vol 66 - 科学の目でコープスの品質と安全を支える|...

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コープこうべ商品検査センター 検索 くろまとのバックナンバーや商品Q&Aはこちらから 2018. 1 Vol . 66 ホームページ 新しくなりました! ホームページ 新しくなりました! ホームページ 新しくなりました! ホームページ 新しくなりました! ホームページ 新しくなりました! コープこうべ 商品検査センター発行 発行/2018年1月  印刷/㈱甲南堂印刷  イラスト/涌嶋 克己 〒658 - 0081 神戸市東灘区田中町5丁目3 - 20 TEL(078)453 - 0116 商品検査センターの情報を皆さんに伝える 2018. 1 冬号 Vol . 66 商品検査センターでは、「安心できる商品がほしい」という組合員の声にこたえて、食品添加物や 残留農薬、微生物など、 「気になるさまざまな物質をはかる」 取り組みを行ってきました。 そして、そのような「気になる物質」だけでなく、組合員の「健やかな食生活」に貢献するため、 「なにをどれだけ食べたかはかる」 取り組みも行ってきました。 私たちは、食べものや飲みものから、生きるために必要な栄養素をとって生きています。 どのような栄養素が不足しているのか、あるいはとり過ぎているのかを知ることは、健康でいき いきと暮らすためにとても大切なことです。 今号では、3回シリーズの「商品検査センターの50年」のしめくくりとして、健やかな食生活をめ ざして商品検査センターが取り組んできたことをご紹介したいと思います。 商品検査センター50 その 3 「くろまと」のネーミングの由来は、分析機器クロマトグラフからです。 「商品検査センターの50年」3部作は、 今号で終了です。 今年度は、昔の「協同」をひっぱり出したり、開設当時を 知る大先輩からお話を伺ったりし、そのたびに「そんなこ とがあったんだ」 「こんなこともしてたんだ!」と、驚いたり 感心したりの連続でした。昔の出来事を詳しく書こうとす ると、どうしても文章が硬く難しくなります。これまでお 付き合いいただき、ありがとうございました。 (M) 編集後記 健やかな 食生活をめざして すこ 1 過去1ヶ月に 食べたものを 思い出して、 BDHQ質問票に 記入します。 2 回収された 質問票は 解析され、結果が 返送されます。 3 結果は「青・黄・赤」などで 表され、食生活の問題が 一目でわかるように なっています。 家庭で使用頻度の高いみそは、さまざまな種類のものが ありましたが、甘辛表示もなく指標もありませんでした。 そこで、みその成分検査 と官能検査を実施し、その結果 より、「辛」 「中辛」 「中甘」 「甘」 「甘白」の5段階に分類。店舗で 取り扱っているみそ27品目全部に甘辛表示を実施し、組合 員が購入する際の目安にしてもらうことにしました。 こんな 取り組みも… 『みそ 甘辛表示』 を実施 1980年3月4日 協同 BDHQ取り組み手順 2017年~ BDHQ質問票を 活用した食生活の見直し BDHQとは、東京大学大学院教授佐々木敏さんが開発した 簡易型自記式食事歴法質問票です。 コープこうべは、この質問票にたくさんの方が取り組み、 食生活の改善につなげていただくことをめざしています。 BDHQ なぁに って お詫び くろまと65号(2017年10月発行)の記事に 誤りがありました。お詫びし、訂正いたします。 この機器を取り扱うには、放射線取扱主任者とい う資格が必要。仕事のかたわら、 神戸学院大学 に通って取ったんですよ。 神戸学院大学 神戸薬科大学 当時の検査員のつぶやき ※成分検査は、直接還元糖と塩分について実施。

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Page 1: Vol 66 - 科学の目でコープスの品質と安全を支える| …kensa.coop-kobe.net/chromato66.pdfこの調査結果は、第35回日本栄養 食糧学会総会(1981年)で

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.1Vol.66

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コープこうべ

商品検査センター発行

発行/2018年

1月  印刷/㈱甲南堂印刷  イラスト/涌嶋 克己

〒658 -0081 神

戸市東灘区田中町5丁目3 -20 

TEL(078)453 -0116

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商品検査センターの情報を皆さんに伝える 2018.1

冬号Vol.66

 商品検査センターでは、「安心できる商品がほしい」という組合員の声にこたえて、食品添加物や残留農薬、微生物など、「気になるさまざまな物質をはかる」取り組みを行ってきました。 そして、そのような「気になる物質」だけでなく、組合員の「健やかな食生活」に貢献するため、「なにをどれだけ食べたかはかる」取り組みも行ってきました。 私たちは、食べものや飲みものから、生きるために必要な栄養素をとって生きています。 どのような栄養素が不足しているのか、あるいはとり過ぎているのかを知ることは、健康でいきいきと暮らすためにとても大切なことです。 今号では、3回シリーズの「商品検査センターの50年」のしめくくりとして、健やかな食生活をめざして商品検査センターが取り組んできたことをご紹介したいと思います。

商品検査センターの50年 その3

「くろまと」のネーミングの由来は、分析機器クロマトグラフからです。

「商品検査センターの50年」3部作は、今号で終了です。 今年度は、昔の「協同」をひっぱり出したり、開設当時を知る大先輩からお話を伺ったりし、そのたびに「そんなことがあったんだ」「こんなこともしてたんだ!」と、驚いたり感心したりの連続でした。昔の出来事を詳しく書こうとすると、どうしても文章が硬く難しくなります。これまでお付き合いいただき、ありがとうございました。 (M)

編 集 後 記

健やかな食生活をめざして

すこ

1 過去1ヶ月に食べたものを思い出して、BDHQ質問票に記入します。

2 回収された質問票は解析され、結果が返送されます。

3 結果は「青・黄・赤」などで表され、食生活の問題が

一目でわかるようになっています。

 家庭で使用頻度の高いみそは、さまざまな種類のものがありましたが、甘辛表示もなく指標もありませんでした。 そこで、みその成分検査※と官能検査を実施し、その結果より、「辛」「中辛」「中甘」「甘」「甘白」の5段階に分類。店舗で取り扱っているみそ27品目全部に甘辛表示を実施し、組合員が購入する際の目安にしてもらうことにしました。

昔はこんな取り組みも

『みその甘辛表示』を実施

1980年3月4日 協同

BDHQの取り組み手順

2017年~

BDHQ質問票を  活用した食生活の見直し

BDHQとは、東京大学大学院教授佐々木敏さんが開発した簡易型自記式食事歴法質問票です。コープこうべは、この質問票にたくさんの方が取り組み、食生活の改善につなげていただくことをめざしています。

BDHQ なぁにって

お 詫 びくろまと65号(2017年10月発行)の記事に誤りがありました。お詫びし、訂正いたします。

この機器を取り扱うには、放射線取扱主任者という資格が必要。仕事のかたわら、神戸学院大学に通って取ったんですよ。

誤 神戸学院大学 正 神戸薬科大学

当時の検査員のつぶやき

※成分検査は、直接還元糖と塩分について実施。

Page 2: Vol 66 - 科学の目でコープスの品質と安全を支える| …kensa.coop-kobe.net/chromato66.pdfこの調査結果は、第35回日本栄養 食糧学会総会(1981年)で

この調査結果は、第35回日本栄養食糧学会総会(1981年)で発表され、高い評価を得ました。

Vol.66 2018.1コープこうべ商品検査センター

2 3Vol.66 2018.1コープこうべ商品検査センター

1980年1980年 高齢化社会の到来や肥満の増加など、健康への関心が高まり、組合員から「加工食品の栄養成分を知りたい」という声が多く寄せられるようになりましたが、当時、日本には栄養表示の基準がなく、参考にできるものがありませんでした。 商品検査センターでは、消費者が「知って」「選択」するためには、栄養表示が必要だと、試行錯誤して基準を作成。その後、コープ商品を中心に栄養表示が広がっていきました。 国が表示の取り組みを始めたのは6年後の1986年から、全加工食品に表示を義務付けたのは2015年からです。

1962年、アメリカの故・ケネディ元大統領が「消費者の4つの権利」を議会に提出しました。その中には、「知らされる権利」「選ぶ権利」があります。商品検査センターでは、商品を「知って」「選択」するために、さまざまな情報の提供を行ってきました。

食生活に対する漠然とした不安があっても、実態を知り、問題を明らかにすることは容易ではありません。

そこで、組合員が、実際になにをどれだけ食べているのかを知るために、食生活の実態調査を行いました。

国の制度に先行して栄養表示を開始

1981年1981年

 当時、食べものや食品添加物からのリンのとり過ぎやカルシウム不足を心配する組合員の声が多く寄せられていました。そこで、実態調査を行ってみようと、機関紙「協同」でご協力いただける組合員を募集。たくさんの応募の中から、地域・家族構成を考慮して25世帯を選びました。調査の方法は、調査対象者25人が実際に食べた連続4日間の食事をまるごと持ち帰り、1食ごとに分析を行いました。このように、実際に食生活を分析した実態調査は、当時としては画期的なものでした。  調査の結果、リンのとり過ぎより、圧倒的にカルシウムの不足が問題だとわかりました。

 実態調査の結果と栄養学の基礎知識、コープ商品の栄養表示などを掲載しました。

 1981年版の続編として、基礎知識やメニューを掲載した「これだけ知ってる?編」と実態調査としての「どれだけできてる?編」を発行しました。

1982年1982年 1994年1994年『転ばぬ先のカルシウム』続編を発行

1983年1983年

 当時、健康食品と銘打って販売されている食品は約2,000種類、年間売上高は5,000億円にのぼると言われていました。 そこで、組合員が中身のわからない高価な「健康食品」ではなく、科学に基づいた商品選択ができるよう、自主基準を作成。「食塩や脂肪などとり過ぎがちな成分を減らし、カルシウムや食物繊維など不足気味な成分を添加した食品など」を「健康志向食品」と定義し、検査を経て基準を満たした商品を「コープの健康志向食品」として認定し、1986年時点で86品目が開発・認定されました。

「健康食品」ブームを背景に「健康志向食品の規格・基準」を作成

「コープの健康志向食品」とは、一定の基準に基づきコープが認定した食品で、胚芽ロールや、甘蔗糖、しままぁす(食塩)などが認定されました。現在、この制度はありません。

初めての食生活実態調査を実施

   『転ばぬ先のカルシウム』を発行レポート

2度目の食生活実態調査を、日本生活協同組合連合会と共同で実施

   『何を食べるのどれだけ食べるの』を発行レポート

食生活の問題を探る取り組み

食生活の問題を探る取り組み

商品を「知って」「選択」するための情報の提供商品を「知って」「選択」するための情報の提供

1985年9月1日 協同灘神戸生協初の栄養表示

当時はクール宅配便も

なかったので、家庭の冷蔵庫に保管いただいた食事を一軒一軒回収にまわりました

1986年1月1日 協同

1981年2月に供給開始した「赤だし」(みそ)

検査員によるみそ汁の試飲の結果、お椀一杯分として最も好まれた18g(大さじ 1)を1食分としました

最初はガラガラだった

教室が、発表直前には満室に

なりました。それだけ関心の

高い内容だったのですね