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4K 放送 収録から受信まで UHD 4K End-to-End Broadcasting ホワイトペーパー
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| R&SAVHE100
| R&STHU9/TMU9
| R&SETL
| GMITBMM-810
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June
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目次
Rohde & Schwarz 4K 放送 収録から受信まで 2
目次 1 はじめに .................................................................................... 3
2 4K 収録と送出(ポストプロダクション環境)制作環境 ................... 4
3 HEVC リアルタイム符号化及び多重化 ....................................... 6
4 UHDTV を DVB-T2 SFN ネットワーク経由で配信 ...................... 7
5 RF 復調と HEVC デコード ......................................................... 9
6 まとめ........................................................................................ 9
7 参照ツール、資料、文献 ........................................................... 10
8 オーダー情報 .......................................................................... 10
はじめに
Rohde & Schwarz 4K 放送 収録から受信まで 3
1 はじめに 超高精細テレビ(UHDTV)は、放送業界でますます注目を集めています。 2014 年ブラジル FIFA ワールドカップ、2016 年リオ・デ・ジャネイロオリンピックなど主要なス
ポーツイベントにより、UHDTV 技術は放送事業者や TV・STB(セット・トップ・ボックス)メーカ、
測定機器サプライヤの大きな後押しを得ました。 4K(3840x2160)および 8K(7680x4320)による映像データの増加は、現在の HDTV(1920×1080)と比較だけでなく、より高いフレームレート(50/60fps から 100/120fps)でこれらの
サービスを提供する要求は、地上伝送を介して家庭に UHDTV のコンテンツを配信すること
になると、大きな挑戦に変わりました。第 2 世代の欧州放送方式 DVB-T2 は、1 チャンネル
あたりの伝送効率が も高いことが、その普及の過程で実証されたため、DVB-T2 は世界中
の多くの国々で愛用されています。UHDTV のサービスを配信するには、はるかに高いデー
タレートが必要とされるため、現在の MPEG-4 技術はボトルネックであると考えられます。そ
して新しい圧縮コーデック技術である HEVC が、DVB-T2 ネットワーク上での UHDTV 配信
に必須になってきました。
図.1 放送の流れ(フロー) 5 つのステップ 地上ネットワークを介して家庭にポストプロダクションから UHD 4K コン
テンツの収録から受信までの過程を示しています。
本稿では、現実的なシナリオに基づいて 5 つのステップで、DVB-T2 の上 UHDTV 配信のた
めの、収録から画像の出力まで(End-to-End)の完全なソリューションの概要を示しています。
伝送フローに沿って UHDTV 信号処理の各工程について詳細に説明します。ポストプロダク
ション環境での撮像データの収録段階からのステップ 1 が開始されます。ステップ 2 は、
UHDTV 信号のリアルタイム HEVC エンコードと、T2-MI ストリームへの多重化を説明します。
ステップ 3 は、DVB-T2 を用いた SFN 条件下での UHDTV 信号の RF 伝送を記述し、ステッ
プ 4 が UHDTV 信号及び RF 復調の受信を説明します。 後に、4K テレビ・ディスプレイ(家
庭用)へ HEVC デコードおよびプレゼンテーションは、ステップ 5 で説明されています。図.1は、上記の 5 つのステップに沿って 4K 放送フローを示しています。
4K 収録と送出(ポストプロダクション環境)制作環境
Rohde & Schwarz 4K 放送 収録から受信まで 4
2 4K 収録と送出(ポストプロダクション環境)制作環境 UHDTV コンテンツは一般的には、4K カメラを使用することによって生成される。UHDTV コ
ンテンツは、カメラのメモリに保存されるか、またはライブ放送の場合、4×3G-SDI ケーブル
を介して取り込みシステムへリアルタイムで転送されます。下記の表 1 は、60fps で
3840x2160 の UHDTV の解像度に基づいて、異なるカラーサンプリングフォーマットやビット
深度レベルに必要な異なるデータレートを示しています。(巻末に計算ツール [Video bitrate calculator reference] を紹介)
表 1 UHDTV 4K60fps の RAW データレート
今日の典型的な 4K カメラは 4:2:2 で 10/12 ビットで、50fps/60fps どちらかで 4K RAW の映
像コンテンツを出力することができ(巻末 [Sony Reference] )、圧縮された高解像度フォーマ
ットで内部的に 4K のコンテンツをメモリカードに保存します。(XAVC、AVC Ultra、ProResなど)まず、 初の 4K の課題は、入力される 3G-SDI 信号 4 本を合成し(ステッチング)コン
テンツを、ひとつの 4K ファイルに取込(収録)することです。 ファイル保存の場合、そのデータは全ての異なる 4K カメラのファイルフォーマットと互換性が
あるべきで、ある処理システムのストレージにファイルコピーすることによって取込(収録)す
ることができます。どちらの場合も放送送信のために、それは UHD-1 放送規格 [ITU-R BT.2020] に沿って、ビット深度 8 ビット/10 ビットに設定し、そのカラーサンプリングを 4:2:0まで減らさなければなりません。 R&S®Clipster は 4K 収録機能を提供するだけでなく、SD から 8K までの任意の解像度をサ
ポートすることができ、任意のカラーサンプリング(RGB、YUV)とビット深度(図 2)、さまざま
な形式のファイル(XAVC、ProRes など)に変換することができます。
4K 収録と送出(ポストプロダクション環境)制作環境
Rohde & Schwarz 4K 放送 収録から受信まで 5
図.2 R&S®Clipster4K カメラ・収録は、様々なフォーマットと異なるクロマ・サンプリングのファイル変換をサポートし
ます。
R&S®Clipster は信号処理の前に、自動的に入力信号を同期させ(ステッチ)(図 3)、1 つの
4K ファイルにコンパイルします。この方法は多くの場合、入力信号からの 4 象限の境界付近
に現れる、不整合信号を取り除くことが重要です。この時点から、信号はファイルベースのフ
ォーマットであり、それはさらに HEVC や JPEG2000 で符号化処理されて、送出センターや
メイン・ストレージに転送することができるようになります(図 4)。
図.3 R&S®Clipster。4K 信号は 3G-SDI(4 本)経由で取込(収録)されます。
図.4 R&S®Clipster。4K 信号デコード、つなぎ合わせと 3G-SDI(4 本)から送出
HEVC リアルタイム符号化及び多重化
Rohde & Schwarz 4K 放送 収録から受信まで 6
3 HEVC リアルタイム符号化及び多重化 ステップ 2 では、UHDTV 4K のコンテンツをリアルタイムに処理する必要があり、現実の放
送シナリオについて説明します。ここでは、高解像度(UHDTV)と高フレームレート(50fps ま
たは 60fps)が必要なスポーツイベントの生中継を想定してみましょう。 この試みは、放送局は以下の取り組みが必要になるため、多くの複雑な事柄が発生します。 ● 3G-SDI 信号(4 本)からシングル 4K 画像に同期します(ステッチ) ● HEVC を使ってリアルタイムで 4K 信号を符号化します ● UHDTV ストリームを多重化し、PSI/SI 情報を付加し、パケット・ストリームを生成します ● GPS 信号を基準に T2-MI パケットにタイムスタンプを付加します(SFN 同期) ● 送信機のネットワークへの IP または ASI を経由して、MPEG-2 トランスポート・ストリー
ム(T2-MI)を提供します この課題に応えるために、ローデ・シュワルツは、非常にコンパクトなサイズで、ヘッドエンド
の全機能を提供できるモジュール式の R&S®AVHE100 AV ヘッドエンドシステムを提案しま
す。R&S®AVHE100 は HEVC 符号化および信号処理に必要な、可能な限り高い処理能力
を提供する 先端の IT 技術を利用しています。顧客の幅広いニーズを満たすためには高い
柔軟性が求められ、AV ヘッドエンドシステム内は完全に IP ベースで信号処理がなされます。
図.5 リアルタイム HEVC エンコーディング R&S®AVHE100 ヘッドエンドシステム
3G-SDI 入力信号は、はじめに一つの 4K 画像を形成するために、R&S®AVHE100(多重化
ユニット)の内部で同期されます。これは、入力信号を周波数と位相( 大 512 ピクセルのオ
フセット)でゲンロックすることで、実現されます。その後、HEVC エンコーダは 4K 全データを
処理し、DVB 規格に沿って MPEG-2 トランスポート・ストリームや MPEG-DASH が生成され
ています。ヘッドエンドシステムからの出力は ASI または IP いずれかの状態です。それゆえ、
ユニキャストまたはマルチキャストの目的で使用することができ、地上波、衛星、ケーブル又
は IP ネットワーク(図 5)を介して配信することが可能になります。 注意:リアルタイム HEVC エンコードの初期の開発品は、より高い解像度(UHD)とフレーム
レートに必要な高い処理能力を、複数のサーバ(4 つのサーバ)が担います。今後数年間で
簡略化することが期待されます。ひとつのエンコーダ・ユニットは、代替的に H.264 に比べて
30%〜40%の符号化効率の能力があります。
UHDTV を DVB-T2 SFN ネットワーク経由で配信
Rohde & Schwarz 4K 放送 収録から受信まで 7
4 UHDTV を DVB-T2 SFN ネットワーク経由で配信 DVB-T2 は地上波デジタル TV 放送規格の中で 高のデータレート容量を提供することが証
明されています。 ここでは、韓国の首都圏での試験放送のセットアップと、以下の制限に基づいた現実的な
DVB-T2 SFN ネットワークが考慮されたと仮定します。 ► DVB-T2 のチャンネル帯域幅は 6MHz で固定されている
► 首都圏の地形プロファイルのため、比較的大きなガードインターバルを設定して、DVB-T2 のデータ容量を削減する SFN の計画を考慮しなければなりません。ガードインター
バルの選択は 1/16 に設定しました。これは、DVB-T2 の SFN ネットワークの標準的な
パラメータで、現在オンエアしている南アフリカ共和国、ドイツ、ロシアだけでなく、北欧諸
国で使用されており、DVB-T2 SFN ネットワークに焦点を当てた屋上受信を主対象とし
たノーディグ仕様 [Nordig link] に基づいています。
► リアルタイム HEVC 符号化の初期の実験は、少なくとも 25Mbps(4:2:0、3840x2160、
8bit、60fps)が満足な結果を得るために必要であることを示しています。
► UHDTV 4K 配信は、屋上や屋内受信の両方をターゲットにする必要があります。
上記のすべての制限に基づいて、可能な DVB-T2 の構成は、以下の表 2 に示します。
表 2 UHDTV 地上放送 推奨伝送モード 韓国ソウル都市部エリアにおける DVB-T2 の SFN のシナリオを使用 屋上受信(モード 1、2)と室内受信(モード 3、4)
► モード 1(256QAM): 屋上アンテナによる良好な受信環境で、可能な限り 高のデータ
レート(26.6Mbps)を可能にする DVB-T2 設定
► モード 2: モード 1 に対して、ノイズ耐性を改善したモード。送信可能データレートが若
干落ちます。
► モード 3、モード 4: 屋内受信を目的としたモード。モード 4 は大きいガードインターバル
を有する。
► これらのモードは、優れたノイズ耐性を持っていますが、そのデータ転送速度は、高いフ
レームレート(条件:30fps、3840x2160)での UHDTV の配信は非常に困難になり、制
限を受けます。
UHDTV を DVB-T2 SFN ネットワーク経由で配信
Rohde & Schwarz 4K 放送 収録から受信まで 8
これらの SFN 方式は、送信機のトポロジおよび DVB-T2 用の高周波電力のスペクトラム規
制に基づいて、首都圏の実際のフィールドで試験検証する必要があります。 R&S®AVHE100 AV ヘッドエンドシステムは、SFN 内に位置する全ての送信機に MPEG-2トランスポート・ストリームを供給します。これらの送信機は、ASI と IP 両方の入力をサポート
しています。同期タイムスタンプは、T2-MI ストリームに含まれていて、送信機のネットワーク
は時間基準および周波数基準用の 10MHz を得るために、 GPS の 1pps シグナリング信号
を用いて同期されます(図 6)。
図.6 3 つの送信機で構成された DVB-T2 SFN(Single Frequency Network)は、ローデ・シュワルツの
R&S®AVHE100 AV ヘッドエンドシステムと R&S®THU9 高出力 DVB-T2 の送信機で構築できます。
送信機のパートにおいては、ローデ・シュワルツは、送信機の TX9 生成を提案します。
R&S®THU9/R&S®THV9 高出力水冷送信機、R&S®TMU9/R&S®TMV9 中出力空冷送信機
です。TX9 シリーズは、市場で も高い電力効率を誇ります。(冷却システムを含む、ドハティ
モードで 大 38%) 電力クラスのモデルを表 3 に示します。
表 3 R&S®TX9 シリーズ 高出力、中出力送信機ラインナップ
RF 復調と HEVC デコード
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5 RF 復調と HEVC デコード UHDTV 送信の 後のパートは、TV・STB(セット・トップ・ボックス)受信機内で処理されます。
通常、屋上受信の場合、八木アンテナを用いて、DVB-T2 の RF 信号を受信し、75Ωのケー
ブルを介して、UHDTV に接続します。RF 復調器と HEVC デコーダは、テレビ受像機や
STB に実装されています。実験環境において、ネットワーク事業者は UHDTV コンテンツを
運ぶ、DVB-T2 の RF およびベースバンドの詳細な解析をしなければなりません。R&S®ETL TV 信号解析機は UHDTV サービスを含む DVB-T2 RF 信号を受信し、ベースバンドレベル
まで復調します。復調されて、MPEG-2 トランスポート・ストリームのフォーマットになった信号
は、次いで、ASI インタフェースを介して、GMIT®BMM-810 に供給されます。 GMIT®BMM-810 マルチ・モニタ・システムは、放送映像と音声サービスの監視と可視化のた
めのサーバベースのソリューションです。HDMI や DisplayPort インタフェースを介してテレビ
モニタまたは 4K プロジェクタに HEVC UHD サービスと出力信号を復号することができます。
(図 7)このユニットは、4K 解像度で 大 4 つの HEVC ストリームを同時にデコードできます。
図.7 R&S®ETL TV 信号解析機と GMIT®BMM-810 を使用して、DVB-T2 RF 復調し、リアルタイム HEVC デコード
および 4K モニター画面上で画像を表示
6 まとめ 大きなスポーツイベントを控え、テレビの大画面・高解像度化の傾向と、UHD 4K コンテンツ
配信が現実のものになりつつあります。従来より、はるかに高いデータレートの取り扱いと処
理が必要になり、空間的および時間的、両方の情報量の増加は、放送事業者に新たな課題
をもたらします。 伝送容量に限界がある地上ネットワークを利用する場合、UHDTV コンテンツの配信は、さら
に困難になります。本稿の中で、ローデ・シュワルツの UHD 4K の収録から受信まで(End-to-End)のソリューションを利用して、4K コンテンツが、収録から、送出、圧縮・多重化、DVB-T2 SFN ネットワークを経由して家庭への TV へ配信するまで実現できることを、説明してま
いりました。 この作業は、韓国の主要放送局の技術的要求事項を反映した、実際のテストケースのシナリ
オに基づいています。
参照ツール、資料、文献
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7 参照ツール、資料、文献 [Sony reference] http://pro.sony.com/bbsccms/assets/files/show/highend/pdf/Sony_Cinealta_Family_Brochure.pdf [ITU-R BT.2020] http://www.itu.int/dms_pubrec/itu-r/rec/bt/R-REC-BT.2020-0-201208-I!!PDF-E.pdf [Nordig reference] http://www.nordig.org/pdf/NorDig-Unified_Test_Specification_ver_2.2.2.pdf [Video bitrate calculator reference] web.forret.com/tools/video_fps.asp
8 オーダー情報
型番 品名 オーダー番号
R&S®Clipster 4K 対応 DI ワークステーション 2900.8560.00
R&S®AVHE100 HEVC 対応 AV ヘッドエンドシステム 5301.8000K12
R&S®THU9 高出力水冷送信機 2109.9010K02
R&S®ETL TV 信号解析機 2112.0004.13
GMIT®BMM-810 HEVC 対応マルチ・モニタ・システム BMMHWSYS4K
ローデ・シュワルツについて ローデ・シュワルツ・グループ(本社:ド
イツ・ミュンヘン)は、エレクトロニクス
分野に特化し、電子計測、放送、無線通信
の監視・探知および高品質な通信システム
などで世界をリードしています。 約 80 年前に創業し、世界 70 カ国以上で販
売と保守・修理を展開している会社です。
ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社 本社/東京オフィス 〒160-0023 東京都新宿区西新宿 7-20-1 住友不動産西新宿ビル TEL:03-5925-1288/1287 FAX:03-5925-1290/1285 神奈川オフィス 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜 2-8-12 Attend on Tower 16 階 TEL : 045-477-3570 (代) FAX : 045-471-7678 大阪オフィス 〒564-0063 大阪府吹田市江坂町 1-23-20 TEK 第 2 ビル 8 階 TEL:06-6310-9651 (代) FAX:06-6330-9651 サービスセンター 〒330-0075 埼玉県さいたま市浦和区針ヶ谷 4-2-11 さくら浦和ビル 4 階 TEL:048-829-8061 FAX:048-822-3156 E-mail: [email protected] http://www.rohde-schwarz.co.jp/
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