ubicomp論文紹介「if you see something, swipe towards it: crowdsourced event localization using...
DESCRIPTION
2013年12月MBL研究会ワークショップでの講演資料です.TRANSCRIPT
論文紹介
IF YOU SEE SOMETHING, SWIPE TOWARDS IT: CROWDSOURCED EVENT LOCALIZATION USING SMARTPHONES
Wentao Robin Ouyang, Ankur Srivastava, Prithvi Prabahar, Romit Roy Choudhury, Merideth Addicott, F. Joseph McClernonDuke University
紹介者: 荒川豊(奈良先端科学技術大学院大学)
概要• クラウド・ソーシング( Crowd Sourcing )に関する論文
• スマホのセンサーを使うわけではない
• 実世界オブジェクトの指定手法: スワイプを利用• 簡単で,直感的で,自然な感じ
• 具体的な利用ケース• 喫煙禁止のところで喫煙している人の後ろ指をさすアプリ
• 不確実なスワイプから対象を検出するアルゴリズムを提案
モチベーション
実世界で起きているイベントをスマホを使ったクラウドソーシングで発見したい
自然なジェスチャーは?
従来方式と課題• カメラで撮影
あ!
あん?
• 危険(怖い人かもしれない)• 不自然• 手間(カメラを起動,ピントをあわせて
撮影)
提案
メールしてるふり
背中向けててもい
い
技術的課題• スマートフォン内蔵センサーはノイジー
• まず, GPS の誤差をどうするか?• 10〜20 m の誤差は普通
• 方位センサーは,地磁気の影響を受ける
• ヒューマンエラー• 遠方からのスワイプの精度は期待できない
• 予備知識無しに,複数人からのスワイプからイベントを抽出する(切り分ける)メカニズム
• データ量が少なくても動き,増えてもスケールする仕組み
技術的課題の図
スワイプ角の定義• スワイプ角 θ: 真東( East )を基準とした
角• θc: スマホの向き.方位センサから取得• θα :スワイプの向き.タッチセンサから取得• θ = (θα-θc)
スワイプの定義• 1回のスワイプ iを以下の 5つのパラメータで定義
•これらを複数まとめたものを以下のように定義
•ただし,歩行中のスワイプは削除• 加速度センサの値から判定
• スワイプ角 θ• ユーザ ID u• 時刻 t• 位置 l• 位置の精度 a
システム構成
BDA ( Basic Data Analysis )• 目的: 興味のエリアをグリッドに分割する(セル)
エリア R をr 平方メートルのグリッドに分割
スワイプの台形表現• スワイプの不確実性を表現
• 角度に幅をつける• α = π/18 (約 10 度)
• dm : 目視可能な距離(アプリ次第)
複数の台形から位置を推定する効果• もしラインだけを見ていたら,緑☓• 実際は L1 のようにズレの大きいラインも多い
• GPS の不確実さ,ユーザのスワイプ向きの不確実さ• 台形にすることで,青*を検出可能に
台形とセルの交点を求める• 目的: 複数の台形と交点を持つセルを算出するため
台形とセルのマッチング• Swipe-Cell Indicator行列 I
• 行の要素数:スワイプの回数• 列の要素数:エリア内セル数• 台形によってカバーされていれば1,そうでなければ0あるスワイプ(台
形)に含まれるセル
頻繁に台形に含まれるセル
セルの確からしさを更新• 目的: どのセルでイベントが発生しているかを決定する
ため
セルの確からしさ• 確からしさ行列W
• 全スワイプで1つの行列• 収集したスワイプ数が増えてもスケールする
• Wの行と列=エリアのセル数
• W内の各値(セル kの確からしさ wk )の更新
• mi は,スワイプ iがカバーしているセル数
システム構成
Grid に基づいたイベント位置の推定• 画像処理と同様に: 1セル=1ピクセルと見なす
確からしさがしきい値以下のセルをフィルタリン
グ
Flood-Fill アルゴリズムで連続領域を検
出
各領域の中から極大点を探す
極大点がない場合最も確からしさが高いセルを設定
推定されたホットスポット• 左:セルの確からしさマップ• 右:黒点が推定されたホットスポット
システム構成
TALR• 目的
• 時間軸の分析 と位置の補正
• これまでに求めた• 推定位置: eo
• SCI行列: I
を用いる
ホットスポット eig
に関するスワイプを抽出階層クラスタリングに
よって関連性の高いスワイプだけに絞り込む
複数のクラスタに含まれるスワイプをそれぞれ1つに
変更時間軸分析
時間軸分析• 単純に最初のイベントの検出時間(幅:例えば 10 分)でクラスタリ
ング• カーネル密度推定なども利用できるのではないかと考えている
図の見方がよくわかりませんでした
評価• iSee アプリケーションを6台の Android に実装
• Nexus S 3 台, Galaxy S3 3 台• 大学内( 400 x 500 m2 )に,ターゲット(赤い旗)を
20個配置• 手動で,置いたり,撤去したり
• 単位時間に最大 10個を配置• 1つの旗は最大 20 分配置
• ターゲット間の距離• 最も近い: 40.4m• 最も遠い: 81.6m• 平均 : 53.4m
• 6 日間実験• 4個:前半 3日と後半 3日で異なる時間パターンで出現• 16個:常に同じ時間パターンで出現
Grid によるイベント位置推定について• LIC ( Line Segment Intersection and Clustering )と比較• スワイプの台形化とエリアのグリッド化を用いた提案手
法の方が,より多くのイベントを検出し,その位置も精度が高い
平均 5.5 スワイプ /1 イベント
1 イベントあたりのスワイプが多い場合• 平均 34.1 スワイプ• LIC は,交差点が増えすぎて,それが連続した1つのイベ
ントとして検出されてしまう.• GEL は,スワイプが多くてもきちんと識別可能
検出率と誤差• Reporting Rate : 検出数 / 実際のイベント数
• 1以下:未検出, 1以上:誤検出• Detection Rate : 誤差 25m以内であれば発見したとみな
した場合の発見率• 必ず 1以下
• Localization Error : 誤差• OLR ( Optimization-based location refinement )
提案に含まれる位置補正技術
時間クラスタリングの効果• Association Accuracy
• 正しくスワイプに関連したホットスポットの割合• Jaccard係数
• 2 つの集合の類似度• 0 :完全に独立, 1 :完全に一致
時間クラスタリング
することで改善
観測期間が長くなると高い類似度が増え
る
観測スワイプ数が増えるほど類似度が高
い
まとめ• クラウドソーシングによる実世界イベント検出手法の提
案• スワイプという自然な(不可視な)動作でイベントを指
定• 台形表現によって, GPSおよびスワイプの不正確性を吸収
• 実際に Android アプリケーションを作成し, 6日間の実験
• その結果, 10m の誤差で, 95% のイベントを抽出できた
紹介者の感想• アイデアは,単純
• それを実現するために,細かな点までアルゴリズム化
• Android アプリケーションも開発し,きちんとしたユーザスタディ
• 結果的として,実現できている → Ubicomp採録
• 疑問• イベントの種類などは,どうやって入力するのだろうか?
• イベントの時間と位置までわかっても,内容がわからないはず