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今月のトピック
ブラジル向け産業機械設備・装置規制 NR-12 解説セミナー開催 ‒ p.2 NEWS from TÜV Rheinland Group 新しいデザインのGSマーク認証10,000 件目はレノボに ‒ p.3
2013 年 第 9 号
<特別寄稿>ワイン祭 inヴィースバーデン – p.8 <コラム> ドイツの再生可能エネルギー巡り:其の 13 ドイツで一番安全な太陽光発電パネル ‒ p.10 ソーラーテクノロジーニュースのご案内 – p.11 セミナー・展示会情報 ‒ p.12 表紙写真はテュフ ラインランド ジャパン 大城浩貴が
撮影しました。8ページの関連記事もぜひご覧ください。
テュフ ラインランドの新しい認証マーク市場への浸透が進んでいます– p.4 テュフ ラインランド ジャパン 代表者変更のお知らせ – p.4 「夏休みガールズデー」開催 女性の技術職への進出を推進 – p.5 アジア・パシフィック再発見 テュフ ラインランドのアジア・パシフィック 地域オフィスの紹介 ベトナム – p.6
2013年 第9号 2
ブラジル向け産業機械設備・装置規制
NR-12 解説セミナー開催 テュフ ラインランド ジャパンは、8 月 27 日にブラジル向け産業機械設備・装置規制であるNR-12 の解説セミナーを横浜で開催しました。セミナーでは、テュフ ラインランド ブラジルオフィスの機械関連認証部門責任者 ロビンソン・モリナーリが講演を行い、NR-12 で求められている具体的な内容、適用範囲、必要となる対応などを解説しました。 BRICS のひとつであるブラジルは、サッカーワールドカップや五輪開催を控え、経済も安定し、現在アメリカ大陸第二位の経済大国となっています。日本のメーカーは多種多様な製品をブラジルに輸出し、また現地に工場や子会社を設立するなど、日本とブラジルは重要な経済関係を築いています。 ブラジルで使用される機械・機器は、中古・新品に関わらず、NR-12 規格への適合が義務付けられています。2011 年の改定により、このNR-12 への適合要求が厳しくなり、ブラジルでの検査で不適合が見つかった場合は、機械の使用中止を求められることもあります。 NR-12 規格は、労働者の健康と身体安全を確保するための技術情報や原則、保護策を示し、機械・設備に関わる設計、製造、輸入、商取引、展示、権利移転の各段階における事故・労働災害防止のための最低要件を規定しています。該当する機械・設備の製造業者・輸入業者にとっては、ポルトガル語で用意しなければならない文書もあり、煩雑な作業が予想されます。 セミナーでは、活発な質疑応答も行われ、100 名近い受講者から高い関心が寄せられました。 テュフ ラインランド ジャパンはテュフ ラインランド ブラジルとのネットワークを活用し、NR-12 適合性評価サービスを提供しています。ぜひお問い合わせください。 テュフ ラインランド ジャパンNR-12 適合性評価サービス紹介ページ ◆お問い合わせは、カスタマーサービスセンター(TEL: 045-470-1850 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
セミナーの様子
2013年9号 3
NEWS from
TÜV Rheinland Group
テュフ ラインランドが発行する新しいデザインのGSマーク認証、10,000 件目はレノボに
2013年より、テュフ ラインランド グループの認証マークは新しいデザインに変わりました。このたび、新しいデザインのGSマーク認証の10,000件目が、レノボ(Lenovo)グループに対して発行され、北京のレノボグループ本社で、GSマーク認証書授与式が行われました。 今回認証を取得したサーバー「ThinkServer」は、GSマーク認証と同時に、CB証明、北米cTUVus認証を取得し、エネルギースター2.0の試験にも合格しています。
GSマークは、ドイツ製品安全法に基づいて検査され、安全性が認証された製品に付けられるマークです。認証の際には、製造工場の品質管理体制も問われます。工場検査では、認証を受けた製品が量産過程においても認証を受けた内容通り生産されているか、具体的には製品の品質管理工程、製造環境、試験・測定機器の保守などが検査対象になります。ドイツをはじめEUでは、一般消費者は購買時に、CEマーキングだけでなくGSマークの付いている製品を、より安心・安全な製品であると判断しています。 テュフ ラインランドは、本年1月に新しいデザインのGSマークに変更して以来、半年強で、記念すべき10,000件目の認証をレノボグループに発行いたしました。レノボグループはグリーンITに力を入れており、テュフ ラインランドもこれをサポートしてきました。レノボのディスプレイ製品に、テュフ ラインランドのグリーンプロダクトマーク認証を発行し、また2011年には廃電子機器の安全な処分に関するサービス契約を締結しています。 テュフ ラインランド ジャパン GSマーク紹介ページ ◆お問い合わせは、カスタマーサービスセンター(TEL: 045-470-1850 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
認証書授与式の様子
2013年 第9号 4
基本のマークデザイン 認証マークの例 (製品認証) (システム認証)
テュフ ラインランドの新しい認証マーク、
市場への浸透が進んでいます お客様よりお寄せいただいております信頼に責任を持ってお応えし、より一層の信頼性と透明性の向上を図るため、2013年よりテュフ ラインランド グループの認証マークは新しいデザインに変わりました。 日本においては、すでに多くのお客様にこのマークをご採用いただいております。また、グローバルにおいても新しいマークをつけた製品がますます増えています。新しいマークの導入にあたり、テュフ ラインランドはウェブサイトやPRにおいて、積極的に新しいマークの市場への浸透を図ってまいりました。今後も引き続き、お客様のご要望に応えられるよう、新しいマークのさらなる認知拡大を目指してまいります。 なお、新しいマークへの切り替え、その他のご質問などがございましたら、FAQをご覧いただくか、テュフ ラインランド ジャパンの担当者、またはカスタマーサービスセンターまで、ご遠慮なくお問合せください。
◆お問い合わせは、カスタマーサービスセンター(TEL: 045-470-1850 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
テュフ ラインランド ジャパン 代表者変更のお知らせ この9月1日をもちまして、ミヒャエル・ユングニッチュ代表取締役社長 兼 最高経営責任者が退任し、後任としてホルガー・クンツが就任することとなりました。 ホルガー・クンツは、現職であるテュフ ラインランド グレーター チャイナのシニア バイス プレジデントとしての職務を本年末まで務め、2014年1月1日付けで日本の代表取締役社長に着任いたします。 9月1日より本年末までの間は、トビアス・シュヴァインフルターが代表取締役として、その職責を遂行いたします。今後とも一層のご指導とご鞭撻を賜りたく心よりお願い申し上げます。 ◆お問い合わせは、カスタマーサービスセンター(TEL: 045-470-1850 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
2013年9号 5
「夏休みガールズデー」開催 女性の技術職への進出を推進 小学校 6 年の女子生徒を招待しワークショップ開催 テュフ ラインランド ジャパンは、地域社会に貢献できるよう、さまざまな活動を行っています。その一環として、2013 年 8 月 21 日、横浜市都筑区のテクノロジーセンターで、「夏休みガールズデー」を開催しました。
「ガールズデー」とは、ドイツ政府が 2001 年に始めたキャンペーンで、女性の技術職への進出推進を目的としています。企業、大学、研究機関
などが、技術を紹介するイベントに、小・中・高校の女子生徒を招待するもので、これまでに世界21 ヵ国 108,000 ヵ所でイベントが開催され 9,200 の機関が参加しています。テュフ ラインランド本社(ドイツ・ケルン)では、2012 年よりガールズデーを開催し、今年 4月には、ドイツの 3つのオフィスとハンガリーのオフィスでオープンハウスを行いました。テュフ ラインランド ジャパンは「ガールズデー」の趣旨に賛同し、このほどテュフ ラインランド テクノロジーセンターの近隣にある東山田中学校区学校支援地域本部のご協力のもと、「夏休みガールズデー」を開催いたしました。 「夏休みガールズデー」では、近隣の小学校 6年の女子生徒 20 名を招待し、製品安全、安全検査について学び、体験していただきました。電気通信大学の学生 4名にもボランティアとして参加いただき、第三者試験機関の仕事の紹介、製品安全ラボ見学やベビーカー開発のワークショップが行われました。 製品安全ラボ見学では、普段見ることのない製品の安全試験の現場で、エンジニアが多種多様な安全試験装置を生徒たちに分かりやすく紹介しました。「新しいベビーカー」をテーマにしたワークショップも行われ、お母さんが階段を簡単に登れるようにタイヤをキャタピラーにする、太陽光で動く扇風機を搭載するなど、斬新なアイディアが沢山発表されました。その後、見学した安全試験装置を使った安全検査の計画を立てるなど、一歩踏み込んだワークショップとなりました。
イベント終了後、生徒たちから「このベビーカーを実際に作って、お母さんたちの声を聞いてみたくなりました」、「将来、開発関係の仕事をしたいと思いました」などの声をいただき、今回のイベントが技術職へ興味を持っていただくきっかけとなったようです。また私達にとっても、安全検査の大切さを再確認するイベントとなりました。 テュフ ラインランド ジャパンは、従来の地域交流に加え、このようなキャリア開発の一助となる活動にも取り組んで行きたいと考えています。
◆お問い合わせは、カスタマーサービスセンター(TEL: 045-470-1850 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
エンジニアの説明に熱心に耳を傾ける生徒たち
ワークショップの様子
2013年 第9号 6
参考 ジェトロウェブサイト
日本の主な輸出入品目(対ベトナム)
アジア・パシフィック再発見 テュフ ラインランドのアジア・パシフィック地域オフィスの紹介
TÜV Rheinland Vietnam ベトナム
ベトナムは、過去に成長停滞や高インフレ、脆弱な金融構造問題を経験しました。現在は、対策を講じ、農業および産業分野で世界に大きく貢献しています。そして主要輸出国として、この東南アジア市場の一角に、多くの外資系投資家を誘致してきました。ベトナムにおける輸出産業の成長は、主に日本からの海外直接投資(FDI)に支えられています。
日本の主要輸出品目 鉄鋼・鉄鋼製品(17.7%) コンピュータ、電子製品・部品(11.4%) プラスチック製品・原料(7.9%)
日本の主要輸入品目 縫製品(15.0%) 電線・ケーブル(11.9%) 機械、設備等(11.7%)
ベトナムは米国および欧州に対して、衣料品・繊維、靴の主要輸出国となっています。消費者製品の安全や関連規制の枠組みを把握することは、他の東南アジア企業との競争において、優位性につながります。テュフ ラインランド ベトナムは最先端の試験設備を有し、製品安全や規制・規格の知識・経験が豊富な専門家が、数多くのベトナムのメーカーや多国籍企業に対し、輸出力を高めるサポートを行っています。 製品試験 - お客様のニーズに合わせて ベトナムには、現時点で 6,000 もの国家規格があります。このうち 38%のみが国際標準規格およびアジア諸国規格と整合されています。このように多くの規格が存在するため、ベトナムの輸出企業や諸外国のメーカーは、規制や規格について専門家のサポートを必要をしています。テュフ ラインランド ベトナムは、衣料品・繊維、靴、家具および食品を中心に、工場監査、輸出製品の出荷前検査、輸入製品の安全・品質確認、およびユーザビリティなど、広範な監査・試験を実施し、規格との適合性を評価しています。 製品を輸出する際、製品を試験し、認証を取得することが、小売市場での商品の信頼獲得につながります。しかし、現状としては、製品の試験・認証の重要性が、まだメーカーに十分浸透していないようです。また、輸出企業のなかには、輸入企業(購入側)から特定の要求事項がなければ、製品のリスク管理やブランド保護に関して対策をとらないケースもあるようです。 ベトナム国内に製造拠点を置く多くの外資系企業に共通していることですが、ベトナムで生産された製品、部品、電子部品の多くは、第三者機関の検査を受けずに、本社に送られています。しかし、テュフ ラインランド ベトナムの試験・認証のワンストップサービスを活用いただくことで、バリューチェーン全体で起こりうるリスクを最小限に抑えることができます。テュフ ラインランドのワンストップサービスを活用した多くの大手日系企業が、ベトナムでの事業を拡大されています。
2013年9号 7
通信機器 輸出産業がベトナムの経済成長に大きく貢献してきたように、通信産業も経済発展に重要な役割を果たしています。WTOに加盟した 2007 年以降、通信産業・IT 技術について、国内市場での適切な規格および仕様のニーズが高まりました。ベトナムでは、通信事業に関連するネットワークインフラやその他の通信サービスなどの電話事業を提供する際、関連する製品はベトナム製・外国製を問わず、ベトナム郵電公社の規制に記載されている要求事項に適合する必要があります。
テュフ ラインランドのベトナム国内外の監査員・専門家チームは、既にいくつもの日系企業のデータ通信関連製品の市場投入をサポートしてきました。例えば、日系大手企業の複合機、電子タッチペン、バーコードプリンタをはじめ、多くの電子・電気機器に対し、ベトナム国家技術規制に従って適合認証を発行しています。
テュフ ラインランド ベトナムは、多くの日系企業から、製品安全・品質の試験や認証だけではなく、マネジメントシステム認証についてもご相談をいただいています。ベトナム北部に拠点を置くお客様の 9 割が大手日系企業で、その多くは既にテュフ ラインランド ジャパンと取引があります。私たちはテュフ ラインランド グループのグローバルネットワークを通して、世界中でお客様をサポートしています。テュフ ラインランド ベトナムは ISO規格、またはお客様のご要望に応じた規格でサービスを提供しており、お客様のプロセス改善、リスクマネジメントをサポートします。また日本語でのお問い合わせにも対応が可能です。ぜひご連絡ください。 ◆お問い合わせは、カスタマーサービスセンター(TEL: 045-470-1850 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
食品分析試験の様子
2013年 第9号 8
祭りの日
<特別寄稿>
テュフ ラインランド ジャパン、運輸・交通部の検査官によるドイツ出張のエッセイをお届けします。
いつも一人旅の様な我が出張。今回の行き先、ドイツはヴィースバーデン。ヴィースバーデン(Wiesbaden)とはフランクフルト空港から車で西に30 分程の都市。 ヘッセン州には、経済の中心フランクフルトがあるが、聞くところによると州都はヴィースバーデンなのだそうだ。第二
次世界大戦の戦火を逃れ、観光で名高いハイデルベルグと共に古い街並みが現在も多く残る、歴史の香り高い街である。 ここでは毎年 8月にワインの祭りが行われる。いやいや、これまたすごい人出で賑わう祭りであり、市庁舎前広場には 200 におよぶワインのお店が出店し、お店を回るのも一苦労。人混みを縫うように様々な店のお勧めワインを飲み歩く、なんとも楽しい祭りである。日本では丁度お盆の頃、各家で実家に集まり親兄弟親戚達と酒を酌み交わす頃にこちらではワインで盛り上がるのである。正式にはラインガウ・ワイン・フェステバル(Rheingau Wine Festival)といい、前年にラインガウ地域で収穫、醸造された早熟な白ワインを楽しむ祭りだ。 ラインガウとは、マインツからリューデスハイム辺りまでのライン川沿い北側の地域を呼ぶそうで、特に白ワインが美味しくドイツ国内でも指折りの土地。どこのお店もぶどう農家自らがワインを販売しており、女将と若女将が店を仕切り、男連中は力仕事をこなし、看板娘が愛嬌を振る舞っていた。 ドイツではワイングラスに目盛りが刻まれていて、多くも少なくもなく、目盛りぴったりに出すところがドイツの厳格さを醸し出している。1杯の値段は、2.5 ユーロ(340 円)前後。ワイングラスのデポジットとして追加で 2ユーロ払う。「Trocken」の注記がビールで言うところの dry に当たり、甘くない、つまり辛口ということらしい。小生は辛口好きなので、その辛口とやらのワインを何種類もしこたま味わい、ホテルに辿り着くまでにはヘロヘロになっていた。いや~しかしどれもこれも美味かった!
2013年9号 9
ワインのお店
後日、ドイツ人の友達に連れられ、マインツに近いエルトビレ(Eltville)という小さな村に行ってみると、一面の丘陵地にぶどう畑が広がり、景色は最高、畑の入り口にワインを振る舞う店があり、たくさんのドイツ人と共に白ワイン片手に過ごす時間は、素晴らしい!!の一言。ライン川沿いにも同様の店があり、そこでも白ワインを堪能しながらライン川を眺め、短い夏を心ゆくまで満喫させて貰う幸運を得たのだった。 そうそう、バーデン(Baden)でピン!と来た方も多いと思うが、温泉もまた有名。日本人の宿命としてもちろん温泉にもどっぷり浸かってきたことは言うまでも無い。ヴィースバーデンの街の中
心にあるのは「カイザー・フリードリヒ・テルメ」という温泉なのだが、日本の温泉というよりサウナというのが正しいところではあった。 ドイツでは全く普通のことではあるが、もちろん男女分かれていない。しかも生まれたままの姿なのである。もちろん全員! フリードリヒ皇帝 万歳! ・・・ (落ち着け落ち着け^^;) まあ、内容を詳しく説明すると・・・その温泉というよりサウナには、全くの手ぶらで行ったのだが、受付をするとロッカーの鍵と大判のバスタオルを渡される。そしてそのロッカールームから衝撃が!老若男女一緒、若い人も多い!!しかしそこは小生も立派な大人であり、郷に入っては郷に従え、心を落ち着かせながら生まれたままの姿になり風呂場に向かう。 そこはなんと!古代ローマを思わせる装飾に目を奪われ素晴らしい!の一言。かなり緊張はしたが温泉通であるべき日本人としてゆったりと過ごすことに成功したのである。テルメ内にはたくさんの種類のサウナがあるが、日本のそれより押し並べて温度が低いので、日本人としては少々物足りない感もあり・・・。 まあ、ドイツ人達としてはそこにゆっくり長く入るのが普通らしい。そう言えば、小生の宿泊したホテルにもサウナがあったが、やはり男女一緒。水着の着用もせず、なのである。自然の姿、ということなのであろう。 出張は仕事、されどその地を知り楽しむ事も重要とする当方の過ごしたヴィースバーデンの夏の日は 1週間と短くはあったが、十分に美味しく、深く文化にも親しめる充実したものであった。 Fujifilm X-Pro1 with XF35mmF1.4R にて撮影。 (本誌表紙写真も筆者撮影)
筆者: 運輸・交通部 車両技術/型式認証課
大城 浩貴
2013年 第9号 10
ドイツの再生可能エネルギー巡り:其の 13 ドイツで一番安全な太陽光発電パネル
フライブルクはドイツの中でも再生可能エネルギーに関わりの深い市として知られています。環境保護対策を看板としている「緑の党」が初めて市長選挙で勝った市で、市長は再生可能エネルギーの先駆者です。フラウンホーファー研究機構の太陽光発電研究所があり、再生可能エネルギー関連の会社も数多くあります。また、フライブルク大学では「再生可能エネルギー」の修士号が取得できます。フライブルクは、2013 年のドイツ自転車協会(ADFC)のランキングで、二番目に自転車に乗る人にやさしい町として選ばれました(一番はミュンスター)。近郊のシェーナウは、「シェーナウの想い」という映画でも紹介されたドイツ初の市民所有電力会社があります。
フライブルクはシュヴァルツヴァルト(ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州に位置する森・山地。ドイツ語で「黒い森」の意味)の中央に位置し、だからこそ市民は一層自然を大切しているのでしょう。生活のあらゆる面で環境保護および再生可能エネルギーに取り組んでいます。市内には合計 12 万m2の太陽光発電パネルがあり、その投資額は 9,000 万ユーロ(117 億円)にもなっています。
フライブルクには、意外な場所にも太陽光発電パネルが設置されています。これまでこのコラムでは、文化保護財であってもリフォームされた一般住宅や、文化保護財であっても太陽光発電パネルが設置された古い教会を紹介しました。今回紹介する建物も、その「驚くべき建物」シリーズのひとつです。それは、135 年前(明治 16 年)に建てられた文化保護財の刑務所です。
このエコな街、フライブルクでは、刑務所の屋根でさえ太陽光発電パネルが設置されています。太陽光発電パネルの小さな部品は転売が出来るため、よく盗難に遭います。しかし、刑務所の所長は「ここのパネルはドイツで一番安全なはずです。刑務所ですから、決して盗まれないでしょう」と言っています。
フライブルクの刑務所
Photo by Taxiarchos228 via Wikimedia
2013年9号 11
刑務所での太陽光発電パネルの設置(800m2)は、2009 年に市民のイニシアチブによって計画されました。州の法務大臣がすぐに許可を出し、計画は実行されました。当初、囚人に設置作業を担当させようと計画していましたが、囚人は刑務所内の工房の別のプロジェクトで忙しく、実現しませんでした。そのため、外部の技術者に依頼しました。その出入りに対しては厳重な安全対策が設けられ、設置作業は順調に終わりました。
プロジェクトが告知された数週間後には、費用の四分の一は一般市民からの寄付で集まり、その金額が合資会社に投資されました。
刑務所に設置された太陽光発電パネルは、フライブルクの「プロジェクトレーギオミックス2030」の一部です。「プロジェクトレーギオミックス 2030」には、他にも水力発電所、風車の設置が含まれます。プロジェクト予算総額の 900 万ユーロ(11 億 7,000 万円)のうち、40 万ユーロ(5,200 万円)の予算がこの屋根に振り分けられました。プロジェクトが完了する 2030 年には、フライブルク市民の持つ発電所は合計 800 万 kWhを作ることになり、これは 2,600 世帯分の電力に相当します。これにより二酸化炭素は 4,500t も削減できます。
トルストイは「国家を判断する際には、その刑務所をみると良い」と言ったそうですが、ドイツの場合は、建物の外部、また屋上を見て判断して欲しいです。再生可能エネルギーがよく活用されて国も繁栄しています。
ソーラーテクノロジーニュースのご案内 太陽光発電に関する国際規制や評価技術をお届けします テュフ ラインランド ジャパンは、太陽光発電や太陽電池モジュール・セルなどの太陽光発電関連製品・部品について、国際規制や評価技術の最新情報を掲載する「ソーラーテクノロジーニュース」を10月に創刊する予定です。 「ソーラーテクノロジーニュース」はテュフ ラインランド ジャパンのウェブサイト(ニュース&マガジンページ)に掲載いたしますが、ご希望の方には、最新号発行のお知らせをEメールでお送りします。ぜひお問い合わせください。 ◆お問い合わせは、広報課(TEL: 045-470-1850 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
筆者:マーケティング部 サラ・シュターク
(日本語で執筆)
2013年 第9号 12
セミナー・展示会情報
セミナー IEC 60601-1:2005 第 3.1 版 最新版を徹底解説 (2 日間コース)
「IEC 60601-1 Ed.3.1」が 2012 年 8月に発行され、すでに新規開発
製品への適応を進めているメーカーもあるようです。欧州向けの
医療機器の対応はまだ強制ではありませんが、3.0 と 3.1 の要求
事項は大きく異なるため、今からしっかりと要求内容を理解し、
早めの対応をお勧めします。自社製品がどう適合できるか、適合の
ためにすべきことなどを把握することで、みなさまがスムーズに規
格適合に取り組めるよう、ぜひこの機会をご利用ください。
日 時:2013 年 10 月 7 日(月)~
8 日(火) 東京
2013 年 10 月 16 日(水)~
17 日(木) 大阪
参加費:52,500 円(昼食代込み)
場 所:東京、大阪
セミナー ☆無料☆ 自動車向け機能安全規格 ISO 26262 概要とサービス説明会
自動車向け機能安全規格 ISO26262 の基本を分かりやすく解説
し、お客様の以下のような疑問にお答えします。
「機能安全とは何か?」
「ISO 26262 は何を要求しているのか?」
「自分たちの製品は適用の対象か?」
「どのようなサービスを提供しているのか?」
日 時:2013 年 10 月 11 日(金)
14:00~16:00
参加費:無料
場 所:横浜
セミナー ISO 認証取得組織のための講習会と情報交換会 2013 ~今こそ考え直したい、経営改善のための ISO~
テーマは「今こそ考え直したい、経営改善のための ISO」。
「ISO が業務の足を引っ張っているからムダ」と考えていません
か。ISO規格の意図をもう一度考え直し、経営に寄与する ISOにつ
いて情報交換していただく貴重な講習会に是非ご参加ください。
日 時:2013 年 10 月 18 日(金)福岡
2013 年 11 月 1 日(金)横浜
2013 年 12 月 6 日(金)大阪
参加費:5,000 円
場 所:福岡、横浜、大阪
2013年9号 13
セミナー IEC 60950-1(第 2 版)セミナー
入門編 要求コース (定員 10 名) 対象 規格の基本的な要求を確実に理解したい方 IEC 60950-1 の各章の要求について、基本的な考え方を解説いた
します。規格書の 1 章から 7 章までが対象範囲です(定義を除
く)。基本的要求、要求に対する例外、試験方法に関して解説い
たします。
日 時:2013 年 10 月 18 日(金)
10:00~17:00
参加費:15,000 円
場 所:テュフ ラインランド
ジャパン 新横浜本社
全般 Q&A コース (定員 10 名) 対象 実際の製品に対して安全規格がどのように適用されるか
をさらに詳しく理解したい方
具体的な問題に対して、どのように規格書を適用するか、どのよ
うに規格を解釈するかを、参加者の質問に回答する形で解説いた
します。実際に参加者が悩んでいる問題、規格書の詳細な解釈な
どに関して、事前にお送りいただいた質問や、参加者からその場
でいただく質問に対して解説いたします。規格書すべてが対象範
囲です。
日 時:2013 年 11 月 15 日(金)
13:30~17:00
参加費:10,000 円
場 所:テュフ ラインランド
ジャパン 新横浜本社
セミナー ☆無料セミナー☆ IEC 62304 の概要、および適合について
主にメーカーの内部監査で対応がされている、IEC 623049(医療
機器ソフトウェア - ソフトウェアライフサイクルプロセス)は
IEC 60601-1 Ed.3.1 を新たに参照されています。この規格に適合
するため、第三者認証機関によるソフトウェアライフサイクル監
査を受けることになります。本セミナーでは、この規格の基本的
な考え方、規格には明記されていない解釈の例、監査のポイント、
不適合が出る傾向などについてご紹介します。
日 時:2013 年 11 月 6 日(水)
10:00~12:00
参加費:無料
場 所:横浜
セミナー BRC(食品)国際認証規格 内部監査員養成ワークショップ (規格要求事項の概要説明を含む)
BRC(食品)国際認証規格は、英国小売協会が開発した規格で、GFSI
承認食品規格のなかでも、EUをはじめ米国、アジア等、全世界
で最も普及している規格です。本ワークショップは、講義と演習
を合わせた 2日間コースで、BRC 監査指針、内部監査、監査員
スキル、さまざまなケーススタディを通したインタラクティブな
内容です。 習得した知識・技術を活用した演習を行います。ケー
ススタディ、講師によるアドバイスを通して、参加者の監査技術
向上を図ります。ワークショップテキストには、BRC 規格日本語
参考訳(抜粋版)も含まれます。
日 時:2013 年 11 月 13 日(水)~
14 日(木)
9:30~17:00
参加費:80,000 円
場 所:テュフ ラインランド
ジャパン 新横浜本社
2013年 第9号 14
セミナー 機能安全エンジニア資格(FSE)コース - IEC 61508
機能安全規格は初期からの安全設計を要求しており、当コースの
受講で設計・開発に関する要求事項を理解できます。機能安全の
概念を理解することで、IEC 61508 に適合する部品の選定をはじ
め、機器またはシステムの設計を、より確実・専門的に行うこと
が可能になります。また、機能安全には機能安全管理に関する要
求事項があり、人員の適性能力を立証する必要があります。当
FSE コース試験の合格者は、機能安全エンジニアの資格を取得で
きます。
日 時:2013 年 11 月 26 日(火)~
11 月 29 日 (金)
参加費:350,000 円(講義と試験)
場 所:新横浜
セミナー 放射性物質測定の実務者研修 【3 検査機関 共催】
この研修は、食品に含まれる放射性物質に対する消費者の不安の
解消に貢献するため、放射性物質測定の技術向上や精度管理を支
援することを目的としています。研修プログラムは、公益財団法人 日
本分析センター 、一般財団法人 日本冷凍食品検査協会 、テュフ ライン
ランド ジャパン株式会社 の 3 検査機関が共同で提供するものです。申
し込み書・詳細http://www.jffic.or.jp/news/20130409-767
日時など詳しくは下記ウェブサイトをご覧ください。 http://www.jffic.or.jp/news/20130409-767
セミナー 「ARK ACADEMY ホスピタリティマナーコーチ」講座 (3 日間コース) 【アークアカデミー主催】
ホスピタリティマナーコーチ講座は、職場でのホスピタリティマ
ナー強化・定着に向け、リーダーシップを発揮するための知識・
技能を習得する資格講座です。
※本講座は、アークアカデミーが研修を実施し、テュフ ライン
ランド ジャパンが試験、および試験合格者に対する個人認証を
提供します。
日 時:2013 年 10 月 15 日(火)~ 17 日(木) 以降毎月開催予定 参加費:120,000 円 場 所:テュフ ラインランド
ジャパン 新横浜本社
セミナー 「ARK ACADEMY ホスピタリティマナー」講座 (1 日間コース) 【アークアカデミー主催】
ホスピタリティマナー講座は、基本的なホスピタリティマナーと
は何かを理解し、おもてなしの心をを伝えるための知識・技能を
習得する資格講座です。
※本講座は、アークアカデミーが研修を実施し、テュフ ライン
ランド ジャパンが試験、および試験合格者に対する個人認証を
提供します。
日 時:2013 年 10 月 9 日(水)
以降毎月開催予定 参加費:28,000 円 場 所:テュフ ラインランド
ジャパン 新横浜本社
2013年9号 15
■機能安全エンジニア資格(FSE)コース 年間開催スケジュール http://www.tuv.com/jp/japan/about_us_jp/fairs_events/fse/schedule/fscourseschedule.html 詳しくはセミナーページ http://www.tuv.com/jp/training_and_education.html をご覧ください。
講演 「第 28 回 EU PVSEC 2013」で講演
パリで開催される太陽光発電の展示会、第 28 回 EU PVSEC
2013(9 月 30 日~10 月 4 日)にて、テュフ ラインランド は論文
発表を行います。テュフ ラインランドの発表は、講演プログラ
ム「Standardisation as Tool for Innovation and Cost Reduction
Standards for PV System Components」(10 月 3 日 13:30 ‒
15:00)の一環として行われます。
日 時:2013 年 10 月 3 日(木) 場 所:パリ
講演 「有機系太陽電池の性能評価・実用化最前線コース」で講演 【公財) 神奈川科学技術アカデミー主催】
テュフ ラインランド ジャパン 太陽光発電評価センター シニ
アスペシャリストリ守田賢吾が、「太陽電池の性能評価技術(ソー
ラシミュレータによる出力測定の留意点)」と題した講演を行い
ます。
日 時:10 月 23 日(水) 参加費:無料
場 所:川崎
展示会 POWER-GEN ASIA 2013 (パワージェン アジア)
テュフ ラインランドグループは、タイ・バンコクで開催される
「POWER-GEN ASIA 2013(パワージェン アジア 2013)」に出展い
たします。ドイツ本社、EU の技術責任者とともに、日本からも
産業部門責任者が参加、ブースで皆様をお待ちしております。
日 時:2013 年 10 月 2 日(水)~ 10 月 4 日(金) 場 所:タイ・バンコク
2013年 第9号 16
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