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UMAP DISCOVERY CAMP 17Z1003Z 菅野博斗

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                UMAP DISCOVERY CAMP

                                                        17Z1003Z 菅野博斗

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UMAP DISCOVERY CAMP

・プログラム期間2018年7月22日〜8月4日

・開催国タイ (バンコク)

・参加国中国、韓国、日本、カザフスタン、ベトナム、インドネシア、フィリピン、タイ、台湾、マレーシア

・大学チュラロンコン大学バンコク大学キングモンクット工科大学トンブリー校

・スケジュール7月22日 到着23日   オープニングセレモニー

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24日   タイにおける言語と性。タイダンス。25日   タイの寺の歴史と芸術。ワットプー訪問26日   マングローブ植林体験27日   バンサイ芸術センター訪問。28、29日フリーデイ30日   “Green Me Up” の授業。グリーンツアリズムの授業。31日   タイ料理についての授業。タイクッキング(ソムタムとロッコーン)8月1日  自転車ツアー。廃棄物管理の授業2日    スタートアップの授業。そして企業精神とスタートアップのワークショップ3日    ファイナルプレゼンテーション4日    出発

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はじめに

今回私は UMAP(University Mobility in Asia and the Pacifi c)が主催する DISCOVERY CAMP 2018 in Thailand に参加した。UMAP (http://umap.org) とは 1991 年に創立されたアジア太平洋地域の繋がりを強化することを目的とした高等教育部門の団体である。このプログラムを通じて私は多くの人たちと出会い、その人たちから多くの知識を得たのでそれを書き示そうと思う。優秀な人たちと 2 週間共に過ごした経験は自分の今後を考える上で大きな刺激となった。

待遇

今回の UMAP は今まで参加した留学プログラムと大きく異なった。タイの BOOT プログラム (https://skipwise.chiba-u.jp/course/boot/index.html )、メキシコの PULI プログラム(http://design-cu.xsrv.jp/puli/)はどちらも二国間によるものだった。そのため自然とその国に興味がないと参加せず、受け入れ側も日本に関心のある人しか参加していなかったため自然と居心地の良い空間が作り上げられていた。しかも受け入れるという意識が強いのかよく歓迎してもらえた気がする。ただ今回は 40 人がそれぞれ 10 カ国から参加しているため、今まで参加したプログラムほど歓迎されているという感じではなかった。ただそれでも関係性は対等になって本当に友達になることができた気がしている。

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日本人

様々な国から学生が集まっていたので国籍はこのプログラムを通して強調されているように感じた。その中で私は ” 日本人 ” としての扱いを受けたわけだが、“ 日本人だから金持ってるでしょ ” が個人的に一番ショックだったステレオタイプである。 また自然と一緒にいる人は国で固まって行くなか、日本人グループだけは形成されなかった。

言語

自分は昨年から英語を使う機会を作り、英語力の向上を感じていたため英語に対する自信をつけ始めていたところだった。しかし、その自信はすぐに崩れた。今まで中国やタイの人の英語は聞いたことがあったが、初めて東南アジア圏の英語の癖に触れて困惑した。とても流暢なのだが、その国のアクセントがあり、なれるまでにかなりの時間を要した。気が付いたこととしては初めて聞く英語が聞き取れなかったことで自信を失ってしまったことがそのアクセントになれるまでこんなに時間がかかってしまったということ。言語を勉強していくのに自信は確実に必要だと感じた。どこの国の人も海外経験が多く、語学力が高かった。 また改めて中国語の強さを感じた。今回のプログラムの中で英語、タイ語に続いてやはり中国語はかなり使われていた。中国、台湾はもちろん、マレーシア(中国系)の人たちが使っていたため結構中国語を聞いた。やはり多少の違いはあるようだが理解できるらしい。中国語の授業を1ター

ムだけとって挫折したのが悔やまれる。

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ジェンダー

タイが性の多様性が多いのは知っていたが、他の東南アジアの国々も同様に多様だった。ただイスラム圏の国では生まれ持った性と異なった性別を持つことは許されておらず、捕まることもあるらしい。比較的性的マイノリティへ対する許容があると思っていたタイであっても、依然として家族や若くはない人たちは差別的な考えを持っている人もいるという。ただタイのほとんどのトイレは赤が女性、青が男性のように色によって示さず、同じ色でサインだけを変えて示していた。

宗教

宗教の話題になった場面があり、自分は神道と仏教を信じていると答えたが、恥ずかしながら神道をうまく説明することができなかった。イスラム教を信仰していた2人の男性は豚肉が食べられず、ベジタリアン用の食事をとって、お酒を飲まなかった。しかし驚きだったのが、今回参加したイスラム教を信じる人たちは、女性だったが誰 1 人としてヒジャブはつけておらず、豚肉を食べ、酔っ払わなければお酒を飲んでも大丈夫と言ってビールを飲んでいた。宗教も多様な形があることを学んだ。最近の世代は信仰心の薄い人が上の世代に比べて多いらしい。

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政治

マレーシアからの学生が言っていたのは、自分の親のような世代は日本をよく思っていないが自分も含め、自分たちの世代のほとんどは日本に好印象を抱いている。それは政府が歴史をちょっと作り変えて日本に対するイメージをよくしたからだと言っていた。実際のところはわからないが自国の歴史だけでなく、外交政策とかも知っておきたいと感じた。マレーシアでは政治的なことを口にするのは犯罪にあたるため、恐る恐る、少し楽しそうに話していた。それによって少し関係が悪化した人たちもいたが。マレーシアでは、今のマレーシアの大統領はネイティブ出身らしく、ネイティブに大してばかり手厚い保護をしているため、中国系マレーシア人の彼は今の大統領が嫌いと言っていた。 またタイでは王族のことを批判すると罰せられるが、タイ出身の学生は今のタイの王様をよく思っていないと言っていて驚いた。そう少なくない人たちが同じことを思っているらしい。 国ごとの軋轢などを実感することもあった。それが中国と台湾。最終日のファイナルプレゼンテーションのでそれぞれの国の正装で参加することになっていたのだが中国と台湾はお互いに気を配って伝統的な服を持ってきていなかったのだが、前日になって中国出身の人たちは台湾出身の人たちと同じ見た目になりたくないということで中国の伝統的な衣装を買っていた。台湾出身の人の中には、台湾の国旗と同じ色の服装をきている人もいた。

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カメラマン

このプログラムには専属のカメラマンが4人いて何かしらのアクティビティーを行う時には必ず同行して、鳥を撮影するためのようなカメラかつ特殊な機械を使ってで質の高い写真をたくさん取っていた。時々ドローンまでも使っていた。プロモーションのためだろうが、このプログラムの動画も編集してくれてとても感動した。カメラマンに数回インタビューを受けたが、毎回うまく答えられなかったのが心残り。なぜみんなあれほどまでにインタビュー慣れしているのかがわからなかった。

授業

マングローブの植林体験やスタートアップの授業など滅多に受けることのできない授業を受けることができた。その中でも環境保全に力を入れていた。”Green me up” の授業を行った教授からは様々な刺激を受けた。ドイツ出身の彼女は、一切プラスチックを使わない生活をしていた。コップやスプーン。フォークは持ち歩き、人工のシャンプーやリンスまでも使っていないと言っていた。スポンジの代わりに乾燥させた植物、シャンプーは除菌効果のある木ノ実のような自然にあるものを利用していた。タイで生活しているとペットボトルにストローをさして飲んだりと、特にプラスチック製品を使う機会が多いため、プラスチックを使わない生活をするには効果を実感しやすい場所かもしれないが、同時に日本でもプラスチックを極力使わない生活をすることはできる。

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まとめ

 タイに来るのは初めてではなく2回目だったため、今回はタイよりも参加者との日々をより楽しめた。違いを探すつもりはなくても自然と自分自身の日本で生まれ育って知らず知らずのうちに身につけてきた知識や行動基準に乗っ取って違いに気付かされていることを感じた。 今回の留学プログラムは “ お遊び留学 “ だったのかもしれない。確かにこのプログラムから学んだことはそう多くはないが、素晴らしい人たちとあって、その人たちからたくさんのことを学ぶことができた。こうゆうプログラムは大学に所属していないと参加できないプログラムであるから大学にいる意味をダイレクトに実感できる。自分よりも優秀な人たちと出会い、共に一つの課題を解決し、協力し、日々どんなことを考えながら生きているか話あうのはやはり旅行でなく、語学学校でもなく、留学ができる唯一のことだろう。そういった点では PULI は自分は一年の時に参加させてもらってかなりの刺激を受けた。これはデザインのプログラムでほとんどの人が学年が上だったため “ 先輩 ” の背中からたくさん学ばせてもらった。しかし今回はデザイン専攻の生徒だけではなく様々な分野を専攻している人たちと交流することができたのでかなり視野が広がった。中にはすでに二つの大学を卒業し、すでに働いている学生もいた。 こういった二週間のプログラムは本当に痛みを伴う。たった二週間という短い期間だが、その二週間という短さゆえに関係を深めることができ急に別れなければならない。今だに連絡を取り合えてるのは、幸せだと思う。 今回のプログラムに参加した学生はやはりみんなしっかりと自分を持っていて、とても魅力的だった。そういった人たちと出会い続けるには自分も同様に魅力的な人になっていくべきだと感じた。しかし、実際は千葉大学にいられることでゆるい、伸びきった生活を送っている。ただの金と時間の浪費である。GPA に注意しながら、そろそろ自分の課題と向き合い “ 大学生 ” に流されずに日々を送っていきたい。貴重な経験をすることができた。