス展開において反映するべき点は確実

に対応するようにしています。

お客様相談室について お客様相談室では土日、祝日も窓口を開設し、商品に関す

るあらゆるお問い合わせに、「正確・迅速・親切」な対応を心掛

けています。現在、お客様相談室には約14,000件/月のご意

見・お問い合わせが寄せられています。お問い合わせ内容は、

商品の性能・構造・材質や種類・組み合わせなど商品関連が

75%、カタログ請求が13%、お手入れ・修理・部品購入が6%、

その他が6%となっています。

 お客様相談室では、エンドユーザー様のほか、設計事務所、

工務店、建設会社からの専門的なお問い合わせにも対応し

ています。なお、お客様相談室に寄せられたご意見やお問い

合わせについてはすべて、社内の担当部門へと伝えられます。

お 客 様

修理相談

苦情 クレーム

商品相談 お客様相談室 サッシ

ド ア

リビング建材

住設機器

ビ ル

エクステリア

シャッター

パーツセンターへ 部品手配

アフター メンテナンス

該当事業所

対応依頼

対応依頼

電話応対スキルアップ活動

クレーム対応マニュアル 電話応対マナー

各種研修 KKカード提出

お客様相談室ホームページ(イントラネット)に情報を掲載

フィードバック

情報発信

スタッフ教育

情報発信/ フィードバック

各担当部署

◆お客様への対応フロー

Profile>> 佐藤 知恭(さとう・ともやす)(社)日本広告審査機構事務局長、タイムライフブックス消費者情報センター事務局長

を歴任。(社)消費者関連専門家会議の設立に参加、初代専務理事代行、現顧問。現在、

白 大学経営学部教授、青山学院大学経営学部講師。

企業の消費者対応研究の権威、CS研究の第一人者として国際的にも著名。

 お客様相談室が我が国の企

業で誕生したのは70年代であ

る。30年経ってようやくその役

割を苦情処理から進化させ、

収集した顧客情報を社内に

フィードバックする企業も最近

は増えてきた。しかし、経営判

断への知識提供のレベルに達

している企業は皆無に近い。そ

の数少ない例をトステムのお

客様相談室に見ることができる。

 企業経営の中核としての相談室の位置づけである。経営者の

先見性は高く評価される。また相談室の売上げ貢献額をはじき

出しているのもユニークだ。投資額の60倍の貢献額を立証して

いる。相談室の1人当たりの売上げ貢献額も月何十万円と明確

になる。つまり、相談室をコストセンターとして捉えず利益をもた

らすプロフィットセンターとして捉えているのだ。毎日の仕事が目

に見える形でいかに会社に貢献していることを知れば、そこで働

く人たちのやる気が高まり、それがさらなる顧客の満足や信頼を

高める好循環をもたらすのだ。

企業経営の中核としてのお客様相談室

Topics

佐藤 知恭さん

Page 25: TOSTEM 社会環境報告書 2005...4 ごあいさつ 5 ごあいさつ ごあいさつ 「良い家に住むことは万人の願い、 この願いを実現するために私たちは働く」

お客様の「良い家」づくりを実現するために

24

お客様の「良い家」づくりを実現するために

25

さまざまなライフスタイルを提案する

情報カタログ

ライフスタイル提案を行うため

に、総合的にデザインされた空

間的な展示となっています

ショールーム 当社では、ショールームをお客様との重要なコミュニケー

ションの場と位置づけ、全国に70カ所のショールームを展

開しています。その展示内容の充実はもちろんのこと、スタッ

フの情報発信力・コミュニケーション能力の向上のための教

育に力を入れています。特に、商品そのもののご説明だけで

なく、より総合的な空間やライフスタイルの提案を通じて、

それぞれのお客様にとっての「良い家」をご提供できるように

努めています。

 また、ショールームはお客様からの声を直接うかがえる場

でもあり、ここでいただいたご意見を商品開発・改良に反映す

べく、社内にフィードバックするとともに全国のショールーム

スタッフによるミーティングを定期的に行い、情報の共有化

をはかっています。

「nespa(ネスパ)」 ショールームでは、単に商品を並べて展示するのではなく、

よりお客様がライフスタイルをイメージしやすいように、住空

間をデザインしてお見せするように努めています。

 それを追求したものが、トータルハウジング・ナビゲーショ

ンプラザ「nespa(ネスパ)」です。家で過ごすことを大切に

したライフスタイルを提案するもので、現在、東京と大阪の

ショールームでは、「ガーデニング」「オフタイム」「趣ともてなし」

「自分スタイルをつくる」という4つのコンセプトをもとにコー

ディネイトした住空間をご紹介しています。

ホームページ・情報カタログ 当社のホームページ上には、快適な家づくりを実現するた

めに必要とされる採光から防犯やコーディネーションといっ

た12のテーマについて注意点やその対処法を紹介する「住

まいの教室」を公開しています。

 また、快適な住空間の基盤である「環境配慮」「ユニバーサ

ルデザイン」「防犯」の3要素については、その内容をエンド

ユーザーの方にも分かりやすくまとめた専用の情報カタログ

をそれぞれ用意しています。

お客様の「暮らしの価値」を高めるライフスタイルの提案

お客様との重要な接点の場であるショールーム(nespaコーナー)

「住まいの教室」

ホームページ

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調達先様との協働による品質向上のために

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調達先様との協働による品質向上のために基本的な考え方

 当社では、部品関係の調達先様が約600社、全体としては約800社の調達先様

とのお取引があります。これら調達先様との協働なくして商品をお客様にお届けで

きないことから、当社では調達先様を「第二製造部」と位置づけて協働をお願いし

ています。

 お客様に、より安全で高品質な商品を迅速、かつ適切な価格で提供できるように、

原材料や部品、設備などの調達にあたっては、それら調達先様に対して品質、コス

ト、納期、サービス、そして環境という観点からの評価を実施しています。調達先様

と協働して改善に取り組んでいます。

工 場 資材発注数 の決定

資材本部 単価・調達先様 の決定

調達先様 部品・OEM品製造

物流部門 調達物流の改善

開発部門 商品の仕様・ 機能の決定

トステム

協働

◆調達先様との関係図

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調達先様との協働による品質向上のために

27

公正な取引のための取り組み 原材料や部品、設備などの調達に

あたっての公正さを確保するために、

担当者に対しては毎月、公正な調達を

行っているかを確認するためのチェック

シートの提出を義務づけています。この

チェックシートでは、「下請法を遵守し

調達先様と折衝したか」「価格決定は

複数調達先様から見積をとったか」な

ど10項目質問し、公正購買を励行し

ています。

調達先様との関わり

グリーン調達  原材料・部品・設備等の調達活動に

ともなう資源採取や素材・部品製造と

いった上流での環境負荷を抑制する

ために01年4月に「トステムグリーン

調達基準」を策定しました。

 これをもとに、環境負荷がより少な

い原材料・資材の調達に向けて協働の

体制をつくり上げ、調達先様への働き

かけを進めてきました。

 また、このグリーン調達に「調達の

仕事そのものの徹底的なムダの排除」

という視点を加えることで、通常の業

務とより密着した活動として捉えなお

し、部品種類の削減、要求品質の適正

化および調達物流の効率化などへの

取り組みにつなげています。

品質改善に向けた取り組み 調達品の品質に関して、これまでは

調達先様に対して要望を出し、また定

期的に品質監査を実施することに留

まっていました。しかし品質への関心と

要望がさらに高まるなか、05年1月に組

織の改編を行い、品質面に関する調

達先様への支援・指導や、協働での品

質改善への取り組みを開始しました。

今後も、調達先様とともに品質を高める

ための取り組みを強化していきます。

調達品の品質管理 当社では、当社の品質基準を満たし

た原材料や部品のみを調達先様から

一括購入しています。なお納入された

原材料・部品に関しては、仕様書通りに

当社の基準を満たすものであるかを改

めて各工場でチェックしています。

■調達先様の取り組み状況

 調達先様のISO14001の認証取得

は、グリーン調達における評価基準の

ひとつです。04年度までに151社の調

達先様が認証を取得されています。

 また、「グリーン調達基準書」に定

めた環境保全活動に関する評価は、

ISO14001の認証を取得していない

調達先様も含めて平均78/100点とな

りました。なお新規に取引を開始する

調達先様に対しては、契約締結時にグ

リーン調達基準を説明し、アンケート

に回答していただくことで取り組みの

状況を把握しています。

開発 部門

生産 部門

物流 部門

資材本部

環境評価リストによる評価

調達先様の調査

調達品の選定 化学物質の把握

ISO14001の認証を取得している

独自でグリーン調達を実施している

当社の環境活動を理解し協力してくれる

環境関連法令・規制を理解し遵守している

グリーン調達基準書

◆グリーン調達イメージ

■有害化学物質の排除

 EUが定めるRoHS指令対象物質や

シックハウス症候群の原因とされてい

る物質など、計24種の化学物質につい

て原材料・部品からの排除を進めてい

ます。

 調達先様との協働により、07年度ま

でにも新商品はもちろんのこと既存商

品についても、この24物質を削減・全

廃することを目指しています。

「グリーン調達基準書」

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働きやすい職場をつくるために

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働きやすい職場をつくるために基本的な考え方

■人間主義の実践と業績主義~企業家型行動を奨励する風土~

 私たちの成長の根底には、人が充分に能力を発揮することのできる社風がありま

した。アルミサッシを発売した昭和41年は、全社員合わせて200人足らずでしたが、

その後たくさんの人たちがいろいろな会社から中途入社しました。その後、新卒者と

中途入社の人たちが混ざり合って、それぞれの良さを活かしながら、全社員が力を

発揮し、新しい力をつくり出してきました。私たちは人を育て、もてる能力を最大限

に引き出し、正しく評価する仕組みや誰もが充実感をもって生き生きと働ける職場

環境をつくっていくことが、人事の活性化につながると考えています。経営理念に人

間主義ということを謳っています。人間主義とは人の能力をどんどん開発して、仕事に

自信や誇り、情熱をもてる集団をつくっていこう、そして仕事を成功させることによって

豊かな人生を歩んでいこうという考え方です。

■適材適所~眠っている能力を引き出す教育~

 人は仕事とともに成長します。ですから、いつでも挑戦するに足る仕事と機会を

つくることは、会社の責任です。社員全員が人材であり、その潜在能力をいかに引き

出せるかどうかが重要です。そして、もっとも大切なのは「適材適所」です。その人が

今している仕事が本当にその人の能力を活かせる仕事なのか、もしそうでなかった

ら、本人に向いている仕事をすべきです。たくさんの人材の、たくさんの眠っている

能力を引き出すため、私たちはもっともっと「適職配置」ということに努力を傾けなく

てはならないと考えます。

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働きやすい職場をつくるために

29

雇用について

◆全従業員数の内訳 (2005年3月末)

全従業員数 15,228名

(派遣、請負除く)

正社員数 11,184名

非正社員数 4,044名

嘱託  1,731名 パート 2,313名

男性 7,853名 女性 3,331名 (内役職者数 738名)

◆勤続年数別構成比 (2005年3月末)30年以上 7.42%

25年以上 30年未満 3.55%

20年以上 25年未満 3.20%

15年以上 20年未満 16.38%

5年未満 20.41%

5年以上 10年未満 24.28%10年以上

15年未満 24.76%

人権尊重に基づく採用と雇用の機会均等 当社は業績主義で、社員の企業家精神を尊重する社風で

す。採用においても、個人の学歴、性別、年齢、国籍、宗教、

身体的障害などは一切関係ありません。即戦力となる技術、

社風への順応性、明るく元気なプラス志向をもつ人材を採

用しています。

◆新卒者・中途者の採用人数    

新卒採用者数中途採用者数

大卒文系 大卒技系 高卒

2000 178名 36名 - 139名

2001 376名 197名 64名 156名

2002 338名 325名 57名 19名

2003 151名 115名 128名 28名

2004 96名 125名 57名 13名

◆通年採用者数

2000 2001 2002 2003 2004

554名 415名 414名 362名 625名

 あくまで人物本位で、熱意のある人を求めています。採用試験

では、学歴、性別、年齢、国籍、宗教、身体的障害などに対する既

成概念を排除して、会社全体を活性化させるような公平、公正

な判断のできる人物を採用しています。採用対象は新卒者だけ

に限らず、年間を通じて広く募集しています。新入社員を見ます

と、上昇志向の強いタイプが多いように思いますね。入社後は、

社内教育を受けることでさらに能力を伸ばし、より高い水準の仕

事にチャレンジして欲しいと思っています。

チャレンジ精神豊かな社員を育てていきます。人事部長 丹治 宏志

◆定年後再雇用

 定年後再雇用2年目、現在の部署は58歳の時にビル用建材

の技術部から異動して以来、肩書きも仕事の内容も変わってい

ません。一般のお客様や設計事務所様、ゼネコン様からのお問

い合わせに電話でお答えする仕事で、工事現場を知らないと難し

いですね。定年を意識したのは、ライフプラン講座を受けた58歳

頃からでしょうか。一般的には、60歳で再就職先を探すのは一苦

労だと思います。長年勤めた会社で慣れた仕事を続けられてよ

かったと思っています。

定年後再雇用で2年目、仕事も肩書きも変わりません。お客様相談室 専任課長 塩沢 靖

2001 2002 2003 2004

39名 43名 43名 38名

◆障害者雇用

障害者雇用率

1.85%(正社員率35.1%)

一般事務 42%

その他(食堂清掃) 2.8%

工場ライン 55.2%

◆担当業務別構成比

採用者数

2001 20名(内重度7名)

2002 18名(内重度10名)

2003 17名(内重度6名)

2004 18名(内重度9名)

 障害者が働く製造ラインの管理をしています。心を込めて仕

事をするという意味で「ハートライン」と呼んでいます。このライン

ができる前、障害者の仕事はわずかしかありませんでした。そこで、

いろいろなラインを観察してできそうな仕事を見つけ出し、今で

は、できる仕事が二百数十種類になりました。メンバーは22歳~

48歳までの7人、障害の度合いはまちまちです。

 新しい仕事にチャレンジする時は、まず私が自分でやってみま

す。それからメンバーが取り組みます。作業時間や記憶力の様子

を観察して、適性を見極めます。訓練は社交ダンス方式。「はさ

んでー、のばしてー、そろえてー、きるー」という掛け声に合せて体

を動かす。それから「できるかな」「できたかな」と各自が考える時

間をもちます。時々、障害者サポート団体のトレーナーさんや親御

さんが「職場参観」にみえます。近くで見ていただいて理解を深め

て欲しいです。

 ハートラインは一般のラインと同じフロアで、囲いがないオープン

レイアウト。ライン立ち上げ当初は私の声の大きさに別のラインか

ら苦情が出たものですが、今では「障害者がまじめに働く姿を見て自

分が恥ずかしくなる」と言ってもらえるようになりました。障害者の職

場には、同僚、上司、会社、ご家族の温かいまなざしが必要です。

まずはチャレンジ、それから適性を見極めます。野田工場 電動商品課 橋本 愛子

 独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機

構」が主催する「平成16年度 障害者雇用支

援全国表彰式」が行われ、前橋工場が「障害

者雇用優良事業所 厚生労働大臣賞」を受賞

しました。この表彰式は、厚生労働省が障害

者の職業的自立意欲の喚起、そしてより一

層の障害者雇用の促進と職業定着を目的

に定めている「障害者雇用支援月間」の一環

として開催したものです。04年度は全国で26

社の事業所が受賞しました。(東京都を除く関

東6県では当社のみ)。トステム前橋は、過去

10年以上にわたる障害者雇用率の継続達成

と、職業安定所を通じ積極的な障害者の採

用活動が評価され、今回の受賞となりました。

なお前橋工場は、99年にも「障害者雇用優

良事業所 群馬県知事賞」を受賞しています。

トステム前橋が「障害者雇用優良事業所厚生労働大臣賞」を受賞

Topics

左から

前橋工場総務課 小林宏之

養生梱包課 三木好二

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働きやすい職場をつくるために

30

働きやすい職場をつくるために

31

 働き続けたい意思はあるものの、出産や育児のために一時

期職場を離れなければならない社員のサポートをしています。

育児休業制度(※1)は、子育てをしながら継続的に就労するた

めの制度です。出産休暇(※2)から引き続き育児休業して子ど

もが小さいうちは育児に専念し、育児が一段落してから職場

に戻ることができます。また、育児期間は勤務時間を短縮す

る(※3)ことも可能です。パート社員も勤続年数が1年以上であ

れば、正社員と同様に育児休業することができます。

仕事と家庭の両立支援について

出産・育児休業

◆育児休業制度の利用者数と復職率

2000 2001 2002 2003 2004

77名(復職率94%)

71名(復職率96%)

72名(復職率96%)

94名(復職率92%)

103名(復職率98%)

◆育児期間勤務時間短縮制度の利用者数

2003 2004

30名 70名

 1日2時間の育児時短をしています。1歳の息子が3歳になるまで利用する予

定です。この子の上に小学校1年生で学童ルームに通う6歳の娘と、保育園

に預けている4歳の娘がいます。いずれも育児休業明けから時短勤務を続け

ています。

 同僚や上司にはフォローしていただいて心から感謝しています。会社や主人

の理解と協力がなくては、子育てと仕事を両立させることはできません。会社で

は上司、家庭では主人に護られているなあと日々 、実感しています。

 一番大切にしているのは、子どもた

ちの生活のリズム。夜は一緒に9時

30分に布団に入り、朝は5時30分起

床。出社前の貴重な時間はやり残し

た家事にあてています。子どもたちに

は「あなたたちががんばってくれてるか

らママもがんばれるよ」と声を掛ける

ようにしています。

娘たちにも働きつづける女性になって欲しいです。経理統轄部 野口 恵子

 介護休業制度(※1)は、やむをえない事情により家族の介護

にあたらなければならない社員の生活をサポートするための

制度で、このほかに介護期間勤務時間短縮制度(※2)もあります。※1  介護休業制度:家族の介護を行う社員の職場と家庭生活の両立を支援することを目的とした

支援制度です。対象家族1人につき1回休業可能で、期間は最長1年間です※2  介護期間勤務時間短縮制度:介護休業を取得できる社員は、本人の申し出があれば1日の所定

労働時間を1時 間または2時間短縮することができます

 また、満1歳未満の子どもを養育する男女社員、要介護状

態にある家族を介護する社員は、時間外勤務(※3)や深夜業務(※4)を制限することができます。※3  時間外勤務の制限:本人の申し出があれば、事業の正常な運営に支障がある場合を除いて、1ヵ

月24時間、1年間150時間を超える時間外労働はさせません※4  深夜業務の制限:本人の申し出があれば、事業の正常な運営に支障がある場合を除いて、午

後10時から午前5時までの就業はさせません

介護休業

◆介護休業制度の利用者数と復職率

2002 2003 2004

3名(復職率100%)

4名(復職率100%)

10名(復職率70%)

 04年度の年間総実所定外労働時間数と月平均所定外労

働時間数は、ともに台風や地震など自然災害の影響から、前

年度よりも増加しました。今後も所定外労働時間の短縮の

ための活動を継続していきます。

就業の状況

 社員の健康障害防止を目的とした時間外労働時間の短縮の

ため、04年度はこれまでの時間管理活動をさらに強化しました。

 まず6月には「所属長向け時間管理指導会」を開催して、所属

長の時間管理に対する意識の向上をはかりました。これにより部

下の時間外労働、健康管理への責任を再認識し、より配慮をし

ていくよう理解が深まりました。

 10月からは、帰宅を促す館内放送(※)を午後5時30分に流し、

早く帰宅する雰囲気づくりをしています。また、やむをえず9時を

過ぎて退社する場合は、守衛所のカードリーダーに社員証を通

して記録された退社時間がただちに所属長にメールで報告され、

翌朝には把握・フォローできる仕組みもつくりました。

 これら以外にも、館内巡回など地道な活動や所属長主導によ

る業務改善などの結果、以前にも増して時間外管理・健康管理

という考え方が浸透してきました。※ 館内放送の内容:「終業時刻を過ぎました。引き続き仕事をされる方は、必ず上司の承認を得てから業務に取り掛かってください。業務を終了した方は、すみやかに退社しましょう。今日も一日お疲れさまでした」

早く帰宅する雰囲気づくり。人事部 藤原 広行

◆年間総実所定外労働時間数

2003 2004

152.7時間/年・人 188.8時間/年・人

◆月平均所定外労働時間数

2003 2004

12.7時間/月・人 17.2時間/月・人

◆有給休暇取得率

有給休暇取得率

15.8%

※1  育児休業制度:子育てをしながら継続的に就労するためにつくられた制度です。1歳未満の子どもを養育する男女社員は、子どもが満1歳になるまでの期間内で休業することができます

※2  出産休暇:社員が出産する場合、出産予定日6週間前から産後8週間以内の休暇を取ることができます

※3  育児期間勤務時間短縮制度:満3歳未満の子どもを養育する男女社員が対象。1日の所定労働時間を1時間または2時間短縮することができます

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働きやすい職場をつくるために

30

働きやすい職場をつくるために

31

 当社は、社員の豊かな暮らしとゆとりある生活を実現する

ために、労働組合や健康保険組合と協力して、生活向上、ラ

イフステージ支援、相互扶助などを軸とした福利厚生の充実

に努めています。

福利厚生・労働組合について

福利厚生制度 会社、労働組合、健康保険組合は、社員が困った時に電話

やFAX、メールなどで気軽に相談できる相談窓口を開設し

ています。セクハラや人事なども含めた職場の問題や法律

相談、健康相談、交通事故の相談などを無料で行うことがで

き、すべての相談において、個人情報は守られます。なお「セ

クハラ相談窓口」への04年度の相談件数は3件で、「人事何

でも相談窓口」への相談件数は47件でした。

各種相談窓口

 労働組合活動は自主的に行われますが、その取り扱いに

ついては会社と取り決めをしておく必要があります。これを

「労使基本協定」といい、労使協議会の設置、団体交渉の方法、

紛争処理の手続きなど、相互に取り決めた項目で構成され

ています。この協定を踏まえ、労使は協調して社員が働きや

すい職場環境づくりに向けて活動しています。

 04年度は「生きがいのある豊かな生活を求め、安心して働

ける職場環境をつくろう」をスローガンに掲げ、納得性の高

い賃金制度の構築、労働時間短縮、雇用・人事制度改善、福

利厚生制度改善を中心に活動しました。

労使の協調

 成果主義の浸透やライフスタイルの多様化など、急変する

社会環境によって労働組合に期待される役割や機能が大きく

変化するなか、私たちトステム労働組合は組合員すべての処遇

を「平均的に向上させる活動」から、組合員の「自己実現のお手伝

い」に主眼をおいた、個々人の価値観に合わせた制度の導入、充

実をはかっていく活動に軸足を移しています。

 経済のグローバル化の進展により、労働者自らの「独自性」と

「価値」を維持し続けなければ生き残れない時代を迎え、他人が

真似できない独自の価値、エンプロイアビリティ(雇用され得る

能力)を高めることが重要となってきました。労使協調して社員の

能力開発に努め、個々人の持ち味を生かして気持ちよく働いてい

ただくことにより会社業績を向上させ、それに見合った報酬を受

けることがこれからの労使関係の望ましい姿であると考えます。

 「組合員サポート」はもとより「社会貢献」も、1万人を超える組

織に課せられた責任として、欠くことができない重要な活動です。

04年度は新潟県中越地震やスマトラ島沖地震、福岡西方沖地

震など大規模災害が相次ぎましたが、被災した社員への援助は

もちろん、被害に遭われた多くの方 に々お役立ていただけるよう義

援金をおくりました。

 これからも会社と協働して、積極的に社会貢献活動に取り組

んでまいります。

エンプロイアビリティを高める活動を目指しています。トステム労働組合執行委員長 武智 信義

◆主な福利厚生と対応組織

トステム労働組合

スマイルクラブ(※)健康保険組合

余暇の充実レクリエーション ○ ○ ○

保養所 ○ ○ ○

退職後のゆとり年金 ○

その他 ○ ○ ○

生活の支援

教育・育児・介護 ○ ○

貯蓄・融資 ○ ○

住まい ○ ○

その他 ○ ○

生活保障

病気 ○ ○ ○

災害 ○ ○

健康 ○

慶弔金の給付祝金 ○ ○

弔慰 ○ ○ ○

※ スマイルクラブ:労働組合の相互扶助活動によって、組合員とその家族の生涯総合福祉の増進を目的とした団体です

◆各種相談窓口と実施部署

相談の内容 実施部署 利用料金

セクハラ相談窓口 人事部 -

人事何でも相談窓口 人事部 -

職場の問題 トステム労働組合 無料

法律相談 トステム労働組合 無料

消費者金融相談 トステム労働組合 無料

健康相談 トステム健康保険組合 無料

法律・税務・福祉相談 スマイルクラブ 無料

交通事故の相談 スマイルクラブ 無料

ローンおよび貯蓄の相談 スマイルクラブ 無料

ファイナンシャルプラン相談 スマイルクラブ 有料

介護、健康、マナー、しきたり、人間関係の悩みなど

スマイルクラブ 無料

◆人事何でも相談窓口への相談内容内訳

人事規程関係 15件

人事手続き関係 23件

人事相談関係 1件

人事制度関係 8件

47件

※ 社員の個人情報保護に配慮し、相談内容、相談者のプライバシーは厳守されます

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働きやすい職場をつくるために

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働きやすい職場をつくるために

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 大生郷工場(茨城県)では2月の2日間、「生活習慣を見直そう」をテーマ

に早稲田大学オープン教育センター講師の古田裕子先生をお迎えして健

康教室を開催しました。健康教室では、まず生活習慣病について知り、自

分の健康状態をチェックしてから運動や食事の習慣を見直しました。そし

て教室終了後は6カ月間、記録表に行動目標と達成度、体重などを記入し、

カウンセラーと一緒に改善点を探して生活習慣を見直すフォロープログラ

ムで生活習慣の改善を継続します。

 社員は会社にとってかけがえのない人材であり、心身とも

に健康であるよう配慮することが必要です。当社では、産業

医、保健士の指導のもと、会社、労働組合、健康保険組合が

一体となって社員の健康管理に取り組んでいます。

 最近は特に、糖尿病、高脂血症、肥満症などの生活習慣病

が増えています。定期健康診断で症状を自覚した社員は、「生

活習慣改善プログラム」や「歩け歩け&サイクル運動」などに

参加して危険因子を減らすことができます。喫煙については

98年から禁煙キャンペーンを展開していますが、いまだ喫煙

率は40.7%(04年8月調査)ですので、今後もキャンペーンを

継続していきます。また最近は、うつ病も急増しています。メ

ンタルヘルス管理者研修を実施するなど、心の健康管理に

も力を入れています。

健康・安全に働ける職場づくり

社員の健康◆疾病予防活動の参加者・相談数

2002 2003 2004

メンタルセミナー 157名 2,057名 40名

ストレスチェック 1,408名 - 2,786名

電話相談 580件 465件 1,412件

健康教室 - - 104名

生活改善プログラム 8名 40名 52名

禁煙セミナー 19名 105名 29名

◆主な健康保険事業への参加者数

2002 2003 2004

人間ドック受診者数 1,389名 1,674名 2,015名

歯科検診受診者数 1,775名 1,613名 1,827名

主婦健康診断(※) 972名 1,458名 1,557名

※ 主婦健康診断:年1回実施している、社員の奥様対象の健康診断。利用しやすいように、巡回健康診断、人間ドック、補助金制度の3つのメニューから選ぶことができます

 01年に国民健康づくり運動「健康日本21」がスタートした当初

から、「生活習慣病の予防と改善」「禁煙キャンペーン」「歩け歩

け運動」などを実施してきました。また電話相談は現在、01年度

に比べ約2.5倍、主婦健康診断は約1.5倍の人気保険事業に成

長しました。一方健康増進キャンペーンは、この3年間で参加者

が徐々に下降してきています。参加者数を増やして全社運動と

して定着させるには、健保だけでは限界があります。会社、労働組

合との連携を強めて、裾野の広い活動に育てていきたいと思って

います。健康管理の徹底と健康づくりには、個人の努力が必要で

す。そのための支援事業の充実をさらにはかっていきます。

社員の健康づくりには健保・会社・労組との連携が不可欠。トステム健康保険組合常務理事 小林 裕

◆健康増進キャンペーンの参加者数

2002 2003 2004

歩け歩け運動 1,750名(※) 1,219名(※) 642名

ダンベル体操 527名   446名   310名

風邪さよなら 465名   498名   410名

からだリフレッシュ 98名   104名   137名

※歩け歩け運動は、02年と03年は年2回実施しています

 03年7月から、人事部と協力して管理者向けのうつ病対策講

座を開催、これまでに57回実施しました。管理者を対象としたの

は、まず上司がうつ病に対して理解をもたないと早期発見につな

がらないと考えたからです。さらに04年6月からは、全社員にイン

トラネットでストレスチェックを毎月配信、上司による早期発見

と一般社員自らの気づきを促す活動をはじめました。このストレ

スチェックは、設問に回答して送信すると即座に個人に診断結

果が配信されます。結果を見て、ストレス耐性強化プログラム

に進むこともできます。データは個人が特定されない形で部署の

ライン長にフィードバッ

クして、職場環境改善の

参考資料として活用さ

れます。04年度の実施

率は51.7%。さらに普及

をはかって、元気に働け

る職場づくりに貢献して

いきたいと思います。

うつ病は早期発見が大切です。トステム健康保険組合 西田 周剛

全社員に配信されるストレスチェック

大生郷工場で開催された健康教室では、簡単で効果的な筋力トレーニングの指導も

行われました

生活習慣病予防のための健康教室を開催

Topics

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働きやすい職場をつくるために

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働きやすい職場をつくるために

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■安全衛生への取り組み

 01年1月に制定した「トステムグループ事業所安全衛生方

針」(※1)の達成に向け、トステム労働安全衛生マネジメント

システム(TOSAC)(※2)を構築し、01年4月から運用を開始

しています。昨年度は移動時の事故が多かったので、今年度

はフォークリフトを中心に改善を進め、効果を上げることが

できました。来年度は、チョコ停(※3)撲滅を目指して勉強会

やセミナーを数多く実施し、情報の共有化を進めます。

職場の安全衛生

◆労働災害強度率

◆安全衛生管理体制(野田工場の事例)

総括安全衛生管理者(野田事業所責任者)

事務局

安全管理者 (事務所全般)

1名

衛生管理者 3名

安全管理者 (部署) 9名

安全推進委員 9名

産業医 1名

安全衛生管理担当部署

防火管理者 2名

副総括安全衛生管理者(野田工場長)

安全衛生委員会

安全運転部会 10名

委員長 (総括安全衛生管理者)

会社指名 委員

労働者 代表委員

副委員長 (副総括安全衛生

管理者) 事務局

※1 「トステムグループ事業所安全衛生方針」1 今日一日の安全が全てである2 グループの強みを生かした安全衛生管理である

※2  TOSAC(トーザック):TOSTEM ORIGINAL SAFETY AND AMENITY CONTROL SYSTEMの略称

※3  チョコ停:一時的トラブル、あまりはっきりしないトラブルで、設備や生産が停止したり空転していること

◆作業内容別災害構成比(%)

加工・組立・梱包 14.6

試運転 7.3

注油・注水・ 点検整備 5.4

その他 5.4

修理・復旧・ 保全・清掃・ 切屑等の除去 30.9

構内歩行・運搬・ 車両運転 10.9

設備段取り調整・ 荷役・積込・ 積卸し 9.1

材料供給・ 加工物取り出し 16.4

◆労働災害度数率1.2

1.0

0.8

0.6

0.4

0.2

002 03 04

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

002 03 04

0.42

0.98

0.61

0.78

0.98

0.46

0.39

0.99

0.49

0.02

0.12

0.50

0.03

0.11

0.32

0.01

0.11

0.05

労働災害度数率=         ×1,000,000休業災害被災者数

延労働時間数

トステム※1 製造業※2 日本アルミニウム協会※3

労働災害強度率=        ×1,000労働損失日数

延労働時間数

 納期が遅れている、故障してちょっと停止している、品質不良

が見つかる、といった異常がたまたま重なると、ヒューマンエラー

が発生しやすくなります。挽回しようとして、ルールを破って機械

のカバーを開け、点検している時に事故が起きてしまう。ボンヤリ

している人よりも、むしろ責任感の強い人ほど危ないのが最近の

事故の特徴です。「ヒヤリハット」事故は、どんなにすばらしい再発

防止策を講じても、人が常に維持管理し続けなければ意味があ

りません。

安全衛生管理はこれでよしということはなく、維持管理の継続が大切です。

安全監査室長

山中 肇

 トステムの産業医を担当して9年目になります。産業医の仕事

は社員の健康相談のみならず、職場巡視・安全衛生委員会への

出席など、いろいろあります。

 今回は電動商品課を巡視し、有機溶剤作業現場での作業環

境の改善点、ハンダ使用部署のじん肺作業としての改善策の徹

底を指示しました。物質の比重などの特性から適切な方向へ吸

引するフードの設置を促したり、プッシュプル法などの適切な改

善を希望しております。毎回指摘した箇所は早く改善していただ

いているので助かります。

 事務系現場の巡視では、VDT(※2)作業が多いので、姿勢や視

点距離を注意して見るようにしています。快適な環境と快適姿

勢を守ることにより、症状の改善が期待できます。

 健康相談では、メンタルの相談が増えています。病気のセカ

ンドオピニオンを聞かれることもあります。また、海外赴任される

方が多いので、健康が危惧さ

れます。事前講座は開かれ

ているようですが、急な場合

にでも対応できるようにネッ

ト等で連絡が取れると安心

ですね。※1  QOL:Quality Of Lifeの略。

生活の質※2  VDT:Visual Display Terminal

の略。パソコンなどの表示機材(ディスプレイ)のこと

社員さんのQOL(※1)を上げる一助となればうれしいです。産業医 吉田 早苗先生

安全衛生巡回で産業医の吉田先生に

指導を受ける

 災害時に必要なことの優先順位は、①医療、②水と食料、③

衣服、④住居です。①は救急車が到着するまでの処置によって

救命率が違ってきます。誰でも応急手当ができた方がいいので、

平成11年から一般市民や企業で働く人を対象に普通救命講習

会を行い、参加者に修了

証をお渡ししています。ト

ステムのみなさんにも、

毎年講習を受けてもらっ

ています。

 適切な処置には現場

の情報が何よりも大切

です。そのためにも企業

のトップには、常に危機

管理の意識をもっていて

いただきたいですね。

適切な処置には正確な情報が必要です。野田市消防署長 大柴 夏二郎さん

最新型の梯子車の説明をする野田市消防署

長の大柴夏二郎さん(左)と、日頃から連絡を

緊密に取っているトステム野田工場保全グ

ループの染谷緑樹

※1 対象は下妻、藤花、大生郷、岩井、土浦、野田、七光台、名張、有明、石下の10工場※2 厚生労働省労働災害動向調査より※3 日本アルミニウム協会 (アルミニウム関係企業労働災害調査より)

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働きやすい職場をつくるために

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働きやすい職場をつくるために

35

 01年10月の社内公募に応募、面接試験を経て翌年4月から

広報に異動しました。それまでは関東統轄支店代理店支店営

業一課の営業マンでした。自分も営業だけでなく会社全体を

見渡す仕事がしたいと思いはじめたとき、イントラで広報担当

者の社内公募をみてチャレンジしました。現在は主にWeb関

係を担当しています。まだまだ勉強不足ですので、アンテナを

高く張って貪欲に知識を吸収していきたいと思っています。

社内公募で営業マンから広報マンへ。広報宣伝部広報グループ 布施木 昭彦

人材づくりのための仕組み

 当社では各部門での職能別教育と、全社的に行う階層別

教育を用意しています。職能別教育では部門別に独自のカ

リキュラムが組まれていて、高度な専門能力を養成していま

す。階層別教育ではマネジメント、部下育成、リーダーシップ

のあり方などのカリキュラムが、資格に応じて体系的に組ま

れています。

全社の教育制度

◆全社の教育・研修制度

階層別

教育

新入社員 講座

新入社員 導入講座

実務講座 新任店長講座

中途社員講座

管理技術教育

職能別教育

(例・住宅建材部門)

自己啓発

支援制度

QC導入 講座

TQC基礎講座

商品拡販講座

通信教育

組織長QCコース 管理技術コース

社外セミナー

部課長 コース

経営幹部 コース

監督者 研修

管理者 研修

実力管理者 研修 幹部会

中級 上級 管理職 初級

 当社の人事制度の基本的な考え方は、企業家精神をもっ

た社員を育てることと、成果を重視した実力主義の人事を

実践することです。これまで、チャレンジ精神豊かな社員を

育てるための人事制度の基盤づくりを進めてきました。

 例えば人材配置は、「やりたい人にやりたい仕事をさせる

こと」を第一に考えて行っています。評価は、リスクを恐れな

人事の考え方

いチャレンジ精神を重視し、上司との面談を義務づけ、オー

プンで公正な評価の仕組みをつくってきました。

 実力主義の人事の実践としては、年功序列から脱却して

若手社員の登用などを積極的に行っています。組織の活性

化の基本は、能力のある社員がその能力にふさわしい仕事

をし、ふさわしい地位に就くという考えです。

 人材の配置では「やりたい人にやりたい仕事を 」という考え

を第一に掲げ、社員一人ひとりの職務への希望と、会社の組

織上の要請を合致させられるよう、制度を整えています。

■社内公募制度

 新規事業の立ち上げなど、人材の必要が生じた場合に、

社内から広く人材を募る制度です。募集はイントラネット

で行われ、上司を通さずにすべての社員が自由に応募する

ことができます。これまでに27回の公募が行われ、39人が異

動しています。

人材の適正配置

「業績主義人事」を目標に掲げ、仕事

とプロセスを公正に評価するために、

目標設定、評価の各場面で本人が参

加し、上司面談を通じて結果のフィー

ドバックを行うなど、オープンな制度

運用を行っています。

■入社3年目面接

 入社3年を経過した時点で、上司、

人事担当者との面接を実施し、今後の

進路決定と成長目標の確認を行って

います。

人事考課制度

■自己申告制度

 年1回、希望部署への異動を自ら申告できる制度で、でき

る限り本人の希望や適性に合った人材配置の実現を目指

しています。

入社3年目面接 人事考課票

テーマ・ 目標の設定~記入

テーマ・ 目標のすり合わせ

(難易度変更の申請)

本人考課(自己評価)

一次考課

一次考課者面談

一次考課者会議

二次考課

二次考課者会議

三次考課(確定)

評価のフィードバック

期のはじめに実施

期終了後に実施

◆人事考課のフロー

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働きやすい職場をつくるために

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働きやすい職場をつくるために

35

 商品数は増えていきますが、それに合わせて単純に商品研修

だけを増やしていてはキリがありません。机上の理論だけでなく現

場に則した情報が重要です。建材は取り付け工事をしてはじめ

て機能するものです。取り付け方が分からなくては、販売店様や

ビルダー様にご説明できません。また、商品開発の意図をよく理

解していなければ、最終消費者様にリフォーム商品やユニバー

サルデザイン商品の使い勝手の良さをお伝えできません。お客

様が求める機能をいかに満足させられるか、お客様に喜んでいた

だける商品をいかに的確におすすめできるかが、教育のポイント

だと考えます。

社員自身がお客様の視点を持ち続けることが重要ですね。営業教育部長 菊地 弘行

 3つのモットーをもって社員教育に取り組んでいます。ひとつは

実践的な教育。座学後、必ず職場で実践して、できるまでフォロー

するやり方です。次に大切なのが公平な教育。必要な教育の機

会は、必要な階層に必要な時期に公平に与えていること。特に

QCなどの問題解決に関することや、当社独自の改善技術は必

須教育項目としています。最後が継続的な教育。他の制度とリ

ンクさせるなどして、必要な教育は継続できるような仕組みで進

めています。

現場ですぐに使える技術を修得することが大切です。生産教育部長 橋本 友二

 当社は社員のモチベーション向上を目的に、13種類の表

彰制度を設けています。社員は自分の仕事の成果が正当に

評価されることで、より高い目標に挑戦する企業家精神を養

い、生き生きと働ける職場環境づくりにも貢献していきます。

 例えば生産部門では、「EF(エコファクトリー)成果発表大

会」を行っています。この大会は、全国の40工場が1年間取

り組んできた環境活動の成果を生産部門のトップに直接報

告することで、環境管理活動の質の向上をはかることを目的

として、毎年実施しているものです。営業部門には、業績評価

で優秀と認められた社員を表彰する制度があります。04年

度は厳しい市場環境でしたが、多数の支店、営業所が受賞

を果たしました。また、スタッフ部門でも大きな功績が認め

られた社員には、特別功労賞が贈られました。

表彰制度

 営業系の社員教育は、実物・実習・実技をモットーに、トー

タルハウジング産業を担う営業社員の育成をはかるべく、

体系的・計画的に行っています。また、お客様(代理店様、販

売店様)の社員教育もご支援しています。

営業系社員の教育制度

住宅の構造から学びますトステム総合技術研修センター

 通信教育制度は、意欲のある社員、やる気のある社員が教

育を受ける機会を多くするために設けた制度で、77年から

導入、過去26年間の総受講者数は71,315名にのぼります

(04年度の講座数は192種類)。

 自分に必要だと思われる知識や技能の修得のために自ら

すすんで受講することで、自己啓発を促します。また、管理職

者は業務に必要な専門知識を学ぶことで、部下へのアドバ

イス、OJTの補完として活用しています。原則として年間1

人1講座、部署指定講座を終了した場合は100%修了援助

金が支給されます。

通信教育制度 従来から各種技術教育を行ってきましたが、座学や一般教

育だけではなく、社員が現場ですぐに使える知識の修得を

目指して計画的に推進しています。教育実績の代表事例と

しては、03年度から実施し、04年度は1,000名が受講修了

した「QC的問題解決教育」があげられます。そのほかにも、

内部環境監査員養成教育、管理技術教育などの社内技術者

認定制度が専門別に設けられるなど、多様な教育機会を用

意しています。

技術系社員の教育制度

エコファクトリー成果発表大会

◆受講者数(暦年)

社内 お客様(※) 合計受講者

2002 8,731名 511名 9,242名

2003 5,603名 644名 6,247名

2004 3,453名 1,299名 4,752名

※販売店様など、お取引先会社の社員教育にもご活用いただいております

営業部門業績表彰式

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地域社会と共生するために

37

地域社会と共生するために基本的な考え方

 当社は現在、全国に70のショールーム、200以上の販売拠点、そして関連会社・

海外を含めて40の工場を展開しています。事業を行ううえでそれぞれの拠点ごと

に、近隣の皆さま、そして地域社会との関係が重要であると考えています。

 地域社会に対する雇用の創出や納税といった、企業として当然の義務を果たす

のはもちろんのこと、主に工場やショールームを中心に、地域の皆さまに対してさま

ざまな形での貢献や交流を行っています。特に住まいづくりに関わる企業として、

ショールームなどを通じて近隣の皆さまに住まいに関わる情報をご提供すること

が、私たちだからこそできる地域への貢献であると考えています。

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地域社会と共生するために

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■チャリティー親睦会を開催

 04年12月14日、ショールーム浜松では、静岡県内で働く

トステムの社員とその家族を対象にチャリティー親睦会を開

催しました。この親睦会では、社内の親睦を深めるだけでは

なく、地域社会に少しでも貢

献できればと集めた参加費

の一部を静岡新聞社・静岡

放送の「愛の都市訪問」に寄

付。寄付金は、県民の福祉の

ために役立てられています。

■警察大学校へのセキュリティ商品勉強会を実施

 当社では警察庁からの依

頼に基づき、警察大学校(警

察の上級幹部に対し必要な

知識、技能、指導能力および

管理能力を修得させるため

の教養を行う機関)の研修

生向けに当社のセキュリティ商品と防犯建物部品の勉強会

を05年2月17日、ショールーム東京にて開催しました。

 今回の勉強会には、全国の都道府県警の防犯キーマン(警

部・警部補)の中から選抜された約30名が出席。当社のセ

キュリティ関連カタログを使った講義のほか、ショールーム東

京3階「セキュリティコーナー」の見学会を行いました。

ショールームでの交流 当社では全国70カ所にあるショールームを、お客様との接

点としてだけでなく、ショールームの近隣の方をはじめとした

地域の皆さまとの接点として位置づけています。そのため地

域の方への情報提供をねらいとしたセミナーの開催などをは

じめ、さまざまな催しや活動を行っています。

■地域住民向け防犯セミナーを開催

 05年2月10日、ショールーム東京では、地域住民向けの防

犯セミナーを開催しました。これは地域住民の防犯意識向上

を目的に城東警察署と企画したセミナーで、当日は本社近辺

の町内会会長様・防犯協会役員様を中心に約70名の方が出

席しました。

 防犯商品をご覧になった方からは、「我が家にもぜひ取り

付けたい」という声もあがるなど、大盛況に終わりました。今後

も地域住民の皆さまにセキュリティに対する考えを理解して

いただき、地域の犯罪撲滅のための活動に参加していきます。

地域社会との関わり

セキュリティコーナーを見学される警察官の皆さま

■仙台市立台原中学校の社会見学

 04年5月20日、仙台市立台原中学校から8名が、社会見

学のためにショールーム東京に来場しました。またこのほか

にも当社では、全国ショールー

ムや工場などにおいて、学生

の社会見学などに積極的に

対応しています。

大勢の方が参加された防犯セミナー

チャリティー親睦会で集めた参加費の一部を地

元の基金に寄付

ショールームでの社会見学

■全国一斉地震セミナーを開催

 全国62カ所のショールームにおいて、周辺地域やお客様を

対象に「全国一斉地震セミナー」を開催しました。このセミナー

では「中越地震の住宅被害状況調査」や、過去の実験・調査

データをもとにした「地震が

住まいに与える影響」「地震

に強い家づくりのポイント」

などを説明しました。

全国一斉地震セミナー

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地域社会と共生するために

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地域社会と共生するために

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地域への貢献■赤い羽根共同募金街頭PRに参加 (下妻工場)

 04年10月16日、下妻市社会福祉協議会主催による「赤い羽

根共同募金街頭PR」に、下妻工場から総務課とトステムしもつ

まレディース会のメンバーが参加。「道の駅しもつま」にて街頭

PRを行いました。

 04年9月19日、「江東区民まつり」大島地区メインイベントと

なる「大パレード」が行われ、そのパレードの起点として、地域の

皆さまに本社の駐車場を開放しました。当日のパレード参加者

は本社敷地内で準備を整え、

鼓笛隊をはじめ、流し踊り、サ

ンバチームが本社前の新大

橋通りを行進しました。

震災後の各種支援 04年度に発生した大きな自然災害のうち、当社では新潟

中越地震、スマトラ島沖地震、および福岡西方沖地震に対し

て義援金を拠出するなどの支援を行いました。

■地震復興セミナーを開催

 05年1月に新潟中越地震の被害に遭われた、当社商品を

お取り扱いいただいている販売店様・工務店様などの復興や、

被災地域の住生活環境復興の一助となるよう、過去の復興

事例や当社のスーパーウォー

ル工法を利用した住宅の被

害状況調査結果のレポート

などをお伝えするため、地震

復興セミナーを開催しまし

た。

■スマトラ島沖地震への支援

 トステムタイでは、スマト

ラ島沖地震によるインド洋

沿岸諸国の復興支援として、

タイ国赤十字社を通じ被災

国に復興支援金100万バー

ツの寄付を行いました。

■被災者の方に見舞金を拠出

 福岡西方沖地震の被災地支援のため、福岡市災害対策本

部に対して100万円の提供を行いました。

 当日は冷たい風が吹く中での声かけとなり、全員寒さに震えな

がらの募金活動となりましたが、募金をされた方が笑顔で「ご苦

労様」と声をかけてくださるなど、うれしい言葉を数多くいただきま

した。これからも地域の人たちとともに、私たちにできる小さなこと

からボランティア活動を続けていきたいと思います。

うれしい言葉に励まされこれからも続けていきます。

下妻工場加工課寺田 文子

シリトン王女殿下に復興支援金をわたすタイ工

場の西村伸一郎

説明に聞き入るお客様

地域への貢献が評価され、菊池社長が大連市名誉市民に選出

Topics

 当社の菊池社長が中国大連市から「大連市名誉市民」に選ば

れ、5月24日大連市人民政府で開催された贈呈式で、夏徳仁・大

連市長から「大連市名誉市民証」を授与されました。

 「大連市名誉市民」は、大連市の発展に多大な貢献をした人

物に与えられるもの。当社は02年に木質内装建材の生産拠点と

して「トステム大連工場」を設立。その後も地元小学校への寄付

やSARSへの支援金などをはじめ、さまざまな形で地域との交流

を行うとともに、地域の発展に協力してきました。今回は、その功

績が認められての受賞となりました。

 なお受賞後に、当社から大連市に老朽化した小学校の建て直

し資金として、30万元(日本円で約400万円)の寄付を行いました。

この名誉市民を授与された

ことをうけて、夏徳仁大連市

長が大連工場を訪問され

ました。当日は生産現場や

ショールームを見学され、会

社の業績、将来の展望等を

質問されていました。 「大連市名誉市民」贈呈式

■「江東区民まつり大島地区大会」で 本社駐車場を提供しました

駐車場で出番を待つパレード出演の皆さま

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地域社会と共生するために

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地域社会と共生するために

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地域社会との関係

■可児工業団地野球大会で優勝 (可児工場)

 04年9月1日より、可児工業団地で開催された野球大会

で、可児工場チームが2年ぶりに優勝しました。台風の影響

もあり日程が変更するなかで、監督はメンバー集めに相当苦

労しながら何とか決勝戦ま

で進みました。決勝では、毎

年優勝候補のメトーカケフ

と対戦、うれしい2度目の優

勝を飾ることができました。

■甘木・朝倉消防署主管の消火競技大会に参加 (甘木工場)

 04年11月10日に甘木・朝倉消防本部にて第12回甘木・朝

倉消火競技大会が開催され、甘木工場の自衛消防隊が女子

消火器の部、男子屋内消火栓

の部に参加しました。練習を重

ねた結果、「消火器の部」初出

場の女子が優勝、屋内消火

栓の部に出場した男子も14

チーム中9位と大健闘でした。

■ソフトボール大会に参加 (一関工場)

 04年8月22日と29日に、「第5回一関市長杯スローピッチ

ソフトボール大会」が開催され、一関工場で結成しているソ

フトボールチーム「ちーむTOSTEM」が参加。決勝進出をか

けた3回戦で破れたものの、

3位に入賞しました。今後も、

近隣の企業チームとの対抗試

合等を行っていく予定です。

■「第8回全国Eボート大会in鬼怒川」に参加 (下妻工場)

 04年8月29日、全国Eボート大会が鬼怒川の大形橋上流

で開催され、下妻工場から3チームが参加しました。Eボート

とは、誰でも簡単に漕ぐことができる新しいタイプの手漕ぎ

ボートで、10人の漕ぎ手と舵取、鼓手(声掛け)の計12人で

1チーム形成しています。当

日は台風による雨にも関わ

らず全国から96チームが参

加、地域のイベントを大い

に盛り上げました。

地域との交流■特別養護老人ホームを訪問 (下妻工場)

 トステムしもつまレディース会と下妻工場総務課の有志

計20名が、特別養護老人ホーム「ラポールしもつま」の納涼

祭に参加しました。

 参加者は揃いのトステムはっぴを身にまとい、盆おどりの

輪をつくり、ホームに入所されている方も参加され、納涼祭

を盛り上げました。

■地域自治会と夏祭りを開催 (前橋工場)

 前橋工場では、地域自治会と協賛にて夏祭りを開催。今回

の開催で10回目となりまし

た。地域自治会との協賛であ

るため、社員の家族だけでな

く、多くの地域住民の方々も

参加し、交流の場としても大

きな役割を果たしています。

 関西統轄支店では、企業市民としての責任および5S活動

の一環として、関西統轄支店環境事務局の呼びかけで、毎年

支店周辺のゴミ拾いを実施しています。支店内の各部署代

表者を選抜し開催していますが、本年度は総勢33名が参加

しました。普段通勤で通って

いる道路に多くのゴミが散

乱しているのを目の当たり

にした参加者の環境意識向

上にもなりました。

■ゴミ拾いから地域とのコミュニケーションを実施 (関西統轄支店)

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環境に配慮した事業活動のために

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環境方針環境理念環境に配慮する住生活総合企業として、かけがえのない地球環境保護と、人類の住生活向上に寄与するために、積極的かつ継続的に行動します。

・ 事業活動の全段階において環境影響を適正に評価し行動します。

・ 全社環境委員会を中心として組織的な継続的改善と汚染の予

防を実施します。

・ 全段階において法およびその他関連要求事項を順守し行動します。

・ 活動の実績について定期的に点検・見直しをおこないフィードバッ

クを掛けます。

・ 全従業員並びに当社の活動に関与する全ての人を対象に、環境

への意識改革のため教育訓練及び啓発活動を実施します。

・ 環境の取り組みに関する情報公開を積極的におこないます。

1 地球環境保護に貢献します

当社の事業活動が与える地球環境負荷を限りなく削減す

るため、商品開発から顧客の使用・廃棄等すべての段階で、

定量的に把握し具体的な行動計画を策定して実現を図り

ます。

商品のライフサイクル全般にわたる環境負荷を低減す

ることにより快適な住空間の実現と建物の資産価値の

向上に寄与します。

・健康的な暮らしを実現する商品を提供します。

・居住時のエネルギーを抑制する商品を提供します。

・資源循環に資する商品を提供します。

・建物の長寿命化に資する商品を提供します。

2 人類の住生活向上に寄与します

取り組み指針

環境配慮型商品開発の推進

温室効果ガスの削減

情報開示の促進

環境配慮型商品の普及促進

有害化学物質の削減(VOC排出抑制・土壌汚染防止管理)

環境マネジメントシステム(EMS)の運用と継続的改善環境教育の充実

廃棄物の削減とリサイクル

グリーン調達・購入の推進

具体的行動目標

環境に配慮した事業活動のために基本的な考え方

 商品のライフサイクルには、資源やエネルギーを消費し、

CO2・有害化学物質・廃棄物を排出するという、環境に対す

る「マイナス側面」があります。

 その一方で、断熱性能の高い商品は使用段階において省

エネルギー効果をもたらし、建築物の長寿命化を促進する仕

組みは省資源や廃棄物排出抑制につながるなど、環境に対

する「プラス側面」もあります。

 当社では、「地球環境保護に貢献しながら人類の住生活向

上に寄与すること」を環境理念として、商品のライフサイクルの

各プロセスで、この「マイナス側面の抑制」と「プラス側面の向

上」に取り組んでいます。

2005年5月1日改定

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環境に配慮した事業活動のために

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環境経営の全体像

商品における取り組み3つの設計指針に基づき、環境配慮型商品を開発しています

高機能・長寿命HL設計

資源有効活用3R設計

有害化学物質対策PF設計

生産・オフィスにおける取り組み3つの重点項目を設けて、地球環境保護に取り組んでいます

廃棄物管理リデュース・

リユース・リサイクル

有害化学物質管理PRTR・

グリーン購入

地球温暖化防止省エネ

環境設計 グリーン調達 環境会計 環境教育 情報開示

環境経営基盤

環境理念

人類の住生活向上に寄与します 地球環境保護に貢献します

環境へのプラス側面を高める

省エネ・省資源/再利用・再資源化/廃棄物抑制/有害化学物質抑制/グリーン調達

環境へのマイナス側面を減らす

CO2 排出/大気汚染/土壌汚染/廃棄物排出/有害化学物質使用

環境マネジメントシステム

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環境に配慮した事業活動のために

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環境に配慮した事業活動のために

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環境室

環境 委員会

環境推進会議

環境管理委員会

商品領域 資材領域

取引先 生産工場 サービス 拠点

生産領域 工事領域 営業領域 管理領域

営業支店

社長

環境担当役員

中期目標と2004年度の実績評価

環境マネジメントシステム 全国拠点での意識の統一をはかるため、全社一括でISO

14001の認証を取得しました。活動組織を業務別に6つの

領域に分け、社長をトップに経営層を各領域の実行責任者

とする組織を編成し、事業活動にともなう環境対策をあらゆ

る角度から実施運用できるよう、活動の基盤を整えています。

データベースシステムの構築 環境経営の基盤となる、環境会計データベースのシステム

整備を02年度より行っています。04年度末に貨幣データベー

スシステムが運用を開始し、生産拠点および工事拠点は、物

量および貨幣データの月次把握・管理体制の構築が完了しま

した。今後、営業部門・管理部門や海外事業所へのシステム

導入を目指しています。

◆2004年度の実績

行動項目 目標 実績 評価

DBシステムの精度向上

物量・会計監査の受審

大生郷・有明工場監査の実施本社運用部門監査の実施

環境物量DBシステムの運用・3次開発

システム運用・3次開発の完了 ○

環境貨幣DBシステムの運用・月次データの把握

システム運用開始(04年8月~)

商品における取り組み■環境配慮型商品の拡充

 04年度に発売した全80商品のうち、「タイプⅡ環境ラベ

ル」を表示した環境配慮型商品は12商品となり、これまでに

全16商品となりました。今後も、商品の環境性能・品質のつ

くり込みを進める一方、将来の環境先進性を見据えた環境

フラッグシップ商品の創出にも力を入れていきます。

■商品に含有する有害化学物質の削減・全廃

 商品使用時における健康で快適な室内空間の提供、商品

使用後の埋立処分時における土壌・地下水汚染の防止、リサ

イクル時の障害の排除を目的として、対象24化学物質につ

いて期限を定め、削減・全廃を進めています。

■商品のLCA(ライフサイクル・アセスメント)評価

 商品のライフサイクルにわたる環境負荷を定量化するた

めに、各事業の標準商品を対象にインベントリデータを収

集して、LCA評価を実施しました。

 今後は、この環境負荷を低減していくために商品開発プロ

セスのツールとしてLCAを活用できるよう、システム構築を

進めていきます。

イントラネット上で実績公開

社員全員が環境データを見ることができる

工場 工事拠点 物流 経理 営業

環境物量 データベース システム

環境貨幣 データベース システム

各生産・工事拠点

実績入力 実績入力

環境会計システム

◆中期目標

行動項目 中期目標

環境配慮型商品の拡充08年度までにエコラベル表示商品開発率100%(=エコラベル表示商品数÷商品アセスメント対象数)

環境フラッグシップ商品の創出

07年度までに具体的商品化

商品に含有する有害化学物質への対応

07年度までに対象24化学物質を削減・全廃

商品の環境負荷評価手法の確立・活用

06年度までにLCAを開発ツールとして活用→環境効率への応用

◆2004年度の実績

行動項目 目標 実績 評価

環境配慮型商品の拡充

エコラベル表示商品10商品以上

エコラベル表示商品12商品 ○

商品に含有する有害化学物質への対応

有害化学物質管理体制の強化

対象24物質を選定対応ガイドラインの策定

商品の環境負荷評価手法の確立・活用

製品LCA委員会(産業環境管理協会)への継続参画および評価実施テーマ4件以上

サッシ・ドア・リビング建材・住設機器の主力20商品について、インベントリデータを収集

◆環境データベースシステムの概念図

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環境に配慮した事業活動のために

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環境に配慮した事業活動のために

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環境リスク管理■土壌汚染管理

 02年度から3カ年計画で土壌汚染状況の調査を行い、04

年度末までに対象全41事業所の調査を完了しました。05年

は2次調査が必要な事業所の調査を完了し、継続監視する

ことを目標としています。

■拡大生産者責任

「拡大生産者責任」の考えに沿って、国や自治体の認可を受

け、お客様への納品時や施工現場で発生する施工廃材・梱包

材などの廃棄物を回収し、リサイクルする仕組みづくりを進め

ています。05年度中にその仕組みを構築し、運用を開始する

ことを目標にしています。

◆2004年度の実績

行動項目 目標 実績 評価

土壌汚染管理全対象事業所の自主的土壌調査完了

対象41工場の1次調査の完了 ○

広域認定広域再生認定利用制度の導入と運用展開

制度導入整備中 ×

生産・オフィスにおける取り組み■地球温暖化防止

 事業活動のあらゆるプロセスで排出されるCO2を抑制す

るために、個人の意識や作業改善などの地道な活動から、生

産工場の設備・プロセスの改善などの投資をともなう活動ま

で、全社的に省エネ活動を行っています。

■廃棄物削減

 事業活動にともなって発生する廃棄物に関しては、オフィ

ス業務から生産工程に至るまで3Rを基本とした削減対策を

徹底しています。また、廃棄物関連の法規制遵守はもちろん

のこと、リスク管理体制の強化も進めていきます。

■有害化学物質管理

 生産工場では、PRTR法に基づく指定化学物質の管理と

排出量の削減を進めています。また、オフィスでは有害な化

学物質を含まない資材や環境に配慮した備品を、優先的に

購入するなどのグリーン購入を推進しています。

◆中期目標

行動項目 対象部門 中期目標

地球温暖化防止 全社 07年度末までにCO2排出量を90年度比6%削減

廃棄物削減(※) 生産/工事 08年度末までに廃棄物排出量を01年度比半減

有害化学物質管理 生産07年度末までに対象化学物質取扱量を01年度比1/3に削減

※廃棄物削減の目標について:02年度設定の中期目標を04年度末に変更しました

◆2004年度の実績

行動項目 部門 目標(03年度比) 実績(03年度比) 評価

地球温暖化防止

生産 CO2排出量 3%削減 3.4%削減 ○

工事 CO2原単位維持CO2原単位維持(10%削減)

営業 CO2排出量 1%削減 4%削減 ○

本社 CO2排出量 1%削減 3%削減 ○

廃棄物削減

生産廃棄物発生量 14%削減 2%削減 ×

リサイクル率 97% 96.5% △

工事 廃棄物発生量 5%削減 36%削減 ○

営業 廃棄物処理費用 10%削減 10%増加 ×

本社廃棄物排出量 6%削減 25%削減 ○

コピー用紙購入量 7%削減 9%削減 ○

有害化学物質管理

生産有害化学物質排出移動量20%削減

18%削減 △

グリーン調達 資材部門では、01年度よりグリーン調達基準を定め、環境

負荷の少ない部品・材料を優先的に購入しています。また、

04年度から購入資材の有効活用をするために、開発、製造、

物流などの各部門と連携し、歩留りをなくすための活動を推

進しています。

◆2004年度の実績

行動項目 目標 実績 評価

グリーン調達

環境負荷の少ない原材料・資材優先購入

ISO14001取得済みの調達先様の拡大(累計151社)

グリーン調達実施済みの調達先様の拡大(累計143社)

環境配慮材質への変更14件 ○

歩留りの向上による購入量の削減6件

塗料・接着剤・部品のVOC対策維持

通い箱化推進 ○

資材有効利用に寄与する調達の実践

市中アルミリサイクル材利用の推進 ○

調達物流の効率化 調達物流先の拡大 △

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環境に配慮した事業活動のために

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環境に配慮した事業活動のために

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事業活動全体のINPUT・OUTPUT

 商品の生産工程では、多くのエネルギー資源、原材料、化

学物質などを使用するとともに、多くの廃棄物、CO2、排水な

どを排出しています。循環型社会を形成し、環境リスクを軽

減させていくためには、資源の有効利用、環境負荷物質の排

出量低減が不可欠です。当社ではINPUT・OUTPUTそれ

ぞれの環境負荷低減活動をはかっています。

アルミ原料市中アルミリサイクル材(※)

・・・・・ 131,301 t

鋼板原料・・・・・14,450 t

木質原料・・・・184,777 t

樹脂原料・・・・・・・6,979 t

窯業原料 ・・・・・ 16,100 t

INPUT

市中アルミリサイクル材の利用の推進

アルミサッシのライフサイクルの中でもっとも環境負荷が大きい

のが素材製造段階であり、ライフサイクルにおけるエネルギー消

費量のおよそ80%を占めています。しかし、既に素材となっている

再生地金や市中アルミリサイクル材をサッシ地金の一部として使

用することにより、アルミ精錬に必要な大量の電力使用量を削減

できます。循環型社会形成にもつながることから、当社では市中ア

ルミリサイクル材の利用を推進しています。

(※)

社内リサイクル(RDF(※)生産量)・・・・1,610 t

※RDF:廃プラスチックと木屑を2:8で混合した    固形燃料 (木屑=1,260t/廃プラ=350t)

鋳造

配合

押出

切断

成形

成形

表面処理

加工

コーティング

養生乾燥

加工

シート貼り塗装

加工

加工塗装

梱包

梱包

梱包

梱包

・ダンボール ・・ 20,870 t

・紙類・・・・・・・・・1,914 t

・プラスチック類・・ 845 t

・用水・・・ 6,340千m3

梱包資材

・電力・334,829MWh

・重油・・・・ 36,276S・灯油・・・・・ 5,220S・LPG・・・・・・ 7,086t

・LNG・・・22,606千m3

エネルギー

・ラッピングシート・・2,160t

・ポリウレタン ・・ 5,494t

・板ガラス・・・24,240t

・苛性ソーダ・・・1,719t

・硫酸・・・・・・・・ 9,138t

・塗料・・・・・・・・ 2,783t

副資材

・CO2排出量

・・・・・・・・・ 306,712 t

・NOX ・・・・・・・・ 879 t

・SOX ・・・・・・・・・ 57 t

・化学物質・・・・ 236 t

大気へ

・排水量・・3,736千m3

・BOD ・・・・・・・・ 47 t

・COD ・・・・・・・・ 22 t

・化学物質・・・・・ 16 t

水系へ

・排出量・・・・・・・51,228 t

産業廃棄物(生産)

45,807 t

リサイクル

5,421t

最終処分

生産工程

再原料化

・窯業屑 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1,419t

・アルミ端材・・・・・・・・・・・・・・・・ 59,238 t

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環境に配慮した事業活動のために

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環境に配慮した事業活動のために

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OUTPUT

住宅やオフィスのエネルギー使用量の削減のために

 COP3(京都会議)以降、さまざまな省エネルギー施策が行

われてきましたが、エネルギーの消費増加に歯止めがかから

ず、とりわけ家庭やオフィスビル、大規模小売店舗におけるエ

ネルギー消費は増加傾向となっており、全体の約30%を占め

ています。

 家庭用エネルギー消費は、生活の利便性、快適性を追求

するライフスタイルの変化や高齢者比率上昇等の社会構造

変化の影響を受けて増加し、業務用エネルギー消費もオフィ

スや店舗の延床面積の増加にともなう空調設備需要の

高まり、オフィスのOA化の進展等により増加傾向にあり

ます。

 これら民生部門で使用されるエネルギー消費削減の

ために、当社では住宅・ビルを問わず、遮熱・断熱サッシ

や断熱ドアなど、省エネルギーに貢献できる商品を開発・

販売し、地球温暖化防止に役立てられるよう努めています。

輸送

営業/施工

・軽油 ・・・・・・・・ 6,641S

エネルギー

・電力・・・・・・ 9,289MWh

・灯油・・・・・・・・・・・・ 83S・LPG・・・・・・・・・・・・・・ 3 t

・軽油・・・・・・・・・・・ 764S・ガソリン ・・・・・・・・665S

エネルギー(工事拠点) ・電力

・都市ガス╱プロパンガス

使用時のエネルギー

・CO2排出量 ・・・・ 17,559 t

・総輸送量

・・・・・・・ 54,584百万t・km

大気へ

・CO2排出量

(本社・営業拠点)

・・・・・・・・・・・・27,081 t

(施工拠点)・・・7,376 t

大気へ

・産業廃棄物排出量

・・・・・・・・・・・・・ 6,173 t

廃棄物(施工拠点)

3,684 t

リサイクル

2,489 t

最終処分

お客様へ

木質製品アルミ製品

樹脂製品 窯業製品

・電力・・・・・ 36,592MWh

・ガソリン・・・・・ 5,523S

エネルギー(本社・営業拠点)

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環境に配慮した事業活動のために

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環境に配慮した事業活動のために

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生産における環境配慮

地球温暖化防止 CO2の排出を抑制するために、生産工程における意識・作業

の改善といった地道な省エネ活動から、省エネ設備導入等の

投資をともなう大規模な活動まで、全工場で対策を推進し

ています。

 当社では、02年4月~08年3月までの6年間で、国内の

CO2排出量を90年度比6%削減する中期目標を掲げていま

す。これは、京都議定書で課している削減目標を前倒しで達

成するものです。

 04年度は、国内の2事業所にコージェネレーションシステム

を導入したことにより、国内6事業所への導入が完了しまし

た。このうち2工場は、CO2排出量が少ない天然ガス(LNG)

を主燃料としています。この結果04年度は、CO2排出量を03

年度比3.4%(11千t)削減することができました。

 05年度は、各工場での省エネ活動を継続的に推進すると

ともに、2拠点のコージェネレーション設備の導入を計画して

おり、全体で04年度比2.7%(8.3千t)削減を目標に取り組

みを進めていきます。

廃棄物削減 生産工程から発生する産業廃棄物は、リデュース・リユース・

リサイクル(3R)を基本に分別回収を徹底し、削減対策を行っ

ています。当社では、ゼロエミッションの定義を「生産工場にお

いて定常的に発生する産業廃棄物を100%リサイクルするこ

と」とし、その達成を目標としています。また、09年3月末まで

に、産業廃棄物の排出量を、01年度比で半減する目標も掲

げています(04年度末に中期目標を変更しました)。

 04年度は、ゼロエミッション達成のため埋立処分量の削減

に重点をおき、特に木屑のリサイクル化を推進しました。そ

の結果、埋立処分量を03年度に比べ44%削減し、リサイク

ル率は03年度91.0%から04年度96.5%に向上しました。ま

た36工場中20工場がゼロエミッションを達成しています。現

在、埋立処分量の半分以上を占める汚泥と廃プラスチック

のリサイクル化が、これからの重要な課題です。また、産業

廃棄物排出量は03年度に比べ2.3%(1.2千t)削減しました。

 今後も3Rを基本として、埋立処分廃棄物の再資源化を推

進するとともに、開発設計段階で製造時の廃棄物を抑制す

る対策も進めていきます。

400

350

300

250

200

150

100

50

0

360.

6

332.

3

319.

3

317.

5

306.

7

00 01 02 03 04

(千t)

産業廃棄物排出量 

埋立処分量

リサイクル率

※リサイクル率は有価物を  含めて計算しています

00 01 02 03 04

(千t) (%)

58.9

46.6 52

.4

51.259

.6

16.2

14.7

9.7

5.4

14.9

72.4 75.083.0

91.096.5

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

廃アルカリ 0.4ガラス屑陶磁器屑 5.9

金属屑 0.1

廃酸 0.2

その他 19.4

汚泥 30.0

廃プラ 29.9

木屑 7.7

合計 5.421t

木屑 31.5

廃プラ 11.6

廃アルカリ 13.6

汚泥 11.3

ガラス屑 陶磁器屑 13.2

金属屑 6.6

紙屑 3.7廃油 1.5 廃酸 1.3

その他 5.1コンクリート屑 0.6

合計 51,228t

紙屑 4.2

廃油 2.2

◆CO2総排出量の推移

(集計範囲:36工場・13物流配送センター)

8,000

7,000

6,000

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

000 02 03 0401

6,52

0

7,07

5

6,26

8

6,27

7

6,18

2

(TJ)

天然ガス(LNG)

LPG

灯油

A重油

電力

◆総エネルギー投入量の推移

(集計範囲:36工場・13物流配送センター)

◆産業廃棄物総排出量の推移

◆産業廃棄物排出量の 内訳(%)

◆産業廃棄物埋立処分量の 内訳(%)

(集計範囲:36工場・13物流配送センター)

(集計範囲:36工場・13物流配送センター) (集計範囲:36工場・13物流配送センター)

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環境に配慮した事業活動のために

46

環境に配慮した事業活動のために

47

有害性 レベル 種類 分類の基準

▲|||▼

Ⅰ 41種類環境関連法令・基準等で使用や製造が禁止(※)されているか、禁止されていないが有害性が明らかで(発癌性IARCクラス1や公害問題の対象となっている等)、速やかな削減が必要とされる有害物質

Ⅱ 63種類レベルⅠの次に有害性が高いことが、環境関連法令・基準等であげられている有害物質で、社会状況等からも優先的に削減計画に加えることが適当な有害物質

Ⅲ 590種類環境関連法令・基準等であげられている残りの全有害物質の中から、当社が指定する検討対象有害物質候補。著しい環境影響が予想される場合、削減対象に加えていく

有害化学物質管理 有害化学物質に対しては、環境関連

法令・指針基準、その他の知見などか

ら694種の化学物質を選定し、リスク

レベルによって3段階に分類して管理

しています。

 当社では、08年3月末までにPRTR

対象化学物質の取扱量を01年度比

1/3に削減する目標を掲げ、リスクレ

ベルが高く、取扱量の多い物質を優

先的に代替または削減対策を進めて

います。

 04年度は、ジクロロメタンの削減対

策として02年度より着手している木

質製品のラッピングシートの接着剤の

切り替えを展開し、03年度比49%削減

しました。また、鉛化合物、フタル酸ジ

-2-エチルヘキシルおよびフッ素化合

物については、取扱量が増加する傾向

があるため、削減に向けた技術を開発

し、05年度中に対応が完了する予定

です( Topicsおよびp51参照)。今後

も有害化学物質に対し削減対策を進

めていきます。  

◆管理対象化学物質リスクレベル分類

※許可なく輸入や製造をしてはいけない物質

■硬質塩ビの脱鉛配合

 樹脂サッシの主部材である硬質塩ビには、

安定剤として鉛化合物を使用するのが一般

的ですが、作業者の健康面や廃棄時のリス

クを考慮し、02年度より内作分をすべて脱鉛

(CaZn)配合に転換しました。また外部購入

品についても、03年度から段階的に内作に

切り替え脱鉛配合への転換を進めています。

05年度中には、樹脂製品の約90%の対応が

完了します。

■軟質塩ビの脱DOP配合

 サッシやドアなどの気密性や断熱性を高

めるため、異なる素材の密着面にグレージン

グチャンネルという軟質塩ビを使用していま

す。軟質塩ビには可塑剤としてPRTR対象

物質に指定されているフタル酸ジ-2 -エチル

ヘキシル(DOP)を含有していましたが、環

境影響の低い物質に転換する技術を確立

し、内作分については05年度中に全工場に

展開する予定です。

硬質・軟質塩ビの環境配慮素材への転換技術の確立

Topics

 樹脂は気密性・断熱性に優れているので、この

性能を保ちながら環境配慮素材へ転換する技

術の研究を行っています。硬質塩ビは原料配合

比率が変わると製造条件が大幅に変わるため、

生産性と品質を保つ製造条件の確立に苦労しま

した。また、軟質塩ビは多くの商品で使用している

ため、技術確立だけでなくあらゆる用途を想定し

た評価が必要となりました。

品質を保つ製造条件の確立に苦労しました。

研究開発統轄部内田 富士雄/今別府 寛史八尾 尚志

生産技術部 樋渡 祐一

◆PRTR対象化学物質(※1)の取扱量・移動量

物質名 主な用途/排出工程 取扱量排出量

移動量除去処理量(※2)

消費量(※3)大気 水域 土壌

ジクロロメタンラッピング接着工程ウレタン発泡ノズルの洗浄工程発泡液中に含有

193.4 186.6 0.0 0.0 6.8 0.0 0.0

トルエン サイディングの塗料・シンクの接着工程 34.4 32.3 0.0 0.0 2.1 0.0 0.0

キシレン サイディングの塗料・シンクの接着工程 12.3 12.1 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0

HCFC-141b(代替フロン)ポリウレタンの発泡剤 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

スチレン バスルームの原料に含有 234.5 4.9 0.0 0.0 2.8 0.0 226.8

メタクリル酸メチル 洗面ボールの原料に含有 41.8 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 41.6

マンガン 複層ガラスの封着材に含有 14.4 0.0 0.0 0.0 1.2 0.0 13.2

フタル酸 n ブチル-ベンジル

複層ガラスの封着材に含有 91.3 0.0 0.0 0.0 7.6 0.0 83.7

フタル酸ジ -2-エチルヘキシル

軟質塩ビの可塑剤 674.6 0.0 0.0 0.0 44.5 0.0 630.1

鉛化合物 樹脂サッシの副原料 49.6 0.0 0.0 0.0 5.7 0.0 43.9

ニッケル化合物 アルミ形材の着色 47.2 0.0 4.9 0.0 11.2 0.0 31.1

ホウ素化合物 アルミ形材の着色 12.3 0.0 9.4 0.0 2.3 0.0 0.6

フッ素化合物 アルミ形材の特殊表面処理 213.9 0.0 1.7 0.0 208.8 0.0 3.4

合計 1,619.7 236.1 16.0 0.0 293.2 0.0 1,074.4

※1 主要な13物質について報告しています。また、2004年度PRTR届出量に達していない事業所の実績も含まれます※2 除去処理量:対象物質が中和・分解・反応処理によって他物質に変化した量※3 消費量:対象物質が反応原料として消費された量、または製品に含有もしくは同伴されて工場外に持ち出される量

(集計範囲:36工場・13物流配送センター・5工事拠点/単位:t)

◆取り組み優先物質の取扱量の推移

600

500

400

300

200

100

0

60

50

40

30

20

10

0

ジクロロメタン(t)

02 03 04

鉛化合物 (t)

02 03 04

700

600

500

400

300

200

100

0

フタル酸ジ-2-エチルヘキシル (t)

02 03 04

547.

9

379.

5

193.

4

14.0

38.7

49.6

249.

3

441.

7

674.

6

(集計範囲:36工場・13物流配送センター・5工事拠点/単位:t)

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環境に配慮した事業活動のために

48

環境に配慮した事業活動のために

49

生産における環境配慮

海外拠点での環境配慮 当社では、タイのナバナコ-ンと中国

の大連に2つの生産拠点をもち、タイ

では主にアルミ製品を、中国では木質

製品を生産しています。

 現在、国内からの生産移行にともな

い、CO2排出量、廃棄物排出量、PRTR

対象化学物質の取扱量などが増加傾

向にありますが、国内同様の環境管理

レベルを構築するため、独自に目標を

掲げ活動を推進しています。

◆PRTR対象化学物質(※1)の取扱量・移動量

物質名 主な用途/排出工程 取扱量排出量

移動量除去処理量(※2)

消費量(※3)大気 水域 土壌

ジクロロメタンラッピング接着工程ウレタン発泡ノズルの洗浄工程発泡液中に含有

434.8 421.8 0.0 0.0 13.0 0.0 0.0

トルエン ボンド洗浄用 22.0 20.7 0.0 0.0 1.3 0.0 0.0

マンガン 複層ガラスの封着材に含有 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1

フタル酸 n ブチル-ベンジル 複層ガラスの封着材に含有 0.4 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.3

鉛化合物 樹脂サッシの副原料 222.3 0.0 0.0 0.0 25.8 0.0 196.5

ニッケル化合物 アルミ形材の着色 18.5 0.0 1.9 0.0 4.4 0.0 12.2

ホウ素化合物 アルミ形材の着色 4.8 0.0 3.7 0.0 0.9 0.0 0.2

フッ素化合物 アルミ形材の特殊表面処理 35.8 0.0 0.3 0.0 34.9 0.0 0.6

合計 738.7 442.5 5.9 0.0 80.4 0.0 209.9

100

80

60

40

20

0

40.4 46

.6 56.2

82.6

92.8

00 01 02 03 04

(千t)

◆CO2総排出量の推移

(集計範囲:海外2工場)

※1 上記集計表には、主要な8物質について報告しています※2 除去処理量:対象物質が中和・分解・反応処理によって他物質に変化した量※3 消費量:対象物質が反応原料として消費された量、または製品に含有もしくは同伴されて場外に持ち出される量

 本格的な生産活動を開始した大連工場は、環境活動の管

理体制を早期に構築するため、04年度から ISO14001の認証

取得に向けて活動をスタートしました。その結果、05年2月の

外部認証機関(中国質量認証中心)の最終審査を経て、3月22

日に認証取得しました。これで、海外ではトステムタイに続き

大連でも環境マネジメントシステムの導入が完了しました。

 今回のISO14001取得は、企業として環境

への責任とその取り組み姿勢を表明したもので

す。これを機に、ISO14001の理念、トステムの

環境方針を踏襲し、中国での本格的な環境管

理活動に取り組んでいきたいと思います。

本格的な環境管理活動に取り組んでいきます。

大連工場長 赤平 充

Topics

(集計範囲:海外2工場/単位:t)

◆2004年度汚染物質排出量の推移

物質名 排出量(単位:t)

窒素酸化物(NOx) 143

硫黄酸化物(SOx) 494

生物化学的酸素要求量(BOD) 8.2

化学的酸素要求量(COD) 66.6

30

25

20

15

10

5

0

(千t) (%)

03 04

産業廃棄物排出量

埋立処分量 リサイクル率

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

19.3

22.8

8.2 9.

6

70.378.0

◆産業廃棄物排出量の推移

(集計範囲:海外2工場)

1,6001,4001,2001,000

800600400200

0

窒素酸化物(NOx)(t)

03 04

1,47

6

879

◆ 大気汚染物質排出量の推移(集計範囲:主要25工場)

180

150

120

90

60

30

0

硫黄酸化物(SOx)(t)

03 04

157

57

50

40

30

20

10

0

生物化学的酸素要求量 (BOD)(t)

03 04

42.8 46

.8

25

20

15

10

5

0

化学的酸素要求量 (COD)(t)

03 04

23.9

22.3

4,0003,5003,0002,5002,0001,5001,000

5000

(千m3)

02 03 04

3,54

5

3,90

5

3,73

6

◆排水量の推移(集計範囲:表面処理設備所持7工場)

 天然ガス(LNG)への転換をねらいとしたコージェネレーショ

ン設備を導入することにより、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化

物(SOx)の削減に努めました。

大連工場で ISO14001 認証取得

* NOx、SOx の排出量について04年度より、主要工場のデータ精度向上のため、年間排ガス量算出方法を稼働時間から燃料使用量(論理値)に変更しています

(集計範囲:海外2工場)

大気汚染・水質汚濁防止対策 また、排水管理を徹底し、BOD、COD排出量の削減や、

水の使用量削減にも努めています。

◆水質汚濁物質排出量の推移(集計範囲:表面処理設備所持7工場)

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環境に配慮した事業活動のために

48

環境に配慮した事業活動のために

49

■背景

 02年に土壌汚染対策法が施行されたため、事前に操業を

停止している工場を対象に調査を実施しています。また、02

年度より3カ年計画を策定し、対象工場の自主調査に着手

しています。

■対象事業所と調査方法

 対象となる工場を3段階のリスクレベルに分け(表1)、レ

ベルの高いものから順に調査を実施しました。調査方法に

ついては自主的な取り組みのため、ISOの仕組みにのっとっ

た当社独自の土壌汚染管理規定にしたがい手順等を明確に

しています(表2)。

■調査結果

 04年度末に全対象事業所の1次調査が終わり、異常が認

められた5事業所の詳細調査、行政や近隣への情報開示、

および浄化措置を実施しました(表3、4)。

■今後の目標

 02~04年度の3年間で合計41事業所の1次調査が完了

し、汚染の可能性がある事業所を絞り込むことができました。

05年度は、絞り込まれた事業所の詳細調査を完了させ、汚

染状況に応じて適正な浄化措置と行政や近隣への情報開

示を行い、継続的に監視測定を実施していきます。

環境リスク管理

土壌汚染調査への取り組み

※上表以外についても調査対象とし、遊休土地、借地に関しても必要に応じて調査しています

◆表1 土壌汚染リスクレベル分類

リスクレベル 区分

対象 工場※

内容

▲|▼ 

第1段階 5工場 03年2月14日以前に操業停止し用途変更が予定されている

第2段階 21工場

特定施設を有する、または有していた工場で、特定化学物質を取り扱った実績がある

PRTR法届出対象工場

第3段階 8工場 PRTR法届出対象外ではあるが使用実績がある

1次調査1.聞き取り調査

土地の利用履歴、特定物質の有無と使用場所、焼却炉や過去の埋設物を確認し、土壌調査計画を作成

2.簡易調査 対象区域を特定し、土壌ガスおよび土壌調査を実施

2次調査3.詳細調査

簡易調査で土壌ガスが検出された場合、再調査の上、ボーリング調査を実施。土壌調査については、鉛直方向のボーリング調査で汚染分布を確認し、継続監視が可能なように観測井を設置。汚染が確認され浄化措置が必要な場合は行政に報告。

4.浄化措置 浄化措置については、行政に指導を仰ぎながら対応

◆表2 土壌汚染調査ステップ

◆表3 各区分における1次・2次調査の実施状況

区分

1次調査 2次調査結果

~04年度 05年度

調査実施 汚染検出 調査実施 汚染検出 調査実施予定

第1段階 5 0 0 0 0

第2段階9 3 2※1 2 1

12 10 2※2 0 8

第3段階 8 3 1※3 1 2

追加事業所 7 1 0 0 1

合計 41 17 5 3 12

1次調査 2次調査結果浄化措置

情報公開事業所 検出化学物質 汚染状況 汚染状況

※1

鉛化合物ジクロロメタン

前所有者による埋設物あり

(聞き取り調査)

環境基準内(地下水汚染なし)

土壌入替浄化措置

(舗装により流出防止済み)

なし

鉛化合物六価クロム化合物

前所有者による埋設物あり

(聞き取り調査)

環境基準外(敷地内)

土壌入替浄化措置

行政へ報告

※2

ジクロロメタン過去に洗浄工程で使用

不検出(汚染なし)

観測井にて継続監視

行政へ異常なしの報告

ジクロロメタンラッピング接着工程で使用

不検出(汚染なし)

観測井にて継続監視

なし

※3 ダイオキシン類焼却灰埋設あり(聞き取り調査)

環境基準内土壌入替

浄化措置済みなし

◆表4 2004年度実施の調査結果および措置対応

 03年8月に生産を停止した久喜工場(埼玉県)

では、聞き取り調査の段階で、過去にウレタン

発泡作業でジクロロメタンの使用実績があり、

また焼却炉(撤去済)の燃え殻が敷地内に埋設

されているとの情報がありました。

 土壌ガスおよび土壌調査の結果、ジクロロメタ

ンは不検出、ダイオキシン類の調査結果は、土壌

環境基準に近い値を示しましたので、企業の責任

として自主的に浄化措置を実施しました。

 燃え殻が確認された場所のボーリング調査に

より、埋立量を確認し、燃え殻を撤去し適正に処

理するための入替工事を実施しました。撤去し

た燃え殻は約26m3あり、産業廃棄物として焼却

による中間処置を行い、生成物は管理型最終処

分場にて適正に処理を完了しました。

Topics

久喜工場敷地における浄化措置の実施

(単位:事業所数)

(※1~3は表4参照)

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環境に配慮した事業活動のために

50

環境に配慮した事業活動のために

51

■ゼロエミッションの達成

 成東工場の外装建材生産工程で発生する、セメント入り

汚泥、廃塗料はリサイクルが困難であったため、年総量145 t

を埋立処分していました。しかし、乾燥設備の導入等により、

それぞれセメント原料、プラスチック原料としてリサイクル

化が可能となり、04年9月にゼロエミッションを達成しまし

た。

 さらに9月からの量産開始を控えていたスケルトン(※)事

業では、月30 tを超える木屑の発生が確実であったため、9

月以降もゼロエミッションの維持と処理費用の極小化を実

現するために、量産前に木屑の有効活用方法を検討しまし

た。そこで、発生する木屑の性質に合わせて工場周辺地域へ

さまざまな利用用途を提案した結果、すべての木屑が工場

周辺地域でリサイクルされ、ゼロエミッションの継続だけでな

く、産廃処理費用の極小化も達成することができました。

■コージェネレーション設備の導入

 久居工場は、市内のエネルギー使

用量の約25%を占める最大規模の

工場であることから、地域への社会

的責任を果たすために、従来から意

識改善、設備効率改善など地道な

省エネルギー活動を推進してきました。そして、省エネルギー

の更なる推進のため、05年1月に当社で2拠点目となる天然

ガス(LNG)をエネルギー源としたコージェネレーション設備(※)

を導入しました。

 このシステムは、従来の買電量の約半分を自家発電し、

牧 場

家畜の寝床・堆肥として利用

キャンプ場

薪として利用

ホームセンター

木材として販売

縁台キットとして販売

おが屑

木屑 (柱)

木屑 合板

◆木屑のリサイクルルート

 今回の設備導入は、基本的な構造や排熱利用システム、ESCO

事業(※)を用いたことなど、まったく前例がない状態での設備の立

ち上げとなりました。導入後の設備維持管理、メンテナンスなど

も考慮しながら導入準備に時間をかけた結果、不具合もなく安

定したエネルギー供給システムを構築することができました。

安定したエネルギー供給システムを構築できました。技術課 徳永 大輔

 スケルトン事業から発生する木屑は、住宅の構造材

で使用される丈夫で上質な木材の端材です。このため、

産廃業者へ処理を依頼するのではなく、木材の性質に

合わせて有効活用するために、工場周辺の牧場、キャン

プ場、ホームセンターへ積極的に足を運びました。はじめ

は慣れない営業活動に大変苦労をしましたが、すべての

木屑が有効活用され、取引先の皆さまからも好評をいた

だいております。環境に配慮する企業としての活動がで

きたことは、担当者として非常に喜んでいます。

取引先の皆さまからも好評です。

左から総合化商品製造課押田 行雄

総務課土屋 誠司安田 桂介

久居工場 ■生産品目:住宅用アルミサッシ、シャッター ■設立年月日:1979年7月 ■所在地:三重県久居市戸木町字赤部5081-4 ■敷地面積:231,251m2 ■従業員数:1,015名(05年3月末)

成東工場 ■生産品目:外装建材、雨戸、天窓、ペアガラス、スケルトン ■設立年月日:1968年11月 ■所在地:千葉県山武郡成東町白幡2015 ■敷地面積:70,999m2 ■従業員数:310名(05年3月末)

Site Report

その排熱を利用してつくった蒸気を生産工程や冷暖房に利

用するほか、さらに蒸気から冷水をつくり、生産工程で利用

しています。また、季節や生産量に合わせて余剰蒸気をガス

タービンに戻し、蒸気と発電出力のバランスをコントロール

できる熱電可変サイクルも取り入れています。

 この設備の導入により、LPGを使っていた設備を天然ガ

ス(LNG)に切り替えたことも含め、年間3,600 tのCO2削減が

見込めます。今後は重油や灯油等の残りのエネルギーについ

ても天然ガスへの転換を進めていきます。

天然ガスコージェネレーション設備

LNG

冷水

蒸気

電力

発電機 ガスタービン

排ガスボイラー

冷却水熱交換機

◆コージェネレーションシステム

※ ESCO事業:省エネルギー改善に必要な技術、設備、人材、資金などを包括的に提供し、その効果を保証する事業

※ コージェネレーション設備:ひとつのエネルギーから2つ以上のエネルギーを発生・供給するシステム

※  スケルトン…住宅の梁、柱、壁、床など建物を構成する骨組み。耐久性や断熱性などの基本性能を高める構造体

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環境に配慮した事業活動のために

50

環境に配慮した事業活動のために

51

■フッ素回収設備

 アルミサッシの表面をフッ素系薬品で処理すると金属特有

のツヤが抑えられ、やわらかな質感に仕上がります。このツ

ヤ消しのアルミサッシは、ビル用を中心に数多くの商品に展

開されています。しかし、フッ素はPRTR対象物質に指定さ

れており、販売量の拡大とともにフッ素を含有するスラッジの

発生量も増加傾向にあったため、02年度よりフッ素削減に

関する研究を進めてきました。

 そして04年度に、スラッジを焼成してフッ素化合物として

回収し、これを元の工程に戻して再利用をするという循環

型システムの技術を確立し、設備の導入を実施しました(特

許出願済み)。また、焼成処理後のスラッジは無害化された

ため、有価売却が可能となります。本設備の稼働後は、廃棄

物処分していた年間排出量220 tがゼロになる見込みです。

なお05年度は再利用により、当社全体のフッ素取り扱い量を

30%削減できる予定です。

スラッジ (焼成処理後)

フッ素回収設備

無害化

薬品として 再利用

有価で売却 焼成処理

スラッジ

再利用

調整

製造工程

廃棄物

薬品 アルミ

フッ素化合物を回収

アルミ製品

■フッ素回収設備フロー図

 フッ素を含んだスラッジから、フッ素を回収する技術

が確立していなかったため、業界初の試みとしてゼロの

状態からスタートしました。設備導入の際には、薬品を取

り扱う作業環境にも考慮した設備設計を行い、リスクの

低減にも努めました。今後は回収技術の他工場への展

開や、別の物質を使った技術の開発を進めていきます。

業界初の試みに挑戦しました。

研究開発統轄部/表処課高橋 亮/栗原 信也熊野 崇史/畠山 久尚

大生郷工場 ■生産品目:ビル用、住宅用アルミ形材 ■設立年月日:1990年6月■所在地:茨城県水海道市大生郷町字中丸6132-1 ■敷地面積:93,552m2 ■従業員数:387名(05年3月末)

■アルミサッシ廃材の高品位リサイクルの推進

 解体現場から発生するアルミサッ

シの廃材は、ビス、クレセントなどの

アルミ以外の部品が多く付いてい

るので、そのままではサッシの原料と

しては使えません。

 そのため、アルミサッシ廃材の多くは鋳物用の合金として

再生されており、高品位リサイクル (Product to Product)

ができていませんでした。

 また、アルミサッシ原料のアルミニウムは精錬時に大量の

電気エネルギーが必要となりますが、アルミリサイクル材は

精錬時の約3%のエネルギーで同量のアルミを生成するこ

とができるため、高品位リサイクルを推進することによりエネ

ルギー消費の削減にもつながります。

 そこで、大生郷工場ではアルミサッシ廃材を高品位でリサ

イクルするため構内協力会社と協働で材料の調達、人員や

場所の確保および解体設備の導入など行い、部品付きサッ

シ解体処理を事業化しました。さらに、工場周辺の施工拠点

から発生する同様の部品付きアルミサッシも、自社物流ト

ラックの帰り便で回収するルートを構築して処理量を増や

しました。

 その結果、60 t/月の処理量が可能となり、同量のアルミ

地金の精錬に使われるエネルギーに換算すると、CO2排出

量で3,600 t/年の削減効果を得ています。

 アルミサッシ廃材の解体事業は、トステムの国内工

場の中では初めての試みでした。回収したアルミサッシ

廃材は、部品付きであるのに加え、折れたり、曲がったり

と、さまざまな状態で運ばれてきます。事業開始当初は解

体を手作業で行っていたため、効率が悪く1日に500kg

の解体が限度でした。しかし、解体設備導入や作業者の

努力によって解体効率が向上し、事業開始当初の6倍の

3tを解体できるようになりました。

解体効率を向上させました。

左から鋳造課田先 重男関 和一岡田 利雄

解体作業風景

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環境に配慮した事業活動のために

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環境に配慮した事業活動のために

53

物流・施工における環境配慮

物流での取り組み 当社では、輸送用の自社トラックを保有していないため、

委託運送会社と協働で輸送効率を上げ車両台数を減らす

ことにより、消費燃料の削減に努めています。輸送に関わる

CO2排出量は出荷量によって大きく変動するため、02年度の

積載効率を基準としその削減効果を算出しています。04年度

は積載効率の向上や帰り便の活用の推進により、02年度比

約4%のCO2排出量削減効果がありました。

20

15

10

5

0

(千t)

02 03 04

19.0

17.0

17.6

0.59 0.66

削減効果 CO2排出量  70,000

60,000

50,000

40,000

30,000

20,000

10,000

0

(百万t・km)

02 03 04

62,9

83

50,8

14

54,5

84

◆CO2排出量の推移

■帰り便の利用

 資材、生産、販売の各輸送の帰り便ルートを活用し、部品・

社内購入品などの輸送をしています。04年度 は資材輸送に

帰り便の利用をはじめました。また、現在タイ工場で運用し

ている通い箱を、国内の一部で展開しました。

◆総輸送量の推移

資材物流 販売物流 生産物流

販売先・現場

トステム物流

トステム工場

ホームセンター 工事拠点

営業拠点

資材・物品業者

資材・物品 通い箱 文房具

施工での取り組み■廃棄物の削減と地球温暖化防止

 全国の各施工拠点では、施工にともない発生する廃材を

材質ごとに分別し、3Rを基本とした廃棄物の削減に努めて

います。04年度は、資材を有効活用するため各拠点にリユー

スコーナーを設け発生源対策と分別による更なるリサイク

ル化を推進し、リサイクル率も向上しました。また、社有車

の運用効率化により台数を減らしてCO2の削減をはかりま

した。

◆ CO2排出量の推移

11109876543210

(千t)

02 03 04

10.1

8.2

7.4

◆産業廃棄物排出量の推移

201816141210

86420

100908070605040302010

0

(千t) (%)

02 03 04

産業廃棄物排出量 

埋立処分量

リサイクル率

13.5

33.041.4

70.8

9.6

6.2

9.2

6.0 2.

5

■石膏ボードのリサイクル

 バスルームの施工残材からの廃棄物として石膏ボードの

付いたパネルが発生しますが、これらは分離が困難なため、

埋立処分をしていました。そこで、パネルから石膏ボードを

容易に分離できるように開発部門と協働で接着方法の見直

しを行いました。また分離した石膏ボードを再利用するため、

地域ごとにリサイクルルートを確立しています。

■教育の実施

 当社では、施工を委託する施工士に対して、環境意識を

高めるだけでなく、施工品質を確保するための施工訓練教育

を行い、修了者には「工事認定証」

を交付し、施工現場に掲示してい

ます。また、現場ごとに分別方法や

マナーの教育も行っています。

工事認定証の提示

分離後分離前

(物流センターから販売先への輸送分)

■アイドリングストップの推進

 当社では、委託運送会社との協働でトラック運転手に対

し、アイドリングストップの教育をしています。また、運転手

はマナーを明記したポ

ケットマナー集を携帯

し、日々意識の向上を

はかっています。

ポケットマナー集

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環境に配慮した事業活動のために

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環境に配慮した事業活動のために

53

■環境掲示板の設置

 関西統轄支店には部署が多数存在

し、多くの社員が所属しているため、

日常的な環境活動は一人ひとりの心

掛けが大切です。そこで、社員の誰も

が通るエレベーター前のスペースに

「環境掲示板」を設け、環境活動の成

果を掲載し、社員と環境事務局との

コミュニケーションの場を設け、社員

の環境意識の向上をはかっています。

■節水トイレおよび自動水栓設置

 本社ビル、ショールーム東京では、04年9月からオフィスの

省資源活動の一環として、節水型トイレ・自動水栓を設置し

ました。本社ビルやショールーム東京には、常時大勢の社員

およびお客様などがおり、トイレ

洗浄水として大量の工業用水

を使用していましたが、04年10

月以降の水使用量は、前年の同

月以降と比較して平均約60%の

節水効果があり、省資源に貢献

しています。今年度中には、同様

にして大阪ビルや

ショールーム大阪な

ど、順次全国への

展開を予定してい

ます。

オフィスでの取り組み 当社では、本社や全国に展開している各営業拠点におい

て、継続して省エネや分別など

地道な活動を行っています。04

年度は、事務所のこまめな消灯

や空調管理、アイドリングストッ

プの推進など全社的な省エネ

活動でCO2の排出量が4%削減

しました。

◆CO2排出量の推移

30

25

20

15

10

5

0

(千t)

03 04

本社 

営業拠点 28.2

27.1

オフィスにおける環境配慮

従業員の環境意識向上のために■環境新聞の発行

 亀戸拠点では、節電やアイドリングストップなど日常的な

環境活動の成果を全員に周知するため、電力やガソリンの

使用量など月次でまとめ環境新聞として発行しています。発

行した新聞はメールだけではなく、全

員に回覧し、一人ひとりが必ず目を通

したことを確認することで意識の向上

につなげ、活動の成果を上げることが

できました。

 部署内の環境新聞の編集を担当しています。掲載する内容は

活動報告だけではなく、全員に関心を持ってもらえるように日常

の生活の中で役立つエコ情報や環境クイズを盛り込むなど内

容や見せ方を工夫しました。これからも全員が参加できるような

環境活動に貢献していきます。

日常生活に役立つエコ情報やクイズを盛り込んだ環境新聞です。

建材特需統轄部 木村 美奈子

◆工業用水使用量

60

50

40

30

20

10

0

(千m3) (累計:4月~3月)

01 02 03 04

47.1 50

.9

28.8

49.2

■サマースタイルの奨励

 04年度より本社に勤務する社員について、7月~9月の期

間中、省エネ活動の一環としてノー上着・ノーネクタイの「サ

マースタイル」を奨励しています。これにより社内の冷房温

度は、省エネに配慮した28℃に設定しています。

 初めての試みで、当初は執務中や会議中などでのノーネク

タイに戸惑いのある社員もいましたが、実施後のアンケート

結果では、来年度も実施したいと

の意見が多く集まりました。

 このような環境啓発活動を継続

し、今後も省エネに貢献していき

ます。 サマースタイルでの会議風景

自動水栓節水型トイレ

環境新聞

■環境標語の募集

 毎年6月の環境月間にちなんで、全社員を対象に環境標

語の募集を行っています。04年度は約4,800件の応募の中

から、最優秀賞1件、優秀賞5件を選抜し、全社の環境委員

会にて表彰を実施しました。省エネ・廃棄物・資源の有効利

用についてなど、さまざまなテーマで応募があり、社員の環境

意識の高さが感じられました。

 選ばれた標語は1年間、全国の各事業

所に掲示され、社員の環境意識の向上を

はかっています。

「資源は有限、工夫は無限、自覚を持って

環境保護」(04年度最優秀環境標語)

04年度環境標語

最優秀賞受賞者

TLC京滋北陸 高田幸雄

左から

関西統轄支店 環境事務局

林 隆司/三善 泰生/中島 依子

波多 野裕

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環境に配慮した事業活動のために

54 55

環境会計

環境会計の目的 環境会計は数値化された環境情報を経営層に提供し、適

切な改善策の企画と実施を行うとともに、外部とのコミュニ

ケーションのツールとして活用することを目的としています。

環境会計データ精度の向上のため、04年8月より環境貨幣シ

ステムがオンライン化し、全国の生産および工事拠点ごとの

環境会計データを、月次管理することが可能になりました。

2004年度環境会計の結果◆環境保全コスト(単位:百万円)

2003年度 2004年度主な内容

環境保全コストの分類 設備投資 減価償却費 経費 合計 設備投資 減価償却費 経費 合計

1)事業エリア内コスト 1,223 464 2,262 3,949 526 493 2,046 3,065 主たる事業活動により事業エリア内で生じる環境負荷を抑制するための環境保全コスト

内訳

①公害防止コスト 330 138 458 926 134 196 466 796 公害(大気、水質、土壌、騒音、振動、地盤沈下など)防止のために必要な投資および経費

②地球環境保全 コスト

811 206 327 1,344 181 174 270 625温室効果ガスの排出抑制、省エネルギーなど地球温暖化防止のために必要な投資および経費

③資源循環コスト 82 120 1,477 1,679 211 123 1,310 1,644 事業エリアから出る廃棄物の減量化、処理およびリサイクルのために必要な投資および経費

2)上・下流コスト 0 0 29 29 0 0 81 81グリーン購入など事業エリアの上流側で発生する環境負荷の抑制、および会社が販売した製品、容器包装などの使用・消費・廃棄などにともない事業エリアの下流側で発生する環境負荷を抑制するために必要な経費

3)管理活動コスト 0 0 246 246 0 0 327 327環境マネジメントシステムの構築、運用、認証取得のための経費、および環境に関する社員への教育・啓発に必要な経費

4)研究開発コスト 97 32 398 527 17 55 379 451環境保全に関わる製品の研究開発、製品の生産段階、物流段階および販売段階における環境負荷抑制のための研究開発に必要な投資および経費

5)社会活動コスト 0 0 18 18 0 0 13 13自然保護、緑化などの環境改善対策のための経費、環境保全を行う団体、地域住民の行う環境活動などへの寄付、支援、情報提供などの社会的取組のための経費、環境情報の公表のための経費

6)環境損傷コスト 0 0 32 32 0 0 12 12 汚染負荷量賦課金、土壌汚染調査費など

合計 1,320 496 2,985 4,801 543 548 2,858 3,949

◆環境保全効果

2003年度 2004年度環境負荷削減量

削減率環境負荷削減量

削減率

CO2 26,498 7.6% 19,272 5.8%

環境負荷削減量(CO2換算)(単位:t-CO2)

2003年度 2004年度

金額換算(参考値)

21 38

〈参考情報〉環境負荷削減量(CO2換算)の金額換算

(単位:百万円)

2003年度 2004年度

電力

A重油(低硫黄)

灯油

LPG

LNG

環境負荷総量(CO2換算)

エネルギー使用量内訳

2003年度 2004年度

ガソリン

軽油

水(生産用)

水(その他)

電力(営業部門)

環境負荷総量(CO2換算)

〈参考情報〉エネルギー・水資源使用量内訳

効果の内容 2003年度 2004年度

1. 省エネによる費用削減等(電力料・燃料費・上下水道料等の節減額) 329 266

2. リサイクルにより得られた収入(有価物売却益) 414 521

3. リサイクルによる消耗材料費削減額等 586 637

合計 1,329 1,424

環境保全対策にともなう経済効果 (単位:百万円)

2004年度環境会計結果の分析 04年度は環境保全コスト金額40億円(設備投資額5億円、

減価償却費5億円、経費29億円)に対して、経済効果金額は

14億円でした。設備投資はコージェネレーション設備導入の

際に、リース契約(※)に変更したため、03年度より大幅に減少

しています。

 また、減価償却費は環境投資の増加にともなって増加し、

経費は総額でほぼ03年度並みです。環境保全にともなう経

済効果は、省エネ活動や廃棄物の埋立分を有価物化および

リサイクル化を推進した結果、増加しました。環境負荷総量

が03年度に比べて減少したのは、全社的な省エネ活動や天

然ガス(LNG)へのエネルギー転換などが要因です。※リース契約:ESCO事業(→p50参照)

環境会計および環境パ

フォーマンスの第三者検証

をお願いした、中央青山サ

ステナビリティ認証機構

取締役副社長の井上壽枝

さんと、上席審査員の西山

久美子さん

◆集計範囲: 10工場、44子会社、13物流配送センター、資材部門、研究開発部門、管理部門

◆集計期間:2004年4月1日~2005年3月31日◆集計方法:1. 環境設備投資の集計範囲:環境負荷を低減する目的で当期に取得した設備、機械などの償却資産の当期取得価額を集計しています。2. 費用は発生主義で計上しています。3. 環境損傷コストの汚染負荷量賦課金は公害健康被害補償予防協会に対する一般的な納付金です。

4. 環境保全効果は、環境保全対策が実施されなかった場合と比較した削減量をCO2換算値で計上しています。

5. 03年度からアルミインゴットを購入する際の金額を、市中スクラップに置き換えた差額を経済効果として計上しています。04年度アルミスクラップ購入数量約40,000t。

6. 環境保全対策にともなう経済効果には、推定計算を含むみなし効果は含めておりません。

◆ 温室効果ガスの金額換算……温室効果ガス:1,984.4円/t-CO2 (ヨーロッパの温室効果ガス取引市場2005年3月末時点の気配値)

364,161MWh

44,811s 6,217s 9,257t

8,290千m3

320,796t-CO2

351,803MWh

36,276s 5,300s 7,089t

22,606千m3

313,443t-CO2

0,001,200s 0,001,972s 5,282,995m3

1,006,089m3

0,028,058MWh

0,018,720t-CO2

0,001,195s 0,001,627s 5,449,649m3

1,002,826m3

0,029,522MWh

0,018,457t-CO2

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環境に配慮した事業活動のために

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編集後記

58 59

編集後記

 本報告書をご一読いただきましてありがとうございました。弊社は、商品開発~資材調達~生産活動~営業・販

売~施工並びにオフィス活動といった全事業活動で環境マネジメントシステムに取り組んでから3年が経過し、環

境課題に取り組み、成果を上げつつあります。環境課題は永遠に変化し続けますので、私たちは常に将来を見

据えながら誠実かつ地道な改善に心掛けていきます。

 さて、私たちの行動の礎は創業時の綱領のもと、4つの経営理念を実践することにありますが、基本は常にお客

様やステークホルダーの立場で環境・社会・経済側面において幅広く改善に取り組み、その成果を開示し、ご理

解いただかなければ「信頼」を得ることはできないと認識しています。

 04年版は、社会面の取り組みに関する情報開示が充分ではないと第三者機関からご指摘をいただき、05年版

では可能な限り開示できるように努めました。また、ステークホルダー別にまとめ、多少なりとも弊社の取り組み姿

勢をご理解いただけるのではないかと思います。情報開示とその表現につきましては、不充分な点は多 あ々ると思

いますが忌憚のないご意見をいただければ幸いです。

 なお、04年版では多くの読者からのご意見をいただきまして、厚く御礼申し上げます。

トステム株式会社 環境室長

04年発行の「2004年版 社会環境報告書」に対し、ご意見・

ご感想をいただきありがとうございました。ご回答いただいた

28件のうち、多くの方 に々全体内容について「評価できる」と

のご意見をいただきました。

 しかし、「社会環境報告書としての情報に漏れがある」「情

報全体に流れがない」といったご指摘もありました。こうした

貴重なご意見も参考にさせていただき、今年度の社会環境

報告書では網羅性と全体の構成にも注意を払って編集いた

しました。下記にご意見の一部をご紹介いたします。

評価できる 25件

わかりやすい 18件

ちょうどよい 22件

良い 11件

普通 9件

普通 15件

多すぎる 3件少なすぎる 1件

無回答 2件 無回答 2件

どちらとも いえない 1件

無回答 2件 無回答 1件

◆全体内容について ◆わかりやすさ ◆デザイン・レイアウト ◆ボリューム

・ 断熱サッシ「シンフォニー」のLCA分析をもっと簡

素化、ルーティン化してすべての商品の環境設計

で行えると良いと思う。(40代 男性)

・ 社会性報告では株主や取引先との関係も含め

てはいかがでしょうか?

・ 記されている項目については最上の評価ができ

ると思います。LCAについては統一指標の導入

が適切に行われていると思う。(20代 男性)

・ 配送のCO2抑制についてもっと具体的に軽油

の削減目標を設定し、CO2の抑制に結びつけた

らどうか? (50代 男性)

・ 地域社会との関係での記事が詳細で良いと思う。

(30代 男性)

・ 地域社会との関わりで、下妻工場や甘木工場の

取り組みが労働力を地域に提供するという点で

すばらしいと思う。(40代 女性)

・ リサイクル等の目標を掲げ、各工場でゼロエミッ

ションに取り組む姿勢が良く伝わった。地域社

会との関係を大切にされている点もすばらしい

と思う。

・ カラー写真も美しくすばらしいのですが、少しごちゃ

ごちゃしている。03年度は何を重点に取り組んだ

のかバラエティ過ぎてよく分からない。 (60代 男性)

・ 化学物質管理体制、土壌汚染は大変なリスクを負

う事になります。今後も手を抜かずに継続してい

ただきたい。(50代 女性)

・ ユニバーサルデザインについてよく考えておら

れると思った。(50代 男性)

・ 家を取り壊した時できるだけ自然に帰るような

商 品がベストだと思う。(50代 女性)

・ 環境への取り組みに対し、細部に渡り対策がな

されていることを、この小冊子の中から重々感じま

した。(40代 男性)

・ 企業の社会性、公益性は昔から言われているが、

今でもきちんと実施されている御社の理念に感

動し ました。(30代 男性)

2004年版 社会環境報告書 アンケート結果

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編集後記

58 59

商品と環境活動の歩み

1967   戸車調整機構を組み込んだアルミサッシ「改良型太陽」発売

1971   掃除しやすい階段式皿板を採用した「ニュー太陽」発売

1974   雨戸とサッシを一体化した「雨戸サッシ」発売

1977   アルミ製規格バルコニー「アルバルコ」発売

1979   雨戸にウレタンを充填した防音・断熱雨戸サッシ「Dan」発売

1980   天窓「スカイライト」発売

1983   金属製断熱外壁材「Danサイディング」発売

1986   標準引違いサッシ「アトモス」発売   電動ブラインド雨戸「アリーズ」発売

1989   システム内装建材「ウッディーライン」発売

1991   中高層ビル用サッシ「PRO-70」発売

1992   ポリウレタン発泡の水処方への代替開始

1993   「トステム環境ボランタリープラン」策定   全社環境委員会の発足

1994   トリクロロエタン(部品洗浄用)の使用全廃

1995   断熱・防露アルミサッシ「サーマル」発売   高性能住宅構造体パネル工法の開発   第1回「エコファクトリー成果発表大会」の開催   ポリウレタン発泡における特定フロンの使用全廃

1996   主力3工場に自家発電コージェネレーションシステムを導入   トステム環境行動計画を公表   アルミ溶解炉のリジェネバーナーへの更新開始   トリクロロエチレンによる土壌汚染の調査開始

1997   大生郷工場がISO14001認証取得   リビング建材商品の化粧シートを非塩ビに切り替え完了

1998   RDFリサイクル設備およびアルミスラッジ乾燥設備導入開始   下妻工場が茨城県から「地球に優しい企業の表彰」受賞

1999   インテリア断熱サッシ「シンフォニー」発売   鹿沼工場がISO14001認証取得   日本サッシ協会「環境問題対策部会」に参加   梱包材から塩ビを全廃  大生郷工場、有明工場が「エネルギー管理優良工場表彰」受賞

2000   タイ工場がISO14001認証取得   木質系建材を低ホルムアルデヒド仕様に対応完了   社内環境教育制度開始   環境会計の集計開始

2001   グリーン調達基準書の策定   全社的に環境マネジメントシステムを展開  CO2削減・廃棄物ゼロエミッション・有害化学物質削減の目標設定

2002  土壌汚染リスク管理による土壌調査実施  環境報告書を初めて発行  商品アセスメントの運用開始

2003  ISO14001認証を全社一括取得  タイプⅡ環境ラベルを導入  環境配慮型の第1号商品として、次世代標準サッシシリーズの複合 断熱サッシ「シンフォニー」の発売と、LCA分析の実施  システムキッチン「クレディア」、システムバスルーム「e-bath BX」が グッドデザイン賞受賞  前橋工場にNEDO事業として天然ガスコージェネレーションシ ステムが本格稼動  環境会計監査を実施  リサイクル原料を用いたウッドデッキ「リコステージ」発売  床材「ベース12」の法令不適合品流出への対応

2004  リフォームコーナー、セキュリティコーナーをショールームに設置  一関工場にコージェネレーション設備が本格稼働  久居工場に天然ガスコージェネレーション設備が本格稼働  本社ビルに節水トイレの設備導入  次世代標準サッシ「デュオPG」発売

2005  カードキーシステム採用の高級玄関ドア「アヴァントス」発売

会社の歩み

1923   創業 (建具小売業「妙見屋商店」を東京都墨田区に設立)

1949   会社設立

1971   販売会社6社が合併し、トーヨーサッシ(株)を発足

1974   東洋エクステリア(株)設立、エクステリア事業に進出

1977   ビバホーム(株)(後にトステムビバ(株)に社名変更)設立、 ホームセンター事業に進出

1984   (株)アイフルホームテクノロジー設立、在来工法のFC事業に 進出   TOSTEM宣言(ブランドの表明)

1985   トーヨーサッシ(株)、東証2部に上場   三井軽金属加工(株)グループ入り   第一木工(株)(現ブライトホーム(株))グループ入り   明和工業(株)(現トステム可児(株))、メイワ(株)グループ入り   日鐵カーテンオール(株)、日鐵サッシ販売(株)グループ入り

1986   東洋エクステリア(株)、東証2部に上場   三洋化工(株)(現トステム三洋(株))グループ入り

1987   トステムビバ(株)、東証2部に上場   トーヨーサッシ(株)、東証1部に指定替え   トステムタイCo.,Ltd 設立

1988   新本社ビル完成

1989   トステムビバ(株)、東証1部に指定替え

1990   東洋エクステリア(株)、東証1部に指定替え   アルナサッシ(株)(現トステム伊吹(株))グループ入り

1992   リフォーム店をFC化、トステムホームウェルチェーン開始   トステム株式会社に社名変更   トステムショールーム東京オープン   財団法人トステム建材産業振興財団設立

1995   トステムショールーム大阪オープン   高性能住宅用構造体事業(スーパーシェル、ス-パーウォール)を開始

1999   11社共同で(株)日本住宅保証検査機構(JIO)を設立

2000   鈴木シャッター工業(株)(現トステム鈴木シャッター(株))グループ 入り

2001   株式会社INAXトステム・ホールディングスに社名変更、 新事業会社トステム株式会社を設立   トステムガーデニング(株)を設立

2002   東洋エクステリア(株)の生産・物流部門を吸収   トステム大連(大連通世泰建材有限公司)で木質内装建材の製造 を開始   近畿車輛(株)建材営業部門グループ入り、トステムSD(株)を設立   INAXトステムグループ内のビルリフォーム事業を統合しINAXト ステム・ビルリモデリング(株)を発足   (株)ROOF TOSTEMを設立

2003   日本建鐵エンジニアリング(株)グループ入り、トステム建鐵(株)を 設立   セキュリティトステム(株)設立、ホームセキュリティ事業に参入

2004   研究開発部門を集約し、ト ステム技術開発センター(TRDセンター) 設立   リフォームネットワーク組織「リフォームマジック」を開始

2005   旭硝子(株)との合弁会社、旭トステム外装(株)をスタート   三菱商事建材(株)とサステナブル建築素材「Moiss(モイス)」 の販売業務を提携する

Page 60: TOSTEM 社会環境報告書 2005...4 ごあいさつ 5 ごあいさつ ごあいさつ 「良い家に住むことは万人の願い、 この願いを実現するために私たちは働く」