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自動車業界の業界構造分析:PEST分析
1. PEST分析 PEST分析とは、マクロのレベルでの環境変化を分析するためのフレームワークであり、「Politics=政治的要因」、「Economics=経済的要因」、「Social=社会的要因」、「Technology=技術的要因」の頭文字をとったものである。これら 4つの分野にマクロ環境を分割して、自社が受ける影響を分析していく手法のことである。では、具体的に
どのような項目があるかをまとめる。
Politics=政治的要因この要因となるのが法規制や国会や政府の動きであり、動向次第でその業界の規則を変え
てしまう可能性がある。
例)消費税の引き上げが自社にどのような影響を与えるのか。
Economics=経済的要因この要因となるのが経済成長率や個人消費の動向、株価や金利、為替相場の推移などとい
った日本経済あるいは、世界経済の動き。
例)日々変動する為替相場において、輸出入企業に対してのどのような影響を与えるのか。
Social=社会的要因この要因となるのが人口動態つまり高齢化の動きや消費者のライフスタイル、トレンド
など社会と強いつながりをもつために、市場の需要構造に関連してくる。
例)少子高齢化などの社会問題が自社のビジネスに与える影響はどのようなものか。
Technology=技術的要因この要因となるのが技術革新の動きや新しい技術への投資である。
例)最新の技術を自社のビジネスに取り入れることができるのか、またそれを取り入れ
た際にはどのような影響があるのか。
2. 過去、現在、未来の自動車業界に影響していた要素は何か。 ①過去に影響していた要素
・エコカー減税
エコカー減税・補助金導入後の4月以降の乗用車の販売台数の持ち直し。(図参照)
・高度経済成長期
道路整備、高速道路の設置、平均年収の増加
・オイルショック
原油価格の高騰のため燃費効率の高い日本車が海外でも人気を得る
・技術力の進歩
②①の結果を踏まえて、自動車業界環境の現状を整理してみる。
・環境対応車に対しての税制優遇
・円高傾向
海外市場での収益悪化
・世界全体の経済不況
・国内人口の減少と世界人口の上昇
・環境問題で環境対応車に対して関心が集まる
・EVやHVなどの環境対応車の生産拡大
・リチウンイオン電池の低コスト化実現
③今後の自動車の業界環境に及ぼす影響を整理してみる。
・原油不足や先進環境対応車への転換によるエネルギー源の転換
・リチウンイオン電池などの動力源の充電環境の充実
・世界人口の増加
海外での自動車需要の伸びが予測される
・国内人口の構造変化
少子高齢化、ユーザー予備軍である 0~14歳の比率の低下
・大都市などの公共交通機関の充実
必ずしも自動車が必要ではなくなる
・エコカー減税の終了
環境対応車の販売台数の減少
図1 分析シート
時間 P:政治・法律的要因 E:経済的要因 S:社会的要因 T:技術的要因・自動車製造事業法 ・高度経済成長期 ・平均年収の増加 ・燃費効率の高い自動車・国外企業への制限 ・オイルショック ・人口の増加・輸入車の制限 ・米との貿易摩擦・排ガス規制
・エコカー減税・免税 ・円高傾向 ・人口の減少 HV・・エコカー補助金 ・若者の自家用車所有減 EV・ETC・ 割引制度 日産ではマーチを逆輸入 ・エネルギー源の転換・高速道路無料化(試験) ・クリーンディーゼル車
5・ユーロ の適用日産はリーフを発売
・エコカーなどの環境対応・円高傾向(継続か) ・国内人口の減少 EV・車への税金の優遇策 ・国外人口の増加 PHV・ETC・ 割引制度継続 ・若者の自家用車所有減・高速道路無料化 日産ではリーフ
6・ユーロ の適用
国内自動車産業の誕生時は産業全体の拡大のために保護政策が取られていた。保護政策に加えて業界全体に有利な経済的要因が作用し国内自動車産業は大きく成長した。現在は円高、国内人口の減少など、国内自動車産業においてはマイナスの要因が多くあげられる。今後もこの要因が影響を与え続け、国内自動車産業の規模は縮小していくとみられる。その一方で国外の人口は増加しており、それに伴い自動車の需要も増加していくだろう。今後は人口の増加の見込みのある国々が主要な市場になると見られる。技術的要因では常に燃費効率、環境への配慮が求められている。人口の増加が見込まれる新興国市場と環境対応車が今後の自動車業界のキーワードと言える。
PEST自動車業界の 分析シート
過去
現在
未来
上記の項目を整理すると次のようなことがいえる