tseシーケンスで...
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公益財団法人 田附興風会 医学研究所
北野病院放射線科 川浜 実
TSEシーケンスで前立腺(T2W)
関西Gyro 第22回
関西Gyro 第21回
1.5T Intera R2.6• QDバードゲージcoil (ファントム検討)• TC32ch coil(臨床検討)
解析 Image-J
使用装置・機器
関西Gyro 第22回
前立腺の解剖
前立腺はPZ、CZ、TZの3つの領域にわけて取り扱う
前立腺癌の領域別発生率はPZに約75%
P Z : 辺 縁 域C Z : 中 心 域T Z : 移 行 域
関西Gyro 第22回
<本日の内容>
TSEの特徴的画質変化をファントムで検証。
• T2の平均化• 脂肪の高信号化(J-coupling・MTC効果)• Blurring
高分解能・高コントラスト ・短時間 ( 3分程 )で前立腺 を撮像可能な ハ ゚ ラ メ ー タ を 検 討
関西Gyro 第22回
マルチエコー法 用いてボランティア前立腺のPZ・CZ・TZ・EDのT2値を計測
<条件>TR4500msecTE20~240msecmatrix128×128Slice厚 5mmBW83Hz
ファントム作成
ED
CZ
COR
TZ
PZ
TRA
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240
SI
TE
前立腺各領域の平均T2カーブ
PZTZ CZED
<T2値( m sec)>
PZ TZ CZ ED
範囲 120~145 56~80 99~111 124~362
平均 136 70 105 233
関西Gyro 第22回
自作ファントムのT1・T2値
PZ TZ CZ ED
T1 707 652 970 2244
T2 135 65 95 260
上記にoilファントムを加えた、合計5つの自作ファントムの各コントラスト変化を検討。
< m sec>
関西Gyro 第22回
<本日の内容>
TSEの特徴的画質変化をファントムで検証。
• T2の平均化• 脂肪の高信号化(J-coupling・MTC効果)• Blurring
高分解能・高コントラスト ・短時間 ( 3分程 )で前立腺 を撮像可能な ハ ゚ ラ メ ー タ を 検 討
関西Gyro 第22回
高速SE法では複数TEでk-spaceを充填する為、T2が平均されたコントラストに変化。
T2の平均化
関西Gyro 第22回
CNRに計測法• 組織間測定法(空中雑音) (SIa-SIb)/SDair
①PZ:CZ②PZ:TZ③CZ:TZ の各CNR計測。
• ①~③の平均を全体のCNRとした。
T2の平均化:TEとCNRの関係で検証
<ファントム画像> ※EDとoilは含めない
関西Gyro 第22回
T2の平均化
0
20
40
60
80
100
120
0 50 100 150 200 250 300 350
CNR
TE
SE収集のTEとCNRの関係
0
20
40
60
80
100
120
0 50 100 150 200 250 300 350
CNR
TE
SE収集のTEとCNRの関係
関西Gyro 第22回
90~150msecの範囲で一定の高いCNR
T2の平均化
関西Gyro 第22回
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
CNR
TSE FACTOR
TSE収集(factor6~25)の各TEとCNRの関係
TE90 TE100 TE110 TE120 TE130 TE140 TE150
関西Gyro 第22回
関西Gyro 第22回
100~130msecが高CNR
関西Gyro 第22回
0 50 100 150 200 250 300 350
CNR
TE
SE収集のTEのCNRの関係
TE110
TE90
TE150
SE収集適正TE
shot duration
関西Gyro 第22回
SEの前立腺適正TEは90~150msec⇒TSEでは100~130msec
T2の平均化の為、TEをk-space中心に効率的に充填が必要
T2の平均化
前立腺の場合、TE100~130msec
関西Gyro 第22回
<本日の内容>
TSEの特徴的画質変化をファントムで検証。
• T2の平均化• 脂肪の高信号化(J-coupling・MTC効果)• Blurring
高分解能・高コントラスト ・短時間 ( 3分程 )で前立腺 を撮像可能な ハ ゚ ラ メ ー タ を 検 討
関西Gyro 第22回
echo spaceが短いとJ-coupling が阻害され脂肪高信号化
Linear orderの場合、TSE factorの増加に伴い、echo spaceが短縮
factor 6
factor 25
oil
脂肪の高信号化
関西Gyro 第22回
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
6 8 10 12 14 16 18 20 22 24
SI
TSE FACTOR
TE110のTSE factorに対する信号値変化
TZ CZ PZ ED oil
関西Gyro 第22回
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
6 8 10 12 14 16 18 20 22 24
SI
TSE FACTOR
TE110のTSE factorに対する信号値変化
TZ CZ PZ ED oil
関西Gyro 第22回
factor
TE6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
90 25.7 22.5 20 18 16.4 15 13.8 12.9 12 11.3
100 28.6 25 22.2 20 18.2 16.7 15.4 14.3 13.3 12.5
110 31.4 27.5 24.4 22 20 18.3 16.9 15.7 14.7 13.8
120 34.3 30 26.7 24 21.8 20 18.5 17.1 16 15
130 37.1 32.5 28.9 26 23.6 21.7 20 18.6 17.3 16.3
140 40 35 31.1 28 25.5 23.3 21.5 20 18.7 17.5
150 42.9 37.5 33.3 30 27.3 25 23.1 21.4 20 18.8
各TEのTSEfactorとecho space の関係
関西Gyro 第22回
factor
TE6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
90 25.7 22.5 20 18 16.4 15 13.8 12.9 12 11.3
100 28.6 25 22.2 20 18.2 16.7 15.4 14.3 13.3 12.5
110 31.4 27.5 24.4 22 20 18.3 16.9 15.7 14.7 13.8
120 34.3 30 26.7 24 21.8 20 18.5 17.1 16 15
130 37.1 32.5 28.9 26 23.6 21.7 20 18.6 17.3 16.3
140 40 35 31.1 28 25.5 23.3 21.5 20 18.7 17.5
150 42.9 37.5 33.3 30 27.3 25 23.1 21.4 20 18.8
各TEのTSEfactorとecho space の関係
脂肪の信号上昇
⇒ echo space 20msec以下
関西Gyro 第22回
echo space20msec以下だと脂肪が高信号化
※Linear order
TSE factorに応じてecho spaceが自動調節される為、Information画面の確認が必要。
脂肪の高信号化
関西Gyro 第22回
今回はファントムの性質上、MTC効果は検証は出来ず・・
<MTC効果>巨大分子に結合しているプロトンと自由水プロトンの飽和磁化が交換され 、相対的に脂肪と自由水が高信号になる現象。
⇒何度もリフォーカスパルス印加する、高いTSE factorは適さない
脂肪の高信号化
関西Gyro 第22回
echo space由来⇒J-coupling の阻害
プロトン間の飽和磁化交換由来⇒MTC効果
理想は• echo space20msec以上。• TSE factor は小さく
脂肪の高信号化
関西Gyro 第22回
<本日の内容>
TSEの特徴的画質変化をファントムで検証。
• T2の平均化• 脂肪の高信号化(J-coupling・MTC効果)• Blurring
高分解能・高コントラスト ・短時間 ( 3分程 )で前立腺 を撮像可能な ハ ゚ ラ メ ー タ を 検 討
関西Gyro 第22回
高速SE法はT2減衰由来の信号強度の異なるエコーを、同じk-spaceに充填する為にぼける=blurring
SI
T2
Blurring
関西Gyro 第22回
<原因>
k-spaceの高周波領域に終盤エコーが充填され、Phase方向の信号強度差がボケ関数として作用。
• データ収集中のT2減衰が大きい
(= shot durationが長い )
⇓⇓⇓⇓
blurringが大きい
Blurring
ー方法ー
PVCゲル封入測定用ファントム使用くさびのエッジ部分のプロファイルカーブで評価。
ー条件ー
TR4500msecTE90.100.110.120.130.140.150msecFOV220mmMatrix400×400slice thickness 8mm
関西Gyro 第22回
Blurring
phase
プロファイル
関西Gyro 第22回
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
7 9 11 13 15 17 19
SI
PIXEL
TE150のプロファイル
factor5
factor10
factor15
factor20
factor25
Blurring
関西Gyro 第22回
factor・
TE 6 10 15 20 25
90 154 164 169 171 173
100 171 182 188 190 192
110 189 200 206 210 212
120 206 218 225 229 231
130 223 236 244 248 250
140 240 255 263 267 269
150 257 273 281 286 288
各TEのTSE factor と shot duration の関係
factor6→25では、わずか20msec程度の延長
関西Gyro 第22回
Blurringとshot durationの関係を検討
⇒Asymmetric order (Echo Space 20msec)shot durationを増加させ Blurringを評価。
Blurring
関西Gyro 第22回
関西Gyro 第22回
• shot durationの延長でBlurring増加⇒約300msec未満では大差なし
• 今回撮像条件ではTSEfactor間でのBlurring増加せず
「可能ならば」shot durationは短く
Blurring
関西Gyro 第22回
ファントム検討の結果、TSEで前立腺を撮像する場合・・・
TE Echo Space TSE factor shot duration
100~130<m sec>
≦20<m sec>
小さく 可能なら短く
TE100TSE factor 9
関西Gyro 第21回
TE90 TSE factor9 TE150 TSE factor15TE120 TSE factor12
TE90・120・150を比較。
• 全体的な信号強度• 前立腺内コントラスト
⇒TE120が優れる
ファントム結果の検証(TE その①)
関西Gyro 第22回
TE100
TE120
TE110
TE130
ファントム結果の検証(TE その②)
関西Gyro 第21回
TE90 factor15 TE90 factor9
①前立腺内のコントラスト。②前立腺周囲の脂肪信号差で筋膜・静脈叢の描出。
⇒小さなTSE factorが優れる
ファントム結果の検証(TSE factor)
関西Gyro 第22回
ファントム検討の結果、TSEで前立腺を撮像する場合・・・
TE Echo Space TSE factor shot duration
100~130<m sec>
≦20<m sec>
小さく 可能なら短く
動きの影響も検討必要
関西Gyro 第22回
腸管ガス・蠕動運動等の動きの影響を検討
高コントラスト高分解能でも、 motion artifact で評価できなければ意味がない・・・
<TSEの特徴>TSE factorが大きい程、Echo Space短縮し、動きに強い
motion artifact
ES 50msecES 10msec
関西Gyro 第22回
motion artifactの検証
• TE100 の条件にて echo spaceを変えて比較。• 動きに影響されやすい精嚢レベルで評価。
関西Gyro 第22回
ES20msec ES15msec
ES10msec ES8msec
関西Gyro 第22回
motion artifact
• echo spaceが長いとmotion artifact が増加
⇒約15msec以下が許容範囲※但し、腸管ガス目立つ場合は要考慮
関西Gyro 第22回
前立腺MRI
TE Echo Space TSE factor shot duration
100~130<m sec>
≦20<m sec>
小さく。 可能なら短く。
関西Gyro 第22回
前立腺MRI
TE Echo Space TSE factor shot duration
100~130<m sec>
≦20<m sec>
小さく。 可能なら短く。
motion artifact 考慮15msec以下
関西Gyro 第22回
前立腺MRI
TE Echo Space TSE factor shot duration
100~130<m sec>
≦20<m sec>
小さく。 可能なら短く。
TE100TSE factor 12
motion artifact 考慮15msec以下
当院のルーチン
関西Gyro 第22回
検討結果Scan time 3:36 Scan time2:59
関西Gyro 第22回
ES:15msec ES:11msecScan time 2:59 Scan time 2:16
TSE factor 16TSE factor 12
関西Gyro 第22回
まとめ
関西Gyro 第22回
まとめ
TE 100msecTSE factor 12ES 15msecShot duration 188msecscan time 2:59min
関西Gyro 第22回
まとめ
• 目的TEを効率よくk=0に配置
• TSE factor増加はT2コントラスト低下
• shot durationが長くならないように確認
• motion artifact はecho spaceで調整
関西Gyro 第22回
御清聴有難うございました