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2008(c)kimihiko hasegawa TRIZを利用する際の壁と 等価変換理論 平成20年6月14日 等価変換創造学会東京定例会 佐野国際特許事務所 (社)発明協会 知的財産アドバイザー TOCICO認定ジョナ 長谷川 公彦

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2008(c)kimihiko hasegawa

TRIZを利用する際の壁と 等価変換理論

平成20年6月14日

等価変換創造学会東京定例会

佐野国際特許事務所

(社)発明協会 知的財産アドバイザー

TOCICO認定ジョナ 長谷川 公彦

2008(c)kimihiko hasegawa

1.TRIZを利用する場合の壁 (1)抽象化の壁 (2)具体化の壁 2.アイデア出しにおける組み合わせ 3.組み合わせと類推 シネクティクス、NM法、ET、比較発想法、BT 4.抽象化の壁を破るヒント 5.具体化の壁を破るヒント 6.原因追及型アプローチの壁とその壁を破るヒント

発表の内容

2008(c)kimihiko hasegawa

1.TRIZを利用する際の壁

2008(c)kimihiko hasegawa

TRIZの思考プロセス(ARIZ92) 「TRIZの理論とその展開」、産能大学CPM/TRIZ研究会、産能大学出版部発行

問題状況の記述

最終理想解の定義

中核となる物理的 矛盾の再定義

技術的矛盾の定義

初期の物理的 矛盾の定義

対立点の明確化

物質-場モデル の作成

対立領域と 有効資源の分析

SLPモデルの活用

効果集の適用

資源(リソース)の活用

76の発明標準解 の適用

分離の原則の適用

技術的矛盾マトリックス 40の発明原理の適用

分離の原則の適用 資源(リソース)の活用

解 決 コ ン セ プ ト

(分析活動) (知識ベース活動)

2008(c)kimihiko hasegawa

現在のTRIZ を巡る状況 「ビジネス&マネージメントの 体系的技術革新」、ダレル・マン著、ifr

2008(c)kimihiko hasegawa

TRIZを利用する際の2つの壁

技術的矛盾 矛盾マトリックス 40の発明原理

特定の発明原理

進化の現在位置 進化のトレンド 進化の将来位置

物質-場分析 76の発明標準解 特定の標準解

物理的矛盾 4つの分離の原則 特定の原則

工 学 的 効 果 集

解 決 コ ン セ プ ト

特 定 解 / 具 体 案

特 定 の 問 題

抽象化の壁 具体化の壁

一般的な問題 一般解 知識ベース

2008(c)kimihiko hasegawa

2.アイデア出しにおける 組み合わせ

2008(c)kimihiko hasegawa

情報を新しい知識に変える方法 「発想力の冒険」、高沢公信著、産能大学出版部発行

今の状態を一度分解して、新しい関係を見つける 1.分ける まず、情報をバラバラにする(カード化) 2.まとめる 共通点を有するグループにまとめる(KJ法、親和図法) 3.組み合わせる グループ同士の新しい関係を見つけ出して、全体像を描く (1)ランダムに組み合わせる 属性列挙法、形態分析法 (2)モデルを参考にして組み合わせる

2008(c)kimihiko hasegawa

アイデアを組み合わせる

機能(有用、有害、不十分、過剰) アイデア 観点(部品、属性、環境、使用者)

日本国内のみ 世界中どこでも使える 電波

落とすと壊れる 落としても壊れない 強度

ボタンを押す 音声入力できるようにする キー

2~3日しか持たない 太陽電池で作動させる バッテリー

手で伸ばす 自動で伸ばす アンテナ

キャラクターサイズは一定 サイズを変えられるようにする 画面

直方体 円柱状の持ちやすい形にする 形

電車の中では使えない 周りの人に迷惑をかけずに使える 使用する場所

手に持つ 手に持たない 持ち方

湿気に弱い 防水仕様にする 防水

年配者が使う 緊急時対応機能を持たせる ユーザー

厚すぎる カード型にする 厚さ

道に迷うことがある ナビゲーション機能を設ける 機能

理想解、トレンド、逆発想

組み合わせ

2008(c)kimihiko hasegawa

組み合わせ理論

創造とは、既存の要素(見慣れたもの)から新しい組み合わせ(見慣れないもの)を作り出すこと(E・ヴァン・ファンジェ)

創造とは、今までの経験では異質と思われるAとBとを組み合わせて、新しい働きを生じるCを完成すること(池澤七郎氏)

論理の世界では異質であるが、イメージの世界では組み合わせること(創造)ができる

+ → A B C

2008(c)kimihiko hasegawa

シネクティクスにおけるアナロジーの手法 「発想力の冒険」、高沢公信著、産能大学出版部発行

馴質異化→異質馴化、対象を観点を変えて見直す

(抽象化) (具体化)

1.擬人的類比(PA)

対象としているテーマになりきることで、その機能を果たすアイデアを探る

→TRIZのSLP(賢い小人)

2.直接的類比(DA)

対象としているものを見慣れた実例(自然界の出来事)に置き換え、類似 点に着目し、機能を実現するアイデアを探る→NM法

3.象徴的類比(SA)

テーマの本質を抽象化(一般化)して「(正)の(反)」といった矛盾の関係を

確立し、矛盾を解消するアイデアを探る→TRIZの技術的矛盾

4.空想的類比(FA)

潜在的な願望のままに、自由にアイデアをふくらませていく

シネクティクスとは、「異なった関連なさそうな要 素を結びつける」といった意味をもつギリシャ語

2008(c)kimihiko hasegawa

異質の組み合わせ(シネクティクス)

タマゴ コップ

タマゴのイメージ コップのイメージ

馴質異化→異質馴化、対象を観点を変えて見直す

(抽象化) (具体化)

イメージを拡大した共通部分

(イメージで結合された部分)

2008(c)kimihiko hasegawa

NM法の思考手順 「NM法のすべて」、中山正和著、産能大学出版部発行

⑤ アイデアの発想 QC→ABD

課題設定と

キーワードの選定

TM→KW

② アナロジーの探求

KW→QA

③ アナロジーの 背景の探求 QA→QB

NM法の思考手順 ④

ヒントの案出 QB→QC

野外で遊んだ経験がないと自然界の

アナロジーがわかない

ヒントから具体的なアイデアにするには、使う人に 固有技術がないと無理

個々のアイデアをどう組み合わせ るかの枠組みにモデルを使う

2008(c)kimihiko hasegawa

異質の組み合わせ(NM法)

QA:帽子、ヘルメット

コップ タマゴ α

本質を表すキーワードによって両者に共通するアナロジーを検索する

TM:タマゴの容器 、KW:しっかり

QB:そこでは何が起きているか?

QC:透明なタマゴパック

2008(c)kimihiko hasegawa

等価方程式 「創造工学」、市川亀久彌著、ラテイス社発行

第1理論(静的に定義された論理) あい異なった事象(A,B)の間に適当な思考観点(vi)を設定して、 両者に共通する構成要素(等価次元のεとその限定条件のc)を抽出し、 これによって二つの事象間に等価関係を見つけ出す 第2理論(動的に定義された論理) 適当な思考観点(vi)を設定して分解と捨象の手を加えて(出発系特有の 条件群Σaの廃棄)、過去から未来に伝承すべき構成要素(cε)を抽出し、 同時に、これに新たなる歴史的条件(到達系の特有の条件群Σb)を導入

して、出発点となった事象(A)を新たな現実(B)に変換再構成する

Aο:出発系 vi→:観点 Σa:不必要要素 c:限定条件

ε:等価次元

Σb:必要要素

Bτ:到達系

Σa ↑ cε

Aο = Bτ vi→ ↑ Σb

2008(c)kimihiko hasegawa

等価変換理論の思考手順 参考:「創造工学」 、市川亀久彌著、ラティス社発行

⑤ 必要要素の付加

↑Σb 解決案 Bτ

課題設定と

本質的目的の抽出

vi→,TM→ε

② モデル技術の探求

ε→Aο

③ 本質的手段の探求

Aο→c

等価変換理論の

思考手順

④ 本質的機能の案出

(cε 結合)

どんな要素を付加するとよいかの判断は、使う人に 固有技術がないと無理

不必要要素の廃棄

↑Σa

解決案と本質が共通するモデルをよく知っている分野から見つ

ける

個々のアイデアをどう組み合わせ るかの枠組みにモデルを使う

2008(c)kimihiko hasegawa

異質の組み合わせ(等価変換理論)

cε(vi→)

↑Σa

↑Σb

Aο Bτ

共通する本質

(出発系) (到達系)

c:限定条件

Σa:不必要要素

ε:等価次元

Σb:必要要素

vi→:観点

鳥 飛行機

機械系の構造

生物系の構造 空を飛ぶ

2008(c)kimihiko hasegawa

比較発想法の三手法 「比較の発想」、金野 正著、(株)日科技連出版社発行

1.対比(空間対比、時間対比) 別のあるものと直接に比較対照する ことによって特徴を浮き彫りにする。 2.類推(アナロジー) ある対象Aを取り上げ、その中で本質 的と思われる要素に注目し、他のものは 気にしないでそれだけを取り出し、それ を核として必要な要素を補足し、別の対 象Bに仕上げる。 3.止揚(TRIZの技術的矛盾) 一見すると二つのものが対立・矛盾する 場合に、二つのものをより高次の立場で 統合する。

a1:a2 ~ b1:b2

a1 a2 b1 b2

a b

ε ε

a=b

b a >-< ↓

ε

ε ε

2008(c)kimihiko hasegawa

異質の組み合わせ(類推) 「比較の発想」、金野 正著、(株)日科技連出版社発行

①本質に注目する ③別の対象に仕上げる ②本質だけを取り出す (共通な要素)

対象A 対象B

a1 : a2 ~ b1 : b2 米 :ポリライス ~ ジュース: x

(ε共通点:ビタミン添加) x=ジュース+ビタミン=プラッシー

一般化 (抽象化)

特殊化 (具体化)

2008(c)kimihiko hasegawa

cε:共通する本質

↑Σa:不必要要素

(川の流れを生む自然)

↑Σb:必要要素

(入口と出口のコンベアシステム)

Aο Bτ

(出発系) (到達系)

異質の組み合わせ(ブレークスルー) 「『パパ・ママ』創造理論」、日比野省三著、(株)講談社発行

Aο:出発系

(川の流れ) 「

色々な向きで流れてきた木の葉が川の中

の岩に当たると、皆同じ向きに(先頭が

下流を向いて)流れていく」

Bτ:到達系

(自動改札機)

「投入口からバラバラの向きで入ってきた

切符を、一定方向に向きを整えて排出口

から排出する」

TM:目的(方向を整える)

vi:観点、価値観(連続的に)

「移動物体に回転モーメントを与える」

成果の確認 評価項目と目標値

夢、願望、理由と「場面」の設定

2008(c)kimihiko hasegawa

3.組み合わせと類推

2008(c)kimihiko hasegawa

鳥のアナロジーだけからでは 飛行機は完成しない

cε(vi→)

↑Σa

↑Σb

Aο Bτ

共通する本質

(出発系) (到達系)

c:限定条件

Σa:不必要要素

ε:等価次元

Σb:必要要素

vi→:観点

鳥 飛行機

機械系の構造 (プロペラ)

(羽ばたき) 生物系の構造 空を飛ぶ

2008(c)kimihiko hasegawa

等価変換理論の事例(飛行機)

鳥 頭 胴体

主翼 尾翼

主翼の往復運動

足 空中飛行 食料

プロペラ機

操縦者 機体 乗客 主翼 尾翼 垂直翼

プロペラの回転 車輪

空中飛行 燃料

操船者 船体 乗客

スクリューの回転 車輪

水上航行 燃料

「都市と創造的遭遇」、芝原宏治の論文の表5を一部修正

(1)類推はあくまで類推であるが、 類推から出発しなかったら、飛行機の発明に到達しなかったのではないか。 (2)Σbの付加の段階でも類推が働いているのではないか。

2008(c)kimihiko hasegawa

類推と等価変換的思考方法の関係 「独創的研究の方法論」、市川亀久彌著、(株)三和書房発行

筆者は以上に指摘した思考目的を満足する如き思考方法を、技術 論的見地から、「等価変換的思考方法」という言葉で定義する。した がって、心理学上で定義されている類推なるものは、筆者の定義す る等価変換的思考方法の概念の中に含まれる。

類推思考方法の役割は、未知対象を既知識の加工形態において 把握するための思考手段であるという点である。それは、本質的に は相異なる二つの対象の、一方もしくは双方を新しい角度から見直 して、結果としてこの相異なる双方をある約束の下に等号で結びつ けることに他ならない。

2008(c)kimihiko hasegawa

4.抽象化の壁を破るヒント

2008(c)kimihiko hasegawa

等価カードの活用

第1理論(静的に定義された論理) あい異なった事象(A,B)の間に適当な思考観点(vi)を設定して、 両者に共通する構成要素(等価次元のεとその限定条件のc)を抽出し、 これによって二つの事象間に等価関係を見つけ出す

cε =

船 飛行機

前方の流体を (回転翼によって) 後方へ排出して 推進する

2008(c)kimihiko hasegawa

なぞかけの活用

cε

~とかけて

~と解く

その心は

船とかけて

飛行機と解く

前方の流体を(回転翼によって) 後方へ排出して推進する

2008(c)kimihiko hasegawa

cε辞典法による技術概念定義

等価変換理論では、

技術とは一定の技術目的を実現するための行為の体系であるとし、「~(名詞)を~(形容詞・副詞句:状態表現語)で~する(動詞)。」が技術を表す最小単位であるとしている。

(動詞)

室内の空気 を 気化潜熱 によって 冷却する

(名詞) (形容・副詞句:状態表現語)

(行為対象) (行為目的) (技術手段)

c ε

2008(c)kimihiko hasegawa

特許請求の範囲を

cε辞典法で作成する

請求項に区分して、各請求項ごとに 特許出願人が特許を受けようとする 発明を特定するために必要と認める 事項(発明特定事項)のすべてを記 載しなければならない。 【請求項1】 【請求項2】 【請求項3】 ・ ・ ・

特許請求の範囲

創造の理論から見た

特許請求の範囲の構造

A(対象)をR(B(条件)、C(状態)、D

(手段))でE(動作)するI(発明の名称)

において、

Σ (ajをrj(bj、cj、dj)でejするij)ことにより F(機能・作用)ができるようにしたことを

特徴とするI′ (発明の名称)。

*ただし、I≧I′(概念の広さ)

(村上忠良氏の「PI提案書」より)

2008(c)kimihiko hasegawa

「レーザイオン化質量分析用試料作成方法 および試料ホルダ」の特許請求の範囲

従来技術 発明

2008(c)kimihiko hasegawa

「レーザイオン化質量分析用試料作成方法」の特許請求の範囲

A:固体試料から引出したイオンを R:イオンの質量を求める装置により、固体試料を分析するに当たり E:分析部に導く I:試料を作成する方法であって ai1:固体試料を ci1:溶媒で溶かして ei1:試料溶液を作る ii1:試料溶液作成工程と ai2:試料溶液と、グリセリン等の高粘性で低蒸気圧の液体と、金属微粒子とを ci2: ei2:混合する ii2:混合物作成工程と ai3:混合物を ci3:イオンの質量を求める装置の試料ホルダに ei3:塗布する ii3:混合物塗布工程とによって F:(イオンの生成が長時間に亘って可能になる)ようにしたことを特徴とする I′:レーザイオン化質量分析計用試料作成方法。

従来技術

発明

2008(c)kimihiko hasegawa

「レーザイオン化質量分析用試料ホルダ」 の特許請求の範囲

A:イオンを R:パルスレーザ光の照射により E:試料から引出して分析部に導く I:イオンの質量を求める装置において、 ai1:固体試料を溶媒で溶かしてなる試料溶液と、グリセリン等の高粘性で 低蒸気圧の液体と、金属微粒子とを混合して作成した試料を ci1:試料塗布面に塗布して ei1:保持する ii1:試料ホルダであって、 ai2:試料塗布面に ci2:複数の一様な凹凸を ei2:形成した ii2: F:(試料ホルダ面上で試料が均一である)ようにしたことを特徴とする I′:レーザイオン化質量分析計用試料ホルダ。

2008(c)kimihiko hasegawa

5.具体化の壁を破るヒント

2008(c)kimihiko hasegawa

NM法H型を使う 「発想の論理 」、中山正和著、中央公論社発行

⑥ アイデアの発想(QC→IDEA) 第1タンクと第2タンクを繋ぐパイプをゆっくり回転させる

② キーワードの選定(TM→KW):具体化のアイデアを出す 螺旋に沿って泡を浮かせる、邪魔板をおく、撹拌する、無重力にする

③ アナロジーの探求(KW→QA) 風呂の中の肌につく水玉、鳴門の渦潮、ジェット機の急降下

④ アナロジーの背景の探求(QA→QB) とがった物の先に泡がついている、渦巻き流、急上昇から急降下

① 課題設定(TM):解決コンセプトをテーマとする

液中に気泡を長時間滞留させて、液中にガスを溶解させる

⑤ ヒントの案出(QB→QC) 尖端からガスを少しずつ出す、ドラムを回して撹拌する

2008(c)kimihiko hasegawa

FBSブロック・ダイヤグラム 「デザイン・ツー・コストの新しい考え方とその手順 」、

江崎通彦著、産能大学出版部発行

小型懐中電灯

最小限の電池と電球の組み合わせでON-OFFできるようにする

棒状 薄い箱形 球形

ON-OFF回路

電池と電球をつないでON-OFFをする

A方式

電池を

動かす

B方式

スイッチをつける

ケース

電池、電球を包み込む

A方式

一体型

B方式

部品

組立型

電池 電球

(1)課題(レベルⅠ)

(2)要するにそれでわれわれは 何をしようとしているのか?

(3)そのためのアイデア2~3案は?

(4)アイデアの比較結果は?

(5)どのような区分に分けて(課題レベルⅡ) それを実現したらよいか?

(6)要するにそれでわれわれは 何をしようとしているのか?

(7)そのためのアイデア2~3案は?

2008(c)kimihiko hasegawa

等価変換フローチャートの中の 組み合わせ(私見)

1.問題の本質ε 目標を実現する思考観点viを設定し、問題の本質ε(機能)を抽出する 2.事象Aο(モデルの利用) 本質εを念頭において、熟知系οの事象群(ΣAο-i)の中から特定のAοを大局的

見地から選択する(熟知系アナログルート) 3.限定条件c=Aο-Σa 選定された事象Aοを詳細に分解し、一般性のある限定条件c(状態表現語)を抽出する ことでAοの特有の性質Σaを廃棄する 4.事象A′τ(知識ベースの利用)→モデルの利用 本質εを念頭において、対象(obj)を含むあらゆる変換系群(ΣXτ-i)の中から可能

性の高い特定のA′τを選択する(変換系ディジタルルート) 5.変換系τの特有の性質Σb 選定されたA′τの特有の性質Σbを抽出する 6.解決案Bτ=cε+Σb=Aο×A′τ(AルートとDルートとの組み合わせ) 本質εと限定条件cとを結合した本質的構成要素cεと、新しい要素Σbとを各種の角度 から組み合わせる(思考実験、試作)→モデルの利用

2008(c)kimihiko hasegawa

発明活動

における

情報処理

パターン

明細書 発想法

NM法T型

等価変換 作画法

NM法S、A型

等価 変換 技法

FBS テクニック

親和図法

事象 PAG

ΣTI ΣMI

Σb

PAU

KW

QA

ΣKW

QB Σa

QC IDEA

ABD 未完成 発明

思考実験 具体案

試作品

出願発明

願望 不満足

完成度

進歩性

ΣQA 狙い

NO

NO

OK

OK

NO

受動的 スタート

能動的 スタート

【外部情報】 【内部情報】

(脳梁) (右脳) (左脳)

NO NO

OK

vi→

ε

Aο

Bτ

ΣAο

c cε

cε辞典法

NM法H型

2008(c)kimihiko hasegawa

6.原因追及型アプローチの壁と その壁を破るヒント

2008(c)kimihiko hasegawa

現在のTRIZ を巡る状況 「ビジネス&マネージメントの 体系的技術革新」、ダレル・マン著、ifr

2008(c)kimihiko hasegawa

「特性要因図」の例

特定の要因と他の項目の要因との関係がわからない

2008(c)kimihiko hasegawa

「連関図」の例

結果と原因との因果関係を表す

結果

原因

結果=原因

結果=原因

結果=原因

原因

原因

原因

結果=原因

結果=原因

結果=原因

結果=原因 結果=原因

結果=原因

結果=原因

結果=原因

結果=原因

結果=原因

2008(c)kimihiko hasegawa

根本原因分析の問題点(1)

なぜ、なぜ展開

根本原因分析

問題解決に当たり、現状システムの構成要素のレ ベルで発生している根本となる問題の原因(以下、 根本原因という。)の分析から始めることがある。

具体的には、好ましくない結果に対して下位の要 因を展開することにより根本原因を抽出する。

根本原因の抽出

系統図の最下位に位置する要因が 根本原因として抽出される。 →根本原因は一つではない。 →時間と労力の関係で主要な要因を二つ三つ 選んで解決する。

原因究明にはデータが必要

他の項目の要因との 因果関係までは不明

全体最適を実現するには?

部分最適に陥るおそれがある

2008(c)kimihiko hasegawa

根本原因分析の問題点(2)

「究極の理想解」というものがあるように、 「究極の原因」というものがないのか?

根本原因であるかどうかはどのようにしてわかるのか? 根本原因は一つか?それとも複数あるのか? 複数あるとすると、どこから手をつければいいのか?

2008(c)kimihiko hasegawa

TOCの論理ツリーを使う 「TOC制約理論のひろば」佐々木氏のホームページより

1.特性要因図、系統図、なぜなぜ分析

2.TOCの論理ツリー

一つの特性(状態)は複数の要因(原因)の影響を受けているといったこと が表現されている(論理和の表現)が、どの根本要因(原因)に手を加えれ ばよいかの判断が難しい。

論理和の表現だけでなく、ある原因とある原因とが組合わさると特定の 特性(状態)が生じるといったことが表現されている(論理積の表現)ので、 どの原因に手を打てば結果をコントロールできるかがわかる。

2008(c)kimihiko hasegawa

根本原因とは何か 「TOC制約理論のひろば」佐々木氏のホームページより

TOC思考プロセスでは、「中核対立」が原因となって、すべての好ましくな い結果(問題)が起きていることを「現状ツリー」で確認する。

根本原因とは、すべての好ましくない結果(問題)の原因となっているもの をいう。

根本原因とは、多数の現象、事象の「共通原因」のことであり、一つの現 象、事象から根本原因を探すことは困難である。 共通なのは問題を起こしている現象、事象の対立構造であって、この共通 性のある対立を「中核対立」という。

「中核対立」かどうかをどのようにして確認するか?

2008(c)kimihiko hasegawa

2種類の問題 (ハードシステムとソフトシステム)

システム全体の因果関係が 明らかになるもの。 (個々の構成要素間の物理・ 化学現象をたどる) 機械、建築、土木 電気、電子 半導体、光学 情報、通信、ソフトウェア 農業、バイオテクノロジー 組成物、合成樹脂、薬品 水産、食品

システム全体の因果関係が わかりにくいもの。 人・組織の問題 ビジネス、経営 マーケティング

ハードシステム (技術問題)

ソフトシステム (非技術問題)

TRIZ/ET/NM/TOC/SSM

2008(c)kimihiko hasegawa 2008(c)kimihiko hasegawa

現状ツリー

中核対立図が本当に好ま しくない状態(問題)の中核 問題であるかどうか、現状 ツリーで確かめる。

2008(c)kimihiko hasegawa 2008(c)kimihiko hasegawa

未来ツリー

好ましくない状態(問題)が

好ましい状態に変わることを未来ツリーで確かめる。

2008(c)kimihiko hasegawa

何がTRIZを 離陸させるのか

報道による支持

転回点を見つける

有名人による箔付け人気

マスメディアや人気映画のプログラムを作る

良い入門書を作る

ユーザに成功を保証する

政治的な支持

TRIZを学校や大学の教科に

大きな問題の解決

証明や認可済みの資格

「ビジネス&マネージメントの 体系的技術革新」、ダレル・マン著、ifr

信仰から 流行へ