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TY122 1/19 7 N JC □□ コンタクト接点付圧力計 取扱説明書 長野計器 株式会社

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  • TY12-2 1/19 改 7

    ○N

    JC□□ コンタクト接点付圧力計 取扱説明書

    長野計器 株式会社

  • TY12-2 2/19 改 7

    目 次

    1. はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

    2. 用途 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

    3. 特長 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

    4. 仕様 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

    5. 運搬、保管、開梱上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

    6. 構造及び作動原理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

    7. 取付要領 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

    8. 設定方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

    9. 運転 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

    10. 保守点検 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

    11. 故障対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

  • TY12-2 3/19 改 7 1. はじめに

    コンタクトスイッチ付圧力計は、軽負荷用スイッチを内蔵した圧力計で、指示及び警報信号等を要

    求される用途に適します。

    コンタクトスイッチ付圧力計をご使用の際は、ここにその取扱要領を記しますので、本書をよくご

    覧の上、充分な理解の下で正しく有効に使用されることをお勧めします。

    尚、本書では生命、身体に重大な危害を与える項目については “危険” の表示がされていますので厳

    重に注意してください。

    (1) 製品の保証について

    保証期間内(お客様納入日より1年間)の納入品が、「弊社設計または製造上の不良等」によ

    る不適合品と判断された場合、無償にて修理、あるいは適合品との交換をいたします。

    但し、以下に示す事項は除外されますのであらかじめご了承ください。

    ① 納入品がお客様自身若しくは弊社以外の第三者による分解、改造、部品交換、あるいは機

    能付加された場合。

    ② 取扱説明書またはカタログに記載された事項が厳守されなかった場合。

    ③ 使用による劣化、天災、火災、その他不可抗力によるもの。

    ④ 上記を含み製品の不適合により発生した二次的損害。

    尚、お客様による取扱不備の認識の有無にかかわらず、部品の変形、摩耗、損傷等明白な痕跡が

    認められた場合は、保証範囲より除外し、有償対象とさせて頂きますのでご了承ください。

    (2) 免責事項

    本取扱説明書の記載事項が尊厳されないことにより生じた不適合について弊社は責任を負い

    かねますのでご了承ください。

    (3) 注意事項

    ① 本器は当社の許可なく、生命維持に関する装置類への使用を禁止します。

    ② 本器は圧力導入口に加えられた圧力を計測する目的で製作されており、それ以外の用途への

    使用を禁止します。

    ③ 圧力レンジを超える圧力を加えないでください。

    危険

    圧力レンジを超える圧力を加えると圧力エレメントが破壊し、火災や人身事故を発生

    する恐れがあります。

    ④ 使用温度範囲内で使用してください。

    危険

    使用温度範囲外で使用すると圧力計が破損し人身事故に発展する恐れがあります。

  • TY12-2 4/19 改 7

    ⑤ ケース背面の安全窓は万一、圧力エレメントが破壊した時飛び出して、噴出する測定流体

    を外部へ逃がすことにより覆ガラスの破損を防ぐためのものです。従って安全窓の周辺は

    十分なスペースを確保し流体の放散を妨げないよう配慮してください。

    危険

    安全窓が飛び出さない場合は覆ガラスが破損し人身事故を発生する恐れがあります。

    ⑥ 脈動圧力が圧力計に加わると著しく計器の寿命を短くします。

    脈動圧力の測定にはスロットル、ダンプナ等の絞りを使用してください。

    ⑦ スイッチングの“ON-OFF”信号確認用に市販テスターを使用すると、微少電流のため指針が

    不安定な状態を示す場合があります。これは必ずしもスイッチ不良ではありません。

    ON-OFF 信号確認は、ブザーまたは実際に使用する負荷で行ってください。

    ⑧ 硫化ガス(H2S、SO2)、アンモニアガス(NH3)、硝酸ガス(HNO3)、塩素ガス(Cl2)等

    の悪性ガス雰囲気は、接点の接触不良や腐食による接点障害が起きますので使用は避けて

    ください。

    ⑨ 雰囲気中にシリコーンガスが存在しますと、アークエネルギーにより接点に酸化ケイ素

    (SiO2) 堆積し、接点障害を発生することがあります。シリコーンオイル、シリコーン充填

    剤等シリコーン製品がある場合は、圧力計を遠ざけた場所へ取り付けるかシリコーンガス

    発生源を取り除いてください。

    ⑩ 本計器の可動機構部には、給油等の必要はありませんので行わないでください。

    危険

    本器を取り外す際は、必ずバルブを閉じてプロセス流体が突出しないようにした後取

    り外してください。バルブを設置していない、または閉じることができない場合など

    はプロセスを大気開放し、プロセス圧力が完全に大気圧と一致した後慎重に取り外し

    てください。

    プロセスを大気開放しても、内部の液体ヘッド圧力のため、液体が突出し火傷など負

    傷をする可能性もあります。

    危険

    配線を行ったり通電部に触れたりする時は、必ず事前に電源を遮断してください。 電源が投入されたまま配線作業を行うと感電の危険があります。なお、電源の遮断は

    必ず両切りとしてください。

    注意

    本器は接点が ON した後は示度誤差を発生しますので常時 OFF で使用してください。

    ⑪ 測定流体が酸素あるいは酸素を多量に含む流体の場合には禁油処理を施した圧力計を使用

    してください。

    一般の製品では内部に油分が残留している場合があり、酸素と反応して発火・爆発の危険が

    あります。

  • TY12-2 5/19 改 7

    危険

    酸素を測定する場合は必ず禁油処理をした圧力計を使用してください。

    ⑫ 隔膜式

    a) 隔膜式の場合は、封入液が漏れるとその機能を失いますので、銘板で表示された箇所は

    絶対に緩めないでください。

    b) リードパイプを潰すと測定不能になりますので取扱には十分注意をしてください。

    c) リードパイプが固定されない状態で、空中に遊んでいると振動により大きく揺れリード

    パイプが疲労破壊することがあります。リードパイプは数箇所固定し振動による揺れを

    防止してください。

    d) ダイアフラムは薄い板材から製作されていますので指や物で突くと破れたり変形するこ

    とがあります。従って、示度変化を確認するため指で押したり、物で突いたりすること

    は絶対に行わないでください。また、清掃時は柔らかいハケなどを使用し、ダイアフラ

    ムへの接触は慎重に行ってください。

    注意

    隔膜式は応答速度が遅くなることがあります。システム上、充分な余裕を見込んでく

    ださい。

    ⑬ 誘導負荷での使用

    コンタクト接点は抵抗負荷での使用を原則としております。

    やむを得ず誘導負荷で使用する場合には表 1-1 を参照の上、ご使用願います。

    表 1-1

    交流 直流 電圧 V 電流 A

    抵抗負荷 誘導負荷 *1AC 100 0.5 0.05 DC 100 0.05 0.01 *2

    *1) 誘導負荷:力率 0.6 以上 (AC) 、時定格 7ms 以下 (DC)

    *2) 接点保護ダイオードを必ず使用してください。

    注意

    誘導負荷で使用の場合、接点の寿命を延ばすためアークキラーをご使用ください。

  • TY12-2 6/19 改 7

    表 1-2 アークキラーの代表例

    回 路 例 適 用

    特徴, その他 素子の選び方 AC DC

    CR方

    *

    △ ○

    * AC 電圧で使用する場合負荷のインピーダンスが

    CRのインピーダンスより十分小さいこと。

    C,R の目安としては、 C:接点電流 1A に対し

    1~0.5(μF) R:接点電圧 1V に対し

    0.5~1(Ω) です。負荷の性質やリレー 特性のバラツキなどにより必ずし

    も一致しません。 C は接点開離時の放電制御効果を受け持ち、R は次回投入時の電流制限の役割ということを考慮し、

    実験にてご確認ください。 C の耐電圧は一般に 200~300Vのものを使用してください。AC 回路の場合は AC 用コンデンサ(極性なし)をご使用ください。

    ○ ○

    負荷がリレー、ソレノイド

    などの場合は復帰時間が

    遅れます。電源電圧が

    24V,48V の場合は負荷と並列に、100~200V の場合は接点と並列にそれぞれ

    接続すると効果的です。

    ダイ

    オー

    ド方

    × ○

    この方式は CR 方式よりもさらに復帰時間が遅れま

    す。

    ⑭ スイッチより負荷端までのケーブル布設距離が長いと、線間の静電容量に蓄積された電荷に

    より接断差の許容公差を超える恐れが考えられます。また、回路上に含まれる静電用量に蓄

    積された電荷によっても同様の現象に至る恐れが考えられます。

    その場合は、放電ピーク電流を抑えるよう接点直近に保護回路 (抵抗等) の取り付けをお願

    いいたします。詳細につきましては当社にご相談願います。

    2. 用途

    コンタクトスイッチの ON-OFF 作動により主としてベル、ブザー、ランプ点滅等の警告用として

    使用されますが、リレーを介して大容量の ON-OFF 制御も可能です。

    3. 特長

    (1) 取付現場での圧力指示が必要な場合には最適です。

    (2) エレメントが1個で指示接点共用の為、比較的小形で軽量です。

    (3) 指示目盛と設定目盛は別々ですが、全範囲任意設定可能です。

    (4) 設定目盛角度が広い為、接断差が小さく設定が容易です。

    (5) 接点には接点性能に優れた高融点の白金-オスミウム合金を使用しています。

  • TY12-2 7/19 改 7 4. 仕様

    表 4-1 形 番

    接続部 接点数

    ケース ブルドン管式 ベローズ式

    大きさ 形状 一般用途 耐食用途 一般用途 耐食用途

    JC11-131 JC11-133 G3/8B 1 100

    B 取 付 穴JC16-131 JC16-133 D 取付金具

    -331 -333 取 付 穴JC13-131 JC13-133 JC21-131 JC21-133 G3/8B 1

    150

    B 取 付 穴-141 -143 -141 -143 G1/2B-231 -233 -231 -233 G3/8B 2 -241 -243 -241 -243 G1/2B

    JC18-131 JC18-133 JC26-131 JC26-133 G3/8B 1

    D

    取付金具-141 -143 -141 -143 G1/2B-231 -233 -231 -233 G3/8B 2 -241 -243 -241 -243 G1/2B-331 -331 -331 -333 G3/8B 1

    取 付 穴-341 -343 -341 -343 G1/2B-431 -433 -431 -433 G3/8B 2 -441 -443 -441 -443 G1/2B

    JC31-131 JC31-133 G3/8B 1

    200

    B 取 付 穴 -141 -143 G1/2B -231 -233 G3/8B 2 -241 -243 G1/2B JC36-131 JC36-133 G3/8B 1

    D

    取付金具 -141 -143 G1/2B -231 -233 G3/8B 2 -241 -243 G1/2B -331 -333 G3/8B 1

    取 付 穴 -341 -343 G1/2B -431 -433 G3/8B 2 -441 -443 G1/2B JC41-131 JC41-133 G3/8B 1

    B 取 付 穴 -141 -143 G1/2B -231 -233 G3/8B 2 -241 -243 G1/2B JC46-131 JC46-133 G3/8B 1

    D

    取付金具 -141 -143 G1/2B -231 -233 G3/8B 2 -241 -243 G1/2B -331 -333 G3/8B 1

    取 付 穴 -341 -343 G1/2B -431 -433 G3/8B 2 -441 -443 G1/2B

  • TY12-2 8/19 改 7

    ・接液部材質 一般用途: 株 CAC203

    ブルドン管 C6872T 又は SUS316 (圧力レンジにより異なる)、

    ベローズ C5212R

    耐食用途: 株 SUS316 又は SCS14

    ブルドン管 SUS316、ベローズ SUS316L

    ・ケース材料 AC7A

    ・外 装 黒色(マンセル N1.2 相当)

    ・精 度 指 示 : ±1.5%F.S.(接点がフリーの場合)

    (レシーバは±0.75%F.S.)

    設 定 : ±2%F.S.

    接 点 : ±1%F.S.

    ・接断差 2%F.S.以下(DC 負荷は 5%F.S.以下)

    ・電線取出口 JC11、JC16 ――――――――――― 2P メタルコンセント

    JC13、JC18、JC21、JC26、

    JC31、JC36、JC41、JC46 ―――― 4P コンセント

    G3/4 コンジット穴

    JIS20b グランド付

    ・電気特性 定格 100VAC 0.5A

    100VDC 0.05A 耐電圧 1000VAC 1 分間

    絶縁抵抗 500VDC メガーにて 100MΩ 以上

    ・使用温度範囲 -5~40℃

    ・測定流体 ブルドン管式:接液部材質に適合した清浄な気体、液体

    ベローズ式 :接液部材質に適合した清浄な気体のみ

    警告

    ベローズ式圧力計に液体を導入すると液体の密度により大きな誤差を発生しますの

    で、気体のみに使用してください。

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    ・圧力レンジ

    表 4-2 ブルドン管式 形番 圧力レンジ MPa

    JC11

    JC16

    JC13

    JC18

    0 ~ 50 kPa 0 ~ 10 0 ~ 70 kPa ~ 15

    20 ~ 100 kPa ~ 25 0 ~ 0.1 ~ 35 ~ 0.2 ~ 50 * ~ 0.3 ~ 70 * ~ 0.4 -0.1 ~ 0 ~ 0.6 ~ 0.1 ~ 1 ~ 0.2 ~ 1.5 ~ 0.3 ~ 2 ~ 0.4 ~ 2.5 ~ 0.6 ~ 3.5 ~ 1 ~ 5 ~ 1.5 ~ 7 ~ 2

    * 耐食用途のみ

    表 4-3 ベローズ式 形番 圧力レンジ kPa

    JC21 JC26

    0 ~ 15 0 ~ 20 0 ~ 30

    JC31 JC36

    0 ~ 5 0 ~ 7 0 ~ 10

    JC41 JC46

    0 ~ 1.5 0 ~ 2 0 ~ 3 0 ~ 4

    5. 運搬、保管、開梱上の注意

    (1) 運搬上の注意

    精密に加工された計器ですので落下したり衝撃を加えたりしますと、使用不能になる場合があ

    りますので、運搬には充分な注意を払ってください。

    隔膜式を持ち運ぶときはケースだけやリード、受圧部のみを持たずに必ず計器全体を持ってく

    ださい。

    (2) 保管上の注意

    湿気の少ない場所で、振動、埃等の無い場所を選んで保管してください。積み上げる場合は荷箱

    が変形しない程度に重ね、尚且つ落下させない様保管ください。

  • TY12-2 10/19 改 7

    (3) 開梱上の注意

    開梱の際、荷を乱暴に扱わない様ご注意ください。

    荷から取り出したとき、誤って落下させたりすることのない様、充分広い場所で荷を解いてくだ

    さい。開梱後、現品が要求仕様通りであることを確認ください。また、現品に輸送中の損傷がな

    いことについても確認してください。

    万一お気付きの点がありましたら、ご購入の代理店または弊社営業所までご連絡ください。

    6. 構造及び作動原理

    (1) 構造図

    図 6-1

    (2) 作動原理

    ブルドン管又はベローズが継手より導入された圧力を感圧し変位します。この変位を拡大機構

    にて拡大し目盛板上に指示します。

    またこれと同時に、エレメントの変位が低接触圧スイッチの接片を開閉させます。

    7. 取付要領

    (1) 取付に当たり留意すべき事項

    “4.仕様” に記された仕様範囲を守ってください。

    その他、注意すべき点は次の通りです。

    ① 腐 食 : 測定流体が接液部材質を腐食しないこと。

    ② 脈 動 : 測定流体に激しい脈動がないこと。

    (脈動がある場合はダンプナ等の絞りが必要です)

    ③ 振動、衝撃 : 激しい外部振動やウォーターハンマ等のないこと。

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    (2) 設置場所

    計器の設置場所は次の点を考慮してください。

    ① 操作や保守が容易な位置であること。

    ② 人の往来が激しく、誤って計器に触れたり、物がぶつかりやすい場所は避けること。

    ③ 取り外した部品が落下して人に危害を与えたり、散逸するような場所も避けること。

    ④ 外部振動がなく、衝撃などが加わらない場所であること。

    (電磁弁等の操作機器と計器パネルは別パネルとしてください)

    ⑤ 直射日光や雨露が直接当たらない場所であること。

    (必要に応じて防雨カバーを設置してください)

    ⑥ 周囲の温度は常温で、湿度があまり高くならないこと。

    (高温の機器からの輻射熱や、蒸気の吐出口等は避けること)

    ⑦ 埃や腐食性ガス等の少ない場所であること。

    (海岸付近では、直接潮風に計器が晒されないようボックスに入れるのが望ましい)

    (3) 取付姿勢

    計器の取付姿勢は正しく作動させるため、人が立ったとき目盛板の数字等が自然に読み取れる

    方向で(文字、数字が鉛直になる方向)かつ目盛板の面が垂直に位置する方向としてください。

    計器の取付姿勢を傾斜させたりすると示度誤差が発生します。あらかじめ特殊な取付姿勢が判

    明しているときは、ご注文時その旨御申し出頂ければ工場で調整致します。

    (4) 配管

    ① 配管に当たっての留意点

    配管に当たっては下記事項を配慮してください。

    a) 腐食性または高温のプロセス流体が計器に接触しないこと。

    b) 沈殿物が圧力導入管にたまらないようにすること。

    c) 圧力導入管の長さは適正であること。

    プロセス流体の温度が高い場合には圧力導入管の長さを長くして流体の温度を下げます

    が、長くし過ぎると配管が詰まったり応答遅れ等の不適合が生じます。

    d) 周囲温度の傾斜及び変動のある場所は避けること。

    e) 液体及びスチーム用は圧力導入管のプロセス接続側を高くする。(最小 1/12 の傾斜をつ

    ける)

    f) ガス用のときは圧力導入管のプロセス接続側を低くする。(最小 1/12 の傾斜を配管につ

    ける。)

    g) 液体プロセスラインでは圧力導入管が高くなる部分をなくし、ガスプロセスラインでは

    低くなる部分をなくす。

    h) 圧力導入管の最下部にはドレン抜き用のバルブを設置する。

    i) 圧力導入管はフレキシブルなものとし計器に無理な力が加わらないようにする。

  • TY12-2 12/19 改 7

    ② スチーム測定

    スチーム測定の場合はプロセスラインの側面にタップを立て、計器をタップの下側に取り付

    け、圧力導入管に水を満たして直接スチームが計器に当たらないようにします。

    ③ テストバルブ

    テストバルブを設けておくと、計器を現場に取り付けたまま校正することができ便利です。

    ④ 締付け

    圧力配管をするときは必ず株の二方取り部にスパナを掛けて、計器に無理のかからないよう

    にしてください。

    ⑤ 本器は基本的に本器取付位置の圧力を計測するように製作されています。このため液体計測

    の場合、圧力を計測しようとしている本管と圧力計の取付位置とに高さの差(ヘッド差)が

    あると誤差が発生します。

    図 7-1 (A) では測定圧力が本管の圧力より高くなり (B) では低くなります。

    注意

    例えば、水圧を測定する場合に、圧力レンジ 0~0.1MPa の圧力計を取り出し口より1m高い場所に取り付けた場合、示度は実際の圧力よりも約 0.01MPa マイナスした値を示し、この誤差は約 10%F.S. に相当します。(図 7-1(B) ) 又、この逆に、取り出し口よりも 1m低い位置に取り付けた場合は約 10%プラスした値を示します。(図 7-1(A) )

    このように低レンジ程ヘッド誤差が大きくなります。

    (A) の場合は計器にオーバー圧が加わり (B) の場合には真空部の測定に制限が生じます。

    あらかじめ大きなヘッド差が判っている場合には、その旨弊社までご連絡ください。

    図 7-1 圧力計の取付位置

  • TY12-2 13/19 改 7

    (5) 計器の固定

    本器は接続ねじのみで配管タップ部へ直接固定することも可能ですが、配管振動によってチャ

    タリングを発生することもありますので、パネルを設けパネルへ固定することをお勧めします。

    ① ケース形状 B 形の場合

    パネルへケースの取付穴に合わせ 3×φ5.5 穴加工または 3×M5 タップ加工を施します。M5

    のビスナットまたはビスで計器をパネルへ固定してください。

    ② ケース形状 D 形取付穴方式の場合

    表 7-1 を参照しパネルへパネルカット加工を施

    し、ケースの取付穴に合わせ 3×φ5.5 穴加工または

    3×M5 タップ加工を施します。

    M5 のビスナットまたはビスで計器をパネルへ固定

    してください。

    ③ ケース形状 D 形取付金具方式の場合

    表 7-1 を参照しパネルへパネルカット加工を施してください。

    ケースから取付金具を一旦取外し、計器をパネルカットへ挿入後取付金具を元通りケースに

    取り付け取付金具の締付ボルトを締込んで計器を固定します。

    ④ ブルドン管式のケース背面には直径 18mm 程のゴム製安全窓が設けられています。この安

    全窓は万一、ブルドン管が管破した場合に飛び出して、圧力を背面に逃がすためのものです。

    したがって、安全窓が飛び出せるだけのスペースを確保して取り付けてください。圧力計を

    パネルに取り付ける場合は圧力計とパネルの間を 10mm 以上離して取り付けるか、パネル

    の安全窓の位置に安全窓が飛び出せるように穴(直径 25mm 以上)をあけてください。

    危険

    安全窓が飛び出さない場合、覆いガラスが破損して、大変危険です。

    表 7-1

    モデル番号 パネルカット寸法

    J C16 φ104~φ106 J C18 φ154~φ156 J C26 φ154~φ156 J C36 φ205~φ208 J C46 φ205~φ208

  • TY12-2 14/19 改 7

    (6) 配線

    ① 接点の作動による種類及び結線図

    a) 上限式

    一接点式で圧力が設定点以上に於いて接点が作動し回路を ON とするものです。

    〔作動図〕

    図 7-2

    〔結線図〕

    ・コンセント式

    図 7-3

    b) 下限式

    一接点式で圧力が設定点以下に於いて接点が作動し回路を ON するものです。

    〔作動図〕

    図 7-4

    〔結線図〕

    ・コンセント式

    図 7-5

    c) 上下限式

    二接点式で上限式、下限式を組み合わせたもので、それぞれ独立に作動します。

    〔動作図〕

    図 7-6

    〔結線図〕

    ・コンセント式

    図 7-7

  • TY12-2 15/19 改 7

    注意

    上下限式は共通極を持っているため、独立二回路になりません。

    ② 結線

    本器の結線は φ100 の場合メタルコンセント、φ150・φ200 の場合は端子箱内の端子台で

    行います。

    a) メタルコンセントの場合(図 7-8 参照)

    ア) カップリングナットを緩めると、コネクタを引抜くことができます。

    イ) ⑥をねじると、取り外すことができます。

    ウ) ①をケーブルが入る程度まで緩めます。

    エ) ケーブル先端の被覆をむき、③を通します。

    オ) ⑤へケーブルの導体をハンダ付けします。

    カ) ⑥へ③をしっかりねじ込みます。

    キ) ①を十分締め付けてケーブルを固定します。

    ク) ⑥を計器側レセプタクルへ差し込みます。

    ケ) ④をねじ込み、コネクタを固定します。

    ① クランクピン ④ カップリングナット

    ② ケーブルクランプ ⑤ コンタクト

    ③ シェル ⑥ 絶縁体

    図 7-8

    注意

    使用ケーブルは負荷に合ったものを使用ください。

    b) 端子箱の場合

    負荷に合ったキャブタイヤケーブルを使用し、圧着端子を用いてしっかり結線してくだ

    さい。

    接点形式と配線に必要な端子の関係は前項を参照してください。

    警告

    標準の電線接続口は、JIS F 8801 20b となっています。結線が完了したら、必ず貫通金物の締め付けグランドをしっかり締め付け、キャブタイヤケーブルとガスケット間

    が密着しシールするようにしてください。この部分に隙間があると外気がケース内と

    通じ接点が雰囲気の影響を受け、様々な接点障害を発生する恐れがあります。

  • TY12-2 16/19 改 7

    8. 設定方法

    設定位置を調整する場合、前面のカバーを外し、調整軸を回して行いますが、φ150、φ200 圧力計

    では調整軸の回転方向と指針の回転方向とは逆になっています。但し、φ100 圧力計は調整軸に指

    針がついている為、同一方向となっています。

    外部調整式の場合には、前面ツマミにより行ってください。上限式の場合は圧力の高い方から、下

    限式の場合は圧力の低い方から移動して設定点に合わせます。上下限式の場合、二つの指針を交差

    させる設定はできません。

    図 8-1 図 8-2

    注意

    本器の場合は、良好な指示精度を得る為に、またチャタリングを防止する為に常用

    圧力で接点開の設定としてください。

    9. 運転

    (1) 運転前に水圧検査を行い漏洩の有無を確認してください。

    必要に応じて増締め等の対策を講じてください。

    (2) 運転開始後しばらくは計器及び圧力導入管に異常が発生しないかどうか確認してください。

    漏洩が発生した場合は増締め等の対策を講じてください。

    (3) ダンプナを設置してある場合は、指針の振れを見ながら絞り程度を調整します。指針の振れを完

    全に停止させてしまうと絞り程度が適正なのか、完全に閉じきってしまったのか判断ができな

    くなりますので、若干指針が振れる程度としてください。

    (4) 常用圧力は最高目盛の 1/2~2/3 以下で使用してください。

    (5) 最高目盛圧力以上の過圧を加えることは、絶対に避けてください。

    (6) 急激な加圧、減圧は避けてください。

  • TY12-2 17/19 改 7

    10. 保守点検

    (1) 1 年に 1 回以上、計器をチェックしてください。チェック項目として、

    ・ 外観に異常はないか

    ・ 設定値のチェック

    ・ 実負荷による接点作動確認

    が主な項目になります。尚、計器類について、点検簿を作成し、校正記録、作業記録等を保管し

    ておくと、計器の管理上大変便利です。点検時、ただ漫然とデータをとるのではなく、初期値か

    らの累計誤差がどの程度か、接断差に異常な変化がみられないかなど、計器の長期的な変化につ

    いて検討を加えてください。異常な変化が生じた場合、たとえ再調整可能であっても原因を調べ

    る必要があります。原因が軽微なものであればよいのですが、往々にして大きなトラブルが含ま

    れている場合があります。

    (2) ダンプナの絞りについて定期的にチェックしてください。

    (3) 圧力導入管が詰まらないようにドレンバルブを時々開け堆積物を排出してください。

    (4) 圧力計内の可動部への注油は行わないでください。

    11. 故障対策

    不適合発生の際は『付表 1.トラブルシューティング』を参照の上対処ください。

    以上の作業でも解決しない場合は弊社代理店又は営業所までご連絡ください。

  • 付表 1-1 トラベルシューティング

    予想されるトラブル 確認事項 原因 対策 備考

    示度誤差大 周囲温度及び測定流体温度 温度誤差 1.周囲温度が常温の場所へ計器を移動する。

    2.測定流体の温度が高過ぎたり低過ぎる場合は圧力導入

    管を長くする。

    ヘッド差 ヘッド誤差 ヘッド差が大きい場合は弊社までご相談下さい。

    振動、脈動圧力の有無 振動、脈動圧力による内機歯車の摩耗または針とび

    1.設置場所の変更。 2.ダンプナ設置する。

    応答速度が遅い 導入圧力管の詰まり 詰まりによる応答遅れ 清掃、ストレーナの設置

    圧力計内部の詰まり 詰まりによる応答遅れ 清掃、ストレーナの設置

    ダンプナ、スロットルの詰ま 詰まりによる応答遅れ 清掃、ストレーナの設置

    ダンプナの絞り程度 ダンプナの絞り過ぎ 再調整 流体の粘度は温度によって極端に変化しダンプナの効

    きも大きく変化します。

    圧力導入管の内径と測定流

    体の粘度 高粘度流体に対し圧力導入

    管内径が小さい 内径を大きくするとともに長

    さを短くする。

    隔膜式か リードによる応答遅れ リードの長さを短く改造する リードが長い場合、中温用の場合、低レンジの場合などで

    は応答速度が遅くなります。

    TY12-

    2

    設定圧力で作動しない 正しいゲージを使用して動 1.設定ズレ 1.再調整 2.校正ゲージの欠陥 2.校正ゲージを取り替える 18/19

    3.接点の接触不良 3.弊社にて修理

    改7

  • 付表 1-2 トラベルシューティング

    予想されるトラブル 確認事項 原因 対策 備考

    接点がリセットしない スイッチへの最大電圧、電流の確認。

    電圧、電流がスイッチの容量

    を越えている 保護回路の使用 市販の保護回路内蔵リレー

    等の使用をお勧めします。

    設定した圧力に対し作動

    及びリセットが早すぎる。

    又は、好ましくない動作をす

    る。

    1.回路系内に脈動圧(急な圧力変動)の有無を確認。

    2.付場所の機械的振動

    1.脈動圧が激しすぎる 2.激しい振動によって好ましくない動作をする

    1.ダンプナを導入する。 2.取付場所を変える。又は防振ゴムを用いる。

    動作及びリセット時スイッ

    チに電気が流れない。 1.スイッチへの電気が供給されているか確認。

    2.スイッチへの最大電圧、電流の確認。

    3.配線状態の確認。

    1.電気が来ていない。 2.電圧、電流がスイッチの容量を越えている。

    3.配線不良。 4.電気回路の不適当。

    1.スイッチへ電気を与える 2.保護回路の使用。 3.配線方法を改善する。 4.電気回路の見直し。

    市販の保護回路内蔵リレー

    等の併用をお勧めします。

    TY12-

    2

    19/19

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