tppから考える日本の食の未来 ブックマラソンvol.31

12
TPP から考える 日本の食の未来 ブックマラソンvol.31 拓也

Upload: aiki-adachi

Post on 16-Jul-2015

66 views

Category:

Food


1 download

TRANSCRIPT

TPPから考える 日本の食の未来 ブックマラソンvol.31 陶 拓也

TPPとは?

•  TPP = Trans-Pacific Partnership = 環太平洋経済連携協定

•  FTA(自由貿易協定)の一種  ※FTA:特定の国や地域との貿易で関税をゼロにする協定

• 日本は2013年7月から12カ国目として交渉に参加  ※2006年に前身のP4発行

• 多国間の取り決め • 原則すべての関税を撤廃するなど高い水準の自由化が目標 • 非関税分野や新しい分野を含む包括的な協定(21分野で交渉が進行)

TPP参加国

外務省ホームページから引用

TPP交渉21分野

外務省ホームページから引用

なぜTPPが重要なのか

1.成長促進効果:輸出入の拡大 2.新しい世界大の貿易協定に向けた有益な先例となりうる  例)アジア太平洋自由貿易圏    (FTAAP)

日本にとってのTPPのメリット/デメリット

•  【全体的には】 経済的繁栄と社会的安定の実現

•  【メリット】 輸出拡大

•  【デメリット】 競争力の無い分野における生産と雇用の減少   例)農業分野

➡労働者や資金を、輸入競合品生産から輸出品生産に移動させれば、適材適所で全体の成長へつながる?

出典:首相官邸ホームページ

※非関税措置の削減やサービス・投資の自由化は含まない。

出典:首相官邸ホームページ

日本の農業に求められること

•  大規模化  コメ農家の6割以上は小規模な兼業農家   (平均耕作面積:1〜2ヘクタール ※米国:200ヘクタール)   (現状は米国の7倍の生産コスト)    

•  農業従事者の高齢化への対処(TPP以前の問題)  6割以上が65歳以上の高齢者  耕作放棄地は40万ヘクタール(>埼玉県の面積)

•  農業を守る意義  食料安全保障  地方経済の保護  国土・自然環境の保全、文化の継承

日本の政府が国内農業に対して出来ること

•  農家への補助金(負担者を消費者から納税者へ)  FY2011は8,000億円

•  『我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画』(2011年) ①農地の規模拡大   離農奨励金制度:意欲ある農家に農地を貸すと協力金            →コメ農家の平均耕作面積を20〜30ヘクタールへ   ※コメ60kg(1俵)の生産コスト            1〜2ヘクタール  :1万8000円     15ヘクタール以上:1万1000円 ②担い手の確保   新規就農者に 長7年間、年間150万円の補助金を支給   農業法人による若年者の雇用促進 ③多角化支援   官民出資ファンドを設立。生産、流通・加工、販売を一体的に手がける農業法人に資金を拠出 ➡若者と法人が鍵?

私たち(消費者)の身の回りに起こる変化

• 高関税の重要5品目はどの国からの輸入品に代替されるか ①コメ:米国?     安いコメが流入?     (米国産米のうち、日本人が食べる品種の生産量は、     日本の米の生産量の3%未満) ②麦: ③牛肉/豚肉:米豪?  米/カナダ産牛肉は、SPS協定により  月齢20ヶ月以下の牛肉に限定   ※SPS協定:「衛生植物検疫措置の適用に関する協定」 ④乳製品:ニュージーランドと米国? ⑤砂糖:

出典:木下製粉株式会社HP

ディスカッションテーマ

•  「TPPに対して持っていたイメージは?」 •  「TPPを好機に日本の食(農産物)を世界に売り込むには?」

参考:世界貿易の行く末は?

•  急速に自由貿易圏が広がっている

•  各国は得意分野に特化し、互いに補完し合い、 世界で1つの生活圏が出来上がる。(あくまで個人的な予想) ➡その中で日本の得意分野は?何で勝負するか?

(注)WTO通報ベースの件数(2012年7月)から、   既存のFTAへの新規加盟等の重複分を除いたもの。 「ジェトロ 世界貿易投資報告2012年版」を基に農林水産省が作成